【実施例】
【0050】
〔モモルディカ カランティア粉の調合〕
(実施例1)
5キログラムの新鮮で緑の未熟な種を含むもモモルディカ カランティア リンの実を埃や余分な粒子を除去し洗浄した。洗浄後の実は刻み、すり砕かれ、約500mlの水と共に懸濁液とした。懸濁液はヌッチェ濾過器を使用し濾過処理して果汁に分けた。果汁はその後15%のクエン酸を加え継続的にかき混ぜながらピーエイチを4.0まで調整し、酸化した。継続的に30分間は果汁をかき混ぜ、ピーエイチを再度確認した。ピーエイチ安定後、酸性果汁のピーエイチは15%の水酸化ナトリウム溶液を使用してピーエイチ7.0が得られるよう中和した。中性果汁をその後、30分間かき混ぜ続け、再度ピーエイチが7.0であることを確認した。ピーエイチが中性となった果汁はその後、継続的に700mmHg、55℃で断続吸引して濃縮され18Brix(糖度)の果汁を得た(全体積)。濃縮果汁は、60℃に調整、減圧された真空乾燥機により乾燥させて固有の風味と臭気を伴う176gmの緑がかった茶色の果汁粉粒体となった。
【0051】
果汁粉の構成成分分析は次の図表1に示すとおりである。
【0052】
【表1】
【0053】
(実施例2)
5キログラムの新鮮で緑の未熟な種を含むモモルディカ カランティア リンの実を埃や余分な粒子を除去し洗浄した。洗浄後の実は刻み、すり砕かれ、約500mlの水と共に懸濁液にし、高速遠心機を使用して果汁に分け、濾過した。果汁はその後継続的にかき混ぜながら15%のクエン酸を加えピーエイチを4.0まで調整して酸化させた。30分間は果汁をかき混ぜ続け、ピーエイチを再度確認した。ピーエイチ安定後、酸性果汁のピーエイチは15%の水酸化ナトリウム溶液を使用してピーエイチ7.0となるように中和した。中性果汁は継続的に30分間かき混ぜられて、再度ピーエイチ7.0を確認した。ピーエイチが中性となった果汁はその後、継続的に700mmHg、55℃で濃縮され16Brix(糖度)の果汁が得られた(全体積)。濃縮果汁は吸込温度155℃、排気温度70℃から80℃の濃霧乾燥で乾燥させて、特有の風味と臭気を伴う159gmの緑がかった茶色の果汁粉粒体となった。果汁粉の構成成分分析は図表2に示すとおりである。
【0054】
【表2】
【0055】
(実施例3)
5キログラムの新鮮で緑の未熟な種を含むモモルディカ カランティア リンの実を埃や余分な粒子を除去し洗浄した。洗浄後の実は刻み、すり砕かれ、約500mlの水と共に懸濁液にし、高速遠心機を使用して果汁に分け、濾過した。果汁は、その後ピーエイチを4.0に調整するためにかき混ぜ続けられながら15%のシュウ酸と共に酸化させた。30分間は果汁をかき混ぜ続け、ピーエイチを再度確認した。ピーエイチ安定後、酸性果汁は15%の水酸化カルシウム溶液と共に中和されピーエイチ7.0とした。中性果汁は継続的に30分間かき混ぜられてピーエイチが再度7.0であることを確認した。ピーエイチが中性となった果汁はその後、継続的に700mmHg、55℃で濃縮され18Brix(糖度)の果汁を得た(全体積)。濃縮果汁は−46℃に調整、減圧された冷凍乾燥で乾燥させて、特有の風味と臭気を伴う155gmの緑がかった茶色の果汁粉粒体となった。果汁粉の構成成分分析は図表3に示すとおりである。
【0056】
【表3】
【0057】
〔400mgのモモルディカ カランティアのカプセル剤の調合〕
(実施例4)
モモルディカ カランティア果汁粉、結晶セルロース、アエロジル、リン酸リカルシウムは40USメッシュスクリーンでふるいにかけ、混ぜてポピドン水溶液(PVPK-30)を使って顆粒にした。顆粒はその後60℃±5℃で乾燥し、30USメッシュスクリーンでふるいにかけて滑らかにし適切な大きさの硬いゼラチンのカプセル剤に充填した。
【0058】
カプセル剤の成分は下記図表4に示すとおりである。
【0059】
【表4】
【0060】
〔モモルディカ カランティアの顆粒調合〕
モモルディカ カランティアの果汁粉、カルボキシメチルセルロースナトリウム、サッカリンナトリウム、クエン酸、グリチルリチルナトリウムを40USメッシュスクリーンでふるいをかけて混合し顆粒にし、その後顆粒は60±5℃で乾燥させ30USメッシュスクリーンでふるいをかけ、バルクもしくは服用量毎のパックにして充填した。
【0061】
顆粒の成分は下記図表5に示すとおりである。
【0062】
【表5】
【0063】
〔モモルディカ カランティア600mg錠剤の調合〕
(実施例6)
実施例1のモモルディカ カランティアの果汁粉、結晶セルロース、アエロジル、リン酸カルシウムを40USメッシュスクリーンでふるいにかけ、混合し、ポピドン水溶液(PVPK-30)を使用して顆粒にした。顆粒はその後60±5℃で乾燥させ、30USメッシュスクリーンでふるいにかけ、タルク、ステアリン酸マグネシウム、デンプングリコール酸ナトリウムを使用して滑らかにした。滑らかになった顆粒を適した金型、プレス、コーティングを使用して成型する。
【0064】
錠剤の成分は下記図表6に示すとおりである。
【0065】
【表6】
【0066】
(事例証拠)
1)本開示に従い、実施例4で得たカプセル剤一錠につき400mgのエキスを含量とするモモルディカ カランティアエキスをコントロール不良の2型糖尿病被験者に一日3錠投与した。
【0067】
一回の服用に400mgのカプセル剤一錠を一日3回、一か月間投与したところ、被験者の血糖値レベルが249mg/dLから159mg/dLまで減少したことが判明した。
【0068】
2)実施例4において使用されたモモルディカ カランティアの果汁粉の血糖低下作用につき、56歳女性、体重61キログラムのインシュリンを必要としないタイプの糖尿病患者に対して試験を行った。被験者の日常血糖値レベルは500mgのメトホルミン投与により234mg/dLを示した。
【0069】
被験者は90日間、実施例4にて得られたモモルディカ カランティアの果汁粉を一錠につき400mg含有する硬ゼラチンカプセル剤3錠を、一日につき同量のメトホルミンの投与と共に服用した。投薬は朝食前1錠、夕食前2錠である。
【0070】
被験者の血液分析によれば、被験者の血糖値レベルは3か月間の治療により234mg/dLから170mg/dLまで減少するという劇的な作用を示した。治療期間中。被験者はかなり穏やかな食事を取り穏やかな身体活動をしていた。
【0071】
3)実施例4において使用されたモモルディカ カランティアの果汁粉の血糖降下作用につき、61歳男性、体重67キログラムのインシュリンを必要としないタイプのコントロール不良の糖尿病患者に対して試験を行った。被験者は長い糖尿病の病歴があり口径薬を5年以上服用していた。被験者の日常血糖値レベルは1日3錠の500mgのメトホルミン投与により261mg/dLを示した。
【0072】
被験者は90日間、実施例4にて得られたモモルディカ カランティアの果汁粉を一錠につき400mg含有する硬ゼラチンカプセル剤3錠を、一日につき同量のメタホルミンの投与と共に服用した。投薬は朝食前1錠、夕食前2錠である。
【0073】
被験者の血液分析によると、被験者の血糖値レベルは3か月間の治療により261mg/dLから159mg/dLまで減少するという劇的な作用がみられた。
【0074】
4)コントロール不良な成人発症型糖尿病の62歳男性被験者は市販されているモモルディカ カランティアエキスの粉末が1錠につき400mg含まれているものを一日につき3錠服用した。
【0075】
1か月の後、被験者の血糖値レベルが249mg/dLから199mg/dLまで一貫して減少したことが判明した。
【0076】
その後も同じ状況下で被験者は実施例4による錠剤を一日3回服用した。1か月の治療後、被験者の血糖値レベルは159mg/dLまで減少した。
【0077】
5)コントロール不良な成人発症型糖尿病の70歳女性被験者は、市販されているモモルディカ カランティアエキスの粉末が1錠につき400mg含まれているものを一日につき3錠服用した。
【0078】
1か月の後、被験者の血糖値レベルが265mg/dLから215mg/dLまで一貫して減少したことが判明した。
【0079】
その後も同じ状況下で被験者は実施例4よる錠剤を一日3回服用した。1か月の治療後、被験者の血糖値レベルは145mg/dLまで減少した。
【0080】
〔安全性プロフィール〕
上記の各試験では中毒作用、副作用が確認されなかった。被験者の全身状態は治療に対していかなる有害な反応をも示していない。投薬計画も治療も患者に優しく、糖尿病患者に対しての投与が許容できる範囲にあるものである。
【0081】
〔他の利点〕
機能性食品は血中・尿中の糖レベルをコントロールするほかにも、糖尿病に関連した症状である疲労、衰弱、眠気、しびれ作用、頻尿、異常な喉の渇き、空腹、体重減少、足・足首のむくみ、足・手のひらのほてり、皮膚のかゆみ、皮膚乾燥、皮膚の黒い斑点、高血圧などを減少させ、就寝を快適にし、活動的な気分が高め、怠惰、かすみ目、常習的な経皮感染、創傷・ただれの治癒の遅れなどを改善するという、人間の健康問題に付加的な利点をもたらす。
【0082】
インシュリンを必要としない真性糖尿病成人患者において、20-35%の血糖レベルの減少が12週間後に発見されており、経口治療と共に補助療法として使用することが出来る。
【0083】
本開示はそれゆえ、モモルディカ カランティア果汁粉の特定合成物、果汁粉の調合工程とその医薬的利点を提供するものである。
【0084】
専門的な進歩:本開示によるモモルディカ カランティアの果汁粉の調合工程と製剤は下記の専門的進歩をもたらすものであるが、これらのみに制限されない。
【0085】
− 本開示は、糖尿病向け栄養補助食品に関してたんぱく質の強化や苦み成分のもつ血糖降下作用といったような自然合成物の栄養、医薬的特質を劣化させない調合工程を提供するものである。
【0086】
− 本開示によるモモルディカ カランティアの果汁粉の調合工程は簡単でかつ経費効率の良いものである。
【0087】
− 本開示によるモモルディカ カランティア果汁粉の調合工程はいかなる有害な溶剤の使用をも必要としないものであり、よって、安全なものである。
【0088】
− 本開示によるモモルディカ カランティア果汁粉の調合は、糖尿病に対して、相対的により高い効果が得られるものである。
【0089】
− 本開示によるモモルディカ カランティア果汁粉の調合は無毒で、消化が容易で栄養豊富であり、健康の保全と増進に資する自然食品である。
【0090】
本明細書の全体に渡り「なる」や変型の「からなる」や「なして」といったような単語は、述べられている要素、完全体、手段、もしくは、要素、完全体や手段の集まりを暗に意味するものと理解されるが、その他のいかなる要素、完全体、手段、もしくは要素、完全体や手段の集まりを除外するものではない。
【0091】
一つまたはそれ以上の望まれた対象や結果を達成するための発明の実施例における「少なくとも」や「少なくとも一つは」の表現の使用は、一つ、または一つ以上の要素、成分、量を示唆する。
【0092】
本明細書におけるいかなる文書、行為、材料、機器、論文、もしくはそれら同等なものに対する議論や分析は、単に本発明に関する文脈を明確にする目的でのみ含まれているものであって、本発明前にすでに存在したといえる基礎技術を承認したものではなく、また、当該分野における共通一般知識に本発明が含まれることを承認したものでもない。
【0093】
ここで示されたさまざまな物理パラメータ、容積、量の数値は近似値にすぎず、本発明とその請求項では、そこに示された物理パラメータ、容積、量の数値よりも高い値も、相反する記述がない限りは、許容されることが予想される。
【0094】
上記の特定の実施例は、現行の知識をもとに、簡単にその変更や適用を行い、基本的概念から出発することなく、即にその広い応用ができるよう、また、類推による理解を深めることのできるよう、発明の性質を全般的に示したものである。本文で使用した表現や用語は説明を目的とするもので、限定を目的としないことを理解すべきである。さらに、実施例は、好ましい物を取り上げてはいるが、技能ある者は、それら実施例に変更を加えて、実施例の意図と適用範囲を継承しつつその応用ができることを認識できるであろう。