特許第6018438号(P6018438)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6018438
(24)【登録日】2016年10月7日
(45)【発行日】2016年11月2日
(54)【発明の名称】滴下式エアゾール製品
(51)【国際特許分類】
   B65D 83/14 20060101AFI20161020BHJP
   A61F 7/00 20060101ALI20161020BHJP
   C09K 3/30 20060101ALI20161020BHJP
【FI】
   B65D83/14 100
   A61F7/00 333
   C09K3/30 R
【請求項の数】4
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2012-147975(P2012-147975)
(22)【出願日】2012年6月29日
(65)【公開番号】特開2014-9022(P2014-9022A)
(43)【公開日】2014年1月20日
【審査請求日】2015年5月7日
(73)【特許権者】
【識別番号】391021031
【氏名又は名称】株式会社ダイゾー
(74)【代理人】
【識別番号】110001896
【氏名又は名称】特許業務法人朝日奈特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100098464
【弁理士】
【氏名又は名称】河村 洌
(74)【代理人】
【識別番号】100149630
【弁理士】
【氏名又は名称】藤森 洋介
(74)【代理人】
【識別番号】100110984
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 敬子
(74)【代理人】
【識別番号】100111279
【弁理士】
【氏名又は名称】三嶋 眞弘
(72)【発明者】
【氏名】我満 篤
【審査官】 高橋 裕一
(56)【参考文献】
【文献】 特開平04−089423(JP,A)
【文献】 特開平02−032190(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 83/14
A61F 7/00
C09K 3/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
原液と液化ガスとからなるエアゾール組成物がエアゾールバルブを備えたエアゾール容器に充填され、エアゾール組成物を液滴状に滴下する滴下式エアゾール製品であって、
前記原液が高分子およびアルコールを含有し、
前記原液の粘度が10〜50,000mPa・sであり、
前記液化ガスが親水性液化ガスを含有し、
エアゾール組成物中の液化ガスの含有量が40〜90質量%であり、
前記高分子がセルロース系高分子であり、
前記アルコールの配合量は、原液中、50〜99.5質量%であり、
滴下量が1.3〜5.0g/10秒であり、
前記エアゾールバルブが、エアゾール組成物の液体を導入する液体通路と、気体を導入する気体通路とを備えており、
液体通路の最小断面積SLと、気体通路の最小断面積SGとの関係が、
0.1≦SG/SL≦15
を満たす滴下式エアゾール製品。
【請求項2】
前記親水性液化ガスがジメチルエーテルである請求項記載の滴下式エアゾール製品。
【請求項3】
前記液化ガスの含有量が60〜80質量%であり、
前記原液の粘度が50〜50,000mPa・sである請求項1または2記載の滴下式エアゾール製品。
【請求項4】
液体通路の最小断面積SLと、気体通路の最小断面積SGとの関係が、
0.3≦SG/SL≦10
を満たす請求項1〜3のいずれか1項に記載の滴下式エアゾール製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、滴下式エアゾール製品に関する。さらに詳しくは、液化ガスを多量に含有するエアゾール組成物を液滴状に滴下する滴下式エアゾール製品に関する。
【背景技術】
【0002】
通常、エアゾール製品で使用している液化石油ガスやジメチルエーテルなどの液化ガスは、大気中に吐出されると、瞬時に気化してその容積が増大する。そのため、液化ガスをエアゾール組成物中に30質量%以上と多量に含有するエアゾール製品の吐出形態は、原液が微細な粒子状、すなわちスプレー状となる。
【0003】
特許文献1には、液化ガスを30重量%以上含有するエアゾール組成物を、特定の内径と長さを有するノズルを用い、さらに滴下量および流速を特定の範囲にすることで、直径が0.1〜10mmの液滴で滴下することができるエアゾール製品が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第4178293号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1のエアゾール製品によれば、吐出物が液化ガスの気化熱により冷却されて液滴状になり、液化ガスの一部は気化せずに液滴状の吐出物中に存在しており、足の指の間などに滴下すると優れた冷却感が得られる。しかしながら、吐出物が滴下面に付着するまでの間に液化ガスが気化する量が多いため液化ガスの冷却感を効率良く滴下面に付与することができない。また、滴下面での液化ガスの気化が速いため冷却効果が持続しにくく、さらに液滴の乾燥が速いため使用量を目視で確認することが困難であり用量を超えて使用しやすいという問題がある。
【0006】
そこで、本発明は、液化ガスを多量に含有するエアゾール組成物を液滴状に滴下するエアゾール製品であって、滴下した液滴中に液化ガスを長く保持させ、滴下面で液化ガスが集中的に気化することで持続的な冷却効果が得られるとともに、滴下量を目視で確認することができる滴下式エアゾール製品を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、原液と液化ガスとからなるエアゾール組成物がエアゾールバルブを備えたエアゾール容器に充填され、エアゾール組成物を液滴状に滴下する滴下式エアゾール製品であって、前記原液が高分子およびアルコールを含有し、前記原液の粘度が10〜50,000mPa・sであり、前記液化ガスが親水性液化ガスを含有し、エアゾール組成物中の液化ガスの含有量が35〜90質量%であり、滴下量が1.3〜5.0g/10秒である滴下式エアゾール製品に関する。
【0008】
前記高分子がセルロース系高分子であることが好ましい。
【0009】
前記親水性液化ガスがジメチルエーテルであることが好ましい。
【0010】
前記エアゾールバルブが、エアゾール組成物の液体を導入する液体通路と、気体を導入する気体通路を備えており、液体通路の最小断面積SLと、気体通路の最小断面積SGとの関係が、
0.1≦SG/SL≦15
を満たすことが好ましい。
【発明の効果】
【0011】
本発明の滴下式エアゾール製品によれば、エアゾール組成物中の原液が高分子およびアルコールを含有し、原液の粘度を10〜50,000mPa・sとし、エアゾール組成物中の液化ガスの含有量を35〜90質量%とし、さらに滴下量を1.3〜5.0g/10秒とすることで、エアゾール組成物を液滴状に滴下することができ、さらに滴下した液滴中に液化ガスを長く保持させることができ、滴下面で液化ガスを集中的に気化させることで持続的な冷却効果が得られるとともに、滴下量を目視で確認することができる滴下式エアゾール製品を提供することができる。
【0012】
前記高分子がセルロース系高分子である場合は、アルコールを含む原液中に溶解しやすくなり、また、液滴中の液化ガスの気化を抑制する効果が高いため、冷却効果の持続時間をさらに長くすることができる。
【0013】
前記親水性液化ガスがジメチルエーテルである場合は、高分子を溶解しやすいため、吐出通路や吐出孔などの高分子による詰りを防止できる。
【0014】
前記エアゾールバルブが、エアゾール組成物の液体を導入する液体通路と、気体を導入する気体通路を備えており、液体通路の最小断面積SLと、気体通路の最小断面積SGとの関係が、
0.1≦SG/SL≦15
を満たす場合は、通路に流路制御部材を設けたり、ステム孔を小さくしたりせずとも液滴状に滴下できる滴下量となり、また高分子による詰りをさらに防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】エアゾールバルブの一実施形態を示す断面図である。
図2】一部の実施例および比較例の冷却性能評価の結果を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の滴下式エアゾール製品は、特定の原液および液化ガスからなるエアゾール組成物がエアゾール容器に充填され、滴下量が1.3〜5.0g/10秒であることを特徴とする。
【0017】
前記原液は、高分子およびアルコールを含有し特定の粘度に調整することで、エアゾール組成物がエアゾール容器から吐出(滴下)されてから、滴下面に到達するまでの間の液化ガスの気化が抑制され、その結果、滴下面で液化ガスが集中的に気化し、持続的な冷却効果を滴下面に付与することができ、さらに滴下量を目視で確認することが可能となる。
【0018】
前記高分子は原液の粘度を調整し、エアゾール組成物を滴下したときの気化を抑制することで、滴下面での冷却効果を持続させる、滴下量を目視で確認しやすくする、滴下面での垂れ落ちを防止するという目的で含有する。また、滴下面が皮膚上の患部である場合は、患部を保護するという目的も有する。
【0019】
高分子としては、メチルセルロース、エチルセルロース、ニトロセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウムなどのセルロース系高分子;キサンタンガム、カラギーナン、アラビアゴム、トラガントゴム、カチオン化グアガム、グアガム、ジュランガム、ローカストビーンガムなどのガム質;ポリウレタン、コラーゲン加水分解物、カチオン化加水分解コラーゲン、ヤシ油脂肪酸加水分解コラーゲン、ケラチン、ケラチン加水分解物、カチオン化加水分解ケラチン、カゼイン、カゼイン加水分解物、ゼラチン、ゼラチン加水分解物、シクロデキストリン、カルボキシメチルデキストリンナトリウム、デキストリン、ペクチン、デンプン、トウモロコシデンプン、コムギデンプン、アルギン酸ナトリウム、変性ポテトスターチ、ヒアルロン酸ナトリウム、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマーなどが挙げられる。なかでも、エアゾール組成物を滴下した際の液滴中の液化ガスの気化を抑制する効果が高いという点からセルロース系高分子が好ましく、特にアルコールを含む原液に溶解しやすいという点からヒドロキシプロピルセルロースがより好ましい。
【0020】
高分子の含有量は、原液中0.1〜10質量%が好ましく、さらには0.2〜5質量%であることが好ましい。高分子の含有量が0.1質量%未満の場合は、原液の粘度が低く高分子を含有する効果が得られにくくなる傾向がある。また、10質量%を超える場合は、吐出通路などで詰りやすくなる傾向、滴下面で乾燥するとべたつきやすくなり使用感が悪くなる傾向がある。
【0021】
前記アルコールは、前記高分子の溶媒として、また、後述する有効成分やその他の成分の溶媒として含有する。また、エアゾール組成物の圧力を低くして滴下物を自然落下させる圧力調整剤として作用する。
【0022】
アルコールとしては、後述する液化ガスと溶解しやすく、滴下された液滴中の液化ガスの気化を抑制して、患部に付着した場合に患部を冷却する効果が高い点、および、常温で蒸気圧を有し、単独でも冷却性能を有するという点から、エタノール、イソプロパノールなどの炭素数が2〜3個の1価アルコールを用いることが好ましい。
【0023】
アルコールの含有量は、原液中10〜99.5質量%が好ましく、さらには20〜99.0質量%であることが好ましい。アルコールの含有量が10質量%未満の場合は、アルコールを含有する効果が得られない傾向がある。また、99.5質量%を超える場合は、アルコール以外の成分を含有しにくくなる傾向がある。
【0024】
また、原液には前記高分子およびアルコール以外にも必要に応じて有効成分、水、界面活性剤、油分、粉体などを含有することができる。
【0025】
前記有効成分としては、パラオキシ安息香酸エステル、塩化クロルヘキシジン、フェノキシエタノール、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウムなどの殺菌・消毒剤;塩酸ブテナフィン、塩酸テルビナフィン、硝酸オキシコナゾール、トルナフテート、硝酸ミコナゾール、硝酸エコナゾール、クロトリマゾールなどの抗真菌剤;アラントイン、グリチルレチン酸、グリチルリチン酸ジカリウムなどの抗炎症剤;塩酸ジブカイン、塩酸テトラカイン、塩酸リドカイン、リドカインなどの局所麻酔剤;ジフェンヒドラミン、塩酸ジフェンヒドラミン、マレイン酸クロルフェニラミンなどの抗ヒスタミン剤;クロタミトン、d−カンフルなどのかゆみ止め;l−メントール、カンフル、ハッカ油などの清涼剤;サリチル酸メチル、インドメタシン、ピロキシカム、フェルビナク、ケトプロフェンなどの消炎鎮痛剤;ミノキシジル、センブリエキス、塩化カルプロニウム、ペンタデカン酸グリセリド、イソプロピルフェノール、グリチルリチン酸ジカリウム、酢酸トコフェロール、トウガラシチンキ、海藻エキス、オトギリソウエキスなどの育毛剤;プロピレングリコール、グリセリン、1,3−ブチレングリコール、コラーゲン、ヒアルロン酸、乳酸ナトリウム、尿素などの保湿剤;酸化亜鉛、アラントインヒドロキシアルミニウム、クエン酸、乳酸などの収斂剤;レチノール、dl−α−トコフェロール、パントテン酸などのビタミン類;ラウリル酸メタクリレート、ミリスチン酸アセトフェノン、茶エキスなどの消臭剤;アルミニウムクロロハイドレート、アラントインアルミニウムクロロハイドレート、酸化亜鉛などの制汗剤;N,N−ジエチル−m−トルアミド(ディート)などの害虫忌避剤;パラアミノ安息香酸、サリチル酸オクチル、パラメトキシケイ皮酸イソプロピル、パラメトキシケイ皮酸オクチルなどの紫外線吸収剤;α−トコフェロール、ジブチルヒドロキシトルエン、酢酸トコフェロールなどの酸化防止剤;ユーカリエキス、ユーカリオイル、セージエキス、茶エキス、海藻エキス、プラセンタエキスなどの抽出液;各種香料;などが挙げられる。
【0026】
有効成分を含有する場合の含有量は、原液中0.01〜20質量%が好ましく、さらには0.05〜10質量%であることが好ましい。有効成分の含有量が0.01質量%未満の場合は、有効成分の効果が得られにくくなる傾向がある。また、20質量%を超える場合は、有効成分によっては濃度が高くなりすぎ、悪影響を与える場合がある。なお、有効成分は溶媒に溶解させてもよいが、原液を充填したエアゾール容器に液化ガスを加えてエアゾール組成物としてから溶解させてもよい。
【0027】
前記水は、滴下した液滴の気化を抑制し、冷却感を持続させる目的で用いられる。
【0028】
水としては、精製水、イオン交換水、生理食塩水などが挙げられる。
【0029】
水を含有する場合の含有量は、原液中1〜80質量%が好ましく、さらには3〜70質量%であることが好ましい。該水の含有量が1質量%未満の場合は、水を含有する効果が得られにくくなる傾向がある。また、80質量%を超える場合は、アルコールの含有量が少なくなり、高分子や親水性液化ガスと溶解しにくくなる傾向がある。また、冷却効果が低下する傾向がある。さらに、滴下面での乾燥が遅くなり過ぎて垂れやすくなる傾向がある。
【0030】
前記界面活性剤は、滴下する液滴の状態を調整する、使用感を向上させる、有効成分を滴下面に付着しやすくするなどの目的で用いられる。
【0031】
前記界面活性剤としては、POE・POPセチルエーテル、POE・POPデシルテトラデシルエーテルなどのポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル;モノステアリン酸POEグリセリルなどのポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル;POEラノリンアルコールなどのポリオキシエチレンラノリンアルコール;POE硬化ヒマシ油などのポリオキシエチレン硬化ヒマシ油;POEセチルエーテル、POEステアリルエーテル、POEオレイルエーテル、POEラウリルエーテル、POEベヘニルエーテル、POEオクチルドデシルエーテル、POEイソセチルエーテル、POEイソステアリルエーテルなどのポリオキシエチレンアルキルエーテル;モノステアリン酸ポリエチレングリコールなどのポリエチレングリコール脂肪酸エステル、モノラウリン酸ヘキサグリセリル、モノミリスチン酸ヘキサグリセリル、モノラウリン酸ペンタグリセリル、モノミリスチン酸ペンタグリセリル、モノオレイン酸ペンタグリセリル、モノステアリン酸ペンタグリセリル、モノラウリン酸デカグルセリル、モノミリスチン酸デカグリセリル、モノステアリン酸デカグリセリル、モノイソステアリン酸デカグリセリル、モノオレイン酸デカグリセリル、モノリノール酸デカグリセリルなどのポリグリセリン脂肪酸エステル;モノオレイン酸POEグリセリルなどのポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル;モノヤシ油脂肪酸POEソルビタン、モノパルミチン酸POEソルビタン、モノステアリン酸POEソルビタン、モノイソステアリン酸POEソルビタン、モノオレイン酸POEソルビタンなどのポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル;モノラウリン酸POEソルビット、テトラステアリン酸POEソルビット、テトラオレイン酸POEソルビットなどのポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル;などのノニオン性界面活性剤が挙げられる。また、酢酸ベタイン、イミダゾリウムベタイン、2−ウンデシル−N,N,N−(ヒドロキシエチルカルボキシメチル)−2−イミダゾリンナトリウム、などのイミダゾリン系両性型界面活性剤、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、アルキルベタイン、アミドベタイン、スルホベタインなどのベタイン系両性型界面活性剤などの両性界面活性剤、
脂肪酸石鹸、アルキル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、アルキルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩、などのアニオン性界面活性剤や、ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体、ポリオキシプロピレン・メチルポリシロキサン共重合体、ポリ(オキシエチレン・オキシプロピレン)・メチルポリシロキサン共重合体などのシリコーン系界面活性剤や、サーファクチンナトリウム、シクロデキストリン、水添酵素大豆レシチンなどの天然系界面活性剤や、N−ヤシ油脂肪酸アシル−L−グルタミン酸トリエタノールアミン、N−ヤシ油脂肪酸アシル−L−グルタミン酸カリウム、N−ヤシ油脂肪酸アシル−L−グルタミン酸ナトリウム、N−ラウロイル−L−グルタミン酸トリエタノールアミン、N−ラウロイル−L−グルタミン酸カリウム、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ナトリウム、N−ミリストイル−L−グルタミン酸カリウム、N−ミリストイル−L−グルタミン酸ナトリウムおよびN−ステアロイル−L−グルタミン酸ナトリウムなどのN−アシルグルタミン酸塩、N−ヤシ油脂肪酸アシル−L−グルタミン酸、N−ラウロイル−L−グルタミン酸、N−ステアロイル−L−グルタミン酸などのN−アシルグルタミン酸、N−ヤシ油脂肪酸アシルグリシンカリウム、N−ヤシ油脂肪酸アシルグリシンナトリウムなどのN−アシルグリシン塩、N−ヤシ油脂肪酸アシル−DL−アラニントリエタノールアミンなどのN−アシルアラニン塩、などのアミノ酸系界面活性剤、およびこれらの混合物などが挙げられる。
【0032】
界面活性剤を含有する場合の含有量は、原液中0.01〜10質量%が好ましく、0.05〜5質量%より好ましい。界面活性剤の含有量が0.01質量%未満の場合は、界面活性剤を含有する効果が得られにくくなる傾向がある。また、10質量%を超える場合は、付着面で界面活性剤が残りやすく使用感が低下する傾向がある。
【0033】
前記油分は、アルコールにより脱脂された皮膚に加脂して皮膚を保護するなど、使用感を向上させる目的で用いられる。
【0034】
油分としては、アジピン酸ジイソプロピル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、オクタン酸セチル、ミリスチン酸オクチルドデシル、ステアリン酸ブチル、ミリスチン酸ミリスチル、オレイン酸デシル、乳酸セチル、ステアリン酸イソセチル、セトステアリルアルコール、アジピン酸ジイソブチル、セバシン酸ジイソプロピル、コハク酸ジエトキシエチル、リンゴ酸ジイソステアリルなどのエステル油;メチルポリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン、メチルシクロポリシロキサン、テトラヒドロテトラメチルシクロテトラシロキサン、オクタメチルトリシロキサン、デカメチルテトラシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサンなどのシリコーンオイル;ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸、オレイン酸、イソステアリン酸などの脂肪酸;ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、ラノリンアルコールなどの高級アルコール、アボガド油、マカダミアナッツ油、シア脂、オリーブ油、ツバキ油などの油脂;ミツロウ、ラノリンロウなどのロウ類;などが挙げられる。
【0035】
油分を含有する場合の含有量は、原液中0.1〜10質量%が好ましく、さらには0.5〜8質量%であることが好ましい。油分の含有量が0.1質量%未満の場合は、油分を含有する効果が得られにくくなる傾向がある。また、10質量%を超える場合は、付着面でべたつき使用感が低下する傾向がある。
【0036】
前記粉体は、粉体自体が有効成分として作用するという目的や、他の有効成分を担持する担体、付着剤、患部を保護する保護剤などとして作用するという目的で用いられる。
【0037】
粉体としては、タルク、酸化亜鉛、カオリン、雲母、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、ケイ酸亜鉛、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸カルシウム、シリカ、ゼオライト、セラミックパウダー、酸化チタン、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸亜鉛などが挙げられる。
【0038】
粉体を含有する場合の含有量は、原液中0.01〜5質量%であることが好ましく、さらには0.03〜3質量%であることが好ましい。粉体の含有量が0.01質量%よりも少ない場合は、粉体を含有する効果が得られにくくなる傾向がある。粉体の含有量が5質量%を超える場合は吐出孔などで詰まりやすくなる傾向があり、また静置した状態で長期間保存した場合、粉体が容器底部で固まりやすくなり(ケーキング)、均一な組成物を吐出し難くなる傾向がある。
【0039】
本発明に用いられる原液は、アルコールに高分子を均一に溶解、または分散させて調製することができる。また必要に応じて有効成分などをアルコールに溶解させて調製することができる。
【0040】
前記原液の20℃における粘度は10〜50,000mPa・sであり、さらには50〜45,000mPa・sであることが好ましい。原液の粘度が10mPa・sよりも低い場合は、吐出物が滴下面に付着するまでの間に液化ガスが気化する量が多くなり、液化ガスの冷却性能を効率良く滴下面に付与することができない傾向がある。また、50,000mPa・sよりも高くなる場合は、取り扱いにくい傾向があり、さらにべたつきやすくなり使用感が低下する傾向がある。
【0041】
原液の含有量は、エアゾール組成物中10〜65質量%であることが好ましく、さらには15〜60質量%であることが好ましい。原液の含有量が10質量%未満の場合は、液滴の気化が早くなり冷却効果が持続しにくくなる傾向がある。また、65質量%を超える場合は、液滴の気化、乾燥が遅くなり過ぎて垂れやすくなる傾向がある。
【0042】
前記液化ガスは、エアゾール容器内では蒸気圧を有する液体であり、噴射剤として作用する。また、原液と相溶してエアゾール組成物の粘度を低下させ吐出しやすくする。大気圧下に吐出されると気化して吐出物を冷却することができるなどの効果がある。ここで、本発明の液化ガスは親水性液化ガスを含有する。親水性液化ガスを含有することで、高分子とアルコールを含む原液と溶解しやすくなり、また、原液中に水を配合しやすくなるため冷却効果をさらに持続させることができる。
【0043】
前記親水性液化ガスとしては、ジメチルエーテルなどが挙げられる。
【0044】
親水性液化ガスの含有量は、液化ガス中70質量%以上が好ましく、さらには80質量%以上が好ましい。親水性液化ガスの含有量が70質量%未満の場合は、冷却効果が低下する傾向、原液中に水を配合しにくくなる傾向がある。
【0045】
前記親水性液化ガス以外の液化ガスは、エアゾール容器内の圧力を調整して、滴下量や滴下状態を調整する、異なる沸点の液化ガスを用いることで冷却効果(冷却温度、時間)を調整するなどの目的で含有することができる。
【0046】
親水性液化ガス以外の液化ガスとしては、プロパン、ノルマルブタン、イソブタンおよびこれらの混合物である液化石油ガス、トランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロパ−1−エン、トランス−2,3,3,3−テトラフルオロプロパ−1−エンなどのハイドロフルオロオレフィン、前記液化石油ガスとハイドロフルオロオレフィンの混合物などの親油性液化ガスが挙げられる。
【0047】
親油性液化ガスを含有する場合の含有量は、液化ガス中30質量%以下が好ましく、さらには20質量%以下が好ましい。親油性液化ガスの含有量が30質量%を超える場合は、エアゾール組成物中で高分子が溶解しにくくなり析出してしまう傾向がある。
【0048】
液化ガスの含有量は、エアゾール組成物中35〜90質量%であることが好ましく、さらには40〜85質量%であることが好ましい。液化ガスの含有量が35質量%未満の場合は、粘度を低下させる効果が低く吐出しにくくなる、内容物が残り全量吐出できない、冷却性能が弱くなるなどの傾向がある。また、90質量%を超える場合は、液滴の気化が早く冷却効果が持続しにくくなる傾向がある。
【0049】
本発明の滴下式エアゾール製品は、エアゾール容器本体に原液を充填後、エアゾール容器本体の開口部にエアゾールバルブを固着し、エアゾールバルブのステムから液化ガスを充填して製造することができる。また、エアゾール容器本体に原液を充填後、液化ガスをアンダーカップ充填した後、エアゾール容器本体にエアゾールバルブを固着して密封することで製造することもできる。さらに、エアゾール容器内の圧力を調整するために、加圧剤として炭酸ガス、チッ素ガス、圧縮空気、酸素ガスなどの圧縮ガスをさらに充填してもよい。
【0050】
前記エアゾールバルブについて添付の図1を参照して説明するが、この態様にのみ限定されるものではない。
【0051】
図1に示すエアゾールバルブは、エアゾール容器本体(図示しない)の開口部にガスケット4を介して固着されるマウンティングキャップ2と、マウンティングキャップ2の中央に保持されるハウジング5と、ハウジング5内部に上下動自在に収容されるステム1と、ステム1のステム孔を開閉するステムラバー3と、ステム1を常時上向きに付勢し、ステム孔がステムラバー3によりシールされる位置に保持するスプリング6とからなる。なお、ハウジング5は側面にエアゾール容器内部と連通する横孔51と、下部にエアゾール容器内部と連通する下孔52を有しており、さらにハウジング5の下端にはディップチューブ7が接続されている。
【0052】
ここで、滴下式エアゾール製品は、エアゾール容器のステムを下方に向けて使用する倒立仕様と、エアゾール容器のステムを上方に向けて使用する正立仕様とがある。
【0053】
エアゾール製品を倒立仕様で滴下させる場合、横孔51はエアゾール組成物の液体をハウジング5内に導入する液体通路となり、下孔52は気体をハウジング内に導入する気体通路となる。そして、前記エアゾールバルブのステム1に取り付けた吐出部材(図示しない)を押し込むことにより、ステムが押し込まれ、ステムラバー3が撓み、ステム孔が開放されエアゾール容器内部と大気とが連通し、エアゾール容器内部にあるエアゾール組成物の液体がハウジングの横孔51(液体通路)からハウジング内に導入され、さらにディップチューブを経てハウジングの下孔52(気体通路)からエアゾール組成物の気体がハウジング5内に導入され、液体と気体が混合された状態でステム孔を通過して吐出部材から滴下される。すなわち、倒立仕様の場合、液体通路は通路A(図1の矢印A)、気体通路は通路B(図1の矢印B)となる。
【0054】
一方、正立仕様の滴下式エアゾール製品の場合、エアゾール組成物の液体はディップチューブ7を経てハウジングの下孔からハウジング5内に導入され、エアゾール組成物の気体は横孔からハウジング5内に導入される。すなわち、正立仕様の場合、液体通路は通路B(図1の矢印B)、気体通路は通路A(図1の矢印A)となる。
【0055】
本発明のエアゾールバルブはエアゾール組成物の液体をハウジング内に導入する液体通路と、エアゾール組成物の気体をハウジング内に導入する気体通路とを備えており、液体通路の最小断面積SLと、気体通路の最小断面積SGとの関係は、
0.1≦SG/SL≦15
であることが好ましく、さらには、
0.3≦SG/SL≦12
であることが好ましく、特に
1≦SG/SL≦10
である場合は吐出通路に微細な孔を備えた流路制御部材を設けたり、ステム孔を小さくしたりせずに液滴状に滴下できる滴下量となる点、および高分子による詰りをさらに防止できる点から好ましい。なお、液体通路の最小断面積SLと、気体通路の最小断面積SGとの関係が
SG/SL<0.1
の場合は、棒状に吐出され液滴状に滴下できない傾向があり、
15<SG/SL
の場合は、内容物が少なくなると液滴の状態が変化し、内容物を最後まで吐出できない傾向がある。
【0056】
さらに、本発明の滴下式エアゾール製品は、その滴下量が1.3〜5.0g/10秒であり、1.5〜4.5g/10秒であることが好ましく、1.6〜4.0g/10秒であることがより好ましい。滴下量が1.3g/10秒未満の場合は、滴下量が少なすぎ、吐出操作してから滴下するまでの時間が長くなり、使用者が滴下できないと間違いやすくなる。また、液滴が小さくなるため、滴下面で冷却効果が得られにくくなる傾向や、滴下量が目視しにくくなる傾向がある。また、5.0g/10秒を超える場合は、液滴状にならず、棒状に近い連続した状態で吐出される傾向がある。
【0057】
滴下式エアゾール製品の滴下量は、ハウジングの横孔、ハウジングの下孔、ステム孔や、エアゾール組成物中の原液と液化ガスの比率により調整することができる。
【0058】
本発明の滴下式エアゾール製品は、滴下面で集中的に液化ガスが気化することで持続的な冷却効果が得られるとともに、滴下量を目視で確認することができるため、水虫薬、冷却剤、鎮痒剤、消炎鎮痛剤、収斂剤、育毛剤、やけど治療薬、かゆみ止めなどに適用することが好ましい。
【0059】
以下、実施例によって本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0060】
評価方法を下記に示す。
【0061】
<原液の粘度>
表1および表2に示す原液を円筒状容器に入れ20℃の環境下で静置して液温を20℃に調整し、回転粘度計(ブルックフィールド社製 型番:LV)を用いて粘度を測定した。評価結果を表1および表2に示す。
【0062】
<相溶性>
エアゾール製品(透明なガラス製容器使用)を25℃および5℃にて1ヶ月間保存し、析出物や、濁りの有無を目視で確認し、下記の基準で評価した。評価結果を表1および表2に示す。
○:25℃および5℃で析出物および濁りが発生しなかった。
△:25℃では析出物および濁りが発生しなかった。5℃では析出物しなかったが、僅かに濁った。
×:25℃および5℃で析出物が発生した。
【0063】
<滴下量>
エアゾール製品(アルミニウム製容器使用)を25℃の恒温水槽中に1時間保持した。その後、10秒間連続してエアゾール組成物を滴下し、滴下前後の試験用エアゾール製品の質量から滴下量を算出した。算出結果を表1および表2に示す。
【0064】
<滴下状態>
エアゾール製品(アルミニウム製容器使用)を25℃の恒温水槽中に1時間保持した。その後、エアゾール組成物を滴下し、滴下物の状態を目視で確認し、下記の基準で評価した。評価結果を表1および表2に示す。
○ :液滴が1滴ずつ自然落下した。
△ :液滴状に滴下していたが、一部が繋がって吐出された。
×1:棒状噴射に近く、液滴状にならなかった。
×2:滴下する前に気化し、液滴状にならなかった。
− :相溶性の評価が×であったため評価しなかった。
【0065】
<冷却性能>
エアゾール製品(アルミニウム製容器使用)を25℃の恒温水槽中に1時間保持した。その後、手の甲に1滴滴下し、サーモグラフィー(FLIR i60、フリアーシステムズジャパン株式会社製)を用いて滴下面の温度を経時的に測定した。また、滴下前の温度から最も低下した温度を読み取り、下記の基準で評価した。温度低下の評価結果を表1および表2に、測定結果を表3に示す。さらに、実施例1、11、比較例1および4の測定結果のグラフを図2に示す。
○:温度低下が16〜30℃であった。
△:温度低下が12〜15℃であった。
×:温度低下が11℃未満であった。
−:相溶性の評価が×であったため評価しなかった。
【0066】
<付着性>
エアゾール製品(アルミニウム製容器使用)を25℃の恒温水槽中に1時間保持した。その後、エアゾール組成物を手の甲に滴下したときの、滴下面での液滴の付着性を下記の基準で評価した。評価結果を表1および表2に示す。
◎:滴下面で液だれせずに付着し、200秒以上乾燥しなかった。
○:滴下面で液だれせずに付着し、150〜199秒間乾燥しなかった。
△:滴下面で液だれはしなかったが、150秒未満で乾燥した。
×:滴下面で液だれした。
−:相溶性の評価が×であったため評価しなかった。
【0067】
<吐出性能>
エアゾール製品(アルミニウム製容器使用)を25℃の恒温水槽中に1時間保持した。その後、エアゾール組成物を吐出し、吐出物(液滴)の状態等を確認し、下記の基準で評価した。評価結果を表1および表2に示す。
○:液滴の状態に変化はなく、全量吐出できた。
△:内容物の減少に伴い液滴の状態が変化したが、全量吐出できた。
×:内容物の減少に伴い液滴の状態が変化し、全量吐出できなかった。
−:相溶性の評価が×であったため評価しなかった。
【0068】
実施例1〜14、比較例1〜7
表1に示す原液および液化ガスからなるエアゾール組成物を透明なガラス製のエアゾール容器(満注量100ml)およびアルミニウム製のエアゾール容器(満注量100ml)に充填し、試験用エアゾール製品(倒立仕様)を調製した。使用したエアゾールバルブの液体通路Aの最小断面積および気体通路Bの最小断面積を表1に示す。なお、比較例2では気体通路を有さないエアゾールバルブを使用した。そして、得られた試験用エアゾール製品(ガラス製)について<相溶性>の評価を行い、試験用エアゾール製品(アルミニウム製)について残りの評価を行った。
【0069】
【表1】
【0070】
【表2】
【0071】
【表3】
【0072】
処方例1 水虫薬
下記の水性原液20gをアルミニウム製のエアゾール容器に充填し、エアゾールバルブを取り付け、DME(*2)を80g充填した。なお、エアゾールバルブは液体通路の最小断面積が0.07mm2であり、気体通路の最小断面積が0.28mm2であるものを用いた。
【0073】
<水性原液>
精製水 10.0
エタノール 82.5
ヒドロキシプロピルセルロース(*1) 2.0
プロピレングリコール 4.0
l−メントール 0.5
塩酸ブテナフィン 1.0
合計(質量部) 100.0
【0074】
処方例2 冷却剤
下記の水性原液30gをアルミニウム製耐圧容器に充填し、バルブを取り付け、バルブからDME(*2)を70g充填した。なお、エアゾールバルブは液体通路の最小断面積が0.07mm2であり、気体通路の最小断面積が0.28mm2であるものを用いた。
【0075】
<水性原液>
エタノール 95.5
ヒドロキシプロピルセルロース(*1) 1.0
プロピレングリコール 3.0
l−メントール 0.5
合計(質量部) 100.0
【0076】
処方例3 育毛剤
下記の水性原液40gをアルミニウム製のエアゾール容器に充填し、エアゾールバルブを取り付け、DME(*2)を60g充填した。なお、エアゾールバルブは液体通路の最小断面積が0.07mm2であり、気体通路の最小断面積が0.28mm2であるものを用いた。
【0077】
<水性原液>
エタノール 96.8
ヒドロキシプロピルセルロース(*1) 1.0
グリセリン 2.0
l−メントール 0.1
dl−α−トコフェロール 0.1
合計(質量部) 100.0
【0078】
処方例4 やけど治療薬
下記の水性原液20gをアルミニウム製耐圧容器に充填し、バルブを取り付け、バルブからDME(*2)を80g充填した。なお、エアゾールバルブは液体通路の最小断面積が0.07mm2であり、気体通路の最小断面積が0.28mm2であるものを用いた。
【0079】
<水性原液>
水 5.0
エタノール 89.7
ヒドロキシプロピルセルロース(*1) 3.0
プロピレングリコール 2.0
塩酸リドカイン 0.3
合計(質量部) 100.0
【0080】
前記の処方例1〜4で得られたエアゾール製品について前述の評価を行った。評価結果を表4に示す。
【0081】
【表4】
【符号の説明】
【0082】
1 ステム
2 マウンティングキャップ
3 ステムラバー
4 ガスケット
5 ハウジング
51 横孔
52 下孔
6 スプリング
7 ディップチューブ
A 通路A
B 通路B
図1
図2