特許第6018570号(P6018570)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6018570
(24)【登録日】2016年10月7日
(45)【発行日】2016年11月2日
(54)【発明の名称】回転ロック装置
(51)【国際特許分類】
   E06B 9/80 20060101AFI20161020BHJP
【FI】
   E06B9/80 B
【請求項の数】7
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2013-512381(P2013-512381)
(86)(22)【出願日】2012年4月24日
(86)【国際出願番号】JP2012060997
(87)【国際公開番号】WO2012147754
(87)【国際公開日】20121101
【審査請求日】2015年2月3日
(31)【優先権主張番号】特願2011-97237(P2011-97237)
(32)【優先日】2011年4月25日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000004640
【氏名又は名称】日本発條株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000051
【氏名又は名称】特許業務法人共生国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】鈴 木 健
【審査官】 新井 夕起子
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−038340(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E06B 9/80
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
巻取部材が巻き付けられ固定軸に回転可能に支持された巻取軸が巻取ばねの付勢力によって巻取方向に回転する回転をロックする回転ロック装置であって、
前記巻取軸と固定軸との間に設けられ、前記巻取部材の引き出し方向への巻取軸の回転を許容し、逆方向への回転をロックするように切り換えるワンウェイクラッチ機構と、
前記固定軸に回転可能に設けられ、当該回転によって前記ワンウェイクラッチ機構の切り換えを行うロック解除部材と、
このロック解除部材と係脱可能に前記固定軸に取り付けられ、ロック解除部材との係合によってロック解除部材の回転をロックして前記ワンウェイクラッチ機構を巻取軸の回転許容状態に保持するロックプレートと、
前記ワンウェイクラッチ機構を巻取軸の回転許容状態とするように前記ロック解除部材を回転させてロック解除部材とロックプレートとを係合させる操作部材とを備えていることを特徴とする回転ロック装置。
【請求項2】
前記ワンウェイクラッチ機構は、前記巻取部材の引き出し方向への巻取軸の回転が拡径方向となって前記固定軸と巻取軸とに縮径状態で巻き付けられ、一端が前記固定軸に係止されたロックスプリングであり、
前記ロック解除部材は、前記ロックスプリングの他端が係止された状態でロックスプリングを拡径させる方向に回転可能に前記固定軸に取り付けられ、
前記ロックプレートは、前記ロック解除部材との係合によってロック解除部材の回転をロックして前記ロックスプリングを拡径状態に保持し、
前記操作部材は、前記ロックスプリングが拡径する方向に前記ロック解除部材を回転させてロック解除部材とロックプレートとを係合させることを特徴とする請求項1記載の回転ロック装置。
【請求項3】
前記ワンウェイクラッチ機構は、前記巻取軸側に設けられた巻取軸側ラチェット歯と、前記巻取軸への接離方向に進退移動可能に前記固定軸に設けられたトルク伝達部材と、このトルク伝達部材に設けられ前記巻取軸側ラチェット歯に係脱自在に噛合する固定軸側ラチェット歯とによって形成されており、
前記ロック解除部材は、回転によって前記トルク伝達部材を進退移動させ、
前記ロックプレートは、前記ロック解除部材との係合によってロック解除部材の回転をロックして前記固定軸側ラチェット歯と前記巻取軸側ラチェット歯との噛合を解除状態とし、
前記操作部材は、前記ロック解除部材を回転させて前記固定軸側ラチェット歯が前記巻取軸側ラチェット歯と噛合する方向にトルク伝達部材を移動させることを特徴とする請求項1記載の回転ロック装置。
【請求項4】
前記巻取軸の巻取方向の回転では前記ロックプレートの揺動に作用することなく、巻取軸の引き出し方向の回転で前記ロックプレートがロック解除部材との係合から外れるように作用するようにロックプレートに当接する反転駒が前記巻取軸に設けられていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の回転ロック装置。
【請求項5】
前記ロックプレートは前記固定軸に揺動可能に取り付けられており、一端側が前記ロック解除部材に係合可能で、他端側が前記反転駒に当接可能となっていることを特徴とする請求項4記載の回転ロック装置。
【請求項6】
前記ロック解除部材は前記固定軸に回転可能に外挿された筒状となっており、前記ロックプレートはロック解除部材の外周側で揺動可能となっていることを特徴とする請求項4又は5記載の回転ロック装置。
【請求項7】
前記トルク伝達部材の進退移動に対して斜めに交差するガイドスリットが前記ロック解除部材に設けられ、このガイドスリット内を相対移動可能にスライドするガイドピンが前記トルク伝達部材に設けられていることを特徴とする請求項3記載の回転ロック装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シャッタのスラットやブラインド、シート等の長尺な巻取部材が巻き付けられた巻取軸の回転をロックする回転ロック装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ロールブラインド等の巻取装置においては、コイルスプリングを巻取軸の回転ロック用のクラッチスプリングとして用い、このコイルスプリングを縮径又は拡径させて発生した摩擦力により巻取部材を任意の位置(高さ)で停止させる構造の回転ロック装置が従来より用いられている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1に開示されている回転ロック装置は、巻取軸をスクリーン等の巻取部材の巻取方向に回転させる巻取ばねに対し、コイルスプリングからなるクラッチばねを用い、クラッチばねが縮径又は拡径することにより巻取軸の巻き取り回転を許容又はロックする構造となっている。この回転ロック装置においては、巻取軸を回転可能に支持する固定軸の外周に複数の係止溝を有したハートカムを形成している。このハートカムはクラッチばねの一端側の係合端を係合状態で移動させる複数の係合溝を有している。複数の係止溝は、引き出されたスクリーンを任意の位置でロックさせ、且つ引き出されている巻取部材を若干引き出すことによりクラッチばねを縮径させてクラッチばねのロックを解除するために形成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−161413号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述した従来の回転ロック装置では、引き出した巻取部材を任意の位置で停止させることができるが、この停止位置から巻取部材を若干引き出すと、クラッチばねのロックが解除されるため、巻取部材がそのまま巻取軸に巻き取られる。このため停止位置から巻取部材をさらに長く引き出すことができないものとなっている。これにより従来の回転ロック装置では、巻取部材の引き出しを無段階で調整することができない問題を有している。
【0006】
又、従来の回転ロック装置では、巻取部材を最大に引き出した状態では、巻取部材をさらに引き出すことができないため、クラッチばねのロック解除ができず、そのままでは巻取部材を巻き取ることができない。従って、シャッタに用いた場合には、最大引き出し状態からスラット(巻取部材)を巻き上げることができないものとなる。又、最大引き出し時においては、クラッチばねをロック解除状態としておく必要があることから、最大引き出し状態では巻取ばねの巻取力が巻取部材に作用している。従って最大引き出し状態を保持するためには、巻取ばねによる巻取力に抗して巻取部材の引き出し状態を保持するための外部の保持部材が必要となっており、構造が複雑となる問題がある。
【0007】
本発明はこのような従来の問題点を考慮してなされたものであり、一旦引き出した巻取部材をさらに引き出した場合においても、巻取部材をその位置で停止させることができ、これにより巻取部材の引き出しを無段階で調整することができ、しかも巻取部材の最大引き出し状態を保持するための保持部材を不要とした回転ロック装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の回転ロック装置は、巻取部材が巻き付けられ固定軸に回転可能に支持された巻取軸が巻取ばねの付勢力によって巻取方向に回転する回転をロックする回転ロック装置であって、前記巻取軸と固定軸との間に設けられ、前記巻取部材の引き出し方向への巻取軸の回転を許容し、逆方向への回転をロックするように切り換えるワンウェイクラッチ機構と、前記固定軸に回転可能に設けられ、当該回転によって前記ワンウェイクラッチ機構の切り換えを行うロック解除機構と、このロック解除部材と係脱可能に前記固定軸に取り付けられ、ロック解除部材との係合によってロック解除部材の回転をロックして前記ワンウェイクラッチ機構を巻取軸の回転許容状態に保持するロックプレートと、前記ワンウェイクラッチ機構を巻取軸の回転許容状態とするように前記ロック解除部材を回転させてロック解除部材とロックプレートとを係合させる操作部材とを備えていることを特徴とする。
【0009】
本発明においては、前記ワンウェイクラッチ機構は、前記巻取部材の引き出し方向への巻取軸の回転が拡径方向となって前記固定軸と巻取軸とに縮径状態で巻き付けられ、一端が前記固定軸に係止されたロックスプリングであり、前記ロック解除部材は、前記ロックスプリングの他端が係止された状態でロックスプリングを拡径させる方向に回転可能に前記固定軸に取り付けられ、前記ロックプレートは、前記ロック解除部材との係合によってロック解除部材の回転をロックして前記ロックスプリングを拡径状態に保持し、前記操作部材は、前記ロックスプリングが拡径する方向に前記ロック解除部材を回転させてロック解除部材とロックプレートとを係合させることが好ましい。
又、前記ワンウェイクラッチ機構は、前記巻取軸側に設けられたラチェット歯と、前記巻取軸への接離方向に進退移動可能に前記固定軸に設けられたトルク伝達部材と、このトルク伝達部材に設けられ前記巻取軸側のラチェット歯に係脱自在に噛合するラチェット歯とによって形成されており、前記ロック解除部材は、回転によって前記トルク伝達部材を進退移動させ、前記ロックプレートは、前記ロック解除部材との係合によってロック解除部材の回転をロックして前記トルク伝達部材側のラチェット歯と前記巻取軸側のラチェット歯との噛合を解除状態とし、前記操作部材は、前記ロック解除部材を回転させて前記トルク伝達部材のラチェット歯が前記巻取軸側のラチェット歯と噛合する方向にトルク伝達部材を移動させることが好ましい。
又、前記巻取軸の巻取方向の回転では前記ロックプレートの揺動に作用することなく、巻取軸の引き出し方向の回転で前記ロックプレートがロック解除部材との係合から外れるように作用するようにロックプレートに当接する反転駒が前記巻取軸に設けられていることが好ましい。
又、前記ロックプレートは前記固定軸に揺動可能に取り付けられており、一端側が前記ロック解除部材に係合可能で、他端側が前記反転駒に当接可能となっていることが好ましい。
又、前記ロック解除部材は前記固定軸に回転可能に外挿された筒状となっており、前記ロックプレートはロック解除部材の外周側で揺動可能となっていることが好ましい。
又、前記トルク伝達機構の進退移動に対して斜めに交差するガイドスリットが前記ロック解除部材に設けられ、このガイドスリット内を相対移動可能にスライドするガイドピンが前記トルク伝達機構に設けられていることが好ましい。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、任意の位置で停止した巻取部材をさらに引き出しても、ワンウェイクラッチ機構が巻き取り方向への巻取軸の回転をロックするため、引き出した巻取部材が巻取軸に巻き取られることがない。従って、巻取部材を任意の引き出し位置からさらに引き出すことができ、巻取部材の引き出しを無段階で調整することが可能となる。
【0011】
又、本発明によれば、操作部材によってロック解除部材を回転させてロックプレートに係合させることによりワンウェイクラッチ機構のロックが解除されて巻取軸の回転許容状態となるため、巻取軸が巻取方向に回転可能となる。このため、巻取部材の最大引き出し位置においても操作部材を操作することにより巻取部材を巻き取ることができ、巻取部材を最大引き出し位置に保持するための外部の保持部材が不要となり構造を簡単とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の一実施形態の回転ロック装置を示す正面図である。
図2】回転ロック装置を巻取装置に組み込んだ状態を示す断面図である。
図3図1におけるA−A線断面図である。
図4】(a)はロック解除部材の正面図、(b)は断面図である。
図5】(a)はロックプレートの正面図、(b)は側面図である。
図6】巻取部材の巻き取りを終了した状態を示す断面図である。
図7】巻取部材の引き出しを開始し、最大に引き出すまでの状態を示す断面図である。
図8】巻取部材の巻き取りを開始し、巻き取り終了までの状態を示す断面図である。
図9】反転駒の動作を示す断面図である。
図10】反転駒の別の動作を示す断面図である。
図11】本発明の別の実施形態における巻取部材の引き出し状態及び巻き取り状態を示す正面図である。
図12図11の回転ロック装置を巻取装置に組み込んだ状態を示す断面図である。
図13図11の状態におけるラチェット歯の状態を示す断面図及び拡大断面図である。
図14図11の状態におけるロックプレートとロック解除部材の関係を示す断面図である。
図15】本発明の別の実施形態のラチェット歯が外れるときにおける正面図である。
図16図15の回転ロック装置を巻取装置に組み込んだ状態を示す断面図である。
図17図15の状態におけるラチェット歯の状態を示す断面図及び拡大断面図である。
図18図15の状態におけるロックプレートとロック解除部材との関係を示す断面図である。
図19】本発明の別の実施形態における巻取部材の引き出し状態及び最大引き出し状態から巻取部材の巻き取りを行う状態を示す正面図である。
図20図19の回転ロック装置を巻取装置に組み込んだ状態を示す断面図である。
図21図19の状態におけるラチェット歯の状態を示す断面図及び拡大断面図である。
図22図19の状態におけるロックプレートとロック解除部材との関係を示す断面図である。
図23】(a)及び(b)は本発明の別の実施形態における回転軸の側面図及び縦断面図である。
図24】(a)及び(b)は本発明の別の実施形態における固定駒の側面図及び縦断面図である。
図25】(a)及び(b)は本発明の別の実施形態におけるトルク伝達部材の側面図及び断面図である。
図26】(a)、(b)、(c)は本発明の別の実施形態におけるロック解除部材の正面図、縦断面図及び側面からの断面図である。
図27】本発明の別の実施形態における戻しばねの正面図である。
図28】別の実施形態の変形々態を示す正面図である。
図29図28の回転ロック装置を巻取装置に組み込んだ状態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明を図示する実施形態により具体的に説明する。図1図10は、本発明の一実施形態の回転ロック装置1を示す。図1及び図2に示すように、回転ロック装置1は、シャッタのスラットやブラインド、シート等の長尺な巻取部材3を巻き取る巻取装置2に組み込まれるものである。
【0014】
巻取装置2は図1図3に示すように、固定軸4と、巻取軸5と、巻取ばね6とを有している。固定軸4は両端部分が建造物の壁面等に固定されるものであり、巻取軸5を貫通することにより巻取軸5を回転可能に支持する。巻取軸5は固定軸4が貫通する横長の筒状に形成されている。ブラインドやスラット等の長尺な巻取部材3は巻取軸5の外周面に巻き付けられており、巻取軸5の巻き取り方向(図3におけるα方向)への回転により巻取軸5に巻き取られる一方、巻取軸5の引き出し方向(図3におけるβ方向)への回転により巻取軸5から引き出される。巻取軸5の長さ方向の両端部には、巻取軸5の構成部材である回転軸7、11が嵌め込みによって固定されており、固定軸4がこれらの回転軸7、11の内面に接触するように貫通することにより巻取軸5が固定軸4に正逆方向(図3におけるα及びβ方向)に回転可能に支持される。左右の回転軸7,11はこの巻取軸5の正逆方向の回転と共に一体的に回転する。この実施形態の回転ロック装置1は巻取軸5の両端部における一方側(左側)の回転軸11に設けられる。
【0015】
巻取ばね6はコイルばねが使用されており、固定軸4が貫通した状態で筒状の巻取軸5の内部に配置される。巻取ばね6は一端側のフック部6aが固定軸4に係止され、他端側のフック部6bが回転軸7に係止されている。これにより、巻取部材3の引き出しによって巻取軸5が引き出し方向(β方向)に回転すると、巻取ばね6にばね力が蓄積され、このばね力によって巻取軸5を巻き取り方向(α方向)に回転させるように作用する。
【0016】
回転ロック装置1は、巻取軸5の構成部材である回転軸11側に配置されており、ワンウェイクラッチ機構としてのロックスプリング12と、ロック解除部材13と、ロックプレート15と、操作部材17と、反転駒19とを有している。
【0017】
回転軸11は固定軸4が貫通する筒状の軸本体11aと、軸本体11aから巻取軸5の軸方向(左方向)に一体に延びたフランジ部11bとによって形成されており、上述したように巻取軸5と一体回転するようになっている。フランジ部11bは軸本体11aに対して径方向外側に位置するように形成されている。図3に示すように、フランジ部11bは半円弧状に形成されている。又、図1に示すように、フランジ部11bは巻取軸5から離れるのにつれて幅が小さくなるように形成され、これによりフランジ部11bは軸本体11aの一部を外側から覆った状態となっている。かかるフランジ部11bには、反転駒19が取り付けられる。
【0018】
固定軸4における回転軸11側の端部には固定駒21が固定されている。図3に示すように、固定駒21は固定軸4に外挿される筒状に形成されており、固定軸4及び固定駒21にピン22を挿入することにより固定軸4への固定駒21の固定がなされている。このような固定駒21は固定軸4の一部を構成している。
【0019】
ロックスプリング12はワンウェイクラッチ機構を構成する。ワンウェイクラッチ機構は巻取軸5(回転軸11)と固定軸4(固定駒21)との間に設けられ、巻取部材3の引き出し方向への巻取軸5の回転を許容し、逆方向への回転をロックするように切り換えるものである。この実施形態においては、ワンウェイクラッチ機構としてロックスプリング12が用いられる。
【0020】
ロックスプリング12はコイル部12cを有するコイルスプリングが用いられる。コイルスプリングからなるロックスプリング12は、コイル部12cが固定駒21(固定軸4)及び回転軸11(巻取軸5)の軸本体11aに巻き付けられる。ロックスプリング12はコイル部12cが縮径状態となって固定駒21及び回転軸11の軸本体11aに巻き付けられるものであり、コイル部12cと固定駒21及び回転軸11の軸本体11aとの間には摩擦トルクが発生している。ロックスプリング12の一端12aは固定駒21に係止され、他端12bはロック解除部材13に係止されている。ロックスプリング12はコイル部12cが巻取部材3の引き出し方向(β方向)への回転軸11の回転が拡径方向となるように固定駒21及び回転軸11に巻き付けられる。
【0021】
ロック解除部材13は筒状に形成されており、固定駒21及び回転軸11の軸本体11aに回転可能に外挿されている。この場合、ロックスプリング12のコイル部12cはロック解除部材13の内側に配置される。図2及び図4に示すように、ロック解除部材13における巻取軸5側の端部には、フック用スリット13aが形成されており、このフック用スリット13aにロックスプリング12の他端12bが挿入されることにより他端12bがロック解除部材13に係止されている。このような構造ではロック解除部材13が回転することにより、ロックスプリング12のコイル部12cを拡径することができる。ロックスプリング12が拡径することにより、回転軸11に対するロックスプリング12の摩擦トルクが消失又は減少するため、回転軸11すなわち巻取軸5の正逆方向への回転が可能となる。
【0022】
図4に示すようにロック解除部材13におけるフック用スリット13aと反対側の端部にはロックプレート15を取り付けるため、径方向に沿って延びた長孔状の取付孔13bが形成されている。又、取付孔13bよりも外側の端部にはフランジ部13cが形成されており、このフランジ部13cが後述する操作部材17を巻き付けるためのガイドとなっている。ロック解除部材13は回転軸11のフランジ部11bよりも長くなるように延びており、フランジ部13cはフランジ部11bよりも外側に位置してロック解除部材13への操作部材17の巻き付けを円滑に行うことが可能となっている。さらにロック解除部材13には、ロックプレート15が係脱自在に係合する係合孔13dが形成されている。
【0023】
ロックプレート15は固定駒21(固定軸4)に取り付けられる。ロックプレート15は固定駒21との間でロック解除部材13を挟むようにロック解除部材13の外周側に位置し、この状態で固定駒21に取り付けられる。図5はロックプレート15を示し、固定駒21に取り付けられる取付片部15aと、取付片部15aから直角状に屈曲した当接片部15bとが一体となった平面L字形に形成されている。取付片部15aには固定駒21への取り付けを行うための取付孔15cが形成される。
【0024】
図3及び図5(b)に示すように、ロックプレート15の取付片部15aはロック解除部材13の外周に沿った屈曲状に形成されており、当接片部15bとの反対側の先端部には、ロック解除部材13に形成された係合孔13dに入り込んで係合する係合爪15dが形成されている。このように係合爪15dが係合孔13dに入り込んで係合することによりロックプレート15がロック解除部材13に係合し、この係合によりロック解除部材13の回転がロックされる。かかるロックプレート15とロック解除部材13との係合は、ロック解除部材13が回転してロックスプリング12を拡径させた後に行われる。
【0025】
ロックプレート15は当接片部15bが回転軸11のフランジ部11b側に位置するように固定駒21に取り付けられる(図1参照)。固定駒21へのロックプレート15の取り付けは、図3に示すように取付孔15cがロック解除部材13の取付孔13bに臨むように取付片部15aをロック解除部材13の外周面に接触させ、この状態で取付孔15c、13bに押えピン23を貫通させ、押えピン23を固定駒21に螺合させることにより行われる。又、板ばねからなる押えばね24が押えピン23に取り付けられることにより、ロックプレート15の取付片部15aがロック解除部材13の外周面に弾性的に押え付けられている(図9図10参照)。このような取り付け構造では、ロックプレート15はロック解除部材13の外周側で押えピン23を中心にして揺動可能となっており、この揺動により係合爪15dがロック解除部材13の係合孔13dに係合又は離脱する。この場合、押えピン23はロック解除部材13のフック用スリット13aと同一線上に位置するように、すなわちロック解除部材13の同一円周上に位置するように設けられる。これにより、ロックプレート15の揺動中心とロックスプリング12の他側フック12bとが同一円周上に位置している。
【0026】
操作部材17は一端がロック解除部材13の外周に固定され、他端が自由端となった紐部材によって形成されている。操作部材17はロックスプリング12が拡径する方向にロック解除部材13を回転させるために操作される。操作部材17はロック解除部材13を回転させることが可能であれば、紐部材に限定されるものではなく、ロック解除部材13に切り起こし状に形成されたフック部材等であっても良い。
【0027】
反転駒19はロックプレート15の当接片部15bに対応した位置となるように回転軸11のフランジ部11bに取り付けられる。反転駒19をフランジ部11bに取り付けるため、図9及び図10に示すようにフランジ部11bには厚さ方向に貫通する貫通孔11cが形成されている。貫通孔11c内には、取付ピン25が掛け渡し状に取り付けられており、この取付ピン25に反転駒19が回動可能に取り付けられている。この場合、反転駒19は先端部が貫通孔11cから抜き出るように取付ピン25に取り付けられる。反転駒19の先端部には接触部19aが形成されている。接触部19aはロックプレート15の当接片部15bに当接或いはスライドするものである。接触部19aはテーパ面となって形成されている。テーパ面のテーパは巻取部材3の巻き取り方向(α方向)に沿ってロック解除部材13に接近する傾斜となっている。このような反転駒19は、巻取部材3を引き出す方向(β方向)に巻取軸5(回転軸11)が回転するとき、接触部19aのコーナー部がロックプレート15の当接片部15bに当接して当接片部15bを押す。このため、ロックプレート15が揺動して係合爪15dがロック解除部材13の係合孔13dから抜け出るように作用する。一方、巻取部材3を巻き取る方向(α方向)の巻取軸5(回転軸11)の回転では、接触部19aのテーパ面がロックプレート15の当接片部15bに接触してスライドする。このため、この方向では、ロックプレート15がロック解除部材13との係合から外れることがなくロックプレート15はロック解除部材13と係合した状態を保持する。
【0028】
貫通孔11c内の取付ピン25には、ねじりばねからなるリターンスプリング27が取り付けられており、リターンスプリング27の一端が反転駒19に当接している。リターンスプリング27は反転駒19が貫通孔11c側に向かって回動したとき、反転駒19を元に復帰させるものである。
【0029】
次に、この実施形態の動作を説明する。図6は巻取部材3の巻き取りが終了した状態、図7は巻取部材3の引き出しを開始し、最大に引き出すまでの状態、図8は巻取部材3の巻き取りを開始し、巻き取り終了までの状態を示す。図9及び図10はこれらの状態における反転駒19の動作を示す。
【0030】
巻取部材3の巻き取り終了状態においては図6に示すように、係合爪15dが係合孔13dに入り込むことによりロックプレート15がロック解除部材13に係合した状態となっている。この状態では、ロックスプリング12のコイル部12cが拡径状態となっているため、回転軸11(巻取軸5)がロック解除状態となっている。このため巻取部材3を引き出すことができ、巻取部材3の引き出しにより回転軸11(巻取軸5)は引き出し方向(β方向)に回転し、図7の状態に移行する。
【0031】
巻取部材3の引き出しに伴った回転軸11のβ方向への回転により、反転駒19の接触部19aのコーナー部がロックプレート15の当接片部15bに当接して当接片部15bを押すように動作する。これによりロックプレート15は押えピン23を中心にして揺動し、この揺動により係合爪15dが係合孔13dから抜け出てロックプレート15とロック解除部材13との係合が解除される(図7)。ロックプレート15のロック解除部材13との係合の解除により、ロックスプリング12が縮径して回転軸11の軸本体11aとの間に摩擦トルクを発生させる。これにより回転軸11(巻取軸5)の回転がロックされる。従って、巻取部材3は任意の位置で引き出しが停止する。一方、ロックスプリング12は巻取部材3の引き出し方向(β方向)がコイル部12cの拡径方向となっているため、巻取部材3を停止位置からさらに引き出すことができる。
【0032】
このとき、任意の位置で巻取部材3の引き出しを止めると、巻取りばね6の復元力により巻取軸5は巻取方向(α方向)に戻ることになるが、この戻り動作により瞬時にロックスプリング12が縮径して、巻取方向(α方向)への巻取軸5の回転がロックされた巻き取りロック状態となる。
かかる巻取部材3の引き出しに伴って回転軸11がβ方向に回転し、ロックプレート15の当接片部15bが反転駒19の接触部19aと当接するが、このときロックプレート15の当接部15bから逃げるように反転駒19が回動する。このため、ロックプレート15とロック解除部材13とは係合解除状態を保持している。このような動作では、任意の引き出し位置から巻取部材3をさらに引き出すことができるため、巻取部材3の引き出しを無段階に調整することができる。
【0033】
図8は巻取部材3の任意の引き出し状態及び最大引き出し状態に対し、操作部材17を操作してロック解除部材13を回転させた状態を示す。操作部材17への操作によるロック解除部材13の回転方向はロックスプリング12のコイル部12cを拡径させる方向である。このロック解除部材13の回転により係合孔13d内に係合爪15dが入り込んでロックプレート15とロック解除部材13とが係合する。このためロックスプリング12の拡径状態が保持され、回転軸11(巻取軸5)はロック解除状態となる。これにより巻取装置2の巻取ばね6のトルクにより巻取軸5が巻取方向(α方向)に回転して巻取部材3の巻き取りが行われる。かかる巻取部材3の巻取方向(α方向)では、反転駒19の接触部19aのテーパ面がロックプレート15の当接片部15bに接触し、この接触により反転駒19がロックプレート15から逃げるように回動する。このためロックプレート15が揺動することがなく係合爪15dが係合孔13dに入り込まないため、ロックプレート15とロック解除部材13との係合状態が保持される。これによりロックスプリング12によるロックが解除された状態が保持されるため、巻取部材3の巻取終了後だけでなく巻取終了前においても巻取部材3の引き出しを行うことができる。このような動作では、巻取部材3の最大引き出し位置であっても、操作部材17を操作することにより巻取部材3を巻き取ることができる。このため巻取部材3を最大引き出し位置で保持するための外部の保持部材が不要となり、構造を簡単とすることができる。
【0034】
なお、この実施形態においては、巻取り状態から引き出し時の回転ロック状態への復帰を一回転360°毎に行っているが、これに限定されることなく、回転軸11のフランジ部11bに設けられる反転駒19をフランジ部11bの円周上に複数個設けることにより、回転ロック状態への復帰のタイミングを増やすことができる。例えば180°毎に2組設けることにより、180°毎に回転ロック状態への復帰を行うように設定することができる。
【0035】
図11図27は本発明の別の実施形態の回転ロック装置1Aを示す。図1図10の実施形態の回転ロック装置1がワンウェイクラッチ機構としてコイルスプリングからなるロックスプリング12を用いるのに対し、この実施形態では、ワンウェイクラッチ機構31としてラチェット機構を用いるものである。
【0036】
ワンウェイクラッチ機構31は回転軸11(巻取軸5)に形成された巻取軸側ラチェット歯32と、固定軸4に固定された固定駒21に設けられたトルク伝達部材33と、トルク伝達部材33に形成され、巻取軸側ラチェット歯32と係脱自在に噛合する固定軸側ラチェット歯34とによって形成されている。図13図17図21に示すように、巻取軸側ラチェット歯32及び固定軸側ラチェット歯34は斜め歯となった状態で相互に係脱自在に噛合する。
【0037】
図23に示すように、巻取軸側ラチェット歯32は回転軸11の軸本体11aにおける固定駒21側の端面に円周状に沿って設けられた円環形状となっている。固定軸側ラチェット歯34は巻取軸側ラチェット歯32と同じ径となるようにトルク伝達部材33における回転軸11側の端面に円周状に設けられた円環形状となっている。
【0038】
トルク伝達部材33は固定駒21(固定軸4)に設けられるものであり、固定駒21にはトルク伝達部材33を取り付けるために段状に肉薄となった筒状の取付部35が形成されている。取付部35は回転軸11の方向に延びるように固定駒21に一体形成されている。図24に示すように、筒状の取付部35は外面が平行カットされた非円形となっており、この取付部35にトルク伝達部材33が外挿される。取付部35に接触するトルク伝達部材33の内面は、図25に示すように平行カットされた非円形となっている。これによりトルク伝達部材33は固定駒21(固定軸4)に対して回転拘束されており、この回転拘束状態でトルク伝達部材33が固定駒21の軸方向への直線的な進退移動が可能となっている。固定駒21の軸方向への直線的な進退移動により、トルク伝達部材33は回転軸11(巻取軸5)に対して接近及び離反する。そして、回転軸11(巻取軸5)側への接近移動により固定軸側ラチェット歯34と巻取軸側ラチェット歯32とが噛合し、回転軸11(巻取軸5)から離反する移動によりこれらのラチェット歯32、34の噛合が解除される。
【0039】
トルク伝達部材33の進退移動はロック解除部材13の回転により行われる。ロック解除部材13の回転をトルク伝達部材33の進退移動に変換するため、ガイドピン37及びガイドスリット38が形成されている。図12図16図20及び図25に示すように、ガイドピン37はトルク伝達部材33から突出するようにトルク伝達部材33と一体形成されている。
【0040】
図11図15図19及び図26に示すように、ガイドスリット38はロック解除部材13に形成される。ガイドスリット38はトルク伝達部材33の直線的な進退移動の方向に対して斜めに交差するように延びた長孔となっており、このガイドスリット38にトルク伝達部材33のガイドピン37がスライド移動可能に差し込まれている。このような構造では、ロック解除部材13が回転することによりガイドピン37がガイドスリット38内を相対的に移動し、この相対移動に伴ってトルク伝達部材33の直線的な進退移動が行われる。
【0041】
図12図16図20に示すように、トルク伝達部材33と固定駒21との間には戻しばね39が配置されている。図27に示すように戻しばね39はコイルばねが使用されており、トルク伝達部材33と固定駒21との間に配置されることにより、トルク伝達部材33が回転軸11(巻取軸5)の方向に移動するように付勢している。なお戻しばね39としては、皿ばねや板ばね、ゴム板等のコイルばね以外の材料を用いることができる。
【0042】
この実施形態の回転ロック装置1Aにおけるその他の部材は図1図3に示す回転ロック装置1と同様であり、回転ロック装置1における符号と同一の符号を付して対応させてある。
【0043】
次に回転ロック装置1Aの動作を説明する。図11図18は、巻取部材3の任意の引き出し状態および巻き上げロックの状態であり、ワンウェイクラッチ機構31の作動状態として図11〜12はラチェット歯32、34が噛み合った状態、図13〜14は引き出し状態で、
ラチェット歯32、34が回動して乗り上げた状態を示す。図19図22は巻取部材3の巻き取り時の状態で、ラチェット歯32、34の噛み合いが解除された状態を示す。
【0044】
巻取部材3の任意の引き出し状態及び巻き取りロック状態においては、図11図18に示すように、ワンウェイクラッチ機構31のラチェット歯32、34の噛み合い、回動のラチェット動作により回転ロック装置1Aが作動する。
図11図13に示すようにトルク伝達部材33のガイドピン37が回転軸11のガイドスリット38における左端側に位置しており、トルク伝達部材33が回転軸11側に移動して図13に示すように、固定軸側ラチェット歯34が巻取軸側ラチェット歯32に噛合している。この噛合により巻取部材3の巻取方向(α方向)への巻取軸5の回転がロックされて巻き取りロック状態となる。この場合、図14図18に示すように、巻取軸5はラチェット歯32、34の斜め歯が外れる方向(β方向)に対し回転可能であるため、巻取部材3の引き出し方向(β方向)へ巻取軸5を回転させることにより、ラチェット歯32はラチェット歯34を軸方向に後退させて図17に示すように乗越えながら回動し、巻取部材3を引き出すことができる。
このとき時、任意の位置で巻取部材3の引き出しを止めると、巻取りばね6の復元力により巻取軸5は巻取方向(α方向)に戻ることになるが、この戻り動作によりラチェット歯32、34が瞬時に図11〜14に示す噛み合い状態となり、引き出しを止めた際にラチェット歯32、34が噛み合った状態でなくても、巻取方向(α方向)への巻取軸5の回転がロックされた巻き取りロック状態となる。
【0045】
この巻取部材3の引き出しに伴って 、図14に示すように回転軸11がβ方向に回転し、ロックプレート15の当接片部15bが反転駒19の接触部19aと当接するが、このときロックプレート15の当接部15bから逃げるように反転駒19が回動する。このため、ロックプレート15とロック解除部材13とは係合解除状態を保持している。このような動作では、任意の引き出し位置から巻取部材3をさらに引き出すことができるため、巻取部材3の引き出しを無段階に調整することができる。
【0046】
図19図22は、巻取部材3の任意の引き出し状態及び最大引き出し状態から操作部材(図示省略)を操作してロック解除部材13を回転させた巻取部材3の巻き取り時の状態を示す。トルク伝達部材33のガイドピン37がロック解除部材13のガイドスリット38における右端側に位置しており、トルク伝達部材33が回転軸11(巻取軸5)側から後退して退避した状態となる。このとき、図22に示すように、ロックプレート15の係合爪15dがロック解除部材13の係合孔13dに入り込んでロックプレート15とロック解除部材13とが係合してロック解除部材13が回転停止状態となるため、トルク伝達部材33は退避位置で停止している。かかるトルク伝達部材33の退避位置では、図21に示すように固定軸側ラチェット歯34が巻取軸側ラチェット歯32との噛合から解除された状態となる。このため回転軸11(巻取軸5)はα、βの両方向に回転可能となっており、巻取ばね6のトルクによって巻取軸5がα方向に回転して巻取部材3の巻き取りが行われる。この巻き取り途中においては、巻取部材3を引き出し操作することも可能である。
【0047】
以上の実施形態においても、図1図10に示す実施形態と同様に、
回転軸11のフランジ部11bに設けられる反転駒19をフランジ部11bの円周上に複数個設けることにより回転ロック状態への復帰のタイミングを増やすことができる。例えば、反転駒19を180°毎に2個設けることにより180°毎に回転ロック状態への復帰を行うように設定することができる。
【0048】
以上のようにワンウェイクラッチ機構31として、相互に噛合するラチェット歯32、34からなるラチェット機構を用いる場合には、回転ロック装置1Aの全体の長さを短縮でき、小型化及び軽量化が可能となるメリットがある。図18及び図29は、小型化及び軽量化を行うため、この実施形態の変形々態を示す。巻取軸側ラチェット歯32が形成される回転軸11の軸本体11aを短くし、これに伴ってフランジ部11bも短くすることにより回転軸11の長さを短縮する。又、固定軸側ラチェット歯34側の固定駒21を長さも短くする。これにより、回転ロック装置1Aが短くなり、その分、小型化及び軽量化することができる。
【0049】
以上のように、この発明の回転ロック装置によれば、巻取部材3を任意の引き出し位置からさらに引き出すことができるため、巻取部材3の引き出しを無段階で調整することができる。又、巻取部材3の最大引き出し位置においても操作部材17を操作することにより巻取部材3を巻き取ることができるため、巻取部材3を最大引き出し位置に保持するための外部の保持部材が不要となり構造を簡単とすることができる。
【符号の説明】
【0050】
1、1A 回転ロック装置
3 巻取部材
4 固定軸
5 巻取軸
6 巻取ばね
11 回転軸
12 ロックスプリング(ワンウェイクラッチ機構)
12a 一端
12b 他端
13 ロック解除部材
13d 係合孔
15 ロックプレート
15d 係合爪
17 操作部材
19 転駒
21 固定駒
31 ワンウェイクラッチ機構
32 巻取軸側ラチェット歯
33 トルク伝達部材
34 固定側ラチェット歯
37 ガイドピン
38 ガイドスリット
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
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