特許第6018515号(P6018515)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6018515
(24)【登録日】2016年10月7日
(45)【発行日】2016年11月2日
(54)【発明の名称】キーボード装置
(51)【国際特許分類】
   H01H 13/82 20060101AFI20161020BHJP
   G06F 3/02 20060101ALI20161020BHJP
【FI】
   H01H13/82
   G06F3/02 310A
【請求項の数】5
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2013-21078(P2013-21078)
(22)【出願日】2013年2月6日
(65)【公開番号】特開2014-154268(P2014-154268A)
(43)【公開日】2014年8月25日
【審査請求日】2015年12月1日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005186
【氏名又は名称】株式会社フジクラ
(74)【代理人】
【識別番号】110000486
【氏名又は名称】とこしえ特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】松島 康介
(72)【発明者】
【氏名】立川 泰之
【審査官】 澤崎 雅彦
(56)【参考文献】
【文献】 特開2002−140954(JP,A)
【文献】 特開平2−228721(JP,A)
【文献】 実開昭61−196420(JP,U)
【文献】 実開平1−70234(JP,U)
【文献】 実開昭60−59428(JP,U)
【文献】 特開2011−60112(JP,A)
【文献】 特開2014−75110(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01H 13/82
G06F 3/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のシートと、相互に隣り合うように前記第1のシートに設けられた複数の第1の電極と、を有する第1の基板と、
第2のシートと、前記第1の電極にそれぞれ対向するように前記第2のシートに設けられた複数の第2の電極と、を有する第2の基板と、
前記第1の基板と前記第2の基板との間に介在し、前記第1の電極及び前記第2の電極に対応する箇所に開口を有するスペーサと、
を有する回路基板を備えたキーボード装置であって、
前記回路基板は、
前記第1のシート上において、個々の前記第1の電極を囲うように前記第1の電極の周囲に設けられた複数の第1のドットと、
前記第1のドットの間に延在し、前記第1の基板と前記スペーサを付着させる第1の粘着材と、をさらに有しており、
前記第1のドットと前記第1の粘着材の端部との間に第1の間隙部が形成されていることを特徴とするキーボード装置。
【請求項2】
請求項1に記載のキーボード装置であって、
前記第1の電極の周囲に形成された複数の前記第1の間隙部のうちの少なくとも一つは、前記第1の電極に隣り合う他の前記第1の電極の周囲に設けられた前記第1のドット又は前記第1の粘着材に対向していることを特徴とするキーボード装置。
【請求項3】
請求項1〜2の何れかに記載のキーボード装置であって、
前記キーボード装置は、前記第1の電極に対応するように前記回路基板よりも上方に設けられたキートップをさらに備え、
平面視において、前記キートップの外縁が、前記スペーサの前記開口内に収まっていることを特徴とするキーボード装置。
【請求項4】
請求項1〜3の何れかに記載のキーボード装置であって、
前記第1の電極は、略矩形形状を有しており、
前記第1の電極の外縁の少なくとも1つの辺に沿うように複数の前記第1のドットが並んで配置されていることを特徴とするキーボード装置。
【請求項5】
請求項2に記載のキーボード装置であって、
前記第1の電極は、相互に対向する一対の長辺と、相互に対向する一対の短辺と、を有する形状を有しており、
前記第1の電極と、前記第1の電極に隣り合う他の前記第1の電極と、は、前記第1の電極の長辺と、前記第1の電極に隣り合う他の前記第1の電極の長辺と、が対向するように相互に隣り合っていることを特徴とするキーボード装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ノート型パソコンやタブレット端末等に用いられるキーボード装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
開口を有するスペーサが介装された一対のシートを有する回路基板の上方にキートップが設けられており、当該キートップを当該回路基板から離隔方向に付勢するための付勢手段としてラバードームを有するキーボード装置が知られている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−060112号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のキーボード装置では、当該ラバードームが存在しているためキーボード装置全体の薄型化が難しいという問題がある。これに対し、上部シートの弾性力を利用することでラバードームをなくしてキーボード装置の薄型化を図ることはできる。しかしながら、当該上部シートにより十分な弾性力を得ようとすると、スペーサの開口を大きくする必要があり、これに伴って接点同士が接触する面積も拡大する。そのため、入力時に当該接点同士が密着してしまい、入力終了後も接点同士が暫く離れず、適切な入力操作ができない場合があるという問題がある。
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、装置全体を薄型化することができると共に、適切な入力操作を行うことができるキーボード装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
[1]本発明に係るキーボード装置は、第1のシートと、相互に隣り合うように前記第1のシートに設けられた複数の第1の電極と、を有する第1の基板と、第2のシートと、前記第1の電極にそれぞれ対向するように前記第2のシートに設けられた複数の第2の電極と、を有する第2の基板と、前記第1の基板と前記第2の基板との間に介在し、前記第1の電極及び前記第2の電極に対応する箇所に開口を有するスペーサと、を有する回路基板を備えたキーボード装置であって、前記回路基板は、前記第1のシート上において、個々の前記第1の電極を囲うように前記第1の電極の周囲に設けられた複数の第1のドットと、前記第1のドットの間に延在し、前記第1の基板と前記スペーサを付着させる第1の粘着材と、をさらに有しており、前記第1のドットと前記第1の粘着材の端部との間に第1の間隙部が形成されていることを特徴とする。
【0007】
[2]上記発明において、前記第1の電極の周囲に形成された複数の前記第1の間隙部のうちの少なくとも一つは、前記第1の電極に隣り合う他の前記第1の電極の周囲に設けられた前記第1のドット又は前記第1の粘着材に対向していてもよい。
【0008】
[3]上記発明において、前記キーボード装置は、前記第1の電極に対応するように前記回路基板よりも上方に設けられたキートップをさらに備え、平面視において、前記キートップの外縁が、前記スペーサの前記開口内に収まっていてもよい。
【0009】
[4]上記発明において、前記第1の電極は、略矩形形状を有しており、前記第1の電極の外縁の少なくとも1つの辺に沿うように複数の前記第1のドットが並んで配置されていてもよい。
【0010】
[5]上記発明において、前記第1の電極は、相互に対向する一対の長辺と、相互に対向する一対の短辺と、を有する形状を有しており、前記第1の電極と、前記第1の電極に隣り合う他の前記第1の電極と、は、前記第1の電極の長辺と、前記第1の電極に隣り合う他の前記第1の電極の長辺と、が対向するように相互に隣り合っていてもよい。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、第1のシート上における第1の電極の周囲を囲うように複数の第1のドットが当該第1のシートに設けられており、複数の当該第1のドットの間に設けられた第1の粘着材によって第1の基板とスペーサとが付着している。これにより、入力操作後の電極同士が密着したまま離れにくくなるのを抑制できるため、キーボード装置による適切な入力操作が可能となる。
【0012】
また、本発明に係るキーボード装置は、キートップを回路基板から離隔方向に付勢するためのラバードーム等の付勢手段を当該キーボードの上方に設ける必要がないため、キーボード装置全体を薄型化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1は、本発明におけるキーボード装置を示す分解斜視図である。
図2図2は、本発明におけるキーボード装置の第1の基板を示す平面図である。
図3図3は、本発明のキーボード装置における回路基板の変形例を示す分解斜視図である。
図4図4は、図1のIV-IV線に沿った断面図である。
図5図5は、図2のV部の拡大図である。
図6図6は、第1のドット及び第1の粘着材の配置の変形例を示す拡大図である。
図7図7は、本発明におけるキーボード装置の変形例を示す分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0015】
図1は本実施形態におけるキーボード装置1を示す分解斜視図であり、図2は本実施形態におけるキーボード装置1の第1の基板10を示す平面図であり、図3は回路基板の変形例を示す分解斜視図であり、図4は本実施形態におけるキーボード装置1を示す断面図であり、図5図2のV部の拡大図であり、図6は第1のドット及び第1の粘着材の配置の変形例を示す拡大図である。
【0016】
本実施形態におけるキーボード装置1は、図1に示すように、回路基板2と、当該回路基板2の上方に設けられたキートップ60と、を備えている。
【0017】
回路基板2は、第1の基板10と、第2の基板30と、それら第1及び第2の基板10、30の間に介装されたスペーサ50と、から構成されている。第1の基板10は、第1のシート11と、当該第1のシート11上に設けられた複数の第1の電極20と、を備えている。同様に、第2の基板30は、第2のシート31と、当該第2のシート31上に設けられた複数の第2の電極40と、を備えている。
【0018】
第1のシート11は、図1に示すように、全ての第1の電極20を包含するように連続的に拡がっている形状を有しており、例えばポリエチレンテレフタレート(PET:Polyethylene terephthalate)やポリエチレンナフタレート(PEN:Polyethylene naphthalate)等の可撓性を有する材料から形成されている。同様に、第2のシート31も、全ての第2の電極40を包含するように連続的に拡がっている形状を有しており、第1のシート11と同様の材料から形成されている。
【0019】
本実施形態において、第1及び第2のシート11、31は互いに略等しい形状をそれぞれ有しているが、第1及び第2のシート11、31がそれぞれ独立した形状を有していてもよい。
【0020】
第1のシート11上には、図1及び図2に示すように、複数(本例では4つ)の第1の電極20(以下の説明において、当該4つの第1の電極20を個別に第1の電極201〜204とも称する。)が間隔を空けて隣り合うようにマトリクス状に配置されている。これら第1の電極20は、銀ペースト等の導電性ペーストを第1のシート11上に印刷して硬化することにより形成されている。このような印刷の方法として、スクリーン印刷法や、グラビアオフセット印刷法、インクジェット印刷法等を例示することができる。
【0021】
それぞれの第1の電極20は、図2に示すように、上辺211、下辺212、右辺213、及び左辺214によって形成された矩形状を有しており、上辺211及び下辺212は右辺213及び左辺214よりも相対的に長くなっている。この第1の電極20の周囲には、当該第1の電極20の全周を取り囲むように、後述する複数の第1のドット12と粘着材13が交互に配置されている。なお、本実施形態における上辺211及び下辺212が、本発明における「第1の電極の外縁の少なくとも1つの辺」及び、「相互に対向する一対の長辺」の一例に相当し、右辺213及び左辺214が本発明における「相互に対向する一対の短辺」の一例に相当する。
【0022】
本実施形態の第1のシート11における図2中の下側には、第1の電極201及び第1の電極202が所定間隔を介して図中X方向に沿うように設けられている。同様に、図2中の上側には、第1の電極203及び第1の電極204が所定間隔を介して図中X方向に沿うように設けられている。また、本実施形態では、第1の電極201、202は、第1の電極203、204よりも図中X方向に沿って所定距離Dだけ右側にそれぞれずれて形成されている。
【0023】
第2のシート31にも、図1に示すように、複数(本例では4つ)の第2の電極40が、第1の電極20と同様の方法によって設けられている。これらの第2の電極40は、第1の電極201〜204とそれぞれ対応する位置に設けられており、第1の電極20と同様の大きさの矩形状をそれぞれ有している。
【0024】
なお、第1のシート11や第2のシート31に形成される電極20、40の数や配置は特に限定されない。
【0025】
なお、図3に示す回路基板2Bのように、図中のY方向に沿って延在する開口21を第1の電極20Bに複数設けると共に、図中のX方向に沿って延在する開口41を第2の電極40Bに複数設けてもよい。この場合には、当該回路基板2Bの下方にバックライト(不図示)を配置した際に、第1及び第2の電極を透過する当該バックライトの光の透過率が向上するため、照光型キーボード装置としてキーボード装置1を用いることができる。また、開口21、41の存在によって、回路基板2Bの製造時に第1及び第2の基板10B、30Bの間に異物が混入した場合における当該異物の発見が容易となる。
【0026】
スペーサ50は、図1に示すように、第1及び第2のシート11、31と略等しい形状を有しており、例えばポリエチレンテレフタレート(PET:Polyethylene terephthalate)やポリエチレンナフタレート(PEN:Polyethylene naphthalate)等の可撓性を有する材料から形成されている。
【0027】
このスペーサ50には、4組の第1の電極20及び第2の電極40とそれぞれ対応するように開口51が設けられている。この開口51は、図4に示すように、第1及び第2の電極20、40よりも大きな矩形状を有している。このため、当該スペーサ50が第1及び第2の基板10、30の間に介装されることにより、第1及び第2の電極20、40が当該開口51内に挿入されている。
【0028】
上述のように、本実施形態では、図1及び図2に示すように、第1のシート11上における第1の電極20の周囲に、第1のドット12及び第1の粘着材13が設けられており、この粘着材13によってスペーサ50と第1のシート11とが付着している。
【0029】
第1のドット12は、例えば紫外線硬化性樹脂や熱硬化性樹脂等から形成されており、スペーサ50や第1の粘着材13よりも相対的に硬くなっている。この第1のドット12が有する高さは、20〜50μmが好ましく、この場合において、キーボード装置1の入力操作時に良好な入力感触を得ることができる。
【0030】
本実施形態では、図2に示すように、それぞれの第1の電極20の上辺211に沿って3つの第1のドット12(以下、第1のドット121とも称する。)が略等間隔に配置するように形成されていると共に、下辺212に沿って3つの第1のドット12(以下、第1のドット122とも称する。)が略等間隔に配置するように形成されている。1つの第1の電極20の周囲に形成される3つの第1のドット121及び3つの第1のドット122は、図2中のY方向に沿ってそれぞれ対応するように設けられている。
【0031】
また、それぞれの第1の電極20の右辺213の略中央には第1のドット12が1つ設けられていると共に、第1の電極20の左辺214の略中央にも第1のドット12が1つ設けられている。
【0032】
この様に、本実施形態では、第1の電極20の周囲に合計8つの第1のドット12がそれぞれ設けられている。なお、第1の電極20の周囲に設けられる第1のドット12の数や配置は特に限定されない。
【0033】
第1の粘着材13は、図2に示すように、第1の電極20の外径に沿って延在するように、隣り合う第1のドット12同士の間に設けられている。本実施形態では、第1の電極20の周囲に設けられた第1のドット12同士の全ての間に当該第1の粘着材13が設けられている。このような第1の粘着材13として、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、天然ゴム系粘着剤、合成ゴム系粘着剤等を例示することができる。なお、この第1の粘着材13は、第1のドット12の幅と略等しい線幅を有しているが、特にこれに限定されない。
【0034】
本実施形態では、図5に示すように、第1のドット12と第1の粘着材13の端部131との間には第1の間隙部132が形成されている。この第1の間隙部132では、第1の基板10上に第1の粘着材13が設けられておらず、第1の基板10の表面がスペーサ50との間で露出している。
【0035】
本実施形態においては、図2又は図5に示すように、第1のドット12と第1の粘着材13の端部131との間の部分の全てにおいて第1の間隙部132が形成されているが、特にこれに限定されない。例えば、第1のドット12と隣り合う一方の第1の粘着材の端部との間にのみ第1の間隙部を設けてもよい。
【0036】
本実施形態では、図1及び図4に示すように、開口51を除くスペーサ50の上面に粘着材301が設けられており、この粘着材301によって第2のシート31とスペーサ50とが付着している。このような粘着301としては、上述した第1の粘着材13と同様の材料を用いることができる。
【0037】
キートップ60は、図1に示すように、樹脂等から形成された矩形板状を有しており、第2のシート31の上面において第2の電極40と対応する位置にそれぞれ設けられている。このキートップ60は、図4に示すように、スペーサ50の開口51が有する幅W1よりも小さい幅W2を有しており(W1>W2)、このためキートップ60の外縁は平面視においてスペーサ50の開口51内に収まっている。
【0038】
次に、本実施形態の作用について説明する。
【0039】
本発明におけるキーボード装置1は、図4に示すように、第1のシート11に設けられた第1の電極20と第2のシート31に設けられた第2の電極40が、スペーサ50の開口51内で対向している。このキーボード装置1の使用時には、第2のシート31に設けられたキートップ60を押圧することにより、第1の電極20及び第2の電極40が互いに接触して電気的に接続されることより入力が行われる。
【0040】
この際、電極20、40同士が密着するが、本実施形態におけるキーボード装置1では、第1の電極20の周囲に第1のドット12が設けられている。このため、電極20、40同士が密着していても、ドット12の周辺では一定の空気層からなるスペースが確保される。これにより、入力操作が終了すると、このスペースを起点として開口51内に空気が流入するため、電極20、40同士が密着したまま離れなくなるのを抑制することができる。そして、キーボード装置1による適切な入力操作を行うことが可能となる。なお、第1の電極20Bに開口21を複数設けると共に、第2の電極40Bに開口41を複数設けた場合(図3参照)では、当該開口21、41の存在による電極表面の凹凸形状によって、入力時に電極20B、40B同士が密着するのを抑制できるため、上記の効果がより向上する。
【0041】
また、本実施形態におけるキーボード装置1は、上記のラバードーム等の付勢手段を回路基板の上方に設ける必要がないため、キーボード装置1全体を薄型化することができる。
【0042】
一方、連続的に拡がるシート上に設けられた複数の電極の周囲に上記のドットをそれぞれ設けた場合、キートップへの押圧力が入力操作後に解放される反動に伴って、隣り合うキーとの間のドットを支点として第2のシートがシーソーのように連動する(以下、この連動をシーソー現象と称する。)。そして、このシーソー現象によって、入力操作を行なったキーと隣り合う他のキーが誤って入力されてしまう場合がある。特に、本実施形態における電極20、40のような、相互に対向する一対の長辺(本例における上辺211及び下辺212)と、相互に対向する一対の短辺(本例における右辺213及び左辺214)と、を有する形状を有する電極の場合、当該電極の長辺同士が対向して隣り合う電極同士(本例における第1の電極201及び203、又は、第1の電極202及び204)の間において、入力操作後の押圧力の解放に伴う反動が伝達されやすいため、このシーソー現象が発生しやすい。
【0043】
この点、本実施形態では、隣り合う第1の電極20同士の間に2列の第1の粘着材13が設けられている。つまり、相互に隣り合う第1の電極20の間には、一方の第1の電極20の周囲に設けられた第1の粘着材13と、他方の第1の電極20の周囲に設けられた第1の粘着材13と、がそれぞれ設けられている。これにより、上記のシーソー現象を効果的に抑制することができるため、キーボード装置1による入力操作時の誤入力を軽減することができる。
【0044】
なお、このシーソー現象を抑制する効果は、第1及び第2の粘着材13の高さが、当該粘着材13と隣り合う第1のドット12の高さと同程度、又は当該第1のドット12の高さよりも低い場合や、第1の粘着材13の線幅が、当該粘着材13と隣り合うドット12の幅と同等である場合においてより向上する。
【0045】
また、本実施形態におけるキーボード装置1では、図5に示すように、第1のドット12と第1の粘着材13の端部131との間に第1の間隙部132が設けられており、入力操作時に、この第1の間隙部132を介してスペーサ50の開口51内の空気を逃がすことができる。このため、スペーサの開口から空気を逃がすためのスリット等を当該スペーサに設ける必要がなく、キーボード装置1の製造工程を簡略化することができる。
【0046】
さらに、図2中のY方向に沿って互いに隣り合う第1の電極20(第1の電極201と第1の電極203、又は第1の電極202と第1の電極204)は、図2中のX方向に沿って距離Dだけずれて形成されている。このため、第1の間隙部132のうちの少なくとも一つは、Y方向に沿って互いに隣り合う第1の電極20の周囲に設けられた第1のドット12又は第1の粘着材13と対向している。
【0047】
このため、入力操作後において、Y方向に沿って互いに隣り合うキーの開口51内から当該入力を行ったキーの開口51内に空気が流入しやすくなることによるシーソー現象の助長を抑制することができる。本実施形態では、第1の電極20の長辺211、212同士の間において、第1の間隙部132と、第1のドット12又は第1の粘着材13と、が上記のように対向しているため、より効果的にシーソー現象の助長を抑制することができる。これにより、キーボード装置1による一層適切な入力操作が可能となる。
【0048】
なお、第1のドット及び第1の粘着材が図6に示すような配置の場合において、上記の効果はより向上する。すなわち、第1の間隙部132Bが、Y方向に沿って互いに隣り合う第1の電極20Bの周囲に設けられた第1の粘着材13Bのみと対向している場合には、入力操作後において、Y方向に沿って互いに隣り合うキーの開口51内から当該入力を行ったキーの開口51内への空気の流入がより遮られるため、シーソー現象の助長をさらに抑制することができる。これにより、キーボード装置1によるより一層適切な入力操作が可能となる。
【0049】
また、本実施形態では、キートップ60の外縁が平面視においてスペーサ50の開口51内に収まっている。このため、入力操作時において第2のシート31による十分な弾性力を得ることができる。
【0050】
なお、以上に説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記の実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
【0051】
例えば、上述の実施形態におけるキーボード装置1において、キートップ60と第2のシート31とは直接接触しているが、キートップ60と第2のシート31との間に弾性シート等からなる介在層を設けてもよい。
【0052】
また、例えば、図7に示すキーボード装置1Bが備える回路基板2Cのように、第2の電極40の周囲に第2のドット32を設けると共に、粘着材301に代えて第2の粘着材33を設け、第2のドット32と第2の粘着材33との間に第2の間隙部332を設けてもよい。この場合において、第2のドット32、第2の粘着材33、及び第2の間隙部332は、第1のドット12、第1の粘着材13、及び第1の間隙部132とそれぞれ同様の構成としてもよい。
【0053】
本例においても、上記と同様の効果を得ることができると同時に、開口51を除くスペーサ50の上面全体に粘着材301を設ける場合に比べてキーボード装置1Bの製造コストの低減を図ることができる。
【符号の説明】
【0054】
1・・・キーボード装置
2・・・回路基板
10・・・第1の基板
11・・・第1のシート
12・・・第1のドット
13・・・第1の粘着材
131・・・端部
132・・・第1の間隙部
20・・・第1の電極
211・・・上辺
212・・・下辺
30・・・第2の基板
31・・・第2のシート31
32・・・第2のドット
33・・・第2の粘着材
332・・・第2の間隙部
40・・・第2の電極
50・・・スペーサ
51・・・開口
60・・・キートップ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7