(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
ウェーハ等のワークの片面研磨を行う場合、ワークをプレートに貼着し、該プレートを、ワークの研磨面が定盤の研磨布側に向くようにして研磨装置の定盤上に搬入し、研磨液を供給しつつ定盤を回転してワークの研磨面を研磨するようにする。
この場合、プレートにワークを貼着するには、特許文献1等に示す方法では次のようにしている。
まず、ヒーターを内蔵した加熱テーブルを所要温度にまで加熱しておき、この加熱テーブル上にプレートを搬入し、プレートを加熱する。
次いで、該プレート上の、ワークを貼り付ける位置にワックスを塗布する。
プレートの熱によって溶融したワックス上にワークを載置する。
次いで、加熱テーブルに隣接して設けられた、冷却機構を有する押圧テーブル上に、上記ワークをワックス上に載置したプレートを搬入する。
押圧テーブルの上方に上下動自在に設けた押圧ヘッドを下降させ、押圧テーブルと押圧ヘッドとの間でワークをプレート上に押圧し、ワックスを展延させると共に、押圧テーブルの冷却機構に冷却水を供給して、プレートおよびワックスを冷却して、ワックスを固化して、ワークをプレート上に貼着するようにしている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に示される方法では、加熱テーブル上で加熱されたプレートを押圧テーブル上に搬入した際に、プレートの熱が押圧テーブルに奪われ、押圧ヘッドによって押圧する際、プレートが所定温度を下回ってしまう。また押圧ヘッドがワークに当接した瞬間にも押圧ヘッドに熱が奪われてしまう。さらにまた、この状態で、押圧テーブルに冷却水が供給される状況となるので、ワックスの温度が低下し、ワックスが伸びきる前にワックスが固化する状態が生じるという課題がある。そのため、ワックスの厚さが均一とならず、ワークが平坦に貼着されず、要求される研磨精度が得られないという課題がある。
【0005】
本発明は、上記課題を解決すべくなされたものであり、その目的とするところは、ワックスが伸びきる前の固化を防止でき、精度よく貼付が行えるワーク貼着方法およびワーク貼着装置を提供するにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明は次の構成を備える。
すなわち、本発明に係るワーク貼着方法は、ヒーターおよび冷却機構の双方を有する押圧テーブルと、該押圧テーブルの上方に、前記押圧テーブルに対して相対的に接離自在に
配設され、ヒーターと冷却機構とを内蔵せず、前記押圧テーブル側との間の伝熱により加温および冷却される押圧ヘッドと、前記押圧ヘッドのワーク押圧面に近接した部位の温度を検出するように前記押圧ヘッドに内蔵された熱電対を有する温度検出部とを備えるワーク貼着装置を用いてプレート上にワークを貼着するワーク貼着方法であって、あらかじめ所要温度にまで加熱したプレートを前記押圧テーブル上に搬入するか、もしくはプレートを前記押圧テーブル上に搬入して、該押圧テーブルにて所要温度にまで加熱する工程と、
前記押圧ヘッドを前記押圧テーブルに接触させて前記押圧テーブルからの伝熱により所要温度に加熱する工程と、所要温度にまで加熱された前記プレート上の所要位置にワックスを塗布する工程と、加熱されて溶融したワックス上にワークを載置する工程と、前記押圧ヘッドを前記押圧テーブルに対して相対的に接近させ、加熱されている前記押圧ヘッドと前記プレートとにより前記ワークを所要時間押圧する工程と、前記押圧ヘッドによりワークを押圧した状態で、前記冷却機構により前記押圧テーブルおよび前記プレートを
冷却すると共に、前記押圧テーブルからの伝熱により前記押圧ヘッドを冷却し、前記ワックスを固化させてワークを前記プレート上に貼着する工程と、前記押圧ヘッドを前記押圧テーブルに対して相対的に離反させ、ワークが貼着された前記プレートを前記押圧テーブル上から搬出する工程を含み、前記押圧ヘッドによりワークを押圧してワークを前記プレート上に貼着する工程において、前記温度検出部により前記押圧ヘッド内のワーク押圧面に近接する部位の温度を検出して、該押圧ヘッドの部位が
前記押圧テーブルからの伝熱によりワックスの固化温度よりも低い温度にまで低下したことを確認した後に前記押圧ヘッドによる押圧を解除することを特徴とする。
【0008】
また、本発明におけるワーク貼着装置は、ヒーターと冷却機構の双方を備える押圧テーブルと、該押圧テーブルの上方に、駆動部により、前記押圧テーブルに対して相対的に接離自在に
配設され、ヒーターと冷却機構とを内蔵せず、前記押圧テーブル側との間の伝熱により加温および冷却される押圧ヘッドと、前記押圧ヘッドのワーク押圧面に近接した部位の温度を検出するように前記押圧ヘッドに内蔵された熱電対を有する温度検出部とを備え、前記押圧テーブルと前記押圧ヘッドとを加熱して、プレート上に塗布されたワックスを介してワークを押圧してワックスを展延させ、しかる後、前記冷却機構により前記押圧テーブルおよび前記プレートを冷却することによってワックスを固化させてワークを前記プレート上に貼着するワーク貼着装置において、
前記押圧ヘッドを加熱する際、前記駆動部により前記押圧ヘッドを前記押圧テーブルに接触させて加熱するように前記駆動部を駆動制御すると共に、前記押圧ヘッドによりワークを押圧してワークを前記プレート上に貼着する際、前記温度検出部により前記押圧ヘッド内のワーク押圧面に近接する部位の温度を検出して、該押圧ヘッドの部位が
前記押圧テーブルからの伝熱によりワックスの固化温度よりも低い温度にまで低下したことを確認した後に前記押圧ヘッドによる押圧を解除するように前記駆動部を
駆動制御する制御部を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、押圧テーブルから一番遠いところの押圧ヘッドがワックスの固化温度よりも低い温度にまで低下したのを検出して、押圧ヘッドによる押圧を終了することでワックスを確実に固化することができる。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下本発明の好適な実施の形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。
図1はワーク貼着装置10の正面図、
図2は、押圧テーブル18の断面説明図、
図3はプレート22の平面図である。
図1において、12は、加熱テーブル14を有する第1のステージ、16a、16bは、第1のステージ12と隣接して設けられ、押圧テーブル18を有する第2のステージである。
加熱テーブル14は、第1のヒーター(図示せず)を内蔵し、基台20上に支持部材21を介して水平に固定されている。加熱テーブル14上には、ワーク23が貼着されるプレート22が搬入される。
【0014】
24は位置決め用シリンダであり、加熱テーブル14の下方に配置され、ロッドに連結された3本の位置決めピン25を有する(
図1では2本のみ図示)。位置決めピン25は、加熱テーブル14に設けられた貫通孔26を上下方向に挿通して、加熱テーブル14上表面に突出入するようになっている。プレート22には、位置決めピン25に対応して3個の透孔27が設けられている。
プレート22は、本実施の形態では人手により加熱テーブル14上に搬入されるが、その際、位置決めピン25が透孔27内に進入するように載置することで、加熱テーブル14上で位置決めされる。プレート22上には、ワーク23の貼付位置を示すマークが付されている。本実施の形態では、
図3に示すように、マークとして、載置されるワーク23の外周縁の外側に沿うように周溝23aを設けている。ワーク23をこの周溝23a内に納まるように載置することで、ワーク23をプレート22上の所要位置に配置できる。なお、周溝23aは、ワーク23を貼着する際、はみ出した余分なワックスが流れ込む溝としても機能する。
【0015】
加熱テーブル14には、第1のヒーターによって加熱される加熱テーブル14の温度を検出する温度検出部(図示せず)が設けられている。この温度検出部によって検出される温度が、所定設定温度範囲内にあるように、制御部45によって、第1のヒーターのオン、オフ制御がなされる。
また、加熱テーブル14の上方には、赤外線温度センサー(温度検出部)28が配置されている。赤外線温度センサー28は、加熱テーブル14上に載置されたプレート22の表面温度を検出するようになっている。
【0016】
第2のステージ16a、16bにおける押圧テーブル18も、支持部材30によって、基台20上にそれぞれ水平に支持されている。押圧テーブル18は、
図2に示すように、第2のヒーター31および冷却水が供給される冷却機構32を有する。押圧テーブル18における冷却水が流通するジャケット32aを、押圧テーブル18上に搬入されるプレート22の冷却が迅速になされるように、第2のヒーター31よりも、押圧テーブル18の表面側に近接位置して設けるようにすると好適である。
図1に、冷却機構32における冷却水の回路が示されている。36は、温度を調整した冷却水が供給され、貯留される水槽(図示せず)への接続口、37は冷却水の往路、38は復路で、冷却水は、押圧テーブル18のジャケット32a内を通過して排出口39から排出される。なお、40はドレインであり、図示しないバルブを開放することによって、回路中の冷却水を排出できるようになっている。
【0017】
第2のステージ16a、16bにも、第1のステージ12と同様に、位置決め用シリンダ24、3本の位置決めピン25を有する位置決め機構が設けられ、加熱テーブル14から搬入されるプレート22の位置決めができるようになっている。
また、押圧テーブル18にも、第2のヒーター31によって加熱される押圧テーブル18の温度を検出する温度検出部(図示せず)が設けられている。この温度検出部によって検出される温度が、所定設定温度範囲内にあるように、制御部45によって、第2のヒーター31のオン、オフ制御がなされる。
【0018】
押圧テーブル18の上方には、押圧テーブル18に対して上下動(接離動)自在に押圧ヘッド42が設けられている。押圧ヘッド42は、第2のステージ16a側には3個、第2のステージ16b側には5個(
図1には3個のみ図示)設けられている。すなわち、第2のステージ16a側では、比較的に大きなワーク23であって、1つのプレート22に3枚のワーク23を貼着できるようになっており、一方、第2のステージ16b側では、比較的に小さなワーク23であって、1つのプレート22に5枚のワーク23を貼着できるようになっている。
【0019】
各押圧ヘッド42は、それぞれ基台20に支持されたシリンダ(駆動部)44によって上下駆動される。
各押圧ヘッド42は、加熱テーブル14上で加熱され、所要位置にワックスが塗布され、かつ該ワックス上にワーク23が載置されて押圧テーブル18上に搬入されたプレート22上のワーク23を、押圧テーブル18との間で押圧するようになっている。
また、各押圧ヘッド42には、熱電対46からなる温度検出部が設けられている。熱電対46は、先端が押圧ヘッド42の下部に至るようになっていて、押圧ヘッド42の下部側(ワーク23を押圧する面に近接した部位)の温度を検出できるようになっている。
【0020】
本実施の形態におけるワーク貼着装置10は上記のように構成されている。
続いて、貼着装置10の動作と共に、本実施の形態におけるワーク貼着方法を説明する。
第1のステージ12では、第1のヒーターに通電して、加熱テーブル14を所要温度(例えば120〜125℃)になるように加温しておく。加熱テーブル14の温度は温度検出部によって検出され、所要温度範囲に維持されるよう制御される。
次いで、この所要温度に加温されている加熱テーブル14上に、プレート22を、位置決めピン25により位置決めして搬入し(本実施の形態では人手により搬入する)、加熱テーブル14からの伝熱により所要温度(例えば110℃)まで加温する。このプレート22の温度は、赤外線温度センサー28によって検出される。
プレート22が所要温度にまで加温されたら、プレート22の所要位置(ワーク貼り付け位置)に所要量のワックスを塗布する。ワックスの塗布は人手によって行うが、適宜、塗布機を用いて自動的に行ってもよい。プレート22はあらかじめ所要温度にまで加熱されているので、塗布されたワックスは溶解する。
【0021】
他方、第2のステージ16a、16b側でも、第2のヒーター31に通電し、押圧テーブル18を所要温度(例えば120〜125℃)にまで加温しておく。押圧テーブル18の温度も温度検出部によって検出され、所要温度範囲に維持されるよう制御される。なお、冷却機構32には冷却水の供給は停止されていて、冷却水も加温される。このように、冷却水も加温されることで、冷却水からの伝熱により押圧テーブル18は均一に加温される。
またその際、押圧ヘッド42を下降させて押圧テーブル18に押圧ヘッド42を接触させ、押圧テーブル18からの伝熱により押圧ヘッド42を所要温度(例えば110℃)にまで加温しておく。押圧ヘッド42の温度は熱電対46によって検出される。
【0022】
押圧ヘッド42の温度が所要温度にまで昇温したら、押圧ヘッド42を押圧テーブル18上から上昇させて離反させ、押圧テーブル18上に、加熱テーブル14上で加熱され、かつワーク23が載置されたプレート22を位置決めして搬入する。
次いで、押圧ヘッド42を下降して押圧テーブル18に接近させ、所要温度に加熱されている押圧ヘッド42と押圧テーブル18とでプレート22を介してワーク23を所要時間(例えば1分)押圧する。押圧ヘッド42およびプレート22の双方が所要温度に加熱された状態でワーク23が押圧されるので、ワックスが十分に伸び、均一厚さで展延される。
【0023】
押圧ヘッド42により所要時間押圧された段階で、第2のヒーター31への通電を停止すると共に、冷却機構32に冷却水を供給して押圧テーブル18を冷却し、さらに伝熱によりプレート22および押圧ヘッド42を冷却する。これにより、ワックスが固化され、ワーク23がプレート22上に貼着される。
この冷却工程で、押圧ヘッド42の温度は、熱電対46によって検出され、この押圧ヘッド42の温度が所要温度(例えば35℃)まで低下した時点で、押圧ヘッド42による押圧を終了し、押圧ヘッド42を上昇させ、押圧テーブル18上からプレート22を取り出してワーク23の貼着を完了する。
【0024】
押圧ヘッド42によるワーク23の押圧を、押圧時間だけで管理するようにしてもよいが、上記のように、押圧ヘッド42の温度を検出して、押圧ヘッド42が所要温度よりも低下した段階で終了させるようにすることで、ワックスを確実に固化させることができる。すなわち、押圧テーブル18から一番遠いところの押圧ヘッド42がワックスの固化温度よりも低い温度にまで低下したのを検出して、押圧ヘッド42による押圧を終了することでワックスを確実に固化することができるのである。
なお、加熱テーブル14、プレート22、押圧テーブル18、押圧ヘッド42の加熱温度や冷却温度は上記に限られず、ワックスの種類等によって適宜選択されることはもちろんである。
また、上記実施の形態では、ワックスの塗布と、この塗布されたワックス上へのワーク23の供給を、加熱テーブル14上で行った。しかし、場合によっては、加熱テーブル14ではプレート22の加熱のみを行い、加熱されたプレート22が押圧テーブル18上に搬入された後に、ワックスの塗布と、ワーク23の供給とを押圧テーブル18上で行ってもよい。
【0025】
本実施の形態では、ワークの種類はシリコンウェーハなど特に限定されるものではないが、窒化物半導体層(GaNなど)を形成したサファイア基板の貼着の場合に特に好適である。
サファイア基板に窒化物半導体層(GaNなど)をエピタキシャル成長させたワークの場合、熱膨張率の異なる2層からなる等の理由によって、反りが発生しやすいという事情がある。本実施の形態では、所定温度にまで昇温しているプレート22と押圧ヘッド42とで所定時間ワーク23を押圧して、ワックスが溶融している状態で反りが解消されるまで押圧して、次いで、冷却する。そして、上記のように、押圧ヘッド42の温度を検出して当該温度が所要温度以下になるまで押圧ヘッド42によってワークを押圧することで、ワックスを完全に固化でき、反りが戻るようなことがなく、かつ均一厚さのワックスで平坦精度よくワークの貼着が行えるのである。なお、この場合、サファイア基板を研磨することになるから、窒化物半導体層をプレート22側に向けてプレート22に貼着することはもちろんである。
【0026】
なお、上記実施の形態では、押圧ヘッド42を押圧テーブル18に対して上下動するようにしたが、押圧ヘッド42を押圧テーブル18に対して相対的に接離動させるようにすることができる。
また、上記実施の形態では、第2ステージ16を2つ設けたが、1つでも3つ以上の複数でもよい。また各ステージでの押圧ヘッド42の数も特に限定されない。
また、各ステージでの、あるいはステージ間でのプレートの移動は、移動装置を設けて自動的に搬出入させるようにすることもできる。
図4は、第1のステージ12、第2のステージ16をそれぞれ1つずつ設けた実施の形態を示す。なお、各部材は
図1に示すものと同じであるので、どういつの符号を付し、その説明は省略する。
【0027】
上記各実施の形態において、押圧ヘッド42を
図5に示す実施の形態のものに変更することができる。
図5はその押圧ヘッド42の説明断面図である。
本実施の形態では、押圧ヘッド42に、第3のヒーター47と冷却機構48とを設けている。第3のヒーター47はフレキシブルなケーブル(図示せず)を介して電源に接続され、冷却機構48もフレキシブルなパイプ(図示せず)を介して冷却水供給源に接続される。
本実施の形態では、押圧ヘッド42の加熱は第3のヒーター47によって直接行えるのでよりスムーズに加熱することができる。また、ワックスの固化の際には、第3のヒーター47への通電を停止し、冷却機構48へ冷却水を供給することによって、よりスムーズに押圧ヘッド42の冷却が行える。したがって、全体のタクトタイムの短縮ができる。この一連の制御も制御部45によって行う。
なお、押圧ヘッド42には、第3のヒーターのみ設けて、冷却機構48は省略してもよい。
【0028】
図6は、ワーク貼着装置10のさらに他の実施の形態を示す正面図である。
図1に示すものと同一の部材は同一の符号を付し、その説明は省略する。
本実施の形態では、第1のステージ12を省略し、第2のステージ16のみとしている。第2のステージ16における押圧テーブル18には、
図2に示すのと同様に、ヒーター31と冷却機構32の双方が設けられ、この第2のステージ18上で、プレート22の加熱からワーク23の貼着までの全ての工程を行うようにしている。
【0029】
以下、
図6に示す貼着装置10の動作と共に、ワーク貼着方法を説明する。
まず、押圧テーブル18のヒーター31に通電し、押圧テーブル18を所要温度(例えば120〜125℃)にまで加熱する。
また、押圧ヘッド42を下降し、押圧テーブル18に接触させて、押圧テーブル18からの伝熱により押圧ヘッド42を所要温度(例えば110℃)にまで加熱する。
押圧ヘッド42が所要温度にまで加熱されたら、押圧ヘッド42を上昇させ、押圧テーブル18上を開放する。
【0030】
次いで、押圧テーブル18上にプレート22を位置決めして搬入し、押圧テーブル18からの伝熱によってプレート22を所要温度(例えば110℃)にまで加熱する。このプレート22の温度は、赤外線温度センサー(図示せず)によって検出するようにするとよい。
プレート22が所要温度にまで加熱されたら、プレート22の所要位置にワックスを塗布し、溶融させる。
ワックスが溶融したら、ワックス上にワーク23を載置する。
【0031】
次いで、押圧ヘッド42を下降して押圧テーブル18に接近させ、所要温度に加熱されている押圧ヘッド42と押圧テーブル18とでプレート22を介してワーク23を所要時間(例えば1分)押圧する。押圧ヘッド42およびプレート22の双方が所要温度に加熱された状態でワーク23が押圧されるので、ワックスが十分に伸び、均一厚さで展延される。
【0032】
押圧ヘッド42により所要時間押圧された段階で、ヒーター31への通電を停止すると共に、冷却機構32に冷却水を供給して押圧テーブル18を冷却し、さらに伝熱によりプレート22および押圧ヘッド42を冷却する。これにより、ワックスが固化され、ワーク23がプレート22上に貼着される。
この冷却工程で、押圧ヘッド42の温度は、熱電対46によって検出され、この押圧ヘッド42の温度が所要温度(例えば35℃)まで低下した時点で、押圧ヘッド42による押圧を終了し、押圧ヘッド42を上昇させ、押圧テーブル18上からプレート22を取り出してワーク23の貼着を完了する。
【0033】
押圧ヘッド42によるワーク23の押圧を、押圧時間だけで管理するようにしてもよいが、上記のように、押圧ヘッド42の温度を検出して、押圧ヘッド42が所要温度よりも低下した段階で終了させるようにすることで、ワックスを確実に固化させることができる。すなわち、押圧テーブル18から一番遠いところの押圧ヘッド42がワックスの固化温度よりも低い温度にまで低下したのを検出して、押圧ヘッド42による押圧を終了することでワックスを確実に固化することができるのである。
【0034】
本実施の形態においても、押圧ヘッド42に、
図5に示すように、ヒーター47と冷却機構48とを設けてもよい。この場合には、押圧ヘッド42の加熱はヒーター47によって直接行えるのでよりスムーズに加熱することができる。また、ワックスの固化の際には、ヒーター47への通電を停止し、冷却機構48へ冷却水を供給することによって、よりスムーズに押圧ヘッド42の冷却が行える。したがって、全体のタクトタイムの短縮ができる。
また、押圧ヘッド42を冷却する場合には、押圧ヘッド42の温度を検出して押圧終了を決めるのではなく、プレート22の温度を検出して決定してもよい。
なお、この場合にも、押圧ヘッド42には、第3のヒーターのみ設けて、冷却機構48は省略してもよい。