特許第6018813号(P6018813)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6018813
(24)【登録日】2016年10月7日
(45)【発行日】2016年11月2日
(54)【発明の名称】運搬容器
(51)【国際特許分類】
   B65D 81/18 20060101AFI20161020BHJP
   B65D 25/10 20060101ALI20161020BHJP
   B65D 25/20 20060101ALI20161020BHJP
【FI】
   B65D81/18 B
   B65D81/18 F
   B65D25/10
   B65D25/20 L
   B65D25/20 M
【請求項の数】4
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2012-138077(P2012-138077)
(22)【出願日】2012年6月19日
(65)【公開番号】特開2014-993(P2014-993A)
(43)【公開日】2014年1月9日
【審査請求日】2015年4月16日
(73)【特許権者】
【識別番号】591135794
【氏名又は名称】高島株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100159651
【弁理士】
【氏名又は名称】高倉 成男
(74)【代理人】
【識別番号】100088683
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100109830
【弁理士】
【氏名又は名称】福原 淑弘
(74)【代理人】
【識別番号】100075672
【弁理士】
【氏名又は名称】峰 隆司
(74)【代理人】
【識別番号】100095441
【弁理士】
【氏名又は名称】白根 俊郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100119976
【弁理士】
【氏名又は名称】幸長 保次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100140176
【弁理士】
【氏名又は名称】砂川 克
(74)【代理人】
【識別番号】100158805
【弁理士】
【氏名又は名称】井関 守三
(74)【代理人】
【識別番号】100124394
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 立志
(74)【代理人】
【識別番号】100112807
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 貴志
(74)【代理人】
【識別番号】100111073
【弁理士】
【氏名又は名称】堀内 美保子
(74)【代理人】
【識別番号】100134290
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 将訓
(72)【発明者】
【氏名】榎木 治朗
【審査官】 西堀 宏之
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−118972(JP,A)
【文献】 特開2011−006099(JP,A)
【文献】 特開2012−051608(JP,A)
【文献】 特開2010−163207(JP,A)
【文献】 特開2006−232331(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 81/18
B65D 23/00−25/56
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被運搬物を収容する運搬容器であって、
箱状に構成された外装部と、
前記外装部の内部空間において互いに組付けられる複数の内装部を備える内装構造部と、を備え、
前記内装構造部は、外装部の底部上に配される底壁、前記底壁上に保温・保冷材が収容可能に構成された保温・保冷材収容部を介して配される底板、前記外装部との間に保温・保冷材収容部を形成して配される側壁、を有するロア内装部と、
内部に前記保温・保冷材収容部を形成するとともに前記ロア内装部に組付け可能に構成されたアッパ内装部と、を備え、
前記外装部の内部空間において前記アッパ内装部が前記ロア内装部に組み付けられた状態で、前記底板と前記アッパ内装部との間に被運搬物が収容される被運搬物収容部が形成され、前記底板と前記外装部の間、前記側壁と前記外装部との間、及び前記アッパ内装部の内部に、保温材または保冷材が配置される保温・保冷材収容部がそれぞれ形成される、運搬容器。
【請求項2】
前記側壁として、保冷材収容部を形成して配され第1方向に対向する一対の第1の側壁、及び前記底壁の周縁から立設され第1方向と直交する第2方向に対向するとともに計器を設置可能な計器収容部が形成された第2の側壁を備え、
前記アッパ内装部は、側壁、上壁、及び前記上壁との間に保温・保冷材収容部を介して前記上壁の下方に配される天板、を有し、
前記底板及び前記天板は、前記被運搬物収容部と前記保温・保冷材収容部とを仕切るとともに、通気可能に構成され、前記被運搬物収容部と複数の前記保温・保冷材収容部とが連通され、
前記外装部の内部空間において前記アッパ内装部が前記ロア内装部に組み付けられた状態で、被運搬物収容部の前記第2方向における両側部に温度管理用の計器が設置される計器収容部が形成される、請求項1記載の運搬容器。
【請求項3】
前記アッパ内装部の前記上壁には、回動により前記保温・保冷材収容部を開閉可能な回動片が形成され、
前記アッパ内装部の側壁は、前記ロア内装部の第1の側壁及び第2の側壁に組付け可能に構成され、
前記外装部を開け、前記アッパ内装部を前記ロア内装部から外すことで、被運搬物収容部が開放される、請求項2記載の運搬容器。
【請求項4】
複数の前記内装部は発泡樹脂材で構成され、
前記内装構造部の外側端部と前記外装部の内面とが対向する間隙が10mm以内に寸法設定されたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の運搬容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、温度管理下で被運搬物を運搬する運搬容器に関する。
【背景技術】
【0002】
医薬品や細胞・血液・臓器等の検体や生鮮食品等のように温度管理が必要な被運搬物を搬送する容器として、各種の保温・保冷容器が知られている。このような保温保冷容器では、断熱ケース内に被運搬物と保温材・保冷材を収容し、目的地まで一定の温度範囲を保ったままで輸送する。通常、出発地において断熱容器内の底部の中央部分に被運搬物を配置し、その被運搬物の周囲に保温材・保冷材を詰める収容作業を行っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−59067号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述の運搬容器では、被運搬物に加えて保温・保冷材を詰める収容作業が煩雑であり、また運搬中の保温材・保冷材や被運搬物を適正な位置に維持することが困難である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一実施形態にかかる運搬容器は、被運搬物を収容する運搬容器であって、箱状に構成された外装部と、前記外装部の内部空間において互いに組付けられる複数の内装部を備える内装構造部と、を備え、前記内装構造部は、外装部の底部上に配される底壁、前記底壁上に保温・保冷材が収容可能に構成された保温・保冷材収容部を介して配される底板、前記外装部との間に保温・保冷材収容部を形成して配される側壁、を有するロア内装部と、
内部に前記保温・保冷材収容部を形成するとともに前記ロア内装部に組付け可能に構成されたアッパ内装部と、を備え、前記外装部の内部空間において前記アッパ内装部が前記ロア内装部に組み付けられた状態で、前記底板と前記アッパ内装部との間に被運搬物が収容される被運搬物収容部が形成され、前記底板と前記外装部の間、前記側壁と前記外装部との間、及び前記アッパ内装部の内部に、保温材または保冷材が配置される保温・保冷材収容部がそれぞれ形成される
【発明の効果】
【0006】
実施形態に係る運搬容器によれば、収容作業が容易であり、また運搬中の保温材・保冷材や被運搬物を適正な位置に維持することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】第1実施形態にかかる運搬容器の分解構造を示す説明図。
図2】同運搬容器の外観斜視図。
図3】同運搬容器の内部構造を示す断面図。
図4】同運搬容器の内部構造を示す断面図。
図5】同運搬容器のロア内装部の構成を示す斜視図。
図6】同運搬容器のアッパ内装部の構成を示す斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
[第1実施形態]
以下第1実施形態にかかる運搬容器について、図1乃至図6を参照して説明する。図中矢印X,Y,Zは互いに直交する三方向をそれぞれ示している。各図においては適宜構成を拡大、縮小、または省略して概略的に示す。
【0009】
本実施形態では、被運搬物Pとして癌細胞等の検体を保持した検体ケースを保冷状態で運搬する運搬容器1について説明する。図1は本実施形態にかかる運搬容器1の構造を示す分解斜視図であり、図2は運搬容器1の外観斜視図、図3及び図4は断面図である。
【0010】
運搬容器1は、被運搬物Pを収容する容器であって、開閉可能な箱状の外装部10と、内装部としてのロア内装部20及びアッパ内装部30を組み付けて構成される内装構造部Mと、を備えて構成されている。
【0011】
外装部10はいわゆる保冷バッグであって、上面開口の箱形状に構成されたケース体11と、ケース体11の上面開口を開閉可能に塞ぐカバー12と、を一体に備えて例えば直方体状の筐体を構成し、内装構造部Mを収納可能な内部空間S1を形成する。
【0012】
ケース体11は底壁13と底壁13の前後左右の周縁で立設する側壁14とを一体に備え、底壁13及び側壁14は内側に所定厚の板状の発泡系の断熱材Bを一体に有して構成されている。ケース体11の前面にはロック機構15を構成する受け部15aが設けられている。側壁14には運搬用のバンド17が設けられている。
【0013】
カバー12はケース体11の矩形の開口に対応する矩形の上壁16と、上壁16の前縁及び左右側縁にそれぞれ連続して設けられた被覆片16a〜16cと、を一体に備えて構成される。上壁16の内側面には所定厚の板状の発泡系の断熱材Bが一体に設けられている。カバー12はケース体11の後縁部に搖動可能に連結され、開閉動作可能になっている。カバー12の前側の被覆片16bには受け部15aに係合してロック機構15を構成するロック体15bが設けられている。
【0014】
内装構造部Mは、外装部10の内部空間S1内に配され、被運搬物Pの底部側を支持するロア内装部20と、被運搬物Pの上方を覆うアッパ内装部30と、が組み付けられて構成されている。内装構造部Mは組み付け状態で内部に被運搬物Pを収容する運搬物収容部S2を形成する。運搬物収容部S2は運搬の対象物に対応する寸法及び形状に設定され、ここでは被運搬物Pとしての検体ケースよりわずかに大きい直方体状の空間を構成している。
【0015】
図5に示されるロア内装部20は、発泡樹脂材で上面開口の箱状に構成されたロアフレーム21と、ロアフレーム21の内側の所定位置に係合支持される底板22と、が一体に組み付けられて構成される。
【0016】
ロアフレーム21は、外装部10の底壁13上に配される底壁23と、底壁23の周縁で上方に立設される側壁24と、を一体に有している。
【0017】
側壁24は、X方向に対向する一対の第1側壁25、25と、Y方向に対応する一対の第2側壁26,26と、を有し、運搬物収容部S2の前後左右を囲む矩形の枠状に構成されている。
【0018】
一対の第1側壁25と一対の第2側壁26の、底壁より上の所定位置には、底板22の周縁が挿入される底板係合部としての係合スリット25a,26aがそれぞれ形成されている。
【0019】
第1側壁25はX方向の外面が外装部10の側壁の内面よりも所定寸法内側に退避して配されている。この第1側壁25と外装部10の内面との間に保冷材Tが配置される保冷材収容部S3が形成される。保冷材収容部S3は、保冷材Tを配置可能な形状に構成されている。ここでは、所定厚の矩形の板状の保冷材Tを挿入可能な直方体状の隙間で形成されている。
【0020】
一対の第2側壁26は、上側かつ外側の一部がそれぞれ凹み形成され、温度管理用のデータロガーL(計器)を設置可能な計器保持部26b(計器収容部)が形成されている。データロガーLは、例えば温度等の各種データを計測・保存する計器である。計器保持部26bは設置されるデータロガーLの形状やサイズに応じた形状の凹部であって、本実施形態では矩形状に構成されている。
【0021】
第1側壁25及び第2側壁26の上縁には切欠きが形成され、組み付け状態において側壁24の上縁と側壁34の下縁との間に開口が形成される。この開口を通じて、保冷材収容部S3や計器保持部26bと運搬物収容部S2とが連通している。
【0022】
底板22は合成樹脂製の板材であって、ロアフレーム21のZ方向の中途位置に配され、箱形状内部を上下に仕切る機能を有する。この底板22の上側に運搬物収容部S2が形成され、底板22の下側であって底壁23との間に保冷材Tを収容する保冷材収容部S4が形成される。
【0023】
底板22は運搬物収容部S2に対応する形状の主部を有し、前後左右縁にはそれぞれ外方に突出する複数の係合突起22aが形成されている。係合突起22aが係合スリット25a,26aに挿入され、側壁24に支持される。底板22はロアフレーム21に対して着脱可能になっている。底板22の主部には複数の通気口22bが形成されている。この通気口22bによって運搬物収容部S2と、保冷材収容部S4とが連通している。
【0024】
図6に示されるアッパ内装部30は、アッパフレーム31と、アッパフレーム31の内側の所定位置に係合支持される天板32と、を備える
アッパフレーム31は、発泡樹脂材で構成され、外装部10のカバー12下に配される上壁33と上壁33の周縁で下方に立設する側壁34とを一体に有している。
【0025】
上壁33はロアフレーム21の上面開口を塞ぐ矩形の板状に構成されている。上壁33の中央の一部分はコ字状に切欠かれ、回動により開閉される回動片33aが構成されている。この回動片33aを開閉することで、上側から保冷材収容部S5に保冷材Tを挿入し、あるいは保冷材収容部S5から保冷材Tを取り除くことが可能になっている。
【0026】
側壁34は、側壁24上に対向して組み付く矩形の枠状に構成されている。側壁34の下縁は側壁24の上縁と係合する凹凸形状を有している。側壁34の内面には、天板32の周縁が挿入される係合スリット34aが形成されている。
【0027】
天板32は合成樹脂製の板材であって、上壁33の下方においてアッパフレーム31内に係合支持される。この天板32の下側に運搬物収容部S2が形成され、天板32と上壁33との間に保冷材Tを収容する直方体状の保冷材収容部S5が形成される。
【0028】
天板32は運搬物収容部S2に対応する形状の主部を有し、前後左右縁にはそれぞれ外方に突出する複数の係合突起32aが形成されている。係合突起32aが係合スリット34aに挿入支持される。天板32はアッパフレーム32に対して着脱可能になっている。底板32の主部には複数の通気口32bが形成されている。この通気口32bによって運搬物収容部S2と、保冷材収容部S5とが連通している。
【0029】
これらのロア内装部20とアッパ内装部30とが組み付けられてなる内装構造部Mは、外装部10内の空間S1に対応する外形を有し、その外側端面と外装部10の内面との対向隙間が例えば10mm以下になるように寸法設定されている。ここでは、内装構造部MのX方向、Y方向、Z方向の最大寸法がそれぞれ内部空間S1のX方向、Y方向、Z方向の寸法よりわずかに小さく、ほとんど隙間ができないように構成されているため、組み付け状態において内装構造部Mの外装部10内での位置ずれが防止できる。
【0030】
図1図5及び図6に示すように、外装部10内においてロア内装部20とアッパ内装部30とが組み付けられた状態で、底板22と天板32との間に被運搬物が収容される運搬物収容部S2が形成される。また、被運搬物収容部S2の周囲において、ロアフレーム21の第1側壁25と外装部10の側壁14の内側面との間、底板22と外装部10の底壁13の内側面との間、及び天板32と外装部10のカバー12の内側面との間に、保温材または保冷材を収容可能な保温・保冷材収容部S3,S4,S5がそれぞれ形成される。さらに被運搬物収容部S2のY方向(第2方向)両側には計器保持部26aが形成される。
【0031】
以下、本実施形態にかかる運搬容器1の使用方法を説明する。ここでは、一例としてセット作業と収納作業を分けて行う例を示す。
【0032】
まず、ロア内装部20のセット作業として、外装部10を開けた状態でケース体11の底部にロア内装部20を上から載置する。すると、第1側壁25の外側に外装部10の内側面との間に一対の保冷材収容部S3が形成される。この一対の保冷材収容部S3に板状の保冷材を挿入配置する。さらに底壁23上にも板状の保冷材Tを載置する。また、第2側壁26の外側に形成された計器保持部26bにデータロガーLを設置する。次に、底板22を係合スリット25a,26aに係合させ、保冷材T上に底板22を配置する。
【0033】
一方、アッパ内装部30のセット作業として、側壁34の係合スリット34aに天板32を係合支持させて組み付ける。そして上壁33の回動片33aを開けて板状の保冷材Tをセットし、回動片33aを閉じる。
【0034】
保冷材Tがセットされたアッパ内装部30を、ロア内装部20上に組み付け、外装部10のカバー12を閉じ、セット作業が終了する。このとき、運搬物収容部S2は空になっている。セット後の空の運搬容器1を、病院等の運搬出発地となる場所に運び、被運搬物Pを収納する収納作業を行う。
【0035】
収納作業としては、まず、セット状態の外装部10のカバー12を開け、アッパ内装部30の上壁33を把持してロア内装部20上から移動させ、運搬物収容部S2を解放する。このとき、アッパ内装部30内に保持された保冷材Tに触れることなく、作業が可能である。
【0036】
そして、開放された運搬物収容部S2に設置された底板22上に被運搬物Pを載置する。底板22を介して保冷材Tが配置されているため、保冷材Tは被運搬物Pには触れないようになっている。
【0037】
被運搬物Pの設置後、例えば被運搬物Pの情報を掲載した文書Dを載置し、アッパ内装部30を再び被せてロア内装部20に組み付ける。このとき、対応する凹凸形状によって両者が噛み合い係合する。最後に外装部10のカバー12を閉じてロック機構15をロックし、収納作業が完了する。
【0038】
本実施形態にかかる運搬容器1によれば、被運搬物Pを詰める際の収容作業が容易かつ正確に行える。すなわち、外装部10を開き、アッパ内装部30を取り除き、運搬物収容部S2に被運搬物Pを配置し、再びアッパ内装部30材及びカバー12を被せるだけで、容易に位置決めができ、高速かつ正確な収納作業が実現できる。また、収納作業中に保冷材Tに触れることなく処理が完了でき、例えば保冷材Tとしてドライアイスを用いた場合等にも、安全性を確保できる。
【0039】
また、被運搬物Pの可動範囲を制限することで、運搬経路の環境による被運搬物Pの偏り、位置ずれ及び破損を防止できる。さらに、被運搬物Pを支持する内装構造部Mの一部として保冷材Tを配置する保冷材収容部S3.S4.S5及びデータロガーLを設置する計器保持部26bを一体に構成したことで、被運搬物Pと保冷材T及びデータロガーLの距離を一定に保つことができ、高精度で温度管理が可能となる。
【0040】
本実施形態によれば、通気口22a,32aを有する底板22及び天板32を隔てて保冷材を配置する構成により一定の距離を保ち、被運搬物Pの損傷を防止しつつ良好な保温・保冷性能を得ることが可能となる。
【0041】
また、本実施形態にかかる運搬容器1によれば、外装部10に内蔵される内装構造部Mの形状やサイズを運搬対象の形状やサイズに合わせて適正な形状に変形することで、外装部10自体は一般的な構造のもの共通して用いることができる。したがって、汎用性が高く様々な対象物に適用可能であり、かつ、製造コストも抑えられる。
【0042】
なお、本発明は本実施形態の記載に限られるものではなく、各部材の具体的な形状や材質は適宜変更可能である。また、保冷材として板状のドライアイスを用いたが、ヒータ等の保温材を配置する保温容器にも適用可能である。また、使用例も上記に限られるものではなく、例えばロア内装部20のセット作業時に底板22をセットした後被運搬物Pを載置する工程を加え、収納作業とセット作業を同時に行ってもよい。
【0043】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定するものではない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。また、実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
(1)
被運搬物を収容する運搬容器であって、
箱状に構成された外装部と、
前記外装部の内部空間において互いに組み付けられる複数の内装部を備える内装構造部と、を備え、
前記複数の内装部は、組み付け状態において内側に被運搬物を収容する被運搬物収容部を構成するとともに、前記被運搬物収容部の周囲に保冷・保温材が配置される保温・保冷材収容部を構成することを特徴とする運搬容器。
(2)
前記内装構造部は、
前記外装部の内部空間に配され、被運搬物の底部側に配される底板と、前記被運搬物の側方に配される側部を有するロアフレームと、を備えるロア内装部と、
前記外装部の内部空間に配され、前記被運搬物の上方に配される天板と、前記ロア内装部上に組み付けられるアッパフレームと、を備えるアッパ内装部と、を備え、
前記外装部の内部空間において前記アッパ内装部と前記ロア内装部とが組み付けられた状態で、前記底板と前記天板との間に被運搬物が収容される被運搬物収容部が形成されるとともに、前記底板と前記外装部の間、前記ロアフレームの側部と前記外装部との間、及び前記天板と前記外装部との間に、保温材または保冷材が配置される保温・保冷材収容部がそれぞれ形成されることを特徴とする(1)記載の運搬容器。
(3)
前記内装部は、前記被運搬物収容部の第1方向の両側部に前記保温・保冷材収容部を構成し、前記被運搬物収容部の前記第1方向に対して交差する第2方向における両側部に温度管理用の計器が設置される計器収容部を構成し、
前記被運搬物収容部と前記保温・保冷材収容部とが連通することを特徴とする(1)または(2)記載の運搬容器。
(4)
複数の前記内装部は発泡樹脂材で構成され、
前記内装構造部の外側端部と前記外装部の内面とが対向する間隙が10mm以内に寸法設定されたことを特徴とする(1)乃至(3)のいずれかに記載の運搬容器。
【符号の説明】
【0044】
P…被運搬物、M…内装構造部、S2…運搬物収容部、T…保冷材、S3、S4,S5…保冷収容部(保温・保冷材収容部)、L…データロガー(計器)、1…運搬容器、10…外装部、20…ロア内装部(内装部)、21…ロアフレーム、22…底板、22b…通気孔、23…底壁、24…側壁、25…第1側壁、25a.26a…係合スリット、26…第2側壁、26b…計器保持部、30…アッパ内装部(内装部)、31…アッパフレーム、31…上壁、32…アッパフレーム、32…天板、33…上壁、34…側壁、34a…係合スリット。
図1
図2
図3
図4
図5
図6