(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
常態では下方からの付勢により上限位置で保持される上下動可能な操作ボタンと、操作ボタンの降動を検知する検知手段と、該検知手段による降動検知に従って検知信号を出力する信号出力手段とを備え、該操作ボタンを遊技者が押圧操作可能とするように遊技機本体の前部に配設された操作ボタン装置と、
該操作ボタン装置の信号出力手段により出力された検知信号に従って、所定の操作演出態様を実行するボタン演出制御手段と
を備えたパチンコ遊技機において、
前記操作ボタン装置が、操作ボタンを上限位置から降下作動させるボタン自動降下装置を備え、
前記ボタン演出制御手段により操作演出態様を実行するために設定された操作ボタンの操作機会を、遊技者に報知する操作機会報知装置と、
前記操作機会で遊技者が前記操作ボタンを押圧操作することにより出力された検知信号に基づいて、該検知信号の出力パターンを生成する信号パターン生成手段と、
該パターン生成手段により生成した検知信号の出力パターンを記憶する信号パターン記憶手段と、
予め設定された自動降動条件が充足している場合に、前記操作機会に合わせて操作ボタンを所定回数降下作動させるように、前記信号パターン記憶手段により記憶した検知信号の出力パターンに基づいて操作ボタン装置のボタン自動降下装置を作動制御するボタン降動制御手段とを備えていることを特徴とするパチンコ遊技機。
遊技者により操作可能とするように遊技機本体の前部に配設され、自動降動条件を充足した状態と該充足を解除した状態とに変換操作可能なスイッチ装置を備えていることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載のパチンコ遊技機。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述した操作ボタンを備えた従来のパチンコ遊技機にあって、遊技者は、操作機会が到来する毎に操作ボタンの押圧操作を求められることから、該操作機会が比較的頻繁に到来した場合には、操作ボタンの押圧操作に伴って疲労が溜まり易い。なかでも操作機会として設定された操作有効期間で操作ボタンの連打を遊技者に求めるようにした構成の場合には、操作ボタンの連打により遊技者の疲労が一層溜まり易い。このように操作ボタンを押圧操作する回数が増大することにより遊技者に疲労が蓄積すると、遊技者が操作ボタンの押圧操作を敬遠してしまうという虞がある。これにより、遊技者が操作ボタンを押圧操作しなくなれば、操作演出画像も表示されず、該操作ボタンの押圧操作により演出参加させるという遊技性の意義が損なわれてしまう。
【0006】
本発明は、操作ボタンの押圧操作によって発生する疲労を軽減できると共に、該操作ボタンの押圧操作により演出参加させるという遊技性を十分に発揮し得るパチンコ遊技機を提案するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、常態では下方からの付勢により上限位置で保持される上下動可能な操作ボタンと、操作ボタンの降動を検知する検知手段と、該検知手段による降動検知に従って検知信号を出力する信号出力手段とを備え、該操作ボタンを遊技者が押圧操作可能とするように遊技機本体の前部に配設された操作ボタン装置と、該操作ボタン装置の信号出力手段により出力された検知信号に従って、所定の操作演出態様を実行するボタン演出制御手段とを備えたパチンコ遊技機において、前記操作ボタン装置が、操作ボタンを上限位置から降下作動させるボタン自動降下装置を備え、前記ボタン演出制御手段により操作演出態様を実行するために設定された操作ボタンの操作機会を、遊技者に報知する操作機会報知装置と、前記操作機会で遊技者が前記操作ボタンを押圧操作することにより出力された検知信号に基づいて、該検知信号の出力パターンを生成する信号パターン生成手段と、該パターン生成手段により生成した検知信号の出力パターンを記憶する信号パターン記憶手段と、予め設定された自動降動条件が充足している場合に、前記操作機会に合わせて操作ボタンを所定回数降下作動させるように、前記信号パターン記憶手段により記憶した検知信号の出力パターンに基づいて操作ボタン装置のボタン自動降下装置を作動制御するボタン降動制御手段とを備えていることを特徴とするパチンコ遊技機である。
【0008】
かかる構成にあっては、操作機会で遊技者が操作ボタンを押圧操作して出力した検知信号の出力パターンを生成し、その出力パターンに従って該操作ボタンを自動的に降下作動するようにしたものであるから、操作機会で遊技者が操作ボタンを押圧操作しない場合でも、遊技者による押圧操作と同様に操作ボタンを自動的に降下作動して、該降下作動に伴って操作演出態様を実行する。これにより、操作機会が比較的頻繁に到来したことや、操作機会で連打を求められること等によって、操作ボタンの押圧操作による疲労が溜まった場合に、操作ボタンの押圧操作を休んでも、操作ボタンが自動的に降下作動することから、疲労の蓄積を軽減し、疲労回復することもできる。さらに、操作ボタンの自動的な降下作動は、遊技者が操作ボタンを押圧操作するパターンと同様に実行されることから、操作ボタンを押圧操作する遊技者の能力やセンス等を反映でき、当該降下作動に対して遊技者が違和感を生じ難い。そして、操作ボタンの自動的な降下作動に伴って実行される操作演出態様は、遊技者自身が操作ボタンを押圧操作している場合と同様に実行され得ることから、遊技者が押圧操作を休んでいても、遊技者自身が押圧操作している場合と同様に、演出参加しているような感覚を遊技者に生じさせ易い。これにより、操作ボタンの押圧操作により演出参加させるという遊技性を、疲労軽減等のために該押圧操作を休んでいる場合であっても適正に保つことができ、該演出参加という興趣性を遊技者に十分に提供することができ得る。
【0009】
本発明にあって、操作ボタン装置は、上限位置の下方に、検知手段により操作ボタンの降動を検知する検知位置が定められ、ボタン自動降下装置が操作ボタンを上限位置から検知位置まで降下作動するように作動制御するものとした構成が好適に用いられる。
【0010】
また、信号パターン生成手段は、所定の生成条件が成立することにより、出力パターンを生成するようにした構成が好適であり、信号パターン記憶手段は、生成された出力パターンを記憶すると共に、所定の解除条件が成立することにより、記憶した出力パターンを解除するようにした構成が好適である。さらに、自動降動条件が、信号パターン記憶手段により出力パターンを記憶している場合に充足可能とするように設定されている構成が好適である。
【0011】
尚ここで、生成条件としては、遊技者自身の行為により成立するように設定したり、予め設定された処理内容等によって自動的に成立するように設定したりすることができる。解除条件も同様に設定できる。
【0012】
上述した本発明のパチンコ遊技機にあって、操作ボタンの操作機会として、操作ボタンの降動に伴って出力された検知信号をカウントする操作有効期間が設定されたものであって、信号パターン生成手段が、前記操作有効期間で出力された検知信号の出力間隔を用いて出力パターンを生成する処理内容を備えたものである構成が提案される。ここで、本構成の出力パターン(以下、完全倣い出力パターンという)が、上述した本発明にかかる「操作機会で遊技者が前記操作ボタンを押圧操作することにより出力された検知信号に基づいて生成された該検知信号の出力パターン」である。
【0013】
かかる構成にあっては、操作有効期間で遊技者が操作ボタンを押圧操作することにより出力された検知信号の出力間隔を、そのまま用いることにより完全倣い出力パターンを生成するようにしたものであり、該完全倣い出力パターンは、遊技者の押圧操作を完全に模倣したものであると言える。この完全倣い出力パターンに従って実行する操作ボタンの自動的な降下作動は、遊技者自身が押圧操作するリズムやテンポ等を完全に再現することから、遊技者自身が操作ボタンを押圧作動している場合と同様に演出参加しているような感覚を遊技者に生じさせる効果も高い。したがって、演出参加という遊技性と興趣性とを提供するという上述した本発明の作用効果を一層向上できる。
【0014】
上述した本発明のパチンコ遊技機にあって、操作ボタンの操作機会として、操作ボタンの降動に伴って出力された検知信号をカウントする操作有効期間が設定されたものであって、信号パターン生成手段が、前記操作有効期間で出力された検知信号をカウントした出力回数により該検知信号の出力間隔の平均出力間隔を演算して、該平均出力間隔に変換した出力パターンを生成する処理内容を備えたものである構成が提案される。ここで、本構成の出力パターン(以下、等間隔出力パターンという)が、上述した本発明にかかる「操作機会で遊技者が前記操作ボタンを押圧操作することにより出力された検知信号に基づいて生成された該検知信号の出力パターン」である。
【0015】
かかる構成にあっては、操作有効期間で出力された検知信号の出力間隔を平均出力間隔に変換することにより等間隔出力パターンを生成するようにしたものであり、該等間隔出力パターンに従って操作ボタンを自動的に降下作動することによって、遊技者自身が操作ボタンを押圧作動していると同様に演出参加しているような感覚を遊技者に生じさせることができ、演出参加という遊技性と興趣性とを提供するという上述した本発明の作用効果を一層適正に奏し得る。
【0016】
尚、本構成にあって、平均出力間隔を演算する処理としては、操作有効期間の開始から満了までの時間でカウントした出力回数により演算する処理としても良いし、操作有効期間内の所定時間でカウントした出力回数により演算する処理としても良い。
【0017】
上述した本発明のパチンコ遊技機にあって、操作ボタンの操作機会として、一回又は複数回の操作タイミングが設定されたものであって、信号パターン生成手段が、前記操作タイミングと該操作タイミングで出力された検知信号の出力タイミングとの時間差を用いて出力パターンを生成する処理内容を備えたものである構成が提案される。ここで、本構成の出力パターン(以下、完全倣い出力パターンという)が、上述した本発明にかかる「操作機会で遊技者が前記操作ボタンを押圧操作することにより出力された検知信号に基づいて生成された該検知信号の出力パターン」である。
【0018】
かかる構成にあっては、操作タイミングに合わせるように遊技者が操作ボタンを押圧操作することにより出力された検知信号の出力タイミングと、当該操作タイミングとの時間差を、そのまま用いることにより完全倣い出力パターンを生成するようにしたものであり、該完全倣い出力パターンは、遊技者の押圧操作を完全に模倣したものであると言える。この完全倣い出力パターンに従って実行する操作ボタンの自動的な降下作動は、遊技者自身が押圧操作するリズムやテンポ等を完全に再現することから、遊技者自身が操作ボタンを押圧作動している場合と同様に演出参加しているような感覚を遊技者に生じさせる効果も高い。したがって、演出参加という遊技性と興趣性とを提供するという上述した本発明の作用効果を一層向上できる。
【0019】
上述した本発明のパチンコ遊技機にあって、操作ボタンの操作機会として、一回又は複数回の操作タイミングが設定されたものであって、信号パターン生成手段が、前記操作タイミングと該操作タイミングで出力された検知信号の出力タイミングとの時間差を複数回取得して、その平均時間差を演算し、該平均時間差に変換した出力パターンを生成する処理内容を備えたものである構成が提案される。ここで、本構成の出力パターン(以下、平均出力パターンという)が、上述した本発明にかかる「操作機会で遊技者が前記操作ボタンを押圧操作することにより出力された検知信号に基づいて生成された該検知信号の出力パターン」である。
【0020】
かかる構成にあっては、操作タイミングと検知信号の出力タイミングとの時間差を平均時間差に変換することにより平均出力パターンを生成するようにしたものであり、該平均出力パターンに従って操作ボタンを自動的に降下作動することによって、遊技者自身が操作ボタンを押圧作動していると同様に演出参加しているような感覚を遊技者に生じさせることができ、演出参加という遊技性と興趣性とを提供するという上述した本発明の作用効果を一層適正に奏し得る。
【0021】
上述した本発明のパチンコ遊技機にあって、自動降動条件は、操作機会で遊技者による操作ボタンの押圧操作に伴う検出信号が出力されないことにより、条件充足するものとして設定されていると共に、該自動降動条件の充足を解除するための条件解除手段を備えている構成が提案される。
【0022】
かかる構成にあっては、操作機会で遊技者が操作ボタンを押圧操作しない場合に、その前に記憶した出力パターンに従って操作ボタンを自動的に降下作動するようにしたものであり、遊技者が操作ボタンを押圧操作するか否かに従って、自動的な降下作動の実行有無を選択する。これにより、遊技者が操作ボタンを押圧操作する場合と遊技者が操作ボタンを押圧操作しない場合とのいずれであっても、上述したように遊技者は違和感を生ずることなく、演出参加するという遊技性および興趣性を満喫することができる。さらに、操作ボタンの押圧操作によって蓄積された疲労により、遊技者が操作ボタンの押圧操作を不意に休んだとしても、操作ボタンが自動的に降下作動することから、操作機会で操作演出態様が安定して実行され、該操作演出態様による演出参加という遊技性が保たれ得る。
【0023】
本構成にあって、条件解除手段としては、例えば、操作ボタンと別に解除用ボタンを配設してその押圧操作により自動降動条件の充足を解除する構成や、前の操作機会の満了から所定の時間を経過しても新たな操作機会が発生しない場合に自動降動条件の充足を解除する構成等を適用できる。または、操作ボタン装置が、ボタン自動降下装置により操作ボタンを自動的に降下作動する位置を、遊技者が押圧操作する場合に降下する位置よりも上側に設定することによって、操作ボタンの自動的な降下作動と遊技者による押圧操作とを区別可能とするものであり、自動降動条件が充足している状態で、遊技者による押圧操作が実行されると、自動降動条件の充足を解除するようにした構成とすることもできる。
【0024】
上述した本発明のパチンコ遊技機にあって、遊技者により操作可能とするように遊技機本体の前部に配設され、自動降動条件を充足した状態と該充足を解除した状態とに変換操作可能なスイッチ装置を備えている構成が提案される。
【0025】
かかる構成にあっては、スイッチ装置を操作することにより、遊技者自身が操作ボタンを押圧操作する状態と、自動的に降下作動させる状態とに、遊技者の意志によって変換することができる。そのため、操作ボタンの押圧操作によって疲労が蓄積された場合には、自動降動条件を充足した状態に変換して、該疲労を軽減でき、遊技者自身が押圧操作する場合には、自動降動条件の充足を解除した状態に変換して、積極的に演出参加することができる。このように遊技者の意志によって能動的に状態変換することができるため、疲労の軽減と演出参加による遊技性との両方を適正かつ安定して発揮することができる。
【発明の効果】
【0026】
本発明は、上述したように、遊技者が操作ボタンを押圧操作することにより検知信号の出力パターンを生成し、所定の自動降動条件が充足している場合に、前記出力パターンに従って操作ボタンを降下作動させるようにしたものであるから、遊技者が疲労蓄積等により操作ボタンの押圧操作を休んでも、遊技者自身の押圧操作と同様に操作ボタンが降下作動するため、演出参加しているような感覚を遊技者に生じさせ易い。したがって、疲労軽減のために操作ボタンの押圧操作を遊技者が休んでいる場合にも、演出参加という遊技性と興趣性とを遊技者に十分に提供できる。
【発明を実施するための形態】
【0028】
本発明の実施例を、添付図面を用いて詳述する。
パチンコ遊技機1は、
図1に示すように、遊技島設備(図示省略)に固定される外枠(図示せず)と、この外枠の前面開口部を覆う遊技機本体3とからなる。遊技機本体3は、中央上部の略円形の開口部に遊技盤10(
図2参照)が取り付けられた前枠5を備え、この前枠5の一側縁がヒンジ部材4を介して外枠に開閉可能に枢結されている。さらに前枠5には、前期開口部を遮蔽する透明板6を備え、該透明板6を介して遊技盤10の遊技領域12(
図2参照)を視認可能となっている。また、前枠5の前面下部には、前方へ突出する下部パネル部9が形成されており、該下部パネル部9に、上受皿7と下受皿8とが上下に列設されている。さらに、前枠5には、下受皿8の右側方に発射ハンドル41が突設されている。
【0029】
図2は、遊技盤10の正面図である。遊技盤10の前面には、ガイドレール11によって略円形の遊技領域12が区画形成されている。遊技領域12の中央には、各種遊技部材を組み込んだセンターケース13が配設される。このセンターケース13には、画像表示器14が組み付けられている。画像表示器14は、液晶表示器又はCRT表示器等からなり、その表示画面には各種演出画像等が表示される。
【0030】
このセンターケース13には、所定個数のLEDを夫々備えた特別始動記憶数表示装置17と普通始動記憶数表示装置18とが配設されている。さらに、所定個数のLEDから夫々構成される特別図柄表示装置15と普通図柄表示装置16も配設されている。ここで、特別図柄表示装置15は、後述するように、所定契機によって、各LEDを点滅させることにより夫々の特別図柄を変動させ、その後にいずれかのLEDが点灯した特別図柄の態様(停止図柄態様)で停止する。そして、特別図柄の停止図柄態様により、当り又はハズレを確定し、当りの場合に後述する特別遊技作動が実行される。また、普通図柄表示装置16は、後述する普通始動ゲート19を遊技球が通過することにより、各LEDを点滅させることで普通図柄を変動させ、その後に点灯したLEDによって普通図柄の当り又はハズレを確定する。そして、普通図柄が当りの場合に後述の普通電動役物23を拡開作動する。
【0031】
上記の普通始動ゲート19は、センターケース13の左側に設けられており、遊技球の通過を検知するスイッチが配設されている。このスイッチが遊技球を検知すると、球検知信号を出力し、該球検知信号に基づいて上記の普通図柄表示装置16のLEDが点滅開始する。
【0032】
また、遊技盤10には、センターケース13の下方に、普通電動役物23と特別電動役物26とが上下に列設され、該特別電動役物26のさらに下方にアウト口30が配設されている。さらに、普通電動役物23と特別電動役物26との左右両側に、複数の入賞装置29も配設されている。
【0033】
ここで、普通電動役物23は、始動口20と、該始動口20を開閉する左右一対の開閉翼片(図示せず)とを備え、上記した普通図柄表示装置16により普通図柄が当り確定した場合に、該開閉翼片を閉鎖位置から所定時間拡開作動して始動口20を開放する。さらに、普通電動役物23には、始動口20から流入した遊技球を検知するスイッチが内蔵されており、該スイッチが遊技球を検知すると、球検知信号を出力し、かかる検知信号に基づいて上記の特別図柄表示装置15のLEDが点滅開始する。
【0034】
上記の特別電動役物26は、大入賞口25と横長矩形状の開閉片(図示せず)とを備え、該開閉片を起立位置として大入賞口25を閉鎖し、開閉片を前方へ傾倒して大入賞口25を開放する。この特別電動役物26は、上記した特別図柄表示装置15により特別図柄が当り確定した場合に、該開閉片を開閉作動することにより、大入賞口25を開放する開閉ラウンドを所定回数繰返す特別遊技作動を実行する。さらに、特別電動役物26には、大入賞口25から流入した遊技球を検知するスイッチが内蔵されており、該スイッチが遊技球を検知すると、球検知信号を出力し、かかる球検知信号に従って所定個数の賞球が払い出される。
【0035】
上記の入賞装置29には、流入した遊技球を検知するスイッチが内蔵されており、該スイッチの遊技球検知に従って、所定個数の賞球が払い出される。
【0036】
次に、本実施例のパチンコ遊技機1の制御回路について、
図3を参照して説明する。
マイクロコンピュータを構成する主制御基板60には、パチンコ遊技機1の遊技作動等を制御するための基板回路が設けられている。この主制御基板60は、遊技の統括的な制御を実行するものである。この基板回路上には主制御用中央制御装置CPUが配設される。この主制御用中央制御装置CPUには、演算処理に用いる動作プログラムを格納する記憶装置ROMと、必要なデータを随時読み書きできる記憶装置RAMとが、データを読み書きするアドレスを指定する情報を一方的に伝えるアドレスバス(図示省略)と、データのやり取りを行うデータバス(図示省略)を介して接続され、主制御基板60の基板回路を構成している。記憶装置ROMには、制御プログラムや、抽選データを参照して図柄生成行程の当落判定や図柄の変動・停止態様、演出態様等を決定するための各種テーブルが格納されている。
【0037】
一方、記憶装置RAMには、各種球検知スイッチからの球検知信号等が一時的に記憶される記憶エリア、各種のタイマや乱数カウンタ、計数カウンタ等を構成するレジスタ領域、及びワークエリア等が設けられている。
【0038】
この主制御基板60の基板回路には、所定のクロックパルスを出力するクロック装置(図示省略)が設けられ、主制御用中央制御装置CPUに接続されている。そして主制御用中央制御装置CPUは、一定間隔のクロックパルスによって時系列的に演算処理を行い、一連の処理作動を順次実行する。また、このクロック装置により出力されたクロックパルスをカウントして、時間を計測するタイマTMも接続されている。
【0039】
主制御用中央制御装置CPU、及び後述する各制御基板62〜68に設置される各中央制御装置CPUは、所定のデータの処理を行う演算ユニット(ALU)を連成した演算装置と、この演算装置に入出力するデータや読み込んだ命令を保管しておくレジスタと、命令を解読するデコーダ等によって構成されている。そして、この主制御用中央制御装置CPUは、所定の形式で生成したデータ信号又はコマンド信号を四つの制御基板62,63,64,68へ出力し、これらの制御基板62,63,64,68の中央制御装置CPUがこのデータ等に従って所定の制御を処理実行することとなる。
【0040】
また、この主制御基板60の基板回路には、主制御用中央制御装置CPUが周辺機器とデータ通信を行う入力ポート(図示省略)及び出力ポート(図示省略)が設けられており、この出力ポートを介して主制御基板60からの制御指令信号が、演出制御基板62、図柄制御基板63、払出制御基板64、及び発射制御基板68の各入力ポートに向け、一方向に出力されるように接続されている。また、主制御基板60の入力ポートには、盤面中継基板61を介して、普通始動ゲート19、普通電動役物23、特別電動役物26、入賞装置29等に設けられた各種スイッチやセンサ等が接続される。そして、主制御基板60が2msごとに、これらに内蔵された各スイッチの遊技球検出状態を調べ、遊技球検出があると、その球検出信号が波形整形回路により波形整形されて主制御用中央制御装置CPUに入力され、その情報を記憶装置RAMに記憶する。また、主制御基板60の出力ポートには、盤面中継基板61を介して普通電動役物23や特別電動役物26等に内臓されたソレノイドやモータが接続されており、主制御用中央制御装置CPUが所定の条件を選出した場合に、これらソレノイドやモータを駆動させる。
【0041】
上記の演出制御基板62には、パチンコ遊技機1で実行される演出全般を制御するための基板回路が設けられる。この基板回路は、演出を制御処理する演出制御用中央制御装置CPUに、多岐にわたる演出態様に関する固定データが格納された記憶装置ROMと、必要なデータを読み書きできる記憶装置RAMと、入力ポート及び出力ポートとが接続されて構成されている。演出制御基板62の出力ポートには、画像表示器14を制御する画像制御基板65、音声演出を制御する音源制御基板66、及びLEDランプによる演出を制御する光源制御基板67が接続されている。そして、演出制御基板62は、主制御基板60からのコマンド信号が入力ポートに入力されると、演出制御用中央制御装置CPUにおいて演算処理し、該コマンド信号により指示された演出態様を実行するために、画像制御基板65、音源制御基板66、及び光源制御基板67へ向けてコマンド信号を送信する。
【0042】
上記の画像制御基板65には、画像表示器14の表示態様を制御するための基板回路が設けられる。画像制御基板65は、演出制御基板62から入力されたデータ信号又はコマンド信号を演算処理し、所定の表示態様を表示するデータにしたがって表示用ドライバにより画像表示器14で所定態様の演出画像を表出させる。
【0043】
上記の音源制御基板66には、図示しないスピーカから発生する効果音等を制御するための基板回路が設けられる。この音源制御基板66は、演出制御基板62から入力されたデータ信号又はコマンド信号を演算処理し、所定の音データにしたがってサウンドジェネレータによりスピーカで効果音を出力させる。
【0044】
上記の光源制御基板67には、遊技機本体3に配設された演出用ランプを制御するための基板回路が設けられている。この光源制御基板67は、演出制御基板62から入力されたデータ信号又はコマンド信号を演算処理し、所定の光データにしたがって光源作動基板により各種の演出用ランプを点灯、点滅させる。
【0045】
上記の図柄制御基板63には、特別図柄表示装置15、普通図柄表示装置16、特別始動記憶数表示装置17、普通始動記憶数表示装置18を制御するための基板回路が設けられている。この図柄制御基板63は、上記の主制御基板60から入力ポートを介して入力されたデータ信号又はコマンド信号を演算処理し、所定の光データにしたがって図柄作動基板により、各装置のLEDを点灯、点滅させる。
【0046】
上記の払出制御基板64には、遊技球の貸球や賞球等の払出しを制御するための基板回路が設けられている。この払出制御基板64は、主制御基板60から入力されたデータ信号又はコマンド信号を演算処理し、所定のデータにしたがって貸球ユニットや賞球ユニット等の各種ソレノイドを作動し、所定の貸球や賞球の払出しを実行する。また、払出制御基板64は、プリペイドカードの読込みや書込みを行うプリペイドカードユニットがCR接続基板を介して接続され、遊技球の残球データ等をやり取りする。
【0047】
上記の発射制御基板68には、球発射装置42(
図2参照)を制御するための基板回路が設けられている。この発射制御基板68は、発射ハンドル41からの入力信号に応じた電圧強度で球発射装置42を駆動することにより、発射ハンドル41の回動角度に応じた強さで遊技球を打圧発射する。
【0048】
次に、本実施例のパチンコ遊技機1の基本的な作動について説明する。なお、本実施例のパチンコ遊技機1の基本的な作動は、既存のパチンコ遊技機と同様であるため詳細な説明は省略する。
遊技者が発射ハンドル41を操作することにより発射された遊技球が、上記の普通電動役物23の始動口20へ流入すると、図示しない入賞検知処理により、特別図柄用の各乱数カウンタ(大当りカウンタなど)を抽出し、これら抽出したカウンタ値を一纏めとして特別図柄用の始動記憶を生成する。そして、図示しない特別図柄処理により、前期始動記憶を消化すると、特別図柄表示装置15でLEDが点滅して特別図柄が変動開始し、変動開始から所定時間経過すると、いずれかのLEDを点灯して特別図柄が変動停止して停止図柄態様を表示して確定する。このように、特別始動記憶の消化によって特別図柄の変動開始から確定停止までの一連の図柄生成行程を実行する。そして、特別図柄の停止図柄態様により当りが確定すると、大入賞口25を開閉する特別遊技作動を実行する。この特別遊技作動は、大入賞口25が開閉する開閉ラウンドを所定回数実行する作動であり、遊技者は多量の賞球を獲得することが可能である。尚、この特別遊技作動については、従来から公知の作動態様および作動制御を適用できるため、その詳細については省略する。
【0049】
ここで、上記した始動記憶を消化する特別図柄処理(図示せず)としては、始動記憶を構成する大当りカウンタ値により当落判定し、その他のカウンタ値に基づいて停止図柄態様や画像表示器14で図柄生成行程中に表示実行する演出画像の画像パターンを選定する処理を行う。そして、図柄生成行程の実行に伴って、選定した演出画像パターンに従って演出画像を画像表示器14で表示実行する。この演出画像としては、図柄生成行程を盛り上げる様々な画像を備えるものである。
【0050】
尚、上記した入賞検知処理や特別図柄処理以外の、メイン処理、大入賞口処理。普通図柄処理等については、従来から用いられているものを適用することができるため、その詳細については省略する。
【0051】
次に本発明の要部について説明する。
遊技機本体3の前枠5の下部パネル部9には、
図1のように、上受皿7の前側に位置された操作ボタン72を備えた操作ボタン装置71が配設されている。このように操作ボタン72を遊技機本体3の前面側に露出させて設けたことによって、遊技者が押圧操作可能である。
【0052】
操作ボタン装置71は、
図4〜
図6に示すように、略円筒形の外殻筒部82と、該外殻筒部82の下部に固定されてその下部開口を塞ぐ底板部83とからなる内空状のケース筐体81を備えており、該ケース筐体81が上記下部パネル部9に形成された取付孔80に上方から装入された状態で、該下部パネル部9内に複数のビス(図示せず)により固定されている。
【0053】
上記の底板部83には、略円筒状の支持筒部91が上方へ突出形成されており、さらに、該支持筒部91の上端から二つの湾曲突部92a,92bが上方へ突成されている。湾曲突部92a,92bは、互いに対向する位置に所定間隔をおいて設けられている。そして、各湾曲突部92a,92bは、その内面が前記支持筒部91の内周面から滑らかに連成するように形成されていると共に、その径方向の板厚が該支持筒部91の径方向の厚みに比して薄肉であることから、その外面が支持筒部91の外周面よりも径方向内側に位置している。そのため、支持筒部91の上端には、湾曲突部92a,92bの外側に略円環状の段部91aが形成されている。この段部91aには、湾曲突部92a,92bの各外面に遊嵌するようにして、圧縮により弾発力を生じるコイルスプリングからなる圧縮バネ94の下端部が座定されている。さらに、一方の湾曲突部92aには、その上端から連続するスリット93が上下方向に沿って設けられている。また、他方の湾曲突部92bの上端には、LEDから構成される光源84が配設されており、該光源84の発光により操作ボタン72の裏面に光を照射する。
【0054】
また、上記の支持筒部91には、上下方向に移動可能とするように摺動部材95が外嵌されて配設されている。この摺動部材95は、前記支持筒部91の外周面にその外側から倣うように湾曲状に形成された二個の湾曲板部95a,95aと、各湾曲板部95a,95aの上端に連成された天板部95bとから構成されている。ここで、摺動部材95は、その天板部95bが、支持筒部91の上端から突成された二つの湾曲突部92a,92b間を挿通可能とすると共に、湾曲板部95a,95a間に前記湾曲突部92a,92bが位置するように、周方向位置を定めている。これにより、摺動部材95は、支持筒部91の外周面に沿って上下方向に円滑に移動可能となっている。また、前記のように支持筒部91にはその段部91aに圧縮バネ94が座定されており、該圧縮バネ94の上端部が摺動部材95の天板部95bの裏面に当接されている。これにより、摺動部材95が圧縮バネ94の弾発力によって上方へ付勢されている。
【0055】
また、上記の湾曲突部92aには、そのスリット93の側端に、操作ボタン72の降動を検知する降動検知センサ85a,85bが上下に列設されている。この降動検知センサ85a,85bは、フォトセンサにより構成されており、該フォトセンタを構成する一対の発光部と受光部とがスリット93を挟むように該スリット93の両側端に配設されている。そして、摺動部材95には、その天板部95bに、スリット93内を上下方向に進退移動する遮光片部98が設けられている。これにより、摺動部材95が降下作動して、遮光片部98が、降動検知センサ85aのフォトセンサの発光部と受光部間の光の通過を遮断すると、該降動検知センサ85aから信号が出力されるようになっている。降動検知センサ85bについても同様である。したがって、摺動部材95が、上側に配設された降動検知センサ85aにより検知される位置(以下、第一検知位置)まで降動することにより(
図6(A)参照)、当該降動検知センサ85aから信号が出力され、さらに、下側に配設された降動検知センサ85bにより検知される位置(以下、第二検知位置)まで降動すると(
図6(B)参照)、当該降動検知センサ85bからも信号が出力される。
【0056】
さらに、支持筒部91には、その内部に、進退ロッド86aを備えた電磁ソレノイド86が配設されている。この電磁ソレノイド86は、進退ロッド86aが上下方向に沿って上向きとなるように、支持筒部91の内部に固定されている。この進退ロッド86aは、その先端部が、上記した摺動部材95の天板部95bに開口形成された挿通孔95cを貫通するように設けられており、該先端部に、前記挿通孔95cよりも水平方向の面積が大きい係合部材96が取り付けられている。この電磁ソレノイド86は、作動用の電流が供給された通電状態で、進退ロッド86aを降動し、これに伴って係合部材96が天板部95bを下方へ引張ることにより、摺動部材95を圧縮バネ94の付勢力に抗して降下作動させる。そして、前記電流の供給を停止すると、摺動部材95が圧縮バネ94の付勢力に従って上昇作動して、進退ロッド86aが昇動する。このように電磁ソレノイド86を作動制御することにより、摺動部材95を昇降作動させることができる。ここで、進退ロッド86aは、通電状態により降動する下限を、上記した摺動部材95の第一検知位置として設定している(
図6(A)参照)。これにより、電磁ソレノイド86を通電状態とすると、摺動部材95が第一検知位置まで降動し、該摺動部材95の遮光片部98が上側の降動検知センサ85aにより検知されて、当該降動検知センサ85aから第一検知信号が出力される。そして、摺動部材95は、電磁ソレノイド86を通電しても、上記の第二検知位置までは降動できないことから、下側の降動検知センサ85bから第二検知信号が出力されない。
【0057】
尚、本実施例にあっては、摺動部材95は、下側に配設された降動検知センサ85bにより検知される第二検知位置まで降動すると、湾曲板部95a,95aの下端が底板部83に当接し、これ以上降動することができないようになっている(
図6(B)参照)。すなわち、第二検知位置が、摺動部材95を降動可能な下限位置である。
【0058】
また、上記した降動検知センサ85a,85b、電磁ソレノイド86は、操作ボタン装置71に設けられたプリント回路板(図示せず)に実装されており、コネクタ(図示せず)に接続されたリード線群を介して、上記した主制御基板60に接続されている。そして、降動検知センサ85a,85bの出力した各信号を主制御基板60に送信したり、主制御基板60を介して降動検知センサ85a,85bや電磁ソレノイド86へ作動電流を供給する。ここで、降動検知センサ85aから信号入力があると、プリント回路板を介して検知信号(以下、第一検知信号という)を主制御基板60へ出力し、降動検知センサ85bから信号入力があると、プリント回路板を介して検知信号(以下、第二検知信号という)を主制御基板60へ出力する。さらにまた、光源84は、前記プリント回路板に実装されており、リード線群を介して光源制御基板67に接続されている。そして、光源制御基板67により発光制御される。
【0059】
一方、上記のケース筐体81の内部には、その外殻筒部82内を上下方向に移動可能な操作ボタン72が配設されている。この操作ボタン72は、略円形状の透明材質からなる表面板部72aと、該表面板部72aの周縁から下方へ延成された円筒状の側壁板部72bとを備えており、該側壁板部72bには、周方向で対向する位置に外方に突出する一対の係合爪73,73を下端に備えた弾性舌片部74,74が設けられている。この弾性舌片部74,74の係合爪73,73は、外殻筒部82に形成された作動口87,87内を上下方向に移動可能であり、かつ該作動口87,87の上部口縁に係合可能となっている。操作ボタン72は、その側壁板部72bの下端が上記した摺動部材95の湾曲板部95a,95aの上端に当接する状態で外殻筒部82内に収納されており(
図5(A)参照)、上記の圧縮バネ94の弾発力により上方に付勢される摺動部材95を介して常時下方から上方へ付勢されている。そして、このように下方からの付勢により側壁板部72bの係合爪73,73が外殻筒部82の作動口87,87の上部口縁に係合されることによって、操作ボタン72がケース筐体81の上部開口端から上方へ突出する上限位置に保持される(
図5(B)参照)。
【0060】
操作ボタン72は、上記した電磁ソレノイド86の非通電状態で、
図5のように、圧縮バネ94により付勢されて上限位置に保持されている。そして、電磁ソレノイド86へ作動電流を供給することにより、
図6(A)のように、操作ボタン72が上限位置から第一検知位置まで降下作動して、降動検知センサ85aによって該操作ボタン72の降動を検知する。この作動電流を供給停止すると、操作ボタン72が第一検知位置から上限位置まで上昇作動する。一方、遊技者が操作ボタン72を押圧操作すると、該操作ボタン72が上限位置から降下して、第一検知位置で降動検知センサ85aにより検知される。さらに、操作ボタン72は、第一検知位置より下方の第二検知位置まで降下可能であることから、遊技者が押圧操作した場合には、第二検知位置まで降下し易く、
図6(B)のように、該第二検知位置で降動検知センサ85bにより検知される。尚、操作ボタン72は、第二検知位置まで降動した状態で、その表面板部72aの上面がケース筐体81の上部開口端とほぼ同じ高さ位置となる。こうした構造によって、遊技者が操作ボタン72を押圧操作した際に、第二検知位置まで降動し易くなっている。
【0061】
上述した操作ボタン装置71を作動制御する構成について、下記の実施例1〜4に従って説明する。
【実施例1】
【0062】
実施例1の構成にあっては、上記した特別図柄処理により始動記憶を消化して実行する図柄生成行程で、遊技者に操作ボタン72の押圧操作を促す操作有効期間が設定されており、該操作有効期間で遊技者が操作ボタン72を押圧操作した回数に応じて、画像表示器14で演出画像を変化する操作演出画像を表示するようにしたものである。そして、操作有効期間で、遊技者が操作ボタン72を押圧操作することにより発生した第一検知信号に基づいて、該第一検知信号の出力パターンを生成して記憶する。この出力パターンを記憶した後に、遊技者が操作有効期間で操作ボタン72を押圧操作しない場合に、該出力パターンに従って操作ボタン72を自動的に降下作動するようにしている。
【0063】
ここで、操作有効期間(操作期間フラグ=1)では、
図7の操作期間処理により、遊技者が操作ボタン72を押圧操作する毎に第一検知信号を出力し、該第一検知信号をカウントして累積加算する。そして、出力した第一検知信号を累積加算した出力回数Mが、予め設定された複数の閾数値に達する毎に、後述するように操作演出処理により操作演出画像H1〜H5を順次表示するようにしている。さらに、操作有効期間で、遊技者の押圧操作に伴って操作ボタン装置71から第一検知信号が出力される毎に、その出力時点を当該期間内での時間経過に関係付けることによって、前記出力時点を順次定める出力時点設定処理を実行する。そして、操作有効期間の満了に伴って、出力パターン生成処理により、前記出力時点設定処理で定めた出力時点に基づいて検知信号の出力パターンを生成する。こうして生成された出力パターンは、
図9のように、遊技者の押圧操作により出力された第一検知信号の出力間隔がそのまま示しており、遊技者の押圧操作したパターンを完全に模倣した完全倣い出力パターンである。尚、この完全倣い出力パターンにに示された第一検知信号の出力間隔に従って操作ボタン装置71の電磁ソレノイド86へ作動電流の供給を繰り返し実行することによって、遊技者の押圧操作した場合と全く同じ出力間隔で操作ボタン72を自動的に降下作動することができる。
【0064】
このように生成された完全倣い出力パターンは、操作有効期間の満了により新たに生成される毎に、出力パターン記憶処理により主制御基板60の記憶装置RAMに記憶される。これに伴って出力フラグ=1とする。ここで、本実施例にあっては、順次発生する操作有効期間で、遊技者が操作ボタン72を押圧操作することによって新たに完全倣い出力パターンを生成して確定する毎に、次々と新しいものに書き換えて記憶するようにしている。また、遊技者により遊技が進行しない時間を計測し、当該時間が予め設定された遊技中断時間を経過すると、記憶されている完全倣い出力パターンを消去するようにしている。これにより、同じ機台を先に利用した遊技者の完全倣い出力パターンが、その後に利用した遊技者により使用されることを防止している。ここで、遊技が進行しない時間は、遊技進行していない状態が継続した時間として定めており、遊技進行していない状態とは、遊技球の発射が無く且つ特別図柄の変動や図柄生成行程が実行されていない状態として設定している。
【0065】
一方、上記の完全倣い出力パターンを記憶している状態(出力フラグ=1)で、操作有効期間が開始された場合(操作期間フラグ=1)に、その開始から所定の時間(以下、非操作時間)が経過するまでに、遊技者による操作ボタン72の押圧操作が実行されないと、
図8の操作ボタン処理により非操作フラグ=1として、作動電流供給処理により、記憶している完全倣い出力パターンに従って、操作ボタン装置71の操作ボタン72を自動的に降下作動する。これにより、遊技者が操作ボタン72を押圧操作しない状況でも、遊技者自身が押圧操作した場合と全く同じように操作ボタン72が自動的に降下作動し、これに伴って上記の操作演出画像が表示される。こうした操作ボタン72の自動的な降下作動は、次に遊技者が操作有効期間で操作ボタン72を押圧操作するまで実行される。尚、本実施例1では、完全倣い出力パターンを記憶していない状態(出力フラグ=0)で操作有効期間が開始された場合に、遊技者が操作ボタン72を押圧操作しなければ、操作ボタン72の自動的な降下作動を実行しないようにしている。
【0066】
遊技者が操作ボタン72を押圧操作した否かの判定は、上述したように該操作ボタン72が第二検知位置まで降動したか否かによって行う。すなわち、操作有効期間(操作期間フラグ=1)で、操作ボタン72が第二検知位置まで降動して降動検知センサ85bから第二検知信号が出力すると、遊技者による押圧操作が実行されたと判定する。一方、操作ボタン72を自動的に降下作動している場合には、該操作ボタン72が第一検知位置まで降下作動するため、降動検知センサ85aからの第一検知信号が出力し、第二検知位置の降動検知センサ85bからの第二検知信号が無い。この場合には、遊技者による押圧操作が実行されていないと判定する。このように第二検知位置の降動検知センサ85bからの第二検知信号の出力有無によって、遊技者による押圧操作の実行有無を判定する。
【0067】
このように本実施例1では、完全倣い出力パターンを記憶している状態(出力フラグ=1)で、操作有効期間の開始から非操作時間を経過するまでの間で、遊技者が操作ボタン72を押圧操作しないこと(第二検知信号が出力しないこと)によって、本発明にかかる自動降動条件が充足するようにしている。そして、自動降動条件が充足している状態で、遊技者が操作有効期間で操作ボタン72を押圧操作すること(第二検知信号が出力すること)によって、自動降動条件の充足を解除するようにしている。
【0068】
こうした操作ボタン72を作動制御する操作期間処理(
図7)および操作ボタン処理(
図8)を、画像表示器14で表示する演出画像の処理と共に詳述する。
図示しない特別図柄処理により始動記憶を消化することによって、特別図柄表示装置15で特別図柄を変動開始すると共に、画像表示器14で所定の演出画像を表示開始する制御処理を実行する。こうした図柄生成行程における演出画像としては、始動記憶を構成する各乱数カウンタ値に基づいて選定した演出画像パターンに従って表示実行される。すなわち、始動記憶の消化により、該始動記憶を構成する大当りカウンタ値を当落判定し、その他の乱数カウンタ値に基づいて図柄生成行程中に画像表示器14で表示する演出画像パターンを選定する。そして、この演出画像パターンに従って画像表示器14で演出画像を表示する。この演出画像パターンは、予め設定されている複数の演出画像データのなかから、始動記憶を構成する所定の乱数カウンタ値に従って選出した演出画像データの組合せによって決まる。
【0069】
ここで、本実施例1にあっては、演出画像データとして、上記した操作ボタン72の降動による第一検知信号に従って表示する操作演出画像の操作演出画像データも複数設定されており、所定の乱数カウンタ値に基づいて選定するようにしている。すなわち、特別図柄処理により消化する始動記憶が、操作ボタン72の降動により操作演出を実行するか否かを決定するための操作カウンタ値と、前記操作演出画像データの選定および操作有効期間(開始タイミングと満了タイミング)を決定するための操作演出カウンタ値とを備え、始動記憶を消化して、操作カウンタ値により操作演出の実行を判定すると、操作演出フラグ=1として、操作演出カウンタ値に基づいて操作演出画像データと操作有効期間とを選定する。そして、上述したように他の乱数カウンタ値に基づいて、操作演出画像データを含む演出画像パターン(以下、操作演出画像パターン)を決定する。尚、操作カウンタ値と操作演出カウンタ値とは、始動記憶を構成する他の乱数カウンタ値(大当りカウンタ値など)と同様に、遊技球が普通電動役物23の始動口20へ流入することにより抽出されて、これら乱数カウンタ値と共に該始動記憶を構成する。尚、こうした操作演出の実行決定は、上記した当落判定により当り判定した場合や、ハズレ判定かつリーチ発生する場合に高確率で選定されるようにしている。
【0070】
上記の操作演出画像パターンは、操作演出画像データを含むものであり、選定した操作演出画像データと操作有効期間とに基づいて、後述する参加演出画像F、期間報知画像g、操作演出画像H1〜H5を表示する。ここで、参加演出画像Fとしては、
図10のように、ロケットの画像と燃料ゲージの画像とが表示される。また、期間報知画像gとしては、操作有効期間の時間消化を表示する時間ゲージが表示される。さらに、操作演出画像H1〜H5としては、操作ボタン72の降動に伴って出力された第一検知信号が増加する毎に、参加演出画像Fの燃料ゲージが段々と上昇することを示す画像として表示される。尚、本実施例1にあっては、上述したように遊技者が操作ボタン72を押圧操作することにより出力した第一検知信号をカウントした出力回数Mが、予め設定された五段階の閾数値に達する毎に、前記した操作演出画像H1〜H5を順次表示するようにしている(
図7中の操作演出処理)。
【0071】
すなわち、操作有効期間が開始される直前に、参加演出画像Fとして、
図10(A)のように、発射台に位置するロケットと該ロケットに燃料注入する燃料ゲージとが表示されると共に、操作有効期間を示す期間報知画像gが表示される。そして、操作有効期間が開始されると、期間報知画像gが、当該操作有効期間の時間消化を表示する。この操作有効期間で操作ボタン72の降動に伴って発生した検知信号をカウントし、該検知信号の出力回数Mが、最も小さい第一の閾数値に達すると、
図10(B)のように、前記した燃料ゲージを一段階高くした操作演出画像H1を表示する。さらに、前記検知信号の出力回数Mが増加して、二番目に小さい第二の閾数値に達すると、
図10(C)のように、前記した燃料ゲージをさらに一段階高くした操作演出画像H2を表示する。この後、検知信号の出力回数Mがさらに増加して、三番目、四番目の閾数値に達する毎に、
図10(D)のように操作演出画像H3を表示し、
図10(E)のように操作演出画像H4を表示する。そして、五番目の閾数値に達すると、
図10(F)のように、燃料ゲージの満杯を示す操作演出画像H5を表示する。さらに、当り確定すると、ロケットを発射する演出画像を表示する(図示せず)。このように検知信号の出力回数Mが五段階の閾数値に達する毎に、操作演出画像H1から操作演出画像H5まで順次表示していく。尚、期間報知画像gにより表示した操作有効期間の時間消化が満了すると、参加演出画像F、期間報知画像g、操作演出画像H1〜H5等の表示実行を停止し、検知信号の出力回数もリセットする。これにより、遊技者には、前記期間報知画像gの時間消化満了までに、操作演出画像H5を表示できるように、操作ボタン72を連続して押圧操作することが求められる。尚、この期間報知画像gによる時間消化開始から満了までの期間で、検知信号をカウントする操作有効期間を示し、この操作有効期間により本発明にかかる操作機会が実現されている。
【0072】
こうした参加演出画像Fや操作演出画像H1〜H5を、上述のように当り判定した場合やリーチ発生する場合に高確率で表出するようにしていることから、該参加演出画像F等が表示されることによって、当り確定への遊技者の期待感を昂揚させることができ、遊技者に操作ボタン72の押圧操作を促すことができる。そして、操作ボタン72が押圧操作されていくに従って操作演出画像H1〜H5が順次表出されることによって、前記期待感を段階的に高めることができると共に、期間報知画像gが時間消化を表示することによって、操作ボタン72の押圧操作を促す効果が向上する。これにより、遊技者が操作ボタン72を押圧操作することによって遊技参加させるという遊技性と興趣性とを効果的に高めることができる。
【0073】
一方、図示しない特別図柄処理により操作演出の実行を決定している場合に(操作演出フラグ=1)、操作有効期間の開始タイミングとなると、
図7の操作期間処理により、操作期間フラグ=1として操作有効期間となり、該操作有効期間の時間消化を開始する。この操作有効期間(操作期間フラグ=1)では、上述したように、第一検知信号を出力する毎に出力回数Mをカウントし、該出力回数Mが第一〜第五までの各閾数値に達する毎に、操作演出処理により操作演出画像H1〜H5を順次表示する。その後、操作有効期間の時間消化を満了する満了タイミングとなると、操作期間フラグ=0かつ操作演出フラグ=0とする。
【0074】
操作有効期間中に、操作ボタン72を遊技者が押圧操作すると、操作ボタン装置71の降動検知センサ85bから第二検知信号が出力することから、
図8の操作ボタン処理により、遊技者による押圧操作が実行されていることを確認できる。これにより、操作有効期間で第二検知信号が出力されていると、非操作フラグ=0を維持する。そして、非操作フラグ=0の状態で、操作ボタン装置71の降動検知センサ85aから第一検知信号が出力すると、
図8中の出力時点設定処理により、操作有効期間の時間経過に伴って、該時間経過に関係付けて第一検知信号を出力した出力時点を順次定めていく。その後、当該操作有効期間の満了に伴って、出力パターン生成処理により各出力時点を用いて完全倣い出力パターンを生成して記憶する。この完全倣い出力パターンを記憶すると、出力フラグ=1とする。
【0075】
こうして生成した完全倣い出力パターンを記憶している状態で(出力フラグ=1)、操作有効期間が開始された場合に(操作期間フラグ=1)、操作ボタン72を遊技者が押圧操作しなければ(第二検知信号の出力がなければ)、
図8の操作ボタン処理により、所定の非操作時間の時間消化を開始する。そして、操作ボタン72を遊技者が押圧操作しないまま(第二検知信号が出力されないまま)、前記の非操作時間の時間消化が満了すると、非操作フラグ=1とする。これに伴って、記憶している完全倣い出力パターンに従って操作ボタン装置71へ作動電流を供給する作動電流供給処理を実行し、操作ボタン72を自動的に降下作動する。すなわち、作動電流供給処理により、操作ボタン装置71の電磁ソレノイド86への作動電流の供給を、完全倣い出力パターンに示す出力間隔をおいて繰り返し行い、作動電流が供給される度に、操作ボタン72を自動的に降下作動する。こうして操作ボタン72が降下作動する毎に、降動検知センサ85aから第一検知信号が出力され、これに伴って出力回数Mが増加し、操作演出処理により操作演出画像H1〜H5が順次表示される(
図7参照)。
【0076】
上記した非操作フラグ=1は、操作期間フラグ=1の状態で、操作ボタン装置71の降動検知センサ85bから第二検知信号を出力するまで継続する。これにより、次回以降の操作有効期間となっても、非操作フラグ=1であれば、完全倣い出力パターンに従って操作ボタン72を自動的に降下作動する。また、非操作フラグ=1かつ操作期間フラグ=1の状態で、遊技者が操作ボタン72を押圧操作すると、該操作ボタン72が第二検知位置まで降動して(
図6(B)参照)、降動検知センサから第二検知信号が発生する。これに伴って非操作フラグ=0として、操作ボタン装置71の電磁ソレノイド86への作動電流の供給を停止する(
図8中の作動電流停止処理)。これ以降は、遊技者が操作ボタン72を押圧操作することにより発生した第一検知信号に伴って、上記の出力回数Mを累積して、操作演出画像H1〜H5を表示する。
【0077】
このように、操作有効期間(操作期間フラグ=1)で遊技者が操作ボタン72を押圧操作している場合には、非操作フラグ=0を維持して、該押圧操作により出力された第一検知信号をカウントした出力回数Mに応じて操作演出画像H1〜H5を順次表示する一方、操作有効期間で遊技者が操作ボタン72を押圧操作しない場合には、非操作フラグ=1として、記憶した完全倣い出力パターンに従って操作ボタン72を自動的に降下作動させ、これに伴ってカウントした出力回数Mに応じて操作演出画像H1〜H5を順次表示するようにしている。そして、非操作フラグ=1かつ操作期間フラグ=1の状態で、遊技者が操作ボタン72を押圧操作すると、該操作ボタン72が第二検知位置まで降動することによって、第二検知信号が出力されて非操作フラグ=0とする。これに伴って、以降で操作ボタン72の自動的な降下作動を実行しない。
【0078】
さらに、遊技者が機台を離れる等して遊技の進行が停止し、所定の中断時間が経過すると、記憶している完全倣い出力パターンを消去する。これにより、遊技者が変わった場合等で、前の遊技者の完全倣い出力パターンを後の遊技者が利用することを防止できる。ここで、遊技の進行停止は、遊技球が発射されず、図柄生成行程や特別遊技作動が実行されていない等によって確認する。
【0079】
上述したように、実施例1の構成は、操作有効期間で遊技者が操作ボタン72を押圧操作することにより完全倣い出力パターンを生成し、次回以降の操作有効期間で遊技者が操作ボタン72を押圧操作しない場合に、完全倣い出力パターンに従って操作ボタン72を自動的に降下作動し、この降動に伴って画像表示器14で操作演出画像H1〜H5を順次表示するようにしたものである。本構成によれば、遊技者が操作有効期間で操作ボタン72を連打することによって疲労が溜まる等して、操作ボタン72の押圧操作を休んだ場合に、遊技者の押圧操作と全く同じように操作ボタン72が自動的に降下作動することから、該降下作動とこれに伴う操作演出画像H1〜H5の表示とに違和感を生じ難く、あたかも遊技者自身が操作ボタン72を押圧操作しているような感覚を与えることができる。そのため、疲労等により操作ボタン72の押圧操作を休んでいる場合にも、演出参加しているような錯覚を遊技者に生じさせ易く、操作ボタン72の降動により操作演出画像H1〜H5を表示して遊技者を演出参加させるという遊技性と興趣性とを安定して発揮できる。
【0080】
尚、本実施例1にあって、非操作フラグを「1」から「0」に変換して操作ボタン72の自動降下作動を解除する処理(
図8の操作ボタン処理)は、該操作ボタン72が自動降下作動では第一検知位置まで降下作動し、遊技者による押圧操作では第二検知位置まで降下作動できるようにした構成を備えたことにより実現している。すなわち、操作ボタン装置71の、操作ボタン72を第二検知位置まで降動可能とする構成と第二検知位置の降動検知センサ85b、および該降動検知センサ85bから検知信号を入力して非操作フラグ=0に変換する処理を備えた主制御基板により、本発明にかかる条件解除手段が実現されている。また、主制御基板60および演出制御基板62(画像制御基板65)により、本発明にかかるボタン演出制御手段が構成されており、操作演出画像H1〜H5を表示することによって、本発明にかかる操作演出態様を実現している。また、操作ボタン装置71に設けられた電磁ソレノイド86や摺動部材95等により、本発明にかかるボタン自動降下装置が実現されている。さらに、操作ボタン装置71の降動検知センサ85a,85bにより、本発明にかかる検知センサが実現されており、操作ボタン装置71のプリント回路板により、本発明にかかる信号出力手段が実現されている。そして、主制御基板60により、本発明にかかるボタン降動制御手段、信号パターン生成手段、信号パターン記憶手段が構成されており、上記した操作期間処理(
図7)と操作ボタン処理(
図8)とを実行する。また、操作有効期間を遊技者に報知する期間報知画像gを表示する画像表示器14と該期間報知画像gを表示制御する演出制御基板62(画像制御基板65)とにより、本発明の操作機会報知装置が構成されている。
【実施例2】
【0081】
実施例2の構成にあっては、操作有効期間で遊技者が操作ボタン72を押圧操作することにより出力された第一検知信号をカウントした出力回数Mと、該操作有効期間に要した時間とにより、第一検知信号を出力した間隔の平均出力間隔を演算し、この平均出力間隔を用いて出力パターン(以下、等間隔出力パターン)を生成するようにしたものである。
【0082】
尚、本実施例2は、上述した実施例1の完全倣い出力パターンを生成することに換えて、上記の等間隔出力パターンを生成するようにしたものであり、これ以外の構成は、実施例1の同じであることから、同じ構成要素や処理内容についての説明を省略する。すなわち、実施例2の構成にあっても、上述した実施例1の操作期間処理(
図7)、操作ボタン処理(
図8)、操作演出画像H1〜H5(
図10)が適用される。
【0083】
上記した等間隔出力パターンは、操作有効期間に要した時間と、第一検知信号の出力回数Mとにより、平均出力間隔を演算し、この平均出力間隔を各第一検知信号の全ての出力間隔として生成するようにしている(
図11参照)。これにより、等間隔出力パターンに従って、操作ボタン装置71の電磁ソレノイド86へ作動電流を供給する際には、該作動電流を平均出力間隔をおいて繰り返し出力するように制御される。そのため、操作ボタン72を自動的に作動制御する場合には、一定間隔(平均出力間隔)をおいて昇降作動を繰り返すこととなる。
【0084】
こうした等間隔出力パターンは、遊技者が実際に操作ボタン72を押圧操作した場合と、全く同じように操作ボタン72を降下作動させるものではないものの、遊技者が操作有効期間内で押圧操作した回数を維持できることから、この等間隔出力パターンに従って操作ボタン72を自動的に降下作動した場合に、遊技者自身が押圧操作しているような感覚を擬似的に与えることが可能である。そのため、上述した実施例1と同様に、疲労等により操作ボタン72の押圧操作を休んでいる場合にも、遊技者が演出参加しているような感覚を生じさせ易く、遊技者を演出参加させるという遊技性と興趣性とを安定して発揮できる。
【実施例3】
【0085】
実施例3の構成にあっては、図示しない特別図柄処理により始動記憶を消化して実行する図柄生成行程で、所定回数(例えば五回)の操作タイミングを設定し、各操作タイミングで遊技者が操作ボタン72を押圧操作することによって、画像表示器14で演出画像を変化する操作演出画像を表示するようにしたものである。そして、操作タイミングで遊技者が操作ボタン72を押圧操作せず、連続して押圧操作しない回数(非操作回数値N)が、所定の非操作回数(例えば二回)に達すると、これ以降の操作タイミングでは、これ以前に生成して記憶した検知信号の出力パターン(後述する完全倣い出力パターン)に従って、操作ボタン装置71を作動制御して操作ボタン72を自動的に降下作動するようにしている(
図13中の作動電流供給処理)。例えば、図柄生成行程で五回の操作タイミングが設定されている場合には、そのなかで二回連続して操作ボタン72が押圧操作されなければ、次回以降の操作タイミングで操作ボタン72を自動的に降下作動する。さらに、次回以降の図柄生成行程の操作タイミングでも、継続して操作ボタン72を自動的に降下作動するようにしている。こうした自動的な降下作動は、遊技者が二回連続して押圧操作しない場合に実行されるため、図柄生成行程の一回目と三回目の操作タイミングで遊技者が押圧操作せずに、二回目で押圧操作している場合には、四回目で自動的な降下作動を実行しない。これは、操作タイミングの発生回数が、三回や六回等のように異なる回数に設定した場合にも同様に実行できる。
【0086】
操作タイミングでの操作ボタン72の降下作動に伴う処理は、
図12の操作タイミング処理により実行する。すなわち、遊技者が操作ボタン72を押圧操作している場合に(非操作フラグ=0)、図柄生成行程で実行される五回の各操作タイミングと、各操作タイミングで遊技者が操作ボタン72を押圧操作することにより出力した第一検知信号の出力タイミングとの時間差を計測し(
図12中の出力パターン演算処理)、五回の操作タイミングが満了すると、
図12中の出力パターン生成処理により、各操作タイミング毎に計測した各時間差により該第一検知信号の出力パターン(以下、完全倣い出力パターン)を生成する。本実施例3の完全倣い出力パターンは、五回の操作タイミング毎に実際に計測した時間差を割り当てることにより生成されている。すなわち、一回目の操作タイミングの時間差に比して、五回目の操作タイミングの時間差が小さければ、これが完全倣い出力パターンで表されている。この完全倣い出力パターンは、一回の図柄生成行程で実行される五回の操作タイミングが実行された場合に、各操作タイミングで計測した時間差に基づいて生成されて記憶される。そして、図柄生成行程が繰り返し実行される毎に、新たな完全倣い出力パターンが生成され、書き換えられるようにしている。
【0087】
尚、図柄生成行程で操作タイミングを実行するか否か、および五回の操作タイミングとは、特別図柄処理により始動記憶を消化することにより決定される。本実施例3にあっては、始動記憶を構成する乱数カウンタ値として、操作タイミングの実行を決定するカウンタ値と、該操作タイミングを決定するためのカウンタ値とを備えており、始動記憶の消化により決定するようにしている。そして、操作タイミングの実行を決定すると、上述した実施例1と同様に、参加演出画像Fを画像表示器14で表示し、五回の各操作タイミングで操作ボタン72が降動することにより第一検知信号を出力すると、その出力タイミングが操作タイミングとのタイムラグが所定時間以内であるか否かを判定し、所定時間以内である場合には、出力タイミングが操作タイミングと合っているとして、操作演出画像H1〜H5を順次表示するようにしている(
図10参照)。
【0088】
このように本実施例3の構成は、図柄生成行程で実行される五回の操作タイミングにより本発明にかかる操作機会を実現している。そして、この操作機会として操作タイミングを設定したこと、該操作タイミングと第一検知信号の出力タイミングとにより操作演出画像H1〜H5を表示すること、遊技者の押圧操作によって出力した第一検知信号の出力タイミングと操作タイミングとの時間差により完全倣い出力パターンを生成すること、およびこれらに関する制御処理が、上述した実施例1の構成と主に異なっている。これ以外は、実質的に上述した実施例1と同じ構成および同じ処理を備えたものであることから、その詳細は省略する。
【0089】
実施例3の構成にあっては、上記の完全倣い出力パターンを記憶している状態で(出力フラグ=1)、特別図柄処理により操作タイミングを発生する図柄生成行程が実行され(操作演出フラグ=1)、五回の操作タイミングのなかで遊技者が操作ボタン72を押圧操作したことを示す第二検知信号が二回連続して出力されなかった場合に、
図13の操作ボタン処理により、非操作フラグ=1として、次の操作タイミング以降では、記憶している完全倣い出力パターンに従って操作ボタン72を自動的に降下作動させる。例えば、図柄生成行程が開始され、一回目と二回目の操作タイミングで第二検知信号が出力されなければ、非操作フラグ=1として、三回目の操作タイミングでは、
図13中の作動電流供給処理により、完全倣い出力パターンに示す三回目の時間差に従って、操作ボタン装置71の電磁ソレノイド86へ作動電流を供給し、操作ボタン72を自動的に降下作動させる。四回目と五回目の操作タイミングでも同様に、完全倣い出力パターンを構成する四回目と五回目の時間差に従って作動電流を供給して、操作ボタン72を自動的に降下作動させる。次回以降の図柄生成行程でも同様に、各操作タイミングで完全倣い出力パターンに従って作動電流を供給する。これにより、操作ボタン72を自動的に降下作動する。
【0090】
また、上記の非操作フラグ=1かつ操作演出フラグ=1として図柄生成行程が実行されている状態で、その操作タイミングで遊技者が操作ボタン72を押圧操作することによって第二検知信号が出力されると、非操作フラグ=0とし、作動電流停止処理により次回以降の操作タイミングで作動電流の供給を停止する。
【0091】
このように実施例3の構成は、遊技者が実際に操作ボタン72を押圧操作したタイミング(出力タイミング)と操作タイミングとの時間差により完全倣い出力パターンを生成し、遊技者が操作ボタン72を押圧操作しない場合に、この完全倣い出力パターンに従って操作ボタン72を自動的に降下作動するようにしたものである。本実施例3の構成によれば、遊技者が操作ボタン72を押圧操作しない場合にも、遊技者自身の押圧操作と全く同じタイミングで操作ボタン72が降下作動するため、これに伴って操作演出画像H1〜H5が表示されることによって、あたかも遊技者自身が操作ボタン72を押圧操作しているような感覚を与えることができる。したがって、本実施例3の構成にあっても、上述した実施例1の構成と同様に、疲労等により操作ボタン72の押圧操作を休んでいる場合にも、遊技者が演出参加しているような感覚を生じさせ易く、遊技者を演出参加させるという遊技性と興趣性とを安定して発揮できる。
【実施例4】
【0092】
実施例4の構成にあっては、図柄生成行程で五回実行する操作タイミングと、各操作タイミングで遊技者が操作ボタン72を押圧操作することにより出力された第一検知信号の出力タイミングとの五回の時間差に基づいて、該時間差の平均値を演算し、この平均した時間差を用いて出力パターン(以下、平均出力パターン)を生成するようにしたものである。
【0093】
尚、本実施例4は、上述した実施例3の完全倣い出力パターンを生成することに換えて、上記の平均出力パターンを生成するようにしたものであり、これ以外の構成は、実施例3の同じであることから、同じ構成要素や処理内容についての説明を省略する。すなわち、実施例3の操作タイミング処理(
図12参照)の出力パターン演算処理により時間差を求め、出力パターン生成処理により平均出力パターンを生成する。
【0094】
上記した平均出力パターンは、操作タイミングを実行する図柄生成行程で、各操作タイミング毎に上記の時間差を計測し、五回の時間差の平均値を求めて生成する。これにより、平均出力パターンに従って、操作ボタン装置71の電磁ソレノイド86へ作動電流を供給する際には、各操作タイミングで平均した時間差をおいて、該作動電流を供給するように制御される。そのため、操作ボタン72を自動的に作動制御する場合には、操作タイミングに対して一定間隔(平均時間差)をおいて昇降作動する。
【0095】
こうした平均出力パターンは、各操作タイミングに合わせるように遊技者が実際に操作ボタン72を押圧操作した場合と、全く同じように操作ボタン72を降下作動させるものではないものの、操作タイミングと押圧操作するタイミングとの時間的なズレを平均化したものであるため、この平均出力パターンに従って操作ボタン72を自動的に降下作動した場合に、遊技者自身が押圧操作しているような感覚を擬似的に与えることが可能である。そのため、上述した実施例1と同様に、疲労等により操作ボタン72の押圧操作を休んでいる場合にも、遊技者が演出参加しているような感覚を生じさせ易く、遊技者を演出参加させるという遊技性と興趣性とを安定して発揮できる。
【0096】
上述した実施例1〜4の構成にあっては、第一検知位置と第二検知位置とを設定した操作ボタン装置71を備えた構成であるが、この他の操作ボタン装置として、操作ボタンの降動を検知する検知位置を一箇所設定した構成を適用することもできる。この構成を実施例1に適用した場合には、操作ボタンが自動的に降下作動している状態(自動降動条件の充足)を解除するために、例えば、解除用のボタンを新たに設置する等の構成が必要となる。
【0097】
また、上述した実施例1〜4の構成にあっては、検知信号の出力パターンにより操作ボタンを自動的に降下作動する自動降動条件を、遊技者が操作ボタンを押圧操作していないことにより充足し、該充足した状態で遊技者が押圧操作することにより解除するようにしたものであるが、その他の構成として、遊技者により操作可能なスイッチ装置を配設し、該スイッチ装置の操作によって、前記自動降動条件を充足したり、解除したりするようにしても良い。かかる構成によれば、遊技者が、操作ボタンの自動的な降下作動を開始および満了する操作を実行できるため、遊技者自身の意志によって実行できる。
【0098】
また、上述した実施例1〜4の構成にあっては、図柄生成行程の操作機会(操作有効期間または操作タイミング)で遊技者が操作ボタンを押圧操作することにより、検知信号の出力パターンを生成し、順次書き換えをするようにした構成であるが、その他の構成として、遊技者により操作可能なスイッチ装置を配設し、該スイッチ装置の操作によって、検知信号の出力パターンを生成する操作機会を選択できるようにしても良い。
【0099】
さらにまた、上述した実施例1〜4の構成にあっては、検知信号の出力パターンを、該検知信号の出力した時点(タイミング)に基づいて生成するようにしたものであるが、これに加えて、遊技者が操作ボタンを押圧操作することにより一回の検知信号が継続した時間も用いて生成するようにしても良い。こうした検知信号の継続時間によって、遊技者が押圧操作する強さを擬似的に表現することも可能である。
【0100】
一方、上述した実施例1,2の構成にあっては、操作有効期間の開始から満了までの時間に基づいて検知信号の出力パターンを生成するようにした構成であるが、その他の構成として、操作有効期間の一部分を構成する所定時間に基づいて前記出力パターンを生成するようにしても良い。
【0101】
本発明にあっては、上述した実施例に限定されるものではなく、その他の構成についても、本発明の趣旨の範囲内で適宜変更可能である。