(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記溝部を覆う光透過性導電膜は、前記絶縁体層の面方向のうちの一方向へ互いに平行に延ばして且つ前記一方向と交差する方向に間隔をあけて複数配列されていることを特徴とする請求項5に記載の導電パターン形成基板。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1,2に開示された透明電極の抵抗値は低いことが望ましい。しかしながら、透明電極の低抵抗化を図るために透明電極の層全体の厚みを厚くすると、タッチパネル用のセンサーシートとして用いた場合の全光線透過率の低下、ヘイズの上昇等、光学的な不具合が生じる恐れがある。
【0006】
本発明の目的は、光学的特性に優れ且つ抵抗値が低い透明電極を有する導電パターン形成基板および静電容量式センサーシート並びにその製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、この発明は以下の手段を提案している。
本発明の一態様は、
一方向に長い少なくとも1本の溝部を含む凹部が表面に設けられた
光透過性の絶縁体層と、前記表面のうち前記凹部の縁および前記凹部内に設けられた光透過性導電膜と、を備え、前記絶縁体層の層厚方向における前記光透過性導電膜の厚さは、前記層厚方向から見たときに前記凹部と重なる領域における厚さが、前記縁における厚さよりも厚
く、前記光透過性導電膜の上面は、前記絶縁体層の表面に沿い且つ前記溝部が延びる方向に対して直交する幅方向において、該幅方向外側へ行くに従って前記光透過性導電膜の層厚が薄くなるように湾曲していることを特徴とする導電パターン形成基板である。
【0008】
また、前記凹部が前記絶縁体層の表面に直接形成されていてもよい。
【0009】
また、前記絶縁体層は、基材と、前記基材の表面の一部に設けられた透明絶縁体膜と、を有し、前記凹部は、前記透明絶縁体膜の隙間において前記基材が露出された領域であってもよい。
【0010】
また、前記絶縁体層は、基材と、前記基材の表面に積層された透明絶縁体膜と、を有し、前記凹部は、前記透明絶縁体膜の表面に形成され、前記光透過性導電膜は、前記透明絶縁体膜の表面に積層されていてもよい。
【0011】
また
、前記光透過性導電膜は、前記溝部を覆っていてもよい。
【0012】
また、前記溝部を覆う光透過性導電膜は、前記絶縁体層の面方向のうちの一方向へ互いに平行に延ばして且つ前記一方向と交差する方向に間隔をあけて複数配列されていてもよい。
【0013】
また、前記複数の光透過性導電膜が帯状に形成されていてもよい。
【0014】
また、前記複数の光透過性導電膜が、前記層厚方向から見た場合に相対的に大面積のパッド部と相対的に小面積な細線部とを有し、前記細線部は、前記溝部に沿って延ばして設けられ前記層厚方向から見た場合に前記パッド部と重なるように前記パッド部と一体成形されており、前記パッド部は、前記層厚方向から見たときに前記溝部が延びる方向に互いに隙間を空けて複数設けられていてもよい。
【0015】
本発明の別の態様は、上記態様の導電パターン形成基板からなる第1層と、上記態様の導電パターン形成基板からなる第2層とを有し、前記第2層は、前記第2層における前記溝部が延びる方向が前記層厚方向から見たときに前記第1層における前記溝部と交差する方向となるように前記第1層に重ねて設けられていることを特徴とする静電容量式センサーシートである。
【0016】
本発明のさらに別の態様は、
一方向に長い少なくとも1本の第1の溝部を含む第1の凹部を
表面に有する第1の絶縁体層を作成する第1絶縁体層形成工程と、前記第1の凹部を埋めると共に
、上面が前記第1の絶縁体層の表面
に沿い且つ前記第1の溝部が延びる方向に対して直交する幅方向において、該幅方向外側へ行くに従って層厚が薄くなるように湾曲するように、前記第1の絶縁体層の上に、光透過性導電膜よりなる第1の透明電極を、前記第1の絶縁体層の面方向のうちの一方向へ互いに平行に延ばして積層する第1電極形成工程と、前記第1の透明電極の上面を覆うように前記第1の絶縁体層の上に、
一方向に長い少なくとも1本の第2の溝部を含む第2の凹部を
表面に有する第2の絶縁体層を積層する第2絶縁体層形成工程と、前記第2の凹部を埋めると共に
、上面が前記第1の絶縁体層の表面
に沿い且つ前記第2の溝部が延びる方向に対して直交する幅方向において、該幅方向外側へ行くに従って層厚が薄くなるように湾曲するように、前記第2の絶縁体層の上に、光透過性導電膜よりなる第2の透明電極を、前記第2の絶縁体層の面方向に沿い且つ前記第1の透明電極と交差する方向へ互いに平行に延ばして積層する第2電極形成工程と、を具備することを特徴とする静電容量式センサーシートの製造方法である。
【0017】
本発明のさらに別の態様は、
一方向に長い少なくとも1本の溝部を含む凹部を
表面に有する絶縁体層を作成する絶縁体層形成工程と、その凹部を埋めると共に
、上面が前記絶縁体層の表面
に沿い且つ前記溝部が延びる方向に対して直交する幅方向において、該幅方向外側へ行くに従って層厚が薄くなるように湾曲するように、前記絶縁体層の上に、光透過性導電膜よりなる透明電極を、前記絶縁体層の面方向のうちの一方向へ互いに平行に延ばして積層する電極形成工程と、前記絶縁体層形成工程及び前記電極形成工程にて得られた2枚の導電パターン形成基板に対して、2枚の導電パターン形成基板のうちの1枚を下層とするとともに2枚の導電パターン形成基板のうち他の1枚を上層とし、下層の導電パターン形成基板の透明電極と上層の導電パターン形成基板の透明電極とが互いに交差する方向に向くように組み合わせて、透明粘着層を介して積層し一体化する重ね合わせ工程とを具備することを特徴とする静電容量式センサーシートの製造方法である。
【発明の効果】
【0018】
本発明の導電パターン形成基板および静電容量式センサーシート並びにその製造方法によれば、絶縁体層の表面の凹部を光透過性導電膜が埋めることにより、その凹部を埋めた部分では他の部分よりも光透過性導電膜の厚さが増えるので、凹部がない場合よりも透明電極の抵抗値を小さくすることができる。従って、透明電極の層全体の厚みを厚くせず、光学的な不具合を生じることなく、透明電極の低抵抗化を実現することができる。
【発明を実施するための形態】
【0020】
(導電パターン形成基板の第1実施形態)
以下、本発明の導電パターン形成基板の第1実施形態を図面を参照して説明する。
図1は、本発明の導電パターン形成基板の第1実施形態の構成図で、(a)は平面図、(b)および(c)は、(a)のA−A矢視断面図である。なお、
図1(b)と
図1(c)は、凹部の形成の仕方を違えた場合の断面図となっている。
本実施形態の導電パターン形成基板は、静電容量タッチパネルの静電容量式センサーシートに好適に適用できるものである。
【0021】
図1(a)、
図1(b)、及び
図1(c)に示すように、導電パターン形成基板10Aは、基材(絶縁体層)11と、透明電極13と、を備える。
【0022】
基材11は、光透過性を有し、電極形成面(表面)11aに溝部(凹部)12が設けられた絶縁性の部材である。
基材11の材質としては、たとえば、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、ポリアリレート、ポリエーテルイミドなどの樹脂材料や、ガラス等が挙げられる。
【0023】
溝部12は、帯状の透明電極13の延びる方向に沿って直線状に連続的に延びて形成されており、溝部12の幅(基材11の表面に沿い且つ溝部12が延びる方向と直交する方向に測った大きさ)は、導電パターン形成基板10Aを介して見た対象物の視認性の向上と、溝部12の加工容易性とを考慮して一定に設定されている。
人の目の視認性に関わる分解能力を考えた場合、溝部12の幅をたとえば30μm以下、好ましくは20μm以下に設定すれば、人の目で溝部12を認識するのが困難となるので、視認性の妨げになることがない。また、溝部12の深さは、0.1μm〜0.7μmであることが望ましい。
【0024】
溝部12は、
図1(b)に示すように、基材11の電極形成面11aに直接エッチング等により形成される。また、溝部12は、
図1(c)に示すように、基材11の電極形成面11aにインクジェット等の印刷により部分的に透明絶縁体膜14を形成してもよい。
図1(c)に示すように透明絶縁体膜14を基材11に形成する場合、透明絶縁体膜14の欠如部14Sを、溝部12として使用することができる。
なお、透明絶縁体膜14の材料としては、たとえば、アクリル系樹脂、アルキッド系樹脂、ポリウレタン、アクリルウレタン、ウレタンアクリレート、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリ酢酸ビニル、ポリスチレン、ポリアセタール、ポリアミド、ポリビニルアルコールやこれらの混合物等を挙げることができる。
【0025】
透明電極13は、基材11の電極形成面11aに、凹部12を埋めると共に上面13aが基材11の電極形成面11aの表面と平行な平坦面となるように積層された光透過性導電膜よりなる。
【0026】
透明電極13は、少なくとも溝部12と基材11の電極形成面11aの一部とを覆うものであり、本実施形態では、溝部12の幅よりも大きい幅の帯状に形成されている。すなわち、透明電極13は、基材11の表面のうち、溝部12の縁および溝部12内に配されている。なお、本実施形態において、溝部12の縁とは、電極形成面11aに直交する方向から基材11を見たときに溝部12の幅方向の両端部に位置する電極形成面11a上の領域を指す。
また、溝部12を覆う透明電極13は、基材11の面方向のうちの一方向へ互いに平行に延ばして且つ前記一方向と交差する方向に一定間隔をあけて複数配列されている。また、透明電極13の材料としては、ウェット形成できる透明導電材料が適しており、ITOインク、金属ナノワイヤー、導電性微粒子、カーボン材料などの導体を溶媒中に分散させた溶液を採用することができる。
【0027】
以上に説明した構成の導電パターン10Aの作用について説明する。
本実施形態では、電極形成面11aに形成された溝部12内に、透明電極13が積層されている。このため、基材11の層厚方向における透明電極の厚さは、溝部12内の方が溝部11外よりも厚い。その結果、溝部12を埋めた部分での透明電極13の厚みt2を他の部分の透明電極13の厚みt1よりも厚くすることができるので、溝部12が設けられていない場合と比較して、溝部12が設けられている場合の方が、透明電極13の抵抗値が小さい。
【0028】
ところで、溝部12を設けずに透明電極13を単純に厚くしても透明電極13の抵抗値を小さくすることができる。しかしながら、溝部12が設けられていない場合には、導電パターン形成基板10A全体の厚さが大きくなってしまう。
【0029】
また、透明電極13を単に厚くした場合、透明電極13自身の色調と基材11自身の色調との間の差が大きくなり、基材11上に配置された透明電極13の境界が明瞭となり、透明電極13のパターンが使用者に見えてしまうという光学的な不具合が生じやすくなる。
【0030】
これに対して、本実施形態では、溝部12においては基材11との間の色調の差が大きいものの、溝部12の外で透明電極13が積層されている部分は、基材1との間の色調の差がさほど大きくない。すなわち、基材11自身(あるいは基材11及び透明絶縁体膜14)の色となっている部分から、透明電極13の色の影響が最も大きい部分まで、段階的に色調が変化するようになっており、透明電極13のパターンの境界線が見えにくくなっている。
【0031】
このように、本実施形態では、導電パターン形成基板10Aの厚みを薄くしながら、視認性を損なわず(光学的な不具合を生じず)に、透明電極13の低抵抗化を実現することができる。
【0032】
なお、溝部12を設ける位置や本数は任意に設定することができる。たとえば、本実施形態では、透明電極13の幅の中央に溝部12を設けているが、透明電極13の幅方向の端に近い位置に溝部12を設けてもよい。また、溝部12の本数は、1列の透明電極13あたり複数であってもよい。
【0033】
また、透明電極13の上面は平坦でなくてもよい。例えば、透明電極13は、基材11の表面に沿い且つ溝部12が延びる方向に直交する方向(以下、「透明電極13の幅方向」という。)において、透明電極13の幅方向外側へ行くに従って層厚が薄くなるように湾曲していてもよい。この場合、透明電極13の色調は、幅方向外側へ行くに従って漸次薄くなるグラデーションとなり、基材11の層厚方向から見たときにおける透明電極13と基材11との境界が不明瞭となるので、透明電極13のパターンが見えにくい。
【0034】
なお、
図2(a)ないし
図2(d)に変形例として示すように、透明絶縁体膜14を基材11の表面の全域に積層し(
図2(a)及び
図2(b)参照)、次に、透明絶縁体膜14の表面に溝部12を形成し(
図2(c)参照)、次に、溝部12の上に透明電極13を積層(
図2(d)参照)してもよい。
溝部12を形成する方法としては、プレス成形やその他の機械加工、あるいは、エッチング等の化学的な方法を挙げることができる。
【0035】
この場合、透明電極13と基材11の間に透明絶縁体膜14が介在し、透明電極13と基材11が直接接しないこともあるが、上述の実施形態と同様の効果を奏する。
【0036】
(導電パターン形成基板の第2実施形態)
次に、本発明の導電パターン形成基板の第2実施形態について説明する。
図3は、本発明の導電パターン形成基板の第2実施形態の構成図で、(a)は平面図、(b)および(c)は、(a)のB−B矢視断面図であり、基材の表面の凹部の形成の仕方を違えた場合の断面図である。
図3(a)及び
図3(b)に示すように、本実施形態の導電パターン形成基板10Bでは、溝部12を1列の透明電極13あたり3本ずつ設けている。溝部12は、
図3(b)に示すように、基材11の電極形成面11aに直接エッチング等により形成してもよい。また、溝部12は、
図3(c)に示すように、基材11の電極形成面11aにインクジェット等の印刷により部分的に透明絶縁体膜14を形成してもよい。
また、透明絶縁体膜14は、基材11上にまず一様に塗工され、その後インクジェット印刷等によって溝部12以外の部分がパターン状に塗工されることによって形成されてもよい。
【0037】
また、溝部12の幅や深さや本数を、透明電極13の配列上の位置や延在方向の位置によって変えてもよい。そうすることで、溝部12が存在することによる目視上の影響にグラデーション効果を与えることができ、パターン見えを減らすことができる。
【0038】
なお、上記第1,2実施形態で説明した導電パターン形成基板10A,10Bは、それぞれ、透明電極13が互いに交差する方向に延びるように2枚重ねることにより、2次元平面上における位置を検出するセンサーシートとなる。
この場合、両層の透明電極13の交差部(シートの厚み方向から見て重なる位置)では、溝部12が重なることにより透明電極13が局部的に厚くなり、透明電極13が重なっている部分と重なっていない部分で色調の差が生じる可能性がある。このような場合には、透明電極13が交差する部分において溝部12を省略したり、溝部12の寸法を減じることで、色調の差が目立たなくなる。
【0039】
(導電パターン形成基板の第3実施形態)
次に、本発明の導電パターン形成基板の第3実施形態について説明する。
図4は、本発明の導電パターン形成基板の第3実施形態の導電パターン形成基板10Cの構成図で、(a)は平面図、(b)〜(d)は、(a)のC−C矢視断面図であり、(b)および(c)は基材の表面の凹部の形成の仕方を違えた場合の断面図、(d)は変形例を示す断面図である。
本実施形態の導電パターン形成基板10Cでは、
図4(a)に示すように、基材11の面方向のうちの一方向に平行に延び且つ前記一方向と交差する方向に一定間隔をあけて複数配列された透明電極23が、基材11の面方向に対して直交する方向(基材11の層厚方向)から見た場合に相対的に大面積の正方形状のパッド部23Aと相対的に小面積の細線部23Bとを有している。
【0040】
パッド部23Aは、各透明電極23の延びる方向に互いに隙間を開けて整列配置されている。細線部23Bは、基材11の層厚方向から見たときに各パッド部23Aを繋ぐように各パッド部23A間に設けられている。また、各透明電極23の延びる方向と直交する方向に互いに隣接する透明電極23の間は、パッド部23Aの頂点同士が近接しているが、互いに導通しない状態に保たれている。そして、基材11の表面内に格子状に並ぶパッド部23Aの間には、透明電極23が形成されておらず、基材11の表面が露出した略正方形状のスペース24が確保されている。
【0041】
本実施形態では、溝部22は、基材11の層厚方向から見たときに細線部23Bと重なる位置に設けられている。また、本実施形態では、溝部22は、基材11の層厚方向から見たときにパッド部23Aと重なる位置には設けられていない。
溝部22は、
図4(b)に示すように、基材11の電極形成面11aに直接エッチング等により形成してもよい。また、溝部22は、
図4(c)に示すように、基材11の電極形成面11aにインクジェット等の印刷により部分的に透明絶縁体膜14を形成して構成してもよい。溝部22の幅(基材11の表面に沿い且つ溝部22が延びる方向と直交する方向に測った大きさ)は、透明電極23の細線部23Bの下に隠れる寸法に設定されており、透明電極23の細線部23Bは、少なくとも溝部22と基材11の電極形成面11aの一部とを覆っている。
【0042】
本実施形態では、細線部23Bは、溝部22の幅よりも大きい幅の帯状に形成されている。すなわち、透明電極23の細線部23Bは、基材11の表面のうち、溝部22の縁および溝部22内に配されている。なお、溝部22の縁とは、電極形成面11aに直交する方向から基材11を見たときに溝部22の幅方向の両端部に位置する電極形成面11a上の領域を指す。この実施形態の場合も、溝部22の幅は、導電パターン形成基板10Cを介して見た対象物の視認性の向上と、溝部22の加工容易性とを考慮して一定に設定されており、たとえば30μm以下、好ましくは20μm以下に設定されている。また、溝部22の深さは、0.1μm〜0.7μmであることが望ましい。
【0043】
なお、溝部22の幅と透明電極23の細線部23Bの幅の関係の変形例として、
図4(d)に示すように、溝部22の幅を透明電極23の細線部23Bの幅に等しく設定してもよい。
【0044】
本実施形態では、電極形成面11aに形成された溝部22内に、透明電極23の細線部23Bが積層されている。このため、基材11の層厚方向における透明電極23の細線部23Bの厚さが、溝部22内の方が溝部21外よりも厚くなる。その結果、溝部22を埋めた部分での透明電極23の厚みを他の部分の透明電極23の厚みよりも厚くすることができ、透明電極23の細線部23Bの抵抗値を小さくすることができる。特に抵抗値が大きくなる可能性が高い細線部23Bにおいて、溝部22が形成されていることにより、溝部22が形成されていない場合と比較して抵抗値を低くすることができる。
【0045】
(変形例1)
次に、上記第3実施形態の変形例について説明する。
図5は、本変形例の構成図で、(a)は平面図、(b)は(a)のD−D矢視断面図である。
図5に示すように、本実施形態の導電パターン形成基板10Dでは、溝部22がパッド部23Aと細線部23Bの下側に直線的に連続して延びている。
このような構成であっても、上記第3実施形態と同様の効果を奏する。また、本変形例では、溝部22内に配された透明電極13は、上記第3実施形態に示したように細線部23Bの抵抗値を低減させることに加えて、パッド部23Aの抵抗値を低減させるようになっている。
また、細線部23Bに対応する領域のみに溝部22を形成する場合と比較して、本変形例では、直線的に連続した溝を形成することによって溝部22が構成されるので、製造が容易である。
【0046】
(変形例2)
次に、上記第3実施形態の他の変形例について説明する。
図6は、本変形例の構成を示す平面図である。
図6に示すように、本変形例の導電パターン形成基板10Eでは、パッド部23Aの下側に、直線的に連続して延びる溝部22と交差する別の溝部22Bが設けられている点が上記第4実施形態及びその変形例1と異なっている。
本変形例では、別の溝部22Bは、別の溝部22Bの内部に透明電極13が配されることにより、パッド部23Aの抵抗値をさらに低下させることができる。
【0047】
なお、
図4ないし
図6に示した導電パターン形成基板10C〜10Eも、これらを2層積層し、各層の導電パターン形成基板の透明電極23の延びる方向を互いに交差する関係に設定することで、2次元平面上における位置を検出するセンサーシートを構成することができる。その際、両層の透明電極23のパッド部23Aが互い違いに配列し、一方の層のパッド部23Aが、他方の層のパッド部23A間の略正方形状のスペース24に位置するように重ねるのが好ましい。
【0048】
(静電容量式センサーシートの製造方法の第1実施形態)
次に、本発明の静電容量式センサーシートの製造方法の第1実施形態について説明する。
本実施形態では、互いに直交する2方向(X方向、Y方向)により規定される2次元平面(XY平面)における位置を検出するセンサーシートの製造方法を例示する。
図7(a)ないし
図7(i)は、静電容量式センサーシートの製造方法の第1実施形態の工程説明図である。
【0049】
シートの面方向に沿って互いに直交する2方向をX方向とY方向とする場合、本実施形態では、まず、基材11(第1の絶縁体層,
図7(a)参照)の層厚方向の一方の面に、
図7(b)に示すように、一方向(X方向、
図7(b)において紙面奥行き方向)に沿った第1の溝部12Xを形成する。
図7(c)に拡大して示すように、溝部12Xは隙間を開けて互いに平行に複数形成される。
【0050】
第1の溝部12Xは、基材11の電極形成面11aにエッチングすることで形成することができる。溝部12Xをエッチングにより形成する方法は、ウェットエッチングでもよいし、ドライエッチングでもよい。また、溝部12Xを機械加工によって基材11に形成してもよい。
エッチングにより溝部12Xを形成する場合には、微細な機械加工をするよりも溝部12Xの形成が容易であり、機械加工により溝部12Xを形成する場合には溝部12Xのエッチング条件のバラつきがないので寸法精度を高めることができる。
【0051】
次に、
図7(d)、(e)に示すように、基材11の電極形成面11aの溝部12を埋めると共に、上面13aが基材11の電極形成面11aと平行な平坦面となるように基材11の上に、光透過性導電膜13Pよりなる第1の透明電極13XをX方向へ互いに平行に延ばして積層する。
第1の透明電極13Xの形成方法としては、例えば、まず
図7(d)に示すように基材11において溝部12X及びその他の表面を覆うように光透過性導電膜13Pの溶液を一定厚さで全面塗布し、続いて
図7(e)に示すように光透過性導電膜13Pの溶液の硬化後にパターニングすることができる。
第1の透明電極13Xを形成するための別の方法としては、例えば、光透過性導電膜13Pの溶液をスクリーン印刷により基材11の電極形成面11aに印刷する方法を採用することができる。
また、第1の透明電極13Xを形成するためのさらに別の方法としては、例えば、光透過性導電膜13Pの溶液を、インクジェット印刷によってパターン形状に印刷してもよい。
【0052】
図7(f)ないし
図7(i)は、
図7(e)に対して基材11の向きを面内で90°回転させて見た図である。
図7(f)は、
図7(e)に示した構造を基材11及び第1の透明電極13Xを90°回転させて示す図で、溝部12Xが延びるX方向が
図7(f)においては紙面左右方向となっている。
【0053】
図7(g)に示すように、第1の透明電極13Xの上面を覆うように基材11の上に、表面にY方向に沿った第2の凹部24Yを有する透明絶縁体層(第2の絶縁体層)24を積層する。この透明絶縁体層24の表面の第2の溝部24Yは、たとえばスクリーン印刷やインクジェット印刷で一層目の透明絶縁材料を全面塗布し、2層目の透明絶縁材料を部分的に塗布することによって形成することができる。また、第2の溝部24Yは、第1の透明電極13X上に積層された透明絶縁体層に対してエッチングや機械加工によって形成されてもよい。
【0054】
次に、
図7(h)に示すように、第2の溝部24Yを埋めると共に上面13aが基材11の電極形成面11aと平行な平坦面となるように透明絶縁体層24の上に光透過性導電膜13Pを積層する。
さらに、
図7(i)に示すように、光透過性導電膜13Pの硬化後に、光透過性導電膜13Pの硬化物をパターニングすることで、第2の溝部24Yを覆いY方向に延びる第2の透明電極13Yを形成する。
以上により静電容量式センサーシート30Aが完成する。
【0055】
(静電容量式センサーシートの製造方法の第2実施形態)
次に、本発明の静電容量式センサーシートの製造方法の第2実施形態について説明する。
図8(a)ないし
図8(j)は静電容量式センサーシートの製造方法の第2実施形態の工程説明図である。
本実施形態の方法では、
図8(a)〜(f)に示す工程で、基板11の電極形成面11aのX方向に沿った溝部12Xを覆うように、X方向に沿った透明電極13Xを形成して、第1の導電パターン形成基板10Xを作成する。
また、
図8(g)〜(i)に示す工程で、絶縁体層21の電極形成面21aのY方向に沿った溝部12Yを覆うように、Y方向に沿った透明電極13Yを形成して、第2の導電パターン形成基板10Yを作成する。
【0056】
例えば、
図8(a)〜(f)に示すように、第1の導電パターン形成基板10Xは、基材11(
図8(a)参照)の層厚方向の両面のうちの一方に、
図8(c)に示すように、複数の溝部12Xを形成する。溝部12Xは、例えばエッチングによって形成される。
続いて、
図8(c)および
図8(d)に示すように、溝部12Xを覆うように、光透過性導電膜13Pが一様に塗布され、
図8(e)に示すように、エッチング等によって第1の透明電極13Xがパターニングされる。
また、
図8(g)〜(i)に示すように、第2の導電パターン形成基板10Yは、絶縁体層21の電極形成面21aにインクジェット等の印刷により部分的に透明絶縁体膜14を形成し、透明絶縁体膜14の欠如部14Sで溝部12Yを構成する。
なお、溝部12X,12Yの形成方法は上記の組み合わせには限られない。
【0057】
図8(a)〜(f)に示す工程を経て作成した導電パターン形成基板10Xの上に、(g)〜(i)の工程を経て作成した導電パターン形成基板10Yを、下層の導電パターン形成基板10Xの透明電極13Xの延びる方向と上層の導電パターン形成基板10Yの透明電極13Yの延びる方向とが互いに交差する方向に向くように組み合わせて、透明粘着層20を介して積層し一体化させる。以上により静電容量式センサーシート30Bが完成する。
【0058】
この場合、
図8(j)に示すように、下層の導電パターン形成基板10Xの透明電極13Xの上に上層の導電パターン形成基板10Yの絶縁体層14が接するように組み合わせて、透明粘着層20を介して、下層の導電パターン形成基板10Xと上層の導電パターン形成基板10Yを重ね合わせてもよいが、上層の導電パターン形成基板10Yを上下裏返しにして、下層の導電パターン形成基板10Xの透明電極13Xの上に上層の導電パターン形成基板10Yの透明電極13Yが対向するように組み合わせて、互いに対向する下層の導電パターン形成基板10Xの透明電極13Xと下層の導電パターン形成基板10Yの透明電極13Yとの間に絶縁性透明粘着層を介在させて重ね合わせてもよい。
【0059】
なお、上記実施形態では、凹部が溝部12、12X、12Y、24Yである場合を示したが、溝部の代わりに点状に存在する凹部を設けてもよい。