特許第6018521号(P6018521)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6018521
(24)【登録日】2016年10月7日
(45)【発行日】2016年11月2日
(54)【発明の名称】電力システム
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/00 20060101AFI20161020BHJP
   B60L 1/00 20060101ALI20161020BHJP
   B60L 8/00 20060101ALI20161020BHJP
【FI】
   H02J7/00 A
   H02J7/00 303A
   H02J7/00 P
   B60L1/00 L
   B60L8/00
【請求項の数】4
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2013-35650(P2013-35650)
(22)【出願日】2013年2月26日
(65)【公開番号】特開2014-166056(P2014-166056A)
(43)【公開日】2014年9月8日
【審査請求日】2015年5月7日
(73)【特許権者】
【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121821
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 強
(74)【代理人】
【識別番号】100139480
【弁理士】
【氏名又は名称】日野 京子
(74)【代理人】
【識別番号】100125575
【弁理士】
【氏名又は名称】松田 洋
(72)【発明者】
【氏名】河村 秀樹
(72)【発明者】
【氏名】山本 健児
【審査官】 田中 寛人
(56)【参考文献】
【文献】 実開平07−027254(JP,U)
【文献】 特開2010−028881(JP,A)
【文献】 特開2007−228753(JP,A)
【文献】 特開2012−228027(JP,A)
【文献】 特開2012−228028(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60L1/00−3/12、7/00−13/00、
15/00−15/42
H01M10/42−10/48
H02J7/00−7/12、7/34−7/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
蓄電池を太陽光発電装置によって充電可能に構成された、電力システム(20)であって、
前記蓄電池を着脱自在に接続するように設けられた、接続端子(29)と、
前記太陽光発電装置で発生した発電電力を電力変換して前記接続端子に出力電力を出力するように設けられた、電力変換器(32)と、
前記接続端子に印加される圧力の検知状態に対応して開閉することで、前記接続端子への前記出力電力の出力電路における通電可能状態と遮断状態とを切替えるように、前記出力電路に設けられた、切替部(43)と、
を備えたことを特徴とする、電力システム。
【請求項2】
前記接続端子に接続される前記蓄電池は、電動車両の補機に電源電力を供給するように設けられた補機電池(23)であって、
前記補機と前記補機電池とは、前記電力変換器に並列接続されるようになっていることを特徴とする、請求項1に記載の電力システム。
【請求項3】
前記電力変換器は、
前記太陽光発電装置に接続されていて、前記発電電力を電力変換するように設けられた、第一電力変換部(33)と、
前記第一電力変換部及び前記接続端子に接続されていて、前記第一電力変換部の出力を電力変換して前記出力電力としての補機側出力を前記接続端子に出力するように設けられた、第二電力変換部(34)と、
前記電動車両の走行用電動機(12)に電源電力を供給するように設けられた蓄電池であるメイン電池(22)に接続されるようになっていて、前記第一電力変換部の出力を電力変換して前記メイン電池の充電電力を出力するように設けられた、第三電力変換部(35)と、
を備えたことを特徴とする、請求項2に記載の電力システム。
【請求項4】
前記電力変換器は、前記第一電力変換部の出力によって充電される蓄電池であるサブ電池(24)に接続されるようになっていることを特徴とする、請求項3に記載の電力システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蓄電池(二次電池とも称される)を太陽光発電装置によって充電可能に構成された、電力システムに関する。
【背景技術】
【0002】
この種の装置として、太陽光発電装置としてのソーラーセルを備えた電気走行車が知られている(例えば、特開平5−111112号公報等参照。)。この電気走行車は、主バッテリと、補機用バッテリと、切り替えスイッチと、充電制御手段と、を備えている。前記主バッテリは、走行用電動機を駆動するためのバッテリである。前記補機用バッテリは、補機類を駆動するためのバッテリである。前記切り替えスイッチは、前記ソーラーセルに、前記主バッテリ及び前記補機用バッテリのいずれかを選択的に接続する。前記充電制御手段は、前記ソーラーセルの出力電力の大小に応じて前記主バッテリ及び前記補機用バッテリのいずれかを選択的に充電すべく、前記切り替えスイッチを制御する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平5−111112号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述のような従来技術においては、蓄電池(特に前記補機用バッテリ)の接続が外れていた場合にも、当該蓄電池への電力の出力が継続する。これにより、種々の誤動作等の不具合が生じるおそれがある。本発明は、上記に例示した事情等に鑑みてなされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の電力システムは、蓄電池を太陽光発電装置によって充電可能に構成されている。この電力システムは、接続端子と、電力変換器と、切替部と、を備えている。前記接続端子は、前記蓄電池を着脱自在に接続するように設けられている。前記電力変換器は、前記太陽光発電装置で発生した発電電力を電力変換して、前記接続端子に出力電力を出力するように設けられている。前記切替部は、前記接続端子への前記出力電力の出力電路に設けられている。この切替部は、前記接続端子に対する前記蓄電池の着脱状態に対応して開閉することで、前記出力電路における通電可能状態と遮断状態とを切替えるように構成されている。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】本発明の適用対象の一例である電動車両の概略図。
図2図1に示されている車両電力システムの機能ブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、本発明を具体化した一実施形態を、図面を参照しつつ説明する。なお、変形例は、当該実施形態の説明中に挿入されると首尾一貫した一実施形態の説明の理解が妨げられるので、末尾にまとめて記載されている。
【0008】
<構成>
図1を参照すると、電動車両10は、駆動輪11をモータージェネレータ12によって回転駆動することで走行可能に構成されている。本発明の「走行用電動機」としてのモータージェネレータ12は、三相交流の回転電機であって、図示しない動力伝達機構を介して駆動輪11に連結されている。このモータージェネレータ12は、電動車両10の加速時に駆動輪11を駆動する電動機として動作するとともに、電動車両10の減速時に駆動輪11の回転を抑制する回生ブレーキ機能を奏する発電機としても動作するように設けられている。また、電動車両10には、給電により動作する補機13が搭載されている。
【0009】
さらに、電動車両10には、車両電力システム20が搭載されている。車両電力システム20は、ソーラーパネル21を備えている。本発明の「太陽光発電装置」としてのソーラーパネル21は、電動車両10におけるルーフ部分に搭載されている。図2を参照すると、このソーラーパネル21は、太陽光を受光することで、補機13を駆動したり各蓄電池(メイン電池22、補機電池23、及びサブ電池24)を充電したりするための電力を発生させるように設けられている。具体的には、本実施形態の車両電力システム20は、上述のソーラーパネル21、メイン電池22、補機電池23、及びサブ電池24に加えて、さらに、インバータ25と、メイン電池出力コンバータ26と、補機側電力ライン27と、補機電池側電力ライン28と、接続端子29と、ソーラーECU30と、を備えている。
【0010】
メイン電池22は、多数のニッケル水素電池等の蓄電池セルを直列及び並列に接続することで、高電圧(本実施形態においては約300V)を出力するように構成されている。補機電池23は、鉛蓄電池(本実施形態においては約12V)であって、補機13に電源電力を供給するように設けられている。サブ電池24は、多数のニッケル水素電池等の蓄電池セルを直列及び並列に接続することで、メイン電池22よりも低い所定の高電圧(本実施形態においては約30V)を出力するように構成されている。
【0011】
メイン電池22は、インバータ25を介して、モータージェネレータ12に接続されている。すなわち、メイン電池22は、モータージェネレータ12に電源電力を供給するように設けられている。また、メイン電池22は、メイン電池出力コンバータ26を介して、補機側電力ライン27に接続されている。メイン電池出力コンバータ26は、いわゆるバックコンバータであって、メイン電池22から出力された高電圧の電力を降圧して補機側電力ライン27に低電圧(約12V)の電力を出力するように設けられている。
【0012】
補機側電力ライン27は、補機13に向けて給電可能に、補機13に接続されている。また、補機側電力ライン27は、補機電池側電力ライン28に接続されている。補機電池側電力ライン28における一端には、接続端子29が設けられている。接続端子29は、補機電池23を着脱自在に接続するようになっている。ここで、「着脱自在」は、作業の煩雑さ(困難さ)や所要時間の長さを度外視して単に物理的に着脱可能であることを意味するものではなく、比較的単純な人為的操作によって容易に着脱できることを意味するものとする。
【0013】
ソーラーECU30は、ソーラーパネル21で発生した発電電力を電力変換することで、この電力変換後の電力に基づいてメイン電池22、補機電池23、及びサブ電池24を充電可能に構成されている。また、ソーラーECU30は、メイン電池出力コンバータ26の出力停止中に、補機13に対して給電可能に構成されている。以下、本実施形態におけるソーラーECU30について、より詳細に説明する。
【0014】
ソーラーECU30は、マイクロコンピュータ31と、電力変換器32と、を備えている。マイクロコンピュータ31は、車両電力システム20の運転状態に応じてインバータ25、メイン電池出力コンバータ26及び電力変換器32の動作を制御することで、ソーラーパネル21と上述の各蓄電池とモータージェネレータ12との間の電力の授受を制御するように構成されている。電力変換器32は、ソーラーパネル21で発生した発電電力を電力変換して、補機13、メイン電池22、補機電池23、及びサブ電池24に電力を出力するように設けられている。
【0015】
電力変換器32には、電力の入出力端子である、ソーラー側入力端子32b、補機側出力端子32d、メイン電池端子32f、及びサブ電池端子32h、が設けられている。ソーラー側入力端子32bは、ソーラーパネル21に接続されている。補機側出力端子32dは、補機電池側電力ライン28における上述の一端とは反対側の他端に接続されている。すなわち、補機側出力端子32dは、補機電池側電力ライン28及び接続端子29を介して補機電池23に接続可能に設けられている。また、補機13と補機電池23とは、電力変換器32に並列接続されている。メイン電池端子32fは、メイン電池22に接続されている。サブ電池端子32hは、サブ電池24に接続されている。
【0016】
電力変換器32は、DC−DCコンバータである、ソーラー発電コンバータ33、補機側コンバータ34、及びメイン電池側コンバータ35を備えている。本発明の「第一電力変換部」としてのソーラー発電コンバータ33は、電力ラインであるソーラー入力ライン36bを介して、ソーラー側入力端子32bに接続されている。すなわち、ソーラー発電コンバータ33は、ソーラー入力ライン36b及びソーラー側入力端子32bを介して、ソーラーパネル21に接続されている。このソーラー発電コンバータ33は、最大電力点追随制御(MPPT:Maximum Power Point Tracking)に基づいてソーラーパネル21の出力を最適に制御しつつ、ソーラーパネル21で発生した発電電力を所定電圧(約30V)の電力に変換してソーラー給電ライン36cに出力するように設けられている。
【0017】
本発明の「第二電力変換部」としての補機側コンバータ34は、電力ラインである上述のソーラー給電ライン36cを介して、ソーラー発電コンバータ33に接続されている。また、補機側コンバータ34は、電力ラインである補機側出力ライン36dを介して、補機側出力端子32dに接続されている。すなわち、補機側コンバータ34は、補機側出力ライン36d、補機側出力端子32d、補機電池側電力ライン28及び接続端子29を介して、補機電池23に接続されている。この補機側コンバータ34は、いわゆるバックコンバータであって、ソーラー発電コンバータ33の出力を電力変換(具体的には降圧)して、補機側出力端子32dに、所定の低電圧の出力電力である補機側出力を出力するように設けられている。ここで、上述の「所定の低電圧」は、本実施形態においては、補機13あるいは補機電池23に供給するための低電圧(約12V)である。
【0018】
本発明の「第三電力変換部」としてのメイン電池側コンバータ35は、電力ラインであるメイン電池側出力ライン36fを介して、メイン電池端子32fに接続されている。すなわち、メイン電池側コンバータ35は、メイン電池側出力ライン36f及びメイン電池端子32fを介して、メイン電池22に接続されている。また、メイン電池側コンバータ35は、ソーラー給電ライン36cから分岐する電力ラインである第一分岐ライン36gを介して、ソーラー発電コンバータ33に接続されている。このメイン電池側コンバータ35は、いわゆるブーストコンバータであって、ソーラー発電コンバータ33の出力を電力変換(具体的には昇圧)して、補機側出力端子32dに、所定の高電圧のメイン電池充電電力を出力するように設けられている。ここで、上述の「所定の高電圧」は、メイン電池22の充電用の高電圧(約300V)である。
【0019】
また、ソーラー給電ライン36cから分岐する電力ラインである第二分岐ライン36hは、サブ電池端子32hに接続されている。すなわち、ソーラー発電コンバータ33は、ソーラー給電ライン36c、第二分岐ライン36h及びサブ電池端子32hを介して、サブ電池24に接続されている。
【0020】
ソーラー入力ライン36bには、入力電圧センサ41が設けられている。この入力電圧センサ41は、ソーラーパネル21で発生した発電電力における電圧に対応する出力を生じるようになっている。
【0021】
さらに、車両電力システム20は、着脱検知センサ42と切替部43とを備えている。着脱検知センサ42は、接続端子29に対する補機電池23の接続状態(装着状態)を検知するためのセンサであって、接続端子29に隣接(近接)して設けられている。本実施形態においては、着脱検知センサ42は、圧力センサであって、接続端子29に補機電池23が装着された際に接続端子29に印加される圧力を検知するようになっている。
【0022】
本実施形態においては、切替部43は、補機側コンバータ34から接続端子29への補機側出力の出力電路である補機側出力ライン36dに設けられている。この切替部43は、接続端子29に対する補機電池23の着脱状態に対応して開閉することで、かかる出力電路における通電可能状態と遮断状態とを切替えるように構成されている。具体的には、切替部43は、通電状態の切替を電気的に制御可能なスイッチであって、マイクロコンピュータ31の制御下で、着脱検知センサ42の出力に基づいて切替動作を行うようになっている。
【0023】
<動作>
次に、本実施形態の構成における動作の概要、及び本実施形態の構成による作用・効果について説明する。
【0024】
マイクロコンピュータ31は、ソーラーパネル21における発電状況と、メイン電池22、補機電池23及びサブ電池24における充電残量と、モータージェネレータ12及び補機13における運転状態と、に応じて、電力分配を適宜行う。この電力分配の態様としては、以下のものがある。(1)ソーラーパネル21から補機13、メイン電池22、補機電池23、及びサブ電池24のうちの少なくともいずれか1つへの電力供給。(2)メイン電池22から補機13及び/又は補機電池23への電力供給。(3)サブ電池24から補機13、メイン電池22、及び補機電池23のうちの少なくともいずれか1つへの電力供給。(4)補機電池23から補機13への電力供給。(5)インバータ25を介してのモータージェネレータ12とメイン電池22との間の電力授受。
【0025】
以下、上記(1)の電力分配態様を中心に説明する。ソーラーパネル21が太陽光を受光することで、発電電力が発生する。このとき、ソーラー側入力端子32bにて、発電電力に対応して電圧が生じる。そこで、かかる端子電圧が、入力電圧センサ41によって測定される。そして、入力電圧センサ41によって測定された端子電圧が所定の基準電圧以上となったことがマイクロコンピュータ31によって判定されると、マイクロコンピュータ31は、ソーラー発電コンバータ33を駆動する。これにより、ソーラーパネル21で発生した発電電力が、所定電圧(約30V)の電力に変換されてソーラー給電ライン36cに出力される。
【0026】
上述のようにしてソーラー発電コンバータ33から出力された所定電圧の電力は、そのままサブ電池24の充電に供され得る。あるいは、かかる電力は、メイン電池側コンバータ35によって昇圧されることで、メイン電池22の充電に供され得る。あるいは、かかる電力は、補機側コンバータ34によって降圧されることで、補機電池23の充電及び/又は補機13における電力消費に供され得る。
【0027】
さらに、ソーラー発電コンバータ33からの出力が補機電池23の充電に供される場合について説明する。この場合、補機側コンバータ34からの低電圧の出力電力である補機側出力は、補機側出力ライン36d、補機側出力端子32d、補機電池側電力ライン28及び接続端子29を介して、補機電池23に出力される。
【0028】
ここで、周知のように、補機電池23の充電動作は、当該補機電池23の端子電圧に基づいて取得(推定)された充電残量に応じて行われる。すなわち、補機電池23の端子電圧が所定の充電閾値電圧よりも低くなったとき、補機電池23の充電残量が不足していて充電の必要があると判断される。
【0029】
しかしながら、何らかの原因によって接続端子29における補機電池23との接続が外れている場合、見かけ上の補機電池23の端子電圧が上述の充電閾値電圧よりも低くなる。すると、この場合、充電残量不足であるという判断が誤って生じることがあり得る。かかる誤判断によって、補機側コンバータ34の動作が継続し、接続端子29に対して補機側コンバータ34からの出力電圧が印加され続ける。さらには、かかる電圧印加に伴って、メイン電池出力コンバータ26が不用意に動作してしまうこともあり得る。すなわち、上述の誤判断によって、補機電池23の充電制御における種々の誤動作が生じるおそれがある。
【0030】
そこで、本実施形態においては、着脱検知センサ42の出力に基づいて、接続端子29に対する補機電池23の着脱状態が検知される。そして、接続端子29における補機電池23との接続が外れている場合、切替部43がオフされる。すると、補機側コンバータ34から接続端子29への補機側出力の出力電路が遮断される。これにより、上述のような不具合の発生が、良好に抑制される。なお、本実施形態においては、この場合、補機側コンバータ34の動作も停止(禁止)される。
【0031】
<変形例>
以下、代表的な変形例について、幾つか例示する。以下の変形例の説明において、上述の実施形態にて説明されているものと同様の構成及び機能を有する部分に対しては、上述の実施形態と同様の符号が用いられ得るものとする。そして、かかる部分の説明については、技術的に矛盾しない範囲内において、上述の実施形態における説明が適宜援用され得るものとする。もっとも、言うまでもなく、変形例とて、以下に列挙されたものに限定されるものではない。また、上述の実施形態の一部、及び、複数の変形例の全部又は一部が、技術的に矛盾しない範囲内において、適宜、複合的に適用され得る。
【0032】
本発明は、上述した具体的な装置構成に限定されない。例えば、本発明は、電気自動車及びハイブリッド自動車のいずれに対しても好適に適用可能である。また、サブ電池24は、省略され得る。また、インバータ25を介して出力される、モータージェネレータ12による回生電力が、メイン電池22を介さずに補機13側(補機電池23側)やソーラーECU30側に供給されるように、車両電力システム20が構成されていてもよい。また、インバータ25を制御するために、ソーラーECU30におけるマイクロコンピュータ31とは別のマイクロコンピュータが設けられていてもよい。さらに、各電池やコンバータの出力電圧も、上述の具体例から適宜変更され得る。
【0033】
入力電圧センサ41に代えて、周知の日照量センサが設けられていてもよい。
【0034】
切替部43は、ソーラーECU30の外部、すなわち、補機電池側電力ライン28に設けられていてもよい。特に、切替部43が、補機側電力ライン27と補機電池側電力ライン28との接続点(補機13と補機電池23とが並列接続されている点)よりも接続端子29側に設けられている場合、補機電池23の未接続時においても、補機側コンバータ34からの補機側出力が補機13に供給可能となる。これにより、補機電池23が未接続であって且つメイン電池22の充電残量が比較的少ないときであっても、一方で充分なサブ電池24の充電残量あるいは充分な日射量があれば、補機13に対する給電が良好に行われ得る。
【0035】
また、本発明は、着脱検知センサ42の検出信号に基づいて切替部43を電気的に制御する態様に限定されない。すなわち、例えば、接続端子29に対する補機電池23の着脱に対応して動作するリンク機構等を介して、切替部43における切替動作が機械的に変更されるような態様も可能である。
【0036】
その他、特段に言及されていない変形例についても、本発明の本質的部分を変更しない範囲内において、本発明の技術的範囲に含まれることは当然である。また、本発明の課題を解決するための手段を構成する各要素における、作用・機能的に表現されている要素は、上述の実施形態や変形例にて開示されている具体的構成及びその均等物の他、当該作用・機能を実現可能ないかなる構成をも含む。
【符号の説明】
【0037】
10…電動車両、12…モータージェネレータ、13…補機、20…車両電力システム、21…ソーラーパネル、22…メイン電池、23…補機電池、24…サブ電池、29…接続端子、30…ソーラーECU、31…マイクロコンピュータ、32…電力変換器、32d…補機側出力端子、33…ソーラー発電コンバータ、34…補機側コンバータ、35…メイン電池側コンバータ、42…着脱検知センサ、43…切替部。
図1
図2