特許第6018640号(P6018640)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6018640疼痛を緩和するのに有効な鎮痛組成物並びに当該組成物を含む乾燥粉末及び乾燥粉末薬剤輸送システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6018640
(24)【登録日】2016年10月7日
(45)【発行日】2016年11月2日
(54)【発明の名称】疼痛を緩和するのに有効な鎮痛組成物並びに当該組成物を含む乾燥粉末及び乾燥粉末薬剤輸送システム
(51)【国際特許分類】
   A61K 38/00 20060101AFI20161020BHJP
   A61K 47/22 20060101ALI20161020BHJP
   A61K 9/72 20060101ALI20161020BHJP
   A61K 9/14 20060101ALI20161020BHJP
   A61P 25/04 20060101ALI20161020BHJP
【FI】
   A61K37/02ZNA
   A61K47/22
   A61K9/72
   A61K9/14
   A61P25/04
【請求項の数】16
【全頁数】26
(21)【出願番号】特願2014-538963(P2014-538963)
(86)(22)【出願日】2012年10月24日
(65)【公表番号】特表2014-530914(P2014-530914A)
(43)【公表日】2014年11月20日
(86)【国際出願番号】US2012061749
(87)【国際公開番号】WO2013063160
(87)【国際公開日】20130502
【審査請求日】2015年3月10日
(31)【優先権主張番号】61/550,860
(32)【優先日】2011年10月24日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】503208552
【氏名又は名称】マンカインド コーポレイション
(73)【特許権者】
【識別番号】514103486
【氏名又は名称】トリー パインズ インスティチュート フォー モレキュラー スタディーズ
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100109449
【弁理士】
【氏名又は名称】毛受 隆典
(74)【代理人】
【識別番号】100132883
【弁理士】
【氏名又は名称】森川 泰司
(74)【代理人】
【識別番号】100123618
【弁理士】
【氏名又は名称】雨宮 康仁
(74)【代理人】
【識別番号】100148633
【弁理士】
【氏名又は名称】桜田 圭
(74)【代理人】
【識別番号】100147924
【弁理士】
【氏名又は名称】美恵 英樹
(72)【発明者】
【氏名】レオーネ−ベイ、アンドレア
(72)【発明者】
【氏名】ホーフテン、リチャード エー
(72)【発明者】
【氏名】ガーネリ、ジョセフ ジェイ
(72)【発明者】
【氏名】ストーウェル、グレイソン ダブリュ
【審査官】 山村 祥子
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2010/144789(WO,A1)
【文献】 特表平11−512075(JP,A)
【文献】 国際公開第2011/082328(WO,A1)
【文献】 特表平10−509737(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 38/00
A61K 9/14
A61K 9/72
A61K 47/22
A61P 25/04
CAplus/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
20個未満のアミノ酸を含むオピオイド受容体アゴニストおよびジケトピペラジンを構成要素とする微粒子を含む、吸入可能な鎮痛組成物であって、疼痛を緩和するのに有効な鎮痛組成物。
【請求項2】
前記オピオイド受容体アゴニストは、アルギニン、フェニルアラニン、ロイシン、イソロイシン、ノルロイシン、チロシン、セリン、プロリン、およびトリプトファンから独立に選択される少なくとも3個のアミノ酸を含む、
請求項1に記載の鎮痛組成物。
【請求項3】
前記オピオイド受容体アゴニストは、長さで3個から8個のアミノ酸からなるアミノ酸配列を有する、請求項1または2に記載の鎮痛組成物。
【請求項4】
前記オピオイド受容体アゴニストは、4個のアミノ酸からなるアミノ酸配列を有する、経肺投与のための請求項1からのいずれか一項に記載の鎮痛組成物。
【請求項5】
前記オピオイド受容体アゴニストは、(D)Phe−(D)Phe−(D)Ile−(D)Arg−NH(配列番号1)、(D)Phe−(D)Phe−(D)Nle−(D)Arg−NH(配列番号2)、Trp−(D)Pro−Ser−Phe−NH(配列番号3)、Trp−(D)Ser−Ser−Phe−NH(配列番号4)、Dmt−D−Arg−Phe−Lys−NH(配列番号5)、Ac−His−(D)Phe−Arg−(D)Trp−Gly−NH(配列番号6)、またはAc−Nle−Gln−His−(D)Phe−Arg−(D)Trp−Gly−NH(配列番号7)を含む、請求項1からのいずれか一項に記載の鎮痛組成物。
【請求項6】
前記鎮痛組成物は、オピエート受容体に結合するペプチドを含む乾燥粉末である、
請求項1からのいずれか一項に記載の鎮痛組成物。
【請求項7】
前記オピオイド受容体アゴニストは、中枢または末梢神経系における細胞のμオピオイド受容体、δオピオイド受容体、もしくはκオピオイド受容体、またはその受容体の組み合わせに結合する、請求項1からのいずれか一項に記載の鎮痛組成物。
【請求項8】
前記オピオイド受容体アゴニストは、κオピオイド受容体アゴニストである、請求項1からのいずれか一項に記載の鎮痛組成物。
【請求項9】
乾燥粉末であって、前記オピオイド受容体アゴニストの含有量は該組成物の重量の少なくとも0.25%である、請求項1からのいずれか一項に記載の鎮痛組成物。
【請求項10】
吸入のための乾燥粉末であって、直径で6μm未満の容積平均幾何学的径を有する微粒子を含む、請求項1からのいずれか一項に記載の鎮痛組成物。
【請求項11】
前記ジケトピペラジンは、N−置換−3,6−アミノアルキル−2,5−ジケトピペラジンである、請求項1から10のいずれか一項に記載の鎮痛組成物。
【請求項12】
前記ジケトピペラジンは、3,6−ジ(−X−4−アミノブチル)−2,5−ジケトピペラジンであって、Xは、フマリル、スクシニル、グルタリル、マレイル、マロニル、オキサリル、またはその医薬的に許容できる塩である、請求項1から11のいずれか一項に記載の鎮痛組成物。
【請求項13】
前記ジケトピペラジンは、3,6−ビス(N−フマリル−4−アミノブチル)−2,5,ジケトピペラジン、または3,6−ビス(N−フマリル−4−アミノブチル)−2,5−ジケトピペラジン二ナトリウム塩である、請求項1から12のいずれか一項に記載の鎮痛組成物。
【請求項14】
請求項1から13のいずれか一項に記載の鎮痛組成物を含む経肺吸入のための乾燥粉末。
【請求項15】
請求項1から13のいずれか一項に記載の鎮痛組成物を含む、乾燥粉末薬剤輸送システム。
【請求項16】
前記鎮痛組成物を閉じ込め形態および投与形態で保持するための容器で構成された乾燥粉末吸入器を備える、
請求項15に記載の乾燥粉末薬剤輸送システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
疼痛治療のための方法および組成物、例えば吸入オピオイド組成物などが開示される。例示の組成物は、経肺吸入のための乾燥粉末を含む。
【背景技術】
【0002】
急性疼痛は、突然発症および比較的短い継続時間で特徴付けられ、一般にはモルヒネのようなオピオイド鎮痛剤で治療される。モルヒネおよび類似のオピオイド鎮痛剤は、神経系によって伝えられる痛覚の数およびそれら疼痛シグナルに対する脳の反応を減らすことで、痛みの知覚を抑制する。モルヒネおよび類似の化合物を用いる現在のオピオイド治療は、疼痛の治療に有効であるが、それらがもたらす中毒、眠気、耐性、呼吸抑制、および便秘などの副作用がそれらの臨床での使用を制限する。
【0003】
さらに、モルヒネなどの現在の治療で使用される鎮静剤は、ケシのアヘンのような天然源から単離されるアルカロイド化合物である。また、ケシのアヘン由来である半合成の薬物もあり、さらに化学的に合成された化合物、アニリドピペリジン、フェニルピペリジン、ジフェニルプロピルアミン誘導体、モルフィナン誘導体、およびベンゾモルファン誘導体などがある。
【0004】
オピオイド鎮痛剤は、中枢および末梢神経系ならびに消化管における細胞のオピオイド受容体に結合することで、疼痛を軽減し、侵害シグナルを阻害する。オピオイドの鎮痛効果は、痛みの知覚の減少、疼痛に対する反応の低下および疼痛に対する耐性の増加のためである。既知のオピオイド受容体は、ミュー(μ)、デルタ(δ)およびカッパ(κ)などである。モルヒネ、エンケファリン、およびダイノルフィンなどのオピオイド受容体アゴニストは、それら受容体に結合する。もっとも広く研究され、調節可能なオピオイド受容体は、μオピオイド受容体である。しかしながら、カッパオピオイド受容体アゴニストは、有効で強力な鎮痛作用を示したが、ヒトでのその有用性は、精神作用および不快感をもたらす作用のせいで制限される。デルタ(δ)オピオイド受容体アゴニストは、μ鎮痛剤よりも程度の軽い副作用で鎮痛作用をもたらすことが知られている。例えば、デルタ鎮痛剤は、耐性および肉体的依存性がほとんどなく、呼吸を弱めることなく、わずかであるか、あるいはまったく便秘などの消化管副作用を引き起こさない。しかし、デルタオピオイド受容体アゴニストは、発作をもたらすことがある。また、いくつかの動物実験では、デルタオピオイドアゴニストは、くも膜下に、あるいは脳室内注射に投与された場合に有効で強力な鎮痛作用を示した。しかし、これらの投与経路は、患者の治療において実用的ではない。
【0005】
したがって、患者の治療を促進し、不要な副作用を軽減あるいは排除する、疼痛のための新しい治療を開発する必要性が医療分野に残されている。さらに、血液脳関門を通過せずに、中枢神経系のオピオイド受容体を活性化することなく疼痛を効果的に緩和する新規な化合物および組成物の同定および開発が必要とされている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
疼痛を治療するための方法および組成物が開示される。組成物は、ジケトピペラジンおよび活性物質を有する微粒子を含む乾燥粉末を含む。1つの実施の形態では、微粒子は、乾燥粉末吸入システムを用いた経肺吸入のための組成物で投与され、輸送される1種以上のペプチド鎮痛剤またはその誘導体を含む。実施の形態では、ジケトピペラジンは、N−置換−3,6−アミノアルキル−2,5−ジケトピペラジンである。特定の実施の形態では、活性物質は、ペプチド、またはその類似物であってもよい。
【0007】
実施の形態では、ジケトピペラジンは、2,5−ジケト−3,8−ジ(4−X−アミノブチル)ピペラジンであって、Xは、フマリル、スクシニル、グルタリル、マレイル、マロニル、オキサリル、またはその薬学的に許容される塩であって、例えば、ビス[3,6−(N−フマリル−4−アミノブチル)]−2,5,ジケトピペラジン、あるいはビス[3,6−(N−フマリル−4−アミノブチル)]−2,5−ジケトピペラジン二ナトリウム塩である。
【0008】
実施の形態は、ジケトピペラジンおよび20個より少ないアミノ酸で構成されるペプチドの微粒子を含む吸入可能な鎮痛組成物であって、当該組成物は、疼痛の緩和に有効である。1つの実施の形態では、ペプチドは、グリシン、アラニン、バリン、メチオニン、フェニルアラニン、セリン、スレオニン、アスパラギン、グルタミン、システイン、リジン、ヒスチジン、アスパラギン酸、グルタミン酸、ロイシン、イソロイシン、ノルロイシン、チロシン、セリン、プロリン、およびトリプトファンの1種以上を含む。いくつかの実施の形態では、ペプチドは、少なくとも3種のアミノ酸を含み、3種の各アミノ酸は、アルギニン、フェニルアラニン、ロイシン、イソロイシン、ノルロイシン、チロシン、セリン、プロリン、またはトリプトファンである。実施の形態では、ペプチドは、乾燥粉末組成物の重量の0.25%よりも多い。
【0009】
特定の実施の形態では、ペプチドは、長さで3個から8個のアミノ酸からなるアミノ酸配列を含む。実施の形態では、ペプチドは、次の配列のうちの1つである:(D)Phe−(D)Phe−(D)Ile−(D)Arg−NH(配列番号1)、(D)Phe−(D)Phe−(D)Nle−(D)Arg−NH(配列番号2)、Trp−(D)Pro−Ser−Phe−NH(配列番号3)、Trp−(D)Ser−Ser−Phe−NH(配列番号4);Dmt−D−Arg−Phe−Lys−NH(配列番号5)、Ac−His−(D)Phe−Arg−(D)Trp−Gly−NH(配列番号6)、およびAc−Nle−Gln−His−(D)Phe−Arg−(D)Trp−Gly−NH(配列番号7)。
【0010】
実施の形態では、ペプチドは、オピオイド受容体アゴニストであってもよい。実施の形態では、ペプチドは、中枢あるいは末梢神経系における細胞のμオピオイド受容体、δオピオイド受容体、もしくはκオピオイド受容体、またはその受容体の組み合わせに結合してもよい。
【0011】
実施の形態では、ペプチドは、アルファ−メラニン細胞刺激ホルモン(MSH)受容体アゴニストであってもよい。
【0012】
実施の形態では、組成物は、吸入のための乾燥粉末で、直径で5.8μm未満の容積平均幾何学的径を有してもよい。
【0013】
特定の実施の形態は、疼痛の治療方法を含み、該方法は、閉じ込め形態かつ投与形態で上記鎮痛組成物を保持するための容器で構成された乾燥粉末吸入器を備える乾燥粉末薬剤輸送システムを用いて、治療上有効量の本明細書に記載の組成物を、治療を必要とする対象に投与することを含む。実施の形態では、鎮痛組成物がオピオイド受容体に結合するペプチドを含む乾燥粉末であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】送気によって様々な濃度で投与された鎮痛ペプチドを含む吸入可能な乾燥粉末製剤で処置されたマウスにおける55℃温水からの尾離脱(“テールフリック”)実験で得られたデータを表し、ペプチドおよびプラセボ乾燥粉末製剤を腹腔内注射した対照群と比較されたグラフを示す。
図2】送気によって投与された同量の粉末における様々な濃度のペプチドで、図1で用いられたものと異なる第2の鎮痛ペプチドを含む吸入可能な乾燥粉末製剤で処置されたマウスにおける55℃温水からの尾離脱(“テールフリック”)実験で得られたデータを表し、ペプチドおよびプラセボ乾燥粉末製剤を腹腔内注射した対照群と比較されたグラフを示す。
図3】送気によって投与された図2で用いられた第2の鎮痛ペプチドを含む吸入可能な乾燥粉末製剤で処置されたマウスにおける55℃温水からの尾離脱(“テールフリック”)実験で得られたデータを表し、モルヒネの腹腔内注射と比較されたグラフを示す。
図4A図1および図2で示された各ペプチドを含む吸入可能な乾燥粉末製剤で処置したマウスを用いた実験動物総合モニタリングシステム(CLAMS)における自発的な運動および呼吸を測定する実験のデータを表し、プラセボとしての吸入可能なモルヒネおよびブランクFDKP粉末の投与と比較されたグラフを示す。図4Aは、対照群と比較した処置動物の歩行観察のデータを示す。
図4B図1および図2で示された各ペプチドを含む吸入可能な乾燥粉末製剤で処置したマウスを用いた実験動物総合モニタリングシステム(CLAMS)における自発的な運動および呼吸を測定する実験のデータを表し、プラセボとしての吸入可能なモルヒネおよびブランクFDKP粉末の投与と比較されたグラフを示す。図4Bは、対照群と比較した処置動物の呼吸測定のデータを示す。
図5図1および図2で示された各ペプチドを含む吸入可能な乾燥粉末製剤で処置したマウスを用いた条件付け場所嗜好試験のデータを表し、プラセボとしての吸入可能なモルヒネおよびブランクFDKP粉末の投与と比較されたグラフを示す。
【発明を実施するための形態】
【0015】
開示されるのは、望ましくない副作用、例えば中毒、眠気、耐性、呼吸抑制、および便秘などを軽減し、鎮痛薬の輸送を促進する疼痛治療のための方法および組成物である。
【0016】
実施の形態では、治療される疼痛は、例えば、末梢神経障害、中枢神経障害、外傷性異常、脳血管障害、術後疼痛、歯痛、直接外傷、感染、HIV感染、天然痘感染、ヘルペス感染、毒物暴露、ヒ素への暴露、鉛への暴露、がん、浸潤がん、先天性欠損症、幻肢痛、脳炎、関節リウマチ、線維筋痛、脊髄神経根障害、脊髄神経根衝突、背痛、多発性硬化症、慢性痛、線維組織痛、筋肉痛、腱痛、靭帯痛、痛みを伴う下痢、過敏性腸症候群、腹痛、慢性疲労症候群、およびけいれんであってもよい。
【0017】
実施の形態では、方法および組成物は、細胞の受容体を介して調節される疼痛の治療に用いられる。本明細書に開示される実施の形態では、方法および組成物は、例えば、受容体アゴニスト、アンタゴニストまたはその類似物などの活性物質を含んでもよい。本明細書に開示される実施の形態では、方法および組成物は、例えば、オピオイド受容体アゴニストおよび/またはアンタゴニスト、アルファ−MSH受容体アゴニストおよび/またはアンタゴニスト、ならびにその類似物を含んでもよく、疼痛治療のための活性物質として患者に提供される。特定の実施の形態では、活性物質は、直接的に、または間接的に他の受容体アゴニストに作用する。
【0018】
本明細書で用いられる場合、“ペプチド”は、天然由来であろうと、合成されたものであろうと、ペプチド結合で連結され、少なくとも2個のアミノ酸を有するアミノ酸配列を意味し、修飾基で修飾または誘導化されてもよい。米国特許第5,610,271号明細書は、オピオイド受容体に関係する合成ペプチドを開示している。当該特許明細書は、その全体を参照することで、合成ペプチドに関連する内容に関して本明細書に組み入れられる。
【0019】
本明細書で用いられる場合、“鎮痛ペプチド”は、疼痛を患う患者に投与された場合に、その患者の痛覚を軽減することができるペプチドを意味する。典型的には、本明細書におけるペプチドは、20個未満のアミノ酸、例えば10個未満のアミノ酸、または約2〜8個のアミノ酸のアミノ酸配列で構成され、中枢神経系のオピオイド受容体に結合することができる。
【0020】
本明細書で用いられる場合、“細胞の受容体”は、痛み関連受容体を含む。
【0021】
本明細書で用いられる場合、“ジケトピペラジン”または“DKP”は、一般式1の範囲内のジケトピペラジンおよびその塩、誘導体、アナログおよび修飾体を含み、1位および4位の環原子EおよびEは、どちらもNであって、かつそれぞれ3位および6位の側鎖RおよびRの少なくとも一方が、置換されたアミノ基および/またはカルボニル含有基ならびにカルボン酸(カルボン酸塩)基を含む。式1に従う化合物は、限定されずに、ジケトピペラジン、ジケトモルフォリンおよびジケトジオキサンおよびそれらの置換アナログなどである。
【0022】
【化1】
【0023】
いくつかの実施の形態では、Rは、1〜20個の炭素原子または4〜12個の炭素原子;1〜6個の酸素原子または2〜4個の酸素原子:0〜2個の窒素原子;および必要に応じて水素原子を有する。いくつかの実施の形態では、Rは、−R−G−R−COHである。
【0024】
いくつかの実施の形態では、Rは、1〜20個の炭素原子または4〜12個の炭素原子;1〜6個の酸素原子または2〜4個の酸素原子;0〜2個の窒素原子;および必要に応じて水素原子を有する。いくつかの実施の形態では、Rは、−R−G−R−COHである。
【0025】
−R−G−R−COHのような任意の関連構造表現に関して、各Rは、独立に−(CH−であってもよく、aは、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10である。
【0026】
−R−G−R−COHのような任意の関連構造表現に関して、各Gは、独立にNH、CO、CO、CONH、またはNHCOであってもよい。
【0027】
−R−G−R−COHのような任意の関連構造表現に関して、Rは、−(CH−であってもよく、bは、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10;あるいは−CH=CH−、−CHCH=CH−などのC2−10アルケニレンであってもよい。
【0028】
空気力学的に適した微粒子を製造するのに加えて、ジケトピペラジンは、生理的なpHで急速に溶解し、その結果、血液循環への吸収のために活性物質を放出する。ジケトピペラジンは、薬剤を組み入れる粒子または薬剤を吸着できる粒子に形成され得る。薬剤とジケトピペラジンとの組み合わせは、改善された薬剤安定性をもたらす。これら粒子は、多様な投与経路で投与される。乾燥粉末の場合、これら粒子は、粒径に依存して、呼吸器系の特定部位に吸入されることで輸送される。さらに、粒子は、静脈注射のための懸濁液剤形に組み入れるように十分小さくできる。また、懸濁液、錠剤またはカプセルに組み入れられた粒子で経口輸送が可能である。
【0029】
1つの実施の形態では、ジケトピペラジンは、ビス[3,6−(N−フマリル−4−アミノブチル)]−2,5,ジケトピペラジン、または3,6−ジ(フマリル−4−アミノブチル)−2,5−ジケトピペラジン(フマリルジケトピペラジン、FDKP)である。FDKPは、噴霧、あるいは懸濁液で投与できるように、その酸の形態または塩の形態で微粒子を含むことができる。
【0030】
他の実施の形態では、DKPは、3,6−ジ(4−アミノブチル)−2,5−ジケトピペラジンの誘導体であって、アミノ酸リジンの(熱)縮合によって形成される。例示の誘導体は、3,6−ジ(スクシニル−4−アミノブチル)−、3,6−ジ(マレイル−4−アミノブチル)−、3,6−ジ(グルタリル−4−アミノブチル)−、3,6−ジ(マロニル−4−アミノブチル)−、3,6−ジ(オキサリル−4−アミノブチル)−、および3,6−ジ(フマリル−4−アミノブチル)−2,5−ジケトピペラジンのようなジカルボン酸誘導体などである。薬剤輸送におけるDKPの使用が、本技術分野で知られている(例えば、米国特許第5,352,461号明細書、第5,503,852号明細書、第6,071,497号明細書および第6,331,318号明細書を参照されたく、各々が、開示するジケトピペラジンおよびジケトピペラジンを介した薬剤輸送に関する内容のすべてを参照することで、本明細書に組み入れられる)。DKP塩の使用は、米国特許第7,820,676号明細書に開示されており、それは、開示するジケトピペラジン塩に関する内容のすべてを参照することで、本明細書に組み入れられる。DKP微粒子を用いた経肺薬剤輸送は、米国特許第6,428,771号明細書に開示されており、それは、その全体を参照することで、本明細書に組み入れられる。さらに、結晶のDKP粒子への活性物質の吸着に関する詳細は、米国特許第7,799,344号明細書および第7,803,404号明細書で見られ、それらは、全体を参照することで、本明細書に組み入れられる。
【0031】
薬剤輸送システム:本明細書で用いられる場合、“薬剤輸送システム”は、1種以上の活性物質を輸送するためのシステムを意味する。米国特許第6,703,381号明細書は、血液脳関門を通らせて治療化合物を輸送するための方法を開示している。当該特許明細書は、開示する血液脳関門を通過させる治療化合物の輸送に関する内容のすべてを参照することで、本明細書に組み入れられる。
【0032】
乾燥粉末:本明細書で用いられる場合、“乾燥粉末”は、噴霧剤、担体、もしくは他の液体に懸濁または溶解されていない、あるいは一般人には乾燥していると思われる細かい粒子組成物を意味する。それは、水分子をまったく含まないことを必ずしも意味しない。
【0033】
微粒子:本明細書で用いられる場合、用語“微粒子”は、一般には直径で0.5から100ミクロン、または直径で10ミクロン未満のようなミクロンサイズの粒子などである。多様な実施の形態は、より具体的なサイズ範囲を伴う。微粒子は、不規則な表面および内部空洞を備える結晶プレートの集合であってもよく、それはpHを調整したDKP酸の沈殿でつくられるものに典型的である。当該実施の形態では、活性物質は沈殿もしくは乾燥工程で捕捉され、または微粒子の結晶表面上を覆う。米国特許第7,799,344号明細書および第7,804,404号明細書(どちらもその全体を参照することで本明細書に組み入れられる)は、好適な微粒子の製造例を開示する。また、微粒子は、全体にわたって分散した活性物質を有するDKP塩を含む球殻または崩壊性の球殻であってもよい。典型的には、当該粒子は、DKPと活性物質とを含む共溶液を噴霧乾燥させることで得られる。米国特許第7,820,678号明細書(その全体を参照することで本明細書に組み入れられる)は、好適な噴霧乾燥の方法を開示する。当該粒子のDKP塩は、非晶質であってもよい。上記記載は、例示として理解されるべきである。微粒子の他の形態が、その用語によって予期され、包含される。
【0034】
フィルごとのパーセント呼吸性分画(Percent respirable fraction per fill)(%RF/フィル):本明細書で用いられる場合、“%RF/フィル”は、吸入器または薬剤輸送システムから放出される粉末粒子の量を意味し、粒子は、そのサイズが呼吸可能な範囲であって、5.8μmよりも小さくてもよく、吸入器または薬剤輸送システムに充填される粉末の総量で正規化される。いくつかの実施の形態では、吸入器は再利用可能であって、乾燥粉末を含む交換可能なカートリッジを備える。他の実施の形態では、吸入器は、単回使用のための製剤を含ませて製造される。
【0035】
吸入システムの乾燥粉末製剤は、急性または慢性疼痛の治療のための活性物質を含む。1つの実施の形態では、乾燥粉末製剤は、中枢または末梢神経系障害関係に直接的にあるいは間接的に関連する疼痛の治療のために使用されてよく、当該疼痛は、例えば、偏頭痛のような頭痛;術後疼痛、および限定されないが、がん、腎疾患、自己免疫疾患などの免疫障害、末梢神経障害、中枢神経障害、外傷性異常、脳血管障害、術後疼痛、歯痛、直接外傷、感染、HIV感染、天然痘感染、ヘルペス感染、毒物暴露、ヒ素への暴露、鉛への暴露、がん、浸潤がん、先天性欠損症、幻肢痛、脳炎、関節リウマチ、線維筋痛、脊髄神経根障害、脊髄神経根衝突、背痛、多発性硬化症、慢性痛、線維組織痛、筋肉痛、腱痛、靭帯痛、痛みを伴う下痢、過敏性腸症候群、腹痛、慢性疲労症候群、およびけいれんなどの1つ以上の疾患に関連する疼痛などである。
【0036】
本明細書の例示の実施の形態では、疼痛を治療するための方法は、1種以上の受容体アゴニストペプチドを含有する乾燥粉末を含む吸入可能な医薬組成物を対象に与えることを含む。受容体アゴニストは、例えばアルファ−MSH受容体アゴニスト、またはオピオイド受容体アゴニスト、または類似物であってもよい。1つの実施の形態では、乾燥粉末は、N−置換−3,6−アミノアルキル−2,5−ジケトピペラジンなどのジケトピペラジンを含む。この実施の形態および他の実施の形態では、ジケトピペラジンは、2,5−ジケト−3,6−ジ(4−X−アミノブチル)ピペラジンであってもよく、X−OHは、ジカルボン酸であって、例えばXは、フマリル、スクシニル、グルタリル、マレイル、マロニル、オキサリル、またはその医薬的に許容される塩であってもよい。
【0037】
1つの実施の形態では、乾燥粉末は、担体分子および/または医薬的に許容できるロイシン、イソロイシン、グリシン、およびメチオニンなどアミノ酸などの賦形剤、ポリソルベートのような界面活性剤、およびマンニトール、ラクトーストレハロース、ラフィノースおよび類似物など糖を任意に含んでもよい。本明細書の実施の形態では、鎮痛組成物は、1種以上の受容体アゴニストペプチドと、ジケトピペラジンを含む担体と、を含み、組成物は乾燥粉末吸入器を用いて患者に輸送される。
【0038】
1つの実施の形態では、鎮痛組成物または製剤は、微粒子を含む。実施の形態では、微粒子は、例えばビス[3,6−(N−フマリル−4−アミノブチル)]−2,5,ジケトピペラジン、またはビス[3,6−(N−フマリル−4−アミノブチル)]−2,5−ジケトピペラジン二ナトリウム塩のようなジケトピペラジンと、例えば30アミノ酸未満、または29アミノ酸未満、または28アミノ酸未満、27アミノ酸未満、または26アミノ酸未満、または25アミノ酸未満、24アミノ酸未満、または23アミノ酸未満、または22アミノ酸未満、21アミノ酸未満、または20アミノ酸未満、または19アミノ酸未満、18アミノ酸未満、または17アミノ酸未満、または16アミノ酸未満、15アミノ酸未満、または14アミノ酸未満、または13アミノ酸未満、12アミノ酸未満、または11アミノ酸未満、または10アミノ酸未満、9アミノ酸未満、または8アミノ酸未満、または7アミノ酸未満、6アミノ酸未満、または5アミノ酸未満、または4アミノ酸未満、3アミノ酸未満のアミノ酸配列を有するペプチドと、を含んでもよく、当該ペプチドは、疼痛を調節する少なくとも1種の細胞の受容体に結合する。
【0039】
特定の実施の形態では、鎮痛組成物は、鎮痛ペプチドを含み、鎮痛ペプチドは、吸入可能な乾燥粉末組成物の重量の5%より多くを構成し、粉末はN−置換−3,6−アミノアルキル−2,5−ジケトピペラジンの微粒子を含む。当該実施の形態では、ジケトピペラジンは、2,5−ジケト−3,6−ジ(4−X−アミノブチル)ピペラジンであってもよく、X−OHは、C2−20、C2−10、もしくはC2−5のジカルボン酸、またはその塩であって、例えばXは、フマリル、スクシニル、グルタリル、マレイル、マロニル、オキサリル、またはその医薬的に許容される塩であってもよい。特定の実施の形態では、鎮痛組成物は、式ビス[3,6−(N−フマリル−4−アミノブチル)]−2,5,ジケトピペラジン、またはビス[3,6−(N−フマリル−4−アミノブチル)]−2,5−ジケトピペラジンの二ナトリウム塩または二カリウム塩を有するジケトピペラジンを含む。
【0040】
特定の実施の形態では、組成物は、例えば、細胞の受容体に結合する、あるいは直接的または間接的に細胞の受容体アゴニストに影響するペプチドまたはその誘導体を含む。これら細胞の受容体は、例えば、オピオイド受容体、アルファ−MSH受容体、および類似するものなどである。実施の形態では、オピオイド受容体は、例えば、μオピオイド受容体、δオピオイド受容体、κオピオイド受容体、これら1種以上の受容体の組み合わせ、または中枢もしくは末梢神経系における細胞の3種すべての受容体などであってもよい。1つの実施の形態では、ペプチドは、δ(デルタ)オピオイド受容体アゴニストまたはμオピオイド受容体アゴニストのいずれかであってもよい。他の実施の形態では、ペプチドは、痛覚の軽減または無効化をもたらすために、δオピオイド受容体、μオピオイド受容体もしくはκオピオイド受容体、またはその組み合わせに非特異的に結合できる。1つの特定の実施の形態では、疼痛を治療するための組成物は、実質的にκオピオイド受容体選択的アゴニストであるペプチドまたはペプチド誘導体を含む。本明細書での特定の実施の形態では、κオピオイド受容体選択的アゴニストペプチドおよび/またはその誘導体は、末梢神経系におけるニューロンに選択的に結合できる。当該実施の形態および他の実施の形態では、鎮痛組成物は、グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、メチオニン、スレオニン、アスパラギン、グルタミン、システイン、リジン、アルギニン、ヒスチジン、アスパラギン酸、グルタミン酸、フェニルアラニン、イソロイシン、ノルロイシン、チロシン、セリン、プロリン、およびトリプトファンからなる群から選択される少なくとも3つのアミノ酸で構成されるアミノ酸組成を有するペプチドを含む。当該実施の形態の態様では、鎮痛ペプチドは、フェニルアラニン基またはその誘導体である少なくとも2つのアミノ酸を含む。実施の形態では、ペプチドは、テトラペプチドである。実施の形態では、テトラペプチドは、少なくとも1つのフェニルアラニン基を含む。
【0041】
特定の実施の形態では、アミノ酸は、修飾され、改変され、または交換されてもよい。例えば、従来のアミノ酸交換がなされてもよく、それはペプチドの一次配列を変えてしまうが、その機能は通常変えない。従来のアミノ酸置換は、典型的には、次の基内での置換である:
【0042】
グリシン、アラニン;
【0043】
バリン、イソロイシン、ロイシン;
【0044】
アスパラギン酸、グルタミン酸;
【0045】
アスパラギン、グルタミン;
【0046】
セリン、スレオニン;
【0047】
リジン、アルギニン;
【0048】
フェニルアラニン、チロシン。
【0049】
(通常、一次配列を変えない)修飾は、in vivo、またはin vitroでのポリペプチドの化学誘導体化などであって、例えば、アセチル化、またはカルボキシル化である。また、グリコシル化の修飾などもあり、例えば、それらの修飾は、その合成および処理またはさらなる処理工程におけるポリペプチドのグリコシル化パターンを変更することでなされ、例えば、グリコシル化に影響する酵素、例示として哺乳類のグリコシル化酵素または脱グリコシル化酵素にポリペプチドを暴露することによってなされる。リン酸化されたアミノ酸残基、例えばホスホチロシン、ホスホセリン、またはホスホスレオニンを有する配列も含まれる。
【0050】
タンパク質分解への抵抗性を改善するために、または溶解特性を最適化するために、通常の分子生物学技術を用いて修飾されたペプチドも含まれる。例えば、本明細書で用いられる場合、“Dmt”は、ジメチルチロシンを意味する。当該ペプチドのアナログは、天然由来のL−アミノ酸以外の残基、例えば、D−アミノ酸または非天然由来の合成アミノ酸を有するものを含む。本発明のペプチドは、本明細書に挙げられた具体的な例示のいかなる方法による生成物にも限定されない。
【0051】
実質的に完全長のポリペプチドに加えて、本発明は、ポリペプチドの生物学的に活性な断片を提供する。
【0052】
実施の形態では、鎮痛組成物は、アルギニン、フェニルアラニン、ロイシン、イソロイシン、ノルロイシン、チロシン、セリン、プロリン、およびトリプトファンから選択される少なくとも3つのアミノ酸から構成されるペプチドを含む。
【0053】
実施の形態では、鎮痛組成物は、グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、メチオニン、プロリン、またはフェニルアラニンから選択される少なくとも3つのアミノ酸から構成されるペプチドを含む。
【0054】
実施の形態では、鎮痛組成物は、セリン、スレオニン、アスパラギン、グルタミン、チロシン、システイン、リジン、アルギニン、ヒスチジン、またはアスパラギン酸から選択される少なくとも3つのアミノ酸から構成されるペプチドを含む。
【0055】
実施の形態では、鎮痛組成物は、グルタミン酸、アルギニン、フェニルアラニン、ロイシン、イソロイシン、ノルロイシン、チロシン、セリン、プロリン、またはトリプトファンから構成されるペプチドを含む。
【0056】
いくつかの実施の形態では、ペプチドは、グリシンを欠く。
【0057】
いくつかの実施の形態では、ペプチドは、アラニンを欠く。
【0058】
いくつかの実施の形態では、ペプチドは、バリンを欠く。
【0059】
いくつかの実施の形態では、ペプチドは、ロイシンを欠く。
【0060】
いくつかの実施の形態では、ペプチドは、イソロイシンを欠く。
【0061】
いくつかの実施の形態では、ペプチドは、メチオニンを欠く。
【0062】
いくつかの実施の形態では、ペプチドは、プロリンを欠く。
【0063】
いくつかの実施の形態では、ペプチドは、フェニルアラニンを欠く。
【0064】
いくつかの実施の形態では、ペプチドは、トリプトファンを欠く。
【0065】
いくつかの実施の形態では、ペプチドは、セリンを欠く。
【0066】
いくつかの実施の形態では、ペプチドは、スレオニンを欠く。
【0067】
いくつかの実施の形態では、ペプチドは、アスパラギンを欠く。
【0068】
いくつかの実施の形態では、ペプチドは、グルタミンを欠く。
【0069】
いくつかの実施の形態では、ペプチドは、チロシンを欠く。
【0070】
いくつかの実施の形態では、ペプチドは、システインを欠く。
【0071】
いくつかの実施の形態では、ペプチドは、リジンを欠く。
【0072】
いくつかの実施の形態では、ペプチドは、アルギニンを欠く。
【0073】
いくつかの実施の形態では、ペプチドは、ヒスチジンを欠く。
【0074】
いくつかの実施の形態では、ペプチドは、アスパラギン酸を欠く。
【0075】
いくつかの実施の形態では、ペプチドは、グルタミン酸を欠く。
【0076】
いくつかの実施の形態では、鎮痛組成物は、少なくとも1種のペプチドを含んでもよく、該ペプチドは、長さで3個から20個のアミノ酸、例えば長さで3個のアミノ酸、または長さで4個のアミノ酸、長さで5個のアミノ酸、または長さで6個のアミノ酸、長さで7個のアミノ酸、または長さで8個のアミノ酸、長さで9個のアミノ酸、または長さで10個のアミノ酸、長さで11個のアミノ酸、または長さで12個のアミノ酸、長さで13個のアミノ酸、または長さで14個のアミノ酸、長さで15個のアミノ酸、または長さで16個のアミノ酸、長さで17個のアミノ酸、または長さで18個のアミノ酸、長さで19個のアミノ酸、または長さで20個のアミノ酸などのアミノ酸配列を有する。
【0077】
実施の形態では、鎮痛ペプチドは、フェニルアラニン基またはその誘導体である少なくとも2個のアミノ酸を含み、さらなる態様では、フェニルアラニン残基は、隣接しており、さらなる態様では、フェニルアラニン残基のペアがペプチドのN末端にある。実施の形態では、ペプチドは、少なくとも1つのフェニルアラニン基を含むテトラペプチドである。当該実施の形態の態様では、フェニルアラニン残基は、ペプチドのC末端にあり、アミド化されてもよく、かつセリン残基の隣にある。代わりの態様では、フェニルアラニン残基は、内部の位置にあり、かつアルギニン残基の隣にある。
【0078】
いくつかの実施の形態では、ペプチドは、(D)Phe−(D)Phe−(D)Ile−(D)Arg−NH(配列番号1)、(D)Phe−(D)Phe−(D)Nle−(D)Arg−NH(配列番号2)、Trp−(D)Pro−Ser−Phe−NH(配列番号3)、Trp−(D)Ser−Ser−Phe−NH(配列番号4)、Dmt−D−Arg−Phe−Lys−NH(配列番号5)、Ac−His−(D)Phe−Arg−(D)Trp−Gly−NH(配列番号6)、およびAc−Nle−Gln−His−(D)Phe−Arg−(D)Trp−Gly−NH(配列番号7)からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。
【0079】
特定の実施の形態では、痛覚を治療する方法は、ビス[3,6−(N−フマリル−4−アミノブチル)]−2,5−ジケトピペラジンまたはビス[3,6−(N−フマリル−4−アミノブチル)]−2,5−ジケトピペラジン二ナトリウム塩を含む組成物中の医薬的に許容できる量のμオピオイド受容体アゴニストを含む治療上有効量の医薬組成物を、当該治療を必要とする対象に投与することを含む。特定の実施の形態では、医薬組成物は、医薬的に許容できる担体または他の活性のない物質を含んでもよい。いくつかの実施の形態では、μオピオイド受容体アゴニストは、血液脳関門を通過でき、脳内でμオピオイド受容体に結合できるペプチドである。本実施の形態の他の態様では、医薬組成物は、乾燥粉末にδオピオイド受容体アゴニストを含んでもよい。当該実施の形態の他の態様では、医薬組成物は、乾燥粉末にκオピオイド受容体アゴニストを含んでもよい。他の実施の形態では、ペプチドは、主としてκオピオイド受容体アゴニストであるが、δ(デルタ)オピオイド受容体またはμオピオイド受容体のいずれかにアゴニストとして結合するものであってもよい。他の実施の形態では、ペプチドは、痛覚の軽減または無効化をもたらすために、δオピオイド受容体、μオピオイド受容体もしくはκオピオイド受容体、またはその組み合わせに非特異的に結合できる。特定の実施の形態では、オピオイド受容体アゴニストは、テトラペプチドである。いくつかの実施の形態では、例えば、ペプチドは、(D)Phe−(D)Phe−(D)Ile−(D)Arg−NH(配列番号1)、(D)Phe−(D)Phe−(D)Nle−(D)Arg−NH(配列番号2)、Trp−(D)Pro−Ser−Phe−NH(配列番号3)、Trp−(D)Ser−Ser−Phe−NH(配列番号4)、Dmt−D−Arg−Phe−Lys−NH(配列番号5)、Ac−His−(D)Phe−Arg−(D)Trp−Gly−NH(配列番号6)、およびAc−Nle−Gln−His−(D)Phe−Arg−(D)Trp−Gly−NH(配列番号7)からなる群から選択されるアミノ酸配列を有してもよい。
【0080】
オピオイド受容体アゴニスト組成物の量は、対象の必要に応じて変えられ、例えば、1mg以上である。例示の実施の形態では、経肺吸入のための乾燥粉末におけるペプチドオピオイド受容体アゴニストの量が約1から約50mgの範囲で投与されてもよい。1つの実施の形態では、投与される乾燥粉末の量は、50mgより多くてもよい。いくつかの実施の形態では、本方法で製造される乾燥粉末は、約0.5重量%から約30重量%の範囲の量で任意に脂肪族アミノ酸、例えばアラニン、グリシン、ロイシン、イソロイシン、ノルロイシン、メチオニンのようなアミノ酸を含んでもよい。1つの実施の形態では、乾燥粉末組成物は、アミノ酸L−ロイシンを含む。オピオイド受容体アゴニスト組成物は、医薬的に許容できる糖、例えばマンニトール、キシリトール、ラクトース、トレハロース、ラフィノースなどの単糖類、二糖類、オリゴ糖、および同様のものをさらに含んでもよい。
【0081】
実施の形態では、組成物は、呼吸抑制、胃腸障害、中毒、眠気、耐性、吐き気、便秘、および同様のものなどの従来のオピオイド副作用を伴わず、または該副作用を軽減した疼痛の治療で有効である。
【0082】
実施の形態では、方法は、1種以上の受容体結合ペプチドまたはその誘導体を、急性または慢性の疼痛の治療を必要とする患者に提供する。方法は、1種以上の受容体アゴニストペプチドを選択することと、1種以上の受容体アゴニストペプチドを含む組成物を含む薬剤輸送システムを患者に提供することと、乾燥粉末で治療上有効量の1種以上の受容体アゴニストペプチドを投与することと、を含む。実施の形態では、受容体は、例えばオピオイド受容体、またはアルファ−MSH受容体、あるいは同様のものであってもよい。
【0083】
1つの実施の形態では、方法は、本発明の鎮痛組成物、例えばジケトピペラジンおよびペプチドを含むものなどを、急性または慢性の疼痛を患い、治療を必要とする患者に投与することを含む。
【0084】
1つの実施の形態では、方法が提供され、該方法は、激痛があって治療を必要とする患者に、活性物質の急速投与のための薬剤輸送システムを提供することと、対象の血液循環に活性物質を投与することと、を含む。特定の実施の形態では、薬剤輸送システムは、吸入による薬剤輸送を目的とし、閉じ込め形態および投与形態で乾燥粉末を保持するためのチャンバーを有する容器を備えるように構成された乾燥粉末吸入器を備える吸入装置を備え、乾燥粉末は、ペプチドまたはその誘導体の直接輸送のための1種以上の抗侵害受容ペプチドおよび/またはその誘導体を含む医薬製剤を含む。1つの実施の形態では、薬剤輸送システムは、経肺吸入のために構成され、乾燥粉末は、治療上有効な態様で肺循環に輸送するための担体分子およびペプチドを含む微粒子を含む。当該実施の形態および他の実施の形態では、薬剤輸送システムは、カートリッジなどの容器と、抗侵害受容ペプチドを含む乾燥粉末製剤とを備える乾燥粉末吸入器を含む。
【0085】
本明細書で開示されるのは、経肺輸送を含む薬剤輸送システムで疼痛を治療するための方法および組成物である。例示の実施の形態では、システムは、単回または複数回使用のための乾燥粉末吸入器に加え、例えば、乾燥粉末吸吸入器のためのカートリッジ、および同様のものなどの容器を備えてもよい。
【0086】
本明細書での特定の実施の形態では、鎮痛組成物は、式ビス[3,6−(N−フマリル−4−アミノブチル)]−2,5,ジケトピペラジン、またはビス[3,6−(N−フマリル−4−アミノブチル)]−2,5−ジケトピペラジン二ナトリウム塩を有するジケトピペラジンを含む。
【0087】
特定の実施の形態では、疼痛を治療するための方法が提供され、該方法は、鎮痛組成物を、治療を必要とする対象に投与することを含み、該鎮痛組成物は、ビス[3,6−(N−フマリル−4−アミノブチル)]−2,5,ジケトピペラジン、または二ナトリウム塩、二カリウム塩および塩が適切な溶解度を有する陽イオンによって形成される任意の塩などであるビス[3,6−(N−フマリル−4−アミノブチル)]−2,5−ジケトピペラジン塩の微粒子を含む乾燥粉末と、(D)Phe−(D)Phe−(D)Ile−(D)Arg−NH(配列番号1)、(D)Phe−(D)Phe−(D)Nle−(D)Arg−NH(配列番号2)、Trp−(D)Pro−Ser−Phe−NH(配列番号3)、およびTrp−(D)Ser−Ser−Phe−NH(配列番号4)からなる群から選択されるペプチドと、を含む。
【0088】
実施の形態では、ジケトピペラジンは、2,5−ジケト−3,6−ジ(4−X−アミノブチル)ピペラジンであって、Xは、スクシニル、グルタリル、マレイル、マロニル、オキサリルもしくはフマリル、またはその医薬上許容できる塩であって、組成物は、限定されないがポリソルベート、例えばグリシン、ロイシン、イソロイシン、メチオニンなどのアミノ酸、例えばデキストランなどの多糖類、ポリラクチド、ポリグリコリド、そのポリラクチドおよびポリグリコリドのコポリマー、および同様のものなどの医薬的に許容できる担体または賦形剤をさらに含む吸入可能な乾燥粉末製剤であってもよい。
【0089】
他の例示の実施の形態では、疼痛を治療するための方法が提供され、該方法は、患者に投与される微粒子のすべての粉末の0.25重量%、0.5重量%、1重量%、2重量%、5重量%、10重量%、25重量%または50重量%より多くの量で鎮痛ペプチドを含む組成物を、患者に提供することと、乾燥粉末吸入器を用いた経肺吸入ペプチドによって組成物を、治療を必要とする患者に投与することと、を含む。1つの実施の形態では、投与は、単回使用のための吸入器で経口吸入かつ自己投与によって行われ、吸入器は、乾燥粉末を含む容器を備える。単回使用で、使い捨ての吸入器が、閉じ込め状態で乾燥粉末組成物を含むように製造され、乾燥粉末が使用前に環境条件に曝される。
【0090】
他の実施の形態では、疼痛を治療するための方法は、治療を必要とする患者に、μオピオイド受容体アゴニスト、δオピオイド受容体アゴニスト、またはκオピオイドを含む受容体アゴニストを含む乾燥粉末組成物を投与するステップを含み、該乾燥粉末組成物は、呼吸を動力源として用いる乾燥粉末組成物の経肺吸入によって投与され、乾燥粉末吸入器はカートリッジを備える。例えば、吸入器は、輸送されるべき投与量を含む単位投与量カートリッジに適合した複数回使用の吸入器であって、カートリッジは、新しい投与量のための空間をつくるために使用後に廃棄される。また、吸入器は、単回使用で使い捨てできるように構成されてもよく、単回投与量の乾燥粉末組成物を含ませて製造される。本明細書での1つの実施の形態では、乾燥粉末は、ビス[3,6−(N−フマリル−4−アミノブチル)]−2,5−ジケトピペラジン、または二ナトリウム塩、二カリウム塩および同様のものなどであるビス[3,6−(N−フマリル−4−アミノブチル)]−2,5−ジケトピペラジン塩を含む。
【0091】
本明細書に記載される実施の形態では、薬剤輸送システムは、非侵襲性であって、他の薬剤輸送の方法、例えば、標的部位に到達する前に消化管内、さらには、局所の末梢および血管組織で酵素による失活または分解の影響を受けるタンパク質およびペプチドのような薬剤製品の経口、皮下、および静脈への投与に対してさらに利点を有する。
【0092】
吸入システムは、呼吸を動力源とし、小型で、再利用可能または使い捨てのシステムである乾燥粉末吸入器を備え、様々な形状およびサイズであって、乾燥粉末薬剤の効率的で急速な輸送のための気流路パスウェイのシステムを備える。1つの実施の形態では、吸入器は、単位投与量であって、再利用可能または使い捨ての吸入器であってもよく、米国特許出願公開第2009/0308390号明細書、米国特許出願公開第2009/0308391号明細書、米国特許出願公開第2009/030392号明細書、米国特許出願公開第2010/00197565号明細書(それらが開示する関連の対象に関して参照することで、開示内容が本明細書に組み入れられる)に開示されたようなカートリッジとともに、または該カートリッジを伴わずに使用されてもよい。カートリッジなしでの使用によって、我々は、吸入器に不可欠な容器またはカートリッジ様の構造を与えるシステムに言及し、吸入器は、単回使用および使い捨てである。別に、いくつかの実施の形態では、システムは、例えば、自己投与に関してユーザによって使用されるために、個別に、吸入器に取り付けられるために提供されるカートリッジを含む。当該実施の形態では、吸入器は、再利用可能な吸入器であってもよく、新たなカートリッジが使用ごとに吸入器に取り付けられる。他の実施の形態では、吸入器は、複数投与量対応の、使い捨てまたは再利用可能な吸入器であって、吸入器または組み込み式または吸入器の一部として構造的に構成されたカートリッジ様の構造に取り付けられた1個の単位投与量カートリッジで使用されてもよく、投与量は必要時に調整される。
【0093】
実施の形態
1.ジケトピペラジンおよび20個未満のアミノ酸を含むペプチドの微粒子を含む、吸入可能な鎮痛組成物であって、疼痛を緩和するのに有効な鎮痛組成物。
【0094】
2.ペプチドは、アルギニン、フェニルアラニン、ロイシン、イソロイシン、ノルロイシン、チロシン、セリン、プロリン、およびトリプトファンから独立に選択される少なくとも3個のアミノ酸を含む、
実施の形態1に記載の鎮痛組成物。
【0095】
3.ペプチドは、オピオイド受容体アゴニストである、上記実施の形態のいずれかに記載の鎮痛組成物。
【0096】
4.ペプチドは、長さで3個から8個のアミノ酸からなるアミノ酸配列である、上記実施のいずれかに記載の鎮痛組成物。
【0097】
5.ペプチドは、4個のアミノ酸配列であって、経肺投与のための上記実施の形態のいずれかに記載の鎮痛組成物。
【0098】
6.ペプチドは、(D)Phe−(D)Phe−(D)Ile−(D)Arg−NH(配列番号1)、(D)Phe−(D)Phe−(D)Nle−(D)Arg−NH(配列番号2)、Trp−(D)Pro−Ser−Phe−NH(配列番号3)、Trp−(D)Ser−Ser−Phe−NH(配列番号4)、Dmt−D−Arg−Phe−Lys−NH(配列番号5)、Ac−His−(D)Phe−Arg−(D)Trp−Gly−NH(配列番号6)、またはAc−Nle−Gln−His−(D)Phe−Arg−(D)Trp−Gly−NH(配列番号7)を含む、上記実施の形態のいずれかに記載の鎮痛組成物。
【0099】
7.ペプチドは、中枢または末梢神経系における細胞のμオピオイド受容体、δオピオイド受容体、もしくはκオピオイド受容体、またはその受容体の組み合わせに結合する、上記実施の形態のいずれかに記載の鎮痛組成物。
【0100】
8.ペプチドは、κオピオイド受容体アゴニストである、上記実施の形態のいずれかに記載の鎮痛組成物。
【0101】
9.乾燥粉末であって、ペプチドが該組成物の重量の少なくとも0.25%である、上記実施の形態のいずれかに記載の鎮痛組成物。
【0102】
10.吸入のための乾燥粉末であって、直径で6μm未満の容積平均幾何学的径を有する微粒子を含む、上記実施の形態のいずれかに記載の鎮痛組成物。
【0103】
11.ジケトピペラジンは、N−置換−3,6−アミノアルキル−2,5−ジケトピペラジンである、上記実施の形態のいずれかに記載の鎮痛組成物。
【0104】
12.ジケトピペラジンは、2、5−ジケト−3,6−ジ(4−X−アミノブチル)ピペラジンであって、Xは、フマリル、スクシニル、グルタリル、マレイル、マロニル、オキサリル、またはその医薬的に許容できる塩である、上記実施の形態のいずれかに記載の鎮痛組成物。
【0105】
13.ジケトピペラジンは、ビス[3,6−(N−フマリル−4−アミノブチル)]−2,5,ジケトピペラジン、またはビス[3,6−(N−フマリル−4−アミノブチル)]−2,5−ジケトピペラジン二ナトリウム塩である、上記実施の形態のいずれかに記載の鎮痛組成物。
【0106】
14.ペプチドは、疼痛関連受容体に結合する、上記実施の形態のいずれかに記載の鎮痛組成物。
【0107】
14B.上記実施の形態のいずれかに記載の鎮痛組成物を含む経肺吸入のための乾燥粉末。
【0108】
15.上記実施の形態1から14Bのいずれかに記載の治療上有効量の鎮痛組成物を、該鎮痛組成物を閉じ込め形態および投与形態で保持するための容器で構成された乾燥粉末吸入器を備える乾燥粉末薬剤輸送システムを用いて、治療を必要とする対象に投与することを含む、疼痛を治療するための方法。
【0109】
16.鎮痛組成物は、アヘン剤受容体に結合するペプチドを含む乾燥粉末である、実施の形態15に記載の方法。
【0110】
17.ジケトピペラジンは、ビス[3,6−(N−フマリル−4−アミノブチル)]−2,5,ジケトピペラジン、またはビス[3,6−(N−フマリル−4−アミノブチル)]−2,5−ジケトピペラジン二ナトリウム塩である、実施の形態16に記載の方法。
【実施例】
【0111】
本明細書に開示される特定の実施の形態を示すために以下の実施例が開示される。実施例で開示される技術は、本発明の実施でよく機能する代表的な技術を説明することが当業者によって理解されるべきである。しかし、当業者は、本開示に関して、開示された具体的な実施の形態における変更が可能であって、さらに本発明の精神と範囲から逸脱しない同様のまたは類似の結果を得ることができることを理解するべきである。
【0112】
実施例1
吸入粉末の調製−吸入のための乾燥粉末製剤が複数種の新たなテトラペプチド鎮痛剤から調製された。ビス[3,6−(N−フマリル−4−アミノブチル)]−2,5−ジケトピペラジン(FDKP)またはビス[3,6−(N−フマリル−4−アミノブチル)]−2,5−ジケトピペラジン二ナトリウム塩(NaFDKP)と、鎮痛ペプチドとを含む粉末が、異なる量の各ペプチドを含むように製造され、例えば、10%(w/w)、15%(w/w)、25%(w/w)および50%(w/w)が懸濁液の凍結乾燥または溶液を噴霧乾燥するかのいずれかによって、250mgから600mgの規模で調製された。
【0113】
アミノ酸配列Trp−(D)ser−Ser−Phe−NH(配列番号4)を有する15%(w/w)のテトラペプチドを含む吸入粉末を調製するために、例えば、ペプチドの10%(w/w)原液が調製され(337.35mgの2%(w/w)酢酸に37.49mgのペプチドが溶解された)、FDKP微粒子の懸濁液に穏やかに混合された。懸濁液のpHは、水酸化アンモニウム対脱イオン水が1:4である少量の試料を添加することで4.5に調整された。懸濁混合液の試料が、懸濁液の最初のpH値、滴定の際のいくつかのpH値およびpH4.5において、吸着試験のために採取された。懸濁液の上清が濾過チューブに入れられ、遠心分離された。懸濁液(10μL)および濾過された上清試料が、高圧液体クロマトグラフィ(HPLC)分析による評価のためにpH9.5、990μLの100mM重炭酸ナトリウム緩衝液を含むバイアルに入れられた。残りの懸濁液は液体窒素を含む小結晶皿へペレットにされ、200mTorrで凍結乾燥された。棚温度が0.2℃/分で−45℃から25℃まで上昇され、続いて乾燥工程の間、少なくとも48時間、25℃で維持された。
【0114】
噴霧乾燥のために、NaFDKP、L−ロイシン、およびペプチド(D)Phe−(D)Phe−(D)Nle−(D)Arg−NH(配列番号2)を混合しながら脱イオン水に加えることで、供給液が調製された。最終的に製造された粉末において目標としたペプチド含量は、粉末の25%および50%であった。目標25%含量に関して、例えば170mgのペプチドが使用され、408.8mgのNaFDKP、101.9mgのL−ロイシンおよび23.43gの脱イオン水が使用された。粉末製剤における50%ペプチド含量のために、310.5mgのペプチド、216.5mgのNaFDKP、93.4mgのL−ロイシンおよび23.40gの脱イオン水が用いられた。供給溶液のpHは、それぞれ6.95(25%担持)および5.66(50%担持)であった。供給溶液が混合され、pHが調整された。溶液は、次の条件:165℃の入口温度、75℃の出口温度、90%で吸引器設定、57mmロータメータで窒素ガスを用いた噴霧化流れ、高効率サイクロンで収集点設定、10℃のノズル冷却装置設定および−40mBarの真空圧力、で噴霧乾燥された。懸濁液が噴霧乾燥され、HPLC法を用いた解析のために粉末の試料が使用された。
【0115】
特徴付け−2487二波長検出器を備えたウォーターズアライアンス(Waters Alliance)2695HPLC、またはダイオードアレイ/複数波長検出器および6210飛行時間型LC/MSまたは6130四重極型LC/MSを備えたアジレント(Agilent)1200シリーズHPLCを利用したHPLC法を用いて、ペプチド含量が試験された。移動相Aとして1000対1の比で水とトリフルオロ酢酸(TFA)および移動相Bとしてメタノール:テトラヒドロフラン(THF):TFA(900:100:1)を使用し、30℃で45分間、かつ210nmの波長で、フェノメネックスルナ(Phenomenex Luna)フェニル−ヘキシルカラム(3.0×150mm、3μm)を用いて、試料(8℃で各5μL噴射)が解析された。試料は、0.3mL/分の流速で解析された。試料含量が、1.0mg/mLのペプチド濃度および9mg/mLのFDKPである標準試料を用いて決定された。
【0116】
粉末の空気力学的性能が、米国特許出願番号12/484,125(米国特許公開第2009/00308390号明細書);12/484,129(米国特許公開第2009/0308391号明細書)および12/484,137(米国特許公開第2009/0308392号明細書)(それらが開示する関連の対象に関して参照することで、開示内容が本明細書に組み入れられる)の図15Cから15Kに記載されたように乾燥粉末吸入器を用いたアンダーソンカスケードインパクション(Andersen cascade impaction)(ACI)で評価された。米国特許出願番号12/727,179(米国特許公開第2010/0238457号明細書)(それが開示する関連の対象に関して参照することで、開示内容が本明細書に組み入れられる)に開示されたように、Sympatec RODOS M粉末分散機を用いたレーザ回折法によって粒径分布が評価された。また、熱重量分析(TGA)によって水分含量が評価され、粒子の形態が電界放射型走査電子顕微鏡法(SEM)で調べられた。
【0117】
吸着試験−凍結乾燥法で調製された5つの異なるペプチドに関する異なるバッチ調製物の試料が解析された。上清試料が1.5mL、0.22μmの濾過チューブに入れられ、遠心分離された。懸濁試料および濾過された上清試料(各500μL)が50mLの容量フラスコに入れられ、pH9.5の100mM重炭酸ナトリウム緩衝液で量が合わせられた。溶液が試験のために好適なバイアルに入れられ、HPLCで解析された。凍結乾燥粉末由来の結果が下記表1に示されている。試料1、2、3、4および5は、5つの異なる、固有のペプチドを用いて調製された吸入粉末の5つの異なるバッチから得られた試料を表す。
【0118】
【表1】
【0119】
表1のデータは、意図された目標とするペプチド含量(15%)が製造された吸入粉末の各バッチで得られた結果に相関することを示す。また、データは、カートリッジに充填された粉末の少なくとも45%が呼吸可能域(RF/fill>45%)で輸送されたので、各吸入粉末について優れた空気力学的性能を示し、カートリッジの粉末含量の96%より多くが試験された吸入器から放出された。また、データは、FDKPへのペプチドの吸着が、pH4.5で試料1の4.2%から試料3の19%までペプチドに応じて変化することを示した。
【0120】
標準と比較された場合、HPLC分析からのクロマトグラムが2つのピーク、すなわちFDKPに対応する第1のピークと製造された各粉末の解析におけるペプチドに対応する第2のピークを示した。各FDKP−ペプチドペアのUSP解析値は、11.83から33.50の範囲であることは、良好な分解能であることを示す。算出されたテーリングファクタは、1mg/mLにおけるペプチドTrp−(D)Ser−Ser−Phe−NH(配列番号4)、Ac−His−(D)Phe−Arg−(D)trp−Gly−NH(配列番号6)、および(D)Phe−(D)Phe−(D)Ile−(D)Arg−NH(配列番号1)に関して非対称なピーク形状を示す1.81から2.32の範囲であった。
【0121】
FDKP−ペプチド溶液は、安定性を評価するために19日間、室温に維持された。実験の間、FDKPを含む溶液内でのすべてのペプチドにおいて実質的な分解は観察されなかった。
【0122】
NaFDKPを用いて製造された粉末のペプチド含量が、HPLC法を用いて測定され、粉末のACI空気力学的性能のデータが下記表2に示されている。
【0123】
【表2】
【0124】
NaFDKPで調製された25%および50%ペプチド含量を含む2つの粉末に関するACIデータが、試験された吸入器の総粉末含量における呼吸可能画分に関して類似していることを、表2のデータは示している。すなわち、試験した吸入器/カートリッジシステムにおける粉末含量の87%で、約42%のRF/フィルをもたらす1つの粉末製剤が(D)Phe−(D)Phe−(D)Nle−(D)Arg−NH(配列番号2)の25%含量を有するバッチ粉末を用いて放出された。50%ペプチド含量を有する粉末では、試験において吸入器から放出された粉末含量の88%で、粉末が44%のRF/フィルをもたらした。初期粒子(3.0barの分散圧)のサイズの中央値は、両方の粉末で2.4μmであった。低い分散圧では(0.5bar)、50%ペプチド含量の粉末は、25%のペプチド含量を有する粉末よりもわずかに程度の高い凝集を示し、つまり、高含量粉末は、5.8μm未満と測定された粒子の86%で2.7μmであるのに対し、5.8μm未満と測定された粒子の79%で粒径の中央値3.3μmを有していた。SEM画像は、しぼんだ(レーズンのような)粒子を示し、一部は、粒子の内部中空コアおよび殻を示す視認可能な開口部を有していた。
【0125】
実施例2
FDKP−ペプチドおよびNaFDKP−ペプチド組成物を用いたin vivo実験
拘束されたマウスの尾が55℃の水に曝されるマウス尾離脱(“テールフリック”、Aldrich et al.2009)試験で、抗侵害受容効果(鎮痛効果)が評価された。マウスがその尾を水から離して振り払うまでの待ち時間が長くなれば、ペプチドの抗侵害受容効果はより高い。試験には制限時間があり、制限時間に達する前に尾を振り払わなかったすべての動物(“テ−ル−フリック試験”)が対象であり、この制限時間に達することは、100%効果を示すとして記録される。最大よりも短い時間が制限時間のパーセントとして記録される。このテ−ル−フリック試験(55℃温水の尾離脱試験としても知られる)は、産業上許容可能で、急性疼痛の治療における鎮痛剤の有効性を評価するための非臨床モデルである。プラセボ効果を試験するために、いかなるペプチドも伴わないFDKP(TECHNOSPHERE(登録商標))粉末(0.5mg)が当該試験で用いられた。各動物は、薬剤投与より前に、尾離脱までの基準となる時間について調べられた。尾を離脱させるまでの待ち時間が、示されたように薬剤投与後10分間隔で続けて測定された。最大の反応時間として15秒が、組織損傷を防ぐために利用された。パーセント抗侵害受容(鎮痛)として示されたデータが次の式:%抗侵害受容=100×(試験の待ち時間−基準の待ち時間)/(15−基準の待ち時間)で算出された。
【0126】
テトラペプチド、(D)Phe−(D)Phe−(D)Nle−(D)Arg−NH(配列番号2、化合物2)が塩水で腹腔内(i.p.)注射(3mg/kg)によって、および様々な投与量、0.25mg、0.125mg、0.013mg、1.25μgおよび0.13μgでFDKPを含む乾燥粉末製剤の肺送気によって、マウスに投与された。テ−ル−フリック試験が投与後の一定期間で行われた。試験の結果が、時間に対する抗侵害受容効果(用量反応)として図1に示されている。テトラペプチドのすべての容量がほぼ完全な素早い抗侵害受容をもたらしたことを、データは示す。i.p.注射の効果は、ほとんど直線的に時間に対して減衰した。送気したとき、0.125mg容量でおよそ30分および0.25mg容量で50〜55分の安定期で、より多い用量で効果が飽和した。明らかな用量反応が使用されたペプチドに関して確かめられたことを、結果は示す。プラセボ粉末は、ごくわずかな影響を痛覚にもたらした。
【0127】
実施例3
実験が上記実施例2の記載と同様に行われた。この試験では、異なるテトラペプチド、(D)Phe−(D)Phe−(D)Ile−(D)Arg−NH(配列番号1、化合物1)が塩水で1mg/kgのi.p.注射を用いてマウスに投与された。送気試験のために、様々なペプチド含量(25%、2.5%、0.25%、および0.025%)を有するNaFDPを含む送気粉末が0.5mgの粉末用量でマウスに投与された。2.5%、0.25%、および0.025%の結果では、25%ペプチド含量の粉末が、上記実施例1に記載のように製造され、さらに低いペプチド含量の試料を得るためにブランクFDKP粒子で希釈された。結果が図2に示されている。データは、最大用量で飽和した素早い抗侵害受容効果をもたらした送気されたテトラペプチド(化合物1)粉末は、およそ40分間持続して安定だった。低用量では、効果が飽和しなかったが、用量反応を示した。注射されたペプチド(D)Phe−(D)Phe−(D)Ile−(D)Arg−NH(配列番号1)は、もっとも長い効果の持続時間であったが、送気用量と同じ素早い効果の兆候はなかった。
【0128】
実施例4
実験が上記実施例2および実施例3の記載と同様に行われた。この試験では、テトラペプチド(D)Phe−(D)Phe−(D)Ile−(D)Arg−NH(配列番号1、化合物1)を含む乾燥粉末製剤がマウスに投与された。マウスの一部には、体重に対して10mg/kgのモルヒネ(AUC 6795)の腹腔内用量が投与された。さらに、マウスの1群には、塩水のi.p.注射を行った。1群は、対照として、送気によって0.25mgのブランクFDKP/TECHNOSPHERE(登録商標)粉末を投与された。マウスの別の群は、送気で0.125mgのモルヒネを投与された。送気によって、マウスの1群は、0.125mgのペプチド(D)Phe−(D)Phe−(D)Ile−(D)Arg−NH(配列番号1)を含む粉末製剤を投与され、マウスの1群は、0.125mgのペプチド(D)Phe−(D)Phe−(D)Nle−(D)Arg−NH(配列番号2、化合物2)を含む粉末製剤を投与された。マウスは、モルヒネおよびペプチド投与の副作用に関連する活動、具体的には、自発運動および呼吸速度の変化を監視された。
【0129】
粉末は、体重に対して5mg/kgで送気によってマウスに投与された。55℃温水の尾離脱実験における反応が2時間評価された。結果は図3に示されている。データは、送気された粉末がモルヒネ注射されたマウス(四角)よりも早く痛覚を阻害することを示す。疼痛に対するテトラペプチド(D)Phe−(D)Phe−(D)Ile−(D)Arg−NH(配列番号1、化合物1、三角)およびモルヒネ硫酸塩の作用継続時間は、類似している。モルヒネは、マウスにおける運動亢進を誘導することおよび呼吸速度を低下させることが知られている。送気で投与された吸入可能なモルヒネ粉末(三角)とテトラペプチドを含む乾燥粉末製剤(化合物1および化合物2(四角))との比較試験では、これらの影響がモルヒネを投与されたマウスで見られた。一方、テトラペプチド粉末を投与されたマウスの歩行および呼吸速度(それぞれ図4A図4B)は、図に示されたように、プラセボ(FDKPブランク、円)粉末を投与された動物に匹敵した。
【0130】
実施例5
薬剤の“報酬”または“嫌悪”値を評価するための条件付け場所嗜好(CPP)試験では、装置の1区画を処置に関連付けるようにマウスが条件付けされた。装置自体が“バランスがとれた”状態で、つまりマウスは別のチャンバー対しても1つのチャンバーに対しても初めから嗜好性を示していない(図5、最も左のバー)。補強物質は、薬剤と組み合わされた区画に対して場所嗜好性を増加させるが、嫌悪物質は、場所嗜好性を低下させる。実験は、上記実施例の記載と同様に行われた。マウスは、0.125mgのモルヒネまたは0.125mgのテトラペプチド(D)Phe−(D)Phe−(D)Ile−(D)Arg−NH(配列番号1、化合物1)もしくは(D)Phe−(D)Phe−(D)Nle−(D)Arg−NH(配列番号2、化合物2)を含む粉末製剤を送気された。プラセボ効果を試験するために、追加のマウスは、いかなるペプチドもふくまないFDKP(TECHNOSPHERE(登録商標))粉末(0.5mg)を送気された。これらの実験の結果は図5に示されている。プラセボ粉末またはテトラペプチド(D)Phe−(D)Phe−(D)Ile−(D)Arg−NH(配列番号1、化合物1)もしくは(D)Phe−(D)Phe−(D)Nle−(D)Arg−NH(配列番号2、化合物2)を含む粉末を送気されたマウスが、前記組み合わされた区画に嗜好性を示さなかったことを、データは示す。一方で、モルヒネで処置されたマウスが、前記関連付けられた区画に強い嗜好性を示し、薬剤によってもたらされる予期された報酬効果を確認した。
【0131】
したがって、ペプチドを含む吸入のための乾燥粉末製剤は、現行の市販されており入手可能な鎮痛剤よりも、少ない副作用でオピオイド様の疼痛緩和をもたらすことができる。吸入粉末は、肺送気でマウスに投与された。急性疼痛の非臨床モデル(55℃温水の尾離脱実験)では、ペプチドを含む乾燥粉末製剤は、典型的なオピオイドの副作用なしで注射されたモルヒネに相当する鎮痛活性を示した。モルヒネで処置されたマウスとは違って、ペプチドを含む乾燥粉末製剤を与えられたマウスは、驚くべきことに呼吸の抑制または自発運動活動の変化を示さなかった。また、それらは、FDKP/オピオイド受容体アゴニストペプチド乾燥粉末製剤の投与後の場所条件付け応答である“報酬”に関連付けられた行動も示さなかった。
【0132】
実施例6
48歳の女性患者が彼女の医師に頭痛を訴える。患者の検査の後、医師は、上記実施例に記載のように調製されたFDKP/配列(D)Phe−(D)Phe−(D)Nle−(D)Arg−NH(配列番号2、化合物2)組成物を含む鎮痛組成物を処方する。鎮痛組成物は15%ペプチドである。鎮痛組成物は、体重に対して5mg/kgの用量をもたらすように調整された再利用可能な吸入器で投与される。患者は、自身の頭痛がなくなったことを報告する。
【0133】
実施例7
化学療法を受けている22歳の男性患者が彼の医師に胃痛を訴える。患者の検査の後、医師は、上記実施例に記載のように調製されたFDKP/(D)Phe−(D)Phe−(D)Ile−(D)Arg−NH(配列番号1、化合物1)組成物を含む鎮痛組成物を処方する。鎮痛組成物は15%ペプチドである。鎮痛組成物は、体重に対して5mg/kgの用量をもたらすように調整された再利用可能な吸入器で投与される。患者は、自身の胃痛がなくなったことを報告する。
【0134】
実施例8
63歳の女性患者が彼女の医師に背痛を訴える。患者の検査の後、医師は、上記実施例に記載のように調製されたFDKP/Trp−(D)Pro−Ser−Phe−NH(配列番号3、化合物3)組成物を含む鎮痛組成物を処方する。鎮痛組成物は15%ペプチドである。鎮痛組成物は、体重に対して4mg/kgの用量をもたらすように調整された再利用可能な吸入器で投与される。患者は、自身の背痛がなくなったことを報告する。
【0135】
実施例9
28歳の男性患者が彼の医師に歯痛を訴える。患者の検査の後、医師は、上記実施例に記載のように調製されたNaFDKP/Ac−His−(D)Phe−Arg−(D)Trp−Gly−NH(配列番号6、化合物6)組成物を含む鎮痛組成物を処方する。鎮痛組成物は10%ペプチドである。鎮痛組成物は、体重に対して7mg/kgの用量をもたらすように調整された再利用可能な吸入器で投与される。患者は、自身の歯痛がなくなったことを報告する。
【0136】
実施例10
33歳の女性患者が彼女の医師に多発性硬化症による疼痛を訴える。患者の検査の後、医師は、上記実施例に記載のように調製されたNaFDKP/(D)Phe−(D)Phe−(D)Nle−(D)Arg−NH(配列番号2、化合物2)組成物を含む鎮痛組成物を処方する。鎮痛組成物は20%ペプチドである。鎮痛組成物は、体重に対して3mg/kgの用量をもたらすように調整された再利用可能な吸入器で投与される。患者は、自身の多発性硬化症の疼痛がなくなったことを報告する。
【0137】
実施例11
58歳の男性患者が彼の医師に筋肉痛を訴える。患者の検査の後、医師は、上記実施例に記載のように調製されたFDKP/Ac−His−(D)Phe−Arg−(D)Trp−Gly−NH(配列番号6、化合物6)組成物を含む鎮痛組成物を処方する。鎮痛組成物は15%ペプチドである。鎮痛組成物は、体重に対して5mg/kgの用量をもたらすように調整された再利用可能な吸入器で投与される。患者は、自身の筋肉痛がなくなったことを報告する。
【0138】
実施例12
8歳の男性患者が彼の医師に腕の骨折からくる疼痛を訴える。患者の検査の後、医師は、上記実施例に記載のように調製されたNaFDKP/Trp−(D)Ser−Ser−Phe−NH(配列番号4、化合物4)組成物を含む鎮痛組成物を処方する。鎮痛組成物は25%ペプチドである。鎮痛組成物は、体重に対して2mg/kgの用量をもたらすように調整された再利用可能な吸入器で投与される。患者は、自身の疼痛がなくなったことを報告する。
【0139】
実施例13
55歳の女性患者が彼女の歯科医師に彼女の痛覚閾値が低いことを訴える。患者の検査後および歯科処置の前に、歯科医師は、上記実施例に記載のように調製されたFDKP/Ac−Nle−Gln−His−(D)Phe−Arg−(D)Trp−Gly−NH(配列番号7、化合物7)組成物を含む鎮痛組成物を投与する。鎮痛組成物は10%ペプチドである。鎮痛組成物は、体重に対して5mg/kgの用量をもたらすように設定された単回使用の吸入器で投与される。患者は、歯科処置の間、疼痛がないことを報告する。
【0140】
本発明が特定の実施の形態に関して詳細に示され、説明されたが、上記開示された、および他の特徴ならびに機能の変形、またはその代替が多くの他の異なるシステムまたは用途と望ましく組み合わされてもよいことが理解されるであろう。また、現在予見できない、または予期しないそれについての様々な代替、修飾、変形もしくは改良が、当業者によってなされ、添付の特許請求の範囲に包含されることも意図される。
【0141】
別段の指示がない限り、本明細書および特許請求の範囲で使用される成分の量、分子量、反応条件、その他の特性を表現するすべての数字は、すべての場合において、用語“約”によって修飾されることが理解されるべきである。したがって、否定されない限り、明細書および添付の特許請求の範囲に記載された数値パラメータは、本発明によって得られ得る望ましい特性に応じて変わることがある近似値である。少なくとも、そして請求項の範囲と均等論の適用を制限しないように、各数値パラメータは、記載された有効数字を考慮して、および通常の周辺技術の適合するように少なくとも理解されるべきである。本発明の広範にわたる範囲を示す数値範囲およびパラメータが近似値であるものの、特定の実施例に記載された数値は可能な限り正確に記載されている。しかし、いかなる数値も、各試験測定で見られる標準偏差から必然的に生じるある程度の誤差を本質的に含む。
【0142】
本明細書に別段の指示がない、または文脈で否定されない限り、用語“1つの”、“その”および本発明(特に特許請求の範囲)の記載で用いられる類似の指示対象は、単数および複数の両方を含む。本明細書における数値範囲の記載は、その範囲内に含まれる個々の数値を独立して意味する簡単な方法として用いられることを単に意図している。本明細書に別段の指示がない限り、独立した各数値は、本明細書に個々に記載されているものとして明細書に組み入れられる。本明細書に別段の指示がない、または文脈で否定されない限り、本明細書に記載されるすべての方法は、任意の好適な順番で実行されてもよい。本明細書に記載の任意のおよびすべての例、または例示の用語(例えば、“のような”)の使用は、本発明をよりよく説明することを単に意図しており、特許請求の範囲に記載された発明の範囲を制限しない。本明細書に記載がないものは、本発明の実施に必須の要素として特許請求の範囲に記載されないものを示すとして理解されるべきである。
【0143】
本明細書に開示された本発明の択一的な要素または実施の形態の群は、限定として理解されるべきではない。群の要素各々が参照され、独立に、あるいは群の他の要素または本明細書に記載された他の要素とのすべての組み合わせで主張される。利便性および/または特許性のために、群の1個以上の要素が群に含まれ、あるいは群から除外され得ることが理解される。そのような包含または除外があった場合、明細書は、変更され、添付の特許請求の範囲で使用されるすべてのマーカッシュ群の記載を満たすように群を含むと見なされる。
【0144】
本発明のいくつかの実施の形態が本明細書に記載され、それには本発明を実行するのに発明者が知っている最良の形態が含まれる。もちろん、記載された実施の形態の改良が上記説明を読むことで当業者にとって明らかになる。発明者は、必要に応じて熟練した技術者がそのような改良を行えることを期待し、発明者は、本明細書に具体的に記載されてなくても発明が実施されるよう意図している。したがって、本発明は、すべての改良と、適用される法律で許される限り、添付された特許請求の範囲に記載された対象と均等なものとを含む。さらに、本明細書に別段の指示がない、または文脈で明確に否定されない限り、可能性のあるすべてのその変更における上述の要素のあらゆる組み合わせが本発明に含まれる。
【0145】
さらに、多数の参照が本明細書全体で特許および印刷物で構成されている。上記参照および出版物のそれぞれがそれら全体を参照することで本明細書に独立に組み入れられる。
【0146】
最後に、本明細書で開示された発明の実施の形態が本発明の原理の例示であることが理解される。なされ得る他の改良は本発明の範囲内である。このため、例としてであって限定しないが、本発明の代替の構成が本明細書の内容に従って利用され得る。そのため、本発明は、示され、および記載されたものだけに限定されない。
【0147】
(関連出願)
本願は、米国特許法119条(e)の下、2011年10月24日出願の米国仮出願第61/550,860号について優先権を主張するものであり、その開示全体が参照により本明細書中に組み込まれる。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5
【配列表】
[この文献には参照ファイルがあります.J-PlatPatにて入手可能です(IP Forceでは現在のところ参照ファイルは掲載していません)]