特許第6018767号(P6018767)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6018767ネットワーク輻輳を低減するスマート需要メーターおよびシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6018767
(24)【登録日】2016年10月7日
(45)【発行日】2016年11月2日
(54)【発明の名称】ネットワーク輻輳を低減するスマート需要メーターおよびシステム
(51)【国際特許分類】
   H04Q 9/00 20060101AFI20161020BHJP
   H04M 11/00 20060101ALI20161020BHJP
【FI】
   H04Q9/00 311J
   H04M11/00 301
【請求項の数】10
【外国語出願】
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2012-46019(P2012-46019)
(22)【出願日】2012年3月2日
(65)【公開番号】特開2012-195936(P2012-195936A)
(43)【公開日】2012年10月11日
【審査請求日】2015年2月25日
(31)【優先権主張番号】13/044,079
(32)【優先日】2011年3月9日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390041542
【氏名又は名称】ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ
(74)【代理人】
【識別番号】100137545
【弁理士】
【氏名又は名称】荒川 聡志
(74)【代理人】
【識別番号】100105588
【弁理士】
【氏名又は名称】小倉 博
(74)【代理人】
【識別番号】100129779
【弁理士】
【氏名又は名称】黒川 俊久
(74)【代理人】
【識別番号】100113974
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 拓人
(72)【発明者】
【氏名】ブラッドリー・リチャード・リー
【審査官】 白川 瑞樹
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2009/0315699(US,A1)
【文献】 特開2002−222126(JP,A)
【文献】 特開2002−078036(JP,A)
【文献】 特開2009−118173(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2009/0138099(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J13/00
H03J9/00−9/06
H04B7/24−7/26
H04M3/00
3/16−3/20
3/38−3/58
7/00−7/16
11/00−11/10
H04Q9/00−9/16
H04W4/00−99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のネットワークを介して宛先と通信するための第1の通信インターフェース(236)であって、前記宛先がワイド・エリア・ネットワーク(WAN)に接続したコンピュータまたは他の需要メータであり、前記第1のネットワークが、前記WANと通信する近隣領域ネットワーク(NAN)である、前記第1の通信インターフェース(236)と、
前記第1のネットワークとは異なる第2のネットワークを介して前記宛先と通信するための第2の通信インターフェース(236)であって、前記第2のネットワークが、前記WANと通信するルート選択装置(150a〜n)を備えるホーム・エリア・ネットワーク(HAN)又はローカル・エリア・ネットワーク(LAN)である、前記第2の通信インターフェース(236)と、
前記第1及び第2の通信インターフェース(236)と通信する少なくとも1つのプロセッサ(232)であって、
前記宛先に送る情報を受け取り又は発生し、
前記第1のネットワークが利用可能な時又は輻輳していないときに前記第1の通信インターフェース(236)を選択し、
前記第1のネットワークが利用可能でない時又は輻輳しているときに前記第2の通信インターフェース(236)選択し、次いで
前記選択された通信インターフェース(236)を介して前記情報を前記宛先へ供給するように構成されている少なくとも1つのプロセッサ(232)と、
を有する需要メーター(105a〜n,205)。
【請求項2】
更に、コモディティ消費量を測定するためのセンサ(245)を有し、前記供給される情報が前記測定されたコモディティ消費量に関連している、請求項1記載の需要メーター(105a〜n,205)。
【請求項3】
前記ルート選択装置(150a〜n)は、インターネットにアクセスするルーター又はゲートウェイである、請求項1または2に記載の需要メーター(105a〜n,205)。
【請求項4】
前記第2の通信インターフェース(236)が選択された場合に、前記情報が前記HAN又はLAN(110a〜n)内の前記ルート選択装置(150a〜n)へ供給され、その後、前記WAN(125)を介して前記宛先へ供給される、請求項1乃至3のいずれかに記載の需要メーター(105a〜n,205)。
【請求項5】
前記情報が前記第1の通信インターフェース(236)を介して受け取られ、その場合、前記宛先への最適なルートが前記第2の通信インターフェース(236)を介して利用可能であることに基づいて、前記第2の通信インターフェース(236)が選択される、請求項1乃至4のいずれかに記載の需要メーター(105a〜n,205)。
【請求項6】
前記第1の通信インターフェース(236)が輻輳又はネットワーク利用不可能に関連していることに基づいて、前記第2の通信インターフェース(236)が前記宛先への最適なルートを持つと決定される、請求項記載の需要メーター(105a〜n,205)。
【請求項7】
前記宛先は、ユーティリティ会社に関連したサーバー・コンピュータ(130)である、請求項1乃至6のいずれかに記載の需要メーター(105a〜n,205)。
【請求項8】
前記第1及び第2のネットワークは、有線又は無線ネットワークを含む、請求項1乃至7のいずれかに記載の需要メーター(105a〜n,205)。
【請求項9】
顧客場所の外側に配置されたコモディティ計量メーターである、請求項1乃至8のいずれかに記載の需要メーター(105a〜n,205)。
【請求項10】
サーバー・コンピュータ、及び該サーバー・コンピュータと通信する複数の需要メーターを含むシステムであって、
前記複数の需要メーターの各々は、
第1のネットワークを介して宛先と通信するための第1の通信インターフェース(236)であって、前記宛先がワイド・エリア・ネットワーク(WAN)に接続したコンピュータまたは他の需要メータであり、前記第1のネットワークが、前記WANと通信する近隣領域ネットワーク(NAN)である、前記第1の通信インターフェース(236)と、
前記第1のネットワークとは異なる第2のネットワークを介して前記宛先と通信するための第2の通信インターフェース(236)であって、前記第2のネットワークが、前記WANと通信するルート選択装置(150a〜n)を備えるホーム・エリア・ネットワーク(HAN)又はローカル・エリア・ネットワーク(LAN)である、前記第2の通信インターフェース(236)と、
前記第1及び第2の通信インターフェース(236)と通信する少なくとも1つのプロセッサ(232)であって、
前記宛先に送る情報を受け取り又は発生し、
前記第1のネットワークが利用可能な時又は輻輳していないときに前記第1の通信インターフェース(236)を選択し、
前記第1のネットワークが利用可能でない時又は輻輳しているときに前記第2の通信インターフェース(236)を選択し、次いで
前記選択された通信インターフェース(236)を介して前記情報を前記宛先へ供給するように構成されている少なくとも1つのプロセッサ(232)と、
を有している、システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的に云えば、需要メーターに関し、より具体的には、スマート需要メーターにおけるネットワーク輻輳(congestion)を低減するためのシステム、方法及び装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
現在、自動メーター読取りネットワークが広く展開されている。これらのネットワークは、典型的には、網目状基盤のシステムであり、該システムでは、メーターはデータを発生し又はパケットをネットワークを介して送る。1つの問題は、或る特定のメーターがシステムのトラフィック(通信量)の殆どを担わなければならないときに生じ得る「ボトルネック」である。網目状ネットワークが直面する別の問題は、帯域幅の効率の悪さである。パケットはソースから取り出し点に到達するために多数回ブロードキャスト(送信)する必要があるので、単一のパケットが必要とする全帯域幅は単一の送信よりも遙かに大きい。従って、スマート需要メーター・システムにおけるネットワーク輻輳を低減するためのシステム、方法及び装置が必要とされる。
【発明の概要】
【0003】
上記の必要性及び/又は問題の幾分か又は全てを本発明の様々な実施形態によって対処することができる。本発明の様々な実施形態は、スマート需要メーター・システムにおけるネットワーク輻輳を低減するためのシステム、方法及び装置を含むことができる。本発明の一実施形態によれば、需要メーター装置が開示される。この需要メーター装置は、第1のネットワークと通信するための第1の通信インターフェースと、前記第1のネットワークとは異なる第2のネットワークと通信するための第2の通信インターフェースと、前記第1及び第2の通信インターフェースと通信する少なくとも1つのプロセッサとを含むことができる。前記少なくとも1つのプロセッサは、宛先を持つ情報を受け取り又は発生し、前記第1の通信インターフェース又は前記第2の通信インターフェースのいずれかを選択し、次いで前記選択された通信インターフェースを介して前記情報を前記宛先へ送るように構成することができる。
【0004】
本発明の別の実施形態によれば、方法が開示される。この方法は、需要メーターのために、第1のネットワークと通信するための第1の通信インターフェースを設ける段階と、該需要メーターのために、前記第1のネットワークとは異なる第2のネットワークと通信するための第2の通信インターフェースを設ける段階と、前記需要メーターによって、宛先を持つ情報を受け取り又は発生する段階と、前記第1の通信インターフェース又は前記第2の通信インターフェースのいずれかを選択する段階と、前記選択された通信インターフェースを介して前記情報を前記宛先へ送る段階とを含むことができる。
【0005】
本発明の別の実施形態によれば、システムが開示される。このシステムは、サーバー・コンピュータ、及び該サーバー・コンピュータと通信する複数の需要メーターを含むことができる。各々の需要メーターは、第1のネットワークと通信するための第1の通信インターフェースと、前記第1のネットワークとは異なる第2のネットワークと通信するための第2の通信インターフェースと、前記第1及び第2の通信インターフェースと通信する少なくとも1つのプロセッサとを含むことができる。前記少なくとも1つのプロセッサは、宛先を持つ情報を受け取り又は発生し、前記第1の通信インターフェース又は前記第2の通信インターフェースのいずれかを選択し、次いで前記選択された通信インターフェースを介して前記情報を前記宛先へ送るように構成することができる。
【0006】
本発明の様々な実施形態の技術により、追加のシステム、方法、機器、特徴及び態様が実現される。本発明の他の実施形態及び態様は、本書の中で詳しく説明され且つ特許請求の範囲の発明の一部と考えられる。これらの他の実施形態及び態様は以下の説明及び図面を参照することにより理解されよう。
【0007】
これまで本発明を一般的に説明したが、次に添付の図面について説明する。図面は必ずしも縮尺通りに描いていない。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、本発明の例示的実施形態に従った、ネットワーク輻輳を低減するのに役立つ代表例の需要メーター・システムのブロック図である。
図2図2は、本発明の代表例の実施形態に従った、代表例の需要メーターを示すブロック図である。
図3図3は、本発明の代表例の実施形態に従った、スマート需要メーター・システムにおけるネットワーク輻輳を低減するための代表例の方法を示す流れ図である。
図4図4は、本発明の代表例の実施形態に従った、代表例の需要メーターに関係する代表例のデータの流れを示すブロック図である。
図5図5は、本発明の代表例の実施形態に従った、代表例の需要メーターに関係する代表例のデータの流れを示すブロック図である。
図6図6は、本発明の代表例の実施形態に従った、代表例の需要メーターに関係する代表例のデータの流れを示すブロック図である。
図7図7は、本発明の代表例の実施形態に従った、代表例の需要メーターに関係する代表例のデータの流れを示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、添付の図面を参照して本発明の例示的実施形態をより詳しく説明する。図面には、本発明の実施形態の全てではなく幾分かを示す。実際には、本発明は多数の異なる形態で具現化することができ、また本書で述べる実施形態に限定されるものと解釈すべきでない。むしろ、それらの実施形態は、この開示内容が適用可能な法的要件を満たすように提供される。本書の全体にわたって、同様な参照数字は同様な要素を表す。
【0010】
以下に、スマート需要メーター・システムにおけるネットワーク輻輳を低減するためのシステム、方法及び装置を開示する。本発明の代表例の実施形態では、スマート需要メーターは少なくとも2つのネットワーク/通信インターフェースを持つことができ、その各々のネットワーク/通信インターフェースは、ユーティリティ・サーバー・コンピュータのような1つ以上の共通のネットワーク構成要素へのそれぞれのルートを持つ。これに関連して、代表例の実施形態に従ったスマート需要メーターは、ネットワーク輻輳又は性能に応じて、少なくとも2つのネットワーク/通信インターフェースの内の第1又は第2のインターフェースのいずれかを利用することができる。この方法では、第1のネットワーク/通信インターフェース又はそれに接続されたネットワークにネットワーク輻輳又は望ましくない性能が生じたとき、その情報はスマート需要メーターで利用できる第2のネットワーク/通信インターフェース又は別のネットワーク/通信インターフェースを介して供給し、転送し、伝送し又は通信することができる。
【0011】
本発明の代表例の実施形態では、第1のネットワーク/通信インターフェースは、例えば、1つ以上の近隣領域ネットワーク(NAN)を有する網目状ネットワークを含むことができる高機能メーター基盤(AMI;Advanced Meter Infrastructure) ネットワークに接続することができる。AMIネットワークはインターネット又は別のワイド・エリア・ネットワークに接続することができ、そこから、ユーティリティ・サーバー・コンピュータ又は他の望ましいネットワーク宛先(例えば、別の需要メーター、ゲートウェイ、NANなど)にアクセスできる。他方、第2のネットワーク/通信インターフェースは、インターネットにアクセスする家庭用インターネット・ルーターを含むことができるローカル・エリア・ネットワーク/ホーム・エリア・ネットワークに接続することができる。ユーティリティ・サーバー・コンピュータ又は所望のネットワーク宛先は、インターネットを介してアクセス可能にすることができる。この代わりに、第2のネットワーク/通信インターフェースは、セルラー・ネットワーク、衛星ネットワークなどのような、実質的にAMIネットワークとは異なるが、同様にユーティリティ・サーバー・コンピュータ又は所望のネットワーク宛先に対する接続性を持つ任意の他のネットワークとすることができる。従って、AMIネットワークにおける全体のネットワーク性能又は輻輳は、第2のネットワーク/通信インターフェースを利用して、情報をユーティリティ・サーバー・コンピュータ又は所望のネットワーク宛先へ又はそれらから供給し、転送し、伝送し又は通信することによって、改善することができる。
【0012】
本発明の様々な実施形態では、1つ以上のスマート需要メーター及び/又は他のネットワーク装置とのネットワーク通信を容易にする1つ以上の専用コンピュータ、システム、並びに/又は特別な機械を含むことができる。専用コンピュータ又は特別な機械は、様々な実施形態で望まれるような多種多様な異なるソフトウエア・モジュールを含むことができる。以下により一層詳しく説明するように、実施形態によっては、これらの様々なソフトウエア・コンポーネントは、1つ以上のネットワーク装置と1つ以上のスマート需要メーターとの間の通信を容易にするために利用することができる。更に、これらの様々なソフトウエア・コンポーネントは、顧客場所(例えば、家庭)でのピーク負荷の管理を支援するように利用することができる。
【0013】
本書に記載の本発明の特定の実施形態は、需要メーターが代替のネットワーク/通信インターフェース(1つ又は複数)を利用して、ネットワーク輻輳を低減し又はネットワーク性能を改善すると云う技術的効果を持つことができる。これに関して、需要メーターは特定のユーティリティ・サーバー・コンピュータ又は所望のネットワーク宛先への様々なルートにアクセスして、需要メーターが通信するAMIネットワーク又は他のネットワークの融通性及び性能を改善することができる。
【0014】
図1は、本発明の例示的実施形態に従った、ネットワーク輻輳を低減するのに役立つ一代表例の需要メーター・システム100のブロック図である。図1に例示したシステム100は、本発明の代表例の実施形態に従って、複数のスマート需要メーター105a〜nを含むことができる。各々のスマート需要メーター105a〜nは、有線通信(例えば、電力線搬送(PLC)通信、シリアル通信リンク、USB、イーサーネット、光ファイバーなど)又は無線通信(例えば、Zigbee、地球規模の移動体通信システム(GSM)、ワイファイ、マイクロ波アクセス用世界的相互運用規格(ワイマックス)、汎用パケット無線サービス(GPRS)、ブルートゥース、セルラー通信、3G、4G、802.11x、無線周波(RF)網目状通信など)を用いて、1つ以上のホーム・エリア・ネットワーク(HAN)又はローカル・エリア・ネットワーク(LAN)110a〜nと通信することができる。或るLANが1つ以上の顧客家庭に関連している場合、そのLANはHANと呼ぶことができる。便宜のため、本書で記述する例示のHAN/LAN110a〜nがHAN及びLANのいずれか又は両方を包含することが理解されよう。
【0015】
各々のHAN/LAN110a〜nは、本発明の代表例の実施形態に従って、1つ以上のネットワーク装置を含むか又はそれと通信することができる。これらのネットワーク装置としては、照明器具、家庭電化製品(例えば、冷蔵庫、ストーブ、オーブン、食器洗い機、洗濯機、衣類乾燥器、コーヒーメーカーなど)、テレビジョン、防犯システム、空調及び/又は暖房装置、家庭用インターネット・モデム及びルーターなどのような1つ以上の家庭用装置を挙げることができる。例えば、需要メーター105aは、HAN/LAN110aを介して1つ以上のネットワーク装置111a〜nと通信することができる。同様に、需要メーター105bは、HAN/LAN110bを介して1つ以上のネットワーク装置112a〜nと通信することができる。また、需要メーター105cは、HAN/LAN110cを介して1つ以上のネットワーク装置113a〜nと通信することができる。同様に、需要メーター105nは、HAN/LAN110nを介して1つ以上のネットワーク装置114a〜nと通信することができる。ネットワーク装置111a〜n,112a〜n,113a〜n,114a〜nの内の1つ以上が、それぞれの需要メーター105a〜nを介して計量対象のコモディティ(例えば、電気、水道、ガスなど)を受け取ることができることが理解されよう。また、ネットワーク装置111a〜n,112a〜n,113a〜n,114a〜nの内の1つ以上がルート選択装置を含むことができることが理解されよう。ルート選択装置は、WAN125のようなワイド・エリア・ネットワーク(WAN)(例えば、インターネット)と通信するためのゲートウェイ装置を含むことができる。例えば、それぞれのHAN/LAN110a〜n内のネットワーク装置111a〜n,112a〜n,113a〜n,114a〜nの内の1つは、それぞれのルート選択装置150a〜nとすることができる。また、各々のスマート需要メーター105a〜nは、本書で述べたものと同様な有線又は無線通信を介して、1つ以上の近隣領域ネットワーク(NAN)115a〜nと更に通信することができる。これらのNAN115a〜nは、1つ以上のゲートウェイ・コンピュータ120a〜nを介して、他のNAN及びワイド・エリア・ネットワーク(WAN)125(例えば、インターネット、セルラー・ネットワーク、衛星利用ネットワークなど)へ更に接続することができる。これらのNAN115a〜n及び/又はWAN125は、需要メーター105a〜n、ユーティリティ・サーバー・コンピュータ130、及び/又はユーティリティ会社に関連した1つ以上の他のコンピュータの間での通信を可能にすることができる。当然のことながら、NAN115及び/又はWAN125は、有線及び/又は無線通信を行うことができ、或いは有線及び/又は無線通信を介してアクセスすることができ、また集合的に相互接続されたネットワークを形成することができる。例えば、需要メーター105a〜nは、ゲートウェイ・コンピュータ120a〜n及び/又はWAN125を介して、ユーティリティ・サーバー・コンピュータ130と通信することができる。当然のことながら、実施形態によっては、WAN125、ゲートウェイ・コンピュータ120a〜n、及びNAN115a〜nは、インターネットのような同じネットワークの一部であってよい。本発明の代表例の実施形態では、需要メーター105a〜nはまた、NAN115a〜nを介在させないで、WAN125又は他のネットワークと通信することもできる。実際に、NAN115a〜n及びWAN125はAMIネットワークを形成することができ、これは、様々なスマート需要メーター105a〜n、ユーティリティ・サーバー・コンピュータ130、及び/又はユーティリティ会社に関連した1つ以上の他のコンピュータを接続する無線網目状ネットワークとすることができる。
【0016】
ネットワーク装置相互の間には、HAN/LAN110a〜nとNAN115a〜nとゲートウェイ・コンピュータ120a〜nとWAN125との様々な組合せを介して多数の異なる通信経路が利用可能になる。例えば、ユーティリティ会社又は別の事業体に関連したユーティリティ・サーバー・コンピュータ130などのコンピュータ/プロセッサは、WAN125とゲートウェイ・コンピュータ120a〜nと他の需要メーター105a〜nとの様々な組合せを含む直接的又は間接的な経路を介して、様々な需要メーター105a〜nと通信することができる。例えば、ユーティリティ・サーバー・コンピュータ130は、WAN125と、ゲートウェイ・コンピュータ120a〜nと、他の需要メーター105a,105c,105nの内の任意の需要メーターとの任意の組合せを用いて、需要メーター105b、HAN/LAN110b、及び/又は該HAN/LAN110bに関連した任意の装置112a〜nと通信することが可能である。当然のことながら、本発明の代表例の実施形態から逸脱することなく、ルート及び代替(迂回)ルートの多数の変形が利用可能である。
【0017】
需要メーター105a〜nは、任意の数の電力線路を含む配電網に接続された電気メーターのような、コモディティ計量及び分配システムに接続された任意の適当な需要メーターであってよい。様々な実施形態において希望されるとおりに、単相メーター又は三相メーターのような多種多様な適当な電気メーターを利用することができる。需要メーター105a〜nは、関連した場所、住居、企業、家庭又は機械に供給される電力量(例えば、キロワット時など)又は電力を測定するように構成することができる。本発明の代替実施形態では、需要メーター105はまた、電気以外のコモディティ(例えば、水道、ガスなど)の計量及び分配に関連させることができる。従って、需要メーター105a〜nは、関連したネットワーク装置111a〜n,112a〜n,113a〜n,114a〜nを含んでいる関連した場所、住居、企業、家庭又は機械へのコモディティを計量して供給又は分配するように構成することができる。
【0018】
実施形態によっては、需要メーター105a〜nは、スマート・メーター、すなわちコモディティ消費量を従来のメーターよりも相対的に一層詳しく識別するように構成された高機能メーターとすることができる。例えば、スマート需要メーター105a〜nは、実時間又は略実時間の測定、コモディティ供給停止の通知、及び/又はコモディティ品質監視を容易にすることができる。更に、要望により、スマート需要メーター105a〜nは、測定データ、計算値及び/又は他の情報を、ユーティリティ会社のユーティリティ・サーバー・コンピュータ130又はスマート・メーター・データ処理システムのような1つ以上の受取者へ伝送することができる。また更に、本書で述べるように、スマート需要メーター105a〜nは、本発明の代表例の実施形態に従って、ネットワーク輻輳を低減するために、関連したネットワーク/通信インターフェースを管理するように構成することができる。
【0019】
要望により、本発明の実施形態は、図1に例示されたものよりも少ない又は多い構成要素を持つシステム100を含むことができる。また、システム100の特定の構成要素は、本発明の様々な実施形態において組み入れたり又は省いたりすることができる。図1のシステム100は、当業者に理解されるように、ほんの一例として示したものである。
【0020】
図2は、本発明の代表例の実施形態に従った、代表例の需要メーター205を示す。図2の需要メーター205は、図1の需要メーター105a〜nのいずれか1つについての具現化例とすることができる。図2に示されているように、代表例の需要メーター205は、需要メーターの動作、並びに/又は顧客の家庭などの場所に対するユーティリティ・サービス及び/又はコモディティ(例えば、電気、水道、ガスなど)の供給を容易にする任意の数の適当なコンピュータ処理要素を含むことができる。需要メーター205に組み入れることのできる適当な処理装置の例としては、限定するものではないが、特定用途向け回路、マイクロコントローラ、ミニコンピュータ、その他の演算装置などが挙げられる。このような場合、需要メーター205は、コンピュータ読取り可能な命令の実行を容易にする任意の数のプロセッサ232を含むことができる。コンピュータ読取り可能な命令を実行することによって、需要メーター205は、ユーティリティ・サービスの提供及び/又は所要の場所へのコモディティの供給を容易にする専用コンピュータ又は特別な機械を含み又は形成することができる。
【0021】
1つ以上のプロセッサ232に加えて、需要メーター205は、1つ以上のメモリ装置234及び/又は1つ以上のネットワーク/通信インターフェース236を含むことができる。1つ以上のメモリ装置234又はメモリは、任意の適当なメモリ装置、例えば、キャッシュ、読取り専用メモリ装置、ランダム・アクセス・メモリ装置、磁気記憶装置などを含むことができる。1つ以上のメモリ装置234は、需要メーター205によって利用されるデータ、実行可能な命令及び/又は様々なプログラム・モジュール、例えば、データ・ファイル238、オペレーティング・システム(OS)240、計量モジュール242、及び/又はネットワーク監視モジュール243を格納することができる。データ・ファイル238は、例えば、需要メーター205の動作に関連した記憶されたデータ、需要メーター205によって取得された測定値及び/又は読取り値に関連した記憶されたデータ、需要メーター構成設定情報、記憶されたメッセージ及び/又は警報、並びに/又は記憶されたコモディティ管理、使用及び/又は分配データを含むことができる。データ・ファイル238はまた、本書で述べるように、ネットワーク輻輳を低減し又はネットワーク性能を改善する処理を支援するために、1つ以上のネットワーク/通信インターフェース236に関連したネットワーク状態に関する情報を提供する。
【0022】
OS240は、需要メーター205の一般的な動作を容易にし及び/又は制御する実行可能な命令及び/又はプログラム・モジュールを含むことができる。例えば、OS240は、プロセッサ232による他のソフトウエア・プログラム及び/又はプログラム・モジュールの実行を容易にすることができる。計量モジュール242は、関連したネットワーク装置111a〜n,112a〜n,113a〜n,114a〜nを含んでいる関連した場所、住居、企業、家庭又は機械へのコモディティの使用量又は分配を決定して、それらを(大抵はデータ・ファイル238又は他のデータ記憶域の中に)記録させるように構成することができる。センサ245は、本発明の代表例の実施形態に従って、コモディティの使用量又は分配を測定し、検知し、又は決定するために計量モジュール242によって利用することができる。ネットワーク監視モジュール243は、ネットワーク輻輳及び/又はネットワーク性能を判定するように構成することができ、また更に、本書で述べるように、ネットワーク輻輳を低減し又はネットワーク性能を改善するために利用するため、複数のネットワーク/通信インターフェースの内の1つを選択するように構成することができる。
【0023】
需要メーター205に関連した複数のネットワーク/通信インターフェース236は、少なくとも第1のインターフェース及び第2のインターフェースを含むことができる。例えば、第1のインターフェースはNANインターフェース又は他のAMIネットワーク・インターフェースとすることができ、他方、第2のインターフェースはHAN/LANインターフェース(又はこの代わりに、セルラー・インターフェース、衛星インターフェース、電力線搬送(PLC)通信インターフェースなど)とすることができる。この例では、NANインターフェースは、図1のNAN115a〜nのような1つ以上のNANと通信又は接続するために、大抵はユーティリティ・サーバー・コンピュータ130又は別の所望のネットワーク宛先(例えば、別の需要メーター105a〜n)と通信するために使用することができる。他方、HAN/LANインターフェースは、図1のHAN/LAN110a〜nのような1つ以上のHAN/LANと通信又は接続するために使用することができる。1つ以上のHAN/LAN110a〜nは、インターネット・ルーター又は他のネットワーク・ルーターのようなネットワーク装置を含むことができるので、HAN/LANインターフェースは、インターネット、WAN、又は別のネットワークを介してユーティリティ・サーバー・コンピュータ130又は別の所望のネットワーク宛先(例えば、別の需要メーター105a〜n)へ情報を通信するために、これらのインターネット・ルーター又は他のネットワーク・ルーターにアクセスすることができる。
【0024】
これに関連して、需要メーター205は、ネットワーク/通信インターフェース236によって提供される様々なルートに従って、システム100の他の構成要素からデータを受け取り及び/又はそれらへデータを伝送することができる。HAN/LANインターフェース及び/又はNANインターフェースを含む複数のネットワーク・インターフェース236は、有線インターフェース(例えば、電力線搬送通信、シリアル通信リンク、USB、イーサーネット、光ファイバーなど)及び/又は無線インターフェース(例えば、Zigbee、GSM、ワイファイ、ワイマックス、ブルートゥース、GPRS、セルラー通信、3G、4G、802.11x、RF網目状通信など)を介して通信するための1つ以上のネットワーク・カード、アダプタ又はトランシーバ237として具現化することができる。当然のことながら、1つ以上のネットワーク/通信インターフェース236はまた、本発明の代表例の実施形態から逸脱することなく、図1のWAN125を含む1つ以上の他のネットワーク装置又はネットワークと通信又は接続するために利用することもできる。
【0025】
需要メーター205は、典型的には、接続されたコモディティ・ライン、分配網及び/又は供給源からコモディティを受け取り、また同様に、関連したネットワーク装置111a〜n,112a〜n,113a〜n,114a〜nを含んでいる関連した場所、住居、企業、家庭又は機械へのコモディティを計量して分配することができる。更に、実施形態によっては要望により、需要メーター205は任意の数の適当な電源244を含むことができ、これらの電源244は、電力線電源及び太陽電池を含むと共に、1つ以上の蓄電池、燃料電池又は1つ以上のスーパーコンデンサのようなバックアップ電源装置を含むことができる。
【0026】
図3は、本発明の代表例の実施形態に従った、スマート需要メーター・システムにおけるネットワーク輻輳を低減するための代表例の方法300を示す流れ図である。実施形態によっては、方法300の動作は図2の代表例の需要メーター205によって遂行することができる。例えば、方法300の動作は、本発明の代表例の実施形態によれば、データ・ファイル238に記憶されたコンピュータ実行可能な命令として具現化し、且つネットワーク監視モジュール243によって実行することができる。図2の代表例の需要メーター205は図1の需要メーター105a〜nの内のいずれかを表しているので、図3の方法300の動作は、同様に、需要メーター105a〜nの内のいずれかによって遂行することができることが理解されよう。
【0027】
例示のために、図3の方法300は、図4の代表例の需要メーター構成に関連させて説明する。詳しく述べると、図4は、図1の需要メーター105bのような代表例の需要メーターに関連する代表例のデータの流れを示す。需要メーター105bは少なくとも2つのネットワーク/通信インターフェースを持つことができる。第1のネットワーク/通信インターフェースは、需要メーター105bがNAN115a及び/又はNAN115bと通信し又はアクセスすることを可能にし、これらのNANは、通信のために(他の需要メーター、ゲートウェイ構成要素120a,120b、WAN125、及びユーティリティ・サーバー・コンピュータ130を含む)様々なネットワーク構成要素及び装置と直接的又は間接的に接続することができる。他方、第2のネットワーク/通信インターフェースは、需要メーター105bがHAN/LAN110b及び(ネットワーク装置112a〜nの内の1つ以上を含む)関連した装置にアクセスすることを可能にすることができる。1つ以上のネットワーク装置112a〜nが顧客家庭の中に又は近くに又は周りに配置されているとき、該装置は家庭用装置と呼ぶことができる。これらのネットワーク装置112a〜nには、照明器具、家庭電化製品(例えば、冷蔵庫、ストーブ、オーブン、食器洗い機、洗濯機、衣類乾燥器、コーヒーメーカーなど)、テレビジョン、防犯システム、空調及び/又は暖房装置、家庭用インターネット・モデム及びルーターなどを含むことができる。当然のことながら、本発明の代表例の実施形態から逸脱せずに、ネットワーク装置112a〜nは顧客家庭又は場所の外側に配置することもできる。本発明の代表例の実施形態によれば、ネットワーク装置112a〜nの内の1つはルート選択装置410を含むことができ、ルート選択装置410は、インターネットのようなWAN125へ、直接に、或いは1つ以上のゲートウェイ・コンピュータ405又は他の中間コンピュータを介して、アクセスすることができる。例えば、ルート選択装置410は、顧客が家庭用又は他のコンピュータを介してインターネットにアクセスするのを可能にするケーブル又はDSLモデムとすることができる。本発明の代表例の実施形態では、ルート選択装置410は、顧客、インターネット・サービス・プロバイダ、又は別のネットワーク搬送プロバイダによって所有することができるが、ルート選択装置410はまたユーティリティ会社によって所有又は提供されるものとすることもできる。
【0028】
次に図3及び図4について説明すると、ブロック305において、需要メーター105bが、パケット、フレーム又は他の情報を受け取り又は発生することができる。パケット、フレーム又は他の情報は、需要メーター105bを介して直接アクセス可能である宛先(例えば、HAN/LAN110b内の装置112a〜n又はルート選択装置410)へ供給又は伝送するためのものであってよい。さもなければ、パケット、フレーム又は他の情報は、ユーティリティ・サーバー・コンピュータ130又は別の所望のネットワーク宛先へ伝送又は再伝送するためのものであってよい。例えば、パケット、フレーム又は他の情報は、需要メーター105bによって別の需要メーターから受け取った後、ユーティリティ・サーバー・コンピュータ130又は別のネットワーク宛先へ再伝送することができる。この代わりに、パケット、フレーム又は他の情報は、需要メーター105bによって発生し又は取得して、ユーティリティ・サーバー・コンピュータ130又は別のネットワーク宛先へ供給又は伝送することができる。例えば、パケット、フレーム又は他の情報は、ユーティリティ・サーバー・コンピュータ130又は別のネットワーク宛先へ供給するためのコモディティ消費量データ又は他の需要メーター(105b)構成設定情報を有することができる。多様なパケット、フレーム又は他の情報が、本発明の代表例の実施形態から逸脱せずに利用可能である。
【0029】
ブロック305の後にブロック310が続く。ブロック310において、需要メーター105bは、パケット、フレーム又は他の情報の宛先が需要メーター105bについての局所的宛先であるかどうか判定することができる。例えば、ブロック310では、宛先が需要メーター105bに関連したHAN/LAN110b内の装置であるかどうか判定することができる。宛先が局所的宛先であるかどうか判定するために、ブロック310では、パケット、フレーム又は他の情報に関連した宛先アドレス(例えば、IPアドレス、MACアドレス、又は他のネットワーク・アドレス)が、HAN/LAN110b内のネットワーク装置112a〜nのような局所的装置を指示しているかどうか判定することができる。
【0030】
ブロック310で、パケット、フレーム又は他の情報の宛先が(例えば、HAN/LAN110b内の)局所的宛先であると決定された場合、処理はブロック315へ進むことができる。ブロック315において、需要メーター105bは、局所的宛先装置と通信するためのそのネットワーク/通信インターフェースを介して、パケット、フレーム又は他の情報を供給又は伝送することができる。例えば、需要メーター105bは、HAN/LAN110b内のネットワーク装置112a〜nの内の適切な1つへ、パケット、フレーム又は他の情報を供給又は伝送することができる。
【0031】
他方、ブロック310で、パケット、フレーム又は他の情報の宛先が局所的宛先でないと決定されることがある。例えば、宛先が、ユーティリティ・サーバー・コンピュータ130、別の需要メーター、又は更に別のネットワーク宛先であることがある。この場合、処理はブロック320へ進むことができる。ブロック320において、需要メーター105bは、パケット、フレーム又は他の情報を供給するために利用される第1のネットワーク及び/又はネットワーク/通信インターフェースが、利用可能であるか、輻輳していないか、或いは正常に又は最適に動作しているかどうか判定することができる。そうするために、需要メーター105bは、(大抵はそのメモリ又はデータ・ファイルに記憶された)以前の伝送履歴に関連した再伝送、損失、通信時間又は回数、誤り率などについてのテーブル又は記録に、特定の第1のネットワーク及び/又はネットワーク/通信インターフェースを介してアクセスすることができる。例えば、特定の数のパケット再伝送又は損失又は高誤り率により、NANネットワーク又はインターフェースのような特定の第1のネットワーク及び/又はネットワーク/通信インターフェースが、利用可能でないこと、輻輳していること、或いは正常に又は最適に動作していないことを表わすことができる。
【0032】
ブロック320で、パケット、フレーム又は他の情報をその宛先へ供給するために通常利用される第1のネットワーク及び/又はネットワーク/通信インターフェースが、利用可能である、又は輻輳していない、或いは正常に又は最適に動作していると決定された場合、処理はブロック325へ進むことができる。ブロック325において、需要メーター105bは、本発明の代表例の実施形態に従って、第1のネットワーク通信インターフェースを選択し、次いで第1のネットワーク/通信ネットワーク・インターフェース(これは、NANインターフェースとすることができる)を介して、パケット、フレーム又は他の情報を供給することができる。従って、ユーティリティ・サーバー・コンピュータ130(又は別のネットワーク宛先)は、NAN115bと、ゲートウェイ・コンピュータ120a又は他のゲートウェイ・コンピュータと、WAN125との任意の組合せを介して、伝送されたパケット、フレーム又は他の情報を受け取ることができる。
【0033】
他方、ブロック320で、パケット、フレーム又は他の情報をその宛先へ供給するために通常利用されている第1のネットワーク及び/又はネットワーク/通信インターフェースが、利用不可能である、又は輻輳している、或いは正常に又は最適に動作していないと決定された場合、処理はブロック330へ進むことができる。ブロック330において、需要メーター105bは、パケット、フレーム又は他の情報の宛先への代替のルートが、代替の又は第2のネットワーク又はネットワーク/通信インターフェースを介して利用可能であるかどうか判定することができる。例えば、ブロック330で、HAN/LAN110bが、パケット、フレーム又は他の情報の所望の宛先、或いは該宛先に関連したネットワーク(例えば、インターネット)に、直接的に又は間接的に、達することのできるルート選択装置410を含んでいるかどうか判定することができる。
【0034】
ブロック330で、パケット、フレーム又は他の情報の宛先への代替のルートが、代替のネットワーク又はネットワーク/通信インターフェースを介して利用可能であると決定された場合、処理はブロック335へ進むことができる。ブロック335において、需要メーター105bは、代替の又は第2のネットワーク又はネットワーク/通信インターフェースを選択し、次いで、HAN/LAN110bと通信するために用いられたもののような代替の又は第2のネットワーク/通信インターフェースを介して、パケット、フレーム又は他の情報を供給又は伝送することができる。一例として、パケット、フレーム又は他の情報は、代替の又は第2のネットワーク/通信インターフェースを介して、HAN/LAN110b内のルート選択装置410へ供給又は伝送することができる。次いで、ルート選択装置410は、最終的な宛先へ、或いは最終的な宛先へのルート中の別の装置、ネットワーク又はコンピュータへ、受け取ったパケット、フレーム又は他の情報を再伝送することができる。例えば、ルート選択装置410は、本発明の代表例の実施形態から逸脱せずに、WAN125とゲートウェイ405と他の中間のコンピュータとの1つ以上の組合せを介して、ユーティリティ・サーバー・コンピュータ130へ、受け取ったパケット、フレーム又は他の情報を供給することができる。
【0035】
他方、ブロック330で、パケット、フレーム又は他の情報の宛先へのどんな代替のルートも、代替のネットワーク又はネットワーク/通信インターフェースを介して利用可能ではないと決定されることがある。この場合、処理はブロック320へ戻ることができ、そこで、パケット、フレーム又は他の情報は、通常用いられるネットワーク/通信インターフェースが正常に動作している(例えば、利用可能であるとき、輻輳していないとき、などの)その後の時間に供給することができる。
【0036】
図5は、図1の需要メーター105bのような代表例の需要メーターに関連する別のデータの流れを示す。図5もまた、図3の方法300に関連させて説明する。ここで図3及び図5について考察すると、ブロック305において、需要メーター105bは、NAN515a(例えば、900MHz又はその他の無線ネットワーク)からそのネットワーク通信インターフェース515aを介して、パケット、フレーム又は他の情報を受け取ることができる。しかしながら、ブロック310で、パケット、フレーム又は他の情報は、需要メーター105bに関連したLAN/HAN110bを宛先とするものではないとの決定がなされる。むしろ、パケット、フレーム又は他の情報は、需要メーター105cへ供給するもの、或いは需要メーター105c及び/又はLAN/HAN110cを介してアクセス可能であるネットワーク装置113a〜nへ供給するものとして指定することができる。この場合、処理はブロック310からブロック320へ進むことができる。ブロック320では、パケット、フレーム又は他の情報を、需要メーター105cへ、或いは需要メーター105c及び/又はLAN/HAN110cを介してアクセス可能であるネットワーク装置113a〜nへ供給するために利用されるネットワーク及び/又はネットワーク/通信インターフェースが、利用可能であるかどうか判定することができる。ブロック320で、適切なネットワーク及び/又はネットワーク/通信インターフェースが、利用可能である、又は輻輳していない、或いはそれ以外に利用可能であると決定された場合、処理はブロック325へ進むことができる。ブロック325において、需要メーター105bは、ネットワーク/通信ネットワーク・インターフェースを介してNAN515b(例えば、PLC又は有線NAN)へ、パケット、フレーム又は他の情報を供給することができる。従って、需要メーター105cは、伝送されたパケット、フレーム又は他の情報を受け取ることができ、それらは次いで需要メーター105cによってHAN/LAN110c(例えば、Zigbee又は他の無線ネットワーク)内のネットワーク装置113a〜nの内の1つへ供給することができる。当然のことながら、宛先のネットワーク装置113a〜nはルート選択装置とすることができ、そのルート選択装置はWAN125のようなWANへ情報を供給することができる。他方、ブロック320で、適切なネットワーク及び/又はネットワーク/通信インターフェースが、利用可能でない、又は輻輳している、或いはそれ以外に利用可能であると決定されることがあり、その場合、処理はブロック330へ進むことができる。ブロック330で、需要メーター105c又はネットワーク装置113a〜nへの代替のルートが、例えば、別のネットワーク又はネットワーク/通信インターフェースを介して、利用可能であるかどうか判定することができる。利用可能である場合、処理はブロック335へ進むことができる。一例として、ブロック335において、パケット、フレーム又は他の情報は、代替のネットワーク/通信インターフェースを介してHAN/LAN110b内のルート選択装置(例えば、装置410)へ供給することができ、その後、需要メーター105c又はネットワーク装置113a〜nへ供給することができる。
【0037】
図6は、図1の需要メーター105aのような代表例の需要メーターに関連する別のデータの流れを示す。図6において、ユーティリティ・サーバー・コンピュータ130が、パケット、フレーム又は他の情報を装置111aへ伝送することを必要とすることがある。そうするため、ユーティリティ・サーバー・コンピュータ130は、次の代表例のルート、すなわち、WAN125→ゲートウェイ・コンピュータ120a→NAN115a→→需要メーター(A)105→装置111aのルートを介して、パケット、フレーム又は他の情報を装置111aへ供給することができる。同様に、装置111aが、(例えば、パケット、フレーム又は他の情報の形態で)応答をユーティリティ・サーバー・コンピュータ130へ伝送することを必要とすることがある。しかしながら、装置111aは、(大抵は、NAN115a又はゲートウェイ・コンピュータ120aのようなネットワーク又はネットワーク構成要素が輻輳し又は利用不可能であることにより)ユーティリティ・サーバー・コンピュータ130によって使用された以前のルートを使用することができないことがある。これに対応して、装置111aは、次の代表例の代替のルート、すなわち、ルート選択装置150a→WAN125→ユーティリティ・サーバー・コンピュータ130のルートを介して、応答を供給することができる。当然のことながら、代表例のルート又は代替のルートの多様な変形が、本発明の代表例の実施形態から逸脱せずに利用可能である。例えば、ゲートウェイ・コンピュータ120b〜nの内の1つ以上をゲートウェイ・コンピュータ120aの代わりに用いることができる。同様に、NAN115b〜nの内の1つ以上をNAN115aの代わりに用いることができる。
【0038】
図7は、図1の需要メーター105a,105bのような代表例の複数の需要メーターに関連する別のデータの流れを示す。図7において、ユーティリティ・サーバー・コンピュータ130が、パケット、フレーム又は他の情報を需要メーター105bへ伝送することを必要とすることがある。しかしながら、需要メーター105は、ゲートウェイ・コンピュータ120a〜nの内のいずれを介してもアクセスできないことがある。この場合、パケット、フレーム又は他の情報は、HAN/LAN110a内のルート選択装置150aとHAN/LAN110b内のルート選択装置150bとを活用する代替のルートを介して、ユーティリティ・サーバー・コンピュータ130によって供給することができる。例えば、パケット、フレーム又は他の情報は、次の代表例の代替のルート、すなわち、WAN125→ゲートウェイ・コンピュータ120a→NAN115a→需要メーター105a→ルート選択装置150a→WAN125→ルート選択装置150b→105bのルートを介して、ユーティリティ・サーバー・コンピュータ130によって供給することができる。従って、本発明の代表例の実施形態によっては、需要メーター105a〜n及びHAN/LAN110a〜nは、本発明の代表例の実施形態に従って、ルート選択及び再伝送機能を設けることによって、ルート選択装置150a〜nを含む他のネットワーク装置と通信することができる。当然のことながら、代表例の代替のルートの多数の変形が、本発明の代表例の実施形態から逸脱せずに利用可能である。
【0039】
当然のことながら、本書で述べた代表例のルート又は代替のルートを介して伝送されるパケット、フレーム又は情報は、1つ以上のパケット、フレーム又は情報に分離することのできる多様な種類のデータを含むことができる。一例として、このような種類のデータには、メーター読取り値、メーター又はネットワーク・インターフェースについての構成設定情報、(例えば、需要に基づいて特定の装置をターンオン又はターンオフするための)需要応答プログラム、並びに/又は表示のためのメッセージを含むことができる。代表例のデータの多数の変形が、本発明の代表例の実施形態から逸脱せずに利用可能である。
【0040】
当然のことながら、図3図7の多数の変形が、本発明の代表例の実施形態から逸脱せずに利用可能である。しかしながら、一般的に云えば、需要メーターは、それぞれのネットワークにアクセスするための少なくとも2つのネットワーク/通信インターフェースを持つことができる。一般的に云えば、需要メーター及びその関連したHAN/LAN装置の外部の通信は、その一次外部ネットワーク/通信インターフェースを介して行うことができる。一次外部ネットワーク/通信インターフェースが輻輳しているか又は利用不可能であるとき、需要メーターは、代替のルートが1つ以上の代替のネットワーク/通信インターフェースを介して利用可能であるかどうか決定することができる。一例として、一次及び代替のネットワーク/通信インターフェースは、それぞれの無線及び有線ネットワークに接続された無線及び有線通信インターフェースの様々な組合せとすることができる。実際に、これらの無線及び有線ネットワークは、様々なNAN、HAN/LAN、WAN及び他のネットワークとすることができる。従って、一次ネットワーク/通信インターフェースが輻輳しているか又は利用不可能であるとき、代替のルートは別のネットワーク/通信インターフェースを介して得ることができる。例えば、一次ネットワーク/通信インターフェースは第1のネットワーク(例えば、HAN/LAN、NAN、又はWAN)に接続することができ、他方、代替のネットワーク/通信インターフェースは第2のネットワーク(例えば、HAN/LAN、NAN、又はWAN)に接続することができる。従って、様々な経路又はルートが、本発明の代表例の実施形態に従って、一次ネットワーク/通信インターフェース又は代替のネットワーク/通信インターフェースのいずれかを介して、第1又は第2のネットワーク内の又は該ネットワークを介してアクセス可能である様々なネットワーク装置に対して利用可能になる。
【0041】
以上、本発明の代表例の実施形態に従った、システム、方法、機器及び/又はコンピュータ・プログラム製品のブロック図及び流れ図を参照して本発明を説明した。当然のことながら、ブロック図及び流れ図の中の1つ以上のブロック、及びブロック図及び流れ図の中のブロックの組合せは、それぞれ、コンピュータ実行可能なプログラム命令によって具現化することができる。同様に、本発明の実施形態によっては、ブロック図及び流れ図の中の幾分かのブロックは、必ずしも表示された順序で遂行する必要がないことがあり、或いは、必ずしも全て遂行する必要がないことがある。
【0042】
これらのコンピュータ実行可能なプログラム命令は、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、プロセッサ、又は特定の機械を生成する他のプログラム可能なデータ処理装置にロードすることにより、コンピュータ、プロセッサ、又は他のプログラム可能なデータ処理装置で実行される命令が、流れ図の1つのブロック又は複数のブロックを具現化するための手段を生成するようにすることができる。これらのコンピュータ・プログラム命令はまた、コンピュータ読取り可能なメモリに記憶させて、特定の態様で機能するようにコンピュータ又は他のプログラム可能なデータ処理装置に命令できることにより、コンピュータ読取り可能なメモリに記憶された命令が、命令手段を含む製品を生成するようにすることができる。一例として、本発明の実施形態は、コンピュータ読取り可能なプログラム・コード又はプログラム命令を具現化したコンピュータ使用可能な媒体を有するコンピュータ・プログラム製品を提供することができ、前記コンピュータ読取り可能なプログラム・コードは、流れ図の1つ又は複数のブロックに指定された1つ以上の機能を具現化するために実行されるように構成される。コンピュータ・プログラム命令はまた、コンピュータ具現化プロセスを生成するように一連の動作要素又は段階をコンピュータ又は他のプログラム可能な装置で遂行させるために、コンピュータ又は他のプログラム可能なデータ処理装置にロードすることにより、コンピュータ又は他のプログラム可能な装置で実行される命令が、流れ図の1つ又は複数のブロックに指定された1つ以上の機能を具現化するための要素又はステップ(段階)を提供するようにすることができる。
【0043】
従って、ブロック図及び流れ図の中のブロックから、指定された機能を遂行するための手段の組合せ、指定された機能を遂行するための要素又は段階の組合せ、及び指定された機能を遂行するためのプログラム命令手段が考えられる。また当然のことながら、ブロック図及び流れ図の中の各ブロック、並びにブロック図及び流れ図の中のブロックの組合せは、指定された機能、要素又は段階、或いは専用ハードウエア及びコンピュータ命令の組合せを遂行する専用のハードウエア・ベースのコンピュータ・システムによって遂行することができる。
【0044】
本発明について最も実用的で様々な実施形態であると現在考えられるものに関して説明したが、本発明が開示した実施形態に制限されず、対照的に本発明が「特許請求の範囲」に記載の精神及び範囲内に含まれる様々な修正及び等価な構成を包含するものであることを理解されたい。
【0045】
本明細書は、最良の実施形態を含めて、本発明を開示するために、また当業者が任意の装置又はシステムを作成し使用し、任意の採用した方法を遂行すること含めて、本発明を実施するために、様々な例を使用した。本発明の特許可能な範囲は「特許請求の範囲」の記載に定めており、また当業者に考えられる他の例を含み得る。このような他の例は、それらが特許請求の範囲の文字通りの記載から差異のない構造的要素を持つ場合、或いはそれらが「特許請求の範囲」の文字通りの記載から実質的に差異のない等価な構造的要素を含む場合、特許請求の範囲内にあるものとする。
【符号の説明】
【0046】
100 需要メータ・システム
111a〜n ネットワーク装置
112a〜n ネットワーク装置
113a〜n ネットワーク装置
114a〜n ネットワーク装置
120a ゲートウェイ・コンピュータ
120b ゲートウェイ・コンピュータ
120n ゲートウェイ・コンピュータ
125 WAN
300 ネットワーク輻輳を低減するための方法
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7