特許第6018514号(P6018514)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許6018514-半透膜支持体の製造方法 図000005
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6018514
(24)【登録日】2016年10月7日
(45)【発行日】2016年11月2日
(54)【発明の名称】半透膜支持体の製造方法
(51)【国際特許分類】
   B01D 69/10 20060101AFI20161020BHJP
   D21H 13/10 20060101ALI20161020BHJP
【FI】
   B01D69/10
   D21H13/10
【請求項の数】3
【全頁数】27
(21)【出願番号】特願2013-21050(P2013-21050)
(22)【出願日】2013年2月6日
(65)【公開番号】特開2013-188738(P2013-188738A)
(43)【公開日】2013年9月26日
【審査請求日】2015年6月9日
(31)【優先権主張番号】特願2012-28804(P2012-28804)
(32)【優先日】2012年2月13日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000005980
【氏名又は名称】三菱製紙株式会社
(72)【発明者】
【氏名】小森 一弘
(72)【発明者】
【氏名】志水 祐介
【審査官】 岡田 三恵
(56)【参考文献】
【文献】 特開平09−217298(JP,A)
【文献】 特開昭62−038221(JP,A)
【文献】 特開平10−225630(JP,A)
【文献】 国際公開第2011/049231(WO,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2002/0056535(US,A1)
【文献】 特許第3153487(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01D 69/10
D21H 13/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
合成繊維からなる主体繊維及びバインダー繊維を含有してなる湿式抄造法で製造されたシートを、第一のロールニップと第二のロールニップとを有する熱圧加工処理装置を通過させて、熱圧加工処理する半透膜支持体の製造方法において、熱圧加工処理時の第一のロールニップ後の張力が0.05〜0.20kN/mであり、半透膜支持体の熱収縮における「−横収縮率/縦収縮率」が−0.10〜0.30である半透膜支持体の製造方法。
【請求項2】
合成繊維からなる主体繊維及びバインダー繊維を含有してなる湿式抄造法で製造されたシートを、第一のロールニップと第二のロールニップとを有する熱圧加工処理装置を通過させて、熱圧加工処理する半透膜支持体の製造方法において、熱圧加工処理時の第一のロールニップ後の張力が0.20kN/m超0.40kN/m以下であり、第二のロールニップ前後の張力が0.05〜0.20kN/mであり、半透膜支持体の熱収縮における「−横収縮率/縦収縮率」が−0.10〜0.30である半透膜支持体の製造方法。
【請求項3】
熱圧加工処理装置における第一のロールニップ及び第二のロールニップを構成するロールの少なくとも1本のロールの温度が、バインダー繊維の融点又は軟化点に対して−60〜−30℃である請求項1又は2に記載の半透膜支持体の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半透膜支持体の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
海水の淡水化、浄水器、食品の濃縮、廃水処理、血液濾過に代表される医療用、半導体洗浄用の超純水製造等の分野で、半透膜が広く用いられている。半透膜は、セルロース系樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリアクリロニトリル系樹脂、フッ素系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂等の合成樹脂で構成されている。しかしながら、半透膜単体では機械的強度に劣るため、不織布や織布等の繊維基材からなる半透膜支持体の片面(以下、「塗布面」という)に半透膜が設けられた形態で使用されている。
【0003】
半透膜支持体に半透膜を設ける方法としては、上述したポリスルホン系樹脂等の合成樹脂を有機溶媒に溶解し、半透膜溶液を調製した後、この半透膜溶液を半透膜支持体上に塗布する方法が広く用いられる。そして、効率的に濾過を行うために、スパイラル型の半透膜エレメントが形成され、さらに、半透膜モジュールが組み立てられる(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
高い濾過流束と濾過性能を得るためには、半透膜表面に凹凸が少なく、半透膜形成時に横方向湾曲やシワが発生せず、半透膜支持体上に半透膜が均一な厚みで設けられる必要がある。半透膜が均一な厚みで設けられるには、半透膜支持体の塗布面に優れた平滑性が必要とされる。そして、良好な濾過性能を得るためには、半透膜と半透膜支持体との接着性にも優れている必要がある。また、半透膜モジュールを組み立てる際に、接着剤を使って、塗布面とは反対面(以下、「非塗布面」という)同士を貼り合わせる工程があるため、この非塗布面同士の接着性に優れていることも要求されている。さらに、半透膜溶液が非塗布面に裏抜けしないことも要求される。裏抜けが発生すると、半透膜の厚みが不均一になる、非塗布面同士の接着性が低下するという問題が発生するからである。
【0005】
半透膜支持体として、主体繊維とバインダー繊維とを含有し、湿式抄造法で製造され、熱圧処理された不織布が提案されている。例えば、太い繊維を使用した表面粗度の大きな表面層(太い繊維層)と細い繊維を使用した緻密な構造の裏面層(細い繊維層)との二重構造を基本とした多層構造の不織布よりなる半透膜支持体が提案されている(例えば、特許文献2参照)。具体的には、太い繊維層を塗布面とし、細い繊維層を非塗布面とした半透膜支持体、及び細い繊維層を太い繊維層で挟み込み、塗布面と非塗布面の両方を太い繊維層とした半透膜支持体が記載されている。しかしながら、塗布面において、太い繊維を使用しているため、半透膜と半透膜支持体との接着性は向上するものの、平滑性が低いという問題があった。前者では、非塗布面に細い繊維を使用しているため、非塗布面同士の接着性が良くないという問題もあった。また、前者と後者の両方について、半透膜溶液を半透膜支持体に塗布する際に、半透膜支持体の塗布面に毛羽立ちが存在した場合には、太い繊維は細い繊維よりも剛性が大きいために、毛羽が半透膜を貫通しやすくなり、半透膜の濾過性能が低下する場合があった。
【0006】
半透膜と半透膜支持体の接着性を良くすること及び裏抜け防止を目的として、半透膜支持体のフラジール(FG)通気度やポアサイズを調整する方法が提示されている(例えば、特許文献3参照)。しかしながら、このJIS L1096に準拠したフラジール(FG)通気度は、半透膜支持体の片面から半透膜支持体内部を通過して別の片面へ透過する空気の量をもとに算出されており、塗布面の表面に塗布された半透膜溶液の非塗布面への裏抜けを正確に反映しているものではない。そのため、特許文献3で示された範囲のフラジール(FG)通気度を有する半透膜支持体に半透膜溶液を塗布した場合、半透膜支持体非塗布面まで半透膜溶液が裏抜けしてしまい、半透膜支持体非塗布面同士を貼り付けて半透膜モジュールを作製した場合に、半透膜支持体非塗布面同士の接着力が低下し、濾過性能が著しく低下するという問題が発生する場合があり、特許文献3で示されている範囲のフラジール(FG)通気度を有する半透膜支持体に半透膜溶液を塗布した場合、裏抜けを完全に防ぐことは困難であった。また、半透膜支持体の通気性を低くする方法として、半透膜支持体を構成する繊維の繊維径を小さくする方法が提案されているが、この場合も、非塗布面の平滑性も高くなり、非塗布面同士の接着性が低下するという場合があった。
【0007】
また、特許文献3では、JIS K3832に準拠したバブルポイント法による平均ポアサイズは、表面張力既知の液体を満たした半透膜支持体の下面より気体を加圧状態で噴出させ、半透膜支持体の上面に気体が通過したときの気体の圧力変化からポアサイズを求める方法であるが、これについても、塗布面の表面に塗布された半透膜溶液の非塗布面への裏抜けを正確に反映しているものではない。よって、特許文献3で示されている範囲のポアサイズを有する半透膜支持体に半透膜溶液を塗布した場合、裏抜けを完全に防ぐことは困難であった。
【0008】
半透膜溶液の裏抜けがなく、塗布面が平滑であり、半透膜の付着性に優れ、引張応力が掛かった際の寸法安定性を向上させた半透膜支持体として、5%伸長時の縦方向(MD)及び横方向(CD)の裂断長の平均値(以下「平均裂断長(5%伸長時)」という)が4.0km以上であり、フラジール(FG)通気度が0.20〜10.00cc/cm・秒である不織布からなる半透膜支持体が提案されている(例えば、特許文献4参照)。この半透膜支持体は、強度が高く、伸びが小さい不織布である。そのため、この半透膜支持体を作製するためには、複屈折(Δn)が高く、特定の熱収縮応力を有するポリエステル系繊維を用いる必要がある。また、裂断長を高めるためには、熱圧処理工程において、不織布に与える熱や圧力を高める必要があり、引張応力や熱による繊維の部分的な伸縮不均一による不織布の不均一性を改良する効果はあるものの、不織布の厚み方向全てに熱・圧力が過剰に加わってしまい、不織布に含まれるバインダー繊維が過剰に溶融し、空隙が減少しすぎる問題や半透膜溶液の塗布時にシワが発生する問題が残っていた。また、塗布面の平滑性にはさらなる改良が必要であった。特に、特許文献4では、塗布面と非塗布面の平滑性を均等化させるように製造されているため、塗布面の平滑性と半透膜と半透膜支持体の接着性との両立が困難になるという問題があり、さらに、非塗布面同士の接着性についても問題が残っていた。
【0009】
半透膜と半透膜支持体の接着性の改善と、非塗布面同士の接着性の改善を両立させつつ、半透膜溶液の塗布後にシワを発生させない半透膜支持体を作製することを目的に、塗布面と非塗布面の平滑性の比を調整しつつ、半透膜支持体を構成する不織布の平均裂断長(5%伸長時)を4.0km未満とし、半透膜支持体を90℃湯浴に10分間浸した前後の横方向(CD)の加熱寸法変化率を−0.30〜+1.00%とした半透膜支持体が提案されている(例えば、特許文献5参照)。本提案内容に基づけば、半透膜と半透膜支持体の接着性の改善と非塗布面同士の接着性の改善を両立しつつ、半透膜溶液の塗布後にシワを発生させない半透膜支持体を得ることは可能であったが、平均裂断長(5%伸長時)が4.0km未満であるため、引張応力が掛かった際には半透膜支持体の寸法が変化してしまう場合があり、半透膜溶液の塗布前の段階で、極度に引張応力が掛かった際に、半透膜支持体にシワが発生して半透膜を均一に塗布することができない場合があった。
【0010】
紙に引張応力が掛かった際に発生するシワの評価方法について、JIS K7161に準拠した引張試験法によるポアソン比を測定する方法が提案されている(例えば、非特許文献1参照)。本提案内容に基づけば、ポアソン比が大きいほど、引張応力が掛かった際にシワが発生しやすくなる傾向があると予測することは可能であるが、JIS K7161に準拠した引張試験法によるポアソン比は、試験片の中の限られた一部分の収縮率を測定しているため、半透膜支持体のように繊維の配向が横方向で異なるサンプルのポアソン比を測定する場合には、正確なポアソン比を測定することが困難であるという問題があった。また、ポアソン比を測定する際に、一般的に用いられるひずみゲージは、試験片に接着剤を用いて貼付するため、試料厚さの薄いサンプルのポアソン比を測定する場合には、ひずみゲージ及び接着剤の剛性が加わってしまうため正確な測定が困難であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2008−238147号公報
【特許文献2】特公平4−21526号公報
【特許文献3】特開2002−95937号公報
【特許文献4】特許第3153487号公報
【特許文献5】国際公開第2011/049231号
【非特許文献】
【0012】
【非特許文献1】紙パ技協誌、Vol.63、No10、p.1248(2009)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明の課題は、塗布面の平滑性に優れ、半透膜溶液が裏抜けせず、非塗布面同士の接着性に優れており、半透膜溶液を塗布する前にシワが入りにくく、半透膜溶液を塗布後にもシワが入りにくい半透膜支持体の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記課題を解決するために鋭意検討した結果、
(1)合成繊維からなる主体繊維及びバインダー繊維を含有してなる湿式抄造法で製造されたシートを、第一のロールニップと第二のロールニップとを有する熱圧加工処理装置を通過させて、熱圧加工処理する半透膜支持体の製造方法において、熱圧加工処理時の第一のロールニップ後の張力が0.05〜0.20kN/mであり、半透膜支持体の熱収縮における「−横収縮率/縦収縮率」が−0.10〜0.30である半透膜支持体の製造方法
(2)合成繊維からなる主体繊維及びバインダー繊維を含有してなる湿式抄造法で製造されたシートを、第一のロールニップと第二のロールニップとを有する熱圧加工処理装置を通過させて、熱圧加工処理する半透膜支持体の製造方法において、熱圧加工処理時の第一のロールニップ後の張力が0.20kN/m超0.40kN/m以下であり、第二のロールニップ前後の張力が0.05〜0.20kN/mであり、半透膜支持体の熱収縮における「−横収縮率/縦収縮率」が−0.10〜0.30である半透膜支持体の製造方法
(3)熱圧加工処理装置における第一のロールニップ及び第二のロールニップを構成するロールの少なくとも1本のロールの温度が、バインダー繊維の融点又は軟化点に対して−60〜−30℃である(1)又は(2)に記載の半透膜支持体の製造方法、
を見出した。
【発明の効果】
【0015】
本発明の製造方法に製造されてなる半透膜支持体は、合成繊維からなる主体繊維及びバインダー繊維を含有してなり、熱収縮における「−横収縮率/縦収縮率」が−0.10〜0.30の範囲である。そのため、引張応力が発生した際に半透膜支持体の横方向の収縮が起こりにくいため、半透膜支持体に半透膜溶液を塗布する前の段階で引張応力が掛かった際にシワが発生することを防ぐことが可能となっただけでなく、半透膜溶液の塗布後の横方向の湾曲やシワの発生が抑制された半透膜支持体を生み出すことが可能となった。
【0016】
合成繊維からなる主体繊維及びバインダー繊維を含有してなる湿式抄造法で製造されたシートを、第一のロールニップと第二のロールニップとを有する熱圧加工処理装置を通過させて、熱圧加工処理する半透膜支持体の製造方法において、熱圧加工処理時の第一のロールニップ後の張力が0.05〜0.20kN/mである半透膜支持体の製造方法により、半透膜支持体に半透膜溶液を塗布する前の段階で引張応力が掛かった際にシワが発生することを防ぐことが可能となっただけでなく、半透膜溶液の塗布後における横方向の湾曲やシワの発生が抑制された半透膜支持体を生み出すことが可能となった。
【0017】
また、合成繊維からなる主体繊維及びバインダー繊維を含有してなる湿式抄造法で製造されたシートを、第一のロールニップと第二のロールニップとを有する熱圧加工処理装置を通過させて、熱圧加工処理する半透膜支持体の製造方法において、第一のロールニップ後の張力が0.20kN/mを超える場合であっても、第一のロールニップ後の張力が0.20kN/m超0.40kN/m以下であり、かつ、第二のロールニップ後の張力が0.05〜0.20kN/mであることにより、半透膜支持体に半透膜溶液を塗布する前の段階で引張応力が掛かった際にシワが発生することを防ぐことが可能となっただけでなく、半透膜溶液の塗布後における横方向の湾曲やシワの発生が抑制された半透膜支持体を生み出すことが可能となった。
【0018】
また、本発明の半透膜支持体の製造方法において、熱圧加工処理装置における第一のロールニップ及び第二のロールニップを構成するロールのうち少なくとも1本のロールの温度が、バインダー繊維の融点又は軟化点に対して−60〜−30℃であることにより、半透膜支持体に半透膜溶液を塗布する前の段階で引張応力が掛かった際にシワが発生することを防ぐことが可能となっただけでなく、半透膜溶液の塗布後における横方向の湾曲やシワの発生が抑制された半透膜支持体を生み出すことが可能となった。さらに、均一な半透膜を得ることができるという効果も達成できる。
【0019】
さらに、主体繊維の平均繊維径が7.0〜20.0μmであり、主体繊維として繊維径の異なる2種以上の繊維を含有し、主体繊維とバインダー繊維の割合が質量基準で60:40〜80:20である場合、半透膜溶液が裏抜けしにくく、塗布面の平滑性にも優れ、半透膜が半透膜支持体上に均一に塗設され、半透膜−半透膜支持体の接着性が高く、非塗布面同士の接着性にも優れた半透膜支持体を生み出すことが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】熱圧加工処理で使用される熱ロールの組合せ及び配置並びに半透膜支持体の通紙状態を表した概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明において、熱収縮における「収縮率」は、半透膜支持体を90℃湯浴に10分間浸した前後の寸法変化率である。「横収縮率」とは、半透膜支持体を90℃湯浴に10分間浸した前後の横方向(湿式抄造における流れ方向に対し直交する方向、幅方向、CD)の寸法変化率であり、「縦収縮率」とは、半透膜支持体を90℃湯浴に10分間浸した前後の縦方向(湿式抄造における流れ方向、MD)の寸法変化率である。本発明によれば、熱収縮における「−横収縮率/縦収縮率」を測定することにより、半透膜支持体に半透膜溶液を塗布する際にシワが発生するか否かをより正確に把握できるようになった。熱収縮における「−横収縮率/縦収縮率」が−0.10〜0.30である半透膜支持体を使用することが好ましい。この場合、半透膜溶液を塗布する際に半透膜支持体に一定の張力を掛けて引張応力が発生しても、横方向の収縮が小さいために、この範囲を外れた場合よりも、シワが入りにくい半透膜支持体となる。
【0022】
本発明において、半透膜支持体の熱収縮における「−横収縮率/縦収縮率」は、−0.10〜0.30であり、好ましくは0.00〜0.25であり、さらに好ましくは0.00〜0.20である。半透膜溶液を均一に塗布する際には、支持体に一定の張力を掛けるため、半透膜支持体に引張応力が発生するが、熱収縮における「−横収縮率/縦収縮率」が0.30を超える場合、引張応力に対する横方向の収縮が大きくなり、それに伴って横方向に対する座屈応力が大きくなって半透膜支持体が座屈しやすくなり、結果として半透膜溶液を塗布する前の段階で一定の引張張力を掛けただけでも、シワが発生する。また、半透膜支持体に半透膜溶液を塗布した後には、半透膜支持体を水槽へ浸漬させて半透膜溶液内の溶媒を除去する工程を要するが、半透膜溶液から溶媒を効率よく除去するために、水槽には冷水でなく温水を使用する。半透膜支持体の熱収縮における「−横収縮率/縦収縮率」が−0.10未満の場合、半透膜溶液を塗布した後に半透膜支持体を温水に浸漬させた際に、横方向の収縮が大きくなってシワが発生する。
【0023】
本発明において、主体繊維は、半透膜支持体の骨格を形成する繊維である。主体繊維としては、合成繊維を使用することが好ましい。例えば、ポリオレフィン系、ポリアミド系、ポリアクリル系、ビニロン系、ビニリデン系、ポリ塩化ビニル系、ポリエステル系、ベンゾエート系、ポリクラール系、フェノール系等の繊維が挙げられるが、耐熱性の高いポリエステル系の延伸繊維がより好ましく使用される。また、半合成繊維のアセテート、トリアセテート、プロミックスや、再生繊維のレーヨン、キュプラ、リヨセル繊維等は性能を阻害しない範囲で含有しても良い。
【0024】
本発明の半透膜支持体において、主体繊維として、繊維径の異なる2種以上の繊維を含有することが好ましい。繊維径の異なる2種以上の主体繊維が絡み合って形成された繊維ネットワークによって、塗布面に複雑で微細な凹凸が生じるため、半透膜と半透膜支持体との接着性を向上させることができる。また、この繊維ネットワークによって、塗布面の平滑性も向上させることができ、均一な半透膜を得ることができる。主体繊維として、繊維径が1種の繊維を含有させ、バインダー繊維として、繊維径の異なる2種以上の繊維を含有させた場合、バインダー繊維は乾燥工程や熱圧加工処理によって軟化又は溶融するため、半透膜支持体の平滑性が高くなりすぎることがあり、半透膜と半透膜支持体との接着性を向上させるための繊維ネットワークに寄与することができなくなる場合がある。
【0025】
主体繊維の平均繊維径は、7.0〜20.0μmであることが好ましく、8.0〜16.0μmであることがより好ましい。また、少なくとも1種の主体繊維の繊維径が13.0μm以下の場合、塗布面の平滑性をより高めることができ、膜の厚みが均一な半透膜が得られ易くなる。主体繊維の平均繊維径が7.0μm未満の場合、塗布面の剥離強度が低下する場合や、非塗布面同士の接着性が悪化する場合がある。主体繊維の平均繊維径が20.0μmを超える場合、半透膜支持体の表面の平滑性が失われて、均一な厚みの半透膜が得難くなるだけでなく、フラジール(FG)通気度が高くなりすぎて、半透膜溶液塗布時に裏抜けが発生する場合がある。
【0026】
本発明において、主体繊維の平均繊維径は以下の式で求められる。Nは、正の整数である。
【0027】
平均繊維径=(主体繊維1の繊維径(μm)×主体繊維1の質量%+主体繊維2の繊維径(μm)×主体繊維2の質量%+主体繊維3の繊維径(μm)×主体繊維3の質量%+・・・+主体繊維Nの繊維径(μm)×主体繊維Nの質量%)/(主体繊維1の質量%+主体繊維2の質量%+主体繊維3の質量%+・・・+主体繊維Nの質量%)
【0028】
主体繊維の繊維長は、特に限定しないが、好ましくは1〜12mmであり、より好ましくは3〜10mmであり、さらに好ましくは4〜6mmである。繊維長が1mm未満の場合、抄紙工程にて繊維の三次元ネットワークが形成されにくく、抄紙ワイヤーからの剥離性が悪化するおそれがある。一方、繊維長が12mmを超える場合、繊維同士の絡まりや縺れの発生により、半透膜支持体の均一性や半透膜の平滑性に悪影響を及ぼすおそれがある。主体繊維の断面形状は円形が好ましいが、T型、Y型、三角等の異形断面を有する繊維も、裏抜け防止、塗布面平滑性のために、他の特性を阻害しない範囲内で含有できる。
【0029】
本発明において、半透膜支持体(シート)は、バインダー繊維を含有している。バインダー繊維の溶融温度(融点)又は軟化点付近まで温度を上げる工程を半透膜支持体の製造方法に組み入れることで、バインダー繊維が半透膜支持体の機械的強度を向上させる。バインダー繊維の融点又は軟化点は、主体繊維のそれよりも低い。例えば、半透膜支持体を湿式抄造法で製造し、その後の乾燥工程でバインダー繊維を溶融又は軟化させることができる。
【0030】
バインダー繊維としては、芯鞘繊維(コアシェルタイプ)、並列繊維(サイドバイサイドタイプ)、放射状分割繊維等の複合繊維、未延伸繊維等が挙げられる。複合繊維は、皮膜を形成しにくいので、半透膜支持体の空間を保持したまま、機械的強度を向上させることができる。より具体的には、ポリプロピレン(芯)とポリエチレン(鞘)の組合せ、ポリプロピレン(芯)とエチレンビニルアルコール(鞘)の組合せ、高融点ポリエステル(芯)と低融点ポリエステル(鞘)の組合せ、ポリエステル等の未延伸繊維が挙げられる。また、ポリエチレンやポリプロピレン等の低融点樹脂のみで構成される単繊維(全融タイプ)や、ポリビニルアルコール系のような熱水可溶性バインダーは、半透膜支持体の乾燥工程で皮膜を形成しやすいが、特性を阻害しない範囲で使用することができる。本発明においては、高融点ポリエステル(芯)と低融点ポリエステル(鞘)の組合せ、ポリエステルの未延伸繊維を好ましく用いることができる。
【0031】
バインダー繊維の繊維径は、主体繊維と異なっていることが好ましいが、特に限定されない。主体繊維と繊維径が異なることで、バインダー繊維は半透膜支持体の機械的強度を向上させる役割の他に、主体繊維と細径繊維と共に均一な三次元ネットワークを形成する役割も果たし、さらに、ヤンキードライヤー、熱風乾燥において、バインダー繊維の軟化温度又は溶融温度付近まで温度を上げる工程においては、半透膜支持体塗布面の平滑性をも向上させることができる。
【0032】
バインダー繊維の繊維長は、特に限定されないが、繊維長が20mmを超えた場合、地合が悪化する傾向がある。バインダー繊維の断面形状は円形及びT型、Y型、三角等の異形断面を有する繊維も含有することが可能である。
【0033】
本発明において、主体繊維とバインダー繊維の含有比率は、質量基準で、60:40〜80:20であることが好ましく、60:40〜75:25であることがより好ましく、65:35〜75:25であることがさらに好ましく、65:35〜70:30であることが特に好ましい。主体繊維の含有比率が60質量%を下回る場合、透過流束が低下する場合がある。主体繊維の含有比率が80質量%を超えると、半透膜支持体の機械的強度が低下して、破れやすくなる場合がある。
【0034】
本発明において、半透膜支持体は、湿式抄造法で製造されたシートを、第一のロールニップ(「第一ニップ」と略す場合がある)と第二のロールニップ(「第二ニップ」と略す場合がある)とを有する熱圧加工処理装置を通過させて、熱圧加工処理することによって製造される。
【0035】
湿式抄造法では、まず、主体繊維、バインダー繊維を均一に水中に分散させ、その後、スクリーン(異物、塊等除去)等の工程を通り、最終の繊維濃度を0.01〜0.50質量%に調製されたスラリーが抄紙機で抄き上げられ、湿紙が得られる。繊維の分散性を均一にするために、工程中で分散剤、消泡剤、親水剤、帯電防止剤、高分子粘剤、離型剤、抗菌剤、殺菌剤等の薬品を添加する場合もある。
【0036】
抄紙機としては、例えば、長網、円網、傾斜ワイヤー等の抄紙網を有する抄紙機を用いることができる。シートは、これらの抄紙網を単独で有する抄紙機で製造された単層シートであっても良いし、同種又は異種の抄紙網をオンラインで複数組み合わせて有しているコンビネーション抄紙機によって製造された多層構造のシートであっても良い。また、シートが2層以上の多層構造のシートである場合には、コンビネーション抄紙機により、各々の抄紙網で抄き上げた湿紙を積層する抄き合わせ法で製造されたシートの他に、一方のシートを形成した後に、該シートの上に繊維を分散したスラリーを流延する方法で製造されたシートであっても良い。
【0037】
抄紙機で製造された湿紙を、ヤンキードライヤー、エアードライヤー、シリンダードライヤー、サクションドラム式ドライヤー、赤外方式ドライヤー等で乾燥することにより、シートを得る。湿紙の乾燥の際に、ヤンキードライヤー等の加熱ロールに密着させて熱圧乾燥させることによって、密着させた面の平滑性が向上する。熱圧乾燥とは、タッチロール等で加熱ロールに湿紙を押しつけて乾燥させることをいう。加熱ロールの表面温度は、100〜180℃が好ましく、100〜160℃がより好ましく、110〜160℃がさらに好ましい。加熱ロールの表面温度が100℃を下回る場合、抄紙機で製造された湿紙の水分が十分に蒸発せず、シートの厚み均一性が悪くなる場合がある。加熱ロールの表面温度が180℃を超える場合、抄紙機で製造された湿紙が加熱ロールに貼り付いて、シートの地合が悪くなる場合がある。圧力は、好ましくは5〜100kN/mであり、より好ましくは10〜80kN/mである。圧力が5kN/mを下回る場合、抄紙機で製造された湿紙の水分が十分に抜けず、シートの厚み均一性が悪くなる場合があり、100kN/mを超える場合、抄紙機で製造された湿紙が加熱ロールに貼り付いて、シートの地合が悪くなる場合がある。
【0038】
本発明の半透膜支持体の製造方法では、湿式抄造法で製造されたシートを、第一ニップと第二ニップとを有する熱圧加工処理装置を通過させて、熱圧加工処理を行う。第一ニップ及び第二ニップを構成するロールの組合せとしては、金属ロール/金属ロール、金属ロール/弾性ロールが挙げられる。弾性ロールとしては、樹脂ロール、コットンロール等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。各ロールニップにおいて、一方あるいは両方のロールを加熱することができる。金属ロール、弾性ロールのいずれも熱ロールとして使用できるが、好ましくは、金属ロール、樹脂ロールを熱ロールとして使用する。より好ましくは、金属ロールを熱ロールとして使用する。また、必要に応じて、第三のロールニップ、第四のロールニップ等を使用して、ロールニップへの通過回数を3回以上にしても良い。さらに、加熱したロール(以下、「熱ロール」と略す場合がある)に接触する面が変わるように、シートの表裏が逆になるように、シートを搬送させても良いし、ロールの上下を変更しても良い。
【0039】
図1は、本発明において、熱圧加工処理で使用される熱ロールの組合せ及び配置並びにシートの通紙状態を表した概略図である。図1は一例であり、これらに限定されるものではない。図1において、金属ロール1は横縞模様、弾性ロール2は点模様である。図1の(A)では、2本の金属ロールからなる第一及び第二のロールニップが連続して設置されている。図1(B)は、2本の金属ロールからなる第一のロールニップと金属ロールと弾性ロールからなる第二のロールニップとが連続で設置されている。
【0040】
熱圧加工処理においては、熱ロールの表面温度、ロールニップにおけるニップ圧力、シートの加工速度、加工張力を制御することによって、所望の半透膜支持体を得ることができる。本発明において、半透膜支持体に半透膜溶液を塗布する前の段階で引張応力が掛かった際にシワが発生することを防ぐことが可能となっただけでなく、半透膜溶液の塗布後の横方向の湾曲やシワの発生が抑制された半透膜支持体を生み出すことが可能とするためには、熱圧加工処理する際にシートへ加わる張力の制御が重要となる。そして、下記に説明する本発明の半透膜支持体の製造方法によれば、容易に、半透膜支持体の熱収縮における「−横収縮率/縦収縮率」の値を−0.10〜0.30の範囲にすることができる。
【0041】
本発明における第一の半透膜支持体の製造方法では、第一ニップ後の張力が0.05〜0.20kN/mである。より好ましくは、0.10〜0.20kN/mである。第一ニップ後の張力が0.05kN/mより小さいと、熱圧加工処理時にシワが発生する場合や、半透膜溶液塗布後にシワが発生する場合がある。また、第一ニップ後の張力が0.20kN/mを超えると、半透膜溶液の塗布前の段階でシワが発生する場合がある。
【0042】
本発明における第二の半透膜支持体の製造方法では、熱圧加工処理時の第一ニップ後の張力が0.20kN/m超0.40kN/m以下であり、第二ニップ前後の張力が0.05〜0.20kN/mである。これにより、第一ニップ後の張力が0.20kN/mを超える場合であっても、第二ニップ前後の張力を調整することで、半透膜溶液の塗布前後のシワを抑制することが可能となる。より好ましくは、第一ニップ後の張力が0.20kN/m超0.30kN/m以下、第二ニップ前後の張力が0.05〜0.10kN/mである。第一ニップ後の張力が0.40kN/mを超えた場合、半透膜支持体支持体の熱収縮における「−横収縮率/縦収縮率」が0.30を超えるため、引張応力に対する横方向の収縮が大きくなり、それに伴って横方向に対する座屈応力が大きくなって半透膜支持体が座屈しやすくなり、結果として半透膜溶液を塗布する前の段階で一定の引張張力を掛けただけでも、シワが発生する場合がある。第一ニップ後の張力が0.20kN/m超0.40kN/m以下であっても、第二ニップ前後の張力が0.05kN/mより小さいと、半透膜支持体の熱収縮における「−横収縮率/縦収縮率」が−0.10未満となり、半透膜溶液を塗布した後に半透膜支持体を温水に浸漬させた際に、横方向の収縮が大きくなってシワが発生する場合がある。第二ニップ前後の張力が0.20kN/m超0.40kN/m以下であっても、第二ニップ前後の張力が0.20kN/mを超えると、半透膜溶液を塗布する前の段階で一定の引張張力を掛けただけでも、シワが発生する場合がある。
【0043】
なお、本発明における張力は、熱圧加工機の各ロールニップの前後に設置された圧力測定用ロールに半透膜支持体が接触する力を、半透膜支持体の横方向の長さで除することで算出される。各ロールニップの前後に、圧力測定用ロール及び張力制御装置設置することにより、各ロールニップ前後の張力を独立して制御することができる。
【0044】
熱圧加工処理に用いる熱ロールの表面温度は、示差熱分析によって測定したバインダー繊維の融点又は軟化点に対して−60〜−30℃であることが好ましく、−50〜−20℃であることがより好ましい。熱ロール温度の表面温度を、シートに含まれるバインダー繊維の融点又は軟化点より60℃を超えて低くすると、毛羽立ちが発生しやすくなる場合があり、均一な厚みの半透膜が得難くなる。一方、熱ロールの表面温度を、融点又は軟化点より30℃低い温度を超えて高くすると、熱ロールに繊維の溶融分が付着して、半透膜支持体が不均一になる場合があり、均一な厚みの半透膜が得難くなる。なお、繊維の融点又は軟化点は、DSC(示差走査熱量計)によって、温度範囲25〜300℃、昇温速度10℃/minの条件で測定して求めた。
【0045】
熱圧加工処理に用いる熱ロールのニップ圧力は、好ましくは50〜250kN/mであり、より好ましくは70〜180kN/mである。加工速度は、好ましくは5〜100m/minであり、より好ましくは10〜50m/minである。
【0046】
ロールニップを構成する2本の熱ロールの半径は同一でも、異なっていても良い。熱ロール半径は100〜2000mmが好ましく、より好ましくは200〜1500mmである。ロール半径が100mm未満の場合、所望の厚みが得られにくくなり、一方、ロール半径が2000mmを超えると、表面温度のコントロールが困難になる。
【0047】
熱ロールの弾性率は、4〜22000kN/cmが好ましく、200〜21000kN/cmが好ましい。熱ロールの弾性率が4kN/cm未満だと、熱ロール表面が変形して所望の厚みが得られにくくなる。一方、弾性率が22000kN/cmを超えると、熱ロール表面が硬すぎてシートがシワになるおそれがある。
【0048】
本発明の半透膜支持体は、各層の繊維配合が同一である多層構造であっても良く、繊維配合の異なる層が積層されてなる多層構造であっても良い。この場合、各層の坪量が下がることにより、スラリーの繊維濃度を下げることができるため、シートの地合が良くなり、その結果、塗布面の平滑性や均一性が向上する。また、各層の地合が不均一であった場合でも、積層することで補填できる。さらに、抄紙速度を上げることができ、操業性が向上する。
【0049】
半透膜支持体の坪量は、特に限定しないが、20.0〜150.0g/mが好ましく、より好ましくは50.0〜100.0g/mである。20.0g/m未満の場合は、十分な引張強度が得られない場合がある。また、150.0g/mを超えた場合、通液抵抗が高くなる場合や厚みが増してユニットやモジュール内に規定量の半透膜を収納できない場合がある。
【0050】
また、半透膜支持体の密度は、0.50〜1.20g/cmであることが好ましく、より好ましくは0.60〜1.00g/cmである。半透膜支持体の密度が0.50g/cm未満の場合は、厚みが厚くなるため、ユニットに組み込める半透膜の面積が小さくなってしまい、結果として、半透膜のライフが短くなってしまうことがある。一方、1.20g/cmを超える場合は、通液性が低くなることがあり、半透膜のライフが短くなる場合がある。
【0051】
半透膜支持体の厚みは、60.0〜150.0μmであることが好ましく、70.0〜130.0μmであることがより好ましく、80.0〜120.0μmであることがさらに好ましい。半透膜支持体の厚みが150.0μmを超えると、ユニットに組み込める半透膜の面積が小さくなってしまい、結果として、半透膜のライフが短くなってしまうことがある。一方、60.0μm未満の場合、十分な引張強度が得られない場合や通液性が低くなって、半透膜のライフが短くなる場合がある。
【実施例】
【0052】
本発明を実施例によりさらに詳細に説明する。以下、特にことわりのないかぎり、実施例に記載される部及び比率は質量を基準とする。
【0053】
(坪量)
JIS P8124に準拠して、坪量を測定した。
【0054】
(厚さ)
JIS P8118に準じ、厚さを測定した。
【0055】
(収縮率)
半透膜支持体より、横25cm、縦20cmのサンプルを切り出した後、サンプルの中央部を基点として、横方向と縦方向について、サンプルの端から端まで、鉛筆で十字に印を入れる。鉛筆で印を入れた部分について、横方向と縦方向のそれぞれの長さを0.5mm単位で測定する。その後、サンプルを90℃の湯浴に10分間浸した後に、23℃、相対湿度50%の条件下で1時間風乾する。風乾後のサンプルについて、鉛筆で印を入れた部分の横方向と縦方向のそれぞれの長さを0.5mm単位で測定した後、収縮率を次式より算出した。
【0056】
収縮率(%)=(湯浴に浸漬後の鉛筆で印を入れた部位の寸法(mm)−湯浴に浸漬前の鉛筆で印を入れた部位の寸法(mm))/(湯浴に浸漬前の鉛筆で印を入れた部位の寸法(mm))×100
【0057】
(平滑性)
JIS P8119に準じ、ベック平滑度試験機を用いて測定した。
【0058】
(フラジール(FG)通気度)
通気性試験機(カトーテック株式会社製、商品名:KES−F8−AP1)を使用して、JIS L1096に示す方法で測定を行った。
【0059】
(半透膜溶液の塗布)
一定のクリアランスを有する定速塗布装置(商品名:Automatic Film Applicator、安田精機社製)を用いて、半透膜支持体の塗布面にポリスルホン(SIGMA−ALDRICH Corporation製、重量平均分子量M<35,000、数平均分子量M<16,000、商品番号428302)のジメチルホルムアミド(DMF)溶液(濃度:18%)を塗布し、水洗、乾燥を行い、塗布面表面に厚み50μmのポリスルホン膜を形成させて半透膜を作製した。
【0060】
(半透膜厚み均一性)
(半透膜溶液の塗布)で得られた半透膜の断面SEM写真を撮影した。その後、SEM写真で任意の場所10点における半透膜の厚みを測定し、その厚みの最大部分から最小部分の厚みの差(μm)を求めた。この差が8μm以内であれば許容範囲である。
【0061】
(非塗布面接着性)
(半透膜溶液の塗布)で半透膜を作製した半透膜支持体の非塗布面同士の間に、加温して溶融させた酢酸ビニル系接着剤を塗布して、直ぐに加圧して接着させた。接着後、サンプルを幅25mm、長さ200mmに裁断し、引張試験機(商品名:STA−1150テンシロン引張試験機、オリエンテック社製)を使用し、剥離角度180度、剥離速度100mm/minで接着部の剥離テストを行い、非塗布面接着性を評価した。
【0062】
◎:剥離強度が極めて高く、半透膜支持体層内部で剥離が起こっている。
○:剥離強度が高く、接着剤と半透膜支持体間で部分的に剥離が起こっているが、大部分の剥離は半透膜支持体層内部で剥離が起こっている。
△:剥離強度がやや高く、接着剤と半透膜支持体間での剥離が起こっているが、半透膜支持体層内部でも剥離が確認される。実用上、下限レベル。
×:剥離強度が低く、全体的に接着剤と半透膜支持体の間で剥離が起こっている。使用不可レベル。
【0063】
(半透膜溶液裏抜け)
(半透膜溶液の塗布)で得られた半透膜の断面SEM写真を撮影して、ポリスルホンの半透膜支持体への滲み込み度合いを評価した。
【0064】
◎:ポリスルホンが半透膜支持体の中心付近までしか滲み込んでいない。非常に良好なレベル。
○:ポリスルホンが半透膜支持体の非塗布面に滲み出ていない。良好なレベル。
△:ポリスルホンが半透膜支持体の非塗布面に一部滲み出ている。実用上、下限レベル。
×:ポリスルホンが半透膜支持体の非塗布面に滲み出ている。実用上、使用不可レベル。
【0065】
(半透膜接着性)
(半透膜溶液の塗布)で得られた半透膜に関して、ポリスルホン樹脂からなる半透膜と半透膜支持体間の接着度合いを、剥離するときの抵抗度合いで判断した。
【0066】
◎:半透膜と半透膜支持体の接着性が非常に高く、剥離できない。非常に良好なレベル。
○:部分的に剥離しやすい所が存在する。良好なレベル。
△:半透膜と半透膜支持体とが接着はしているが、全体的に剥離しやすい。実用上、下限レベル。
×:半透膜塗布後の水洗又は乾燥工程で剥離が発生する。使用不可レベル。
【0067】
(半透膜溶液塗布前後のシワ)
(半透膜溶液の塗布)において、シワの発生を目視で観察した。
【0068】
半透膜溶液塗布前のシワ評価
○:ポリスルホン塗布前の段階で半透膜支持体に弛みがなく、ポリスルホン塗布条件によらずシワが発生しない。
△:ポリスルホン塗布前に半透膜支持体にシワは発生していないが、やや弛みが発生しており、ポリスルホン塗布条件次第では、シワの発生が懸念される。
×:ポリスルホン塗布条件によらず、ポリスルホン塗布前にシワが発生する。
【0069】
半透膜溶液塗布後のシワ評価
○:ポリスルホン塗布後に温水に浸漬させた際に、半透膜支持体に弛みがなく、温水浸漬条件によらずシワが発生しない。
△:ポリスルホン塗布後に温水に浸漬させた際に、半透膜支持体にシワは発生していないが、やや弛みが発生しており、温水浸漬条件次第では、シワの発生が懸念される。
×:ポリスルホン塗布後の温水浸漬条件によらず、シワが発生する。
【0070】
(実施例1)
主体繊維として、繊維配合を繊維径7.9μm、繊維長5mmの延伸ポリエステル系繊維を10質量%、繊維径12.5μm、繊維長5mmの延伸ポリエステル系繊維を50質量%、繊維径17.5μm、繊維長5mmの延伸ポリエステル系繊維を10質量%、バインダー繊維として、繊維径10.5μm、繊維長5mm、融点260℃の未延伸ポリエステル系バインダー繊維30質量%を水に混合分散し、円網抄紙機で湿紙を形成した後、表面温度130℃のヤンキードライヤーにて熱圧乾燥し、坪量79.5g/m、主体繊維の平均繊維径12.6μmのシートを得た。
【0071】
得られたシートを、図1(A)に示すような、2本の金属ロール(半径450mm、弾性率21000kN/cm)からなる第一及び第二ロールニップが連続して設置されている熱圧加工処理装置を用いて、第一及び第二ロールニップとも、両金属ロールの表面温度を220℃、ニップ圧力100kN/m、第一ニップ前の張力を0.10kN/m、第一ニップ後の張力を0.05kN/m、第二ニップ前後の張力を0.30kN/m、加工速度30m/minの条件で加工し、半透膜支持体を得た。なお、上の金属ロールに触れる面を塗布面とした。第一ニップ前後と第二ニップ前後には、それぞれ張力制御装置が付属しており、各ロールニップ前後の張力を独立して制御することができる。
【0072】
(実施例2)
第一ニップ後の張力を0.10kN/mとした以外は、実施例1と同様にして、半透膜支持体を得た。なお、上の金属ロールに触れる面を塗布面とした。
【0073】
(実施例3)
第一ニップ後の張力を0.20kN/mとした以外は、実施例1と同様にして、半透膜支持体を得た。なお、上の金属ロールに触れる面を塗布面とした。
【0074】
(比較例1)
第一ニップ後の張力を0.03kN/mとした以外は、実施例1と同様にして、半透膜支持体を得た。なお、上の金属ロールに触れる面を塗布面とした。
【0075】
(比較例2)
第一ニップ後の張力を0.25kN/mとした以外は、実施例1と同様にして、半透膜支持体を得た。なお、上の金属ロールに触れる面を塗布面とした。
【0076】
(比較例3)
第一ニップ後の張力を0.30kN/mとした以外は、実施例1と同様にして、半透膜支持体を得た。なお、上の金属ロールに触れる面を塗布面とした。
【0077】
(比較例4)
第一ニップ後の張力を0.45kN/mとした以外は、比較例1と同様にして、半透膜支持体を得た。なお、上の金属ロールに触れる面を塗布面とした。
【0078】
(実施例4)
第一ニップ後の張力を0.10kN/mとし、第二ニップ前後の張力を0.05kN/mとした以外は、実施例1と同様にして、半透膜支持体を得た。なお、上の金属ロールに触れる面を塗布面とした。
【0079】
(実施例5)
第二ニップ前後の張力を0.10kN/mとした以外は、実施例4と同様にして、半透膜支持体を得た。なお、上の金属ロールに触れる面を塗布面とした。
【0080】
(実施例6)
第二ニップ前後の張力を0.20kN/mとした以外は、実施例4と同様にして、半透膜支持体を得た。なお、上の金属ロールに触れる面を塗布面とした。
【0081】
(実施例7)
第二ニップ前後の張力を0.40kN/mとした以外は、実施例4と同様にして、半透膜支持体を得た。なお、上の金属ロールに触れる面を塗布面とした。
【0082】
(実施例8)
実施例1で湿式抄造法で得られたシートを、図1(B)に示すような、2本の金属ロール(半径450mm、弾性率21000kN/cm)からなる第一ロールニップと、金属ロール(半径450mm、弾性率21000kN/cm)と弾性ロール(半径450mm、弾性率250kN/cm)からなる第二のロールニップとが連続で設置されている熱圧加工処理装置を用いて、第一及び第二ロールニップとも、金属ロールの表面温度を220℃、ニップ圧力100kN/m、第一ニップ前後の張力を0.10kN/m、第二ニップ前後の張力を0.30kN/m、加工速度30m/minの条件で加工し、半透膜支持体を得た。なお、上の金属ロールに触れる面を塗布面とした。
【0083】
(実施例9)
第一ニップ後の張力を0.25kN/mとした以外は、実施例4と同様にして、半透膜支持体を得た。なお、上の金属ロールに触れる面を塗布面とした。
【0084】
(実施例10)
第一ニップ後の張力を0.25kN/mとした以外は、実施例5と同様にして、半透膜支持体を得た。なお、上の金属ロールに触れる面を塗布面とした。
【0085】
(実施例11)
第一ニップ後の張力を0.25kN/mとした以外は、実施例6と同様にして、半透膜支持体を得た。なお、上の金属ロールに触れる面を塗布面とした。
【0086】
(実施例12)
第一ニップ後の張力を0.30kN/mとした以外は、実施例4と同様にして、半透膜支持体を得た。なお、上の金属ロールに触れる面を塗布面とした。
【0087】
(実施例13)
第一ニップ後の張力を0.30kN/mとした以外は、実施例5と同様にして、半透膜支持体を得た。なお、上の金属ロールに触れる面を塗布面とした。
【0088】
(実施例14)
第一ニップ後の張力を0.30kN/mとした以外は、実施例6と同様にして、半透膜支持体を得た。なお、上の金属ロールに触れる面を塗布面とした。
【0089】
(実施例15)
第一ニップ後の張力を0.40kN/mとした以外は、実施例4と同様にして、半透膜支持体を得た。なお、上の金属ロールに触れる面を塗布面とした。
【0090】
(実施例16)
第一ニップ後の張力を0.40kN/mとした以外は、実施例5と同様にして、半透膜支持体を得た。なお、上の金属ロールに触れる面を塗布面とした。
【0091】
(実施例17)
第一ニップ後の張力を0.40kN/mとした以外は、実施例6と同様にして、半透膜支持体を得た。なお、上の金属ロールに触れる面を塗布面とした。
【0092】
(比較例5)
第一ニップ後の張力を0.25kN/m、第二ニップ前後の張力を0.25kN/mとした以外は、実施例1と同様にして、半透膜支持体を得た。なお、上の金属ロールに触れる面を塗布面とした。
【0093】
(比較例6)
第一ニップ後の張力を0.40kN/m、第二ニップ前後の張力を0.25kN/mとした以外は、実施例1と同様にして、半透膜支持体を得た。なお、上の金属ロールに触れる面を塗布面とした。
【0094】
(比較例7)
第一ニップ後の張力を0.45kN/m、第二ニップ前後の張力を0.05kN/mとした以外は、実施例1と同様にして、半透膜支持体を得た。なお、上の金属ロールに触れる面を塗布面とした。
【0095】
(比較例8)
第一ニップ後の張力を0.25kN/m、第二ニップ前後の張力を0.03kN/mとした以外は、実施例1と同様にして、半透膜支持体を得た。なお、上の金属ロールに触れる面を塗布面とした。
【0096】
(実施例18)
第一ニップ後の張力を0.25kN/m、第二ニップ前後の張力を0.10kN/mとした以外は、実施例8と同様にして、半透膜支持体を得た。なお、上の金属ロールに触れる面を塗布面とした。
【0097】
(実施例19)
第一及び第二ロールニップとも、両金属ロールの表面温度を200℃とした以外は、実施例2と同様にして、半透膜支持体を得た。なお、上の金属ロールに触れる面を塗布面とした。
【0098】
(実施例20)
第一及び第二ロールニップとも、両金属ロールの表面温度を210℃とした以外は、実施例2と同様にして、半透膜支持体を得た。なお、上の金属ロールに触れる面を塗布面とした。
【0099】
(実施例21)
第一及び第二ロールニップとも、両金属ロールの表面温度を230℃とした以外は、実施例2と同様にして、半透膜支持体を得た。なお、上の金属ロールに触れる面を塗布面とした。
【0100】
(実施例22)
第一及び第二ロールニップとも、両金属ロールの表面温度を190℃とした以外は、実施例2と同様にして、半透膜支持体を得た。なお、上の金属ロールに触れる面を塗布面とした。
【0101】
(実施例23)
第一及び第二ロールニップとも、両金属ロールの表面温度を195℃とした以外は、実施例2と同様にして、半透膜支持体を得た。なお、上の金属ロールに触れる面を塗布面とした。
【0102】
(実施例24)
第一及び第二ロールニップとも、両金属ロールの表面温度を235℃とした以外は、実施例2と同様にして、半透膜支持体を得た。なお、上の金属ロールに触れる面を塗布面とした。
【0103】
(実施例25)
第一及び第二ロールニップとも、両金属ロールの表面温度を240℃とした以外は、実施例2と同様にして、半透膜支持体を得た。なお、上の金属ロールに触れる面を塗布面とした。
【0104】
(実施例26)
第一及び第二ロールニップとも、両金属ロールの表面温度を200℃とした以外は、実施例10と同様にして、半透膜支持体を得た。なお、上の金属ロールに触れる面を塗布面とした。
【0105】
(実施例27)
第一及び第二ロールニップとも、両金属ロールの表面温度を210℃とした以外は、実施例10と同様にして、半透膜支持体を得た。なお、上の金属ロールに触れる面を塗布面とした。
【0106】
(実施例28)
第一及び第二ロールニップとも、両金属ロールの表面温度を230℃とした以外は、実施例10と同様にして、半透膜支持体を得た。なお、上の金属ロールに触れる面を塗布面とした。
【0107】
(実施例29)
第一及び第二ロールニップとも、両金属ロールの表面温度を190℃とした以外は、実施例10と同様にして、半透膜支持体を得た。なお、上の金属ロールに触れる面を塗布面とした。
【0108】
(実施例30)
第一及び第二ロールニップとも、両金属ロールの表面温度を195℃とした以外は、実施例10と同様にして、半透膜支持体を得た。なお、上の金属ロールに触れる面を塗布面とした。
【0109】
(実施例31)
第一及び第二ロールニップとも、両金属ロールの表面温度を235℃とした以外は、実施例2と同様にして、半透膜支持体を得た。なお、上の金属ロールに触れる面を塗布面とした。
【0110】
(実施例32)
第一及び第二ロールニップとも、両金属ロールの表面温度を240℃とした以外は、実施例10と同様にして、半透膜支持体を得た。なお、上の金属ロールに触れる面を塗布面とした。
【0111】
(実施例33)
主体繊維として、繊維配合を繊維径7.9μm、繊維長5mmの延伸ポリエステル系繊維を10質量%、繊維径12.5μm、繊維長5mmの延伸ポリエステル系繊維を60質量%、繊維径17.5μm、繊維長5mmの延伸ポリエステル系繊維を10質量%、バインダー繊維として、繊維径10.5μm、繊維長5mm、融点260℃の未延伸ポリエステル系バインダー繊維20質量%を水に混合分散し、円網抄紙機で湿紙を形成した後、表面温度130℃のヤンキードライヤーにて熱圧乾燥し、坪量79.1g/m、主体繊維の平均繊維径12.6μmのシートを得た。
【0112】
得られたシートを、図1(A)に示すような、2本の金属ロール(半径450mm、弾性率21000kN/cm)からなる第一及び第二ロールニップが連続して設置されている熱圧加工処理装置を用いて、第一及び第二ロールニップとも、両金属ロールの表面温度を220℃、ニップ圧力100kN/m、第一ニップ前後の張力を0.10kN/m、第二ニップ前後の張力を0.30kN/m、加工速度30m/minの条件で加工し、半透膜支持体を得た。なお、上の金属ロールに触れる面を塗布面とした。
【0113】
(実施例34)
主体繊維として、繊維配合を繊維径7.9μm、繊維長5mmの延伸ポリエステル系繊維を10質量%、繊維径12.5μm、繊維長5mmの延伸ポリエステル系繊維を40質量%、繊維径17.5μm、繊維長5mmの延伸ポリエステル系繊維を10質量%、バインダー繊維として、繊維径10.5μm、繊維長5mm、融点260℃の未延伸ポリエステル系バインダー繊維40質量%を水に混合分散し、円網抄紙機で湿紙を形成した後、表面温度130℃のヤンキードライヤーにて熱圧乾燥し、坪量79.6g/m、主体繊維の平均繊維径12.6μmのシートを得た。
【0114】
得られたシートを、図1(A)に示すような、2本の金属ロール(半径450mm、弾性率21000kN/cm)からなる第一及び第二ロールニップが連続して設置されている熱圧加工処理装置を用いて、第一及び第二ロールニップとも、両金属ロールの表面温度を220℃、ニップ圧力100kN/m、第一ニップ前後の張力を0.10kN/m、第二ニップ前後の張力を0.30kN/m、加工速度30m/minの条件で加工し、半透膜支持体を得た。なお、上の金属ロールに触れる面を塗布面とした。
【0115】
(実施例35)
主体繊維として、繊維配合を繊維径7.9μm、繊維長5mmの延伸ポリエステル系繊維を15質量%、繊維径12.5μm、繊維長5mmの延伸ポリエステル系繊維を60質量%、繊維径17.5μm、繊維長5mmの延伸ポリエステル系繊維を10質量%、バインダー繊維として、繊維径10.5μm、繊維長5mm、融点260℃の未延伸ポリエステル系バインダー繊維15質量%を水に混合分散し、円網抄紙機で湿紙を形成した後、表面温度130℃のヤンキードライヤーにて熱圧乾燥し、坪量79.0g/m、主体繊維の平均繊維径12.3μmのシートを得た。
【0116】
得られたシートを、図1(A)に示すような、2本の金属ロール(半径450mm、弾性率21000kN/cm)からなる第一及び第二ロールニップが連続して設置されている熱圧加工処理装置を用いて、第一及び第二ロールニップとも、両金属ロールの表面温度を220℃、ニップ圧力100kN/m、第一ニップ前後の張力を0.10kN/m、第二ニップ前後の張力を0.30kN/m、加工速度30m/minの条件で加工し、半透膜支持体を得た。なお、上の金属ロールに触れる面を塗布面とした。
【0117】
(実施例36)
主体繊維として、繊維配合を繊維径7.9μm、繊維長5mmの延伸ポリエステル系繊維を5質量%、繊維径12.5μm、繊維長5mmの延伸ポリエステル系繊維を45質量%、繊維径17.5μm、繊維長5mmの延伸ポリエステル系繊維を5質量%、バインダー繊維として、繊維径10.5μm、繊維長5mm、融点260℃の未延伸ポリエステル系バインダー繊維45質量%を水に混合分散し、円網抄紙機で湿紙を形成した後、表面温度130℃のヤンキードライヤーにて熱圧乾燥し、坪量79.6g/m、主体繊維の平均繊維径12.5μmのシートを得た。
【0118】
得られたシートを、図1(A)に示すような、2本の金属ロール(半径450mm、弾性率21000kN/cm)からなる第一及び第二ロールニップが連続して設置されている熱圧加工処理装置を用いて、第一及び第二ロールニップとも、両金属ロールの表面温度を220℃、ニップ圧力100kN/m、第一ニップ前後の張力を0.10kN/m、第二ニップ前後の張力を0.30kN/m、加工速度30m/minの条件で加工し、半透膜支持体を得た。なお、上の金属ロールに触れる面を塗布面とした。
【0119】
(実施例37)
第一ニップ後の張力を0.25kN/m、第二ニップ前後の張力を0.10kN/mとした以外は、実施例33と同様にして、半透膜支持体を得た。なお、上の金属ロールに触れる面を塗布面とした。
【0120】
(実施例38)
第一ニップ後の張力を0.25kN/m、第二ニップ前後の張力を0.10kN/mとした以外は、実施例34と同様にして、半透膜支持体を得た。なお、上の金属ロールに触れる面を塗布面とした。
【0121】
(実施例39)
第一ニップ後の張力を0.25kN/m、第二ニップ前後の張力を0.10kN/mとした以外は、実施例35と同様にして、半透膜支持体を得た。なお、上の金属ロールに触れる面を塗布面とした。
【0122】
(実施例40)
第一ニップ後の張力を0.25kN/m、第二ニップ前後の張力を0.10kN/mとした以外は、実施例36と同様にして、半透膜支持体を得た。なお、上の金属ロールに触れる面を塗布面とした。
【0123】
(実施例41)
主体繊維として、繊維配合を繊維径5.3μm、繊維長5mmの延伸ポリエステル系繊維を20質量%、繊維配合を繊維径7.9μm、繊維長5mmの延伸ポリエステル系繊維を50質量%、バインダー繊維として、繊維径10.5μm、繊維長5mm、融点260℃の未延伸ポリエステル系バインダー繊維30質量%を水に混合分散し、円網抄紙機で湿紙を形成した後、表面温度130℃のヤンキードライヤーにて熱圧乾燥し、坪量79.3g/m、主体繊維の平均繊維径7.2μmのシートを得た。
【0124】
得られたシートを、図1(A)に示すような、2本の金属ロール(半径450mm、弾性率21000kN/cm)からなる第一及び第二ロールニップが連続して設置されている熱圧加工処理装置を用いて、第一及び第二ロールニップとも、両金属ロールの表面温度を220℃、ニップ圧力100kN/m、第一ニップ前後の張力を0.10kN/m、第二ニップ前後の張力を0.30kN/m、加工速度30m/minの条件で加工し、半透膜支持体を得た。なお、上の金属ロールに触れる面を塗布面とした。
【0125】
(実施例42)
主体繊維として、繊維配合を繊維径7.9μm、繊維長5mmの延伸ポリエステル系繊維を10質量%、繊維径12.5μm、繊維長5mmの延伸ポリエステル系繊維を10質量%、繊維径17.5μm、繊維長5mmの延伸ポリエステル系繊維を50質量%、バインダー繊維として、繊維径10.5μm、繊維長5mm、融点260℃の未延伸ポリエステル系バインダー繊維30質量%を水に混合分散し、円網抄紙機で湿紙を形成した後、表面温度130℃のヤンキードライヤーにて熱圧乾燥し、坪量79.1g/m、主体繊維の平均繊維径15.4μmのシートを得た。
【0126】
得られたシートを、図1(A)に示すような、2本の金属ロール(半径450mm、弾性率21000kN/cm)からなる第一及び第二ロールニップが連続して設置されている熱圧加工処理装置を用いて、第一及び第二ロールニップとも、両金属ロールの表面温度を220℃、ニップ圧力100kN/m、第一ニップ前後の張力を0.10kN/m、第二ニップ前後の張力を0.30kN/m、加工速度30m/minの条件で加工し、半透膜支持体を得た。なお、上の金属ロールに触れる面を塗布面とした。
【0127】
(実施例43)
主体繊維として、繊維配合を繊維径7.9μm、繊維長5mmの延伸ポリエステル系繊維を10質量%、繊維径12.5μm、繊維長5mmの延伸ポリエステル系繊維を15質量%、繊維径24.7μm、繊維長5mmの延伸ポリエステル系繊維を45質量%、バインダー繊維として、繊維径10.5μm、繊維長5mm、融点260℃の未延伸ポリエステル系バインダー繊維30質量%を水に混合分散し、円網抄紙機で湿紙を形成した後、表面温度130℃のヤンキードライヤーにて熱圧乾燥し、坪量79.8g/m、主体繊維の平均繊維径19.7μmのシートを得た。
【0128】
得られたシートを、図1(A)に示すような、2本の金属ロール(半径450mm、弾性率21000kN/cm)からなる第一及び第二ロールニップが連続して設置されている熱圧加工処理装置を用いて、第一及び第二ロールニップとも、両金属ロールの表面温度を220℃、ニップ圧力100kN/m、第一ニップ前後の張力を0.10kN/m、第二ニップ前後の張力を0.30kN/m、加工速度30m/minの条件で加工し、半透膜支持体を得た。なお、上の金属ロールに触れる面を塗布面とした。
【0129】
(実施例44)
主体繊維として、繊維配合を繊維径5.3μm、繊維長5mmの延伸ポリエステル系繊維を70質量%、バインダー繊維として、繊維径10.5μm、繊維長5mm、融点260℃の未延伸ポリエステル系バインダー繊維30質量%を水に混合分散し、円網抄紙機で湿紙を形成した後、表面温度130℃のヤンキードライヤーにて熱圧乾燥し、坪量79.9g/m、主体繊維の平均繊維径5.3μmのシートを得た。
【0130】
得られたシートを、図1(A)に示すような、2本の金属ロール(半径450mm、弾性率21000kN/cm)からなる第一及び第二ロールニップが連続して設置されている熱圧加工処理装置を用いて、第一及び第二ロールニップとも、両金属ロールの表面温度を220℃、ニップ圧力100kN/m、第一ニップ前後の張力を0.10kN/m、第二ニップ前後の張力を0.30kN/m、加工速度30m/minの条件で加工し、半透膜支持体を得た。なお、上の金属ロールに触れる面を塗布面とした。
【0131】
(実施例45)
主体繊維として、繊維配合を繊維径12.5μm、繊維長5mmの延伸ポリエステル系繊維を10質量%、繊維径24.7μm、繊維長5mmの延伸ポリエステル系繊維を60質量%、バインダー繊維として、繊維径10.5μm、繊維長5mm、融点260℃の未延伸ポリエステル系バインダー繊維30質量%を水に混合分散し、円網抄紙機で湿紙を形成した後、表面温度130℃のヤンキードライヤーにて熱圧乾燥し、坪量79.6g/m、主体繊維の平均繊維径23.0μmのシートを得た。
【0132】
得られたシートを、図1(A)に示すような、2本の金属ロール(半径450mm、弾性率21000kN/cm)からなる第一及び第二ロールニップが連続して設置されている熱圧加工処理装置を用いて、第一及び第二ロールニップとも、両金属ロールの表面温度を220℃とし、ニップ圧力100kN/m、第一ニップ前後の張力を0.10kN/m、第二ニップ前後の張力を0.30kN/m、加工速度30m/minの条件で加工し、半透膜支持体を得た。なお、上の金属ロールに触れる面を塗布面とした。
【0133】
(実施例46)
第一ニップ後の張力を0.25kN/m、第二ニップ前後の張力を0.10kN/mとした以外は、実施例41と同様にして、半透膜支持体を得た。なお、上の金属ロールに触れる面を塗布面とした。
【0134】
(実施例47)
第一ニップ後の張力を0.25kN/m、第二ニップ前後の張力を0.10kN/mとした以外は、実施例42と同様にして、半透膜支持体を得た。なお、上の金属ロールに触れる面を塗布面とした。
【0135】
(実施例48)
第一ニップ後の張力を0.25kN/m、第二ニップ前後の張力を0.10kN/mとした以外は、実施例43と同様にして、半透膜支持体を得た。なお、上の金属ロールに触れる面を塗布面とした。
【0136】
(実施例49)
第一ニップ後の張力を0.25kN/m、第二ニップ前後の張力を0.10kN/mとした以外は、実施例44と同様にして、半透膜支持体を得た。なお、上の金属ロールに触れる面を塗布面とした。
【0137】
(実施例50)
第一ニップ後の張力を0.25kN/m、第二ニップ前後の張力を0.10kN/mとした以外は、実施例45と同様にして、半透膜支持体を得た。なお、上の金属ロールに触れる面を塗布面とした。
【0138】
(実施例51)
傾斜ワイヤーと円網のコンビネーションマシンを用いて、2層構造のシートを製造した。主体繊維として、繊維配合を繊維径7.9μm、繊維長5mmの延伸ポリエステル系繊維を10質量%、繊維径12.5μm、繊維長5mmの延伸ポリエステル系繊維を50質量%、繊維径17.5μm、繊維長5mmの延伸ポリエステル系繊維を10質量%、バインダー繊維として、繊維径10.5μm、繊維長5mm、融点260℃の未延伸ポリエステル系バインダー繊維30質量%を水に混合分散し、傾斜ワイヤーでZ面層の湿紙を形成した。
【0139】
主体繊維として、繊維配合を繊維径7.9μm、繊維長5mmの延伸ポリエステル系繊維を10質量%、繊維径12.5μm、繊維長5mmの延伸ポリエステル系繊維を50質量%、繊維径17.5μm、繊維長5mmの延伸ポリエステル系繊維を10質量%、バインダー繊維として、繊維径10.5μm、繊維長5mm、融点260℃の未延伸ポリエステル系バインダー繊維30質量%を水に混合分散し、円網でY面層の湿紙を形成した後、二つの湿紙を抄き合わせ、表面温度130℃のヤンキードライヤーにて熱圧乾燥し、Z面層とY面層の坪量比が1:1で、総坪量79.2g/m、主体繊維の平均繊維径12.6μmのシートを得た。なお、Z面がヤンキードライヤーに接するように熱圧乾燥した。
【0140】
得られたシートを、図1(A)に示すような、2本の金属ロール(半径450mm、弾性率21000kN/cm)からなる第一及び第二ロールニップが連続して設置されている熱圧加工処理装置を用いて、第一及び第二ロールニップとも、両金属ロールの表面温度を220℃、ニップ圧力100kN/m、第一ニップ前後の張力を0.10kN/m、第二ニップ前後の張力を0.30kN/m、加工速度30m/minの条件で加工し、半透膜支持体を得た。なお、上の金属ロールに触れる面を塗布面とした。
【0141】
(実施例52)
第一ニップ後の張力を0.25kN/m、第二ニップ前後の張力を0.10kN/mとした以外は、実施例51と同様にして、半透膜支持体を得た。なお、上の金属ロールに触れる面を塗布面とした。
【0142】
実施例及び比較例の製造条件を表1に示した。また、実施例及び比較例で得られた半透膜支持体に対して、前述の評価を行い、結果を表2〜3に示した。
【0143】
【表1】
【0144】
【表2】
【0145】
【表3】
【0146】
実施例1〜52の半透膜支持体は、熱収縮における「−横収縮率/縦収縮率」が−0.10〜0.30であるため、半透膜溶液塗布前後のシワの評価において、シワの発生を防ぐことができており、実用上使用可能なレベルを達成した。これに対して、熱収縮における「−横収縮率/縦収縮率」の値が本発明の特定要件を満たさない比較例1〜4の半透膜支持体は、半透膜溶液塗布前後のシワの評価において、シワが発生した。
【0147】
実施例1〜8、19〜25、33〜36、41〜45、51と比較例1〜4との比較から、熱圧加工処理時の第1ニップ後の張力が0.05〜0.20kN/mである実施例1〜8、19〜25、33〜36、41〜45、51の半透膜支持体は、半透膜溶液塗工前後のシワの評価においてシワの発生を防ぐことができており、実用上使用可能なレベルを達成した。これに対して、熱圧加工処理時の張力が0.05kN/mより小さい比較例1では、熱収縮における「−横収縮率/縦収縮率」が−0.10未満となり、半透膜溶液塗工後の温水浸漬時にシワが発生した。また、熱圧加工処理時の第一ニップ後の張力が0.20kN/mより大きい比較例2〜4では、熱収縮における「−横収縮率/縦収縮率」の値が0.30超となり、半透膜溶液塗工前にシワが発生した。
【0148】
実施例8は、第二ニップにおいて、弾性ロールを使用しているが、実施例2と同様に、半透膜溶液塗工前後のシワの評価においてシワの発生を防ぐことができており、実用上使用可能なレベルを達成した。
【0149】
また、実施例9〜18、26〜32、37〜40、46〜50、52と比較例5〜8との比較から、熱圧加工処理時の第一のロールニップ後の張力が0.20kN/m超0.40kN/m以下であり、第二のロールニップ前後の張力が0.05〜0.20kN/mである実施例9〜18、26〜32、37〜40、46〜50、52の半透膜支持体は、半透膜溶液塗布前後のシワの評価においてシワの発生を防ぐことができており、実用上使用可能なレベルを達成した。これに対して、第一ニップ後の張力が0.20kN/m超0.40kN/m以下の範囲内であっても、第二ニップ前後の張力が0.20kN/mを超える比較例5〜6は、熱収縮における「−横収縮率/縦収縮率」の値が0.30超となり、半透膜塗布前のシワ評価において、シワが発生した。また、第一ニップ後の張力が0.40kN/mを超える比較例7は、第二ニップ前後の張力が0.05〜0.20kN/mであるものの、熱収縮における「−横収縮率/縦収縮率」の値が0.30超となり、半透膜塗布前のシワ評価において、シワが発生した。さらに、第一ニップ後の張力が0.20kN/m超0.40kN/m以下の範囲内であっても、第二ニップ前後の張力が0.05kN/mより小さい比較例8は、熱収縮における「−横収縮率/縦収縮率」が−0.10未満となり、半透膜溶液塗工後の温水浸漬時にシワが発生した。
【0150】
実施例18は、第二ニップにおいて、弾性ロールを使用しているが、実施例10と同様に、半透膜溶液塗工前後のシワの評価においてシワの発生を防ぐことができており、実用上使用可能なレベルを達成した。
【0151】
実施例2、19〜25では、熱圧加工処理時の第1ニップ後の張力が0.05〜0.20kN/mである。実施例19〜25の比較から、熱ロールの温度が半透膜支持体に含まれるバインダー繊維の融点又は軟化点に対して−60〜−30℃である実施例2、19〜21では、半透膜溶液塗布前後のシワの評価において、シワの発生を防ぐことができており、非塗布面接着性、半透膜溶液裏抜け、半透膜接着性の評価においても、実用上使用可能なレベルであった。熱ロール温度の表面温度を、半透膜支持体に含まれるバインダー繊維の融点又は軟化点より60℃を超えて低くした実施例22〜23では、熱圧加工処理時にバインダー繊維が十分に溶融せず、フラジール(FG)通気度が高くなったため、ポリスルホン塗布後に裏抜けが一部発生しただけでなく、半透膜厚み均一性がやや劣り、実用上下限レベルであった。また、熱ロール温度の表面温度を、半透膜支持体に含まれるバインダー繊維の融点又は軟化点より30℃低い温度を超えて高くした実施例24〜25では、バインダーが溶融しすぎてフラジール(FG)通気度が低くなり、ポリスルホン塗布時にポリスルホンが半透膜支持体内部へ十分に浸透せず、半透膜接着性がやや低くなり、また、非塗布面接着性もやや低く、実用上下限レベルであった。
【0152】
実施例10、26〜32では、熱圧加工処理時の第1ニップ後の張力が0.20kN/m超0.40kN/m以下であり、第二のロールニップ前後の張力が0.05〜0.20kN/mである。実施例10、26〜32の比較から、熱ロールの温度が半透膜支持体に含まれるバインダー繊維の融点又は軟化点に対して−60〜−30℃である実施例10、26〜28では、半透膜溶液塗布前後のシワの評価において、シワの発生を防ぐことができており、非塗布面接着性、半透膜溶液裏抜け、半透膜接着性の評価においても、実用上使用可能なレベルであった。熱ロール温度の表面温度を、半透膜支持体に含まれるバインダー繊維の融点又は軟化点より60℃を超えて低くした実施例29〜30では、熱圧加工処理時にバインダー繊維が十分に溶融せず、フラジール(FG)通気度が高くなったため、ポリスルホン塗布後に裏抜けが一部発生しただけでなく、半透膜厚み均一性がやや劣り、実用上下限レベルであった。また、熱ロール温度の表面温度を、半透膜支持体に含まれるバインダー繊維の融点又は軟化点より30℃低い温度を超えて高くした実施例31〜32では、バインダーが溶融しすぎてフラジール(FG)通気度が低くなり、ポリスルホン塗布時にポリスルホンが半透膜支持体内部へ十分に浸透せず、半透膜接着性がやや低くなり、また、非塗布面接着性もやや低く、実用上下限レベルであった。
【0153】
実施例2、10、33〜40の比較から、主体繊維とバインダー繊維の含有比率が60:40〜80:20である実施例2、10、33〜34、37〜38では、半透膜溶液塗布前後のシワの評価において、シワの発生を防ぐことができており、非塗布面接着性、半透膜溶液裏抜け、半透膜接着性の評価においても、実用上使用可能なレベルであった。半透膜支持体に含まれるバインダー繊維の配合率が20質量%未満である実施例35、39では、フラジール(FG)通気度が高くなったため、ポリスルホン塗布後に裏抜けが発生しただけでなく、半透膜厚み均一性がやや劣り、実用上下限レベルであった。一方、半透膜支持体に含まれるバインダー繊維の配合率が40質量%よりも大きい実施例36、40では、フラジール(FG)通気度が低くなり、ポリスルホン塗布時にポリスルホンが半透膜支持体内部へ十分に浸透せず、半透膜接着性が低くなっただけでなく、非塗布面の平滑性が高くなったため、非塗布面同士の接着性がやや低くなり、実用上下限レベルであった。
【0154】
実施例2、10、41〜50の比較から、主体繊維の平均繊維径が7.0〜20.0μmである実施例2、10、41〜43、46〜48では、半透膜溶液塗布前後のシワの評価において、シワの発生を防ぐことができており、非塗布面接着性、半透膜溶液裏抜け、半透膜接着性の評価においても、実用上使用可能なレベルであった。主体繊維の平均繊維径が7.0μm未満の実施例44、49では、平滑度が高くなり、かつフラジール(FG)通気度が低くなったため、半透膜接着性が低下して剥離強度が低くなり、実用上下限レベルであった。一方、主体繊維の平均繊維径が20.0μmよりも大きい実施例45、50では、フラジール(FG)通気度が高くなったため、ポリスルホン塗布後に裏抜けが発生しただけでなく、平滑度が低くなったことにより、半透膜厚み均一性がやや劣り、実用上下限レベルであった。
【0155】
実施例51、52では、2層構造のシートを使用しているが、実施例2、10と同様に、半透膜溶液塗工前後のシワの評価においてシワの発生を防ぐことができており、実用上使用可能なレベルを達成した。
【産業上の利用可能性】
【0156】
本発明の半透膜支持体の製造方法は、海水の淡水化、浄水器、食品の濃縮、廃水処理、血液濾過に代表される医療用、半導体洗浄用の超純水製造等の分野で利用することができる。
【符号の説明】
【0157】
1 金属ロール
2 弾性ロール
図1