(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6018814
(24)【登録日】2016年10月7日
(45)【発行日】2016年11月2日
(54)【発明の名称】冷却機器一体型ポンプ装置
(51)【国際特許分類】
F04C 15/00 20060101AFI20161020BHJP
F04C 2/10 20060101ALI20161020BHJP
F25B 1/00 20060101ALI20161020BHJP
B60H 1/32 20060101ALI20161020BHJP
【FI】
F04C15/00 E
F04C2/10 341E
F25B1/00 321Z
B60H1/32 621B
【請求項の数】9
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2012-139402(P2012-139402)
(22)【出願日】2012年6月21日
(65)【公開番号】特開2014-1721(P2014-1721A)
(43)【公開日】2014年1月9日
【審査請求日】2015年3月20日
(73)【特許権者】
【識別番号】391002166
【氏名又は名称】株式会社不二工機
(74)【代理人】
【識別番号】100106563
【弁理士】
【氏名又は名称】中井 潤
(72)【発明者】
【氏名】長濱 健一郎
【審査官】
柏原 郁昭
(56)【参考文献】
【文献】
特許第3591304(JP,B2)
【文献】
特開2000−220581(JP,A)
【文献】
実開昭63−100684(JP,U)
【文献】
特開平3−175193(JP,A)
【文献】
特開2011−196315(JP,A)
【文献】
米国特許第3081606(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F04C 15/00
B60H 1/32
F04C 2/10
F25B 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
冷凍サイクルを構成する冷却機器と、該冷却機器に一体に形成され、該冷凍サイクル内に液冷媒を循環させるポンプとを備えた冷却機器一体型ポンプ装置において、
前記ポンプは、
前記ポンプの筺体に形成され、底部を有するギヤ収容室と、
前記ギヤ収容室の上部に開口する吸入口及び吐出口と、
内歯を有し、前記ギヤ収容室の内壁に摺接し回動自在に配置されたアウターギヤと、
前記アウターギヤの内歯に噛合する外歯を有し、その回転軸線が前記アウターギヤの回転軸線から偏心するように設けられたインナーギヤと、
前記アウターギヤを回転させるモータとを備え、
前記ポンプに一体に形成される冷却機器の筺体は、前記ギヤ収容室の壁面の一部を成すことを特徴とする冷却機器一体型ポンプ装置。
【請求項2】
前記吸入口又は吐出口は、前記ギヤ収容室の壁面の一部を成す冷却機器の筺体に形成されたことを特徴とする請求項1に記載の冷却機器一体型ポンプ装置。
【請求項3】
前記ギヤ収容室の内壁面と前記アウターギヤとの間には、前記吐出口と連通し前記アウターギヤとインナーギヤとの間に介在する液冷媒を該ポンプ装置の側面から外部へ導出する導出路、又は前記吸入口と連通し該ポンプ装置の側面から前記アウターギヤとインナーギヤとの間に液冷媒を導入する導入路が形成されたことを特徴とする請求項1又は2に記載の冷却機器一体型ポンプ装置。
【請求項4】
前記ギヤ収容室は、前記アウターギヤを回動自在に支持する複数の柱状部を備えたことを特徴とする請求項1、2又は3に記載の冷却機器一体型ポンプ装置。
【請求項5】
前記インナーギヤのシャフトは、前記ポンプに一体に形成される冷却機器の筺体底部に設けられ、
前記インナーギヤは、その中心軸線方向に設けられた孔部が前記シャフトに回動自在に挿入されたことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の冷却機器一体型ポンプ装置。
【請求項6】
前記アウターギヤ及びインナーギヤの歯面は、サイクロイド歯形を有していることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の冷却機器一体型ポンプ装置。
【請求項7】
前記アウターギヤと前記モータの駆動軸とは、磁気結合されたことを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の冷却機器一体型ポンプ装置。
【請求項8】
前記ポンプに一体に形成される冷却機器は、冷媒を気液分離して液冷媒を抽出するレシーバタンク、又は冷媒の流路を切り換える三方弁であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の冷却機器一体型ポンプ装置。
【請求項9】
前記冷凍サイクルは、車両用空調システムに用いられ、前記液冷媒によって該車両の発熱体を冷却することを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の冷却機器一体型ポンプ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、冷却機器一体型ポンプ装置に関し、特に、電気自動車やハイブリッド車の電動モータやインバータ等の発熱体を空調機器の液冷媒によって冷却するために用いられる冷却機器一体型ポンプ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電気自動車やハイブリッド車では、モータやインバータ等の発熱体を冷却する必要がある。そこで、通常のエンジンを有する車両のように、冷却水を発熱体とラジエータとの間に循環させて上記発熱体を冷却することが考えられる。しかし、冷却水を用いると、発熱体を冷却するためのラジエータを新設する必要があるため、車両搭載性が悪い。
【0003】
また、例えば特許文献1に記載の発明では、新たにラジエータを設けずに、発熱体を空調装置(蒸気圧縮式冷凍サイクル)を利用して冷却する。しかし、この発明では、圧縮機を駆動するための消費電力が増大し、電気自動車の走行可能距離が短くなるという問題がある。また、空調装置を使用していないときには、発熱体を冷却することができない。
【0004】
そこで、特許文献2に記載の発熱体冷却装置では、レシーバタンクと蒸発器との間にバイパスを設け、このバイパスにポンプを配置し、液冷媒と発熱体との間で熱交換させることで、発熱体を冷却するための機械仕事の増大を抑制すると共に、空調装置を使用していないときでも、発熱体の冷却を可能としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平5−344606号公報
【特許文献2】特許第3591304号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、上記特許文献2に記載の発熱体冷却装置においては、レシーバタンクと蒸発器との間にバイパスを設け、このバイパスにポンプを配置するため、部品点数が増加すると共に、部品を設置するためのスペースが拡大して車両の大型化に繋がったり、艤装が困難になるという問題もあった。
【0007】
そこで、本発明は、上記従来の技術における問題点に鑑みてなされたものであって、電気自動車やハイブリッド車の電動モータ等の発熱体を冷却するにあたり、部品点数の増加を抑え、コンパクトな設計が可能で、艤装を容易に行うこともできる冷却機器一体型ポンプ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明は、冷凍サイクルを構成する冷却機器と、該冷却機器に一体に形成され、該冷凍サイクル内に液冷媒を循環させるポンプとを備えた冷却機器一体型ポンプ装置において、
前記ポンプは、前記ポンプの筺体に形成され、底部を有するギヤ収容室と、前記ギヤ収容室の上部に開口する吸入口及び吐出口と、内歯を有し、前記ギヤ収容室の内壁に摺接し回動自在に配置されたアウターギヤと、前記アウターギヤの内歯に噛合する外歯を有し、その回転軸線が前記アウターギヤの回転軸線から偏心するように設けられたインナーギヤと、前記アウターギヤを回転させるモータとを備え、前記ポンプに一体に形成される冷却機器の筺体は、
前記ギヤ収容室の壁面の一部を成すことを特徴とする。
【0009】
そして、本発明によれば、ポンプに一体に形成される冷却機器の筺体がポンプの筺体の一部を成すように構成したため、部品点数の増加を抑え、コンパクトな設計が可能で、艤装も容易となる。
【0012】
また、前記吸入口又は吐出口を、前記ギヤ収容室の壁面の一部を成す冷却機器の筺体に形成することができる。
【0013】
さらに、前記ギヤ収容室の内壁面と前記アウターギヤとの間には、前記吐出口と連通し前記アウターギヤとインナーギヤとの間に介在する液冷媒を該ポンプ装置の側面から外部へ導出する導出路、又は前記吸入口と連通し該ポンプ装置の側面から前記アウターギヤとインナーギヤとの間に液冷媒を導入する導入路を形成することができる。
【0014】
前記ギヤ収容室は、前記アウターギヤを回動自在に支持する複数の柱状部を備えることができる。複数の柱状部の隣接する柱状体間に隙間を形成することにより、アウターギヤとギヤ収容室との間に働く流体せん断応力による摩擦トルクを小さくでき、またこれらの間にゴミやスライムが溜まりにくくなる。
【0015】
上記冷却機器一体型ポンプ装置において、前記インナーギヤのシャフトを、前記ポンプに一体に形成される冷却機器の筺体底部に設け、前記インナーギヤを、その中心軸線方向に設けられた孔部が前記シャフトに回動自在に挿入されるように構成することができる。
【0016】
前記アウターギヤ及びインナーギヤの歯面は、サイクロイド歯形を有することができ、サイクロイド歯形を用いることにより、インボリュート歯形を用いた場合に比較して吐出容量を大きくすることができる。
【0017】
また、前記アウターギヤと前記モータの駆動軸とを磁気結合することができ、モータの性能や種類を変更したり、モータが故障した場合などにモータのみを交換することができ、ポンプの設計や保守管理を容易に行うことができる。
【0018】
さらに、前記ポンプに一体に形成される冷却機器を、冷媒を気液分離して液冷媒を抽出するレシーバタンク、又は冷媒の流路を切り換える三方弁とすることができる。
【0019】
また、前記冷凍サイクルは、車両用空調システムに用いられ、前記液冷媒によって該車両の発熱体を冷却することができ、車両搭載性のよい冷却機器一体型ポンプ装置を提供することができる。
【発明の効果】
【0020】
以上のように、本発明によれば、電気自動車やハイブリッド車の電動モータ等の発熱体を冷却するにあたり、部品点数の増加を抑え、コンパクトな設計が可能で、艤装も容易な冷却機器一体型ポンプ装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】本発明に係る冷却機器一体型ポンプ装置を備えた冷凍サイクルシステムを示す全体構成図である。
【
図2】本発明に係る冷却機器一体型ポンプ装置を示す図であって、(a)は正面図、(b)は右側面図、(c)は(b)の下面図である。
【
図5】本発明に係る冷却機器一体型ポンプ装置における冷却機器筺体とポンプ筺体との接合方法を説明するための図であって、(a)は溶接接合、(b)はボルト接合による場合を示す。
【発明を実施するための形態】
【0022】
次に、本発明を実施するための形態について図面を参照しながら説明する。尚、以下の説明においては、本発明に係る冷却機器一体型ポンプ装置を車両用空調システムに用い、液冷媒によって車両の発熱体を冷却する場合を例にとって説明する。
【0023】
図1は、本発明に係る冷却機器一体型ポンプ装置(以下「ポンプ装置」という。)を備えた冷凍サイクルシステムを示し、このシステム101は、圧縮機102と、凝縮器103と、膨張弁104と、蒸発器105と、本発明に係るポンプ装置1とを備え、ポンプ装置1を用いて電気自動車やハイブリッド車の電動モータやインバータ等の発熱体107を冷却する。
【0024】
圧縮機102と、凝縮器103と、膨張弁104と、蒸発器105とは、配管109で接続され、これらの間を冷媒が循環する。また、凝縮器103と膨張弁104との間の配管109と、圧縮機102と凝縮器103との間の配管109とを接続するバイパス管110を液冷媒が流れる。
【0025】
ポンプ装置1は、ポンプ2とレシーバタンク3とで構成される。レシーバタンク3は、冷媒を貯溜するリキッドタンクや、冷媒を貯留すると共に冷媒中の水分を除去するためのレシーバドライヤである。ポンプ2は、レシーバタンク3からの液冷媒を発熱体107に導入して発熱体107を冷却する。
【0026】
ポンプ2は内接形歯車ポンプであり、
図2〜
図4に示すように、ギヤ収容室4aを有する本体(ポンプ筺体)4と、ギヤ収容室4aに収容されたアウターギヤ6及びインナーギヤ5と、アウターギヤ6を磁気カップリング7を介して回転させるモータ8等で構成される。
【0027】
本体4は、円筒状に形成され、内部のギヤ収容室4aにアウターギヤ6及びインナーギヤ5が収容され、上部の開口がレシーバタンク筐体10の下端部で閉じられる。ギヤ収容室4aには、底面部10cに設けられた冷媒の吸入口4c及び吐出口4dが開口し、ギヤ収容室4aの内壁面とアウターギヤ6との間には、吐出口4dと連通し、アウターギヤ6とインナーギヤ5との間に介在する冷媒をポンプ2の側面から外部へ導出する導出路4hが形成される。吐出口4dは、導出路4hを介して冷媒出口4eに連通する。
【0028】
本体4のギヤ収容室4aには、アウターギヤ6を回動自在に支持する複数(本実施の形態では4つ)の柱状部4fが設けられ、隣接する柱状部4fの間に隙間4gが形成される。この隙間4gを設けることにより、アウターギヤ6とギヤ収容室4aとの対向部が分割されると共に、各対向部の面積が小さくなり(即ち、隙間4gを設けた分だけアウターギヤ6のギヤ収容室4aと対向する部分の面積が小さくなり)、流体せん断応力による摩擦トルクを小さくできる。また、アウターギヤ6とギヤ収容室4fとの間にゴミやスライムが溜まりにくくなる。
【0029】
本体4とレシーバタンク筐体10とは、
図5(a)に示すように、溶接によって接合してもよく(溶接部19)、
図5(b)に示すように、ボルト21を用いて接合してもよい。ボルト21を用いる場合には、接合作業のし易さを考慮して、下方のボルト15(後述)の取付位置を低くする。
【0030】
本体4の上方に位置するレシーバタンク筐体10は、その下部に底面部10cを備える。この底面部10cには、ギヤ収容室4a側に開口する吸入口4c及びレシーバタンク筺体10側に開口する冷媒入口10aを備え、これら吸入口4c及び冷媒入口10aは連通している。また底面部10cの下部には更にギヤ収容室4a側に吐出口4dが開口するように凹部が形成されている。符号10bはこの凹部の壁面である。
【0031】
インナーギヤ5とアウターギヤ6は、歯形がサイクロイド曲線によって形成される内接形の歯車である。これらギヤ5及び6の中心軸は偏心しているので、これらが相対的に回転することにより、ギヤ収容室4a内の両ギヤ5、6の間に生じた空隙Gが膨張と収縮を繰り返す。
【0032】
ここで、アウターギヤ6を矢印R方向に回転させれば、吸入口4cは相対的に回転するインナーギヤ5とアウターギヤ6との間の膨張領域に開口することになり、一方、吐出口4dは収縮領域に開口することになるため、両ギヤ5、6の相対回転によりレシーバタンク筺体10内の冷媒が冷媒入口10a及び吸入口4cを介して両ギヤ5,6間に吸込まれ、吸い込まれた冷媒は吐出口4d及び導出路4hを介して冷媒出口4eより吐出される。尚、インナーギヤ5とアウターギヤ6の歯形をインボリュート曲線によって形成することもできる。
【0033】
インナーギヤ5は、アウターギヤ6の内歯に
噛合する外歯を有し、その回転軸線がアウターギヤ6の回転軸線から偏心するように設けられる。インナーギヤ5の中心に穿設された孔部は、レシーバタンク筐体10の下面からギヤ収容室4a向かって突出する突出部10eに回転自在に挿入される。尚、隔壁4bから上方に突出する突出部を設け、この突出部にインナーギヤ5の中心の孔部を挿入してもよい。この場合、アウターギヤ6の底部には、前述の突出部を貫通させるための適当な孔が穿設される。
【0034】
一方、アウターギヤ6は内歯を有し、有底円筒状の本体6aの底面に磁石6bを備え、モータ8側の磁石8bと共に磁気カップリング7を構成し、ギヤ収容室4aの内壁に摺接しながらギヤ収容室4a内で回転する。
【0035】
モータ8は、モータ固定用プレート13にボルト等の適当な手段を介して装着され、この状態で、モータカバー12、モータ固定用プレート13及び本体4がボルト15により締結される。モータ8の駆動軸8aには、磁石8bが装着され、本体4の隔壁4bを挟んで磁石6bと磁石8bとが対峙し、アウターギヤ6とモータ8とを連結する磁気カップリング7を構成する。モータ8と駆動軸8aとで構成される駆動部は、ギヤ収容室4aの密閉状態を維持しながら本体4に着脱可能に構成される。モータカバー12の下面には、モータ8に給電するためのコネクタ17が装着される。
【0036】
上記構成を有するポンプ装置1のポンプ2は、モータ8が回転すると、磁気カップリング7を介してアウターギヤ6がインナーギヤ5と噛み合いながら回転する。
【0037】
インナーギヤ5とアウターギヤ6との噛合によって、ギヤ収容室4a内の両ギヤ5、6の間の空隙Gの容積が変化し、レシーバタンク筐体10に貯留された液冷媒は、レシーバタンク筐体10の冷媒入口10a及び吸入口4cを介してギヤ収容室4aに吸入された後、ギヤ収容室4a、吐出口4d及び導出路4hを通って冷媒出口4eに流れる。冷媒出口4eから吐出された液冷媒は、
図1において発熱体107に供給されて発熱体107を冷却する。
【0038】
以上のように、本実施形態によれば、ポンプ2とレシーバタンク3とを一体化し、レシーバタンク筐体10をポンプ2の本体4の一部としたことにより、部品点数の増加を抑え、コンパクトな設計が可能となり、艤装も容易となる。
【0039】
また、モータ8を本体4のギヤ収容室4aの外部においてギヤ収容室4aに着脱可能に設けたため、液冷媒や混合オイルの種類によって、モータ8との関連で絶縁性等の電気的特性を変更したり、客先仕様に合わせてポンプ装置1の性能や、モータ8の種類を変更する必要がある場合でも、設計変更を容易に行うことができる。また、モータ8が故障した場合でも、モータ8のみを交換すれば足りるため、ポンプ装置1の保守管理も容易になる。
【0040】
さて、上記の説明においては、ポンプ2はレシーバタンク筺体10の下部に設けられ、レシーバタンク筺体10内の冷媒は底面部10cからポンプ2内に吸入されるものとしたが、ポンプ2をレシーバタンク筺体10の下部側面に設け、レシーバタンク筺体10の底部側面から冷媒をポンプ2内に吸入することも出来る。
その場合は、まず
図3に示された冷媒入口10aを筺体10の下部側面に設けると共に、ギヤ収容室4aの内壁面とアウターギヤ6との間に、吸入口4cと連通し、かつアウターギヤ6とインナーギヤ5との間に介在する冷媒をポンプ2の側面から吸入する導入路を、前述の導出路4hと同様に形成し、この導入路を上記の冷媒入口と連通させれば良い。
【0041】
尚、上記実施の形態においては、ポンプ2に一体に形成される冷却機器がレシーバタンクの場合を例示したが、冷暖房を切り換えるために冷媒の流路を切り換える三方弁をポンプ2等に一体に形成することもできる。すなわち、冷凍サイクル内に液冷媒を循環させるポンプの冷媒入口あるいは冷媒出口と直接接続されることができるものであれば、冷凍サイクルを構成するいかなる冷却機器が該ポンプと一体化されても良い。
【符号の説明】
【0042】
1 ポンプ装置
2 ポンプ
3 レシーバタンク(冷却機器)
4 本体
4a ギヤ収容室
4b 隔壁
4c 吸入口
4d 吐出口
4e 冷媒出口
4f 柱状体
4g 隙間
4h 導出路
5 インナーギヤ
6 アウターギヤ
6a 本体
6b 磁石
7 磁気カップリング
8 モータ
8a 駆動軸
8b 磁石
10 レシーバタンク筐体
10a 冷媒入口
10b 壁面
10c 底面部
10e 突出部
12 モータカバー
13 モータ固定用プレート
15 ボルト
17 コネクタ
19 溶接部
21 ボルト
101 冷凍サイクルシステム
102 圧縮機
103 凝縮器
104 膨張弁
105 蒸発器
107 発熱体
109 配管
110 バイパス管