(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
ボルトが取り付けられるケース本体と、一端部にボルト挿通部が設けられ他端部に電線接続部が設けられた端子と、前記電線接続部に接続された電線と、前記端子を取り付けたサイドカバーと、を備え、前記サイドカバーが前記ケース本体の側面に装着されることにより前記ボルト挿通部に前記ボルトが通される電気接続箱において、
前記サイドカバーに前記電線に沿う電線固定片が設けられ、
前記電線固定片の断面形状は、当該電線固定片の両端部を結ぶ直線に対して前記ボルト挿通部と反対側に前記電線を収容する空間を有する形状であり、
第1の電線を2本用いた場合、前記電線固定片が一方の前記第1の電線の外周面に接し、
前記第1の電線よりも大径の第2の電線を1本用いた場合、前記電線固定片の両端部のみが前記第2の電線の外周面に当たり、
前記第1の電線及び前記第2の電線のいずれの電線を用いた場合でも、前記電線固定片から前記ボルト挿通部までの距離は、前記ボルト挿通部に前記ボルトが通される位置に保たれる
ことを特徴とする電気接続箱。
【背景技術】
【0002】
自動車には電気接続箱が搭載されている。電気接続箱は様々な構造のものがあるが、例えば、
図12,13に示すサイドカバー305を有する構造のものがある(特許文献1を参照。)。このサイドカバー305は、端子4を取り付けた状態でケース本体の一側面に装着されるものである。
【0003】
上記端子4は、一端部にボルト挿通部41が設けられ、他端部に電線接続部43が設けられ、中央部に直角に曲げられた屈曲部42が設けられている。電線接続部43は、屈曲部42から延びた板部44と、板部44の両縁から立設した一対の芯線かしめ片46と、板部44の両縁から立設した一対の絶縁外皮かしめ片45と、で構成されている。
【0004】
上記電線接続部43には、
図12,13に示す2本の電線11、又は、これら2本の電線11よりも大径の電線12(
図15を参照。)1本が接続される。電線12の導体断面積は、電線11の導体断面積の2倍である。また、2本の電線11が接続される場合は、一方の電線11が板部44に重ねられ、他方の電線11が一方の電線11に重ねられるとともに板部44と非接触の状態で、一対の芯線かしめ片46及び一対の絶縁外皮かしめ片45にかしめられる。
【0005】
上記サイドカバー305は、合成樹脂で構成されている。サイドカバー305には、上記ケース本体の一側面に設けられた切り欠きを塞ぐカバー本体50と、端子4の屈曲部42を支持するフック51と、カバー本体50の下端から平板状に延設され、電線接続部43に接続された電線11に沿う電線固定片353と、が設けられている。
【0006】
上記電線固定片353は、
図13に示すように、板部44から離れた側の電線11に沿う。また、2本の電線11は、電線固定片353と共にテープ巻きされて電線固定片353に固定される。
図12中の符号13は前記テープである。また、
図13においてはテープ13の図示を省略している。
【0007】
上記サイドカバー305を有する電気接続箱においては、端子4を取り付けたサイドカバー305がケース本体の一側面に装着される際に、端子4のボルト挿通部41にボルトの軸部が通される。そして、軸部にナットが螺合されることにより、端子4がケース本体に固定される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、上記サイドカバー305を有する電気接続箱においては、以下に示す様々な問題があった。この問題を
図14,15を参照しながら説明する。
【0010】
まず、第1の問題を説明する。サイドカバー305の電線固定片353は、上述したように平板状に形成されていた。このため、
図14に示すように、2本の電線11を電線固定片353にテープ巻き固定する際、電線11が安定せずにずれてしまい、作業性が悪いという問題があった。また、
図15に示すように、1本の電線12を電線固定片353にテープ巻き固定する際、電線12と電線固定片353との間に隙間が生じることから、電線12が安定せずにずれてしまい、作業性が悪いという問題があった。
【0011】
次に、第2の問題を説明する。上記電気接続箱は、サイドカバー305がケース本体の一側面に装着される際に、端子4のボルト挿通部41にボルトの軸部が通される。この際、電線固定片353からボルト挿通部41までの距離が電線固定片353からボルトの軸部までの距離と一致していれば、サイドカバー305をケース本体の一側面に装着する動作によってボルトの軸部がボルト挿通部41に通される。2本の電線11を用いた
図14の場合は、電線固定片353からボルト挿通部41までの距離が距離G1であり、電線固定片353からボルトの軸部までの距離と一致しているので、サイドカバー305の装着によりボルトの軸部がボルト挿通部41に通される。しかしながら、1本の電線12を用いた
図15の場合は、電線固定片353からボルト挿通部41までの距離が、電線固定片353からボルトの軸部までの距離よりも短い距離G2であるので、サイドカバー305をケース本体の一側面に装着した際に、ボルトの軸部をボルト挿通部41に通すことができないという問題があった。
【0012】
したがって、本発明は、電線をサイドカバーの電線固定片にテープ巻き固定する作業を容易に行うことができる電気接続箱を提供することを第1の目的とし、電線をサイドカバーの電線固定片にテープ巻き固定する作業を容易に行うことができ、かつ、外径が異なる2種類の電線のうちいずれの電線を用いた場合でもボルト挿通部にボルトの軸部を通す作業を容易に行うことができる電気接続箱を提供することを第2の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
請求項1に記載された発明は、上記第1の目的を達成するために、ボルトが取り付けられるケース本体と、一端部にボルト挿通部が設けられ他端部に電線接続部が設けられた端子と、前記電線接続部に接続された電線と、前記端子を取り付けたサイドカバーと、を備え、前記サイドカバーが前記ケース本体の側面に装着されることにより前記ボルト挿通部に前記ボルトが通される電気接続箱において、前記サイドカバーに前記電線に沿う電線固定片が設けられ、前記電線固定片の断面形状は、当該電線固定片の両端部を結ぶ直線に対して前記ボルト挿通部と反対側に前記電線を収容する空間を有する形状であ
り、第1の電線を2本用いた場合、前記電線固定片が一方の前記第1の電線の外周面に接し、前記第1の電線よりも大径の第2の電線を1本用いた場合、前記電線固定片の両端部のみが前記第2の電線の外周面に当たり、前記第1の電線及び前記第2の電線のいずれの電線を用いた場合でも、前記電線固定片から前記ボルト挿通部までの距離は、前記ボルト挿通部に前記ボルトが通される位置に保たれることを特徴とする電気接続箱である。
【発明の効果】
【0015】
請求項1に記載された発明によれば、電線固定片の断面形状は、当該電線固定片の両端部を結ぶ直線に対して前記ボルト挿通部と反対側に前記電線を収容する空間を有する形状であるので、電線固定片を電線に沿わせた状態で該電線が安定してずれにくい。よって、電線をサイドカバーの電線固定片にテープ巻き固定する作業を容易に行うことができる電気接続箱を提供することができる。
また、第1の電線を2本用いた場合、前記電線固定片が一方の前記第1の電線の外周面に接し、前記第1の電線よりも大径の第2の電線を1本用いた場合、前記電線固定片の両端部のみが前記第2の電線の外周面に当たり、前記第1の電線及び前記第2の電線のいずれの電線を用いた場合でも、前記電線固定片から前記ボルト挿通部までの距離は、前記ボルト挿通部に前記ボルトが通される位置に保たれるので、電線をサイドカバーの電線固定片にテープ巻き固定する作業を容易に行うことができ、かつ、共通のサイドカバー及び端子に対し、外径が異なる2種類の電線のうちいずれの電線を用いた場合でもボルト挿通部にボルトの軸部を通す作業を容易に行うことができる電気接続箱を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明の第1の実施形態にかかる電気接続箱の斜視図である。
【
図2】
図1に示されたサイドカバーを外した状態を示す斜視図である。
【
図4】
図3に示されたサイドカバー、端子及び電線を他の角度から見た斜視図である。
【
図5】
図4に示されたサイドカバーのみを示す斜視図である。
【
図6】
図4に示されたサイドカバー、端子及び電線を
図4中の矢印C方向から見た底面図である。
【
図7】
図4に示された2本の電線を、大径の電線1本に変更した状態を示す斜視図である。
【
図8】
図4に示された2本の電線と電線固定片とボルト挿通部との位置関係を説明する説明図である。
【
図9】
図7に示された1本の電線と電線固定片とボルト挿通部との位置関係を説明する説明図である。
【
図10】本発明の第2の実施形態にかかる電気接続箱を構成する2本の電線と電線固定片とボルト挿通部との位置関係を説明する説明図である。
【
図11】
図10に示された2本の電線を大径の電線1本に変更した際の、1本の電線と電線固定片とボルト挿通部との位置関係を説明する説明図である。
【
図12】従来の電気接続箱を構成するサイドカバー、端子及び電線を示す斜視図である。
【
図13】
図12に示されたサイドカバー、端子及び電線を
図12中の矢印D方向から見た底面図である。
【
図14】
図12に示された2本の電線と電線固定片とボルト挿通部との位置関係を説明する説明図である。
【
図15】
図12に示された2本の電線を大径の電線1本に変更した際の、1本の電線と電線固定片とボルト挿通部との位置関係を説明する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態にかかる「電気接続箱」を
図1〜9を参照して説明する。本発明の電気接続箱は、自動車に搭載されて、前記自動車に搭載された電子機器に対して電力供給及び信号伝達を行うものである。
【0019】
この電気接続箱1は、
図1〜3に示すように、ケース本体2と、ケース本体2に組み付けられるカセットブロック6と、カセットブロック6に組み付けられるボルト3、バスバ9(
図4のみに示す)等の複数の部品と、端子4と、端子4に接続された2本の電線11(請求項の「第1の電線」に相当する。)と、端子4を取り付けた状態でケース本体2の一側面2cに装着されるサイドカバー5と、ケース本体2の上面2aに装着されるアッパーカバー7と、ケース本体2の下面2bに装着されるロアカバー8と、を備えている。
【0020】
上記ケース本体2は、合成樹脂で構成されており、上記一側面2cを含む外壁21と、外壁21の内側を仕切った隔壁22と、を有している。外壁21の一側面2cにおけるサイドカバー5が装着される部分には、切り欠き23が設けられている。切り欠き23の両側には、ロック24が設けられている。また、本実施形態においては、ケース本体2とカセットブロック6が別体であるが、ケース本体2とカセットブロック6とは一体で形成されていても良い。
【0021】
上記カセットブロック6は、合成樹脂で構成されており、ブロック状に形成されている。このカセットブロック6には、上記ボルト3、バスバ9、リレー、ヒューズ、コネクタ等の複数の部品が取り付けられる。
【0022】
上記ボルト3は、
図4に示すように、カセットブロック6に組み付けられる頭部31と、軸部32と、を有している。カセットブロック6がケース本体2に組み付けられることにより、軸部32がケース本体2の上面2aから立設する。このボルト3は、バスバ9と該バスバ9に重ねられる端子4とをナットとの間に挟んでバスバ9と端子4とが電気接続された状態を維持するためのものである。
【0023】
上記端子4は、金属板にプレス加工等が施されることにより得られるものである。この端子4は、
図4,6に示すように、一端部にボルト挿通部41が設けられ、他端部に電線接続部43が設けられ、中央部に直角に曲げられた屈曲部42が設けられている。電線接続部43は、屈曲部42から延びた板部44と、板部44の両縁から立設した一対の芯線かしめ片46と、板部44の両縁から立設した一対の絶縁外皮かしめ片45と、で構成されている。
【0024】
上記電線11は、バッテリ、オルタネータ等の電源から電気接続箱1のバスバ9に電力を供給する電線であり、複数の芯線とこれら芯線を被覆した絶縁外皮とを有する丸電線である。この電線11は、導体断面積(各芯線の断面積の総和)が15mm
2である。また、本実施形態においては、同一構成の電線11が2本用いられている。これら2本の電線11は、上記板部44の厚み方向に並べられた状態で1つの端子4に接続されている。すなわち、2本の電線11は、一方の電線11が板部44に重ねられ、他方の電線11が一方の電線11に重ねられるとともに板部44と非接触の状態で、一対の芯線かしめ片46及び一対の絶縁外皮かしめ片45にかしめられている。また、各電線11の端部は、絶縁外皮が除去されて芯線が露出している。
【0025】
上記サイドカバー5は、合成樹脂で構成されている。
図4〜6に示すように、サイドカバー5には、上記切り欠き23を塞ぐようにケース本体2の一側面2cに装着されてケース本体2の外壁21を構成するカバー本体50と、カバー本体50の内面に連なり、内側に端子4を通して該端子4の屈曲部42を支持するフック51と、上記ロック24に係止するロック52と、電線11に沿う電線固定片53と、が設けられている。
【0026】
上記電線固定片53は、カバー本体50の下端から延設されている。本発明における電線固定片53の断面形状は、当該電線固定片53の両端部53aを結ぶ直線に対してボルト挿通部41と反対側に電線11を収容する空間を有する形状であり、本実施形態では、電線固定片53は、断面円弧状の樋状に形成されている。また、請求項の「電線を収容する空間を有する形状」とは、少なくとも1本の電線の一部を収容する空間を有する形状である。
【0027】
このような電線固定片53は、
図4,8に示すように、板部44から離れた側の電線11の一部を前記空間に収容すると共に該電線11の外周面に接する。また、2本の電線11は、電線固定片53と共にテープ巻きされて電線固定片53に固定される。
図4中の符号13は前記テープである。また、
図6においてはテープ13の図示を省略している。
【0028】
また、2本の電線11を電線固定片53にテープ巻き固定する際は、
図8に示すように、電線固定片53が板部44から離れた側の電線11の外周面の半周面に接するので、すなわち電線固定片53が電線11を包み込むので、該電線11が安定してずれにくい。よって、テープ巻き固定を容易に行うことができる。
【0029】
このサイドカバー5に端子4を取り付ける際は、予め2本の電線11を電線接続部43に接続しておき、一端部(ボルト挿通部41が設けられた部分)をカバー本体50と平行になるように立てた状態で、該一端部をフック51の下方からフック51内に通し、その状態から端子4を90度回転させるようにして取り付ける。
【0030】
この電気接続箱1においては、端子4を取り付けたサイドカバー5が
図3中の矢印B方向にケース本体2の一側面2cに装着されることにより、端子4のボルト挿通部41にボルト3の軸部32が通される。また、電線固定片53からボルト挿通部41までの距離E1(
図8に示す。)は、電線固定片53からボルト3の軸部32までの距離と一致している。このことから、サイドカバー5をケース本体2の一側面2cに装着する動作によってボルト3の軸部32がボルト挿通部41に通される。そして、軸部32にナットが螺合されることにより、端子4がケース本体2に固定されるとともに端子4とバスバ9との接続状態が維持される。
【0031】
また、電気接続箱1においては、上述した2本の電線11の代わりに、
図7に示す1本の電線12(請求項の「第2の電線」に相当する。)を用いることができる。
図7に示す端子4及びサイドカバー5は、
図4に示したものと同一構成である。電線12は、電線11と同様に、バッテリ、オルタネータ等の電源から電気接続箱1のバスバ9に電力を供給する電線であり、複数の芯線とこれら芯線を被覆した絶縁外皮とを有する丸電線である。この電線12は、導体断面積(各芯線の断面積の総和)が30mm
2である。すなわち、2本の電線11を用いる場合は、各電線11の導体断面積が15mm
2であるので、2本の電線11の導体断面積の総和は30mm
2である。よって、1本で用いる電線12は、その導体断面積が電線11の導体断面積の2倍の30mm
2のものになる。
【0032】
上記電線12を用いる場合、電線固定片53は、
図7,9に示すように、電線12の一部を前記空間に収容すると共にその両端部53aのみが電線12の外周面に当たる。また、この電線12は、電線固定片53と共にテープ巻きされて電線固定片53に固定される。
【0033】
また、1本の電線12を電線固定片53にテープ巻き固定する際は、
図9に示すように、電線固定片53の両端部53aのみが電線12の外周面に当たり、該電線12の一部が電線固定片53の前記空間に収容されているので、該電線12が安定してずれにくい。よって、テープ巻き固定を容易に行うことができる。
【0034】
このように、電線固定片53は、導体断面積が15mm
2の電線11を2本用いた場合、電線固定片53が一方の電線11の外周面に接し、導体断面積が30mm
2の電線12を1本用いた場合、電線固定片53の両端部53aのみが電線12の外周面に当たるように曲率半径と中心角が決まっている。このため、共通のサイドカバー5及び端子4に対し外径が異なる2種類の電線11,12を用いることができ、いずれの電線を用いた場合でもテープ巻き固定を容易に行うことができる。また、電線固定片53は、断面円弧状に形成されているので、平板状に形成されているものよりも強度が高い。
【0035】
さらに、1本の電線12を用いた場合も、電線固定片53からボルト挿通部41までの距離E2(
図9に示す。)は、電線固定片53からボルト3の軸部32までの距離と一致している。このことから、1本の電線12を用いた場合も、サイドカバー5をケース本体2の一側面2cに装着する動作によって自動的にボルト3の軸部32がボルト挿通部41に通される。
【0036】
また、本発明においては、電線固定片53からボルト挿通部41までの距離が、電線固定片53からボルト3の軸部32までの距離と完全に一致していなくても良く、サイドカバー5をケース本体2の一側面2cに装着する動作によって自動的にボルト3の軸部32がボルト挿通部41に通される位置であれば若干の誤差があっても良い。
【0037】
このように、電気接続箱1においては、2種類の電線11,12のうちいずれの電線を用いた場合でも、電線固定片53からボルト挿通部41までの距離がボルト挿通部41にボルト3の軸部32が通される位置に保たれるように、電線固定片53が設計されているので、2種類の電線11,12のうちいずれの電線を用いた場合でも、ボルト挿通部41にボルト3の軸部32を通す作業を容易に行うことができる。
【0038】
(第2の実施形態)
本発明の第2の実施形態にかかる「電気接続箱」を
図10,11を参照して説明する。また、
図10,11において、第1の実施形態と同一構成部分には同一符号を付して説明を省略する。
【0039】
本実施形態の電気接続箱は、サイドカバーに、第1の実施形態で説明した電線固定片53の代わりに
図10,11に示す電線固定片153が設けられている。電線固定片153以外の構成は第1の実施形態と同一であるので説明を省略する。
【0040】
図10,11に示すように、上記電線固定片153の断面形状は、当該電線固定片153の両端部153aを結ぶ直線に対してボルト挿通部41と反対側に電線11,12の少なくとも一部を収容する空間を有する形状であり、本実施形態では、電線固定片153は、断面コ字型の樋状に形成されている。
【0041】
図10に示すように、2本の電線11を用いた場合、電線固定片153は、一方の電線11の一部を前記空間に収容すると共に該電線11の外周面に接する。また、電線固定片153からボルト挿通部41までの距離E3は、電線固定片153からボルト3の軸部32(
図3,4を参照。)までの距離と一致している。
【0042】
図11に示すように、1本の電線12を用いた場合、電線固定片153は、電線12の一部を前記空間に収容すると共にその両端部153aのみが電線12の外周面に当たる。また、電線固定片153からボルト挿通部41までの距離E4は、電線固定片153からボルト3の軸部32(
図3,4を参照。)までの距離と一致している。
【0043】
このように、本実施形態の電気接続箱においては、第1の実施形態で説明した電気接続箱1と同様に、外径が異なる2種類の電線11,12のうちいずれの電線を用いた場合でも、電線をサイドカバーの電線固定片153にテープ巻き固定する作業を容易に行うことができ、かつ、共通のサイドカバー及び端子4に対し、ボルト挿通部41にボルト3の軸部32を通す作業を容易に行うことができる。
【0044】
なお、前述した実施形態は本発明の代表的な形態を示したに過ぎず、本発明は、実施形態に限定されるものではない。即ち、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。