(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6018456
(24)【登録日】2016年10月7日
(45)【発行日】2016年11月2日
(54)【発明の名称】アルミ鋳造庇およびアルミ鋳造庇の取付方法
(51)【国際特許分類】
E04F 10/08 20060101AFI20161020BHJP
【FI】
E04F10/08
【請求項の数】9
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2012-173639(P2012-173639)
(22)【出願日】2012年8月6日
(65)【公開番号】特開2013-50020(P2013-50020A)
(43)【公開日】2013年3月14日
【審査請求日】2014年7月30日
(31)【優先権主張番号】特願2011-170783(P2011-170783)
(32)【優先日】2011年8月4日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】511190580
【氏名又は名称】石黒 孝志
(74)【代理人】
【識別番号】100095740
【弁理士】
【氏名又は名称】開口 宗昭
(72)【発明者】
【氏名】石黒 孝志
【審査官】
西村 隆
(56)【参考文献】
【文献】
特開2001−159209(JP,A)
【文献】
実開昭56−051928(JP,U)
【文献】
実開昭52−056919(JP,U)
【文献】
実開昭49−072015(JP,U)
【文献】
実開昭62−071274(JP,U)
【文献】
登録実用新案第3094713(JP,U)
【文献】
米国特許第02644990(US,A)
【文献】
特開2008−075378(JP,A)
【文献】
特開2008−075379(JP,A)
【文献】
実開昭61−073718(JP,U)
【文献】
特開平08−135123(JP,A)
【文献】
特開平10−226866(JP,A)
【文献】
特開2005−282030(JP,A)
【文献】
米国特許第07685780(US,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04F 10/08
E04F 10/00
E04B 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用済アルミ缶等の廃材を主原料として鋳造された庇であって、建築物の壁面側に取付けられる取付板部と、この取付板部から下方に向けて傾斜延設させた庇体板部と、この庇体板部の幅方向の両側に垂下させた連結板部と、庇体板部裏面の長さ方向に沿わせて形成した複数のリブと、を備えてなり、連結棟材両側縁を介して各庇を隣接させることを特徴とするアルミ鋳造庇。
【請求項2】
少なくとも一の折板状庇体板部を含むことを特徴とする請求項1記載のアルミ鋳造庇。
【請求項3】
庇体板部先端側表面に幅方向全域に水切り溝を配したことを特徴とする請求項1又は請求
項2記載のアルミ鋳造庇。
【請求項4】
庇体板部の幅方向の一側縁に外方に向けて延設させた水返し板を配したことを特徴とする
請求項1〜請求項3のいずれか一に記載のアルミ鋳造庇。
【請求項5】
庇を横方向に複数併設させ、隣接する各連結板部に連結孔を穿孔し、この連結孔にネジ、
ボルト等の固定具により、連結することを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか一に
記載のアルミ鋳造庇。
【請求項6】
各庇を隣接させて、連結部から下方に向けてそれぞれ傾斜固定させることにより、庇を正
面視において山形を呈する形状とすることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか一
に記載のアルミ鋳造庇。
【請求項7】
建築物の壁面側に取付けられる取付基板に対して取付板部が取り付けられることを特徴と
する請求項1〜請求項6のいずれか一に記載のアルミ鋳造庇。
【請求項8】
使用済アルミ缶等の廃材を主原料として鋳造した庇であって、建築物の壁面側に取付けら
れる取付板部と、この取付板部から下方に向けて傾斜延設させた庇体板部と、この庇体板
部の幅方向の両側に垂下させた連結板部と、庇体板部裏面の長さ方向に沿わせて形成した
複数のリブと、を備えてなり、連結棟材両側縁を介して各庇を隣接させ、取付板部に取付
孔を穿孔し、この取付孔を介してネジ等の固定具により、建築物壁面内方の胴縁材、柱、
横梁または壁面内に埋設したホールアンカーに固定することを特徴とするアルミ鋳造庇の
取付方法。
【請求項9】
使用済アルミ缶等の廃材を主原料として鋳造した庇であって、建築物の壁面側に取付けら
れる取付板部と、この取付板部から下方に向けて傾斜延設させた庇体板部と、この庇体板
部の幅方向の両側に垂下させた連結板部と、庇体板部裏面の長さ方向に沿わせて形成した
複数のリブと、を備えてなり、連結棟材両側縁を介して各庇を隣接させ、建築物壁面に取
り付けた取付基板に対して取付板部を固定することを特徴とするアルミ鋳造庇の取付方法
。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、木造およびコンクリート建築物の窓や出入口の上部に、建築時および建築後も容易に取付けることができるアルミ鋳造庇およびアルミ鋳造庇の取付方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、木造建築物の窓や出入口の上部に取付けるアルミ製の庇は、建築物の壁面に固定するための取付板と、取付板から下方に傾斜させて延設させた庇本体とを、アルミ原料にて押出成形により一体成形することが知られている(特許文献1参照)。
【0003】
このように押出成形された庇の強度を向上させるためのリブは、庇の外側に向けて所定間隔を隔てて平行に幅方向全域に配されることが常であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実用新案登録第3054410号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に開示された押し出し庇によれば、木造建築物の壁面への取付けは、従来品に比べ容易に取付けることができる効果を奏するものの、庇の長さ方向に沿わせてリブを成形することが不可能であるため、壁面との固定部位の庇の強度を向上させることができなかった。
【0006】
また、押出成形品であるため、高価であり、しかも成形時に取付板および庇本体表面に家紋、その他の模様を付すことができず、デザイン性に欠けるものであった。
特に雨や雪の多い地方では窓や出入口には庇が必要である反面、庇の取付部分では水漏れが多発し、また庇は骨組みの施工などに非常に手間がかかる。そのためビル建築や住宅にさえあまり取り付けられていないのが実情である。
【0007】
本発明はこのような欠点に鑑み、建築物への取付けを容易とし、耐候性、強度、デザイン性に優れ、使用済アルミ缶等の廃材を再利用することができる庇の取付構造およびアルミ鋳造庇の取付方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係るアルミ鋳造庇およびアルミ鋳造庇の取付方法は、使用済アルミ缶等の廃材を主原料として鋳造した庇であって、建築物の壁面側に取付けられる取付板部と、この取付板部から下方に向けて傾斜延設させた庇体板部と、この庇体板部の幅方向の両側に垂下させた連結板部と、庇体板部裏面の長さ方向に沿わせて形成した複数のリブと、を備えてお
り、連結棟材両側縁を介して各庇を隣接させることを特徴とする、または取付板部に取付孔を穿孔し、この取付孔を介してネジ等の固定具により、建築物壁面内方の胴縁材、柱、横梁または壁面内に埋設したホールアンカーに固定することを特徴とする、
または、庇体板部先端側表面に幅方向全域に水切り溝を配したことを特徴とする、または、庇体板部の幅方向の一側縁に外方に向けて延設させた水返し板を配したことを特徴とする、
または、この庇を横方向に複数併設させ、隣接する各連結板部に連結孔を穿孔し、この連結孔にネジ、ボルト等の固定具により、連結することを特徴とする、
各庇を隣接させて、連結部から下方に向けてそれぞれ傾斜固定させることにより、庇を正面視において山形を呈する形状とすることもできる。
または、庇体板部を正面視上向き円弧型とし、庇を複数連結させることにより、庇を正面視においてアーチ型を呈する形状とすることを特徴とするものである。
【0009】
さらに建築物の壁面側に取付けられる取付基板に対して取付板部が取り付けられるようにすることもできる。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係るアルミ鋳造庇およびアルミ鋳造庇の取付方法によれば、取付板部に取付孔を穿孔し、この取付孔を介してネジ等の固定具により、建築物壁面内方の胴縁材、柱、横梁または壁面内に埋設したホールアンカーに固定するため、木造建築物のみならずコンクリート建築物にも容易に庇を取付けることができる。
【0011】
また、使用済アルミ缶等の廃材を再利用して鋳造するため、経済的であるばかりか、不要となった際にも庇を回収後、溶融して原料とすることにより再利用することができる。
【0012】
また、アルミ鋳造物であるため、耐候性に優れるばかりか、重厚感を醸し出し、デザイン性に優れる。
【0013】
さらに、鋳造型に家紋、その他の模様の凹部を形成させることにより、成形品である庇の表面に家紋、その他の模様を付すことが容易に行え、オリジナルデザイン等にも対応できる。
【0014】
また、庇体板部先端側表面の幅方向全域に水切り溝を配することにより、庇体板部上面に一時的に滞留した雨水、雪水が庇体板部先端側の幅方向全域から垂れるのを皆無とし、庇体板部の両側からのみ落下させることができる。
【0015】
また、庇体板部の幅方向の一側縁に外方に向けて延設させた水返し板を配することにより、より広範囲において雨水の浸入を防止することができ、使用上極めて有効である。
【0016】
また、庇体板部の幅方向の両側に垂下させた連結板部に連結孔を穿孔し、この連結孔にネジ、ボルト等の固定具により、連結するにより、庇を複数並列に連結させることが極めて容易となり、建築物の窓や出入口の部材の幅に対応した庇とすることができる。
【0017】
また、連結棟材両側に、それぞれ庇を、連結部から下方に向け
てそれぞれ傾斜固定させることにより、庇を正面視において山形を呈する形状とすること
ができ、極めてデザイン性に優れる。
【0018】
加えて、庇体板部を正面視上向き円弧型とし、庇を複数連結させることにより、庇を正面視においてアーチ型を呈する形状とすることができ、デザイン性がさらに向上する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図2】同、建築時における取付状態を示す拡大断面図である。
【
図3】同、建築後、後付け状態を示す拡大断面図である。
【
図4】同、窓部の上方に取付けた状態を示す斜視図である。
【
図5】同、複数並列に連結させて配した状態を示す斜視図である。
【
図7】連結棟材により山形に隣接連結させた状態を示す斜視図である。
【
図8】円弧型の庇を複数隣接連結させた状態を示す斜視図である。
【
図9】本発明に係るアルミ鋳造庇の一実施例の(a)平面図、(b)正面図、である。
【
図10】本発明に係るアルミ鋳造庇の他の実施例の(a)平面図、(b)側面図、(c)他の側面図、(d)正面図、(e)背面図、である。
【
図11】本発明に係るアルミ鋳造庇の施工例である組み合わせ例を示す(a)一の態様、(b)他の態様、(c)さらに他の態様、を示す説明図である。
【
図12】本発明に係るアルミ鋳造庇の一実施例の(a)側面図、(b)他の側面図、である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
建築物への取付けを容易とし、耐候性、強度、デザイン性に優れた効果を奏する目的を、建築物の壁面側に取付ける取付板部と、この取付板部から下方に向けて傾斜延設させた庇体板部と、この庇体板部の幅方向の両側に垂下させた連結板部と、庇体板部裏面の長さ方向に沿わせて形成した複数のリブと、により実現した。
【実施例1】
【0021】
図1〜
図4を参照して本発明の実施例1のアルミ鋳造庇について説明する。
【0022】
本発明に係る庇は、使用済アルミ缶等の廃材を主原料として鋳造したものであり、耐候性、強度に優れ、かつ独自の重厚感を醸し出すことができる。
【0023】
その構造は、建築物の壁面W側に取付ける取付板部11と、この取付板部11から下方に向けて傾斜延設させた庇体板部13と、この庇体板部13の幅方向の両側に垂下させた連結板部15と、庇体板部13裏面の長さ方向に沿わせて形成した複数のリブ17と、を備えてなるものである。
【0024】
本例において、取付板部11の大きさは、縦約20cm、横約60cmであり、庇体板部13は縦横約60cmであり、連結板部15は縦約5cm、横約60cmであり、リブ17は庇体板部13裏面の長さ方向に沿わせて取付板部11側から約数cm程度まで延設させた突条である。
【0025】
庇体板部13先端側表面の幅方向全域に水切り溝19を配してある。
【0026】
この水切り溝19により、庇体板部13上面に一時的に滞留した雨水、雪水が庇体板部13先端側の幅方向全域から垂れるのを皆無とし、庇体板部13の両側からのみ落下させることができる。
【0027】
なお、図中21は取付板部11に穿孔させた取付孔、Kはネジ等の固定具、Wは壁面、Bは壁面W内方に配した胴縁材、柱、横梁、Mは窓部材、Sは弾性シート材を示す。
【0028】
本発明に係るアルミ鋳造庇の建築物の壁面Wへの取付方法を以下に詳述する。
【0029】
本庇の取付けは、建築中の建築物の窓部材M上部の壁面Wに形成した凹所Hに取付ける場合、または建築後に建築物の壁面Wに後付けする場合、とがある。
【0030】
まず、建築中に予め形成した凹所Hに取付ける場合について説明する。
【0031】
凹所Hに取付板部11を当接し、予め取付板部11に穿孔させた取付孔21を介してネジ等の固定具Kにより、建築物壁面W内方の胴縁材、柱、横梁Bに固定する(
図2参照)。
【0032】
また、建築後、後付けにて取付ける場合、窓部材M上部の壁面Wに弾性シート材Sを介入させて取付板部11を当接し、取付板部11に穿孔させた取付孔21を介してネジ等の固定具Kにより、建築物壁面W内方の胴縁材、柱、横梁Bに固定する(
図3参照)。
【0033】
また、建築後、後付けにて取付ける場合において、建築物がコンクリート製である際には、コンクリート壁面内に予めホールアンカー(図示略)を埋設し、このホールアンカーにネジ等の固定具Kをねじ込み固定する。
【0034】
さらに、鋳造型に家紋、その他の模様の凹部を形成させることにより、成形品である庇の取付板部11および/または庇体板部13表面に家紋、その他の模様を付すことが可能となる。
【実施例2】
【0035】
図5に本発明に係るアルミ鋳造庇および取付方法の別の例が示してある。
【0036】
本例は、2個の庇を連結させて窓部材M上部に併設させる使用例であり、各庇体板部13の幅方向の両側に垂下させた連結板部15に連結孔23を穿孔し、この連結孔23にネジ、ボルト等の固定具Kにより、連結させたものである。このことにより、庇を2個あるいは3個以上並列に連結させることができ、建築物の窓部材Wの幅に対応した庇とすることができる。
【実施例3】
【0037】
図6、
図7に本発明に係るアルミ鋳造庇および取付方法のさらに別の例が示してある。
【0038】
本例は実施例2の如く庇を複数併設させるものであるが、連結棟材25を予め窓部材W上部に固定した後、この連結棟材25両側に、連結棟材25の両側斜辺に沿わせて、それぞれ庇を、連結棟材25から両側下方に向けてそれぞれ傾斜固定させることにより、庇を正面視において山形を呈する形状とすることができ、このため、極めてデザイン性に優れた効果を奏する。
【0039】
さらに、本例の庇体板部13の幅方向の一側縁には、外方に向けて延設させた水返し板27を配してある。
【0040】
この水返し板27により、広範囲において窓からの雨水の浸入を防止することができ、使用上極めて有効である。
【0041】
加えて、水返し板27は、取付板部11側に空間部を形成した状態とすることにより、庇体板部13表面側に一時的に滞留する雨水、雪水による汚損を防止する効果を奏する。この水返し板27は、左右両側を兼用する形状とすることによって、同一型を用いて製造するようにすることができる。
【実施例4】
【0042】
図8に本発明に係るアルミ鋳造庇および取付方法のさらに別の例が示してある。
【0043】
本例は、庇体板部13を正面視上向き円弧型とし、庇を複数連結させることにより、庇を正面視においてアーチ型を呈する形状とするものであり、実施例3同様、極めてデザイン性に優れた効果を奏する。
【実施例5】
【0044】
本例は、庇体板部13を
図9に示すように折板状庇体板部13aとし、庇を正面視において山形を呈する形状とするものである。庇体板部13はアルミ鋳物であり簡易に平板状、折板状とすることができ、柔軟で多様性のあるデザインの実現が可能である。
図10に平板状庇体板部13bを示す。
また折板状庇体板部13aと平板状庇体板部13bとを組み合わせて複数の庇体板部13を隣接させて、傾斜固定させることにより、無限の水平連結も可能であると共に、山形、弓形、波形のデザインも可能となる。
組み合わせ例を
図11に示す。
図11(a)は、折板状庇体板部13aを2枚組み合わせた例であり、中央部が水平となる。
図11(b)は折板状庇体板部13aを中央に配置して両端に平板状庇体板部13bを配置した例である。山形となる。
図11(c)は折板状庇体板部13aのみの組み合わせであり、緩やかな弓形形状とすることができる。
【実施例6】
【0045】
本例は、
図12に示す様に、建築物の壁面側に取付けられる取付基板30に対して取付板部11が固定される態様を示す。取付基板30は例えばステンレススチールを用いて製作する。
本例では取付基板30に対して取付板部11を固定することで庇体板部13はアルミ鋳物であり軽量なので一人の作業で取付ができる。
【0046】
なお、全例において、取付板部11、庇体板部13、連結板部15の大きさは全体で約60cm角の板体とするものであるが、必ずしもこの大きさに限定されることはない。
【0047】
また、実施例3において、2個併設した庇の一方の下部に別の連結棟材25を上下反転させて壁面Wに固定した後、別の庇を上方に傾斜させて固定し、この作業を順次行うことにより、多数併設させる庇を正面視において複数の山形(ノコ刃型)を呈する形状とすることは自明である。
【0048】
また、実施例3において、連結棟材25は、
隣接する庇を上下どちらか一方に傾斜させるべく溝または斜辺を備えた形状とする。
【0049】
以上本発明の実施例について説明したが、本発明は前記両実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々なる態様で実施し得ることはもちろんである。
【産業上の利用可能性】
【0050】
本発明に係るアルミ鋳造庇およびアルミ鋳造庇の取付方法は、建築物の窓や出入口の部材上方に配して雨水の窓や出入口からの浸入を防止する庇としてのみならず、エアコンの室外器の保護用庇、壁面に直接開口させた郵便受けの保護用庇としての取付構造、取付方法にも適用できる。
【0051】
本発明に係るアルミ鋳造庇およびアルミ鋳造庇の取付方法によれば鋳物一体構造なので全ての加工を工場で行うことができ、現場加工なしで既存建物にも実質的にワンタッチでの取り付けができる。しかも、各地域に根付いた技術と現存設備で小規模にて製作できるだけでなく、リサイクル材を使用することができる。また窓緑化による省エネルギー対策に貢献することができる。しかも、仕上げ色は市販のアルミサッシと同一に調整することができるので建築デザイン上使いやすいという利点がある。特に雨や雪の多い地方では窓や出入口には庇が欲しい。反面庇の取付部分では水漏れが多発する。また、庇は骨組みの施工などにとても手間がかかるのでビル建築や住宅にさえあまり取り付けられていない。
【0052】
本発明に係るアルミ鋳造庇およびアルミ鋳造庇の取付方法によれば省エネルギーを推進する公共施設や民間ビル建築には有効であり、取付が簡単であることからキット商品として仕立てて販売することも可能である。
【符号の説明】
【0053】
11 取付板部
13 庇体板部
15 連結板部
17 リブ
19 水切り溝
21 取付孔
23 連結孔
25 連結棟材
27 水返し板
K 固定具
W 壁面
B 胴縁材、柱、梁
S 弾性シート材