特許第6018506号(P6018506)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6018506対立遺伝子多様体の選択的低減
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6018506
(24)【登録日】2016年10月7日
(45)【発行日】2016年11月2日
(54)【発明の名称】対立遺伝子多様体の選択的低減
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/7088 20060101AFI20161020BHJP
   A61K 31/712 20060101ALI20161020BHJP
   A61K 31/7115 20060101ALI20161020BHJP
   A61K 31/7125 20060101ALI20161020BHJP
   A61K 48/00 20060101ALI20161020BHJP
   A61P 25/14 20060101ALI20161020BHJP
【FI】
   A61K31/7088
   A61K31/712
   A61K31/7115
   A61K31/7125
   A61K48/00
   A61P25/14
【請求項の数】26
【全頁数】158
(21)【出願番号】特願2012-552933(P2012-552933)
(86)(22)【出願日】2011年2月8日
(65)【公表番号】特表2013-518605(P2013-518605A)
(43)【公表日】2013年5月23日
(86)【国際出願番号】US2011024104
(87)【国際公開番号】WO2011097644
(87)【国際公開日】20110811
【審査請求日】2014年2月5日
(31)【優先権主張番号】61/371,640
(32)【優先日】2010年8月6日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/302,458
(32)【優先日】2010年2月8日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】595104323
【氏名又は名称】アイオーニス ファーマシューティカルズ, インコーポレーテッド
【氏名又は名称原語表記】Ionis Pharmaceuticals,Inc.
(73)【特許権者】
【識別番号】501060817
【氏名又は名称】ザ・ユニバーシテイ・オブ・ブリテイツシユ・コロンビア
【氏名又は名称原語表記】THE UNIVERSITY OF BRITISH COLUMBIA
(74)【代理人】
【識別番号】100140109
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 新次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100075270
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 泰
(74)【代理人】
【識別番号】100096013
【弁理士】
【氏名又は名称】富田 博行
(74)【代理人】
【識別番号】100092967
【弁理士】
【氏名又は名称】星野 修
(74)【代理人】
【識別番号】100117813
【弁理士】
【氏名又は名称】深澤 憲広
(72)【発明者】
【氏名】ベネット,シー・フランク
(72)【発明者】
【氏名】ヘイデン,マイケル
(72)【発明者】
【氏名】フレアー,スーザン・エム
(72)【発明者】
【氏名】グリーンリー,サラ
(72)【発明者】
【氏名】キャロル,ジェフリー
(72)【発明者】
【氏名】ウォービー,サイモン
(72)【発明者】
【氏名】スウェイジ,エリック・イー
【審査官】 春田 由香
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2009/135322(WO,A1)
【文献】 特表2008−513507(JP,A)
【文献】 国際公開第2008/005562(WO,A1)
【文献】 Experimental Neurology,2009年,Vol.217,pp.312-319
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 31/00−31/80
A61K 48/00
CAplus/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
PubMed
CiNii
医中誌WEB
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
細胞、組織又は動物の変異ハンチンチン対立遺伝子の発現を選択的に低減するための医薬組成物であって、変異ハンチンチン対立遺伝子の発現が選択的に低減される、rs7685686、rs362306、rs362331、rs2298969、rs4690072、rs2024115又はrs363088から選択される一塩基多型を含む位置にある変異ハンチンチン対立遺伝子に相補的な修飾オリゴヌクレオチドを含む化合物を含み、
ここで、前記修飾オリゴヌクレオチドがウイング-ギャップ-ウイングモチーフを含む一本鎖キメラアンチセンスオリゴヌクレオチドであり、
前記ウイング-ギャップ-ウイングモチーフが、2-9-6、3-9-3、3-9-4、3-9-5、4-7-4、4-9-4、4-9-5、4-10-5、4-11-4、4-11-5、5-7-5、5-8-6、5-9-3、5-9-5、5-10-4、5-10-5、6-7-6、6-8-5、及び6-9-2から成る群のいずれかであり、
前記修飾オリゴヌクレオチドが、前記変異ハンチンチン対立遺伝子に対し100%相補的である、前記医薬組成物。
【請求項2】
ハンチントン病の治療、改善、又は発症若しくは進行の遅延のための医薬組成物であって、rs7685686、rs362306、rs362331、rs2298969、rs4690072、rs2024115又はrs363088から選択される一塩基多型を含む対立遺伝子のあるポジションに位置する変異ハンチンチン対立遺伝子に対して相補的な修飾オリゴヌクレオチドを含む化合物を含み、
ここで、前記修飾オリゴヌクレオチドがウイング-ギャップ-ウイングモチーフを含む一本鎖キメラアンチセンスオリゴヌクレオチドであり、
前記ウイング-ギャップ-ウイングモチーフが、2-9-6、3-9-3、3-9-4、3-9-5、4-7-4、4-9-4、4-9-5、4-10-5、4-11-4、4-11-5、5-7-5、5-8-6、5-9-3、5-9-5、5-10-4、5-10-5、6-7-6、6-8-5、及び6-9-2から成る群のいずれかであり、
前記修飾オリゴヌクレオチドが、前記変異ハンチンチン対立遺伝子に対し100%相補的であり、
動物へ投与された化合物は変異ハンチンチン対立遺伝子を選択的に低減することにより、ハンチントン病を治療し、改善し、又は発症若しくは進行を遅らせる、前記医薬組成物。
【請求項3】
変異ハンチンチン対立遺伝子の発現が、野生型ハンチンチン対立遺伝子の発現と比較して、少なくとも40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%は選択的に低減される、請求項1または2に記載の医薬組成物。
【請求項4】
rs7685686、rs362306、rs362331、rs2298969、rs4690072、rs2024115又はrs363088から選択される一塩基多型部位を含むポジションにおける変異ハンチンチン対立遺伝子に相補的な修飾オリゴヌクレオチドを含む、1又は複数の追加の化合物が投与される、請求項1または2に記載の医薬組成物。
【請求項5】
修飾オリゴヌクレオチドが15〜20連結ヌクレオシドから成り、修飾オリゴヌクレオチドの5'末端から数えて、修飾オリゴヌクレオチドのポジション5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、又は15が、一塩基多型と一致する、請求項1または2に記載の医薬組成物。
【請求項6】
修飾オリゴヌクレオチドが共役アンチセンスオリゴヌクレオチドである、請求項5に記載の医薬組成物。
【請求項7】
少なくとも1つのヌクレオシド間連結が修飾ヌクレオシド間連結である、請求項5に記載の医薬組成物。
【請求項8】
各ヌクレオシド間連結がホスホロチオ酸ヌクレオシド間連結である、請求項に記載の医薬組成物。
【請求項9】
少なくとも1つのヌクレオシドが修飾核酸塩基を含む、請求項5に記載の医薬組成物。
【請求項10】
少なくとも1つの修飾核酸塩基が5'-メチルシトシンである、請求項に記載の医薬組成物。
【請求項11】
少なくとも1つのヌクレオシドが修飾糖を含む、請求項5に記載の医薬組成物。
【請求項12】
修飾糖が高度親和性糖修飾である、請求項11に記載の医薬組成物。
【請求項13】
高度親和性糖修飾が二環式糖である、請求項12に記載の医薬組成物。
【請求項14】
各二環式糖に4'-CH(CH3)-O-2'ブリッジが含まれる、請求項13に記載の医薬組成物。
【請求項15】
少なくとも1つの修飾糖に2'-O-メトキシエチルが含まれる、請求項11に記載の医薬組成物。
【請求項16】
修飾オリゴヌクレオチドのウィングセグメントに位置する各ヌクレオシドに2'-O-メトキシエチル修飾が含まれる、請求項5に記載の医薬組成物。
【請求項17】
修飾オリゴヌクレオチドは、リボザイム、二本鎖siRNA、又はshRNAではない、請求項5に記載の医薬組成物。
【請求項18】
修飾オリゴヌクレオチドが12〜20連結ヌクレオシドから成る、請求項5に記載の医薬組成物。
【請求項19】
修飾アンチセンスオリゴヌクレオチドが15〜19連結ヌクレオシドから成る、請求項5に記載の医薬組成物。
【請求項20】
ギャップ領域が7〜11ヌクレオシド長であり、5'ウィング領域が1〜6核酸塩基長であり、3'ウィング領域が1〜6核酸塩基長である、請求項5に記載の医薬組成物。
【請求項21】
少なくとも1つのウィング領域の少なくとも1つのヌクレオシドに修飾糖又は糖代用が含まれる、請求項5に記載の医薬組成物。
【請求項22】
各ウィング領域の各ヌクレオシドに修飾糖又は糖代用が含まれる、請求項5に記載の医薬組成物。
【請求項23】
糖又は糖代用が2'-O-メトキシエチル修飾糖である、請求項22に記載の医薬組成物。
【請求項24】
ウィング領域の少なくとも1つに4'〜2'二環式ヌクレオシドが含まれ、残りのウィングヌクレオシドの少なくとも1つが非二環式2'-修飾ヌクレオシドである、請求項5に記載の医薬組成物。
【請求項25】
非二環式2'-修飾ヌクレオシドが2'-O-メトキシエチルヌクレオシドである、請求項24に記載の医薬組成物。
【請求項26】
4'〜2'二環式ヌクレオシドが4'-CH(CH3)-O-2'二環式ヌクレオシドである、請求項24に記載の医薬組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
配列リスト
本願は、電子様式の配列リストと共に出願される。配列リストは2011年2月7日に作成され、容量が322KbのBIOL0125WOSEQ.txtと題したファイルとして提供される。電子様式による配列リストの本情報は、その全体を引用により本明細書に含めるものとする。
【0002】
本発明の実施形態は、一塩基多型(SNP)を含む対立遺伝子多様体の発現を選択的に低減するための方法、化合物、及び組成物を提供する。この方法、化合物、及び組成物は、ハンチントン病の治療、予防又は改善のために有益である。
【背景技術】
【0003】
遺伝病は、遺伝子又は染色体の異常により起こる。異常には、挿入、欠失、及び伸長が含まれる。ハンチントン病(HD)は、伸長に起因する遺伝病の一例である。HDは、優性遺伝する進行性神経変性障害で、ハンチンチン遺伝子(HTT)における多型トリヌクレオチド(CAG)トラクトの伸長という突然変異の結果生じる。一般集団における平均的CAGトラクトのサイズは、17〜26リピート(野生型対立遺伝子)であるが、HD患者においては、CAGトラクトは36又はそれ以上のリピートに伸長している(突然変異対立遺伝子)(Huntington’s Disease Collaborative Research Group 1993、Cell、72(6):971−83)。HTT遺伝子はHTTタンパク質をコードし、CAGトラクト伸長の結果、タンパク質のN末端近接においてポリグルタミンリピート数が異常増加する。個体はHTT遺伝子を2つ保有するが、突然変異対立遺伝子が1つ存在するだけでHDを発症する。
【0004】
HTTタンパク質は、中枢神経系発達の期間ある役割を担い、細胞においては保護的役割を担っているようである。マウスモデルにおいて、HTT遺伝子の構成的なノックアウトは胚発生中では致命的であり(Nasirら、1995、Cell、81(5):811−23)、一方、成体のHTT遺伝子不活性化は、脳及び精巣における進行性細胞死へと導く(Dragatsisら、2000、Nat.Genet、26:300−306)。よって、野生型対立遺伝子のハンチンチン発現を低減させることにより負の結果を生じる可能性がある。
【0005】
HD同様、突然変異対立遺伝子を選択的に低減させる戦略が有益となる疾患がいくつか存在する。よって、正常な細胞過程において必要であると思われる野生型多様体に対し、HTTの場合のように、疾患の原因となる突然変異対立遺伝子多様体が発現するのを選択的に低減させるというニーズは未だ満たされていない。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】SNP位置を示すmRNA及びHTTのゲノム配列を提供する。
【発明の概要】
【0007】
本明細書は、一塩基多型(SNP)を含む遺伝子の対立遺伝子多様体の発現を選択的に低減させるための方法、化合物及び組成物を提供する。この方法、化合物、及び組成物は、ハンチントン病の治療、予防又は改善に有益である。SNPは、その発現がHDの原因となる突然変異対立遺伝子に関連し得る。
【0008】
ある実施形態では、突然変異ハンチンチンのmRNA及びタンパク質発現の選択的低減は、アンチセンス化合物で突然変異対立遺伝子に位置するSNPを標的とすることにより達成される。ある実施形態では、アンチセンス化合物は、アンチセンスオリゴヌクレオチドである。
【0009】
ある実施形態では、SNPを含む遺伝子の対立遺伝子多様体を選択的に低減するよう設計されたアンチセンス化合物は、アンチセンス化合物の有効性及び選択性並びに集団遺伝子学に基づき作られている。
【0010】
発明の詳細な説明
前記の概要及び以下の詳細な説明は、単に典型例を示しかつ説明することのみを目的とするのであって、請求項に記載の本発明の範囲を制限するものではないと理解されるべきである。本明細書では、特段の記述がない限り、単数の使用には複数も含まれる。本明細書で使用される「又は」は、特段の記述がない限り「及び/又は」の意味である。さらに、「を含む(including)」という用語、並びに、「を含む(includes)」及び「に含まれる(included)」等のその他の表現の利用は、制限を意味しない。また、「要素(element)」又は「コンポーネント(component)」等の用語には、特段の記述がない限り、1つのユニットを含む要素及びコンポーネントと、2以上のサブユニットを含む要素及びコンポーネントの両方が包含される。
【0011】
本明細書のセクションの見出しは構成目的でのみ使用されており、本明細書に記載の主題項目を制限するものと解釈されるべきではない。特許文献、特許出願書類、学術論文、書籍、及び約定等を含むがこれに限定されない、本願で引用されたすべての文献、又は文献の一部は、本明細書で論じる文献の部分並びにその全体を、引用により明示的に本明細書に含めるものとする。
【0012】
定義
特定の定義が付与されない限り、本明細書に記載の分析化学、有機合成化学、及び医薬・製薬化学との関連で利用される命名法、及び手順と技法は、当業者に周知であり、また当技術分野で一般に使用されている。化学合成及び化学分析には、標準的技法が用いられ得る。可能であれば、全ての特許文献、特許出願書類、公開特許出願書類及びその他の刊行物、GENBANKアクセッション番号及び国立生物工学情報センター(National Center for Biotechnology Information)(NCBI)等のデータベースを通じて取得可能な関連する配列情報、並びに本明細書での開示全体にわたり言及されるその他のデータは、本明細書で論じる文献の部分並びにその全体を、引用により含めるものとする。
【0013】
特段の指示がない限り、以下の用語には以下の意味が含まれる。
【0014】
「2’−O−メトキシエチル」(2’−MOE及び2’−O(CH−OCHとも称される)は、フロシル環の2’位のO−メトキシ−エチル修飾を指している。2’−O−メトキシエチル修飾糖とは、修飾された糖のことである。
【0015】
「2’−O−メトキシエチルヌクレオチド」は、2’−O−メトキシエチル修飾糖部分を含むヌクレオチドという意味である。
【0016】
「5−メチルシトシン」は、メチル基を5’位に結合させ修飾したシトシンを意味する。5−メチルシトシンは、修飾された核酸塩基である。
【0017】
「活性薬剤」は、個体への投与時に治療効果をもたらす医薬組成物における1つの物質又は複数の物質を意味する。例えば、ある実施形態では、対立遺伝子多様体を標的とするアンチセンスオリゴヌクレオチドは、活性薬剤である。
【0018】
「活性標的領域」又は「標的領域」は、1又は複数の活性アンチセンス化合物が標的とする領域を意味する。「活性アンチセンス化合物」は、標的の核酸レベル又はタンパク質レベルを低減するアンチセンス化合物を意味する。
【0019】
「同時に投与される」とは、2つの薬剤の医薬効果が同時に患者に現れるよう2つの薬剤を同時に投与することを指している。同時投与においては、両方の薬剤を1つの医薬組成物で、同じ用量の剤形で、又は同じ投与経路により投与する必要はない。両方の薬剤の効果が同時に現れる必要もない。効果は一定期間重複する必要があるだけで、同延的である必要はない。
【0020】
「投与する」は、個体に対し医薬剤を提供するという意味であり、医療専門家による投与及び自己投与を含むが、これに限定されない。
【0021】
「対立遺伝子」は、遺伝子対の片方、又は、特定の染色体上の1つの遺伝子座又はマーカーに存在し得るDNA配列の、一連の異なる様式の1つのメンバーを意味する。二倍体生物若しくは細胞又は常染色体では、各対立遺伝子対は通常、一対の相同染色体上の対応する位置(遺伝子座)を占め、一つは母親から継承され、もう1つは父親から継承される。これらの対立遺伝子座が同じであれば、有機体又は細胞は、対立遺伝子に関して「ホモ接合的である」と称し、もし異なれば、有機体又は細胞は対立遺伝子に関して「ヘテロ接合的である」と称す。「メジャー対立遺伝子」は、ヒト集団のうち統計的に有意な割合の個体群に存在するヌクレオチドを含む対立遺伝子を指している。「マイナー対立遺伝子」は、ヒト集団のうち比較的少数の個体群に存在するヌクレオチドを含む対立遺伝子を指している。「野生型対立遺伝子」は、遺伝子産物の疾患又は機能障害に典型的には関連しない遺伝子型を指している。「突然変異対立遺伝子」は、遺伝子産物の疾患又は機能障害に関連する遺伝子型を指している。
【0022】
「対立遺伝子多様体」は、1つの遺伝子座に存在する遺伝子又はDNA配列のペアの片方を指している。例えば、対立遺伝子多様体は、メジャー対立遺伝子又はマイナー対立遺伝子のいずれかを指していることがある。
【0023】
「改善」は、関連する疾患、障害又は状態の少なくとも1つの兆し、兆候、症状を低下させることを指している。兆しの程度は、当業者に既知の主観的又は客観的測定により決定され得る。
【0024】
「動物」は、マウス、ラット、ラビット、犬、ネコ、豚、並びに、サル及びチンパンジーを含むがこれに限定されない非ヒト霊長類等のヒト又は非ヒト動物を指しているが、これに限定されない。
【0025】
「抗体」は、抗体と抗原が互いに相手に関して定められているという具合に、抗原と特異的に反応することにより特徴付けられる分子を指している。抗体は、重鎖、軽鎖、Fab領域及びFc領域等の完全な抗体分子又は任意の断片若しくはその領域を指す場合もある。
【0026】
「アンチセンス活性」は、アンチセンス化合物がその標的核酸にハイブリダイズすることに起因する、検出可能又は測定可能な任意の活性を意味する。ある実施形態では、アンチセンス活性とは、標的核酸又は標的核酸によりコードされるタンパク質の量又は発現を低下させることである。
【0027】
「アンチセンス化合物」は、水素結合により、標的核酸とハイブリダイズすることができるオリゴマー化合物を意味する。
【0028】
「アンチセンス阻害」は、アンチセンス化合物の不存在下における標的核酸のレベル又は標的タンパク質のレベルと比較して、標的核酸に対して相補的なアンチセンス化合物の存在下における標的核酸のレベル又は標的タンパク質のレベルを低減させることを意味する。
【0029】
「アンチセンスオリゴヌクレオチド」は、標的核酸の対応する領域又はセグメントへのハイブリダイゼーションを可能にする核酸塩基配列を有する単鎖オリゴヌクレオチドを意味する。
【0030】
「二環式糖」は、2つの環原子の架橋により修飾されたフロシル環を意味する。二環式糖は、修飾された糖である。
【0031】
「二環式ヌクレオシド」は、糖環の2つの炭素原子を結合させて、二環式環系を形成するブリッジを含む糖部分を有するヌクレオシドのことである。ある実施形態では、ブリッジは、糖環の4’位炭素と2’位炭素を結合させる。
【0032】
「キャップ構造」又は「末端キャップ部分」は、アンチセンス化合物のいずれかの末端に組み込まれている化学的修飾を意味する。
【0033】
「cEt」又は「拘束エチル」は、4’位炭素及び2’位炭素を結合し、化学式が4’−CH(CH)−O−2’であるブリッジを含む糖部分を有する二環式ヌクレオシドのことである。
【0034】
「化学的に異なる領域」は、同じアンチセンス化合物の別の領域とは多少なりとも化学的に異なるアンチセンス化合物の領域を指している。例えば、2’−O−メトキシエチルヌクレオチドを有する領域は、2’−O−メトキシエチル修飾のないヌクレオチドを有する領域とは化学的に異なる。
【0035】
「キメラアンチセンス化合物」は、少なくとも2つの化学的に異なる領域を有するアンチセンス化合物を意味する。
【0036】
「共投与」は、個体に対し、2又はそれ以上の医薬剤を投与することを意味する。2又はそれ以上の医薬剤は、単一の医薬組成物でもよく、又は別々の医薬組成物であってもよい。2又はそれ以上の医薬剤は、同じ投与経路を通じて投与してもよく、又は異なる投与経路を通じて投与してもよい。併用又は連続投与も共投与に含まれる。
【0037】
「相補性」とは、第1の核酸と第2の核酸の核酸塩基対形成能を意味する。
【0038】
「近接する核酸塩基」とは、互いに直隣接である核酸塩基を意味する。
【0039】
「識別用多型」とは、核酸配列の野生型と突然変異対立遺伝子を識別できるヌクレオチド配列の多様性を意味する。識別用多型には、配列中の1若しくは小数のヌクレオチドの挿入若しくは欠失、又は配列中の1若しくは少数のヌクレオチドの変更が含まれ得る。識別用多型又は多型対立遺伝子は、1又は複数のその他の多型又は多型対立遺伝子と連鎖不平衡であり得る。
【0040】
「希釈剤」は、薬理活性を欠いているが、薬剤的に必要又は望ましい組成物の成分を意味する。例えば、注入された組成物の希釈剤は、生理食塩水等の液体であり得る。
【0041】
「用量」は、単回投与で、又は指定された期間の投与で提供される投薬量を意味する。ある実施形態では、用量は、1回、2回、又はそれ以上のボーラス、錠剤、又は注射により投与してもよい。例えば、皮下投与が望ましいある実施形態では、所望の投与量は、単回注射では容易に処置できない量であり、従って、所望の量を投与するために、2回又はそれ以上の注射投与を行ってもよい。ある実施形態では、長時間にわたり又は連続的に点滴注入により医薬剤を投入する。用量は、時間毎、日毎、週毎、又は月毎の投薬量としてもよい。
【0042】
「有効量」は、医薬剤を必要とする個体において所望の身体的効果を生じさせるのに十分な活性医薬剤の量を意味する。有効量は、治療対象である個体の健康及び身体的状態、治療対象である個体の分類学上のグループ、組成物の製剤、個体の医学的状態の評価、及びその他の関連する要因により、個体間で異なる。
【0043】
「完全に相補的である」又は「100%相補的である」とは、第1の核酸の各核酸塩基が第2の核酸中に相補的核酸塩基を有することを意味する。ある実施形態では、第1の核酸はアンチセンス化合物であり、標的核酸は第2の核酸である。
【0044】
「ギャップマー(Gapmer)」は、RNaseH切断をサポートする複数のヌクレオシドを有する内部領域が1又は複数のヌクレオシドを有する外部領域間に位置し、内部領域を構成するヌクレオシドは、外部領域を構成する1又は複数のヌクレオシドとは化学的に異なる、キメラアンチセンス化合物を意味する。内部領域は「ギャップ(gap)」と称され、外部領域は、「ウィングス(wings)」と称される。
【0045】
「ギャップ拡大型(Gap−widened)」とは、1〜6個のヌクレオシドを有する5’及び3’ウィングセグメントの間に、及び直隣接するよう位置づけられている、12個又はそれ以上の近接2’−デオキシリボヌクレオシドのギャップセグメントを有するキメラアンチセンス化合物のことである。
【0046】
「遺伝子産物」は、遺伝子の発現の結果生じる、RNA又はタンパク質等の生化学物質を指している。
【0047】
「ハプロタイプ」は、通常共に遺伝される、一染色体上の密接に関連する対立遺伝子群を意味する。例えば、染色体上の核酸配列の最初の部位にある多型対立遺伝子が、ランダムな相関(例えば、「連鎖均衡」)での予測とは異なる頻度で、同じ染色体上の2番目の部位の別の多型対立遺伝子と関連しているのが認められる場合がある。このような2つの多型対立遺伝子は、「連鎖不平衡」として記載され得る。ハプロタイプには、2つ、3つ、4つ、又はそれ以上の対立遺伝子が含まれ得る。組み換えイベントが起こらない限り、染色体の所定のセグメント沿いのハプロタイプ中の対立遺伝子群は、一般的には共に子孫に継承される。
【0048】
「高度親和性糖修飾」は修飾された糖部分であり、糖部分がヌクレオシドに含まれ、ヌクレオシドがアンチセンスオリゴヌクレオチドに組み入れられた場合、アンチセンスオリゴヌクレオチド:RNA二本鎖の安定性(Tmにより測定)が、DNA:RNA二本鎖の安定性に比べて増加する。
【0049】
「高度親和性糖修飾ヌクレオシド」は、修飾されたヌクレオシドを含むヌクレオシドであり、ヌクレオシドがアンチセンス化合物に組み入れられた場合、アンチセンス化合物の相補的RNA分子に対する結合親和性(Tmにより測定)が増加する、修飾された糖の部分を含むヌクレオシドである。本発明のある実施形態では、少なくとも1つの糖修飾高度親和性ヌクレオシドは、本明細書にその全体が引用により含まれるFreierら(Nucleic Acids Res.、1997、25、4429−4443)の記載による方法に従って決定される相補的RNAに対するヌクレオシド毎に少なくとも1〜4度の融解温度差ΔTmをもたらす。別の実施形態では、高度親和性糖修飾の少なくとも1つは、修飾毎に約2度若しくはそれ以上、3度若しくはそれ以上、又は4度若しくはそれ以上をもたらす。本発明のコンテキストにおいて、糖修飾高度親和性ヌクレオシドの実施例として、(i)2’−置換及び4’〜2’二環式ヌクレオシドを含む、特定の2’−修飾ヌクレオシド、及び(ii)修飾されたテトラヒドロピラン及びトリシクロDNAヌクレオシド等、修飾毎に結合親和性を増加させる他の特定の非リボフラノシルヌクレオシドが含まれるが、これらに限定されない。糖修飾高度親和性ヌクレオシドの他の修飾に関しては、Freierら(Nucleic Acids Res.、1997、25、4429−4443)を参照のこと。
【0050】
「ハイブリダイゼーション」は、相補的核酸分子のアニーリングを意味する。ある実施形態では、相補的核酸分子には、アンチセンス化合物及び標的核酸が含まれる。
【0051】
「直隣接の」とは、直接隣接する要素の間に介入するものが何も存在しないことである。
【0052】
「個体の」とは、治療又は療法のために選択されたヒト又は非ヒト動物のことである。
【0053】
「ヌクレオシド間連結」とは、ヌクレオシド間の化学結合のことである。
【0054】
「連結ヌクレオシド」とは、互いに結合する隣接のヌクレオシドのことである。
【0055】
「ミスマッチ」又は「非相補的核酸塩基」は、第1の核酸が第2の核酸又は標的核酸の対応する核酸塩基と対形成できないことを指している。
【0056】
「修飾ヌクレオシド間連結」は、自然発生するヌクレオシド間結合(すなわち、ホスホジエステルヌクレオシド間結合)の置換又は任意の変更を指している。
【0057】
「修飾核酸塩基」は、アデニン、シトシン、グアニン、チミジン、又はウラシル以外の任意の核酸塩基を指している。「非修飾核酸塩基」は、プリンベースのアデニン(A)及びグアニン(G)、並びにピリミジンベースのチミン(T)、シトシン(C)及びウラシル(U)を指している。
【0058】
「修飾ヌクレオチド」は、修飾糖部分、修飾ヌクレオシド間連結、又は修飾核酸塩基を独立して有するヌクレオチドを意味する。「修飾ヌクレオシド」は、修飾糖部分又は修飾核酸塩基を独立して有するヌクレオシドを意味する。
【0059】
「修飾オリゴヌクレオチド」は、修飾ヌクレオシド間連結、修飾糖、又は修飾核酸塩基を含むオリゴヌクレオチドを意味する。
【0060】
「修飾糖」は、天然の糖の置換又は変更を指している。
【0061】
「モチーフ」は、アンチセンス化合物の化学的に異なる領域のパターンを意味する。
【0062】
「自然に発生するヌクレオシド間連結」は、3’〜5’ホスホジエステル結合を意味する。
【0063】
「天然の糖部分」は、DNA(2’−H)又はRNA(2’−OH)に認められる糖を意味する。
【0064】
「核酸分解酵素抵抗性修飾」は、オリゴヌクレオチドに組み入れられた場合、細胞核酸分解酵素(例えば、エキソ又はエンド核酸分解酵素)下でオリゴヌクレオチドがより安定的に分解されるようにする、糖修飾又は修飾ヌクレオシド間連結を意味する。核酸分解酵素抵抗性修飾の実施例として、ホスホロチオ酸ヌクレオシド間連結、二環式糖修飾、2’−修飾ヌクレオチド、又は中性のヌクレオシド間連結が含まれるが、これらに限定されない。
【0065】
「核酸」は、単量体のヌクレオチドで構成される分子を指している。核酸には、リボ核酸(RNA)、デオキシリボ核酸(DNA)、一本鎖核酸、二本鎖核酸、低分子干渉リボ核酸(siRNA)、及びマイクロRNA(miRNA)が含まれる。
【0066】
「核酸塩基」は、もう1つの核酸塩基と対形成できるヘテロ環式部分を意味する。
【0067】
「核酸塩基配列」は、任意の糖、連結、又は核酸塩基修飾から独立した隣接する核酸塩基の順序を意味する。
【0068】
「ヌクレオシド」は、糖に連結する核酸塩基を意味する。
【0069】
「模倣ヌクレオシド」は、糖又は糖と塩基を置換するために使用される構造を含み、例えばモルホリノ糖、シクロヘキセニル糖、シクロヘキシル糖、テトラヒドロピラニル糖、ビシクロ糖又はトリシクロ糖の模倣物、例えば、非フラノース糖ユニットを有するヌクレオシドの模倣物等のオリゴマー化合物の1又は複数の位置において必ずしも連結は認められない。模倣ヌクレオチドは、ヌクレオシドを置換するために使用される構造を含み、例えば、ペプチド核酸又はモルフォリノ類(−N(H)−C(=O)−O−又は他の非ホスホジエステル連結に結合するモルフォリノ類)等のオリゴマー化合物の1又は複数の位置において連結が認められる。糖代用は、わずかに広義な模倣ヌクレオシドという用語と重複しているが、糖ユニット(フラノース環)の置換を示すことを意図したものである。本明細書で提供されるテトラヒドロピラニル環は、フラノース糖基がテトラヒドロピラニル環系で置換された糖代用の一例を示している。
【0070】
「ヌクレオチド」は、ヌクレオシドの糖部分と共有結合的に結合したリン酸基を有するヌクレオシドを意味する。
【0071】
「オリゴマー化合物」又は「オリゴマー」は、核酸分子の少なくとも1つの領域とハイブリダイズできる、連結された単量体サブユニットのポリマーを意味する。
【0072】
「オリゴヌクレオチド」は、それぞれが修飾又は非修飾であり得、互いに独立した、連結ヌクレオシドのポリマーを意味する。
【0073】
「非経口投与」は、注射又は注入による投与を意味する。非経口投与には、皮下投与、静脈内投与、筋肉内投与、動脈内投与、腹腔内投与、又は髄腔内若しくは脳室内投与等の頭蓋内投与が含まれる。
【0074】
「ペプチド」は、アミド結合により少なくとも2つのアミノ酸を連結することで形成される分子を意味する。ペプチドは、ポリペプチド及びタンパク質を指している。
【0075】
「医薬組成物」は、個体に投与するのに好適な物質の混合物を意味する。例えば、医薬組成物には、1又は複数の活性医薬剤及び滅菌水溶液が含まれ得る。
【0076】
「薬剤的に許容できる塩」は、生理的かつ薬剤的に許容できるアンチセンス化合物の塩、すなわち、親オリゴヌクレオチドの所望の生物活性を保有し、それに対し所望でない毒素学的効果を与えない塩を意味する。
【0077】
「ホスホロチオ酸連結」は、ホスホジエステル結合を、硫黄原子との非架橋酸素原子の1つと置き換えることにより修飾されたヌクレオシド間の連結を意味する。ホスホロチオ酸(P=S)は、修飾ヌクレオシド間連結である。
【0078】
「部分」とは、核酸のうち定められた数の隣接(すなわち、連結)核酸塩基を意味する。ある実施形態では、1つの部分は、標的核酸のうち定められた数の隣接核酸塩基である。ある実施形態では、1つの部分は、アンチセンス化合物のうち定められた数の隣接核酸塩基である。
【0079】
「予防する」は、数分から無期限に至るまでの一定の期間における、疾患、障害、又は状態の発生又は発達を遅延又は未然に防ぐことを指している。予防はまた、疾患、障害又は状態の発達のリスクを低減することも意味する。
【0080】
「プロドラッグ」は、内在酵素若しくは他の化学物質の作用又は条件により、身体又はその細胞内で活性化する不活性な形態で調製された治療剤を意味する。
【0081】
「対立遺伝子多様体の発現を選択的に低減させる」とは、対立遺伝子群のうち他の異なる対立遺伝子よりも、ある対立遺伝子の発現を低減させることを意味する。例えば、一塩基多型(SNP)を含む突然変異対立遺伝子を、SNPを含まない野生型対立遺伝子よりも多く低減され得る。
【0082】
「副作用」は、所望の効果以外の、治療に起因し得る身体的反応を意味する。ある実施形態では、副作用には、注射部位反応、肝機能検査の異常、腎機能異常、肝毒性、腎毒性、中枢神経系の異常、筋障害、及び倦怠感等が含まれる。例えば、血清アミノトランスフェラーゼ値の上昇は、肝臓毒性又は肝機能異常を示すことがある。例えば、ビリルビンの増加は、肝臓毒性又は肝機能異常を示している場合がある。
【0083】
「一塩基多型」又は「SNP」は、同種の個体のゲノム間の一塩基の変動を意味する。いくつかの場合、SNPは一塩基の欠失又は挿入であり得る。一般に、SNPはゲノムで比較的頻繁に発生し、よって、遺伝的多様性に寄与している。SNPは、他の多型よりも突然変異としては安定しており、そのため、マーカーと未知の多様体間の連鎖不平衡を用いて疾患の原因となる突然変異をマッピングする関連研究に利用される。SNPの位置は、一般に、高度に保存された配列に隣接している。個体は、各SNP部位の対立遺伝子に対してホモ接合的又はヘテロ接合的であり得る。ヘテロ接合的SNP対立遺伝子は識別用多型となり得る。アンチセンスオリゴヌクレオチドでSNPを標的対象とすることもできる。すなわち、SNPは、アンチセンスオリゴヌクレオチドのポジション1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、又は20とアニールする(又は、一致する)ということである。ハイブリダイゼーションを促進するためには、アンチセンスオリゴヌクレオチドの残りの塩基も、SNP部位に対し十分な相補性を有していなければならない。
【0084】
「一塩基多型位置」又は「SNP位置」は、参照配列上のSNPのヌクレオチド位置を指している。
【0085】
「一塩基多型部位」又は「SNP部位」は、アンチセンス化合物の標的対象である標的核酸に含まれるSNP周辺のヌクレオチドを指している。
【0086】
「一本鎖オリゴヌクレオチド」は、相補的鎖にハイブリダイズされないオリゴヌクレオチドを意味する。
【0087】
「特異的にハイブリダイズ可能な」とは、特異的結合が所望される条件下、すなわち、in vivoアッセイ及び治療の場合は身体的条件下で、非標的核酸への効果が最小又は皆無であることを示しつつ、アンチセンスオリゴヌクレオチドと標的核酸の間では所望の効果を導入するのに十分な度合いの相補性が存在するアンチセンス化合物を指している。
【0088】
「標的とする」又は「標的とされた」とは、標的核酸に特異的にハイブリダイズし、所望の効果を導入するアンチセンス化合物の設計及び選択の過程を意味する。
【0089】
「標的核酸」、「標的RNA」、及び「標的RNA転写」は全て、アンチセンス化合物の標的対象となり得る核酸を指している。
【0090】
「標的セグメント」は、アンチセンス化合物の標的対象となる標的核酸のヌクレオチド配列を意味する。例えば、本願の目的のためには、標的セグメントはSNP部位内に存在してもよい。「5’標的部位」は、標的セグメントの最も5’側ヌクレオチドを指している。「3’標的部位」は、標的セグメントの最も3’側ヌクレオチドを指している。
【0091】
「治療的有効量」は、個体に対し治療的有効性を与える医薬剤の量を意味する。
【0092】
「治療する」とは、疾患、障害、又は状態の変化又は改善を有効にする医薬組成物を投与することを指している。
【0093】
「非修飾ヌクレオチド」は、自然に発生する核酸塩基、糖部分、及びヌクレオシド間連結から成るヌクレオチドを意味する。ある実施形態では、非修飾ヌクレオチドは、RNAヌクレオチド(すなわち、β−D−リボヌクレオシド)又はDNAヌクレオチド(すなわち、β−D−デオキシリボヌクレオシド)である。
【発明を実施するための形態】
【0094】
本発明の実施形態は、遺伝子又はDNA配列の対立遺伝子多様体のmRNA及びタンパク質発現を選択的に阻害するための方法、化合物、及び組成物を提供する。ある実施形態では、対立遺伝子多様体には、一塩基多型(SNP)が含まれる。ある実施形態では、SNPは識別用多型である。ある実施形態では、SNPが突然変異対立遺伝子と関連している。ある実施形態では、SNPは、疾患と関連しているか、又は疾患の原因である別の多型と連鎖不平衡にある。ある実施形態では、突然変異対立遺伝子は疾患と関連している。ある実施形態では、突然変異対立遺伝子のmRNA及びタンパク質発現が疾患と関連している。
【0095】
ある実施形態では、突然変異対立遺伝子の発現遺伝子産物は、疾患の原因である突然変異タンパク質凝集を生じさせる。ある実施形態では、突然変異対立遺伝子の発現遺伝子産物は、疾患の原因となる機能を獲得させる。
【0096】
ある実施形態では、突然変異対立遺伝子のmRNA及びタンパク質発現の選択的低減は、アンチセンス化合物で突然変異対立遺伝子に位置するSNPを標的とすることにより達成される。ある実施形態では、アンチセンス化合物は、アンチセンスオリゴヌクレオチドである。ある実施形態では、アンチセンス化合物は、リボザイム、二本鎖siRNA、又はshRNAではない。ある実施形態では、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、1又は複数の修飾糖、核酸塩基、又はヌクレオシド間連結を有してもよい。ある実施形態では、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、SNP部位に対し相補的である。ある実施形態では、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、SNP部位に対し相補的である。ある実施形態では、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、SNP部位に対し、少なくとも65%、70%、75%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、又は99%相補的である。ある実施形態では、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、SNP部位に対し100%相補的である。ある実施形態では、SNP部位は、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、又は30核酸塩基長である。ある実施形態では、SNPは、アンチセンスオリゴヌクレオチドのポジション1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、又は20とアニールする。
【0097】
ある実施形態では、SNPを含む遺伝子の対立遺伝子多様体を選択的に低減するよう設計されたアンチセンス化合物は、アンチセンス化合物の有効性及び選択性並びに集団遺伝学に基づいて作成される。
【0098】
ある実施形態では、SNPを含む遺伝子の対立遺伝子多様体のmRNA及びタンパク質発現の選択的低減は、細胞又は組織で起こる。ある実施形態では、細胞又は組織は動物のである。ある実施形態では、動物はヒトである。
【0099】
ある実施形態では、突然変異ハンチンチン対立遺伝子の発現の選択的低減を必要とする動物において突然変異ハンチンチン対立遺伝子の発現を選択的に低減することを含むハンチントン病の治療法であって、15〜20の連結ヌクレオシドから成り、突然変異ハンチンチン対立遺伝子に対し完全に相補的である修飾オリゴヌクレオチドを含み、修飾オリゴヌクレオチドの5’末端から数えて、修飾オリゴヌクレオチドのポジション5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、又は15が、rs6446723、rs3856973、rs2285086、rs363092、rs916171、rs6844859、rs7691627、rs4690073、rs2024115、rs11731237、rs362296、rs10015979、rs7659144、rs363096、rs362273、rs16843804、rs362271、rs362275、rs3121419、rs362272、rs3775061、rs34315806、rs363099、rs2298967、rs363088、rs363064、rs363102、rs2798235、rs363080、rs363072、rs363125、rs362303、rs362310、rs10488840、rs362325、rs35892913、rs1936032、rs2276881、rs363070、rs12502045、rs7685686、rs3733217、rs362331、rs2857936、rs12506200、rs762855、rs4690072、rs363081、rs363075、rs3025849、rs6855981、rs363144、rs3025838、rs2298969、rs362322、rs362307、rs362306、及びrs1006798から成る群における任意のSNP部位と一致する化合物を、動物に投与することを含むハンチントン病の治療法を記載する。
【0100】
ある実施形態では、15〜20連結ヌクレオシド長であり、ハンチンチンの一塩基多型を標的とし、配列番号6〜285のいずれか一つの核酸塩基配列の12核酸塩基部分を含む修飾オリゴヌクレオチドを含み、修飾オリゴヌクレオチドの5’末端から数えて、修飾オリゴヌクレオチドのポジション5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、又は15が、ハンチンチンの一塩基多型と一致する化合物を記載する。
【0101】
ある実施形態では、修飾オリゴヌクレオチドは、5−10−5、2−9−6、3−9−3、3−9−4、3−9−5、4−7−4、4−9−3、4−9−4、4−9−5、4−10−5、4−11−4、4−11−5、5−7−5、5−8−6、5−9−3、5−9−5、5−10−4、5−10−5、6−7−6、6−8−5、及び6−9−2から成る群の任意の1つのウイング−ギャップ−ウイングモチーフを含む。
【0102】
ある実施形態では、少なくとも1つのヌクレオシド間連結が、修飾ヌクレオシド間連結である。ある実施形態では、各ヌクレオシド間連結は、ホスホロチオ酸ヌクレオシド間連結である。
【0103】
ある実施形態では、少なくとも1つのヌクレオシドには修飾核酸塩基が含まれる。ある実施形態では、修飾核酸塩基は、5’−メチルシトシンである。
【0104】
ある実施形態では、少なくとも1つのウィング領域の少なくとも1つのヌクレオシドには、修飾糖又は糖代用が含まれる。ある実施形態では、各ウィング領域の各ヌクレオシドには、修飾糖又は糖代用が含まれる。ある実施形態では、糖又は糖代用は、2’−O−メトキシエチル修飾糖である。ある実施形態では、少なくとも1つのウィング領域には、4’〜2’二環式ヌクレオシドが含まれ、残りのウィングヌクレオシドのうち少なくとも1つが、非二環式2’−修飾ヌクレオシドである。ある実施形態では、非二環式2’−修飾ヌクレオシドは、2’−O−メトキシエチルヌクレオシドである。ある実施形態では、4’〜2’二環式ヌクレオシドは、4’−CH(CH3)−O−2’二環式ヌクレオシドである。
【0105】
ある実施形態では、15〜20の連結ヌクレオシド長であり、ハンチンチンの一塩基多型を標的とし、配列番号6〜285のいずれか一つの核酸塩基配列の12核酸塩基部分を含む修飾オリゴヌクレオチドを含み、修飾オリゴヌクレオチドの5’末端から数えて、修飾オリゴヌクレオチドのポジション5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、又は15が、ハンチンチンの一塩基多型と一致する化合物を投与することを含む、突然変異ハンチンチンの選択的低減法を記載する。
【0106】
ある実施形態では、15〜20の連結ヌクレオシド長であり、ハンチンチンの一塩基多型を標的とし、配列番号6〜285のいずれか一つの核酸塩基配列の12核酸塩基部分を含む修飾オリゴヌクレオチドを含み、修飾オリゴヌクレオチドの5’末端から数えて、修飾オリゴヌクレオチドのポジション5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、又は15が、ハンチントン病治療のためのハンチンチン一塩基多型と一致する修飾オリゴヌクレオチドを含む化合物の利用を記載する。
【0107】
一塩基多型(SNP)
一塩基多型(SNP)は、遺伝的異質性の主要なソースを表すDNA配列中における1塩基対の代替である(Gene.1999、234:177)。SNP遺伝子型同定は、このような遺伝的多様体を調べるのに重要なツールである(Genome Res.2000、10:895;Trends Biotechnol.2000、18:77)。ある実施形態では、SNPを含む遺伝子の対立遺伝子多様体を選択的に低減するよう設計されたアンチセンス化合物は、有用性、選択性、及び集団遺伝学の適用内容に基づき選択された。
【0108】
有効性
ある実施形態では、SNPを含む遺伝子の対立遺伝子多様体を選択的に低減するよう設計されたアンチセンス化合物は、アンチセンス化合物の有効性に基づいて作成される。有効性とは、一般に、標的配列領域のアンチセンス阻害に対する感受性を指している。ある実施形態では、特定のSNP部位は、アンチセンス阻害に特異的に敏感であり得る。そのような感受性の高い特定のSNP部位は、遺伝子の対立遺伝子多様体を選択的に低減するためのアンチセンス化合物の標的となり得る。有効性は、ベンチマークオリゴヌクレオチドによる突然変異体mRNAの阻害度と比較した、SNPを標的とするアンチセンスオリゴヌクレオチドによる突然変異体mRNAの阻害度により示される。
【0109】
選択性
ある実施形態では、SNPを含む遺伝子の対立遺伝子多様体を選択的に低減するよう設計されたアンチセンス化合物は、アンチセンス化合物の選択性に基づき作成される。選択性とは、一般に、野生型HTTタンパク質をコードするRNAと比べ、突然変異体HTTタンパク質をコードするRNA中の1又は複数の識別用多型(SNP)を優先的に標的とする特定の配列、モチーフ、及び化学修飾を含むアンチセンス化合物を指している。ある実施形態では、特定の配列、モチーフ、及び化学修飾は、SNPを含む遺伝子の対立遺伝子多様体を低減するのに特異的に選択する。特定の配列、モチーフ、及び化学修飾は、遺伝子の対立遺伝子多様体を選択的に低減するのに利用される。選択性は、マイナー対立遺伝子又は野生型対立遺伝子と比較した、メジャー対立遺伝子又は突然変異対立遺伝子の発現を優先的に阻害するSNPを標的とするアンチセンスオリゴヌクレオチドの能力により示される。
【0110】
集団遺伝学
ある実施形態では、SNPを含む遺伝子の対立遺伝子多様体を選択的に低減するよう設計されたアンチセンス化合物は、疾患を患う集団の集団遺伝学に基づき作成される。集団遺伝学とは、特定の疾患を患う患者の疾患染色体にSNPが現れる頻度を意味する。ある実施形態では、疾患はハンチントン病である。アンチセンス化合物の有効性及び選択性が等しい場合、集団遺伝学的により関連性のあるSNP標的の方が、疾患染色体との関連が弱いSNPよりも好ましい。
【0111】
アンチセンス化合物
オリゴマー化合物には、オリゴヌクレオチド、オリゴヌクレオシド、オリゴヌクレオチド類似体、模倣オリゴヌクレオチド、アンチセンス化合物、アンチセンスオリゴヌクレオチド、及びsiRNAsが含まれてもよい。オリゴマー化合物は、標的核酸に対する「アンチセンス」でもよく、それはすなわち、水素結合により標的核酸をハイブリダイズできるということである。
【0112】
ある実施形態では、アンチセンス化合物は、アンチセンスオリゴヌクレオチドである。ある実施形態では、アンチセンス化合物は、リボザイム、二本鎖siRNA、又はshRNAではない。
【0113】
ある実施形態では、アンチセンス化合物は、5’から3’方向へ進む場合、標的対象である標的核酸の逆相補的標的セグメントを含む核酸塩基配列を有する。係る実施形態の特定の形態では、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、5’から3’方向へ進む場合、標的対象である標的核酸の逆相補的標的セグメントを含む核酸塩基配列を有する。
【0114】
ある実施形態では、アンチセンス化合物は、12〜30サブユニット長である。言い換えれば、アンチセンス化合物は、12〜30連結サブユニットである。他の実施形態では、アンチセンス化合物は、8〜80、12〜50、15〜30、18〜24、19〜22、又は20連結サブユニットである。係る実施形態の特定の形態では、アンチセンス化合物は、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、若しくは80連結サブユニット長、又は上記の任意の2つの値により定められる範囲である。いくつかの実施形態では、アンチセンス化合物は、アンチセンスオリゴヌクレオチドであり、連結サブユニットは、ヌクレオシドである。
【0115】
ある実施形態では、核酸を標的とするアンチセンスオリゴヌクレオチドを短縮又は切断してもよい。例えば、単一サブユニットを、5’末端(5’トランケーション)、又は代わりに3’末端(3’トランケーション)から欠失させてもよい。核酸を標的とするアンチセンス化合物を短縮又は切断するのに、アンチセンス化合物の5’末端から2つのサブユニットを欠失させてもよく、又は代わりに、アンチセンス化合物の3’末端から2つのサブユニットをさせてもよい。その代替として、欠失ヌクレオシドをアンチセンス化合物内に分散させてもよく、例えば、1つのヌクレオシドを5’末端から欠失させ、もう1つのヌクレオシドを3’末端から欠失させたのでもよい。
【0116】
単一の追加サブユニットが、伸張されたアンチセンス化合物に存在する場合、追加サブユニットはアンチセンス化合物の5’末端又は3’末端に局在してもよい。2又はそれ以上の追加サブユニットが存在する場合、例えば、2つのサブユニットを5’末端に追加(5’末端挿入)するか、又は代わりに3’末端に追加(3’末端挿入)したアンチセンス化合物で、互いに隣接してもよい。その代替として、追加サブユニットをアンチセンス化合物内に分散させてもよく、例えば、1つのサブユニットを5’末端に挿入し、もう1つのサブユニットを3’末端に挿入したアンチセンス化合物でもよい。
【0117】
アンチセンスオリゴヌクレオチド等のアンチセンス化合物の長さを伸張若しくは短縮し、及び/又は活性を除去することなくミスマッチ塩基を導入することは可能である。例えば、Woolfら(Proc.Natl.Acad.Sci.USA、89:7305−7309、1992)は、一連のアンチセンスオリゴヌクレオチドの13〜25核酸塩基長が、卵母細胞注入モデルで標的RNAの切断を誘導できるかどうかを試験した。アンチセンスオリゴヌクレオチドの末端付近に8個又は11個のミスマッチ塩基を有するアンチセンスオリゴヌクレオチドの25核酸塩基長は、ミスマッチを含まないアンチセンスオリゴヌクレオチドと比べると程度では劣るが、標的mRNAの特異的切断を導くことができた。同様に、1個又は3個のミスマッチを有するものを含め、13核酸塩基アンチセンスオリゴヌクレオチドにより、標的特異的切断が達成された。
【0118】
Gautschiら(J.Natl.Cancer Inst.93:463−471、3月号、2001年)は、bcl−2mRNAに対し100%相補性を有し、in vitro及びin vivoでbcl−2及びbcl−xL双方の発現を低減するbcl−xL mRNAに対し3個ミスマッチを有するオリゴヌクレオチドの能力を示した。さらに、このオリゴヌクレオチドは、in vivoで抗腫瘍活性である可能性を示した。
【0119】
MaherとDolnick(Nuc.Acid.Res.16:3341−3358、1988)は、一連のタンデム型14核酸塩基アンチセンスオリゴヌクレオチド、並びに、2個又は3個のタンデム型アンチセンスオリゴヌクレオチドの配列から成る28及び42核酸塩基アンチセンスオリゴヌクレオチドそれぞれに対し、ウサギ網状赤血球アッセイにおいてヒトDHFRの翻訳を停止させる能力を試験した。3つの14核酸塩基アンチセンスオリゴヌクレオチドはそれぞれ、28又は42核酸塩基アンチセンスオリゴヌクレオチドより程度は劣るが、単独で翻訳を阻害することができた。
【0120】
しかしながら、対立遺伝子多様体の発現の選択的低減は、標的核酸に含まれるSNPが、アンチセンス化合物のミスマッチの塩基ではなく、相補的塩基とアニールする場合に最適となる。さらに、選択性は一般に、SNP部位とアンチセンス化合物の間にほとんどミスマッチが存在しない場合に向上する。しかし、特定の数のミスマッチは許容範囲にあるといえる。
【0121】
アンチセンス化合物モチーフ
ある実施形態では、核酸を標的とするアンチセンス化合物は、阻害活性の強化、標的核酸への結合親和性の増加、又はin vivo核酸分解酵素による分解への耐性等の特性をアンチセンス化合物に付与するために、パターンやモチーフを調整した化学修飾サブユニットを有する。
【0122】
キメラアンチセンス化合物には、典型的に、核酸分解酵素による分解への耐性の向上、細胞吸収の増加、標的核酸への結合性親和性の増加、及び/又は阻害活性の強化のために修飾された少なくとも1つの領域が含まれる。キメラアンチセンス化合物の第2領域は、任意選択的に、RNA:DNA複製のRNA鎖を切断する、細胞エンド核酸分解酵素RNaseHの基質として機能し得る。
【0123】
ギャップマーモチーフを有するアンチセンス化合物は、キメラアンチセンス化合物と考えられる。ギャップマーでは、RNaseH切断をサポートする複数のヌクレオチドを有する内部領域が、内部領域のヌクレオシドとは化学的に異なる複数のヌクレオチドを有する外部領域の間に位置する。ギャップマーモチーフを有するアンチセンスオリゴヌクレオチドの場合、ギャップセグメントは通常、エンド核酸分解酵素切断の基質として機能し、一方で、ウィングセグメントには修飾ヌクレオシドが含まれる。SNPを含む遺伝子の対立遺伝子多様体オリゴ発現を選択的に低減するためのアンチセンスオリゴヌクレオチドの場合、SNPはギャップセグメント内で核酸塩基とアニールする。
【0124】
ある実施形態では、SNPは、アンチセンスオリゴヌクレオチドのポジション5、6、7、8、9、10、11、12、13、又は14の核酸塩基とアニールするか、又はそれらに対し相補的である。この場合、ポジションとは、アンチセンスオリゴヌクレオチドの5’末端から数えた、アンチセンスオリゴヌクレオチド内の核酸塩基の定位を指している。例えば、アンチセンスオリゴヌクレオチド内の最も5’末端側核酸塩基は、アンチセンスオリゴヌクレオチドの最初のポジションにある。ある実施形態では、SNPは、(5’末端から数えて)アンチセンスオリゴヌクレオチドのポジション6、7、8、9、又は10にある核酸塩基とアニールするか、又はそれらに対し相補的である。ある実施形態では、SNPは、(5’末端から数えて)アンチセンスオリゴヌクレオチドのポジション9又は10にある核酸塩基とアニールするか、又はそれらに対し相補的である。
【0125】
ある実施形態では、SNPは、ギャップセグメントのポジション1、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10にある核酸塩基とアニールする。この場合ポジションは、ギャップセグメントの5’末端から数えて、ギャップセグメント内の核酸塩基の定位を指している。例えば、ギャップセグメント内の最も5’末端側核酸塩基は、ギャップセグメントの最初のポジションにある。ある実施形態では、SNPは、ギャップセグメントの5’末端から数えてポジション4、5、6、又は7にある核酸塩基とアニールする。ある実施形態では、SNPは、ギャップセグメントの5’末端から数え始めて4又は5番目のポジションにある核酸塩基とアニールする。
【0126】
ある実施形態では、ギャップマーの領域は、それぞれ異なる領域を含む糖部分のタイプにより区別される。ある実施形態では、ギャップマーの領域を区別するために用いられる糖部分のタイプには、β−D−リボヌクレオシド、β−D−デオキシリボヌクレオシド、2’−修飾ヌクレオシド(2’−修飾ヌクレオシドには、とりわけ、2’−MOE及び2’−O−CHが含まれてもよい)、及び二環式糖修飾ヌクレオシド(二環式糖修飾ヌクレオシドには、4’−(CHO−2’ブリッジを有するものが含まれてもよく、式中、n=1又はn=2である)が含まれ得る。二環部分は、化学式4’−CH(CH)−O−2’を有するcEtであってもよい。
【0127】
ウイング−ギャップ−ウイングモチーフは、しばしば「X−Y−Z」と記述され、「X」は5’ウィング領域の長さを表し、「Y」はギャップ領域の長さを表し、「Z」は、3’ウィング領域の長さを表している。本明細書で使用される、「X−Y−Z」と記載されるギャップマーは、ギャップセグメントが5’ウィングセグメント及び3’ウィングセグメントそれぞれに直隣接するよう位置づけられた配置を有している。よって、5’ウィングセグメントとギャップセグメントの間に、又はギャップセグメントと3’ウィングセグメントの間に媒介ヌクレオチドは存在しない。本明細書に記載の任意のアンチセンス化合物は、ギャップマーモチーフを有し得る。いくつかの実施形態では、X及びZは同じであり、他の実施形態では、それらは異なる。ある実施形態では、Yは8ヌクレオチドと15ヌクレオチドの間である。ある実施形態では、Yはデオキシヌクレオチドから成る。X、Y、又はZは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、又はそれ以上のヌクレオチドのいずれかであり得る。よって、本発明のギャップマーには、例えば、1−10−1、1−18−1、2−8−2、2−9−6、2−10−2、2−13−5、2−16−2、3−9−3、3−9−5、3−10−3、3−14−3、4−8−4、4−9−5、4−10−5、4−11−4、4−12−3、4−12−4、5−8−5、5−9−5、5−10−4、5−10−5、又は6−8−6が含まれるが、これらに限定されない。
【0128】
ある実施形態では、アンチセンス化合物には、ウィングギャップ又はギャップ−ウィング配置、すなわち、上記のギャップマー配置のX−Y又はY−Z配置を有する「ウィングマー」モチーフが存在する。よって、本発明のウィングマー配置には、例えば、5−10、8−4、4−12、12−4、3−14、16−2、18−1、10−3、2−10、1−10、8−2、2−13、5−13、5−8、又は6−8が含まれるが、これらに限定されない。
【0129】
ある実施形態では、核酸を標的とするアンチセンス化合物は、2−9−6ギャップマーモチーフ又は6−9−2ギャップマーモチーフを有する。
【0130】
ある実施形態では、核酸を標的とするアンチセンス化合物は、3−9−3ギャップマーモチーフを有する。
【0131】
ある実施形態では、核酸を標的とするアンチセンス化合物は、3−9−5ギャップマーモチーフ又は5−9−3ギャップマーモチーフを有する。
【0132】
ある実施形態では、核酸を標的とするアンチセンス化合物は、4−9−5ギャップマーモチーフ又は5−9−4ギャップマーモチーフを有する。
【0133】
ある実施形態では、核酸を標的とするアンチセンス化合物は、4−10−5ギャップマーモチーフ又は5−10−4ギャップマーモチーフを有する。
【0134】
ある実施形態では、核酸を標的とするアンチセンス化合物は、4−11−4ギャップマーモチーフを有する。
【0135】
ある実施形態では、核酸を標的とするアンチセンス化合物は、5−9−5ギャップマーモチーフを有する。
【0136】
ある実施形態では、核酸を標的とするアンチセンス化合物は、5−8−6ギャップマーモチーフ又は6−8−5ギャップマーモチーフを有する。
【0137】
ある実施形態では、核酸を標的とするアンチセンス化合物は、6−7−6ギャップマーモチーフを有する。
【0138】
ある実施形態では、核酸を標的とするアンチセンス化合物は、6−8−5ギャップマーモチーフ又は5−8−6ギャップマーモチーフを有する。
【0139】
ある実施形態では、核酸を標的とするアンチセンス化合物は、3−9−4ギャップマーモチーフ又は4−9−3ギャップマーモチーフを有する。
【0140】
ある実施形態では、核酸を標的とするアンチセンス化合物は、5−7−5ギャップマーモチーフを有する。
【0141】
ある実施形態では、核酸を標的とするアンチセンス化合物は、4−7−4ギャップマーモチーフを有する。
【0142】
ある実施形態では、核酸を標的とするアンチセンス化合物は、5−10−5ギャップマーモチーフを有する。
【0143】
ある実施形態では、核酸を標的とするアンチセンス化合物は、ギャップ拡大型モチーフを有する。
【0144】
特定の混合ウィング
ある実施形態では、本発明は、1つのウィングの少なくとも1つのヌクレオシドに、同じウィングの少なくとも1つの他のヌクレオシドと比較して、異なる修飾が施されているギャップマー化合物を提供する。このアンチセンス化合物は、混合ウィングアンチセンス化合物と称される(国際公開第2008/049085号を参照のこと)。ある実施形態では、3’ウィングの1又は複数のヌクレオシドの修飾(又は非修飾)は、3’ウィングの1又は複数の他のヌクレオシドの修飾(又は非修飾)とは異なる。このアンチセンス化合物は、3’混合ウィングギャップマーと称され得る。ある実施形態では、5’ウィングの1又は複数のヌクレオシドの修飾(又は非修飾)は、5’ウィングの1又は複数の他のヌクレオシドの修飾(又は非修飾)と異なる。このアンチセンス化合物は、5’混合ウィングギャップマーと称され得る。ある実施形態では、3’ウィングの1又は複数のヌクレオシドの修飾(又は非修飾)は、3’ウィングの1又は複数の他のヌクレオシドの修飾(又は非修飾)と異なり、5’ウィングの1又は複数のヌクレオシドの修飾(又は非修飾)は、5’ウィングの1又は複数の他のヌクレオシドの修飾(又は非修飾)とは異なる。このアンチセンス化合物は、3’、5’混合ウィングギャップマーと称され得る。係る実施形態では、3’ウィングと5’ウィングにおける修飾及び修飾の組み合わせは、同じであってもよく、又は異なってもよい。
【0145】
ある実施形態では、混合ウィング化合物は所望の特性を有する。特定のヌクレオシド修飾は、アンチセンス化合物に所望の特性、例えば、標的ヘの親和性向上又は核酸分解酵素耐性を付与するだけでなく、毒素性の増加等の望ましくない特性ももたらす。特定の他のヌクレオシド修飾を組み入れる結果、異なる特性プロファイルを有するアンチセンス化合物となる。ある実施形態では、所望の特徴を最適化し、及び/又は望ましくない特徴を最小化するために、片方又は両方のウィングで修飾を組み合わせることもできる。ある実施形態では、混合ウィングアンチセンス化合物のウィングには、非修飾ヌクレオシドを含むアンチセンス化合物と比べて、標的核酸用アンチセンス化合物の親和性を増加させる第1の修飾を含む1又は複数のヌクレオシドが含まれ、また、全てに第1の修飾が含まれるヌクレオシドを含有するウィングを有するアンチセンス化合物と比べて、毒素性の低減をもたらす第2の修飾が含まれる1又は複数のヌクレオシドが含まれる。
【0146】
ある実施形態では、アンチセンス化合物には、少なくとも1つのMOE置換ヌクレオシド及び少なくとも1つの高度親和性修飾が含まれる少なくとも1つのウィングが含まれる。ある実施形態では、少なくとも1つのMOE置換ヌクレオシド及び少なくとも1つの高度親和性は、3’ウィングに存在する。係る実施形態の特定の形態では、少なくとも1つのMOE置換ヌクレオシド及び少なくとも1つの高度親和性は、5’ウィングに存在する。
【0147】
ある実施形態では、アンチセンス化合物は、5’ウィング及び/又は3’ウィングに、1、2、又は3個の高度親和性修飾を含む。
【0148】
標的核酸、標的領域及びヌクレオチド配列
ある実施形態では、ハンチンチンの対立遺伝子多様体は選択的に低減される。ハンチンチンをコードするヌクレオチド配列には、以下が含まれるが、これらに限定されない。すなわち、1566000〜1768000のヌクレオチドから切断され(GENBANKアクセッション番号NT_006051と置換)、配列番号1として本明細書に組み入れられたGENBANKアクセッション番号NT_006081.18、及び配列番号2として本明細書に組み入れられたNM_002111.6である。
【0149】
本明細書に含まれる実施形態の各配列番号に記載の配列は、糖部分に対する任意の修飾、ヌクレオシド間連結、又は核酸塩基からは独立していると理解される。そのように、配列番号により定義されるアンチセンス化合物には、糖部分に対する1又は複数の修飾、ヌクレオシド間連結、又は核酸塩基が独立して含まれ得る。Isis番号(Isis No)により記載されるアンチセンス化合物は、核酸塩基配列及びモチーフの組み合わせを示す。
【0150】
ある実施形態では、標的領域は、構造的に定義される標的核酸の領域である。例えば、標的核酸には、3’UTR、5’UTR、エキソン、イントロン、エキソン/イントロン交差、コード領域、翻訳開始領域、翻訳終了領域、又はその他に定義される核酸領域が含まれ得る。構造的に定義されるハンチンチン領域は、NCBI等の配列データベースからアクセッション番号により入手可能であり、係る情報は、本明細書に引用により組み入れられる。ある実施形態では、標的領域には、標的領域内の1つの標的セグメントの5’標的部位から、同じ標的領域内の別の標的セグメントの3’標的部位までの配列が含まれ得る。
【0151】
標的決定には、所望の効果を生じるよう、アンチセンス化合物がハイブリダイズする少なくとも1つの標的セグメントの決定が含まれる。ある実施形態では、所望の効果は、特定の対立遺伝子多様体のmRNA標的核酸レベルの低減である。ある実施形態では、所望の効果は、標的核酸によりコードされるタンパク質のレベル又は特定の対立遺伝子多様体に関連する表現型変異の低減である。
【0152】
標的領域には、1又は複数の標的セグメントが含まれる。標的領域内の複数の標的セグメントは、重複してもよい。それに代わり、標的領域内の複数の標的セグメントは、重複していなくてもよい。ある実施形態では、標的領域内の標的セグメントは、約300個以下のヌクレオチドで分離される。ある実施形態では、標的領域内の標的セグメントは、標的核酸上の約250個、約200個、約150個、約100個、約90個、約80個、約70個、約60個、約50個、約40個、約30個、約20個、若しくは約10個、又は各個数以下の、又はおよそ各個数以下の、又はこれら任意の2つの値により定められる範囲の個数のヌクレオチドで分離される。ある実施形態では標的領域内の標的セグメントは、標的核酸上の5個以下又は約5個以下のヌクレオチドで分離される。ある実施形態では、標的セグメントは隣接している。本明細書に列記される任意の5’標的部位又は3’標的部位のいずれかが核酸の開始点となる範囲により定義される標的領域について考察が行われる。
【0153】
好適な標的セグメントは、5’UTR、コード領域、3’UTR、イントロン、エキソン、又はエキソン/イントロン交差内に認められる。開始コドン又は終止コドンを含む標的セグメントも好適な標的セグメントでもある。好適な標的セグメントは、開始コドン又は終止コドン等、構造的に定義される特定の領域を特異的に排除することもできる。
【0154】
好適な標的セグメントの決定には、ゲノム全体の中で、標的核酸配列とその他の配列を比較することが含まれる。例えば、BLASTアルゴリズムを用いて、異なる核酸間の類似領域を同定できる。この比較により、選択された標的核酸以外の配列(すなわち、非標的配列又は対象外配列)に非特異的にハイブリダイズできるアンチセンス化合物配列の選択を防ぐことができる。
【0155】
細胞株
ある実施形態では、以下に記載の実験において、GM04281細胞株、GM02171細胞株、及びGM02173B細胞株が使われる。GM04281細胞株は、17リピートを含む野生型HTT対立遺伝子及び69リピートを含む突然変異HTT対立遺伝子を有する。細胞株は、両親もまた疾患を患う患者由来である。GM02171細胞株は、GM04281に対する対照群として選ばれた。この細胞株は、片親のみ疾患を有する娘由来である。この娘はHDを発症していないが、発症リスクありと考えられた。GM02173B細胞株も患者由来であり、ハプロタイプ試験の対照として使用された。
【0156】
表1は、GM04281細胞株、GM02171細胞株、及びGM02173B細胞株で発見されたSNPを示している。また、各SNP位置で発見された対立遺伝子多様体、各細胞株の遺伝子型、及び特定の対立遺伝子多様体を有するHD患者の割合も示している。例えば、SNPrs6446723の2つの対立遺伝子多様体はTとCである。GM02171細胞株は、ホモ接合型CCであり、GM02173細胞株は、ヘテロ接合型TCであり、GM04281細胞株は、ホモ接合型TTである。HD患者の50%が、SNP位置rs6446723にTを有している。
【0157】
【表1-1】
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【表1-2】
[この文献は図面を表示できません]
【0158】
ハイブリダイゼーション
いくつかの実施形態では、本明細書で開示するアンチセンス化合物とSNP部位の間でハイブリダイゼーションが起こる。ハイブリダイゼーションの最も一般的なメカニズムは、核酸分子の相補的核酸塩基間の水素結合(例えば、ワトソン−クリック、フーグスティーン又は逆フーグスティーン水素結合等)を含む。
【0159】
ハイブリダイゼーションは、様々な状況下で起こり得る。ストリンジェント条件は配列に依存し、ハイブリダイゼーション対象の核酸分子の性質及び構成により決定する。
【0160】
ある実施形態では、本明細書で提供するアンチセンス化合物は、特定の対立遺伝子多様体の核酸と特異的にハイブリダイズする。
【0161】
相補性
所望の効果(例えば、対立遺伝子多様体の遺伝子産物の選択的低減)を生じるよう相当数のアンチセンス化合物の核酸塩基が、標的核酸の対応する核酸塩基と水素結合し得る場合、アンチセンス化合物及び標的核酸は互いに相補的である。
【0162】
アンチセンス化合物と標的核酸の間の非相補的核酸塩基は、アンチセンス化合物が標的核酸と特異的にハイブリダイズできる状態が維持される限り、許容され得る。さらに、アンチセンス化合物は、介入セグメント又は隣接セグメントがハイブリダイゼーション事象に関与しないよう(例えば、ループ構造、ミスマッチ又はヘアピン構造)、1又は複数の標的核酸のセグメントとハイブリダイズすることもできる。
【0163】
ある実施形態では、本明細書で提供するアンチセンス化合物、又はその特異的部分は、標的核酸、標的領域、標的セグメント、SNP部位、又はその特異的部分に対し、70%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%相補的であるか、又は少なくともそうである。標的核酸を有するアンチセンス化合物の相補性割合は、通常の方法により決定し得る。例えば、アンチセンス化合物の20個の核酸塩基のうち18個が標的領域と相補的であり、よって特異的にハイブリダイズするアンチセンス化合物は、90%の相補性を表す。本実施例において、残りの非相補的核酸塩基をクラスター化してもよく、又は相補的核酸塩基と共に分散させてもよく、互いに又は相補的核酸塩基と隣接する必要はない。そのように、標的核酸に対し完全に相補的である2つの領域と隣接する4つの非相補的核酸塩基を有する18核酸塩基長であるアンチセンス化合物は、標的核酸に対し総じて77.8%相補的であり、よって本発明の範囲内に該当する。標的核酸の領域を有するアンチセンス化合物の相補性割合は、通常用いられるBLASTプログラム(基本的な局所的アラインメントサーチツール)及び当技術分野で既知のPowerBLASTプログラム(Altschulら、J.Mol.Biol.、1990、215、403−410;ZhangとMadden,Genome Res.,1997、7、649−656)により決定され得る。相同性割合、配列同一性又は相補性は、例えば、SmithとWaterman(Adv.Appl.Math.,1981、2、482−489)のアルゴリズムを使用し、Gapプログラム(ウィスコンシン配列解析パッケージ(Wisconsin Sequence Analysis Package)、Unix用バージョン8、Genetics Computer Group社、ウィスコンシン州マジソン、University Research Park)のデフォルト設定により決定し得る。
【0164】
ある実施形態では、本明細書で提供されるアンチセンス化合物、又はその特異的部分は、標的核酸、SNP部位、標的領域、標的セグメント、又はその特異的部分に対して完全に相補的(すなわち、100%相補的)である。本明細書で使用される「完全に相補的」は、アンチセンス化合物の各核酸塩基が、標的核酸の対応する核酸塩基と正確な塩基対を形成し得るという意味である。例えば、20核酸塩基アンチセンス化合物は、アンチセンス化合物に対し完全に相補的である標的核酸の対応する20核酸塩基部分が存在すれば、400核酸塩基長である標的配列に対して完全に相補的である。完全に相補的であるという用語はまた、第1及び/又は第2の核酸の特異的部分に関連して用いられ得る。例えば、30核酸塩基アンチセンス化合物の20核酸塩基部分は、400核酸塩基長である標的配列に対して「完全に相補的」であり得る。もし標的配列が対応する20核酸塩基部分を有し、各核酸塩基がアンチセンス化合物の20核酸塩基部分に対し相補的であるなら、30核酸塩基オリゴヌクレオチドの20核酸塩基部分は標的配列に対して完全に相補的である。同時に、30核酸塩基アンチセンス化合物全体が標的配列に対して完全に相補的であってもなくてもよいが、それは、アンチセンス化合物の残りの10核酸塩基も標的配列に対して相補的であるかどうかによる。
【0165】
非相補的核酸塩基の位置は、アンチセンス化合物の5’末端又は3’末端であり得る。その代わりとして、1又は複数の非相補的核酸塩基は、アンチセンス化合物内の位置であってもよい。2又はそれ以上の非相補的核酸塩基が存在する場合、隣接(すなわち、連結)又は非隣接であってもよい。1つの実施形態では、非相補的核酸塩基はギャップマーアンチセンスオリゴヌクレオチドのウィングセグメントに局在する。
【0166】
ある実施形態では、核酸塩基長が12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、若しくは30、又はそれ以下であるアンチセンス化合物には、標的核酸、SNP部位、又はその特異的部分と関連する6以下、5以下、4以下、3以下、2以下又は1以下の非相補的核酸塩基が含まれる。
【0167】
ある実施形態では、核酸塩基長が12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、若しくは30、又はそれ以下であるアンチセンスオリゴヌクレオチドには、標的核酸、SNP部位、又はその特異的部分と関連する6以下、5以下、4以下、3以下、2以下又は1以下の非相補的核酸塩基が含まれる。
【0168】
本明細書で提供されるアンチセンス化合物にはまた、標的核酸の部分に対して相補的なものが含まれる。本明細書で使用される「部分」は、標的核酸の領域又はセグメント内の定められた数の隣接(すなわち、連結)核酸塩基を指している。「部分」はまた、アンチセンス化合物の定められた数の隣接核酸塩基を指し得る。ある実施形態では、アンチセンス化合物は、標的セグメントの少なくとも8核酸塩基部分に対し相補的である。ある実施形態では、アンチセンス化合物は、標的セグメントの少なくとも12核酸塩基部分に対して相補的である。ある実施形態では、アンチセンス化合物は、標的セグメントの少なくとも15核酸塩基部分に対し相補的である。標的セグメントの少なくとも9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、若しくはそれ以上の核酸塩基部分、又はこれら数値の任意の2つの値により定められる範囲に対し相補的であるアンチセンス化合物についても考察が行われる。
【0169】
同一性
本明細書で提供されるアンチセンス化合物はまた、特定のヌクレオチド配列、配列番号、又は特定のIsis番号で表される化合物若しくはその部分により表される化合物に対し、定められた割合の同一性を有し得る。本明細書で使用されるように、アンチセンス化合物は、核酸塩基の対形成能が同じであれば、本明細書で開示する配列に対して同一である。例えば、開示されるDNA配列のチミジンの代わりにウラシルを含むRNAは、ウラシルとチミジン双方ともアデニンと対形成するため、DNA配列と同一であると考えられる。本明細書に記載のアンチセンス化合物の短縮版又は伸張版、並びに本明細書で提供されるアンチセンス化合物と関連する非同一塩基を有する化合物についても考察が行われる。非同一塩基は互いに隣接してもよく、又はアンチセンス化合物全体に分散してもよい。アンチセンス化合物の同一性割合は、比較対象の配列と関連する同一の塩基対形成を有する塩基数に従って算出される。
【0170】
ある実施形態では、アンチセンス化合物、又はその部分は、本明細書で開示される1又は複数のアンチセンス化合物又は配列番号、又はその部分に対し、少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%同一である。
【0171】
ある実施形態では、アンチセンス化合物の部分は、標的核酸の等長部分と比較される。ある実施形態では、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、又は25核酸塩基部分を、標的核酸の等長部分と比較する。
【0172】
ある実施形態では、アンチセンスオリゴヌクレオチドの部分は、標的核酸の等長部分と比較される。ある実施形態では、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、又は25核酸塩基部分を、標的核酸の等長部分と比較する。
【0173】
修飾
ヌクレオシドは、塩基−糖の組み合わせである。ヌクレオシドの核酸塩基(塩基ともいう)部分は、通常、ヘテロ環式塩基部分である。ヌクレオチドは、ヌクレオシドの糖部分に共有結合的に連結するリン酸基をさらに含んだヌクレオシドである。ペントフラノシル糖を含むこれらヌクレオシドでは、リン酸基は、糖の2’、3’又は5’ヒドロキシ部分と連結し得る。オリゴヌクレオチドは、互いに隣接するヌクレオシドを共有結合的に連結させて形成され、線状高分子オリゴヌクレオチドを形成する。オリゴヌクレオチド構造において、リン酸基は一般にオリゴヌクレオチドのヌクレオシド間連結を形成するものと称される。
【0174】
アンチセンス化合物の修飾には、ヌクレオシド間連結、糖部分、若しくは核酸塩基の置換又は変更が含まれる。例えば、細胞取込の向上、核酸標的への親和性向上、核酸分解酵素存在下での安定性向上、又は阻害活性の向上等の所望の特性の故に、修飾アンチセンス化合物は天然様式よりも好まれることが多い。
【0175】
化学的に修飾されたヌクレオシドはまた、標的核酸を対象とする短縮又は切断されたアンチセンスオリゴヌクレオチドの結合親和性を向上させるために用いられ得る。その結果、より短いアンチセンス化合物でも化学修飾ヌクレオシドを有するのであれば、同等の結果が得られ得る。
【0176】
化学修飾ヌクレオシドはまた、対立遺伝子多様体の遺伝子産物の発現低減における選択性を向上させるためにも用いられ得る。
【0177】
修飾ヌクレオシド間連結
RNA及びDNAの天然に発生するヌクレオシド間連結は、3’から5’へのホスホジエステル連結である。例えば、細胞取込みの向上、標的核酸への親和性向上、及び核酸分解酵素存在下での安定性向上等の所望の特性の故に、天然発生ヌクレオシド間連結を有するアンチセンス化合物よりも、1又は複数の修飾ヌクレオシド間連結、すなわち、非天然発生のヌクレオシド間連結を有するアンチセンス化合物が選ばれることが多い。
【0178】
修飾ヌクレオシド間連結を有するオリゴヌクレオチドには、リン原子を持つヌクレオシド間連結、並びにリン原子を持たないヌクレオシド間連結が含まれる。典型的なリン含有ヌクレオシド間連結には、ホスホジエステル類、ホスホトリエステル類、メチルホスホン酸類、ホスホロアミド酸、及びホスホロチオ酸が含まれるが、これらに限定されない。リン含有及び非リン含有連結の製造方法は周知である。
【0179】
ある実施形態では、アンチセンス化合物には、1又は複数の修飾ヌクレオシド間連結が含まれる。ある実施形態では、修飾ヌクレオシド間連結は、ホスホロチオ酸連結である。ある実施形態では、アンチセンス化合物の各ヌクレオシド間連結は、ホスホロチオ酸ヌクレオシド間連結である。
【0180】
修飾糖部分
本発明のアンチセンス化合物には、糖基が修飾された、1又は複数のヌクレオシドが任意選択的に含まれ得る。糖修飾ヌクレオシドは、アンチセンス化合物に対し、核酸分解酵素安定性の向上、結合親和性の増加、対立遺伝子多様体の選択性の向上、又はその他いくつかの有益な生物特性をもたらす可能性がある。ある実施形態では、ヌクレオシドには、化学的に修飾されたリボフラノース環部分が含まれる。化学的に修飾されたリボフラノース環の実施例として、置換基(5’及び2’置換基、二環式核酸(BNA)を形成する非ジェミナル環原子の架橋、リボシル環の酸素原子のS、N(R)又はC(R1)(R)2との置換(R=H、C1−C12アルキル又は保護基)及びそれらの組み合わせを含む)の挿入が含まれるが、これらに限定されない。化学修飾糖の実施例には、2’−F−5’−メチル置換ヌクレオシド(その他の開示された5’、2’−bis置換ヌクレオシドに関しては、2008年8月21日に公開されたPCT国際出願の国際公開第2008/101157号を参照のこと)又はリボシル環の酸素原子をSと、さらに2’位置換(2005年6月16日に公開された米国特許出願公開第2005−0130923号を参照のこと)又は、代替としてBNAの5’位置換(2007年11月22日に公開されたPCT国際出願の国際公開第2007/134181号では、LNAが、例えば、5’−メチル又は5’−ビニル基で置換されている)が含まれる。
【0181】
修飾糖部分を有するヌクレオシドの実施例として、5’−ビニル、5’−メチル(R又はS)、4’−S、2’−F、2’−OCH3及び2’−O(CH2)2OCH3置換基を含むヌクレオシドが含まれるが、これらに限定されない。2’位置換基はまた、アリル、アミノ、アジド、チオ、O−アリル、O−C1−C10アルキル、OCF3、O(CH2)2SCH3、O(CH2)2−O−N(Rm)(Rn)、及びO−CH2−C(=O)−N(Rm)(Rn)から選択され得、式中Rm及びRnはそれぞれ、独立して、水素又は置換若しくは非置換C1−C10アルキルである。
【0182】
本明細書で使用される「二環式ヌクレオシド」は、二環式糖部分を含む修飾ヌクレオシドを指している。二環式ヌクレオシドの実施例には、4’と2’リボシル環原子間のブリッジを含有するヌクレオシドが含まれるが、これに限定されない。ある実施形態では、本明細書で提供されるアンチセンス化合物には、ブッリジに4’〜2’二環式ヌクレオシドが含まれる、1又は複数の二環式ヌクレオシドが含まれる。該4’〜2’二環式ヌクレオシドの実施例として、以下の化学式のうち1つが含まれるが、これらに限定されない。すなわち、4’−(CH)−O−2’(LNA);4’−(CH)−S−2’;4’−(CH−O−2’(ENA);4’−CH(CH)−O−2’及び4’−C−H(CHOCH)−O−2’(及びその類似体;2008年7月15日に発行された米国特許第7,399,845号を参照のこと);4’−C(CH)(CH)−O−2’(及びその類似体;2009年1月8日に公開された国際公開第2009/006478号を参照のこと);4’−CH−N(OCH)−2’(及びその類似体;2008年12月11日に公開された国際公開第2008/150729号を参照のこと);4’−CH−O−N(CH)−2’(2004年9月2日に公開された米国特許出願公開第2004−0171570号を参照のこと);Rが水素、C〜C12アルキル、又は保護基である4’−CH−N(R)−O−2’(2008年9月23日に発行された米国特許第7,427,672号を参照のこと);4’−CH−C(H)(CH)−2’(Chattopadhyayaら、J.Org.Chem.、2009、74、118−134を参照のこと);及び4’−CH−C(=CH)−2’(及びその類似体;2008年12月8日に公開された国際公開第2008/154401号を参照のこと)である。例えば、Singhら、Chem.Commun.、1998、4、455−456;Koshkinら、Tetrahedron、1998、54、3607−3630;Wahlestedtら、Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.、2000、97、5633−5638;Kumarら、Bioorg.Med.Chem.Lett.、1998、8、2219−2222;Singhら、J.Org.Chem.、1998、63、10035−10039;Srivastavaら、J.Am.Chem.Soc.、129(26)8362−8379(2007年7月4日);米国特許第7,053,207号;第6,268,490号;第6,770,748号;第6,794,499号;第7,034,133号;及び第6,525,191号;Elayadiら、Curr.Opinion Invens.Drugs、2001、2、558−561;Braaschら、Chem.Biol.、2001、8、1−7;及びOrumら、Curr.Opinion Mol.Ther.、2001、3、239−243;及び米国特許第6,670,461号;国際公開第2004/106356号;国際公開第94/14226号;国際公開第2005/021570号;米国特許出願公開第2004−0171570号;米国特許出願公開第2007−0287831号;米国特許出願公開第2008−0039618号;米国特許第7,399,845号;米国特許出願第12/129,154号;第60/989,574号;第61/026,995号;第61/026,998号;第61/056,564号;第61/086,231号;第61/097,787号;第61/099,844号;国際出願PCT/US2008/064591号;PCT/US2008/066154号;PCT/US2008/068922号;及びPCT国際出願の国際公開第2007/134181号を参照のこと。前記二環式ヌクレオシドは、例えば、α−L−リボフラノース及びβ−D−リボフラノース及びβ−D−リボフラノースを含む、1又は複数の立体化学糖配置を有するよう調製され得る(国際出願PCT/DK98/00393、1999年3月25日に国際公開第99/14226号として公開)。
【0183】
ある実施形態では、BNAヌクレオシドの二環式糖部分には、ペントフラノシル糖部分の4’位と2’位の間に少なくとも1つのブリッジを有する化合物が含まれるがこれに限定されず、ブリッジは、−[C(R)(R)]−、−C(R)=C(R)−、−C(R)=N−、−C(=NR)−、−C(=O)−、−C(=S)−、−O−、−Si(R−、−S(=O)−、及び−N(R)−から独立して選択される1又は2〜4連結基を独立して含み、
式中、
xは0、1、又は2;
nは1、2、3、又は4であり;
及びRはそれぞれ、独立して、水素、保護基、ヒドロキシル、C〜C12アルキル、置換C〜C12アルキル、C〜C12アルケニル、置換C〜C12アルケニル、C〜C12アルキニル、置換C〜C12アルキニル、C〜C20アリール、置換C〜C20アリール、複素環基、置換複素環基、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、C〜C脂環式基、置換C〜C脂環式基、ハロゲン、OJ、NJ、SJ、N、COOJ、アシル(C(=O)−H)、置換アシル、CN、スルホニル(S(=O)−J)、又はスルホキシル(S(=O)−J)であり;並びに
及びJはそれぞれ、独立して、水素、C〜C12アルキル、置換C〜C12アルキル、C〜C12アルケニル、置換C〜C12アルケニル、C〜C12アルキニル、置換C〜C12アルキニル、C〜C20アリール、置換C〜C20アリール、アシル(C(=O)−H)、置換アシル、複素環基、置換複素環基、C〜C12アミノアルキル、置換C〜C12アミノアルキル又は保護基である。
【0184】
ある実施形態では、二環式糖部分のブリッジは、−[C(R)(R)]−、−[C(R)(R)]−O−、−C(R)−N(R)−O−又は−C(R)−O−N(R)−である。ある実施形態では、該ブリッジは、4’−CH−2’、4’−(CH−2’、4’−(CH−2’、4’−CH−O−2’、4’−(CH−O−2’、4’−CH−O−N(R)−2’及び4’−CH−N(R)−O−2’−であり、式中Rは、独立して、水素、保護基、又はC〜C12アルキルである。
【0185】
ある実施形態では、二環式ヌクレオシドは、異性体配置によりさらに定義される。例えば、4’−2’メチレン−オキシブリッジを含むヌクレオシドは、α−L配置又はβ−D配置にあってもよい。先に、α−L−メチレンオキシ(4’−CH−O−2’)BNA’sは、アンチセンス活性を示したアンチセンスオリゴヌクレオチドにすでに組み入れられた(Friedenら、Nucleic Acids Research、2003、21、6365−6372)。
【0186】
ある実施形態では、二環式ヌクレオシドには、下記に示すように、
(A)α−L−メチレンオキシ(4’−CH−O−2’)BNA、(B)β−D−メチレンオキシ(4’−CH−O−2’)BNA、(C)エチレンオキシ(4’−(CH−O−2’)BNA、(D)アミノオキシ(4’−CH−O−N(R)−2’)BNA、(E)オキシアミノ(4’−CH−N(R)−O−2’)BNA、及び(F)メチル(メチレンオキシ)(4’−CH(CH)−O−2’)BNA、(G)メチレン−チオ(4’−CH−S−2’)BNA、(H)メチレン−アミノ(4’−CH2−N(R)−2’)BNA、(I)メチル炭素環(4’−CH−CH(CH)−2’)BNA、(J)プロピレン炭素環(4’−(CH−2’)BNA、及び(K)エチレン炭素環(4’−CH−CH−2’)(カルバLNA又は“cLNA”)が含まれるが、これらに限定されない。
【0187】
【化1】
[この文献は図面を表示できません]

式中、Bxは塩基部分であり、Rは独立して水素、保護基又はC〜C12アルキルである。
【0188】
ある実施形態では、式Iを有する二環式ヌクレオシドは、
【化2】
[この文献は図面を表示できません]

であり、式中、
Bxは複素環塩基部分であり;
−Q−Q−Q−は、−CH−N(R)−CH−、−C(=O)−N(R)−CH−、−CH−O−N(R)−、−CH−N(R)−O−又は−N(R)−O−CHであり;
はC〜C12アルキル又はアミノ保護基であり;並びに
及びTはそれぞれ、独立して、水素、ヒドロキシル保護基、結合基、反応性リン基、リン部分又は支持体への共有結合的付着である。
【0189】
ある実施形態では、式IIを有する二環式ヌクレオシドは、
【化3】
[この文献は図面を表示できません]

であり、式中
Bxは、複素環塩基部分であり;
及びTはそれぞれ、独立して、水素、ヒドロキシル保護基、結合基、反応性リン基、リン部分又は支持体への共有結合的付着であり;
は、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、置換C〜Cアルキル、置換C〜Cアルケニル、置換C〜Cアルキニル、アシル、置換アシル、置換アミド、チオール又は置換チオである。
【0190】
ある実施形態では、置換基はそれぞれ独立して、ハロゲン、オキソ、ヒドロキシル、OJ、NJ、SJ、N、OC(=X)J、及びNJC(=X)NJから独立して選択される置換基を有する一置換又はポリ置換であり、式中、各J、J及びJは、独立して、水素、C〜Cアルキル、又は置換C〜Cアルキルであり、Xは酸素又はNJである。
【0191】
ある実施形態では、式IIIを有する二環式ヌクレオシドは、
【化4】
[この文献は図面を表示できません]

であり、式中、
Bxは複素環塩基部分であり;
及びTはそれぞれ、独立して、水素、ヒドロキシル保護基、結合基、反応性リン基、リン部分又は支持体への共有結合的付着であり;
は、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、置換C〜Cアルキル、置換C〜Cアルケニル、置換C〜Cアルキニル、又は置換アシル(C(=O)−)である。
【0192】
ある実施形態では、式IVを有する二環式ヌクレオシドは、
【化5】
[この文献は図面を表示できません]

であり、式中、
Bxは複素環塩基部分であり;
及びTはそれぞれ、独立して、水素、ヒドロキシル保護基、結合基、反応性リン基、リン部分又は支持体への共有結合的付着であり;
は、C〜Cアルキル、置換C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、置換C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル又は置換C〜Cアルキニルであり;
、q、q及びqはそれぞれ、独立して、水素、ハロゲン、C〜Cアルキル、置換C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、置換C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル又は置換C〜Cアルキニル、C〜Cアルコキシル、置換C〜Cアルコキシル、アシル、置換アシル、C〜Cアミノアルキル又は置換C〜Cアミノアルキルである。
【0193】
ある実施形態では、式Vを有する二環式ヌクレオシドは、
【化6】
[この文献は図面を表示できません]

であり、式中、
Bxは複素環塩基部分であり;
及びTはそれぞれ、独立して、水素、ヒドロキシル保護基、結合基、反応性リン基、リン部分又は支持体への共有結合的付着であり;
、q、q及びqはそれぞれ、独立して、水素、ハロゲン、C〜C12アルキル、置換C〜C12アルキル、C〜C12アルケニル、置換C〜C12アルケニル、C〜C12アルキニル、置換C〜C12アルキニル、C〜C12アルコキシ、置換C〜C12アルコキシ、OJ、SJ、SOJ、SO、NJ、N、CN、C(=O)OJ、C(=O)NJ、C(=O)J、O−C(=O)NJ、N(H)C(=NH)NJ、N(H)C(=O)NJ又はN(H)C(=S)NJであり;
又はq及びqは共に=C(q)(q)であり;
及びqはそれぞれ、独立して、水素、ハロゲン、C〜C12アルキル又は置換C〜C12アルキルである。
【0194】
メチレンオキシ(4’−CH−O−2’)BNA単量体アデニン、シトシン、グアニン、5−メチル−シトシン、チミン及びウラシルの合成及び製造、並びにそれらのオリゴマー化、さらに核酸認識特性についてはすでに記載がある(Koshkinら、Tetrahedron、1998、54、3607−3630)。また、BNA及びその製造も、国際公開第98/39352号及び第99/14226号)に記載されている。
【0195】
メチレンオキシ(4’−CH−O−2’)BNAの類似体、メチレンオキシ(4’−CH−O−2’)BNA及び2’−チオ−BNAsもすでに製造されている(Kumarら、Bioorg.Med.Chem.Lett.、1998、8、2219−2222)。オリゴデオキシリボヌクレオチド二本鎖を核酸ポリメラーゼの基質として含むロックヌクレオシド類似体の製造に関する記載もある(Wengelら、国際公開第99/14226号)。さらに、2’−アミノ−BNAの合成、立体配置的制限のある新規の高度親和性オリゴヌクレオチド類似体についても、当技術分野ではすでに記載が存在する(Singhら、J.Org.Chem.、1998、63、10035−10039)。加えて、2’−アミノ−及び2’−メチルアミノ−BNA’sはすでに製造されており、それらの相補的RNA及びDNA鎖との二本鎖の熱安定性も先に報告されている。
【0196】
ある実施形態では、式VIを有する二環式ヌクレオシドは、
【化7】
[この文献は図面を表示できません]

であり、式中、
Bxは複素環塩基部分であり;
及びTはそれぞれ、独立して、水素、ヒドロキシル保護基、結合基、反応性リン基、リン部分又は支持体への共有結合的付着であり;
、q、q及びqはそれぞれ、独立して、水素、ハロゲン、C〜C12アルキル、置換C〜C12アルキル、C〜C12アルケニル、置換C〜C12アルケニル、C〜C12アルキニル、置換C〜C12アルキニル、C〜C12アルコキシル、置換C〜C12アルコキシル、OJ、SJ、SOJ、SO、NJ、N、CN、C(=O)OJ、C(=O)NJ、C(=O)J、O−C(=O)NJ、N(H)C(=NH)NJ、N(H)C(=O)NJ又はN(H)C(=S)NJ;並びに
及びq又はq及びqは共にC(q)(q)であり、式中、q及びqはそれぞれ、独立して、水素、ハロゲン、C〜C12アルキル又は置換C〜C12アルキルである。
【0197】
4’−(CH−2’ブリッジを有する、1つの炭素環二環式ヌクレオシド及びアルケニル類似体ブリッジ4’−CH=CH−CH−2’については記載がある(Frierら、Nucleic Acids Research、1997、25(22)、4429−4443;Albaekら、J.Org.Chem.、2006、71、7731−7740)。炭素環二環式ヌクレオシドの合成及び製造、並びにそれらのオリゴマー化及び生化学研究についても、すでに記載されている(Srivastavaら、J.Am.Chem.Soc.2007、129(26)、8362−8379)。
【0198】
本明細書で使用されている「4’−2’二環式ヌクレオシド」又は「4’〜2’二環式ヌクレオシド」は、糖環の2’位炭素原子と4’位炭素原子を結合させるフラノース環の2個の炭素原子を結合するブリッジを構成するフラノース環を含む二環式ヌクレオシドを指している。
【0199】
本明細書で使用されている「単環式ヌクレオシド」は、二環式糖部分ではない修飾糖部分を含むヌクレオシドを指している。ある実施形態では、ヌクレオシドの糖部分、又は糖部分類似体は、任意の部位で修飾又は置換されてもよい。
【0200】
本明細書で使用されている「2’−修飾糖」は、2’位で修飾されたフラノシル糖を意味する。ある実施形態では、修飾には、置換及び非置換アルコキシ、置換及び非置換チオアルキル、置換及び非置換アミノアルキル、置換及び非置換アルキル、置換及び非置換アリル、並びに置換及び非置換アルキニル等のハロゲン化合物から選択される置換基を含むが、これらに限定されない。ある実施形態では、2’修飾は、n及びmが1〜約10である、O[(CHO]CH、O(CHNH、O(CHCH、O(CHONH、OCHC(=O)N(H)CH、及びO(CHON[(CHCHを含む置換基から選択されるが、これらに限定されない。他の2’置換基もまた、C−C12アルキル、置換アルキル、アルケニル、アルキニル、アルカリル、アラルキル、O−アルカリル又はO−アラルキル、SH、SCH、OCN、Cl、Br、CN、CF、OCF、SOCH、SOCH、ONO、NO、N、NH、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルカリル、アミノアルキルアミノ、ポリアルキルアミノ、置換シリル、RNA切断基、レポーター基、介入物、薬物動態特性を改善するための基、又はアンチセンス化合物の薬力学的特性を改善するための基、及び類似の特性を有するその他の置換基から選択され得る。ある実施形態では、修飾ヌクレオシドには2’−MOE側鎖が含まれる(Bakerら、J.Biol.Chem.、1997、272、11944−12000)。2’−MOE置換基は、非修飾ヌクレオシド、並びに、2’−O−メチル、O−プロピル、及びO−アミノプロピル等の他の修飾ヌクレオシドと比較して、結合親和性を改善したものとして記述されている。2’−MOE置換基を有するオリゴヌクレオチドはまた、in vivo利用に有望な特徴を有する、遺伝子発現のアンチセンス阻害剤となることが示されている(Martin,P.、Helv.Chim.Acta、1995、78、486−504;Altmannら、Chimia、1996、50、168−176;Altmannら、Biochem.Soc.Trans.、1996、24、630−637;及びAltmannら、Nucleosides Nucleotides、1997、16、917−926)。
【0201】
本明細書で使用される「修飾テトラヒドロピランヌクレオシド」又は「修飾THPヌクレオシド」は、6員環テトラヒドロピランの「糖」を、正常なヌクレオシドのペントフラノシル残基(糖代用物)と置換したヌクレオシドを意味する。修飾THPヌクレオシドには、以下が含まれるがこれらに限定されない。すなわち、当技術分野でヘキシトール核酸(HNA)、アニトール核酸(ANA)、マニトール核酸(MNA)(Leumann、CJ.Bioorg.& Med.Chem.(2002)10:841−854を参照のこと)と称されているもの、フルオロHNA(F−HNA)又は式Xを有する諸化合物、
【化8】
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式中、式Xの少なくとも1つのテトラヒドロピランヌクレオシド類似体それぞれは独立して、
Bxは複素環塩基部分であり;
及びTはそれぞれ、独立して、テトラヒドロピランヌクレオシド類似体をアンチセンス化合物に連結するヌクレオシド間連結基であるか、又はT及びTのうちいずれか一方が、テトラヒドロピランヌクレオシド類似体をアンチセンス化合物に連結するヌクレオシド間連結基であり、かつT及びTのもう片方は、水素、ヒドロキシル保護基、連結結合基、若しくは5’若しくは3’末端基であり;
、q、q、q、q、q及びqはそれぞれ、独立して、水素、C〜Cアルキル、置換C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、置換C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル又は置換C〜Cアルキニルであり;並びに
及びRのうちいずれか片方は水素であり、もう片方はハロゲン、置換又は非置換アルコキシ、式中XはO、S又はNJであり、J、J及びJはそれぞれ独立して水素又はC〜CアルキルであるNJ、SJ、N、OC(=X)J、OC(=X)NJ、NJC(=X)NJ及びCNから選択される。
【0202】
ある実施形態では、式Xの修飾THPヌクレオシドは、式中q、q、q、q、q、q及びqがそれぞれ水素であるものとして提供される。ある実施形態では、q、q、q、q、q、q及びqの少なくとも1つは、水素以外である。ある実施形態では、q、q、q、q、q、q及びqの少なくとも1つはメチルである。ある実施形態では、式XのTHPヌクレオシドは、式中R及びRのうち片方をFとして提供される。ある実施形態では、Rはフルオロ、Rは水素である;Rはメトキシ、Rは水素である;及びRはメトキシエトキシ、Rは水素である。
【0203】
本明細書で使用される「2’−修飾」又は「2’−置換」は、2’位に水素又はOH以外の置換基を含む糖を含有するヌクレオシドを指している。2’−修飾ヌクレオシドには、糖環の2つの炭素原子を結合させるブリッジが、糖環の2’炭素と別の炭素を結合させる二環式ヌクレオシド;及び、アリル、アミノ、アジド、チオ、O−アリル、O−C−C10アルキル、−OCF、O−(CH−O−CH、2’−O(CHSCH、式中R及びRはそれぞれ独立して水素又は置換若しくは非置換C−C10アルキルであるO−(CH−O−N(R)(R)又はO−CH−C(=O)−N(R)(R)等の非架橋2’置換基を有するヌクレオシドが含まれるが、これらに限定されない。2’修飾ヌクレオシドにはさらに、例えば、糖の他の部位及び/又は核酸塩基等にその他の修飾が含まれてもよい。
【0204】
本明細書で使用される「2’−F」は、2’位にフルオロ基を有する糖を含有するヌクレオシドを指している。
【0205】
本明細書で使用される「2’−OMe」又は「2’−OCH」又は「2’−O−メチル」はそれぞれ、糖環の2’位に−OCH基を持つ糖を含有するヌクレオシドを指している。
【0206】
本明細書で使用される「MOE」又は「2’−MOE」又は「2’−OCHCHOCH」又は「2’−メトキシエチル」はそれぞれ、糖環の2’位に−OCHCHOCH基を含む糖を含有するヌクレオシドを指している。
【0207】
本明細書で使用される「オリゴヌクレオチド」は、複数の連結ヌクレオシドを含む化合物を指している。ある実施形態では、1又はそれ以上の複数ヌクレオシドは修飾されている。ある実施形態では、オリゴヌクレオチドには、1又は複数のリボヌクレオシド(RNA)及び/又はデオキシリボヌクレオシド(DNA)が含まれる。
【0208】
その他のビシクロ及びトリシクロ糖代用環系の多くはまた、当技術分野において、アンチセンス化合物への組み入れのためヌクレオシドを修飾するために使用され得るとして既知である(例えば、レビュー記事:Leumann、J.C,Bioorganic&Medicinal Chemistry、2002、10、841−854を参照のこと)。環系は、活性向上のために様々な追加置換を行うことができる。
【0209】
修飾糖の製造方法は、当業者の周知である。
【0210】
修飾糖部分を有するヌクレオチドでは、核酸塩基部分(天然、修飾、又はそれらの組み合わせ)は、適切な核酸標的とのハイブリダイゼーションのために維持される。
【0211】
ある実施形態では、アンチセンス化合物には、修飾糖部分を有する1又は複数のヌクレオチドが含まれる。ある実施形態では、修飾糖部分は、2’−MOEである。ある実施形態では、2’−MOE修飾ヌクレオチドは、ギャップマーモチーフで配列される。ある実施形態では、修飾糖部分は、cEtである。ある実施形態では、cEt修飾ヌクレオチドは、ギャップマーモチーフのウィング全体に配列される。
【0212】
修飾核酸塩基
核酸塩基(又は塩基)の修飾又は置換は、天然発生又は合成未修飾の核酸塩基とは構造的に判別可能であるが、機能的には相互互換的である。天然及び修飾核酸塩基双方は、水素結合に関与し得る。核酸塩基修飾は、核酸分解酵素安定性、結合親和性、対立遺伝子多様体の選択性向上、又はアンチセンス化合物に対し有益なその他複数の生物特性を与えることができる。修飾核酸塩基には、例えば5−メチルシトシン(5−me−C)等の合成及び天然核酸塩基が含まれる。5−メチルシトシン置換を含む特定の核酸塩基置換は、特に、標的核酸のアンチセンス化合物の結合親和性を向上させるのに有益である。例えば、5−メチルシトシン置換は、0.6〜1.2℃の差で、核酸二本鎖の安定性を向上させることはすでに示されている(Sanghvi,Y.S.、Crooke,S.T.及びLebleu,B.編 Antisense Research and Applications、CRC Press、Boca Raton、1993、276−278)。
【0213】
追加の修飾核酸塩基には、5−ヒドロキシメチルシトシン、キサンチン、ヒポキサンチン、2−アミノアデニン、アデニンとグアニンの6−メチル及び他のアルキル誘導体、アデニンとグアニンの2−プロピル及び他のアルキル誘導体、2−チオウラシル、2−チオチミン及び2−チオシトシン、5−ハロウラシル及びシトシン、5−プロピニル(−CoC−CH)ウラシルとシトシン及びピリミジン塩基の他のアルキニル誘導体、6−アゾウラシル、シトシン及びチミン、5−ウラシル(偽ウラシル)、4−チオウラシル、8−ハロ、8−アミノ、8−チオール、8−チオアルキル、8−ヒドロキシル及び他の8−置換アデニン類とグアニン類、5−ハロ特に5−ブロモ、5−トリフルオロメチル及び他の5−置換ウラシル類とシトシン類、7−メチルグアニン及び7−メチルアデニン、2−F−アデニン、2−アミノ−アデニン、8−アザグアニン及び8−アザアデニン、7−デアザグアニンと7−デアザアデニン及び3−デアザグアニンと3−デアザアデニンが含まれる。
【0214】
複素環塩基部分にはまた、プリン又はピリミジン塩基が、7−デアザ−アデニン、7−デアザグアノシン、2−アミノピリジン及び2−ピリドン等、他の複素環と置換されたものが含まれてもよい。アンチセンス化合物の結合親和性向上に特に有益な核酸塩基には、2アミノプロピルアデニン、5−プロピニルウラシル及び5−プロピニルシトシン等の、5−置換ピリミジン類、6−アザピリミジン類及びN−2,N−6及びO−6置換プリン類が含まれる。
【0215】
ある実施形態では、アンチセンス化合物には、1又は複数の修飾核酸塩基が含まれる。ある実施形態では、ギャップ拡大型アンチセンスオリゴヌクレオチドには、1又は複数の修飾核酸塩基が含まれる。ある実施形態では、修飾核酸塩基は、5−メチルシトシンである。ある実施形態では、各シトシンは5−メチルシトシンである。
【0216】
医薬組成物製剤のための組成物及び方法
アンチセンスオリゴヌクレオチドは、医薬組成物の調製又は製剤のために薬剤的に許容できる活性又は不活性物質と混合してもよい。医薬組成物製剤のための組成物及び方法は、投与経路、疾患の度合い、又は投与量等、数多くの基準によるがこれらに限定されない。
【0217】
アンチセンス化合物は、アンチセンス化合物を薬剤的に許容できる好適な希釈剤又は担体と結合させることにより医薬組成物として利用可能となる。薬剤的に許容可能な希釈剤には、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)が含まれる。PBSは、非経口的に送達される組成物での利用に適した希釈剤である。従って、ある実施形態では、本明細書に記載の方法に使用されるのは、アンチセンス化合物及び薬剤的に許容できる希釈剤を含む医薬組成物である。ある実施形態では、薬剤的に許容できる希釈剤は、PBSである。ある実施形態では、アンチセンス化合物は、アンチセンスオリゴヌクレオチドである。
【0218】
アンチセンス化合物を含む医薬組成物には、任意の薬剤的に許容できる塩類、エステル類、若しくはエステル類の塩類、又は、ヒトを含む動物への投与で生物活性な代謝産物又はその残留物を(直接的又は間接的に)与えることができる任意の他のオリゴヌクレオチドが包含される。従って、例えば、本明細書の開示にはまた、アンチセンス化合物の薬剤的に許容できる塩類、プロドラッグ、プロドラッグの薬剤的に許容できる塩類、及びその他の生物学的同等物も含まれる。薬剤的に許容できる好適な塩類には、ナトリウム塩及びカリウム塩が含まれるが、これらに限定されない。
【0219】
プロドラッグには、活性アンチセンス化合物を形成するために、体内の内在性核酸分解酵素により切断されたアンチセンス化合物の片方の端又は両端に、追加のヌクレオシドを組み入れることが含まれ得る。
【0220】
共役アンチセンス化合物
アンチセンス化合物を、活性、細胞分布、対立遺伝子多様体の選択性、又は結果として得られたアンチセンスオリゴヌクレオチドの細胞取込等を向上させる、1又は複数の部分又は共役体と共有結合的に連結させてもよい。典型的な共役基には、コレステロール部分及び脂質部分が含まれる。追加の共役基には、炭水化物、リン脂質、ビオチン、フェナジン、葉酸、フェナントリジン、アントラキノン、アクリジン、フルオレセイン、ローダミン、クマリン、及び染料が含まれる。
【0221】
アンチセンス化合物に対し、例えば核酸分解酵素安定性等の特性を向上させるために、アンチセンス化合物の片方の端又は両末端に通常は付着している、1又は複数の安定化基を有するよう修飾することもできる。安定化基には、キャップ構造が含まれる。これら末端修飾は、末端核酸を有するアンチセンス化合物をエキソヌクレアーゼ分解から保護し、送達及び/又は細胞内の局所化を支援することができる。キャップは、5’末端(5’−キャップ)、又は3’末端(3’−キャップ)、又は両末端に存在し得る。キャップ構造は、当技術分野において周知であり、例えば、逆位デオキシ脱塩基キャップが含まれる。さらに、核酸分解酵素安定性を供与するためにアンチセンス化合物の片方の端又は両端をキャップするのに使用され得る3’及び5’安定化基には、2003年1月16日に公開された国際公開第03/004602号に開示されたものも含まれる。
【0222】
細胞培養及びアンチセンス化合物処理
アンチセンス化合物が標的核酸のレベル、活性、又は発現に対してもたらす効果を、様々な種類の細胞でin vitroに試験することができる。解析に使用される細胞の種類は、市販の業者(例えば、American Type Culture Collection社、バージニア州マナッサス;Zen−Bio社、ノースカロライナ州リサーチ・トライアングル・パーク;Clonetics社、メリーランド州ウォーカーズビル)から入手可能であり、市販の試薬(例えば、Invitrogen Life Technologies社、カリフォルニア州カールスバッド)を用いて、業者のマニュアルに従って培養する。細胞の種類には、例えば、HepG2細胞、Hep3B細胞、及び初代肝細胞が含まれるが、これらに限定されない。細胞株の例として、GM04281、GM02171、及びGM02173B細胞が含まれる。
【0223】
アンチセンスオリゴヌクレオチドのin vitro試験
本明細書に記載されるのは、他のアンチセンス化合物処理のために適切に修飾され得るアンチセンスオリゴヌクレオチドを有する細胞の処理方法である。
【0224】
細胞は、一般に、培養中で約60〜80%コンフルエントに達したときに、アンチセンスオリゴヌクレオチドで処理される。
【0225】
アンチセンスオリゴヌクレオチドを培養細胞に導入するために通常用いられる1つの試薬として、カチオン性脂質トランスフェクション試薬LIPOFECTIN(Invitrogen社、カリフォルニア州カールスバッド)が含まれる。アンチセンスオリゴヌクレオチドを、OPTI−MEM1でLIPOFECTIN(Invitrogen社、カリフォルニア州カールスバッド)と混合し、所望のアンチセンスオリゴヌクレオチド最終濃度と、通常100nMのアンチセンスオリゴヌクレオチドにつき2〜12μg/mLの範囲にあるLIPOFECTIN濃度を得る。
【0226】
アンチセンスオリゴヌクレオチドを培養細胞に導入するために用いられる別の試薬として、LIPOFECTAMINE(Invitrogen社、カリフォルニア州カールスバッド)が含まれる。アンチセンスオリゴヌクレオチドを、OPTI−MEM1血清使用量低減培地(Invitrogen社、カリフォルニア州カールスバッド)でLIPOFECTAMINEと混合し、所望のアンチセンスオリゴヌクレオチド最終濃度と、通常100nMのアンチセンスオリゴヌクレオチドにつき2〜12μg/mLの範囲にあるLIPOFECTAMINE濃度を得る。
【0227】
アンチセンスオリゴヌクレオチドを培養細胞に導入するために用いられる別の技法には、電気穿孔が含まれる。
【0228】
細胞は、通常の方法により、アンチセンスオリゴヌクレオチドで処理される。細胞は、典型的に、アンチセンスオリゴヌクレオチド処理の16〜24時間後に収穫され、その時点で、標的核酸のRNA又はタンパク質レベルを、当技術分野で既知であり、本明細書に記載される方法で測定される。一般に、複数の複製物で処理を行う場合、データは複製物処理の平均として提示される。
【0229】
使用されるアンチセンスオリゴヌクレオチドの濃度は、細胞株により異なる。特定の細胞株に最適なアンチセンスオリゴヌクレオチド濃度を決定する方法は、当技術分野で周知である。LIPOFECTAMINEで形質移入される場合、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、典型的に、1nM〜300nMの範囲の濃度で使用される。電気穿孔を用いて形質移入される場合、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、625〜20,000nMの範囲の高濃度で使用される。
【0230】
RNA単離
RNA解析は、全細胞RNA又はポリ(A)+mRNAで行うことができる。RNA単離法は、当技術分野で周知である。RNAは、当技術分野で周知の方法、例えば、TRIZOL試薬(Invitrogen社、カリフォルニア州カールスバッド)を用いて、製造者が推奨するプロトコルに従って調製される。
【0231】
標的レベル又は発現の阻害の解析
標的核酸の低減、阻害、又は発現を、当技術分野で既知の様々な方法でアッセイすることが可能である。例えば、標的核酸レベルを、ノーザンブロット解析、競合的ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、又は定量的リアルタイムPCR等により定量化することができる。RNA解析は全細胞RNA又はポリ(A)+mRNAで行うことができる。RNA単離法は、当技術分野で周知である。ノーザンブロット解析もまた、当技術分野で日常的に行われている。定量的リアルタイムPCRは、PE−Applied Biosystems社(カリフォルニア州フォースター市)から購入可能なABI PRISM7600、7700、又は7900配列検知システム(Sequence Detection System)を用いて、製造業者のマニュアルに従って従来通りに行うことができる。
【0232】
標的RNAレベルの定量的リアルタイムPCR解析
標的RNAレベルの定量は、ABI PRISM7600、7700、又は7900配列検知システム(Sequence Detection System)(PE−Applied Biosystems社、カリフォルニア州フォースター市)を用いた定量的リアルタイムPCRにより、製造業者のマニュアルに従って行うことができる。定量的リアルタイムPCR法は、当技術分野で周知である。
【0233】
リアルタイムPCRの前に、単離されたRNAに対し、相補的DNAを(cDNA)を生成し、その後リアルタイムPCR増幅用の基板として使用されている逆転写酵素(RT)反応を行う。RT及びリアルタイムPCR反応は、同じサンプルウェルで連続して行われる。RT及びリアルタイムPCR試薬は、Invitrogen社(カリフォルニア州カールスバッド)から取得する。RTリアルタイムPCR反応は、当業者に周知の方法で行われる。
【0234】
リアルタイムPCRで得られる遺伝子(又は、RNA)標的量は、シクロフィリンA等、発現が定常化している遺伝子の発現レベルを用いて、又はRIBOGREEN(Invitrogen社、カリフォルニア州カールスバッド)を用いて全RNAを定量化するかのいずれかにより正規化される。シクロフィリンAの発現は、リアルタイムPCRにより、標的と同時に反応、増幅させることで、又は別々に行うことで定量化される。全RNAの定量化は、RIBOGREEN RNA定量化試薬(Invitrogen社、オレゴン州ユージーン)を用いて行う。RIBOGREENによるRNAの定量化の方法は、Jones,L.J.ら、(Analytical Biochemistry、1998、265、368−374)により教授されている。CYTOFLUOR 4000インスツルメント(PE−Applied Biosystems社)を用いて、RIBOGREEN蛍光を測定する。
【0235】
標的核酸にハイブリダイズするよう、プローブ及びプライマーを設計する。リアルタイムPCRプローブ及びプライマーを設計する方法は、当技術分野で周知であり、PRIMER EXPRESSソフトウェア(Applied Biosystems社、カリフォルニア州フォースター市)等のソフトウェアの利用も含まれ得る。
【0236】
タンパク質レベルの解析
標的核酸の低減、阻害、又は発現は、標的タンパク質レベルを測定することによりアッセイ可能である。標的タンパク質レベルは、免疫沈降、ウェスタンブロット分析(免疫ブロット)、酵素結合免疫吸着測定法(ELISA)、定量タンパク質アッセイ、タンパク質活性アッセイ(例えば、カスパーゼ活性アッセイ)、免疫組織化学、免疫細胞化学又は蛍光活性化セルソーティング(FACS)等、当技術分野で周知の様々な方法で評価し又は定量化することができる。標的に向けられる抗体は、抗体のMSRSカタログ(Aerie社、ミシガン州バーミンガム)等、様々なソースで同定し、そこから取得することができ、或いは、当技術分野で周知の従来のモノクロナール又はポリクロナール抗体の生成方法を介して調製することもできる。マウス、ラット、サル、及びヒトタンパク質の検知に有益な抗体は、市販されている。
【0237】
アンチセンス化合物のin vivo試験
アンチセンス化合物、例えば、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、標的遺伝子産物を選択的に低減又はその発現を阻害し、疾患症状の寛解等の表現型変異をもたらす能力を評価するために、動物で試験される。試験は、正常な動物、又は実験用疾患モデルで行ってもよい。動物への投与のために、リン酸緩衝生理食塩水等の薬剤的に許容できる希釈剤でアンチセンスオリゴヌクレオチドを調製する。投与には、腹腔内、静脈内、及び皮下投与等の非経口投与経路が含まれる。アンチセンスオリゴヌクレオチド用量及び投与回数の算出は、当業者であれば可能であり、投与経路及び動物の体重等の要因により決められる。アンチセンスオリゴヌクレオチドの処理期間終了後、RNA又はタンパク質を組織から単離し、標的核酸又はタンパク質発現における変化を測定する。
【0238】
投与
ある実施形態では、本明細書に記載の化合物及び組成物の投与方法は多数存在し得るが、それは、局所的処理又は全身性処理が所望であるかどうか、また処理対象の領域次第である。投与は、局所的(眼部、膣部、直腸部、鼻腔内部を含む)、経口、肺(粉末の吸入若しくは吹込又はエアロゾルを含む、噴霧器、気管内、鼻腔内、表皮性、経皮性を含む)又は、点滴、静脈内注射、若しくは皮下、腹腔内、眼内、硝子体内や筋肉内注射等の非経口であり得る。
【0239】
ある実施形態では、本明細書に記載の化合物及び組成物は、非経口投与される。
【0240】
ある実施形態では、非経口投与は注入により行われる。注入は、長期若しくは連続、又は短期若しくは断続的であり得る。ある実施形態では、注入される医薬剤は、ポンプで送達される。ある実施形態では、非経口投与は注射により行われる。
【0241】
ある実施形態では、化合物及び組成物は中枢神経に送達される。ある実施形態では、化合物及び組成物は脳脊髄液に送達される。ある実施形態では、化合物及び組成物は脳実質に送達される。ある実施形態では、化合物及び組成物は、髄腔内投与又は脳室内投与により動物に送達される。実質内投与、髄腔内投与、脳室内投与により、本明細書に記載の化合物及び組成物を中枢神経系内に広汎に分布させることができる。
【0242】
ある実施形態では、非経口投与は注射により行われる。注射は、シリンジ又はポンプで送達されてもよい。ある実施形態では、注射はボーラス注射である。ある実施形態では、注射は、線条体、尾状核、大脳皮質、海馬、小脳等の組織に直接投与する。
【0243】
ある実施形態では、ボーラス注射等、医薬剤を特異的に局所化する方法は、20、25、30、35、40、45又は50の要因により、有効濃度中央値(EC50)を低下させる。ある実施形態では、アンチセンス化合物の医薬剤は本明細書でさらに記載される。ある実施形態では、標的組織は脳組織である。ある実施形態では、標的組織は線条体組織である。ある実施形態では、EC50を低下させることで、薬剤を必要とする患者に薬剤効果をもたらすのに必要な用量を低減するため、EC50を低下させることは望ましい。
【0244】
ある実施形態では、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、注射又は注入により、毎月、2ヶ月毎、90日毎、3ヶ月毎、6ヶ月毎、1年に2回、又は1年に1回送達される。
【0245】
特定の化合物及び表示
本明細書で提供されるのは、突然変異対立遺伝子の阻害有効性及び選択性向上を提供する化合物及び方法である。有効性とは、ベンチマークオリゴヌクレオチドによる突然変異mRNAの阻害度と比較した、SNPを標的とするアンチセンスオリゴヌクレオチドによる突然変異mRNAの阻害度で表される。選択性とは、マイナー対立遺伝子又は野生型対立遺伝子と比較して、メジャー対立遺伝子又は突然変異対立遺伝子の発現を優先的に阻害する、SNPを標的とするアンチセンスオリゴヌクレオチドの能力により示される。各SNP位置に異なる遺伝子型を有する3つの細胞株を利用することで、アンチセンスオリゴヌクレオチドを標的とする有効かつ選択的SNPを提供する設計ルールの決定が促進された。
【0246】
ある実施形態では、化合物は、本明細書でさらに記載されるアンチセンスオリゴヌクレオチドである。アンチセンスオリゴヌクレオチドは、SNP又は識別用多型を優先的に標的とする。様々な長さのオリゴヌクレオチドを試験し、SNPを標的とするのに有益な特定の長さを決定した。
【0247】
ある実施形態では、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、12〜30核酸塩基長である配列を有する。ある実施形態では、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、12〜25核酸塩基長である配列を有する。ある実施形態では、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、12〜21核酸塩基長である配列を有する。ある実施形態では、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、12〜20核酸塩基長である配列を有する。ある実施形態では、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、13〜20核酸塩基長である配列を有する。ある実施形態では、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、14〜20核酸塩基長である配列を有する。ある実施形態では、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、15〜20核酸塩基長である配列を有する。ある実施形態では、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、12〜19核酸塩基長である配列を有する。ある実施形態では、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、13〜19核酸塩基長である配列を有する。ある実施形態では、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、14〜19核酸塩基長である配列を有する。ある実施形態では、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、15〜19核酸塩基長である配列を有する。ある実施形態では、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、16〜19核酸塩基長である配列を有する。ある実施形態では、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、17〜19核酸塩基長である配列を有する。ある実施形態では、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、12、13、14、15、16、17、18、19、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30核酸塩基長である配列を有する。
【0248】
様々な長さのオリゴヌクレオチドに関して、SNP位置に対して相補的なヌクレオシドの位置をギャップ及びウィング内で移動させ、その効果を試験した。アンチセンスオリゴヌクレオチド内の特定の位置は、SNPを標的とするのに有益であることが示された。
【0249】
ある実施形態では、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、少なくとも12、少なくとも13、少なくとも14、少なくとも15、少なくとも16、少なくとも17、少なくとも18、又は少なくとも19核酸塩基長であり、SNPは、アンチセンスオリゴヌクレオチドの5’末端から数えて6〜15番目のポジション、及び/又はギャップの5’末端から数えて1〜9番目のポジションに相補的である。ある実施形態では、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、少なくとも12、少なくとも13、少なくとも14、少なくとも15、少なくとも16、少なくとも17、少なくとも18、又は少なくとも19核酸塩基長であり、SNPは、アンチセンスオリゴヌクレオチドの5’末端から数えて8〜14番目のポジション、及び/又はギャップの5’末端から数えて1〜9番目のポジションに相補的である。ある実施形態では、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、少なくとも12、少なくとも13、少なくとも14、少なくとも15、少なくとも16、少なくとも17、少なくとも18、又は少なくとも19核酸塩基長であり、SNPは、アンチセンスオリゴヌクレオチドの5’末端から数えて8〜14番目のポジション、及び/又はギャップの5’末端から数えて4〜7番目のポジションに相補的である。ある実施形態では、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、少なくとも12、少なくとも13、少なくとも14、少なくとも15、少なくとも16、少なくとも17、少なくとも18、又は少なくとも19核酸塩基長であり、SNPは、アンチセンスオリゴヌクレオチドの5’末端から数えて8〜10番目のポジション、及び/又はギャップの5’末端から数えて4〜6番目のポジションに相補的である。
【0250】
ある実施形態では、SNPは、オリゴヌクレオチドの5’末端から数えて8、9、又は10番目のポジションに対し、又はギャップの5’末端から数えて4、5、又は6番目のポジションに対して相補的である。オリゴヌクレオチドの様々な長さに関して、ギャップ、5’ウィング、及び3’ウィングの長さの効果を試験した。
【0251】
あるウィング−ギャップ−ウィング組み合わせが、SNPを標的とするアンチセンスオリゴヌクレオチドにとって有益であることが示された。ある実施形態では、ギャップは7〜11核酸塩基長であり、各ウィングは独立して1〜6核酸塩基長である。ある実施形態では、ギャップは、7〜11核酸塩基長であり、各ウィングは独立して2〜6核酸塩基長である。ある実施形態では、ギャップは、8〜11核酸塩基長であり、各ウィングは独立して2〜6核酸塩基長である。ある実施形態では、ギャップは、9〜11核酸塩基長であり、各ウィングは独立して2〜6核酸塩基長である。ある実施形態では、ギャップは、9核酸塩基長であり、各ウィングは独立して2〜6核酸塩基長である。ある実施形態では、ギャップは、10核酸塩基長であり、各ウィングは独立して2〜6、又は4〜5核酸塩基長である。ある実施形態では、ギャップは、11核酸塩基長であり、各ウィングは独立して2〜6、又は4〜5核酸塩基長である。ある実施形態では、ウィング−ギャップ−ウィング配置は、4−7−4、5−8−6、6−8−5、6−7−6、5−7−5、6−8−5、5−8−6、3−9−4、4−9−3、2−9−6、6,9,2、3−9−3、3−9−5、5−9−3、5−9−4、4−9−5、5−9−5、4−11−4、4−10−5及び5−10−4のうちいずれか1つである。
【0252】
様々な長さのオリゴヌクレオチドに関して、特定の化学物質の効果を試験した。特定の化学修飾は、SNPを標的とするアンチセンスオリゴヌクレオチドにとって有益であることが示された。ある実施形態では、修飾アンチセンスオリゴヌクレオチドの各ウィングの各ヌクレオシドは、2’−MOE修飾を有する。ある実施形態では、修飾アンチセンスオリゴヌクレオチドの各ウィングの各ヌクレオシドは、高度親和性修飾を有する。ある実施形態では、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、ウィングギャップマーと混合する。実施形態では、3’ウィング及び5’ウィングにおける修飾及び修飾の組み合わせは、同じであっても異なっていてもよい。ある実施形態では、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、ウィングに1又は複数の2’−MOE修飾を有し、及び/又はウィングに1又は複数の高度親和性修飾を有する。ある実施形態では、高度親和性修飾は、cEt修飾である。ある実施形態では、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、アンチセンスオリゴヌクレオチドの(5’末端から数えて)2、3、13、及び14番目のポジションに高度親和性修飾を有する。ある実施形態では、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、少なくとも1つのウィングに1、2、3、又は4の高度親和性修飾を有する。ある実施形態では、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、5’ウィング及び3’ウィングにそれぞれ独立して、1、2、3、又は4の高度親和性修飾を有する。ある実施形態では、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、5’ウィング及び3’ウィングのいずれか片方又は両方に、(5’ウィングの5’末端及び3’ウィングの3’末端から数えて)2及び3番目のポジションに高度親和性糖修飾を有する。ある実施形態では、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、5’ウィング及び3’ウィングのいずれか片方又は両方に、(5’ウィングの5’末端及び3’ウィングの3’末端から数えて)2、3及び4番目のポジションに高度親和性糖修飾を有する。ある実施形態では、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、5’ウィング及び/又は3’ウィングの(5’ウィングの5’末端及び3’ウィングの3’末端から数えて)1番目のポジションに高度親和性糖修飾を有する。ある実施形態では、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、5’ウィング及び3’ウィングの(5’ウィングの5’末端及び3’ウィングの3’末端から数えて)1番目のポジション及びウィングの他のポジションの少なくとも1つに高度親和性糖修飾を有する。ある実施形態では、アンチセンスオリゴヌクレオチドの5’ウィング及び3’ウィングの少なくともいずれかにおいて、2’−MOEと高度親和性糖修飾が交互に現れる。
【0253】
ある実施形態では、化合物には、上記の1又は複数の設計ルールを取り入れたアンチセンスオリゴヌクレオチドが含まれる。
【0254】
ある実施形態では、化合物には、12〜30連結ヌクレオシドから成り、一塩基多型部位と完全に相補的である修飾アンチセンスオリゴヌクレオチドが含まれ、修飾アンチセンスオリゴヌクレオチドにはウイング−ギャップ−ウイングモチーフが含まれ、一塩基多型が、アンチセンスオリゴヌクレオチドの5’末端から数えて6〜15番目のポジションのいずれか1つ、又は修飾アンチセンスオリゴヌクレオチドのギャップの5’末端から数えて1〜9番目のポジションのいずれか1つと一致し、各ウィングの各ヌクレオシドには修飾糖又は糖代用が含まれている。ある実施形態では、一塩基多型部位には、識別用多型が含まれる。ある実施形態では、一塩基多型部位は、突然変異対立遺伝子上にある。ある実施形態では、突然変異対立遺伝子は疾患と関連する。ある実施形態では、ウイング−ギャップ−ウイングモチーフは、4−7−4、5−8−6、6−8−5、6−7−6、5−7−5、6−8−5、5−8−6、3−9−4、4−9−3、2−9−6、6,9,2、3−9−3、3−9−5、5−9−3、5−9−4、4−9−5、5−9−5、4−11−4、4−10−5及び5−10−4から成る群の任意の1つである。
【0255】
ある実施形態では、化合物には、12〜20連結ヌクレオシドから成り、一塩基多型部位と完全に相補的である修飾アンチセンスオリゴヌクレオチドが含まれ、修飾アンチセンスオリゴヌクレオチドにはウイング−ギャップ−ウイングモチーフが含まれ、一塩基多型は、アンチセンスオリゴヌクレオチドの5’末端から数えて6〜15番目のポジションのいずれか1つ、又は修飾アンチセンスオリゴヌクレオチドのギャップの5’末端から数えて1〜9番目のポジションのいずれか1つと一致し、各ウィングの各ヌクレオシドには修飾糖又は糖代用が含まれている。ある実施形態では、ウイング−ギャップ−ウイングモチーフは、4−7−4、5−8−6、6−8−5、6−7−6、5−7−5、6−8−5、5−8−6、3−9−4、4−9−3、2−9−6、6,9,2、3−9−3、3−9−5、5−9−3、5−9−4、4−9−5、5−9−5、4−11−4、4−10−5及び5−10−4から成る群の任意の1つである。
【0256】
ある実施形態では、化合物には、12〜20連結ヌクレオシドから成り、一塩基多型部位と完全に相補的である修飾アンチセンスオリゴヌクレオチドが含まれ、修飾アンチセンスオリゴヌクレオチドにはウイング−ギャップ−ウイングモチーフが含まれ、一塩基多型が、アンチセンスオリゴヌクレオチドの5’末端から数えて8〜14番目のポジションのいずれか1つ、又は修飾アンチセンスオリゴヌクレオチドのギャップの5’末端から数えて1〜9番目のポジションのいずれか1つと一致し、各ウィングの各ヌクレオシドには修飾糖又は糖代用が含まれている。ある実施形態では、ウイング−ギャップ−ウイングモチーフは、4−7−4、5−8−6、6−8−5、6−7−6、5−7−5、6−8−5、5−8−6、3−9−4、4−9−3、2−9−6、6,9,2、3−9−3、3−9−5、5−9−3、5−9−4、4−9−5、5−9−5、4−11−4、4−10−5及び5−10−4から成る群の任意の1つである。
【0257】
ある実施形態では、化合物には、12〜20連結ヌクレオシドから成り、一塩基多型部位と完全に相補的である修飾アンチセンスオリゴヌクレオチドが含まれ、修飾アンチセンスオリゴヌクレオチドにはウイング−ギャップ−ウイングモチーフが含まれ、一塩基多型が、アンチセンスオリゴヌクレオチドの5’末端から数えて8〜14番目のポジションのいずれか1つ、又は修飾アンチセンスオリゴヌクレオチドのギャップの5’末端から数えて4〜7番目のポジションのいずれか1つと一致し、各ウィングの各ヌクレオシドには修飾糖又は糖代用が含まれている。ある実施形態では、ウイング−ギャップ−ウイングモチーフは、4−7−4、5−8−6、6−8−5、6−7−6、5−7−5、6−8−5、5−8−6、3−9−4、4−9−3、2−9−6、6,9,2、3−9−3、3−9−5、5−9−3、5−9−4、4−9−5、5−9−5、4−11−4、4−10−5及び5−10−4から成る群の任意の1つである。
【0258】
ある実施形態では、化合物には、12〜20連結ヌクレオシドから成り、一塩基多型部位と完全に相補的である修飾アンチセンスオリゴヌクレオチドが含まれ、修飾アンチセンスオリゴヌクレオチドにはウイング−ギャップ−ウイングモチーフが含まれ、一塩基多型が、アンチセンスオリゴヌクレオチドの5’末端から数えて8〜10番目のポジションのいずれか1つ、又は修飾アンチセンスオリゴヌクレオチドのギャップの5’末端から数えて4〜6番目のポジションのいずれか1つと一致し、各ウィングの各ヌクレオシドには修飾糖又は糖代用が含まれている。ある実施形態では、ウイング−ギャップ−ウイングモチーフは、4−7−4、5−8−6、6−8−5、6−7−6、5−7−5、6−8−5、5−8−6、3−9−4、4−9−3、2−9−6、6,9,2、3−9−3、3−9−5、5−9−3、5−9−4、4−9−5、5−9−5、4−11−4、4−10−5及び5−10−4から成る群の任意の1つである。
【0259】
ある実施形態では、化合物には、12〜19連結ヌクレオシドから成り、一塩基多型部位と完全に相補的である修飾アンチセンスオリゴヌクレオチドが含まれ、修飾アンチセンスオリゴヌクレオチドにはウイング−ギャップ−ウイングモチーフが含まれ、一塩基多型が、アンチセンスオリゴヌクレオチドの5’末端から数えて8〜10番目のポジションのいずれか1つ、又は修飾アンチセンスオリゴヌクレオチドのギャップの5’末端から数えて4〜6番目のポジションのいずれか1つと一致し、各ウィングの各ヌクレオシドには修飾糖又は糖代用が含まれている。ある実施形態では、ウイング−ギャップ−ウイングモチーフは、4−7−4、5−8−6、6−8−5、6−7−6、5−7−5、6−8−5、5−8−6、3−9−4、4−9−3、2−9−6、6,9,2、3−9−3、3−9−5、5−9−3、5−9−4、4−9−5、5−9−5、4−11−4、4−10−5及び5−10−4から成る群の任意の1つである。
【0260】
ある実施形態では、化合物には、13〜19連結ヌクレオシドから成り、一塩基多型部位と完全に相補的である修飾アンチセンスオリゴヌクレオチドが含まれ、修飾アンチセンスオリゴヌクレオチドにはウイング−ギャップ−ウイングモチーフが含まれ、一塩基多型が、アンチセンスオリゴヌクレオチドの5’末端から数えて8〜10番目のポジションのいずれか1つ、又は修飾アンチセンスオリゴヌクレオチドのギャップの5’末端から数えて4〜6番目のポジションのいずれか1つと一致し、各ウィングの各ヌクレオシドには修飾糖又は糖代用が含まれている。ある実施形態では、ウイング−ギャップ−ウイングモチーフは、4−7−4、5−8−6、6−8−5、6−7−6、5−7−5、6−8−5、5−8−6、3−9−4、4−9−3、2−9−6、6,9,2、3−9−3、3−9−5、5−9−3、5−9−4、4−9−5、5−9−5、4−11−4、4−10−5及び5−10−4から成る群の任意の1つである。
【0261】
ある実施形態では、化合物には、14〜19連結ヌクレオシドから成り、一塩基多型部位と完全に相補的である修飾アンチセンスオリゴヌクレオチドが含まれ、修飾アンチセンスオリゴヌクレオチドにはウイング−ギャップ−ウイングモチーフが含まれ、一塩基多型が、アンチセンスオリゴヌクレオチドの5’末端から数えて8〜10番目のポジションのいずれか1つ、又は修飾アンチセンスオリゴヌクレオチドのギャップの5’末端から数えて4〜6番目のポジションのいずれか1つと一致し、各ウィングの各ヌクレオシドには修飾糖又は糖代用が含まれている。ある実施形態では、ウイング−ギャップ−ウイングモチーフは、4−7−4、5−8−6、6−8−5、6−7−6、5−7−5、6−8−5、5−8−6、3−9−4、4−9−3、2−9−6、6,9,2、3−9−3、3−9−5、5−9−3、5−9−4、4−9−5、5−9−5、4−11−4、4−10−5及び5−10−4から成る群の任意の1つである。
【0262】
ある実施形態では、化合物には、15〜19連結ヌクレオシドから成り、一塩基多型部位と完全に相補的である修飾アンチセンスオリゴヌクレオチドが含まれ、修飾アンチセンスオリゴヌクレオチドにはウイング−ギャップ−ウイングモチーフが含まれ、一塩基多型が、アンチセンスオリゴヌクレオチドの5’末端から数えて6〜15番目のポジションのいずれか1つ、又は修飾アンチセンスオリゴヌクレオチドのギャップの5’末端から数えて1〜9番目のポジションのいずれか1つと一致し、各ウィングの各ヌクレオシドには修飾糖又は糖代用が含まれている。ある実施形態では、ウイング−ギャップ−ウイングモチーフは、4−7−4、5−8−6、6−8−5、6−7−6、5−7−5、6−8−5、5−8−6、3−9−4、4−9−3、2−9−6、6,9,2、3−9−3、3−9−5、5−9−3、5−9−4、4−9−5、5−9−5、4−11−4、4−10−5及び5−10−4から成る群の任意の1つである。
【0263】
ある実施形態では、化合物には、15〜19連結ヌクレオシドから成り、一塩基多型部位と完全に相補的である修飾アンチセンスオリゴヌクレオチドが含まれ、修飾アンチセンスオリゴヌクレオチドにはウイング−ギャップ−ウイングモチーフが含まれ、一塩基多型が、アンチセンスオリゴヌクレオチドの5’末端から数えて8〜10番目のポジションのいずれか1つ、又は修飾アンチセンスオリゴヌクレオチドのギャップの5’末端から数えて4〜6番目のポジションのいずれか1つと一致し、各ウィングの各ヌクレオシドには修飾糖又は糖代用が含まれている。ある実施形態では、ウイング−ギャップ−ウイングモチーフは、4−7−4、5−8−6、6−8−5、6−7−6、5−7−5、6−8−5、5−8−6、3−9−4、4−9−3、2−9−6、6,9,2、3−9−3、3−9−5、5−9−3、5−9−4、4−9−5、5−9−5、4−11−4、4−10−5及び5−10−4から成る群の任意の1つである。
【0264】
ある実施形態では、化合物には、15〜19連結ヌクレオシドから成り、一塩基多型部位と完全に相補的である修飾アンチセンスオリゴヌクレオチドが含まれ、修飾アンチセンスオリゴヌクレオチドにはウイング−ギャップ−ウイングモチーフが含まれ、修飾アンチセンスオリゴヌクレオチドの5’末端から数えてポジション6、8、9、10、11、又は14が一塩基多型と一致し、各ウィングセグメントの各ヌクレオシドには修飾糖又は糖代用が含まれている。ある実施形態では、ウイング−ギャップ−ウイングモチーフは、2−9−6、3−9−3、3−9−5、4−9−5、4−11−4、及び5−10−4から成る群の任意の1つである。
【0265】
ある実施形態では、化合物には、15〜19連結ヌクレオシドから成り、一塩基多型部位と完全に相補的である修飾アンチセンスオリゴヌクレオチドが含まれ、修飾アンチセンスオリゴヌクレオチドにはウイング−ギャップ−ウイングモチーフが含まれ、ギャップセグメントのポジション1、4、5、6、7、又は9が一塩基多型と一致し、各ウィングセグメントの各ヌクレオシドには修飾糖又は糖代用が含まれている。ある実施形態では、ウイング−ギャップ−ウイングモチーフは、2−9−6、3−9−3、3−9−5、4−9−5、4−11−4、及び5−10−4から成る群の任意の1つである。
【0266】
ある実施形態では、化合物には、15〜19連結ヌクレオシドから成り、一塩基多型部位と完全に相補的である修飾アンチセンスオリゴヌクレオチドが含まれ、修飾アンチセンスオリゴヌクレオチドにはウイング−ギャップ−ウイングモチーフが含まれ、修飾アンチセンスオリゴヌクレオチドのポジション6、7、8、9、10、11、又は12が一塩基多型と一致し、5’及び3’ウィングセグメントのポジション2及び3に、4’−CH(CH)−O−2’ブリッジが含まれている。ある実施形態では、ウイング−ギャップ−ウイングモチーフは、2−9−6、3−9−3、3−9−5、4−9−5、4−11−4、及び5−10−4から成る群の任意の1つである。
【0267】
ある実施形態では、化合物には、15〜19連結ヌクレオシドから成り、一塩基多型部位と完全に相補的である修飾アンチセンスオリゴヌクレオチドが含まれ、修飾アンチセンスオリゴヌクレオチドにはウイング−ギャップ−ウイングモチーフが含まれ、ギャップセグメントのポジション3、4、5、6、7、8、又は9が一塩基多型と一致し、5’及び3’ウィングセグメントのポジション2及び3に、4’−CH(CH)−O−2’ブリッジが含まれている。ある実施形態では、ウイング−ギャップ−ウイングモチーフは、2−9−6、3−9−3、3−9−5、4−9−5、4−11−4、及び5−10−4から成る群の任意の1つである。
【0268】
化合物には、15〜19連結ヌクレオシドから成り、一塩基多型部位と完全に相補的である修飾アンチセンスオリゴヌクレオチドが含まれ、修飾アンチセンスオリゴヌクレオチドにはウイング−ギャップ−ウイングモチーフが含まれ、修飾アンチセンスオリゴヌクレオチドのポジション6、7、8、9、10、11、又は12が一塩基多型と並列し、アンチセンスオリゴヌクレオチドのポジション2、3、13、及び14に4’−CH(CH)−O−2’ブリッジが含まれている。ある実施形態では、ウイング−ギャップ−ウイングモチーフは、2−9−6、3−9−3、3−9−5、4−9−5、4−11−4、及び5−10−4から成る群の任意の1つである。
【0269】
化合物には、15〜19連結ヌクレオシドから成り、一塩基多型部位と完全に相補的である修飾アンチセンスオリゴヌクレオチドが含まれ、修飾アンチセンスオリゴヌクレオチドにはウイング−ギャップ−ウイングモチーフが含まれ、ギャップセグメントのポジション3、4、5、6、7、8、又は9が一塩基多型と一致し、アンチセンスアンチセンスオリゴヌクレオチドのポジション2、3、13、及び14に4’−CH(CH)−O−2’ブリッジが含まれている。ある実施形態では、ウイング−ギャップ−ウイングモチーフは、2−9−6、3−9−3、3−9−5、4−9−5、4−11−4、及び5−10−4から成る群の任意の1つである。
【0270】
ある実施形態では、化合物には、17〜19連結ヌクレオシドから成り、一塩基多型部位と完全に相補的である修飾アンチセンスオリゴヌクレオチドが含まれ、修飾アンチセンスオリゴヌクレオチドにはウイング−ギャップ−ウイングモチーフが含まれ、修飾アンチセンスオリゴヌクレオチドのポジション8、9又は10が一塩基多型と一致し、各ウィングセグメントの各ヌクレオシドに2’−O−メトキシエチル糖が含まれている。ある実施形態では、ウイング−ギャップ−ウイングモチーフは、2−9−6、3−9−3、3−9−5、4−9−5、4−11−4、及び5−10−4から成る群の任意の1つである。
【0271】
ある実施形態では、化合物には、17〜19連結ヌクレオシドから成り、一塩基多型部位と完全に相補的である修飾アンチセンスオリゴヌクレオチドが含まれ、修飾アンチセンスオリゴヌクレオチドにはウイング−ギャップ−ウイングモチーフが含まれ、ギャップセグメントのポジション5、6又は7が一塩基多型と一致し、各ウィングセグメントの各ヌクレオシドに2’−O−メトキシエチル糖が含まれている。ある実施形態では、ウイング−ギャップ−ウイングモチーフは、2−9−6、3−9−3、3−9−5、4−9−5、4−11−4、及び5−10−4から成る群の任意の1つである。
【0272】
ある実施形態では、化合物には、17〜19連結ヌクレオシドから成り、一塩基多型部位と完全に相補的である修飾アンチセンスオリゴヌクレオチドが含まれ、修飾アンチセンスオリゴヌクレオチドにはウイング−ギャップ−ウイングモチーフが含まれ、修飾アンチセンスオリゴヌクレオチドのポジション8、9、又は10が一塩基多型と一致し、5’及び3’ウィングセグメントのポジション2及び3に4’−CH(CH)−O−2’ブリッジが含まれている。ある実施形態では、ウイング−ギャップ−ウイングモチーフは、2−9−6、3−9−3、3−9−5、4−9−5、4−11−4、及び5−10−4から成る群の任意の1つである。
【0273】
ある実施形態では、化合物には、17〜19連結ヌクレオシドから成り、一塩基多型部位と完全に相補的である修飾アンチセンスオリゴヌクレオチドが含まれ、修飾アンチセンスオリゴヌクレオチドにはウイング−ギャップ−ウイングモチーフが含まれ、ギャップセグメントのポジション5、6、又は7が一塩基多型と一致し、5’及び3’ウィングセグメントのポジション2及び3に4’−CH(CH)−O−2’ブリッジが含まれている。ある実施形態では、ウイング−ギャップ−ウイングモチーフは、2−9−6、3−9−3、3−9−5、4−9−5、4−11−4、及び5−10−4から成る群の任意の1つである。
【0274】
化合物には、17〜19連結ヌクレオシドから成り、一塩基多型部位と完全に相補的である修飾アンチセンスオリゴヌクレオチドが含まれ、修飾アンチセンスオリゴヌクレオチドにはウイング−ギャップ−ウイングモチーフが含まれ、修飾オリゴヌクレオチドのポジション8、9、又は10が一塩基多型と一致し、アンチセンスアンチセンスオリゴヌクレオチドのポジション2、3、13、及び14に4’−CH(CH)−O−2’ブリッジが含まれている。ある実施形態では、ウイング−ギャップ−ウイングモチーフは、2−9−6、3−9−3、3−9−5、4−9−5、4−11−4、及び5−10−4から成る群の任意の1つである。
【0275】
化合物には、17〜19連結ヌクレオシドから成り、一塩基多型部位と完全に相補的である修飾アンチセンスオリゴヌクレオチドが含まれ、修飾アンチセンスオリゴヌクレオチドにはウイング−ギャップ−ウイングモチーフが含まれ、ギャップセグメントのポジション5、6、又は7が一塩基多型と一致し、アンチセンスオリゴヌクレオチドのポジション2、3、13、及び14に4’−CH(CH)−O−2’ブリッジが含まれている。ある実施形態では、ウイング−ギャップ−ウイングモチーフは、2−9−6、3−9−3、3−9−5、4−9−5、4−11−4、及び5−10−4から成る群の任意の1つである。
【0276】
ある実施形態では、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、11〜20連結ヌクレオシド長であり、独立して、5’及び3’ウィングに2〜5連結ヌクレオシド、ギャップに7〜11連結ヌクレオシドを有する。SNPは、(アンチセンスオリゴヌクレオチドの5’末端から数えて)アンチセンスオリゴヌクレオチドのポジション5、6、7、8、9、10、11、12、13、又は14に、又はギャップセグメントの5’末端から数えて、ポジション1、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10に相補的である。
【0277】
ある実施形態では、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、15〜19ヌクレオシド長であり、独立して、5’及び3’ウィングに2〜5連結ヌクレオシド、ギャップに7〜11連結ヌクレオシドを有する。SNPは、(アンチセンスオリゴヌクレオチドの5’末端から数えて)アンチセンスオリゴヌクレオチドのポジション6、7、8、9、又は10に、又はギャップセグメントの5’末端から数えてポジション4、5、6、又は7に相補的である。
【0278】
ある実施形態では、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、17連結ヌクレオシド長であり、独立して、5’及び3’ウィングセグメントに2〜5連結ヌクレオシド、ギャップセグメントに9〜11連結ヌクレオシドを有する。SNP
は、(アンチセンスオリゴヌクレオチドの5’末端から数えて)アンチセンスオリゴヌクレオチドのポジション8、9、若しくは10に相補的であるか、又は(ギャップセグメントの5’末端から数えて)ポジション5、6、若しくは7に相補的である。
【0279】
ある実施形態では、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、18連結ヌクレオシド長であり、独立して、5’及び3’ウィングセグメントに2〜5連結ヌクレオシド、ギャップセグメントに9〜11連結ヌクレオシドを有する。SNPは、(アンチセンスオリゴヌクレオチドの5’末端から数えて)アンチセンスオリゴヌクレオチドのポジション8、9、若しくは10に相補的であるか、又は(ギャップセグメントの5’末端から数えて)ポジション5、6、若しくは7に相補的である。
【0280】
ある実施形態では、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、19連結ヌクレオシド長であり、独立して、5’及び3’ウィングセグメントに2〜5連結ヌクレオシド、ギャップセグメントに9〜11連結ヌクレオシドを有する。SNPは、(アンチセンスオリゴヌクレオチドの5’末端から数えて)アンチセンスオリゴヌクレオチドのポジション8、9、若しくは10に相補的であるか、又は(ギャップセグメントの5’末端から数えて)ポジション5、6、若しくは7に相補的である。
【0281】
ある実施形態では、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、実施例に列記されたもののいずれかである。ある実施形態では、ISIS番号が示す配列及び化学作用により指定される。ある実施形態では、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、突然変異ハンチンチン対立遺伝子の少なくとも50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、若しくは95%を阻害するか、約50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、若しくは95%を阻害するか、約50%超、約55%超、約60%超、約65%超、約70%超、約75%超、約80%超、約85%超、約90%超、若しくは約95%超を阻害するか、又は50%超、55%超、60%超、65%超、70%超、75%超、80%超、85%超、90%超、若しくは95%超を阻害するとして実施例に列記されたもののいずれかである。
【0282】
ある実施形態では、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、野生型ハンチンチン対立遺伝子の発現に対し、突然変異ハンチンチン対立遺伝子の発現を少なくとも2倍、3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、若しくは10倍は選択的に阻害するか、約2倍、3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍若しくは10倍は選択的に阻害するか、約2倍超、約3倍超、約4倍超、約5倍超、約6倍超、約7倍超、約8倍超、約9倍超、若しくは約10倍超は選択的に阻害するか、又は2倍超、3倍超、4倍超、5倍超、6倍超、7倍超、8倍超、9倍超、若しくは10倍超は選択的に阻害するか、又は野生型ハンチンチン対立遺伝子の発現と比較して少なくとも40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%を選択的に阻害するとして実施例に列記されたもののいずれかである。
【0283】
ある実施形態では、本発明は、本明細書に記載の1又は複数の医薬組成物を投与することを含む、個体の治療方法を提供する。ある実施形態では、個体は、疾患又は障害と関連する対立遺伝子多様体を有する。本明細書で提供される医薬組成物は、優先的にSNPを標的とする。ある実施形態では、SNPは識別用多型である。
【0284】
SNPが疾患関連対立遺伝子に特異的であるかどうか、またさらに具体的に、ヘテロ接合体の患者の対立遺伝子のSNP多様体が、遺伝子のmRNAの隔離領域にある疾患誘発性突然変異と同じ対立遺伝子上に存在するかどうかを決定する方法については、すでに記述がある(国際公開第2008/147930号及び国際公開第2008/143774号)。
【0285】
ある実施形態では、疾患は神経変性障害である、ある実施形態では、神経変性障害はハンチントン病である。ある実施形態では、標的SNPは、1又は複数のrs6446723、rs3856973、rs2285086、rs363092、rs916171、rs6844859、rs7691627、rs4690073、rs2024115、rs11731237、rs362296、rs10015979、rs7659144、rs363096、rs362273、rs16843804、rs362271、rs362275、rs3121419、rs362272、rs3775061、rs34315806、rs363099、rs2298967、rs363088、rs363064、rs363102、rs2798235、rs363080、rs363072、rs363125、rs362303、rs362310、rs10488840、rs362325、rs35892913、rs363102、rs363096、rs11731237、rs10015979、rs363080、rs2798235、rs1936032、rs2276881、rs363070、rs35892913、rs12502045、rs6446723、rs7685686、rs3733217、rs6844859、rs362331、rs1143646、rs2285086、rs2298969、rs4690072、rs916171、rs3025849、rs7691627、rs4690073、rs3856973、rs363092、rs362310、rs362325、rs363144、rs362303、rs34315806、rs363099、rs363081、rs3775061、rs2024115、rs10488840、rs363125、rs362296、rs2298967、rs363088、rs363064、rs362275、rs3121419、rs3025849、rs363070、rs362273、rs362272、rs362306、rs362271、rs363072、rs16843804、rs7659144、rs363120、及びrs12502045である。ある実施形態では、化合物は、ISIS460065、ISIS459978、ISIS460028、ISIS460209、ISIS460208、及びISIS460206である。
【0286】
ある実施形態では、本明細書に記載されるのは、本明細書に記載の化合物を細胞、組織、又は動物に投与することにより、細胞、組織又は動物の突然変異ハンチンチン対立遺伝子の発現を選択的に低減する方法である。ある実施形態では、化合物には、突然変異ハンチンチン対立遺伝子に相補的な修飾オリゴヌクレオチドが含まれる。ある実施形態では、修飾オリゴヌクレオチドは、本明細書に記載の一塩基多型を含む位置における突然変異ハンチンチン対立遺伝子に対し相補的である。ある実施形態では、一塩基多型は、本明細書に記載のものから選択される。ある実施形態では、一塩基多型は、rs362306、rs362331、rs2298969、rs7685686、rs4690072、rs2024115又はrs363088から選択される。
【0287】
ある実施形態では、本明細書に記載されるのは、動物に本明細書に記載の化合物を投与することにより、ハンチントン病を治療し、改善し、又は発症若しくは進行を遅らせる方法である。ある実施形態では、化合物には、本明細書に記載の一塩基多型を含む対立遺伝子のあるポジションに位置する、突然遺伝子ハンチンチン対立遺伝子に対して相補的な修飾オリゴヌクレオチドが含まれる。ある実施形態では、一塩基多型は、rs362306、rs362331、rs2298969、rs7685686、rs4690072、rs2024115又はrs363088から選択される。ある実施形態では、動物に投与される化合物は、突然変異ハンチンチン対立遺伝子を選択的に低減することにより、ハンチントン病を治療し、改善し、又は発症若しくは進行を遅らせる。
【0288】
ある実施形態では、突然変異ハンチンチン対立遺伝子の発現は、野生型ハンチンチン対立遺伝子の発現に対して、少なくとも2倍、3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、若しくは10倍は選択的に低減するか、約2倍、3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、若しくは10倍は選択的に低減するか、約2倍超、約3倍超、約4倍超、約5倍超、約6倍超、約7倍超、約8倍超、約9倍超、若しくは約10倍超は選択的に低減するか、又は2倍、3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、若しくは10倍超は選択的に低減するか、又は野生型ハンチンチン対立遺伝子の発現と比較して少なくとも40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%を選択的に低減する。
【0289】
ある実施形態では、rs362306、rs362331、rs2298969、rs7685686、rs4690072、rs2024115又はrs363088から選択される一塩基多型部位を含むポジションに位置する突然変異ハンチンチン対立遺伝子に対して相補的な修飾オリゴヌクレオチドを含む、1又は複数の追加の化合物を投与する。
【0290】
ある実施形態では、修飾オリゴヌクレオチドは、本明細書にさらに記載する特定の長さ、ギャップ、ウィング、化学作用及びSNP位置アラインメントを有する。ある実施形態では、修飾オリゴヌクレオチドは、15〜20の連結ヌクレオシドから成り、修飾オリゴヌクレオチドの5’末端から数えて、修飾オリゴヌクレオチドのポジション5、6、7、8、9、10、11、12,13、14、又は15が一塩基多型と一致する。
【0291】
ある実施形態では、修飾オリゴヌクレオチドは、突然変異ハンチンチン対立遺伝子に対して90%相補的である。
【0292】
修飾オリゴヌクレオチドが、突然変異ハンチンチン対立遺伝子に対して95%相補的である、請求項40に記載の方法。
【0293】
修飾オリゴヌクレオチドが、突然変異ハンチンチン対立遺伝子に対して100%相補的である、請求項40に記載の方法。
【0294】
ある実施形態では、本明細書に記載されるのは、遺伝子の第1対立遺伝子多様体が遺伝子の第2対立遺伝子多様体に関連して発現するのを、薬剤が選択的に阻害するかどうかを判断する方法であって、第1の対立遺伝子多様体は、SNP位置に第1のヌクレオチドを含み、第2の対立遺伝子多様体は、SNP位置に第2のヌクレオチドを含み、
(i)第1の細胞、組織又は動物を、1又は複数の濃度の薬剤と接触させ、第1の細胞、組織又は動物は、SNP位置における第1のヌクレオチドにとってホモ接合であり;
(ii)第2の細胞、組織又は動物を、1又は複数の濃度の薬剤と接触させ、第2の細胞株がSNP位置における第2のヌクレオチドにとってホモ接合であるか、又はSNP位置における第1及び第2のヌクレオチドにとってヘテロ接合であり;
(iii)1又は複数の濃度の薬剤それぞれについて、各細胞、組織又は動物における対立遺伝子多様体の発現阻害度を測定し;及び
(iv)遺伝子の第1対立遺伝子多様体が遺伝子の第2対立遺伝子多様体に関連して発現するのを、薬剤が選択的に阻害するかどうかを判断するために、1又は複数の濃度の薬剤それぞれについて、各細胞、組織又は動物における発現の阻害度を比較する、
ことが含まれる。
【0295】
ある実施形態では、本明細書に記載の方法はさらに、第3の細胞、組織又は動物を、1又は複数の濃度の薬剤と接触させるステップを含み、第3の細胞、組織又は動物は、SNP位置における第2のヌクレオチドにとってホモ接合であるか、又はSNP位置における第1及び第2のヌクレオチドにとってヘテロ接合であり、第1の細胞、組織又は動物及び第2の細胞、組織又は動物とは異なる遺伝子型を有する。
【0296】
ある実施形態では、細胞、組織又は動物はYAC18の細胞、組織若しくはマウス、BACHDの細胞、組織若しくはマウス、ヒトハンチントン病患者由来の細胞株、又はそれらの任意の組合せである。
【0297】
ある実施形態では、第1の対立遺伝子多様体は突然変異対立遺伝子であり、第2の対立遺伝子多様体は野生型対立遺伝子である。ある実施形態では、第1の対立遺伝子多様体は野生型対立遺伝子であり、第2の対立遺伝子多様体は突然変異対立遺伝子である。
【0298】
ある実施形態では、突然変異対立遺伝子多様体は疾患と関連する。ある実施形態では、疾患は毒性機能を獲得した結果生じたものである。ある実施形態では、疾患はハンチントン病である。
【0299】
ある実施形態では、第1のヌクレオチドは、疾患関連突然変異と連鎖不平衡である。ある実施形態では、第2のヌクレオチドは、疾患関連突然変異と連鎖不平衡である。ある実施形態では、疾患関連突然変異は、トリヌクレオチド反復拡大である。ある実施形態では、トリヌクレオチド反復拡大はCAG拡大である。ある実施形態では、CAG拡大は、HTT遺伝子においてである。
【0300】
ある実施形態では、第1のヌクレオチドはAであり、第2のヌクレオチドはC、G又はTのいずれかである。ある実施形態では、第1のヌクレオチドはCであり、第2のヌクレオチドは、A、G又はTのいずれかである。ある実施形態では、第1のヌクレオチドはGであり、第2のヌクレオチドは、A、C又はTのいずれかである。ある実施形態では、第1のヌクレオチドはTであり、第2のヌクレオチドは、A、C又はGのいずれかである。ある実施形態では、第1のヌクレオチドは、疾患関連突然変異と連鎖不平衡である。ある実施形態では、疾患関連突然変異は、CAGの拡大である。ある実施形態では、CAGの拡大は、HTT遺伝子においてである。
【0301】
ある実施形態では、薬剤はアンチセンス化合物である。ある実施形態では、アンチセンス化合物はアンチセンスオリゴヌクレオチドである。ある実施形態では、アンチセンスオリゴヌクレオチドはギャップマーである。ある実施形態では、ギャップマーはウイング−ギャップ−ウイングモチーフである。ある実施形態では、ウイング−ギャップ−ウイングモチーフは、5−10−5、2−9−6、3−9−3、3−9−4、3−9−5、4−7−4、4−9−3、4−9−4、4−9−5、4−10−5、4−11−4、4−11−5、5−7−5、5−8−6、5−9−3、5−9−5、5−10−4、5−10−5、6−7−6、6−8−5、及び6−9−2から成る群の任意の1つである。ある実施形態では、少なくとも1つのヌクレオシド間連結は、修飾ヌクレオシド間連結である。ある実施形態では、各ヌクレオシド間連結は、ホスホロチオ酸ヌクレオシド間連結である。ある実施形態では、少なくとも1つのヌクレオシドに修飾核酸塩基が含まれる。ある実施形態では、修飾核酸塩基は5’−メチルシトシンである。ある実施形態では、少なくとも1つのウィング領域の少なくとも1つのヌクレオシドに、修飾糖又は糖代用が含まれる。ある実施形態では、各ウィング領域の各核酸塩基に、修飾糖又は糖代用が含まれる。ある実施形態では、糖又は糖代用は、2’−O−メトキシエチル修飾糖である。ある実施形態では、少なくとも1つのウィング領域に4’〜2’二環式ヌクレオシドが含まれ、かつ残りのウィングヌクレオシドの少なくとも1つが非二環式2’−修飾ヌクレオシドである。ある実施形態では、非二環式2’−修飾ヌクレオシドは、2’−O−メトキシエチルヌクレオシドである。ある実施形態では、4’〜2’二環式ヌクレオシドは、4’−CH(CH3)−O−2’二環式ヌクレオシドである。
【0302】
ある実施形態では、第1の細胞株は、線維芽細胞株、神経細胞株、又はリンパ芽細胞株から成る群のいずれかである。ある実施形態では、第2の細胞株は、線維芽細胞株、神経細胞株、又はリンパ芽細胞株から成る群のいずれかである。ある実施形態では、第3の細胞株は、線維芽細胞株、神経細胞株、又はリンパ芽細胞株から成る群のいずれかである。ある実施形態では、繊維芽細胞株は、GM04281、GM02171、及びGM02173Bから成る群のいずれかである。ある実施形態では、神経細胞株は、YAC18マウス由来の細胞株、BACHDマウス由来の細胞株、又はヒトハンチントン病患者由来の細胞株を含む。
【0303】
ある実施形態では、SNP位置は、rs6446723、rs3856973、rs2285086、rs363092、rs916171、rs6844859、rs7691627、rs4690073、rs2024115、rs11731237、rs362296、rs10015979、rs7659144、rs363096、rs362273、rs16843804、rs362271、rs362275、rs3121419、rs362272、rs3775061、rs34315806、rs363099、rs2298967、rs363088、rs363064、rs363102、rs2798235、rs363080、rs363072、rs363125、rs362303、rs362310、rs10488840、rs362325、rs35892913、rs363102、rs363096、rs11731237、rs10015979、rs363080、rs2798235、rs1936032、rs2276881、rs363070、rs35892913、rs12502045、rs6446723、rs7685686、rs3733217、rs6844859、rs362331、rs1143646、rs2285086、rs2298969、rs4690072、rs916171、rs3025849、rs7691627、rs4690073、rs3856973、rs363092、rs362310、rs362325、rs363144、rs362303、rs34315806、rs363099、rs363081、rs3775061、rs2024115、rs10488840、rs363125、rs362296、rs2298967、rs363088、rs363064、rs362275、rs3121419、rs3025849、rs363070、rs362273、rs362272、rs362306、rs362271、rs363072、rs16843804、rs7659144、rs363120、及びrs12502045から成る群のいずれかである。
【0304】
ある実施形態では、1又は複数の濃度は、2つの濃度、3つの濃度、4つの濃度、及び5つの濃度のいずれかである。
【0305】
ある実施形態では、選択性は、1つの細胞株における対立遺伝子多様体の阻害度が、別の細胞株と比較してどれだけ向上したかにより決定される。
【0306】
ある実施形態では、本明細書に記載されるのは、遺伝子の第1対立遺伝子多様体が、遺伝子の第2対立遺伝子多様体に関連して発現するのを、薬剤が選択的に阻害するかどうかを判断するための方法であって、第1の対立遺伝子多様体は、SNP位置において第1のヌクレオチドを含み、第2の対立遺伝子多様体は、SNP位置において第2のヌクレオチドを含み、
(i)第1の細胞株を1又は複数の濃度の薬剤と接触させ、第1の細胞株はSNP位置における第1のヌクレオチドにとってホモ接合であり;
(ii)第2の細胞株を、1又は複数の濃度の薬剤と接触させ、第2の細胞株は、SNP位置における第2のヌクレオチドにとってホモ接合であるか、又はSNP位置における第1及び第2のヌクレオチドにとってヘテロ接合であり;
(iii)1又は複数の濃度の薬剤それぞれについて、各細胞株における対立遺伝子多様体の発現阻害度を測定し;及び
(iv)遺伝子の第1対立遺伝子多様体が遺伝子の第2対立遺伝子多様体に関連して発現するのを、薬剤が選択的に阻害するかどうかを判断するために、1又は複数の濃度の薬剤それぞれについて、各細胞株における発現の阻害度を比較し、
(v)第1の細胞株、第2の細胞株、及び第3の細胞株それぞれにおいて、薬剤のIC50値を計算し;及び
(vi)第1の対立遺伝子多様体又は突然変異対立遺伝子の発現を、薬剤が選択的に阻害するかどうかを判断するために、IC50値を比較する、
ことが含まれる。
【0307】
ある実施形態では、本明細書で提供するオリゴヌクレオチドを標的とするハンチンチンSNPは、突然変異対立遺伝子に対して選択的であり、ベンチマークPAN ASO、ISIS387916の少なくとも10倍、少なくとも9倍、少なくとも8倍、少なくとも7倍、少なくとも6倍、少なくとも5倍、少なくとも4倍、少なくとも3倍又は少なくとも2倍の有効性内で有効性を示す。ある実施形態では、本明細書で提供するオリゴヌクレオチドを標的とするSNPは、突然変異対立遺伝子に対してホモ接合である細胞株において、わずか6.5、6、5.5、5、4.5、4、3.5、3、2.5、2、1.5、1又は0.75のIC50を有する。ある実施形態では、本明細書で提供するオリゴヌクレオチドを標的とするSNPは、野生型対立遺伝子に対してホモ接合である細胞株において、突然変異対立遺伝子に対してホモ接合である細胞株におけるIC50より少なくとも2倍、3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍又は10倍少ないIC50を有する。ある実施形態では、本明細書で提供するオリゴヌクレオチドを標的とするSNPは、突然変異対立遺伝子及び野生型対立遺伝子に対してヘテロ接合である細胞株において、突然変異対立遺伝子に対してホモ接合である細胞株におけるIC50よりも少なくとも1.4倍、1.7倍、2倍、2.2倍、2.4倍、2.5倍、2.6倍、2.8倍又は3倍少ないIC50を有する。ある実施形態では、オリゴヌクレオチドを標的とするSNPは、ISIS番号435869、460069、460206、460019、460071、460207、460212、460218、460231、474892、460012、460208、435879、460065、460085、460209、474871、474891、474919、474923、476333、476337、435890、460026、460210、463571、476444を含むか、又はこれらから選択される。
【0308】
治療的有効量
ある実施形態では、突然変異ハンチンチン対立遺伝子を標的とするアンチセンス化合物の治療的有効量投与には、アンチセンス化合物投与に対する個体反応を測定するため、個体の遺伝子産物の発現をモニタリングすることを伴う。ある実施形態では、遺伝子産物はハンチンチンmRNA又はタンパク質である。アンチセンス化合物の投与に対する個体の反応により、医師は、治療的介入の量及び期間を決定する。
【0309】
ある実施形態では、突然変異核酸を標的とするアンチセンス化合物の投与により、mRNA又はタンパク質発現が、少なくとも15、20、25、30、35、40、45、55、60、70、75、80、85、90、95又は99%、又はこれら値のうち任意の2つの値により定められる範囲の割合で低減する。ある実施形態では、突然変異核酸はハンチンチン核酸であり、mRNAはハンチンチンmRNAであり、タンパク質はハンチンチンタンパク質である。
【0310】
ある実施形態では、突然変異対立遺伝子を標的とするアンチセンス化合物を含有する医薬組成物は、ハンチントン病を患っている、又はハンチントン病にかかりやすい患者を治療するための薬物を調製するのに使用される。
【0311】
特定の併用治療
ある実施形態では、本発明の1又は複数の医薬組成物は、1又は複数の他の医薬剤と共投与される。ある実施形態では、係る1又は複数の他の医薬剤は、本発明の1又は複数の医薬組成物と同様、同じ疾患、障害又は状態を治療するよう設計される。ある実施形態では、係る1又は複数の他の医薬剤は、本発明の1又は複数の医薬組成物とは異なる疾患、障害又は状態を治療するよう設計される。ある実施形態では、係る1又は複数の他の医薬剤は、本発明の1又は複数の医薬組成物の所望でない副作用を治療するよう設計される。ある実施形態では、本発明の1又は複数の医薬組成物は、他の医薬剤の所望でない作用を処置するために、別の医薬剤と共投与される。ある実施形態では、本発明の1又は複数の医薬組成物は、併用効果を生じさせるために、別の医薬剤と共投与される。ある実施形態では、本発明の1又は複数の医薬組成物は、相乗効果を生じさせるために、別の医薬剤と共投与される。
【0312】
ある実施形態では、本発明の1又は複数の医薬組成物及び1又は複数の他の医薬剤は、同時に投与される。ある実施形態では、本発明の1又は複数の医薬組成物及び1又は複数の他の医薬剤は、別々に投与される。ある実施形態では、本発明の1又は複数の医薬組成物及び1又は複数の他の医薬剤を併せて単剤として製剤する。ある実施形態では、本発明の1又は複数の医薬組成物及び1又は複数の他の医薬剤は、別々に製剤する。
ある態様において、本発明は以下であってもよい。
[態様1]遺伝子の第1対立遺伝子多様体が前記遺伝子の第2対立遺伝子多様体に関連して発現するのを、薬剤が選択的に阻害するかどうかを判断する方法であって、前記第1対立遺伝子多様体は、SNP位置に第1のヌクレオチドを含み、前記第2対立遺伝子多様体は、前記SNP位置に第2のヌクレオチドを含み、
第1の細胞、組織又は動物を、1又は複数の濃度の前記薬剤と接触させ、前記の第1の細胞、組織又は動物は、前記SNP位置における前記第1ヌクレオチドにとってホモ接合であり;
第2の細胞、組織又は動物を、1又は複数の濃度の前記薬剤と接触させ、前記の第2の細胞、組織又は動物が前記SNP位置における前記第2ヌクレオチドにとってホモ接合であるか、又は前記SNP位置における前記第1ヌクレオチド及び前記第2ヌクレオチドにとってヘテロ接合であり;
1又は複数の濃度の前記薬剤それぞれについて、前記の各細胞、組織又は動物における前記対立遺伝子多様体の発現阻害度を測定し;及び
前記遺伝子の前記第1対立遺伝子多様体が前記遺伝子の前記第2対立遺伝子多様体に関連して発現するのを、前記薬剤が選択的に阻害するかどうかを判断するために、1又は複数の濃度の前記薬剤それぞれについて、前記の各細胞、組織又は動物における発現の阻害度を比較する、
ことが含まれる方法。
[態様2]第3の細胞、組織又は動物を、1又は複数の濃度の前記薬剤と接触させるステップであって、前記の第3の細胞、組織又は動物は、前記SNP位置における前記第2ヌクレオチドにとってホモ接合であるか、又は前記SNP位置における前記第1ヌクレオチド及び前記第2ヌクレオチドにとってヘテロ接合であり、前記の第1の細胞、組織又は動物及び前記の第2の細胞、組織又は動物とは異なる遺伝子型を有するステップをさらに含む、態様1に記載の方法。
[態様3]前記の第1対立遺伝子多様体は突然変異対立遺伝子であり、前記の第2対立遺伝子多様体は野生型対立遺伝子である、態様1に記載の方法。
[態様4]前記の第1対立遺伝子多様体は野生型対立遺伝子であり、前記の第2対立遺伝子多様体は突然変異対立遺伝子である、態様1に記載の方法。
[態様5]前記突然変異対立遺伝子多様体が疾患と関連する、態様3及び4に記載の方法。
[態様6]前記疾患が毒性機能を獲得した結果生じたものである、態様5に記載の方法。
[態様7]前記疾患がハンチントン病である、態様5に記載の方法。
[態様8]前記の第1ヌクレオチドが疾患関連突然変異と連鎖不平衡である、態様1に記載の方法。
[態様9]前記の第2ヌクレオチドが疾患関連突然変異と連鎖不平衡である、態様1に記載の方法。
[態様10]前記疾患関連突然変異がトリヌクレオチド反復拡大である、態様8及び9に記載の方法。
[態様11]前記トリヌクレオチド反復拡大がCAG拡大である、態様10に記載の方法。
[態様12]前記CAG拡大がHTT遺伝子においてである、態様11に記載の方法。
[態様13]前記の第1ヌクレオチドがAである、態様1に記載の方法。
[態様14]前記の第2ヌクレオチドがC、G又はTのいずれかである、態様13に記載の方法。
[態様15]前記の第1ヌクレオチドがCである、態様1に記載の方法。
[態様16]前記の第2ヌクレオチドがA、G又はTのいずれかである、態様15に記載の方法。
[態様17]前記の第1ヌクレオチドがGである、態様1に記載の方法。
[態様18]前記の第2ヌクレオチドがA、C又はTである、態様17に記載の方法。
[態様19]前記の第1ヌクレオチドがTである、態様1に記載の方法。
[態様20]前記の第2ヌクレオチドがA、C又はGである、態様19に記載の方法。
[態様21]前記の第1ヌクレオチドが疾患関連突然変異と連鎖不平衡である、態様13、15、17及び19に記載の方法。
[態様22]前記疾患関連突然変異がトリヌクレオチド反復拡大である、態様21に記載の方法。
[態様23]前記トリヌクレオチド反復拡大がCAG拡大である、態様22に記載の方法。
[態様24]前記疾患関連突然変異がCAG拡大である、態様23に記載の方法。
[態様25]前記CAG拡大がHTT遺伝子においてである、態様24に記載の方法。
[態様26]前記薬剤がアンチセンス化合物である、態様1に記載の方法。
[態様27]前記アンチセンス化合物がアンチセンスオリゴヌクレオチドである、態様26に記載の方法。
[態様28]前記アンチセンスオリゴヌクレオチドがキメラである、態様27に記載の方法。
[態様29]前記アンチセンスオリゴヌクレオチドがギャップマーである、態様27に記載の方法。
[態様30]前記ギャップマーがウイング−ギャップ−ウイングモチーフを有する、態様29に記載の方法。
[態様31]ウイング−ギャップ−ウイングモチーフが、5−10−5、2−9−6、3−9−3、3−9−4、3−9−5、4−7−4、4−9−3、4−9−4、4−9−5、4−10−5、4−11−4、4−11−5、5−7−5、5−8−6、5−9−3、5−9−5、5−10−4、5−10−5、6−7−6、6−8−5、及び6−9−2から成る群の任意の1つである、態様30に記載の方法。
[態様32]少なくとも1つのヌクレオシド間連結が修飾ヌクレオシド間連結である、態様26〜31のいずれかに記載の方法。
[態様33]各ヌクレオシド間連結がホスホロチオ酸ヌクレオシド間連結である、態様29に記載の方法。
[態様34]少なくとも1つのヌクレオシドが修飾核酸塩基を含む、態様26〜31のいずれかに記載の方法。
[態様35]修飾核酸塩基が5’−メチルシトシンである、態様34に記載の方法。
[態様36]少なくとも1つのウィングの少なくとも1つのヌクレオシドに修飾糖又は糖代用が含まれる、態様30に記載の方法。
[態様37]各ウィングの各ヌクレオシドには修飾糖又は糖代用が含まれる、態様36に記載の方法。
[態様38]糖又は糖代用が2’−O−メトキシエチル修飾糖である、態様36に記載の方法。
[態様39]少なくとも1つウィングに4’〜2’二環式ヌクレオシドが含まれ、残りのウィングヌクレオシドの少なくとも1つが非二環式2’−修飾ヌクレオシドである、態様36に記載の方法。
[態様40]非二環式2’−修飾ヌクレオシドが2’−O−メトキシエチルヌクレオシドである、態様39に記載の方法。
[態様41]4’〜2’二環式ヌクレオシドが4’−CH(CH3)−O−2’二環式ヌクレオシドである、態様39に記載の方法。
[態様42]前記の第1細胞が、線維芽細胞株、神経細胞株、又はリンパ芽細胞株から成る群のいずれかである、態様1に記載の方法。
[態様43]前記の第2細胞が、線維芽細胞株、神経細胞株、又はリンパ芽細胞株から成る群のいずれかである、態様1に記載の方法。
[態様44]前記の第3細胞が、線維芽細胞株、神経細胞株、又はリンパ芽細胞株から成る群のいずれかである、態様2に記載の方法。
[態様45]前記繊維芽細胞株が、GM04022、GM04281、GM02171、及びGM02173Bから成る群のいずれかである、態様42、43又は44に記載の方法。
[態様46]前記細胞、組織又は動物が、YAC18の細胞、組織若しくはマウス、BACHDの細胞、組織若しくはマウス、ヒトハンチントン病患者由来の細胞株、又はそれらの任意の組合せである、態様1に記載の方法。
[態様47]前記SNP位置が、rs6446723、rs3856973、rs2285086、rs363092、rs916171、rs6844859、rs7691627、rs4690073、rs2024115、rs11731237、rs362296、rs10015979、rs7659144、rs363096、rs362273、rs16843804、rs362271、rs362275、rs3121419、rs362272、rs3775061、rs34315806、rs363099、rs2298967、rs363088、rs363064、rs363102、rs2798235、rs363080、rs363072、rs363125、rs362303、rs362310、rs10488840、rs362325、rs35892913、rs363102、rs363096、rs11731237、rs10015979、rs363080、rs2798235、rs1936032、rs2276881、rs363070、rs35892913、rs12502045、rs6446723、rs7685686、rs3733217、rs6844859、rs362331、rs1143646、rs2285086、rs2298969、rs4690072、rs916171、rs3025849、rs7691627、rs4690073、rs3856973、rs363092、rs362310、rs362325、rs363144、rs362303、rs34315806、rs363099、rs363081、rs3775061、rs2024115、rs10488840、rs363125、rs362296、rs2298967、rs363088、rs363064、rs362275、rs3121419、rs3025849、rs363070、rs362273、rs362272、rs362306、rs362271、rs363072、rs16843804、rs7659144、rs363120、及びrs12502045から成る群のいずれかである、態様1に記載の方法。
[態様48]前記1又は複数の濃度は、2つの濃度、3つの濃度、4つの濃度、及び5つの濃度から成る群のいずれかである、態様1に記載の方法。
[態様49]1つの細胞、組織又は動物における前記対立遺伝子多様体の阻害度が、別の細胞、組織又は動物と比較してどれだけ向上したかにより選択性が決定される、態様1に記載の方法。
[態様50]遺伝子の第1対立遺伝子多様体が、前記遺伝子の第2対立遺伝子多様体に関連して発現するのを、薬剤が選択的に阻害するかどうかを判断するための方法であって、前記の第1対立遺伝子多様体は、SNP位置において第1のヌクレオチドを含み、前記の第2対立遺伝子多様体は、前記SNP位置において第2のヌクレオチドを含み、
第1の細胞、組織又は動物を、1又は複数の濃度の前記薬剤と接触させ、前記の第1の細胞、組織又は動物は、前記SNP位置における前記の第1ヌクレオチドにとってホモ接合であり;
第2の細胞、組織又は動物を、1又は複数の濃度の前記薬剤と接触させ、前記の第2の細胞、組織又は動物は、前記SNP位置における前記の第2ヌクレオチドにとってホモ接合であるか、又は前記SNP位置における前記の第1ヌクレオチド及び前記の第2ヌクレオチドにとってヘテロ接合であり;
前記遺伝子の前記第1対立遺伝子多様体が前記遺伝子の前記第2対立遺伝子多様体に関連して発現するのを、前記薬剤が選択的に阻害するかどうかを判断するために、1又は複数の濃度の前記薬剤それぞれについて、前記細胞、組織又は動物それぞれにおける前記の発現阻害度を比較し、前記の第1及び第2の細胞、組織又は動物それぞれにおいて、前記薬剤のIC50値を計算し;及び
前記の第1対立遺伝子多様体が前記の第2対立遺伝子多様体に関連して発現するのを、前記薬剤が選択的に阻害するかどうかを判断するために、前記IC50値を比較する、
ことが含まれる方法。
[態様51]突然変異ハンチンチン対立遺伝子の発現が選択的に低減される、rs362306、rs362331、rs2298969、rs7685686、rs4690072、rs2024115又はrs363088から選択される一塩基多型を含む位置にある突然変異ハンチンチン対立遺伝子に相補的な修飾オリゴヌクレオチドを含む化合物を、細胞、組織、又は動物に投与することを含む、細胞、組織又は動物の突然変異ハンチンチン対立遺伝子の発現を選択的に低減する方法。
[態様52]rs362306、rs362331、rs2298969、rs7685686、rs4690072、rs2024115又はrs363088から選択される一塩基多型を含む対立遺伝子のあるポジションに位置する突然変異ハンチンチン対立遺伝子に対して相補的な修飾オリゴヌクレオチドを含む化合物であって、動物への投与により突然変異ハンチンチン対立遺伝子を選択的に低減することにより、ハンチントン病を治療し、改善し、又は発症若しくは進行を遅らせる化合物を動物に投与することを含む、ハンチントン病の治療、改善、又は発症若しくは進行の遅延の方法。
[態様53]突然変異ハンチンチン対立遺伝子の発現が、野生型ハンチンチン対立遺伝子の発現と比較して、少なくとも40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%は選択的に低減される、態様51及び52に記載の方法。
[態様54]rs362306、rs362331、rs2298969、rs7685686、rs4690072、rs2024115又はrs363088から選択される一塩基多型部位を含むポジションにおける突然変異ハンチンチン対立遺伝子に相補的な修飾オリゴヌクレオチドを含む、1又は複数の追加の化合物を投与する、態様51及び52に記載の方法。
[態様55]修飾オリゴヌクレオチドが15〜20連結ヌクレオシドから成り、修飾オリゴヌクレオチドの5’末端から数えて、修飾オリゴヌクレオチドのポジション5、6、7、8、9、10、11、12、13,14、又は15が、一塩基多型と一致する、態様51及び52に記載の方法。
[態様56]修飾オリゴヌクレオチドが突然変異ハンチンチン対立遺伝子に対し90%相補的である、態様55に記載の方法。
[態様57]修飾オリゴヌクレオチドが突然変異ハンチンチン対立遺伝子に対し95%相補的である、態様55に記載の方法。
[態様58]修飾オリゴヌクレオチドが突然変異ハンチンチン対立遺伝子に対し100%相補的である、態様55に記載の方法。
[態様59]修飾オリゴヌクレオチドが一本鎖オリゴヌクレオチドである、態様55に記載の方法。
[態様60]少なくとも1つのヌクレオシド間連結が修飾ヌクレオシド間連結である、態様55に記載の方法。
[態様61]各ヌクレオシド間連結がホスホロチオ酸ヌクレオシド間連結である、態様60に記載の方法。
[態様62]少なくとも1つのヌクレオシドが修飾核酸塩基を含む、態様55に記載の方法。
[態様63]少なくとも1つの修飾核酸塩基が5’−メチルシトシンである、態様62に記載の方法。
[態様64]少なくとも1つのヌクレオシドが修飾糖を含む、態様55に記載の方法。
[態様65]修飾糖が高度親和性糖修飾である、態様64に記載の方法。
[態様66]高度親和性糖修飾が二環式糖である、態様65に記載の方法。
[態様67]各二環式糖に4’−CH(CH)−O−2’ブリッジが含まれる、態様66に記載の方法。
[態様68]少なくとも1つの修飾糖に2’−O−メトキシエチルが含まれる、態様64に記載の方法。
[態様69]修飾オリゴヌクレオチドにウイング−ギャップ−ウイングモチーフが含まれる、態様55に記載の方法。
[態様70]修飾オリゴヌクレオチドのウィングセグメントに位置する各ヌクレオシドに2’−O−メトキシエチル修飾が含まれる、態様69に記載の方法。
[態様71]ウイング−ギャップ−ウイングモチーフが、2−9−6、3−9−3、3−9−4、3−9−5、4−7−4、4−9−4、4−9−5、4−10−5、4−11−4、4−11−5、5−7−5、5−8−6、5−9−3、5−9−5、5−10−4、5−10−5、6−7−6、6−8−5、及び6−9−2から成る群のいずれかである、態様69に記載の方法。
[態様72]修飾オリゴヌクレオチドは、リボザイム、二本鎖siRNA、又はshRNAではない、態様55に記載の方法。
[態様73]修飾オリゴヌクレオチドが12〜20連結ヌクレオシドから成る、態様69に記載の方法。
[態様74]修飾アンチセンスオリゴヌクレオチドが15〜19連結ヌクレオシドから成る、態様69に記載の方法。
[態様75]ギャップ領域が7〜11ヌクレオシド長であり、5’ウィング領域が1〜6核酸塩基長であり、3’ウィング領域が1〜6核酸塩基長である、態様69に記載の方法。
[態様76]少なくとも1つのウィング領域の少なくとも1つのヌクレオシドに修飾糖又は糖代用が含まれる、態様69に記載の方法。
[態様77]各ウィング領域の各ヌクレオシドに修飾糖又は糖代用が含まれる、態様69に記載の方法。
[態様78]糖又は糖代用が2’−O−メトキシエチル修飾糖である、態様77に記載の方法。
[態様79]ウィング領域の少なくとも1つに4’〜2’二環式ヌクレオシドが含まれ、残りのウィングヌクレオシドの少なくとも1つが非二環式2’−修飾ヌクレオシドである、態様69に記載の方法。
[態様80]非二環式2’−修飾ヌクレオシドが2’−O−メトキシエチルヌクレオシドである、態様79に記載の方法。
[態様81]4’〜2’二環式ヌクレオシドが4’−CH(CH3)−O−2’二環式ヌクレオシドである、態様79に記載の方法。
[態様82]突然変異ハンチンチン対立遺伝子の発現の選択的低減を必要とする動物において突然変異ハンチンチン対立遺伝子の発現を選択的に低減することを含むハンチントン病の治療法であって、15〜20の連結ヌクレオシドから成り、突然変異ハンチンチン対立遺伝子に対し完全に相補的である修飾オリゴヌクレオチドを含み、修飾オリゴヌクレオチドの5’末端から数えて、修飾オリゴヌクレオチドのポジション5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、又は15が、rs6446723、rs3856973、rs2285086、rs363092、rs916171、rs6844859、rs7691627、rs4690073、rs2024115、rs11731237、rs362296、rs10015979、rs7659144、rs363096、rs362273、rs16843804、rs362271、rs362275、rs3121419、rs362272、rs3775061、rs34315806、rs363099、rs2298967、rs363088、rs363064、rs363102、rs2798235、rs363080、rs363072、rs363125、rs362303、rs362310、rs10488840、rs362325、rs35892913、rs1936032、rs2276881、rs363070、rs12502045、rs7685686、rs3733217、rs362331、rs2857936、rs12506200、rs762855、rs4690072、rs363081、rs363075、rs3025849、rs6855981、rs363144、rs3025838、rs2298969、rs362322、rs362307、rs362306、及びrs1006798から成る群における任意のSNP部位と一致する化合物を、動物に投与することを含むハンチントン病の治療法。
[態様83]修飾オリゴヌクレオチドが、rs762855、rs2298969、rs2798296、rs6446723、rs3856973、rs2285086、rs4690072、rs1263309、rs363092、rs108850、rs916171、rs6844859、rs362331、rs7691627、rs4690073、rs7685686、rs362307、rs2024115、rs2857936、及びrs11731237から成る群における任意のSNP部位と一致する、態様82に記載の方法。
[態様84]15〜20連結ヌクレオシド長であり、ハンチンチンの一塩基多型を標的とし、配列番号6〜285のいずれか一つの核酸塩基配列の12核酸塩基部分を含む修飾オリゴヌクレオチドを含み、修飾オリゴヌクレオチドの5’末端から数えて、修飾オリゴヌクレオチドのポジション5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、又は15が、ハンチンチンの一塩基多型と一致する化合物。
[態様85]修飾オリゴヌクレオチドは、5−10−5、2−9−6、3−9−3、3−9−4、3−9−5、4−7−4、4−9−3、4−9−4、4−9−5、4−10−5、4−11−4、4−11−5、5−7−5、5−8−6、5−9−3、5−9−5、5−10−4、5−10−5、6−7−6、6−8−5、及び6−9−2から成る群の任意の1つのウイング−ギャップ−ウイングモチーフを含む、態様84に記載の化合物。
[態様86]少なくとも1つのヌクレオシド間連結は修飾ヌクレオシド間連結である、態様85に記載の化合物。
[態様87]各ヌクレオシド間連結がホスホロチオ酸ヌクレオシド間連結である、態様86に記載の化合物。
[態様88]少なくとも1つのヌクレオシドが修飾核酸塩基を含む、態様85に記載の方法。
[態様89]修飾核酸塩基が5’−メチルシトシンである、態様88に記載の化合物。
[態様90]少なくとも1つのウィング領域の少なくとも1つのヌクレオシドに修飾糖又は糖代用が含まれる、態様84に記載の化合物。
[態様91]各ウィング領域の各ヌクレオシドに修飾糖又は糖代用が含まれる、態様90に記載の化合物。
[態様92]糖又は糖代用が2’−O−メトキシエチル修飾糖である、態様91に記載の化合物。
[態様93]少なくとも1つのウィング領域には、4’〜2’二環式ヌクレオシドが含まれ、残りのウィングヌクレオシドのうち少なくとも1つが、非二環式2’−修飾ヌクレオシドである、態様85に記載の化合物。
[態様94]非二環式2’−修飾ヌクレオシドが、2’−O−メトキシエチルヌクレオシドである、態様93に記載の化合物。
[態様95]4’〜2’二環式ヌクレオシドが4’−CH(CH3)−O−2’二環式ヌクレオシドである、態様93に記載の化合物。
[態様96]態様84に記載の化合物を投与することを含む、突然変異ハンチンチンを選択的に低減する方法。
[態様97]15〜20連結ヌクレオシド長であり、ハンチンチンの一塩基多型を標的とし、配列番号6〜285のいずれか一つの核酸塩基配列の12核酸塩基部分を含む修飾オリゴヌクレオチドを含み、修飾オリゴヌクレオチドの5’末端から数えて、修飾オリゴヌクレオチドのポジション5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、又は15が、ハンチントン病治療のためのハンチンチン一塩基多型と一致する化合物の利用。
【実施例】
【0313】
非限定開示及び引用により含める
本明細書に記載の特定の化合物、組成物及び方法は、特定の実施形態に従って具体的に記載したが、以下の実施例は、本明細書に記載の化合物を例示することのみを目的とし、それを制限することを意図しない。本明細書で言及する又は引用する特許、出願、刊行物、及びその他の公開文献は、その全体を引用により本明細書に含めるものとする。
【実施例1】
【0314】
ハンチンチン(HTT)遺伝子配列における一塩基多型(SNP)
本明細書で配列番号1(ヌクレオチドの1566000〜1768000まで切断されたNT_006081.18)と指定したHTT遺伝子配列を、EMBL−EBI配列データベース(ClustalW2、http://www.ebi.ac.uk/Tools/clustalw2/index.html)を用いて、本明細書で配列番号2(NM_002111.6)と指定したHTTmRNAと一致させ、その結果を図1に示した。HTT遺伝子と関連するSNP位置(Haydenら、国際公開第2009/135322号により同定)を2本の配列にマップし、図1では、本明細書に引用により含まれる、米国生物工学情報センター(NCBI、http://www.ncbi.nlm.nih.gov/sites/entrez?db=snp)のEntrez SNPデータベースから取得した参照SNPのID番号別に示した。表2では、各SNPのさらなる詳細を提供する。「参照SNPのID番号」又は「RS番号」は、本明細書に引用により含まれるNCBIのEntrez SNPデータベースから取得した各SNPの指定番号である。「SNP位置」は、配列番号1のSNPのヌクレオチド位置を指している。「多型」は、SNP位置のヌクレオチド多様体のことである。「メジャー対立遺伝子」とは、メジャー対立遺伝子と関連するヌクレオチド、又はヒト集団の中の統計的に有意な割合の個体集団に存在するヌクレオチドのことである。「マイナー対立遺伝子」は、マイナー対立遺伝子と関連するヌクレオチド、又はヒト集団の中の比較的少数の個体集団に存在するヌクレオチドのことである。
【0315】
【表2-1】
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【表2-2】
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【実施例2】
【0316】
ハンチンチン遺伝子SNPを標的とするアンチセンスオリゴヌクレオチド及びCoriell製繊維芽細胞株(GM04281、GM02171、及びGM02173B)のHTTmRNAの阻害の設計
表1に提示されたSNP位置と重複するヌクレオチドを標的とするアンチセンスオリゴヌクレオチドを設計し、Coriell製の3つのハンチンチン患者由来繊維芽細胞株、GM04281、GM02171、及びGM02173B(Coriell Institute for Medical Researchより取得)における有効性を試験した。ウェルあたり20,000個の細胞密度のGM04281培養細胞又はGM02171培養細胞又はGM02173B培養細胞を、電気穿孔を用いて、10,000nMアンチセンスオリゴヌクレオチドで形質移入した。約24時間処理した後、RNAを細胞から単離し、プライマープローブセットRTS2617(配列番号3として指定されている順方向配列CTCCGTCCGGTAGACATGCT;配列番号4として指定されている逆方向配列GGAAATCAGAACCCTCAAAATGG;配列番号5として指定されているプローブ配列TGAGCACTGTTCAACTGTGGATATCGGGAX)を用いて、定量リアルタイムPCRによりHTTmRNAレベルを測定した。RIBOGREENで測定したRNAの全内容物に従って、HTTmRNAレベルを調整した。結果は、未処理対照細胞に対するHTTmRNAの阻害度として提示されている。
【0317】
各試験には、ISIS387916(TCTCTATTGCACATTCCAAG、5−10−5MOE(配列番号6))及びISIS388816(GCCGTAGCCTGGGACCCGCC、5−10−5MOE(配列番号7))が、各SNP位置と重複するヌクレオチドを標的とするアンチセンスオリゴヌクレオチドの有効性の比較対象となり得るベンチマークオリゴヌクレオチドとして含まれた。
【0318】
表3及び表4のキメラアンチセンスオリゴヌクレオチドは、5−9−5MOEギャップマーとして設計された。ギャップマーは19ヌクレオチド長であり、中央ギャップセグメントは、9個の2’−デオキシヌクレオチドから成り、その両端(5’末端及び3’末端)は、それぞれ5個のヌクレオチドを含むウィングと隣接している。5’ウィングセグメントの各ヌクレオチド及び3’ウィングセグメントの各ヌクレオチドは、2’−MOE修飾を有する。各ギャップマーの中ではすべて、ヌクレオシド間連結はホスホロチオ酸(P=S)連結である。各ギャップマーの中ではすべて、全シトシン核酸塩基は5−メチルシトシンである。
【0319】
オリゴヌクレオチドについては、表3にさらに記載した。各細胞株のアンチセンスオリゴヌクレオチドによるHTTmRNAの阻害度については、表4に示した。「標的対立遺伝子」は、ギャップマーが、SNP位置のメジャー対立遺伝子を標的としているのか、又はマイナー対立遺伝子を標的としているのかを示している。括弧内の数字は、オリゴヌクレオチドの5’末端から数えた、SNP位置と相対するギャップマーのヌクレオチド位置を示している。「開始部位」は、ギャップマーが標的とする最も5’末端側ヌクレオチドを示す。「終止部位」は、ギャップマーが標的とする最も3’末端側ヌクレオチドを示す。表3及び表4に列挙された各ギャップマーは、配列番号1であるヒトHTTpre−mRNAを標的とする。
【0320】
【表3-1】
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【表3-2】
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【表3-3】
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【表3-4】
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【表3-5】
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【0321】
【表4-1】
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【表4-2】
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【表4-3】
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【表4-4】
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【表4-5】
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【実施例3】
【0322】
Coriell製繊維芽細胞株のヒトハンチンチンmRNAレベルの用量依存的アンチセンス阻害
実施例2に記載の研究由来のギャップマーを選抜し、GM04281細胞株、GM02171細胞株、及びGM02173B細胞株において様々な用量で試験した。各細胞株を、ウェルあたり25,000個の細胞密度で播種し、電気穿孔を用いて、表5、表6、及び表7に記載したように、750nM、1,500nM、3,000nM、6,000nM、及び12,000nMの濃度のアンチセンスオリゴヌクレオチドで形質移入した。約16時間処理した後、RNAを細胞から単離し、HTTmRNAレベルを定量リアルタイムPCRで測定した。ヒトHTTプライマープローブセットRTS2617を用いて、mRNAレベルを測定した。HTTmRNAレベルは、RIBOGREENで測定したRNAの全内容物に従って調整された。結果は、未処理対照細胞に対するHTTmRNA阻害度として示した。IC50値も表5、表6、及び表7で提供されている。
【0323】
【表5】
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【0324】
【表6-1】
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【表6-2】
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【0325】
【表7】
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【実施例4】
【0326】
Coriell製繊維芽細胞株におけるヒトハンチンチンmRNAレベルの用量依存的アンチセンス阻害
実施例2に記載の研究由来のギャップマーを選抜し、GM04281細胞株、GM02171細胞株、及びGM02173B細胞株において様々な用量で試験した。各細胞を、ウェルあたり25,000個の細胞密度で播種し、電気穿孔を用いて、表8、表9、及び表10に記載されているように、750nM、1,500nM、3,000nM、6,000nM、及び12,000nMの濃度のアンチセンスオリゴヌクレオチドで形質移入した。約16時間処理した後、RNAを細胞から単離し、HTTmRNAレベルを定量リアルタイムPCRで測定した。ヒトHTTプライマープローブセットRTS2617を用いて、mRNAレベルを測定した。HTTmRNAレベルは、RIBOGREENで測定したRNAの全内容物に従って調整された。結果は、未処理対照細胞に対するHTTmRNA阻害度として示した。IC50値も表8、表9、及び表10で提供されている。
【0327】
【表8】
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【0328】
【表9】
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【0329】
【表10】
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【実施例5】
【0330】
GM04281細胞におけるヒトHTTのアンチセンス阻害
追加のアンチセンスオリゴヌクレオチドを、実施例4に記載の研究から選抜したギャップマーに基づき設計した。これらのオリゴヌクレオチドは、表8、表9、表10に記載のオリジナルギャップマーの少し上流及び下流(すなわち「マイクロウォーク」)に移動させたギャップマーを作成することにより設計された。アンチセンスオリゴヌクレオチドはまた、MOEを共通とし、加えて様々なモチーフで、すなわち2−9−6MOE、3−9−3MOE、3−9−4MOE、3−9−5MOE、4−10−5MOE、4−11−4MOE、4−7−4MOE、4−9−4MOE、4−9−5MOE、5−10−4MOE、5−7−5MOE、5−8−6MOE、5−9−3MOE、5−9−5MOE、6−7−6MOE、6−9−2MOE、及び6−8−5MOEで作成された。
【0331】
さらに、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、SNP RS番号がrs2857936、rs12506200、rs762855、及びrs1006798であるものを標的とするよう設計された(表2を参照のこと)。オリゴヌクレオチドは、メジャー対立遺伝子又はマイナー対立遺伝子のいずれかを標的とし、SNP位置がギャップマーのポジション8又は10のいずれかと相対するよう設計された。
【0332】
これらギャップマーは、in vitroで試験した。ウェルあたり25,000個の細胞密度のGM04281培養細胞を、電気穿孔を用いて、10,000nMアンチセンスオリゴヌクレオチドで形質移入した。約24時間処理した後、RNAを細胞から単離し、HTTmRNAレベルを定量リアルタイムPCRで測定した。HTTmRNAレベルを、RIBOGREENで測定したRNAの全内容物に従って調整した。結果は、未処理対照細胞に対するHTTmRNA阻害度として表11〜19に提示されている。
【0333】
ギャップマーISIS435869、ISIS435870、ISIS435874、ISIS435879、及びISIS435890には、表の中で*印を付した。新たに設計されたギャップマーの一部は、これらを元に設計されている。ISIS387916は、各SNP位置と重複するヌクレオチドを標的とするアンチセンスオリゴヌクレオチドの有効性の比較対象となり得るベンチマークオリゴヌクレオチドとして本研究に含まれた。
【0334】
共通のMOEオリゴヌクレオチドは、15ヌクレオチド長である。
【0335】
2−9−6ギャップマーは、17ヌクレオチド長であり、中央ギャップセグメントは、9個の2’−デオキシヌクレオチドから成り、2個のヌクレオチドを含むウィングと5’方向に隣接し、6個のヌクレオチドを含むウィングと3’方向に隣接している。
【0336】
3−9−3ギャップマーは、15ヌクレオチド長であり、中央ギャップセグメントは、9個の2’−デオキシヌクレオチドから成り、それぞれ3個のヌクレオチドを含むウィングと5’方向及び3’方向に隣接している。
【0337】
3−9−4ギャップマーは、16ヌクレオチド長であり、中央ギャップセグメントは、9個の2’−デオキシヌクレオチドから成り、3個のヌクレオチドを含むウィングと5’方向に、4個のヌクレオチドを含むウィングと3’方向に隣接している。
【0338】
3−9−5ギャップマーは、17ヌクレオチド長であり、中央ギャップセグメントは、9個の2’−デオキシヌクレオチドから成り、3個のヌクレオチドを含むウィングと5’方向に、5個のヌクレオチドを含むウィングと3’方向に隣接している。
【0339】
4−10−5ギャップマーは、19ヌクレオチド長であり、中央ギャップセグメントは、10個の2’−デオキシヌクレオチドから成り、4個のヌクレオチドを含むウィングと5’方向に、5個のヌクレオチドを含むウィングと3’方向に隣接している。
【0340】
4−11−4ギャップマーは、19ヌクレオチド長であり、中央ギャップセグメントは、11個の2’−デオキシヌクレオチドから成り、それぞれ4個のヌクレオチドを含むウィングと5’方向及び3’方向に隣接している。
【0341】
4−7−4ギャップマーは、15ヌクレオチド長であり、中央ギャップセグメントは、7個の2’−デオキシヌクレオチドから成り、それぞれ4個のヌクレオチドを含むウィングと5’方向及び3’方向に隣接している。
【0342】
4−9−4ギャップマーは、17ヌクレオチド長であり、中央ギャップセグメントは、9個の2’−デオキシヌクレオチドから成り、それぞれ4個のヌクレオチドを含むウィングと5’方向及び3’方向に隣接している。
【0343】
4−9−5ギャップマーは、18ヌクレオチド長であり、中央ギャップセグメントは、9個の2’−デオキシヌクレオチドから成り、4個のヌクレオチドを含むウィングと5’方向に、5個のヌクレオチドを含むウィングと3’方向に隣接している。
【0344】
5−10−4ギャップマーは、19ヌクレオチド長であり、中央ギャップセグメントは、10個の2’−デオキシヌクレオチドから成り、5個のヌクレオチドを含むウィングと5’方向に、4個のヌクレオチドを含むウィングと3’方向に隣接している。
【0345】
5−7−5ギャップマーは、17ヌクレオチド長であり、中央ギャップセグメントは、7個の2’−デオキシヌクレオチドから成り、それぞれ5個のヌクレオチドを含むウィングと5’方向及び3’方向に隣接している。
【0346】
5−8−6ギャップマーは、19ヌクレオチド長であり、中央ギャップセグメントは、8個の2’−デオキシヌクレオチドから成り、5個のヌクレオチドを含むウィングと5’方向に、6個のヌクレオチドを含むウィングと3’方向に隣接している。
【0347】
5−9−3ギャップマーは、17ヌクレオチド長であり、中央ギャップセグメントは、9個の2’−デオキシヌクレオチドから成り、5個のヌクレオチドを含むウィングと5’方向に、3個のヌクレオチドを含むウィングと3’方向に隣接している。
【0348】
5−9−5ギャップマーは、19ヌクレオチド長であり、中央ギャップセグメントは、9個の2’−デオキシヌクレオチドから成り、それぞれ5個のヌクレオチドを含むウィングと5’方向及び3’方向に隣接している。
【0349】
6−7−6ギャップマーは、19ヌクレオチド長であり、中央ギャップセグメントは、7個の2’−デオキシヌクレオチドから成り、それぞれ6個のヌクレオチドを含むウィングと5’方向及び3’方向に隣接している。
【0350】
6−9−2ギャップマーは、17ヌクレオチド長であり、中央ギャップセグメントは、9個の2’−デオキシヌクレオチドから成り、6個のヌクレオチドを含むウィングと5’方向に、2個のヌクレオチドを含むウィングと3’方向に隣接している。
【0351】
6−8−5ギャップマーは、19ヌクレオチド長であり、中央ギャップセグメントは、8個の2’−デオキシヌクレオチドから成り、6個のヌクレオチドを含むウィングと5’方向に、5個のヌクレオチドを含むウィングと3’方向に隣接している。
【0352】
各モチーフに関して、5’ウィングセグメントの各ヌクレオチド及び3’ウィングセグメントの各ヌクレオチドは2’−MOE修飾を有する。ギャップマーの中ではすべて、ヌクレオシド間連結はホスホロチオ酸(P=S)連結である。各ギャップマーの中ではすべて、全シトシン核酸塩基は5−メチルシトシンである。
【0353】
標的対象のSNPに従って、オリゴヌクレオチドを表にまとめた。「開始部位」は、ギャップマーが標的とする最も5’末端側ヌクレオチドを示す。「終止部位」は、ギャップマーが標的とする最も3’末端側ヌクレオチドを示す。「標的対立遺伝子」は、ギャップマーがメジャー対立遺伝子を標的としているのか、又はマイナー対立遺伝子を標的としているかを示す。括弧内の数字は、SNP位置と相対するオリゴヌクレオチドの位置を示している。
【0354】
【表11】
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【0355】
【表12】
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【0356】
【表13】
[この文献は図面を表示できません]
【0357】
【表14-1】
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【表14-2】
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【0358】
【表15-1】
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【表15-2】
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【0359】
【表16】
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【0360】
【表17】
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【0361】
【表18-1】
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【表18-2】
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【0362】
【表19】
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【実施例6】
【0363】
Coriell製繊維芽細胞株におけるヒトハンチンチンmRNAレベルの用量依存的アンチセンス阻害
実施例5に記載の研究由来のギャップマーを選抜し、GM04281細胞株、GM02171細胞株、及びGM02173B細胞株において様々な用量で試験した。各細胞株を、ウェルあたり25,000個の細胞密度で播種し、電気穿孔を用いて、表20、表21、及び表22に記載されているように、750nM、1,500nM、3,000nM、6,000nM、及び12,000nMの濃度のアンチセンスオリゴヌクレオチドで形質移入した。約16時間処理した後、RNAを細胞から単離し、HTTmRNAレベルを定量リアルタイムPCRで測定した。ヒトHTTプライマープローブセットRTS2617を用いて、mRNAレベルを測定した。HTTmRNAレベルは、RIBOGREENで測定したRNAの全内容物に従って調整された。結果は、未処理対照細胞に対するHTTmRNA阻害度として示した。IC50値も表20、表21、及び表22で提供されている。
【0364】
【表20-1】
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【表20-2】
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【0365】
【表21-1】
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【表21-2】
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【0366】
【表22-1】
[この文献は図面を表示できません]

【表22-2】
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【実施例7】
【0367】
GM04281細胞及びGM02171細胞におけるヒトHTTのアンチセンス阻害
追加のアンチセンスオリゴヌクレオチドを、実施例2に記載の研究から選抜されたギャップマーに基づき設計した。これらのオリゴヌクレオチドは、表4に記載のオリジナルギャップマーの少し上流及び下流(すなわち「マイクロウォーク」)に移動させたギャップマーを作成することにより設計された。
【0368】
ギャップマーは、GM04281細胞株及びGM02171細胞株で試験された。ウェルあたり25,000個の細胞密度のGM04281培養細胞又はGM02171培養細胞を、電気穿孔を用いて、10,000nMアンチセンスオリゴヌクレオチドで形質移入した。約24時間処置した後RNAを細胞から単離し、プライマープローブセットRTS2617を用いて、定量リアルタイムPCRで測定した。HTTmRNAレベルを、RIBOGREENで測定したRNAの全内容物に従って調整した。結果は、未処理対照細胞に対するHTTmRNA阻害度として提供されている。
【0369】
新たに設計されたオリゴヌクレオチドの由来元であるギャップマーもまたアッセイに含まれた。これらの親ギャップマー、すなわち、ISIS435294、ISIS435295、ISIS435301、ISIS435303、ISIS435304、ISIS435305、ISIS435308、ISIS435330、ISIS435331、ISIS435337、ISIS435339、ISIS435340、ISIS435341、ISIS435344、ISIS435862、ISIS435863、ISIS435864、ISIS435866、ISIS435867、ISIS435868、ISIS435871、ISIS435873、ISIS435875、ISIS435876、ISIS435878、ISIS435880、ISIS435881、ISIS435882、ISIS435884、ISIS435890、及びISIS435897には、表の中で*印を付した。ISIS387916は、各SNP位置と重複するヌクレオチドを標的とするアンチセンスオリゴヌクレオチドの有効性の比較対象となり得るベンチマークオリゴヌクレオチドとして本研究に含まれた。
【0370】
表23〜48のキメラアンチセンスオリゴヌクレオチドは、5−9−5MOEギャップマーとして設計された。5−9−5ギャップマーは、19ヌクレオチド長であり、中央ギャップセグメントは、9個の2’−デオキシヌクレオチドから成り、それぞれ5個のヌクレオチドを含むウィングと5’方向及び3’方向に隣接している。5’ウィングセグメントの各ヌクレオチド及び3’ウィングセグメントの各ヌクレオチドは、2’−MOE修飾を有する。各ギャップマーの中ではすべて、ヌクレオシド間連結はホスホロチオ酸(P=S)連結である。各ギャップマーの中ではすべて、全シトシン核酸塩基は5−メチルシトシンである。
【0371】
標的とするSNP部位に従って、ギャップマーを表23〜48にまとめた。「開始部位」は、ギャップマーが標的とする最も5’末端側ヌクレオチドを示す。「終止部位」は、ギャップマーが標的とする最も3’末端側ヌクレオチドを示す。「標的対立遺伝子」は、ギャップマーがメジャー対立遺伝子を標的としているのか、又はマイナー対立遺伝子を標的としているかを示す。括弧内の数字は、SNP位置に相対するオリゴヌクレオチドの位置を示している。
【0372】
【表23】
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【0373】
【表24】
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【0374】
【表25】
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【0375】
【表26】
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【0376】
【表27】
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【0377】
【表28】
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【0378】
【表29-1】
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【表29-2】
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【0379】
【表30】
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【0380】
【表31】
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【0381】
【表32】
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【0382】
【表33】
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【0383】
【表34】
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【0384】
【表35】
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【0385】
【表36-1】
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【表36-2】
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【0386】
【表37】
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【0387】
【表38】
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【0388】
【表39】
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【0389】
【表40】
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【0390】
【表41】
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【0391】
【表42】
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【0392】
【表43-1】
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【表43-2】
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【0393】
【表44】
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【0394】
【表45】
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【0395】
【表46】
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【0396】
【表47】
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【0397】
【表48】
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【実施例8】
【0398】
Coriell製繊維芽細胞株のヒトハンチンチンmRNAレベルの用量依存的アンチセンス阻害
実施例7に記載の研究由来のギャップマーを選抜し、GM04281細胞株、GM02171細胞株、及びGM02173B細胞株において様々な用量で試験した。各細胞株を、ウェルあたり25,000個の細胞密度で播種し、電気穿孔を用いて、表49、表50、及び表51に記載されているように、750nM、1,500nM、3,000nM、6,000nM、及び12,000nMの濃度のアンチセンスオリゴヌクレオチドで形質移入した。約16時間処理した後、RNAを細胞から単離し、HTTmRNAレベルを定量リアルタイムPCRで測定した。ヒトHTTプライマープローブセットRTS2617を用いて、mRNAレベルを測定した。HTTmRNAレベルは、RIBOGREENで測定したRNAの全内容物に従って調整された。結果は、未処理対照細胞に対するHTTmRNA阻害度として示した。IC50値も表49、表50、及び表51で提供されている。
【0399】
【表49】
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【0400】
【表50-1】
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【表50-2】
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【0401】
【表51】
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【実施例9】
【0402】
マイクロウォークにより設計されたオリゴヌクレオチドによるGM04281細胞のヒトHTTのアンチセンス阻害
追加のギャップマーを、実施例4に記載の研究から選択されたギャップマーに基づき設計した。これらギャップマーは、表8、表9、表10に記載のオリジナルギャップマーの少し上流及び下流(すなわち「マイクロウォーク」)に移動させたギャップマーを作成することにより設計された。ギャップマーはまた、3−9−3又は5−9−5モチーフで、及び様々なヌクレオシド位置の拘束6(S)−CH−二環式核酸(BNA)分子で作成された。
【0403】
これらのギャップマーは、in vitroで試験された。ウェルあたり25,000個の細胞密度のGM04281培養細胞を、電気穿孔を用いて、5,000nMアンチセンスオリゴヌクレオチドで形質移入した。約24時間処置した後、RNAを細胞から単離し、HTTmRNAレベルを定量リアルタイムPCRで測定した。HTTmRNAレベルは、RIBOGREENで測定したRNAの全内容物に従って調整された。結果は、未処理対照細胞に対するHTTmRNA阻害度として示した。
【0404】
表52〜56のキメラアンチセンスオリゴヌクレオチドは、3−9−3又は5−9−5ギャップマーとして設計された。親ギャップマー、すなわちISIS435869、ISIS435870、ISIS435874、ISIS435879、及びISIS435890は、新たに設計されたギャップマーの由来元であるが、表の中で*印を付した。ISIS387916は、各SNP位置と重複するヌクレオチドを標的とするアンチセンスオリゴヌクレオチドの有効性の比較対象となり得るベンチマークオリゴヌクレオチドとして本研究に含まれた。
【0405】
3−9−3ギャップマーは、15ヌクレオチド長であり、中央ギャップセグメントは、9個の2’−デオキシヌクレオシドから成り、それぞれ3個の糖修飾ヌクレオシドを含むウィングと、5’方向及び3’方向に隣接している。
【0406】
5−9−5ギャップマーは、19ヌクレオチド長であり、中央ギャップセグメントは、9個の2’−デオキシヌクレオシドから成り、それぞれ5個の糖修飾ヌクレオシドを含むウィングと、5’方向及び3’方向に隣接している。
【0407】
各ギャップマーの中ではすべて、ヌクレオシド間連結はホスホロチオ酸(P=S)連結である。各ギャップマーの中ではすべて、全シトシン核酸塩基は5−メチルシトシンである。表52〜56の中で太字及び下線を引いたヌクレオチドは、各ギャップマーにおける6(S)−CH−BNA分子(例えば、cEt分子)の位置を示している。イタリック体のヌクレオチドは、MOEサブユニットである。
【0408】
「開始部位」は、ギャップマーが標的とする最も5’末端側ヌクレオチドを示している。「終止部位」は、ギャップマーが標的とする最も3’末端側ヌクレオチドを示している。「標的対立遺伝子」は、ギャップマーがメジャー対立遺伝子を標的としているのか、又はマイナー対立遺伝子を標的としているかを示す。括弧内の数字は、SNP位置に相対するオリゴヌクレオチドの位置を示している。
【0409】
【表52】
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【0410】
【表53】
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【0411】
【表54】
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【0412】
【表55-1】
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【表55-2】
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【0413】
【表56】
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【実施例10】
【0414】
Coriell製繊維芽細胞株のヒトハンチンチンmRNAレベルの用量依存的アンチセンス阻害
実施例9に記載の研究由来のギャップマーを選抜し、GM04281細胞株、GM02171細胞株、及びGM02173B細胞株において様々な用量で試験した。各細胞株を、ウェルあたり25,000個の細胞密度で播種し、電気穿孔を用いて、表75、表58、及び表59に記載されているように、312.5nM、625nM、1,250nM、2,500nM、5,000nM、及び10,000nMの濃度のアンチセンスオリゴヌクレオチドで形質移入した。約16時間処理した後、RNAを細胞から単離し、HTTmRNAレベルを定量リアルタイムPCRで測定した。ヒトHTTプライマープローブセットRTS2617を用いて、mRNAレベルを測定した。HTTmRNAレベルは、RIBOGREENで測定したRNAの全内容物に従って調整された。結果は、未処理対照細胞に対するHTTmRNA阻害度として提示されている。IC50値も表57、表58、及び表59で提供されている。
【0415】
【表57】
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【0416】
【表58-1】
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【表58-2】
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【0417】
【表59-1】
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【表59-2】
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【実施例11】
【0418】
マイクロウォークで設計されたオリゴヌクレオチドによるGM04281細胞及びGM02171細胞におけるヒトHTTの用量依存的アンチセンス阻害
追加のギャップマーを、実施例10に記載の研究から選抜されたギャップマーに基づき設計した。これらのギャップマーは、表57,表58、及び表59に記載のオリジナルギャップマーの少し上流及び下流(すなわち「マイクロウォーク」)に移動させたギャップマーを作成することにより設計された。ギャップマーはまた、4−9−4MOE又は5−9−5MOEモチーフで、及び様々なヌクレオチド位置の拘束6(S)−CH−二環式核酸(BNA)分子で作成された。
【0419】
これらギャップマーは、GM04281細胞株及びGM02171細胞株で試験された。ウェルあたり25,000個の細胞密度のGM04281培養細胞又はGM02171培養細胞を、電気穿孔を用いて2,500nM又は5,000nMアンチセンスオリゴヌクレオチドで形質移入した。約24時間処理した後、RNAを細胞から単離し、定量リアルタイムPCRでHTTmRNAレベルを測定した。HTTmRNAレベルは、RIBOGREENで測定したRNAの全内容物に従って調整された。結果は、未処理対照細胞に対するHTTmRNA阻害度として示された。
【0420】
表60、表61、及び表62のキメラアンチセンスオリゴヌクレオチドは、3−9−3、4−9−4、又は5−9−5MOEギャップマーとして設計された。親ギャップマー、すなわちISIS435890、ISIS460210、ISIS435879、ISIS460209、ISIS435870、及びISIS460207は、新たに設計されたギャップマーの由来元であるが、表の中では*印を付した。ISIS387916は、各SNP位置と重複するヌクレオチドを標的とするアンチセンスオリゴヌクレオチドの有効性の比較対象となり得るベンチマークオリゴヌクレオチドとして本研究に含まれた。
【0421】
3−9−3ギャップマーは、15ヌクレオチド長であり、中央ギャップセグメントは、9個の2’−デオキシヌクレオチドから成り、それぞれ3個のヌクレオチドを含むウィングと、5’方向及び3’方向に隣接している。
【0422】
4−9−4ギャップマーは、17ヌクレオチド長であり、中央ギャップセグメントは、9個の2’−デオキシヌクレオチドから成り、それぞれ4個のヌクレオチドを含むウィングと、5’方向及び3’方向に隣接している。
【0423】
5−9−5ギャップマーは、19ヌクレオチド長であり、中央ギャップセグメントは、9個の2’−デオキシヌクレオチドから成り、それぞれ5個のヌクレオチドを含むウィングと、5’方向及び3’方向に隣接している。
【0424】
各ギャップマーの中ではすべて、ヌクレオシド間連結はホスホロチオ酸(P=S)連結である。各ギャップマーの中ではすべて、全シトシン核酸塩基は5−メチルシトシンである。表60、表61、及び表62の中で、太字及び下線を引いたヌクレオチドは、各ギャップマーにおける6(S)−CH−BNA分子(例えば、cEt分子)の位置を示している。イタリック体のヌクレオチドは、MOEサブユニットである。
【0425】
標的とするSNP部位に従って、ギャップマーを表60、表61、及び表62にまとめた。「開始部位」は、ギャップマーが標的とする最も5’末端側ヌクレオチドを示す。「終止部位」は、ギャップマーが標的とする最も3’末端側ヌクレオチドを示す。「標的対立遺伝子」は、ギャップマーがメジャー対立遺伝子を標的としているのか、又はマイナー対立遺伝子を標的としているかを示す。
括弧内の数字は、SNP位置と相対するオリゴヌクレオチドの位置を示している。
【0426】
【表60】
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【0427】
【表61-1】
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【表61-2】
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【0428】
【表62-1】
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【表62-2】
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【実施例12】
【0429】
Coriell製繊維芽細胞株のヒトハンチンチンmRNAレベルの用量依存的アンチセンス阻害
実施例11に記載の研究由来のギャップマーを選抜し、GM04281細胞株、GM02171細胞株、及びGM02173B細胞株において様々な用量で試験した。各細胞株を、ウェルあたり25,000個の細胞密度で播種し、電気穿孔を用いて、表63、表64、及び表65に記載されているように、625nM、1,250nM、2,500nM、5,000nM、及び10,000nMの濃度のアンチセンスオリゴヌクレオチドで形質移入した。約16時間処理した後、RNAを細胞から単離し、HTTmRNAレベルを定量リアルタイムPCRで測定した。ヒトHTTプライマープローブセットRTS2617を用いて、mRNAレベルを測定した。HTTmRNAレベルは、RIBOGREENで測定したRNAの全内容物に従って調整された。結果は、未処理対照細胞に対するHTTmRNA阻害度として示した。IC50値も表63、表64、及び表65で提供されている。
【0430】
【表63】
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【0431】
【表64-1】
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【表64-2】
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【0432】
【表65】
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【実施例13】
【0433】
有効性及び選択性に基づくアンチセンスオリゴヌクレオチドの選択戦略
上記の各研究由来のギャップマーを、有効性及び選択性に基づくさらなる解析のために選抜した。
【0434】
有効性は、ベンチマークオリゴヌクレオチドISIS387916により達成されるHTTmRNAの阻害度と比較した、SNPを標的とするアンチセンスオリゴヌクレオチドにより達成されるHTTmRNAの阻害度に基づいた。
【0435】
選択性は、マイナー対立遺伝子ではなく、メジャー対立遺伝子の発現を阻害するSNPを標的とするアンチセンスオリゴヌクレオチドの能力に基づいた。各SNP位置に異なる遺伝子型を有する3つの細胞株を利用することにより、このプロセスを促進させた。
【0436】
ISIS460065(5’−ATAAATTGCATCACCAG−3’(配列番号199))は、オリゴヌクレオチドのポジション9のSNPrs7685686(メジャー対立遺伝子A、マイナー対立遺伝子G)を標的とする4−9−5MOEギャップマーである。GM04281細胞株は、SNP位置rs7685686でホモ接合AAである。GM02173B細胞株は、SNP位置rs7685686でヘテロ接合AGである。GM02171細胞株は、SNP位置rs7685686のホモ接合GGである。よって、ISIS460065は、GM04281においてHTTmRNAを阻害する可能性があり、GM02173においてはHTTmRNA阻害の可能性は低く、GM02171においては有意なHTTmRNA阻害はほとんど認められない若しくは皆無であれば、選択性が示されたことになる。表20、21、及び22から引用し、また下記の表66に示したIC50値により、ホモ接合AA細胞株において発現が最も低減し、ヘテロ接合AG細胞株において適度に低減され、ホモ接合GG細胞株ではあまり低減されなかったという、3つの細胞株における阻害度の違いが確認された。IC50は、50%阻害HTTmRNAに求められるアンチセンスオリゴヌクレオチドの濃度である。IC50値の単位は、μMである。
【0437】
【表66】
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【0438】
ISIS459978(5’−ACAGTGCTCCCAACCT−3’(配列番号174))は、オリゴヌクレオチドのポジション9のSNPrs4690072(メジャー対立遺伝子T、マイナー対立遺伝子G)を標的とする2−9−6MOEギャップマーである。GM04281細胞株は、SNP位置rs4690072でホモ接合TTである。GM02173B細胞株は、SNP位置rs4690072でヘテロ接合TGである。GM02171細胞株は、SNP位置rs4690072でホモ接合GGである。よって、ISIS459978は、GM04281においてHTTmRNAを阻害する可能性があり、GM02173においてはHTTmRNA阻害の可能性は低く、GM02171においては有意なHTTmRNA阻害はほとんど認められない若しくは皆無であれば、選択性が示されたことになる。表20、表21、及び表22から引用し、また下記の表67に示したIC50値により、ホモ接合TT細胞株において発現が最も低減し、ヘテロ接合TG細胞株において適度に低減され、ホモ接合GG細胞株ではあまり低減されなかったという、3つの細胞株における阻害度の違いが確認された。IC50は、50%阻害HTTmRNAに求められるアンチセンスオリゴヌクレオチドの濃度である。IC50値の単位は、μMである。
【0439】
【表67】
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【0440】
ISIS460028(5’−GAGCAGCTGAACCTGGCA−3’(配列番号149))は、オリゴヌクレオチドのポジション10のSNPrs362306(メジャー対立遺伝子G、マイナー対立遺伝子A)を標的とする4−11−4MOEギャップマーである。GM04281細胞株は、SNP位置rs362306でホモ接合GGである。GM02173B細胞株及びGM02171細胞株は、SNP位置rs362306でヘテロ接合GAである。よって、ISIS460028は、GM04281においてHTTmRNAを阻害する可能性があり、GM02173及びGM02171においてはHTTmRNA阻害の可能性は低くければ、選択性が示されたことになる。表20、表21、及び表22から引用し、下記の表68に示したIC50値により、ホモ接合GG細胞株において発現が最も低減し、ヘテロ接合AG細胞株においてあまり低減されなかったという、GM04281細胞株とGM02173B及びGM02171細胞株の阻害度の違いが確認された。IC50は、50%阻害HTTmRNAに求められるアンチセンスオリゴヌクレオチドの濃度である。IC50値の単位は、μMである。
【0441】
【表68】
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【実施例14】
【0442】
有効性及び選択性に基づくcEtモチーフを有するアンチセンスオリゴヌクレオチドの選択戦略
上記の各研究由来のギャップマーを、有効性及び選択性に基づくさらなる解析のために選抜した。
【0443】
有効性は、ベンチマークオリゴヌクレオチドISIS387916により達成されるHTTmRNAの阻害度と比較した、SNPを標的とするアンチセンスオリゴヌクレオチドにより達成されるHTTmRNAの阻害度を基にした。
【0444】
選択性は、マイナー対立遺伝子ではなく、メジャー対立遺伝子の発現を阻害するSNPを標的とするアンチセンスオリゴヌクレオチドの能力を基にした。各SNP位置に異なる遺伝子型を有する3つの細胞株を利用することにより、このプロセスを促進させた。
【0445】
ISIS460209(5’−TAAATTGCATCACC−3’(配列番号203))は、オリゴヌクレオチドのポジション8のSNPrs7685686(メジャー対立遺伝子A、マイナー対立遺伝子G)を標的とし、ポジション2、3、13、及び14にcEtサブユニットを有する3−9−3ギャップマーである。GM04281細胞株は、SNP位置rs7685686でホモ接合AAである。GM02173B細胞株は、SNP位置rs7685686でヘテロ接合AGである。GM02171細胞株は、SNP位置rs7685686でホモ接合GGである。よって、ISIS460209は、GM04281においてHTTmRNAを阻害する可能性があり、GM02173においてはHTTmRNA阻害の可能性は低く、GM02171においては有意なHTTmRNA阻害はほとんど認められない若しくは皆無であれば、選択性が示されたことになる。表57、表58、及び表59から引用し、下記の表69に示したIC50値により、ホモ接合AA細胞株において発現が最も低減し、ヘテロ接合AG細胞株において適度に低減され、ホモ接合GG細胞株ではあまり低減されなかったという、3つの細胞株における阻害度の違いが確認された。IC50は、50%阻害HTTmRNAに求められるアンチセンスオリゴヌクレオチドの濃度である。IC50値の単位は、μMである。
【0446】
【表69】
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【0447】
ISIS460208(5’−CAGTGCTACCCAACC−3’(配列番号177))は、オリゴヌクレオチドのポジション8のSNPrs4690072(メジャー対立遺伝子T、マイナー対立遺伝子G)を標的とし、ポジション2、3、13、及び14にcEtサブユニットを有する3−9−3ギャップマーである。GM04281細胞株は、SNP位置rs4690072でホモ接合TTである。GM02173B細胞株は、SNP位置rs4690072でヘテロ接合TGである。GM02171細胞株は、SNPrs4690072のホモ接合GGである。よって、ISIS460208が、GM04281においてHTTmRNAを阻害する可能性があり、GM02173においてはHTTmRNA阻害の可能性は低く、GM02171においては有意なHTTmRNA阻害はほとんど認められない若しくは皆無であれば、選択性が示されたことになる。表57、表58、及び表59から引用し、下記の表70に示したIC50値により、ホモ接合TT細胞株において発現が最も低減し、ヘテロ接合TG細胞株において適度に低減され、ホモ接合GG細胞株ではあまり低減されなかったという、3つの細胞株における阻害度の違いが確認された。IC50は、50%阻害HTTmRNAに求められるアンチセンスオリゴヌクレオチドの濃度である。IC50値の単位は、μMである。
【0448】
【表70】
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【0449】
ISIS460206(5’−GCAGCTGCAACCTGG−3’(配列番号231))は、オリゴヌクレオチドのポジション8のSNPrs362306(メジャー対立遺伝子G、マイナー対立遺伝子A)を標的とし、ポジション2、3、13、及び14にcEtサブユニットを有する3−9−3ギャップマーである。GM04281細胞株は、SNP位置rs362306でホモ接合GGである。GM02173B及びGM02171細胞株は、SNP位置rs362306でヘテロ接合GAである。よって、ISIS460206が、GM04281においてHTTmRNAを阻害する可能性があり、GM02173及びGM02171においてはHTTmRNA阻害の可能性は低くなれば、選択性が示されたことになる。表57、表58、及び表59から引用し、下記の表71に示したIC50値により、ホモ接合GG細胞株において発現が最も低減し、ヘテロ接合AG細胞株においてはあまり低減されなかったという、GM04281細胞株とGM02173B及びGM02171細胞株の阻害度の違いが確認された。IC50は、50%阻害HTTmRNAに求められるアンチセンスオリゴヌクレオチドの濃度である。IC50値の単位は、μMである。
【0450】
【表71】
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【実施例15】
【0451】
ハンチントン病に関連する様々な細胞株とマウスモデルにおけるSNPの比較
ハンチントン病と関連する様々なSNP位置の遺伝子型を、上記実施例で使用された3つのCoriell製細胞株の間で、並びにGM04022繊維芽細胞、BACHDマウスモデル及びYAC18マウスモデルと比較した。
【0452】
ドナー患者のGM04022繊維芽細胞株は、SNP位置rs363125(NCBI Entrez SNPデータベース)でヘテロ接合であり、A対立遺伝子(アデニン)及びC対立遺伝子(シトシン)を配列番号2のヌクレオチド5310に有していた(van Bilsen,P.H.J.ら、Human Gene Therapy.19:710−718、2008)。YAC18マウスは、ヒトハンチンチン遺伝子を含有するYAC導入遺伝子で開発した(Hodgson,ら、Hum.Mol.Genet.5:1875−85、1996)。BACHDマウスは、バクテリア人工染色体のコントロール下で、97グルタミン反復で全長突然変異ハンチンチン遺伝子を発現させて開発した(Gray,M.ら、J.Neurosc.28:6182−95、2008)。4つの細胞株及びマウスモデルにおける指定SNP位置の遺伝子型を比較できるよう表72に示した。
【0453】
【表72-1】
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【表72-2】
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【実施例16】
【0454】
BacHD皮質ニューロンで測定された対立遺伝子特異的阻害
ヒトHTTのSNPrs7685686を標的とするISIS460209(5’−TAAATTGTCATCACC−3’(配列番号203))、及びISIS387916(TCTCTATTGCACATTCCAAG(配列番号6))で、非ヒト又はマウスSNP標的部位を有しないアンチセンスオリゴヌクレオチドのHttタンパク質レベルに対する効果について、in vitroで試験した。ISIS387916を、ミスマッチ1つを有する標的の開始部位5763で、ネズミHttmRNA(GENBANKアクセッション番号NM_010414.1、本明細書で配列番号286と指定)と相互反応させる。ISIS460209を、3つのミスマッチを有する標的開始部位6866で、ネズミHttmRNAと相互反応させる。
【0455】
ヒトHtt及びマウスHttを発現する原発性BacHD皮質ニューロンを、以下のように単離した。E15.5〜E17.5の妊娠マウスから胚を切除した。皮質を切除して、氷冷二価遊離ハンクス平衡塩類溶液(Invitrogen社、14025−134)に浸した。皮質を細かく切り、37℃で8分間、0.05%のトリプシン−EDTA(Invitrogen社、25300−120)で消化させた。完全neurobasal培地(Invitrogen社、10888−022)を追加し、消化を中断した。培地で細胞を再懸濁し、DNAseI(Invitrogen社、18047−019)で処理した。100ulのピペットチップを介して滴定した後、細胞をneurobasal培地の中でB27サプリメント(Invitrogen社、17504−044)で再懸濁し、カウントした。ウェルあたり1.7×10細胞をポリ−D−リジン(BD Biosciences社、354210)でプレコートしたウェルプレート24枚に播種した。ニューロンは、2日目にin vitroで、B27を使い、200μlのneurobasal培地で培養した。
【0456】
ISIS460209又はISIS387916を、0.7μM、1.4μM又は1.5μM最終濃度で、division2でニューロンへと培養された補足培地に加えた。8日後に、セルスクレーパーを用いて1mLの培地に細胞を収穫した。2,500rpmで5分間4℃で細胞を遠心分離し、50mMTris、pH=8.0、150mMNacl、1%Igepal、40mMβ−グリセロリン酸塩、10mMNaF、1×ロッシュ完全プロテアーゼ阻害(Roche complete protease inhibitor)、1mMオルトバナジン酸ナトリウム、及び800μM PMSFの緩衝液でペレットを再懸濁した。15分間インキュベートした後、ライセートを遠心分離し、タンパク質濃度をDCアッセイ(BioRad)で測定した。
【0457】
タンパク質ライセートを低ビス濃度ゲルで電気泳動し、ハンチンチン対立遺伝子を分離した(分解ゲル−2001:アクリルアミド:BIS(10%アクリルアミド、0.5%BIS、375mMTris pH8.8;濃縮用ゲル−4%アクリルアミド−BIS(29:1)、156mMTris pH6.8;泳動用緩衝液−25mMTris,190mMグリシン、0.1%SDS+10μMβ−メルカプトエタノール(用時調製))。電気泳動の後、ゲル中のタンパク質をニトロセルロース膜(Hybond−C Extra;GE Healthcare Bio−Science社)に90Vで40分間移動させ、試料を濃縮ゲルに浸透させ、その後190Vで2.5時間タンパク質を分解した。
【0458】
ヒトHtt及びマウスカルネキシンタンパク質に特異的な原発性抗体を1:10,000希釈で使用した。HRP標識抗マウス二次抗体(1:10,000、Jackson Immuno Research研究所)を使用して、スーパーシグナルウェストピコ化学発光基質(SuperSignal West Pico Chemiluminescent Substrate)(Thermo Scientific社)を用いてタンパク質を可視化した。ImageJのソフトウェアを用いてタンパク質のバンドを定量化し、カルネキシンのレベルに正規化した。タンパク質のバンドをImageJのソフトウェアを用いて定量化した。表73では、陰性対照試料に対する阻害度の推定値を示した。また、ヒトHttタンパク質及びマウスHttのタンパク質の阻害度の比較を示した。
【0459】
【表73】
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【実施例17】
【0460】
Coriell製の繊維芽細胞株におけるヒトハンチンチンmRNAレベルの用量依存的アンチセンス阻害
実施例3、4、10,及び12に記載の研究由来のギャップマーを選抜し、GM04281細胞株、GM02171細胞株、及びGM02173B細胞株において様々な用量で試験した。各細胞株を、ウェルあたり25,000個の細胞密度で播種し、電気穿孔を用いて、表72、表73、及び表74に記載されているように、0.4747nM、1.5011nM、4.7463nM、15.0079nM、45.455nM、150.0527nM、474.4673nM、1,500.27nM、4,743.833nM、及び15,000nMの濃度のアンチセンスオリゴヌクレオチドで形質移入した。約16時間処理した後、RNAを細胞から単離し、HTTmRNAレベルを定量リアルタイムPCRで測定した。ヒトHTTプライマープローブセットRTS2617を用いて、mRNAレベルを測定した。HTTmRNAレベルは、RIBOGREENで測定したRNAの全内容物に従って調整された。結果は、未処理対照細胞に対するHTTmRNA阻害度として提示されている。IC50値も表72、表73、及び表74で提供されている。
【0461】
【表74】
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【0462】
【表75】
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【0463】
【表76】
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【実施例18】
【0464】
分子ビーコンアッセイによるヒトハンチンチンのSNPを標的とするISISオリゴヌクレオチドの特異性検証
実施例17に記載の研究由来のギャップマーの一部をGM04022繊維芽細胞(Coriell Institute for Medical Research製)で試験した。
【0465】
ISIS435879、ISIS460209、及びISIS476333により、GM04022繊維芽細胞のHTTmRNAの対立遺伝子特異的抑制を検証するために、van Bilsenらによる文献(van Bilsen、P.H.J.ら、Human Gene Therapy.19:710−718、2008)に記載の分子ビーコンアッセイを、蛍光体及び消光剤と連結した「分子ビーコン」合成オリゴヌクレオチドを用いて行った。GM04022繊維芽細胞を電気穿孔で、表75〜77に記載されているように、アンチセンスオリゴヌクレオチド濃度を0.06μM、0.19μM、0.56μM、1.67μM、5μM及び15μMとし、ISIS435879、ISIS460209又はISIS476333で形質移入した。ベンチマークオリゴヌクレオチドとしてISIS387916をアッセイに含めた。アニーリング温度56.5℃でA対立遺伝子用の分子ビーコンのqRT−PCRアッセイを行った。アニーリング温度62.0℃でC対立遺伝子用の分子ビーコンのqRT−PCRアッセイを行った。プライマープローブセットRTS2617を用いて、HTTmRNAの総低減量を測定した。アッセイの結果は、表77〜79に、PBS対照に対する阻害度として提示した。結果として、SNP特異的ISISオリゴヌクレオチドは、A対立遺伝子と比べて、rs7685686のC対立遺伝子を特異的に標的とすることが示された(表80)。
【0466】
【表77】
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【0467】
【表78】
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【0468】
【表79】
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【0469】
【表80】
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【実施例19】
【0470】
BACHDマウス及びYAC18マウス由来の皮質ニューロンで測定した対立遺伝子特異的阻害
ヒト対立遺伝子特異的ISISオリゴヌクレオチドのスクリーニングに有望なSNPを同定するために、YAC18マウス及びBACHDマウスのHTTmRNAをGoldengate96SNPアッセイにより配列決定した。BACマウス及びYACマウスは、いくつかの主要SNP位置(表72)に異なる対立遺伝子を擁し、よって、対立遺伝子特異的ノックダウンのスクリーニングツールとして用いられ得ると判断した。マウス種における標的に選ばれた各SNP位置もヒトHD染色体と比較した。各標的に関して、ヒトHD集団の約50%は、YAC18マウスではなく、BACHDマウスで発現する標的に対しヘテロ接合である。
【0471】
ISISオリゴヌクレオチド(実施例2、9、17及び18に記載)の対立遺伝子特異性を検証するために、アンチセンスオリゴヌクレオチド類、すなわち、SNPrs362331を標的とするISIS460207、SNPrs7685686を標的とするISIS460209、SNPrs7685686を標的とするISIS435879、SNPrs7685686を標的とするISIS476333、SNPrs2298969を標的とするISIS460210、SNPrs4690072を標的とするISIS435874、SNPrs4690072を標的とするISIS460208、SNPrs2024115を標的とするISIS435331、及びSNPrs363088を標的とするISIS435871に対し、これらがBACHD及びYAC18皮質ニューロンのHTTタンパク質レベルに及ぼす効果について試験した。ISIS387916は、ヒト又はマウスSNP標的部位を有さず、ベンチマークとして使用した。ISIS387916を、ミスマッチ1つを有する標的開始部位5763で、マウスHTTmRNA(GENBANKアクセッション番号NM_010414.1、本明細書において配列番号286と指定)と相互反応させた。対立遺伝子特異的アンチセンスオリゴヌクレオチドでの治療により、YAC18ニューロンにおいてではなく、BACHDニューロンにおいてHTTmRNAを有意に阻害することが予測された。また、ISIS387916での治療により両セットのニューロンにおいてHTTmRNAを阻害することが予測された。
【0472】
YAC18培養物は、YAC18(ライン60、+/+)の雄マウスで交配させたE16.5の妊娠雌マウスYAC18(ライン60,+/+)から作成した。よって、子孫はすべてホモ接合型YAC18(ライン60)であり、プールド皮質培養を促進する。BACHDのE16.5胚を、妊娠BACHD(+/−)雄マウスと交配させた妊娠BACHD(+/−)マウスから単離し、マウス胎仔単独培養して遺伝子型同定を行った。試料の相互汚染防止のため、単一皮質を単離した。分離された各皮質を用いて、6ウェルプレートの5つのウェルに播種した。遺伝子型同定後、ASO処置にはBACHD(+/−)培養のみを用いた。アンチセンスオリゴヌクレオチドを、division2でニューロンへと培養された補足培地に加えた。8日後に、セルスクレーパーを用いて1mLの培地に細胞を収穫した。2,500rpmで5分間4℃で細胞を遠心分離し、50mMTris、pH=8.0、150mM Nacl、1%Igepal、40mMβ−グリセロリン酸塩、10mM NaF、1×ロッシュ完全プロテアーゼ阻害(Roche complete protease inhibitor)、1mMオルトバナジン酸ナトリウム、及び800μM PMSFの緩衝液でペレットを再懸濁した。15分間インキュベートした後、ライセートを遠心分離し、タンパク質濃度をDCアッセイ(BioRad)で測定した。
【0473】
タンパク質ライセートを低ビス濃度ゲルで電気泳動し、ハンチンチン対立遺伝子を分離した(分解ゲル−2001:アクリルアミド:BIS(10%アクリルアミド、0.5%BIS、375mMTris pH8.8;濃縮用ゲル−4%アクリルアミド−BIS(29:1)、156mMTris pH6.8;泳動用緩衝液−25mMTris、190mMグリシン、0.1%SDS+10μMβ−メルカプトエタノール(用時調製))。電気泳動の後、ゲル中のタンパク質をニトロセルロース膜(Hybond−CExtra;GE Healthcare Bio−Science社)に90Vで40分間移動させ、試料を濃縮ゲルに浸透させ、その後190Vで2.5時間タンパク質を分解した。
【0474】
ヒトHTT及びマウスカルネキシンタンパク質に特異的な原発性抗体を1:10,000希釈で使用した。HRP標識抗マウス二次抗体(1:10,000、Jackson ImmunoResearch研究所)を使用して、スーパーシグナルウェストピコ化学発光基質(SuperSignal West Pico Chemiluminescent Substrate)(Thermo Scientific社)を用いてタンパク質を可視化した。ImageJのソフトウェアを用いてタンパク質のバンドを定量化し、カルネキシンのレベルに正規化した。表81〜91では、未処理対照試料に対する阻害度を示した。また、BACHDニューロン及びYAC18ニューロンにおけるヒトHTTタンパク質レベルの阻害度を提示した。
【0475】
【表81】
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【0476】
【表82】
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【0477】
【表83】
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【0478】
【表84】
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【0479】
【表85】
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【0480】
【表86】
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【0481】
【表87】
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【0482】
【表88】
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【0483】
【表89】
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【0484】
【表90】
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【0485】
【表91】
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【配列表】
[この文献には参照ファイルがあります.J-PlatPatにて入手可能です(IP Forceでは現在のところ参照ファイルは掲載していません)]