(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6018519
(24)【登録日】2016年10月7日
(45)【発行日】2016年11月2日
(54)【発明の名称】ゲートバルブ及びこれを有する真空処理装置
(51)【国際特許分類】
C23C 14/56 20060101AFI20161020BHJP
【FI】
C23C14/56 C
【請求項の数】6
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2013-34940(P2013-34940)
(22)【出願日】2013年2月25日
(65)【公開番号】特開2014-162952(P2014-162952A)
(43)【公開日】2014年9月8日
【審査請求日】2015年12月14日
(73)【特許権者】
【識別番号】591097632
【氏名又は名称】長州産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100094581
【弁理士】
【氏名又は名称】鯨田 雅信
(72)【発明者】
【氏名】田尾 鋭司
【審査官】
末松 佳記
(56)【参考文献】
【文献】
特開平09−256158(JP,A)
【文献】
特開平06−184746(JP,A)
【文献】
特開平05−251361(JP,A)
【文献】
特開昭62−004866(JP,A)
【文献】
実開平06−059466(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C23C 14/00−14/58
C23C 16/00−16/56
H01L 21/67−21/68
F16K 27/00−27/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに真空度が異なる各処理室の間又は処理前の基板を供給する基板供給室もしくは処理後の基板を収容する基板収容室と処理室との間を気密に遮断又は分離するために使用されるゲートバルブであって、
平面略円形状の凹部を有するように形成されており、前記凹部の平面略円周状の周囲を構成する凹部側壁の内周側面は前記凹部の上端部から底部に向かうに従って徐々に前記凹部の平面が小さくなるテーパー状に形成されており、前記凹部側壁の互いに半径方向に対向する部分にそれぞれ基板が通過可能なスリットが形成されており、少なくとも前記凹部側壁のテーパー状内周側面と前記凹部の底部上面とがゴム弾性体により形成されている受け部と、
前記受け部の凹部に嵌合可能な凸部を有するように形成されており、前記基板を前記スリットを介して移動させるときは前記凸部が前記スリットを遮断しない位置に配置され、前記基板に対して成膜等の処理を行うか又は前記の処理室、基板供給室もしくは基板収容室をメンテナンスや基板交換などのために大気中に晒すときは前記凸部が前記受け部の凹部に嵌め込まれ押圧されるように移動する押圧部であって、前記受け部の凹部側壁のテーパー状内周側面に当接又は密着可能な押圧側テーパー状側面と、前記凹部の底部上面に当接又は密着可能な押圧側平面とを備えており、少なくとも前記押圧側テーパー状側面及び前記押圧側平面がゴム弾性体により形成されている押圧部と、
を備えたことを特徴とするゲートバルブ。
【請求項2】
請求項1において、前記スリットの下端面は前記受け部の凹部の底部上面と同一平面上に形成されている、ことを特徴とするゲートバルブ。
【請求項3】
請求項1又は2において、前記受け部の底部又は前記押圧部の押圧側平面の一部に、前記受け部の凹部と前記押圧部の凸部との間に存在する気体を排気するための排気ポンプを接続するための穴が形成されている、ことを特徴とするゲートバルブ。
【請求項4】
請求項1から3までのいずれかにおいて、前記受け部はゴム弾性体により一体成形されている、ことを特徴とするゲートバルブ。
【請求項5】
請求項1から4までのいずれかにおいて、前記基板は、前記基板供給室から巻き出されながら供給され途中の一つ又は複数の成膜室を介して前記基板収容室中で巻き取られながら収容される、可とう性の帯状基板であり、
前記受け部及び前記押圧部は、前記帯状基板を互いの間に挟み込んだ状態で、前記各処理室の間又は前記基板供給室もしくは前記基板収容室と前記処理室との間を気密に遮断又は分離するものである、ことを特徴とするゲートバルブ。
【請求項6】
請求項1から5までのいずれかのゲートバルブが、少なくとも2つの処理室の間又は基板供給室もしくは基板収容室と処理室との間に配置されている真空処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板に対して真空下での成膜等の処理を行う各処理室の間などを気密に遮断又は分離するために使用されるゲートバルブ及びこれを有する真空処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、可とう性の帯状基板を搬送しながら又は搬送中に一時的に停止させてから真空下で成膜等の処理を行うロールツーロール方式の真空処理装置が知られている。例えば、
図5に示すような、帯状基板収容室101と真空処理室102との間にゲート104を配置し、このゲート104に、帯状基板103を挟みながら帯状基板収容室101と真空処理室102との間を気密に分離できるゲートバルブ105を設けるようにしたロールツーロール方式の真空処理装置が知られている。このゲートバルブ105は、例えば、ゲート104に取り付けられた弾性部材106と、下面に弾性部材105cが取り付けられたバルブ可動部105aと、このバルブ可動部105aを上下動させるバルブ駆動機構105bとを含んでいる。このような従来のゲートバルブ又は真空処理装置においては、前記バルブ駆動機構105bにより、前記バルブ可動部105aの下面の弾性部材105cを前記ゲート104側の弾性部材106の方向に移動させ帯状基板103と共に押圧することにより、各室間が気密に分離又は遮断されるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平6−184746号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような従来のロールツーロール方式の真空処理装置においては、前述のように、成膜等の処理を行う各処理室の間又は基板を巻き出し供給する基板供給室もしくは基板を巻き取り収容する基板収容室と処理室との間での圧力差からそれらの間で反応ガスなどが漏れてしまうこと、あるいは前記の基板供給室、基板収容室もしくは処理室のいずれかをメンテナンスや基板もしくは部品の交換などのため大気中に晒すときに他の室に大気が侵入してしまうことなどを防止するため、それらの間にゲートバルブを配置してそれらの間を気密に分離又は隔離するようにしている。
【0005】
しかしながら、従来のゲートバルブ又はこれを有する真空処理装置においては、ゲートバルブの気密分離性能が十分でないため、成膜等の処理中に各処理室の間で反応ガスが漏れてしまうという問題があった。また従来のゲートバルブ又はこれを有する真空処理装置においては、ゲートバルブの気密分離性能が十分でないため、一つの処理室のメンテナンスを行うためにその処理室だけを大気に開放する場合に、又は基板供給室もしくは基板収容室に収容されているロール状帯状基板を交換等するために基板供給室もしくは基板収容室を大気に開放する場合に、他の処理室などにも大気が侵入してしまうという問題があった。
【0006】
本発明はこのような従来技術の問題点に着目してなされたものであって、互いに真空度が異なる各処理室の間又は基板供給室もしくは基板収容室と処理室との間などを確実に気密に分離又は遮断して、成膜等の処理中に各処理室の間で反応ガスが漏れてしまうこと又はメンテナンス時や基板の交換時などに他の処理室に大気が侵入してしまうことを確実に防止することができるようしたゲートバルブ及びこれを有する真空処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
以上のような課題を解決するための本発明によるゲートバルブは、互いに真空度が異なる各処理室の間又は処理前の基板を供給する基板供給室もしくは処理後の基板を収容する基板収容室と処理室との間を気密に遮断又は分離するために使用されるゲートバルブであって、平面略円形状の凹部を有するように形成されており、前記凹部の平面略円周状の周囲を構成する凹部側壁の内周側面は前記凹部の上端部から底部に向かうに従って徐々に前記凹部の平面が小さくなるテーパー状に形成されており、前記凹部側壁の互いに半径方向に対向する部分にそれぞれ基板が通過可能なスリットが形成されており、少なくとも前記凹部側壁のテーパー状内周側面と前記凹部の底部上面とがゴム弾性体により形成されている受け部と、前記受け部の凹部に嵌合可能な凸部を有するように形成されており、前記基板を前記スリットを介して移動させるときは前記凸部が前記スリットを遮断しない位置に配置され、前記基板に対して成膜等の処理を行うか又は前記の処理室、基板供給室もしくは基板収容室をメンテナンスや基板交換などのために大気中に晒すときは前記凸部が前記受け部の凹部に嵌め込まれ押圧されるように移動する押圧部であって、前記受け部の凹部側壁のテーパー状内周側面に当接又は密着可能な押圧側テーパー状側面と、前記凹部の底部上面に当接又は密着可能な押圧側平面とを備えており、少なくとも前記押圧側テーパー状側面及び前記押圧側平面がゴム弾性体により形成されている押圧部と、を備えたことを特徴とするものである。
【0008】
また、本発明によるゲートバルブにおいては、前記スリットの下端面は前記受け部の凹部の底部上面と同一平面上に形成されていてもよい。
【0009】
また、本発明によるゲートバルブにおいては、前記受け部の底部又は前記押圧部の押圧側平面の一部に、前記受け部の凹部と前記押圧部の凸部との間に存在する気体を排気するための排気ポンプを接続するための穴が形成されていてもよい。
【0010】
また、本発明によるゲートバルブにおいては、前記受け部はゴム弾性体により一体成形されていてもよい。
【0011】
また、本発明によるゲートバルブにおいては、前記基板は、前記基板供給室から巻き出されながら供給され途中の一つ又は複数の成膜室を介して前記基板収容室中で巻き取られながら収容される、可とう性の帯状基板であり、前記受け部及び前記押圧部は、前記帯状基板を互いの間に挟み込んだ状態で、前記各処理室の間又は前記基板供給室もしくは前記基板収容室と前記処理室との間を気密に遮断又は分離するものであってもよい。
【0012】
さらに、本発明による真空処理装置は、前述のようなゲートバルブが、少なくとも2つの処理室の間又は基板供給室もしくは基板収容室と処理室との間に配置されていることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0013】
本発明では、前記受け部の凹部側壁に基板通過用スリットを形成すると共にその内周側面をテーパー状に形成し、他方、前記押圧部の側面を前記受け部の凹部側壁のテーパー状内周側面と当接又は密着可能なテーパー状に形成するようにした。よって、本発明によれば、前記基板に対して成膜等の処理を行うか又は前記の処理室、基板供給室もしくは基板収容室をメンテナンスや基板交換などのために大気中に晒す場合に、前記受け部の凹部側壁のテーパー状内周側面と前記押圧側テーパー状側面とのいずれか一方を他方に近づくように移動させ押圧させるだけで、前記受け部側のテーパー状内周側面のゴム弾性体と前記押圧部側のテーパー状側面のゴム弾性体とが互いに自然に位置合わせされた状態で密接する結果、前記スリットが確実に気密に遮断される。
【0014】
また、本発明によれば、前記押圧部の凸部と前記受け部の凹部とのいずれか一方を他方に近づくように移動させ押圧させるだけで、前記受け部の底部上面のゴム弾性体と前記押圧部の押圧側平面のゴム弾性体とが互いに広範囲の面に渡って密接され押圧される結果、前記受け部及び押圧部より成るゲートバルブの前後の各室の間が確実に気密に遮断される。
【0015】
また、特に、本発明によれば、前記スリットを通過する基板として可とう性帯状基板を使用する場合において、前記基板に対して成膜等の処理を行うか又は前記の処理室、基板供給室もしくは基板収容室をメンテナンスや基板交換などのために大気中に晒すとき、前記受け部の底部上面と前記押圧部の押圧側平面との間に前記スリットを通過中の可とう性帯状基板が挟み込まれている状態だったとしても、前述のように、前記受け部の底部上面のゴム弾性体と前記押圧部の押圧側平面のゴム弾性体とが互いに広範囲に渡る面で押圧され弾性変形的に密着される結果、前記帯状基板と前記受け部側底部上面と前記押圧側平面との間の各室に繋がる隙間を確実に無くして、前記ゲートバルブの前後の各室の間を確実に気密に遮断することができる。よって、本発明によれば、可とう性帯状基板を使用するロールツーロール方式の真空処理装置においても、ゲートバルブのみで各処理室毎の真空度や圧力を独立に制御することが確実に行えるようになる。
【0016】
また、本発明において、前記受け部の底部又は前記押圧部の押圧側平面の一部に、排気ポンプを接続するための穴を形成するようにしたときは、前記受け部の凹部と前記押圧部の凸部との間の隙間(特に、前記帯状基板とそれを挟み込んでいる前記受け部の底部上面及び前記押圧部の押圧側平面との間の各室に繋がる隙間)に存在する気体を排気することができるので、前記隙間に存在する気体が処理室等に侵入してしまうことを、より確実に防止することができる。
【0017】
さらに、本発明において、前記受け部をゴム弾性体により一体成形するようにしたときは、前記受け部の全体を前記の当接・押圧される押圧部の凸部の形状に合わせて弾性変形させることが可能となるので、前記押圧部の前記受け部への嵌合・密着状態を、より良好なものにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明の一実施形態に係るゲートバルブを構成する押圧部と受け部を示す斜視図である。
【
図2】本実施形態の動作を説明するための図である。
【
図3】本実施形態の動作を説明するための図であって、(a)は前記押圧側平面12と前記凹部の底部上面4aとが帯状基板Wを挟んだ状態で互いに密着している状態の一部を示す平断面図、(b)は(a)のA−A線断面図、(c)は(a)のB−B線断面図である。
【
図4】本実施形態による受け部をハウジングに収容した状態を示す斜視図である。
【
図5】従来のロールツーロール方式の真空処理装置を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態を図面を用いて説明する。
図1は本発明の一実施形態に係るゲートバルブを構成する押圧部と受け部を示す斜視図である。
図1において、1はゲートバルブを構成する受け部、2は前記受け部1の中央に形成された平面略円形状の凹部、3は前記受け部の周囲を構成する平面略円周形状の凹部側壁、3aは前記凹部側壁3の内周側面であって前記凹部2の周囲を構成する内周側面、4aは前記受け部1の底部4の上面、5は前記受け部1の上端面、6a,6bは前記凹部側壁3の互いに半径方向に対向する2つの箇所にそれぞれ形成された基板が通過可能なスリットである。
【0020】
本実施形態では、前記凹部2は、前記凹部側壁3の内周側面3aと前記底部4の上面4aとにより画されている。また本実施形態では、前記凹部側壁3の内周側面3aは、前記凹部2の図示上端部(前記受け部1の上端面5参照)から前記底部上面4aに向かうに従って徐々に前記凹部2の平面が小さくなるテーパー状に形成されている。また本実施形態においては、前記凹部2の凹部側壁3のテーパー状内周側面3aと前記凹部2の底部4の上面4aとを含む前記受け部1全体が、ゴム弾性体により一体形成されている。
【0021】
また本実施形態では、前記受け部1の底部4の上面4aは前記スリット6a,6bの下端面6aa,6baと同一平面上に形成されている。また、
図1において、7は前記底部4の略中央部に形成された挿通穴である。この挿通穴7は、前記受け部1の凹部2と後述する凸状の押圧部(
図1の符号11参照)との間に存在する気体を排気するための排気管(後述)を取り付けるための穴である。
【0022】
また
図1において、11は本実施形態のゲートバルブを構成する凸状の押圧部、12は前記押圧部11の押圧側平面、13は前記押圧部11の側面、14は前記押圧部11の上端部(前記受け部1から離れた側の部分)である。
【0023】
本実施形態では、前記側面13は、前記押圧側平面12から前記上端部14に向かうに従って徐々に前記側面13により画される略円形の水平断面が小さくなるテーパー状に形成されている。また本実施形態において、前記押圧部11の本体(前記上端部14を含む)は金属製で、前記押圧側平面12と前記側面13に対応する部分だけがゴム弾性体により形成されている。
【0024】
次に
図2及び
図3を参照して本実施形態の動作を説明する。なお、
図3(a)は前記押圧側平面12と前記凹部の底部上面4aとが帯状基板Wを挟んだ状態で互いに密着している状態の一部を示す平断面図、
図3(b)は
図2(b)のA−A線及び
図3(a)のA−A線断面図、
図3(c)は
図3(a)のB−B線断面図である。
【0025】
まず本実施形態において、帯状基板Wが前記スリット6a,6bを通過しながら移動するときは、前記押圧部11を前記スリット6a,6bを遮断しない位置に配置しておく(
図2(a)参照)。
【0026】
他方、一時的に停止させた帯状基板Wに対して成膜等の処理を行うか又は処理室、基板供給室もしくは基板収容室をメンテナンスや基板交換などのために大気中に晒すときは、前記押圧部11を、駆動機構(図示せず)により前記受け部1の方向(図示下方)に移動させて、前記受け部1の凹部内に嵌合させて押圧、密着させる(
図2(b)参照)。これにより、まず前記スリット6a,6bは、前記押圧側テーパー状側面13と前記凹部側壁3のテーパー状内周側面3aとが互いに押圧、密着することにより気密に遮断される。また、前記帯状基板Wと前記受け部1の底部上面4aと前記押圧部11の押圧側平面12との間も、前記底部上面4aと前記押圧側平面12が互いに押圧、密着することにより、気密に遮断される。
【0027】
なお、本実施形態では、前述のように帯状基板Wが前記受け部1の底部上面4aと前記押圧部11の押圧側平面12とに挟まれた状態となるため、帯状基板Wと前記受け部1の底部上面4aと前記押圧部11の押圧側平面12との間の一部で、隙間D(
図3(a)及び(b)参照)が生じる可能性はあり得る。しかしながら、本実施形態では、前述のように、前記受け部1の底部上面4aと前記押圧部11の押圧側平面12とがゴム弾性体で形成されていること、及び、前記受け部1の底部上面4aと前記押圧部11の押圧側平面12とが互いの広い範囲の面に渡って互いに押圧、密着されることなどから、仮に前記受け部1の底部上面4aと前記押圧側平面12と帯状基板Wとの間の一部に前述のような隙間D(
図3(a)及び(b)参照)が生じたとしても、前記受け部1の底部上面4aと前記押圧側平面12と帯状基板Wとの間の他の部分では、前記受け部1の底部上面4aと前記押圧部11の押圧側平面12が互いに隙間がない程に弾性変形されつつ強く密着される(
図3(c)参照)ため、ゲートバルブで仕切られた各室は、互いに気密に遮断され、それぞれの真空度が互いに独立に制御又は保持され得るようになる。
【0028】
なお、
図2に示すように、前記受け部1の挿通穴7には、排気ポンプ接続部23が嵌合されている。そして、前記排気ポンプ接続部23の中央に固定された排気管23aに、排気ポンプ24が接続されている。これにより、帯状基板Wを前記受け部1の底部上面4aと前記押圧部11の押圧側平面12との間に挟み込んだときそれらの間の一部にもし隙間(
図3(a)の符号D参照)が存在していても、そのような隙間D内の気体は前記排気ポンプ24により排気される。
【0029】
また
図4は前述のような受け部1を金属製のハウジング21に収容した状態を示す斜視図である。
図4に示すように、前記ハウジング21には、前記受け部1の各スリット6a,6bにそれぞれ対向するスリット22が形成されている。また前記ハウジング21には、前記受け部1の挿通穴7(
図1参照)に嵌合される排気ポンプ接続部23が、取り付けられている。前記排気ポンプ接続部23は、前記隙間D(
図3参照)に存在する気体を排気ポンプ24(
図2参照)により排気するための排気管23aを備えている。
【0030】
以上、本発明の各実施形態について説明したが、本発明は前記実施形態として述べたものに限定されるものではなく、様々な修正及び変更が可能である。例えば、前記実施形態においては、前記受け部1はその全体をゴム弾性体により一体成形したものとしたが、本発明においては、例えば前記受け部1の本体を金属製とし前記凹部側壁3のテーパー状内周側面3aと底部上面4aの部分にだけゴム弾性体を前記本体に固定するようにしてもよい。また、前記実施形態では排気ポンプ24に接続するための排気管23a及び排気ポンプ接続部23を接続するための挿通穴7を受け部の底部4に形成したが、本発明では前記挿通穴を押圧部11の側に形成するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0031】
1 受け部
2 凹部
3 凹部側壁
3a 凹部側壁のテーパー状内周側面
3a 押圧側ペーパー状側面
4 底部
4a 底部上面
5 受け部の上端面
6a,6b,22 スリット
6aa,6ba スリットの下端面
7 挿通穴
11 押圧部
12 押圧側平面
13 押圧部の側面
14 押圧部の上端部
21 ハウジング
23 排気ポンプ接続部
23a 排気管
24 排気ポンプ
D 隙間
W 可とう性の帯状基板