(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
液晶用バックライトの光源や照明用光源は、発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)への置き換えが進んでいる。
【0003】
例えば、液晶用バックライトでは、従来は、発光源として冷陰極管(CCFL:Cold Cathode Fluorescent Lamp)が主流であったが、近年、LEDへの置き換えが進んでいる。このLEDへの置き換えにより、CCFLや蛍光灯で使用される環境負荷の高い水銀の使用を廃止し、消費電力を削減し、色再現性を高め、光源装置の寿命を長くすることが可能になる。
【0004】
照明用途でも同様、従来は主流であった白熱灯や蛍光灯から、LEDへの置き換えが急速に進んでいる。
【0005】
図8、
図9を参照して、エッジライト型の面光源装置であるLED光源装置100を説明する。
【0006】
図8は、上記LED光源装置100の主要な部品の構成の一例を示す分解斜視図であり、
図9は組み立てられた状態の上記LED光源装置100の断面図である。
【0007】
上記LED光源装置100は、筐体110、導光板120、反射シート130、拡散シート150、およびLED光源モジュール140を備えたエッジライト型の面光源装置である。
【0008】
上記LED光源モジュール140から出射される光は、導光板120の一側面である入射面に入射される。この入射面から入射した光は、上記導光板120の内部でミキシングされ、均一化されて、面状光として照射面となる天面から出射される。上記反射シート130は、導光板120から照射面と反対側に漏れた光を導光板120内へ戻す機能を有し、光の利用効率の向上に寄与する。上記拡散シート150は、上記導光板120から出射された光を均一化し、輝度ムラを低減する効果があり、必要に応じてその他の様々な光学シートと組み合わせて用いられる。また、上記筐体110はこれらの部材を収納し固定する。
【0009】
上記LED光源装置100は、以上のように構成されることにより、LED素子の発光を利用した面照射装置として機能する。
【0010】
上記LED光源装置100のように、画面の縁部から照射された光を何らかの導光手段を用いて面状の照射光に変換する光源はエッジライト型と呼ばれ、照射面の直下に光源をアレイ状に配置する直下型と比べて、光源モジュールの薄型化に有利である。したがって、テレビ受像機等の商品に薄型化が強く要望される液晶のバックライト用途に適しており、LED光源装置100のようなエッジライト型が主流となっている(特許文献1(特開2010−039299号公報)参照)。
【0011】
上記の用途で使用されるLED光源装置は、通常、何らかの方法でLED素子が実装された光源モジュールを使用することで実現される。例えば、LED素子が搭載されたLEDパッケージを配線基板上に半田実装する方法である。特に、表面実装用パッケージを使用したLEDパッケージをリフローにより半田実装する方法が、現在は主流である。
【0012】
上記リフローによる半田実装とは別に、COB(Chip On Board)実装によって構成したLED光源モジュールを、利用することも可能である。このCOB実装によるLED光源モジュールを、
図10〜
図12を参照して、詳細に説明する。
【0013】
図10は、LED光源モジュール140の一例であるLED光源モジュール500の平面図であり、このLED光源モジュール500は、LED素子515がCOB実装されている。
図11は、
図10のC−C矢視断面図である。
【0014】
上記LED光源モジュール500は、基板部材511がLED素子515を実装する凹部517を一例として4箇所有している。4つの凹部517には、それぞれ、3個のLED素子515が実装される。したがって、基板部材511には、合計12個のLED素子515が実装される。
【0015】
上記LED光源モジュール500は、
図11に示すように、上記基板部材511に一体に形成された4つの部位からなる配線層513を備える。この配線層513の4つの部位の各々は、上記4つの各凹部517に対応して配置されている。各配線層513の各部位に、各々3個のLED素子515がCOBにより実装されている。
【0016】
なお、上記配線層513上でなく、基板部材511の表面上にLED素子515を実装する構成も可能である。いずれにせよ、COBではLED素子515はパッケージに格納された上で配線層や基板部材に間接的に実装されるのではなく、LED素子のままで実装されることが特徴である。
【0017】
上記基板部材511が有する上記凹部517は、表面511Aから窪んでおり、この凹部517内にLED素子515が実装される。
【0018】
上記LED光源モジュール500では、LED素子515はボンディングワイヤ516により配線層513に電気的に接続される。また、上記配線層513は、コネクタ512の電極端子(図示せず)と電気的に接続される。この構成により、コネクタ512に接続されたハーネス(図示せず)を電気的に制御することでLED素子515の発光を制御することが可能になる。
【0019】
上記LED素子515とボンディングワイヤ516、およびLED素子515とボンディングワイヤ516との接続部分は、衝撃により破損する可能性があるので、破損防止のために、LED素子515とボンディングワイヤ516は上記接続部分も含めて封止樹脂514により封止される。すなわち、凹部517に封止樹脂514が注入される。この構成により、LED素子515およびボンディングワイヤ516は、外部から付加されるある程度の衝撃に耐えられることに加え、水分や異物などから保護される。
【0020】
図12は、上記4つの配線層513を含むリードフレーム600の一例を示す平面図である。上記リードフレーム600は、通常、金属板をプレス加工やエッチング加工によって任意の形状に成形することで製造される。この加工時に、生産性を向上させるために、単一の配線層513を個別に成形するのではなく、複数の配線層513をまとめて一体に成形されることが多い。リードフレーム600は、その一例であり、4枚の配線層513が成形されたものである。
【0021】
上記リードフレーム600の生産性向上のため、通常、複数のLEDモジュール500のための複数の配線層513が、1枚のリードフレーム600中に形成される。そのため、上記リードフレーム600は、一体に構成するための枠部602と最終的に切除される部分603とを合わせて構成される。
【0022】
上述の如く、
図8に示したLED光源モジュール140の一例としての
図10に示したLEDモジュール500では、COBによりLED素子515を実装している。このCOBによる実装では、実装に半田を使用する必要が無いので、LED素子をパッケージに封止したデバイスを配線基板に実装する場合と比較すると、使用時の半田温度に起因する温度の制約が無いという利点がある。また、上記COBによる実装は、LEDパッケージと同様の工程で、LED素子を最終の形態に製造できるので、小型の基板であれば低コストで製造できるなどの利点がある。上記COB実装によるLED光源モジュールについては、例えば特許文献2(特開2008−171931号公報)に記載されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0024】
ところで、LED素子を用いた光源モジュールの開発における評価や、生産における不良の解析において、顕微鏡や写真を用いて、光源モジュールの一部の部位を観察することが多い。発光源であるLED素子や、COB実装に用いるワイヤ、配線部を構成するリードフレームが主な観察対象となる。
【0025】
したがって、LED素子が実装される基板部材の凹部の位置を誤り無く把握することは、光源モジュールの評価や解析において重要である。また、光源モジュールの配線部がリードフレームのどの部分であるのか、上記リードフレームの生産に使用された型を誤り無く容易に把握することも、光源モジュールの評価や解析において重要である。
【0026】
しかしながら、上記基板部材が、LED素子を実装するための凹部を複数有する場合、各凹部の光学特性を一致させるために、各凹部の形状を同一にしている。このため、一見では観察している箇所が複数の凹部のうちのどの凹部であるのかを判断することが難しいという問題がある。
【0027】
また、上記リードフレームの配線部についても、同様に、各凹部の光学特性を互いに一致させるために、各凹部に配置される配線部は、ほぼ同一の形状とされる。また、複数の配線部をリードフレームに一体に成形する場合、個々の配線部間の特性に差異が生じないように、各配線部を略同じ形状とする。さらには、上記リードフレームを製造するための型(プレス加工の金型やエッチング加工のマスク)を複数用意する場合も、同様の理由で、上記複数の型を全て同じ形状にする。このため、観察対象となるリードフレームの複数の配線層やリードフレーム自体の特定が難しいという問題もある。
【0028】
そこで、この発明の課題は、複数の発光素子が配置される基板部材の複数の凹部や上記複数の発光素子を電気的に接続するための配線部を容易に識別できる光源モジュールを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0029】
上記課題を解決するために、この発明の光源モジュールは、複数の凹部を有する基板部材と、
上記基板部材の複数の凹部内に配置された複数の発光素子と、
上記複数の発光素子に電気的に接続される複数の配線部と
を備え、
さらに、上記基板部材もしくは上記配線部に形成されていると共に複数の凹部を個別に識別するための第1の識別記号、および、上記配線部に形成されていると共に上記配線部を識別するための第2の識別記号の少なくとも一方を備え
、
上記第1の識別記号は、上記基板部材と一体に成形されていることを特徴としている。
【0030】
上記基板部材は、略白色の樹脂で作製されていてもよい。
【0031】
また、上記第1の識別記号は、上記基板部材の表面に形成された窪みの形状で表されていてもよい。
【0032】
また、上記基板部材を射出成形された樹脂とし、上記第1の識別記号を上記基板部材と一体に射出成形されたものとしてもよい。
【0033】
また、上記配線部に形成された第2の識別記号を備え、上記第2の識別記号は上記基板部材から光学的に露出していてもよい。
【0034】
また、上記配線部を成形された金属板とし、上記第2の識別記号を上記配線部と一体に形成してもよい。
【0035】
また、上記基板部材を略白色の樹脂で作製し、上記配線部は露出面が銀で作製されていてもよい。
【発明の効果】
【0036】
この発明の光源モジュールによれば、基板部材もしくは配線部に形成された第1の識別記号によって、複数の発光素子が配置される上記基板部材の複数の凹部を個別に容易に識別でき、上記配線部に形成された第2の識別記号によって、上記配線部を容易に識別できる。
【発明を実施するための形態】
【0038】
以下、この発明を図示の実施の形態により詳細に説明する。
【0039】
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の光源モジュールの第1実施形態を模式的に示す平面図であり、
図2は、
図1のA‐A矢視断面図である。また、
図3は、上記第1実施形態の複数の配線層を含むリードフレームの平面図である。
【0040】
この第1実施形態は、長方形状の4つの凹部17A,17B,17C,17Dを有する基板部材11と、この基板部材11の各凹部17A〜17D内に配置される複数のLED素子15を備える。この4つの凹部17A〜17Dは、ほぼ長方形状であり、基板部材11の長手方向に沿って、予め設定された間隔を隔てて、形成されている。上記4つの凹部17A〜17Dは、ほぼ同一形状に形成されている。配線部としての配線層13は、4つの部位13A〜13Dからなる。
【0041】
上記基板部材11は、例えば、射出成形で形成され、
図2に示すように、4つの凹部17A〜17Dに対応する4つの部位13A〜13Dが一体に成形されている。上記基板部材11の素材としては、精密な射出成形が可能な樹脂が好ましく、LED素子15からの発光を効率良く利用するために反射率の高いものが適している。具体的一例としては、酸化チタン等の白色のフィラーを添加したLCP(Liquid Crystal Polymer:液晶ポリマ)などが選択される。
【0042】
この第1実施形態では、各凹部17A〜17Dに対して3つのLED素子(発光素子)15が配置されている。そして、配線層13の各部位13A〜13D上に各々3つのLED素子15がCOBにより実装されている。
【0043】
この第1実施形態では、LED素子15はボンディングワイヤ16により配線層13に電気的に接続される。また、ボンディングワイヤ16は、隣り合うLED素子15同士を電気的に接続している。
【0044】
上記基板部材11の各凹部17A〜17Dには、封止樹脂14が注入されている。この封止樹脂14により、LED素子15とボンディングワイヤ16およびLED素子15とボンディングワイヤ16との接続部分が封止される。この封止樹脂14により、LED素子15およびボンディングワイヤ16は、外部から付加されるある程度の衝撃に耐えられることに加え、水分や異物などから保護される。
【0045】
そして、この第1実施形態では、上記基板部材11の凹部17Aの長手方向の一端部の傍らに、第1の識別記号31Aとして、数字の「1」が刻印されている。また、上記凹部17Aの隣りの凹部17Bの長手方向の一端部の傍らに、第1の識別記号31Bとして、数字の「2」が刻印されている。また、上記凹部17Bの隣りの凹部17Cの長手方向の一端部の傍らに、第1の識別記号31Cとして、数字の「3」が刻印されている。また、上記凹部17Cの隣りの凹部17Dの長手方向の一端部の傍らに、第1の識別記号31Dとして、数字の「4」が刻印されている。
【0046】
上記第1の識別記号31A〜31Dとしての数字「1」〜「4」は、例えば、上記基板部材11を射出成形する際に、基板部材11の表面の一部を窪ませることにより形成される。これにより、特別な部材や生産工程の変更を行うことなく、第1の識別記号31A〜31Dとしての数字「1」〜「4」を、上記基板部材11に形成できる。
【0047】
また、基板部材11を白色とし、上記第1の識別記号31A〜31Dをなす窪みが十分に浅ければ、識別記号31A〜31Dが存在することによる機構的影響,光学的影響を軽微なものにすることができる。
【0048】
なお、上記封止樹脂14に着色剤や蛍光体が添加されることで、LED光源15からの出射光の色調を調整することが可能である。例えば、LED素子15が青色や紫外線を発光する場合に、封止樹脂14内に適合する蛍光体を含有させることで、この光源モジュールは、白色光を出射することができる。
【0049】
図3は、上記4つの配線層13を含むリードフレーム20の一例を示している。このリードフレーム20は、通常、金属板をプレス加工やエッチング加工によって任意の形状に成形することで製造される。このリードフレーム20では、4枚の配線層13をまとめて一体に成形されている。
【0050】
このリードフレーム20は、各配線層13を構成する部分21A〜21Dと、リードフレーム20全体の形状を維持するための部位である枠部22と、光源モジュールの製造工程において切除される部分23とで構成される。
図3には一部しか記載していないが、部位21A〜21Dと枠部22を除く部分は全て、切除される部分23となる。
【0051】
上記切除される部分23は、この光源モジュールの配線層13としては不要であるが、上記リードフレーム20を一体に構成するために必要で、かつ、このリードフレーム20の強度を十分に維持できるように設けられる。上記切除される部分23は この光源モジュールの製造工程において切除される。また、上記枠部22は、このリードフレーム20を一体に構成するための枠組みであり、この光源モジュールには使用されない。
【0052】
図3に示すように、このリードフレーム20は、配線層13の一端である部位13Aに、コネクタ12の電極端子18,19が形成され、一方の電極端子19からは、配線部分25が延在していて、この配線部分25は配線層13の他端である部位13Dに連なっている。したがって、上記一方の電極端子19は、配線部分25でもって、上記他端の部位13Dに電気的に接続されている。
【0053】
この第1実施形態の光源モジュールによれば、
図1に示すように、基板部材11の各凹部17A〜17Dに対して、個別に第1の識別記号31A〜31Dが形成されている。したがって、複数のLED素子15が配置される基板部材11の複数の凹部17A〜17Dを、第1の識別記号31A〜31Dによって、容易に個別に識別できる。したがって、例えば、顕微鏡や写真を用いて光源モジュールの基板部材11を観察する際に、観察している箇所が複数の凹部のうちのどの凹部であるのかを容易に誤りなく判断でき、光源モジュールの開発における評価や生産における不良の解析の信頼性を向上できる。
【0054】
尚、上記第1実施形態では、基板部材1に刻印された数字「1」〜「4」を、各凹部17A〜17Dを識別するための第1の識別記号31A〜31Dを基板部材1に刻印された数字「1」〜「4」としたが、上記第1実施形態の変形例として、
図4に示すような第1の識別記号33A〜33Dを基板部材1に形成してもよい。この第1の識別記号33A〜33Dは、長手方向に配列された3つの点状部42,43,44と1つの線状部41とを備える。この3つの点状部42,43,44と1つの線状部41の配列順によって、互いに異なる4つの第1の識別記号33A〜33Dを構成している。この4つの第1の識別記号33A〜33Dによって、各凹部17A〜17Dを個別に識別することができる。この変形例の第1の識別記号33A〜33Dは、数字「1」〜「4」による第1の識別記号31A〜31Dに比べて、シンプルな記号であるので、例えば、射出成形による形成が容易になる。一方、数字「1」〜「4」による第1の識別記号31A〜31Dによれば、認識し易いという利点がある。
【0055】
また、上記第1実施形態およびその変形例において、第1の識別記号31A〜31D,33A〜33Dを、基板部材11を射出成形する際に基板部材11の表面の一部を窪ませることにより形成したが、上記基板部材11を射出成形する際に突部として形成してもよい。
【0056】
一方、上記第1の識別記号31A〜31D,33A〜33Dを基板部材の上面に色の付いたマークを印字することで作製することも可能だが、光学的に悪影響を与える可能性がある。また、上記マークを印字する際にインクを硬化させるための加熱も基板部材や封止樹脂の特性に影響を与える可能性がある。
【0057】
これに対し、上記第1の識別記号31A〜31D,33A〜33Dを窪みとする場合には、光学特性や基板部材,封止樹脂に与える影響を軽微なものにすることができる。
【0058】
(第2の実施の形態)
図5は、本発明による光源モジュールの第2実施形態を模式的に示す平面図であり、
図6は、
図5のB‐B矢視断面図である。また、
図7は、上記第2実施形態の複数の配線層を含むリードフレームの平面図である。
【0059】
この第2実施形態は、次の(1)〜(3)の点が、前述の第1実施形態と異なる。
【0060】
(1) 基板部材11に替えて、第1の識別記号31A〜31Dが形成されていない基板部材51を備える点。
【0061】
(2) 部位13A〜13Dからなる配線層13に替えて、第1の識別記号71A〜71Dが形成された部位53A〜53Dからなる配線層53を備える点。
【0062】
(3) 部位53Dに第2の識別記号72A〜72Dが形成され、部位53Aに第2の識別記号73が形成されている点。
【0063】
よって、この第2実施形態では、前述の第1実施形態と同様の部分には同様の符号を付して、主に先述の第1実施形態とは異なる点を説明する。
【0064】
上記基板部材51は、前述の基板部材11と同様に、長方形状の4つの凹部57A,57B,57C,57Dを有し、各凹部57A〜57D内に配置される3のLED素子15を備える。この基板部材51の素材および作製方法については、前述の第1実施形態の基板部材11と同様である。
【0065】
封止樹脂14はLED素子15から発せられる光を透過する必要があるから透光性を有し、したがって、配線層53の基板部材11に覆われない部分は光学的に露出される。
【0066】
図6の断面図に示すように、配線層53の部位53A〜53D上に各々3つのLED素子15がCOBにより実装されている。この配線層53の部位53A〜53Dは、一例として、上記基板部材51の射出成形時に基板部材51に一体に形成される。
【0067】
この第2実施形態では、
図5の平面図に示すように、上記基板部材51の凹部57Aから露出した配線層53の各部位53A,53B,53C,53Dに、それぞれ、第1の識別記号71A,71B,71C,71Dが形成されている。
【0068】
上記第1の識別記号71A〜71Dは、それぞれ、1つの長部81と3つの短部82,83,84とを備える。この3つの短部82,83,84と1つの長部81の配列順によって、互いに異なる4つの第1の識別記号71A〜73Dを構成している。
【0069】
また、
図5に示すように、上記基板部材51の凹部57Aに露出した配線層53Aには、第2の識別記号73が形成されている。この第2の識別記号73は、4つの長部87と4つの短部88とで構成されている。この第2の識別記号73は、上記配線層53を含むリードフレーム60を作製するのに使用された型を識別するための記号である。このリードフレーム60については、
図7を参照して後述する。
【0070】
また、上記基板部材51の凹部57Dに露出した配線層53Dには、第2の識別記号72Cが形成されている。この第2の識別記号72Cは、一例として、1つの長部85と1つの短部86とで構成されている。この第2の識別記号72Cは、上記配線層53が、上記リードフレーム60の4つの部分61A,61B,61C,61Dのうちのどの部分のものであるのかを識別するための記号である。
【0071】
図7は、上記配線層53を含むリードフレーム60の一例を示している。このリードフレーム60は、通常、金属板をプレス加工やエッチング加工によって任意の形状に成形することで製造される。このリードフレーム60では、4枚の配線層53をまとめて一体に成形されている。
【0072】
このリードフレーム60は、各配線層53を構成する部分61A〜61Dと、リードフレーム60全体の形状を維持するための部位である枠部62と、光源モジュールの製造工程において切除される部分63とで構成される。
図7には一部しか記載していないが、部分61A〜61Dと枠部62を除く部分は全て、切除される部分63となる。
【0073】
図7に示すように、このリードフレーム60は、配線層53の一端である部位53Aに、コネクタ52の電極端子58,59が形成され、一方の電極端子59からは、配線部分65が延在していて、この配線部分65は、配線層53の他端の部位53Dに連なっている。したがって、上記一方の電極端子59は、配線部分65でもって、上記他端の配線層53Dに電気的に接続されている。
【0074】
上記4つの第1の識別記号71A〜73Dの長部81,短部82〜84は、例えば、上記リードフレーム60がプレス加工で作製される際に、窪みまたは開口として作製できる。また、上記第2の識別記号72Cをなす長部85,短部86および上記第2の識別記号73をなす長部87,短部88についても、上記プレス加工時に、窪みまたは開口として作製できる。したがって、上記第1の識別記号71A〜73Dおよび第2の識別記号72A〜72D,73は、製造工程の追加や材料の追加を行うことなく、作製できる。
【0075】
なお、上記第2の識別記号72Cは、リードフレーム60の部分61Cに含まれる配線層53の部位53Dに形成されているが、リードフレーム60の他の部分61Aに含まれる配線層53の部位53Dには、2つの短部86で構成される第2の識別記号72Aが形成され、リードフレーム60の部分61Bに含まれる配線層53の部位53Dには、上記第2の識別記号72Cとは、長部85と短部86の配列順が異なる第2の識別記号72Bが形成されている。さらに、上記リードフレーム60の部分61Dに含まれる配線層53の部位53Dには、2つの長部85で構成される第2の識別記号72Dが形成されている。
【0076】
この第2実施形態の光源モジュールによれば、
図5に示すように、基板部材51の各凹部57A〜57Dに露出した各配線層53の各部位53A〜53Dに対して、個別に第1の識別記号71A〜71Dが形成されている。したがって、複数のLED素子15が配置される基板部材51の複数の凹部57A〜57Dを、第1の識別記号71A〜71Dによって、容易に個別に識別できる。したがって、例えば、顕微鏡や写真を用いて光源モジュールの基板部材51を観察する際に、観察している箇所が複数の凹部のうちのどの凹部であるのかを容易に誤りなく判断でき、光源モジュールの開発における評価や生産における不良の解析の信頼性を向上できる。
【0077】
また、この第2実施形態では、上記基板部材51の凹部57Aに光学的に露出した配線層53Aに第2の識別記号73が形成されている。この第2の識別記号73によって、リードフレーム60を作製するのに使用された型を識別することができる。上記型は、例えば、リードフレーム60をプレス加工で作製する場合は金型、リードフレーム60をエッチング加工で作製する場合は、マスク(フォトマスク)である。上記金型やマスクの出来映えは、リードフレーム60の出来映えに影響を与える。そして、特定の型で作製したリードフレーム60だけが何らかの不具合を有することもある。したがって、上記第2の識別記号73によって、上記型を識別することで、不具合原因を特定するのに役立てることができる。
【0078】
また、この第2実施形態では、上記基板部材51の凹部57Dに光学的に露出した配線層53Dに第2の識別記号72Cが形成されている。この第2の識別記号72Cによって、上記配線層53A〜53Dが、リードフレーム60の4つの部分61A,61B,61C,61Dのうちの部分61Cのものであることを特定できる。このように、この光源モジュールが備える配線層53A〜53Dが、リードフレーム60のどの部分から形成されたものであるのかを特定することによって、例えば、リードフレーム60を作製する型の特定の部位に不具合の原因があること等の不具合解析に役立てることができる。
【0079】
尚、上記第1,第2実施形態において、上記基板部材11,51を白色樹脂で作製し、発光ダイオード15が搭載される配線層13,53の表面を銀で作製してもよい。この場合、上記基板部材11,51および配線層13,53の表面が高い全反射率を有するので、発光ダイオード15から発生される光を有効に利用することができる。また、上記基板部材と配線層の表面が高い全反射率を有することで、上記第1,第2の識別記号を備えたことで、上記配線層の表面積が減少し、上記基板部材の表面積が増大しても、光学的特性に与える影響を低減できる。
【0080】
この発明の光源モジュールは、開発における評価や生産における不良の解析が容易であり、一例として、液晶バックライト用途、照明用途に適用でき、蛍光管のような線状の照明装置や、導光板を用いた面発光の照明装置とすることができる。