(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記バッグ(54)に張力が加わっているとき、前記バッグ(54)によって印加される力と反対の方向に、前記留め具(912、1006)に作用する保持部材(902,1014)を更に備えていることを特徴とする請求項1に記載の可搬式カート。
前記保持部材は、前記留め具が前記バッグ(54)に張力が加わった状態を維持する位置に前記留め具を保持するように、前記留め具(1006)に対して作用するスプリング(1014)であることを特徴とする請求項2に記載の可搬式カート。
前記留め具(912)は、前記少なくとも1つの第1のピン(910)の周りを回転するように前記フレーム(50)に取り付けられていることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載の可搬式カート。
前記バッグ引っ張り装置は、前記バッグの一部分が巻きつけられる前記第1のピン(1002)を2つ備えていることを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか一項に記載の可搬式カート。
前記フレーム(50)には、前記フレームの前記開口を金属が通過したかどうか検出するセンサ(72)が取り付けられていることを特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれか一項に記載の可搬式カート。
前記カートに取り付けられ、前記バッグの中身を含む前記バッグの重量を求めるためのトランスデューサを更に備えていることを特徴とする請求項1ないし請求項8のいずれか一項に記載の可搬式カート。
【背景技術】
【0002】
医療処置または外科処置が行われると、通常、固形廃棄物が生じる。一般的に、この種の廃棄物は、いくつかの範疇に分類されている。第1に、通常のごみが挙げられる。この種の廃棄物は、組織または体液によって汚染されていない紙、プラスチック、および他の包装材料のような固形物品を含んでいる。この廃棄物は、典型的には、白バッグまたは透明バッグ内に堆積されることになる。第2種の廃棄物は、正確には「廃棄物(waste)」ではないが、処置中に用いられたリンネル、タオル、およびシーツである。これらのリンネル、タオル、およびシーツは、患者を安定にするために、患者の一部に掛けるために、または液体を拭き取るような目的に用いられている。多くの場合、これらの材料は、体液によって覆われていても、洗濯および殺菌されて、再使用されることが可能である。この種の廃棄物は、通常、緑バッグ内に堆積されるようになっている。第3種の固形廃棄物は、処置中に、体液によって覆われた固形物品または体液に晒された固形物品を含んでいる。これらの物品として、外科処置部位またはその近くで用いられた使い捨て式のテッシュ、手袋、および掛け布、ならびに一回使い捨て式医療機器が挙げられる。使用後、これらの物品は、これらの物品が保有している生物学的材料が感染源として働かないことを確実なものとする方法によって、捨てられるようになっている。また、これらの廃棄材料を取扱いまたは移送するとき、医療従事者および医療施設の汚染を防ぐことも重要である。多くの場合、この材料は、「赤バッグ(red bag)」廃棄物と呼ばれている。何故なら、この材料は、典型的には、特に赤く色付けされたバッグ内に堆積されるようになっているからである。第4種の固形廃棄物は、典型的には、黄バッグ内に堆積される放射性廃棄物である。
【0003】
手術中に、この固形医療廃棄物は、廃棄物が生じる手術室または他の場所における可搬式カートに固定された対応するバッグ内に堆積されるようになっている。医療設備によっては、前述したような異なる種類の医療廃棄物を収集し、保存するための別々のカートが設けられていることもある。巡回看護婦または廃棄物を出す他の医療従事者が、最初に廃棄物を分類し、その廃棄物をカートの適切なバッグ内に入れる仕事を担当している。通常の廃棄物、赤バッグ廃棄物、または放射性廃棄物のいずれかを含んでいるバッグがほぼ一杯になると、そのバッグは、シールされることになる。この時点で、バッグは、廃棄物処理施設に最終的に移送するために、装填ドックに送られることになる。緑バッグ廃棄物は、リンネル、タオル、およびシーツを再利用するために洗濯し、かつ殺菌する処理施設に送られるようになっている。
【0004】
包装された殺菌物品の出現によって、特に、このような包装された殺菌物品が、機器、ツール、または付属品の再利用可能な一片に取って代わった場合、固形医療廃棄物の量が多くなってきている。また、包装された殺菌物品ならびに新しい医療技術および医療処置が受け入れられることによって、廃棄物流れに入る材料の量および嵩が多くなってきている。これによって、再利用可能な医療機器が廃棄物流れに不注意によって入る機会も大きくなってきている。特に、再利用可能な機器が紛失されるかまたは不注意によって捨てら
れることによって、紛失した再利用可能な機器を購入するための経費が、徐々に大きくなってきている。高値な医療機器が紛失したとき、紛失した機器を見つけることを願って、廃棄物流れに入っているごみのバッグを物理的に探すことを病院関係者に義務付けている病院もある。この解決策は、実際的ではなく、望ましくもなく、また機器を探す担当者に危険が及ぶこともある。重大な1つの危険として、担当者が、不注意によって紛失した機器を求めて「赤バッグ」を探すときに、生物学的に汚染された廃棄物に晒されることが挙げられる。
【0005】
殆どの再利用可能な機器は、それらの予想寿命に基づき、(多くの場合、金属成分を含有している)耐久性のある材料を含むように設計されている。その結果、このような機器は、適切に設計された金属検出システムによって検出されることが可能である。すなわち、金属検出システムは、機器、ツール、または付属品の金属を含有している一片が廃棄物バッグ内に堆積されていることを、関係者に警告するものである。
【0006】
多くの異なる形態にある金属検出システムが、入手可能であり、担当者が紛失した金属物品を探すのを補助するために、用いられている。いくつかのシステムは、廃棄物バッグが廃棄物によって満たされた後に金属を検出するために、金属検出器を用いるようになっている。これらのシステムの明らかな欠点は、ごみで満たされて重くなっていることが多いバッグを関係者が取り扱う必要があることである。さらには、もし金属が検出されたなら、担当者は、物品を見つけるために、ごみで満たされたバッグ内をくまなく探さねばならない。ごみ内に見出される物品は、金属品によって作製された一回使い捨て品であることが多く、結局のところ、バッグ内に堆積されるのが妥当とされる場合もある。例えば、モータまたはバッテリのような金属要素を含む一回使い捨て式廃棄物品が検出されることも稀ではない。加えて、バッグは、通常、紐によって閉じられており、開けるのが困難であり、これによって、関係者の仕事がさらに一層困難なものになる。
【0007】
さらに、生物学的材料が汚染物を含んでおり、感染疾患を伝染させることがあることを理解されたい。従って、これらの材料を含んでいるバッグを取り扱う担当者は、不注意によって、これらの汚染物に晒される危険性がある。また、これらの生物学的材料のかなりの部分が、液体状態にある。これらの液体は、取扱い中、バッグから外に漏れることが知られている。また、液体状態にあるこれらの生物学的材料およびそれらに付随する汚染物は、エアロゾル化されることが知られている。このエアロゾル化が生じると、周囲環境が汚染されことがあり、バッグを取り扱う担当者以外の多くの人への感染の恐れが大きくなる。これらの危険性は、担当者が感染性のある廃棄物または危険な廃棄物に混ざっている再利用可能な機器または他の金属物品を探すとき、著しく大きくなる。
【0008】
提案されている他の解決策は、廃棄の時点における金属検出である。周知の廃棄物カートは、典型的には、廃棄物バッグを保持するための胴部と、バッグの上方において胴部の上端に配置された金属検出リングと、を備えている。これらのシステムでは、金属含有対象物が廃棄されたとき、ユーザが金属含有対象物用のバッグの内側を見ることを求める警報器が始動されるようになっている。前述したように、これは、医療処置または外科処置中には、決して望ましくない。もしバッグが医療廃棄物によって部分的にまたはほぼ完全に満たされている場合、関係者が金属含有対象物を探してバッグ内の医療廃棄物をずらしたとき、金属含有物品が廃棄物バッグの底にすべり込む可能性がある。加えて、医療処置を行っている無菌従事者が、無菌状態を途切らせることなく、廃棄物容器の内容物を探すことができない。
【0009】
金属検出リングは、その金属検出リングが胴部および廃棄物バッグの上端に位置していることに起因して、埃および生物学的材料が溜まるので、使用ごとに洗浄されねばならない。また、これらの先行技術のシステムによる金属検出は、警報器具を始動させる金属成
分の量を変更するように、調整可能になっていない。従って、使い捨て式の医療機器、ツール、および付属品が多くなっても、これらの先行技術によるシステムは、警報条件を選択的に設定することができないので、疑似警報を減少させることができない。
【0010】
従来の廃棄物カートへの廃棄物バッグの固定は、面倒であることが多い。担当者の中には、開口の大きさを小さくするために、廃棄物バッグの上端に結び目を作る者もいる。次いで、バッグを廃棄物カートのフープの上で引き伸ばし、これによって、バッグを廃棄物カートに固定する。この方法は、時間が掛かり、必ずしも、バッグの固定が常に一定であるとは言えない。
【0011】
2007年10月18日に「固形医療廃棄物を圧縮するためのシステムおよび方法」の表題で出願された本出願人が譲渡人である米国仮特許出願第60/980,964号明細書(特許文献1)は、医療廃棄物を収集し、収集プロセス中に、金属から形成されている物品が不注意によって廃棄されたどうかを判断するための1つの代替的なシステムを開示している。この特許の内容は、(
として公開されている)2008年10月16日に出願された国際出願第PCT/US2008/080170号パンフレット(特許文献2)に含まれている。なお、これらの文献は、参照することによって、ここに含まれるものとする。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図について説明する。なお、いくつかの図を通して、同様の番号は、同様または対応する部品を示すものとする。
図1において、固形医療廃棄物収集システムが、40で総称的に示されている。このシステムは、医療処置または外科処置中に固形医療廃棄物を収集するのに特に適しているが、この目的に制限されるものではない。このような廃棄物として、(1)通常のごみ、(2)使用済みのリンネル、タオル、およびシーツ、(3)体液によって覆われているかまたは体液に晒されている固形物品、および(4)放射性廃棄物が挙げられる。
【0020】
図1を参照すると、システム40は、平面的な基部44を有するカート42を備えている。カート42に可動性をもたらすために、キャスタ46が基部44の底に取り付けられている。矩形状の脚48が、基部44の片側から上方に延在している。脚48は、基部44の上方において、開いた矩形状フレーム50を吊り下げている。
【0021】
フレーム50は、電磁波の伝達に影響を及ぼさないプラスチック材料または他の材料から形成されている。フレーム50は、前ウエブ60および後ウエブ62と、前ウエブ60および後ウエブ62を相互接続している前後方向に延在している横ウエブ64,66と、を備えている。フレーム50の前ウエブ60および後ウエブ62は、これらのウエブに連結された前後方向に延在している横ウエブ64,66よりも長くなっている。
【0022】
複数のコーナブロック52が、フレーム50の外面から外方に突出している。ブロック52は、フレーム50内に配置されたバッグ54の開いた周縁51を掴むための保持部材の機能を果たしている。バッグ54の周縁51が引き伸ばされてフレーム50およびブロック52の上に折り重ねられたとき、周辺51がブロック52の下に保持されるようになっている。ブロック52は、交差している互いに隣接して接続されたウエブ60,62,64,66のコーナから外方に突出している。
【0023】
バッグ54は、好ましくは、気密バリアをもたらすプラスチックから形成されている。バッグ54を形成することができるプラスチックとして、ポリエチレン、ポリプロピレン、またはナイロンが挙げられる。バッグ54は、2つの互いに向き合った矩形状の本体パネル120を有するように、形成されている。本体パネル120の底縁および側縁は、互いにシールされている。
【0024】
いくつかの実施形態では、基部44は、バッグ54が廃棄物によって満たされたときに、そのバッグ54の重量を測定するための感圧性トランスデューサ55を備えている。この特徴部およびこの特徴部を組み入れている基部は、米国仮出願第60/980,964号および国際特許出願第PCT/US2008/080170号に記載されている。なお、これらの特許の内容は、参照することによって、ここに含まれるものとする。
【0025】
本発明のいくつかの実施形態では、金属検出コイルが配置されている。具体的には、検出コイル72およびゼロコイル73が、一緒になって、送信コイル70の反対側に配置されている。
図1によれば、これらのコイル70,72,73は、互いに向き合わせて、前ウエブ60および後ウエブ62に配置されていてもよいし、または横ウエブ64,66に配置されていてもよい。全体として、コイル70,72,73は、いつ金属がウエブによって形成された開口を通ってバッグ54内に入ったかを検出するエミッタ/センサアセンブリとして、機能するものである。一般的に、検出コイルによって出力される信号は、フレーム50を通ってバッグ54の開いた周縁51内に入る金属の量によって変化することを理解されたい。上記の実施形態は、従来の金属検出コイル装置とは異なっている。
【0026】
従来の金属検出コイル装置も、適切な幾何学的形状を有していれば、カート内に実装さ
れることが可能である。同軸装置と呼ばれる1つのコイル装置では、一般的に、多数のコイルが賦形された周縁をなしており、これらの周縁の中心軸が同軸となるように、配置されている。すなわち、同軸装置では、これらのコイルは、同様の外寸法および外形を有しており、互いに積層されて、この同軸装置が得られることになる。積層コイルは、典型的には、ゼロコイル73が上に位置し、送信コイル70が真ん中に位置し、受信コイル72が底に位置するように、配置されている。これらのコイルは、連続ループ状に巻かれている。ループは、円形、正方形、矩形、三角系、または六角形などさまざまな形状を取ることができる。この同軸装置では、ループ形状の周縁の内側に、被検出対象物を通過させるようになっている。当技術分野において知られている他のコイル装置は、同心コイルと呼ばれている。同心コイル装置では、多数のコイルが、典型的には、同一の軸に対して平行に配列されており、コイルの大きさが互いに異なっている。典型的な同心コイル装置では、中心ループコイルは、ゼロコイル73であり、真ん中のループは、送信コイル70であり、外側ループは、検出コイル72である。互いに異なる周縁寸法を有するこれらのコイルは、典型的には、平面状に配置されている。このコイル装置は、同心配置されたそれぞれの周縁によって形成された平面の上または下のいずれかを通過する金属を検出する場合に、有用である。また、同心コイルの周縁は、円形、正方形、楕円形、三角形などのような種々の形状を取ることができるが、最も一般的な形状は、円形である。
【0027】
図2は、カート42に一体化されている回路要素のブロック図である。これらの要素は、プロセッサ74を備えている。信号発生器76がAC信号を生成し、このAC信号が、
図2に示されているように、送信コイル70およびゼロコイル73の両方に印加されるようになっている。ゼロコイル73に印加される信号は、典型的には、送信コイルに印加される信号と逆位相になっており、通常、送信コイル70によって出力される信号を相殺している。従って、もしフレーム50を通過する金属が両方の信号を妨害しないなら、理想的には、どのような信号も検出コイル72の側に生じることがない。カート42は、ディスプレイ78も有している。いくつかの実施形態では、警報器75、例えば、聴覚的警報器が、ディスプレイ78に一体化されている。本発明のいくつかの実施形態では、1つ以上の個々に作動される灯79が、フレーム50のコーナに取り付けられており、ディスプレイ78の一部をなしている。
【0028】
いくつかの実施形態では、
図1に示されている複数の個別に作動される灯セグメント87を有する灯バー85が、検出コイル72によって生じた信号の強度を表示するようになっている。図示されていないが、プロセッサ74が灯セグメント87の作動を調整するようになっていることを理解されたい。本発明のいくつかの構成によれば、プロセッサ74を作動させる灯セグメント87の数は、検出コイル72によって出力された信号の解析に基づいて決定された検出金属の量に比例している。もし信号解析が少量の金属しかバッグ54内に入っていないことを示した場合、1つのセグメント87しか照らされないことになる。もし信号解析が大量の金属がバッグ内に入ったことを示した場合、複数の灯セグメントが照らされることになる。この特徴は、バッグ54内に廃棄される対象物の相対的な金属含有量を素早く点検するのに有用である。
【0029】
ユーザが、感度セレクタ89によって、警報器を始動させることになる検出金属の閾値を設定するようになっている。セレクタ89は、多数の異なる入力形式、例えば、多数の設定が可能なポテンシオメータダイアルまたはノブ、2つの設定が可能なスイッチ、などのいずれであってもよい。セレクタ89によって出力される信号の状態は、プロセッサ74によって監視されており、これによって、プロセッサ74は、ユーザの所望の設定を定めることができる。この設定に基づいて、プロセッサ74は、いつ検出コイルによって出力された信号が警報器の始動レベルに達したかを決定することになる。この閾値調整は、金属薄片からなる包装紙、すなわち、小金属含有量であるが大容量の一回使い捨て式消耗品によって生じることがある迷惑な警告を低下させるために有用である。
【0030】
いくつかの実施形態では、金属含有量の信号が所定レベル、例えば、灯バー85の3つのセグメント87の全てを照らすことになるレベルを超えるまで、聴覚的警報器が音を発しないように、金属検出の閾値を設定することができる。従って、灯バー85は、ユーザに相対的な金属含有量を示すようになっているが、3つのセグメントが照らされたときのみ、聴覚的警報器が作動されることになる。すなわち、2つ以下のセグメント87が照らされたときには、どのような聴覚的警報も生じることがない。プロセッサ74は、各セグメント域に対応する廃棄される対象物の数、例えば、1つのセグメント87、2つのセグメント87、などを照らすことになる対象物の数を計数するカウンタ(図示せず)を備えていてもよい。プロセッサ74は、この情報を後の報告のために記憶するようになっている。この報告を用いて、対象物の不適切な廃棄を最小限に抑えると共に医療従事者に対する不都合さを最小限に抑えるように、システム設定値を調整することができる。照らされる灯セグメントは、ユーザがどのレベルに聴覚的警報器を設定するかを決定する目安として用いられてもよい。例えば、もし再利用可能な外科用メスハンドルが、金属検出コイルの傍らを通過したとき、2つのセグメント87を照らすのであれば、ユーザは、その再利用可能な外科用メスハンドルを検出するように、聴覚的警報器を設定することを決定することができる。
【0031】
バッテリ80が、カート42内の構成部品に電力を供給するようになっている。本発明の殆どの態様において、バッテリ80は、一組の充電式電池から構成されている。図示されていないが、(1つまたは複数の)電圧調整器が、カート42に一体化されている電力消耗部品にとって必要な電位の信号を出力するようになっている。また、バッテリ80によって供給される電力が印可されるバッテリ80からの全ての接続部は、ここでは示されていない。これらの充電式電池は、内蔵式充電器によって充電されてもよいし、または代替的に、独立式充電器によって充電されてもよい。図には、どちらの充電器も示されていない。
【0032】
また、カート42内には、受信機82も設けられている。受信機82は、第2のコイル72に生じた信号をプロセッサ74によって処理可能な形に変換するために、第2のコイル72に接続されている。トランスデューサ55によって生じた信号も、入力信号としてプロセッサ74に印加されるようになっている。図示されていないが、プロセッサに印加する前にトランスデューサ55からの信号を増幅するのに必要などのような増幅器が設けられていてもよい。
【0033】
前述したように、および米国仮特許出願第60/980,964号に記載されているように、コイル83が、カート42内の回路の一部をなしているとよい。コイル83は、カート42に誘導的に伝達されるエネルギーを受信するように構成されたコイルである。前述したように、カート42は、ごみを圧縮するための特徴部を組み入れていてもよく、バッグ54内の廃棄物を圧縮する圧縮機(図示せず)内に周期的に配置されるようになっていてもよい。カート42がこのように圧縮機内に位置決めされると、圧縮機からカート42に電流が印可され、これによって、バッテリ80を充電するようになっている。AC/DC回路84が、コイル83とバッテリ80との間に接続されている状態で示されている。AC/DC回路84は、コイル83に生じたAC信号を、バッテリ80を充電するDC信号に変換するものである。
【0034】
プロセッサ74は、トランスデューサ55およびコイル72によって出力された信号を監視するようになっている。プロセッサ74は、コイル72に生じた信号を監視し、信号に急激な変化があるかどうかを判断するものである。
図4は、金属検出および警報のステップを示している。
図4のステップ110は、コイル72、すなわち、金属検出センサからの信号の連続的な監視を示している。ステップ111は、手動によって作動される警報
リセットスイッチ126(
図4)の連続的な監視を示している。リセットスイッチ126の目的については、以下に説明する。
【0035】
プロセッサ74は、コイル72によって出力された信号、すなわち、ステップ110によって得られた信号を基準レベルと比較する。ここでも、基準レベルは、感度セレクタ89によるユーザ入力設定値に基づいて設定されている。この比較に基づいて、ステップ113に示されているように、プロセッサ74は、金属がフレーム50を通ってバッグ54内に入った可能性があることを示す信号をセンサが検出したかどうかを判断する。本発明のいくつかの態様では、解析されるセンサ信号は、平均的な信号である。10μ秒から1秒の間の期間の平均信号であるとよい。平均的な信号による比較は、プロセッサが、センサ信号に含まれる騒音によって、信号強度の変化をバッグ54内に金属が入ったことを示していると間違って解釈する可能性を低減させるためである。ステップ113からステップ110に戻るループは、ステップ110,111、112,113が連続的に実行されることを示している。
【0036】
もしステップ113の解析が金属の存在が検出されていることを示している場合、ステップ114において、プロセッサ74は、聴覚的警報器および灯警報器の両方を作動させることになる。これは、警報器75と、灯79および/または87が作動されることを意味している。設定時間の後、ステップ115によって示されているように、プロセッサは、聴覚的警報器の作動を無効とする。この期間は、典型的には、10秒未満、さらに典型的には、5秒未満である。プロセッサ74は、警報器75を停止する一方、灯79および/または87を作動させている制御信号を継続的に有効とする。
【0037】
しかし、プロセッサ74は、ステップ111の警報リセットスイッチ126の監視に基づいて、ステップ116において、スイッチ126が作動しているかどうかを評価する。スイッチ126が作動していると判断した場合、ステップ117において、プロセッサ74は、信号を有効とし、その結果、灯79および/または87を停止し、灯警報器の作動を無効とする。
【0038】
図3は、重量検出および警報のステップを示している。トランスデューサ55によって出力された信号は、バッグ54に含まれている重量に関連している。カート42が使用されているとき、プロセッサ74は、ステップ102に示されているように、トランスデューサの出力信号を継続的に監視している。また、前述したように、プロセッサは、
図3においてステップ103として示されているように、警報スイッチ126が作動されたかどうかも継続的に監視している。プロセッサ74は、トランスデューサ55から受信したこの信号をバッグ54に対する好ましい最大重量およびその容量を表す基準信号レベルと比較する(ステップ104)。ステップ104における比較が、バッグがまだ満たされていないことを示した場合、前述の監視が継続されることになる。
【0039】
時には、医療関係者が、重量トランスデューサ55によって検知されることになる外部負荷を加えることがある、例えば、医療関係者は、下側プラットホームを踏みつけることがあり、またはより多くの廃棄物をバッグ内に入れるために、手動によって廃棄物を押し込むことがある。この状態によって生じる疑似警報を防ぐために、プロセッサ74は、ステップ104において、最大重量を超えていることを示す2つ以上の継続的な信号がトランスデューサ55に生じていることを求めるようになっている。このような2つ以上の継続的な信号が生じた場合のみ、プロセッサ74は、カート42がバッグ54に好ましい最大レベル以上の重量が含まれている状態にあることを認識することになる。
【0040】
もしステップ104の比較が、バッグ54およびその内容物が好ましい最大重量を超えていることを示した場合、ステップ106において、プロセッサ74は、警報器を始動さ
せることになる。金属検出におけるのと同じように、警報器75は、聴覚的警報器および灯警報器を始動させることになる(ステップ105)。聴覚的警報器は、短時間の後、停止されるようになっている(ステップ106)。灯警報器、すなわち、灯79および/または87の連続的な作動は、ステップ107において警報リセットスイッチ126が設定されるまで、継続することになる。リセットスイッチが設定された時点において、ステップ108において、灯警報器の作動が、無効とされる。
【0041】
図1を再び参照すると、本発明のシステム40のカート42は、バッグ54をカート42に取り付けることによって、使用の準備が整うことになる。医療処置または外科処置が行われる直前に、カート42が作動される。この作動は、信号発生器76が制御スイッチ124によって作動され、プロセッサ74が、コイル72に生じる信号およびトランスデューサ55によって検知される圧力を積極的に監視することを意味している。医療処置/外科処置中、廃棄物は、通常通りに、バッグ54内に入れられることになる。
【0042】
ステップ114における聴覚的警報器および灯警報器の両方の作動によって、金属がバッグ54に入ったことが医療処置/外科処置の従事者に知らされることになる。この警報は、廃棄された対象物が、不注意によって廃棄された再利用可能な対象物ではないことを、これらの医療従事者が確認することができる手掛かりとして、機能するものである。もし対象物が不注意によって廃棄されたものであることが分かった場合、この対象物をさらなる廃棄物がその上に堆積される前に素早く取り出すことができる。
【0043】
警報リセットスイッチ126は、カート42の基部44に移動可能に取り付けられた足ペダル130とすることができる。この足ペダルを用いることによって、ユーザは、警報器を停止させるために、医療処置または外科処置中に無菌状態を途切らせる必要がない。代替的に、付加的な停止スイッチが、この実施形態に追加されていてもよい。この付加的な停止スイッチは、スイッチ126と対向する側のカート42の上部構造内に配置されているとよい。例えば、前ウエブ60の外側に配置されているとよい。この位置は、特に足スイッチ126が無菌外科処置領域に面しているとき、手術室内の無菌状態にない巡回員が警報器を制御することができる、より便利な位置である。
【0044】
ここに記載されている実施形態は、廃棄の時点において機能する金属検出について述べている。使用中、これらの廃棄の時点において、金属検出システムは、もし再利用可能な医療機器が不注意によって廃棄された場合、その機器を発見する人の能力を手助けする実時間情報をもたらすものである。しかし、前述したように、金属を含んでいない一回使い捨て式機器は、使用後に廃棄されるべきである。これらの廃棄の時点において、システムは、この実時間情報をもたらし、これによって、ユーザは、得られた実時間情報を廃棄物を捨てるときに何が起こるかに関するユーザの予想と比較することができる。例えば、外科処置に用いられる小さい再利用可能な電動ツールが廃棄可能な外科用掛け布に留められており、この掛け布が一緒に集められて電動ツールを含む塊になり、次いで、この塊が適切な容器内に捨てられたとする。この場合、廃棄時に、金属検出システムが、警報を発して、その塊内に金属が含有していることを医療従事者に知らせることになる。医療従事者は、外科用掛け布の塊のみを廃棄したと予測していたので、警報は、医療従事者の予測と一致せず、従って、医療従事者は、調べることになる。すなわち、得られた情報とその情報のタイミングとの組み合わせによって、医療従事者は、価値のある再利用可能な機器の一片を効率的に取戻し、不注意による廃棄を阻止することができる。他の例は、医療従事者が、金属モータを含む一回使い捨て式バッテリ駆動潅水システムを廃棄する場合である。医療従事者は、潅水システムを廃棄したとき、警報器が金属検出システムによって作動されるだろうと予測していたことになる。この場合、警報は、医療従事者の予測と一致しているので、医療従事者は、廃棄物容器を調べることなくまたは廃棄物容器の中を探ることなく、警報器を簡単にリセットすることになる。
【0045】
これらの実施形態に記載されている警報器は、種々の構成および手順に従って、プロセッサによって制御可能である。例えば、金属検出システムは、視覚的警報器のみを有するように構成されていてもよいし、または聴覚的警報器のみを有するように構成されていてもよい。視覚的警報器は、1つの灯79の形態または一組の灯79の形態とすることができる。聴覚的警報器は、圧電ブザーまたはより精巧なスピーカ(図示せず)から構成される警報器75の形態とすることができる。好ましい一実施形態では、金属検出システムは、聴覚的警報器および視覚的警報器の両方を有するように構成されていてもよい。これらの警報器は、警報器が生じる迷惑を最小限に抑えながら重要な警告機能をもたらすように機械化されているとよい。例えば、金属検出システムが信号を処理し、警報をもたらすのが適切であると判断したとき、聴覚的警報器および視覚的警報器の両方が始動されるとよい。この例では、聴覚的警報器は、有限時間、例えば、1秒間にわたって、音を発し、次いで、自動的に停止されるようにすることができる。灯警報器は、医療従事者が廃棄物を調べ、次いで、警報リセットスイッチ126または他の停止スイッチを作動させるまで、継続させることができる。警報器のこの機械化によって、医療従事者は、廃棄物を調べるのにさらに都合の良い時間まで、金属機器を見つけるために廃棄物を調べることを忘れることなく、他の緊急作業、例えば、医療処置を継続して行うことができる。
【0046】
手術中に、バッグ54の内容物の重量および容積が増大することになる。
図3のステップごとに、プロセッサ74は、バッグ54の重量も監視するようになっている。もしバッグが重量によって過剰に撓み始めたなら、警報器を始動させて、バッグを取り換えるかまたはバッグを空にするのが適切であるという注意を促すようになっている。
【0047】
最終的に、手術のある時点において、バッグ54を閉じる準備がなされる。特定のバッグに対して、これは、ステップ104を実行した結果として、バッグ54が一杯であると判断された場合である。代替的に、実際の医療処置/外科処置が完了したとき、一杯にはなっていないバッグ54に対して、短期の保存および移送の準備がなされることもある。
【0048】
図5および
図6を参照すると、カート42の一実施形態が示されている。このカート42は、バッグ54内に落とされる前に金属含有対象物をバッチごとに検出するための予検出装置を有している。これらのバッチは、ある量の廃棄物を含んでいるが、この廃棄物の量は、最終的にバッグ54内に廃棄される廃棄物の全量の一部にすぎない。予検出装置が設けられていない場合、金属含有対象物がシステム40によって検出されたとき、ユーザは、その対象物を見つけるために、バッグ54内に既に堆積されている現存の廃棄物をかき分けて調べねばならない。廃棄物をバッチごとに検出することによって、すなわち、廃棄物をバッチ処理することによって、金属含有対象物を見つけるために点検することが必要な廃棄物の量が極めて小量となり、これによって、かき分けて調べるのが容易になり、有害な汚染物、不快な匂い、壊れたガラス、などに晒されるおそれが低減することになる。
【0049】
図5の予検出装置は、フレーム50に回転可能に接続されたホッパー200を備えている。ホッパー200は、支持プラットホーム202、支持プラットホーム202から上方に延在している1対の側壁204、および支持プラットホーム202から上方に延在している後壁203を備えている。後壁203は、側壁204を相互接続し、処理される廃棄物の各バッチ用の一時的な保存空間205を形成している。1対のヒンジ206が、プラットホーム202をフレーム50に旋回可能に接続している。ホッパー200は、ヒンジ206を中心として、装填位置と落下位置との間で旋回するようになっている。ユーザは、ホッパー200のハンドル208を掴んで、ホッパー200を移動させるようになっている。アーム210が、ホッパー200および各バッチ負荷を支持するために、脚48から直角に片持ち式に延在している。
【0050】
この実施形態では、第2の感圧トランスデューサ212が、廃棄物の各バッチの重量を測定するために、アーム210上に配置されている。この情報を用いて、金属含有量対重量比率または係数を得ることができる。従って、この係数に基づいて、警報器を作動させることができる。例えば、所定レベルを超えたこの係数に基づいて、灯バー85のセグメント87を選択的に照らすことができる。
【0051】
この実施形態では、各バッチ内に存在する金属を検出するために、コイル70,72,73が側壁204内に配置されている。勿論、前述した金属検出装置のいずれが利用されてもよい。例えば、同心コイル装置が、プラットホーム202内に配置されてもよい。また、どのような金属検出装置が、ここに述べる予検出特徴部のいずれと共に用いられてもよいことを理解されたい。
【0052】
使用中、バッグ54内に廃棄されることが意図されている対象物は、最初に、ホッパー200の支持プラットホーム202上に置かれることになる。従って、支持プラットホーム202は、廃棄物の装填ステーションとして機能することになる。金属検出を継続しながら、各対象物が、ホッパー200内に装填される。金属が検出されると、聴覚的警報器、視覚的警報器、またはこれらの両方を含む警報器が、前述したように作動されることになる。ホッパー200を用いることによって、医療関係者は、金属が検出されたとき、わずかな廃棄物をかき分けて探せば済むことになる。同じように、バッチ負荷の深さが比較的浅いので、ユーザは、多くの場合、金属含有対象物を見つけるために警報器が作動されたとき、警報器を始動させた廃棄物を視覚的に見つけ出すことができる。いったんホッパー200内の廃棄物が廃棄されるべきであることを了解したなら、ユーザは、ハンドル208を掴んでホッパーを落下位置に移動させ、バッチをバッグ54内に落下させることになる。
【0053】
図5および
図7を参照すると、別の廃棄可能なカバー212が、ホッパーを廃棄物によって汚染されないように保護している。カバー212は、ホッパー200の後壁203および側壁204を覆うようにすべらせるスリーブを画定している。このスリーブは、複数のパネル214を備えている。パネル214は、互いにシールされ、ホッパー200の形状に密接に追従する気密バリアを形成している。
図8は、前述したバッグ54に一体化されたホッパー200用の代替的な保護カバー218を有するバッグ54を示している。
【0054】
図9を参照すると、他の実施形態において、予充填アセンブリは、フレーム50に旋回可能に接続されたプラットホーム300を備えている。1対のヒンジ302が、プラットホーム300をフレーム50に旋回可能に接続している。プラットホーム300は、プラットホームが折り畳まれてカート342の全体の設置面積を低減させることになる格納位置と、(
図9に示されている)装填位置と、の間で移動可能になっている。
【0055】
廃棄可能なトレイ304(または保護カバー付きの再利用可能なトレイ)が、バッグ54内に堆積させることが意図されている廃棄物を受けるために、装填位置にあるプラットホーム300上に配置されている。プラットホーム300は、装填ステーションとして機能している。
【0056】
検出器フレーム306は、廃棄されるべきではない金属含有対象物が存在しているかどうかを判断するために、満杯状態にあるトレイ304を手動によってまたは自動的に走査するために、プラットホーム300に沿って摺動するようになっている。検出器フレーム306は、4つの相互接続された部材308,310,312,314を備えている。これらの部材は、互いに向き合った上部材308および底部材310と、互いに向き合った左側部材312および右側部材314である。側部材312,314には、プラットホー
ム300を摺動可能に受け入れるために、切欠きが設けられている。金属含有対象物を検出するために、コイル70,72,73が、側部材312,314内に配置されている。
【0057】
走査が自動的になされる実施形態では、プラットホーム300は、トレイ304上の廃棄物のバッチの重量を測定するために、第2の感圧トランスデューサ316を備えている。バッチが所定の重量または所定の金属含有量対重量係数に達したとき、検出器フレーム306がトレイを横切って移動し、金属含有対象物を検出することになる。
【0058】
駆動アセンブリ318が、検出器フレームを移動させるようになっている。駆動アセンブリ318は、モータ320および駆動ネジ322を備えている。駆動アセンブリ318は、駆動ネジ322を受けるために、底部材310に固定された駆動ナット324をさらに備えている。好ましくは、プロセッサ74は、バッチが所定重量または所定係数に達したとき、モータ320を移動させることになる。代替的に、プロセッサは、駆動アセンブリ318によってバッチを走査させ、各走査の終端において検出器フレーム306を始動位置(
図9参照)に再設定するように、モータ320を周期的に作動させてもよい。モータ320は、手動による実施形態では、プッシュ−ボタン制御されてもよい。手動による棒状金属検出器326を用いて、バッグ54内に落下させる前に、廃棄物のバッチを走査することもできる。
【0059】
図10に示されている同様の実施形態では、検出器フレーム330は、カート342のプラットホーム300に固定されており、ユーザは、廃棄の前に、トレイ304を検出器フレーム330内に通すようになっている。ユーザは、検出された対象物が不注意によって廃棄されたものではないと了解したとき、手動によって、トレイをバッグ54内に落下させることになる。
【0060】
図11〜
図13を参照すると、予検出装置の他の実施形態が示されている。この実施形態では、バッグ54内にバッチ空間をもたらすために、バッグ拘束装置400が、フレーム50の直下でバッグ54を閉塞するようになっている。バッグ拘束装置400は、バッグ54の上方の所望の位置に配置された弾性バンド402を備えている。弾性バンド402は、その通常状態において、各バッチが処理されるまで廃棄物がバンドの上方からバンドの下方に移行するのを阻止するために、バッグ54を閉塞している。典型的には、バッチ空間は、各バッグ54に対して2〜10バッチが処理されるように寸法決めされている。
【0061】
バッグ拘束装置400は、バンド402を完全に取り囲んでいる複数の非金属ループ404をさらに備えている。柔軟な非弾性ケーブル406が、ループ404の各々から延在している。これらのケーブルは、フック408またはベルクロ(Velcro(登録商標))または他の離脱可能なコネクタによって、ループ404に接続されている。複数のモータ/プーリアセンブリ410を作動させて、ケーブル406の各々をプーリ412に巻き付けるようになっている(
図13参照)。ケーブル406をプーリ412に巻き付けると、弾性バンド402がそのバンド402の周りの4つの等距離位置に引っ張られ、これによって、バンド402を拡張させて、バッグ54の拘束を解除し、バッチ内容物を放出させることになる。
【0062】
作動中、拘束状態にあるバッグ54の上部は、廃棄されることが意図されている材料が最初に堆積される装填ステーションとして機能している。この装填ステーションにおける材料の高さは、ウエブ60,62,64,66の1つに取り付けられた光学センサ414によって監視されている。この材料高さの測定は、ステーションにおける廃棄物の量を概算するのに役立つことになる。いったん廃棄物の高さが光学センサに達したなら、プロセッサ74は、装填ステーションにおける材料のバッチ内において検知された金属の積算量
を決定する。もし金属の積算量が許容限度内にあるなら、プロセッサ74は、材料がバッグ54の底区域内に落下することを可能とする。プロセッサ74は、この落下が、モータ/プーリアセンブリ410を作動させて、弾性バンド402を拡張させ、廃棄物のバッチ負荷を放出させることによって、行われることを可能とする。いったん放出されると、モータ/プーリアセンブリ410が逆転し、弾性バンド402は、廃棄物の新しいバッチに備えて、バッグ54を再び閉塞することになる。モータ/プーリアセンブリ400を作動させるために、手動のプッシュ−ボタン制御が用いられてもよいことを理解されたい。各バッチにおける金属を検出し、警報器を前述したように作動させるために、コイル70,72,73が、フレーム50内に配置されている。
【0063】
バッグ54は、組み立てられて、バンド402およびループ404がすでにバッグ54に取り付けられた状態で、手術が行われている設備に供給されるようになっている。従って、ユーザは、バッグ54を取り換えるときに、フック408をバンド402に対して脱着するのみでよいことになる。バンド402によって、より小さい設置面積がもたらされ、これによって、本発明の他の実施形態よりも床面積を小さくすることができる。
【0064】
図14〜
図16を参照すると、別のバッグ拘束装置500を有する他の実施形態が示されている。ここでは、バッグ54内にバッチ空間をもたらすために、バンド402が1対のピンチバー502に取り換えられている。1対のモータ504が、フレーム550のコーナの底面506に取り付けられている。各モータ504は、フレーム550の直下でバッグ54を挟んで閉じるように、ピンチバー502の1つを操作するようになっている。金属を検出するために、コイル70,72,73がフレーム550内に配置されている。バッチ重量を検出するために、第2の圧力トランスデューサ510がピンチバー502の1つに配置されている。プロセッサ74がバッチの重量および金属含有量を評価し、もしそれらの量が許容範囲内にあるなら、ピンチバー502が自動的に移動し、バッチをバッグ54の下部内に放出することになる。
【0065】
この実施形態では、フレーム550は、前ウエブ60およびコーナブロック52を取り外すように、修正されている。代わって、
図14〜
図16のフレーム550は、後ウエブ562および側ウエブ564,566のみを備えている。灯79が、側ウエブ564,566の端およびディスプレイボード518上に取り付けられている。
図15は、
図14に示されているカート542上に取り付けられるように構成されたバッグ520を示している。
図1のバッグ54と同じように、バッグ520は、それらの底縁および側縁が一緒にシールされた2枚の矩形状の主パネル522から形成されている。バッグ520は、1対のスリーブパネル524をさらに備えている。スリーブパネル524は、その上縁および底縁が、主パネル522の各々の上端および主パネル522の各々の上端の直下において、主パネル522の外側にシールされており、側ウエブ564,566上を摺動するスリーブを画定している。これらのスリーブは、使用中、側ウエブ564,566を埃および破片から保護するものである。
【0066】
図16は、第2の対のスリーブパネル530を有する他のバッグを示している。これらのスリーブパネル530は、主パネル522の外側にシールされており、ピンチバー502上を摺動するスリーブを画定している。第2の対のスリーブパネル530も、それらの上縁および底縁が、主パネル522の各々に幅方向に沿ってシールされている。スリーブパネル524,530は、主パネル522の幅と等しい長さを有している。従って、スリーブパネル524,530の上縁および底縁は、主パネル522に幅方向に沿って完全にシールされている一方、スリーブパネル524,530の側縁は、シールされておらず、これによって、これらのスリーブは、側ウエブ564,566およびピンチバー502上を摺動することが可能になっている。
【0067】
図14〜
図16に関連して説明している本発明の態様では、
図11〜
図13において説明した本発明の態様と同じように、拘束状態にあるバッグの上部は、廃棄されるために堆積される材料が最初に置かれる装填ステーションとして機能している。
【0068】
図17を参照すると、バッグ拘束装置600の他の態様が示されている。この実施形態では、バッグ拘束装置600は、側ウエブ564,566に旋回可能に取り付けられた1対のドア602を備えている。ドア602は、落下位置と装填位置との間で移動可能になっている。各ドア602は、装填位置にあるときにフレーム50の底部をなすように、略平坦になっている。1対のモータ604がフレーム50の後コーナの底面に取り付けられている。各モータ604は、ドア602の1つを落下位置と装填位置との間で回転させるようになっている。装填位置では、これらのドア602は、フレーム50の開口を閉じ、バッグ54をそれらの間に挟むようになっている。新しいバッグ54がカート642に配置された後、モータ604は、自動的にまたは手動によって、ドア602を装填位置に移動させることになる。
【0069】
いったん装填位置に配置されると、カート642は、バッチ装填の準備を整えることになる。金属を検出するために、コイル70,72,73が、フレーム50内に配置されている。バッチ重量を検出するために、第2の圧力トランスデューサ610が、ドア602の1つの上に配置されている。ドア602は、バッチが所定の重量または所定の金属含有量対重量係数に達したときに、自動的に移動するようになっている。この実施形態では、バッチ装填プロセス、警告プロセス、および落下プロセスは、手動操作および自動操作の両方を含み、先行の実施形態に記載されているように行われている。
【0070】
図18〜
図20は、バッグ拘束装置700の他の実施形態を示している。この実施形態では、バッグ拘束装置700は、フレーム50の直下でバッグ54を挟み、この位置でバッグ54をヒートシールし、これによって、バッグ54の全容積の一部のみからなる廃棄物のバッチ空間をもたらすことになる。好ましくは、2〜10のバッチが、各バッグ54において処理されるようになっている。
【0071】
図19を特に参照すると、バッグ拘束装置700は、フレーム50の直下でバッグ54を挟むための1対のピンチバーアセンブリ702を備えている。各ピンチバーアセンブリ702は、水平部材706および水平部材706から下方に延在している垂直部材708を備えている。矩形キー710が、水平部材706の互いに向き合った端の各々に配置されており、各端から、前ウエブ760および後ウエブ762の底面の細長の長孔712を通って、上方に延在している。ナット714がキー710の各々に固定されている。ナット714を駆動するために、駆動ネジ716が前ウエブ760および後ウエブ762の各々に取付けられている一方、長孔712内のキー710がナット714を回転させないように阻止している。ナット714は、駆動ネジ716に沿って走行し、ピンチバーアセンブリ702を落下位置から装填位置に移動させることになる。駆動ネジ716は、駆動ネジ716の一方の半体が一方向のネジ山を有し、他方の半体が反対方向のネジ山を有するように、構成することが可能である。その結果、同一の駆動ネジ716が、ピンチバーアセンブリ702のナット714を、その駆動ネジ716が一方向に回転されたときには、互いの方に移動させることができ、その駆動ネジ716が逆方向に回転されたときには、互いに離れる方に移動させることができるようになっている。
【0072】
図20を参照すると、カート742の基部744は、バッグ54およびその内容物を支持するための可動プラットホーム718を備えている。1対の駆動アセンブリ720が、可動プラットホーム718を2つの矩形脚748に沿って上方に移動させるようになっている。各駆動アセンブリ720は、基部744に取り付けられたモータ724、および脚748の各々内に回転可能に支持された駆動ネジ726を備えている。可動プラットホー
ム718は、可動プラットホーム718の両側に固定されてそこから延在している1対の駆動ナット728を備えている。キー730が、ナット728を可動プラットホーム718に接続している。キー730は、脚748の細長の長孔732内に挿入されており、ピンチバーアセンブリ702と同じように、調整中に長孔732に沿って移動するようになっている。
【0073】
バッグ54が最初にカート742上に置かれると、ピンチバーアセンブリ702が装填位置に移動し、バッグ54をフレーム50の下方で拘束し、可動プラットホーム718がピンチバーアセンブリ702の直下の位置まで持ち上げられる。ピンチバー702が閉じられると、これらのピンチバーの上方のバッグの互いに向き合った区域が、装填ステーションになる。廃棄される材料が、バッグ54のこれらの区域上に置かれる。コイル70,72,73は、前述したように、側ウエブ74,66内に配置されていてもよいし、またはピンチバーアセンブリ702の水平部材706内に配置されていてもよい。この実施形態では、金属検出および警報は、前述したように行われるようになっている。
【0074】
いったん廃棄物の最初のバッチが処理されたなら、ピンチバーアセンブリ702は、手動によってまたは自動的に、装填位置から落下位置に移動される。次いで、可動プラットホーム718がバッチ負荷を支持し、ピンチバーアセンブリ702がバッチ負荷の上方に位置するまで、降下される。
【0075】
ヒートシールコイル734,736が、ピンチバーアセンブリ702の垂直部材708内に配置されている。これらの垂直部材708は、廃棄物の第2のバッチのために、装填位置において一体になっている。次いで、最初のバッチ負荷の上方においてバッグ54の挟まれた区域にシールをもたらすために、プロセッサ74が、ヒートシールコイル734,736を作動させることになる。
【0076】
従って、バッグ54は、バッチ負荷の上下でシールされ、これによって、流体を含み、バッグ54から外に漏れる臭気を低減させることができる。この実施形態では、最初のバッチ負荷がバッグ54の底に蓄えられ、そのバッチ負荷の上方で、バッグ54がヒートシールされる。このバッチの上方に、次のバッチが蓄えられることになる。可動プラットホーム718は、トランスデューサ55を備えていてもよく、これによって、プロセッサ74は、バッグ54の全重量を決定することができる。代替的に、ピンチバーアセンブリ702の1つの上の第2のトランスデューサ755を用いて、個々のバッチ重量を加算することによって、バッチ重量および全重量を決定するようになっていてもよい。また、第2のトランスデューサ755による重量または係数の値によって、プロセッサ74は、各バッチの処理がいつ完了したかを決定することもできる。
【0077】
他の実施形態では、ヒートシールは、バッチ負荷を分離するためにバッグ54内に手動によってまたは自動的に配置されるバッチ隔離板、例えば、カードボードインサート(図示せず)に置き換えられていてもよいし、またはバッグ54が、各バッチが処理された後に各バッチの上方の適所に落下するようになっている一体フラップ(図示せず)を有するように、構成されていてもよい。
【0078】
図21を参照すると、
図10に示されているのと同様のアセンブリ840が示されている。このアセンブリ840は、バッグ54の開端から離れて配置されたコンベヤベルト800を有している。従って、コンベヤベルト800は、廃棄される材料が置かれる装填ステーションとして機能している。金属検出センサを有するフレーム802が、コンベヤベルト800の上方に配置されている。モータ804およびモータ駆動ローラ806が、コンベヤベルト800を第2のローラ808の周囲に駆動するようになっている。廃棄のために堆積される材料は、最初、フレーム802内に配置された金属検出センサを通過する
ことになる。フレーム802から、コンベヤベルト800が材料をバッグ54の開端内に送るようになっている。しかし、もしセンサが金属の潜在的な存在を示す信号を発したなら、アセンブリ840を制御しているプロセッサは、1つまたは複数の警報器を作動させ、廃棄されるべきではない対象物が廃棄物の流れに存在している可能性を知らせることになる。また、プロセッサは、対象物がバッグ内に落とされるのを停止するために、モータ804の作動を停止する。これによって、医療関係者は、対象物を調べて対象物が廃棄されるべきかどうかを決定する機会を得ることができる。この実施形態は、バッグ54へのアクセスを開閉するドア(図示せず)を備えていてもよい。この実施形態では、廃棄物がコンベヤベルト上に置かれるようになっているが、これは、ごみをバッグ内に直接捨てるプロセスを厳密にシミュレートしていることになる。この実施形態は、今日医療施設内において通常行われている廃棄方法、すなわち、発生した時点において廃棄ごみを廃棄する方法に密接に対応しているので、医療処置に最小限の支障しかもたらすことがない。
【0079】
図1および
図22を参照すると、バッグ引張機構900が示されている。バッグ引張機構900は、側ウエブ64,66の1つに回転可能に取り付けられて支持されているノブ902を備えている。ノブ902は、任意選択的に側ウエブ64の外側面906に回転可能に当接している基板904を備えている。外側掴みヘッド908が、基板904からシャフト910だけ離間して設けられている。バッグ54の周縁51の一部を留めるために、バッグ留め具912が、基板904に取り付けられて、そこから外方に延在している。バッグ留め具912は、好ましくは、ピン912である。ピン912は、バッグ54の周縁51をバッグ留め具912に保持するために、基板904から離間した拡大ヘッドも備えているとよい。
【0080】
図22を特に参照すると、ノブ902は、側ウエブ64の中空空間の内側に、ラチェット板916を備えている。ラチェット板916は、バネ918によってバネ付勢されており、これによって、ラチェット板916が回転すると、バネ張力が大きくなる。バネ付勢された爪部材920が、ラチェット板916のノッチを歯止めし、これによって、バネ張力およびバッグ周縁51の張力から生じる外力に対して、ラチェット板916を保持するようになっている。解除プッシュボタン922が配置されている。解除プッシュボタン922は、押圧されることによって、爪部材を持ち上げ、ラチェット板916を解除するためのものである。解除されると、ラチェット板916およびノブ902は、バネ918によってラチェット板916およびノブ902に加えられているバネ張力によって、それらの初期位置に逆転することになる。
【0081】
使用に際して、バッグ54は、最初、コーナブロック52を覆って配置される。バッグ54の周縁51の一部が、シャフト910の周囲に引き回され、バッグ留め具912に巻き付けられるか、または引っ掛けられる。具体的には、バッグ周縁51の上端2.5〜5cmの部分(この部分の大きさは、通常、コーナブロック52の下方に位置する部分の大きさと同じである)が、バッグ留め具912に巻き付けられる。ここで、ユーザは、ノブ902の掴みヘッド908を掴んでノブ902を回転させ、バッグ54の周縁51を捩じって、バッグ54の周縁51を引っ張ることになる。この張力が、バッグ54とフレーム50との間の摩擦を高めると共に、コーナブロック52の下方のフープ張力を高め、その結果として、コーナブロック72の作用と併せて、バッグ周縁51を側ウエブの外側の周りに固定するように働き、これによって、バッグ54が固定されることになる。バッグをこの張力位置から外すには、バッグ54をコーナブロック52の上方に引っ張る必要がある。バッグ54を解除するために、ユーザは、解除ボタンを押し込むことになる。解除ボタン922の押込みによって、バッグ54の捩じれが戻され、バッグ54の周縁51への張力が軽減される。ノブ902は、バネ918を介して、自動的に元の位置に戻り、次いで、ユーザは、バッグ54をバッグ留め具912から引き離し、捩じれたバッグ54をバッグ引張機構900のシャフト910から巻き戻すことになる。ここで、バッグ引張機構
900は、新しいバッグ54の準備が整えられる。
【0082】
図23を参照すると、代替的なバッグ引張機構1000が示されている。この実施形態では、拡大ヘッド1004を有する2つの引回しポスト1002が、側ウエブ64,66の1つに取り付けられている。拡大ヘッド1008を有するバネ付勢スライドピン1006が、バッグ54の周縁51を引っ張るように作用することになる。ピン1006は、側ウエブ64の底面に取り付けられたハウジング1012の細長の長孔1010内に摺動可能に取り付けられている。バネ1014が、その一端においてピン1006に取り付けられ、他端においてハウジング1012に取り付けられている。ユーザは、最初、(
図23に示されているように)バネ張力を上回る力を加えることによって、スライドピン1006を装填位置に位置決めする。バッグ54の周縁51は、引回しポスト1002の間およびスライドピン1006の拡大ヘッド1008の外側に引き回される。次いで、ユーザは、スライドピン1006を解除し、これによって、バッグ54の周縁51が引っ張られ、前述したように、増大した摩擦およびフープ張力によって、バッグは、コーナブロック52上に保持される。バッグ54を離脱するために、ユーザは、スライドピン1006を装填位置に再配置し、次いで、スライドピン1006に引っ掛かっているバッグ54を外すことになる。引回しポスト1002,1004およびピン1006の拡大ヘッドは、バッグ54の周縁51がこれらのポストおよびピンから軸方向に脱落しないように保持するのに役立つものである。
【0083】
図24A、
図24Bおよび
図25を参照すると、他の代替的なバッグ引張機構1100が示されている。ここでは、拡大ヘッド1104を有する2つの引回しポスト1102が、側ウエブ64,66の1つに取り付けられている。1対の取付けブラケット1112が、側ウエブ64に固定されている。1対のゴム製掴みパッド1106が、引回しポスト1102の下方のブラケット1112に取り付けられている。パッド1106は、ブラケット1112の一端に固定されており、パッド1106のそれぞれの片持ち端が互いに当接するように、ブラケット1112の一端から片持ち梁のように延在している。バッグ54の周縁51は、引回しポスト1102間およびパッド1106の片持ち端間に引き回されるようになっている。パッド1106は、バッグ54の周縁51がパッド1106間で引っ張られると、下方に撓むことになる。いったんバッグ54をフレーム50に保持するのに十分な張力をバッグ54に加えた時点で、ユーザは、パッド1106によってバッグ51を引っ張るのを中断する。その結果、パッド1106は、互いに水平方向に向き合った元の位置に向かって戻ろうとし、バッグ54をパッド1106間に挟み、これによって、
図24Bに示されているように、バッグ54を適所に保持することになる。パッド1106およびブラケットは、ユーザによって加えられた周縁51の張力を保持する一方向保持機構として役立つものである。バッグ周縁51を解除する場合、ユーザは、バッグ周縁51がパッド1106から離れるまで、バッグを水平方向に、従って、パッド1106の端と平行の方向に引っ張るとよい。
【0084】
図25に示されている変更形態では、バネ1110が、ウエブ64に固定された突起1114から延在している。バネ1110は、ブラケット1112を突起1114に移動可能に接続している。バネ1110は、ユーザがパッド1106を通して下方に引っ張るときに、パッド1106を下方に付勢し、これによって、バッグ54の取付けを容易にすることができる。
【0085】
図26は、他のバッグ引張機構1200を示している。この実施形態では、2つのスイングアーム1202が、フレーム50の後ウエブ62に旋回可能に取り付けられている。捩じれバネ1204が、ピン1206の周りに配置されている。ピン1206は、スイングアーム1202を後ウエブ62に旋回可能に取り付けている。スイングアーム1202は、L字形状を有している。使用に際して、バッグ54の周縁51は、フレーム50およ
びスイングアーム1202の外側に巻かれるようになっている。このとき、スイングアーム1202は、後ウエブ62およびコイルバネ1204のバネ付勢に対して、保持されている。次いで、スイングアーム1202が解除され、これによって、張力がバッグ54の周縁51にもたらされることになる。バッグ54を取り外すには、スイングアーム1202を再びフレーム50に対して保持させ、次いで、バッグ54をフレーム50およびスイングアーム1202から外すことになる。
【0086】
図示されていない本発明の他の態様では、再利用可能な対象物が廃棄されるのを防ぐために、または対象物が間違ったバッグ内に廃棄されるのを防ぐために、補助的な識別システムが、金属検出と組み合わせて用いられてもよい。
図1を参照すると、識別システムは、医療処置または外科処置中に用いられる全ての対象物に付されるRFID90(廃棄されているサンプル対象物を参照)を備えている。フレームに取り付けられたリーダ88が、RFIDが廃棄される途中でリーダ88の傍らを通過するとき、そのRFIDを検知するようになっている。
図1では、後ウエブ62に取り付けられたリーダ88の傍らを通過するRFIDが付された対象物が示されている。リーダ88は、各RFIDを検知すると、対応する信号をプロセッサ74に送信する。プロセッサ74は、対象物が廃棄されるべきかまたは再利用可能であるかを決定するために、参照テーブルによってRFIDを調べることになる。もし廃棄されるべきではない場合、警報器が作動されることになる。対象物が誤って廃棄されたことを明瞭に示すために、別の警報器が用いられてもよい。
【0087】
プロセッサ74は、対象物が廃棄されるとき、在庫備品および発注備品、ツール、付属品、などを監視するために、中央在庫管理システム(図示せず)に無線によって接続されていてもよい。データをプロセッサから在庫管理システムに無線によって送信する少なくとも2つの好ましい方式として、赤外周波または高周波を用いる方式が挙げられる。一例では、一回使い捨て式廃棄可能な製品の包装材料がRFIDを含んでいてもよく、リーダ88が、その包装物がすでに開封されており、取り換える必要があることを示す信号を中央在庫管理システムに送信するようになっていてもよい。
【0088】
RFID情報および他の金属検出情報は、このような情報から利得を得ることができる他の管理システムに無線によって送信されるようになっていてもよい。
【0089】
処置中に、廃棄物は、別々のカート42に固定された対応するバッグ54(例えば、白バッグ、赤バッグ、緑バッグ、黄バッグ、など)内に堆積されるようになっている。カート42は、通常、廃棄物が生じる手術室または他の場所に配置されている。廃棄物を預ける人から廃棄物を受け取る循環看護婦または他の関係者が、最初に、廃棄物を分類し、その廃棄物を適切なカート42内に入れる仕事を担当することになる。通常の廃棄物、赤バッグ廃棄物、緑バッグ廃棄物、または放射性廃棄物のいずれかを含むバッグ54は、ほぼ一杯になると、密封される。この時点において、バッグ54は、廃棄物処理設備に最終的に移送するために、装填ドックに送られることになる。
【0090】
明らかに、前述の説明に照らして、本発明の多くの修正および変更が可能である。すなわち、本発明の種々の実施形態の特徴は、互いに組み合わされてもよい。また、本発明の各実施形態における全ての特徴が、記載されている実施形態の利点および利得をもたらすために、必ずしも必要ではない。同様に、構成要素の形状は、記載されているものと異なっていてもよい。例えば、バッグを吊るしているフレームは、矩形状として概略的に示されているが、必ずしも、この形状である必要がない。本発明のいくつかの態様では、フレームは、円形状であってもよいし、または楕円状であってもよい。本発明の全ての態様に適用されるものではないが、金属検出アセンブリの一部として、ゼロコイルを必ずしも有している必要がない。同様に、廃棄される対象物内に金属が含まれているかどうかを検知するために、磁場を妨害する以外の手段が用いられてもよい。
【0091】
ここでの説明は、特定の実施形態に向けられたものであり、当業者が、ここに図示され、かつ記載された特定の実施形態に対する修正および/または変更を考案することも可能であることを理解されたい。ここでの説明の範囲内に含まれるこのような修正または変更も、ここに含まれることが意図されている。ここでの説明は、単なる例示にすぎず、制限されることを意図するものではないことを理解されたい。
【0092】
なお、原出願の出願当初の特許請求の範囲は以下の通りである。
〔請求項1〕
医療廃棄物を収容するための可搬式カート(40)において、
可動性基部(44)と、
前記基部に取り付けられ、前記基部の上方に配置されているフレーム(50)であって、外面および開口を有している、フレーム(50)と、
前記フレームに取り付けられたセンサ(72)であって、金属が前記フレーム開口を通過したかどうかを検出し、金属が前記フレーム開口を通過したとき、センサ信号を発するようになっている、センサ(72)と、
前記フレームに取り外し可能に取り付けられたバッグ(54)と、
前記基部または前記フレームに接続された灯(79,87)と、
前記基部または前記フレームに接続された聴覚的警報器(75)と、
を備えており、
プロセッサ(74)が、前記センサ信号を受信するようになっており、前記プロセッサは、前記センサ信号が、金属が前記フレーム開口を通過したことを示したとき、
前記聴覚的警報器(75)を規定された期間にわたって作動させ、
ユーザ生成指令が受信されるまで、前記灯(79,87)を作動させ、前記ユーザ生成指令を受信したとき、前記灯の作動を無効とする、
ように構成されていることを特徴とする可搬式カート。
〔請求項2〕
前記センサは、前記フレーム開口を通過した金属の量の関数として変化するセンサ信号を生成するようになっており、
前記プロセッサ(74)は、ユーザ入力閾値信号を受信し、前記ユーザ入力感度信号に対する前記センサ信号の強度の関係の関数として、前記聴覚的警報器および前記灯を作動させるように、さらに構成されていることを特徴とする、請求項1に記載の可搬式カート。
〔請求項3〕
医療廃棄物を収容するための可搬式カート(40)において、
可動性基部(44)と、
前記基部に取り付けられ、前記基部の上方に配置されているフレーム(50)であって、外面および開口を有している、フレーム(50)と、
前記フレームに取り付けられたセンサ(72)であって、金属が前記フレーム開口を通過したかどうかを検出するようになっている、センサ(72)と、
前記フレーム開口内で開いているように前記フレームに取り外し可能に取り付けられたバッグ(54)と、
を備えており、
バッグ引張装置(900,1000,1100,1200)が、前記フレームに取り付けられており、前記バッグ引張装置は、前記フレームに取り付けられた少なくとも1つの部材(912,1002,1106,1202)を有しており、前記少なくとも1つの部材は、前記フレームの前記外面の全体にわたって延在している前記バッグの一部に係合するようになっており、これによって、前記バッグの少なくとも一部が、前記フレームの前記外面の一区域の周りに引っ張られて取り付けられることになることを特徴とする可搬式カート。
〔請求項4〕
前記バッグ引張装置は、
前記フレームの所定位置に取り付けられた少なくとも1つの第1のピン(910,1002)であって、前記少なくとも1つの第1のピンの周りに、前記バッグの第1の部分が巻き付けられるようになっている、少なくとも1つの第1のピン(910,1002)と、
前記フレームに移動可能に取り付けられた第2のピン(912,1006)であって、
前記第2のピンの周りに、前記バッグの第2の部分が取り付けられるようになっており、前記第2のピンに取り付けられた前記バッグの前記第2の部分と共に前記第2のピンを移動させることによって、前記バッグの前記第1の部分が引っ張られて前記少なくとも1つの第1のピンの周りに取り付けられるように、前記第2のピンが、前記少なくとも1つの第1のピンに対して配置されている、第2のピン(912,1006)と、
を備えていることを特徴とする、請求項3に記載の可運式カート。
〔請求項5〕
前記第2のピン(912)は、前記少なくとも1つの第1のピン(910)を中心として回転するように、前記フレーム(50)に取り付けられていることを特徴とする、請求項4に記載の可搬式カート。
〔請求項6〕
前記ピン(912)は、ラチェットアセンブリ(916,918,920)に取り付けられており、前記ピン(912)が変位して前記バッグ(54)に張力を加えたとき、前記ラチェットアセンブリが、前記ピンを前記変位位置に保持するようになっていることを特徴とする、請求項4または5のいずれか一項に記載の可搬式カート。
〔請求項7〕
前記第2のピン(1006)は、前記フレームに摺動可能に取り付けられていることを特徴とする、請求項4に記載の可搬式カート。
〔請求項8〕
前記バッグが引っ張られて前記フレームの周りに取り付けられることが可能となるように、前記バッグの一区域を離脱可能に保持するために、前記バッグ引張装置は、前記フレームに取り付けられた掴みアセンブリ(1106)を備えていることを特徴とする、請求項3に記載の可搬式カート。
〔請求項9〕
前記バッグ引張装置は、少なくとも1つのアーム(1202)を備えており、前記少なくとも1つのアームは、前記フレームに向かう方におよび前記フレームから離れる方に移動するように、前記フレームに旋回可能に取り付けられており、前記少なくとも1つのアームの周りに、前記バッグ(54)の一区域が配置されており、これによって、前記バッグが配置されている前記少なくとも1つのアームが前記フレームから離れる方に移動するとき、前記バッグが引っ張られて前記フレームの周りに配置されることになることを特徴とする、請求項3に記載の可搬式カート。
〔請求項10〕
医療廃棄物を収容するための可搬式カートにおいて、
可能性基部(44)と、
前記基部に取り付けられ、前記基部の上方に配置されているフレーム(50)であって、外面および開口を有している、フレーム(50)と、
前記フレームに取り外し可能に取り付けられたバッグ(54)であって、開口を有しており、前記開口を通して、廃棄される対象物が前記バッグ内に入れられるようになっている、バッグ(54)と、
前記廃棄される対象物が金属を含んでいるかどうかを検出するためのセンサ(72)と、
を備えており、
装填ステーション(202,300,800)が、前記廃棄される対象物を受け入れるために、前記バッグ開口に隣接して配置されており、
前記センサ(72)は、前記装填ステーション上の前記対象物が金属を含んでいるかどうかを決定するために、前記装填ステーションに隣接して配置されており、
前記装填ステーション上の前記対象物を前記バッグの開端を通して前記バッグ内に移すために、移送機構が、前記装填ステーションと前記バッグの前記開端との間に延在していることを特徴とする可搬式カート。
〔請求項11〕
前記装填ステーションは、前記フレーム(50)に隣接して配置されたプラットホーム(202,300,800)であることを特徴とする、請求項10に記載の可搬式カート。
〔請求項12〕
前記プラットホーム(202)は、前記フレームにヒンジ結合されていることを特徴とする、請求項11に記載の可搬式カート。
〔請求項13〕
前記装填ステーションは、前記フレームに隣接して配置されたコンベヤ(800)であり、前記コンベヤ(800)は、作動されたとき、前記コンベヤ上の対象物を前記バッグ(54)内に運ぶようになっていることを特徴とする、請求項11に記載の可搬式カート。
〔請求項14〕
前記装填ステーションは、前記バッグ(54)の上方において、前記フレームに移動可能に取り付けられた少なくとも1つのドア(602)を備えており、前記ドアは、前記ドアが前記ドアの上に置かれた対象物を保持する第1の位置と、前記ドアが後退し、前記ドアの上に置かれた対象物が前記バッグ内に落下することを可能にする第2の位置と、を有していることを特徴とする、請求項11に記載の可搬式カート。
〔請求項15〕
前記フレームには、アセンブリ(404,502,702)が取り付けられており、前記アセンブリは、前記基部(44)の上方において、前記バッグの一区域を選択的に閉じた状態で保持し、前記バッグの前記閉じた区域が開くのを可能とし、これによって、前記バッグの前記閉じた部分が、前記装填ステーションとして機能するようになっていることを特徴とする、請求項11に記載の可搬式カート。