【実施例1】
【0016】
本発明の第1の実施例の光情報記録再生装置は、光情報記録媒体に信号光と参照光を互いに重ね合うように入射し、干渉縞パターンを形成して情報を記録する。この時、光情報記録媒体に入射する参照光の入射角度を変化させることにより、角度多重による記録が可能である。
【0017】
以降、同じ領域に参照光角度を変えて記録されたホログラムにおいて、1つ1つの参照光角度に対応したホログラムをページと呼び、同領域に角度多重されたページの集合をブックと呼ぶことにする。
【0018】
また、光情報記録媒体内の所望の位置に情報を記録する際、所望位置に参照光と信号光を照射する前に予め所定の光ビームを照射する、プリキュアと呼ばれる前工程が必要である。所望の位置に情報を記録した後には、該所望の位置に追記不可能とするために所定の光ビームを照射する、ポストキュアと呼ばれる後工程が必要である。
【0019】
また、プリキュアとポストキュアには所定の処理時間がかかるため、高速化を図るには複数のブックに対してまとめて処理する必要がある。
【0020】
ここでは、複数のブック領域に対して行う1回のプリキュアとポストキュアの領域をキュア単位と呼び、そのデータ容量をキュア容量と呼ぶことにする。1回のプリキュア、ポストキュアで記録できるデータ容量は、例えば100ブックで構成された2GByteであり、これがキュア容量である。1ブックは例えば300ページで構成された20kByteである。
【0021】
図1は第1の実施例の光情報記録再生装置の構成を示すブロック図である。
【0022】
光情報記録再生装置100は、ホストコンピュータ108と接続されており、ホストコンピュータ108から入力したデータを光情報記録媒体101に記録する。また、光情報記録媒体101から再生したデータをホストコンピュータ108に出力する。
【0023】
光情報記録媒体101は回転モータ111によって回転可能な構成となっている。ピックアップ102、参照光光学系103、キュア光学系104は半径方向に移動可能な構成となっているため、光情報記録媒体101全面に渡り、ホログラフィを用いて情報を記録再生することができる。
【0024】
情報を記録するためには、光情報記録媒体101に信号光と参照光を照射する必要があり、ピックアップ102は、光情報記録媒体101に信号光を照射し、参照光光学系103は、参照光を照射する。
【0025】
この際、記録データは信号処理回路105を介してピックアップ102内の空間光変調器に送り込まれ、信号光は空間光変調器によって変調される。
【0026】
また、ホログラフィから情報を再生するためには、光情報記録媒体101に参照光を照射し、再生光を検出する必要があり、参照光光学系103は、光情報記録媒体101に参照光を照射し、ピックアップ102は、その際に再生される再生光をピックアップ102内の光検出器によって検出し、信号処理回路105に送る。
【0027】
更に、ピックアップ102は、参照光角度のずれ量を検出する機構によりずれ量を検出し、サーボ制御回路115に送る。
【0028】
キュア光学系104は、光情報記録媒体101のプリキュアおよびポストキュアに用いる光ビームを生成する。
【0029】
信号処理回路105は、インタフェース回路107を介してホストコンピュータ108から送られたデータをメモリ106に送り、複数のデータ列に分割してアドレスを付加し、再生時にエラー検出が行えるように各データ列にCRC(Cyclic Redundancy Check)を付加し、オンピクセル数とオフピクセル数をほぼ等しくし、同一パターンの繰り返しを防ぐことを目的にデータ列に擬似乱数データ列を加えるスクランブルを施した後、再生時にエラー訂正が行えるようにリード・ソロモン符号等の誤り訂正符号を付加する。
【0030】
そして、このデータ列をM×N(M、Nは自然数)の2次元データに変換し、それを1ページデータ分繰返すことで1ページ分の2次元データを構成する。このように構成した2次元データに対して再生時の画像位置検出や画像歪補正での基準となるマーカーを付加し、ピックアップ102に送る。
【0031】
あるいは信号処理回路105は、ピックアップ102から検出した画像データを受け取り、この画像データに含まれるマーカーを基準に画像位置を検出し、画像の傾き・倍率・ディストーションなどの歪みを補正した後、2値化処理を行い、マーカーを除去することで1ページ分の2次元データを取得し、メモリ106に格納する。このようにして得られた2次元データを複数のデータ列に変換した後、誤り訂正処理を行い、スクランブルを解き、CRCによる誤り検出処理を行って、インタフェース回路107を介してホストコンピュータ108に送る。
【0032】
メモリ106はデータを一時的に記憶する記憶部であり、信号処理回路105に制御されて、バッファメモリ、誤り訂正符号付加用メモリ、誤り訂正用メモリ等として使用される。メモリ106は例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory)、SRAM(StaticRandom Access Memory)の他、SSD(Solid State Drive)等、データを保持できるものであれば良く、HDD(Hard Disk Drive)でも良い。
【0033】
インタフェース回路107はホストコンピュータ108からの記録再生指示をコントローラ112に伝える。また、信号処理回路105から送られたデータをホストコンピュータ108に送る。また、ホストコンピュータ108から送られたデータを信号処理回路105に送る。インタフェース回路107は、例えばSATA(Serial Advanced Technology Attachment)、SAS(Serial Attached SCSI)、その他の転送方式に準拠したデータ転送を行う。
【0034】
ホストコンピュータ108は光情報記録再生装置100にデータを送り、記録を指示する。また、光情報記録再生装置100に再生を指示し、データを受け取る。
【0035】
ディスク回転角度検出用光学系109は、光情報記録媒体101の回転角度を検出し、モータ制御回路110に送る。
【0036】
モータ制御回路110は、光情報記録媒体101の回転角度を調整する。光情報記録媒体101を所定の回転角度に調整する場合は、ディスク回転角度検出用光学系109によって回転角度に応じた信号を検出し、検出された信号を用いてモータ制御回路110により回転モータ111を制御することにより、光情報記録媒体101の回転角度をコントローラ112の指示どおりに調整する。
【0037】
回転モータ111はモータ制御回路110に制御されて、光情報記録媒体101を回転させる。
【0038】
コントローラ112は光情報記録再生装置100の各部を制御し、光情報記録媒体101のデータ記録処理、データ再生処理等を行う。コントローラ112は例えばCPU(Central Processing Unit)により構成する他、任意の制御回路や、ASIC等の専用回路を用いてもよい。
【0039】
光源駆動回路113は、所定の光源駆動電流をピックアップ102、参照光光学系103、キュア光学系104内の光源に供給し、各々の光源からは所定の光量で光ビームが発光される。
【0040】
ピックアップ102、参照光光学系103、そして、キュア光学系104には、光情報記録媒体101の半径方向に位置をスライドする機構が設けられており、アクセス制御回路114は、コントローラ112の指示によりこれらの位置制御を行う。
【0041】
ホログラフィの角度多重の原理を利用した記録技術は、参照光角度のずれに対する許容誤差が極めて小さくなる傾向があるため、サーボ制御回路115は、ピックアップ102からの参照光角度のずれ量を入力し、ピックアップ102のずれ量を補正する。
【0042】
なお、ピックアップ102、参照光光学系103、キュア光学系104、ディスク回転角度検出用光学系109は、いくつかの光学系構成または全ての光学系構成をひとつに纏めて簡素化しても構わない。
【0043】
次に、光情報記録媒体101にデータを記録する場合の光情報記録再生装置100の動作を説明する。光情報記録再生装置100に光情報記録媒体101が装着されると、コントローラ112は各部の調整処理を行い、モータ制御回路110、アクセス制御回路114により、ピックアップ102、参照光光学系103を所定の位置に移動し、ピックアップ102、信号処理回路105を介して光情報記録媒体101から管理情報を読み出し、メモリ106に格納する。
【0044】
そして、モータ制御回路110、アクセス制御回路114により、ピックアップ102、参照光光学系103、キュア光学系104を所望の位置に移動する。
【0045】
そして、ホストコンピュータ108から光情報記録再生装置100にデータが送られると、インタフェース回路107でデータを受け取り、メモリ106に格納し、信号処理回路105によりCRC付加、スクランブル、誤り訂正符号付加等を行う。
【0046】
そして、モータ制御回路110、アクセス制御回路114により、ピックアップ102、参照光光学系103を所望の位置に移動し、キュア光学系104にてプリキュアを行い、メモリ信号処理回路105によりメモリ106からデータを読み出し、マーカーを付加してピックアップ102に送り、光情報記録媒体101に記録する。そして、キュア光学系104にてポストキュアを行う。
【0047】
ベリファイすなわち記録したデータを正しく読み出せるかどうか確認する場合は、ピックアップ102により光情報記録媒体101から検出した画像データを信号処理回路105に送り、マーカーを基準に画像位置を検出し、歪みを補正した後、2値化処理を行い、2次元データを取得し、メモリ106に格納する。そして、複数のデータ列に変換した後、誤り訂正処理を行い、スクランブルを解き、CRCによる誤り検出処理を行う。ここで誤りが検出された場合はコントローラ112にベリファイエラーを伝え、コントローラ112は各部を制御してリトライを行う。リトライの際には不一致となったデータを次に記録するキュア単位の先頭個所に記録する。
【0048】
あるいは、信号処理回路105により記録時のデータとベリファイ時のデータを比較し、不一致の場合にコントローラ112にベリファイエラーを伝える。
【0049】
そして、リトライしたデータのベリファイを行い、欠陥元アドレスと交替先アドレスを交替情報として管理情報に登録する。なお、リトライデータもベリファイエラーになった場合は、リトライ処理を再度行う。
【0050】
次に、光情報記録媒体101からデータを再生する場合の光情報記録再生装置100の動作を説明する。光情報記録再生装置100に光情報記録媒体101が装着されると、コントローラ112は各部の調整処理を行い、モータ制御回路110、アクセス制御回路114により、ピックアップ102、参照光光学系103を所定の位置に移動し、ピックアップ102、信号処理回路105を介して光情報記録媒体101から管理情報を読み出し、メモリ106に格納する。
【0051】
そして、モータ制御回路110、アクセス制御回路114により、ピックアップ102、参照光光学系103を所望の位置に移動し、光情報記録媒体101から再生したデータをメモリ106に書き込み、信号処理回路105により誤り訂正処理を行い、スクランブルを解き、誤り検出処理を行う。
【0052】
そして、メモリ106からデータを読み出してインタフェース回路107を介してホストコンピュータ108に送る。
【0053】
図2は、第1の実施例の光情報記録再生装置の信号処理回路の構成を示すブロック図である。
【0054】
信号処理回路105は、コントローラ112に制御され、インタフェース回路107から送られたデータをメモリ106に格納し、メモリ上で各種信号処理を行い、ピックアップ102に送る。
【0055】
あるいは、ピックアップ102から送られた画像データをメモリ106に格納し、メモリ上で各種信号処理を行い、データを抽出してインタフェース回路107に送る。
【0056】
メモリ制御回路200は、各回路からのデータ入出力要求に応じて、メモリ106に対するデータ書き込み、読み出しを行う。
【0057】
CRC演算回路201は、メモリ106上のデータ列のCRCを演算して付加する。あるいは、データ列のCRCを演算してエラーを検出する。
【0058】
スクランブル回路202は、メモリ106上のデータ列にスクランブルを行う。あるいは、データ列のスクランブルを解く。
【0059】
誤り訂正および誤り訂正符号付加回路203は、メモリ106上で誤り訂正符号を付加する。あるいは、メモリ106上に格納されたデータに含まれる誤りを訂正する。
【0060】
データリクエスト回路204は、ベリファイエラーが発生した際にインタフェース回路107を介してホストコンピュータに対してデータの再転送を要求する。
【0061】
画像位置検出および歪み補正回路205は、メモリ106に格納された画像データ内からマーカーを検出して有効データ範囲を抽出する制御を行い、検出されたマーカーを用いて画像の傾き・倍率・ディストーションなどの歪み補正を行い、画像データを期待される2次元データのサイズに変換する。
【0062】
2値化回路206は、サイズ変換された2次元データを構成する複数ビットの各ビットデータを、“0”、“1”に2値化し、メモリ106上に再生データの出力の並びでデータを格納する。
【0063】
空間光変調器インタフェース回路207は、メモリ106から誤り訂正符号を付加したデータを2次元データの並び順で読み出し、再生時の基準となるマーカーを付加した後、ピックアップ102内の空間光変調器に2次元データを出力する。
【0064】
光検出器インタフェース回路208は、ピックアップ102内の光検出器から画像データを入力し、メモリ106に書き込む。
【0065】
なお、図示しないが、各回路はコントローラ112により制御される。あるいは信号処理回路105内に専用コントローラを備えて各回路を制御してもよい。
【0066】
次に、光情報記録媒体101にデータを記録する場合の信号処理回路105の動作を説明する。
【0067】
信号処理回路105は、インタフェース回路107から送られたデータを、メモリ制御回路200を介してメモリ106に格納し、複数のデータ列に分割してアドレスを付加し、再生時にエラー検出が行えるようにCRC演算回路201により各データ列にCRCを付加し、オンピクセル数とオフピクセル数をほぼ等しくし、同一パターンの繰り返しを防ぐことを目的にスクランブル回路202によりデータ列に擬似乱数データ列を加えるスクランブルを施した後、再生時にエラー訂正が行えるように誤り訂正および誤り訂正符号付加回路203によりリード・ソロモン符号等の誤り訂正符号を付加する。そして、このデータ列をメモリ制御回路200によりM×Nの2次元データに変換し、それを1ページデータ分繰返すことで1ページ分の2次元データを構成する。このように構成した2次元データに対して空間光変調器インタフェース回路207により再生時の画像位置検出や画像歪補正での基準となるマーカーを付加し、ピックアップ102の空間光変調器に送る。
【0068】
ベリファイを行う場合は、信号処理回路105は、ピックアップ102の光検出器から検出した画像データを光検出器インタフェース回路208にて受け取り、メモリ制御回路200を介してメモリ106に格納し、画像位置検出および歪み補正回路205によりこの画像データに含まれるマーカーを検出して有効データ範囲を抽出し、検出されたマーカーを用いて画像の傾き・倍率・ディストーションなどの歪み補正を行い、画像データを期待される2次元データのサイズに変換する。そして、サイズ変換された2次元データを構成する複数ビットの各ビットデータを、2値化回路206により2値化し、メモリ106上に再生データの出力の並びでデータを格納する制御を行う。このようにして得られたデータ列に対して、誤り訂正および誤り訂正符号付加回路203により誤り訂正処理を行い、スクランブル回路202によりスクランブルを解き、CRC演算回路201により誤り検出処理を行う。
【0069】
誤り訂正処理、CRC演算処理等で誤りが検出された場合は、データリクエスト回路204により、インタフェース回路107を介してホストコンピュータ108に対してデータの再転送を要求する。
【0070】
次に、光情報記録媒体101からデータを再生する場合の信号処理回路105の動作を説明する。
【0071】
信号処理回路105は、ピックアップ102の光検出器から検出した画像データを光検出器インタフェース回路209にて受け取り、メモリ制御回路200を介してメモリ106に格納し、画像位置検出および歪み補正回路205によりこの画像データに含まれるマーカーを検出して有効データ範囲を抽出し、検出されたマーカーを用いて画像の傾き・倍率・ディストーションなどの歪み補正を行い、画像データを期待される2次元データのサイズに変換する。そして、サイズ変換された2次元データを構成する複数ビットの各ビットデータを、2値化回路206により2値化し、メモリ106上に再生データの出力の並びでデータを格納する制御を行う。このようにして得られたデータ列に対して、誤り訂正および誤り訂正符号付加回路203により誤り訂正処理を行い、スクランブル回路202によりスクランブルを解き、CRC演算回路201により誤り検出処理を行って、インタフェース回路107に送る。
【0072】
図3は、第1の実施例の光情報記録再生装置の動作を示すフローチャートである。
【0073】
ステップS301において光情報記録再生装置に光情報記録媒体が装着されたら、ステップS302において調整処理を行い、ステップS303において管理情報を読み出す。
【0074】
次にステップS304においてホストコンピュータからデータ記録コマンドを受け取ったら、ステップS305においてデータ記録処理を行う。あるいはステップS306においてホストコンピュータからデータ再生コマンドを受け取ったら、ステップS307においてデータ再生処理を行う。あるいはステップS308においてホストコンピュータからその他のコマンドを受け取ったら、ステップS309においてその他の処理を行う。
【0075】
ステップS310において光情報記録媒体の排出コマンドを受け取ったら、ステップS311において光情報記録媒体に管理情報を書き込む。管理情報には交替情報が含まれ、欠陥やベリファイエラー等により交替したデータがある場合はここに交替情報を書き込む。
【0076】
次にステップS312において光情報記録媒体を排出して処理を終了する。
【0077】
なお、管理情報を書き込むタイミングは特に上記に限定されるものではなく、キュア単位の記録の合間や、ホストコンピュータ108からの指示のタイミングなども考えられる。
【0078】
図4は、第1の実施例の光情報記録再生装置のデータ記録処理の動作を示すフローチャートである。
【0079】
ホストコンピュータからのデータ記録コマンドは、ブックを構成する所定の記録単位、またはキュアを構成するブック単位、もしくはキュア容量単位、でホストコンピュータから発行されるものとする。ホストコンピュータから最初のキュア単位のデータ分を受け取った時点で、ステップS401においてメモリにリトライデータ(リトライデータについては後述するがあるかどうかを判定する。最初のキュア単位のデータ分を受け取った時点ではベリファイ実施前であり、リトライデータはないので、ステップS402においてホストコンピュータから続けてキュア容量分のデータを受け取り、メモリ上に配置する。なお、メモリ上に配置する際には複数のデータ列に分割し、再生時にエラー検出が行えるように各データ列に誤り検出符号CRCを付加する。
【0080】
次にステップS404において、オンピクセル数とオフピクセル数をほぼ等しくし、同一パターンの繰り返しを防ぐことを目的にデータ列に擬似乱数データ列を加えるスクランブルを施した後、再生時にエラー訂正が行えるようにリード・ソロモン符号等の誤り訂正符号ECCを付加する。
【0081】
次にステップS405において、光情報記録媒体の所望の位置にデータを記録するために、モータの回転制御およびピックアップやキュア光学系の位置制御を行い、所望の位置に移動する。
【0082】
次にステップS406においてプリキュアを行い、ステップS407においてキュア容量分のデータを光情報記録媒体に記録する。例えばキュア内に100ブック、ブック内に300ページあるとすると、キュア内の先頭ブックに対して角度多重により300ページ記録したら、次のブックに対して同様に300ページ記録し、これを100ブックに対して行うことによりキュア内の全ブックにデータを記録する。
【0083】
次にステップS408において、ステップS407の記録処理を所定回数分、実施したかどうかを判定する。所定回数記録処理を実施した場合は、ステップS409〜S415において所定回数、ポストキュア処理(後述)とベリファイ処理を行うが、1回目のデータ記録コマンドの処理においては所定回数実施していないので、処理を終了する。例えばここでは所定回数を2回とし、2回記録処理を行ったら2回ベリファイ処理を行う。これはN回目のステップS407の記録処理を行った後、すぐにステップS409〜S415のポストキュア処理、ベリファイ処理を実施せず、N+1回目のステップS407の記録処理を行ってから、N回目のステップS409〜S415のポストキュア処理、ベリファイ処理、N+1回目のステップS409〜S415のポストキュア処理、ベリファイ処理、を行うことを意味する。
【0084】
一般にホログラム記録には、光の照射中に反応する明反応と光の照射後に反応する暗反応があり、記録処理後にポストキュアとベリファイ処理を実施する前に暗反応の終了を待つ必要がある。前記所定回数を適切に設定し、記録処理とベリファイ処理を効率的に行うことにより、暗反応の終了待ち時間によるデータ転送レートの低下を防ぐことができる。
【0085】
ホストコンピュータから2回目のデータ記録コマンドを受け取ったら、再びステップS401〜S407の処理を実施する。
【0086】
ステップS401においてメモリにリトライデータがあるかどうかを判定するが、ここでもまだベリファイ実施前でありリトライデータはないので、ステップS402においてホストコンピュータからキュア容量分のデータを受け取り、メモリ上に配置する。
【0087】
次にステップS404において、スクランブルを施した後、誤り訂正符号ECCを付加する。
【0088】
次にステップS405において、光情報記録媒体の所望の位置にデータを記録するために、モータの回転制御およびピックアップやキュア光学系の位置制御を行い、所望の位置に移動する。ここでの所望の位置とは、例えば直前に記録したキュアの隣であり、通常は円周方向あるいは半径方向に順に記録位置を移動させていく。
【0089】
次にステップS406においてプリキュアを行い、ステップS407においてキュア容量分のデータを光情報記録媒体に記録する。
【0090】
次にステップS408において所定回数記録処理を実施したかどうかを判定する。ここでは所定回数記録処理を実施しているので、ステップS409〜S411において所定回数ポストキュアを行う。
【0091】
まずステップS409において、光情報記録媒体の所望の位置のポストキュアを行うために、モータの回転制御およびキュア光学系の位置制御を行い、所望の位置に移動する。ここでの所望の位置とはステップS401〜S407においてデータを記録した位置である。
【0092】
次にステップS410においてポストキュアを行い、ステップS411において所定回数ポストキュアを実施したかどうかを判定する。
【0093】
ここでは、記録した2つのキュア容量分のデータに対してポストキュアを実施したら、次にステップS412において、光情報記録媒体の所望の位置のデータをベリファイするために、モータの回転制御およびピックアップの位置制御を行い、所望の位置に移動する。
【0094】
ここでの所望の位置とはステップS401〜S407においてデータを記録した位置であり、ステップS409〜ステップS411においてポストキュアを実施した位置である。
【0095】
次にステップS413においてキュア容量分のデータのベリファイを行う。ベリファイは光情報記録媒体からデータを再生して誤り訂正不能やCRCエラーが発生したらベリファイエラーとする。あるいは誤り訂正不能が発生しなくても、予め定めたエラー数を超えたらベリファイエラーとする。あるいは、光情報記録媒体から再生したデータとメモリ上の元データを比較し、不一致が発生したらベリファイエラーとする。キュア容量分のデータを光情報記録媒体から再生する。
【0096】
次にステップS414においてベリファイエラーが発生したかどうかを判定し、記録したデータがベリファイエラーであった場合は、ステップS415においてホストコンピュータにエラーとなったデータの再転送を要求し、ステップS416においてホストコンピュータから送られたリトライデータを、次に光情報記録媒体へ記録する為に確保してあるメモリ内のキュア容量単位における先頭に配置する。
【0097】
次にステップS417において所定回数ベリファイ処理を実施したかどうかを判定する。1回目のベリファイ処理においては所定回数実施していないので、ステップS412に戻り、ステップS412〜S417の処理を実施する。
【0098】
ベリファイ処理を所定回数実施したら、ステップS418において記録とベリファイの実施回数をクリアして処理を終了する。
【0099】
ホストコンピュータから3回目のデータ記録コマンドを受け取ったら、再びステップS401〜S407の処理を実施する。
【0100】
ステップS401においてメモリにリトライデータがあるかどうかを判定する。メモリにリトライデータがある場合、すなわちベリファイエラー発生によりステップS416においてリトライデータをメモリ先頭に配置した場合は、ステップS402においてホストコンピュータからキュア容量からリトライデータ分を引いた分のデータを受け取り、メモリ上に配置する。
【0101】
次にステップS404において、スクランブルを施した後、誤り訂正符号ECCを付加する。
【0102】
次にステップS405において、光情報記録媒体の所望の位置にデータを記録するために、モータの回転制御およびピックアップやキュア光学系の位置制御を行い、所望の位置に移動する。
【0103】
次にステップS406においてプリキュアを行い、ステップS407においてキュア容量分のデータを光情報記録媒体に記録する。
【0104】
次にステップS408において所定回数記録処理を実施したかどうかを判定する。前述のとおりステップS418において記録とベリファイの実施回数をクリアしたので、ここでは所定回数に到達しておらず、処理を終了する。
【0105】
ホストコンピュータから4回目のデータ記録コマンドを受け取ったら、再びステップS401〜S407の処理を実施する。
【0106】
次にステップS408において所定回数記録処理を実施したかどうかを判定する。ここでは所定回数記録処理を実施しているので、ステップS409〜S411において所定回数ポストキュアを行い、ステップS412〜S417において所定回数ベリファイ処理を行い、ステップS418において記録とベリファイの実施回数をクリアする。
【0107】
以上のように所定回数を2回とした場合、2回記録処理を行ったら2回ベリファイ処理を行い、これを繰り返してデータを光情報記録媒体に記録していく。
【0108】
一度ベリファイエラーとなったデータをリトライデータとして再記録し、欠陥元アドレスと交替先アドレスを交替情報として、管理情報に登録する。なお、リトライデータもベリファイエラーになった場合は、リトライ処理を再度行う。
【0109】
図5は光情報記録媒体上のキュアおよびブックを示す説明図である。
【0110】
キュア500は1回のプリキュア、ポストキュアを行う領域を示し、ブック501は記録再生を行う領域を示す。データは光情報記録媒体上の回転方向や半径方向にキュア単位で順に記録する。
【0111】
データを記録する際にはキュア単位でまずプリキュアを行い、次にキュア内のブック単位で順にデータを記録していく。例えばキュア内に100ブック、ブック内に300ページあるとすると、キュア内の或るブックに対して角度多重により300ページ記録したら、次のブックに対して同様に300ページ記録し、これを100ブックに対して行うことによりキュア内の全ブックにデータを記録する。次にポストキュアを行い、キュア内のデータのベリファイを行う。なお、データは少なくともアドレスを含むものとする。
【0112】
ここで例えばcure1にプリキュアを行い、cure1のbook1からbook100にデータを記録し、cure2にプリキュアを行い、cure2のbook1からbook100にデータを記録し、次にcure1、cure2にポストキュアを行い、ベリファイを行った際に、cure1のbook3、48、77に記録したデータがベリファイエラーになったとする。
【0113】
この場合、cure1のbook3、48、77に記録したデータをcure3のbook1、2、3に再記録する。
【0114】
そして、cure1のbook3、48、77のアドレスを欠陥元アドレス、cure3のbook1、2、3のアドレスを交替先アドレスとして管理情報に登録する。cure3のbook1、2、3がベリファイエラーだった場合はcure5のbook1、2、3に再記録し、このアドレスを交替先アドレスとして登録する。
【0115】
図6は光情報記録再生装置のデータ記録処理とベリファイ処理の動作を示すタイミングチャートである。
【0116】
cure1のプリキュアを行い、cure1のbook1からbook100まで順に記録処理を行い、cure2のプリキュアを行い、cure2のbook1からbook100まで順に記録処理を行い、cure1、cure2のポストキュアを行った後にベリファイを行い、cure1のbook3、48、77のデータがベリファイエラーになった場合を示している。
【0117】
次に、位置制御を行い、cure3のプリキュアを行い、cure3のbook1からbook100まで順に記録を行う際に、book1についてはcure1のbook3に記録したデータを再記録する。
【0118】
また、book2、3についてはcure1のbook48、77に記録したデータを再記録する。
【0119】
ベリファイエラーが発生しなければbook1、2、3に記録するはずだったデータはbook4、5、6に記録し、以降全て後ろにずらして記録する。
【0120】
そして、cure1のbook3、48、77のアドレスを欠陥元アドレス、cure3のbook1、2、3のアドレスを交替先アドレスとして管理情報に登録する。
【0121】
図7、
図8は第1の実施例の光情報記録再生装置がホストコンピュータからデータを受け取ってメモリに格納し、光情報記録媒体に記録し、ベリファイを行う際のデータとブックの対応図である。
【0122】
図7は光情報記録再生装置がホストコンピュータからdata1〜180を受け取って光情報記録媒体のcure1、2に記録する例である。
【0123】
まず、光情報記録再生装置がホストコンピュータからdata1〜90を受け取ってメモリに一旦格納し、誤り訂正符号ECCを付加する。また、同様にdata90〜180を受け取ってメモリに一旦格納し、誤り訂正符号ECCを付加する。
【0124】
次に、光情報記録再生装置がdata1〜90と誤り訂正符号ECCを光情報記録媒体のcure1/book1〜100に記録する。また、同様にdata90〜180と誤り訂正符号ECCを光情報記録媒体のcure2/book1〜100に記録する。
【0125】
次に、光情報記録再生装置が光情報記録媒体のcure1/book1〜100を再生してメモリに格納し、誤り訂正を行う。そして、data3、48、77がベリファイエラーになった例を示している。また、同様にcure2/book1〜100を再生してメモリに格納し、誤り訂正を行う。
【0126】
図8は光情報記録再生装置がホストコンピュータからdata3、48、77およびdata181〜data357を受け取って光情報記録媒体のcure3、4に記録する例である。
【0127】
まず、光情報記録再生装置がホストコンピュータに前記data3、48、77の再転送をホストコンピュータに要求し、受け取ったデータをメモリに一旦格納する。更にホストコンピュータからdata181〜267を受け取ってメモリに一旦格納し、誤り訂正符号ECCを付加する。また、同様にdata268〜357を受け取ってメモリに一旦格納し、誤り訂正符号ECCを付加する。
【0128】
次に、光情報記録再生装置がdata3、48、77とdata181〜267、および誤り訂正符号ECCを光情報記録媒体のcure3/book1〜100に記録する。また、同様にdata268〜357と誤り訂正符号ECCを光情報記録媒体のcure4/book1〜100に記録する。
【0129】
次に、光情報記録再生装置が光情報記録媒体のcure3/book1〜100を再生してメモリに格納し、誤り訂正を行う。また、同様にcure4/book1〜100を再生してメモリに格納し、誤り訂正を行う。cure3/book1〜3はcure1/data3、48、77であり、cure1/data3、48、77のアドレスを欠陥元アドレス、cure3/book1〜3のアドレスを交替先アドレスとして管理情報に登録する。もしもcure3/book1〜3がベリファイエラーになった場合は、cure5/book1〜3に再記録する。
【0130】
なお、
図7、
図8ではプリキュア、ポストキュアやスクランブル、CRC処理等については説明を省略した。
【0131】
また、data358〜360はcure5に記録される。
【0132】
なお、本実施例では分かり易いようにブック単位でデータを交替する例を示したが、特にブック単位である必要はない。
【0133】
また、本実施例では分かり易いようにキュア単位で誤り訂正符号を付加する例を示したが、特にキュア単位である必要はない。
【0134】
また、本実施例では光情報記録再生装置が誤り訂正処理やリトライデータ作成を行う例を示したが、ホストコンピュータが行ってもよい。
【0135】
また、本実施例ではホストコンピュータから受け取ったキュア容量分のデータの記録処理を行ってから次のキュアを受け取る例を示したが、記録処理を行っている間に次のキュア容量分のデータを受け取ってもよい。また、複数のキュア容量分のデータを受け取ってから記録処理を開始してもよい。
【0136】
以上の構成により本発明の第1の実施例では、光情報記録媒体にデータを順に記録し、記録したデータのベリファイを順に行う。記録したデータがベリファイエラーになった場合は、当該データの再転送をホストコンピュータに要求し、受け取ったデータを次に光情報記録媒体へ記録する為に確保してあるメモリ内のキュア容量単位における先頭に配置して記録する。全ての記録処理の最後にベリファイエラーのみで構成されるデータでキュア容量内のデータを構成するとキュア容量を殆ど使用せず、未記録領域が多く残った場合、当該のキュア記録単位は追記不可の状態となってしまう。しかし、このような場合でもベリファイエラーとなったデータを次に記録するキュア容量単位の先頭に割り込ませて記録することで、必要最低限の領域しか使用せず、光情報記録媒体の記録領域の消費を抑えることができる。
【0137】
また、本実施例ではベリファイエラーになったデータをホストコンピュータから再入手するため、ベリファイ完了まで元データを保持しておく必要がなく、必要最低限度の量のメモリの搭載で光情報記録再生装置を構成できる。
【0138】
また、本実施例によれば、リトライデータが存在するキュア単位とベリファイエラーが検出されたデータが存在するキュア単位は位置が近いため、リトライデータへのアクセス性能が向上する。
【0139】
なお、本実施例ではベリファイエラーになったデータを次に記録するキュア単位の先頭に割り込ませて記録する例を説明したが、本発明はこれに限らず、例えば次に記録するキュア単位の最後に割り込ませて記録してもよいし、それ以外であっても構わない。
【実施例2】
【0140】
図9は、第2の実施例の光情報記録再生装置の構成を示すブロック図である。
図1と共通な部分については説明を省略する。
【0141】
光情報記録再生装置900は、ホストコンピュータ108と接続されており、ホストコンピュータ108から入力したデータを光情報記録媒体101に記録する。また、光情報記録媒体101から再生したデータをホストコンピュータ108に出力する。ピックアップ902、903は半径方向に移動可能な構成となっているため、光情報記録媒体101全面に渡り、ホログラフィを用いて情報を記録再生することができる。
【0142】
情報を記録するためには、光情報記録媒体101に信号光と参照光を照射する必要があり、ピックアップ902は、光情報記録媒体101に信号光を照射し、参照光光学系904は、参照光を照射する。
【0143】
また、ホログラフィから情報を再生するためには、光情報記録媒体101に参照光を照射し、再生光を検出する必要があり、参照光光学系905は、光情報記録媒体101に参照光を照射し、ピックアップ903は、その際に再生される再生光をピックアップ903内の光検出器によって検出し、信号処理回路105に送る。
【0144】
更に、ピックアップ902、903は、参照光角度のずれ量を検出する機構によりずれ量を検出し、サーボ制御回路915に送る。
【0145】
次に、光情報記録媒体101にデータを記録する場合の光情報記録再生装置900の動作を説明する。光情報記録再生装置100に光情報記録媒体101が装着されると、コントローラ912は各部の調整処理を行い、モータ制御回路110、アクセス制御回路914により、ピックアップ902、参照光光学系904を所定の位置に移動し、ピックアップ902、信号処理回路105を介して光情報記録媒体101から管理情報を読み出し、メモリ106に格納する。
【0146】
そして、モータ制御回路110、アクセス制御回路914により、ピックアップ902、参照光光学系904、キュア光学系104を所望の位置に移動する。
【0147】
そして、ホストコンピュータ108から光情報記録再生装置900にデータが送られると、インタフェース回路107でデータを受け取り、メモリ106に格納し、信号処理回路105によりCRC付加、スクランブル、誤り訂正符号付加等を行う。
【0148】
そして、モータ制御回路110、アクセス制御回路914により、ピックアップ902、参照光光学系904を所望の位置に移動し、キュア光学系104にてプリキュアを行い、メモリ信号処理回路105によりメモリ106からデータを読み出し、マーカーを付加してピックアップ902に送り、光情報記録媒体101に記録する。そして、キュア光学系104にてポストキュアを行う。
【0149】
ベリファイすなわち記録したデータを正しく読み出せるかどうか確認する場合は、ピックアップ903により光情報記録媒体101から検出した画像データを信号処理回路105に送り、マーカーを基準に画像位置を検出し、歪みを補正した後、2値化処理を行い、2次元データを取得し、メモリ106に格納する。そして、複数のデータ列に変換した後、誤り訂正処理を行い、スクランブルを解き、CRCによる誤り検出処理を行う。ここで誤りが検出された場合はコントローラ912にベリファイエラーを伝え、コントローラ912は各部を制御してリトライを行う。リトライの際には不一致となったデータを次に記録するキュア単位の先頭個所に記録する。
【0150】
あるいは、信号処理回路105により記録時のデータとベリファイ時のデータを比較し、不一致の場合にコントローラ912にベリファイエラーを伝える。
【0151】
そして、リトライしたデータのベリファイを行い、ベリファイエラーでなければ欠陥元アドレスと交替先アドレスを交替情報として管理情報に登録する。ベリファイエラーであればリトライ処理を再度行う。
【0152】
次に、光情報記録媒体101からデータを再生する場合の光情報記録再生装置900の動作を説明する。光情報記録再生装置900に光情報記録媒体101が装着されると、コントローラ912は各部の調整処理を行い、モータ制御回路110、アクセス制御回路914により、ピックアップ903、参照光光学系905を所定の位置に移動し、ピックアップ903、信号処理回路105を介して光情報記録媒体101から管理情報を読み出し、メモリ106に格納する。
【0153】
そして、モータ制御回路110、アクセス制御回路914により、ピックアップ903、参照光光学系905を所望の位置に移動し、光情報記録媒体101から再生したデータをメモリ106に書き込み、信号処理回路105により誤り訂正処理を行い、スクランブルを解き、誤り検出処理を行う。
【0154】
そして、メモリ106からデータを読み出してインタフェース回路107を介してホストコンピュータ108に送る。
【0155】
図10は第2の実施例の光情報記録再生装置のデータ記録処理とベリファイ処理及びプリキュアとポストキュアの動作を示すタイミングチャートである。
【0156】
なお、第2の実施例の光情報記録再生装置のメモリは、少なくともBuffer1とBuffer2の2面の記憶面を持ち、各々はキュア容量分であるとする。
【0157】
まず、cure1のプリキュアを行い、Buffer1のデータをcure1のbook1からbook100まで順に記録する。
【0158】
次にcure2のプリキュアを行い、Buffer2のデータをcure2のbook1からbook100まで順に記録するのと並行して、cure1のポストキュアを行った後にベリファイを行った結果、cure1のbook3のデータがベリファイエラーになったとする。
【0159】
次に、cure3のプリキュアを行い、cure3用のデータで更新されたBuffer1内のデータをcure3のbook1からbook100まで順に記録するのと並行して、cure2のポストキュアを行った後にベリファイを行う。ここで、cure2のデータはベリファイエラーにならなかったとする。
【0160】
次に、cure4のプリキュアを行い、cure4用のデータで更新されたBuffer2内のデータをcure4のbook1からbook100まで順に記録する際に、cure4のbook1についてはcure1のbook3に記録したデータをホストコンピュータから再入手して記録する。
【0161】
cure1のbook3のベリファイエラーが発生しなければ、本来cure4のbook1に記録するはずだったデータはcure4のbook2に記録し、以降全て後ろにシフトして記録する。
【0162】
そして、cure1のbook3のアドレスを欠陥元アドレス、cure4のbook1のアドレスを交替先アドレスとして管理情報に登録する。
なお、本実施例では分かり易いようにブック単位でデータを交替する例を示したが、特にブック単位である必要はない。
【0163】
また、本実施例では分かり易いようにキュア単位で誤り訂正符号を付加する例を示したが、特にキュア単位である必要はない。
【0164】
また、本実施例では光情報記録再生装置が誤り訂正処理やリトライデータ作成を行う例を示したが、ホストコンピュータが行ってもよい。
【0165】
以上の構成により本発明の第2の実施例では、実施例1と同様の効果を得ることができる。
【0166】
更に、記録処理とベリファイ処理を同時に実施できるため、第1の実施例よりも短い時間で光情報記録媒体に記録することができる。
【実施例4】
【0178】
図12は、本発明の第4の実施例のデータライブラリ装置の構成を示すブロック図である。
【0179】
データライブラリ装置1201は、サーバ1202を介してネットワーク1203からハードディスク1204に蓄積されたデータを光情報記録媒体に記録する。あるいは光情報記録媒体からデータを再生し、サーバ1202を介してネットワーク1203に送る。サーバ1202は、ハードディスク1204とデータライブラリ装置1201を制御してネットワーク1203から送られたデータを管理する。ハードディスク1204は、サーバ1202に制御されてネットワーク1203から送られたデータの記録再生を行う。
【0180】
光情報記録媒体101は、データライブラリ装置1201に複数枚格納されており、光情報記録媒体交換装置1205により選択され、光情報記録再生装置1300、1301、1302、1303に装着され、データが記録再生される。光情報記録再生装置1300、1301、1302、1303は、ライブラリ装置制御回路1205に制御されて、光情報記録媒体101にデータを記録再生する。光情報記録媒体交換装置1206は、ライブラリ装置制御回路1205に制御されて、光情報記録再生装置1300、1301、1302、1303に装着する光情報記録媒体を交換する。
【0181】
ライブラリ装置制御回路1205は、サーバ1202からの要求により、光情報記録媒体交換装置1206を制御して複数枚の光情報記録媒体から所望の光情報記録媒体を選択し、光情報記録再生装置1300、1301、1302、1303に送る。また、ライブラリ装置制御回路1205は、サーバ1202から送られたデータを光情報記録再生装置1300、1301、1302、1303に送る前に、複数のデータ列に分割してCRCを付加し、スクランブルを施した後、誤り訂正符号を付加する。また、ライブラリ装置制御回路1205は、光情報記録再生装置1300、1301、1302、1303から送られたデータをサーバ1202に送る前に、誤り訂正処理を行い、スクランブルを解き、CRCによる誤り検出処理を行う。
【0182】
データライブラリ装置1201は複数台の光情報記録再生装置を内蔵しており、複数枚の光情報記録媒体に同時に記録再生できるため、高速にデータを記録再生することが可能である。
【0183】
例えば光情報記録再生装置1300、1301、1302、1303に各々光情報記録媒体を装着し、光情報記録再生装置1300、1301、1302、1303により同時にデータを記録する。この時、光情報記録再生装置は4台並列に動作するので、1台の4倍の速度でデータを記録することができる。
【0184】
図13は、第4の実施例の光情報記録再生装置1300の構成を示すブロック図である。
図1と共通な部分については説明を省略する。
【0185】
光情報記録再生装置1300は、ライブラリ装置制御回路1205と接続されており、ライブラリ装置制御回路1205から入力したデータを光情報記録媒体101に記録する。また、光情報記録媒体101から再生したデータをライブラリ装置制御回路1205に出力する。ピックアップ102は半径方向に移動可能な構成となっているため、光情報記録媒体101全面に渡り、ホログラフィを用いて情報を記録再生することができる。
【0186】
信号処理回路1305は、インタフェース回路107を介してライブラリ装置制御回路1205から送られたデータをメモリ1306に送り、2次元データに変換し、それを1ページデータ分繰返すことで1ページ分の2次元データを構成する。このように構成した2次元データに対して再生時の画像位置検出や画像歪補正での基準となるマーカーを付加し、ピックアップ102に送る。
【0187】
あるいは信号処理回路1305は、ピックアップ102から検出した画像データを受け取り、この画像データに含まれるマーカーを基準に画像位置を検出し、画像の傾き・倍率・ディストーションなどの歪みを補正した後、2値化処理を行い、マーカーを除去することで1ページ分の2次元データを取得し、メモリ1306に格納する。このようにして得られた2次元データを複数のデータ列に変換した後、インタフェース回路107を介してライブラリ装置制御回路1205に送る。
【0188】
なお、誤り訂正符号付加および誤り訂正処理、スクランブル処理、CRC処理等はライブラリ装置制御回路1205で行う。
【0189】
メモリ1306はデータを一時的に記憶する記憶部であり、信号処理回路1305に制御されて、バッファメモリとして使用される。誤り訂正符号付加および誤り訂正処理、スクランブル処理、CRC処理等には使用されないため、第1の実施例の光情報記録再生装置に搭載されるメモリより小さくてよい。
【0190】
メモリ1306は例えばDRAM、SRAMの他、SSD等、データを保持できるものであれば良く、HDDでも良い。
【0191】
インタフェース回路107はライブラリ装置制御回路1205からの記録再生指示をコントローラ1312に伝える。また、信号処理回路1305から送られたデータをライブラリ装置制御回路1205に送る。また、ライブラリ装置制御回路1205から送られたデータを信号処理回路1305に送る。インタフェース回路107は、例えばSATA、SAS、その他の転送方式に準拠したデータ転送を行う。
【0192】
コントローラ1312は光情報記録再生装置1300の各部を制御し、光情報記録媒体101のデータ記録処理、データ再生処理等を行う。コントローラ1312は例えばCPUにより構成する他、任意の制御回路や、ASIC等の専用回路を用いてもよい。
【0193】
次に、光情報記録媒体101にデータを記録する場合の光情報記録再生装置1300の動作を説明する。光情報記録再生装置100に光情報記録媒体101が装着されると、コントローラ1312は各部の調整処理を行い、モータ制御回路110、アクセス制御回路114により、ピックアップ102、参照光光学系103を所定の位置に移動し、ピックアップ102、信号処理回路1305を介して光情報記録媒体101から管理情報を読み出し、メモリ1306に格納する。
【0194】
そして、モータ制御回路110、アクセス制御回路114により、ピックアップ102、参照光光学系103、キュア光学系104を所望の位置に移動する。
【0195】
そして、ライブラリ装置制御回路1205から光情報記録再生装置1300にデータが送られると、インタフェース回路107でデータを受け取り、メモリ1306に格納する。
【0196】
そして、モータ制御回路110、アクセス制御回路114により、ピックアップ102、参照光光学系103を所望の位置に移動し、キュア光学系104にてプリキュアを行い、メモリ信号処理回路1305によりメモリ1306からデータを読み出し、マーカーを付加してピックアップ102に送り、光情報記録媒体101に記録する。そして、キュア光学系104にてポストキュアを行う。
【0197】
ベリファイすなわち記録したデータを正しく読み出せるかどうか確認する場合は、ピックアップ102により光情報記録媒体101から検出した画像データを信号処理回路1305に送り、マーカーを基準に画像位置を検出し、歪みを補正した後、2値化処理を行い、2次元データを取得し、メモリ1306に格納する。そして、インタフェース回路107を介してライブラリ装置制御回路1205に送り、ライブラリ装置制御回路1205にて確認を行う。
【0198】
次に、光情報記録媒体101からデータを再生する場合の光情報記録再生装置1300の動作を説明する。光情報記録再生装置100に光情報記録媒体101が装着されると、コントローラ1312は各部の調整処理を行い、モータ制御回路110、アクセス制御回路114により、ピックアップ102、参照光光学系103を所定の位置に移動し、ピックアップ102、信号処理回路1305を介して光情報記録媒体101から管理情報を読み出し、メモリ1306に格納する。
【0199】
そして、モータ制御回路110、アクセス制御回路114により、ピックアップ102、参照光光学系103を所望の位置に移動し、光情報記録媒体101から再生したデータをメモリ1306に書き込み、インタフェース回路107を介してライブラリ装置制御回路1205に送る。
【0200】
図14は第4の実施例のライブラリ装置制御回路1205の構成を示すブロック図である。ライブラリ装置制御回路1205は信号処理回路1405、メモリ1406、インタフェース回路1407、1408、およびコントローラ1412で構成される。
【0201】
信号処理回路1405は、コントローラ1412に制御され、インタフェース回路1407を介してサーバから送られたデータをメモリ1406に格納し、メモリ上で各種信号処理を行い、インタフェース回路1408を介して光情報記録再生装置に送る。
【0202】
あるいは、インタフェース回路1408を介して光情報記録再生装置から送られたデータをメモリ1406に格納し、メモリ上で各種信号処理を行い、インタフェース回路107を介してサーバに送る。
【0203】
メモリ1406はデータを一時的に記憶する記憶部であり、信号処理回路1405に制御されて、バッファメモリ、誤り訂正符号付加用メモリ、誤り訂正用メモリ等として使用される。メモリ1406は例えばDRAM、SRAMの他、SSD等、データを保持できるものであれば良く、HDDでも良い。
【0204】
インタフェース回路1407はサーバから送られた記録再生指示をコントローラ1412に伝える。また、信号処理回路1405から送られたデータをサーバに送る。また、サーバから送られたデータを信号処理回路1405に送る。
【0205】
インタフェース回路1408はコントローラ1412から送られた記録再生指示を光情報記録再生装置に送る。また、信号処理回路1405から送られたデータを光情報記録再生装置に送る。また、光情報記録再生装置から送られたデータを信号処理回路1405に送る。
【0206】
インタフェース回路1407、1408は、例えばSATA、SAS、その他の転送方式に準拠したデータ転送を行う。
【0207】
ホストコンピュータ108は光情報記録再生装置100にデータを送り、記録を指示する。また、光情報記録再生装置100に再生を指示し、データを受け取る。
【0208】
コントローラ4112はライブラリ装置制御回路の各部を制御し、光情報記録媒体交換装置を介して所望の光情報記録媒体を選択し、光情報記録再生装置を介してデータ記録処理、データ再生処理等を行う。コントローラ4112は例えばCPUにより構成する他、任意の制御回路や、ASIC等の専用回路を用いてもよい。
【0209】
信号処理回路1405内のメモリ制御回路200は、各回路からのデータ入出力要求に応じて、メモリ1406に対するデータ書き込み、読み出しを行う。
【0210】
CRC演算回路201は、メモリ1406上のデータ列のCRCを演算して付加する。あるいは、データ列のCRCを演算してエラーを検出する。
【0211】
スクランブル回路202は、メモリ1406上のデータ列にスクランブルを行う。あるいは、データ列のスクランブルを解く。
【0212】
誤り訂正および誤り訂正符号付加回路203は、メモリ1406上で誤り訂正符号を付加する。あるいは、メモリ1406上に格納されたデータに含まれる誤りを訂正する。
【0213】
なお、図示しないが、各回路はコントローラ1412により制御される。あるいは信号処理回路1405内に専用コントローラを備えて各回路を制御してもよい。
【0214】
次に、光情報記録媒体101にデータを記録する場合の信号処理回路1405の動作を説明する。
【0215】
信号処理回路1405は、インタフェース回路1407から送られたデータを、メモリ制御回路200を介してメモリ1406に格納し、複数のデータ列に分割、再生時にエラー検出が行えるようにCRC演算回路201により各データ列にCRCを付加し、オンピクセル数とオフピクセル数をほぼ等しくし、同一パターンの繰り返しを防ぐことを目的にスクランブル回路202によりデータ列に擬似乱数データ列を加えるスクランブルを施した後、再生時にエラー訂正が行えるように誤り訂正および誤り訂正符号付加回路203によりリード・ソロモン符号等の誤り訂正符号を付加して、インタフェース回路1408に送る。
【0216】
ベリファイを行う場合は、信号処理回路1405は、インタフェース回路1408を介してメモリ1406に格納されたデータに対して、誤り訂正および誤り訂正符号付加回路203により誤り訂正処理を行い、スクランブル回路202によりスクランブルを解き、CRC演算回路201により誤り検出処理を行う。
【0217】
誤り訂正処理、CRC演算処理等で誤りが検出された場合は、当該データの元データをコピーし、次に記録するキュアの先頭に割り込ませてペーストする。その際に、次に記録するキュアのデータはその分後ろにシフトさせる。
【0218】
次に、光情報記録媒体101からデータを再生する場合の信号処理回路1405の動作を説明する。
【0219】
信号処理回路1405は、インタフェース回路1408を介してメモリ1406に格納されたデータに対して、誤り訂正および誤り訂正符号付加回路203により誤り訂正処理を行い、スクランブル回路202によりスクランブルを解き、CRC演算回路201により誤り検出処理を行って、インタフェース回路1407に送る。
【0220】
以上の構成により本発明の第4の実施例では、実施例1と同様の効果を得ることができる。
【0221】
更に、複数台の光情報記録再生装置を内蔵しており、複数枚の光情報記録媒体に同時に記録再生できるため、高速にデータを記録再生することが可能である。
【0222】
更に、誤り訂正処理および誤り訂正符号付加処理、CRC演算処理等を1つのライブラリ装置制御回路で実施するため、複数台の各光情報記録再生装置のメモリはバッファリングに必要な最小限でよい。
【0223】
なお、本実施例ではデータライブラリ装置が誤り訂正処理やリトライデータ作成を行う例を示したが、サーバが行ってもよい。
【0224】
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
【0225】
また、上記の各構成、機能、処理部、処理手段等は、それらの一部又は全部を、例えば集積回路で設計する等によりハードウェアで実現してもよい。また、上記の各構成、機能等は、プロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し、実行することによりソフトウェアで実現してもよい。各機能を実現するプログラム、テーブル、ファイル等の情報は、メモリや、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)等の記録装置、または、ICカード、SDカード等の記録媒体に置くことができる。
【0226】
また、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には殆ど全ての構成が相互に接続されていると考えてもよい。