(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に、図示した一実施の形態に基づいて、この発明を説明する。一実施の形態におけるソレノイドバルブVは、
図1に示すように、主流路1の途中に設けた弁座2と当該弁座2に離着座して主流路1を開閉する主弁体としての環状のリーフバルブ3とを有する主弁Mと、主流路1から分岐されるパイロット流路4と、パイロット流路4の途中に設けたオリフィス5と、パイロット流路4のオリフィス5よりも下流に接続されて内部圧力で主弁体であるリーフバルブ3を閉じる方向に附勢する背圧室Pと、パイロット流路4の背圧室Pへの接続点よりも下流に配置されて背圧室P内の圧力を制御するパイロット弁6と、パイロット弁6の開弁圧を調節するソレノイドSolと、リーフバルブ3の背面側に当該リーフバルブ3に遠近可能に設けた主スプール23と、当該主スプール23を介して上記主弁体を上記弁座へ向けて附勢する附勢手段としてのばね27と、上記主スプール23の移動を抑制する移動抑制手段Aとを備えて構成されている。このソレノイドバルブVは、緩衝器Dに適用されており、緩衝器Dは、主として伸縮時に主流路1を通過する流体に抵抗を与えることによって減衰力を発生するようになっている。
【0017】
このソレノイドバルブVが適用される緩衝器Dは、たとえば、
図2に示すように、シリンダ10と、シリンダ10内に摺動自在に挿入されるピストン11と、シリンダ10内に移動挿入されてピストン11に連結されるロッド12と、シリンダ10内に挿入したピストン11で区画したロッド側室13とピストン側室14と、シリンダ10の外周を覆ってシリンダ10との間に排出通路15を形成するパイプ16と、さらに、パイプ16の外周を覆ってパイプ16との間にリザーバ17を形成する外筒18とを備えて構成されており、ロッド側室13、ピストン側室14およびリザーバ17内には流体として作動油が充填されるとともにリザーバ17には作動油の他に気体が充填されている。なお、流体は、作動油以外にも、減衰力を発揮可能な流体であれば使用可能である。
【0018】
そして、この緩衝器Dの場合、リザーバ17からピストン側室14へ向かう作動油の流れのみを許容する吸込通路19と、ピストン1
1に設けられてピストン側室14からロッド側室13へ向かう作動油の流れのみを許容するピストン通路20とを備え、排出通路15はロッド側室13とリザーバ17とを連通し、ソレノイドバルブVは、主流路1を排出通路15に接続して当該排出通路15の途中に設けられている。
【0019】
したがって、この緩衝器Dは、圧縮作動する際には、ピストン11が
図2中下方へ移動してピストン側室14が圧縮され、ピストン側室14内の作動油がピストン通路20を介してロッド側室13へ移動する。この圧縮作動時には、ロッド12がシリンダ10内に侵入するためシリンダ10内でロッド侵入体積分の作動油が過剰となり、過剰分の作動油がシリンダ10から押し出されて排出通路15を介してリザーバ17へ排出される。緩衝器Dは、排出通路15を通過してリザーバ17へ移動する作動油の流れにソレノイドバルブVで抵抗を与えることによって、シリンダ10内の圧力を上昇させて圧側減衰力を発揮する。
【0020】
反対に、緩衝器Dが伸長作動する際には、ピストン11が
図2中上方へ移動してロッド側室13が圧縮され、ロッド側室13内の作動油が排出通路15を介してリザーバ17へ移動する。この伸長作動時には、ピストン11が上方へ移動してピストン側室14の容積が拡大して、この拡大分に見合った作動油が吸込通路19を介してリザーバ17から供給される。そして、緩衝器Dは、排出通路15を通過してリザーバ17へ移動する作動油の流れにソレノイドバルブVで抵抗を与えることによってロッド側室13内の圧力を上昇させて伸側減衰力を発揮する。
【0021】
上述したところから理解できるように、緩衝器Dは、伸縮作動を呈すると、必ずシリンダ10内から排出通路15を介して作動油をリザーバ17へ排出し、作動油がピストン側室14、ロッド側室13、リザーバ17を順に一方通行で循環するユニフロー型の緩衝器に設定され、伸圧両側の減衰力を単一のソレノイドバルブVによって発生するようになっている。なお、ロッド12の断面積をピストン11の断面積の二分の一に設定しておくことで、同振幅であればシリンダ10内から排出される作動油量を伸圧両側で等しく設定できるため、ソレノイドバルブVが流れに与える抵抗を同じにしておくことで伸側と圧側の減衰力を同じに設定することができる。
【0022】
つづいて、ソレノイドバルブVは、パイプ16の開口部に設けたスリーブ16aに嵌合されて主流路1、環状の弁座2およびオリフィス5とを備えたシート部材21と、シート部材21の外周に装着されて上記弁座2に離着座する主弁体としてのリーフバルブ3と、シート部材21に連結される中空なバルブハウジング22と、バルブハウジング22内に軸方向移動自在に挿入されるパイロット弁6と、パイロット弁6におけるパイロット弁体38に推力を与えるソレノイドSolと、バルブハウジング22の外周に摺動自在に装着されてリーフバルブ3の背面である
図1中右面に当接してリーフバルブ3の背面側に背圧室Pを画成する主スプール23とを備えており、シート部材21とバルブハウジング22の内部にパイロット流路4が形成されている。
【0023】
シート部材21は、
図1に示すように、スリーブ16a内に嵌合される大径の基部21aと、基部21aから
図1中右方へ突出する軸部21bと、基部21aと軸部21bとを軸方向に貫くように形成されてパイロット流路4の一部を形成する中空部21cと、軸部21bの外周から開口して中空部21cに連通される貫通孔21dと、中空部21cの途中であって貫通孔21dの接続点より上流である排出通路15側に設けたオリフィス5と、基部21aを
図1中左端から右端へ貫く複数のポートでなる主流路1と、基部21aの
図1中右端に主流路1の出口の外周側に形成される環状の弁座2とを備えて構成されている。
【0024】
主流路1は、上記したように基部21aを貫いていて、主流路1における基部21aの
図1中左端側の開口は、パイプ16で形成した排出通路15を介してロッド側室13内に連通され、主流路1における基部21aの
図1中右端側の開口は、リザーバ17に連通されている。また、中空部21cの
図1中左端側の開口も、主流路1と同様に、排出通路15を介してロッド側室13内に連通されている。
【0025】
なお、このシート部材21の基部21aの外周には、シールリング24が装着されており、これによってスリーブ16aとの間がシールされ、基部21aの外周を介して排出通路15がリザーバ17へ通じてしまうことが無いようになっている。
【0026】
つづいて、シート部材21の基部21aの
図1中右端には、弁座2に離着座して主流路1を開閉する主弁体としての環状のリーフバルブ3が積層されており、この弁座2とリーフバルブ3とで主弁Mを構成している。このリーフバルブ3の内周は、基部21aとバルブハウジング22によって挟持されて軸部21bの外周に固定されるようになっている。したがって、リーフバルブ3は外周を自由端として撓むことができ、主流路1の上流から
図1中左面である正面に作用する圧力を受けて撓むと弁座2から離座して主流路1を開放するようになっている。リーフバルブ3は、複数の環状板を積層した積層リーフバルブとして構成されているが、環状板の枚数は任意であり、また、弁座2に着座する環状板の外周には切欠オリフィス3aが設けられている。
【0027】
バルブハウジング22は、
図1に示すように、筒状であって、中央内周に設けた環状のパイロット弁座22aを備えており、パイロット弁座22aより
図1中左方にシート部材21の軸部21bが挿入されるとともに螺着されることによって、シート部材21に連結される。このようにバルブハウジング22をシート部材21に連結することで、上記したリーフバルブ3の内周がシート部材21の基部21aとバルブハウジング22の
図1中左端とで挟持される。なお、バルブハウジング22の
図1中左端外径は、小径とされていて、リーフバルブ3が撓んだ際に、リーフバルブ3の撓みを邪魔しないように配慮されている。
【0028】
バルブハウジング22の
図1中左端開口部内径は、軸部21bが螺着される部位よりも大径とされていて、シート部材21の軸部21bが挿入された際にシート部材21との間に環状隙間Rが形成されるようになっている。そして、バルブハウジング22の
図1中左端には、径方向に伸びる切欠溝22eが設けられており、バルブハウジング22の左端がリーフバルブ3に当接しても、バルブハウジング22の外周側が切欠溝22eを介して環状隙間Rに連通されるようになっている。また、環状隙間Rは、シート部材21の軸部21bに形成された貫通孔21dにも連通されている。切欠溝22eは、バルブハウジング22の
図1中左端に設けられているが、バルブハウジング22の肉を貫く孔であってもよい。
【0029】
また、バルブハウジング22は、外周にフランジ22bを備えていて、このフランジ22bが外筒18の側部に設けた開口18aに取付けた筒18bの内周に嵌合され、当該筒18bの内周に設けた段部18cに当接されている。なお、筒18bは、端部外周に符示しない螺子部を備えており、この筒18bには、ソレノイドSolを内包した有底筒状のケース25が螺着される。そして、このケース25の筒18bへの螺着によって、バルブハウジング22のフランジ22bが筒18bへ固定され、バルブハウジング22に螺着されるシート部材21も筒18b内で所定の位置へ位置決めされる。なお、シート部材21の外周に装着されたシールリング24にてスリーブ16aとシート部材21との間がシールされるので、シート部材21の基部21aはスリーブ16a内に遊びをもって挿入されるようになっていて、筒18bとスリーブ16aの軸芯にずれがあってもバルブハウジング22のフランジ22bの筒18bへの嵌合を容易に行うことができるようになっている。
【0030】
さらに、バルブハウジング22は、フランジ22bおよびパイロット弁座22aよりも
図1中右方に設けられて内外を連通する透孔22cを備え、この透孔22cよりも
図1中右方の外周には、筒状のフェール弁26のフェール弁体42が摺動自在に装着されるフランジ状の摺接部22dが設けられている。フランジ22bにもこれを貫く透孔22fが設けられていて、フランジ22bの
図1中右方側の空間が左方側のリザーバ17に連通されるようになっている。
【0031】
よって、バルブハウジング22内は、シート部材21に設けた中空部21cを介して排出通路15に連通され、この排出通路15を介してロッド側室13に連通されている。また、バルブハウジング22内は、透孔22cおよび透孔22fを通じて、リザーバ17にも連通されていて、バルブハウジング22は、シート部材21の中空部21cと協働して主
流路1から分岐してロッド側室13とリザーバ17とを連通するパイロット流路4を形成している。
【0032】
また、このバルブハウジング22のフランジ22bより左方外周には、外周に鍔23aを備えた筒状の主スプール23が摺動自在に装着されている。主スプール23の内周径は、
図1中右端側を大径とし、左端側を小径として、内周小径部23bと内周大径部23cとが形成されている。他方、バルブハウジング22のフランジ22bより左方であってバルブハウジング22の左端の外径を小径としていて、バルブハウジング22は、外周小径部22gと外周大径部22hとを備えている。そして、この主スプール23をバルブハウジング22のフランジ22bよりも
図1中左方側の外周に装着すると、主スプール23の内周小径部23bがバルブハウジング22の外周小径部22gに摺接し、主スプール23の内周大径部23cがバルブハウジング22の外周大径部22hに摺接し、主スプール23とバルブハウジング22との間には、環状のダンピング室Drが形成される。このダンピング室Drは、主スプール23の肉を貫くオリフィス孔23dによって主スプール23の外部であるリザーバ17に通じていて、主スプール23がバルブハウジング22に対して軸方向である
図1中左右方向へ移動すると容積が変化するようになっている。
【0033】
具体的には、主スプール23がバルブハウジング22に対して弁座2側へ移動すると、ダンピング室Drが拡大されてダンピング室Drの容積が増大することになり、反対に、主スプール23がバルブハウジング22に対して弁座2から遠ざかる方向へ移動すると、ダンピング室Drが圧縮されダンピング室Drの容積が減少することになる。
【0034】
このようにダンピング室Drの容積は、主スプール23のバルブハウジング22に対する軸方向移動によって変化するが、ダンピング室Drがオリフィス孔23dを通じて主スプール23の外方へ連通されているため、主スプール23が移動不能となってしまうことがない。また、オリフィス孔23dは、主スプール23が弁座2に対して遠近する軸方向への移動を呈する際にダンピング室Drと主スプール23とを行き来する流体の流れに抵抗を与えるため、ダンピング室Dr内の圧力と主スプール23の外部の圧力とに差が生じて、主スプール23の弁座2に対する軸方向の移動を抑制するようになっている。したがって、この実施の形態の場合、移動抑制手段Aは、上記したダンピング室Drを備えて構成されている。
【0035】
また、主スプール23の外周に設けた鍔23aとバルブハウジング22の外周に設けたフランジ22bとの間には附勢手段としてのばね27が介装されていて、このばね27で主スプール23を
図1中左方のリーフバルブ3へ向けて附勢して、主スプール23をリーフバルブ3の背面である
図1中右面に当接させている。なお、附勢手段は、コイルばねや皿ばねといった種々のばねの他、ゴム等といった圧縮されるとこれに反発する力を発揮する弾性体を用いることも可能である。このように、主スプール23がリーフバルブ3の背面に当接していて、リーフバルブ3の背面に主スプール23によって部屋が画成されており、この部屋を背圧室Pとしている。
【0036】
上述した背圧室Pは、切欠溝22e、環状隙間Rおよび貫通孔21dを通じて中空部21cで形成したパイロット
流路4に連通されていて、これらで切欠溝22e、環状隙間Rおよび貫通孔21dで連絡流路Prが形成されており、背圧室Pは、バルブハウジング2
2のパイロット流路4内の圧力が連絡流路Prを介して伝播するようになっている。また、背圧室Pは、バルブハウジング22の外周と主スプール23との間の環状の空間であって、リーフバルブ3の背面に内部圧力を作用させている。
【0037】
また、環状隙間Rは、貫通孔21dと切欠溝22eとが互いに直接径方向で対向せずとも、これら貫通孔21dと切欠溝22eの連通を確実にするために設けられているが、貫通孔21dと切欠溝22eとが互いに直接径方向で対向するのであれば環状隙間Rをなくすることも可能である。
【0038】
以上から、リーフバルブ3の背面には、主スプール23を附勢するばね27による附勢力以外に、背圧室Pの内部圧力が作用していて弁座2へ向けて附勢されている。すなわち、緩衝器Dの伸縮作動する際に、リーフバルブ3には、正面側から主流路1を介してロッド側室13内の圧力が作用するとともに、背面側からは背圧室Pの内部圧力とばね27による附勢力が作用する。つまり、ロッド側室13内の圧力にこの圧力がリーフバルブ3に作用する面積を乗じた力がリーフバルブ3の外周を
図1中右方へ撓ませようとし、この力が、リーフバルブ3自身の撓み剛性、背圧室Pの内部圧力にこの内部圧力がリーフバルブ3の背面に作用する面積を乗じた力およびばね27の附勢力を合計した合力に打ち勝つと、ばね27が圧縮されて主スプール23が基部21aから後退してリーフバルブ3が撓んで主流路1が開放されるようになっている。
【0039】
つづいて、ケース25は、筒部25aと筒部25aの開口端を加締めて固定される底部25bと、筒部25aの内周側に固定されてソレノイドSolにおける巻線28が巻回されたソレノイドボビン29を保持する環状のストッパ25cとを備えている。そして、ストッパ25cと筒18bにおける段部18cとでバルブハウジング22のフランジ22bおよび非磁性体のスペーサ35を挟持して、これによってバルブハウジング22とシート部材21とが緩衝器Dに固定される。このように固定されてもフランジ22bには、上記したように透孔22fが設けられているので、パイロット流路4のリザーバ17への連通が断たれることが無い。
【0040】
ソレノイドSolは、上記した有底筒状のケース25と、巻線28が巻回されるとともにケース25の底部に固定される環状のソレノイドボビン29と、有底筒状であってソレノイドボビン29の内周に嵌着される第一固定鉄心30と、同じくソレノイドボビン29の内周に嵌着される筒状の第二固定鉄心31と、同じくソレノイドボビン29の内周に嵌着されるとともに第一固定鉄心30と第二固定鉄心31との間に介装される非磁性体のリング32と、第一固定鉄心30の内周側に配置される有底筒状の可動鉄心33と、バルブハウジング22の摺接部22dの外周に摺動自在に装着されて可動鉄心33とは別にもう一つの可動鉄心としても機能する筒状のフェール弁26とを備えて構成されている。
【0041】
そして、有底筒状の可動鉄心33は、筒の開口端側を第一固定鉄心30の内方へ向けて第一固定鉄心30の内周に摺動自在に挿入されるとともに、第一固定鉄心30の底部に設けた非磁性体のワッシャ34に当接するまで第一固定鉄心30内に進入しても、
図1中左方の底部側面が第二固定鉄心31の内周に若干対向するか至近に配置されるようになっている。また、可動鉄心33の筒の肉厚には通孔33aが設けられており、第一固定鉄心30と可動鉄心33で仕切られる空間が密閉されないようになっている。
【0042】
さらに、可動鉄心33と第一固定鉄心30との間に第二ばね36が介装され、第二ばね36によって可動鉄心33には第一固定鉄心30から離れる方向へ推力が与えられている。この第二ばね36は、
図1中右端が第一固定鉄心30の軸芯部に螺合されるばね力調整螺子37の先端に設けたばね受37aに支承され、ばね力調整螺子37を第一固定鉄心30に対して進退させることで第二ばね36の支承位置を
図1中左右に変更することができるようになっている。そして、この実施の形態の場合、ケース25の底部25bを筒部25aの開口端に加締めて固定する前にのみ、ばね力調整螺子37の操作をすることができるようになっているが、底部25bの筒部25aへの固定にあたり底部25bの着脱が可能な固定方法を採用すれば、ばね力調整螺子37の操作可能時期は底部25bの固定前に限られない。
【0043】
第二固定鉄心31は、筒状とされており、第一固定鉄心30側の開口端は、内周側傾斜するようにテーパされており、巻線28が通電時に発生する磁束が右端内周側に集中するようになっており、この第二固定鉄心31と第一固定鉄心30との間に介装される非磁性体のリング32における
図1中左端の形状は、第二固定鉄心31のテーパに符合する形状とされている。
【0044】
上述したところから、このソレノイドSolにあっては、磁路が第一固定鉄心30、可動鉄心33および第二固定鉄心31を通過するように形成されており、巻線28が励磁されると、第一固定鉄心30寄りに配置される可動鉄心33が第二固定鉄心31側に吸引され、可動鉄心33には
図1中左側へ向かう推力が作用するようになっている。
【0045】
そして、この可動鉄心33の底部は、
図1に示すように、パイロット弁6のパイロット弁体38に当接しており、第二ばね36の推力がパイロット弁体38に伝わるようになっているとともに、ソレノイドSolの励磁時には、吸引される可動鉄心33を介してパイロット弁体38に
図1中左側へ向かう方向の推力を与えることができるようになっている。なお、ワッシャ34を合成樹脂等としておくことで、可動鉄心33の衝合時における衝撃や音の発生を抑制することができる。
【0046】
そして、パイロット弁体38は、この実施の形態の場合、バルブハウジング22の
図1中右端内周に摺接する大径部38aと、大径部38aの左端から伸びてバルブハウジング22の透孔22cに対向する円柱状の小径部38bとを備えて構成されていて、小径部38bの
図1中左端外周をバルブハウジング22の内周に設けたパイロット弁座22aに離着座させることでパイロット流路4を開閉する平弁とされている。このパイロット弁体38の場合、小径部38bがバルブハウジング22の内周との間に隙間を形成するようになっており、当該パイロット弁体38が透孔22cを閉塞することが無いよう配慮されている。
【0047】
また、このパイロット弁体38における大径部38aの左端とバルブハウジング22のパイロット弁座22aの外周側との間には、第一ばね40が介装されており、当該第一ばね40は、パイロット弁体38をパイロット弁座22aから遠ざける方向に推力を発揮しており、パイロット弁体38にパイロット流路4における流路面積を最大とする方向に推力を与えている。
【0048】
したがって、パイロット弁体38は、可動鉄心33を介して第二ばね36と第一ばね40で挟み込まれており、第一ばね40によってパイロット流路4の流路面積を最大とする方向への推力が作用するとともに、反対に可動鉄心33を介して第二ばね36によってパイロット流路4の流路を制限する方向への推力が作用しており、パイロット弁体38はソレノイドSolの巻線28への通電が無い状態では、第一ばね40による推力が第二ばね36の推力に釣り合うか上回って、可動鉄心33がワッシャ34へ当接するまで第一固定鉄心30内に押し込まれ、パイロット流路4を最大開放する位置にまでパイロット弁体38をパイロット弁座22aから後退させるようになっている。他方、ソレノイドSolの巻線28へ電流を供給し可動鉄心33を吸引することで、パイロッ
ト弁体38を第一ばね40の附勢力に抗してパイロット弁座22aへ着座させることができる。そのため、ソレノイドSolへの通電量を調節することで、パイロット弁体38へ与える推力を調節でき、パイロット弁6の開弁圧を制御することができる。
【0049】
このようにパイロット弁6は、パイロット弁座22aと、当該パイロット弁座22aに離着座するパイロット弁体38と、パイロット弁体38を挟持する第二ばね36および第一ばね40とで構成されており、パイロット流路4の背圧室Pが接続する接続点である貫通孔21dと中空部21cとの交わる箇所よりも下流に設けられている。
【0050】
ここで、第一ばね40と第二ばね36は上述したところから理解できるように、直列配置されているため、ばね力調整螺子37で第二ばね36の支承位置を調節すると、第二ばね36の圧縮された状態における長さ、すなわち、圧縮長さを変更するだけでなく、第一ばね40の圧縮長さをも調節することができ、これら第二ばね36および第一ばね40がパイロット弁体38に作用させる初期荷重を調節することができるようになっている。この初期荷重を調節することで、ソレノイドSolへの供給電流量に対するパイロット弁6の開弁圧を調整することができる。初期荷重の調節は、第二ばね36の支承位置を軸方向に調節することができればよいので、上記したばね力調整螺子37に限定されるものではない。
【0051】
戻って、ソレノイドSolにおける第二固定鉄心31は、ソレノイドボビン29より
図1中左方へ突出されており、第二固定鉄心31の左端外周には、スペーサ35が嵌合される。詳しくは、スペーサ35は、筒状であって右端内周にフランジ35aを備え、当該フランジ35aの内周を第二固定鉄心31の外周に嵌合させている。また、スペーサ35は、外筒18に設けた筒18bの内周にも嵌合されており、その外周に装着したシールリング41によって、スペーサ35と筒18bとの間がシールされている。
【0052】
フェール弁26は、バルブハウジング22の摺接部22dの外周に摺動自在に装着されるフェール弁体42と、フェール弁体42とスペーサ35のフランジ35aとの間に介装されるばね43とを備えて構成される。
【0053】
フェール弁体42は、筒状であって外周側に設けた鍔42aと、バルブハウジング22のフランジ22bの
図1中右端面に対向する環状突起42bと、内周と外周とを連通するオリフィス通路42cと、
図1中右端から開口してオリフィス
通路42cへ通じる通孔42dとを備えて構成され、鍔42aとスペーサ35のフランジ35aとの間に介装されるばね43によって、バルブハウジング22のフランジ22b側へ向けて常に推力が与えられている。
【0054】
そして、このフェール弁体42の右端は、第二固定鉄心31の左端に対向しており、磁路が、上述したように、第二固定鉄心31、フェール弁体42、バルブハウジング22、筒18bおよびケース25を通過するように形成されている。上述したところから、このソレノイドSolにあっては巻線28が励磁されると、フェール弁体
42が第二固定鉄心31に吸引され、フェール弁体42には
図1中右側へ向かう推力が作用するようになっている。そして、ソレノイドSolへの供給電流が所定値を超えると、ソレノイドSolによってフェール弁体42に作用する推力がばね43の推力に打ち勝って第二固定鉄心31に吸着してパイロット流路4を最大開放する。
【0055】
反対に、ソレノイドSolへの供給電流が所定値I1以下となる場合、ソレノイドSolによってフェール弁体42に作用する推力がばね43の推力に打ち勝つことができず、フェール弁体42は環状突起42bをバルブハウジング22のフランジ22bへ当接させるフ
ェールポジションを採ってパイロット流路4の流路面積を制限する。具体的には、フェール弁体42のオリフィス通路42cがパイロット流路4に対向して、オリフィス通路42cのみを介してパイロット流路4を連通するようになるのでパイロット流路4の流路面積をオリフィス通路42cの流路面積にまで制限する。
【0056】
したがって、ソレノイドSolへの供給電流が所定値I1を超えると、フェール弁26は、パイロット流路4を開放する開放ポジションを採り、反対に、ソレノイドSolへの供給電流が所定値I1以下の状態では、オリフィス通路42cのみを介してパイロット流路4を連通するフェールポジションを採る。
【0057】
なお、フェール弁体42が第二固定鉄心31に密着しても、通孔42dが第二固定鉄心31の端部によって閉塞されず、連通状態を保つようになっており、また、フェール弁体42が第二固定鉄心31に密着した状態となっても、可動鉄心33が収容される空間が閉塞されないようになっており、これによって、パイロット弁体38がロックされて移動不能となってしまうといった事態が阻止される。
【0058】
ソレノイドSolへ電流供給を行うことが可能な正常作動時には、
図3に示すように、ソレノイドSolへ所定値I1を超える電流値I2から電流値I3の範囲で電流が供給され、フェール時にはソレノイドSolへの電流供給を停止する。そして、ソレノイドSolへ電流値I2から電流値I3の電流を供給する場合、パイロット弁6のパイロット弁体38がソレノイドSolの推力と第二ばね36の附勢力とで第一ばね40の附勢力に抗してパイロット弁座22aに押しつけられる。パイロット流路4の上流側の圧力がパイロット弁体38に作用して、この圧力がパイロット弁体38をパイロット弁座22aから離座させる力と第一ばね40の附勢力の合力がソレノイドSolの推力と第二ばね36の附勢力の合力を上回るようになると、パイロット弁6は開弁してパイロット流路4を開放する、つまり、パイロット流路4の上流側の圧力が開弁圧に達するとパイロット弁6は開弁してパイロット流路4を開放することになる。このように、ソレノイドSolへ所定値I1を超える電流値I2から電流値I3の範囲で電流を供給する場合、電流量の大小でソレノイドSolの推力の調節することでパイロット弁6の開弁圧を大小調節することができる。パイロット弁6が開弁すると、パイロット流路4のパイロット弁6の上流側の圧力は、パイロット弁6の開弁圧に等しくなり、背圧室Pの圧力も当該開弁圧に制御される。
【0059】
このように、ソレノイドバルブVが正常動作する場合、ソレノイドSolには、所定値I1を超える電流値の範囲となるI2からI3の範囲で電流が供給されるため、パイロット弁6の開弁圧を制御することができる一方、フェール弁26はパイロット流路4を開放した状態となる。
【0060】
これに対して、フェール時は、通電不能である場合に当然のこととして、ソレノイドSolへ通電可能であっても電流供給を行わないようになっている。また、正常作動時の電流値の上限であるI3は、ソレノイドSolの定格によって決せられており、フェール弁26がフェールポジションへ切換わる所定値I1を正常作動時における範囲の下限としないのは、電源電圧の安定性やノイズによってソレノイドSolへの供給電流が振動的となったり電流不足となったりして、正常作動させたい場合にもフェール弁26がフェールポジションに切換わってしまうことを防止するため、所定値I1と正常作動時の下限の電流値I2との間に誤動作防止のマージンを設けているのである。
【0061】
つづいて、ソレノイドバルブVの作動について説明する。ソレノイドバルブVが正常動作する場合には、上述のように、ソレノイドSolに、所定値I1を超える電流値の範囲となる電流値I2から電流値I3の範囲で電流を供給して、パイロット弁6の開弁圧を調節するようにすると、パイロット流路4におけるオリフィス5とパイロット弁6との間の圧力が連絡流路Prを介して背圧室Pに導かれる。
【0062】
このように、パイロット弁6の開弁圧を調節することで背圧室Pの内部圧力を調節することができ、リーフバルブ3の背面に作用する圧力を調節することによって、主弁Mが主流路1を開放する開弁圧をコントロールすることができる。
【0063】
すなわち、ソレノイドSolに供給する電流量によって主弁体としてのリーフバルブ3と弁座2とでなる主弁Mにおける開弁圧を電流量によって調節し、緩衝器Dの伸長時にあってはロッド側室13内の圧力を主弁Mの開弁圧に制御し、緩衝器Dの圧縮時にあってはシリンダ10内の圧力を主弁Mの開弁圧に制御することができる。具体的には、ソレノイドSolへの供給電流が電流値I2となるときにパイロット弁6における開弁圧が最小となって主弁Mにおける開弁圧も最小となり、緩衝器Dは、最小のソフトな減衰力を発生し、反対に、ソレノイドSolへの供給電流が電流値I3となるときにパイロット弁6における開弁圧が最大となって主弁Mにおける開弁圧が最大となって、緩衝器Dは、最大のハードな減衰力を発生し、ソレノイドSolへの電流供給量を変更することで緩衝器Dの減衰力をソフトからハードの間で無段階に調節することができる。
【0064】
そして、このソレノイドバルブVにあっては、上述したように移動抑制手段Aが主スプール23の弁座2に対する移動を抑制するので、主弁Mの開閉作動が抑制される。このように主弁Mの開閉作動が抑制されると、パイロット弁6の開き初めにパイロット流路4内の圧力がパイロット弁6の開弁圧以上となるオーバーシュートが発生し、背圧室P内の圧力が急変する場合あっても、主弁Mの動作が緩慢であるので、主弁Mの開度は急変せずに安定し、緩衝器Dが発生する減衰力も急変することがなくなる。
【0065】
よって、本発明のソレノイドバルブVにあっては、緩衝器Dに適用されても当該緩衝器Dの減衰力の急変を緩和することができる。また、このソレノイドバルブVを緩衝器Dに使用すると、車体に振動を与えづらく異音が発生しづらくなるので、車両搭乗者に不快感を与えず、車両における乗り心地を良好なものとすることができる。
【0066】
さらに、この実施の形態にあっては、背圧室Pを形成する機能と、移動抑制手段Aによる主弁Mの開閉動作を抑制する力を主弁Mへ伝達する機能を主スプール23に集約することができ、部品点数の少なくすることができ、ソレノイドバルブVの大型化を回避することができる。
【0067】
また、リーフバルブ3が離着座する弁座2の接触面である
図1中左端面を粗面としておけば、リーフバルブ3の弁座2への吸着を防止することができ、主弁Mの開弁圧も安定し、緩衝器Dの減衰力の急変をより一層緩和することができる。
【0068】
また、ソレノイドバルブVにあっては、ソレノイドSolへの供給電流に応じた推力をパイロット弁6に与えることで背圧室Pの内部圧力を制御して上記主弁Mにおける開弁圧を調節するため、パイロット流路4を流れる流量に依存することなく背圧室Pの内部圧力を狙い通りに調節でき、緩衝器Dの伸縮速度が低速域にある場合にもソレノイドSolへの供給電流に対する減衰力変化が線形に近く、制御性が向上する。また、ソレノイドSolへの供給電流に応じた推力をパイロット弁6に与えることで主弁体としてのリーフバルブ3の背面に作用する背圧室Pの内部圧力を制御するので、減衰力のばらつきも小さくすることができる。
【0069】
そして、フェール時には、ソレノイドSolへは通電されないため、パイロット弁6はパイロット流路4を開放し、反対に、フェール弁26はパイロット流路4における流路面積をオリフィス通路42cにおける流路面積にまで制限することになる。
【0070】
この状態において、緩衝器Dが伸縮作動すると、背圧室Pの内部圧力は、オリフィス5とオリフィス通路42cの抵抗によって決定され、緩衝器Dの伸縮速度に対するフェール時における背圧室Pの内部圧力の特性を予め設定することができ、上記メインバルブの開弁圧を任意に設定することができる。
【0071】
すなわち、このソレノイドバルブVにあっては、正常作動時に上記メインバルブの開弁圧を調節して緩衝器Dの減衰力を調節するにあたり、フェール弁26を開放ポジションとしてパイロット弁6のみを機能させるようにし、反対にフェール時にはパイロット弁6でパイロット流路4を制限させずにフェール弁26によってのみ流路面積を制限して、正常時にはフェール弁26の影響を排除し、独立してパイロット弁6の開弁圧を調節することができる。
【0072】
それゆえ、公差等による製品毎のバラツキを補正するために、パイロット弁6におけるパイロット弁体38に推力を与えている第二ばね36および第一ばね40の初期荷重を調節しても、フェール弁26には影響が無く、フェール時の減衰力に影響を与えることが無いから、フェール時と正常作動時における製品のバラツキを無くすことができる。
【0073】
次に、他の実施の形態のソレノイドバルブV2について説明する。上記したソレノイドバルブVにあっては、ダンピング室Drで移動抑制手段Aを構成して、主スプール23の弁座2に対する遠近移動である軸方向の移動を抑制するようにしていたが、この他の実施の形態のソレノイドバルブV2では、
図4に示すように、ダンピング室Drを設ける代わりに、バルブハウジング51の外周に粘弾性部材としてのゴムリング50を装着し、このゴムリング50を移動抑制手段として主スプール52の内周に当接させて、主スプール52のバルブハウジング51に対する軸方向への移動を抑制するようになっている。
【0074】
以下、この他の実施の形態におけるソレノイドバルブV2が一実施の形態におけるソレノイドバルブVと異なる点について詳細に説明することとして、他の実施の形態におけるソレノイドバルブV2が一実施の形態におけるソレノイドバルブVと同じの構造を採用している部材については、説明が重複するので、同一の符号を付すのみとして詳しい説明を省略することとする。
【0075】
バルブハウジング51は、バルブハウジング22と略同様の構造を備えているが、外周に外周小径部22gと外周大径部22hを備えない代わりに主スプール52が摺接する範囲に環状溝51gを備えている点で異なっている。よって、このバルブハウジング51にあっても、バルブハウジング22と同様に、パイロット弁座51a、透孔51c,51f、フェール弁体42が摺動自在に装着される摺接部51dおよび切欠溝51eを備えている。
【0076】
主スプール52は、主
スプール23と略同様の構造を備えているが、内周小径部23b、内周大径部23cおよびオリフィス孔23dを備えていない点で異なっており、内周径は同一径とされている。よって、この主スプール52にあっても、主スプール23と同様に、鍔52aを備えていて、附勢手段であるばね27の附勢力を主弁体であるリーフバルブ3に伝達して当該リーフバルブ3を弁座2側へ附勢している。
【0077】
ゴムリング50は、バルブハウジング51のフランジ51bより左方側の外周に設けた環状溝51g内に装着されていて、外周は主スプール52の内周に密着しており、主スプール52が軸方向へ移動すると、外周が主スプール52の移動に追従して撓み、主スプール52の移動を抑制する粘弾性を発揮するようになっている。なお、ゴムリング50の外周は、主スプール52の滑りを許容してもよく、摩擦力をも発揮して主スプール52の移動を妨げるようにしてもよい。また、粘弾性部材は、粘弾性を発揮する物質で形成されればよく、ゴムの他、たとえば、プラスティック等の高分子物質で形成してもよい。また、ゴムリング50は、主スプール52側に装着されて、内周をバルブハウジング51の外周に当接させるようにしてもよい。
【0078】
そして、このソレノイドバルブV2にあっても、移動抑制手段である粘弾性部材としてのゴムリング50が主スプール52の弁座2に対する移動を抑制するので、主弁Mの開閉作動が抑制される。このように主弁Mの開閉作動が抑制されると、パイロット弁6の開き初めにパイロット流路4内の圧力がパイロット弁6の開弁圧以上となるオーバーシュートが発生し、背圧室P内の圧力が急変する場合あっても、主弁Mの動作が緩慢であるので、主弁Mの開度は急変せずに安定し、緩衝器Dが発生する減衰力も急変することがなくなる。
【0079】
よって、本発明のソレノイドバルブV2にあっても、緩衝器Dに適用されても当該緩衝器Dの減衰力の急変を緩和することができる。また、このソレノイドバルブV
2を緩衝器Dに使用すると、車体に振動を与えづらく異音が発生しづらくなるので、車両搭乗者に不快感を与えず、車両における乗り心地を良好なものとすることができる。
【0080】
また、この粘弾性部材は、これ自体で独立して移動抑制手段を構成することができるが、上記したダンピング室Drと併用することもでき、
図1に示した主スプール23とバルブハウジング22との間に弾性部材を設けるようにすれば、ダンピング室Drと併用しても、ソレノイドバルブV2の大型化を招くことはない。なお、粘弾性部材を用いる場合、ダンピング室Drを廃止することもできるのは当然である。
【0081】
なお、上記したソレノイドバルブVにおいて、主弁Mにおける主弁体は薄いリーフバルブ3であるため、ソレノイドバルブVが軸方向に大型化することを防止できる利点があるが、主弁体の背面に作用する背圧室Pの内部圧力で開弁圧を調節できればよいので、リーフバルブ以外にもスプールやポペットといった他の形式の弁体を主弁体に採用することができる。
【0082】
また、フェール
弁26は、フェールポジションを採ると流路に対向して流路を制限するオリフィス
通路42cを備えているので、パイロット流路4に別途オリフィスを備えたサブ流路を並列させるような構成を採用せずにすみ、ソレノイドバルブVの構造を複雑化せずにすむという利点がある。ただし、パイロット流路4に並列するようオリフィスを備えたサブ流路を設けておいて、フェール時にパイロット流路4を完全にフェール
弁26で遮断してサブ流路のみを機能させる構成を採用することを妨げる趣旨ではない。フェール弁26でパイロット流路4の流路面積を制限する際に、オリフィス
通路42cの代わりに、チョークやその他の弁で抵抗を制限するようにしてもよい。
【0083】
また、フェール弁26の設置は任意であって廃止することも可能であって、ソレノイドSolについても、パイロット弁6を駆動することができればよいので、上述した形状、構造および磁路は一例であって、これに限定されない。
【0084】
以上で、本発明の実施の形態についての説明を終えるが、本発明の範囲は図示されまたは説明された詳細そのものには限定されないことは勿論である。