(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態を詳細に説明する。
図1は、本実施の形態におけるパチンコ遊技機の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(遊技機)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤2には、ガイドレールによって囲まれた、ほぼ円形状の遊技領域が形成されている。この遊技領域には、遊技媒体としての遊技球が、所定の打球発射装置から発射されて打ち込まれる。
【0021】
遊技盤2の所定位置(
図1に示す例では、遊技領域の右側方)には、第1特別図柄表示装置4Aと、第2特別図柄表示装置4Bとが設けられている。第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、例えば7セグメントやドットマトリクスのLED(発光ダイオード)等から構成され、可変表示ゲームの一例となる特図ゲームにおいて、各々が識別可能な複数種類の識別情報(特別識別情報)である特別図柄(「特図」ともいう)を、変動可能に表示(可変表示)する。例えば、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成される複数種類の特別図柄を可変表示する。なお、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて表示される特別図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成されるものに限定されず、例えば7セグメントのLEDにおいて点灯させるものと消灯させるものとの組合せを異ならせた複数種類の点灯パターンが、複数種類の特別図柄として予め設定されていればよい。複数種類の特別図柄には、それぞれに対応した図柄番号が付されている。一例として、「0」〜「9」を示す数字それぞれには、「0」〜「9」の図柄番号が付され、「−」を示す記号には、「10」の図柄番号が付されていればよい。以下では、第1特別図柄表示装置4Aにおいて可変表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示装置4Bにおいて可変表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。
【0022】
第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはともに、例えば方形状に形成されている。なお、第1特図の種類と第2特図の種類は同じ(例えば、ともに「0」〜「9」を示す数字、及び、「−」を示す記号)であってもよいし、種類が異なっていてもよい。また、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、例えば「00」〜「99」を示す数字(あるいは2桁の記号)を可変表示するように構成されていてもよい。
【0023】
遊技盤2における遊技領域の中央付近には、画像表示装置5が設けられている。画像表示装置5は、例えばLCD(液晶表示装置)等から構成され、各種の演出画像を表示する表示領域を形成している。画像表示装置5の表示領域では、特図ゲームにおける第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図の可変表示や第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図の可変表示のそれぞれに対応して、例えば3つといった複数に分割された可変表示部となる飾り図柄表示エリアにて、各々が識別可能な複数種類の識別情報(装飾識別情報)である飾り図柄を可変表示する。この飾り図柄の可変表示も、可変表示ゲームに含まれる。
【0024】
一例として、画像表示装置5の表示領域には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rが配置されている。そして、特図ゲームにおいて第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図の変動と第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図の変動のいずれかが開始されることに対応して、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて飾り図柄の変動(例えば上下方向のスクロール表示)が開始される。その後、特図ゲームにおける可変表示結果として確定特別図柄が停止表示されるときに、画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて、飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄(最終停止図柄)が停止表示される。なお、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリアは、画像表示装置5の表示領域内で移動可能とされ、飾り図柄を縮小あるいは拡大して表示することができるようにしてもよい。
【0025】
このように、画像表示装置5の表示領域では、第1特図または第2特図を用いた第1特別図柄表示装置4Aまたは第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームと同期して、各々が識別可能な複数種類の飾り図柄の可変表示を行い、可変表示結果となる確定飾り図柄を導出表示する。なお、例えば特別図柄や飾り図柄といった、各種の表示図柄を導出表示するとは、飾り図柄等の識別情報を停止表示(完全停止表示や最終停止表示ともいう)して可変表示を終了させることである。これに対して、飾り図柄の可変表示を開始してから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでの可変表示中には、飾り図柄の変動速度が「0」となって、飾り図柄が停留して表示され、例えば微少な揺れや伸縮などを生じさせる表示状態となることがある。このような表示状態は、仮停止表示ともいい、可変表示における表示結果が確定的に表示されていないものの、スクロール表示や更新表示による飾り図柄の変動が進行していないことを遊技者が認識可能となる。なお、仮停止表示には、微少な揺れや伸縮なども生じさせず、所定時間(例えば1秒間)よりも短い時間だけ、飾り図柄を完全停止表示することなどが含まれてもよい。
【0026】
画像表示装置5では、各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rとなる表示領域として、3つの領域が接着して、あるいは、分離して、あるいは、接着及び分離が可能に、設けられてもよい。画像表示装置5における表示動作は、
図2に示す演出制御基板12に搭載されている演出制御用CPU120によって制御される。演出制御用CPU120は、第1特別図柄表示装置4Aで第1特図の可変表示が実行されているときに、その可変表示に伴って画像表示装置5で演出表示を実行させ、第2特別図柄表示装置4Bで第2特図の可変表示が実行されているときに、その可変表示に伴って画像表示装置5で演出表示を実行させるので、遊技の進行状況を把握しやすくすることができる。
【0027】
「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて可変表示される飾り図柄には、例えば8種類の図柄(英数字「1」〜「8」あるいは漢数字「一」〜「八」、英文字「A」〜「H」、所定のモチーフに関連する8個のキャラクタ画像、数字や文字あるいは記号とキャラクタ画像との組合せなど。なお、キャラクタ画像は、例えば人物や動物、これら以外の物体、もしくは、文字などの記号、あるいは、その他の任意の図形を示す飾り画像であればよい。)で構成される。また、こうした8種類の飾り図柄の他に、ブランク図柄(大当り組合せを構成しない図柄)が含まれていてもよい。飾り図柄のそれぞれには、対応する図柄番号が付されている。例えば、「1」〜「8」を示す英数字それぞれに対して、「1」〜「8」の図柄番号が付されている。なお、飾り図柄は8種類に限定されず、大当り組合せやハズレとなる組合せなど適当な数の組合せを構成可能であれば、何種類であってもよい(例えば7種類や9種類など)。
【0028】
飾り図柄の変動中には、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて、例えば図柄番号が小さいものから大きいものへと順次に上方から下方へと流れるようなスクロール表示が行われ、図柄番号が最大(例えば「8」)である飾り図柄が表示されると、続いて図柄番号が最小(例えば「1」)である飾り図柄が表示される。あるいは、飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rのうち少なくともいずれか1つ(例えば「左」の飾り図柄表示エリア5Lなど)において、図柄番号が大きいものから小さいものへとスクロール表示を行って、図柄番号が最小である飾り図柄が表示されると、続いて図柄番号が最大である飾り図柄が表示されるようにしてもよい。
【0029】
画像表示装置5の表示領域には、始動入賞記憶表示エリア5Hが配置されている。始動入賞記憶表示エリア5Hでは、特図ゲームに対応した可変表示の保留数(特図保留記憶数)を特定可能に表示する保留記憶表示が行われる。ここで、特図ゲームに対応した可変表示の保留は、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口や、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を、遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生する。すなわち、特図ゲームや飾り図柄の可変表示といった可変表示ゲームを実行するための始動条件(「実行条件」ともいう)は成立したが、先に成立した開始条件に基づく可変表示ゲームが実行中であることやパチンコ遊技機1が大当り遊技状態に制御されていることなどにより、可変表示ゲームの開始を許容する開始条件は成立していないときに、成立した始動条件に対応する可変表示の保留が行われる。
【0030】
一例として、始動入賞記憶表示エリア5Hには、始動入賞の発生に基づき先に始動条件が成立した可変表示ゲームから順に左から右へと、表示色が変更される複数の表示部位が設けられている。そして、第1始動入賞口に遊技球が進入したことに基づき第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームの始動条件(第1始動条件)が成立したときには、通常非表示(透過色)となっている表示部位のうちの1つ(例えば非表示となっている表示部位のうち左端の表示部位)を青色表示に変化させる。また、第2始動入賞口に遊技球が進入したことに基づき第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームの始動条件(第2始動条件)が成立したときには、通常非表示となっている表示部位のうちの1つを赤色表示に変化させる。その後、第1特図を用いた特図ゲームの開始条件(第1開始条件)と第2特図を用いた特図ゲームの開始条件(第2開始条件)のいずれかが成立したときには、例えば左端の表示部位における表示を除去するとともに、各表示部位における表示を1つずつ左方向に移動させる。このとき、青色表示や赤色表示に変化していた表示部位のうちの1つ(例えば表示色が変化していた表示部位のうち右端の表示部位)を非表示に戻す。
【0031】
なお、始動入賞記憶表示エリア5Hでは、特図保留記憶数を示す数字を表示することなどにより、特図保留記憶数を遊技者等が認識できるようにしてもよい。始動入賞記憶表示エリア5Hとともに、あるいは始動入賞記憶表示エリア5Hに代えて、特図保留記憶数を表示する表示器を設けるようにしてもよい。
図1に示す例では、始動入賞記憶表示エリア5Hとともに、第1特別図柄表示装置4A及び第2特別図柄表示装置4Bの上部に、特図保留記憶数を特定可能に表示するための第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとが設けられている。第1保留表示器25Aは、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口を通過(進入)した有効始動入賞球数としての第1特図保留記憶数を特定可能に表示する。第2保留表示器25Bは、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を通過(進入)した有効始動入賞球数としての第2特図保留記憶数を特定可能に表示する。第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bはそれぞれ、例えば第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数のそれぞれにおける上限値(例えば「4」)に対応した個数(例えば4個)のLEDを含んで構成されている。
【0032】
こうして、第1始動条件や第2始動条件が成立したものの、先に開始された特図ゲームが実行中であることや、パチンコ遊技機1が大当り遊技状態に制御されていることなどにより、特図ゲームを開始するための開始条件が成立しないときには、特図ゲームに対応した可変表示の保留が発生する。例えば、第1始動条件が成立したときに、当該第1始動条件の成立に基づく第1特図を用いた特図ゲームを開始するための第1開始条件が成立しなければ、第1特図保留記憶数が1加算(インクリメント)され、第1特図を用いた特図ゲームの実行が保留される。また、第2始動条件が成立したときに、当該第2始動条件の成立に基づく第2特図を用いた特図ゲームを開始するための第2開始条件が成立しなければ、第2特図保留記憶数が1加算(インクリメント)され、第2特図を用いた特図ゲームの実行が保留される。これに対して、第1特図を用いた特図ゲームの実行が開始されるときには、第1特図保留記憶数が1減算(デクリメント)され、第2特図を用いた特図ゲームの実行が開始されるときには、第2特図保留記憶数が1減算(デクリメント)される。
【0033】
第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数とを加算した可変表示の保留記憶数は、特に、合計保留記憶数ともいう。単に「特図保留記憶数」というときには、通常、第1特図保留記憶数、第2特図保留記憶数及び合計保留記憶数のいずれも含む概念を指すが、特に、これらの一部(例えば第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数を含む一方で合計保留記憶数は除く概念)を指すこともあるものとする。
【0034】
加えて、画像表示装置5の表示領域には、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにより実行される特図ゲームにて可変表示される特別図柄を、飾り図柄とは別個に特定可能として表示する特別図柄可変表示エリアが設けられていてもよい。一例として、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにて特別図柄の可変表示が開始されたことに対応して、特別図柄可変表示エリアにて特別図柄の可変表示に対応した「◎」や「○」、「×」などを示す演出画像の変動が開始される。その後、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示が終了して確定特別図柄が停止表示されることに対応して、特別図柄可変表示エリアにて確定特別図柄に対応して予め定められた「◎」や「○」、「×」などの演出画像を停止表示すればよい。例えば、特図ゲームにおける確定特別図柄が大当り図柄のうちの15R大当り図柄である場合には特別図柄可変表示エリアに「◎」を停止表示し、大当り図柄のうちの2R大当り図柄である場合には「○」を停止表示し、ハズレ図柄である場合には「×」を停止表示すればよい。
【0035】
画像表示装置5の下方には、普通入賞球装置6Aと、普通可変入賞球装置6Bとが設けられている。普通入賞球装置6Aは、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる第1始動入賞口を形成する。普通可変入賞球装置6Bは、
図2に示す普通電動役物用となるソレノイド81によって、垂直位置となる通常開放状態と傾動位置となる拡大開放状態とに変化する一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物(普通電動役物)を備え、第2始動入賞口を形成する。一例として、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオフ状態であるときに可動翼片が垂直位置となることにより、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しがたい通常開放状態となる。その一方で、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオン状態であるときに可動翼片が傾動位置となる傾動制御により、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しやすい拡大開放状態となる。なお、普通可変入賞球装置6Bは、通常開放状態であるときでも、第2始動入賞口には遊技球が進入可能であるものの、拡大開放状態であるときよりも遊技球が進入する可能性が低くなるように構成してもよい。あるいは、普通可変入賞球装置6Bは、通常開放状態において、例えば第2始動入賞口を閉鎖することなどにより、第2始動入賞口には遊技球が進入しないように構成してもよい。
【0036】
普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば
図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出される。普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば
図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出される。第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第1特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第1始動条件が成立する。第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第2特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第2始動条件が成立する。なお、第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数と、第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数は、互いに同一の個数であってもよいし、異なる個数であってもよい。
【0037】
普通入賞球装置6Aと普通可変入賞球装置6Bの下方には、特別可変入賞球装置7が設けられている。特別可変入賞球装置7は、
図2に示す大入賞口扉用となるソレノイド82によって開閉駆動される大入賞口扉を備え、その大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する大入賞口を形成する。一例として、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオフ状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を閉鎖状態にする。その一方で、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオン状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を開放状態にする。特別可変入賞球装置7に形成された大入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば
図2に示すカウントスイッチ23によって検出される。
【0038】
カウントスイッチ23によって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば15個)の遊技球が賞球として払い出される。こうして、特別可変入賞球装置7において開放状態となった大入賞口を遊技球が通過(進入)したときには、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口といった、他の入賞口を遊技球が通過(進入)したときよりも多くの賞球が払い出される。したがって、特別可変入賞球装置7において大入賞口が開放状態となれば、遊技者にとって有利な第1状態となる。その一方で、特別可変入賞球装置7において大入賞口が閉鎖状態となれば、大入賞口に遊技球を通過(進入)させて賞球を得ることができないため、遊技者にとって不利な第2状態となる。
【0039】
遊技盤2の所定位置(
図1に示す例では、遊技領域の左側方)には、普通図柄表示器20が設けられている。一例として、普通図柄表示器20は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bと同様に7セグメントやドットマトリクスのLED等から構成され、特別図柄とは異なる複数種類の識別情報である普通図柄(「普図」あるいは「普通図」ともいう)を変動可能に表示(可変表示)する。このような普通図柄の可変表示は、普図ゲーム(「普通図ゲーム」ともいう)と称される。普通図柄表示器20は、例えば「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成される複数種類の普通図柄を可変表示する。複数種類の普通図柄には、それぞれに対応した図柄番号が付されている。一例として、「0」〜「9」を示す数字それぞれには、「0」〜「9」の図柄番号が付され、「−」を示す記号には、「10」の図柄番号が付されていればよい。なお、普通図柄表示器20は、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等を普通図柄として可変表示するものに限定されず、例えば「○」と「×」とを示す装飾ランプ(またはLED)を交互に点灯させることや、「左」、「中」、「右」といった複数の装飾ランプ(またはLED)を所定順序で点灯させることにより、普通図柄を可変表示するものであってもよい。普通図柄表示器20の上方には、普図保留表示器25Cが設けられている。普図保留表示器25Cは、例えば4個のLEDを含んで構成され、通過ゲート41を通過した有効通過球数としての普図保留記憶数を表示する。
【0040】
遊技盤2の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車及び多数の障害釘が設けられている。また、第1始動入賞口、第2始動入賞口及び大入賞口とは異なる入賞口として、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる一般入賞口が1個または複数個設けられてもよい。この場合には、一般入賞口のいずれかに進入した遊技球が所定の一般入賞球スイッチによって検出されたことに基づき、所定個数(例えば10個)の遊技球が賞球として払い出されればよい。遊技領域の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。遊技機用枠3の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ8L、8Rが設けられており、さらに遊技領域周辺部には、遊技効果ランプ9が設けられている。パチンコ遊技機1の遊技領域における各構造物(例えば普通入賞球装置6A、普通可変入賞球装置6B、特別可変入賞球装置7等)の周囲には、装飾用LEDが配置されていてもよい。
【0041】
遊技機用枠3の右下部位置には、遊技媒体としての遊技球を遊技領域に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)が設けられている。例えば、打球操作ハンドルは、遊技者等による操作量(回転量)に応じて遊技球の弾発力を調整する。打球操作ハンドルには、打球発射装置が備える発射モータの駆動を停止させるための単発発射スイッチや、タッチリング(タッチセンサ)が設けられていればよい。遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、打球発射装置へと供給可能に保持(貯留)する上皿(打球供給皿)が設けられている。遊技機用枠3の下部には、上皿から溢れた余剰球などを、パチンコ遊技機1の外部へと排出可能に保持(貯留)する下皿(余剰球受皿)が設けられている。
【0042】
例えば上皿の上面における手前側の中央位置といった、パチンコ遊技機1の遊技機用枠3における所定位置には、押下操作などにより遊技者が所定の指示操作を可能な操作ボタン30が設置されている。この操作ボタン30は、押下可能であるとともに、回動可能なジョグダイアルになっていてもよい。なお、操作ボタン30は、押下操作や回動操作が可能なものに限定されず、例えばタッチパネルのように接触操作や押圧操作が可能なものであってもよい。また、操作ボタン30に代えて、例えば赤外線センサやCCDセンサ、CMOSセンサのように、遊技者による所定の操作行為を検出できるセンサを用いてもよい。すなわち、操作ボタン30は、遊技者による所定の操作行為を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できるように構成されていればよい。操作ボタン30に対してなされた遊技者の操作行為は、
図2に示す操作検出スイッチ31によって検出される。
【0043】
こうした操作ボタン30に代えて、あるいは、操作ボタン30とともに、例えば下皿を形成する部材において、下皿本体の上面における手前側の所定位置(例えば下皿の中央部分)などに、遊技者が把持して傾倒操作が可能なスティックコントローラが取り付けられてもよい。スティックコントローラは、遊技者が把持する操作桿を含み、操作桿の所定位置(例えば遊技者が操作桿を把持したときに操作手の人差し指が掛かる位置など)には、トリガボタンが設けられている。トリガボタンは、遊技者がスティックコントローラの操作桿を操作手(例えば左手など)で把持した状態において、所定の操作指(例えば人差し指など)で押引操作することなどにより所定の指示操作ができるように構成されていればよい。操作桿の内部には、トリガボタンに対する押引操作などによる所定の指示操作を検知するトリガセンサが内蔵されていればよい。スティックコントローラの下部における下皿の本体内部などには、操作桿に対する傾倒操作を検知する傾倒方向センサユニットが設けられていればよい。例えば、傾倒方向センサユニットは、パチンコ遊技機1と正対する遊技者の側からみて操作桿の中心位置よりも左側で遊技盤2の盤面と平行に配置された2つの透過形フォトセンサ(平行センサ対)と、この遊技者の側からみて操作桿の中心位置よりも右側で遊技盤2の盤面と垂直に配置された2つの透過形フォトセンサ(垂直センサ対)とを組み合わせた4つの透過形フォトセンサを含んで構成されていればよい。なお、下皿におけるスティックコントローラの取付位置は、下皿の中央部分に限定されず、左右のいずれかに寄せた位置であってもよい。
【0044】
操作ボタン30とスティックコントローラの取付位置は、上皿及び下皿の中央部分において上下の位置関係にあればよい。これに対して、上下の位置関係を保ったまま、操作ボタン30及びスティックコントローラの取付位置を、上皿及び下皿において左右のいずれかに寄せた位置としてもよい。あるいは、操作ボタン30とスティックコントローラの取付位置が上下の位置関係にはなく、例えば左右の位置関係にあるものとしてもよい。
【0045】
普通図柄表示器20による普図ゲームは、遊技領域に設けられた通過ゲート41を通過した遊技球が
図2に示すゲートスイッチ21によって検出されたことといった、普通図柄表示器20にて普通図柄の可変表示を実行するための普図始動条件が成立した後に、例えば前回の普図ゲームが終了したことといった、普通図柄の可変表示を開始するための普図開始条件が成立したことに基づいて、開始される。この普図ゲームでは、普通図柄の変動を開始させた後、普図変動時間となる所定時間が経過すると、普通図柄の可変表示結果となる確定普通図柄を停止表示(導出表示)する。このとき、確定普通図柄として、例えば「7」を示す数字といった、特定の普通図柄(普図当り図柄)が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる。その一方、確定普通図柄として、例えば「7」を示す数字以外の数字や記号といった、普図当り図柄以外の普通図柄が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図ハズレ」となる。普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となったことに対応して、普通可変入賞球装置6Bを構成する電動チューリップの可動翼片が傾動位置となる拡大開放制御(傾動制御)が行われ、所定時間が経過すると垂直位置に戻る通常開放制御が行われる。
【0046】
第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームは、普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口に進入した遊技球が
図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出されたことなどにより第1始動条件が成立した後に第1開始条件が成立したことに基づいて、開始される。第1開始条件は、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態あるいは小当り遊技状態が終了したときなどに、第1特図を用いた今回の特図ゲームが開始可能となることにより成立する。第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームは、普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口に進入した遊技球が
図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出されたことなどにより第2始動条件が成立した後に第2開始条件が成立したことに基づいて、開始される。第2開始条件は、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態あるいは小当り遊技状態が終了したときなどに、第2特図を用いた今回の特図ゲームが開始可能となることにより成立する。
【0047】
第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームでは、特別図柄の可変表示を開始させた後、所定の可変表示時間(特図変動時間)が経過すると、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄を完全停止表示する。特別図柄の可変表示時間は、各特図ゲームの開始時に、例えば
図14に示すような変動パターン種別決定用の乱数値MR4を示す数値データや、変動パターン決定用の乱数値MR5を示す数値データなどに基づいて決定された変動パターンに対応して、複数種類の可変表示時間のうちで、いずれかに決定される。特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果は、特図表示結果ともいう。特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄として、特定の特別図柄(大当り図柄)が停止表示されれば、特定表示結果としての「大当り」となり、大当り図柄とは異なる所定の特別図柄(小当り図柄)が停止表示されれば、所定表示結果としての「小当り」となり、大当り図柄や小当り図柄以外の特別図柄(ハズレ図柄)が停止表示されれば、非特定表示結果としての「ハズレ」となる。特図ゲームでの可変表示結果が「大当り」になった後には、特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。また、特図ゲームでの可変表示結果が「小当り」になった後には、大当り遊技状態とは異なる小当り遊技状態に制御される。
【0048】
この実施の形態におけるパチンコ遊技機1では、一例として、「1」、「3」、「7」を示す数字を大当り図柄とし、「5」を示す数字を小当り図柄とし、「−」を示す記号をハズレ図柄としている。また、大当り図柄となる「1」、「3」、「7」の数字を示す特別図柄のうち、「3」、「7」の数字を示す特別図柄が15R大当り図柄となり、「1」の数字を示す特別図柄が2R大当り図柄となる。なお、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームにおける大当り図柄や小当り図柄、ハズレ図柄といった各図柄は、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおける各図柄とは異なる特別図柄となるようにしてもよいし、双方の特図ゲームにおいて共通の特別図柄が大当り図柄や小当り図柄、ハズレ図柄となるようにしてもよい。
【0049】
特図ゲームにおける確定特別図柄として15R大当り図柄が停止表示された後に制御される第1特定遊技状態としての大当り遊技状態(15R大当り状態)では、特別可変入賞球装置7の開閉板が、第1期間となる所定期間(例えば29秒間)あるいは所定個数(例えば9個)の入賞球が発生するまでの期間にて大入賞口を開放状態とすることにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態に変化させるラウンドが実行される。こうしてラウンド中に大入賞口を開放状態とした開閉板は、遊技盤2の表面を落下する遊技球を受け止め、その後に大入賞口を閉鎖状態とすることにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって不利な第2状態に変化させて、1回のラウンドを終了させる。15R大当り状態では、大入賞口の開放サイクルであるラウンドの実行回数が、第1回数(例えば「15」)となる。ラウンドの実行回数が「15」となる15R大当り状態における遊技は、15回開放遊技とも称される。
【0050】
特図ゲームにおける確定特別図柄として2R大当り図柄が停止表示された後に制御される第2特定遊技状態としての大当り遊技状態(2R大当り状態)では、ラウンドにおいて特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)に変化させる期間(開閉板により大入賞口を開放状態とする期間)が、15R大当り状態における第1期間よりも短い第2期間(例えば1.5秒間)となる。また、2R大当り状態では、ラウンドの実行回数が、15R大当り状態における第1回数よりも少ない第2回数(例えば「2」)となる。なお、2R大当り状態では、ラウンドにおいて大入賞口を開放状態とする期間が第2期間となることと、ラウンドの実行回数が第2回数となることのうち、少なくともいずれか一方が行われるように制御されればよく、それ以外の制御は15R大当り状態と同様に行われるようにしてもよい。
【0051】
なお、2R大当り状態では、各ラウンドにおいて大入賞口を第1状態(開放状態)とする開放時間を異ならせてもよい。一例として、2R大当り遊技状態にて実行される1回目のラウンドでは開放時間を1秒とし、2回目のラウンドでは開放時間を0.5秒としてもよい。また、2R大当り状態においても、ラウンドの実行回数が15R大当り状態と同様の第1回数(例えば「15」)となる一方で、各ラウンドにおいて大入賞口を第1状態(開放状態)とする開放時間を、15R大当り状態の場合に比べて非常に短い時間(例えば0.1秒)としてもよい。
【0052】
また、15R大当り図柄となる「3」、「7」の数字を示す特別図柄のうち、「3」の数字を示す特別図柄が特図ゲームにおける確定特別図柄として停止表示されたことに基づく15R大当り状態が終了した後には、特別遊技状態の1つである時短状態となり、通常状態に比べて特図ゲームにおける特別図柄の変動時間(特図変動時間)が短縮される時間短縮制御(時短制御)が行われる。ここで、通常状態とは、大当り遊技状態等の特定遊技状態や時短状態等の特別遊技状態以外の遊技状態のことであり、パチンコ遊技機1の初期設定状態(例えばシステムリセットが行われた場合のように、電源投入後に初期化処理を実行した状態)と同一の制御が行われる。時短状態は、所定回数(例えば100回)の特図ゲームが実行されることと、可変表示結果が「大当り」となることのうち、いずれかの条件が先に成立したときに、終了すればよい。なお、特図ゲームにおける確定特別図柄として15R大当り図柄のうち「3」の数字を示す特別図柄が停止表示されたことに基づく15R大当り状態が終了した後には、時短状態とはならずに通常状態となるようにしてもよい。こうした「3」の数字を示す特別図柄のように、特図ゲームにおける確定特別図柄として停止表示されたことに基づく大当り遊技状態が終了した後に時短状態や通常状態に制御される15R大当り図柄は、非確変大当り図柄(「通常大当り図柄」ともいう)と称される。特図ゲームにおける確定特別図柄が非確変大当り図柄となる場合における特別図柄や飾り図柄の可変表示態様は、可変表示結果が「大当り」となる場合における「非確変」(「通常」ともいう)の可変表示態様(「大当り種別」ともいう)と称される。
【0053】
15R大当り図柄となる「3」、「7」の数字を示す特別図柄のうち、「7」の数字を示す特別図柄が特図ゲームにおける確定特別図柄として停止表示されたことに基づく15R大当り状態が終了した後や、2R大当り図柄となる「1」の数字を示す特別図柄が特図ゲームにおける確定特別図柄として停止表示されたことに基づく2R大当り状態が終了した後には、時短状態とは異なる特別遊技状態の1つである確変状態となり、例えば通常状態に比べて特図変動時間が短縮される時間短縮制御とともに、継続して確率変動制御(確変制御)が行われる。この確変状態では、各特図ゲームや飾り図柄の可変表示において、可変表示結果が「大当り」となって更に大当り遊技状態に制御される確率が、通常状態よりも高くなるように向上する。このような確変状態は、特図ゲームの実行回数に関わりなく、次に可変表示結果が「大当り」となるまで継続してもよい。これに対して、確変状態となった後に、所定回数(例えば100回)の特図ゲームが実行されることと、可変表示結果が「大当り」となることのうち、いずれかの条件が先に成立したときに、終了するようにしてもよい。また、確変状態において所定回数の特図ゲームが実行されたり可変表示結果が「大当り」となる以前であっても、特図ゲームが開始されるときに、所定の割合で確変状態が終了することがあるようにしてもよい。確変状態における時間短縮制御は、時短状態の場合と同様に、所定回数(例えば100回)の特図ゲームが実行されたときに、終了してもよい。あるいは、確変状態における時間短縮制御は、特図ゲームの実行回数にかかわりなく、次に可変表示結果が「大当り」となるまで継続してもよい。
【0054】
「7」の数字を示す特別図柄のように、特図ゲームにおける確定特別図柄として停止表示されたことに基づく大当り遊技状態が終了した後に確変状態に制御される15R大当り図柄は、確変大当り図柄と称される。特図ゲームにおける確定特別図柄が確変大当り図柄となる場合における特別図柄や飾り図柄の可変表示態様は、可変表示結果が「大当り」となる場合における「確変」(「確変大当り」ともいう)の可変表示態様(「大当り種別」ともいう)と称される。「1」の数字を示す特別図柄のように、特図ゲームにおける確定特別図柄として停止表示されたことに基づく大当り遊技状態が終了した後に確変状態に制御される2R大当り図柄は、突確大当り図柄と称される。特図ゲームにおける確定特別図柄が突確大当り図柄となる場合における特別図柄や飾り図柄の可変表示態様は、可変表示結果が「大当り」となる場合における「突確」(「突確大当り」あるいは「突然確変大当り」ともいう)の可変表示態様(「大当り種別」ともいう)と称される。
【0055】
このように、特図ゲームにおける確定特別図柄として15R大当り図柄が停止表示(導出表示)されたときには、15R大当り状態に制御されて所定回数(具体的には15回)のラウンドが実行可能となり、遊技者が多数の賞球を容易に獲得することができるという、遊技者にとって有利な遊技価値が付与される。また、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「確変」となったときには、15R大当り状態が終了した後に、遊技状態が確変状態となり、短時間のうちに可変表示結果が「大当り」になるという、遊技者にとって有利な遊技価値が付与される。特図ゲームにおける確定特別図柄として2R大当り図柄が停止表示(導出表示)されたときには、2R大当り状態に制御されて所定回数(具体的には2回)のラウンドが実行可能にはなるものの、ラウンドの実行回数が比較的に少ないことや、大入賞口の開放期間が比較的に短いことにより、遊技者が賞球を獲得することは困難である。その一方で、2R大当り状態が終了した後には、遊技状態が確変状態となり、短時間のうちに可変表示結果が「大当り」になるという、遊技者にとって有利な遊技価値が付与される。
【0056】
確変状態や時短状態にて時間短縮制御が行われるときには、普通図柄表示器20による普図ゲームにおける普通図柄の可変表示時間(普図変動時間)を通常状態のときよりも短くする制御や、各回の普図ゲームで普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる確率を通常状態のときよりも向上させる制御、可変表示結果が「普図当り」となったことに基づく普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片(開閉羽根)の傾動時間(開放時間)を通常状態のときよりも長くする制御、その傾動回数(開放回数)を通常状態のときよりも増加させる制御といった、第2始動入賞口に遊技球が進入する可能性を高めて第2始動条件が成立しやすくなることで遊技者にとって有利となる制御が行われる。なお、これらの制御のいずれか1つが行われるようにしてもよいし、複数の制御が組み合わせられて行われるようにしてもよい。このように、確変状態や時短状態における時間短縮制御とともに、遊技球が第2始動入賞口に進入しやすくして遊技者にとって有利となる制御は、高開放制御ともいう。高開放制御が行われることにより、第2始動入賞口は、高開放制御が行われていないときよりも拡大開放状態となる頻度が高められる。これにより、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立しやすくなり、特図ゲームが頻繁に実行可能となることで、次に可変表示結果が「大当り」となるまでの時間が短縮される。したがって、高開放制御が行われることにより、通常状態に比べて大当り遊技状態となりやすくなる。高開放制御が実行可能となる期間は、高開放制御期間ともいい、この期間は、パチンコ遊技機1における遊技状態が確変状態と時短状態のいずれかであるときに時間短縮制御が行われている期間と同一であればよい。
【0057】
高開放制御期間であるときには、遊技状態が高ベース中であるともいう。これに対して、高開放制御期間でないときには、遊技状態が低ベース中であるともいう。この実施の形態における時短状態は、低確高ベース状態とも称される遊技状態であり、通常状態は、低確低ベース状態とも称される遊技状態である。また、確変状態において、高開放制御が行われる高開放制御期間であるときは、高確高ベース状態とも称される遊技状態であり、高開放制御期間でないときは、高確低ベース状態とも称される遊技状態である。この実施の形態では、確変状態において常に高開放制御が行われる高確高ベース状態となり、高確低ベース状態になることはないものとする。
【0058】
特図ゲームにおける確定特別図柄として小当り図柄が停止表示された後には、大当り遊技状態とは異なる小当り遊技状態に制御される。この小当り遊技状態では、2R大当り状態と同様に特別可変入賞装置7を遊技者にとって有利な第1状態に変化させる可変入賞動作が行われる。すなわち、小当り遊技状態では、例えば特別可変入賞球装置7が備える開閉板により大入賞口を第2期間にわたり開放状態とする動作が、第2回数に達するまで繰り返し実行される。なお、小当り遊技状態では、2R大当り状態と同様に、大入賞口を開放状態とする期間が第2期間となることと、大入賞口を開放状態とする動作の実行回数が第2回数となることのうち、少なくともいずれか一方が行われるように制御されればよい。小当り遊技状態が終了した後には、遊技状態の変更が行われず、可変表示結果が「小当り」となる以前の遊技状態に継続して制御されることになる。ただし、可変表示結果が「小当り」となる可変表示ゲームに対応して、時短状態を終了する旨の判定がなされた場合には、小当り遊技状態の終了後に、通常状態へと制御されることになる。可変入賞動作により大入賞口を開放状態とする回数が「2」である小当り遊技状態における遊技は、2R大当り状態における遊技と同様に、2回開放遊技とも称される。なお、2R大当り状態における各ラウンドで特別可変入賞球装置7とは別個に設けられた入賞球装置を第1状態に変化させる場合には、小当り遊技状態でも、2R大当り状態と同様の態様で、その入賞球装置を第1状態に変化させるようにすればよい。
【0059】
画像表示装置5に設けられた「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rでは、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特別図柄の可変表示に対応して、飾り図柄の可変表示が行われる。すなわち、第1開始条件と第2開始条件のいずれか一方が成立したことに基づいて、例えば「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部にて飾り図柄の加速表示(全図柄加速表示)を行い、所定速度に達すれば、飾り図柄の定速表示(全図柄定速表示)を行う。こうした全図柄加速表示や全図柄定速表示は、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rの全部にて飾り図柄を可変表示する全図柄変動に含まれる。こうした全図柄変動の後、例えば「左」→「右」→「中」といった所定順序で飾り図柄の減速表示(各図柄減速表示)を行い、変動速度が「0」となれば、飾り図柄を停留して表示する一方で、例えば微少な揺れや伸縮などを生じさせる仮停止表示を行う。そして、飾り図柄の可変表示を開始してからの経過時間が変動パターンなどに基づいて決定された可変表示時間に達したときには、可変表示結果となる確定飾り図柄を完全停止表示する。なお、確定飾り図柄を停止表示する手順としては、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて所定順序で飾り図柄を減速表示するものに限定されず、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて同時に確定飾り図柄となる飾り図柄を減速表示(全図柄減速表示)するものが含まれていてもよい。
【0060】
全図柄変動が開始された後には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける確定飾り図柄の停止表示により可変表示が終了するまでの期間では、飾り図柄の可変表示状態が所定のリーチ状態となることがある。ここで、リーチ状態とは、画像表示装置5の表示領域にて停止表示された飾り図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない飾り図柄(「リーチ変動図柄」ともいう)については変動が継続している表示状態、あるいは、全部または一部の飾り図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示状態のことである。具体的には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける一部(例えば「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rなど)では予め定められた大当り組合せを構成する飾り図柄(例えば「7」の英数字を示す飾り図柄)が停止表示されているときに未だ停止表示していない残りの飾り図柄表示エリア(例えば「中」の飾り図柄表示エリア5Cなど)では飾り図柄が変動している表示状態、あるいは、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部または一部で飾り図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示状態である。
【0061】
また、リーチ状態となったことに対応して、飾り図柄の変動速度を低下させたり、画像表示装置5の表示領域に飾り図柄とは異なるキャラクタ画像(人物等を模した演出画像)を表示させたり、背景画像の表示態様を変化させたり、飾り図柄とは異なる動画像を再生表示させたり、飾り図柄の変動態様を変化させたりすることで、リーチ状態となる以前とは異なる演出動作が実行される場合がある。このようなキャラクタ画像の表示や背景画像の表示態様の変化、動画像の再生表示、飾り図柄の変動態様の変化といった演出動作を、リーチ演出表示(あるいは単にリーチ演出)という。なお、リーチ演出には、画像表示装置5における表示動作のみならず、スピーカ8L、8Rによる音声出力動作や、遊技効果ランプ9などの発光体における点灯動作(点滅動作)などを、リーチ状態となる以前の動作態様とは異なる動作態様とすることが、含まれていてもよい。リーチ演出における演出動作としては、互いに動作態様(リーチ態様)が異なる複数種類の演出パターン(「リーチパターン」ともいう)が、予め用意されていればよい。そして、それぞれのリーチ態様では「大当り」となる可能性(「信頼度」あるいは「大当り信頼度」ともいう)が異なる。すなわち、複数種類のリーチ演出のいずれが実行されるかに応じて、可変表示結果が「大当り」となる可能性を異ならせることができる。一例として、この実施の形態では、ノーマルリーチ、スーパーリーチα、スーパーリーチβといったリーチ態様が予め設定されている。そして、スーパーリーチαやスーパーリーチβといったスーパーリーチのリーチ態様が出現した場合には、ノーマルリーチのリーチ態様が出現した場合に比べて、可変表示結果が「大当り」となる可能性(大当り期待度)が高くなる。
【0062】
飾り図柄の可変表示中には、リーチ演出とは異なり、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となる可能性があることや、可変表示結果が「大当り」となる可能性があることを、飾り図柄の可変表示態様などにより遊技者に報知するための可変表示演出が実行されることがある。この実施の形態では、「滑り」や「擬似連」といった可変表示演出が実行可能であり、主基板11の側で変動パターンが決定されることなどに対応して、各々の演出動作を実行するか否かが決定される。
【0063】
「滑り」の可変表示演出では、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部にて飾り図柄を変動させてから、2つ以上の飾り図柄表示エリア(例えば「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rなど)にて飾り図柄を仮停止表示させた後、その仮停止表示した飾り図柄表示エリアのうち所定数(例えば「1」または「2」)の飾り図柄表示エリア(例えば「左」の飾り図柄表示エリア5Lと「右」の飾り図柄表示エリア5Rのいずれか一方または双方)にて飾り図柄を再び変動させた後に停止表示させることで、停止表示する飾り図柄を変更させる演出表示が行われる。
【0064】
「擬似連」の可変表示演出では、特図ゲームの第1開始条件と第2開始条件のいずれか一方が1回成立したことに対応して、飾り図柄の可変表示が開始されてから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでに、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部にて飾り図柄を一旦仮停止表示させた後、全部の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて飾り図柄を再び変動(擬似連変動)させる演出表示を、所定回(例えば最大2回まで)行うことができる。一例として、「擬似連」の可変表示演出では、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて、
図3(A)に示すような特殊組合せの擬似連チャンス目GC1〜GC8として予め定められた複数種類のハズレ組合せのいずれかとなる飾り図柄が仮停止表示される。ここで、
図3(A)などに示す「左図柄」は「左」の飾り図柄表示エリア5Lに仮停止表示される飾り図柄であり、「中図柄」は「中」の飾り図柄表示エリア5Cに表示される飾り図柄であり、「右図柄」は「右」の飾り図柄表示エリア5Rに表示される飾り図柄である。なお、仮停止表示では、飾り図柄が停留して表示される一方で、例えば揺れ変動表示を行うことや短時間の停留だけで直ちに飾り図柄を再変動させることなどによって、遊技者に停止表示された飾り図柄が確定しない旨を報知すればよい。あるいは、仮停止表示でも、停止表示された飾り図柄が確定したと遊技者が認識する程度に飾り図柄を停留させてから、飾り図柄を再変動させるようにしてもよい。
【0065】
「擬似連」の可変表示演出では、擬似連変動(再変動)の回数が多くなるに従って、可変表示結果が「大当り」となる可能性が高くなるように設定されていればよい。これにより、遊技者は、擬似連チャンス目GC1〜GC8のいずれかが仮停止表示されることにより、「擬似連」の可変表示演出が行われることを認識でき、擬似連変動の回数が多くなるに従って、可変表示結果が「大当り」となる期待感が高められる。この実施の形態では、「擬似連」の可変表示演出において、擬似連変動(再変動)が1回〜3回行われることにより、第1開始条件あるいは第2開始条件が1回成立したことに基づき、飾り図柄の可変表示があたかも2回〜4回続けて開始されたかのように見せることができる。なお、「擬似連」の可変表示演出における擬似連変動(再変動)の回数は、例えば4回や5回といった、1回〜3回よりも多くの回数まで実行できるようにしてもよい。
【0066】
「擬似連」の可変表示演出が実行される際には、初回変動を含む複数回の変動表示(擬似連変動)に伴って、関連する表示演出などによる再変動演出が実行されるようにしてもよい。一例として、「擬似連」の可変表示演出による各変動表示(初回変動を含む)の期間中に、遊技領域の内部または外部に設けられた複数の装飾用LEDのうちで点灯されるものが1つずつ増えていくように制御されてもよい。また、各変動表示(初回変動を含む)の期間中に、装飾用LEDの表示色が変化するように制御されてもよいし、複数の装飾用LEDのうちで点灯されるものが変化するように制御されてもよい。他の一例として、「擬似連」の可変表示演出による各変動表示(初回変動を含む)の期間中に、遊技領域の内部または外部に設けられた演出用模型(可動部材)が動作するように制御されてもよい。さらに他の一例として、「擬似連」の可変表示演出による各変動表示(初回変動を含む)の期間中に、画像表示装置5において特定のキャラクタ画像といった所定の演出画像を表示するように制御されてもよい。これらの再変動演出の一部または全部に加えて、あるいは、これらの再変動演出の一部または全部に代えて、装飾用LEDの点灯や点滅、演出用模型の動作、演出画像の表示のうち、一部または全部を組み合わせた再変動演出を実行するように制御されてもよい。このとき、1種類の演出態様のみで再変動演出が実行される場合よりも、複数種類の演出態様を組み合わせた再変動演出が実行される期間を含んでいる場合や、複数回の再変動演出における演出態様が変化する場合に、可変表示結果が「大当り」となる可能性や、大当り種別が「確変」となる可能性などが高まるようにしてもよい。
【0067】
再変動演出として実行される演出動作は、例えばスピーカ8L、8Rからの音声出力や、遊技効果ランプ9といった他の発光体の点灯動作といった、任意の演出動作を含んだものであってもよい。また、例えばスピーカ8L、8Rによる音声や効果音の出力の違い、演出対象物(例えば演出用模型など)の動きの違い(動作速度の違い、動作する距離の違い、動作方向の違いなど)、画像表示装置5に表示されるキャラクタ画像の動きの違い(動作速度の違い、動作する距離の違い、動作方向の違いなど)によって再変動演出の演出態様を相違させたり、画像表示装置5においてキャラクタ画像ではなく文字表示を変化させたり背景画像の表示を変化させたりして、再変動演出における演出態様を相違させてもよい。さらに、飾り図柄の変動中に実行される再変動演出とは別に、擬似連チャンス目GC1〜GC8のいずれかとなる飾り図柄の仮停止時などに、例えばスピーカ8L、8Rからの音声出力や、遊技効果ランプ9などの発光体の点灯動作といった、任意の演出動作によりチャンス目が仮停止表示されたことを遊技者が認識できるようにしてもよい。
【0068】
こうした飾り図柄の可変表示動作を利用した可変表示演出としては、「滑り」や「擬似連」の他にも、例えば「発展チャンス目」や「発展チャンス目終了」、「チャンス目停止後滑り」といった、各種の演出動作が実行されてもよい。ここで、「発展チャンス目」の可変表示演出では、飾り図柄の可変表示が開始されてから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでに、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部にて、予め定められた特殊組合せに含まれる発展チャンス目を構成する飾り図柄を仮停止表示させた後、飾り図柄の可変表示状態をリーチ状態として所定のリーチ演出が開始される。これにより、発展チャンス目を構成する飾り図柄が仮停止表示されたときには、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となることや、リーチ状態となった後に可変表示結果が「大当り」となることに対する期待感が高められる。また、「発展チャンス目終了」の可変表示演出では、飾り図柄の可変表示が開始された後に、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部にて、発展チャンス目として予め定められた組合せの飾り図柄を、確定飾り図柄として導出表示させる演出表示が行われる。「チャンス目停止後滑り」の可変表示演出では、「擬似連」の可変表示演出と同様に、飾り図柄の可変表示が開始されてから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでに、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部にて擬似連チャンス目GC1〜GC8のいずれかとなるハズレ組合せ(特殊組合せ)の飾り図柄を一旦仮停止表示させた後、「擬似連」の可変表示演出とは異なり、飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rの一部にて飾り図柄を再び変動させることで、停止表示する飾り図柄を変更させる演出表示が行われる。
【0069】
飾り図柄の可変表示中には、リーチ演出あるいは「滑り」や「擬似連」などの可変表示演出とは異なり、例えば所定の演出画像を表示することや、メッセージとなる画像表示や音声出力などのように、飾り図柄の可変表示動作とは異なる演出動作により、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となる可能性があることや、可変表示結果が「大当り」となる可能性があることを、遊技者に報知するための予告演出が実行されることがある。予告演出となる演出動作は、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rの全部にて飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となるより前(「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rにて飾り図柄が停止表示されるより前)に実行(開始)されるものであればよい。また、可変表示結果が「大当り」となる可能性があることを報知する予告演出には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となった後に実行されるものが含まれていてもよい。
【0070】
この実施の形態では、特別図柄や飾り図柄の可変表示を実行中に、第1始動入賞口や第2始動入賞口を遊技球が通過して第1始動条件や第2始動条件が成立すると、実行中の可変表示における表示結果(特図表示結果など)が「大当り」となる可能性や、第1始動条件や第2始動条件の成立に基づく可変表示における表示結果が「大当り」となる可能性を、遊技者に報知するための予告演出が実行される。このような予告演出は、変動中入賞時予告演出ともいう。
【0071】
変動中入賞時予告演出となる演出動作は、例えば画像表示装置5の表示領域に所定の演出画像(キャラクタ画像など)を表示すること、スピーカ8L、8Rから所定の効果音を出力させること、遊技効果ランプ9や装飾用LEDを所定の点灯態様で点灯させること、遊技領域の内部または外部に設けられた所定の可動部材を所定の動作態様で動作させること、あるいは、これらの一部または全部を組み合わせることにより、実行中の可変表示における表示結果や始動条件の成立に基づく可変表示における表示結果を予告できればよい。
【0072】
その他にも、例えば「演出画像表示」や「操作時予告」といった、複数種類の予告演出が実行可能に設定されている。予告演出となる演出動作は、それが実行されるか否かによっては特別図柄の可変表示時間(特図変動時間)に変化が生じないものであればよい。「演出画像表示」の予告演出では、飾り図柄の可変表示中に、例えば画像表示装置5の表示領域にて、予め用意された複数種類の演出画像のいずれかを表示させる演出表示が行われる。「操作時予告」の予告演出では、飾り図柄の可変表示中に、遊技者による操作ボタン30に対する所定操作が検出されたことに応じて、例えば画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示を変更することや、スピーカ8L、8Rから出力させる音声などを変更することにより、演出動作を変化させる。
【0073】
特図ゲームにおける確定特別図柄として、ハズレ図柄となる特別図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態とならずに、所定の非リーチ組合せとなる確定飾り図柄が停止表示されることがある。このような飾り図柄の可変表示態様は、可変表示結果が「ハズレ」となる場合における「非リーチ」(「リーチ無しハズレ」ともいう)の可変表示態様と称される。
【0074】
特図ゲームにおける確定特別図柄として、ハズレ図柄となる特別図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに対応して、リーチ演出が実行された後に、あるいは、リーチ演出が実行されずに、所定のリーチ組合せ(リーチハズレ組合せともいう)となる確定飾り図柄が停止表示されることがある。このような飾り図柄の可変表示結果は、可変表示結果が「ハズレ」となる場合における「リーチ」(「リーチハズレ」ともいう)の可変表示態様と称される。なお、非リーチ組合せとなる確定飾り図柄と、リーチ組合せとなる確定飾り図柄は、まとめてハズレ組合せ(非特定の組合せ)の確定飾り図柄ともいう。
【0075】
特図ゲームにおける確定特別図柄として、15R大当り図柄となる特別図柄のうち15R非確変大当り図柄である「3」の数字を示す特別図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに対応して、所定のリーチ演出が実行された後などに、所定の非確変大当り組合せ(「通常大当り組合せ」ともいう)となる確定飾り図柄が停止表示される。ここで、非確変大当り組合せとなる確定飾り図柄は、例えば画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて可変表示される図柄番号が「1」〜「8」の飾り図柄のうち、図柄番号が偶数「2」、「4」、「6」、「8」である飾り図柄のいずれか1つが、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて所定の有効ライン上に揃って停止表示されるものであればよい。このように非確変大当り組合せを構成する図柄番号が偶数「2」、「4」、「6」、「8」である飾り図柄は、非確変図柄(「通常図柄」ともいう)と称される。
【0076】
特図ゲームにおける確定特別図柄として、15R大当り図柄となる特別図柄のうち15R確変大当り図柄である「5」の数字を示す特別図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに対応して、大当り種別が「非確変」である場合と同様のリーチ演出が実行された後などに、もしくは、大当り種別が「非確変」である場合とは異なるリーチ演出が実行された後などに、所定の確変大当り組合せとなる確定飾り図柄が停止表示されることがある。ここで、確変大当り組合せとなる確定飾り図柄は、例えば画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて可変表示される図柄番号が「1」〜「8」の飾り図柄のうち、図柄番号が奇数「1」、「3」、「5」、「7」である飾り図柄のいずれか1つが、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて所定の有効ライン上に揃って停止表示されるものであればよい。このように確変大当り組合せを構成する図柄番号が奇数「1」、「3」、「5」、「7」である飾り図柄は、確変図柄と称される。
【0077】
特図ゲームにおける確定特別図柄として確変大当り図柄が停止表示(導出表示)される場合に、飾り図柄の可変表示結果として、非確変大当り組合せとなる確定飾り図柄が停止表示されることがあるようにしてもよい。このように、非確変大当り組合せとなる確定飾り図柄が停止表示される場合でも、特図ゲームにおける確定特別図柄として確変大当り図柄が停止表示されるときは、大当り種別が「確変」となる。こうして大当り種別が「確変」で可変表示結果が「大当り」となった後には、15R大当り状態に制御され、その15R大当り状態が終了すると、確変状態に制御されることになる。非確変大当り組合せとなる確定飾り図柄や確変大当り組合せとなる確定飾り図柄は、まとめて大当り組合せ(特定の組合せ)の確定飾り図柄ともいう。
【0078】
確定飾り図柄が非確変大当り組合せや確変大当り組合せとなる飾り図柄の可変表示中には、再抽選演出が実行されてもよい。再抽選演出では、画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rに非確変大当り組合せとなる飾り図柄を仮停止表示させた後に、例えば「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて同一の飾り図柄が揃った状態で再び変動させ、確変大当り組合せとなる飾り図柄(確変図柄)と、非確変大当り組合せとなる飾り図柄(非確変図柄)のうちいずれかを、確定飾り図柄として停止表示(最終停止表示)させる。ここで、大当り種別が「非確変」である場合に再抽選演出が実行されるときには、その再抽選演出として、仮停止表示させた飾り図柄を再変動させた後に非確変大当り組合せとなる確定飾り図柄を導出表示する再抽選失敗演出が行われる。これに対して、大当り種別が「確変」である場合に再抽選演出が実行されるときには、その再抽選演出として、仮停止表示させた飾り図柄を再変動させた後に確変大当り組合せとなる確定飾り図柄を停止表示する再抽選成功演出が実行されることもあれば、再抽選失敗演出が実行されることもある。
【0079】
このように、再抽選演出は、可変表示結果を「大当り」とすることが事前に決定されている場合に、飾り図柄の可変表示時間が経過して確定飾り図柄が導出表示される以前に、確変状態に制御されるか否かを報知する演出である。なお、飾り図柄の可変表示時間が経過して確定飾り図柄が導出表示された後、大当り遊技状態が開始されるより前に、例えば大当り遊技状態の開始を報知する大当り報知演出(ファンファーレ演出)の実行中に、再抽選演出が実行されるようにしてもよい。再抽選演出の具体的な演出態様としては、飾り図柄の再変動表示を行うものに限定されず、例えば、非確変大当り組合せの飾り図柄を仮停止表示するなどして、一旦「非確変」であると思わせておいてから、演出用模型を作動させたり、画像表示装置5の表示領域に所定の演出画像(キャラクタ画像など)を表示させたり、遊技効果ランプ9や装飾用LEDを所定のパターンで点灯または点滅させたり、スピーカ8L、8Rから所定の効果音を出力させたり、あるいは、これらの一部または全部を組み合わせたりしたものであればよい。
【0080】
非確変大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出表示された後には、大当り遊技状態の開始時や大当り遊技状態におけるラウンドの実行中、大当り遊技状態においていずれかのラウンドが終了してから次のラウンドが開始されるまでの期間、大当り遊技状態において最終のラウンドが終了してから次の可変表示ゲームが開始されるまでの期間などにて、確変状態に制御するか否かの報知演出となる確変昇格演出が実行されてもよい。なお、確変昇格演出と同様の報知演出が、大当り遊技状態の終了後における最初の可変表示ゲーム中などにて実行されてもよい。大当り遊技状態において最終のラウンドが終了してから実行される確変昇格演出を、特に「エンディング時昇格演出」ということもある。
【0081】
確変昇格演出には、確定飾り図柄が非確変大当り組合せであるにもかかわらず遊技状態が確変状態となる昇格がある旨を報知する確変昇格成功演出と、確変状態となる昇格がない旨を報知する確変昇格失敗演出とがある。例えば、確変昇格演出では、画像表示装置5の表示領域にて飾り図柄を可変表示させて非確変図柄と確変図柄のいずれかを演出表示結果として停止表示させること、あるいは、飾り図柄の可変表示とは異なる演出画像の表示を行うことなどにより、確変状態となる昇格の有無を、遊技者が認識できるように報知すればよい。確変昇格演出では、大当り遊技状態中や大当り遊技状態の終了時における演出動作の一環として、あるいは別個の演出動作として、遊技状態が確変状態となるか否かを報知する演出動作が行われればよい。
【0082】
このように、確変昇格演出は、可変表示結果を「確変」とすることが事前に決定されている場合に、飾り図柄の可変表示時間が経過して確定飾り図柄が導出表示された後、大当り遊技状態が開始された後の所定期間にて、確変状態に制御されるか否かを報知する演出である。確変昇格演出の具体的な演出態様としては、飾り図柄の可変表示を行うものに限定されず、例えば、飾り図柄とは異なる演出画像(キャラクタ画像など)を画像表示装置5の表示領域に表示させたり、スピーカ8L、8Rから所定の効果音を出力させたり、遊技効果ランプ9や装飾用LEDを所定のパターンで点灯または点滅させたり、演出用模型を作動させたり、あるいは、これらの一部または全部を組み合わせたりしたものであればよい。
【0083】
再抽選演出や確変昇格演出として、操作ボタン30などを用いた演出が行われるようにしてもよい。例えば、操作ボタン30に対する遊技者の操作回数が、予め定めたボタン操作回数に達したときに、再抽選演出や確変昇格演出において確変報知が行われるようにしてもよい。遊技者が操作ボタン30を操作しなかった場合やボタン操作回数に達しなかった場合には、エンディング昇格演出などにより確変報知が行われるようにしてもよいし、確変報知が行われないようにしてもよい。
【0084】
再抽選演出や確変昇格演出は、大当り遊技状態の終了後に遊技状態を確変状態に制御する所定の移行条件を成立させると決定されたかを報知(確変報知)する報知演出として実行される。なお、報知演出には、その演出が実行されること自体が確変報知となるものがあってもよい。一例として、確変昇格演出のうち大当り遊技状態の終了時に実行されるエンディング昇格演出が実行されたときには、確変状態に制御されることが常に報知されればよい。また、報知演出には、その演出内で確変状態に制御されるか否かを報知するものがあってもよい。報知演出による確変報知の態様は任意に設定可能であり、例えば、再抽選演出や確変昇格演出における全ての報知演出が実行されることにより、確変状態に制御されることが確定するようにしてもよい。報知演出として実行されるもの全てが、その演出自体により確変報知となるものであってもよいし、その演出内で確変状態に制御されるか否かを報知するもの(確変状態にならない報知を含むもの)であってもよい。
【0085】
特図ゲームにおける確定特別図柄として、2R大当り図柄となる「1」の数字を示す特別図柄が停止表示される場合や、小当り図柄となる「5」の数字を示す特別図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態とならずに、例えば
図3(B)に示すような2回開放チャンス目TC1〜TC4として予め定められた複数種類の確定飾り図柄の組合せのいずれかが停止表示されることがある。また、特図ゲームにおける確定特別図柄として、2R大当り図柄となる「1」の数字を示す特別図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに対応して、所定のリーチ演出が実行された後などに、所定のリーチ組合せとなる確定飾り図柄が停止表示されることもある。
【0086】
時短状態では、例えば「チャンスモード」といった高開放制御期間であることを報知する演出画像を画像表示装置5の表示領域に表示させることや、画像表示装置5の表示領域における背景画像や飾り図柄の表示態様を通常の演出モードにおける表示態様とは異なるものとすることなどにより、少なくとも高開放制御期間であることを遊技者が認識できる演出モードとなるようにしてもよい。確変状態では、例えば「確変中」といった確変状態であることを報知する演出画像を画像表示装置5の表示領域に表示させることや、画像表示装置5の表示領域における背景画像や飾り図柄の表示態様を通常の演出モードやチャンスモードにおける表示態様とは異なるものとすることなどにより、確変状態であることを遊技者が認識できる確変中の演出モードとなることがあるようにしてもよい。あるいは、確変状態では、時短状態と同様のチャンスモードとなることにより、確変状態であるか時短状態であるかを遊技者が認識することを不可能あるいは困難にしてもよい。
【0087】
パチンコ遊技機1には、例えば
図2に示すような主基板11、演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14といった、各種の制御基板が搭載されている。また、パチンコ遊技機1には、主基板11と演出制御基板12との間で伝送される各種の制御信号を中継するための中継基板15なども搭載されている。その他にも、パチンコ遊技機1における遊技盤2などの背面には、例えば払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、インタフェース基板などといった、各種の基板が配置されている。
【0088】
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。主基板11は、主として、特図ゲームにおいて用いる乱数の設定機能、所定位置に配設されたスイッチ等からの信号の入力を行う機能、演出制御基板12などからなるサブ側の制御基板に宛てて、指令情報の一例となる制御コマンドを制御信号として出力して送信する機能、ホールの管理コンピュータに対して各種情報を出力する機能などを備えている。また、主基板11は、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bを構成する各LED(例えばセグメントLED)などの点灯/消灯制御を行って第1特図や第2特図の可変表示を制御することや、普通図柄表示器20の点灯/消灯/発色制御などを行って普通図柄表示器20による普通図柄の可変表示を制御することといった、所定の表示図柄の可変表示を制御する機能も備えている。主基板11には、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100や、遊技球検出用の各種スイッチからの検出信号を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送するスイッチ回路110、遊技制御用マイクロコンピュータ100からのソレノイド駆動信号をソレノイド81、82に伝送するソレノイド回路111などが搭載されている。
【0089】
演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、中継基板15を介して主基板11から伝送された制御信号を受信して、画像表示装置5、スピーカ8L、8R及び遊技効果ランプ9といった演出用の電気部品による演出動作を制御するための各種回路が搭載されている。すなわち、演出制御基板12は、画像表示装置5における表示動作や、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作の全部または一部、遊技効果ランプ9などにおける点灯/消灯動作の全部または一部といった、演出用の電気部品に所定の演出動作を実行させるための制御内容を決定する機能を備えている。
【0090】
音声制御基板13は、演出制御基板12とは別個に設けられた音声出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、スピーカ8L、8Rから音声を出力させるための音声信号処理を実行する処理回路などが搭載されている。ランプ制御基板14は、演出制御基板12とは別個に設けられたランプ出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、遊技効果ランプ9などにおける点灯/消灯駆動を行うランプドライバ回路などが搭載されている。
【0091】
図2に示すように、主基板11には、ゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23からの検出信号を伝送する配線が接続されている。なお、ゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23は、例えばセンサと称されるものなどのように、遊技媒体としての遊技球を検出できる任意の構成を有するものであればよい。また、主基板11には、第1特別図柄表示装置4A、第2特別図柄表示装置4B、普通図柄表示器20、第1保留表示器25A、第2保留表示器25B、普図保留表示器25Cなどの表示制御を行うための指令信号を伝送する配線が接続されている。
【0092】
主基板11から演出制御基板12に向けて伝送される制御信号は、中継基板15によって中継される。主基板11には、例えば中継基板15に対応する主基板側コネクタが設けられ、主基板側コネクタと遊技制御用マイクロコンピュータ100との間には、出力バッファ回路が接続されている。出力バッファ回路は、主基板11から中継基板15を介して演出制御基板12へ向かう方向にのみ信号を通過させることができ、中継基板15から主基板11への信号の入力を阻止する。したがって、演出制御基板12や中継基板15の側から主基板11の側に信号が伝わる余地はない。
【0093】
中継基板15には、例えば主基板11から演出制御基板12に対して制御信号を伝送するための配線毎に、伝送方向規制回路が設けられていればよい。各伝送方向規制回路は、主基板11対応の主基板用コネクタにアノードが接続されるとともに演出制御基板12対応の演出制御基板用コネクタにカソードが接続されたダイオードと、一端がダイオードのカソードに接続されるとともに他端がグランド(GND)接続された抵抗とから構成されている。この構成により、各伝送方向規制回路は、演出制御基板12から中継基板15への信号の入力を阻止して、主基板11から演出制御基板12へ向かう方向にのみ信号を通過させることができる。したがって、演出制御基板12の側から主基板11側に信号が伝わる余地はない。この実施の形態では、中継基板15において制御信号を伝送するための配線毎に伝送方向規制回路を設けるとともに、主基板11にて遊技制御用マイクロコンピュータ100と主基板側コネクタの間に出力バッファ回路を設けることで、外部から主基板11への不正な信号の入力を防止することができる。
【0094】
中継基板15を介して主基板11から演出制御基板12に対して伝送される制御コマンドは、例えば電気信号として送受信される演出制御コマンドである。演出制御コマンドには、例えば画像表示装置5における画像表示動作を制御するために用いられる表示制御コマンドや、スピーカ8L、8Rからの音声出力を制御するために用いられる音声制御コマンド、遊技効果ランプ9や装飾用LEDの点灯動作などを制御するために用いられるランプ制御コマンドが含まれている。
図4(A)は、この実施の形態で用いられる演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。演出制御コマンドは、例えば2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を示し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」とされ、EXTデータの先頭ビットは「0」とされる。なお、
図4(A)に示されたコマンド形態は一例であって、他のコマンド形態を用いてもよい。また、この例では、制御コマンドが2つの制御信号で構成されることになるが、制御コマンドを構成する制御信号数は、1であってもよいし、3以上の複数であってもよい。
【0095】
図4(A)に示す例において、コマンド8001Hは、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームにおける変動開始を指定する第1変動開始コマンドである。コマンド8002Hは、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームにおける変動開始を指定する第2変動開始コマンドである。コマンド81XXHは、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示に対応して画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rで可変表示される飾り図柄などの変動パターンを指定する変動パターン指定コマンドである。ここで、XXHは不特定の16進数であることを示し、演出制御コマンドによる指示内容に応じて任意に設定される値であればよい。変動パターン指定コマンドでは、指定する変動パターンなどに応じて、異なるEXTデータが設定される。
【0096】
この実施の形態では、第1及び第2変動開始コマンドと、変動パターン指定コマンドとを、互いに別個の演出制御コマンドとして用意している。これに対して、第1特図及び第2特図のいずれが変動開始となるかの指定内容と、変動パターンの指定内容とを、1つの演出制御コマンドにより特定可能となるように構成してもよい。一例として、変動開始となる特別図柄(第1特図あるいは第2特図)と変動パターンとの組合せに対応してEXTデータが設定される演出制御コマンドを用意して、その演出制御コマンドにより、変動開始となる特別図柄と変動パターンとを特定できるようにしてもよい。ここで、変動開始となる特別図柄と変動パターンとを1つの演出制御コマンドにより特定可能となるように構成した場合には、1つの変動パターンに対して、変動開始となる特別図柄(第1特図あるいは第2特図)に応じた2種類の演出制御コマンドを用意しなければならないことがある。これに対して、変動開始となる特別図柄を指定する演出制御コマンドと、変動パターンを指定する演出制御コマンドとを別個に用意すれば、変動開始となる特別図柄に対応した2種類の演出制御コマンドと、変動パターンの種類数に対応した個数の演出制御コマンドとを用意すればよく、予め用意するコマンドの種類や、コマンドテーブルの記憶容量などを、削減することができる。
【0097】
コマンド8CXXHは、特別図柄や飾り図柄などの可変表示結果を指定する可変表示結果通知コマンドである。可変表示結果通知コマンドでは、例えば
図4(B)に示すように、可変表示結果が「ハズレ」、「大当り」、「小当り」のいずれであるかの決定結果(事前決定結果)や、可変表示結果が「大当り」となる場合の大当り種別を複数種類のいずれとするかの決定結果(大当り種別決定結果)に応じて、異なるEXTデータが設定される。より具体的には、コマンド8C00Hは、可変表示結果が「ハズレ」となる旨の事前決定結果を示す第1可変表示結果通知コマンドである。コマンド8C01Hは、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「非確変」となる旨の事前決定結果及び大当り種別決定結果を通知する第2可変表示結果通知コマンドである。コマンド8C02Hは、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「確変」となる旨の事前決定結果及び大当り種別決定結果を通知する第3可変表示結果通知コマンドである。コマンド8C03Hは、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」となる旨の事前決定結果及び大当り種別決定結果を通知する第4可変表示結果通知コマンドである。コマンド8C04Hは、可変表示結果が「小当り」となる旨の事前決定結果を通知する第5可変表示結果通知コマンドである。
【0098】
この実施の形態では、変動パターン指定コマンドと可変表示結果通知コマンドとを、互いに別個の演出制御コマンドとして用意している。これに対して、変動パターン指定コマンドに示される変動パターンと、可変表示結果通知コマンドに示される可変表示結果とを、1つの演出制御コマンドにより特定可能となるように構成してもよい。一例として、変動パターンと可変表示結果(「ハズレ」及び「大当り」及び「小当り」のいずれかと、「大当り」となる場合における大当り種別)との組合せに対応してEXTデータが設定される演出制御コマンドを用意して、その演出制御コマンドにより、変動パターンと可変表示結果を特定可能な情報が伝送されるようにしてもよい。あるいは、3つ以上の演出制御コマンドにより、変動パターンと可変表示結果とを特定できるようにしてもよい。ここで、変動パターンと可変表示結果とを1つの演出制御コマンドにより特定可能となるように構成した場合には、1つの変動パターンに対して、複数種類の可変表示結果に応じた複数種類の演出制御コマンドを用意しなければならないことがある。これに対して、変動パターンを指定する演出制御コマンドと、可変表示結果を通知する演出制御コマンドとを別個に用意すれば、変動パターンの種類数に対応した個数の演出制御コマンドと、可変表示結果の種類数に対応した個数の演出制御コマンドとを用意すればよく、予め用意するコマンドの種類や、コマンドテーブルの記憶容量などを、削減することができる。
【0099】
コマンド8F00Hは、画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rで飾り図柄を停止表示して可変表示結果の確定を指定する飾り図柄停止コマンドである。コマンド95XXHは、パチンコ遊技機1における現在の遊技状態を指定する遊技状態指定コマンドである。遊技状態指定コマンドでは、例えばパチンコ遊技機1における現在の遊技状態が通常状態、確変状態及び時短状態のいずれであるかに対応して、異なるEXTデータが設定される。具体的な一例として、コマンド9500Hを遊技状態が通常状態である場合に対応した第1遊技状態指定コマンドとし、コマンド9501Hを遊技状態が確変状態である場合に対応した第2遊技状態指定コマンドとし、コマンド9502Hを遊技状態が時短状態である場合に対応した第3遊技状態指定コマンドとすればよい。
【0100】
この実施の形態では、飾り図柄の可変表示の停止を指定する演出制御コマンドとして、飾り図柄停止コマンドを主基板11から演出制御基板12に対して送信するようにしている。これに対して、飾り図柄停止コマンドの送信は行われないようにしてもよい。この場合、演出制御基板12の側では、変動パターン指定コマンドに示された変動パターンなどに対応する特図変動時間を特定し、第1変動開始コマンドや第2変動開始コマンドを受信してからの経過時間が特定された特図変動時間に達したときに、主基板11からの演出制御コマンドを受信しなくても、特図ゲームに対応して実行される演出を終了するための設定が行われるようにすればよい。
【0101】
コマンドA0XXHは、大当り遊技状態や小当り遊技状態の開始を示す演出画像の表示を指定する当り開始指定コマンド(「ファンファーレコマンド」ともいう)である。当り開始指定コマンドでは、例えば可変表示結果通知コマンドと同様のEXTデータが設定されることなどにより、事前決定結果や大当り種別決定結果に応じて異なるEXTデータが設定される。あるいは、当り開始指定コマンドでは、事前決定結果及び大当り種別決定結果と設定されるEXTデータとの対応関係を、可変表示結果通知コマンドにおける対応関係とは異ならせるようにしてもよい。
【0102】
コマンドA1XXHは、大当り遊技状態や小当り遊技状態において、大入賞口が開放状態となっている期間であることを通知する大入賞口開放中通知コマンドである。コマンドA2XXHは、大当り遊技状態や小当り遊技状態において、大入賞口が開放状態から閉鎖状態に変化した期間であることを通知する大入賞口開放後通知コマンドである。大入賞口開放中通知コマンドや大入賞口開放後通知コマンドでは、例えば15R大当り状態におけるラウンドの実行回数(例えば「1」〜「15」)、2R大当り状態または小当り遊技状態における大入賞口の開放回数(例えば「1」または「2」)に対応して、異なるEXTデータが設定される。なお、大当り遊技状態や小当り遊技状態では、大入賞口が開放状態となっている期間であるか、大入賞口が開放状態から閉鎖状態に変化した期間であるかにかかわりなく、大当り遊技状態や小当り遊技状態の開始時点から、あるいは、飾り図柄の可変表示開始時点から、大当り遊技状態や小当り遊技状態の終了時点まで、継続的な演出動作が実行されるようにしてもよい。あるいは、大当り遊技状態や小当り遊技状態では、大入賞口が開放状態となっている期間であるか、大入賞口が開放状態から閉鎖状態に変化した期間であるかに応じて、異なる演出動作が実行されるようにしてもよい。
【0103】
コマンドA3XXHは、大当り遊技状態や小当り遊技状態の終了時における演出画像の表示を指定する当り終了指定コマンドである。当り終了指定コマンドでは、例えば可変表示結果通知コマンドや当り開始指定コマンドと同様のEXTデータが設定されることなどにより、事前決定結果や大当り種別決定結果に応じて異なるEXTデータが設定される。あるいは、当り終了指定コマンドでは、事前決定結果及び大当り種別決定結果と設定されるEXTデータとの対応関係を、可変表示結果通知コマンドや当り開始指定コマンドにおける対応関係とは異ならせるようにしてもよい。なお、2R大当り状態や小当り遊技状態に制御されるときには、当り開始指定コマンドや大入賞口開放中指定コマンド、大入賞口開放後指定コマンド、当り終了指定コマンドの一部または全部が伝送されず、変動パターン指定コマンドに示された変動パターンにより、2R大当り状態中や小当り遊技状態中における演出動作が実行されるようにしてもよい。
【0104】
コマンドB1XXHは、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球が第1始動口スイッチ22Aにより検出されて始動入賞が発生したことに基づき、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームを実行するための第1始動条件が成立したことを通知する第1始動口入賞指定コマンドである。コマンドB2XXHは、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球が第2始動口スイッチ22Bにより検出されて始動入賞が発生したことに基づき、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立したことを通知する第2始動口入賞指定コマンドである。
【0105】
この実施の形態において、第1始動口入賞指定コマンドは、第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球の検出時である第1始動入賞時に、所定の数値データを用いた判定結果を通知する演出制御コマンドとしても用いられる。また、第2始動口入賞指定コマンドは、第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球の検出時である第2始動入賞時に、所定の数値データを用いた判定結果を通知する演出制御コマンドとしても用いられる。
【0106】
例えば
図4(C)に示すように、第1始動口入賞指定コマンドや第2始動口入賞指定コマンドでは、可変表示結果を「大当り」とするか否かの決定に用いる所定の決定用数値(例えば特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データ)により、可変表示結果が「大当り」に決定される旨の判定がなされたか否かに応じて、異なるEXTデータが設定される。より具体的には、コマンドB100HやコマンドB200Hは、可変表示結果が「大当り」に決定される旨の判定がなされなかった場合の「大当り以外」を通知する一方で、コマンドB101H〜コマンドB103H、コマンドB201H及びコマンドB202Hは、可変表示結果が「大当り」に決定される旨の判定がなされたことを通知する。また、第1始動口入賞指定コマンドや第2始動口入賞指定コマンドでは、可変表示結果を「大当り」とする場合の大当り種別を複数種別のいずれかに決定するために用いる所定の決定用数値(例えば大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データ)により、大当り種別が「非確変」及び「確変」及び「突確」のいずれに決定される旨の判定がなされたかに応じて、異なるEXTデータが設定される。より具体的には、コマンドB101HやコマンドB201Hは、大当り種別が「非確変」に決定される旨の判定がなされたことを通知し、コマンドB102HやコマンドB202Hは、大当り種別が「確変」に決定される旨の判定がなされたことを通知する。また、コマンドB103Hは、大当り種別が「突確」に決定される旨の判定がなされたことを通知する。なお、この実施の形態では、第2始動入賞口を通過した遊技球の検出に基づく第2特図を用いた特図ゲームでは、大当り種別が「突確」に決定されないように設定されていることから、コマンドB203Hは使用されない。
【0107】
コマンドC0XXHは、画像表示装置5の表示領域に設けられた始動入賞記憶表示エリア5Hなどにて特図保留記憶数を特定可能に表示するために、第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数との合計値である合計保留記憶数を通知する保留記憶数通知コマンドである。保留記憶数通知コマンドは、例えば第1始動条件と第2始動条件のいずれかが成立したときに、第1始動口入賞指定コマンドと第2始動口入賞指定コマンドのいずれかが送信されたことに続いて、主基板11から演出制御基板12に対して送信される。また、保留記憶数通知コマンドは、第1開始条件と第2開始条件のいずれかが成立したときに、特図ゲームの実行が開始されることなどに対応して送信されるようにしてもよい。保留記憶数通知コマンドでは、例えば
図12に示す特図保留記憶部151Aにおける保留データの総記憶数(例えば「0」〜「8」)に対応して、異なるEXTデータが設定される。これにより、演出制御基板12の側では、第1始動条件と第2始動条件のいずれかが成立したときや、第1開始条件と第2開始条件のいずれかが成立して特図ゲームの実行が開始されるときなどに、主基板11から伝送された保留記憶数通知コマンドを受信して、特図保留記憶部151Aにおける保留データの総記憶数を特定することができる。
【0108】
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、遊技制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM(Read Only Memory)101と、遊技制御用のワークエリアを提供するRAM(Random Access Memory)102と、遊技制御用のプログラムを実行して制御動作を行うCPU(Central Processing Unit)103と、CPU103とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路104と、I/O(Input/Output port)105とを備えて構成される。一例として、遊技制御用マイクロコンピュータ100では、CPU103がROM101から読み出したプログラムを実行することにより、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための処理が実行される。このときには、CPU103がROM101から固定データを読み出す固定データ読出動作や、CPU103がRAM102に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、CPU103がRAM102に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。遊技制御用マイクロコンピュータ100を構成する1チップマイクロコンピュータは、少なくともCPU103の他にRAM102が内蔵されていればよく、ROM101は外付けであっても内蔵されていてもよい。また、乱数回路104やI/O105は、外付けであってもよい。
【0109】
このように、遊技制御用マイクロコンピュータ100ではCPU103がROM101に格納されている遊技制御用のプログラムを実行して遊技制御を行うので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ100(またはCPU103)が実行する(または処理を行う)ということは、具体的には、CPU103がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板11とは異なる他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
【0110】
主基板11では、例えば
図2に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100が備える乱数回路104などにより、遊技の進行を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウントされる。
図5は、主基板11の側においてカウントされる乱数値を例示する説明図である。
図5に示すように、この実施の形態では、主基板11の側において、特図表示結果決定用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン種別決定用の乱数値MR3、変動パターン決定用の乱数値MR4、普図表示結果決定用の乱数値MR5のそれぞれを示す数値データが、カウント可能に制御される。なお、遊技効果を高めるために、これら以外の乱数値が用いられてもよい。
【0111】
こうした遊技の進行を制御するために用いられる乱数は、遊技用乱数ともいう。乱数回路104は、これらの乱数値MR1〜MR5の全部または一部を示す数値データをカウントするものであればよい。CPU103は、例えば
図12に示す遊技制御カウンタ設定部154に設けられたランダムカウンタといった、乱数回路104とは異なるランダムカウンタを用いて、ソフトウェアによって各種の数値データを更新することで、乱数値MR1〜MR5の一部を示す数値データをカウントするようにしてもよい。一例として、特図表示結果判定用の乱数値MR1を示す数値データは、乱数回路104によりCPU103とは独立して更新され、それ以外の乱数値MR2〜MR5を示す数値データは、CPU103がランダムカウンタを用いてソフトウェアにより更新されればよい。また、乱数回路104により更新された数値データの全部または一部を用いて、スクランブル処理や演算処理といった所定の処理を実行することにより、乱数値MR1〜MR5の全部または一部を示す数値データが更新されるようにしてもよい。
【0112】
遊技制御用マイクロコンピュータ100は、乱数回路104が更新する数値データの初期値を設定する機能を有していてもよい。例えば、ROM101等の所定の記憶領域に記憶された遊技制御用マイクロコンピュータ100のIDナンバ(遊技制御用マイクロコンピュータ100の各製品ごとに異なる数値で付与されたIDナンバ)を用いて所定の演算を行って得られた数値データを、乱数回路104が更新する数値データの初期値として設定する。このような処理を行うことにより、乱数回路104が発生する乱数のランダム性をより向上させることができる。
【0113】
特図表示結果決定用の乱数値MR1は、特図ゲームにおける特別図柄などの可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かを決定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「65535」の範囲の値をとる。大当り種別決定用の乱数値MR2は、可変表示結果を「大当り」とする場合における飾り図柄の可変表示態様である大当り種別を「非確変」、「確変」、「突確」のいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「100」の範囲の値をとる。
【0114】
変動パターン種別決定用の乱数値MR3は、特別図柄や飾り図柄の可変表示における変動パターン種別を、予め用意された複数種類のいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「251」の範囲の値をとる。変動パターン決定用の乱数値MR4は、特別図柄や飾り図柄の可変表示における変動パターンを、予め用意された複数種類のいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「997」の範囲の値をとる。変動パターンは、例えば飾り図柄といった所定図柄の可変表示が開始されてから表示結果が導出表示されるまでの可変表示態様を含めた演出動作態様ごとに、予め複数パターンが用意されていればよい。
【0115】
普図表示結果決定用の乱数値MR5は、普通図柄表示器20による普図ゲームにおける可変表示結果を「普図当り」とするか「普図ハズレ」とするかなどの決定を行うために用いられる乱数値であり、例えば「3」〜「13」の範囲の値をとる。すなわち、普図表示結果決定用の乱数値MR5は、普図ゲームにおける可変表示結果に基づき普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)しがたい状態(通常開放状態)から遊技球が通過(進入)しやすい状態(拡大開放状態)へと変化させるか否かなどの決定を行うために用いられる。
【0116】
図6は、この実施の形態における変動パターンを示している。この実施の形態では、可変表示結果が「ハズレ」となる場合のうち、飾り図柄の可変表示態様が「非リーチ」である場合と「リーチ」である場合のそれぞれに対応して、また、可変表示結果が「大当り」となる場合のうち、大当り種別が「非確変」または「確変」のいずれかである場合と「突確」である場合などに対応して、複数の変動パターンが予め用意されている。なお、可変表示結果が「ハズレ」で飾り図柄の可変表示態様が「非リーチ」である場合に対応した変動パターンは、非リーチ変動パターン(「非リーチハズレ変動パターン」ともいう)と称され、可変表示結果が「ハズレ」で飾り図柄の可変表示態様が「リーチ」である場合に対応した変動パターンは、リーチ変動パターン(「リーチハズレ変動パターン」ともいう)と称される。また、非リーチ変動パターンとリーチ変動パターンは、可変表示結果が「ハズレ」となる場合に対応したハズレ変動パターンに含まれる。可変表示結果が「大当り」である場合に対応した変動パターンは、大当り変動パターンと称される。
【0117】
図6に示すように、この実施の形態では、非リーチ変動パターンとして、変動パターンPA1−1〜変動パターンPA1−4が、予め用意されている。また、リーチ変動パターンとして、変動パターンPA2−1、変動パターンPA2−2、変動パターンPB2−1、変動パターンPB2−2、変動パターンPA3−1、変動パターンPA3−2、変動パターンPB3−1、変動パターンPB3−2が、予め用意されている。可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「非確変」または「確変」のいずれかとなる場合に対応した大当り変動パターンとしては、変動パターンPA4−1、変動パターンPA4−2、変動パターンPB4−1、変動パターンPB4−2が、予め用意されている。可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」となる場合や、可変表示結果が「小当り」となる場合に対応した当り変動パターンとしては、変動パターンPC1−1〜変動パターンPC1−3が、予め用意されている。さらに、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」となる場合にのみ対応した当り変動パターンとして、変動パターンPC1−4及び変動パターンPC1−5が、予め用意されている。
【0118】
図7は、この実施の形態における変動パターン種別を示している。
図6に示す各変動パターンは、
図7に示す複数の変動パターン種別のうち、少なくとも1つの変動パターン種別に含まれている。すなわち、各変動パターン種別は、例えば飾り図柄の可変表示中に実行される演出動作などに基づいて分類(グループ化)された単一または複数の変動パターンを含むように構成されていればよい。一例として、複数の変動パターンをリーチ演出の種類(演出態様)で分類(グループ化)して、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態とならない変動パターンが含まれる変動パターン種別と、ノーマルリーチを伴う変動パターンが含まれる変動パターン種別と、スーパーリーチ(スーパーリーチαまたはスーパーリーチβ)を伴う変動パターンが含まれる変動パターン種別とに分ければよい。他の一例として、複数の変動パターンを「擬似連」の可変表示演出の有無や擬似連変動(再変動)の実行回数で分類(グループ化)して、「擬似連」の可変表示演出を実行しない変動パターンが含まれる変動パターン種別と、「擬似連」の可変表示演出にて擬似連変動(再変動)の実行回数を1回とする変動パターンが含まれる変動パターン種別と、「擬似連」の可変表示演出にて擬似連変動(再変動)の実行回数を2回以上とする変動パターンが含まれる変動パターン種別とに分ければよい。さらに他の一例として、複数の変動パターンを「擬似連」や「滑り」などの可変表示演出の有無、あるいは、飾り図柄の可変表示時間などに応じて、分類(グループ化)してもよい。複数の変動パターン種別のうちには、共通の変動パターンを含んで構成されたものがあってもよい。
【0119】
図7に示す例では、可変表示結果が「ハズレ」で「非リーチ」の可変表示態様となる場合に対応して、変動パターン種別CA1−1〜変動パターン種別CA1−3が、予め用意されている。また、可変表示結果が「ハズレ」で「リーチ」の可変表示態様となる場合に対応して、変動パターン種別CA2−1〜変動パターン種別CA2−4が、予め用意されている。可変表示結果が「大当り」で「非確変」または「確変」の可変表示態様(大当り種別)に対応して、変動パターン種別CA3−1が、予め用意されている。可変表示結果が「大当り」で「突確」の可変表示態様(大当り種別)である場合や可変表示結果が「小当り」である場合に対応して、変動パターン種別CA4−1が、予め用意されている。さらに、可変表示結果が「大当り」で「突確」の可変表示態様(大当り種別)である場合のみに対応して、変動パターン種別CA4−2が、予め用意されている。
【0120】
変動パターン種別CA1−1は、特別図柄や飾り図柄の可変表示時間が短縮されず、また、「擬似連」や「滑り」などの可変表示演出が実行されない「短縮なし」の変動パターン種別であり、「短縮なし」と予め対応付けられた変動パターンPA1−1を含んでいる。変動パターン種別CA1−2は、例えば合計保留記憶数が「3」以上であることや、確変状態または時短状態にて時間短縮制御が行われることに対応して、特別図柄や飾り図柄の可変表示時間が短縮されて、「擬似連」や「滑り」などの可変表示演出が実行されない「短縮あり」の変動パターン種別であり、「短縮あり」と予め対応付けられた変動パターンPA1−2を含んでいる。変動パターン種別CA1−3は、可変表示態様が「非リーチ」となる場合に「擬似連」や「滑り」の可変表示演出が実行される「滑り、擬似連」の変動パターン種別であり、「滑り、擬似連」と予め対応付けられた変動パターンPA1−3及び変動パターンPA1−4を含んでいる。
【0121】
変動パターン種別CA2−1は、「擬似連」の可変表示演出が実行されずに、飾り図柄の可変表示状態をリーチ状態とした後に通常のリーチ演出となるノーマルリーチを伴い、リーチ演出が終了したときにリーチ組合せの確定飾り図柄を導出表示する「ノーマルリーチ(ハズレ)擬似連なし」の変動パターン種別であり、「ノーマルリーチ(ハズレ)擬似連なし」と予め対応付けられた変動パターンPA2−1及び変動パターンPA2−2を含んでいる。変動パターン種別CA2−2は、「擬似連」の可変表示演出における擬似連変動(再変動)の実行回数が2回であり、飾り図柄の可変表示状態をリーチ状態とした後にノーマルリーチを伴い、リーチ演出が終了したときにリーチ組合せの確定飾り図柄を導出表示する「ノーマルリーチ(ハズレ)擬似連変動2回」の変動パターン種別であり、「ノーマルリーチ(ハズレ)擬似連変動2回」と予め対応付けられた変動パターンPB2−2を含んでいる。
【0122】
変動パターン種別CA2−3は、「擬似連」の可変表示演出における擬似連変動(再変動)の実行回数が1回であり、飾り図柄の可変表示状態をリーチ状態とした後にノーマルリーチを伴い、リーチ演出が終了したときにリーチ組合せの確定飾り図柄を導出表示する「ノーマルリーチ(ハズレ)擬似連変動1回」の変動パターン種別であり、「ノーマルリーチ(ハズレ)擬似連変動1回」と予め対応付けられた変動パターンPB2−1を含んでいる。変動パターン種別CA2−4は、飾り図柄の可変表示状態をリーチ状態とした後にスーパーリーチ(スーパーリーチαまたはスーパーリーチβ)を伴い、リーチ演出が終了したときにリーチ組合せの確定飾り図柄を導出表示する「スーパーリーチ(ハズレ)」の変動パターン種別であり、「スーパーリーチ(ハズレ)」と予め対応付けられた変動パターンPA3−1、変動パターンPA3−2、変動パターンPB3−1、変動パターンPB3−2を含んでいる。
【0123】
変動パターン種別CA3−1は、飾り図柄の可変表示状態をリーチ状態とした後にスーパーリーチを伴い、リーチ演出が終了したときに大当り組合せの確定飾り図柄を導出表示する「スーパーリーチ(大当り)」の変動パターン種別であり、「スーパーリーチ(大当り)」と予め対応付けられた変動パターンPA4−1、変動パターンPA4−2、変動パターンPB4−1、変動パターンPB4−2を含んでいる。
【0124】
変動パターン種別CA4−1は、2回開放チャンス目TC1〜TC4のいずれかとなる確定飾り図柄を導出表示する「2回開放チャンス目停止」の変動パターン種別であり、「2回開放チャンス目停止」と予め対応付けられた変動パターンを含んでいる。
図6に示す変動パターンの例では、変動パターンPC1−1〜変動パターンPC1−3が、確定飾り図柄を2回開放チャンス目TC1〜TC4のいずれかとする変動パターンとなっており、変動パターン種別CA4−1に含まれることになる。変動パターン種別CA4−2は、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」である場合に飾り図柄の可変表示状態をリーチ状態としてからリーチ組合せの確定飾り図柄を導出表示する「2回開放時リーチハズレ」の変動パターン種別であり、「2回開放時リーチハズレ」と予め対応付けられた変動パターンを含んでいる。
図6に示す変動パターンの例では、変動パターンPC1−4及び変動パターンPC1−5が、確定飾り図柄をリーチ組合せとする変動パターンとなっており、変動パターン種別CA4−2に含まれることになる。
【0125】
図2に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるROM101には、ゲーム制御用のプログラムの他にも、遊技の進行を制御するために用いられる各種の選択用データ、テーブルデータなどが格納されている。例えば、ROM101には、CPU103が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブル、設定テーブルなどを構成するデータが記憶されている。また、ROM101には、CPU103が主基板11から各種の制御コマンドとなる制御信号を送信するために用いられる複数のコマンドテーブルを構成するテーブルデータや、
図6に示すような変動パターンを複数種類格納する変動パターンテーブルを構成するテーブルデータなどが、記憶されている。
【0126】
図8は、ROM101に記憶される特図表示結果決定テーブル130の構成例を示している。特図表示結果決定テーブル130は、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームの開始を許容する第1開始条件が成立したときや、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームの開始を許容する第2開始条件が成立したときに、特別図柄の可変表示結果(特図表示結果)となる確定特別図柄が導出表示される以前に、その可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かや、可変表示結果を「小当り」として小当り遊技状態に制御するか否かを、特図表示結果決定用の乱数値MR1に基づいて決定するために参照されるテーブルである。
【0127】
特図表示結果決定テーブル130では、パチンコ遊技機1における遊技状態が通常状態又は時短状態であるか確変状態であるかに応じて、特図表示結果決定用の乱数値MR1と比較される数値(決定値)が、「大当り」や「小当り」や「ハズレ」の特図表示結果のいずれかに割り当てられている。この実施の形態では、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームであるか、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームであるかにかかわらず、同一の特図表示結果決定テーブル130を参照して特図表示結果が決定される。
【0128】
これに対して、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームの場合と、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームの場合のそれぞれに対応して、特図表示結果に対する決定値の割当てが異なる決定テーブルを用意してもよい。この場合には、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームの場合と、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームの場合とでは、「小当り」の特図表示結果に対する決定値の割当てを異ならせてもよい。一例として、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームの場合には、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームの場合に比べて、「小当り」の特図表示結果に決定される割合が低くなるように、各特図表示結果に決定値が割り当てられるようにしてもよい。
【0129】
このような設定により、第2特図を用いた特図ゲームでは、第1特図を用いた特図ゲームに比べて、可変表示結果が「小当り」となる確率を低下させて、確変状態や時短状態における高開放制御で第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)しやすくなっているときに、特図表示結果が「小当り」となって賞球がほとんど得られない小当り遊技状態に制御されてしまう可能性を低減して、確変状態や時短状態での遊技に間延びが生じることによる遊技興趣の減退を抑制することができる。特に、第2特別図柄表示装置4Bにおける特図ゲームが第1特別図柄表示装置4Aにおける特図ゲームよりも優先して実行される場合には、確変状態や時短状態で第2特別図柄表示装置4Bにおける特図ゲームが実行される頻度が高められることから、このような設定により確変状態や時短状態(特に確変状態)から15R大当り状態となるまでの時間が短縮されて、遊技興趣の減退を抑制できる効果が大きい。さらに、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームの場合には、「小当り」の特図表示結果に決定されることがないように決定値が割り当てられるようにしてもよい。
【0130】
図9は、ROM101に記憶される大当り種別決定テーブル131の構成例を示している。大当り種別決定テーブル131は、特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御することが決定(事前決定)されたときに、大当り種別決定用の乱数値MR2に基づき、可変表示態様を「非確変」や「確変」や「突確」といった複数種類の大当り種別のいずれかに決定するために参照されるテーブルである。大当り種別決定テーブル131では、
図12に示す遊技制御バッファ設定部155に設けられた変動特図指定バッファの格納値(変動特図指定バッファ値)が「1」であるか「2」であるかに応じて、大当り種別決定用の乱数値MR2と比較される数値(決定値)が、「非確変」や「確変」や「突確」などの大当り種別に割り当てられている。ここで、変動特図指定バッファ値は、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームが実行されるときに「1」となり、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームが実行されるときに「2」となる。
【0131】
大当り種別決定テーブル131において、複数種類の大当り種別に割り当てられた決定値を示すテーブルデータは、15R大当り状態に制御するか2R大当り状態に制御するかの決定結果や、大当り遊技状態の終了後には確変状態に制御するか否かの決定結果に対応した決定用データとなっている。例えば、「非確変」または「確変」の大当り種別に割り当てられている決定値を示すテーブルデータは、15R大当り状態に制御するとの決定結果に対応する一方で、「突確」の大当り種別に割り当てられている決定値を示すテーブルデータは、2R大当り状態に制御するとの決定結果に対応している。また、「非確変」の大当り種別に割り当てられている決定値を示すテーブルデータは、確変状態に制御しないとの決定結果に対応する一方で、「確変」または「突確」の大当り種別に割り当てられている決定値を示すテーブルデータは、確変状態に制御するとの決定結果を示している。大当り種別決定テーブル131は、遊技制御バッファ155に設けられた大当り種別バッファの格納値(大当り種別バッファ値)を、決定された大当り種別に対応する値(例えば「0」〜「2」のいずれか)に設定するためのテーブルデータ(設定用データ)を含んでいてもよい。
【0132】
図9に示す大当り種別決定テーブル131では、変動特図指定バッファ値が「1」であるか「2」であるかに応じて、各大当り種別に対する決定値の割当てが異なっている。例えば、「確変」の大当り種別に対しては、変動特図指定バッファ値が「1」である場合に「37」〜「72」の範囲の決定値が割り当てられる一方、変動特図指定バッファ値が「2」である場合に「37」〜「100」の範囲の決定値が割り当てられる。「突確」の大当り種別に対しては、変動特図指定バッファ値が「1」である場合に「73」〜「100」の範囲の決定値が割り当てられる一方、変動特図指定バッファ値が「2」である場合には決定値が割り当てられていない。
【0133】
図9に示す設定例では、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームを開始するための第2開始条件が成立したことに基づいて特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御すると決定したときには、大当り種別を「突確」として2R大当り状態に制御すると決定されることがない。このような設定により、確変状態や時短状態における高開放制御で第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)しやすくなっているときに、大当り種別が「突確」となって賞球がほとんど得られない2R大当り状態に制御されてしまう可能性を低減して、確変状態や時短状態での遊技に間延びが生じることによる遊技興趣の減退を抑制することができる。特に、第2特別図柄表示装置4Bにおける特図ゲームが第1特別図柄表示装置4Aにおける特図ゲームよりも優先して実行される場合には、確変状態や時短状態で第2特別図柄表示装置4Bにおける特図ゲームが実行される頻度が高められることから、このような設定により遊技興趣の減退を抑制できる効果が大きい。さらに、このような設定とともに、第2特別図柄表示装置4Bにおける特図ゲームが第1特別図柄表示装置4Aにおける特図ゲームよりも優先して実行されることで、確変状態や時短状態から15R大当り状態となる割合を高めて、遊技興趣を向上させることができる。
【0134】
なお、変動特図指定バッファ値が「2」である場合でも、例えば変動特図指定バッファ値が「1」であるときよりも少ない決定値が、「突確」の大当り種別に対して割り当てられるようにしてもよい。また、遊技状態が時短状態であるときには、大当り種別が「突確」となって2R大当り状態の終了後に確変状態へと移行すれば、遊技者にとっての有利度合いが増大することになる。そこで、遊技状態が時短状態であるときには、変動特図指定バッファ値が「2」である場合でも、「突確」の大当り種別に対して決定値が割り当てられるように、大当り種別決定テーブル131におけるテーブルデータを構成してもよい。
【0135】
図10は、ROM101に記憶される変動パターン種別決定テーブルの構成例を示している。この実施の形態では、変動パターン種別決定テーブルとして、
図10(A)に示す大当り変動パターン種別決定テーブル132Aと、
図10(B)に示す小当り変動パターン種別決定テーブル132Bと、
図10(C)に示すハズレ変動パターン種別決定テーブル(通常用)132Cと、
図10(D)に示すハズレ変動パターン種別決定テーブル(短縮用)132Dとが、予め用意されている。
【0136】
大当り変動パターン種別決定テーブル132Aは、特図表示結果を「大当り」にすると決定(事前決定)されたときに、大当り種別の決定結果に応じて、変動パターン種別を、変動パターン種別決定用の乱数値MR3に基づいていずれかに決定するために参照されるテーブルである。大当り変動パターン種別決定テーブル132Aでは、大当り種別の決定結果が「非確変」や「確変」、「突確」のいずれであるかに応じて、変動パターン種別決定用の乱数値MR3と比較される数値(決定値)が、変動パターン種別CA3−1、変動パターン種別CA4−1及び変動パターン種別CA4−2のいずれかに割り当てられている。大当り変動パターン種別決定テーブル132Aでは、大当り種別が複数種類のいずれに決定されたかに応じて、異なる変動パターン種別に決定値が割り当てられている。例えば、大当り種別が「非確変」または「確変」である場合には、変動パターン種別CA3−1に対してのみ決定値が割り当てられている一方で、変動パターン種別CA4−1及び変動パターン種別CA4−2に対しては決定値が割り当てられていない。これに対して、大当り種別が「突確」である場合には、変動パターン種別CA4−1及び変動パターン種別CA4−2に対して決定値が割り当てられている一方で、変動パターン種別CA3−1に対しては決定値が割り当てられていない。これにより、特図表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」に応じて2R大当り状態に制御される場合には、15R大当り状態に制御される場合とは異なる変動パターン種別に決定することができる。
【0137】
なお、大当り種別が複数種類のいずれに決定されたかに応じて、各変動パターン種別に決定される割合が異なるように、決定値が各変動パターン種別に割り当てられている部分があるようにしてもよい。例えば、大当り種別が「非確変」であるか「確変」であるかに応じて、変動パターン種別CA3−1と変動パターン種別CA3−1以外の変動パターン種別に対する決定値の割当てを異ならせてもよい。これにより、大当り種別を複数種類のいずれにするかの決定結果に応じて、同一の変動パターン種別に決定される割合を異ならせることができる。
【0138】
また、大当り種別が「非確変」や「確変」や「突確」のいずれかに決定された場合に、その決定に基づく可変表示が開始されるときのパチンコ遊技機1における遊技状態が通常状態や確変状態や時短状態のいずれであるかに応じて、各変動パターン種別に対する決定値の割当てを異ならせるようにしてもよい。これにより、可変表示が開始されるときの遊技状態が複数種類のいずれであるかに応じて、同一の変動パターン種別に決定される割合を異ならせることができる。また、大当り種別が「非確変」や「確変」や「突確」のいずれかに決定された場合に、その決定に基づく可変表示が開始されるときのパチンコ遊技機1における遊技状態が通常状態や確変状態や時短状態のいずれであるかに応じて、異なる変動パターン種別に決定値が割り当てられるようにしてもよい。これにより、可変表示が開始されるときの遊技状態が複数種類のいずれであるかに応じて、異なる変動パターン種別に決定することができる。
【0139】
小当り変動パターン種別決定テーブル132Bは、特図表示結果を「小当り」にすると決定(事前決定)されたときに、変動パターン種別を決定するために参照されるテーブルである。小当り変動パターン種別決定テーブル132Bでは、変動パターン種別決定用の乱数値MR3と比較される全ての数値(決定値)が、変動パターン種別CA4−1に対して割り当てられている。ここで、変動パターン種別CA4−1には、
図10(A)に示す大当り変動パターン種別決定テーブル132Aにおいて、大当り種別が「突確」である場合に応じて決定値の一部が割り当てられている。このように、変動パターン種別CA4−1は、大当り種別が「突確」となる場合と、特図表示結果が「小当り」となる場合とで、共通の変動パターン種別となっている。すなわち、大当り変動パターン種別決定テーブル132Aにて大当り種別が「突確」に対応したテーブルデータと、小当り変動パターン種別決定テーブル132Bを構成するテーブルデータとには、共通の変動パターン種別が含まれるように設定されている。なお、小当り変動パターン種別決定テーブル132Bは、大当り種別が「突確」である場合に決定可能な変動パターン種別とは異なる変動パターン種別に対しても、決定値が割り当てられるように設定されてもよい。すなわち、大当り変動パターン種別決定テーブル132Aにて大当り種別が「突確」に対応したテーブルデータと、小当り変動パターン種別決定テーブル132Bを構成するテーブルデータとには、共通の変動パターン種別が含まれるとともに、それぞれに固有の変動パターン種別が含まれるように設定されてもよい。
【0140】
ハズレ変動パターン種別決定テーブル(通常用)132Cと、ハズレ変動パターン種別決定テーブル(短縮用)132Dは、特図表示結果を「ハズレ」にすると決定(事前決定)されたときに、変動パターン種別を、変動パターン種別決定用の乱数値MR3に基づいて、複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。ここで、ハズレ変動パターン種別決定テーブル(通常用)132Cは、例えば遊技状態が通常状態で合計保留記憶数が「3」未満であるときといった、特別図柄や飾り図柄の可変表示時間が短縮されない場合に使用テーブルとして選択される。これに対して、ハズレ変動パターン種別決定テーブル(短縮用)132Dは、例えば遊技状態が確変状態や時短状態であるときや、通常状態でも合計保留記憶数が「3」以上であるときといった、特別図柄や飾り図柄の可変表示時間が短縮される所定の変動時間短縮条件成立時に使用テーブルとして選択される。
【0141】
なお、遊技状態が確変状態や時短状態であるときと、遊技状態が通常状態で合計保留記憶数が「3」以上であるときとでは、異なる決定テーブルを参照して変動パターン種別の決定が行われるようにしてもよい。また、合計保留記憶数が「3」以外の所定数以上であるか否かに応じて、異なる決定テーブルを参照することで変動パターン種別の決定が行われるようにしてもよい。あるいは、合計保留記憶数に代えて、第1特図保留記憶数や第2特図保留記憶数が所定数以上であるか否かに応じて、異なる決定テーブルを参照することで変動パターン種別の決定が行われるようにしてもよい。この場合、第1特図保留記憶数や第2特図保留記憶数が所定数(例えば「3」など)以上であるときには、所定数未満であるときに比べて可変表示時間が短い変動パターンを含む変動パターン種別に決定される割合が高くなるように各変動パターン種別に対して決定値が割り当てられるようにすればよい。あるいは、遊技状態が確変状態や時短状態であるときにも、合計保留記憶数が所定数(例えば「1」など)以上であるか否かを判定し、その判定結果に応じて異なる決定テーブルを参照して変動パターン種別の決定が行われるようにしてもよい。例えば、確変状態や時短状態であるときに合計保留記憶数が所定数未満であればハズレ変動パターン種別決定テーブル(通常用)132Cが使用テーブルとして選択される一方で、確変状態や時短状態であるときに合計保留記憶数が所定数以上であればハズレ変動パターン種別決定テーブル(短縮用)132Dが使用テーブルとして選択されるようにしてもよい。
【0142】
ハズレ変動パターン種別決定テーブル(通常用)132Cやハズレ変動パターン種別決定テーブル(短縮用)132Dでは、変動パターン種別決定用の乱数値MR3と比較される数値(決定値)が、変動パターン種別CA1−1〜変動パターン種別CA1−3、変動パターン種別CA2−1〜変動パターン種別CA2−4のいずれかに割り当てられている。ハズレ変動パターン種別決定テーブル(通常用)132Cとハズレ変動パターン種別決定テーブル(短縮用)132Dとでは、各変動パターン種別に決定される割合が異なるように、決定値が各変動パターン種別に割り当てられている部分がある。例えば、ハズレ変動パターン種別決定テーブル(通常用)132Cとハズレ変動パターン種別決定テーブル(短縮用)132Dとでは、変動パターン種別CA1−3や変動パターン種別CA2−1に対する決定値の割当てが異なっている。これにより、特別図柄や飾り図柄の可変表示時間が短縮されるか否かに応じて、同一の変動パターン種別に決定される割合を異ならせることができる。
【0143】
また、ハズレ変動パターン種別決定テーブル(通常用)132Cとハズレ変動パターン種別決定テーブル(短縮用)132Dとでは、異なる変動パターン種別に決定値が割り当てられている部分がある。例えば、ハズレ変動パターン種別決定テーブル(通常用)132Cでは、変動パターン種別CA1−2や変動パターン種別CA2−3に対して決定値が割り当てられていない一方で、変動パターン種別CA1−1や変動パターン種別CA2−2に対して決定値が割り当てられている。これに対して、ハズレ変動パターン種別決定テーブル(短縮用)132Dでは、変動パターン種別CA1−1や変動パターン種別CA2−2に対して決定値が割り当てられていない一方で、変動パターン種別CA1−2や変動パターン種別CA2−3に対して決定値が割り当てられている。これにより、特別図柄や飾り図柄の可変表示時間が短縮されるか否かに応じて、異なる変動パターン種別に決定することができる。
【0144】
なお、特図表示結果が「ハズレ」に決定された場合に、その決定に基づく可変表示が開始されるときのパチンコ遊技機1における遊技状態が通常状態や確変状態や時短状態のいずれであるかに応じて、各変動パターン種別に対する決定値の割当てを異ならせるようにしてもよい。これにより、可変表示が開始されるときの遊技状態が複数種類のいずれであるかに応じて、同一の変動パターン種別に決定される割合を異ならせることができる。また、特図表示結果が「ハズレ」に決定された場合に、その決定に基づく可変表示が開始されるときのパチンコ遊技機1における遊技状態が通常状態や確変状態、時短状態のいずれであるかに応じて、異なる変動パターン種別に決定値が割り当てられるようにしてもよい。これにより、遊技状態が複数種類のいずれであるかに応じて、異なる変動パターン種別に決定することができる。
【0145】
この実施の形態では、ハズレ変動パターン種別決定テーブル(通常用)132Cやハズレ変動パターン種別決定テーブル(短縮用)132Dを参照することにより、変動パターン種別CA1−1〜変動パターン種別CA1−3や変動パターン種別CA2−1〜変動パターン種別CA2−4のいずれかに決定することができる。ここで、変動パターン種別CA1−1〜変動パターン種別CA1−3は、
図7に示すように、可変表示結果が「ハズレ」で可変表示態様が「非リーチ」となる場合に対応した変動パターン種別である。また、変動パターン種別CA2−1〜変動パターン種別CA2−4は、可変表示結果が「ハズレ」で可変表示態様が「リーチ」となる場合に対応した変動パターン種別である。したがって、変動パターン種別決定用の乱数値MR3に基づき、ハズレ変動パターン種別決定テーブル(通常用)132Cやハズレ変動パターン種別決定テーブル(短縮用)132Dを参照して変動パターン種別を決定することにより、飾り図柄の可変表示状態をリーチ状態とするか否かを決定することができる。
【0146】
そして、ハズレ変動パターン種別決定テーブル(短縮用)132Dにおいて変動パターン種別CA1−1や変動パターン種別CA1−3に対して割り当てられる決定値は、ハズレ変動パターン種別決定テーブル(通常用)132Cにおいて変動パターン種別CA1−1や変動パターン種別CA1−2に対して割り当てられる決定値よりも多くなっている。このような設定により、特別図柄や飾り図柄の可変表示時間が短縮される場合には、短縮されない場合よりも高い割合で、飾り図柄の可変表示状態をリーチ状態としないことに決定される。そして、非リーチ変動パターンにおける平均的な可変表示時間がリーチ変動パターンにおける平均的な可変表示時間に比べて短くなるように設定されていれば、合計保留記憶数が所定数(具体的には「3」)以上であるときには、所定数未満であるときに比べて、平均的な可変表示時間を短縮することができ、また、確変状態や時短状態であるときには、通常状態にて合計保留記憶数が所定数(具体的には「3」)未満であるときに比べて、平均的な可変表示時間を短縮することができる。
【0147】
図11は、ROM101に記憶される変動パターン決定テーブル133の構成例を示している。変動パターン決定テーブル133は、変動パターン種別の決定結果などに応じて、変動パターン決定用の乱数値MR4に基づき、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。変動パターン決定テーブル133では、変動パターン種別に応じて、変動パターン決定用の乱数値MR4と比較される数値(決定値)が、単一または複数の変動パターンに割り当てられている。
【0148】
図2に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるRAM102は、その一部または全部が所定の電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされているバックアップRAMであればよい。すなわち、パチンコ遊技機1に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM102の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特図プロセスフラグなど)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存されるようにすればよい。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータにもとづいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。
【0149】
このようなRAM102には、パチンコ遊技機1における遊技の進行などを制御するために用いられる各種のデータを保持する領域として、例えば
図12に示すような遊技制御用データ保持エリア150が設けられている。
図12に示す遊技制御用データ保持エリア150は、特図保留記憶部151Aと、普図保留記憶部151Bと、遊技制御フラグ設定部152と、遊技制御タイマ設定部153と、遊技制御カウンタ設定部154と、遊技制御バッファ設定部155とを備えている。
【0150】
特図保留記憶部151Aは、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)して始動入賞が発生することにより第1始動条件は成立したが第1開始条件は成立していない特図ゲーム(第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム)の保留データや、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して始動入賞が発生することにより第2始動条件は成立したが第2開始条件は成立していない特図ゲーム(第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲーム)の保留データを記憶する。一例として、特図保留記憶部151Aは、第1始動入賞口や第2始動入賞口への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、その遊技球の通過(進入)による第1始動条件や第2始動条件の成立に基づいてCPU103により乱数回路104等から抽出された特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン種別決定用の乱数値MR3を示す数値データなどを保留データとして、その記憶数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。
【0151】
また、この実施の形態では、第1始動入賞口と第2始動入賞口のいずれを遊技球が通過(進入)したかを示す始動口データも保留データに含まれ、保留番号と対応付けて特図保留記憶部151Aに記憶される。一例として、特図保留記憶部151Aは、第1始動入賞口への入賞を示す「第1」の始動口データ、あるいは第2始動入賞口への入賞を示す「第2」の始動口データを、各遊技球の入賞順に従った保留番号と対応付けて記憶する。
【0152】
なお、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことによる第1始動条件の成立に基づく保留データ(第1保留データ)と、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことによる第2始動条件の成立に基づく保留データ(第2保留データ)とを、別個の保留記憶部にて保留番号と対応付けて記憶するようにしてもよい。この場合には、始動口データを各遊技球の入賞順に従った保留番号と対応付けて記憶する始動口データ記憶部を設けて、それぞれの保留データに対応する特図ゲームについて、始動条件が成立した順番を特定可能にすればよい。あるいは、第2特別図柄表示装置4Bにおける特図ゲームが第1特別図柄表示装置4Aにおける特図ゲームよりも優先して実行される場合には、有効な第2保留データが記憶されていれば、その第2保留データに対応する特図ゲームを実行し、有効な第2保留データが記憶されていない場合にのみ、第1保留データに対応する特図ゲームを実行すればよい。この場合には、始動口データ記憶部が設けられなくてもよい。
【0153】
普図保留記憶部151Bは、通過ゲート41を通過した遊技球がゲートスイッチ21によって検出されたにもかかわらず、未だ普通図柄表示器20により開始されていない普図ゲームの保留情報を記憶する。例えば、普図保留記憶部151Bは、遊技球が通過ゲート41を通過した順に保留番号と対応付けて、その遊技球の通過に基づいてCPU103により乱数回路104等から抽出された普図表示結果決定用の乱数値MR5を示す数値データなどを保留データとして、その数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。
【0154】
遊技制御フラグ設定部152には、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況などに応じて状態を更新可能な複数種類のフラグが設けられている。例えば、遊技制御フラグ設定部152には、複数種類のフラグそれぞれについて、フラグの値を示すデータや、オン状態あるいはオフ状態を示すデータが記憶される。この実施の形態では、遊技制御フラグ設定部152に、特図プロセスフラグ、普図プロセスフラグ、大当りフラグ、確変フラグ、時短フラグなどが設けられている。
【0155】
特図プロセスフラグは、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームの進行や、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームの進行などを制御するために実行される
図16のステップS15や
図17に示す特別図柄プロセス処理において、どの処理を選択・実行すべきかを指示する。普図プロセスフラグは、普通図柄表示器20による普通図柄を用いた普図ゲームの進行などを制御するために
図16のステップS16や
図25に示す普通図柄プロセス処理において、どの処理を選択・実行すべきかを指示する。
【0156】
大当りフラグは、特図ゲームが開始されるときに特図表示結果を「大当り」とする旨の決定(事前決定)に対応して、オン状態にセットされる。その一方で、特図ゲームにおける確定特別図柄として大当り図柄が停止表示されたことなどに対応して、大当りフラグがクリアされてオフ状態となる。確変フラグは、パチンコ遊技機1における遊技状態が確変状態に制御されることに対応してオン状態にセットされる一方で、確変状態が終了することなどに対応してクリアされてオフ状態となる。時短フラグは、パチンコ遊技機1における遊技状態が確変状態や時短状態となり時間短縮制御などが開始されることに対応してオン状態にセットされる一方で、確変状態や時短状態が終了することなどに対応してクリアされてオフ状態となる。
【0157】
遊技制御タイマ設定部153には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられる各種のタイマが設けられている。例えば、遊技制御タイマ設定部153には、複数種類のタイマそれぞれにおけるタイマ値を示すデータが記憶される。この実施の形態では、遊技制御タイマ設定部153に、遊技制御プロセスタイマ、特図変動タイマ、普図変動タイマなどが設けられている。
【0158】
遊技制御プロセスタイマは、例えば大当り遊技状態の進行を制御するための時間などを、主基板11の側にて計測するためのものである。具体的な一例として、遊技制御プロセスタイマは、大当り遊技状態の進行を制御するために計測する時間に対応したタイマ値を示すデータを、遊技制御プロセスタイマ値として記憶し、定期的にカウントダウンするダウンカウンタとして用いられる。あるいは、遊技制御プロセスタイマは、大当り遊技状態の開始時点といった、所定時点からの経過時間に対応したタイマ値を示すデータを記憶し、定期的にカウントアップするアップカウンタとして用いられてもよい。
【0159】
特図変動タイマは、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示時間(特図変動時間)といった特図ゲームの進行を制御するための時間を、主基板11の側にて計測するためのものである。具体的な一例として、特図変動タイマは、特図ゲームの進行を制御するために計測する時間に対応したタイマ値を示すデータを、特図変動タイマ値として記憶し、定期的にカウントダウンするダウンカウンタとして用いられる。あるいは、特図変動タイマは、特図ゲームの開始時点からの経過時間に対応したタイマ値を示すデータを記憶し、定期的にカウントアップするアップカウンタとして用いられてもよい。
【0160】
普図変動タイマは、普図ゲームにおける普通図柄の可変表示時間(普図変動時間)といった普図ゲームの進行を制御するための時間を、主基板11の側にて計測するためのものである。具体的な一例として、普図変動タイマは、普図ゲームの進行を制御するために計測する時間に対応したタイマ値を示すデータを、普図変動タイマ値として記憶し、定期的にカウントダウンするダウンカウンタとして用いられる。あるいは、普図変動タイマは、普図ゲームの開始時点からの経過時間に対応したタイマ値を示すデータを記憶し、定期的にカウントアップするアップカウンタとして用いられてもよい。
【0161】
遊技制御カウンタ設定部154には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられるカウント値を計数するためのカウンタが複数種類設けられている。例えば、遊技制御カウンタ設定部154には、複数種類のカウンタそれぞれにおけるカウント値を示すデータが記憶される。この実施の形態では、遊技制御カウンタ設定部154に、ランダムカウンタ、第1始動入賞判定カウンタ、第2始動入賞判定カウンタ、第1保留記憶数カウンタ、第2保留記憶数カウンタ、合計保留記憶数カウンタ、時短回数カウンタ、ラウンド数カウンタなどが設けられている。
【0162】
遊技制御カウンタ設定部154のランダムカウンタは、遊技の進行を制御するために用いられる乱数値を示す数値データの一部を、乱数回路104とは別個に、あるいは、乱数回路104から抽出された数値データを用いて、CPU103がソフトウェアにより更新可能にカウントするためのものである。例えば、遊技制御カウンタ設定部154のランダムカウンタには、乱数値MR2〜MR5を示す数値データが、ランダムカウント値として記憶され、CPU103によるソフトウェアの実行に応じて、定期的あるいは不定期に、各乱数値を示す数値データが更新される。CPU103がランダムカウント値を更新するために実行するソフトウェアは、ランダムカウント値を乱数回路104における数値データの更新動作とは別個に更新するためのものであってもよいし、乱数回路104から抽出された数値データの全部または一部にスクランブル処理や演算処理といった所定の処理を施すことによりランダムカウント値を更新するためのものであってもよい。
【0163】
第1始動入賞判定カウンタは、第1始動口スイッチ22Aから伝送される遊技球の検出信号となる第1始動入賞信号における信号状態がオンであることが、続けて判定された回数をカウントするためのものである。例えば、第1始動口スイッチ22Aからの第1始動入賞信号における信号状態がオンであると判定されるごとに、第1始動入賞判定カウンタにおける格納値(第1始動入賞判定カウント値)が1加算される。そして、第1始動入賞判定カウント値が予め定められた入賞判定値に達したときに、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口に進入した遊技球を正常に検出した旨の判定がなされる。また、第1始動入賞判定カウント値は、第1始動入賞信号における信号状態がオフであると判定されたときや、入賞判定値に達したと判定されたときなどに、クリアされて「0」に初期化されればよい。
【0164】
第2始動入賞判定カウンタは、第2始動口スイッチ22Bから伝送される遊技球の検出信号となる第2始動入賞信号における信号状態がオンであることが、続けて判定された回数をカウントするためのものである。例えば、第2始動口スイッチ22Bからの第2始動入賞信号における信号状態がオンであると判定されるごとに、第2始動入賞判定カウンタにおける格納値(第2始動入賞判定カウント値)が1加算される。そして、第2始動入賞判定カウント値が予め定められた入賞判定値に達したときに、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に進入した遊技球を正常に検出した旨の判定がなされる。また、第2始動入賞判定カウント値は、第2始動入賞信号における信号状態がオフであると判定されたときや、入賞判定値に達したと判定されたときなどに、クリアされて「0」に初期化されればよい。
【0165】
第1保留記憶数カウンタは、第1特図を用いた特図ゲームに対応する保留データの数である第1特図保留記憶数をカウントするためのものである。例えば、第1保留記憶数カウンタには、第1特図保留記憶数に対応したカウント値データが、第1保留記憶数カウント値として記憶され、第1特図保留記憶数の増減に対応して更新(例えば1加算あるいは1減算)される。第2保留記憶数カウンタは、第2特図を用いた特図ゲームに対応する保留データの数である第2特図保留記憶数をカウントするためのものである。例えば、第2保留記憶数カウンタには、第2特図保留記憶数に対応したカウント値データが、第2保留記憶数カウント値として記憶され、第2特図保留記憶数の増減に対応して更新(例えば1加算あるいは1減算)される。合計保留記憶数カウンタは、第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数とを合計した合計保留記憶数をカウントするためのものである。例えば、合計保留記憶数カウンタには、合計保留記憶数に対応したカウント値データが、合計保留記憶数カウント値として記憶され、合計保留記憶数の増減に対応して更新(例えば1加算あるいは1減算)される。
【0166】
時短回数カウンタは、パチンコ遊技機1における遊技状態が時短状態であるときに、時間短縮制御を終了するまでに実行可能な特図ゲームの残存回数を特定可能にカウントするためのものである。一例として、時短回数カウンタには、大当り遊技状態が終了するときに、大当り種別バッファ値が「0」であるに対応したカウント初期値「100」を示すデータが、時短回数カウント値として設定される。その後、可変表示結果が「大当り」となるまでは、特図ゲームが終了するごとに、時短回数カウント値が1減算されるなどして更新される。そして、時短回数カウント値が「0」に達したときには、時短フラグをクリアしてオフ状態とすることなどにより、時短状態を終了して通常状態へと移行する制御が行われる。なお、確変状態であるときにも特図ゲームの実行回数が所定回数に達したことにより、時間短縮制御を終了させるようにしてもよい。この場合には、大当り種別バッファ値にかかわらず、大当り遊技状態が終了するときに、時短回数カウンタにカウント初期値を設定した後、可変表示結果が「大当り」となるまでは、特図ゲームが終了するごとに、時短回数カウント値が1減算されるなどして更新されればよい。そして、時短回数カウント値が「0」に達したときには、時短フラグをクリアしてオフ状態とすることなどにより、時間短縮制御を終了させればよい。
【0167】
ラウンド数カウンタは、大当り遊技状態におけるラウンド遊技の実行回数などをカウントするためのものである。例えば、ラウンド数カウンタには、大当り遊技状態の開始時にカウント初期値「1」を示すデータが、ラウンド数カウント値として設定される。そして、1回のラウンド遊技が終了して次回のラウンド遊技が開始されるときに、ラウンド数カウント値が1加算されて更新される。
【0168】
遊技制御バッファ設定部155には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられるデータを一時的に記憶する各種のバッファが設けられている。例えば、遊技制御バッファ設定部155には、複数種類のバッファそれぞれにおけるバッファ値を示すデータが記憶される。この実施の形態では、遊技制御バッファ設定部155に、送信コマンドバッファ、始動口バッファ、変動特図指定バッファ、大当り種別バッファなどが設けられている。
【0169】
送信コマンドバッファは、主基板11からサブ側の制御基板に対して制御コマンドを送信するための設定データを一時的に格納するために用いられる。例えば、送信コマンドバッファは、複数(例えば「12」)のバッファ領域を備えて構成され、送信する制御コマンドに対応したコマンドテーブルのROM101における記憶アドレスを示す設定データなどが、各バッファ領域に格納される。また、送信コマンドバッファにおいて設定データの書込や読出を行うバッファ領域は、送信コマンドポインタなどによって指定され、複数のバッファ領域をリングバッファとして使用することができるように構成されていればよい。
【0170】
始動口バッファには、第1始動入賞口と第2始動入賞口のいずれに進入した遊技球が検出されたかを示すバッファ値が格納される。一例として、第1始動口スイッチ22Aにより第1始動入賞口に進入した遊技球が正常に検出されたことに対応して、始動口バッファ値には「1」が設定される。また、第2始動口スイッチ22Bにより第2始動入賞口に進入した遊技球が正常に検出されたことに対応して、始動口バッファ値には「2」が設定される。
【0171】
変動特図指定バッファには、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームのうち、いずれの特図ゲームが実行されるかを示すバッファ値が格納される。一例として、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームが実行されることに対応して、変動特図指定バッファ値には「1」が設定される。また、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームが実行されることに対応して、変動特図指定バッファ値には「2」が設定される。そして、特図ゲームが終了したことなどに対応して、変動特図指定バッファ値が「0」に設定される。
【0172】
大当り種別バッファには、可変表示結果が「大当り」となる場合における大当り種別を複数種類のいずれかとする決定結果に対応したバッファ値が格納される。一例として、
図9に示すような大当り種別決定テーブル131での設定に基づき、大当り種別が「非確変」であれば大当り種別バッファ値には「0」が設定され、大当り種別が「確変」であれば大当り種別バッファ値には「1」が設定され、大当り種別が「突確」であれば大当り種別バッファ値には「2」が設定される。
【0173】
図2に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるI/O105は、遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送された各種信号を取り込むための入力ポートと、遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を伝送するための出力ポートとを含んで構成されている。
【0174】
図2に示すように、演出制御基板12には、プログラムに従って制御動作を行う演出制御用CPU120と、演出制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM121と、演出制御用CPU120のワークエリアを提供するRAM122と、画像表示装置5における表示動作の制御内容を決定するための処理などを実行する表示制御部123と、演出制御用CPU120とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路124と、I/O125とが搭載されている。一例として、演出制御基板12では、演出制御用CPU120がROM121から読み出した演出制御用のプログラムを実行することにより、演出用の電気部品による演出動作を制御するための処理が実行される。このときには、演出制御用CPU120がROM121から固定データを読み出す固定データ読出動作や、演出制御用CPU120がRAM122に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、演出制御用CPU120がRAM122に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
【0175】
演出制御用CPU120、ROM121、RAM122は、演出制御基板12に搭載された1チップの演出制御用マイクロコンピュータに含まれてもよい。あるいは、演出制御用CPU120は演出制御用マイクロコンピュータに内蔵される一方で、ROM121やRAM122の少なくともいずれか一方は、演出制御用マイクロコンピュータに外付けされてもよい。乱数回路124も、演出制御用マイクロコンピュータに内蔵又は外付けされるものであればよい。演出制御基板12には、画像表示装置5に対して映像信号を伝送するための配線や、音声制御基板13に対して音番号データを示す情報信号としての効果音信号を伝送するための配線、ランプ制御基板14に対してランプデータを示す情報信号としての電飾信号を伝送するための配線などが接続されている。さらに、演出制御基板12には、操作ボタン30に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、操作検出スイッチ31から伝送するための配線も接続されている。
【0176】
演出制御基板12では、例えば乱数回路124などにより、演出動作を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウントされる。こうした演出動作を制御するために用いられる乱数は、演出用乱数ともいう。
【0177】
図2に示す演出制御基板12に搭載されたROM121には、演出制御用のプログラムの他にも、演出動作を制御するために用いられる各種のデータテーブルなどが格納されている。例えば、ROM121には、演出制御用CPU120が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブルを構成するテーブルデータ、各種の演出制御パターンを構成するパターンデータなどが記憶されている。
【0178】
一例として、ROM121には、演出制御用CPU120が各種の演出装置(例えば画像表示装置5やスピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9及び装飾用LED、演出用模型など)による演出動作を制御するために使用する演出制御パターンを複数種類格納した演出制御パターンテーブルが記憶されている。演出制御パターンは、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて実行される各種の演出動作に対応して、その制御内容を示すデータなどから構成されている。演出制御パターンテーブルには、例えば特図変動時演出制御パターンと、各種演出制御パターンとが、格納されていればよい。
【0179】
特図変動時演出制御パターンは、複数種類の変動パターンに対応して、特図ゲームにおいて特別図柄の変動が開始されてから特図表示結果となる確定特別図柄が導出表示されるまでの期間における、飾り図柄の可変表示動作やリーチ演出における演出表示動作、あるいは、飾り図柄の可変表示を伴わない各種の演出表示動作といった、様々な演出動作の制御内容を示すデータなどから構成されている。各種演出制御パターンは、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて実行される各種の演出動作に対応して、その制御内容を示すデータなどから構成されている。
【0180】
図13(A)は、各種の演出制御パターンの構成例を示している。
図13(A)に示す構成例において、演出制御パターンは、例えば演出制御プロセスタイマ判定値、表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データ、操作検出制御データ、終了コードなどを含んだプロセスデータから構成されている。
【0181】
演出制御プロセスタイマ判定値は、
図15に示す演出制御タイマ設定部192に設けられた演出制御プロセスタイマの格納値である演出制御プロセスタイマ値と比較される値(判定値)であって、各演出動作の実行時間(演出時間)に対応した判定値が予め設定されている。なお、演出制御プロセスタイマ判定値に代えて、例えば主基板11から所定の演出制御コマンドを受信したことや、演出制御用CPU120において演出動作を制御するための処理として所定の処理が実行されたことといった、所定の制御内容や処理内容に対応して、演出制御の切換タイミング等を示すデータが設定されていてもよい。
【0182】
表示制御データには、例えば飾り図柄の可変表示中における各飾り図柄の変動態様を示すデータといった、画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示態様を示すデータが含まれている。すなわち、表示制御データは、画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示動作を指定するデータである。音声制御データには、例えば飾り図柄の可変表示中における飾り図柄の可変表示動作に連動した効果音等の出力態様を示すデータといった、スピーカ8L、8Rからの音声出力態様を示すデータが含まれている。すなわち、音声制御データは、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作を指定するデータである。ランプ制御データには、例えば遊技効果ランプ9や装飾用LEDといった、発光体の点灯動作態様を示すデータが含まれている。すなわち、ランプ制御データは、発光体の点灯動作を指定するデータである。
【0183】
操作検出制御データには、例えば操作ボタン30に対する所定の指示操作を有効に検出する操作有効期間や、こうした指示操作を有効に検出した場合における演出動作の制御内容等を指定するデータといった、遊技者の操作行為に応じた演出動作態様を示すデータが含まれている。
【0184】
なお、これらの制御データは、全ての演出制御パターンに含まれなければならないものではなく、各演出制御パターンによる演出動作の内容に応じて、一部の制御データを含んで構成される演出制御パターンがあってもよい。また、演出制御パターンに含まれる複数種類のプロセスデータでは、各タイミングで実行される演出動作の内容に応じて、それぞれのプロセスデータを構成する制御データの種類が異なっていてもよい。すなわち、表示制御データや音声制御データ、ランプ制御データ、操作検出制御データの全部を含んで構成されたプロセスデータもあれば、これらの一部を含んで構成されたプロセスデータもあってよい。さらに、例えば演出用模型が備える可動部材における動作態様を示す演出用模型制御データといった、その他の各種制御データが含まれることがあってもよい。
【0185】
図13(B)は、演出制御パターンの内容に従って実行される各種の演出動作を示している。演出制御用CPU120は、演出制御パターンに含まれる各種の制御データに従って、演出動作の制御内容を決定する。例えば、演出制御プロセスタイマ値が演出制御プロセスタイマ判定値のいずれかと合致したときには、その演出制御プロセスタイマ判定値と対応付けられた表示制御データにより指定される態様で飾り図柄を表示させるとともに、キャラクタ画像や背景画像といった演出画像を画像表示装置5の表示領域に表示させる制御を行う。また、音声制御データにより指定される態様でスピーカ8L、8Rから音声を出力させる制御を行うとともに、ランプ制御データにより指定される態様で遊技効果ランプ9等の発光体を点滅させる制御を行い、操作検出制御データにより指定される操作有効期間にてスティックコントローラ30Aやプッシュボタン30Bに対する操作を受け付けて演出内容を決定する制御を行う。なお、演出制御プロセスタイマ判定値と対応していても制御対象にならない演出用部品に対応するデータには、ダミーデータ(制御を指定しないデータ)が設定されてもよい。
【0186】
演出制御用CPU120は、例えば飾り図柄の可変表示を開始するときなどに、変動パターン指定コマンドに示された変動パターンなどに基づいて演出制御パターンをセットする。ここで、演出制御パターンをセットする際には、該当する演出制御パターンを構成するパターンデータを、ROM121から読み出してRAM122の所定領域に一時記憶させてもよいし、該当する演出制御パターンを構成するパターンデータのROM121における記憶アドレスを、RAM122の所定領域に一時記憶させて、ROM121における記憶データの読出位置を指定するだけでもよい。その後、演出制御プロセスタイマ値が更新されるごとに、演出制御プロセスタイマ判定値のいずれかと合致したか否かの判定を行い、合致した場合には、対応する各種の制御データに応じた演出動作の制御を行う。こうして、演出制御用CPU120は、演出制御パターンに含まれるプロセスデータ#1〜プロセスデータ#n(nは任意の整数)の内容に従って、演出装置(画像表示装置5、スピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9等の発光体など)の制御を進行させる。なお、各プロセスデータ#1〜プロセスデータ#nにおいて、演出制御プロセスタイマ判定値#1〜#nと対応付けられた表示制御データ#1〜表示制御データ#n、音声制御データ#1〜音声制御データ#n、ランプ制御データ#1〜ランプ制御データ#n、操作検出制御データ#1〜操作検出制御データ#nは、演出装置における演出動作の制御内容を示し、演出制御の実行を指定する演出制御実行データ#1〜演出制御実行データ#nを構成する。
【0187】
こうしてセットした演出制御パターンに従った指令が、演出制御用CPU120から表示制御部123や音声制御基板13などに対して出力される。演出制御用CPU120からの指令を受けた表示制御部123では、例えば所定のVDP等がその指令に示される画像データをCGROM等の画像データメモリから読み出してVRAMに一時記憶させることなどにより展開させる。また、演出制御用CPU120からの指令を受けた音声制御基板13では、例えば音声合成用ICがその指令に示される音声データを音声データROMから読み出して音声RAM等に一時記憶させることなどにより展開させる。
【0188】
なお、
図13(A)に示す演出制御パターンは、演出制御プロセスタイマに所定のタイマ初期値をセットすることにより、飾り図柄の可変表示が開始されてから表示結果となる最終停止図柄(確定飾り図柄)が導出表示されて可変表示が終了するまでの可変表示時間の全体が設定される場合に対応したものとなっている。これに対して、演出制御プロセスタイマには、飾り図柄の可変表示を実行中などにて演出動作を切り替えるタイミングに応じたタイマ初期値がセットされるようにしてもよい。この場合、演出制御パターンでは、例えば
図13(A)に示す演出制御プロセスタイマ判定値#1〜演出制御プロセスタイマ判定値#nに代えて、演出制御プロセスタイマ設定値#1〜演出制御プロセスタイマ設定値#nを設け、演出制御プロセスタイマがタイムアウトするごとに、新たな(次の)演出制御プロセスタイマ設定値を読み出して演出制御プロセスタイマにセットするとともに、次に設定されている演出制御実行データに基づいて演出動作の制御が行われるようにすればよい。
【0189】
この実施の形態では、通常モード、確変モード、チャンスモードといった複数種類の演出モードと、演出モードにかかわらず演出態様が共通の演出動作とに対応して、
図14に示すような演出制御パターンテーブル180A〜180Dを構成するテーブルデータが、ROM121に記憶されていればよい。演出制御パターンテーブル180A〜180Cには、パチンコ遊技機1における演出モードが通常モード、確変モード、チャンスモードのいずれであるかに応じて、互いに演出態様が異なる各種の演出動作の制御内容を示すデータが、演出制御パターンとして複数種類格納されていればよい。例えば、演出制御パターンテーブル180A〜180Cのそれぞれには、複数種類の特図変動時演出制御パターンが格納された特図変動時演出制御パターンテーブルが含まれていればよい。演出制御パターンテーブル180Dには、例えば大当り遊技状態や小当り遊技状態における演出動作の制御内容を示す複数種類の各種演出制御パターンが格納された各種演出制御パターンテーブルが含まれていればよい。
【0190】
図2に示す演出制御基板12に搭載されたRAM122には、演出動作を制御するために用いられる各種データを保持する領域として、例えば
図15に示すような演出制御用データ保持エリア190が設けられている。
図15に示す演出制御用データ保持エリア190は、演出制御フラグ設定部191と、演出制御タイマ設定部192と、演出制御カウンタ設定部193と、演出制御バッファ設定部194とを備えている。
【0191】
演出制御フラグ設定部191には、例えば画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示状態などといった演出動作状態や主基板11から伝送された演出制御コマンド等に応じて状態を更新可能な複数種類のフラグが設けられている。例えば、演出制御フラグ設定部191には、複数種類のフラグそれぞれについて、フラグの値を示すデータや、オン状態あるいはオフ状態を示すデータが記憶される。演出制御タイマ設定部192には、例えば画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示動作などといった各種演出動作の進行を制御するために用いられる複数種類のタイマが設けられている。例えば、演出制御タイマ設定部192には、複数種類のタイマそれぞれにおけるタイマ値を示すデータが記憶される。演出制御カウンタ設定部193には、各種演出動作の進行を制御するために用いられる複数種類のカウンタが設けられている。例えば、演出制御カウンタ設定部193には、複数種類のカウンタそれぞれにおけるカウント値を示すデータが記憶される。演出制御バッファ設定部194には、各種演出動作の進行を制御するために用いられるデータを一時的に記憶する各種のバッファが設けられている。例えば、演出制御バッファ設定部194には、複数種類のバッファそれぞれにおけるバッファ値を示すデータが記憶される。
【0192】
図2に示す演出制御基板12に搭載された表示制御部123は、演出制御用CPU120からの表示制御指令などに基づき、画像表示装置5における表示動作の制御内容を決定する。例えば、表示制御部123は、画像表示装置5の表示領域内に表示させる演出画像の切換タイミングを決定することなどにより、飾り図柄の可変表示や各種の演出表示を実行させるための制御を行う。一例として、表示制御部12
3には、VDP(Video Display Processor)、CGROM(Character Generator ROM)、VRAM(Video RAM)、LCD駆動回路などが搭載されていればよい。なお、VDPは、GPU(Graphics Processing Unit)、GCL(Graphics Controller LSI)、あるいは、より一般的にDSP(Digital Signal Processor)と称される画像処理用のマイクロプロセッサであってもよい。CGROMは、例えば書換不能な半導体メモリであってもよいし、フラッシュメモリなどの書換可能な半導体メモリであってもよく、あるいは、磁気メモリ、光学メモリといった、不揮発性記録媒体のいずれかを用いて構成されたものであればよい。
【0193】
演出制御基板12に搭載されたI/O125は、例えば主基板11などから伝送された演出制御コマンドや操作検出スイッチ31から伝送された操作検出信号等の各種信号を取り込むための入力ポートと、演出制御基板12の外部へと各種信号を伝送するための出力ポートとを含んで構成される。例えば、I/O125の出力ポートからは、画像表示装置5へと伝送される映像信号や、音声制御基板13へと伝送される指令(効果音信号)、ランプ制御基板14へと伝送される指令(電飾信号)などが出力される。
【0194】
音声制御基板13には、例えば入出力ドライバや音声合成用IC、音声データROM、増幅回路、ボリュームなどが搭載されている。一例として、音声制御基板13では、演出制御基板12から伝送された効果音信号に示される音番号データが入出力ドライバを介して音声合成用ICに入力される。音声合成用ICは、音番号データに応じた音声や効果音を生成し増幅回路に出力する。増幅回路は、音声合成用ICの出力レベルを、ボリュームで設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号を、スピーカ8L、8Rに出力する。音声データROMには、音番号データに応じた制御データが格納されており、音声合成用ICが音番号データに応じた制御データを読み出して、音声や効果音が生成される。音声データROMの記憶データは、所定期間における音声や効果音の出力態様を時系列的に示すデータなどから構成されていればよい。
【0195】
ランプ制御基板14には、例えば入出力ドライバやランプドライバなどが搭載されている。一例として、ランプ制御基板14では、演出制御基板12から伝送された電飾信号が、入出力ドライバを介してランプドライバに入力される。ランプドライバは、電飾信号を増幅して遊技効果ランプ9などに供給する。
【0196】
次に、本実施例におけるパチンコ遊技機1の動作(作用)を説明する。主基板11では、所定の電源基板からの電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU103によって遊技制御メイン処理となる所定の処理が実行される。遊技制御メイン処理を開始すると、CPU103は、割込み禁止に設定した後、必要な初期設定を行う。この初期設定では、例えばRAM10
2がクリアされる。また、遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定を行う。これにより、以後、所定時間(例えば2ミリ秒)ごとにCTCから割込み要求信号がCPU103へ送出され、CPU103は定期的にタイマ割込み処理を実行することができる。初期設定が終了すると、割込みを許可した後、ループ処理に入る。なお、遊技制御メイン処理では、パチンコ遊技機1の内部状態を前回の電力供給停止時における状態に復帰させるための処理を実行してから、ループ処理に入るようにしてもよい。こうした遊技制御メイン処理を実行したCPU103は、CTCからの割込み要求信号を受信して割込み要求を受け付けると、
図16のフローチャートに示す遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。
【0197】
図16に示す遊技制御用タイマ割込み処理を開始すると、CPU103は、まず、所定のスイッチ処理を実行することにより、スイッチ回路110を介してゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23といった各種スイッチから入力される検出信号の状態を判定する(ステップS11)。続いて、所定のメイン側エラー処理を実行することにより、パチンコ遊技機1の異常診断を行い、その診断結果に応じて必要ならば警告を発生可能とする(ステップS12)。この後、所定の情報出力処理を実行することにより、例えばパチンコ遊技機1の外部に設置されたホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する(ステップS13)。
【0198】
情報出力処理に続いて、主基板11の側で用いられる乱数値MR1〜MR5といった遊技用乱数の少なくとも一部をソフトウェアにより更新するための遊技用乱数更新処理を実行する(ステップS14)。この後、CPU103は、特別図柄プロセス処理を実行する(ステップS15)。特別図柄プロセス処理では、遊技制御フラグ設定部152に設けられた特図プロセスフラグの値をパチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて更新し、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおける表示動作の制御や、特別可変入賞球装置7における大入賞口の開閉動作設定などを、所定の手順で行うために、各種の処理が選択されて実行される。
【0199】
特別図柄プロセス処理に続いて、普通図柄プロセス処理が実行される(ステップS16)。CPU103は、普通図柄プロセス処理を実行することにより、普通図柄表示器20における表示動作(例えばセグメントLEDの点灯、消灯など)を制御して、普通図柄の可変表示や普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動動作設定などを可能にする。普通図柄プロセス処理を実行した後、CPU103は、コマンド制御処理を実行することにより、主基板11から演出制御基板12などのサブ側の制御基板に対して制御コマンドを伝送させる(ステップS17)。一例として、コマンド制御処理では、遊技制御バッファ設定部155に設けられた送信コマンドバッファの値によって指定されたコマンド送信テーブルにおける設定に対応して、I/O105に含まれる出力ポートのうち、演出制御基板12に対して演出制御コマンドを送信するための出力ポートに制御データをセットした後、演出制御INT信号の出力ポートに所定の制御データをセットして演出制御INT信号を所定時間にわたりオン状態としてからオフ状態とすることなどにより、コマンド送信テーブルでの設定に基づく演出制御コマンドの伝送を可能にする。コマンド制御処理を実行した後には、割込み許可状態に設定してから、遊技制御用タイマ割込み処理を終了する。
【0200】
図17は、特別図柄プロセス処理として、
図16に示すステップS15にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。この特別図柄プロセス処理において、CPU103は、まず、始動入賞判定処理を実行する(ステップS101)。
図18及び
図19は、ステップS101にて実行される始動入賞判定処理の一例を示すフローチャートである。
【0201】
始動入賞判定処理を開始すると、CPU103は、まず、所定の入力ポートレジスタに格納された入力ポートデータを読み出す(
図18のステップS201)。ここで、入力ポートレジスタは、例えばI/O105に含まれる入力ポートにおける外部信号の入力状態を示すビット値などが、格納されるレジスタである。この実施の形態では、入力ポートレジスタのビット番号[0]に格納される入力ポートデータが、第1始動口スイッチ22Aから伝送される検出信号となる第1始動入賞信号の入力状態(オフ/オン)を示し、入力ポートレジスタのビット番号[1]に格納される入力ポートデータが、第2始動口スイッチ22Bから伝送される遊技球の検出信号となる第2始動入賞信号の入力状態(オフ/オン)を示している。
【0202】
ステップS201にて読み出した入力ポートレジスタのビット番号[1]におけるビット値が“1”であるか否かを判定する(ステップS202)。このとき、ビット値が“1”であれば(ステップS202;Yes)、遊技制御カウンタ設定部154に設けられた第2始動入賞判定カウンタの格納値である第2始動入賞判定カウント値を、例えば1加算するなどしてカウントアップするように、更新する(ステップS203)。これに対して、ステップS202にて“0”であると判定された場合には(ステップS202;No)、第2始動入賞判定カウンタをクリアして、その格納値を「0」に初期化する(ステップS204)。
【0203】
ステップS203、S204の処理のいずれかを実行した後には、ステップS201にて読み出した入力ポートレジスタのビット番号[0]におけるビット値が“1”であるか否かを判定する(ステップS205)。このとき、ビット値が“1”であれば(ステップS205;Yes)、遊技制御カウンタ設定部154に設けられた第1始動入賞判定カウンタの格納値である第1始動入賞判定カウント値を、例えば1加算するなどしてカウントアップするように、更新する(ステップS206)。これに対して、ステップS205にて“0”であると判定された場合には(ステップS205;No)、第1始動入賞判定カウンタをクリアして、その格納値を「0」に初期化する(ステップS207)。
【0204】
ステップS206、S207の処理のいずれかを実行した後には、第1始動入賞判定カウント値が入賞判定値として予め定められた所定の判定値(例えば「2」)に達したか否かを判定する(ステップS208)。このとき、第1始動入賞判定カウント値が入賞判定値に達していれば(ステップS208;Yes)、遊技制御バッファ設定部155に設けられた始動口バッファの格納値である始動口バッファ値を、「1」に設定する(ステップS209)。また、第1始動入賞判定カウンタをクリアして、そのカウント値を「0」に初期化する(ステップS210)。
【0205】
ステップS208にて第1始動入賞判定カウント値が入賞判定値に達していなければ(ステップS208;No)、第1始動入賞口への有効な遊技球の入賞が第1始動口スイッチ22Aにより検出されていないことに対応して、第2始動入賞判定カウント値が入賞判定値に達したか否かを判定する(ステップS211)。このとき、第2始動入賞判定カウント値が入賞判定値に達していなければ(ステップS211;No)、第2始動入賞口への有効な遊技球の入賞が第2始動口スイッチ22Bにより検出されていないことに対応して、始動入賞判定処理を終了する。これに対して、第2始動入賞判定カウント値が入賞判定値に達していれば(ステップS211;Yes)、始動口バッファ値を「2」に設定する(ステップS212)。また、第2始動入賞判定カウンタをクリアして、そのカウント値を「0」に初期化する(ステップS213)。
【0206】
ステップS210、S213の処理のいずれかを実行した後、CPU103は、始動口バッファ値に応じた保留記憶数カウント値を読み出す(ステップS214)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには、遊技制御カウンタ設定部154に設けられた第1保留記憶数カウンタの格納値である第1保留記憶数カウント値を読み出し、始動口バッファ値が「2」であるときには、遊技制御カウンタ設定部154に設けられた第2保留記憶数カウンタの格納値である第2保留記憶数カウント値を読み出す。そして、ステップS214における読出値が、所定の上限値(例えば「4」)に達しているか否かを判定する(
図19のステップS215)。このとき、ステップS214での読出値が上限値に達していなければ、特別図柄や飾り図柄の可変表示を開始するための始動条件が有効に成立することになる。例えば、
図18に示すステップS208にて第1始動入賞判定カウント値が入賞判定値に達したと判定された後に、ステップS215にて読出値が上限値に達していないと判定されたときには、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームや、飾り図柄の可変表示を実行するための第1始動条件が成立する。また、
図18に示すステップS211にて第2始動入賞判定カウント値が入賞判定値に達したと判定された後に、ステップS215にて読出値が上限値に達していないと判定されたときには、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームや、飾り図柄の可変表示を実行するための第2始動条件が成立する。
【0207】
このように、ステップS215にて読出値が上限値に達していないときには(ステップS215;No)、始動口バッファ値に応じた保留記憶数カウント値を1加算する(ステップS216)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには、第1保留記憶数カウント値を1加算し、始動口バッファ値が「2」であるときには、第2保留記憶数カウント値を1加算する。そして、CPU103は、第1特図保留記憶数(第1保留記憶数カウント値)と第2特図保留記憶数(第2保留記憶数カウント値)とを加算した合計保留記憶数を示す合計保留記憶数カウンタの格納値である合計保留記憶数カウント値を、1加算する(ステップS217)。また、CPU103は、乱数回路104やランダムカウンタによって更新されている数値データのうちから、特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン種別決定用の乱数値MR3を示す数値データを、抽出する(ステップS218)。こうして抽出した各乱数値を示す数値データが、保留データとして特図保留記憶部151Aにおける空きエントリの先頭にセットされることで、各乱数値が記憶される(ステップS219)。このときには、始動口バッファ値も始動口データとして、保留データに含めて特図保留記憶部における空きエントリの先頭にセットされる。
【0208】
ステップS219にて乱数値を記憶した後には、入賞時乱数値判定処理を実行する(ステップS220)。続いて、例えばROM101における保留記憶数通知コマンドテーブルの記憶アドレスを送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタによって指定されたバッファ領域に格納することなどにより、演出制御基板12に対して保留記憶数通知コマンドを送信するための設定を行う(ステップS221)。こうして設定された保留記憶数通知コマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後、
図16に示すステップS17のコマンド制御処理が実行されることなどにより、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。
【0209】
ステップS215にて読出値が上限値に達している場合や(ステップS215;Yes)、ステップS221の処理を実行した後には、始動口バッファ値が「1」であるか「2」であるかを判定する(ステップS222)。このとき、始動口バッファ値が「1」であれば(ステップS222;「1」)、始動口バッファをクリアして、その格納値を「0」に初期化してから(ステップS223)、
図18に示すステップS211の処理に進む。これに対して、始動口バッファ値が「2」であるときには(ステップS222;「2」)、始動口バッファをクリアして、その格納値を「0」に初期化してから(ステップS224)、始動入賞判定処理を終了する。
【0210】
この実施の形態では、第1始動口スイッチ22Aと第2始動口スイッチ22Bの双方が同時に有効な遊技球の始動入賞を検出した場合には、2ミリ秒内で実行される処理によって、双方のスイッチが有効な遊技球の始動入賞を検出したことに基づく処理が実行される。すなわち、
図18に示すステップS208にて第1始動入賞判定カウント値が入賞判定値に達したと判定されたときには、
図18に示すステップS209、S210、S214の処理を実行してから、
図19に示すステップS215〜S221の処理を実行した後、ステップS222にて始動口バッファ値が「1」であることに対応して、ステップS223の処理を実行してから、
図18に示すステップS211の処理に進む。そして、ステップS211にて第2始動入賞判定カウント値が入賞判定値に達したと判定されたときには、
図18に示すステップS212〜S214の処理を実行してから、
図19に示すステップS215〜S221の処理を実行した後、ステップS222にて始動口バッファ値が「2」であることに対応して、ステップS224の処理を実行してから、始動入賞判定処理を終了する。これにより、第1始動口スイッチ22Aと第2始動口スイッチ22Bの双方が同時に有効な遊技球の始動入賞を検出した場合でも、確実に双方の有効な始動入賞の検出に基づく処理を完了できる。
【0211】
図20は、
図19のステップS220にて実行される入賞時乱数値判定処理の一例を示すフローチャートである。この実施の形態において、特別図柄や飾り図柄の可変表示が開始されるときには、後述する特別図柄通常処理(
図17のステップS110、
図21)において、特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かの決定や、大当り種別の決定などが行われる。他方、これらの決定とは別に、遊技球が始動入賞口(第1始動入賞口または第2始動入賞口)にて検出されたタイミングで、CPU103がステップS220の入賞時乱数値判定処理を実行することにより、特図表示結果として大当り図柄を導出表示すると決定される乱数値MR1であるか否かや、特図表示結果として大当り図柄が導出表示される場合の大当り種別を、予め特定する。これにより、始動入賞口に進入した遊技球の検出に基づく特別図柄や飾り図柄の可変表示が開始されるより前に、特図表示結果が「大当り」となることや、「大当り」となる場合の大当り種別を予測し、この予測結果に基づいて、演出制御基板12の側で演出制御用CPU120などにより、変動中入賞時予告演出を実行するか否かや、変動中入賞時予告演出を実行する場合における演出態様などを、決定することができる。
【0212】
図20に示す入賞時乱数値判定処理において、CPU103は、まず、始動口バッファ値が「1」であるか「2」であるかを判定する(ステップS401)。このとき、始動口バッファ値が「1」であれば(ステップS401;「1」)、
図19のステップS218にて抽出された特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データが所定の大当り判定範囲内であるか否かを判定する(ステップS402)。例えば、ステップS402の処理では、
図8に示す特図表示結果決定テーブル130を選択して、使用テーブルにセットする。ここで、使用テーブルにセットする際には、例えばRAM102の所定領域に設けられたテーブルポインタなどに、ROM101におけるテーブルデータの記憶アドレス(先頭アドレス)をセットすればよい。続いて、使用テーブルにセットした特図表示結果決定テーブル130を参照することにより、ステップS218にて抽出された乱数値MR1が大当り判定範囲内で特図表示結果が「大当り」に決定されるか否かが判定される。より具体的には、乱数値MR1を示す数値データと、特図表示結果決定テーブル130に格納された決定値とを比較して、乱数値MR1と合致した決定値が割り当てられている特図表示結果が「大当り」であるか否かを判定する。ここでは、パチンコ遊技機1における遊技状態にかかわらず、特図表示結果決定テーブル130において遊技状態が通常状態又は時短状態である場合に応じたテーブルデータを参照して、特図表示結果が「大当り」であるか否かを判定すればよい。特図表示結果が「大当り」であれば、乱数値MR1は大当り判定範囲内であると判定される。
【0213】
ステップS402にて乱数値MR1が大当り判定範囲内である場合には(ステップS402;Yes)、
図19のステップS218にて抽出された大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データに基づき大当り種別が複数種類のいずれに決定されるかを特定する(ステップS403)。例えば、ステップS403の処理では、
図9に示す大当り種別決定テーブル131を選択して、使用テーブルにセットする。続いて、使用テーブルにセットした大当り種別決定テーブル131を参照することにより、ステップS218にて抽出された乱数値MR2に対応して決定される大当り種別を特定する。このときには、大当り種別決定テーブル131における「変動特図バッファ値」を「始動口バッファ値」に読み替えて、乱数値MR2と合致した決定値が割り当てられている大当り種別を特定すればよい。
【0214】
ステップS403の処理に続いて、特定された大当り種別が「非確変」であるか否かを判定する(ステップS404)。そして、特定された大当り種別が「非確変」であるときには(ステップS404;Yes)、可変表示結果が「大当り」に決定されて大当り種別が「非確変」に決定される旨の判定結果を通知する第1始動口入賞指定コマンドとなるコマンドB101H(
図4(A)及び(C)を参照)を、主基板11から演出制御基板12に対して送信するために、例えば送信コマンドバッファなどの設定を行ってから(ステップS405)、入賞時乱数値判定処理を終了する。
【0215】
ステップS404にて大当り種別が「非確変」ではない場合には(ステップS404;No)、特定された大当り種別が「確変」であるか否かを判定する(ステップS406)。そして、特定された大当り種別が「確変」であるときには(ステップS406;Yes)、可変表示結果が「大当り」に決定されて大当り種別が「確変」に決定される旨の判定結果を通知する第1始動口入賞指定コマンドとなるコマンドB102H(
図4(A)及び(C)を参照)を、主基板11から演出制御基板12に対して送信するために、例えば送信コマンドバッファなどの設定を行ってから(ステップS407)、入賞時乱数値判定処理を終了する。
【0216】
ステップS406にて大当り種別が「確変」ではない場合には(ステップS406;No)、特定された大当り種別が「突確」であると判断して、可変表示結果が「大当り」に決定されて大当り種別が「突確」に決定される旨の判定結果を通知する第1始動口入賞指定コマンドとなるコマンドB103H(
図4(A)及び(C)を参照)を、主基板11から演出制御基板12に対して送信するために、例えば送信コマンドバッファなどの設定を行ってから(ステップS408)、入賞時乱数値判定処理を終了する。
【0217】
ステップS402にて乱数値MR1が大当り判定範囲内ではない場合には(ステップS402;No)、可変表示結果が「大当り」以外に決定される旨の判定結果を通知する第1始動口入賞指定コマンドとなるコマンドB100H(
図4(A)及び(C)を参照)を、主基板11から演出制御基板12に対して送信するために、例えば送信コマンドバッファなどの設定を行ってから(ステップS409)、入賞時乱数値判定処理を終了する。
【0218】
ステップS401にて始動口バッファ値が「2」である場合にも(ステップS401;「2」)、ステップS402の処理と同様に、乱数値MR1が大当り判定範囲内であるか否かを判定する(ステップS410)。このとき、乱数値MR1が大当り判定範囲内であれば(ステップS410;Yes)、ステップS403の処理と同様に、乱数値MR2に基づき大当り種別が複数種類のいずれに決定されるかを特定する(ステップS411)。
【0219】
ステップS411の処理に続いて、特定された大当り種別が「非確変」であるか否かを判定する(ステップS412)。そして、特定された大当り種別が「非確変」であるときには(ステップS412;Yes)、可変表示結果が「大当り」に決定されて大当り種別が「非確変」に決定される旨の判定結果を通知する第2始動口入賞指定コマンドとなるコマンドB201H(
図4(A)及び(C)を参照)を、主基板11から演出制御基板12に対して送信するために、例えば送信コマンドバッファなどの設定を行ってから(ステップS413)、入賞時乱数値判定処理を終了する。
【0220】
ステップS412にて大当り種別が「非確変」ではない場合には(ステップS412;No)、特定された大当り種別が「確変」であると判断して、可変表示結果が「大当り」に決定されて大当り種別が「確変」に決定される旨の判定結果を通知する第2始動口入賞指定コマンドとなるコマンドB202H(
図4(A)及び(C)を参照)を、主基板11から演出制御基板12に対して送信するために、例えば送信コマンドバッファなどの設定を行ってから(ステップS414)、入賞時乱数値判定処理を終了する。ここで、第2特別図柄表示装置4Bにおける特図ゲームでは、特図表示結果が「大当り」となる場合に大当り種別が「突確」に決定されないように大当り種別決定テーブル131などが設定されている(
図9などを参照)。したがって、ステップS412にて大当り種別が「非確変」ではない場合には、大当り種別が「確変」に決定されると判定することができる。
【0221】
ステップS410にて乱数値MR1が大当り判定範囲内ではない場合には(ステップS410;No)、可変表示結果が「大当り」以外に決定される旨の判定結果を通知する第2始動口入賞指定コマンドとなるコマンドB200H(
図4(A)及び(C)を参照)を、主基板11から演出制御基板12に対して送信するために、例えば送信コマンドバッファなどの設定を行ってから(ステップS415)、入賞時乱数値判定処理を終了する。
【0222】
この実施の形態では、ステップS402、S410の処理でパチンコ遊技機1における遊技状態にかかわらず、特図表示結果決定テーブル130において遊技状態が通常状態又は時短状態である場合に応じたテーブルデータを参照して、特図表示結果が「大当り」であるか否かを特定している。これに対して、パチンコ遊技機1における遊技状態の変化を予測して、その予測結果に基づき特図表示結果決定テーブル130において参照するテーブルデータを切り換えるようにしてもよい。一例として、可変表示結果が「大当り」となるまで確変制御が継続して行われる場合であれば、ステップS404、S412の処理により大当り種別が「非確変」ではないと判定されたときに、遊技制御フラグ設定部152などに設けられた確変時判定フラグをオン状態にセットする。その一方で、ステップS404、S412の処理により大当り種別が「非確変」であると判定されたときには、確変時判定フラグをクリアしてオフ状態とする。そして、ステップS402、S410の処理では、確変時判定フラグがオンであるかオフであるかを判定する。このとき、確変時判定フラグがオンであれば、特図表示結果決定テーブル130において遊技状態が確変状態である場合に応じたテーブルデータを参照して、特図表示結果が「大当り」であるか否かを特定する。これに対して、確変時判定フラグがオフであるときには、特図表示結果決定テーブル130において遊技状態が通常状態又は時短状態である場合に応じたテーブルデータを参照すればよい。このような処理が実行されることなどにより、特図保留記憶部151Aに記憶された保留データに基づく特図ゲームが開始されるときの遊技状態が確変状態である場合に対応して、通常状態や時短状態のときよりも高い割合で特図表示結果が「大当り」に決定されるテーブルデータを使用して特図表示結果を特定することができ、実際の遊技状態に適合して、より正確な特図表示結果を特定できる。
【0223】
図17に示すステップS101にて始動入賞判定処理を実行した後、CPU103は、遊技制御フラグ設定部152に設けられた特図プロセスフラグの値に応じて、ステップS110〜S120の処理のいずれかを選択して実行する。
【0224】
ステップS110の特別図柄通常処理は、特図プロセスフラグの値が“0”のときに実行される。この特別図柄通常処理では、特図保留記憶部151Aに記憶されている保留データの有無などに基づいて、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームを開始するか否かの判定が行われる。また、特別図柄通常処理では、特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データに基づき、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を「大当り」や「小当り」とするか否かを、その可変表示結果が導出表示される以前に決定(事前決定)する。さらに、特別図柄通常処理では、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果に対応して、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおける確定特別図柄(大当り図柄、小当り図柄、ハズレ図柄のいずれか)が設定される。
【0225】
ステップS111の変動パターン設定処理は、特図プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。この変動パターン設定処理には、可変表示結果を「大当り」や「小当り」とするか否かの事前決定結果などに基づいて、変動パターン種別を複数種類のいずれかに決定する処理や、変動パターン種別の決定結果に対応して、変動パターンを複数種類のいずれかに決定する処理などが含まれている。
【0226】
ステップS112の特別図柄変動処理は、特図プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。この特別図柄変動処理には、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて特別図柄を変動させるための設定を行う処理や、その特別図柄が変動を開始してからの経過時間を計測する処理などが含まれている。例えば、ステップS112の特別図柄変動処理が実行されるごとに、遊技制御タイマ設定部153に設けられた特図変動タイマにおける格納値である特図変動タイマ値を1減算あるいは1加算して、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームであるか、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームであるかに関わりなく、共通のタイマによって経過時間の測定が行われる。また、計測された経過時間が変動パターンに対応する特図変動時間に達したか否かの判定も行われる。このように、ステップS112の特別図柄変動処理は、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームでの特別図柄の変動や、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームでの特別図柄の変動を、共通の処理ルーチンによって制御する処理となっていればよい。そして、特別図柄の変動を開始してからの経過時間が特図変動時間に達したときには、特図プロセスフラグの値を“3”に更新する。
【0227】
ステップS113の特別図柄停止処理は、特図プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。この特別図柄停止処理には、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにて特別図柄の変動を停止させ、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄を導出表示させるための設定を行う処理が含まれている。そして、遊技制御フラグ設定部152に設けられた大当りフラグや小当りフラグがオンとなっているか否かの判定などが行われ、大当りフラグがオンである場合には特図プロセスフラグの値を“4”に更新する。また、小当りフラグがオンである場合には特図プロセスフラグの値を“8”に更新する。さらに、大当りフラグ及び小当りフラグがいずれもオフである場合には、特図プロセスフラグの値を“0”に更新する。
【0228】
ステップS114の大当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“4”のときに実行される。この大当り開放前処理には、可変表示結果が「大当り」となったことなどに基づき、大当り遊技状態においてラウンドの実行を開始して大入賞口を開放状態とするための設定を行う処理などが含まれている。このときには、例えば大当り種別が「非確変」や「確変」や「突確」のいずれであるかに対応して、大入賞口を開放状態とする期間の上限を設定するようにしてもよい。一例として、大当り種別が「非確変」または「確変」であることに対応して15R大当り状態に制御される場合には、大入賞口を開放状態とする期間の上限を「29秒」に設定するとともに、ラウンドの実行回数となる大入賞口の開放回数(大入賞口開放回数最大値)を「15」に設定する。これに対して、大当り種別が「突確」であることに対応して2R大当り状態に制御される場合には、大入賞口を開放状態とする期間の上限を「0.5秒」に設定するとともに、ラウンドの実行回数となる大入賞口の開放回数(大入賞口開放回数最大値)を「2」に設定する。
【0229】
ステップS115の大当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“5”のときに実行される。この大当り開放中処理には、大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間やカウントスイッチ23によって検出された遊技球の個数などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれている。そして、大入賞口を閉鎖状態に戻すときには、大入賞口扉用のソレノイド82に対するソレノイド駆動信号の供給を停止させる処理などが実行されればよい。
【0230】
ステップS116の大当り開放後処理は、特図プロセスフラグの値が“6”のときに実行される。この大当り開放後処理には、大入賞口を開放状態とするラウンドの実行回数が大入賞口開放回数最大値に達したか否かを判定する処理や、大入賞口開放回数最大値に達した場合に当り終了指定コマンドを送信するための設定を行う処理などが含まれている。
【0231】
ステップS117の大当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“7”のときに実行される。この大当り終了処理には、画像表示装置5やスピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9などといった演出装置により、大当り遊技状態の終了を報知する演出動作としてのエンディング演出が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理や、大当り種別に対応して確変状態や時短状態に制御するための各種の設定を行う処理などが含まれている。エンディング演出の実行期間に対応した待ち時間が経過したときには、特図プロセスフラグがクリアされて、その値が“0”に初期化される。
【0232】
ステップS118の小当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“8”のときに実行される。この小当り開放前処理には、可変表示結果が「小当り」となったことなどに基づき、小当り遊技状態において可変入賞動作の実行を開始して大入賞口を開放状態とするための設定を行う処理などが含まれている。このときには、例えば可変表示結果が「小当り」であることに対応して、大入賞口を開放状態とする期間の上限を「0.5秒」に設定するとともに、可変入賞動作における大入賞口の開放回数(大入賞口開放回数最大値)を「2」に設定すればよい。
【0233】
ステップS119の小当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“9”のときに実行される。この小当り開放中処理には、大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれている。大入賞口を閉鎖状態に戻すときには、大入賞口扉用のソレノイド82に対するソレノイド駆動信号の供給を停止させる処理などが実行されればよい。
【0234】
ステップS120の小当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“10”のときに実行される。この小当り終了処理には、画像表示装置5やスピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9などといった演出装置により、小当り遊技状態の終了を報知する演出動作が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理などが含まれている。ここで、小当り遊技状態が終了するときには、確変フラグや時短フラグの状態を変更しないようにして、小当り遊技状態となる以前のパチンコ遊技機1における遊技状態を継続させる。小当り遊技状態の終了を報知する演出動作の実行期間に対応した待ち時間が経過したときには、特図プロセスフラグがクリアされて、その値が“0”に初期化される。
【0235】
図21は、
図17のステップS110にて実行される特別図柄通常処理の一例を示すフローチャートである。
図21に示す特別図柄通常処理において、CPU103は、まず、合計保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(ステップS231)。例えば、ステップS231の処理では、遊技制御カウンタ設定部154に記憶されている合計保留記憶数カウント値を読み出し、その読出値が「0」であるか否かを判定すればよい。
【0236】
ステップS231にて合計保留記憶数が「0」以外であるときには(ステップS231;No)、特図保留記憶部151Aにて保留番号「1」と対応付けて記憶されている保留データとして、特図表示結果決定用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン種別決定用の乱数値MR3を示す数値データ、及び始動口データをそれぞれ読み出す(ステップS232)。このとき読み出された数値データは、例えば遊技制御バッファ設定部155に設けられた変動用乱数バッファなどに格納されて、一時記憶されればよい。
【0237】
ステップS232の処理に続いて、例えば合計保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、合計保留記憶数を1減算させるように更新するとともに、特図保留記憶部151Aにて保留番号「1」より下位のエントリ(例えば保留番号「2」〜「8」に対応するエントリ)に記憶された乱数値MR1〜MR3などを示す保留データを、1エントリずつ上位にシフトする(ステップS233)。このときには、ステップS232にて読み出した保留データに含まれる始動口データに示される始動口が、第1始動入賞口であるか第2始動入賞口であるかを判定する(ステップS234)。
【0238】
ステップS234にて第1始動入賞口であると判定されたときには(ステップS234;「1」)、例えば第1保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、第1特図保留記憶数を1減算させるように更新する(ステップS235)。このときには、変動特図指定バッファの値を「1」に更新する(ステップS236)。
【0239】
ステップS234にて第2始動入賞口であると判定されたときには(ステップS234;「2」)、例えば第2保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、第2特図保留記憶数を1減算させるように更新する(ステップS237)。このときには、変動特図指定バッファの値を「2」に更新する(ステップS238)。
【0240】
ステップS236、S238の処理のいずれかを実行した後には、特別図柄の可変表示結果である特図表示結果を「大当り」や「小当り」や「ハズレ」のいずれとするかを決定するための使用テーブルとして、特図表示結果決定テーブル130を選択してセットする(ステップS239)。CPU103は、こうしてセットされた特図表示結果決定テーブル130を参照することにより、変動用乱数バッファに格納された特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データが、「大当り」や「小当り」や「ハズレ」の各特図表示結果に割り当てられた決定値のいずれと合致するかに応じて、特図表示結果を「大当り」や「小当り」や「ハズレ」のいずれとするかを決定する(ステップS240)。このときには、ステップS240にて決定された特図表示結果が「大当り」であるか否かを判定する(ステップS241)。ステップS240にて特図表示結果を決定することにより、特図ゲームにおける確定特別図柄として大当り図柄を導出表示するか否かが決定されることになる。
【0241】
ステップS241にて「大当り」であると判定された場合には(ステップS241;Yes)、遊技制御フラグ設定部152に設けられた大当りフラグをオン状態にセットする(ステップS242)。このときには、大当り種別を複数種類のいずれかに決定するための使用テーブルとして、大当り種別決定テーブル131を選択してセットする(ステップS243)。こうしてセットされた大当り種別決定テーブル131を参照することにより、変動用乱数バッファに格納された大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データが、「非確変」や「確変」や「突確」の各大当り種別に割り当てられた決定値のいずれと合致するかに応じて、大当り種別を「非確変」や「確変」や「突確」のいずれとするかを決定する(ステップS244)。ここで、ステップS238の処理にて変動特図指定バッファ値を「2」に設定した場合には、大当り種別決定テーブル131にて「突確」の大当り種別に対して決定値が割り当てられていないことから、大当り種別が「突確」に決定されることはない。こうして決定された大当り種別に対応して、例えば遊技制御バッファ設定部155に設けられた大当り種別バッファの格納値である大当り種別バッファ値を設定することなどにより(ステップS245)、決定された大当り種別を記憶させる。一例として、大当り種別が「非確変」であれば大当り種別バッファ値を「0」とし、「確変」であれば「1」とし、「突確」であれば「2」とすればよい。
【0242】
ステップS244にて大当り種別を決定することにより、特図ゲームにおける確定特別図柄として大当り図柄が導出表示されることに基づく大当り遊技状態の終了後に、特別遊技状態としての確変状態に制御されるか否かが決定されることになる。すなわち、ステップS244にて大当り種別が「確変」または「突確」に決定された場合には、大当り遊技状態の終了後における遊技状態を確変状態とすることが決定される。これに対して、ステップS244にて大当り種別が「非確変」に決定された場合には、大当り遊技状態の終了後における遊技状態を時短状態(または通常状態)として確変状態にはしないことが決定される。
【0243】
また、ステップS244にて大当り種別を決定することにより、特図ゲームにおける確定特別図柄として大当り図柄が導出表示されることに基づく大当り遊技状態として、15R大当り状態に制御されるか2R大当り状態に制御されるかが決定されることになる。すなわち、ステップS244にて大当り種別が「非確変」または「確変」に決定された場合には、大当り遊技状態を15R大当り状態とすることが決定される。これに対して、ステップS244にて大当り種別が「突確」に決定された場合には、大当り遊技状態を2R大当り状態とすることが決定される。
【0244】
ステップS241にて「大当り」ではないと判定された場合には(ステップS241;No)、ステップS240にて決定された特図表示結果が「小当り」であるか否かを判定する(ステップS246)。そして、「小当り」であると判定されたときには(ステップS246;Yes)、遊技制御フラグ設定部152に設けられた小当りフラグをオン状態にセットする(ステップS247)。
【0245】
ステップS246にて「小当り」ではないと判定された場合や(ステップS246;No)、ステップS245、S247の処理のいずれかを実行した後には、大当り遊技状態や小当り遊技状態に制御するか否かの事前決定結果、さらには、大当り遊技状態とする場合における大当り種別の決定結果に対応して、確定特別図柄を設定する(ステップS248)。一例として、ステップS246にて特図表示結果が「小当り」ではないと判定された場合には、特図表示結果を「ハズレ」とする旨の事前決定結果に対応して、ハズレ図柄となる「−」の記号を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。また、ステップS246にて特図表示結果が「小当り」であると判定された場合には、特図表示結果を「小当り」とする旨の事前決定結果に対応して、小当り図柄となる「5」の数字を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。また、ステップS241にて特図表示結果を「大当り」であると判定された場合には、ステップS244における大当り種別の決定結果に応じて、大当り図柄となる「1」、「3」、「7」の数字を示す特別図柄のいずれかを、確定特別図柄に設定する。すなわち、大当り種別を「非確変」とする決定結果に対応して、非確変大当り図柄となる「3」の数字を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。大当り種別を「確変」とする決定結果に対応して、確変大当り図柄となる「7」の数字を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。大当り種別を「突確」とする決定結果に対応して、突確大当り図柄となる「1」の数字を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。
【0246】
ステップS248にて確定特別図柄を設定した後には、特図プロセスフラグの値を変動パターン設定処理に対応した値である“1”に更新してから(ステップS249)、特別図柄通常処理を終了する。ステップS231にて合計保留記憶数が「0」である場合には、所定のデモ表示設定を行ってから(ステップS250)、特別図柄通常処理を終了する。このデモ表示設定では、例えば画像表示装置5において所定の演出画像を表示することなどによるデモンストレーション表示(デモ画面表示)を指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)が、主基板11から演出制御基板12に対して送信済みであるか否かを判定する。このとき、送信済みであれば、そのままデモ表示設定を終了する。これに対して、未送信であれば、客待ちデモ指定コマンドを送信するための設定を行ってから、デモ表示設定を終了する。
【0247】
図22は、
図17のステップS111にて実行される変動パターン設定処理の一例を示すフローチャートである。
図22に示す変動パターン設定処理において、CPU103は、まず、大当りフラグがオンであるか否かを判定する(ステップS261)。そして、大当りフラグがオンであれば(ステップS261;Yes)、変動パターン種別を複数種別のいずれかに決定するための使用テーブルとして、大当り変動パターン種別決定テーブル132Aを選択してセットする(ステップS262)。また、例えば遊技制御バッファ設定部155に記憶されている大当り種別バッファ値を読み取ることなどにより、大当り種別が「非確変」や「確変」や「突確」のいずれであるかを特定する(ステップS263)。
【0248】
ステップS261にて大当りフラグがオフであるときには(ステップS261;No)、小当りフラグがオンであるか否かを判定する(ステップS264)。そして、小当りフラグがオンであれば(ステップS264;Yes)、小当り種別決定テーブル132Bを選択して、使用テーブルにセットする(ステップS265)。
【0249】
ステップS264にて小当りフラグがオフであるときには(ステップS264;No)、所定の変動時間短縮条件が成立したか否かを判定する(ステップS266)。ここで、変動時間短縮条件は、例えば遊技制御フラグ設定部152に設けられた時短フラグがオンであり確変状態や時短状態における時間短縮制御が実行中であること、合計保留記憶数が所定数(例えば「3」)以上であることなどといった、特図変動時間を通常時よりも短縮するために予め定められたものであればよい。また、時短フラグがオンであるときでも、合計保留記憶数が所定数(例えば「1」)以上であれば変動時間短縮条件が成立する一方、所定数未満であれば変動時間短縮条件が成立しないようにしてもよい。
【0250】
ステップS266にて変動時間短縮条件が成立していない場合には(ステップS266;No)、ハズレ変動パターン種別決定テーブル(通常用)132Cを選択して、使用テーブルにセットする(ステップS267)。これに対して、変動時間短縮条件が成立している場合には(ステップS266;Yes)、ハズレ変動パターン種別決定テーブル(短縮用)132Dを選択して、使用テーブルにセットする(ステップS268)。なお、短縮用のハズレ変動パターン種別決定テーブルを複数種類設けて、複数種類の変動時間短縮条件のうちでいずれが成立したかに応じて、異なるテーブルが選択されるようにしてもよい。
【0251】
ステップS263、S265、S267、S268の処理のいずれかを実行した後には、例えば変動用乱数バッファなどに格納されている変動パターン種別決定用の乱数値MR3を示す数値データなどに基づき、使用テーブルにセットされた変動パターン種別決定テーブルを参照することにより、変動パターン種別を複数種類のいずれかに決定する(ステップS269)。ここで、ステップS269の処理では、第1始動条件が成立したことに基づき第1特別図柄表示装置4Aにより第1特図を用いて実行される特図ゲームに対応した飾り図柄の変動パターン種別を決定するか、第2始動条件が成立したことに基づき第2特別図柄表示装置4Bにより第2特図を用いて実行される特図ゲームに対応した飾り図柄の変動パターン種別を決定するかにかかわらず、共通のランダムカウンタなどによって更新される変動パターン種別決定用となる共通の乱数値MR3を示す数値データを用いて、共通の処理モジュールにより変動パターン種別を複数種類のいずれかに決定することができる。
【0252】
大当りフラグと小当りフラグがいずれもオフであるときには、ステップS267にて選択したハズレ変動パターン種別決定テーブル(通常用)132CまたはステップS268にて選択したハズレ変動パターン種別決定テーブル(短縮用)132Dを参照して変動パターン種別を複数種別のいずれかに決定する。このときには、変動パターン種別を決定することにより、飾り図柄の可変表示態様を「非リーチ」とするか「リーチ」とするか否かが決定される。すなわち、ステップS269の処理には、飾り図柄の可変表示状態をリーチ状態とするか否かを決定する処理が含まれている。
【0253】
ステップS269にて変動パターン種別を決定した後には、変動パターン決定テーブル133を選択し、変動パターンを複数種類のいずれかに決定するための使用テーブルとしてセットする(ステップS270)。続いて、変動パターン決定用の乱数値MR4を示す数値データに基づき、ステップS270にてセットした変動パターン決定テーブル133を参照することにより、変動パターンを複数種類のいずれかに決定する(ステップS271)。変動パターン決定用の乱数値MR4を示す数値データは、ステップS271の処理が実行されるときに乱数回路104や遊技制御カウンタ設定部154のランダムカウンタなどから抽出されてもよいし、第1始動入賞口や第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球が検出された始動入賞時に抽出されたものを、乱数値MR1〜MR3とともに、特図保留記憶部151Aにおける保留データとして記憶しておいてもよい。
【0254】
ステップS271の処理では、第1始動条件が成立したことに基づき第1特別図柄表示装置4Aにより第1特図を用いて実行される特図ゲームに対応した飾り図柄の変動パターンを決定するか、第2始動条件が成立したことに基づき第2特別図柄表示装置4Bにより第2特図を用いて実行される特図ゲームに対応した飾り図柄の変動パターンを決定するかにかかわらず、共通のランダムカウンタなどによって更新される変動パターン決定用となる共通の乱数値MR4を示す数値データを用いて、共通の処理モジュールにより変動パターンを複数種類のいずれかに決定することができる。また、ステップS271の処理では、ステップS269における変動パターン種別の決定結果にかかわらず、変動パターン決定用となる共通の乱数値MR4を示す数値データを用いて、共通の処理モジュールにより変動パターンを複数種類のいずれかに決定することができる。
【0255】
ステップS271にて変動パターンを決定した後には、その変動パターンの決定結果に応じた特別図柄の可変表示時間である特図変動時間を設定する(ステップS272)。その後、変動特図指定バッファ値に応じて、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームのいずれかを開始させるように、特別図柄の変動を開始させるための設定を行う(ステップS273)。一例として、変動特図指定バッファ値が「1」であれば、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図の表示を更新させる駆動信号を送信するための設定を行う。これに対して、変動特図指定バッファ値が「2」であれば、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図の表示を更新させる駆動信号を送信するための設定を行う。
【0256】
ステップS273の処理に続いて、特別図柄の変動開始時用となる各種コマンドを送信するための設定を行う(ステップS274)。例えば、変動特図指定バッファ値が「1」である場合に、CPU103は、主基板11から演出制御基板12に対して遊技状態指定コマンド、第1変動開始コマンド、変動パターン指定コマンド、可変表示結果通知コマンド、保留記憶数通知コマンドを順次に送信するために、予め用意された第1変動開始用コマンドテーブルのROM101における記憶アドレス(先頭アドレス)を示す設定データを、遊技制御バッファ設定部155に設けられた送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタによって指定されたバッファ領域に格納する。他方、変動特図指定バッファ値が「2」である場合に、CPU103は、主基板11から演出制御基板12に対して遊技状態指定コマンド、第2変動開始コマンド、変動パターン指定コマンド、可変表示結果通知コマンド、保留記憶数通知コマンドを順次に送信するために、予め用意された第2変動開始用コマンドテーブルのROM101における記憶アドレスを示す設定データを、送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタによって指定されたバッファ領域に格納する。こうしたステップS274での設定を行った場合には、変動パターン設定処理が終了してから
図16に示すステップS17のコマンド制御処理が実行されるごとに、主基板11から演出制御基板12に対して遊技状態指定コマンド、第1変動開始コマンドまたは第2変動開始コマンド、変動パターン指定コマンド、可変表示結果通知コマンド、保留記憶数通知コマンドが、順次に送信されることになる。なお、これらの演出制御コマンドが送信される順番は任意に変更可能であり、例えば可変表示結果通知コマンドを最初に送信してから、第1変動開始コマンドまたは第2変動開始コマンド、変動パターン指定コマンド、遊技状態指定コマンド、保留記憶数通知コマンドの順などで送信されるようにしてもよい。その後、特図プロセスフラグの値を特別図柄変動処理に対応した値である“2”に更新してから(ステップS275)、変動パターン設定処理を終了する。
【0257】
図23は、
図17のステップS113にて実行される特別図柄停止処理の一例を示すフローチャートである。
図23に示す特別図柄停止処理において、CPU103は、まず、例えば遊技制御フラグ設定部152などに設けられた特図確定表示中フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS291)。ここで、特図確定表示中フラグは、特図ゲームにおける可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示されたことに対応して、後述するステップS295の処理によりオン状態にセットされる。
【0258】
ステップS291にて特図確定表示中フラグがオフであるときには(ステップS291;Yes)、確定特別図柄を導出表示するための設定を行う(ステップS292)。このときには、飾り図柄停止コマンドを演出制御基板12に対して送信するための設定を行う(ステップS293)。また、特図確定表示時間として予め定められた一定時間(例えば1秒間)を設定する(ステップS294)。例えば、ステップS294の処理では、特図確定表示時間に対応して予め定められたタイマ初期値が、遊技制御タイマ設定部153に設けられた遊技制御プロセスタイマにセットされればよい。そして、特図確定表示中フラグをオン状態にセットしてから(ステップS295)、特別図柄停止処理を終了する。こうして、ステップS292の処理により確定特別図柄が導出表示された後に、ステップS294にて設定された特図確定表示時間が経過するまでは、タイマ割込みの発生に応じた特別図柄プロセス処理にて特別図柄停止処理が実行されるごとに、ステップS291にて特図確定表示中フラグがオンであると判定されることになる。
【0259】
ステップS291にて特図確定表示中フラグがオンであるときには(ステップS291;Yes)、特図確定表示時間が経過したか否かを判定する(ステップS296)。例えば、ステップS296の処理では、ステップS294の処理によりタイマ初期値が設定された遊技制御プロセスタイマの格納値である遊技制御プロセスタイマ値を読み取り、そのタイマ値が「0」となったか否かに応じて、特図確定表示時間が経過したか否かを判定すればよい。なお、遊技制御プロセスタイマ値は、そのタイマ値が「0」以外の値であれば、タイマ割込みの発生に基づき遊技制御用タイマ割込み処理が実行されるごとに、1減算されるように更新すればよい。ステップS296にて特図確定表示時間が経過していなければ(ステップS296;No)、特別図柄停止処理を終了することで、特図確定表示時間が経過するまで待機する。
【0260】
ステップS296にて特図確定表示時間が経過したときには(ステップS296;Yes)、特図確定表示中フラグをクリアしてオフ状態とした後に(ステップS297)、大当りフラグがオンであるか否かを判定する(ステップS298)。このとき、大当りフラグがオンであれば(ステップS298;Yes)、大当り開始時演出待ち時間として予め定められた一定時間を設定する(ステップS299)。また、当り開始指定コマンドを主基板11から演出制御基板12に対して送信するための設定を行う(ステップS300)。例えば、ステップS300の処理では、大当り種別バッファ値に応じた当り開始指定コマンドを送信するために予め用意された当り開始指定コマンドテーブルのROM101における記憶アドレスを示す設定データが、送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタによって指定されたバッファ領域に格納されればよい。
【0261】
ステップS300の処理に続いて、大当りフラグをクリアしてオフ状態とする(ステップS301)。また、確変状態や時短状態を終了するための設定を行う(ステップS302)。例えば、ステップS302の処理として、確変フラグや時短フラグをクリアしてオフ状態とする処理や、時短状態において実行される特図ゲームの残り回数をカウントするための時短回数カウンタをクリアする処理などが実行されればよい。そして、
特図プロセスフラグの値を大当り開放前処理に対応した値である“4”に更新してから(ステップS303)、特別図柄停止処理を終了する。
【0262】
ステップS298にて大当りフラグがオフである場合には(ステップS298;No)、小当りフラグがオンであるか否かを判定する(ステップS304)。このとき、小当りフラグがオンであれば(ステップS304;Yes)、小当り開始時演出待ち時間として予め定められた一定時間を設定する(ステップS305)。続いて、特図表示結果が「小当り」となったことに対応した当り開始指定コマンドを主基板11から演出制御基板12に対して送信するための設定を行う(ステップS306)。その後、小当りフラグをクリアしてオフ状態とする(ステップS307)。また、特図プロセスフラグの値を小当り開放前処理に対応した値である“8”に更新する(ステップS308)。
【0263】
ステップS304にて小当りフラグがオフである場合には(ステップS304;No)、特図プロセスフラグをクリアして、その値を“0”に初期化する(ステップS309)。ステップS308、S309の処理のいずれかを実行した後には、時短状態を終了させるか否かの判定を行ってから(ステップS310)、特別図柄停止処理を終了する。例えば、ステップS310の処理では、時短フラグがオンであるときに、時短回数カウンタの格納値である時短回数カウント値を、例えば1減算するなどして更新する。そして、更新後の時短回数カウント値が所定の時短終了判定値(例えば「0」など)と合致するか否かの判定を行う。このとき、時短終了判定値と合致すれば、時短フラグをクリアしてオフ状態とすることなどにより、時短状態における時間短縮制御などを終了すればよい。他方、時短終了判定値と合致しなければ、時短フラグの状態を維持して、ステップS310の処理を終了すればよい。なお、時短フラグがオンであるとともに確変フラグがオンとなっている確変状態については、次に可変表示結果が「大当り」となるまで継続して時間短縮制御が行われるようにすればよい。あるいは、確変状態でも時間短縮制御を終了するか否かの判定を行い、終了するとの判定結果に基づき時間短縮制御を終了するようにしてもよい。こうして時間短縮制御を終了するときには、確変制御もあわせて終了することにより通常状態となるようにしてもよいし、確変制御については、次に可変表示結果が「大当り」となるまで、あるいは、さらに所定回数の特図ゲームが実行されるまで、継続させてもよい。
【0264】
また、ステップS310の処理では、例えば遊技制御カウンタ設定部154に設けられたランダムカウンタから、確変制御終了判定用の乱数値を示す数値データを抽出し、予めROM101などに格納された確変制御終了判定テーブルを参照すること、あるいは、確変制御中における特図ゲームの実行回数が所定の確変終了判定値に達したことなどにより、確変制御を終了するか否かの判定を行うようにしてもよい。これに対して、ステップS310の処理では、確変制御を終了するための処理を実行せず、次に可変表示結果が「大当り」となるまで確変制御を継続させるようにしてもよい。あるいは、確変制御終了判定用の乱数値を示す数値データに基づき確変制御を終了するか否かを判定する処理は、例えば
図21に示すステップS240にて特図表示結果を決定(事前決定)する以前に、実行されるようにしてもよい。
【0265】
図24は、
図17のステップS117にて実行される大当り終了処理の一例を示すフローチャートである。
図24に示す大当り終了処理において、CPU103は、まず、大当り終了時演出待ち時間が経過したか否かを判定する(ステップS321)。一例として、
図17に示すステップS116の大当り開放後処理では、特図プロセスフラグの値を“7”に更新するときに、エンディング演出の実行期間となる大当り終了時演出待ち時間に対応して予め定められたタイマ初期値が遊技制御プロセスタイマにセットされる。この場合、ステップS321の処理では、例えば遊技制御プロセスタイマ値を1減算することなどにより更新し、更新後の遊技制御プロセスタイマ値が所定の待ち時間経過判定値(例えば「0」など)と合致したか否かに応じて、大当り終了時演出待ち時間が経過したか否かを判定すればよい。ステップS321にて大当り終了時演出待ち時間が経過していなければ(ステップS321;No)、そのまま大当り終了処理を終了する。
【0266】
これに対して、ステップS321にて大当り終了時演出待ち時間が経過した場合には(ステップS321;Yes)、遊技制御バッファ設定部155に記憶されている大当り種別バッファ値を読み出して(ステップS322)、大当り種別が「非確変」や「確変」や「突確」のいずれであったかを特定する。このときには、特定された大当り種別が「非確変」であるか否かを判定する(ステップS323)。
【0267】
ステップS323にて大当り種別が「非確変」であると判定された場合には(ステップS323;Yes)、遊技状態を時短状態とする制御を開始するための設定を行う(ステップS324)。例えば、CPU103は、時短フラグをオン状態にセットするとともに、時短状態にて実行可能な特図ゲームの上限値に対応して予め定められたカウント初期値(例えば「100」)を、時短回数カウンタに設定する。その一方で、大当り種別が「確変」または「突確」と判定された場合には(ステップS323;No)、遊技状態を確変状態とする制御を開始するための設定を行う(ステップS325)。例えば、CPU103は、確変フラグと時短フラグをともにオン状態にセットする。
【0268】
なお、大当り種別が「確変」と判定された場合と、大当り種別が「突確」と判定された場合とで、種類が異なる確変状態へと制御するための設定を行うようにしてもよい。一例として、大当り種別が「確変」と判定された場合には、確変フラグと時短フラグをともにオン状態にセットして、時短回数カウント値の初期値設定は行わず、次に特図表示結果が「大当り」となるまで、確変制御と時短制御の双方が継続して行われるように設定する。これに対して、大当り種別が「突確」と判定された場合には、確変フラグと時短フラグをともにオン状態にセットして、時短状態に制御される場合と同様に時短回数カウント値の初期値設定を行い、確変制御は次に特図表示結果が「大当り」となるまで継続して行われる一方、時短制御は特図ゲームの実行回数が所定回数(例えば「100」)に達するまで継続するように設定してもよい。あるいは、大当り種別が「突確」と判定された場合には、所定の時短中突確フラグがオンであれば、確変制御とともに時短制御を開始するための設定を行う一方、時短中突確フラグがオフであれば、確変制御のみを開始するための設定を行うようにしてもよい。ここで、時短中突確フラグは、例えば
図23に示すステップS298にて大当りフラグがオンであると判定されたときに、大当り種別が「突確」であること、および時短フラグがオンであり時短制御が行われていることに対応して、オン状態にセットされればよい。
【0269】
ステップS324、S325の処理のいずれかを実行した後には、特図プロセスフラグをクリアして、その値を“0”に初期化してから(ステップS326)、大当り終了処理を終了する。
【0270】
図25は、普通図柄プロセス処理として、
図17のステップS16にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。
図25に示す普通図柄プロセス処理において、CPU103は、まず、ゲート通過判定処理を実行する(ステップS130)。例えば、ステップS130のゲート通過判定処理では、ゲートスイッチ21からの検出信号に基づき、ゲートスイッチ21がオンであるか否かを判定し、オフであれば、そのままゲート通過判定処理を終了する。これに対して、ゲートスイッチ21がオンであるときには、普図保留記憶部151Bにおける保留データの記憶数である普図保留記憶数を示す普図保留記憶カウント値が、普図保留上限値として予め定められた値(例えば「4」)となっているか否かを判定する。このとき、普図保留上限値に達していれば、通過ゲートにおける今回の遊技球の通過を無効として、ゲート通過判定処理を終了する。その一方で、普図保留上限値に達していない場合には、例えば乱数回路104や遊技制御カウンタ設定部154のランダムカウンタ等によって更新される数値データのうちから、普図表示結果決定用の乱数値MR5を示す数値データを抽出する。このとき抽出した乱数値MR5を示す数値データが、保留データとして普図保留記憶部151Bにおける空きエントリの先頭にセットされることで、乱数値MR5が記憶される。この場合には、普図保留記憶数カウント値を1加算するように更新してから、ゲート通過判定処理を終了する。
【0271】
ステップS130のゲート通過判定処理を実行した後、CPU103は、遊技制御フラグ設定部152に設けられた普図プロセスフラグの値に応じて、
図25に示すステップS140〜S143の処理のいずれかを選択して実行する。
【0272】
ステップS140の普通図柄通常処理は、普図プロセスフラグの値が“0”のときに実行される。この普通図柄通常処理では、普図保留記憶部151Bに格納された保留データの有無などに基づいて、普通図柄表示器20による普図ゲームを開始するか否かの判定が行われる。このとき、例えば普図保留記憶部151Bに格納された保留データがある場合には、普図ゲームにおける普通図柄の可変表示結果である普図表示結果を「普図当り」とするか「普図ハズレ」とするかを決定する普図表示結果決定処理が実行してから、普図プロセスフラグの値を“1”に更新する。
【0273】
普図表示結果決定処理では、普図保留記憶部151Bから読み出した保留データに含まれる普図表示結果決定用の乱数値MR5を示す数値データなどに基づき、所定の普図表示結果決定テーブルを参照して、普図表示結果を決定する。ここで、普図表示結果決定テーブルでは、時短フラグがオンである場合に、時短フラグがオフである場合よりも普図表示結果を「普図当り」とする決定がなされる割合が高くなるように決定値が普図表示結果に割り当てられている。これにより、確変状態や時短状態といった特別遊技状態では、通常状態に比べて普図ゲームにおける普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となりやすくなることで、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口が拡大開放状態となる頻度が高まり、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しやすくなる。
【0274】
また、普図表示結果決定処理では、普図表示結果に対応する普図変動時間の決定も行われる。このとき、時短フラグがオンである場合には、時短フラグがオフである場合よりも普図変動時間が短くなるように設定される。これにより、確変状態や時短状態といった特別遊技状態では、普図ゲームにおける普通図柄の可変表示結果が導出表示される間隔が短くなることで、「普図当り」の可変表示結果が導出表示される間隔も短くなり、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口が拡大開放状態となる頻度が高まり、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しやすくなる。さらに、普図表示結果決定処理では、普図表示結果を「普図当り」とする場合に、第2始動入賞口を拡大開放状態とする時間である傾動制御時間や拡大開放状態とする回数である傾動制御回数を設定してもよい。このとき、時短フラグがオンである場合には、時短フラグがオフである場合よりも傾動制御時間や傾動制御回数が増加するように設定される。これにより、確変状態や時短状態といった特別遊技状態では、第2始動入賞口が拡大開放状態となる時間や回数が増加することで、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しやすくなる。なお、第2始動入賞口を拡大開放状態とする設定は、ステップS142の普通図柄停止処理やステップS143の普通電動役物作動処理にて行うようにしてもよい。
【0275】
ステップS141の普通図柄変動処理は、普図プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。この普通図柄変動処理では、普通図柄表示器20において普通図柄を変動させるための設定が行われるとともに、その普通図柄が変動を開始してからの経過時間が計測される。また、こうして計測された経過時間が所定の普図変動時間に達したか否かの判定が行われる。
【0276】
ステップS142の普通図柄停止処理は、普図プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。この普通図柄停止処理では、普図変動時間が経過したことに基づき、普通図柄表示器20にて普通図柄の変動を停止させ、普通図柄の可変表示結果となる確定普通図柄を停止表示(導出表示)させるための設定などを行う。ステップS143の普通電動役物作動処理は、普図プロセスフラグの値が“4”のときに実行される。この普通電動役物作動処理では、普図ゲームにおける可変表示結果(普図表示結果)が「普図当り」となったことに対応して、普通可変入賞球装置6Bが備える可動翼片を垂直位置から傾動位置に移動させて、第2始動入賞口を通常開放状態から拡大開放状態に変化させるための設定などが行われる。
【0277】
次に、演出制御基板12における動作を説明する。演出制御基板12では、電源基板等から電源電圧の供給を受けると、演出制御用CPU120が起動して、
図26のフローチャートに示すような演出制御メイン処理を実行する。
図26に示す演出制御メイン処理を開始すると、演出制御用CPU120は、まず、所定の初期化処理を実行して(ステップS71)、RAM122のクリアや各種初期値の設定、また演出制御基板12に搭載されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定等を行う。
【0278】
その後、タイマ割込みフラグがオンとなっているか否かの判定を行う(ステップS72)。タイマ割込みフラグは、例えばCTCのレジスタ設定に基づき、所定時間(例えば2ミリ秒)が経過するごとにオン状態にセットされる。このとき、タイマ割込みフラグがオフであれば(ステップS72;No)、ステップS72の処理を繰り返し実行して待機する。
【0279】
また、演出制御基板12の側では、所定時間が経過するごとに発生するタイマ割込みとは別に、主基板11から演出制御コマンドを受信するための割込みが発生する。この割込みは、例えば主基板11からの演出制御INT信号がオン状態となることにより発生する割込みである。演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みが発生すると、演出制御用CPU120は、自動的に割込み禁止に設定するが、自動的に割込み禁止状態にならないCPUを用いている場合には、割込み禁止命令(DI命令)を発行することが望ましい。演出制御用CPU120は、演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みに対応して、例えば所定のコマンド受信割込み処理を実行する。このコマンド受信割込み処理では、I/O125に含まれる入力ポートのうちで、中継基板15を介して主基板11から送信された制御信号を受信する所定の入力ポートより、演出制御コマンドとなる制御信号を取り込む。このとき取り込まれた演出制御コマンドは、例えば演出制御バッファ設定部194に設けられた演出制御コマンド受信用バッファに格納する。一例として、演出制御コマンドが2バイト構成である場合には、1バイト目(MODE)と2バイト目(EXT)を順次に受信して演出制御コマンド受信用バッファに格納する。その後、演出制御用CPU120は、割込み許可に設定してから、コマンド受信割込み処理を終了する。
【0280】
ステップS72にてタイマ割込みフラグがオンである場合には(ステップS72;Yes)、タイマ割込みフラグをクリアしてオフ状態にするとともに(ステップS73)、コマンド解析処理を実行する(ステップS74)。ステップS74にて実行されるコマンド解析処理では、例えば主基板11の遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信されて演出制御コマンド受信用バッファに格納されている各種の演出制御コマンドを読み出した後に、その読み出された演出制御コマンドに対応した設定や制御などが行われる。
【0281】
ステップS74にてコマンド解析処理を実行した後には、演出制御プロセス処理を実行する(ステップS75)。ステップS75の演出制御プロセス処理では、例えば画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示動作、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作、遊技効果ランプ9及び装飾用LEDといった装飾発光体における点灯動作、演出用模型における駆動動作といった、各種の演出装置を用いた演出動作の制御内容について、主基板11から送信された演出制御コマンド等に応じた判定や決定、設定などが行われる。
【0282】
ステップS75の演出制御プロセス処理に続いて、演出用乱数更新処理が実行され(ステップS76)、演出制御に用いる各種の乱数値として、演出制御カウンタ設定部193のランダムカウンタによってカウントされる乱数値(演出用乱数)を示す数値データを、ソフトウェアにより更新する。その後、ステップS72の処理に戻る。
【0283】
図27は、コマンド解析処理として、
図26のステップS74にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。
図27に示すコマンド解析処理において、演出制御用CPU120は、まず、演出制御コマンド受信用バッファの記憶内容を確認することなどにより、中継基板15を介した主基板11からの受信コマンドがあるか否かを判定する(ステップS151)。このとき、受信コマンドがなければ(ステップS151;No)、コマンド解析処理を終了する。
【0284】
ステップS151にて受信コマンドがある場合には(ステップS151;Yes)、例えば受信コマンドのMODEデータを確認することなどにより、その受信コマンドが変動パターン指定コマンドであるか否かを判定する(ステップS152)。そして、受信コマンドが変動パターン指定コマンドであるときには(ステップS152;Yes)、例えば受信コマンドのEXTデータを演出制御バッファ194に設けられた変動パターンバッファに格納することなどにより、変動開始時決定内容の1つとなる変動パターンを記憶させる(ステップS153)。ステップS153の処理を実行した後には、ステップS151の処理に戻る。
【0285】
ステップS152にて受信コマンドが変動パターン指定コマンドではない場合には(ステップS152;No)、その受信コマンドは可変表示結果通知コマンドであるか否かを判定する(ステップS154)。そして、受信コマンドが可変表示結果通知コマンドであるときには(ステップS154;Yes)、例えば受信コマンドのEXTデータを演出制御バッファ194に設けられた可変表示結果バッファに格納することなどにより、変動開始時決定内容の1つとなる特図表示結果等を記憶させる(ステップS155)。ステップS155の処理にて可変表示結果通知コマンドのEXTデータを可変表示結果バッファに格納すれば、特図表示結果を「大当り」や「小当り」や「ハズレ」のいずれとするかの事前決定結果とともに、特図表示結果を「大当り」とする場合における大当り種別の決定結果を、記憶させることができる。ステップS153の処理を実行した後には、ステップS151の処理に戻る。
【0286】
ステップS154にて受信コマンドが可変表示結果通知コマンドではない場合には(ステップS154;No)、その受信コマンドは第1始動口入賞指定コマンドであるか否かを判定する(ステップS156)。また、受信コマンドが第1始動口入賞指定コマンドではない場合には(ステップS156;No)、その受信コマンドは第2始動口入賞指定コマンドであるか否かを判定する(ステップS157)。ステップS156にて第1始動口入賞指定コマンドであるときや(ステップS156;Yes)、ステップS157にて第2始動口入賞指定コマンドであるときには(ステップS157;Yes)、所定の始動入賞時演出処理を実行してから(ステップS158)、ステップS151の処理に戻る。
【0287】
ステップS157にて第2始動口入賞指定コマンドではない場合には(ステップS157;No)、その他の受信コマンドに応じた設定を行ってから(ステップS159)、ステップS151の処理に戻る。
【0288】
図28は、
図27のステップS158にて実行される始動入賞時演出処理の一例を示すフローチャートである。
図28に示す始動入賞時演出処理において、演出制御用CPU120は、まず、飾り図柄の可変表示を実行中であるか否かを判定する(ステップS501)。このときには、例えば演出制御フラグ設定部191に設けられた演出プロセスフラグの値が“2”である場合に、飾り図柄の可変表示を実行中であると判定すればよい。演出プロセスフラグの値が“2”であるときには、ステップS75の演出制御プロセス処理において、可変表示中演出処理(
図30のステップS172を参照)が実行され、飾り図柄の可変表示を実行中における演出制御が行われる。
【0289】
ステップS501にて飾り図柄の可変表示を実行中と判定された場合には(ステップS501;Yes)、変動中入賞時予告演出となる予告演出を実行するための設定などが行われる。この場合には、まず、変動中入賞時予告演出となる予告演出が既に実行中であるか否かを判定する(ステップS502)。そして、実行中ではないときに(ステップS502;No)、所定の予告演出実行可能期間の期間内であるか否かを判定する(ステップS503)。
【0290】
ステップS503における処理の一例として、演出制御用CPU120は、変動パターンバッファの記憶データなどから実行中の可変表示における飾り図柄の変動パターンと、演出制御プロセスタイマの格納値(演出制御プロセスタイマ値)とを特定する。この場合、変動パターンバッファには、例えば変動パターン指定コマンドのEXTデータといった、変動パターンを特定可能に示すデータが、少なくとも飾り図柄の可変表示において可変表示結果となる最終停止図柄(確定飾り図柄)が導出表示されて可変表示が終了するまで、保持されるように記憶しておけばよい。なお、変動パターン指定コマンドを受信したときにのみ変動パターンバッファの記憶データを更新して、変動パターンバッファの記憶データを読み出しても記憶内容が変更されないようにすれば、飾り図柄の可変表示を実行中であるときには、その可変表示における変動パターンを特定可能な記憶データが変動パターンバッファに保持されることになる。その後、演出制御用CPU120は、例えばROM121の所定領域に予め格納された予告演出実行可能判定テーブルを参照することにより、変動パターンや演出制御プロセスタイマ値に基づいて、予告演出実行可能期間の期間内であるか否かを判定できればよい。
【0291】
予告演出実行可能判定テーブルでは、変動パターンごとに、予告演出実行可能期間の期間内となる演出制御プロセスタイマ値の範囲(例えば最大値と最小値など)が、対応付けられて記憶されていればよい。演出制御プロセスタイマ値は、飾り図柄の可変表示が開始されるときに、例えば変動パターンに対応したタイマ初期値に設定され、飾り図柄の可変表示が開始された後には、タイマ割込みが発生するごとに更新(例えば1減算または1加算)される。したがって、演出制御プロセスタイマ値からは、飾り図柄の可変表示を開始してからの経過時間、あるいは、飾り図柄の可変表示において可変表示結果となる最終停止図柄(確定飾り図柄)が導出表示されるまでの残り時間を、特定することができる。こうして、ステップS503の処理では、変動パターンごとに、可変表示開始からの経過時間、あるいは、可変表示終了までの残り時間に基づいて、予告演出実行可能期間の期間内であるか否かを判定できればよい。
【0292】
ステップS503における処理の他の一例として、演出制御用CPU120は、実行中の可変表示における飾り図柄の変動パターンなどに基づいて、リーチの有無や再抽選演出の有無を特定する。そして、リーチがあり再抽選演出がない場合には、可変表示結果となる最終停止図柄(確定飾り図柄)が導出表示されるより前であれば、予告演出実行可能期間の期間内であると判定すればよい。これに対して、リーチと再抽選演出の両方がある場合には、可変表示終了までの残り時間に基づいて、未だ再抽選演出が実行されておらず、大当り組合せを構成する飾り図柄が「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rの全部にて停止表示(仮停止表示)されるより前であれば、予告演出実行可能期間の期間内であると判定すればよい。
【0293】
リーチがあり再抽選演出がない場合には、飾り図柄の可変表示において、例えば「中」の飾り図柄表示エリア5Cにて確定飾り図柄が導出表示されるまで、可変表示結果が「大当り」となるか否かを遊技者が認識できないように演出が行われる。そこで、この場合には、可変表示結果が導出表示されて可変表示が終了するまで、変動中入賞時予告演出となる予告演出を実行可能とする。これに対して、リーチと再抽選演出の両方がある場合には、再抽選演出が実行される以前に、大当り組合せの飾り図柄が停止表示された時点で、可変表示結果が「大当り」となることを遊技者が認識できてしまう。そこで、この場合には、可変表示終了までの残り時間から、未だ大当り組合せの飾り図柄が停止表示されていない状態を特定して、変動中入賞時予告演出となる予告演出を実行可能にすればよい。
【0294】
なお、リーチと再抽選演出の両方がない場合には、可変表示開始からの経過時間に基づいて、「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rにて飾り図柄が停止表示されるより前であれば、予告演出実行可能期間の期間内であると判定すればよい。あるいは、この場合には、予告演出実行可能期間となることがないようにしてもよい。可変表示結果が「ハズレ」で可変表示態様が「非リーチ」となる場合には、「左」の飾り図柄表示エリア5Lと「右」の飾り図柄表示エリア5Rとにおいて、互いに異なる飾り図柄が停止表示される。このときには、例えば
図3(B)に示すような2回開放チャンス目TC1〜TC4のいずれかを構成する飾り図柄とならない限り、可変表示結果が「大当り」にはならないことを遊技者が認識できてしまう。そのため、これ以降の期間で変動中入賞時予告演出となる予告演出を実行しても、今回の可変表示結果が「大当り」となる期待感を高めることができなくなる。そこで、「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rにて飾り図柄が停止表示されていない状態を特定して、変動中入賞時予告演出となる予告演出を実行可能にすればよい。また、「滑り」や「擬似連」といった可変表示演出が実行される場合には、こうした可変表示演出の実行を考慮した経過時間に基づいて、予告演出実行可能期間の判定が行われればよい。
【0295】
ステップS503における処理のさらに他の一例として、演出制御用CPU120は、実行中の可変表示における飾り図柄の変動パターンにかかわらず、可変表示終了までの残り時間が所定時間以上であれば、予告演出実行可能期間の期間内であると判定すればよい。より具体的には、可変表示終了までの残り時間が10000ms(ミリ秒)以上であれば、変動パターンにかかわらず予告演出実行可能期間の期間内であると判定する。
図6に示すように、各変動パターンに対応した特図変動時間は、可変表示結果が「ハズレ」で可変表示態様が「非リーチ」となる場合に比べて、可変表示結果が「ハズレ」で可変表示態様が「リーチ」となる場合や、可変表示結果が「大当り」または「小当り」となる場合に、長い時間となりやすい。飾り図柄の可変表示時間には、特図変動時間と同一時間または近似する時間が設定される。したがって、可変表示結果が「大当り」となる可能性(信頼度)が高い変動パターンによる可変表示の実行中には、その信頼度が低い変動パターンによる可変表示の実行中に比べて、予告演出実行可能期間の期間内であると判定される可能性が高まり、変動中入賞時予告演出となる予告演出が実行されやすくなる。
【0296】
ステップS503にて予告演出実行可能期間の期間内であると判定された場合には(ステップS503;Yes)、例えば変動パターンバッファや可変表示結果バッファの記憶データを読み取ることなどにより、変動開始時決定内容となる変動パターンや特図表示結果等を特定する(ステップS504)。また、例えば第1始動口入賞指定コマンドや第2始動口入賞指定コマンドのEXTデータを読み取ることなどにより、始動入賞時通知内容を特定する(ステップS505)。始動入賞時通知内容は、例えば
図4(C)に示すような第1始動口入賞指定コマンドや第2始動口入賞指定コマンドにより通知される「大当り以外」、「非確変」、「確変」、「突確」などの判定結果(始動入賞時判定結果)であればよい。
【0297】
その後、ステップS504、S505にて特定された変動開始時決定内容や始動入賞時通知内容に基づいて、変動中入賞時予告演出となる予告演出を実行するか否かを決定する(ステップS506)。このときには、例えば
図29(A)に示すように、変動開始時決定内容や始動入賞時通知内容に応じた決定割合で、予告演出を実行するか否かが決定されればよい。
【0298】
ステップS506における処理の一例として、演出制御用CPU120は、乱数回路124や演出制御カウンタ設定部193に設けられたランダムカウンタ等により更新される予告実行決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121などに予め記憶された所定の予告実行決定テーブルを参照することなどにより、変動中入賞時予告演出となる予告演出を実行するか否かを決定すればよい。
【0299】
予告実行決定テーブルでは、特図表示結果や可変表示態様(「大当り」の場合には大当り種別)などを示す変動開始時決定内容と、「大当り以外」や「非確変」や「確変」や「突確」などを示す始動入賞時通知内容とに応じて、予告実行決定用の乱数値と比較される数値(決定値)が、予告演出を実行するか否かの決定結果に対して割り当てられていればよい。そして、予告実行決定用の乱数値と合致する決定値が「予告なし」と「予告あり」のいずれに割り当てられているかに対応して、予告演出の有無を決定できればよい。
【0300】
図29(A)に示す決定割合の設定例では、実行中の可変表示における表示結果などを示す変動開始時決定内容と、始動入賞時に抽出された乱数値(例えば特図表示結果決定用の乱数値MR1など)に基づいて特図表示結果が「大当り」に決定されるか否かを判定した結果などを示す始動入賞時通知内容との組合せに応じて、変動中入賞時予告演出となる予告演出を実行するか否かの決定割合が異なっている。
【0301】
変動中入賞時予告演出の有無を決定する割合の具体的な設定の第1例として、変動開始時決定内容が「非リーチ(ハズレ)」である場合には、100%の割合で「予告なし」に決定される一方で、変動開始時決定内容が「非リーチ(ハズレ)」以外である場合には、所定割合で「予告あり」に決定されることがある。
図6に示すように、可変表示結果が「ハズレ」で可変表示態様が「非リーチ」である場合に対応した変動パターンでは、その他の変動パターンに比べて、特図変動時間が短くなるものが多い。したがって、可変表示時間が比較的に長い変動パターンによる可変表示の実行中に始動入賞が発生した場合には、可変表示時間が比較的に短い変動パターンによる可変表示の実行中に始動入賞が発生した場合に比べて、高い割合で変動中入賞時予告演出となる予告演出が実行されることになる。変動開始時決定内容が「ノーマルリーチ(ハズレ)」である場合と、変動開始時決定内容が「スーパーリーチ(ハズレ)」や「非確変(大当り)」や「確変(大当り)」のいずれかである場合とを比べても、同様のことがいえる。
【0302】
また、変動開始時決定内容が同一であれば、始動入賞時通知内容が「大当り以外」であるときに比べて、始動入賞時通知内容が「非確変」や「確変」や「突確」のいずれかであるとき、すなわち、始動入賞時通知内容が「大当り」であるときには、高い割合で変動中入賞時予告演出となる予告演出が実行されることになる。さらに、可変表示時間が比較的に長い変動パターンによる可変表示の実行中に始動入賞が発生して特図表示結果が「大当り」に決定されると判定された場合には、可変表示時間が比較的に短い変動パターンによる可変表示の実行中に始動入賞が発生して特図表示結果が「大当り」に決定されると判定された場合に比べて、高い割合で変動中入賞時予告演出となる予告演出が実行されることになる。
【0303】
例えば、変動開始時決定内容が「ノーマルリーチ(ハズレ)」である場合には、始動入賞時通知内容が「非確変」ならば1.4%の割合で「確変」ならば1.8%の割合で「突確」ならば0.6%の割合で、「予告あり」に決定されて変動中入賞時予告演出が実行される。その一方で、変動開始時決定内容が「スーパーリーチ(ハズレ)」である場合には、始動入賞時通知内容が「非確変」ならば3.5%の割合で「確変」ならば4.5%の割合で「突確」ならば1.5%の割合で、「予告あり」に決定されて変動中入賞時予告演出が実行される。このように、変動開始時決定内容が「スーパーリーチ(ハズレ)」に基づく可変表示の実行中に始動入賞が発生して特図表示結果が「大当り」に決定されると判定された場合に変動中入賞時予告演出を実行する旨の決定がなされる平均的な割合は、変動開始時決定内容が「ノーマルリーチ(ハズレ)」に基づく可変表示の実行中に始動入賞が発生して特図表示結果が「大当り」に決定されると判定された場合に変動中入賞時予告演出を実行する旨の決定がなされる平均的な割合に比べて、高いものとなる。
【0304】
この実施の形態では、特図表示結果が「大当り」で大当り種別が「非確変」または「確変」に決定された場合に、スーパーリーチを伴う変動パターンが使用パターンに決定される(
図6、
図10(A)及び
図11を参照)。そして、
図29(A)に示す決定割合の設定例によれば、スーパーリーチを伴う変動パターンによる可変表示の実行中に始動入賞が発生して特図表示結果が「大当り」に決定されると判定された場合に変動中入賞時予告演出を実行する旨の決定がなされる平均的な割合は、ノーマルリーチを伴う変動パターンによる可変表示の実行中に始動入賞が発生して特図表示結果が「大当り」に決定されると判定された場合に変動中入賞時予告演出を実行する旨の決定がなされる平均的な割合に比べて、高いものとなる。
【0305】
変動中入賞時予告演出の有無を決定する割合の具体的な設定の第2例として、変動開始時決定内容が同一であれば、始動入賞時通知内容が「突確」である場合には、始動入賞時通知内容が「非確変」や「確変」である場合に比べて、低い割合で変動中入賞時予告演出となる予告演出が実行される。例えば、変動開始時決定内容が「非確変(大当り)」である場合には、始動入賞時通知内容が「突確」ならば15%の割合で「予告あり」に決定されるのに対して、始動入賞時通知内容が「非確変」ならば35%の割合で「確変」ならば45%の割合で「予告あり」に決定される。このように、飾り図柄の可変表示を実行中に始動入賞が発生して特図表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」に決定されると判定され、大当り遊技状態として2R大当り状態に制御されると判定された場合に変動中入賞時予告演出を実行する旨の決定がなされる平均的な割合は、飾り図柄の可変表示を実行中に始動入賞が発生して特図表示結果が「大当り」で大当り種別が「非確変」または「確変」に決定されると判定され、大当り遊技状態として15R大当り状態に制御されると判定された場合に変動中入賞時予告演出を実行する旨の決定がなされる平均的な割合に比べて、低いものとなる。
【0306】
変動中入賞時予告演出の有無を決定する割合の具体的な設定の第3例として、変動開始時決定内容が同一であれば、始動入賞時通知内容が「非確変」である場合には、始動入賞時通知内容が「確変」である場合に比べて、低い割合で変動中入賞時予告演出となる予告演出が実行される。例えば、変動開始時決定内容が「確変(大当り)」である場合には、始動入賞時通知内容が「非確変」ならば70%の割合で「予告あり」に決定されるのに対して、始動入賞時通知内容が「確変」ならば90%の割合で「予告あり」に決定される。このように、飾り図柄の可変表示を実行中に始動入賞が発生して特図表示結果が「大当り」で大当り種別が「非確変」に決定されると判定され、確変状態に移行しない大当り遊技状態に制御されると判定された場合に変動中入賞時予告演出を実行する旨の決定がなされる平均的な割合は、飾り図柄の可変表示を実行中に始動入賞が発生して特図表示結果が「大当り」で大当り種別が「確変」に決定されると判定され、確変状態に移行する大当り遊技状態に制御されると判定された場合に変動中入賞時予告演出を実行する旨の決定がなされる平均的な割合に比べて、低いものとなる。特に、変動開始時決定内容が「確変(大当り)」であり大当り遊技状態の終了後に確変状態とする旨の決定に基づく飾り図柄の可変表示を実行中に始動入賞が発生して、特図表示結果が「大当り」で大当り種別が「非確変」に決定されると判定され、大当り遊技状態の終了後には確変状態に制御されないと判定された場合に変動中入賞時予告演出を実行する旨の決定がなされる割合は、特図表示結果が「大当り」で大当り種別が「確変」に決定されると判定され、大当り遊技状態の終了後には確変状態に制御されると判定された場合に変動中入賞時予告演出を実行する旨の決定がなされる割合に比べて、低いものとなる。
【0307】
図29(A)に示す決定割合の設定例では、変動開始時決定内容が「非リーチ(ハズレ)」である場合以外は、変動中入賞時予告演出となる予告演出を実行することができる。これに対して、変動開始時決定内容と始動入賞時通知内容とが、ともに特図表示結果を「大当り」とする内容を含む場合にのみ、変動中入賞時予告演出となる予告演出を実行することができるようにしてもよい。すなわち、変動開始時決定内容が「ノーマルリーチ(ハズレ)」または「スーパーリーチ(ハズレ)」の場合や、始動入賞時通知内容が「大当り以外」の場合にも、100%の割合で「予告なし」に決定されるようにしてもよい。
【0308】
なお、例えばスーパーリーチを伴う変動パターンといった、可変表示時間が比較的に長い変動パターンによる可変表示の実行中に始動入賞が発生した場合には、100%の割合で「予告あり」に決定されるようにしてもよい。また、飾り図柄の可変表示を実行中に始動入賞が発生して特図表示結果が「大当り」で大当り種別が「非確変」または「確変」に決定されると判定された場合のように、可変表示の実行中における始動入賞時に15R大当り状態に制御されると判定された場合には、100%の割合で「予告あり」に決定されるようにしてもよい。
【0309】
例えばノーマルリーチを伴う変動パターンといった、可変表示時間が比較的に短い変動パターンによる可変表示の実行中に始動入賞が発生した場合には、100%の割合で「予告なし」に決定されるようにしてもよい。また、飾り図柄の可変表示を実行中に始動入賞が発生して特図表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」に決定されると判定された場合のように、可変表示の実行中における始動入賞時に2R大当り状態に制御されると判定された場合には、100%の割合で「予告なし」に決定されるようにしてもよい。
【0310】
さらに、例えば大当り遊技状態の終了後に確変状態とする旨の決定に基づく飾り図柄の可変表示を実行中に始動入賞が発生して、特図表示結果が「大当り」で大当り種別が「確変」に決定されると判定された場合のように、さらに大当り遊技状態の終了後には確変状態に制御されることを示す保留データが記憶されていると判定された場合には、100%の割合で「予告あり」に決定されるようにしてもよい。また、例えば大当り遊技状態の終了後に確変状態とする旨の決定に基づく飾り図柄の可変表示を実行中に始動入賞が発生して、特図表示結果が「大当り」で大当り種別が「非確変」に決定されると判定された場合のように、大当り遊技状態の終了後には確変状態に制御されないことを示す保留データが記憶されていると判定された場合には、100%の割合で「予告なし」に決定されるようにしてもよい。
【0311】
図29(A)に示す決定割合の設定例では、変動開始時決定内容として、特図表示結果が「ハズレ」となる場合の可変表示態様が「非リーチ」または「リーチ」のいずれであるかに基づいて、「予告なし」または「予告あり」の決定割合を定めている。これに対して、始動入賞が発生したときに実行中となっている可変表示において表示結果となる最終停止図柄(確定飾り図柄)が導出表示されるまでの残り時間に応じて、「予告なし」または「予告あり」の決定割合を異ならせてもよい。この場合には、実行中の可変表示における残り時間が長い場合には、その残り時間が短い場合に比べて、高い割合で「予告あり」に決定されるようにすればよい。さらに、実行中の可変表示における残り時間が比較的に長いときに始動入賞が発生して特図表示結果が「大当り」に決定されると判定された場合には、残り時間が比較的に短いときに始動入賞が発生して特図表示結果が「大当り」に決定されると判定された場合に比べて、高い割合で「予告あり」に決定されるようにしてもよい。
【0312】
可変表示時間が比較的に長い場合には、可変表示時間が比較的に短い場合に比べて、特図表示結果が「大当り」となる可能性が高くなるようにしてもよい。例えば、特図表示結果が「ハズレ」の場合に用いられる変動パターンは、特図変動時間が比較的に短いものが使用パターンに決定される割合が高く、特図表示結果が「大当り」の場合に用いられる変動パターンは、特図変動時間が比較的に長いものが使用パターンに決定される割合が高くなるように、変動パターン種別決定テーブルや変動パターン決定テーブルにおけるテーブルデータを設定しておく。このように設定しておけば、実行中の可変表示における残り時間が長い場合には、その残り時間が短い場合に比べて、高い割合で「予告あり」に決定されることにより、特図表示結果が「大当り」となる可能性が高い可変表示の実行中に始動入賞が発生した場合には、特図表示結果が「大当り」となる可能性が低い可変表示の実行中に始動入賞が発生した場合に比べて、高い割合で変動中入賞時予告演出を実行することができる。
【0313】
また、可変表示時間が比較的に長い場合には、可変表示時間が比較的に短い場合に比べて、特図表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」となる可能性に対する大当り種別が「非確変」または「確変」となる可能性の比率が高くなるようにしてもよい。例えば、特図表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」の場合に用いられる変動パターンは、特図変動時間が比較的に短いものが使用パターンに決定される割合が高く、特図表示結果が「大当り」で大当り種別が「非確変」または「確変」の場合に用いられる変動パターンは、特図変動時間が比較的に長いものが使用パターンに決定される割合が高くなるように設定しておく。このように設定しておけば、実行中の可変表示における残り時間が長い場合には、その残り時間が短い場合に比べて、高い割合で「予告あり」に決定されることにより、大当り種別が「非確変」または「確変」となる可能性が高い可変表示の実行中に始動入賞が発生した場合には、大当り種別が「突確」となる可能性が高い可変表示の実行中に始動入賞が発生した場合に比べて、高い割合で変動中入賞時予告演出を実行することができる。
【0314】
実行中の可変表示において表示結果となる最終停止図柄(確定飾り図柄)が導出表示されて可変表示が終了するまでの「残り時間」に代えて、実行中の可変表示が開始されてからの「経過時間」を用いて、変動中入賞時予告演出の決定割合を異ならせた場合にも、同様の機能を実現することができる。
【0315】
ステップS506における決定に続いて、その決定結果が予告演出を実行する「予告あり」か否かを判定する(ステップS507)。予告ありの場合には(ステップS507;Yes)、さらに変動開始時決定内容や始動入賞時通知内容に基づいて、変動中入賞時予告演出となる予告演出におえる演出態様に対応した予告パターンを決定する(ステップS508)。このときには、例えば
図29(B)に示すように、変動開始時決定内容や始動入賞時通知内容に応じた決定割合で、予告パターンが決定されればよい。
【0316】
ステップS508における処理の一例として、演出制御用CPU120は、乱数回路124や演出制御カウンタ設定部193に設けられたランダムカウンタ等により更新される予告パターン決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121などに予め記憶された所定の予告パターン決定テーブルを参照することなどにより、変動中入賞時予告演出の予告パターンを決定できればよい。
【0317】
予告パターン決定テーブルでは、特図表示結果や可変表示態様(「大当り」の場合には大当り種別)などを示す変動開始時決定内容と、「大当り以外」や「非確変」や「確変」や「突確」などを示す始動入賞時通知内容とに応じて、予告パターン決定用の乱数値と比較される数値(決定値)が、例えば予告Aや予告Bや予告A+予告Bといった複数の予告パターンに対して割り当てられていればよい。そして、予告パターン決定用の乱数値と合致する決定値がいずれの予告パターンに割り当てられているかに対応して、予告パターンを決定できればよい。
【0318】
ここで、予告Aの予告パターンでは、例えば飾り図柄の表示色が通常時の単一色から花柄に変化するといったように、飾り図柄の表示態様(
図29(B)では「図柄表示」)を通常時からは変化させる。また、予告Bの予告パターンでは、例えば始動入賞記憶表示エリア5Hにおける表示部位の形状が通常時の丸形から花形に変化するといったように、保留記憶表示の表示態様(
図29(B)では「保留表示」)を通常時からは変化させる。このとき表示態様を変化させる保留記憶表示は、変動中入賞時予告演出を実行する旨の決定に対応した表示部位であればよい。あるいは、始動入賞記憶表示エリア5Hにて有効(例えば青色表示または赤色表示)となっている表示部位の全部について、表示態様を変化させてもよい。予告A+予告Bの予告パターンでは、予告Aと予告Bとを組み合わせて、飾り図柄の表示態様を変化させるとともに、保留記憶表示の表示態様を変化させる(
図29(B)では「図柄+保留」)。
【0319】
図29(B)に示す決定割合の設定例では、実行中の可変表示における表示結果などを示す変動開始時決定内容と、始動入賞時に抽出された乱数値(例えば特図表示結果決定用の乱数値MR1など)に基づいて特図表示結果が「大当り」に決定されるか否かを判定した結果などを示す始動入賞時通知内容との組合せに応じて、変動中入賞時予告演出を実行するために複数用意された予告パターンの決定割合が異なっている。
【0320】
変動中入賞時予告演出の予告パターンを決定する割合の具体的な設定の第1例として、始動入賞時通知内容が同一であれば、変動開始時決定内容が「ノーマルリーチ(ハズレ)」である場合には、変動開始時決定内容が「ノーマルリーチ(ハズレ)」以外である場合に比べて、低い割合で予告A+予告Bの予告パターンに決定される。
図6に示すように、ノーマルリーチを伴う変動パターンでは、スーパーリーチを伴う変動パターンに比べて、特図変動時間が短くなるものが多い。したがって、可変表示時間が比較的に長い変動パターンによる可変表示の実行中に始動入賞が発生した場合には、可変表示時間が比較的に短い変動パターンによる可変表示の実行中に始動入賞が発生した場合に比べて、高い割合で特定の予告パターンに決定されて特定の演出態様で変動中入賞時予告演出が実行されることになる。
【0321】
また、変動開始時決定内容が同一であれば、始動入賞時通知内容が「大当り以外」であるときに比べて、始動入賞時通知内容が「非確変」や「確変」や「突確」のいずれかであるとき、すなわち、始動入賞時通知内容が「大当り」であるときには、高い割合で予告Bまたは予告A+予告Bの予告パターンに決定される。さらに、可変表示時間が比較的に長い変動パターンによる可変表示の実行中に始動入賞が発生して特図表示結果が「大当り」に決定されると判定された場合には、可変表示時間が比較的に短い変動パターンによる可変表示の実行中に始動入賞が発生して特図表示結果が「大当り」に決定されると判定された場合に比べて、高い割合で予告Bまたは予告A+予告Bの予告パターンに決定されることになる。
【0322】
例えば、変動開始時決定内容が「ノーマルリーチ(ハズレ)」である場合には、始動入賞時通知内容が「非確変」ならば3%の割合で「確変」ならば4%の割合で「突確」ならば2%の割合で、予告A+予告Bの予告パターンに決定される。その一方で、変動開始時決定内容が「スーパーリーチ(ハズレ)」である場合には、始動入賞時通知内容が「非確変」ならば7%の割合で「確変」ならば8%の割合で「突確」ならば6%の割合で、予告A+予告Bの予告パターンに決定される。このように、変動開始時決定内容が「スーパーリーチ(ハズレ)」に基づく可変表示の実行中に始動入賞が発生して特図表示結果が「大当り」に決定されると判定された場合に予告A+予告Bの予告パターンといった特定の(例えば信頼度が高い)予告パターンに決定される平均的な割合は、変動開始時決定内容が「ノーマルリーチ(ハズレ)」に基づく可変表示の実行中に始動入賞が発生して特図表示結果が「大当り」に決定されると判定された場合に特定の予告パターンに決定される平均的な割合に比べて、高いものとなる。
【0323】
この実施の形態では、特図表示結果が「大当り」で大当り種別が「非確変」または「確変」に決定された場合に、スーパーリーチを伴う変動パターンが使用パターンに決定される(
図6、
図10(A)及び
図11を参照)。そして、
図29(A)に示す決定割合の設定例によれば、スーパーリーチを伴う変動パターンによる可変表示の実行中に始動入賞が発生して特図表示結果が「大当り」に決定されると判定された場合に変動中入賞時予告演出を実行する旨の決定がなされる平均的な割合は、ノーマルリーチを伴う変動パターンによる可変表示の実行中に始動入賞が発生して特図表示結果が「大当り」に決定されると判定された場合に変動中入賞時予告演出を実行する旨の決定がなされる平均的な割合に比べて、高いものとなる。
【0324】
変動中入賞時予告演出の予告パターンを決定する割合の具体的な設定の第2例として、変動開始時決定内容が同一であれば、始動入賞時通知内容が「突確」である場合には、始動入賞時通知内容が「非確変」や「確変」である場合に比べて、低い割合で予告A+予告Bの予告パターンに決定される。例えば、変動開始時決定内容が「非確変(大当り)」である場合には、始動入賞時通知内容が「突確」ならば18%の割合で予告A+予告Bの予告パターンに決定されるのに対して、始動入賞時通知内容が「非確変」ならば35%の割合で「確変」ならば45%の割合で予告A+予告Bの予告パターンに決定される。このように、飾り図柄の可変表示を実行中に始動入賞が発生して特図表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」に決定されると判定され、大当り遊技状態として2R大当り状態に制御されると判定された場合に特定の(例えば信頼度が高い)予告パターンに決定される平均的な割合は、飾り図柄の可変表示を実行中に始動入賞が発生して特図表示結果が「大当り」で大当り種別が「非確変」または「確変」に決定されると判定され、大当り遊技状態として15R大当り状態に制御されると判定された場合に特定の予告パターンに決定される平均的な割合に比べて、低いものとなる。
【0325】
変動中入賞時予告演出の予告パターンを決定する割合の具体的な設定の第3例として、変動開始時決定内容が同一であれば、始動入賞時通知内容が「非確変」である場合には、始動入賞時通知内容が「確変」である場合に比べて、低い割合で予告A+予告Bの予告パターンに決定される。例えば、変動開始時決定内容が「確変(大当り)」である場合には、始動入賞時通知内容が「非確変」ならば70%の割合で予告A+予告Bの予告パターンに決定されるのに対して、始動入賞時通知内容が「確変」ならば90%の割合で予告A+予告Bの予告パターンに決定される。このように、飾り図柄の可変表示を実行中に始動入賞が発生して特図表示結果が「大当り」で大当り種別が「非確変」に決定されると判定され、確変状態には移行しない大当り遊技状態に制御されると判定された場合に特定の(例えば信頼度が高い)予告パターンに決定される平均的な割合は、飾り図柄の可変表示を実行中に始動入賞が発生して特図表示結果が「大当り」で大当り種別が「確変」に決定されると判定され、確変状態に移行する大当り遊技状態に制御されると判定された場合に特定の予告パターンに決定される平均的な割合に比べて、低いものとなる。特に、変動開始時決定内容が「確変(大当り)」であり大当り遊技状態の終了後に確変状態とする旨の決定に基づく飾り図柄の可変表示を実行中に始動入賞が発生して、特図表示結果が「大当り」で大当り種別が「非確変」に決定されると判定され、大当り遊技状態の終了後には確変状態に制御されないと判定された場合に特定の予告パターンに決定される割合は、特図表示結果が「大当り」で大当り種別が「確変」に決定されると判定され、大当り遊技状態の終了後には確変状態に制御されると判定された場合に特定の予告パターンに決定される割合に比べて、低いものとなる。
【0326】
図29(B)に示す決定割合の設定例では、変動開始時決定内容が「スーパーリーチ(ハズレ)」である場合や、始動入賞時通知内容が「大当り以外」である場合でも、予告A+予告Bの予告パターンといった特定の予告パターンに決定することができる。これに対して、変動開始時決定内容と始動入賞時通知内容とが、ともに特図表示結果を「大当り」とする内容を含む場合にのみ、特定の予告パターンに決定することができるようにしてもよい。すなわち、変動開始時決定内容が「スーパーリーチ(ハズレ)」である場合や、始動入賞時通知内容が「大当り以外」である場合には、予告A+予告Bの予告パターンに決定する割合が0%となるようにしてもよい。
【0327】
また、変動開始時決定内容と始動入賞時通知内容とが、ともに特図表示結果を「大当り」とする内容を含む場合には、予告A+予告Bの予告パターンに決定され、変動開始時決定内容のみが特定表示結果を「大当り」とする内容を含む場合には、予告Aの予告パターンに決定され、始動入賞時通知内容のみが特定表示結果を「大当り」とする内容を含む場合には、予告Bの予告パターンに決定され、変動開始時決定内容と始動入賞時通知内容とが、ともに特図表示結果を「大当り」とする内容を含まない場合には、変動中入賞時予告演出が実行されないようにしてもよい。
【0328】
なお、例えばスーパーリーチを伴う変動パターンといった、可変表示時間が比較的に長い変動パターンによる可変表示の実行中に始動入賞が発生した場合には、100%の割合で予告A+予告Bの予告パターンといった特定の予告パターンに決定されるようにしてもよい。また、飾り図柄の可変表示を実行中に始動入賞が発生して特図表示結果が「大当り」で大当り種別が「非確変」または「確変」に決定されると判定された場合のように、可変表示の実行中における始動入賞時に15R大当り状態に制御されると判定された場合には、100%の割合で予告A+予告Bの予告パターンといった特定の予告パターンに決定されるようにしてもよい。
【0329】
例えばノーマルリーチを伴う変動パターンといった、可変表示時間が比較的に短い変動パターンによる可変表示の実行中に始動入賞が発生した場合には、予告A+予告Bの予告パターンといった特定の予告パターンに決定する割合が0%となるようにしてもよい。また、飾り図柄の可変表示を実行中に始動入賞が発生して特図表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」に決定されると判定された場合のように、可変表示の実行中における始動入賞時に2R大当り状態に制御されると判定された場合には、予告A+予告Bの予告パターンといった特定の予告パターンに決定する割合が0%となるようにしてもよい。
【0330】
さらに、例えば大当り遊技状態の終了後に確変状態とする旨の決定に基づく飾り図柄の可変表示を実行中に始動入賞が発生して、特図表示結果が「大当り」で大当り種別が「確変」に決定されると判定された場合のように、さらに大当り遊技状態の終了後に確変状態に制御されることを示す保留データが記憶されていると判定された場合には、100%の割合で予告A+予告Bの予告パターンといった特定の予告パターンに決定されるようにしてもよい。また、例えば大当り遊技状態の終了後に確変状態とする旨の決定に基づく飾り図柄の可変表示を実行中に始動入賞が発生して、特図表示結果が「大当り」で大当り種別が「非確変」に決定されると判定された場合のように、大当り遊技状態の終了後には確変状態に制御されないことを示す保留データが記憶されていると判定された場合には、予告A+予告Bの予告パターンといった特定の予告パターンに決定する割合が0%となるようにしてもよい。
【0331】
図29(B)に示す決定割合の設定例では、変動開始時決定内容として、特図表示結果が「ハズレ」となる場合の可変表示態様が「非リーチ」または「リーチ」のいずれであるかに基づいて、複数の予告パターンに対応した決定割合を定めている。これに対して、始動入賞が発生したときに実行中となっている可変表示において表示結果となる最終停止図柄(確定飾り図柄)が導出表示されるまでの残り時間に応じて、複数の予告パターンに対応した決定割合を異ならせてもよい。この場合には、実行中の可変表示における残り時間が長い場合には、その残り時間が短い場合に比べて、高い割合で特定の予告パターン(例えば予告A+予告Bの予告パターン)に決定されるようにすればよい。さらに、実行中の可変表示における残り時間が比較的に長いときに始動入賞が発生して特図表示結果が「大当り」に決定されると判定された場合には、残り時間が比較的に短いときに始動入賞が発生して特図表示結果が「大当り」に決定されると判定された場合に比べて、高い割合で特定の予告パターンに決定されるようにしてもよい。
【0332】
可変表示時間が比較的に長い場合には、可変表示時間が比較的に短い場合に比べて、特図表示結果が「大当り」となる可能性が高くなるようにしてもよい。例えば、特図表示結果が「ハズレ」の場合に用いられる変動パターンは、特図変動時間が比較的に短いものが使用パターンに決定される割合が高く、特図表示結果が「大当り」の場合に用いられる変動パターンは、特図変動時間が比較的に長いものが使用パターンに決定される割合が高くなるように、変動パターン種別決定テーブルや変動パターン決定テーブルにおけるテーブルデータを設定しておく。このように設定しておけば、実行中の可変表示における残り時間が長い場合には、その残り時間が短い場合に比べて、高い割合で予告A+予告Bの予告パターンに決定されることなどにより、特図表示結果が「大当り」となる可能性が高い可変表示の実行中に始動入賞が発生した場合には、特図表示結果が「大当り」となる可能性が低い可変表示の実行中に始動入賞が発生した場合に比べて、高い割合で特定の予告パターンに決定することができる。
【0333】
また、可変表示時間が比較的に長い場合には、可変表示時間が比較的に短い場合に比べて、特図表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」となる可能性に対する大当り種別が「非確変」または「確変」となる可能性の比率が高くなるようにしてもよい。例えば、特図表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」の場合に用いられる変動パターンは、特図変動時間が比較的に短いものが使用パターンに決定される割合が高く、特図表示結果が「大当り」で大当り種別が「非確変」または「確変」の場合に用いられる変動パターンは、特図変動時間が比較的に長いものが使用パターンに決定される割合が高くなるように設定しておく。このように設定しておけば、実行中の可変表示における残り時間が長い場合には、その残り時間が短い場合に比べて、高い割合で予告A+予告Bの予告パターンに決定されることなどにより、大当り種別が「非確変」または「確変」となる可能性が高い可変表示の実行中に始動入賞が発生した場合には、大当り種別が「突確」となる可能性が高い可変表示の実行中に始動入賞が発生した場合に比べて、高い割合で特定の予告パターンに決定することができる。
【0334】
実行中の可変表示において表示結果となる最終停止図柄(確定飾り図柄)が導出表示されて可変表示が終了するまでの「残り時間」に代えて、実行中の可変表示が開始されてからの「経過時間」を用いて、複数の予告パターンに対応した決定割合を異ならせた場合にも、同様の機能を実現することができる。
【0335】
ステップS508における決定が行われた後には、その決定結果に応じた予告パターンによる予告演出となる演出動作を開始するための設定を行う(ステップS509)。例えば、ステップS509の処理では、ステップS508にて決定された予告パターンに対応する演出制御パターンを選択し、使用パターンとしてセットする。その後、使用パターンとしてセットした演出制御パターンから読み出した演出制御実行データなどに基づいて、変動中入賞時予告演出となる予告演出における演出動作を開始させる制御を行うことができればよい。
【0336】
例えば、ステップS508にて予告Aの予告パターンまたは予告A+予告Bの予告パターンといった、予告Aを含む予告パターンに決定された場合には、画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて、飾り図柄の表示態様を通常時の表示態様から変化させる演出動作を開始する。より具体的には、通常時は単一色であった飾り図柄の表示色を、花柄に変化させる。また、ステップS508にて予告Bの予告パターンまたは予告A+予告Bの予告パターンといった、予告Bを含む予告パターンに決定された場合には、画像表示装置5における始動入賞記憶表示エリア5Hにて、保留記憶表示の表示態様を通常時の表示態様から変化させる演出動作を開始する。より具体的には、通常時は丸形であった保留記憶表示の形状を、花形に変化させる。
【0337】
なお、変動中入賞時予告演出となる予告演出における演出動作は、特図表示結果が「大当り」となる可能性などを遊技者が認識可能に報知する任意の動作であればよい。例えば、予告Aの予告パターンと予告Bの予告パターンとでは、画像表示装置5の表示領域に表示されるキャラクタ画像を異ならせ、予告A+予告Bの予告パターンでは、両方(2個)のキャラクタ画像が表示されるようにしてもよい。この場合、キャラクタ画像が飾り図柄の表示や保留記憶表示に作用して、これらの表示態様を変更するような演出動作が行われるようにしてもよい。
【0338】
その他にも、変動中入賞時予告演出となる予告演出における演出動作として、例えば予告Aの予告パターンでは、飾り図柄の可変表示中における変動速度を変更することや、仮停止表示における表示態様(例えば揺れ変動表示の方向や揺れ幅、揺れの速さなど)を変更すること、あるいは、これらの両方を組み合わせることなどにより、飾り図柄の表示態様を通常時の表示態様から変化させてもよい。また、例えば予告Bの予告パターンでは、保留記憶の表示部位を変動(例えば上下に揺れ変動など)させることにより、保留記憶表示の表示態様を通常時の表示態様から変化させてもよい。
【0339】
例えば予告A+予告Bの予告パターンにより飾り図柄と保留記憶表示について両方の表示態様を変化させるときには、各々の表示態様を同時に変化させてもよいし、いずれか一方を変化させてから他方を変化させるといったように、段階的に変化させてもよい。この場合、変動開始時決定内容や始動入賞時通知内容などに基づいて、表示態様を変化させる順序が決定されるようにしてもよい。一例として、変動開始時決定内容が「確変(大当り)」で始動入賞時通知内容が「確変」以外であるときに予告A+予告Bの予告パターンに決定された場合には、飾り図柄の表示態様を先に変化させてから、保留記憶表示の表示態様を後に変化させるようにしてもよい。他の一例として、変動開始時決定内容が「確変(大当り)」以外で始動入賞時通知内容が「確変」であるときに予告A+予告Bの予告パターンに決定された場合には、保留記憶表示の表示態様を先に変化させてから、飾り図柄の表示態様を後に変化させるようにしてもよい。このように、飾り図柄と保留記憶表示の表示態様を段階的に変化させる場合でも、予告パターンなどが始動入賞の発生に基づいて決定されることなどにより、これらの表示態様が変化するタイミングは、始動入賞が発生したタイミングよりも後になるようにすればよい。
【0340】
なお、予告Aの予告パターンによる変動中入賞時予告演出を実行可能とするか否かを、飾り図柄などの可変表示が開始されるときに決定しておき、その可変表示中に始動入賞が発生したことに基づいて、予告Aの予告パターンによる演出動作が行われるようにしてもよい。この場合でも、予告Bの予告パターンによる変動中入賞時予告演出を実行するか否かは、飾り図柄などの可変表示中に始動入賞が発生したときに決定されるようにすればよい。すなわち、予告Aの予告パターンによる変動中入賞時予告演出を実行するか否かの決定と、予告Bの予告パターンによる変動中入賞時予告演出を実行するか否かの決定とが、別個独立に行われて、双方の決定結果に基づく予告パターンによる演出動作を組み合わせることにより、変動中入賞時予告演出となる予告演出が実現されるようにしてもよい。
【0341】
変動中入賞時予告演出となる予告演出における演出動作として、飾り図柄などの可変表示中にスピーカ8L、8Rから出力される音声を変更することにより、演出態様を通常時からは変化させるようにしてもよい。一例として、予告Aの予告パターンでは第1音声態様の効果音を出力する一方、予告Bの予告パターンでは第2音声態様の効果音を出力し、予告A+予告Bの予告パターンでは第1音声態様の効果音と第2音声態様の効果音との両方を同時に、あるいは順次に、出力すればよい。
【0342】
ステップS501にて飾り図柄の可変表示を実行中ではない場合や(ステップS501;No)、ステップS502にて変動中入賞時予告演出となる予告演出を実行中である場合(ステップS502;Yes)、ステップS503にて予告演出実行可能期間の期間内ではない場合(ステップS503;No)、ステップS507にて「予告なし」と判定された場合(ステップS507;No)、あるいは、ステップS509の処理を実行した後には、第1始動口入賞指定コマンドや第2始動口入賞指定コマンドを受信したことに基づいて、始動入賞時における表示更新の設定を行う(ステップS510)。例えば、画像表示装置5の表示領域に設けられた始動入賞記憶表示エリア5Hで非表示となっている表示部位のうちの1つを、第1始動口入賞指定コマンドの受信に対応して青色表示に変化させ、第2始動口入賞指定コマンドの受信に対応して赤色表示に変化させればよい。
【0343】
なお、ステップS508にて予告Bを含む予告パターンに決定されたことに基づき、ステップS509にて保留記憶表示を通常時とは異なる表示態様に変化させる演出動作を開始させる設定が行われた場合には、ステップS510の処理を実行せずに、ステップS511の処理に進むようにしてもよい。
【0344】
ステップS510の処理に続いて、大当り遊技状態の終了後に確変状態となる場合に、確変報知を制限するための設定が行われる。ここではまず、飾り図柄の可変表示を実行中であるか否かを判定する(ステップS511)。このとき、可変表示の実行中ではない場合であれば(ステップS511;No)、確変報知を制限するための設定を行わないと判断して、始動入賞時演出処理を終了する。
【0345】
ステップS511にて飾り図柄の可変表示を実行中であると判定された場合には(ステップS511;Yes)、変動開始時決定内容が「確変」であるか否かを判定する(ステップS512)。例えば、ステップS512の処理では、可変表示結果バッファの記憶データにより特定される特図表示結果が「大当り」で大当り種別が「確変」であるか、これ以外の表示結果であるかが判定されればよい。
【0346】
ステップS512にて「確変」以外である場合には(ステップS512;No)、確変報知が行われないことから、確変報知を制限するための設定を行わないと判断して、始動入賞時演出処理を終了する。変動開始時決定内容が「確変」である場合には(ステップS512;Yes)、始動入賞時通知内容が「大当り」であるか否かを判定する(ステップS513)。例えば、ステップS513の処理では、第1始動口入賞指定コマンドまたは第2始動口入賞指定コマンドのEXTデータにより特定される通知内容が「非確変」や「確変」や「突確」であるか、「大当り以外」であるかが判定されればよい。
【0347】
ステップS513にて「大当り」以外である場合には(ステップS513;No)、確変報知を制限するための設定を行わないと判断して、始動入賞時演出処理を終了する。すなわち、実行中の可変表示における表示結果が「大当り」で大当り種別が「確変」となる場合であっても、保留データのうちに可変表示結果が「大当り」となるものが含まれていなければ、確変報知を制限せず、大当り遊技状態の終了後における遊技状態が確変状態となる旨の報知を行うことができるようにしておく。
【0348】
ステップS513にて「大当り」である場合には(ステップS513;Yes)、飾り図柄の可変表示における表示結果となる最終停止図柄(確定飾り図柄)が確変大当り組合せを構成する確変図柄であるか否かを判定する(ステップS514)。確定飾り図柄が確変図柄である場合には(ステップS514;Yes)、確定飾り図柄の差替えができる図柄差替可能期間の期間内であるか否かを判定する(ステップS515)。
【0349】
ステップS515における処理の一例として、演出制御用CPU120は、実行中の可変表示に対応した演出制御パターンなどに基づいて、再抽選演出の有無を特定する。そして、再抽選演出がある場合には、可変表示結果となる最終停止図柄(確定飾り図柄)が導出表示される前であれば、図柄差替可能期間の期間内であると判定すればよい。これに対して、再抽選演出がない場合には、可変表示開始からの経過時間などに基づいて、「左」の飾り図柄表示エリア5Lにて最初に飾り図柄が停止表示されるより前であれば、図柄差替可能期間の期間内であると判定すればよい。
【0350】
再抽選演出がある場合には、通常大当り組合せを構成する通常図柄が「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rの全部にて一旦揃って仮停止表示されてから、再抽選演出における再変動が行われる。そのため、再抽選演出の最後に確変大当り組合せの最終停止図柄(確定飾り図柄)が導出表示されるまで、大当り種別が「確変」となるか否かを遊技者が認識することはできない。そこで、この場合には、可変表示結果が導出表示されて可変表示が終了するまで、最終停止図柄(確定飾り図柄)となる飾り図柄の差替えを可能とする。これに対して、再抽選演出がない場合には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rの全部にて飾り図柄の変動が開始した後、「左」の飾り図柄表示エリア5Lにて最初に飾り図柄が停止表示されると、例えば「滑り」や「擬似連」といった可変表示演出が行われない限り、その飾り図柄がそのまま最終停止図柄(確定飾り図柄)となり、図柄の差替えが不可能になる。そこで、この場合には、「左」の飾り図柄表示エリア5Lにて飾り図柄が停止表示されていない状態を特定して、最終停止図柄(確定飾り図柄)となる飾り図柄の差替えを可能にすればよい。
【0351】
ステップS515にて図柄差替可能期間の期間内ではない場合には(ステップS515;No)、確変報知を制限するための設定を行わないと判断して、始動入賞時演出処理を終了する。ステップS514にて確定飾り図柄が確変図柄である場合や(ステップS514;No)、ステップS515にて図柄差替可能期間の期間内である場合には(ステップS515;Yes)、確変報知を実行しないように制限する確変報知制限の設定を行ってから(ステップS516)、始動入賞時演出処理を終了する。例えば、ステップS516の処理では、演出制御フラグ設定部191に設けられた確変報知制限フラグをオン状態にセットすることなどにより、確変報知制限の設定が行われるようにすればよい。
【0352】
図28に示す始動入賞時演出処理では、ステップS511の処理が実行されることにより、飾り図柄の可変表示を実行中である場合にのみ、確変報知を実行しないように制限する確変報知制限の設定が行われるようにしている。これに対して、例えば大当り遊技状態であるときのように、飾り図柄の可変表示が実行されていない所定期間の場合でも、確変報知制限の設定が行われるようにしてもよい。この場合には、例えば大当り種別が「確変」に決定されたことに基づく大当り遊技状態において、再抽選演出が実行されなかったことに基づいて、または、再抽選失敗演出が実行されたことに基づいて、非確変大当り組合せとなる最終停止図柄(確定飾り図柄)が導出表示された後に、確変昇格演出として確変状態となる旨を報知する確変昇格成功演出が実行されるより前であれば、確変報知制限が可能であるとして、ステップS516の処理が実行されるようにすればよい。
【0353】
図30は、演出制御プロセス処理として、
図26のステップS75にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。この演出制御プロセス処理において、演出制御用CPU120は、演出制御フラグ設定部191に設けられた演出プロセスフラグの値に応じて、以下のようなステップS170〜S177の処理のいずれかを選択して実行する。
【0354】
ステップS170の可変表示開始待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“0”のときに実行される処理である。この可変表示開始待ち処理は、主基板11からの第1変動開始コマンドあるいは第2変動開始コマンドなどを受信したか否かに基づき、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示を開始するか否かを判定する処理などを含んでいる。
【0355】
ステップS171の可変表示開始設定処理は、演出プロセスフラグの値が“1”のときに実行される処理である。この可変表示開始設定処理は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおいて特別図柄の可変表示が開始されることに対応して、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示や、その他の各種演出動作を行うために、特別図柄の変動パターンや表示結果の種類などに応じた確定飾り図柄や演出制御パターン(例えば特図変動時演出制御パターンなど)を決定する処理などを含んでいる。
【0356】
ステップS172の可変表示中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“2”のときに実行される処理である。この可変表示中演出処理において、演出制御用CPU120は、演出制御タイマ設定部192に設けられた演出制御プロセスタイマにおけるタイマ値に対応して、演出制御パターンから各種の制御データを読み出し、飾り図柄の可変表示中における各種の演出制御を行うための処理が含まれている。こうした演出制御を行った後、例えば特図変動時演出制御パターンから飾り図柄の可変表示終了を示す終了コードが読み出されたこと、あるいは、主基板11から伝送される飾り図柄停止コマンドを受信したことなどに対応して、飾り図柄の可変表示結果となる最終停止図柄としての確定飾り図柄を完全停止表示させる。特図変動時演出制御パターンから終了コードが読み出されたことに対応して確定飾り図柄を完全停止表示させるようにすれば、変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンに対応する可変表示時間が経過したときに、主基板11からの演出制御コマンドによらなくても、演出制御基板12の側で自律的に確定飾り図柄を導出表示して可変表示結果を確定させることができる。確定飾り図柄を完全停止表示したときには、演出プロセスフラグの値が“3”に更新される。
【0357】
ステップS173の特図当り待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“3”のときに実行される処理である。この特図当り待ち処理において、演出制御用CPU120は、主基板11から伝送された当り開始指定コマンドの受信があったか否かを判定する。そして、当り開始指定コマンドを受信したきに、その当り開始指定コマンドが大当り遊技状態の開始を指定するものであれば、演出プロセスフラグの値を大当り中演出処理に対応した値である“6”に更新する。これに対して、当り開始指定コマンドを受信したときに、その当り開始指定コマンドが小当り遊技状態の開始を指定するものであれば、演出プロセスフラグの値を小当り中演出処理に対応した値である“4”に更新する。また、当り開始指定コマンドを受信せずに、演出制御プロセスタイマがタイムアウトしたときには、特図ゲームにおける特図表示結果が「ハズレ」であったと判断して、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する。
【0358】
ステップS174の小当り中演出処理は、演
出プロセスフラグの値が“4”のときに実行される処理である。この小当り中演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば小当り遊技状態における演出内容に対応した各種演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を画像表示装置5の表示画面に表示させることや、音声出力基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、小当り遊技状態における各種の演出制御を実行する。また、小当り中演出処理では、例えば主基板11からの当り終了指定コマンドを受信したことに対応して、演出プロセスフラグの値を小当り終了演出に対応した値である“5”に更新する。
【0359】
ステップS175の小当り終了演出処理は、演
出プロセスフラグの値が“5”のときに実行される処理である。この小当り終了演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば小当り遊技状態の終了などに対応した各種演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を画像表示装置5の表示画面に表示させることや、音声出力基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、小当り遊技状態の終了時における各種の演出制御を実行する。その後、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する。
【0360】
ステップS176の大当り中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“6”のときに実行される処理である。この大当り中演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば大当り遊技状態における演出内容に対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を画像表示装置5の表示画面に表示させることや、音声出力基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、大当り遊技状態における各種の演出制御を実行する。また、大当り中演出処理では、例えば主基板11からの当り終了指定コマンドを受信したことに対応して、演
出プロセスフラグの値をエンディング演出処理に対応した値である“7”に更新する。
【0361】
ステップS177のエンディング演出処理は、演出プロセスフラグの値が“7”のときに実行される処理である。このエンディング演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば大当り遊技状態の終了などに対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を画像表示装置5の表示領域に表示させることや、音声出力基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、大当り遊技状態の終了時における各種の演出制御を実行する。その後、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する。
【0362】
図31は、
図30のステップS171にて実行される可変表示中演出設定処理の一例を示すフローチャートである。
図35に示す可変表示中演出設定処理において、演出制御用CPU120は、まず、例えば主基板11から伝送された可変表示結果通知コマンドにおけるEXTデータを読み取ることなどにより、特図表示結果が「ハズレ」となるか否かを判定する(ステップS531)。このとき、特図表示結果が「ハズレ」となる旨の判定がなされれば(ステップS531;Yes)、例えば主基板11から伝送された変動パターン指定コマンドにおけるEXTデータを読み取ることなどにより、指定された変動パターンが飾り図柄の可変表示態様を「非リーチ」とする場合に対応した非リーチ変動パターンであるか否かを判定する(ステップS532)。
【0363】
ステップS532にて非リーチ変動パターンであると判定された場合には(ステップS532;Yes)、非リーチ組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS533)。一例として、ステップS533の処理では、まず、演出制御カウンタ設定部193に設けられたランダムカウンタ等により更新される左確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121などに予め記憶された所定の左確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の表示領域における「左」の飾り図柄表示エリア5Lに停止表示される左確定飾り図柄を決定する。次に、演出制御カウンタ設定部193に設けられたランダムカウンタ等により更新される右確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121などに予め記憶された所定の右確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の表示領域における「右」の飾り図柄表示エリア5Rに停止表示される右確定飾り図柄を決定する。このときには、右確定図柄決定テーブルにおける設定などにより、右確定飾り図柄の図柄番号が左確定飾り図柄の図柄番号とは異なるように、決定されるとよい。続いて、演出制御カウンタ設定部193に設けられたランダムカウンタ等により更新される中確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121などに予め記憶された所定の中確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の表示領域における「中」の飾り図柄表示エリア5Cに停止表示される中確定飾り図柄を決定する。
【0364】
ステップS532にて非リーチ変動パターンではないと判定された場合には(ステップS532;No)、リーチ組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS534)。一例として、ステップS534の処理では、まず、演出制御カウンタ設定部193に設けられたランダムカウンタ等により更新される左右確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121などに予め記憶された所定の左右確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の表示領域における「左」と「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rにて揃って停止表示される図柄番号が同一の飾り図柄を決定する。さらに、演出制御カウンタ設定部193に設けられたランダムカウンタ等により更新される中確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121などに予め記憶された所定の中確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の表示領域における「中」の飾り図柄表示エリア5Cにて停止表示される中確定飾り図柄を決定する。ここで、例えば中確定飾り図柄の図柄番号が左確定飾り図柄及び右確定飾り図柄の図柄番号と同一になる場合のように、確定飾り図柄が大当り組合せとなってしまう場合には、任意の値(例えば「1」)を中確定飾り図柄の図柄番号に加算または減算することなどにより、確定飾り図柄が大当り組合せとはならずにリーチ組合せとなるようにすればよい。あるいは、中確定飾り図柄を決定するときには、左確定飾り図柄及び右確定飾り図柄の図柄番号との差分(図柄差)を決定し、その図柄差に対応する中確定飾り図柄を設定してもよい。
【0365】
ステップS531にて特図表示結果が「ハズレ」ではないと判定されたときには(ステップS531;No)、特図表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」である場合、又は、特図表示結果が「小当り」である場合であるか、これら以外の場合であるかを判定する(ステップS535)。このとき、大当り種別が「突確」又は特図表示結果が「小当り」であると判定されれば(ステップS535;Yes)、2回開放チャンス目TC1〜TC4のいずれかといった、大当り種別が「突確」の場合や特図表示結果が「小当り」の場合に対応した飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS536)。一例として、変動パターン指定コマンドにより変動パターンPC1−1〜変動パターンPC1−3のいずれかが指定された場合に対応して、2回開放チャンス目TC1〜TC4のいずれかを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する。この場合には、演出制御カウンタ設定部193に設けられたランダムカウンタ等により更新されるチャンス目決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121などに予め記憶された所定のチャンス目決定テーブルを参照することなどにより、2回開放チャンス目TC1〜TC4のいずれかを構成する確定飾り図柄の組合せを決定すればよい。また、変動パターン指定コマンドにより変動パターンPC1−4及び変動パターンPC1−5のいずれかが指定された場合には、例えばステップS534と同様の処理を実行することにより、リーチ組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定すればよい。
【0366】
ステップS535にて特図表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」以外の「非確変」又は「確変」であると判定されたときには(ステップS535;No)、再抽選演出や確変昇格演出を実行するための設定が行われる(ステップS537)。例えば、ステップS537の処理では、予め用意された再抽選決定テーブルを参照することなどにより、再抽選演出を実行するか否かを決定する。再抽選決定テーブルでは、再抽選演出を実行するか否かの決定結果に対して、再抽選演出実行決定用の乱数値と比較される数値(決定値)が割り当てられていればよい。演出制御用CPU120は、例えば乱数回路124や演出制御カウンタ設定部193のランダムカウンタなどから抽出した再抽選演出実行決定用の乱数値を示す数値データに基づき、再抽選決定テーブルを参照することにより、再抽選演出を実行するか否かの決定を行うようにすればよい。
【0367】
再抽選決定テーブルでは、大当り種別が「非確変」と「確変」のいずれであるかに応じて、再抽選演出を実行すると決定される割合が異なるように、各決定結果に対して決定値が割り当てられていればよい。一例として、大当り種別が「非確変」であるときには、大当り種別が「確変」であるときに比べて、高い割合で再抽選演出を実行すると決定されるように、決定値が割り当てられていればよい。
【0368】
大当り種別が「非確変」である場合には、再抽選演出として、非確変大当り組合せを構成する飾り図柄を仮停止表示してから、再変動などにより最終的に非確変大当り組合せを構成する確定飾り図柄を導出表示させて確変報知が行われない再抽選失敗演出が実行される。その一方で、大当り種別が「確変」である場合には、再抽選演出として、非確変大当り組合せを構成する飾り図柄を仮停止表示してから、再変動などにより最終的に確変大当り組合せを構成する確定飾り図柄を導出表示させて確変報知が行われる再抽選成功演出が実行されることもあれば、大当り種別が「非確変」の場合と同様に再抽選失敗演出が実行されることもある。
【0369】
また、ステップS537の処理では、予め用意された確変昇格決定テーブルを参照することなどにより、確変昇格演出を実行するか否かを決定する。確変昇格決定テーブルでは、大当り遊技状態中や大当り遊技状態の終了時に実行する確変昇格演出の組合せに応じて複数用意された確変昇格演出パターンに対して、確変昇格演出決定用の乱数値と比較される数値(決定値)が割り当てられていればよい。演出制御用CPU120は、例えば乱数回路124や演出制御カウンタ設定部193のランダムカウンタなどから抽出した確変昇格演出実行決定用の乱数値を示す数値データに基づき、確変昇格決定テーブルを参照することにより、確変昇格演出を実行するか否かの決定を行うようにすればよい。
【0370】
確変昇格決定テーブルでは、大当り種別が「非確変」と「確変」のいずれであるかに応じて、確変昇格演出を実行すると決定する割合や、確変昇格演出の組合せが決定される割合が異なるように、各確変昇格演出パターンに対して決定値が割り当てられていればよい。一例として、大当り種別が「非確変」であるときには、大当り種別が「確変」であるときに比べて、低い割合で確変昇格演出を実行すると決定されるように、決定値が割り当てられていればよい。
【0371】
大当り種別が「非確変」である場合には、確変昇格演出として、確変報知が行われない確変昇格失敗演出が実行される。その一方で、大当り種別が「確変」である場合には、確変昇格演出のいずれか(大当り中またはエンディング時または大当り後の初回変動中など)において、確変報知が行われる確変昇格成功演出が実行されればよい。なお、大当り種別が「確変」である場合でも、例えば飾り図柄の可変表示中などに第1始動口入賞指定コマンドや第2始動口入賞指定コマンドで特図表示結果が「大当り」となる旨が通知された場合のように、保留データのうちに特図表示結果が「大当り」となるものが含まれている場合には、確変昇格失敗演出のみが実行され、確変報知が行われないようにする。ただし、ステップS537にて設定を行う段階では、大当り種別が「確変」である場合に確変昇格演出を実行するのであれば、確変報知を行うように設定しておき、特図表示結果が「大当り」に決定される旨の判定結果を通知する第1始動口入賞指定コマンドや第2始動口入賞指定コマンドを受信したことに基づいて、設定内容を変更できるようにすればよい。
【0372】
ステップS537での設定に続いて、大当り組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS538)。一例として、ステップS538の処理では、まず、演出制御カウンタ設定部193に設けられたランダムカウンタ等により更新される大当り確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、続いてROM121などに予め記憶された所定の大当り確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、画像表示装置5の表示領域における「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rに揃って停止表示される図柄番号が同一の飾り図柄を決定する。このときには、大当り種別が「非確変」と「確変」のいずれであるかや、確変昇格演出が実行されるか否かなどに応じて、通常図柄と確変図柄のいずれを確定飾り図柄とするかが決定されればよい。具体的には、大当り種別が「非確変」である場合には、複数種類の通常図柄のうちから、確定飾り図柄となるものを決定する。また、大当り種別が「確変」である場合には、ステップS537において確変昇格演出を実行しないと決定されたときに、複数種類の確変図柄のうちから、確定飾り図柄となるものを決定する。これに対して、大当り種別が「確変」である場合であっても、ステップS537において確変昇格演出を実行すると決定されたときには、複数種類の通常図柄のうちから、確定飾り図柄となるものを決定する。これにより、確定飾り図柄として確変図柄が揃って導出表示されたにもかかわらず、確変昇格演出が実行されてしまうことを防止して、遊技者に不信感を与えないようにする。
【0373】
ステップS533、S534、S536、S538の処理のいずれかを実行した後には、可変表示演出を実行するための設定を行う(ステップS539)。ステップS539における処理の一例として、変動パターンバッファの記憶データにより特定される変動パターンなどに基づいて、「滑り」の可変表示演出が実行されるか否かを判定する。そして、「滑り」の可変表示演出が実行される場合には、演出制御カウンタ設定部193に設けられたランダムカウンタ等により更新される滑り前仮停止図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121などに予め記憶された所定の滑り前仮停止図柄決定テーブルを参照することなどにより、滑り前仮停止図柄となる飾り図柄を決定すればよい。
【0374】
ステップS539における処理の他の一例として、変動パターンバッファの記憶データにより特定される変動パターンなどに基づいて、「擬似連」の可変表示演出が実行されるか否かを判定する。そして、「擬似連」の可変表示演出が実行される場合には、演出制御カウンタ設定部193に設けられたランダムカウンタ等により更新される擬似連チャンス目決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121などに予め記憶された所定の擬似連チャンス目決定テーブルを参照することなどにより、擬似連変動(再変動)が実行されるごとに仮停止表示されて擬似連チャンス目GC1〜GC8のいずれかを構成する飾り図柄を決定すればよい。
【0375】
なお、ステップS539の処理が実行されるときには、変動中入賞時予告演出となる予告演出以外の予告演出について、実行するか否かの判定や、実行する場合における演出態様に対応した予告パターンの決定などが、行われるようにしてもよい。
【0376】
ステップS539の処理に続いて、予め用意された複数の演出制御パターンのうちで、使用パターンとなるものを選択してセットする(ステップS540)。このとき、演出制御用CPU120は、例えば演出制御フラグ設定部191に設けられた演出モードフラグにより特定される演出モードや、変動パターンバッファの記憶データにより特定される変動パターンなどに対応して、複数用意された特図変動時演出制御パターンのいずれかを選択すればよい。また、可変表示演出(再変動演出を含む)や予告演出を実行するために複数用意された演出制御パターンのいずれかを選択してもよい。
【0377】
ステップS540の処理を実行した後には、例えば変動パターンバッファの記憶データにより特定される変動パターンに対応して、演出制御タイマ設定部192に設けられた演出制御プロセスタイマの初期値を設定する(ステップS541)。こうして演出制御プロセスタイマの初期値が設定されることにより、飾り図柄の可変表示を開始してから表示結果となる最終停止図柄(確定飾り図柄)が導出表示されて可変表示を終了するまでの可変表示時間が設定されればよい。そして、画像表示装置5における飾り図柄などの変動を開始させるための設定を行う(ステップS542)。このときには、例えばステップS540にて使用パターンとして選択された特図変動時演出制御パターンに含まれる表示制御データが指定する表示制御指令を表示制御部123のVDP等に対して伝送させることなどにより、画像表示装置5の表示領域に設けられた「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて飾り図柄の変動を開始させればよい。その後、演出プロセスフラグの値を可変表示中演出処理に対応した値である“2”に更新してから(ステップS543)、可変表示開始設定処理を終了する。
【0378】
図32は、
図30のステップS172にて実行される可変表示中演出処理の一例を示すフローチャートである。
図32に示す可変表示中演出処理において、演出制御用CPU120は、まず、例えば演出制御プロセスタイマ値などに基づいて、変動パターンに対応した可変表示時間が経過したか否かを判定する(ステップS551)。一例として、ステップS551の処理では、演出制御プロセスタイマ値を更新(例えば1減算)し、更新後の演出制御プロセスタイマ値に対応して特図変動時演出制御パターンから終了コードが読み出されたときなどに、可変表示時間が経過したと判定すればよい。
【0379】
ステップS551にて可変表示時間が経過していない場合には(ステップS551;No)、再抽選演出を実行する期間として演出制御パターンなどにより指定された再抽選演出期間であるか否かを判定する(ステップS552)。このとき、再抽選演出期間の期間内であれば(ステップS552;Yes)、確変報知を実行しないように制限する確変報知制限の設定があるか否かを判定する(ステップS553)。
【0380】
ステップS553にて確変報知制限の設定がある場合には(ステップS553;Yes)、再抽選演出の設定を変更するための処理を実行する(ステップS554)。ステップS554における処理の一例として、演出制御用CPU120は、再抽選演出の開始時または実行中などにて、飾り図柄の可変表示において表示結果として導出表示される最終停止図柄(確定飾り図柄)が通常図柄であるか確変図柄であるかを判定する。このとき、通常図柄であると判定された場合には、再抽選演出の設定を変更せずに、ステップS554の処理を終了する。すなわち、再抽選演出として、仮停止図柄の再変動後に非確変大当り組合せとなる飾り図柄が停止表示(最終停止表示)される再抽選失敗演出を実行する場合には、大当り遊技状態の終了後に確変状態となる旨の報知(確変報知)が行われないことから、再抽選演出についての設定を変更する必要はない。これに対して、確変図柄であると判定された場合には、飾り図柄の可変表示結果となる最終停止図柄(確定飾り図柄)を確変図柄から通常図柄に差し替えるなどの変更が行われる。すなわち、再抽選演出として、仮停止図柄の再変動後に確変大当り組合せとなる飾り図柄が停止表示(最終停止表示)される再抽選成功演出を実行する場合には、確変報知が行われてしまう。そこで、最終停止図柄(確定飾り図柄)を確変図柄から通常図柄へと差し替えるなどの変更を行うことにより、確変報知が実行されないように制限すればよい。
【0381】
ステップS553にて確変報知制限の設定がない場合や(ステップS553;No)、ステップS554の処理を実行した後には、再抽選演出となる演出動作の制御を行ってから(ステップS555)、可変表示中演出処理を終了する。なお、再抽選演出の設定を変更する処理は、
図32に示す可変表示中演出処理のステップS554にて実行されるものに限定されず、例えば
図28に示すステップS516の処理にて確変報知制限の設定が行われるときに、実行されるようにしてもよい。
【0382】
ステップS552にて再抽選演出期間の期間内ではない場合には(ステップS552;No)、例えば変動パターンに対応した演出制御パターン(特図変動時演出制御パターン)における設定などに基づいて、飾り図柄の可変表示に関連した演出動作の制御を行ってから(ステップS556)、可変表示中演出処理を終了する。
【0383】
ステップS551にて可変表示時間が経過している場合には(ステップS551;Yes)、主基板11から伝送される飾り図柄停止コマンドの受信があったか否かを判定する(ステップS557)。このとき、飾り図柄停止コマンドの受信がなければ(ステップS557;No)、可変表示中演出処理を終了して待機する。なお、可変表示時間が経過した後、飾り図柄停止コマンドを受信することなく所定時間が経過した場合には、飾り図柄停止コマンドを正常に受信できなかったことに対応して、所定のエラー処理が実行されるようにしてもよい。
【0384】
ステップS557にて飾り図柄停止コマンドの受信があった場合には(ステップS557;Yes)、例えば表示制御部123のVDP等に対して所定の表示制御指令を伝送させることといった、飾り図柄の可変表示において表示結果となる最終停止図柄(確定飾り図柄)を導出表示させる制御を行う(ステップS558)。また、当り開始指定コマンド受信待ち時間として予め定められた一定時間を設定する(ステップS559)。そして、演出プロセスフラグの値を特図当り待ち処理に対応した値である“3”に更新してから(ステップS560)、可変表示中演出処理を終了する。
【0385】
図33は、
図30のステップS173にて実行される特図当り待ち処理の一例を示すフローチャートである。
図33に示す特図当り待ち処理において、演出制御用CPU120は、まず、当り開始指定コマンド受信待ち時間が経過したか否かを判定する(ステップS571)。そして、当り開始指定コマンド受信待ち時間が経過していないときには(ステップS571;No)、主基板11から伝送された当り開始指定コマンドの受信があったか否かを判定する(ステップS572)。このとき、当り開始指定コマンドを受信していなければ(ステップS572;No)、特図当り待ち処理を終了して待機する。
【0386】
ステップS572にて当り開始指定コマンドの受信があった場合には(ステップS572;Yes)、例えば
図14に示す各モード共通用の演出制御パターンテーブル180Dに複数格納された各種演出制御パターンのうちで、大当り遊技状態や小当り遊技状態の開始を報知するために用意された当り報知用の演出制御パターンを選択し、使用パターンとしてセットする(ステップS573)。このときには、例えば当り開始指定コマンドのEXTデータなどから特定される特図表示結果(「大当り」または「小当り」や、大当り種別など)に基づき、複数の各種演出制御パターンのいずれを使用パターンとするかが決定されればよい。
【0387】
その後、使用パターンとしてセットした演出制御パターンから読み出した演出制御実行データなどに基づいて、当り報知動作の制御を開始するための設定を行う(ステップS574)。また、例えば当り開始指定コマンドのEXTデータなどから特定される特図表示結果が「大当り」であるか否かを判定する(ステップS575)。そして、特図表示結果が「大当り」ではない場合には(ステップS575;No)、小当り遊技状態に制御されると判断し、演出プロセスフラグの値を小当り中演出処理に対応した値である“4”に更新してから(ステップS576)、特図当り待ち処理を終了する。特図表示結果が「大当り」である場合には(ステップS575;Yes)、大当り遊技状態に制御されると判断し、演出プロセスフラグの値を大当り中演出処理に対応した値である“6”に更新してから(ステップS577)、特図当り待ち処理を終了する。
【0388】
ステップS571にて当り開始指定コマンド受信待ち時間が経過している場合には(ステップS571;Yes)、例えば演出制御フラグ設定部191に設けられた演出モードフラグを確認することなどにより、現在の演出モードを特定する(ステップS578)。そして、特定した演出モードが通常モードであるか否かを判定する(ステップS579)。このとき、通常モード以外の演出モードであれば(ステップS579;No)、時短状態の終了タイミングであるか否かを判定する(ステップS580)。時短状態の終了タイミングであるときには(ステップS580;Yes)、演出モードを通常モードに移行するための設定を行う(ステップS581)。例えば、演出モードフラグの値を通常モードに対応した値にセットする。
【0389】
ステップS579にて演出モードが通常モードである場合や(ステップS579;Yes)、ステップS580にて時短状態の終了タイミングではない場合(ステップS580;No)、あるいは、ステップS581の処理を実行した後には、演出プロセスフラグをクリアして、その値を“0”に初期化してから(ステップS582)、特図当り待ち処理を終了する。
【0390】
図34は、
図30のステップS176にて実行される大当り中演出処理の一例を示すフローチャートである。
図34に示す大当り中演出処理において、演出制御用CPU120は、まず、当り報知時間が経過したか否かを判定する(ステップS591)。そして、当り報知時間が経過していない場合には(ステップS591;No)、当り報知動作の制御を行ってから(ステップS592)、大当り中演出処理を終了する。
【0391】
ステップS591にて当り報知時間が経過している場合には(ステップS591;Yes)、確変昇格演出を実行する期間として演出制御パターンなどにより指定された確変昇格演出期間であるか否かを判定する(ステップS593)。このとき、確変昇格演出期間の期間内であれば(ステップS593;Yes)、確変報知を実行しないように制限する確変報知制限の設定があるか否かを判定する(ステップS594)。
【0392】
ステップS594にて確変報知制限の設定がある場合には(ステップS594;Yes)、確変昇格演出の設定を変更するための処理を実行する(ステップS595)。ステップS595における処理の一例として、演出制御用CPU120は、確変昇格演出の開始時または実行中などにて、その確変昇格演出が確変状態となる旨を報知する確変昇格成功演出であるか確変状態となる旨を報知しない確変昇格失敗演出であるかを判定する。このとき、確変昇格失敗演出であると判定された場合には、確変昇格演出の設定を変更せずに、ステップS595の処理を終了する。すなわち、確変昇格演出として、確変昇格失敗演出が実行されて確変報知が行われない場合には、設定を変更する必要はない。これに対して、確変昇格成功演出であると判定された場合には、演出制御パターンを確変昇格成功演出に対応したものから確変昇格失敗演出に対応したものに差し替えるなどの変更が行われる。すなわち、確変昇格成功演出による確変報知が実行されないように制限すればよい。
【0393】
ステップS594にて確変報知制限の設定がない場合や(ステップS594;No)、ステップS595の処理を実行した後には、確変昇格演出となる演出動作の制御を行ってから(ステップS596)、大当り中演出処理を終了する。なお、確変昇格演出の設定を変更する処理は、
図34に示す大当り中演出処理のステップS595にて実行されるものに限定されず、例えば
図28に示すステップS516の処理にて確変報知制限の設定が行われるときに、実行されるようにしてもよい。
【0394】
ステップS593にて確変昇格演出期間の期間内ではない場合には(ステップS593;No)、主基板11から伝送される当り終了指定コマンドの受信があったか否かを判定する(ステップS597)。このとき、当り終了指定コマンドの受信がなければ(ステップS597;No)、例えば大当り遊技状態に対応した演出制御パターン(各種演出制御パターン)における設定などに基づいて、大当り中演出となる演出動作の制御を行ってから(ステップS598)、大当り中演出処理を終了する。当り終了指定コマンドの受信があったときには(ステップS597;Yes)、演出プロセスフラグの値をエンディング演出処理に対応した値である“7”に更新してから(ステップS599)、大当り中演出処理を終了する。
【0395】
図35は、
図30のステップS177にて実行されるエンディング演出処理の一例を示すフローチャートである。
図35に示すエンディング演出処理において、演出制御用CPU120は、まず、例えば演出制御フラグ設定部191などに設けられたエンディング演出中フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS611)。ここで、エンディング演出中フラグは、エンディング演出が実行されることなどに対応して、後述するステップS617の処理によりオン状態にセットされる。
【0396】
ステップS611にてエンディング演出中フラグがオフであるときには(ステップS611;No)、エンディング演出として確変昇格演出を実行するエンディング時昇格演出の設定があるか否かを判定する(ステップS612)。そして、エンディング時昇格演出の設定がある場合には(ステップS612;Yes)、確変報知を実行しないように制限する確変報知制限の設定があるか否かを判定する(ステップS613)。
【0397】
ステップS613にて確変報知制限の設定がない場合には(ステップS613;No)、例えば大当り遊技状態の終了に対応した演出制御パターン(各種演出制御パターン)における設定などに基づいて、エンディング時昇格演出となる演出動作を実行するための制御が行われる(ステップS614)。エンディング時昇格演出が実行されたときには、常に確変状態となる旨の報知(確変報知)が行われるようにしてもよい。
【0398】
ステップS612にてエンディング時昇格演出の設定がない場合や(ステップS612;No)、ステップS613にて確変報知制限の設定がある場合には(ステップS613;Yes)、確変昇格演出を伴わない通常のエンディング演出となる演出動作を開始するための設定が行われる(ステップS615)。こうして、確変報知制限の設定がある場合には、エンディング時昇格演出を実行しないように演出動作を差し替えるなどの変更を行うことにより、確変報知が実行されないように制限すればよい。なお、エンディング時昇格演出を実行しないように制限する処理は、
図35に示すエンディング演出処理のステップS613〜S615にて実行されるものに限定されず、例えば
図28に示すステップS516の処理にて確変報知制限の設定が行われるときに、実行されるようにしてもよい。
【0399】
ステップS614、S615の処理のいずれかを実行した後には、エンディング演出時間として予め定められた一定時間を設定する(ステップS616)。その後、エンディング演出中フラグをオン状態にセットしてから(ステップS617)、エンディング演出処理を終了する。こうして、ステップS614、S615の処理によりエンディング演出となる演出動作が開始された後に、ステップS616にて設定されたエンディング演出時間が経過するまでは、タイマ割込みの発生に応じた演出制御プロセス処理にてエンディング演出処理が実行されるごとに、ステップS611にてエンディング演出中フラグがオンであると判定されることになる。
【0400】
ステップS611にてエンディング演出中フラグがオンであるときには(ステップS611;Yes)、エンディング演出時間が経過したか否かを判定する(ステップS618)。このとき、エンディング演出時間が経過していなければ(ステップS618;No)、エンディング演出となる演出動作の制御を行ってから(ステップS619)、エンディング演出処理を終了する。
【0401】
ステップS618にてエンディング演出時間が経過したときには(ステップS618;Yes)、エンディング演出中フラグをクリアしてオフ状態とする(ステップS620)。また、大当り遊技状態に制御される契機となった可変表示における大当り種別が「非確変」であるか否かを判定する(ステップS621)。このとき、大当り種別が「確変」や「突確」のいずれかで「非確変」以外ならば(ステップS621;No)、確変報知を実行しないように制限する確変報知制限の設定があるか否かを判定する(ステップS622)。
【0402】
ステップS622にて確変報知制限の設定がない場合には(ステップS622;No)、演出モードを確変モードに移行するための設定を行う(ステップS623)。これに対して、確変報知制限の設定がある場合には(ステップS622;Yes)、確変報知制限の設定をクリアしておく(ステップS624)。
【0403】
ステップS621にて大当り種別が「非確変」である場合や(ステップS621;Yes)、ステップS624の処理を実行した後には、演出モードをチャンスモードに移行するための設定を行う(ステップS625)。こうして、確変報知制限の設定があるときには、大当り種別が「確変」や「突確」のいずれかであり大当り遊技状態の終了後には確変状態へと制御される場合であっても、演出モードを大当り種別が「非確変」の場合と同様のチャンスモードに移行させることにより、確変報知が実行されないように制限すればよい。なお、演出モードをチャンスモードに移行させる設定を行う処理は、
図35に示すエンディング演出処理のステップS621〜S625にて実行されるものに限定されず、例えば
図28に示すステップS516の処理にて確変報知制限の設定が行われるときに、実行されるようにしてもよい。
【0404】
ステップS623、S625の処理のいずれかを実行した後には、演出プロセスフラグをクリアして、その値を“0”に初期化してから(ステップS626)、エンディング演出処理を終了する。
【0405】
こうして、エンディング演出処理では、大当り遊技状態の終了後に遊技状態が確変状態に制御される場合であっても、ステップS622にて確変報知制限の設定があると判定されれば、ステップS625の処理を実行することにより、大当り遊技状態の終了後における演出モードを、時短状態に制御される場合と同様のチャンスモードに移行させる。演出モードがチャンスモードに移行した場合には、確変状態に制御されていることを報知する演出動作(報知演出)の実行が制限される。これにより、大当り遊技状態の終了後に遊技状態が確変状態に制御された場合でも、遊技者は確変状態であると認識することが不可能あるいは困難になる。
【0406】
次に、パチンコ遊技機1において実行される変動中入賞時予告演出となる予告演出の具体例について説明する。
図36は、変動中入賞時予告演出を実行する演出動作例を示している。この演出動作例では、
図36(A)に示すように、画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rの全部にて飾り図柄が変動する可変表示が開始される。この可変表示が開始されるときには、
図21に示すステップS240の処理により、特図表示結果を「大当り」とすることが決定され、ステップS244の処理により、大当り種別を「確変」とすることが決定されたものとする。
【0407】
図36(A)に示すような可変表示に続いて、例えば
図36(B)及び(C)に示すように、「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rにて「7」の数字を示す飾り図柄が順次に揃って停止表示される。これにより、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となる。
【0408】
このとき、例えば
図36(D)に示すように、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球が検出されて始動入賞が発生したものとする。そして、
図19のステップS218にて抽出された特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データなどに基づき、ステップS220にて入賞時乱数値判定処理が実行される。
【0409】
図20に示す入賞時乱数値判定処理において、例えばステップS402にて乱数値MR1が大当り判定範囲の範囲内ではないと判定された場合には、ステップS409での送信設定に基づき、「大当り以外」を通知する第1始動口入賞指定コマンドが、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。演出制御基板12では、例えば演出制御用CPU120が、
図27のステップS156にて第1始動口入賞指定コマンドを受信したと判定した後、
図28のステップS503にて予告演出実行可能期間の期間内であると判定したときに、ステップS504〜S506の処理により変動中入賞時予告演出となる予告演出を実行するか否かの決定を行う。この場合、ステップS504にて特定される変動開始時決定内容は「確変(大当り)」であり、ステップS505にて特定される始動入賞時通知内容は「大当り以外」である。
【0410】
図29(A)に示す決定割合の設定例では、変動開始時決定内容が「確変(大当り)」であり始動入賞時通知内容が「大当り以外」であれば、20%の割合で「予告あり」に決定される一方、80%の割合で「予告なし」に決定される。そして、「予告なし」に決定されて変動中入賞時予告演出が実行されない場合には、
図28に示すステップS510の処理などにより、例えば
図36(E1)に示すように通常時の表示態様で新たな保留記憶表示が行われる。このとき、飾り図柄の表示態様も通常時の表示態様から変化しない。その後に、例えば
図36(F1)に示すように「中」の飾り図柄表示エリア5Cにて確変図柄となる「7」の数字を示す飾り図柄が停止表示されることにより、確変大当り組合せを構成する最終停止図柄(確定飾り図柄)が導出表示されて、飾り図柄の可変表示が終了する。
【0411】
図36(D)に示すように始動入賞が発生したときに、
図20のステップS402にて乱数値MR1が大当り判定範囲の範囲内であると判定された場合には、さらに
図19のステップS218にて抽出された大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データに基づき、
図20のステップS403にて大当り種別が「非確変」や「確変」や「突確」のいずれに決定されるかを特定する。そして、ステップS404にて大当り種別が「非確変」に決定されると判定された場合には、ステップS405での送信設定に基づき、「非確変」を通知する第1始動口入賞指定コマンドが、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。また、ステップS406にて大当り種別が「確変」に決定されると判定された場合には、ステップS407での送信設定に基づき、「確変」を通知する第1始動口入賞指定コマンドが伝送される。
【0412】
演出制御基板12の側では、例えば演出制御用CPU120が、ステップS504〜S506の処理により変動中入賞時予告演出となる予告演出を実行するか否かの決定を行う。この場合、ステップS504にて特定される変動開始時決定内容は「確変(大当り)」であり、ステップS505にて特定される始動入賞時通知内容は第1始動口入賞指定コマンドにより通知された「非確変」または「確変」のいずれかである。
【0413】
図29(A)に示す決定割合の設定例では、変動開始時決定内容が「確変(大当り)」であり始動入賞時通知内容が「非確変」または「確変」のいずれかであれば、始動入賞時通知内容が「大当り以外」の場合に比べて、高い割合で「予告あり」に決定されて変動中入賞時予告演出が実行される。そして、「予告あり」に決定されて変動中入賞時予告演出が実行される場合には、さらにステップS508にて予告パターンの決定が行われる。
【0414】
図29(B)に示す決定割合の設定例では、変動開始時決定内容が「確変(大当り)」である場合に、始動入賞時通知内容が「非確変」であれば70%の割合で「確変」であれば90%の割合で、予告A+予告Bの予告パターンに決定される。こうして決定された予告パターンに基づき、
図28のステップS509にて予告演出を開始させる設定が行われる。これにより、例えば
図36(E2)に示すように、飾り図柄の表示色が通常時の単一色から花柄に変化するといった飾り図柄の表示態様を通常時とは異ならせる予告Aの予告パターンに対応した演出動作と、保留記憶表示の形状が通常時の丸形から花形に変化するといった保留記憶表示の表示態様を通常時とは異ならせる予告Bの予行パターンに対応した演出動作とを組み合わせることにより、予告A+予告Bの予告パターンに対応した演出動作が実行される。
【0415】
こうした予告A+予告Bの予告パターンに対応した演出動作により、実行中の可変表示において表示結果が「大当り」となり、なおかつ、保留記憶されている可変表示のうちに表示結果が「大当り」となるものがある可能性が高いことを、遊技者が認識して、こうした表示結果に対する期待感が高められる。
【0416】
その後に、例えば
図36(F2)に示すように「中」の飾り図柄表示エリア5Cにて確変図柄となる「7」の数字を示す飾り図柄が停止表示されることにより、確変大当り組合せを構成する最終停止図柄(確定飾り図柄)が導出表示されて、飾り図柄の可変表示が終了する。
【0417】
以上説明したように、上記実施の形態におけるパチンコ遊技機1では、
図28に示すステップS504〜S506の処理が実行されることなどにより、実行中の可変表示における表示結果を「大当り」とするか否かの決定結果と、始動入賞が発生したときに抽出された乱数値MR1に基づいて特図表示結果が「大当り」に決定されるか否かの判定結果との組合せなどに応じて、異なる割合で変動中入賞時予告演出となる予告演出を実行する。これにより、例えば特図保留記憶部151Aなどに保留データが記憶されて保留記憶されている可変表示に対する期待感だけでなく実行中の可変表示に対する期待感も高めて、遊技興趣を向上させることができる。
【0418】
また、
図28に示すステップS508の処理では、実行中の可変表示における表示結果を「大当り」とするか否かの決定結果と、始動入賞が発生したときに抽出された乱数値MR1に基づいて特図表示結果が「大当り」に決定されるか否かの判定結果との組合せなどに応じて、異なる割合で複数の予告パターンのいずれかに決定する。これにより、例えば特図保留記憶部151Aなどに保留データが記憶されて保留記憶されている可変表示に対する期待感だけでなく実行中の可変表示に対する期待感も高めて、遊技興趣を向上させることができる。
【0419】
図28に示すステップS506の処理では、可変表示時間が比較的に長い変動パターンによる可変表示の実行中に始動入賞が発生して特図表示結果が「大当り」に決定されると判定された場合であれば、可変表示時間が比較的に短い変動パターンによる可変表示の実行中に始動入賞が発生して特図表示結果が「大当り」に決定されると判定された場合に比べて、高い割合で変動中入賞時予告演出となる予告演出を実行する旨の決定がなされる。こうした変動中入賞時予告演出の実行により、可変表示に対する期待感を高めて、遊技興趣を向上させることができる。
【0420】
図28に示すステップS506の処理では、可変表示の実行中に始動入賞が発生して特図表示結果が「大当り」に決定され2R大当り状態に制御されると判定された場合であれば、可変表示の実行中に始動入賞が発生して特図表示結果が「大当り」に決定され15R大当り状態に制御されると判定された場合に比べて、低い割合で変動中入賞時予告演出となる予告演出を実行する旨の決定がなされる。こうした変動中入賞時予告演出の実行により、保留記憶されている可変表示における表示結果に基づいて第1特定遊技状態としての15R大当り状態に制御される期待感を高めて、遊技興趣を向上させることができる。
【0421】
図28に示すステップS506の処理では、大当り遊技状態の終了後に確変状態とする旨の決定に基づく可変表示を実行中に始動入賞が発生して、特図表示結果が「大当り」に決定され大当り遊技状態の終了後には確変状態に制御されないと判定された場合であれば、特図表示結果が「大当り」に決定され大当り遊技状態の終了後には確変状態に制御されると判定された場合に比べて、低い割合で変動中入賞時予告演出となる予告演出を実行する旨の決定がなされる。こうした変動中入賞時予告演出の実行により、保留記憶されている可変表示における表示結果に基づいて特別遊技状態としての確変状態に制御される期待感を高めて、遊技興趣を向上させることができる。
【0422】
図28に示すステップS516の処理により確変報知制限の設定が行われたときには、例えば
図32に示すステップS554にて再抽選演出の設定が変更されることや、
図34に示すステップS595にて確変昇格演出の設定が変更されること、
図35に示すステップS615にて通常のエンディング演出を開始させる設定が行われること、さらには、ステップS625にてチャンスモードに移行させる設定を行うことにより、大当り遊技状態の終了後に特別遊技状態としての確変状態に制御されていることを報知する報知演出の実行が制限される。これにより、確変状態ではないときに特図表示結果が「大当り」になるような印象を遊技者に与えて喜悦感を高め、遊技興趣を向上させることができる。
【0423】
その他にも、
図28に示すステップS508の処理では、可変表示時間が比較的に長い変動パターンによる可変表示の実行中に始動入賞が発生して特図表示結果が「大当り」に決定されると判定された場合であれば、可変表示時間が比較的に短い変動パターンによる可変表示の実行中に始動入賞が発生して特図表示結果が「大当り」に決定されると判定された場合に比べて、高い割合で特定の予告パターンに決定される。こうして決定された予告パターンに基づく変動中入賞時予告演出の実行により、可変表示に対する期待感を高めて、遊技興趣を向上させることができる。
【0424】
図28に示すステップS508の処理では、可変表示の実行中に始動入賞が発生して特図表示結果が「大当り」に決定され2R大当り状態に制御されると判定された場合であれば、可変表示の実行中に始動入賞が発生して特図表示結果が「大当り」に決定され15R大当り状態に制御されると判定された場合に比べて、低い割合で特定の予告パターンに決定される。こうして決定された予告パターンに基づく変動中入賞時予告演出の実行により、保留記憶されている可変表示における表示結果に基づいて第1特定遊技状態としての15R大当り状態に制御される期待感を高めて、遊技興趣を向上させることができる。
【0425】
図28に示すステップS508の処理では、大当り遊技状態の終了後に確変状態とする旨の決定に基づく可変表示を実行中に始動入賞が発生して、特図表示結果が「大当り」に決定され大当り遊技状態の終了後には確変状態に制御されないと判定された場合であれば、特図表示結果が「大当り」に決定され大当り遊技状態の終了後には確変状態に制御されると判定された場合に比べて、低い割合で特定の予告パターンに決定される。こうして決定された予告パターンに基づく変動中入賞時予告演出の実行により、保留記憶されている可変表示における表示結果に基づいて特別遊技状態としての確変状態に制御される期待感を高めて、遊技興趣を向上させることができる。
【0426】
この発明は、上記実施の形態に限定されず、様々な変形や応用が可能である。例えば、上記実施の形態では、
図28のステップS506にて
図29(A)に示すような決定割合で予告演出の有無が決定されるとともに、
図28のステップS508にて
図29(B)に示すような決定割合で予告パターンが決定されるものとして説明した。すなわち、実行中の可変表示における表示結果を「大当り」とするか否かの決定結果と、始動入賞が発生したときに抽出された乱数値MR1に基づいて特図表示結果が「大当り」に決定されるか否かの判定結果との組合せなどに応じて、異なる割合で変動中入賞時予告演出となる予告演出が実行され、さらに、実行中の可変表示における表示結果を「大当り」とするか否かの決定結果と、始動入賞が発生したときに抽出された乱数値MR1に基づいて特図表示結果が「大当り」に決定されるか否かの判定結果との組合せなどに応じて、異なる割合で複数の予告パターンのいずれかに決定される。
【0427】
これに対して、実行中の可変表示における表示結果を「大当り」とするか否かの決定結果と、始動入賞が発生したときに抽出された乱数値MR1に基づいて特図表示結果が「大当り」に決定されるか否かの判定結果との組合せなどに応じて、異なる割合で変動中入賞時予告演出となる予告演出を実行することと、実行中の可変表示における表示結果を「大当り」とするか否かの決定結果と、始動入賞が発生したときに抽出された乱数値MR1に基づいて特図表示結果が「大当り」に決定されるか否かの判定結果との組合せなどに応じて、異なる割合で複数の予告パターンのいずれかに決定することのうち、一方のみが行われるものであってもよい。
【0428】
また、上記実施の形態では、大当り種別として「非確変」と「確変」と「突確」が設けられ、大当り種別が「非確変」または「確変」に決定された場合には15R大当り状態に制御され、大当り種別が「突確」に決定された場合には2R大当り状態に制御されるものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、大当り遊技状態におけるラウンドの実行回数や大入賞口の開放回数などは、任意に変更可能である。一例として、大当り遊技状態における大入賞口の開放回数が「12」や「24」や「36」のいずれかとなる複数種類の大当り種別を設けてもよい。そして、例えば可変表示の実行中に始動入賞が発生して特図表示結果が「大当り」に決定されると判定され、その特図表示結果に基づく大当り遊技状態における大入賞口の開放回数が比較的に多い大当り種別に決定されると判定された場合には、大入賞口の開放回数が比較的に少ない大当り種別に決定されると判定された場合に比べて、高い割合で変動中入賞時予告演出を実行する旨の決定がなされたり、特定の予告パターンに決定されたりしてもよい。
【0429】
上記実施の形態では、第1特別図柄表示装置4A及び第2特別図柄表示装置4Bを備えたパチンコ遊技機1について説明したが、1つの特別図柄表示装置が設けられたパチンコ遊技機1にも本発明を適用することができる。また、3つ以上の特別図柄表示装置が設けられたパチンコ遊技機1に本発明が適用されてもよい。
【0430】
上記実施の形態では、演出制御基板12に搭載された演出制御用CPU120が、
図28に示すステップS504〜S506の処理や、ステップS508、S509の処理などを実行することにより、変動中入賞時予告演出となる予告演出の実行を可能にするものとして説明した。また、演出制御基板12に搭載された演出制御用CPU120が、
図28に示すステップS511〜S516の処理や、
図32に示すステップS554の処理、
図34に示すステップS595の処理、
図35に示すステップS615の処理、さらには、ステップS625の処理を実行することにより、確変状態に制御される旨の確変報知を制限するものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、例えば演出動作を制御するために設けられた複数の制御基板にそれぞれ搭載された複数のCPUなどにより、各種演出動作の実行や制限を可能にしてもよい。
【0431】
一例として、演出制御基板12と画像表示装置5との間に、表示制御基板を設ける。表示制御基板には、表示制御用CPUと、ROMと、RAMと、乱数回路と、I/Oとが搭載されていればよい。この場合、表示制御基板に搭載された表示制御用CPUが画像表示装置5における表示動作の制御内容を決定するための処理などを実行することから、上記実施の形態で演出制御基板12に搭載された表示制御部123は、表示制御基板に搭載されればよい。表示制御基板では、例えば表示制御用CPUがROMから読み出したプログラムを実行することにより、画像表示装置5における演出画像の表示による演出動作を制御するための処理が実行される。このときには、表示制御用CPUがROMから固定データを読み出す固定データ読出動作や、表示制御用CPUがRAMに各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、表示制御用CPUがRAMに一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、表示制御用CPUがI/Oを介して表示制御基板の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、表示制御用CPUがI/Oを介して表示制御基板の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
【0432】
この場合、表示制御用CPUは、例えば演出制御基板12からの表示制御指令や演出制御基板12を介して主基板11から伝送された演出制御コマンドなどに基づき、
図28に示すステップS504〜S506の処理や、ステップS508、S509の処理のうち、一部または全部の処理を実行することにより、変動中入賞時予告演出となる予告演出を実行可能にしてもよい。また、表示制御用CPUは、
図28に示すステップS511〜S516の処理や、
図32に示すステップS554の処理、
図34に示すステップS595の処理、
図35に示すステップS615の処理、さらには、ステップS625の処理のうち、一部または全部の処理を実行することにより、確変報知を制限可能にしてもよい。なお、表示制御用CPUは、上記実施の形態にて演出制御用CPU120が実行した処理のうち、任意の一部を実行するものであればよい。また、音声制御基板13やランプ制御基板14は、演出制御基板12からの制御指令を伝送する配線により、演出制御基板12と接続されていてもよい。この場合、演出制御基板12では、例えば演出制御用CPU120により、演出動作を統括的に制御するための処理が実行されればよい。
【0433】
また、音声制御基板13やランプ制御基板14が備える機能を、演出制御基板12に搭載された音声制御回路やランプ制御回路などに備えさせ、音声制御基板13やランプ制御基板14となる独立の制御基板は設けられないようにしてもよい。この場合には、演出制御基板12と画像表示装置5との間に、前述したような表示制御基板を設け、演出制御用CPU120により
図28のステップS508にて決定された予告パターンや
図31のステップS540にて選択された演出制御パターンなどに応じた表示制御コマンドが、演出制御基板12から表示制御基板に対して伝送されるようにしてもよい。
図2に示す構成において、音声制御基板13に搭載されたマイクロコンピュータやランプ制御基板14に搭載されたマイクロコンピュータにより、上記実施の形態にて演出制御用CPU120が実行した処理のうち、任意の一部が実行されるようにしてもよい。このように、演出動作を制御するために複数の制御基板が設けられた場合には、画像表示装置5における表示動作の制御内容を決定するための処理、スピーカ8L、8Rにおける音声出力動作の制御内容を決定するための処理、遊技効果ランプ9といった発光体における点灯動作の制御内容を決定するための処理といった、各種の演出動作の制御内容を決定するための処理がそれぞれ、いずれの制御基板で実行されるかの組合せは、任意の組合せであればよい。
【0434】
その他にも、パチンコ遊技機1の装置構成、データ構成、フローチャートで示した処理、画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示動作を含めた各種の演出動作などは、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、任意に変更及び修正が可能である。加えて、本発明の遊技機は、入賞球の検出に応答して所定数の賞球を払い出す払出式遊技機に限定されるものではなく、遊技球を封入し入賞球の検出に応答して得点を付与する封入式遊技機にも適用することができる。
【0435】
さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、パチンコ遊技機1に含まれるコンピュータ装置等に対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置等の有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。
【0436】
そして、ゲームの実行形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行うことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。