【文献】
Pantech,IDC trigger procedure[online], 3GPP TSG-RAN WG2#77bis R2-121310,インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG2_RL2/TSGR2_77bis/Docs/R2-121310.zip>,2012年 3月26日
【文献】
New Postcom,The details of trigger for the IDC Problems[online], 3GPP TSG-RAN WG2#76 R2-116265,インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG2_RL2/TSGR2_76/Docs/R2-116265.zip>,2011年11月14日
【文献】
Alcatel-Lucent, Alcatel-Lucent Shanghai Bell,Comparison between DRX and gap-like mechanism for IDC TDM solution[online], 3GPP TSG-RAN WG2#77bis R2-121694,インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG2_RL2/TSGR2_77bis/Docs/R2-121694.zip>,2012年 3月26日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1の無線インターフェースがロングタームエボリューション(LTE)に準拠するインターフェースを含み、前記少なくとも2つの無線インターフェースの第2の無線インターフェースが、産業科学医療用(ISM)周波数帯域内で動作する、請求項1に記載の方法。
【発明の概要】
【0007】
本開示は、マルチ無線干渉を検出、シグナリング、及び緩和する装置及び方法を提供する。
【0008】
セルラーネットワーク内で動作中の無線デバイスでのマルチ無線干渉を緩和する1つの方法が開示される。一実施形態において、この方法は、スケジュールされた時間に無線デバイスの少なくとも2つのラジオインターフェース間の干渉状態の少なくとも1つのインジケーションを監視することと、少なくとも1つのインジケーションの検出後に、デバイス内共存(IDC)アクティビティメッセージをセルラーネットワークへ間欠受信(DRX)ONモードで送信することと、IDCアクティビティメッセージの正常受信を示すIDCアクティビティ確認応答メッセージの受信後に、少なくとも2つのラジオインターフェースの第1のラジオインターフェースが干渉状態を緩和するためにスケジュールされた時間にDRX OFFモードで動作すること、及び、スケジュールされた時間の後に第1のラジオインターフェースをDRX ONモードで動作させることと、を含む。
【0009】
第1の変形例において、監視は、無線デバイスに近接している第2の無線デバイスのラジオインターフェースを使用して行われる。
【0010】
第2の変形例において、監視は、無線デバイスの少なくとも2つのラジオインターフェースの少なくとも1つを使用して行われる。
【0011】
第3の変形例において、第1のラジオインターフェースは、ロングタームエボリューション(LTE)に準拠するセルラーインターフェースを含み、第2のラジオインターフェースは、産業科学医療用(ISM)周波数帯域にて動作する。
【0012】
第4の変形例において、第2のラジオインターフェースは、無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)に準拠するインターフェースを含む。
【0013】
第5の変形例において、監視は、第1のラジオインターフェースと第2のラジオインターフェースとの間のチップ間シグナリングに基づく。
【0014】
第6の変形例において、この方法は、正常なロングタームエボリューション(LTE)の動作が再開可能であることを示す、セルラーネットワークへの間欠受信(DRX)ONモードにおけるメッセージの送信を更に含む。
【0015】
複数の無線デバイスの少なくとも1つに対して無線干渉を緩和する方法が開示される。一実施形態において、この方法は、複数の無線デバイスの第1からの干渉状態の第1のインジケーションを受信することと、複数の無線デバイスの第2の干渉状態が、第1の無線デバイスのそれと実質的に同時発生している、複数の無線デバイスの第2からの干渉状態の第2のインジケーションを受信することと、第1及び第2の無線デバイスの干渉状態の1つの共通の特徴を判定する第1及び第2のインジケーションを評価することと、少なくともこの評価に基づき、第1及び第2の無線デバイスの少なくとも1つに、少なくとも1つの干渉状態を緩和する補正処置を実行させることと、を含む。
【0016】
無線機器が開示される。一実施形態において、無線デバイスは、プロセッサ、プロセッサとデータ通信を行う第1の無線インターフェース、及び、第1の無線インターフェースに影響を及ぼす干渉状態の少なくとも1つのインジケーションを監視し、この監視の少なくとも一部に基づき、ネットワークエンティティに信号を送り、その干渉状態に対する補正のための処置を実行させるように構成されたコンピュータ化されたロジックと、を含む。
【0017】
1つの変形例において、監視するように構成されたコンピュータ化されたロジックは、第1の無線インターフェースを使用して監視を行うように構成されており、この監視は、少なくとも1つの無線周波数パラメータの監視を含む。
【0018】
第2の変形例において、無線デバイスは、第2の無線インターフェースを含み、干渉状態は、第1のインターフェース及び第2のインターフェースの同時動作によって生成されており、処置は、無線デバイスによる第1及び第2のインターフェースの少なくとも1つの動作における調整を含む。
【0019】
第3の変形例において、干渉状態は、第1のインターフェース及び、その無線デバイスに近接している第2の無線デバイスのラジオインターフェースの同時動作によって生成されており、処置は、第2の無線デバイスによるラジオインターフェースの動作における調整を含む。
【0020】
第4の変形例において、無線デバイスは、第2の無線インターフェースを含み、干渉状態の少なくとも1つのインジケーションについて監視するように構成されたロジックは、第1の無線インターフェースと第2の無線インターフェースとの間の干渉の間接的なインジケーションである動作状態を検出するように構成されたロジックを含む。
【0021】
第5の変形例において、無線デバイスは、第2の無線インターフェースを含み、シグナリングは、干渉状態によって受ける影響が最小の無線インターフェースの1つを使用して行われる。
【0022】
第6の変形例において、無線デバイスは、第2の無線インターフェースを含み、コンピュータ化されたロジックは、少なくとも、無線インターフェースの少なくとも1つを使用することを一時的に中断し、一時的な中断中は他の無線インターフェースを使用してシグナリングを行うことによって、ネットワークエンティティのシグナリングを行うように構成されている。
【0023】
第7の変形例において、無線デバイスは、第2の無線インターフェースを含み、第1の無線インターフェースは、ロングタームエボリューション(LTE)に準拠するインターフェースを含み、ネットワークエンティティは、発展型ノードB(eNB)を含み、第2のインターフェースは、WLANインターフェースを含み、ロジックは、LTEインターフェースに対するスケジュールされた送信又は受信時間を減らす少なくとも1つの命令をeNBから受信し、無線デバイスにて少なくとも1つの命令を実行し、これにより、WLANインターフェースとの干渉を緩和するよう更に構成されている。
【0024】
このような1つの変形例において、スケジュールされた送信又は受信時間は、1つ又はそれ以上の間欠受信(DRX)周期の期間の増加を含む。
【0025】
ネットワーク装置であって、そのネットワーク装置と通信する少なくとも1つの無線デバイスに関する無線干渉を緩和するように構成されたネットワーク装置が開示される。一実施形態において、ネットワーク装置は、少なくとも、少なくとも1つの無線デバイスとの通信用に構成されたセルラーインターフェースを含み、コンピュータ化されたロジックはそのインターフェースと通信を行い、少なくとも1つの無線デバイスに関する干渉状態の第1のインジケーションを受信し、干渉状態に対する少なくとも1つの補正処置を特定するために第1のインジケーションを評価し、少なくともその評価に基づき、少なくとも1つの無線デバイスに、干渉状態を緩和するよう試みるために特定された補正処置を実行させるように構成されている。
【0026】
1つの変形例において、第1のインジケーションは、少なくとも1つの無線デバイスにより取得したチャネル品質指標(CQI)を含み、補正処置は、少なくとも1つの無線デバイスのセルラーインターフェースの変調及び符号化方法(modulation and coding scheme:MCS)に対する変更を含む。
【0027】
無線機器が開示される。一実施形態において、無線デバイスは、プロセッサ、調整ロジック、及び、それぞれがプロセッサ及び調整ロジックとデータ通信を行う第1及び第2の無線インターフェースと、を含み、調整ロジックは、各インターフェースの将来の動作に関して第1及び第2のインターフェースから第1及び第2の情報を取得し、第1及び第2の情報の少なくとも一部をネットワークエンティティに転送し、ネットワークエンティティから少なくとも1つの処置(この少なくとも1つの処置は、将来の動作での第1のインターフェースと第2のインターフェースとの間の無線干渉を緩和するよう意図されている)を受信するように構成されている。
【0028】
無線デバイスでのマルチ無線干渉を緩和する方法が開示される。一実施形態において、この方法は、無線デバイスの少なくとも2つのラジオインターフェース間の干渉状態の少なくとも1つのインジケーションに対する監視、及び、この監視の少なくとも一部に基づき、干渉状態に対する補正の処置を実行させるためのネットワークエンティティへのシグナリングを含む。
【0029】
マルチ無線干渉の検出及び緩和が可能なクライアント又はユーザデバイスが開示される。
【0030】
マルチ無線干渉の緩和をサポートするネットワーク装置が開示される。
【0032】
無線技術間干渉を削減可能なシステムが開示される。
【0033】
ここに開示される実施形態の他の特徴及び有利点は、添付図面、及び以下に記載されるような例示的実施形態の詳細な説明を参照することで、当業者によって即座に認識されるであろう。
【発明を実施するための形態】
【0035】
ここで図面を参照するが、全体を通して、同様の番号は同様の部分を指す。
【0036】
概要
モバイルデバイス又は他の無線対応装置にて発生している信号干渉状態の存在を検出し、緩和する方法及び装置が開示される。
【0037】
一実施形態において、無線デバイスは、デバイス上で同時に動作している複数の無線によって引き起こされたデバイス内共存(IDC)干渉状態の存在を検出するトリガ条件を使用する。トリガ条件は、ネットワークエンティティに送信され、デバイスにIDC状態が発生していることをネットワークエンティティに通知する。
【0038】
これに応じて、ネットワークエンティティは、IDC干渉の緩和を試みるよう、デバイスとの送信及び/又は受信の動作をアクティブに調整することができる。例えば、1つの例示的な実装において、ユーザ機器(UE)は、UE内のIDC状態の存在を検出するために信号品質基準を監視することができる。これに応じて、UEは、これら無線の正常な動作及び性能に対する影響を最小限にし(したがって、UEのユーザに対して実質的に途切れのないよう)、UEの複数の動作中の無線の効率的な共存を提供するように、スケジュールされた送信/受信時間を短縮するためにサービングeNodeB(eNB)にシグナリングする。
【0039】
例示的実施形態の詳細な説明
これより、例示的実施形態が詳細に説明される。これらの実施形態は主に、ロングタームエボリューション(LTE)、ブルートゥース(BT)、グローバルポジショニングサテライト(GPS)/GNSS/GLONASS、及びIEEE Std.802.11に基づく無線インターフェースを両方有するデバイスの関連で考察されているが、開示の特徴及び実施形態はそのように限定されておらず、TD−LTE(時分割ロングタームエボリューション)、TD−LTE−Advanced、TD−SCDMA(時分割同期符号分割多重接続)並びに移動通信用のグローバルシステム(GSM(登録商標))、汎用パケット無線サービス(GPRS)、符号分割多重接続(CDMA)2000 1X、CDMA 1X EVDO(エボリューション・データ・オプティマイズド)、IEEE Std.802.15(PAN)、及びワールドワイド・インターオペラビリティ・フォー・マイクロウェーブアクセス(WiMAX)といった(これらに限定しない)他のセルラー及び/又は無線アクセス技術と共に使用可能であることが当業者によって認識されるであろう。
【0040】
実際に、種々の機能が、本開示の種々の原理に従う、改良されたIDC検出及び緩和から恩恵を受けることができる任意のネットワーク(セルラー、無線、又はそれ以外)と組み合わせて使用することができる。
【0041】
例示的なIDC干渉状態−
図1をここで参照すると、複数の無線技術を実装する一般的な従来技術の無線デバイスの図が提示される。この例における無線デバイスは、LTEフロントエンド、GPSフロントエンド、及びISM帯域(例えば、BT、802.11に基づくWLAN、等)内で動作する少なくとも1つのフロントエンドで構成される3つのRF「フロントエンド」を有する。それぞれのRFフロントエンドは、各ベースバンド処理回路、及びアンテナを有する。上で考察したように、極めて接近して同時に動作中のマルチ無線は、IDC干渉を引き起こし得る。
【0042】
例えば、
図2に描かれているように、LTEの動作は、ISM帯域に隣接する指定周波数帯域にて生じ得る。加えて、例えば、GNSSレシーバの商業的応用は一般的に、位置情報サービス用の指定L1帯域(1575.42MHz)を使用する。LTE帯域13(777〜787MHz)及び帯域14(788〜798MHz)のアップリンク(UL)方向は、例えば、L1帯域(1575.42MHz)を使用するGNSSレシーバの動作を乱し得る。GNSS動作の乱れは、例えば、帯域13の第2の高調波(すなわち、1554〜1574MHz)及び帯域14の第2の高調波(すなわち、1576〜1596MHz)が前述のGNSS L1帯域に非常に接近しており、それ故、GNSSレシーバの感度を鈍化させ、これによりGNSS信号の受信不良が起きる可能性があるために、起こり得る。
【0043】
更に、
図2に示すように、ISM帯域の下部は、LTE帯域40(TDD)に非常に接近している。LTE−BTの同時動作の場合、LTEトランスミッタは、BTレシーバに対する干渉を生成し、BTトランスミッタはレシーバの感度を鈍化させることで、LTEレシーバに対する干渉を生成する。同様の干渉問題は、LTE〜Wi−Fi同時動作にも存在する。
図2にも示すように、BTとLTE帯域7(UL FDD)との間の周波数分離は20MHz未満しかない。したがって、LTEトランスミッタは、BTレシーバに対する干渉を引き起こす。この特定の例では、対応するLTE帯域7(DL FDD)が、ISM帯域から周波数において十分に離れているため、BTトランスミッタからLTEレシーバへの影響はない。
【0044】
とりわけ、802.11(Wi−Fi)動作帯域とLTE帯域7アップリンクとの間には、5MHzの分離のみである。しかし、日本を除く多くの国でのWi−Fi動作はチャネル13に限られているため、17MHzの周波数分離が多くの場合に存在する。LTE〜Wi−Fi共存の場合は、Wi−Fiレシーバは、LTEアップリンクトランスミッタによって影響を受ける場合がある。
【0045】
無線リンク監視スキーム−
eNBが、LTE技術の無線リソース管理(RRM)及び無線リンク監視手順(例えば、この内容全体を参照によって本明細書に組み込んだものとする、2010年12月発行の、表題が「3rd Generation Partnership Project;Technical Specification Group Radio Access Network;Evolved Universal Terrestrial Radio Access(E−UTRA);Physical layer procedures(Release 10)」である3GPP TS 36.213)を使用することで、UEにデバイス内共存(IDC)干渉が発生しているか否かを検出することができる。それらの無線リンク監視スキームは、(i)参照信号受信電力(RSRP)、(ii)参照信号受信品質(RSRQ)、及び(iii)チャネル品質インジケータ(CQI)を含むが、これらに限定される。
【0046】
RSRPは、セル固有参照信号についてのみ計算されている。RSRPは、受信電力がサービングLTE eNB電力なのか干渉電力なのかを考慮しない。したがって、RSRPは干渉のインジケーションを提供しないため、RSRP単独では、UEにデバイス内共存干渉が発生しているか否かの判定に完全には有用とは言えない可能性がある。RSRPは、考慮された測定周波数帯域幅内にてセル固有参照信号を搬送するリソース要素の電力寄与(ワット単位)全体の線形平均として定義されている。RSRPの判定には、セル固有参照信号R0が使用されている。UEが、R1信号が利用可能であることを高い信頼性にて検出できる場合、R1信号を(R0信号に加えて)使用してRSRPを判定することができる。RSRPに対する参照点は、UEのアンテナコネクタである。特定の実装において、UEがレシーバダイバーシティを使用している場合、報告されるものは、任意の個別のダイバーシティブランチの対応するRSRPよりも低くなることに注意されたい。
【0047】
RSRPとは反対に、RSRQは、参照シンボル電力だけでなく、隣接する単一又は複数の隣接するセル(neighboring cell(s))及び隣接する単一又は複数の隣接するシステムの双方からの干渉も示す。それ故に、干渉が存在するか否かを示すために使用することはできるが、干渉が隣接するセルから来るものであるか、又は、例えば、ISM帯域無線といった、他の技術の同時動作から来るものであるかを識別することはできない。RSRQ値は、ISM帯域からの断続的な干渉を伴う状況においては想定より影響を受けない場合がある。RSRQは、方程式1に従って定義されている。
【0048】
RSRQ=N×RSRP/RSSI (方程式1)
式中、
Nは、LTEキャリアのリソースブロック(RB)数であり、
RSRPは、参照信号受信電力であり、
RSSIは、参照信号強度指標である。
【0049】
RSRP及びRSSIの測定は一般的に、同じセットのリソースブロック全体で行われる。RSSIは、(同一チャネルのサービングセル及びノンサービングセル、隣接チャネル干渉、熱雑音、等を含む)すべてのソースからの、N個のリソースブロックにわたって、測定帯域幅においてアンテナポート0に対する参照信号を含む直交周波数分割多重(OFDM)シンボルのみで、UEによって観測されたワット単位での総受信電力の線形平均を含む。eNBからの上位レイヤシグナリングが、RSRQ測定を行うために使用される特定のサブフレームを示す場合、RSSIは、示されたサブフレーム内のすべてのOFDMシンボルにわたって測定される。RSRQに対する参照点は、UEのアンテナコネクタである。UEがレシーバダイバーシティを使用している場合、特定の実装における報告値は、任意の個別のダイバーシティブランチの対応するRSRQよりも低くはならない。
【0050】
CQIは無線リンク品質を示し、これは、信号電力だけでなく、隣接するセル及びデバイス内共存干渉の双方からの干渉にも関連している。RSRQと同様に、干渉が隣接するeNBからのものであるか、デバイス内共存によって引き起こされたものであるかを区別することはできない。CQI値は、例えば、ISM帯域からの断続的な干渉の場合、他の場合に想定されるよりも影響が少ない場合がある。
【0051】
IDC干渉緩和スキーム−
複数の無線を実装する無線デバイスにおけるIDC干渉緩和スキームは、以下の2つのグループに大きく分類することができる。第1のグループは、ネットワーク制御(及びデバイス支援)ソリューションとして分類することができ、一方第2のグループは、デバイス自律ソリューションとして分類することができる。ネットワーク制御/デバイス支援スキームにおいて、ネットワークは、少なくともIDC干渉緩和スキームの実装の一部を制御し、一方、ネットワーク(例えば、UE)と通信するデバイスは、スキームの実装においてネットワークに対する1つ又はそれ以上の形態の支援を提供する。
【0052】
反対に、デバイス自律ソリューションは、ネットワーク制御メカニズムからは独立して、IDC干渉緩和スキームを実行する。
【0053】
例示的なネットワーク制御及びデバイス支援(例えば、UE)スキームは、(i)周波数分割多重化(FDM)に基づく、(ii)時分割多重化(TDM)に基づく、及び/又は(iii)電力制御に基づくスキームを含み得る。一般的なFDMに基づくソリューションは、干渉している無線間に十分な周波数分離を行う。例えば、(種々のLTE及びISM周波数帯域を示す)
図2に示すように、LTE信号は、十分な周波数分離を提供することで、共存干渉を緩和するよう、ISM帯域から移動させることができる。同様に、(LTE信号とISM信号(例えば、BT、802.11、等)との間の例示的なIDC干渉を示す)
図3に示すように、ISM信号は、例えば、従来のバンドパスフィルタを通すなどしてLTE信号の受信を除去するように、ISM帯域のある部分から離れてLTE動作から離れることができる。
【0054】
十分な周波数分離が、干渉している無線間で不可能な場合は、トランスミッタ及びレシーバ内双方にフィルタ技術を導入し、共存干渉を緩和することができる。しかし、一般的に、マルチ無線デバイスの2つの関連技術との間に20MHzの最小周波数分離が可能な場合のみ、フィルタを使用しての干渉の削減が可能である。更に、フィルタに基づくソリューションは極めて帯域固有のものであり、コストの視点からは実際的なソリューションとすることはできない。
【0055】
更に、(
図3に示すような)アンテナ隔離は、無線間にある程度の隔離を提供し得るが、無線デバイスの小さいフォームファクター及びデバイス上のアンテナの物理的近接が、可能な隔離量における制限因子となるであろう。場合によっては、共通のマルチバンドアンテナも、2つ又はそれ以上の別々のエアインターフェースに対して使用することができる。つまり、非常に積極的なフォームファクター及び特定の種類の材料(例えば、金属ケース)は除外され得る。
【0056】
例示的なTDMに基づくソリューションにおいて、IDC干渉緩和スキームは、無線のアクティビティの時間分離によって1つの無線から他の無線への干渉を防ぐよう試みることができる。例えば、TDMソリューションは、異なる無線に実装されたフレーム構造及び/又はマルチ無線動作の特性を利用することができる。しかし、TDMソリューションに対する重要な前提条件は、無線同士が時間同期を有することであり、これは常に可能な訳ではない可能性がある。そのような同期が可能であっても、それはほぼ必然的に、すなわち、所定の時間に動作している種々の無線間の通信をサポートするための、大幅なオーバーヘッド及びコストが加わる。
【0057】
電力制御に基づくソリューションにおいては、共存が可能となるよう、送信電力を下げることができる。例えば、ISM帯域信号との起こり得る干渉を削減するよう、LTE信号送信電力を下げる、又はその逆を行うことができる。しかし、共存に基づく低送信電力は、スループット損失又はUEトラフィックのレイテインシの増加を招く可能性があり、これは許容できない場合がある。
【0058】
例示的なデバイス自律ソリューションに関して、デバイスは、例えば、無線の同時使用を制限することでIDC干渉を緩和するため、TDMに基づくソリューションを実行することができる。別の例において、デバイスは、無線間の起こり得る干渉を回避するよう、特定の送信要求の実行を拒否することができる。
【0059】
更に、IDC緩和スキームの実行に、無線リンク障害(radio link failure:RLF)を使用することができる。RLFは、無線リソース制御(RRC)接続の再構築を開始し、これによりUEは周波数間セルを選択できる。しかし、RLFの宣言は、UEに対する長時間の遅延を含む場合があり、これは、特にQoS要求を伴うようなタイムクリティカルなサービスに対して、ユーザエクスペリエンスに悪影響を有する場合がある。遅延を低減するため、RLF宣言の速度を上げられる可能性があるが、UEは更に、干渉がデバイス内共存干渉又は隣接するセルの干渉によるものであるか否かを正確に区別するよう求められ得る。
【0060】
更に、IDC干渉状態の緩和に、ハンドオーバ(HO)手順も使用することができる。しかし、周波数内セルは同じIDCアクティビティによって干渉を受ける場合があるため、すべての周波数内セルのRSRQは、サービングセルのものよりもはるかに良いものとはならないであろう。その結果、周波数間セルから受信した測定レポートは、周波数内セルの測定よりも、IDC干渉の存在を示すものとしてよりふさわしい。しかし、有力なIDC緩和ソリューションとしてのHO手順の使用には、例えば、すべてのUEが(複数の無線がなくとも)RSRQを用いて構成されなければならないといった課題を有する。したがって、緩和ソリューションが実行可能となるまでに、測定レポートのトリガにおいて許容できない遅延が生じ得る可能性があり、IDC干渉によってHOコマンドを失う可能性が生じる可能性がある。
【0061】
レシーバの感度鈍化及び隣接/同一チャネル干渉の増加といったIDC影響を緩和する数多くのスキームがあるが、これらは一般的に、無線システムの性能を低下させるか、又は、それら無線の正常な動作を妨げる。その結果、例えば、LTE及びISM帯域無線の、LTE性能に悪影響を及ぼすことなくマルチ無線共存を可能にすることは有益であろう。既存のLTEネットワーク内には、IDC状態が発生しているUEが、eNB又は他のネットワークエンティティへ状況を予め(又はそのような状態の最中に)報告することを可能にし、eNB/エンティティが、例えば、UE固有の必要性を満たす、短/長DRX周期又は測定間隔を構成するといった是正措置又は補正処置を実行することを可能とするシグナリングメカニズムはない。
【0062】
間欠受信(DRX)−
DRXは、基地局から送信される制御チャネルを継続的に監視する代わりに、UEが、ある期間その無線の電源を切断することを可能にする省電力実装である。一般的な実装において、DRXモードでの動作時には、UEはその無線の電源を規定期間入れて制御チャネルを監視し、それ以外はその無線の電源を切る。したがって、無線がアクティブであるよう求められている時間を減らすことで、UEはとりわけ、その電力消費を削減する。
【0063】
DRX中、UEは、サブフレーム数を単位として定義されているDRX周期を維持する。それぞれのLTEサブフレームは1ミリ秒であり、サイクリックプレフィックスのサイズにより、2つのスロット及び12〜14のOFDMシンボルからなる。UEは、DRX周期における特定数のサブフレームに対してパケット専用制御チャネル(PDCCH)を監視する。この持続時間は「オン持続時間」と呼ばれ、1〜200のサブフレームまで幅があり得る。UEは、残りのDRX周期に対してそのレシーバの電源を切ることができる。UEは、異なる持続時間を有する2つのDRX周期(短DRX周期及び長DRX周期)を維持する。
【0064】
短DRX周期は随意的であり、一般的に、短いが一定の間隔での、通常比較的小さいデータ送信を必要とするVoIPといった用途を対象としている。そのように構成されている場合、UEは、DRXモードに入ると、短DRX周期(2〜640サブフレーム)にて起動する。構成可能な短DRXタイマが終了すると(2〜640サブフレーム)、UEは長DRX周期(10〜2560サブフレーム)に移行する。UEは、構成したタイマが切れるか、又はDRXコマンドに従うかのいずれかにより、DRXに移行することができる。
【0065】
少し離れるが、UEは、UEのセル無線ネットワーク仮識別子(C−RNTI)、送信電力制御−物理的アップリンク制御チャネル−無線ネットワーク仮識別子(TPC−PUCCH−RNTI)、送信電力制御−物理的アップリンク共有チャネル−無線ネットワーク仮識別子(TPC−PUSCH−RNTI)、及び半永続スケジューリングC−RNTI(そのように構成されている場合)に対してUEの物理的ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)監視アクティビティを制御するDRX機能を伴う無線リソース制御(RRC)サブレイヤによって構成することができる。RRC_CONNECTED状態にあり、DRXがそれに従って構成されている場合、UEは、DRX動作を用いて非連続的にPDCCHを監視可能となっており、それ以外では、UEは連続的にPDCCHを監視する。DRX動作を用いる場合、UEはPDCCHも監視する。RRCサブレイヤは、次のパラメータ、すなわち、onDurationTimer、drx−InactivityTimer、drx−RetransmissionTimer(ブロードキャストプロセスを除くDL HARQプロセス毎に1つ)、longDRX−Cycle、drxStartOffset、及び、随意的にdrxShortCycleTimer並びにshortDRX−Cycleを構成することで、DRX動作を制御する。
【0066】
ダウンリンク(DL)HARQプロセス毎のHARQ RTTタイマもまた定義されている。DRX周期が構成されると、アクティブ時間は次の、すなわち、onDurationTimer又はdrx−InactivityTimer又はdrx−RetransmissionTimer又はmac−ContentionResolutionTimerが実行されている間隔を含む。スケジューリング要求が交互にPUCCHに送られ、保留となっているか、又は、保留中のHARQ再送信に対するアップリンク許可が発生可能となる(及び、対応するHARQバッファー内にデータが存在している)、若しくは、UEのC−RNTIに宛てられた新規送信を示すPDCCHが、UEが選択していないプリアンブルに対するランダムアクセス応答の正常な受信後に受信されていない。
【0067】
隣接セル検索(Neighboring Cell Search)−
隣接セル検索は、例示的なLTEのコンテキストにおいて、例えば、ハンドオーバ又はセルの再選択判断を行うために、検出可能なeNBに関する信号測定を行い、サービングeNBに測定値を報告するUEのプロセスである。測定アクティビティは、UEに対して、サービングeNBよってスケジュールされた送信/受信の間のギャップに発生し得る。
【0068】
測定ギャップパターンは、eNB無線リソース制御(RRC)サブレイヤによって構成し、有効にすることができる。行われるセル測定の種類は、(i)周波数内測定、及び(ii)周波数間測定に分類することができる。
【0069】
周波数内隣接セル測定について、隣接セル測定は、構成されたセルのセットのサービングセルの1つ及びターゲットセルが同じキャリア周波数にて動作している場合に、UEによって行われる。UEは、測定ギャップがなくても、この測定を実施することができる。
【0070】
周波数間隣接セル測定について、隣接セル測定は、隣接セルが、構成されたセルのセットのいずれのサービングセルとも異なるキャリア周波数にて動作している場合に、UEによって行われる。UEは一般的に、測定ギャップがないときは、この測定を実施することができないと想定されている。
【0071】
少し離れるが、周波数再使用機能を有する特定のシステムでは、同じ周波数レイヤ内(すなわち、同じキャリア周波数を有するセル間)の可動性が重要である。良好な可動性サポート及び容易なネットワーク展開を確かにするため、サービングセルと同じキャリア周波数を有するセルに対する「良好な隣接」セル測定が必要である。サービングセルと同じキャリア周波数を有する隣接セルの検索、及び検索によって識別されたセルに対する関連する量の測定が必要である。DRX周期外のUEアクティビティを避けるため、隣接セル測定に対する報告基準は使用されるDRX周期に一致しなければならない。
【0072】
異なる周波数レイヤ間(すなわち、異なるキャリア周波数を有するセル間)の可動性に関して、UEは、DRX又はパケットスケジューリングによって提供されているDL/ULアイドル期間中の隣接セル測定(すなわち、ギャップに支援された測定)を行う必要がある。
【0073】
方法−
図4は、本開示に従う、マルチ無線プラットフォーム上の無線インターフェース間の干渉を緩和する汎用方法400の一実施形態を表す。1つの例示的な実装において、クライアントデバイス(例えば、UE)は、検出したIDC干渉状態のインジケーションをネットワークエンティティに対して提供する。これに応じて、ネットワークエンティティは、複数の無線間の干渉を緩和するために、クライアントデバイスと連携することができる(又は他の手段を与えることができる)。UEに発生しているIDC干渉状態のインジケーションを提供することで、ネットワークエンティティは、UEで発生している状況を有利に認識することができる。そのようなインジケーションがないと、ネットワークエンティティは、特定のUEで(又は更に言えば、どのUEでも)発生している干渉状態を検出することが不可能な可能性があるため、その状態はさもなければネットワークエンティティによって検出可能ではなくなる可能性がある。
【0074】
特に、UE上にISM帯域無線と同時配置されたLTE無線トランシーバと、GPSの例示的な共存のコンテキストで、現在公開されている3GPP LTE仕様は、UEによるIDC状態のeNB通知を全く提供しない。結果として、間欠受信(DRX)及び測定ギャップといった既存のUEアクティビティ制御メカニズムは、UEからのIDCフィードバックなしにサービングeNBによって単独で設定されている。その結果、eNBは、(例えば、周波数又はDRXのON持続時間といった)これらのメカニズムに対するパラメータを調整可能とするための、IDC状態が発生しているUEの固有の必要性(その特定のUEに全く固有でもあり得る)は通知されない。
【0075】
図4を再度参照すると、方法400の工程402にて、クライアントデバイスは、デバイスで発生している干渉状態を検出する。例示的な一実施形態において、検出された干渉状態は、複数の無線技術の同時動作からもたらされたIDC干渉状態である。1つの変形例では、干渉は、IDC状態に起因し得る干渉増大のインジケーションを監視することで検出される。1つの実装において、クライアントデバイスは、監視した無線リンク品質によって、可能性のあるIDC干渉状態を検出する。例えば、クライアントデバイスは、RSRP、RSRQ、CQI、及び/又は、無線チャネル品質の任意の他の適切なインジケータを監視することができる。無線チャネル品質を監視することで、クライアントデバイスは、観測されたチャネル品質の低下が、デバイスにおけるIDC干渉状態の予測インジケータであろうことを判断することができる。単一又は複数の無線チャネルの監視は、定期的又は非定期的に行われる場合があり、場合に応じて任意の方向(例えば、アップリンク、ダウンリンク)に発生する場合がある。
【0076】
別の実装において、クライアントデバイスはIDC干渉に起因する可能性のある手順の発生又は発動を識別することで、IDC状態を「間接的に」検出する。例えば、無線リンク障害(RLF)は、デバイス内共存干渉が、LTEのDL無線リンク品質を劣化させる場合に発生し得る。更に、別の基地局(例えば、eNB)へのハンドオーバ(HO)手順はIDC干渉状態の存在を示すことができる。なぜなら、RSRQがデバイス内共存干渉によって十分に劣化している可動性に対して構成されている場合に、HOが起き得るためである。それ故に、本開示は、潜在的なIDC状態を識別するそのような間接又は「受動的な」メカニズムの使用を検討する。
【0077】
別の変形例において、IDC干渉状態は、各無線(radio)デバイスのスケジュールされた動作に関係する種々の無線デバイスからの通信により検出されている。したがって、スケジュールされた動作に関係する通信に含まれた情報は、同時に動作するようスケジュールされている2つ又はそれ以上の無線(radio)デバイスが、IDC干渉状態を作り出すことが既知であるかの判定に使用することができる。そうであれば、スケジュールされた同時動作は、IDC干渉状態を検出したものとして解釈される。種々の無線(radio)デバイス間の通信は、デバイスの複数のラジオインターフェースとの間で直接行われる場合があり、及び/又は、IDC干渉状態の監視及び検出の責任を負う集中型エンティティと通信することができる(例えば、1つのインターフェースが外部エンティティと通信し、それが続いて他のインターフェースと通信する)。
【0078】
別の実施形態において、クライアントデバイスは、例えば、通常のLTE動作を中断する必要なくLTEネットワークに接続した状態で、別のRAT(例えば、CDMA2000、1xEvolution−Data Optimized(EV−DO)、UMTS、GSM)の監視及びキャンプオンなどして、マルチ無線関連アクティビティを監視することができる。サービング基地局に対して、UE内の他の同時配置された無線アクティビティを知らせるための、アップリンク通知メッセージを生成するようために、定期及び/若しくは非定期の測定又は他の内部シグナリングメカニズムを使用することができる。
【0079】
方法400の工程404において、クライアントデバイスは、検出した状態を、例えば、RRCメッセージング等を経由して、ネットワークエンティティに報告する。一実施形態において、クライアントデバイスは、デバイスに発生している、又は推定されるIDC干渉状態の存在をネットワークに報告する。検出した状態は、一度、定期的、又は非定期的に報告されることができる。例えば、クライアントデバイスは、検出後に状態を直ちに報告するか、又は、報告前に(状態が単に一時的であったか、又は誤ったものであったかを判断する機会を与えるために、など)所定の時間待機することができる。加えて、検出した状態は、例えば、定期的の又はイベントドリブンの要求に応じて、ネットワークエンティティによる要求があったときに、ネットワークエンティティに報告することができる。
【0080】
1つの実装において、クライアントデバイスは、UEが、クライアントデバイスにIDC干渉状態が発生しているか否かという状態インジケータのみを報告するような、実質的に「2値」のスキームを利用する。別の変形例において、クライアントデバイスは、IDC干渉状態の程度の判定に有用な1つ又はそれ以上のメトリック(例えば、RSRP、RSRQ、CQI)を、ネットワークエンティティに報告するが、クライアント自体は、判定自体を行わない。
【0081】
更に別の実装において、所定のクライアントはそれ自体に、IDC干渉の判定を行う(及び/又は、判定を行うようネットワークエンティティに送るための上記のようなメトリックを取得する)ための装備を備えてはいないが、むしろ、第1のUEと(例えば、Wi−Fi又はPANリンクを経由して)通信可能なピアデバイス(例えば、別のUE)からメトリックを取得する。1つのそのような変形例において、UEが近接していることは、PANリンクの構築によって判定される。すなわち、他のUEがターゲットUEとPAN接続するのに十分に近いとき、ターゲットUEに関するメトリックを測定するのに十分に近接しているとみなされる。
【0082】
方法400の工程406では、クライアントデバイス及びネットワークエンティティは、報告された干渉状態に応答する。一実施形態において、ネットワークエンティティは、干渉している無線(radio)デバイスの間の同時動作を減少させることなどによって、IDC干渉を緩和するために1つ又はそれ以上の動作パラメータを変更する。1つの実装において、スケジュールされた動作に関する動作パラメータの変更は、頻繁に行われないように調整されている。例えば、LTEのコンテキストで、DRXタイマを、UEがダウンリンク制御チャネルを監視する必要がない期間をより長くスケジュールするように調整することができ、これによりLTEインターフェースが動作中である時間を減らす。更に、ギャップ測定は、繰り返すが、LTE無線がアクティブである時間を削減するために、UEが隣接セル検索測定をより少ない頻度で実行・報告するように調整することができる。
【0083】
1つの変形例において、パラメータの調整は、少なくとも部分的に、クライアントデバイスにより報告されたフィードバックによって決定される。パラメータは、報告された信号品質インジケーションに従い、及び/又は、同時に機能するものと判定されたラジオインターフェースの種類に基づいて調整することができる。種々のラジオインターフェースは、適切な性能レベルを維持するために満たさなければならない特定の動作要件を有することができる。例えば、802.11に基づくWLANにおいて、802.11に基づくラジオインターフェースは、受動的なスキャニングを通して、APを検出可能かつ接続可能にするために、アクセスポイント(AP)からのビーコン信号を定期的にリッスンしなければならない。その結果、パラメータは、そのような前述の動作要件を考慮して調整することができる。eNBは、例えば、UEから提供された無線情報の種類からISM無線アクティビティ時間を推定することが可能であり、eNBは、ISM無線送信間隔に従って、DRX及び/又は測定ギャップパラメータを調整することができる。例えば、ISM帯域無線アクティビティは一般的に、802.11に対して3ミリ秒、及びBTに対して3.75ミリ秒必要であり、これらは種々のパラメータの調整において占められることができる。
【0084】
別の実装において、他の手順(すなわち、eNBによるトリガの確認応答、UEに対するアップリンク/ダウンリンクのデータ/制御情報送信の削減又は中断、及びUEでの状態の解消後の正常な動作の回復)は同じままである。
【0085】
例示的動作−
図5は、
図4の一般的方法400に従う、改良型IDC干渉検出、シグナリング、及び緩和スキームの1つの例示的実装500を示す論理流れ図である。
【0086】
工程502では、UEは、IDC干渉状態が存在することを検出するためチャネル品質インジケーションを監視する。この例では、IDC状態は、LTE無線リンクのRSRQ及びCQIの監視により、干渉影響のインジケーションを判定することで検出されている。上記にて考察したように、LTE受信にて受信した信号のRSSIは、ISM帯域無線アクティビティからの同一チャネル及び/又は隣接チャネル干渉の結果として増加するであろう。方程式1のRSRQは、以下のように、方程式2に従って方程式3として再定義することができる。
【0094】
方程式3に示されるように、干渉合計はRSSIを増加させ、RSRQを減少させるが、しかし、先に考察したように、この干渉はRSRP測定に影響しない。したがって、RSRQ値の減少の測定は干渉の増大のインジケーションとなるであろうが、必ずしもIDC状態のインジケーションではない。本明細書で使用するとき、対数(log)関数は、10を底とする。しかし、他の底も、本明細書に記述する原理から逸脱することなく、自由に置き換えることができることを当業者は認識するであろう。
【0095】
しかし、UEはこの例に加えて、CQI測定も考慮するであろう。CQIは、現在のチャネル状態の下での最良の変調及び符号化方法の選択において一般的に使用されている。CQIは、パケットスケジューリングアルゴリズムに対する優先メトリックの計算において更に使用することができる。CQI測定は一般的に、以下の4つの基本ステップ、すなわち、1)信号対干渉及び雑音比(SINR)の測定、2)SINRへの測定誤差の導入、3)SINR値の離散的CQIステップへの変換、及び最後に、4)特定スキームを伴うCQI報告を含む。理想的な線形SINRは、測定周期毎に受けたパイロット電力及び干渉合計から、それぞれの物理的リソースブロック(PRB)の数(n)に対して計算されている。したがって、それぞれのPRB nに対して測定した線形SINR値は、以下の方程式4にて記述されるように、デシベルに変換されている。
【0096】
SINR
dB(n)=10log
10[SINR
linear(n)]+ε(dB)
(方程式4)
式中、
SINR
linear(n)は、それぞれのPRB(n)に対して受けたパイロット電力及び干渉合計から計算した理想的な線形SINRであり、及び、
ε(dB)は、ゼロ平均及びパラメータ指定分散を有するガウス分布誤差である。
【0097】
SINR値は、方程式5に従って離散的CQI値に変換されている。
【0098】
CQI
dB(n)=QStep
dB×floor(SINR
dB(n)/QStep
dB+0.5)
(方程式5)
式中、
QStep
dBは量子化ステップである。
【0099】
RSRQと同様に、CQIは、干渉が隣接するeNBからのものであるか、デバイス内共存によって引き起こされたものであるかを区別することはできない。例えば、CQI値は、ISM帯域無線からの干渉が断続的であり得るため、予想されたほど大きなものとはならない場合がある。CQIは、送信時間間隔(TTI)の整数倍に及ぶ、一定の時間間隔にて測定されている。測定したCQI値は一般的に、一定の遅延を伴って、CQI報告スキームによって報告される。基本スキームは、いくつかの連続した物理的リソースブロックについてCQIを報告する。基本報告スキームの粒度は、TTI毎のCQI報告数、又は、CQIが報告されるシステム帯域幅の分割(すなわち、広帯域又は副帯域CQI)を変更することによって変更可能である。1つの実装では、副帯域CQI報告は、副帯域内の連続した物理的リソースブロックに対する個別CQI値を測定し平均化することで実現されている。最小粒度は広帯域CQIによって実現され、それは、システム帯域幅全体にわたるすべての物理的リソースブロックに対して計算された平均値である。
【0100】
RSRQ及び広帯域/副帯域CQI値の減少はIDC状態の明確なインジケーションとなることができない一方、(単独又は相互を照らして考慮するか、いずれにせよ)これら2つのメトリックの不満足な値は、干渉の増加により、LTE無線の正常な動作が可能とはならないことを示唆するであろう。UEは、この例において、RSRQ及びCQIによって描かれた干渉の増加を、IDC干渉状態を検出したものと解釈し、工程504によってeNBへ検出を報告することに進む。
【0101】
工程504では、UEは、サービングeNBにアップリンク制御メッセージを送り、UEにIDC干渉状態が発生していることをeNBに知らせる。アップリンク制御メッセージは、1つの例示的な実装において、IDCトリガメッセージ、IDC状態に関する測定値、及び、例えば、IDC干渉に関わる無線の種類といった、IDC状態に関する追加的情報を含む。
【0102】
工程506では、UEからのメッセージの受信に応じて、サービングeNBが、IDC状態確認応答(ACK)を各UEに送信する。eNBがIDC緩和を設定し得ると判定されると、eNBは、工程508に進む。
【0103】
工程508では、eNBが、IDC状態が発生しているUEのダウンリンク及びアップリンク送信に対するスケジューリングを減らすことで、IDC干渉緩和ソリューションを設定する。サービングeNBは、UEアップリンクトラフィック/制御シグナリング送信(他の単一又は複数の無線と干渉を引き起こす恐れがあるため)、及び/又は、ダウンリンクトラフィック/制御シグナリング送信(LTEレシーバが、他の単一又は複数の無線の送信によって感度低下させられる恐れがあるため)を、IDC状態が解消されるまで削減又は停止することができる。DRXを構成する場合、この例において、eNBは、UEでのIDC状態が解消されるまで、UEの固有の必要性に従って、短/長DRX周期を構成する。LTE及びBT無線の共存の例の場合、不定の短DRX周期がUEに対して構成され得る。長DRX周期はデフォルトで、短DRXタイマの終了後に成立するため、IDC状態の解消まで短DRX周期に従うようUEに指示する目的で、drxShortCycleTimerの新規値は、サービングeNBによって定義され、使用されることができる。
【0104】
更に、アップリンクHARQプロトコルは、DRX構成と整合して変更される。例えば、DRX休止時間中のアップリンクHARQ送信/再送信は、UEでのIDC状態の解消及び正常な動作の回復まで、停止している。onDuration終了後の任意の保留中のアップリンク送信及び再送信は、次のDRX周期に継続するか、又は破棄され得る。良好なチャネル状態の下でHARQ再送信の可能性が低い場合は、再送信はeNB及びUEの双方より無視され得る。
【0105】
方法500の工程510では、サービングeNBからIDC状態ACK信号を受信すると、UEは、IDC緩和ソリューションの実行を開始する。UEは、削減されたDRXスケジューリングによって示されるように、可能であれば、ISM帯域無線送信がLTE帯域受信と同時に発生しないようにスケジューリングすることで、IDC干渉を緩和する。UEは、先に考察したように、追加緩和ソリューションを実行することができる。
【0106】
工程512では、UEは、IDC状態がもはや存在しないことを検出すると、IDC状態の解消に関する情報を含むアップリンクRRCメッセージを送ることで、内部IDC状態が解消されていることをサービングeNBに通知する。IDC状態の解消は、IDC解消のインジケータ、及び/又は、eNBによってIDCの解消を確認するために有用なメトリックを含むことができる。
【0107】
工程514では、正常に受信したIDC状態解消メッセージに応じて、eNBが、IDC状態解消ACKをUEに送信する。IDC状態解消ACKの送信後、工程516では、eNBが、UEに対するアップリンク/ダウンリンクの正常なスケジューリングを再開する。
【0108】
IDC状態ACKの受信に応じて、UEは工程502に戻り、別のIDC状態の発生の監視を再開する。
【0109】
上記の例示的実装の1つの際立った利点は、例示的なIDC検出及びシグナリングスキームが、RSRP、RSSI、RSRQ、及びCQI測定といった機能の多くがすでにLTE規格内に定義されているという点において、現在のLTE規格に対する影響が最小限であることである。その結果、例示的実装は、IDC(又は他の同時に存在するマルチ無線アクティビティ)トリガ及び確認応答を伝達する既存のメッセージングに対する小規模の追加/変更、及び/又は、ISM帯域無線の送信又は受信中はUEのLTE関連アクティビティを少なく又はなくすような短/長DRX構成の変更によって実施できる。例えば、(新規メッセージの実装と対比して)「ACK」メッセージの削除、又は現存のシグナリング若しくはメッセージングプロトコルの利用といった、現在の規格に対する変更が、更にもっと最小化されるよう、前述の
図5の例示的なシーケンスの少なくとも一部を取り除く(又は他のアプローチを用いる)ことができることもまた考慮されている。
【0110】
例示的タイミングスキーム
図6をここで参照すると、開示の原理に従う、チップ間予告を伴って実行されるUEとeNBとの間のシグナリングの例示的タイミング
図600が示され、説明される。
【0111】
図6のタイミング図は、LTEサブフレームに基づくタイミングを含むことに注意されたい。少し離れるが、LTEシステムに対してeNBとUEとの間の通信の同期を維持するため、LTEフレーム及びサブフレーム構造はセット長を有するように定義された。サブフレームは、1ミリ秒の長さを有し、1フレームは10サブフレームから成る。
【0112】
タイミング
図600は、DRXタイミングを更に含む。DRX ONの状態は、eNB及びUEが、チャネル監視、セル測定、等といったLTEタスクを実行するようスケジュール可能であることを示す。DRX OFFの状態は、eNBとUEとの間のLTE機能が利用できないことを示す。LTE機能が利用できないようにすることは、例えば、LTEインターフェースを無効にすることで、又は、LTEインターフェースをスリープ若しくは他の省電力モードにすることで実行することができる。
【0113】
UE内に配置されたISM無線とLTEベースバンドとの間のチップ間シグナリングが、例示的タイミング
図600に含まれている。チップ間シグナリングは、IDC干渉が起こりやすいことが知られている無線の起こり得る同時使用がスケジュールされていることを示すために使用される。その結果、UEは1つの実装において、チップ間シグナリングを利用してIDC干渉状態の存在を検出する。一実施形態において、チップ間シグナリングは、専用インターフェース(例えば、シリアルポートインターフェース(SPI)、集積回路間通信(I2C)、汎用非同期送受信回路(UART)、汎用入出力(GPIO)、等)を介して実行される。他の実施形態において、IDCシグナリングは、例えば、ホストプロセッサ又はエンティティ上で実行されるソフトウェアを経由して間接的に行われる。
【0114】
タイミング
図600は、IDCアクティビティトリガのタイミングを更に含む。IDCアクティビティトリガは、UEでのIDC干渉状態をeNBに通知するため、UEからeNBに送信される。更に、eNBがUEのIDCアクティビティトリガを受信したことを示すために、eNBからUEに送られるIDCアクティビティ確認応答に関するタイミングが提供される。
【0115】
最後に、例示的タイミング
図600は、UEが、ISM帯域ラジオインターフェースを介していつ信号をアクティブに送信又は受信するかを示すISM無線送信/受信タイミングを示す。
【0116】
時間602にて、チップ間シグナリングは、先に考察したように、IDC干渉状態の発生を検出するために使用される、将来のスケジュールされたISM無線アクティビティの予告を示す。しかし、チップ間予告信号は、LTEサブフレームインターバル中にLTEベースバンド回路に到着するため、トリガメッセージの送信は、DRX ONインターバル中の最初の送信機会まで延期されており、この時間延期は、時間期間Tdとして図に示されている。
【0117】
時間604にて、DRX ONが有効にされ、UEとeNBとの間のLTE動作が可能になる。UEは、LTEサブフレームの期間中にIDCアクティビティトリガをeNBに送信し、eNBにIDC状態を通知する。eNBが、IDCアクティビティトリガを受信しIDCアクティビティ確認応答をUEに送信する時間が、時間期間TACKとして示されている。
【0118】
時間606にて、UEはeNBから、eNBがIDCアクティビティトリガを正常に受信したことを通知するIDCアクティビティ確認応答を受信する。IDCアクティビティ確認応答の受信後、時間608にて、UEは、デバイスでのIDC緩和スキームの設定、並びに、IDCアクティビティトリガに応じて、UEによってスケジュールされた、更新済みLTEアップリンク/ダウンリンクの受信を開始する。IDC緩和ソリューションを処理する時間期間は、T
processingとして示されている。更に、eNB再スケジューリングの例では、例えば、UEが、サービングeNBからのスケジューリング許可を、アクティブである時間中にのみ期待し得るため、UE再スケジューリングは次の利用可能なDRX ON持続時間に延期される場合がある。
【0119】
時間610にて、UEは、ISM無線送信/受信アクティビティを開始する。DRXタイミングは、ISM及びLTE無線の同時動作によって引き起こされるIDC状態を防ぐため、LTE無線を無効にするためDRX OFFとしてスケジュールされていることに注意されたい。
【0120】
時間612にて、スケジュールされたISM無線動作は、チップ間シグナリングによって、UEに対してISM無線アクティビティの完了を示して完了している。先に考察したように、UEは、IDC状態が解消していることを示すために、eNBにIDCアクティビティトリガを送信するため、DRX ONのためTdの期間を待つ必要がある。
【0121】
時間614にて、UEは、IDC状態の解消及び正常なLTE動作が再開できることをシグナリングするため、eNBにIDCアクティビティトリガを送信する。TACKの期間後、UEは、eNBがIDCアクティビティトリガを正常に受信したことを示すIDCアクティビティ確認応答をeNBから受信する。UEがIDCアクティビティ確認応答を受信しないと、UEは、次の適切な時間に、IDCアクティビティトリガを再送信しようと試みる。
【0122】
図7をここで参照すると、チップ間予告シグナリングを実行しない、UEとeNBとの間のシグナリングの例示的タイミング
図700が示されている。
図6のタイミング
図600と比較すると、タイミング
図700では、チップ間シグナリングが、IDC状態の発生を検出するよう行われる定期的なUE IDC測定に置き換えられている。IDC測定は、例えば、定期的な測定として行うことができ、測定の期間は、T
Measurementとして示されている。更に、IDCアクティビティトリガは、IDC状態トリガに置き換えられている。IDC状態トリガは、1つの実装において、IDC状態がUEに存在することを示すために、UEからeNBに送信された信号である。
【0123】
時間702にて、定期的なUE IDC測定は、T
Measurementにて描かれたように行われる。この例示的な説明において、IDC測定は、ISM帯域無線を介したアクティブな送信から生じたIDC状態を検出している。UEには、UEがIDC状態トリガをeNBに送信するために、IDC状態が通知されている。しかし、IDC状態がLTEサブフレーム中に検出されたため、IDC状態は、次のサブフレーム及びDRX ONの開始までTDの期間を待つ必要がある。
【0124】
時間704にて、IDC状態トリガは、UEからeNBに送信されている。IDC状態トリガの受信に応じて、eNBはIDC状態確認応答をUEに送信し、eNBがIDC状態トリガを正常に受信したことを示す。更に、eNBは、起こり得るIDC干渉を緩和するため、修正したUEスケジューリングの設定を開始する。
【0125】
時間706にて、UEは、時間C04から受信のためのTACKの期間をとって、IDC状態確認応答を受信する。
【0126】
時間708では、UEはT
Measurementにより予め定められているとおりに別の定期的なIDC測定を行う。
【0127】
タイミング
図700から見ることができるように、ISM無線送信は停止しており、これによりIDC測定はIDC状態が解消されていることを検出する。検出したIDCの解消に応じて、UEには、IDC状態の解消を示す信号が通知される。UEは、IDC状態トリガをeNBに送信可能となる前に、TDの期間を待つ必要がある。
【0128】
時間710にて、UEはIDC状態トリガをeNBに送信し、IDC状態が解消されていること、及びeNBが正常な動作を再開することができることを示す。これに応じて、eNBはIDC状態確認応答をUEに送信し、これは、時間712にて受信されている。
【0129】
例示的IDC調整機構
図8は、複数の無線(radio)デバイスとの間のIDC調整機構800の例示的実施形態を示す機能ブロック図である。本例示的実施形態において、LTE無線802のベースバンド処理回路及びISM帯域無線804のベースバンド処理回路は、互いにデータ通信を行っている。LTE及びISM帯域無線のベースバンド処理回路は、同じベンダーからの同じチップ内、又は、同じ若しくは異なる製造者からの異なるチップであっても、分離している。いずれにしても、2つのチップはハンドシェイク信号(本明細書では以降、チップ間ハンドシェイク及びシグナリングと呼ぶ)を交換することができ、例えば、リアルタイムでの状態及び、将来のアクティビティの予告を含む制御情報などの情報を伝達する。これらの予告信号は、1つの実装において、サービングeNBのこれから現れるIDC状態を通知するトリガとして使用することができる。この通知信号に応じて、eNBは、ISM帯域無線アクティビティ中の正常なUE LTE動作を中断することができ、IDC状態が解消したら、正常な動作を再開することができる。この予告は、上記のCQI/RSRQに基づく検出メカニズムを補完することができる。
【0130】
進行中のIDC状態の判定用に、RSRQ及びCQIの代わりの又はこれに加えた他の物理的メトリックを使用することができ、これらは本開示にて考慮されていることに注意されたい。
【0131】
LTE及びISM無線802、804のベースバンド処理回路はまた、IDC調整モジュール806ともデータ通信を行っている、ブロック図に示すIDC調整モジュール806は、同時配置された異なる無線間の調整及び優先順位付けに対して責任を負い、異なる無線からの調整情報を取得及び解釈し、(LTEトランシーバモジュールを経由して転送される)アップリンク内でのIDCトリガメッセージの生成、IDC確認応答メッセージの解釈、等を含むがこれらに限定しない、異なる無線モジュールに対する制御コマンドを生成する。その結果、IDC調整は、可能な場合はいつでも、複数の無線の非同時使用をスケジューリングすることで、できる限りIDC干渉を更に削減することができる。
【0132】
例示的クライアント装置−
図9をここで参照すると、マルチ無線干渉状態を検出しシグナリングする、ユーザデバイス又は装置900の例示的実施形態が示されている。本明細書で使用するとき、用語「ユーザデバイス」、「クライアント」、及び「ユーザ機器」は、携帯電話、(例えば、本出願人によって製造されたiPhone(登録商標)などの)スマートフォン、ハンドヘルド若しくはタブレットコンピュータ、パーソナルメディアデバイス(PMD)、ラップトップ若しくはモバイルコンピュータ、又は任意の前述の組み合わせを含むことができるが、これらに限定しない。1つの特定の機器構成及びレイアウトを示すとともに論じるが、本開示が与えられることで、当業者によって、多くの他の構成が容易に実施可能であり、
図9の装置900は、本明細書に開示のより広範な原理の単なる例示であることが認識されよう。
【0133】
処理サブシステム902は、マイクロプロセッサ、デジタルシグナルプロセッサ、フィールドプログラマブルゲートアレイ、RISCコア、ベースバンドプロセッサ、若しくは1つ以上の基板上に装着された複数の処理構成要素などの、1つ以上の中央処置ユニット(CPU)、又はデジタルプロセッサを有する。一部の実施形態では、1つ又はそれ以上の上記プロセッサ(例えば、ベースバンドプロセッサ)が、その上に搭載された1つ又はそれ以上のプログラムを実行することなどによって、本明細書に先に記述された検出及び緩和マルチ無線干渉ソリューションを実施するよう更に構成されている。
【0134】
処理サブシステムは、例えば、SRAM、FLASH、SDRAM、及び/又はHDD(ハードディスクドライブ)構成要素を含み得る、メモリ904などの永続的なコンピュータ可読記憶媒体に連結されている。本明細書で使用するとき、用語「メモリ」とは、ROM、PROM、EEPROM、DRAM、SDRAM、DDR/2 SDRAM、EDO/FPMS、RLDRAM、SRAM、「フラッシュ」メモリ(例えば、NAND/NOR)、及びPSRAMを含めた、デジタルデータを記憶するように適合された任意のタイプの集積回路若しくは他の記憶装置を含むが、これらに限定しない。処理サブシステムはまた、専用のグラフィックアクセラレータ、ネットワークプロセッサ(NP)、又はオーディオ/ビデオプロセッサなどの追加的なコプロセッサも含み得る。
図9の処理サブシステム902は、個別の構成要素を含むが、一部の実施形態では、それらの構成要素がSoC(システムオンチップ)構成に統合又は形成され得るものと理解される。
【0135】
装置900は、シグナリングを送信及び受信するように構成されている、1つ又はそれ以上の無線インターフェース906、並びに、例えば、ユーザ入力の表示及び受信が可能なマルチタッチ・タッチスクリーンといったユーザインターフェース及び/又はディスプレイデバイス909を更に含む。
【0136】
例示的な一実施形態において、永続的なコンピュータ可読記憶媒体は、プロセッサによって実行された場合に、マルチ無線干渉状態の検出に有用なパラメータを監視する命令を含む。干渉状態の検出に応じて、干渉インジケータが装置900からサーバ装置に送信され、本明細書に開示の種々の原理に従って構成されたマルチ無線干渉緩和スキームを実行する。装置900は、1つの実装において、干渉状態を継続的又は定期的に監視し、干渉状態がいつ解消されたかを判定する。干渉解消の検出に応じて、装置900は別のインジケータをサーバ装置に送信し、サーバ装置に干渉状態の解消を通知する。
【0137】
その上に、前述のディスプレイ909(及びサポートする回路)は、(i)その重大性又は関連したラジオインターフェースを任意に含む、それらデバイス上に存在するIDC状態、及び/又は(ii)自動的に設定された処置がIDCの除去に完全には成功しない場合などに、IDC状態を緩和するためにユーザが取ることができる処置(すなわち、デバイス/基地局にて実施されたそれらに加えて)を、ユーザに示すディスプレイデータ又は情報(例えば、アイコン、色の変更、点滅警告、テキストメッセージ、等)を生成するように構成され得ることが理解されよう。
【0138】
例示的ネットワーク装置−
図10をここで参照すると、マルチ無線干渉緩和スキームをサポートするネットワーク装置1000の例示的実施形態が示されている。装置は、マクロセル、マイクロセル、フェムトセル、ピコセル、ワイヤレスアクセスポイント(例えば、Wi−Fi AP)、又はこれらの任意の組み合わせを含み得るが、これらに限定されない。具体的な機器構成及びレイアウトが示され、検討されているが、当業者には本開示を考慮して多くの他の構成を容易に実施し得ると認識される。
図10の装置1000は、本明細書に開示の広範な原理の単なる例示に過ぎない。
【0139】
処理サブシステム1002は、マイクロプロセッサ、デジタルシグナルプロセッサ、フィールドプログラマブルゲートアレイ、RISCコア、若しくは1つ以上の基板上に実装される複数の処理構成要素などの、1つ以上の中央演算処置装置(CPU)又はデジタルプロセッサを含む。処理サブシステムは、例えば、SRAM、FLASH、SDRAM、及び/又はHDD(ハードディスクドライブ)構成要素を含み得る、メモリ1004などの永続的なコンピュータ可読記憶媒体に連結されている。処理サブシステムは、追加のコプロセッサも含み得る。処理サブシステム1002は、個別構成要素を含むが、しかしながら、一部の実施形態では、それらの構成要素は、SoC(システムオンチップ)構成に統合又は形成することができる点が理解されよう。
【0140】
装置1000は、クライアントデバイスから/へ、(クライアントデバイスでのマルチ無線干渉状態を示す信号を含む)伝達を受け取る/送るように構成されている1つ又はそれ以上の無線インターフェース1006を更に含む。ネットワークコアエンティティ、他の基地局、ユーザインターフェースデバイス、等との通信用といった、1つ又はそれ以上の「バックエンド」インターフェース1009も提供されている。例えば、これらのバックエンドインターフェースは、GBE(ギガビットイーサネット)、IEEE Std.1394若しくはThunderbolt(登録商標)インターフェース、WLAN若しくはWMANインターフェース、衛星リンク、短範囲PAN若しくはIRリンク、ミリ波リンク、DOCSISモデム、光学、又は任意の数の他の既知のデバイス若しくはインターフェースを含み得る。
【0141】
例示的な一実施形態において、永続的なコンピュータ可読記憶媒体は、プロセッサによって実行されると、セルラーネットワーク内の1つ又はそれ以上のクライアントデバイスから通信を受信し、その単一又は複数のクライアントデバイスに対して、マルチ無線干渉ソリューションを実行する命令を含む。
【0142】
例示的な一実施形態において、永続的なコンピュータ可読記憶媒体は、プロセッサによって実行されると、デバイスにマルチ無線干渉状態が発生していることを示しているクライアントデバイスから信号を受信する命令を含む。これに応じて、ネットワーク装置1000は、クライアントデバイスでのマルチ無線干渉を緩和するスキームを実行することができる。1つの実装において、ネットワーク装置1000は、マルチ無線干渉を緩和するクライアントデバイスとの通信のスケジュールを決める。例えば、通信は、無線の同時動作を回避するよう、又は、1つ又はの無線のアクティビティ時間を減らすためにクライアントデバイスとサーバ装置1000との間に発生する通信量を減らすようスケジュールを決めることができる。
【0143】
ネットワーク装置1000は、干渉状態が解消したことがクライアントデバイスによって通知されるまで、マルチ無線干渉スキームを維持することができる。
【0144】
複数のクライアントにIDC状態が同時に発生している場合などに、ネットワーク装置1000が、複数のクライアントを同時に調整するように構成され得ることもまた好ましいであろう。その上に、一部の実装において、装置1000は、2つ又はそれ以上のUEにわたる共通パターン、又は更には、2つ又はそれ以上のUEに対してIDC状態を生み得る共通干渉源に対する可能性を、分析又は検出可能なインテリジェンス(例えば、プロセッサ上で実行するアルゴリズム又は他のロジック)を備えることができる。例えば、互いに極めて接近して動作する2つのマルチ無線UEは、他方のラジオインターフェースと干渉し得る(例えば、UE−A上のWi−Fi無線がUE−B上のLTE無線と干渉する、又はその逆)。装置1000は続いて、UEの1つ又は双方に対し、必要に応じて、IDC状態を修正又は緩和する処置を設定することができる。
【0145】
本開示の特定の実施形態が、方法の具体的なステップのシーケンスの観点で説明されているが、これらの説明は、より広範な方法の例示に過ぎないものであり、具体的な適用によって、必要に応じて修正することができる点が、認識されるであろう。特定のステップは、特定の状況下では、不必要又は任意選択とすることができる。更には、特定のステップ又は機能性を、開示される実施形態に追加することができ、あるいは2つ以上のステップの実行の順序を、置き換えることもできる。すべてのそのような変更形態は、本開示の範囲内に包含され、かつ、本開示で特許請求されると見なされる。
【0146】
上述の詳細な説明は、様々な実施形態に適用される新規の特徴を図示し、説明し、かつ指摘しているが、当業者が、本開示の内容から逸脱することなく、例示の装置又はプロセスの形態及び詳細に様々な省略、代替、及び変更を施すことができることが理解されるであろう。上述の説明は、現時点で想到される最良の実施態様の説明である。本説明は、限定することを決して意図するものではなく、むしろ、本明細書において具体化されている一般的原理の例示として解釈されるべきである。本開示の範囲は、特許請求の範囲に準拠して決定されるべきである。