特許第6018882号(P6018882)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6018882
(24)【登録日】2016年10月7日
(45)【発行日】2016年11月2日
(54)【発明の名称】タイヤ
(51)【国際特許分類】
   B60C 13/00 20060101AFI20161020BHJP
   B60C 13/02 20060101ALI20161020BHJP
【FI】
   B60C13/00 A
   B60C13/00 C
   B60C13/02
【請求項の数】4
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2012-245643(P2012-245643)
(22)【出願日】2012年11月7日
(65)【公開番号】特開2014-94594(P2014-94594A)
(43)【公開日】2014年5月22日
【審査請求日】2015年6月19日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005278
【氏名又は名称】株式会社ブリヂストン
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】100097238
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 治
(74)【代理人】
【識別番号】100173794
【弁理士】
【氏名又は名称】色部 暁義
(72)【発明者】
【氏名】宮坂 淳
【審査官】 松岡 美和
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2012/073436(WO,A1)
【文献】 特開2012−061922(JP,A)
【文献】 特開2011−037388(JP,A)
【文献】 特開2012−101392(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60C 13/00
B60C 13/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ビードコアを埋設した一対のビード部、ビード部からタイヤ半径方向外側に延びる一対のサイドウォール部、及び両サイドウォール部間にまたがって延びるトレッド部とを具えてなる空気入りタイヤであって、
ビード部とサイドウォール部を含むサイド部に装飾部を具え、
該装飾部に、第1の方向に延びる複数の第1線状装飾要素と、該第1の方向とは異なる第2の方向に延びる複数の第2線状装飾要素とを設け、
該第1線状装飾要素及び該第2線状装飾要素の少なくとも一方が、印刷により形成され
前記第1線状装飾要素及び前記第2線状装飾要素のうち、印刷により形成されていない方の線状装飾要素がリッジで形成されてなることを特徴とするタイヤ。
【請求項2】
前記第2の方向がタイヤ径方向を挟んで前記第1の方向と逆方向である、請求項1に記載のタイヤ。
【請求項3】
前記第1線状装飾要素及び前記第2線状装飾要素のうち、印刷により形成された方の線状装飾要素において、該線状装飾要素と、前記装飾部の該線状装飾要素以外の領域との明度差をHSV色空間で30%以上としてなる、請求項1または2に記載のタイヤ。
【請求項4】
前記第1線状装飾要素及び前記第2線状装飾要素の少なくとも一方において、隣り合う該線状装飾要素同士の間隔を0.5mm〜10mmとしてなる、請求項1〜のいずれか一項に記載のタイヤ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ビード部とサイドウォール部を含むサイド部に装飾部を具えるタイヤに関するものである。
【背景技術】
【0002】
タイヤのサイド部表面には一般に、カーカスプライの折り返し端の存在等に起因する環状の凹凸が生じる。このような凹凸は、タイヤの外観に悪影響を与え、また消費者に製造不良の懸念を与えるおそれがあるため、該凹凸を目立ちにくくするとともに、看者に精密・緻密な印象を与えることを目的として、サイド部に格子状のリッジを設けたタイヤが知られている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平8−282216号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、サイド部に格子状のリッジ(凸部)を設けた場合には、タイヤの負荷転動時等に、該格子の角部(リッジの交点)でクラック(亀裂進展の核)が発生し、タイヤの故障等につながるおそれがあった。
【0005】
この発明は、上述した問題点を解決することを課題とするものであり、クラックの発生を防止したタイヤを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明のタイヤは、ビードコアを埋設した一対のビード部、ビード部からタイヤ半径方向外側に延びる一対のサイドウォール部、及び両サイドウォール部間にまたがって延びるトレッド部とを具えてなる空気入りタイヤであって、ビード部とサイドウォール部を含むサイド部に装飾部を具え、該装飾部に、第1の方向に延びる複数の第1線状装飾要素と、該第1の方向とは異なる第2の方向に延びる複数の第2線状装飾要素とを設け、該第1線状装飾要素及び該第2線状装飾要素の少なくとも一方が、印刷により形成されることを特徴とする。
このタイヤによれば、第1線状装飾要素及び第2線状装飾要素の少なくとも一方をリッジではなく印刷により形成することで、サイド部の表面に角部が存在しなくなって、クラックの発生を防止することができる。
【0007】
なお、この明細書及び特許請求の範囲において、第1または第2の線状装飾要素の延在方向等は、特に断りのない限り、タイヤを適用リムに装着して所定内圧を充填した無負荷状態で計測するものとする。
また、「適用リム」とは、タイヤが生産されまたは、使用される地域に有効な産業規格がタイヤ毎に定めているリムであり、JATMA(日本自動車タイヤ協会)であれば標準リム、TRA(THE TIRE and RIM ASSOCIATION INC.)であれば“Design Rim”、ETRTO(European Tyre and Rim Technical Organisation)であれば“Measuring RIM”となる。
そして、「所定内圧」とは、JATMA等の上記の規格で、タイヤサイズに応じて規定される、タイヤの最大負荷能力に対応する充填空気圧(最高空気圧)をいい、「最大負荷能力」とは、上記の規格でタイヤに負荷することが許される最大の質量をいう。
ところで、ここでいう空気は、窒素ガスその他の不活性ガスに置換することもできる。
【0008】
さらに、この発明のタイヤでは、前記第2の方向がタイヤ径方向を挟んで前記第1の方向と逆方向であることが好ましい。
この場合には、該第1の方向や該第2の方向と略同じ光の方向に対して、サイド部の凹凸を目立ちにくくすることができる。
【0009】
ここで、この発明のタイヤでは、前記第1線状装飾要素及び前記第2線状装飾要素のうち、印刷により形成されていない方の線状装飾要素がリッジで形成される。
このことにより、サイド部への光の当り方によって光の反射方向に変化が生じるために、看者により精密・緻密な印象を与えることができる。
【0010】
また、この発明のタイヤでは、前記第1線状装飾要素及び前記第2線状装飾要素のうち、印刷により形成された方の線状装飾要素において、該線状装飾要素と、前記装飾部の該線状装飾要素以外の領域との明度差をHSV色空間で30%以上とすることが好ましい。
この場合には、装飾部内の明度差を大きくして、装飾部をより鮮明に見せることができる。
【0011】
なお、この明細書及び特許請求の範囲において、「明度」とは、HSVモデルにおいて定義され、100%を各色相で最も明るい色、明度0%を真黒とする。
そして、明度は、分光測色計(例えば、コニカミノルタ社製)を用いて、装飾部等の測定対象の明度等を他系統(例えばLab色空間)で測定した後、必要なソフトウエア(例えば、photoshop(登録商標))を用いてHSV系統に変換する方法によって測定するものとする。
【0012】
そして、この発明のタイヤでは、前記第1線状装飾要素及び前記第2線状装飾要素の少なくとも一方において、隣り合う該線状装飾要素同士の間隔を0.5mm〜10mmとすることが好ましい。
この場合には、サイド部表面の凹凸をより目立ちにくくするとともに、看者に一層精密・緻密な印象を与えることができる。
【発明の効果】
【0013】
この発明のタイヤによれば、クラックの発生を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】この発明の一実施形態に係るタイヤを、適用リムに組み付けて所定内圧を充填した無負荷状態のタイヤの半部について示すタイヤ幅方向断面図である。なお、他のタイヤ半部は、図に示すところとは対称の構成を有することになる。
図2図1に示す実施形態のタイヤを、適用リムに組み付けて所定内圧を充填した無負荷状態で示す部分側面図である。
図3図2において、第2線状装飾要素を省略して示す部分側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に、図面を参照しつつ、この発明の一の実施の形態を説明する。
なお、下記の説明はあくまで例示であり、各部材の構成や作用効果等は、これに限定されるものではない。
【0016】
図1に例示するタイヤ10は、ビードコア5を埋設した一対のビード部3、ビード部3からタイヤ半径方向外側に延びる一対のサイドウォール部2、及び両サイドウォール部2間にまたがって延びるトレッド部1とを具えてなる。
以下、サイドウォール部2とビード部3とを合わせてサイド部4と呼ぶ。
【0017】
ここで、タイヤ10は、一対のビード部3間に延在する、ラジアル配置を可とする少なくとも一枚のカーカスプライ6を具えており、該カーカスプライ6は、トレッド部1から一対のサイドウォール部2を介して一対のビード部3にわたってトロイド状に延び、ビード部3内に埋設されたビードコア5の周りに折り返すことで係止されている。
【0018】
このタイヤ10のサイド部4は、図2に示すように、装飾部13を具える。
該装飾部13には、例えば高さ0.3mmのリッジで構成される第1線状装飾要素11と、サイド部4の外表面に印刷された例えば白色のラインで構成される第2線状装飾要素12とが設けられている。また、装飾部13の第1線状装飾要素11及び第2線状装飾要素12以外の四角形状の領域20は、黒色である。図2では、図をわかりやすくするために第1線状装飾要素11全体を白色としているが、第1線状装飾要素11上の第2線状装飾要素12以外の領域も黒色である。なお、黒色は印刷により形成することができ、また、略黒色であるタイヤの地色のままとして、インクを節約することもできる。
なお装飾部は、第1線状装飾要素と第2線状装飾要素のみからなることができ、また該線状装飾要素の上または該線状装飾要素とは別の箇所に形成された標章、模様等を含むこともできる。
【0019】
この実施形態では、看者から見て、第1線状装飾要素11は、タイヤ径方向外側に向かうに従ってタイヤ径方向drに対して反時計回りに傾いた第1の方向dに延び、第2線状装飾要素12は、タイヤ径方向外側に向かうに従ってタイヤ径方向drに対して時計回りに傾いた第2の方向dに延びている。
この発明のタイヤ10では、第1線状装飾要素11と第2線状装飾要素12とによって、装飾部13に格子状の装飾を形成することで、カーカスプライ折り返し端6a付近の凹凸が目立ちにくくなっている。
なお、看者から見て、第1線状装飾要素11をタイヤ径方向外側に向かうに従ってタイヤ径方向に対して時計回りに傾け、第2線状装飾要素12をタイヤ径方向外側に向かうに従ってタイヤ径方向に対して反時計回りに傾けても同様の効果を発揮することができる。
また図示はしないが、さらに違う方向の(第3、第4、…、第N)線状装飾要素を形成することもできる。その場合、本発明では第1〜第N線状装飾要素のうちの少なくとも1つを印刷で形成する必要があり、クラックの発生を防止しつつ看者に一層精密・緻密な印象を与える観点から、第1〜第N線状装飾要素のうち1つのみをリッジで形成することが最も好ましい。
【0020】
従来の交差したリッジを有するタイヤでは、リッジの交差により形成される四角形状の凹部の角部でクラックが発生しやすかった。本発明のタイヤ10では、第2線状装飾要素12を印刷によって形成しているため、第2線状装飾要素12を省略して示す図3のように、装飾部13に凹部が形成されず、装飾部13でクラックが発生しにくくなっている。
【0021】
このように、この実施形態のタイヤ10では、第1線状装飾要素11と第2線状装飾要素12とによりサイド部の凹凸を目立ちにくくしつつ、クラックの発生を防止することができる。
【0022】
ここで、この実施形態のタイヤ10では、上述したように、第1線状装飾要素11が延びる第1の方向dと、第2線状装飾要素12が延びる第2の方向dがそれぞれ、タイヤ径方向drを挟んで互いに逆方向に延びている。
一般に、該第1の方向や該第2の方向と略同じ方向の光に対しては、該第1線状装飾要素及び該第2線状装飾要素による、サイド部の凹凸を目立ちにくくする効果が薄れるが、上記のように第1の方向と第2の方向とがタイヤ径方向を挟んで互いに逆方向に延びる場合には、タイヤ径方向を挟む方向からの光に対して、タイヤ径方向を挟んで他方側に傾く線状装飾要素が存在するため、第1の方向や第2の方向と略同じ光の方向に対して、サイド部の凹凸を目立ちにくくすることができる。
【0023】
また、この実施形態のタイヤ10では、第1線状装飾要素11をリッジで構成しているために、サイド部4への光の当り方によって光の反射方向に変化が生じる。これにより、サイド部4表面の輝き方が変化し、看者に精密・緻密な印象を与えることができる。
なお、第1線状装飾要素11が延びる第1の方向dと、第2線状装飾要素12が延びる第2の方向dとを、これらの方向d及びdが互いに異なる方向である限り、タイヤ径方向drに対しては同じ方向とすることもできる。
【0024】
そして、この実施形態のタイヤ10では、第2線状装飾要素12を、明度が50%である白色のラインで形成し、装飾部13の第2線状装飾要素12以外の領域は、明度が例えば10%である黒色ゴムである。このように、第1線状装飾要素及び第2線状装飾要素のうち、印刷により形成された方(ここで示す例では第2線状装飾要素12)において、該線状装飾要素と該線状装飾要素以外の領域との明度差を、HSV色空間で30%以上、より好ましくは50%以上とすることで、装飾部13内の明度差を大きくして、装飾部13をより鮮明に見せることができる。
なお、第1線状装飾要素及び第2線状装飾要素をともに印刷で形成した場合には、少なくとも一方の線状装飾要素において、該線状装飾要素と該線状装飾要素以外の領域との明度差を大きくすることで、装飾部をより鮮明に見せる効果を発揮させることができる。そして、両方の線状装飾要素と該両方の線状装飾要素以外の領域との明度差を大きくすることが、より好ましい。
【0025】
また、サイド部4表面の凹凸をより目立ちにくくするとともに、看者に一層精密・緻密な印象を与える観点から、図2に示す隣り合う第1線状装飾要素11、11の対向する縁同士の間隔W、及び/または隣り合う第2線状装飾要素12、12同士の対向する縁同士の間隔Wを0.8mm〜10mmとすることが好ましい。
【0026】
ところで、サイド部のリッジは一般に、タイヤ金型の内表面を加工して、該金型内で生タイヤを加硫することで形成することができる。従来のタイヤでは、交差するリッジを形成するために、タイヤ金型の内表面に交差する凹部を形成する必要があるが、その際にカエリ等の加工不良が発生しやすかった。そのため、該カエリの除去等の仕上げ作業に多くの工数を要し、製造コストが増大する要因となっていた。
これに対し、本実施形態のタイヤ10の、第1線状装飾要素11を構成するリッジを形成するためには、タイヤ金型の内表面に、同方向に延びる凹部のみを形成すれば良いため、金型の加工工数を大幅に削減して、製造コストを削減することができる。
なお、第1線状装飾要素11と第2線状装飾要素12とをともに印刷によって形成することもでき、この場合にはタイヤ金型の加工をさらに容易とすることができる。
【0027】
なお、上述した実施形態では、タイヤ片側半部、特には車両装着外側となる半部について本発明の構成を適用しているが、タイヤの両側に本発明の構成を適用することもできる。
【実施例】
【0028】
タイヤサイズが215/45R17の実施例タイヤ及び比較例タイヤを試作し、それらの性能を評価したので、以下に説明する。
【0029】
実施例タイヤ及び比較例タイヤはともに、図2に示すように、ビード部とサイドウォール部を含むサイド部に装飾部13を具え、装飾部13に、第1の方向に延びる複数の第1線状装飾要素11と、該第1の方向とは異なる第2の方向に延びる複数の第2線状装飾要素12とを設けている。
【0030】
そして、実施例タイヤ1では、第1線状装飾要素11をリッジで構成し、第2線状装飾要素12を印刷で構成している。看者から見て、第1線状装飾要素11は、タイヤ径方向外側に向かうに従ってタイヤ径方向drに対して反時計回りに傾いた方向dに延び、第2線状装飾要素12は、タイヤ径方向外側に向かうに従ってタイヤ径方向drに対して時計回りに傾いた方向dに延びている。
また、実施例タイヤ1は、印刷により形成された第2線状装飾要素12と該第2線状装飾要素以外の領域との明度差を、HSV色空間で30%以上としている。
第1線状装飾要素11及び前記第2線状装飾要素12の両方において、隣り合う該線状装飾要素同士の間隔W、Wは0.8mmである。
【0031】
実施例タイヤ2は、印刷により形成された第2線状装飾要素12と該第2線状装飾要素以外の領域との明度差を、HSV色空間で30%未満としている点を除いて、実施例タイヤ1と同じ構成である。
【0032】
実施例タイヤ3は、第1線状装飾要素11を印刷で構成している点を除いて、実施例タイヤ2と同じ構成である。なお、第1線状装飾要素11及び第2線状装飾要素12と該両方の線状装飾要素以外の領域との明度差は、HSV色空間で30%未満である。
【0033】
実施例タイヤ4は、看者から見て、第1線状装飾要素11が、タイヤ径方向外側に向かうに従ってタイヤ径方向drに対して時計回りに傾いた方向に延びている点を除いて、実施例タイヤ3と同じ構成である。
【0034】
比較例タイヤ1は、第2線状装飾要素12をリッジで構成している点を除いて、実施例タイヤ1と同じ構成である。
【0035】
比較例タイヤ2は、第1線状装飾要素11及び前記第2線状装飾要素12の両方において、隣り合う該線状装飾要素同士の間隔W、Wを0.4mmとした点を除いて、比較例タイヤ1と同じ構成である。
【0036】
<耐クラック性評価試験>
実施例タイヤおよび比較例タイヤに、180kPaの内圧を充填し、465kgfの荷重を負荷して、時速60kmで18,000kmにわたってドラム試験を実施し、サイド部のクラックを表1に示す判定基準で目視評価した。その結果を表3に示す。
【0037】
<凹凸の目立ちにくさの評価試験>
実施例タイヤおよび比較例タイヤのサイド部の凹凸の目立ちにくさを、表2に示す判定基準で目視評価した。その結果を表3に示す。
【0038】
【表1】
【0039】
【表2】
【0040】
【表3】
【0041】
表3から、実施例タイヤはいずれも、比較例タイヤよりも耐クラック性に優れていることが明らかになった。
また、前記第2の方向をタイヤ径方向を挟んで前記第1の方向と逆方向としたり、前記第1線状装飾要素及び前記第2線状装飾要素のうち、印刷により形成されていない方の線状装飾要素をリッジで形成したり、印刷により形成された方の線状装飾要素と、前記装飾部の該線状装飾要素以外の領域との明度差をHSV色空間で30%以上としたりすることで、サイド部の凹凸が目立ちにくくなることが明らかになった。
【符号の説明】
【0042】
1 トレッド部
2 サイドウォール部
3 ビード部
4 サイド部
5 ビードコア
6 カーカスプライ
6a 折り返し端
10 タイヤ
11 第1線状装飾要素
12 第2線状装飾要素
13 装飾部
20 領域
第1の方向
第2の方向
隣り合う第1線状装飾要素11、11の対向する縁同士の間隔
隣り合う第2線状装飾要素12、12の対向する縁同士の間隔
図1
図2
図3