(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6018723
(24)【登録日】2016年10月7日
(45)【発行日】2016年11月2日
(54)【発明の名称】X線検査用手荷物制限カーテン
(51)【国際特許分類】
G01N 23/04 20060101AFI20161020BHJP
G01N 23/10 20060101ALI20161020BHJP
【FI】
G01N23/04
G01N23/10
【請求項の数】1
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2016-149595(P2016-149595)
(22)【出願日】2016年7月29日
【審査請求日】2016年7月29日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】513082096
【氏名又は名称】株式会社NAAエレテック
(74)【代理人】
【識別番号】100093230
【弁理士】
【氏名又は名称】西澤 利夫
(72)【発明者】
【氏名】加瀬 昌男
(72)【発明者】
【氏名】柳下 雄久
【審査官】
藤田 都志行
(56)【参考文献】
【文献】
登録実用新案第3116336(JP,U)
【文献】
特開2009−8441(JP,A)
【文献】
国際公開第2005/055151(WO,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2013/0114788(US,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2005/0193648(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 23/04
G01N 23/10
JSTPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
航空機搭乗者の機内持ち込み手荷物をベルトコンベヤで搬送させてX線検査を行うX線検査装置の入口に設置され、検査対象の手荷物が予め設定されたサイズ以下の場合にはそのまま通過させてX線検査装置に送り込み、予め設定されたサイズを超える場合にはX線検査装置への送り込みを取りやめるための、手荷物のサイズ判定に用いられるX線検査用手荷物制限カーテンであり、上部が水平方向に延びる取付枠に取り付けられ、下方に垂下する複数の可撓性を有する短冊状の合成樹脂シートを横方向に並設配置し、下方には手荷物を通過させるための、合成樹脂シートの存在しない四角形状の入口部が形成され、この入口部の縦方向および横方向のサイズが航空機内持ち込み可能手荷物のサイズの制限値に設定され、この入口部の近傍の合成樹脂シートの周囲にマーカーが設けてあることを特徴とするX線検査用手荷物制限カーテン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、航空機搭乗者(以下、搭乗者とも称する)の手荷物をX線検査するX線検査装置の入口に設置され、手荷物の寸法が予め設定されたサイズ以下であるか否かを確認し、予め設定されたサイズ以下であれば通過させてベルトコンベヤによりX線検査装置内に送り込ませ、予め設定されたサイズを超えていれば持ち込みを禁止させるためのX線検査用手荷物制限カーテンに関するものである。
【背景技術】
【0002】
空港には航空機の安全運航のため、搭乗前に、航空機搭乗者自身の検査と、機内持ち込み手荷物を検査する保安検査場が設けられている。保安検査場には、手荷物を検査するためX線検査装置が設置されている。このX線検査装置は、手荷物をベルトコンベヤ上で搬送させ、X線を利用し、通過した手荷物等の透過画像を表示させて保安検査を行っている。
【0003】
国内線航空機内持ち込み手荷物のサイズが航空会社間で統一され、たとえば航空機の座席数100席以上だと、幅40cm以内×高さ25cm以内×奥行55cm以内のサイズ制限が設けられている。そのため、X線検査装置の入口に、手荷物が予め設定された制限値以内であるか否かを検査員が目視で確認するため、X線検査用手荷物制限板(以下、手荷物制限板とも称する)が設けられている。従来の手荷物制限板を
図1に示す。この手荷物制限板11は、たとえば厚さが1.5mmのアルミニウム板で作られ、下側に手荷物を通過させる四角形状の入口12が形成されている。この入口12は手荷物制限板11を取り付けたときの縦横のサイズが、たとえば縦25cm、横40cmに設定されている。入口12の近傍の手荷物制限板11の部分には、手荷物の大きさが目視で確認しやすいように、例えば黄色の反射テープによるマーカー13が取り付けられている。
【0004】
図2〜
図4に、手荷物制限板の取付作業の様子を示す。
図2において、後方にはX線検査装置があり、手前には手荷物を送り込むためにローラーが設けられた作業台が示されている。取付作業のために、X線検査装置のコンベヤと作業台とが切り離されている。
図3は、手荷物制限板を取り付けるための取付枠(フレーム)を取り付ける様子を示す。この取付枠は左右一対の取付枠とこれらの取付枠を連結する上部取付枠から構成され、上部取付枠には手荷物制限板を嵌め込むためのスリットが形成され、左右一対の取付枠の内側には手荷物制限板をスライドさせて嵌め込むための溝が形成されている。
図4は手荷物制限板を取り付けた状態を示す。
図4において矢印は手荷物を流す方向を示す。
【0005】
しかしながら、従来の手荷物制限板はアルミニウム板でつくられていたため、手荷物制限板の破損が問題となっていた。破損の原因として、サイズ超過の手荷物が手荷物制限板に当たり、手荷物制限板や航空機搭乗者の手荷物が傷つくことがある。
図5は、その場合の手荷物制限板破損状態を示す。
また、サイズ超過の手荷物が手荷物制限板1に当たり、検査員が手荷物制限板を上にスライドさせた際、上部取付枠が破損することがある。
図6(a)は、上部取付枠が破損した状態を示す。
図6(b)は、破損を修理した状態を示す。
さらに、検査員が手荷物制限板を上限にスライドさせる度に、手荷物制限板のサイド面が摩耗していく。
図7は、手荷物制限板のサイド面が摩耗し、手荷物制限板の形が変形した様子を示す。
【0006】
このように、手荷物制限板あるいは上部取付枠が破損すると、その修理又は交換のために、X線検査装置と作業台を切り離して、別の手荷物制限板と交換したり、取付枠を取り出して破損した上部取付枠を修理したりしなければならい。そのため、出発便定時運行への寄与に影響を及ぼし、検査員の負担を増加させ、また破損を抑制するためにはコスト増という問題が発生する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、以上のような従来技術の問題点を解消し、サイズ超過の手荷物が当たっても破損することがなく、スライドを繰り返してもサイド面が摩耗せず、検査員の負担を大幅に軽減させることのできるX線検査用手荷物制限手段を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、本発明によれば、航空機搭乗者の機内持ち込み手荷物をベルトコンベヤで搬送させてX線検査を行うX線検査装置の入口に設置され、検査対象の手荷物が予め設定されたサイズ以下の場合にはそのまま通過させてX線検査装置に送り込み、予め設定されたサイズを超える場合にはX線検査装置への送り込みを取りやめるための、手荷物のサイズ判定に用いられるX線検査用手荷物制限カーテンであり、上部が水平方向に延びる取付枠に取り付けられ、下方に垂下する複数の可撓性を有する短冊状の合成樹脂シートを横方向にカーテン状に並設配置し、下方には手荷物を通過させるための、合成樹脂シートの存在しない四角形状の入口部が形成され、この入口部の縦方向および横方向のサイズが航空機内持ち込み可能手荷物のサイズの制限値に設定され、この入口部の近傍の合成樹脂シートの周囲にマーカーが設けてあることを特徴とするX線検査用手荷物制限カーテンが提供される。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、X線検査用手荷物制限手段を、上部が水平方向に延びる取付枠に取り付けられ、下方に垂下する複数の可撓性を有する短冊状の合成樹脂シートを横方向にカーテン状に並設配置し、下方には手荷物を通過させるための、合成樹脂シートの存在しない四角形状の入口部が形成されたカーテンで構成したので、サイズ超過の手荷物が当たっても破損することがなく、スライドを繰り返す必要もなくサイド面が摩耗せず、検査員の負担を大幅に軽減させることと、修理コストの削減が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】従来のX線検査用手荷物制限板を示す斜視図である。
【
図2】従来のX線検査用手荷物制限板の取付作業の説明図で、X線検査装置のコンベアと作業台を切り離した状態を示している。
【
図3】従来のX線検査用手荷物制限板の取付作業の説明図で、X線検査用手荷物制限板の取付枠を設置する様子を示している。
【
図4】従来のX線検査用手荷物制限板の取付作業の説明図で、X線検査用手荷物制限板の取付後の様子を示している。
【
図5】従来のX線検査用手荷物制限板の破損状態の例を示す図で、下側の図は拡大図である。
【
図6】(a)は検査員が従来のX線検査用手荷物制限板を上方にスライドさせた際に、取付枠上部が破損した例を示す図、(b)は修理後の状態を示す図である。
【
図7】従来のX線検査用手荷物制限板のサイド面が摩耗し、制限板が変形した様子を示す図である。
【
図8】本発明の一実施形態に係るX線検査用手荷物制限カーテンを取付枠に取り付けた状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明を実施形態に基づき詳細に説明する。
【0012】
本発明のX線検査用手荷物制限カーテン(以下、手荷物制限カーテンとも称する)は、搭乗者の手荷物をベルトコンベヤで搬送させてX線検査を行うX線検査装置の入口に設置され、検査対象の手荷物が予め設定されたサイズ以下の場合にはそのまま通過させてX線検査装置に送り込み、予め設定されたサイズを超える場合にはX線検査装置への送り込みを取りやめるための判定に用いられるものである。
【0013】
図8は、本発明の一実施形態に係る手荷物制限カーテンを取付枠に取り付けた状態を示す斜視図である。
【0014】
本実施形態の手荷物制限カーテン1は、それぞれ独立した複数の可撓性を有する短冊状の合成樹脂シート2(2a〜2f)を横方向に併設配置して構成される。合成樹脂シート2としては、例えばポリ塩化ビニル等のシート(例:厚さ1.8mm)を用いることができる。本実施形態では、手荷物制限カーテン1は、長さが54cm、幅が84cmである。手荷物制限カーテン1の下方中央部には合成樹脂シート2の一部がカットされた、手荷物の入口部3が形成されている。この入口部3の寸法は機内に持ち込める手荷物のサイズに設定され、ここでは横40cm、縦25cmとなっている。そのため、合成樹脂シート2c、2dの下方はカットされ、合成樹脂シート2b、2eは図示のような形状に縦横がカットされている。入口部3の近傍の合成樹脂シート2b〜2eには図示のようにマーカー4として黄色の反射テープが接着により設けられ、検査者が手荷物の大きさと手荷物の制限サイズとを視認しやすいようになっている。合成樹脂シート2b〜2eに黄色の反射テープが接着に設けられていても、各合成樹脂シート2b〜2eは、それぞれ別々に前後に移動できるようになっている。
【0015】
手荷物制限カーテン1は、左右一対の取付枠5、6を連結する上部取付枠7にボルトとナットで、各合成樹脂シート1枚につき2ヶ所固定され、垂下された状態となっている。取付枠5、6、7をX線検査装置のコンベヤと作業台との間に取り付けた際には、手荷物制限カーテン1の下端は、X線検査装置のコンベヤと作業台の面と同じ高さとなるように設定してある。
【0016】
次に、本実施形態の手荷物制限カーテン1を用いた手荷物選別方法について説明する。手荷物制限カーテン1の設置は、
図2〜
図4に示した方法と同様の方法により行う。
【0017】
X線検査装置により手荷物の検査を受ける場合、
図4に示したように作業台に設けられたローラー上で手荷物制限カーテン1の直前まで手荷物を移動させる。そこで検査員はマーカー4が付された手荷物制限カーテン1の入口部4と手荷物の大きさを比較し、手荷物が機内に持ち込み可能な制限サイズ内であるか確認する。手荷物が機内に持ち込み可能な制限サイズ内であると判断した場合には、X線検査装置のコンベヤ上に手荷物を送り込む。手荷物が機内に持ち込み可能の制限サイズを超えていると判断した場合には、X線検査装置への送り込みを中止し、別途航空機の貨物室に持ち込む手続をとるように搭乗者に伝える。また、手荷物サイズの判定の際、多少の誤差により手荷物が若干制限サイズを超えてX線検査装置のコンベヤに搬送されたとしても、手荷物制限カーテン1は可撓性のある合成樹脂シートで作られているため、手荷物制限カーテン1の入口部3の近傍を破損させることなく、スムーズにX線検査装置内に送り込まれる。また、取付枠を破損することもない。したがって、検査員の負担が大幅に軽減され、また出発便の定時運行への寄与に資することになる。
【符号の説明】
【0018】
1 X線検査用手荷物制限カーテン
2(2a〜2f) 合成樹脂シート
3 入口部
4 マーカー
5、6 左右取付枠
7 上部取付枠
【要約】
【課題】サイズ超過の手荷物が当たっても破損することがなく、スライドを繰り返してもサイド面が摩耗せず、検査員の負担を大幅に軽減させることのできる手荷物寸法確認手段を提供する。
【解決手段】本発明の手荷物制限カーテン1は、上部が水平方向に延びる取付枠7に取り付けられ、下方に垂下する複数の可撓性を有する短冊状の合成樹脂シート2を横方向に並設配置し、下方には手荷物を通過させるための、合成樹脂シート2の存在しない四角形状の入口部3が形成され、この入口部3の縦方向および横方向のサイズが航空機内持ち込み可能手荷物のサイズの制限値に設定され、この入口部3の近傍の合成樹脂シート2の周囲にマーカー4が設けてあることを特徴とする。
【選択図】
図8