(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
図1は、缶体に印刷を行う印刷機1の一例を模式的に示した図である。
本実施形態の印刷機1は、デジタルの画像情報に基づき筒状体の一例としての缶体10に対して画像を形成する印刷機である。ここで、画像形成装置の一例としてのこの印刷機1には、不図示の缶体製造工程にて製造された缶体10を順次搬送する缶体搬送機構100、缶体搬送機構100により搬送されてきた缶体10の外周面に対する画像の形成を行いながらこの缶体10を移動させる缶体移動機構200、缶体移動機構200によって画像が形成された缶体10を搬送する第1搬送装置300が設けられている。
【0014】
また、印刷機1には、第1搬送装置300により順次搬送されてくる缶体10を加熱する加熱装置400、加熱装置400により加熱された缶体10の外周面に対して(缶体10に形成された画像の上に)予め定められた塗料を塗布する塗布装置500が設けられている。また、加熱装置400により加熱され且つ塗布装置500により塗料が塗布された缶体10を下流側へさらに搬送する第2搬送装置600、第2搬送装置600により搬送されてきた缶体10を更に下流側へ搬送する第3搬送装置700が設けられている。
【0015】
また、印刷機1には、この印刷機1に設けられた各装置、各機構部の制御を行う制御部900が設けられている。なお、第3搬送装置700よりも缶体10の搬送方向における下流側には、缶体10に形成された画像および缶体10に塗布された塗料をこの缶体10に焼き付ける焼き付け装置(不図示)が設けられている。
【0016】
ここで、缶体搬送機構100は、缶体10の重さを利用することで、下方に位置する缶体移動機構200に対して缶体10を搬送する。また、缶体搬送機構100は、上下方向に沿って設けられるとともに缶体10の移動経路の両側方に設けられた案内部材110を備え、この案内部材110を用いることで、缶体移動機構200に対し缶体10を搬送する。
【0017】
缶体移動機構200には、円盤状に形成され且つ図中時計回り方向に回転する回転部材210が設けられている。また、缶体移動機構200には、この回転部材210の外周縁に設けられ、缶体搬送機構100により順次搬送されてくる缶体10を保持し、この缶体10と共に移動するとともに、保持したこの缶体10の外周面に対して画像を形成する画像形成ユニット220が設けられている。
【0018】
画像形成ユニット220は、上記のとおり、回転部材210の外周縁に設けられている。また、画像形成ユニット220は、複数(本実施形態では20個)設けられるとともに、回転部材210の外周縁に沿って並んで配置されている。さらに、複数設けられた画像形成ユニット220の各々は、回転部材210の周方向において、等間隔で配置されている。
【0019】
図2は、缶体移動機構200を拡大して示した図である。
同図に示すように、また、上記にて説明したように、本実施形態の缶体移動機構200には、円盤状に形成され且つ図中時計回り方向に回転する回転部材210が設けられている。また、回転部材210の外周縁に、缶体10を保持するとともにこの缶体10の外周面に対して画像を形成する画像形成ユニット220が設けられている。
【0020】
ここで画像形成ユニット220について詳細に説明する。
本実施形態における画像形成ユニット220は、円盤状に形成されるとともに中心部を回転中心として回転可能な回転テーブル221が設けられている。また、本実施形態では、回転テーブル221の中心部に、回転テーブル221から突出して設けられ(図中手前側に突出して設けられ)、缶体10を保持する保持部材(マンドレル)222が設けられている。
【0021】
ここで本実施形態では、筒状に形成された缶体10の一方端に形成された開口を通じて缶体10の内部に保持部材222が挿入され、この保持部材222によって缶体10の内側から缶体10が支持されるようになる。
また、本実施形態の画像形成ユニット220では、保持部材222の周囲に、保持部材222によって保持され、また、この保持部材222によって回転される缶体10の外周面に対してインクを吐出するインク吐出装置223が複数設けられている。付言すると、本実施形態では、保持部材222の周囲に、いわゆるインクジェット方式によって缶体10に対して画像を形成するインク吐出装置223が複数設けられている。
【0022】
ここで、画像形成部として機能するインク吐出装置223の各々には、互いに異なる色のインクが収容されている。また、インク吐出装置223の各々は、保持部材222を取り囲むように配置されている。さらに、インク吐出装置223の各々は、長尺状に形成されている。さらに、このように長尺状に形成されたインク吐出装置223は、円盤状に形成された回転テーブル221の中心部から外周縁に向かうように配置されている。さらに、インク吐出装置223の各々は、回転テーブル221の中心部を中心として放射状に配置されている。付言すると、保持部材222を中心として放射状に配置されている。
【0023】
また、本実施形態では、
図2に示すとおり、インク吐出装置223が保持部材222よりも下方に配置されないようになっている。付言すると、インク吐出装置223は、保持部材222の上方若しくは保持部材222の側方に配置されている。このように、保持部材222の上方若しくは側方にインク吐出装置223が設けられる場合、インク吐出装置223のインク吐出ヘッド(不図示)が、下方若しくは横方向(水平方向)を向くようになり、インク吐出ヘッドに塵などが付着しにくくなる。
【0024】
また、本実施形態では、回転部材210に対して回転テーブル221が回転できるようになっている。また、本実施形態では、
図2に示すように、回転部材210の回転に伴い画像形成ユニット220が移動したとしても、回転テーブル221が図中反時計回り方向に回転し、画像形成ユニット220の姿勢に変化が生じないようになっている。
【0025】
ここで、本実施形態では、
図1に示すモータM等で回転テーブル221を反時計回り方向に回転させることで、画像形成ユニット220の姿勢を保つようにしているが、回転テーブル221の下部に不図示の錘を取り付けることなどにより、回転テーブル221の重心の位置を偏心させ、この重心の偏心によって、画像形成ユニット220の姿勢を一定に保ち、画像形成ユニット220の姿勢の変化が生じないようにすることもできる。なお、
図1では、モータMを1つのみしか図示していないが、モータMは、複数の画像形成ユニット220の各々に対応するように複数設けられている。
【0026】
ここで、画像形成ユニット220の姿勢が変化する場合は、インク吐出装置223のインク吐出ヘッドが上方を向くようになってしまう。そしてこの場合、インク吐出ヘッドに塵などが付着しやすくなる。また、画像形成ユニット220の姿勢が変化する場合、インク吐出装置223の姿勢も変化するようになる。そしてこの場合、缶体10に付着するインクの量が変動したりインクの付着位置がずれるようになったりするおそれがある。このため、本実施形態では、上記のように、画像形成ユニット220の姿勢を一定の姿勢に保つようにしている。
【0027】
図3(画像形成ユニット220を説明するための図)を参照し、画像形成ユニット220について更に説明する。なお、同図(A)は、画像形成ユニット220の正面図である。また、同図(B)は、同図(A)における矢印IIIB方向から画像形成ユニット220を眺めた場合の図であり、同図(C)は、同図(A)における矢印IIIC方向から画像形成ユニット220を眺めた場合の図である。
【0028】
ここで、缶体10には様々な種類が存在し、缶体10の種類によっては外径が異なるようになる。このため本実施形態では、インク吐出装置223が保持部材222に対して進退できるようになっている。付言すると、保持部材222(缶体10)に対してインク吐出装置223が接近可能なように、また、保持部材222からインク吐出装置223が離れることができるように、画像形成ユニット220は構成されている。また、本実施形態では、
図3(A)に示すように、リニア・アクチュエータなどにより構成され、インク吐出装置223を保持部材222に対して進退させる進退機構250が設けられている。
【0029】
また、本実施形態では、
図3(B)に示すように、回転テーブル221の裏側に取り付けられ、保持部材222を周方向に回転させるサーボモータM1が設けられている。本実施形態では、缶体10を保持した保持部材222がこのサーボモータM1により回転される。これにより缶体10が周方向に回転する。その一方で、インク吐出装置223の各々から缶体10の外周面に対してインクが吐出される。これによって、缶体10の外周面に画像が形成される。
【0030】
なお、上記では説明を省略したが、本実施形態では、印刷機1(
図1参照)の奥行き方向において、缶体移動機構200よりも手前側に、「ポケット」とよばれる、缶体10を一時的に受け取るホルダHが設けられている(
図1には表示省略、
図3(C)参照)。このポケット(ホルダH)は、画像形成ユニット220と一緒に、缶体移動機構200の手前側を移動する。
【0031】
ここで、本実施形態では、缶体10は、缶体搬送機構100から搬出され、一旦、ポケットに載せられる。ポケットの奥側には、画像形成ユニット220に設置された保持部材222がある。また、本実施形態では、ポケットに置かれた缶体10の中心と保持部材222の中心とが一致するように構成されている。ここで、本実施形態では、不図示の押し出し部材によって、缶体10が保持部材222に向けて押し出される。これにより、缶体10はポケット上を滑るように保持部材222側に移動し、缶体10に保持部材222が挿入され、缶体10は保持部材222により保持される。
【0032】
ここで、缶体移動機構200にて缶体10への画像形成がなされる際には、まず、缶体搬送機構100から缶体移動機構200へ缶体10が順次供給され、缶体10が保持部材222により保持される。また、インク吐出装置223の各々から、インクが吐出される。付言すると、本実施形態では、複数のインク吐出装置223から同時にインクが吐出される。
【0033】
そして、缶体10の回転が開始されてから缶体10が約360°回転した状態となると(缶体10が約1周すると)、サーボモータM1の回転が停止される。また、インク吐出装置223によるインクの吐出も停止される。これにより、缶体10の外周面に且つ全周に亘り画像が形成された状態となる。その後、この缶体10は、缶体移動機構200の下流側に配置された第1搬送装置300へ受け渡される。その後、この缶体10は、加熱装置400、塗布装置500、第2搬送装置600、第3搬送装置700を経由して更に搬送された後に印刷機1の機外に排出される。
【0034】
なお、実施形態では、缶体10が缶体移動機構200に投入されてからこの缶体移動機構200から排出されるまで(第1搬送装置300へ缶体10が受け渡されるまで)の間に、缶体10が約360°回転するようになっている。また、本実施形態では、複数設けられた画像形成ユニット220に対して缶体10が順次投入され、一つの画像形成ユニット220ではなく、複数の画像形成ユニット220にて、缶体10に対する画像形成が行われる。
【0035】
ここで、保持部材222について更に説明する。
図4は、保持部材222を説明するための図である。なお、同図(B)は保持部材222の軸方向に沿う面であって保持部材222の軸心を通る面における保持部材222の断面図であり、同図(A)は同図(B)のIVA−IVA線における断面図である。
【0036】
支持部材、筒状体支持部材として機能する本実施形態の保持部材222には、同図(A)、(B)に示すように、筒状に形成された保持部材本体410が設けられている。ここで、支持部材本体の一例としてのこの保持部材本体410は、外周面の断面形状が円形となるように形成されている。また、保持部材本体410には、同図(B)に示すように、円筒状に形成された筒状部411、保持部材本体410の先端に位置するとともに円環状に形成され且つ筒状部411の外周面から径方向に突出するように設けられた突出部412が設けられている。
【0037】
また、本実施形態の保持部材222では、同図(B)に示すように、保持部材本体410の外側に、第1筒状部材420が設けられている。ここで、この第1筒状部材420は、円筒状に形成されている。また、第1筒状部材420は、軸方向に沿って形成され且つ軸心を通るように形成された貫通孔421を有している。ここで、本実施形態では、この貫通孔421に対して保持部材本体410が通されることで、保持部材本体410に対して第1筒状部材420が取り付けられた状態となっている。
【0038】
さらに、本実施形態では、第1筒状部材420を挟み突出部412が設けられている側とは反対側に、第2筒状部材430が設けられている。付言すると、保持部材本体410の根元側に、第2筒状部材430が設けられている。この第2筒状部材430は、第1筒状部材420と同様に、円筒状に形成されている。また、第2筒状部材430は、軸方向に沿って形成され且つ軸心を通るように形成された貫通孔431を有している。ここで、本実施形態では、第1筒状部材420と同様、貫通孔431に対して保持部材本体410が通されることで、保持部材本体410に対して第2筒状部材430が取り付けられた状態となっている。
【0039】
また、本実施形態では、円環状に形成されるとともに突出部412と第1筒状部材420との間に配置され、保持部材本体410の軸方向に沿って移動可能な第1移動部材440が設けられている。また、同じく円環状に形成され、且つ、第1筒状部材420と第2筒状部材430との間に配置され、保持部材本体410の軸方向に沿って移動可能な第2移動部材450が設けられている。
【0040】
また、本実施形態では、突出部412と第1移動部材440との間に、保持部材本体410の外周面を取り囲むように配置されるとともにゴムなどの弾性体により形成された第1リング状部材460が設けられている。付言すると、本実施形態では、突出部412と第1移動部材440との間に、保持部材本体410の外周面に巻き付くように設けられた第1リング状部材460が設けられている。ここで、本実施形態の第1リング状部材460は、保持部材本体410に対して一周り巻き付いた状態となっている。さらに説明すると、本実施形態では、保持部材本体410の先端部側に円環状の第1リング状部材460が設けられた構成となっている。
【0041】
また、本実施形態では、第2移動部材450と第2筒状部材430との間にも、保持部材本体410の外周面を取り囲むように配置されるとともにゴムなどの弾性体により形成された第2リング状部材470が設けられている。付言すると、本実施形態では、第1リング状部材460よりも保持部材本体410の根元側に、第2リング状部材470が設けられた構成となっている。さらに説明すると、本実施形態では、保持部材本体410の軸方向における位置が互いに異なるように、第1リング状部材460および第2リング状部材470が設けられた構成となっている。なお、第1リング状部材460および第2リング状部材470は、いずれも、円環状に形成され継ぎ目がない状態で形成されている。
【0042】
なお、突出部412の外周縁であって第1移動部材440に対峙する箇所には、保持部材本体410の周方向に沿うように形成された凹部412Aが形成されており、第1の変形部材の一例としての第1リング状部材460は、この凹部412A内に配置されている。また、第2筒状部材430の外周縁であって第2移動部材450に対峙する箇所にも、第2筒状部材430の周方向に沿う凹部430Aが形成されており、第2の変形部材の一例としての第2リング状部材470は、この凹部430A内に配置されている。
【0043】
また、本実施形態では、第1筒状部材420のうちの第1移動部材440が設けられている側の端部であって且つ第1筒状部材420の内周面側に、第1凹部426が形成され、第1移動部材440は、一部がこの第1凹部426に収まるように設けられている。また、第1筒状部材420のうちの第2移動部材450が設けられている側の端部であって且つ第1筒状部材420の内周面側に、第2凹部427が形成され、第2移動部材450は、一部がこの第2凹部427に収まるように設けられている。
【0044】
また、本実施形態では、第1移動部材440の外周面(第1筒状部材420の内周面に対峙する箇所)、および、第1移動部材440の内周面(保持部材本体410の外周面に対峙する箇所)に、ゴム製のOリング480(481、482)が設けられている。また、第2移動部材450の外周面(第1筒状部材420の内周面に対峙する箇所)、および、第2移動部材450の内周面(保持部材本体410の外周面に対峙する箇所)にも、ゴム製のOリング480(481、482)が設けられている。
【0045】
また、本実施形態では、保持部材本体410に設けられた筒状部411の内部に、不図示のコンプレッサーなどから送られてきた圧縮空気が供給される孔部413が設けられている。ここで、この孔部413は、筒状部411の軸方向に沿って配置され且つ筒状部411の中心部を通るように設けられている。また、この孔部413は、断面が円形となるように形成されている。さらに、本実施形態では、この孔部413から保持部材本体410の外周面に向かうように形成された貫通孔414が設けられている。なお、
図4(B)では、二つの貫通孔414を表示しているが、貫通孔414は、保持部材本体410の周方向において90°おきに配置され、合計で4つ設けられている。
【0046】
また、本実施形態では、第1筒状部材420に、貫通孔414に接続するように設けられるとともに第1筒状部材420の径方向に沿うように配置され、貫通孔414から送られてきた圧縮空気が通る第1通気孔422Aが設けられている。また、第1筒状部材420には、第1通気孔422Aを始点として第1移動部材440に向かうように形成された第2通気孔422B、第1通気孔422Aを始点として第2移動部材450に向かうように形成された第3通気孔422Cが形成されている。なお、この第1通気孔422A〜第3通気孔422Cの各々も、保持部材本体410の周方向において90°おきに配置され、合計で4つ設けられている。
【0047】
図5は、保持部材222の内部の動きを説明するための図である。
ここで、本実施形態では、缶体10の内部に保持部材222が挿入されると、保持部材本体410に形成された孔部413に対して圧縮空気が供給される。これにより、貫通孔414、第1通気孔422A〜第3通気孔422Cにも圧縮空気が供給される。そしてこの場合、本実施形態では、同図(A)における矢印5Aに示す方向に向かって(突出部412に向かって)第1移動部材440が移動するようになる。
【0048】
これにより、第1リング状部材460が、突出部412と変形手段の一部として機能する第1移動部材440とにより押圧されるようになり、同図(B)に示すように、第1リング状部材460が弾性変形を行う。付言すると、第1リング状部材460の外周径(外径)が大きくなるように第1リング状部材460が弾性変形を行う。
【0049】
そして、この場合、第1リング状部材460の外周面が缶体10の内周面に接触しこの内周面が第1リング状部材460により押圧されるようになる。付言すると、本実施形態では、その断面形状が楕円となるように第1リング状部材460が弾性変形を行うとともに、楕円の長辺方向の一部が缶体10の内周面に接触するように、第1リング状部材460が弾性変形を行う。さらに説明すると、第1リング状部材460のうちの缶体10の内周面に対峙している対峙部位がこの内周面に向かうように、第1リング状部材460は弾性変形を行う。
【0050】
なお、図示は省略するが、第2リング状部材470(
図4参照)も同様であり、圧縮空気が供給されると、第2移動部材450と第2筒状部材430とにより第2リング状部材470が押圧され、外周径が大きくなるように第2リング状部材470は弾性変形を行う。そして、この場合、第2リング状部材470の外周面が缶体10の内周面に接触し、この内周面が第2リング状部材470により押圧される。
【0051】
ここで、本実施形態の構成では、缶体10の内部に保持部材222が入り込み缶体10の保持が行われるが、缶体10への保持部材222への挿入を可能にするため、缶体10の内径よりも保持部材222の外径の方が小さくなるように、缶体10および保持部材222は形成されている。ところで、この場合、保持部材222の外周面と缶体10の内周面との間に生じる隙間などに起因し、缶体10の外周面とインク吐出装置223(
図3参照)との離間距離が変動するおそれがある。
【0052】
付言すると、保持部材222の外周面と缶体10の内周面との間に隙間がある場合、この隙間の大きさは一定ではなく缶体10の周方向において異なりやすくなる。かかる場合、缶体10とインク吐出装置223との離間距離が、缶体10の回転に応じて変動するようになる。そしてこの場合、缶体10に形成される画像に歪みが生じるなど形成される画像の質が低下するおそれがある。
【0053】
このため、本実施形態では、上記のように、第1リング状部材460および第2リング状部材470によって缶体10を支持する構成としている。この場合、保持部材222(保持部材本体410)の軸心から等距離の位置に缶体10の外周面が位置する可能性が高まり、缶体10とインク吐出装置223との離間距離の変動に伴う画質の低下が起きにくくなる。
【0054】
なお、缶体10と保持部材222との間に間隙が形成される場合であっても、オフセット印刷など、缶体10を介して保持部材222に印刷版を押し当て缶体10へ画像を形成する場合は、保持部材222の表面に缶体10が密着するようになり、上記離間距離の変動に伴う画質の低下は起きにくくなる。その一方で、インクジェット方式など非接触で缶体10への画像形成を行うときには、缶体10と保持部材222との間に間隙が生じる。この場合、間隙は缶体10の周方向すべてにわたり同じではなく、ある場所では間隙は小さく、他の場所では間隙が大きくなる。例えば、保持部材222と缶体10の間隙が小さい場合は缶体10の外周面とインク吐出装置223の距離は大きくなり、保持部材222と缶体10の間隙が大きい場合は缶体10の外周面とインク吐出装置223の距離は小さくなる。それにより、インク吐出装置223から吐出されたインク液滴が缶体10の外周面に到達する時間が缶体10の部位によって変わり、その結果インク液滴が缶体10の上面に到達する位置に変動が生じるようになる。そのため、上記離間距離の変動に伴う画質の低下が起きやすくなる。
【0055】
なお、上記では、圧縮空気を供給することで第1リング状部材460などの弾性体を変形させる場合を説明したが(圧縮空気を供給することで第1移動部材440および第2移動部材450を移動させる場合を説明したが)、第1通気孔422A〜第3通気孔422Cなどの通気孔の配置や、第1移動部材440などの配置を異ならせることにより、空気の吸引によって(負圧によって)、第1リング状部材460などを弾性変形させることもできる。なお、以下で説明する各構成においても圧縮空気を用いて弾性体の変形を行うが、以下で説明する各構成でも、空気の吸引によって(負圧によって)、弾性体の変形を行うことができる。
【0056】
また上記では説明を省略したが、本実施形態では、第1移動部材440と突出部412との間に形成されている空隙によって、第1移動部材440の移動量が決定されている。このとき、第1移動部材440と突出部412など、構成される部品を機械加工などにより精度よく製作すれば、第1移動部材440の移動量は一定になる。このため、第1リング状部材460の全周にわたり、第1リング状部材460の断面形状が同一であれば、第1リング状部材460の変形量も同一となる。そしてこの場合、第1リング状部材460の外周部が保持部材本体410の外周面から突出する突出量が、第1リング状部材460の全周で同一となる。
【0057】
そして、この場合、第1リング状部材460が缶体10の内周面を均一に押圧するようになる。また、このとき、第1リング状部材460の外周部により形成される円は真円に近い状態となる。なお、第2リング状部材470側も同様であり、本実施形態では、第2リング状部材470が缶体10の内周面を均一に押圧するようになる。また、このとき、第2リング状部材470の外周部により形成される円は真円に近い状態となる。
【0058】
図6、
図7は、保持部材222の他の構成例を示した図である。なお、
図6は、保持部材222の軸方向に沿う面であって保持部材222の軸心を通る面における保持部材222の断面図である。また、
図7は、
図6に示す状態から保持部材222を周方向に45°回転させた状態における断面図である。
【0059】
本構成例では、
図6に示すように、第1通気孔422A〜第3通気孔422Cに加え、第4通気孔422Dが設けられている。ここで、供給手段の一部として機能するこの第4通気孔422Dは、第1通気孔422Aから第2通気孔422Bおよび第3通気孔422Cが分岐する分岐部にて、第1通気孔422Aに接続されるとともに、第1通気孔422Aに接続された接続部を始点として、第1筒状部材420の外周面に向かうように形成されている。
【0060】
付言すると、第4通気孔422Dは、第1筒状部材420の外周面に形成された開口425と第1通気孔422Aとを接続するように設けられている。なお、開口425は、保持部材222の軸方向において、第1リング状部材460と第2リング状部材470との間に配置されている。
【0061】
ここで、この構成例では、供給された圧縮空気が、第4通気孔422D、開口425を介して、保持部材222の外周面と缶体10の内周面との間の間隙に供給される。付言すると、第4通気孔422D、開口425を介し、保持部材222の外周面と缶体10の内周面との間に位置する空間であって、第1リング状部材460と第2リング状部材470との間に位置する空間に、圧縮空気が供給される。
【0062】
これにより、本実施形態では、この圧縮空気によって、缶体10の側部(外周面)が缶体10の径方向に向かって押圧され、缶体10の外周面が圧縮空気によって支持されるようになる。そして、この場合、缶体10のうち、第1リング状部材460、第2リング状部材470により支持されている部分以外の部分も、パスカルの原理により等圧で押圧されるため、保持部材222の軸心から等距離の位置に配置されやすくなる。なお、
図6では、第4通気孔422Dを一つ図示したが、この第4通気孔422Dも、保持部材222の周方向において90°おきに配置され、合計で4つ設けられている。
【0063】
また、本構成では、
図7に示すように、保持部材本体410に対して、供給された圧縮空気の排出に用いられる排気孔415が形成されている。なお、この排気孔415も、保持部材222の周方向において90°おきに配置され、合計で4つ設けられている。ここで、この排気孔415は、保持部材本体410の軸方向に沿って設けられるとともに、保持部材本体410の筒状部411を貫通するように設けられている。
【0064】
また、排気孔415は、第1リング状部材460よりも突出部412側に形成された開口417であって保持部材本体410の先端部に形成された開口417と、保持部材222の外部に位置する空間(大気圧となっている空間)とを接続するように設けられている。さらに説明すると、排気孔415は、筒状部411の軸方向に沿って直線状に延びる第1部位415Aと、第1部位415Aに接続されるとともに第1部位415Aと交差する関係で配置され且つ上記開口417に向かって延びる第2部位415Bとから構成されている。
【0065】
ここで、本構成例では、上記にて説明したとおり、保持部材222の外周面と缶体10の内周面との間に位置する空間であって、第1リング状部材460と第2リング状部材470との間に位置する空間に圧縮空気が供給される。ところで、このような構成において、第1リング状部材460が缶体10の内周面に密着しておらず、第1リング状部材460と缶体10の内周面との間に間隙が形成されていると、供給された圧縮空気が、第1リング状部材460よりも缶体10の底面側に位置する空間(先端部側空間(
図7の符号7Aに示す空間))に供給されるようになる。
【0066】
この場合、保持部材222から離れる方向に向けて缶体10の底面が押されるようになり、缶体10が保持部材222から離脱してしまうおそれがある。このため、本実施形態では、排出手段として機能する排気孔415を設ける構成としている。この場合、缶体10の底面側に漏れ出した圧縮空気がこの排気孔415を通じて排出され、保持部材222から離れる方向に向けて缶体10を押しだす力が缶体10に作用することが抑制される。
【0067】
なお、上記では、第1リング状部材460、第2リング状部材470の2つのリング状部材を設けた場合を一例に説明したが、
図8(保持部材222の他の構成例を示した図)に示すように、リング状部材を3つ以上設けることもできる。
【0068】
なお、
図8に示す構成例では、第1リング状部材460、第2リング状部材470に加え、第1リング状部材460と第2リング状部材470との間に、第3リング状部材473、第4リング状部材474が設けられた構成となっている。なお、この構成例においても、上記と同様、第1リング状部材460と第3リング状部材473との間、第3リング状部材473と第4リング状部材474との間、第4リング状部材474と第2リング状部材470との間に、圧縮空気を供給するようにしてもよい。
【0069】
保持部材222の他の構成例をさらに説明する。
図9は、保持部材222のうちの第1移動部材440が設けられている部分を拡大した図である。
本構成例では、
図9(A)に示すように、第1移動部材440のうちの第1リング状部材460に接触する箇所に、傾斜面(テーパー面)442が形成されている。ここで、この傾斜面442は、突出部412が位置している側から第1筒状部材420が位置している側に向かうに従い、保持部材本体410の外周面から次第に離れるように形成されている。さらに説明すると、本実施形態では、第1移動部材440の外周面のうちの第1リング状部材460に接触する箇所が、突出部412が位置している側から第1筒状部材420が位置している側に向かうに従いその直径が次第に大きくなる。
【0070】
ここで、圧縮空気が第2通気孔422Bに供給されると、
図9(B)に示すように、第1移動部材440が図中左方向に移動する。ここで、この構成例では、傾斜面442によって第1リング状部材460が図中上方に押し上げられるようになり、この押し上げによって、同図(B)に示すように、缶体10の内周面に第1リング状部材460が接触する。
【0071】
付言すると、本実施形態では、傾斜面442によって、第1リング状部材460が周方向に延びるようになるとともに第1リング状部材460の直径が大きくなる。これにより、缶体10の内周面に第1リング状部材460が接触する。そして、この場合、上記と同様、保持部材222の軸心から等距離の位置に缶体10の外周面が位置しやすくなる。なお、本構成例では、断面形状が円形の第1リング状部材460を一例に説明したが、円形に限らず、例えば楕円形、台形、三角形、多角形とすることも可能である。
【0072】
図10は、保持部材222の他の構成例を示した図である。なお、同図(B)は保持部材222の軸方向に沿う面であって保持部材222の軸心を通る面における保持部材222の断面図であり、同図(A)は同図(B)のXA−XA線における断面図である。
【0073】
上記にて説明した構成例では、保持部材222が、保持部材本体410、第1筒状部材420、第2筒状部材430などの部材により構成されていたが、本構成例では、円筒状に形成された保持部材本体410と、円環状(リング状)に形成された第1弾性体710と、同じく円環状に形成された第2弾性体720とにより構成されている。
【0074】
ここで、保持部材本体410には、上記と同様、保持部材本体410の軸方向に沿って配置され且つ保持部材本体410の中心部を通るように設けられ且つ断面が円形に形成された孔部413が設けられている。また、本構成例では、保持部材本体410の径方向に沿って配置され、孔部413から送られてきた圧縮空気が通る第1通気孔481が設けられている。
【0075】
さらに、本構成例では、第1通気孔481に接続されるとともに保持部材本体410の軸方向における一端部に向かうにように形成された第2通気孔482、第1通気孔481に接続されるとともに保持部材本体410の軸方向における他端部に向かうように形成された第3通気孔483が設けられている。なお、第1通気孔481〜第3通気孔483の各々は、保持部材本体410の周方向において90°おきに配置され、合計で4つ設けられている。
【0076】
また、本実施形態では、保持部材本体410の軸方向における一端部であって保持部材本体410の外周面に、保持部材本体410の周方向に沿う第1溝491が形成されている。また、保持部材本体410の軸方向における他端部であって保持部材本体410の外周面に、保持部材本体410の周方向に沿う第2溝492が形成されている。そして、本実施形態では、第1溝491の内部に第1弾性体710が収められ、第2溝492の内部に第2弾性体720が収められている。
【0077】
また、本構成例では、第1溝491に対して第2通気孔482が接続され、第1溝491内に圧縮空気が供給されるようになっている。また、この圧縮空気が、第1弾性体710と保持部材本体410の外周面との間に供給されるようになっている。
また、第2溝492側も同様であり、第2溝492に対して第3通気孔483が接続され、第2溝492内に圧縮空気が供給されるようになっている。また、この圧縮空気が、第2弾性体720と保持部材本体410の外周面との間に供給されるようになっている。このとき、第1溝491と第1弾性体710および第2溝492と第2弾性体720はそれぞれ嵌合されて収められているため、第2通気孔482および第3通気孔483から圧縮空気が供給されても、前記嵌合部から第1弾性体710および第2弾性体720の外に圧縮空気が漏れ出すことはない。
【0078】
図11(保持部材222の一部を拡大して示した図)を参照して更に説明すると、同図(A)に示すように、第1弾性体710は、保持部材本体410の軸方向に沿うように配置されている。また、第1弾性体710は、保持部材本体410の先端部側に一端711を有し、この一端711とは反対側に他端712を有している。また、第1弾性体710は、一端711と他端712との間に位置する部位が保持部材本体410の外周面から離れる方向に向かって突出するように湾曲した状態で形成されている。
【0079】
また、本構成例では、一端711および他端712が保持部材本体410の外周面に密着するように配置され、また、一端711と他端712との間に位置する部位と保持部材本体410の外周面との間に間隙が形成された状態となっている。
さらに、本構成例では、第1弾性体710の一端711が、第1溝491の第1側壁491Cに形成された凹部491Aに挿入され、第1弾性体710の他端712が、第1溝491の第2側壁491Dに形成された凹部491Bに挿入されている。また、第1弾性体710のうちの一端711および他端712が位置する部分は、他の部分よりも肉厚が大きくなっている。これにより、本構成例では、第1弾性体710が保持部材本体410から外れにくく、また空気が漏れにくくなっている。
【0080】
さらに説明すると、第1溝491には、
図11(A)に示すように、底面491E、この底面491Eから保持部材本体410の外周面に向かって延びる第1側壁491C、第1側壁491Cの対向位置に配置され底面491Eから保持部材本体410の外周面に向かって延びる第2側壁491Dが設けられている。また、第1側壁491Cおよび第2側壁491Dのそれぞれに、保持部材本体410の周方向に沿って延びる凹部491A,491Bが形成されている。そして本構成例では、上記のとおり、一方の凹部491Aに第1弾性体710の一端711が挿入され、他方の凹部491Bに第1弾性体710の他端712が挿入されている。
【0081】
ここで、本構成例にて圧縮空気が供給されると、
図11(A)にて示す第2通気孔482にこの圧縮空気が供給される。そして、この圧縮空気は、第1弾性体710と保持部材本体410の外周面との間に形成された間隙に供給される。付言すると、第1溝491に形成された底面491Eと第1弾性体710との間に形成された間隙に供給される。
【0082】
これにより、第1弾性体710は、
図11(B)に示すように、缶体10の内周面に向かって膨らむように変形を行い、その頂部が缶体10の内周面に接触する。なお、第2弾性体720(
図10参照)側も同様であり、第2弾性体720も、缶体10の内周面に向かって膨らむように変形を行い、その頂部が缶体10の内周面に接触する。これにより、
図4等にて示した構成と同様、保持部材222の軸心から等距離の位置に缶体10の外周面が位置しやすくなる。
【0083】
図12は、保持部材222の他の構成例を示した図である。なお、
図12では、第1弾性体710を図示するが、第2弾性体720側も第1弾性体710と同様に構成されている。
本構成例では、
図11にて説明した構成に加え、第3弾性体730が設けられている。ここで、この第3弾性体730は、第1弾性体710よりも外側に配置されているとともに第1弾性体710の外周面に接触するように設けられている。また、第3弾性体730は、その断面形状が平板状となっている。更に、第3弾性体730は、円環状に形成されるとともに保持部材本体410の周方向に沿うように配置されている。
【0084】
ここで、この構成例では、第3弾性体730よりも内側に位置する第1弾性体710が径方向に膨らむ際に、この第1弾性体710によって内側から第3弾性体730が押圧され、第3弾性体730も第1弾性体710と同様に径方向に膨らむ。また、この構成例では、圧縮空気の供給が終了すると、径方向における内側方向に向かって頂部(第1弾性体710の頂部)が移動するように第1弾性体710が変形を行うが、この際、第3弾性体730がこの頂部を押圧し、第1弾性体710の変形を補助する。これにより、本実施形態では、第1弾性体710がもとの状態(圧縮空気を供給する前の状態)に戻りやすくなる。
【0085】
なお、本実施形態では、第3弾性体730の方が第1弾性体710よりも復元しやすくなっている(圧縮空気の供給を停止した際に第3弾性体730の方がもとの状態に戻りやすくなっている)。また、本実施形態では、缶体10に直接接触する第3弾性体730の方が、第1弾性体710よりも耐摩耗性を有している。
【0086】
さらに、本構成例では、弾性体を1つの部品で構成せず、弾性体を第1弾性体710と第3弾性体730とに2部品に分けることにより、弾性体を二つの異なる材質により構成することが可能となっている。そしてこの場合、1つの部品で構成する場合に比べ、様々な要求を満足することが可能となる。また、本構成例では、弾性体が次第に摩耗するが、この場合、第3弾性体730のみを交換すれば弾性体を再び使用することができるようになる。なお、本構成例では、第3弾性体730の断面形状を平板状としたが、円形状、楕円形状、三角形状、台形形状、多角形状としてもよい。
【0087】
ところで、上記では、第1弾性体710や第3弾性体730などの弾性体を缶体10に直接接触させる構成を説明したが、このような構成の場合、保持部材222が使用されるに従い第1弾性体710等は摩耗する。そこで、このような摩耗を防ぐため、缶体10と第1弾性体710等の間に、第1弾性体710等を保護する保護部材を設けることが好ましい。以下、この保護部材について説明する。
【0088】
図13、
図14は、第1弾性体710等を保護する保護部材を説明するための図である。
本実施形態における保護部材905は、
図13に示すように、円筒状に形成されている。また、保護部材905は、
図14にも示すように、第1側辺901、および、この第1側辺901とは反対側に位置する第2側辺902を有する一枚の板材が丸められることで形成されている。また、この保護部材905では、第1側辺901と第2側辺902とが対向するように板材が丸められている。さらに説明すると、保護部材905は、ステンレスなどの金属板が丸められることで形成されている。
【0089】
また、保護部材905が形成される前の板材には、
図14(A)に示すように、第1側辺901および第2側辺902を有し矩形状に形成された基板910、第1側辺901から突出するとともに基板910と直交する関係で配置された3つの突出片920と、第2側辺902から突出するとともに基板910と直交する関係で配置された3つの突出片930とが設けられている。なお、3つの突出片920と、3つの突出片930とは、
図14(B)に示すように、基板910が丸められた際に互いに対向するようになる。
【0090】
なお、上記では、第1弾性体710、第2弾性体720の二つの弾性体が設けられた場場合を説明したが、この弾性体は、3つ以上設けることができる。ここで、
図13に示す構成例では、第1溝491、第2溝492に加え、第3溝493、第4溝494が保持部材本体410に形成されており、合計で4つの弾性体が設けられる構成となっている。
【0091】
また、この構成例における保持部材本体410には、
図13に示すように、保持部材本体410の軸方向に沿って配置される第1軸方向溝416A、第2軸方向溝416B、第3軸方向溝416Cが形成されている。なお、第1軸方向溝416Aは、第1溝491と第3溝493との間に配置され、第2軸方向溝416Bは、第3溝493と第4溝494との間に配置され、第3軸方向溝416Cは、第4溝494と第2溝492との間に配置されている。
【0092】
保護部材905の保持部材本体410への取り付けは、第1溝491〜第4溝494の各々に弾性体が取り付けられた後に行われる。また、保護部材905の保持部材本体410への取り付けは、丸まった状態の保護部材905を一旦開いた後、保持部材本体410へ巻き付けることにより行う。また、保護部材905の保持部材本体410への取り付け時には、上記3つの突出片920の各々を、第1軸方向溝416A、第2軸方向溝416B、第3軸方向溝416Cのそれぞれに挿入し、また、3つの突出片930の各々を、第1軸方向溝416A、第2軸方向溝416B、第3軸方向溝416Cのそれぞれに挿入する。
【0093】
なお、
図13および
図14では図示を省略したが、保持部材本体410の根元であって保持部材本体410の外周面には、
図15(保持部材本体410を側方から眺めた場合の図)に示すように、保持部材本体410の周方向に沿って形成された環状の溝418が設けられている。
【0094】
また、
図13および
図14では図示を省略したが、保護部材905のうち、この溝418に対向する部位(保護部材905のエッジ)は、内方側に向かうように湾曲した状態で形成されている(
図16参照)。付言すると、保護部材905の両端部には絞り加工が施されており、保護部材905は、保護部材905のエッジに向かうに従い直径が小さくなる。そして、本構成例では、溝418に対してエッジが入り込むように保持部材本体410に対して保護部材905が取り付けられる。これにより、本構成例では、保持部材本体410からの保護部材905の離脱が生じにくくなっている。
【0095】
ここで、本構成例のような保護部材905を設ける場合、上記のとおり、第1弾性体710等の摩耗を抑制することができるようになる。また、保持部材222は、長期の使用により汚れ、変形、磨耗などにより交換が必要になることがあるが、保護部材905が設けられている場合には、この保護部材905を交換すればよく、保持部材222の全体を交換する必要がなくなる。
【0096】
なお、保護部材905を保持部材本体410に取り付けた後は、保護部材905の第1側辺901(
図13参照)と第2側辺902との間に間隙が生じる。そして、この場合、この間隙が生じている部分において、第1弾性体〜第4弾性体(
図13〜
図15では不図示)を保護部材905で覆えなくなってしまう。付言すると、間隙が生じている部分では、第1弾性体〜第4弾性体が露出した状態となる。このため、本構成例では、第1側辺901と第2側辺902との間に形成される間隙の部分に金属板を別途取り付け、第1弾性体〜第4弾性体が露出しないようにしている。
【0097】
図16は、第1側辺901と第2側辺902との間に生じる間隙の部分に取り付けられる金属板を説明するための図である。
金属板907は、同図に示すように、矩形状に形成される。また、金属板907は、4つの弾性体に対応するように4枚設けられている。さらに、金属板907は、保護部材905の内周面側に配置される。また、金属板907は、第1側辺901と第2側辺902との間に生じている間隙を跨ぐように設けられている。
なお、突出片920の両側の第1側辺901を基板910に沿うように延長した延長部を設けるようにして、基板910を円筒状に丸めたときに、前記第1側辺901の延長部を第2側辺902の下に重なるように配置するようにして、金属板907に代えることができる。
【0098】
さらに、本構成例では、金属板907のうち第1側辺901側に位置する端部が、保護部材905の内周面に対して溶接によって固定された構造となっている。一方で、金属板907のうち第2側辺902側に位置する端部は保護部材905に対して固定されない構成となっている。ここで、金属板907の両端が固定されていると、径方向に拡がるように保護部材905が変形できず、弾性体の膨らみを阻害してしまう。
【0099】
図17は、保持部材本体410に対して保護部材905が取り付けられた後における保持部材本体410等の断面図である。付言すると、
図17は、
図14(B)のXVII−XVII線における断面図であって保護部材905のみならず保持部材本体410も表示した状態の断面図である。
【0100】
本構成例では、
図13〜
図16にて説明した構成に加え、保護部材905を保持部材本体410の外周面に寄せるための弾性部材980が設けられている。ここで、この弾性部材980は、ステンレスなどの金属により構成され弾性(バネ性)を有した状態となっている。また、弾性部材980は、断面形状がC字となるように形成されている。さらに、断面C字状のこの弾性部材980は、
図17(A)に示すように、第1側辺981と、この第1側辺981の対向位置に配置された第2側辺982とを有している。また、弾性部材980は、第1側辺981と第2側辺982との間に間隙983を有している。
【0101】
ここで、弾性部材980は、
図17(A)に示すように、第1側辺981が保護部材905に設けられた突出片920に対向するように、また、第2側辺982が保護部材905に設けられた突出片930に対向するように、保護部材905に対して取り付けられる。付言すると、弾性部材980は、間隙983に対して2つの突出片920,930が入り込むように、保護部材905に対して取り付けられる。なお、
図17(A)では、弾性体(不図示)が膨らんでいる際の状態を示しており、この状態では、2つの突出片920,930が互いに離れるように移動するのに伴い、弾性部材980の径が拡がるように弾性部材980は変形している。
【0102】
一方、圧縮空気の供給が停止されると、弾性体が縮むようになるが、この際には、弾性部材980によって、2つの突出片920,930が互いに接近するようになる。これにより、保護部材905の径が小さくなるとともに、保持部材本体410の外周面に保護部材905が接近するようになる。そして、この場合、保護部材905が缶体10の内周面から離れるようになり、保持部材本体410からの缶体10の取り外しが円滑になされるようになる。なお、ここでは、断面C字状の弾性部材980を一例に説明したが、断面形状は、三角形、ハート型、多角形であってもよい。また、互いに対峙させたコイルバネやエアシリンダを用いることで保護部材905の径を小さくするようにしてもよい。
【0103】
なお、弾性部材980は、3つの突出片920(3つの突出片930)の各々に対応するように3つ設けることもできるし、例えば3つの突出片920(3つの突出片930)のうちの一つあるいは二つの突出片に対応するように設けることもできる。また、上記では説明を省略したが、保護部材905への弾性部材980の取り付けは、例えば、保持部材本体410の第1弾性体710、第2弾性体720などの弾性体が膨らんだ状態でいない状態で、弾性部材980を第1軸方向溝416A(
図13参照)等に予めいれておく。そして、保護部材905の保持部材本体410への取り付け時に、間隙983(
図17(A)参照)に対して突出片920(突出片930)を挿入する。
【0104】
なお、上記では、第1リング状部材460や第1弾性体710などを缶体10の内周面に押し当てることで、保持部材222の軸心からの距離が等しい箇所に缶体10の外周面を位置させ、これにより、形成画像の質の低下を抑制するようにした。ところで、形成画像の質の低下の抑制は、
図18や
図19に示す構成でも実現できる。
【0105】
ここで、
図18(保持部材222等の他の構成例を示した図)に示す構成例では、同図(A)に示すように、缶体10を、円筒状に形成された保持部材222の外周面に対して押し当てる押し当て部材985を設けた構成としている。付言すると、本構成例では、インク吐出装置223が設けられている側から且つ缶体10を介して、保持部材222に対し、円盤状に形成され且つ缶体10に従動して回転を行う押し当て部材985を押し当てる構成としている。さらに説明すると、缶体10の開口側の端部を、保持部材222の外周面に押し当てる構成としている。
【0106】
さらに説明すると、この構成例では、缶体10の外周面のうち符号18Aに示す箇所(
図18(B)参照)に対して、インク吐出装置223からのインクが付着するようになっているが、この構成例では、同図(B)に示すように、缶体10の周方向において、インクの付着箇所と、押し当て部材985が缶体10を押圧する箇所とが一致するようになっている。
【0107】
ここで、この構成例では、缶体10のうちのインクの付着がなされる部位が、保持部材222に密着しやすくなる。付言すると、この構成例では、缶体10のうちのインクの付着がなされる部位と、保持部材222との間に形成される間隙の大きさが小さくなるとともに一定の値に近づくようになる。この結果、この構成例でも、インク吐出装置223と缶体10との離間距離の変動が抑制され、画質の低下が抑制されるようになる。
【0108】
なお、この構成例では、インク吐出装置223が一つ設けられている場合を説明したが、
図3にて示したように、インク吐出装置223が複数設けられている場合には、個々のインク吐出装置223に対応するように、押し当て部材985も複数設けることが好ましい。
また、押し当て部材985がインク吐出装置223によって支持される形とすることも好ましい。この場合、缶体10(保持部材222)に対するインク吐出装置223の位置決めを行う際の構成を簡易化できるようになる。また、押し当て部材は、
図18(A)における符号986に示すように、缶体10の底部側にも更に設け、缶体10の底部側も保持部材222の外周面に押し当てることが好ましい。
【0109】
また、保持部材222は、
図19(保持部材222の他の構成例を示した図)のように構成することができる。
この保持部材222では、短冊状の板材が螺旋状に且つ複数回巻かれた螺旋状部222A、この螺旋状部222Aの内側に配置されこの螺旋状部222Aを内側から支持する円柱状の基体222Bが設けられている。さらに、螺旋状部222Aの一端222Cがこの螺旋状部222Aの周方向に沿って移動するようにこの一端222Cを押圧し、また、螺旋状部222Aの他端222Dがこの螺旋状部222Aの周方向に沿って移動するようにこの他端222Dを押圧する押圧機構(不図示)が設けられている。ここで、この構成例では、上記押圧機構によって、一端222Cおよび他端222Dが押圧される。これにより、螺旋状部222Aが、その直径が拡がるように変形するとともに缶体10の内周面に押し当てられるようになる。