(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記水栓に装着された状態の前記下カバーと前記保持孔の周縁における該下カバーの表側に位置する表側縁との隙間を上方から覆う化粧部材を備えた請求項1に記載のカバー水栓の取付け構造。
前記下カバーの下部に、該下カバーを前記保持孔に対して上方から差し込んだときに前記保持部材の上面に当接して該下カバーのさらなる下降を阻止すると共に該下カバーを起立させるための当接片が連設されている請求項1〜3の何れか一項に記載のカバー水栓の取付け構造。
前記水栓に対して該水栓を上方から覆うように装着される上カバーを備え、該上カバーの左右の各側壁下部の内側には被係合部が設けられていると共に、前記下カバーの左右の各側壁上部の内側には前記被係合部に係合する係合部が連設され、
前記水栓に装着された前記上カバーから下方に離間した位置にある前記下カバーが前記保持部材に保持されつつ上昇して該上カバーに近接するのに伴い、前記被係合部に前記係合部が当接して該被係合部または係合部の何れか一方が他方を回避するように撓み、他方を乗り越えた後で弾性復帰することにより係合部が被係合部に係合した状態となり、かつ、
前記係合部が前記被係合部に係合した状態において前記下カバーの左右の各側壁上部が該下カバーの内側に撓むのに伴って、前記係合部が前記下カバーの内側に向かって移動し、前記被係合部に対する前記係合部の係合が解除されるように構成されている請求項1〜5の何れか一項に記載のカバー水栓の取付け構造。
前記上カバーの左右の各側壁下部の内側に、該上カバーの左右の各側壁下部の下方に突出し前記下カバーの係合部をガイドする係合ガイドが設けられ、該係合ガイドは、前記係合部が前記被係合部に係合した状態において前記下カバーの左右の各側壁の内側面から離間しているように構成されている請求項6または7に記載のカバー水栓の取付け構造。
前記水栓に対して前記下カバーが覆わない該水栓の前部を下方から覆うように装着される前カバーを備え、前記上カバーの左右の各側壁下部の内側には前記被係合部と同一構造の第2の被係合部が設けられていると共に、前記前カバーの左右の各側壁上部の内側には前記係合部と同一構造であり前記第2の被係合部に係合する第2の係合部が連設されている請求項6〜8の何れか一項に記載のカバー水栓の取付け構造。
前記上カバーの左右の各側壁下部の内側に、該上カバーの左右の各側壁下部の下方に突出し前記前カバーの第2の係合部をガイドする第2の係合ガイドが設けられ、該第2の係合ガイドは、前記第2の係合部が前記第2の被係合部に係合した状態において前記前カバーの左右の各側壁の内側面から離間しているように構成されている請求項9または10に記載のカバー水栓の取付け構造。
前記カバー装着工程の後に、前記水栓に装着された状態の前記下カバーと前記保持孔の周縁における該下カバーの表側に位置する表側縁との隙間に化粧部材を上方から装着し、該隙間を該化粧部材によって覆う化粧部材装着工程を行う請求項14に記載のカバー水栓の取付け方法。
前記カバー装着工程以降に、前記水栓に対して前記下カバーが覆わない該水栓の前部を下方から覆うように前カバーを装着する請求項14または15に記載のカバー水栓の取付け方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
斯かるカバー水栓では、水栓とその下方にあるカウンターとの間にうまく下カバーが収まるようにするには、偏心管を介して水栓を壁面に固定する際の位置決めをある程度正確に行う必要があり、手間が掛かる。また、止水栓の操作部はカバーによって覆われず外部に露出するようにしてあり、美観性が問題になる懸念がある。
【0005】
本発明は上述の事柄に留意してなされたもので、その目的は、施工性、メンテナンス性
及び美観性に優れたカバー水栓の取付け構造及び取付け方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明に係るカバー水栓の取付け構造は、壁の表側に設けられた保持部材によって形成される保持孔に上方から差し込まれて保持される下カバーと、前記壁の表側において前記下カバーの上方に固定される水栓と、前記水栓に接続され前記壁の表側において該水栓から下方に向けて延び、前記保持孔を挿通する供給配管とを備え、前記下カバーは、前記供給配管を覆う状態で前記水栓に装着され、該水栓に装着されていない状態では前記保持孔に差し込まれて保持されながらの下降が可能となるカバー水栓の取付け構造であって、
前記水栓に装着された状態の前記下カバーは、該水栓と前記供給配管との接続部を覆い、前記水栓に装着されていない状態の前記下カバーは、前記接続部が露出する位置まで下降可能であることを特徴としている(請求項1)。
【0007】
【0008】
上記カバー水栓の取付け構造において、前記水栓に装着された状態の前記下カバーと前記保持孔の周縁における該下カバーの表側に位置する表側縁との隙間を上方から覆う化粧部材を備えていてもよい(請求項2)。
【0009】
上記カバー水栓の取付け構造において、前記化粧部材は、前記隙間を上方から覆う状態で前記保持部材上に載置される化粧部材本体と、該化粧部材本体の下方に設けられ、前記保持孔の内側から前記表側縁を外側に付勢する付勢片とを備え、前記付勢片には、前記表側縁の下面側に係止する係止部を有し、該係止部が表側縁の下面側に係止する状態で該係止部の上方の部分が前記表側縁の上方に位置するように構成された係止付勢片が含まれ、前記化粧部材本体の下面において前記係止付勢片の上方に位置する部分には、該化粧部材本体の下面に沿って該化粧部材本体の外縁側から前記隙間の上方にまで至る溝が設けられ、前記係止付勢片の上部は、該係止付勢片の前記係止部が前記表側縁に係止する状態にあるときに該係止付勢片の下部と共に前記隙間内に後退可能な状態で該溝内に位置するように構成されていてもよい(請求項3)。
【0010】
上記カバー水栓の取付け構造において、前記下カバーの下部に、該下カバーを前記保持孔に対して上方から差し込んだときに前記保持部材の上面に当接して該下カバーのさらなる下降を阻止すると共に該下カバーを起立させるための当接片が連設されていてもよい(請求項4)。
【0011】
上記カバー水栓の取付け構造において、
前記下カバーの下部に、該下カバーを前記保持孔に対して上方から差し込んだときに前記保持部材の上面に当接して該下カバーのさらなる下降を阻止すると共に該下カバーを起立させるための当接片が連設され、前記下カバーからの前記当接片の破断除去を可能とするために、該当接片の基部に弱化部が設けられ、該当接片の破断除去によって形成される除去跡が前記隙間を覆う状態の前記化粧部材に隠れるように構成されていてもよい(請求項5)。
【0012】
上記カバー水栓の取付け構造が、前記水栓に対して該水栓を上方から覆うように装着される上カバーを備え、該上カバーの左右の各側壁下部の内側には被係合部が設けられていると共に、前記下カバーの左右の各側壁上部の内側には前記被係合部に係合する係合部が連設され、前記水栓に装着された前記上カバーから下方に離間した位置にある前記下カバーが前記保持部材に保持されつつ上昇して該上カバーに近接するのに伴い、前記被係合部に前記係合部が当接して該被係合部または係合部の何れか一方が他方を回避するように撓み、他方を乗り越えた後で弾性復帰することにより係合部が被係合部に係合した状態となり、かつ、前記係合部が前記被係合部に係合した状態において前記下カバーの左右の各側壁上部が該下カバーの内側に撓むのに伴って、前記係合部が前記下カバーの内側に向かって移動し、前記被係合部に対する前記係合部の係合が解除されるように構成されていてもよい(請求項6)。
【0013】
上記カバー水栓の取付け構造において、前記下カバーの左右の各側壁上部に欠落部を設けてあってもよい(請求項7)。
【0014】
上記カバー水栓の取付け構造において、前記上カバーの左右の各側壁下部の内側に、該上カバーの左右の各側壁下部の下方に突出し前記下カバーの係合部をガイドする係合ガイドが設けられ、該係合ガイドは、前記係合部が前記被係合部に係合した状態において前記下カバーの左右の各側壁の内側面から離間しているように構成されていてもよい(請求項8)。
【0015】
上記カバー水栓の取付け構造が、前記水栓に対して前記下カバーが覆わない該水栓の前部を下方から覆うように装着される前カバーを備え、前記上カバーの左右の各側壁下部の内側には前記被係合部と同一構造の第2の被係合部が設けられていると共に、前記前カバーの左右の各側壁上部の内側には前記係合部と同一構造であり前記第2の被係合部に係合する第2の係合部が連設されていてもよい(請求項9)。
【0016】
上記カバー水栓の取付け構造において、前記前カバーの左右の各側壁上部に欠落部を設けてあってもよい(請求項10)。
【0017】
上記カバー水栓の取付け構造において、前記上カバーの左右の各側壁下部の内側に、該上カバーの左右の各側壁下部の下方に突出し前記前カバーの第2の係合部をガイドする第2の係合ガイドが設けられ、該第2の係合ガイドは、前記第2の係合部が前記第2の被係合部に係合した状態において前記前カバーの左右の各側壁の内側面から離間しているように構成されていてもよい(請求項11)。
【0018】
上記カバー水栓の取付け構造において、前記保持孔は、前記保持部材の後縁に形成され前記壁から離間した表側縁と前記壁とで形成されていてもよい(請求項12)。
【0019】
上記カバー水栓の取付け構造において、前記保持部材は浴室内に設けられたカウンターであってもよい(請求項13)。
【0020】
上記目的を達成するために、本発明に係るカバー水栓の取付け方法は、請求項1〜13の何れか一項に記載のカバー水栓の取付け構造を用いるカバー水栓の取付け方法であって、前記保持孔に前記下カバーを上方から差し込み、該下カバーの下部に連設した当接片を前記保持部材の上面に当接させて該下カバーを起立させる下カバー起立工程と、前記水栓に連結された状態の連結ステーを、起立状態の該下カバーの上部に当接させつつ前記壁に固定し、これにより前記水栓を壁に固定する水栓固定工程と、前記当接片を前記下カバーから破断除去し、該下カバーを前記保持部材に保持させながら下降させ、前記水栓に前記供給配管を接続する配管接続工程と、前記水栓に対して該水栓を上方から覆うように上カバーを載置すると共に、前記下カバーを上昇させて前記上カバーに係合させ、これにより前記水栓に前記上カバー及び下カバーを装着した状態とするカバー装着工程とをこの順に行う(請求項14)。
【0021】
上記カバー水栓の取付け方法において、前記カバー装着工程の後に、前記水栓に装着された状態の前記下カバーと前記保持孔の周縁における該下カバーの表側に位置する表側縁との隙間に化粧部材を上方から装着し、該隙間を該化粧部材によって覆う化粧部材装着工程を行ってもよい(請求項15)。
【0022】
上記カバー水栓の取付け方法において、前記カバー装着工程以降に、前記水栓に対して前記下カバーが覆わない該水栓の前部を下方から覆うように前カバーを装着してもよい(請求項16)。
【発明の効果】
【0023】
本願の各請求項に係る発明では、施工性、メンテナンス性及び美観性に優れたカバー水栓の取付け構造及び取付け方法が得られる。
【0024】
すなわち、本願の各請求項に係る発明のカバー水栓の取付け構造では、下カバーを可動式とし、水栓に装着するようにしたことにより、水栓を壁の表側に設置する際に厳密な位置合わせ等をする必要をなくすことができ、施工性に優れたものとなる。
【0025】
また、上記カバー水栓の取付け構造では、供給配管を下カバーによって覆うようにすることにより、美観性の向上を達成することができる。
【0026】
請求項1〜8に係る発明では下カバーを下降させることにより、また、請求項9〜11に係る発明では前カバーを取り外すことにより、水栓の上流側に設けられる止水栓の操作部に対する操作を行えるようにすれば、メンテナンス性が良好となる。
【0027】
請求項2,3に係る発明のカバー水栓の取付け構造では、化粧部材によって美観性の向上を達成することができ、特に請求項3に係る発明では、化粧部材を、下カバーと表側縁との隙間にしっかりと固定することができ、かつその隙間から容易に取り外すことができるので、実用性に優れたカバー水栓の取付け構造が得られる。
【0028】
請求項4、5に係る発明のカバー水栓の取付け構造は、当接片を用いて起立させた下カバーを利用して水栓の適切な位置決めを正確かつ簡易に行えるので、施工性の点で優れたものとなり、特に請求項5に係る発明では、当接片の除去跡を化粧部材によって隠せるので、美観性が損なわれる恐れがない。
【0029】
請求項6に係る発明のカバー水栓の取付け構造では、上カバーあるいは水栓に対する下カバーの装着と離脱との操作をともに簡便に行うことができる。
【0030】
請求項7に係る発明のカバー水栓の取付け構造では、上カバーあるいは水栓からの下カバーの簡便な離脱操作をより確実に行うことが可能となる。
【0031】
請求項8に係る発明のカバー水栓の取付け構造では、上カバーあるいは水栓に対する下カバーの装着と離脱との簡便な操作をより確実に行うことが可能となる。
【0032】
請求項9に係る発明のカバー水栓の取付け構造では、上カバーあるいは水栓に対する前カバーの装着と離脱との操作をともに簡便に行うことができる。
【0033】
請求項10に係る発明のカバー水栓の取付け構造では、上カバーあるいは水栓からの前カバーの簡便な離脱操作をより確実に行うことが可能となる。
【0034】
請求項11に係る発明のカバー水栓の取付け構造では、上カバーあるいは水栓に対する前カバーの装着と離脱との簡便な操作をより確実に行うことが可能となる。
【0035】
請求項13に係る発明のカバー水栓の取付け構造では、カウンターを保持部材に兼用するので、それだけ部材点数が少なくて済み、設置スペースのコンパクト化も図ることができる。
【発明を実施するための形態】
【0037】
本発明の実施の形態について図面を参照しながら以下に説明する。
【0038】
本発明の第1の実施の形態に係るカバー水栓の取付け構造は、水栓と、この水栓を覆うカバーとを有し、例えば浴室の壁面に設置されるものである。
【0039】
まず、水栓について説明すると、
図3に示すように、本例の水栓1は、左右方向に延びる略円筒状の水栓本体2を有し、水栓本体2の背面の左右には偏心管3を介して給湯配管4、給水配管5(ともに供給配管の一例であり、
図2参照)が接続される湯水混合栓である。水栓本体2の内部には、水栓本体2内に別々に導入された給湯配管4からの湯と給水配管5からの水とが混合される混合室(図示していない)と、混合室の上流側に位置し、混合室への湯水の流入比を調節するための第一弁部と、混合室の下流側に位置し、混合室からの湯水の導出流路の切替え及び導出流量の調整を行うための第二弁部とが設けられる。そして、水栓本体2の左右にはハンドル6,7が取り付けられ、一方のハンドル6は、第一弁部と連動して水栓本体2から導出部(吐水口8またはシャワーエルボ9)を経て外部に導出される湯水の温度調節機能を司り、他方のハンドル7は、第二弁部と連動して導出流路の切替え(湯水を吐水口8から導出する状態とシャワーエルボ9から導出する状態との切替え)機能及び吐水流量の調整機能を司る。このような構成を備えた湯水混合栓は周知であり、斯かる構成のより詳細な説明は省略する。
【0040】
偏心管3は、
図3に示すように、偏心管3自体を壁面に固定するためのステー部分3aを有し、このステー部分3aに形成された取付孔3bを挿通するねじ等の取付部材(図示していない)によって壁面に取り付けられる。また、偏心管3は止水栓(図示していない)を内蔵し、その操作部3cを外部に有する。偏心管3の止水栓は、水栓本体2の弁部(第一弁部及び第二弁部)の上流側に位置するものであり、操作部3cの操作により、例えば水栓1のメンテナンスの際には閉栓状態とされ、水栓1が通常使用される間は開栓状態とされる。
【0041】
偏心管3を壁面に固定する際、
図3に示すように二つの偏心管3にわたって連結ステー10が連結され、これにより、二つの偏心管3間の距離は一定(例えば100mm)に保たれる。ここで、連結ステー10は、例えばポリプロピレン(PP)等の合成樹脂製の部材であり、ビス等の連結部材によって各偏心管3に連結される。
【0042】
本例のカバー11は、例えばABS樹脂等の合成樹脂からなり、
図1と
図2及び
図3とを対比すれば明らかなように、水栓本体2、偏心管3、給湯配管4、給水配管5、連結ステー10を覆うように構成されている。尚、二つのハンドル6,7、吐水口8、シャワーエルボ9は、それぞれの機能を発揮する必要上、カバー11によって覆われず外部に露出する。
【0043】
カバー11は、
図1〜
図3に示すように、水栓1(水栓本体2)に対して水栓1を上方から覆うように装着される上カバー12と、水栓1(水栓本体2)に対して水栓1を下方から覆うように着脱自在に装着される下カバー13とを備えている。
【0044】
次に、本実施形態のカバー水栓の取付け構造の詳細な説明も兼ねて、カバー水栓の取付け方法について説明する。
【0045】
(1)まず、水栓本体2に、二つの偏心管3、二つのハンドル6,7、吐水口8、シャワーエルボ9、連結ステー10が組付けられた状態の水栓1を、偏心管3を介して壁面に取り付ける(
図3参照)。尚、偏心管3に対する給湯配管4、給水配管5の接続は、壁に対する水栓1の取付け前または取付け後の何れに行ってもよい。
【0046】
(2)水栓1に対して上カバー12を装着する(
図2参照)。本例では、上カバー12は、水栓本体2上に載置され、その状態で連結ステー10に対してビス等の連結部材により連結される。
【0047】
(3)水栓1に対して下カバー13を装着する。
【0048】
ここで、
図1〜
図3に示すように、下カバー13は、壁の表側に設置された水栓1に対して近接離間自在な状態(上下方向に移動自在な状態)となるように、壁の表側における水栓1の設置位置の下方に固定される保持部材14によって形成される保持孔15に上方から差し込まれて保持される。
【0049】
保持部材14は、浴室内に設けられたカウンターであり、保持孔15は、保持部材14の後縁に形成され壁面から離間した平面視略コ字状の保持縁(表側縁)14aと壁面とで形成され、下カバー13において保持孔15に差し込まれる部位(上部以外の部位)は、保持縁14aの形状に対応するように横断面略コ字状をしている。
【0050】
尚、水栓1から下方に向けて延びる給湯配管4及び給水配管5は、下カバー13の裏側(下カバー13と壁面との間)を通り、保持孔15を挿通して保持部材14の下方にまで至るように構成されている(
図2参照)。
【0051】
そして、水栓1に装着された上カバー12から下方に離間した位置にある下カバー13(
図2参照)を壁面に沿わせつつ上昇させると、下カバー13は、保持部材14に保持されつつ上昇し、やがて上カバー12に係合して水栓1に装着された状態(
図1参照)となる。
【0052】
すなわち、上カバー12の左右の各側壁16下部の内側には被係合部17が設けられていると共に、下カバー13の左右の各側壁18上部の内側には被係合部17に係合する係合部19が連設されている(
図3参照)。そして、下カバー13が上昇して上カバー12に近接するのに伴い、被係合部17に係合部19が当接して被係合部17または係合部19の何れか一方(本例では係合部19)が他方(本例では被係合部17)を回避するように撓み、他方を乗り越えた後で弾性復帰することにより係合部19が被係合部17に係合した状態となり、かつ、係合部19が被係合部17に係合した状態において下カバー13の左右の各側壁18上部が下カバー13の内側に撓むのに伴って、係合部19が下カバー13の内側に向かって移動し、被係合部17に対する係合部19の係合が解除されるように構成されている。
【0053】
本例では、
図4(A)及び(B)に示すように、係合部19は互いに離間するように設けられた二本の爪19aからなり、被係合部17は二本の爪19aを挟み込み得るように離間配置された二つの棚17aからなる。そして、二本の爪19aは、下カバー13の上昇に伴って二つの棚17aの間に向かって移動し、二つの棚17aに当接して乗り越える際に互いに近接する方向に撓み、棚17aを乗り越えた後は、互いに離間する方向に弾性復帰して二つの棚17aに係合する状態となり、この状態で下向きの力が各爪19aに加わっても棚17aに対する係合は解除されない。しかし、下カバー13の左右の各側壁18上部を下カバー13の内側に向けて撓ませると、二本の爪19aは棚17aに沿って移動し、棚17aから外れる位置にまで移動すると、被係合部17に対する係合部19の係合が解除されることになる。
【0054】
ここで、上カバー12の左右の各側壁16下部と、下カバー13の左右の各側壁18上部とには、それぞれ略半円状の欠落部20、21を設けてあり(
図3及び
図4(A)参照)、側壁18上部における係合部19の近傍に欠落部21を設けてあることにより、側壁18上部は下カバー13の内側により撓み易くなっている。尚、欠落部20、21は、上カバー12と下カバー13とを水栓1に装着したときに一つの略円形の貫通孔22(
図4(B)参照)を形成するものであり、カバー11の左右にそれぞれ一つずつ形成されることになる貫通孔22の一方はシャワーエルボ9を外部に露出させるために用いられ(
図1参照)、他方は例えばキャップ(図示していない)で閉塞すればよい。
【0055】
また、上カバー12の左右の各側壁16下部の内側には、上カバー12の左右の各側壁16下部の下方に突出し、下カバー13が上昇する際に係合部19をガイドする係合ガイド23(
図4(A)参照)が設けられている。従って、係合ガイド23が係合部19をガイドするので、被係合部17に対する係合部19の係合は確実になされることになる。しかも、係合ガイド23は、係合部19が被係合部17に係合した状態において下カバー13の左右の各側壁18の内側面から離間しているように構成されている(
図4(B)参照)ので、側壁18上部を下カバー13の内側に撓ませて被係合部17と係合部19との係合を解除する際に、側壁18が撓むのを係合ガイド23が阻んでしまう恐れもない。
【0056】
(4)水栓1に装着された状態の下カバー13と保持縁(保持孔15の周縁において保持孔15を挿通する下カバー13の表側に位置することになる表側縁の一例)14aとの隙間g(
図1、
図2参照)に化粧部材24を装着し、化粧部材24によってその隙間gを上方から覆い、かつ、下カバー13を保持部材14に固定する(
図5参照)。
【0057】
ここで、化粧部材24は、例えばABS樹脂等の合成樹脂からなり、
図6(A)〜(D)に示すように、平面視略コ字状の化粧部材本体25と、化粧部材本体25の下方に設けられた縦断面略U字状の複数(本例では計三つ)の付勢片26とを備えている。
【0058】
化粧部材本体25は、下カバー13と保持縁14aとの隙間gを上方から覆う状態で保持縁14a(保持部材14)上に載置される(
図5、
図7参照)。これに対して、化粧部材本体25の前側と左右両側とに各々一つずつ設けられる付勢片26は、化粧部材本体25の下面から垂下し、下方において外側かつ上側に向かって折り返す形状を呈し(
図6(A)及び(D)参照)、弾性変形限界の高まった外側先端部が保持孔15の内側から保持縁14aに当接してこれを外側に付勢するように構成されている。そして、保持縁14aに対する付勢片26による付勢の反作用によって、化粧部材24は下カバー13に向けて押圧され、下カバー13は壁面に押圧固定されることになる。
【0059】
また、計三つの付勢片26のうち、化粧部材本体25の前側に設けられた付勢片26は、保持縁14aの下面側に係止する係止部27(
図6(A)、(C)、(D)、
図7参照)を有し、係止部27が保持縁14aの下面側に係止する状態で係止部27の上方の部分(外側先端部)が保持縁14aの上方に位置する(
図7参照)ように構成された係止付勢片28として構成されている。尚、係止部27は、隙間gに対して上方から挿入されるときに保持縁14aに当接し、係止付勢片28の外側先端部が撓んで隙間g内に後退した後、保持縁14aより下方に至ると弾性復帰により保持縁14aに係止する状態となる。
【0060】
そして、化粧部材本体25の下面において係止付勢片28の上方に位置する部分には、化粧部材本体25の下面に沿って化粧部材本体25の外縁側から隙間gの上方にまで至る溝29が設けられ、係止付勢片28の上部(外側先端部)は、係止付勢片28の係止部27が保持縁14aの下面側に係止する状態にあるときに係止付勢片28の下部と共に隙間g内に後退可能な状態で溝29内に位置するように構成されている。
【0061】
従って、化粧部材24を隙間gに装着すると、係止付勢片28の係止部27が保持縁14aに係止することにより、化粧部材24が隙間gから抜けなくなるのであり、化粧部材24を隙間gから取り外すには、細い棒等の適宜の治具を溝29内に差し込み、係止付勢片28の上部(外側先端部)を隙間g内に向けて押圧し、保持縁14aの下面側への係止部27の係止を解除すればよい。
【0062】
以上の(1)〜(4)の工程を実施することにより、本実施形態のカバー水栓の取付け構造は完成する。
【0063】
そして、水栓1に装着された状態の下カバー13は、水栓1の弁部の上流側に設けられた止水栓の操作部3cや給湯配管4、給水配管5を覆うので、美観性の向上が達成される。
【0064】
また、下カバー13を水栓1から離脱させるには、化粧部材24を隙間gから上述した手法によって取り外した後、下カバー13の左右の各側壁18上部を内向きに撓ませ、上カバー12の各被係合部17に対する下カバー13の各係合部19の係合を解除するだけでよい。そして、このように水栓1から離脱させた(水栓1に装着されていない状態の)下カバー13は保持孔15に差し込まれて保持されながらの下降が可能となり、その下降は操作部3cが露出する位置まで可能であるので、下カバー13を水栓1から離脱させるといった簡単な手順を踏まえるだけで操作部3cの操作を行える状態となり、メンテナンス性も良好となる。
【0065】
しかも、上記(1)〜(4)の各工程はそれぞれ簡単に行えるものであり、偏心管3を介して水栓本体2を壁面に固定する際に厳密な位置決め等をする必要もないので、本実施形態のカバー水栓の組付け構造は施工性にも優れたものとなる。
【0066】
なお、上記第1の実施の形態は、例えば、以下のように変形することができる。
【0067】
本実施形態のカバー11は、上カバー12と下カバー13との二つのカバーからなるが、三つ以上のカバーからなるものであってもよい。
【0068】
保持孔15や保持縁14aの形状は種々に変更可能であり、例えば保持部材(カウンター)14に貫通孔を設けこの貫通孔を保持孔15として用いるようにし、保持部材14のみで(壁面を用いずに)保持孔15を形成するようにしてあってもよい。
【0069】
本実施形態では、カウンターを保持部材14に兼用しているが、特に、浴室以外の壁面にカバー水栓の取付け構造を設ける場合には、カウンター以外の保持部材14専用の部材を設けるようにしてもよい。
【0070】
本実施形態では、係合部19を構成する二本の爪19aが被係合部17を構成する二つの棚17aに対してその内側から係合するが、二本の爪19aが二つの棚17aに対してその外側から係合するようにしてもよい。また、本実施形態では、二つの棚17aからなる被係合部17と二本の爪19aからなる係合部19とによって上カバー12に下カバー13が係合する係合構造を採用しているが、係合構造の構成は種々に変更可能であり、例えば、水栓1に装着された状態の下カバー13を化粧部材24によって動かないようにしっかりと保持することができるのであれば、上記係合構造を省略してもよい。
【0071】
本実施形態では化粧部材24の前(正面)側に一つのみ係止付勢片28を設けてあるが、これに限らず、例えば化粧部材24の左右に一つずつ係止付勢片28を設けるようにしてもよい。
【0072】
次に、本発明の第2の実施の形態に係るカバー水栓の取付け構造の説明を兼ねながら、同カバー水栓の取付け方法について、
図8〜
図15を用いて説明する。尚、
図8〜
図15において、
図1〜
図7に示す構成要素と共通するものについては、同一の符号を付し、以下ではその説明を省略する。
【0073】
(1)まず、保持孔15に下カバー30を上方から差し込み、下カバー30の下部の左右側面に側方に突出するように連設した二つの当接片31を保持部材14の上面に当接させて下カバー30を起立させる下カバー起立工程を行う(
図8(A)及び(B)参照)。
【0074】
すなわち、下カバー30の下部には、下カバー30を保持孔15に対して上方から差し込んだときに保持部材14の上面に当接して下カバー30のさらなる下降を阻止すると共に下カバー30を起立させるための当接片31が連設されている。
【0075】
ここで、下カバー30において保持孔15に差し込まれる部位(当接片31よりも下方の部位)は、保持縁14aの形状に対応するように横断面略コの字状をしている。また、各当接片31の下面は、保持部材14の上面に沿うように形成されている。そして、起立した下カバー30は、壁面に沿った状態となる。
【0076】
尚、このとき、
図9(A)に示すように、下カバー30の下端部(保持部材14の下方に差し込まれた部分)を、例えばビス32止め等の適宜の手段により後で壁面から離脱させることができる状態で壁面に固定するようにしてもよいし、この固定は省略してもよい。
【0077】
(2)水栓1に二つの偏心管3を介して連結された状態の連結ステー33を、起立状態の下カバー30の上部に当接させつつ壁に固定し、これにより水栓1を壁に固定する水栓固定工程を行う(
図9(B)、
図10(A)及び(B)参照)。
【0078】
すなわち、水栓本体2に、二つの偏心管3、二つのハンドル6,7、吐水口8、シャワーエルボ9、連結ステー33が組付けられた状態の水栓1を、偏心管3及び連結ステー33を介して壁面に取り付ける。尚、本例では、この水栓固定工程を行う際、
図9(A)に示すように、各偏心管3の下部(上流部)の接続部としての雄ねじ部3dに供給配管4,5の上部(下流部)の接続部としての袋ナット4a、5aを仮締め(供給配管4,5をある程度動かせるように少し緩めに接続)するのであり、この仮締めは、壁面に対する水栓1の取付け前または取付け後の何れに行ってもよい。
【0079】
ここで、連結ステー33は、例えばポリプロピレン(PP)等の合成樹脂製の部材であり、
図9(B)に示すように、横方向に延びるブリッジ部34の左右にブリッジ部34よりも前方に膨出しブリッジ部34よりも下方にまで延びる一対の柱部35を有し、ビス36等の連結部材によってブリッジ部34が各偏心管3に連結される。また、各柱部35の下部35a(
図12(B)参照)が、起立状態の下カバー30の上部の左右に設けられた位置決め柵37(
図9(B)参照)に当接するように構成されており、この当接により位置決めされた状態の連結ステー33を例えばビス38(
図10(A)、
図11(A)参照)等の固定部材によって壁面に固定する。本例では、前後方向の肉厚が柱部35より薄いブリッジ部34をビス38により壁面に固定する。
【0080】
このとき、偏心管3のステー部分3aの上部に形成された取付孔3b(
図3参照)が下カバー30よりも上方に位置するので、各取付孔3bに対してねじ等の取付部材39(
図10(B)参照)を挿通して偏心管3を壁面に取り付ける作業を容易に行うことができる。
【0081】
(3)当接片31を下カバー30から破断除去し、下カバー30を保持部材に保持させながら下降させ、水栓1に給湯配管4、給水配管5を接続(本締め)する配管接続工程を行う(
図10(A)、
図11(A)参照)。
【0082】
すなわち、当接片31は、保持部材14上に起立した下カバー30を用いて水栓1の固定が行われた後に、下カバー30から破断除去されるのであり、この破断除去を容易とするために、当接片31の基部に例えば薄肉部や破断線部等の弱化部(図示していない)が設けられている。尚、上記下カバー起立工程(1)において下カバー30の下部を壁面に固定した場合は、この固定の解除を当接片31の切断除去と併せて行う。
【0083】
当接片31が破断除去され(壁面への固定も解除され)た後の下カバー30は下降可能となり、従って、保持孔15に差し込まれて保持されながら上下方向に移動自在な状態となる。すなわち、下カバー30における当接片31よりも下方の部位のみならず、当接片31よりも上方の部位のうち保持孔15に差し込まれることになる部位(上部以外の部位)も、保持縁14aの形状に対応するように横断面略コの字状をしている。
【0084】
そして、下カバー30を下降させれば、給湯配管4、給水配管5の位置や向きの微調整を行うための十分なスペースが確保されることになり、斯かる微調整を正確かつ迅速に行うことが可能となる。この微調整後に、各偏心管3の雄ねじ部3dに仮締めされている供給配管4,5の袋ナット4a、5aを本締めし、水栓1に対する両配管4、5の接続を完了する。すなわち、下カバー30は、少なくとも雄ねじ部3d及び袋ナット4a、5aが露出する位置まで下降可能である。
【0085】
(4)水栓1に対して水栓1を上方から覆うように上カバー40を載置すると共に、下カバー30を上昇させて上カバー40に係合させ、これにより水栓1に上カバー40及び下カバー30を装着した状態とするカバー装着工程を行う(
図11(B)、
図12(A)及び(B)、
図13参照)。
【0086】
上カバー40は、
図12(B)に示すように、ビス41等の連結部材により連結ステー33の各柱部35に連結され、水栓本体2と連結ステー33との上面に載置された状態となる。
【0087】
尚、この工程における下カバー30と上カバー40との係合は、被係合部17と係合部19とを用いて、第1の実施の形態の工程(3)における上カバー12と下カバー13との係合方法と同様に行うことができる。
【0088】
(5)水栓1に装着された状態の下カバー30と保持孔15の周縁における下カバー30の表側に位置する表側縁(保持縁)14aとの隙間gに化粧部材24を上方から装着し、隙間gを化粧部材24によって覆う化粧部材装着工程を行う(
図14(A)及び(B)参照)。
【0089】
尚、この工程における化粧部材24の装着は、第1の実施の形態の工程(4)における化粧部材24の装着と同様に行うことができる。
【0090】
ここで、上記配管接続工程(3)において、当接片31を下カバー30から破断除去したときに、この破断除去によって除去跡31a(
図10(A)参照)が形成されるが、この除去跡31aは、隙間gを覆う装着状態の化粧部材24に隠れる。本例では、当接片31を破断除去する作業を行い易く、かつ、化粧部材24によって隠し易い位置に除去跡31aが形成されるようにするために、当接片31を下カバー30の左右側面から水平方向に延ばしてある。
【0091】
(6)水栓1に対して下カバー30が覆わない水栓1の前部を下方から覆うように前カバー42を装着する前カバー装着工程を行う(
図15(A)及び(B)参照)。
【0092】
本例では、上カバー40に対して前カバー42を係合することにより前カバー42を水栓1に装着するのであり、上カバー40に対する前カバー42の係合を、上カバー40に対する下カバー30の係合と同様に行えるように、上カバー40前部の左右の各側壁43(
図11(B)参照)下部の内側に、被係合部17と同一構造の第2の被係合部(図示していない)が設けられていると共に、前カバー42の左右の各側壁44上部の内側には係合部19と同一構造であり前記第2の被係合部に係合する第2の係合部(図示していない)が連設されている。
【0093】
また、上カバー40前部の左右の各側壁43下部と、前カバー42の左右の各側壁44上部とには、それぞれ略半円状の欠落部45、46を設けてあり(
図11(B)、
図15(A)参照)、側壁44上部における第2の係合部の近傍に欠落部46を設けてあることにより、側壁44上部は前カバー42の内側により撓み易くなっている。尚、欠落部45,46は、上カバー40と前カバー42とを水栓1に装着したときに一つの略円形の貫通孔(図示していない)を形成するものであり、水栓1の左右にそれぞれ一つずつ形成されることになる貫通孔は各々ハンドル6,7を外部に露出させるために用いられる(
図15参照)。
【0094】
ここで、例えばメンテナンスのために操作部3cを操作しようとする場合、第1の実施の形態では、化粧部材24を取り外し、下カバー13を下降させて操作部3cを露出させる必要があるが、第2の実施の形態では、前カバー42を取り外すだけで操作部3cを露出させることができ(
図15(A)参照)、メンテナンス性がより良好となる。
【0095】
また、第2の実施の形態では、当接片31を用いて起立させた下カバー30を利用して水栓1の適切な位置決めを正確かつ簡易に行えるので、施工性の点でも優れている。
【0096】
なお、上記第2の実施の形態は、例えば、以下のように変形することができる。
【0097】
水栓固定工程(2)において、各偏心管3の雄ねじ部3dに対する供給配管4,5の袋ナット4a、5aの仮締めを行わず、偏心管3と供給配管4,5との接続作業を配管接続工程(3)のみにおいて行うようにしてもよい。
【0098】
工程(1)〜(6)の順は適宜変更可能であり、例えば、前カバー装着工程(6)を、カバー装着工程(4)と化粧部材装着工程(5)との間に行うようにしてもよい。
【0099】
なお、本発明は、上記の各実施の形態に何ら限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々に変形して実施し得ることは勿論であり、上記各実施形態やそれらの変形例どうしを適宜組み合わせてもよいことはいうまでもない。