(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
タッチパネルを有する携帯端末からなり、営業員が顧客に対して行う外交営業を支援する情報を提供するとともに、外交営業の結果に係る情報である接触履歴の入力を受け付ける接触履歴入力装置であって、
接触履歴の入力内容毎に設けられた複数の入力欄と、前記入力欄において入力されるべき内容に対応した候補単語のリストを表示する候補単語パネルと、を有する入力画面を前記タッチパネル上に表示し、前記候補単語パネルに表示された前記候補単語から、前記タッチパネルを介した営業員の操作により選択されたものを前記入力欄に挿入するユーザインタフェース部と、
前記入力画面において前記タッチパネルを介した営業員の操作により第1の入力欄が選択された際に、予め保持している、前記第1の入力欄において入力されるべき内容に対応した第1の候補単語のリストを取得して、取得した前記第1の候補単語のリストにより前記候補単語パネルの内容を切り替える候補単語表示部と、
前記各入力欄に挿入された前記候補単語の連結からなる文字列に基づいて接触履歴を得て記録する履歴保存部と、を有し、
前記候補単語表示部は、前記候補単語パネルに前記候補単語のリストを表示する際に、予め設定された、前記各候補単語についての分類と、前記各候補単語パネルに前記分類に属する前記各候補単語を表示する際の前記分類毎の表示位置の情報に基づいて、前記候補単語をグルーピングして前記表示順位の順で表示する、接触履歴入力装置。
【背景技術】
【0002】
例えば、銀行や証券会社、保険会社などの金融機関では、店舗に来店した顧客に対する営業活動に加えて、例えば、富裕層の顧客などに対しては、営業員が顧客の居所に出向いて営業活動を行う外交営業が行われる。このとき、営業員は、種々の金融商品についての説明や、運用等についての顧客からの相談に対するアドバイスや提案など、顧客とのコミュニケーションを通じてインタラクティブに営業活動を行う。
【0003】
かつては、営業員が外交営業を行う際には、金融商品の説明資料や、顧客の運用状況等についての各種帳票など、多くの紙の資料を携行していたが、近年では、携帯端末の進歩に伴い、これらの情報を電子データとして携帯端末に保持し、もしくはネットワークを介して取得することで効率化を図ることが行われている。従来は専用の携帯端末が用いられる場合もあったが、近年では、特にiPad(登録商標)などを始めとする比較的大画面のタッチパネルを有するタブレット型端末などが広く一般に普及してきたこともあり、このような汎用型の携帯端末を外交営業を支援するために活用することが検討されている。
【0004】
携帯端末を利用した外交営業では、パンフレット等の説明資料を電子データ化して多数携行することで顧客に容易に提示するというような利用に加えて、例えば、顧客の現在の運用状況や資産状況等の情報に基づいてパラメータを様々に変化させて運用のシミュレーションを行い、その結果を顧客に直接見せることで参考情報とするなどの様々な活動が行われる。また、顧客に対してどのような説明を行ったか、顧客の反応や要望はどうだったかなどを後から確認できるようにするために、顧客との接触履歴を記録しておいて参照や分析が可能となるようにすることが行われる。
【0005】
このような外交営業に関連する技術として、例えば、特開2001−229286号公報(特許文献1)には、保険契約業務に関する情報をデータベース化して管理するサーバと、保険契約業務を行なう営業担当者が携帯する携帯端末と、を備え、インターネットを介してサーバの情報を携帯端末に伝達するシステムであり、サーバは、携帯端末からの情報の閲覧要求に対し、インターネット上に開設したホームページを通して情報を提供するとともに、携帯端末には、インターネットにアクセスしてホームページを閲覧するホームページ閲覧手段と、携帯電話機の無線通信網に接続可能な無線送信部、無線受信部、及び情報を表示する表示器が設けられる保険業務支援システムに係る技術が記載されている。
【0006】
また、特開2002−259669号公報(特許文献2)には、複数の顧客担当者が所持する携帯端末と、業務上の拠点に設けたられたコンピュータとを備え、前記携帯端末とコンピュータとは電子的に接続して情報の授受が可能な様に構成されており、前記コンピュータは、前記顧客情報を記憶すると共に、前記携帯端末の記憶手段から前記顧客情報の変動、新たな顧客情報或いは業務活動の結果を抽出して記憶し、且つ、必要な処理を行う手段を具備する顧客情報管理システムに係る技術が記載されている。
【0007】
また、特開2003−50903号公報(特許文献3)には、顧客を識別する顧客識別情報、商品を識別する商品識別情報、及び前記顧客に前記商品の説明を行ったことを示す商品説明情報を含む履歴情報を保持する履歴データベースと、顧客識別情報及び商品識別情報を外部から取得し、取得した顧客識別情報及び商品識別情報を用いて履歴データベースを検索し、検索結果に基づき前記顧客に対する商品説明の要否を判定する商品説明要否判定部とを備える商品説明管理装置に係る技術が記載されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
顧客に対して営業活動を行った営業員が顧客との接触履歴を自社の営業支援システム等に記録・登録するには、例えば、自社に戻ってから、自社内に設置された営業員用のPC(Personal Computer)等の情報処理端末を利用して登録するような構成がとられる。しかしながら、この場合は、接触履歴を入力するためにわざわざ自社に戻る必要があるため、余計な負荷を要するとともに、入力までのタイムラグにより入力すべき事項が記憶から漏れてしまう可能性も高くなる。
【0010】
これに対し、外出先で営業活動に用いたタブレット型端末などの携帯端末を利用して外出中に接触履歴を適宜入力可能とすることで、処理の効率化と入力内容の正確さの向上を図ることが考えられる。しかしながら、タブレット型端末において接触履歴の文章をタッチパネルを介して入力する際に用いられる汎用的なソフトウェアキーボードは、ハードウェアのキーボードと比較して大量の文字情報の入力には適しておらず、入力の効率が低下するという問題を有する。
【0011】
また、接触履歴としてフリーテキストによる自由な入力を許容すると、例えば、顧客氏名や資産内容などの個人情報が記載されてしまうおそれがあり、外出先での入力の場合にはセキュリティ管理の観点から問題を有する。
【0012】
そこで本発明の目的は、営業員による外出先での携帯端末を用いた接触履歴の入力の際に、フリーテキストによる入力を排して単純な操作で容易に接触履歴の入力を可能とする接触履歴入力装置を提供することにある。
【0013】
本発明の前記ならびにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、以下のとおりである。
【0015】
本発明の代表的な実施の形態による接触履歴入力装置は、タッチパネルを有する携帯端末からなり、営業員が顧客に対して行う外交営業を支援する情報を提供するとともに、外交営業の結果に係る情報である接触履歴の入力を受け付ける接触履歴入力装置であって、以下の構成を有する。
【0016】
すなわち、接触履歴入力装置は、接触履歴の入力内容毎に設けられた複数の入力欄と、前記入力欄において入力されるべき内容に対応した候補単語のリストを表示する候補単語パネルと、を有する入力画面を前記タッチパネル上に表示し、前記候補単語パネルに表示された前記候補単語から、前記タッチパネルを介した営業員の操作により選択されたものを前記入力欄に挿入するユーザインタフェース部と、を有する。
【0017】
また、前記入力画面において前記タッチパネルを介した営業員の操作により第1の入力欄が選択された際に、予め保持している、前記第1の入力欄において入力されるべき内容に対応した第1の候補単語のリストを取得して、取得した前記第1の候補単語のリストにより前記候補単語パネルの内容を切り替える候補単語表示部と、前記各入力欄に挿入された前記候補単語の連結からなる文字列に基づいて接触履歴を得て記録する履歴保存部と、を有する。
【発明の効果】
【0018】
本願において開示される発明のうち、代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば以下のとおりである。
【0019】
すなわち、本発明の代表的な実施の形態によれば、営業員による外出先での携帯端末を用いた接触履歴の入力の際に、フリーテキストによる入力を排して単純な操作で容易に接触履歴の入力が可能となる。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一部には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
【0022】
本発明の一実施の形態である接触履歴入力装置は、外交営業を行った営業員が、外出先でタブレット型端末などのタッチパネルを有する携帯端末を利用して顧客との接触履歴を入力する際に、携帯端末のOS(Operating System)が提供する汎用的なソフトウェアキーボードを利用せず、接触履歴の入力に特化した専用のソフトウェアキーボードを用いることで、全ての入力を入力可能な単語等の候補からの選択という形式によって行うことを可能とする。入力可能な単語等の候補については、営業員が容易に把握できるよう、入力内容のカテゴリ毎に階層構造により構造化して定義する。また、可能な事項については入力時に当該事項の内容を自動的に補完入力する。
【0023】
これらにより、営業員による入力負荷を大きく低減し、外出先で携帯端末を用いる場合でも接触履歴の文章を容易に入力することを可能とするものである。また、単語等の候補からの選択による入力という形式をとることにより、接触履歴の入力内容に一定の制限を設け、顧客の個人情報や機密情報などの重要情報が混入することを防止するものである。
【0024】
<システム構成>
図1は、本発明の一実施の形態である接触履歴入力装置を有する接触履歴入力システムの構成例について概要を示した図である。接触履歴入力システム1は、金融機関等の営業員が顧客に対して行った営業活動について、その内容や結果等の情報である接触履歴の入力を営業員から受け付けてこれを記録するシステムである。例えば、企業や部署、営業員などによる営業活動を支援するサービスを提供する一般的な営業支援システムを構成する営業支援サーバ300に対して、LAN(Local Area Network)等のネットワーク400を介して営業員等が使用するクライアント端末である営業支援端末200が接続される構成を有する。
【0025】
この営業支援端末200は、通常は自社の営業所等に設置され、外出先から戻った営業員から顧客との接触履歴等の情報の入力を受け付けることができる。必要に応じて営業支援サーバ300に接触履歴を送信して営業支援サーバ300上で接触履歴を蓄積して記録するようにしてもよい。ここで入力される接触履歴は、セキュリティ管理がされている自社の施設内での入力であることから、顧客の個人情報等を含むフリーテキストによる自由な入力形式とすることが可能である。
【0026】
一方、接触履歴入力装置100は、営業員が外出先で顧客に対して行う営業活動を支援する携帯端末であり、上述したように、例えば、入力装置としてタッチパネルを有するタブレット型端末などによって実装される。外出先で顧客に対して営業活動を行えるようにするため、無線通信等により営業支援端末200(もしくはネットワーク400を介して営業支援サーバ300)に対して接続し、営業用の各種資料や訪問先の顧客情報(個人情報を含まない)などを取得して保持することができる。また、営業活動の結果として営業員からの接触履歴の入力を受け付け、入力された1つ以上の接触履歴の情報を、自社に戻った際に営業支援端末200(もしくは営業支援サーバ300)に対してアップロードして登録することができる。
【0027】
接触履歴入力装置100は、例えば、図示しないOS上で稼働するソフトウェアプログラムとして実装される接触履歴入力部110、および営業支援ツール120などの各部を有する。また、データベースやファイルテーブル、データファイル等の形式で実装される営業支援コンテンツ121、顧客情報122、およびツール使用ログ123などの各データを保持する。
【0028】
接触履歴入力部110は、営業員からの接触履歴の入力を支援する処理を行う機能を有し、例えば、ユーザインタフェース部111、候補単語表示部112、履歴保存部114、および入力補完部116などの各部を有する。また、候補単語113、および接触履歴115などの各データを保持する。
【0029】
ユーザインタフェース部111は、接触履歴を入力するための入力画面をタッチパネル上に表示し、また、当該入力画面に対するタッチパネルを介した営業員の操作による入力を受け付ける機能を有する。入力画面や操作の内容については後述する。候補単語表示部112は、上記の接触履歴の入力画面に、候補となる単語の選択形式により入力可能とするための専用のソフトウェアキーボードに相当するものとして、候補単語113のリストからなる候補単語パネルを表示する機能を有する。候補単語113のリストについては、予め、後述するように接触履歴の入力内容のカテゴリ毎に階層構造により構造化して定義しておく。
【0030】
履歴保存部114は、上記の入力画面を介して入力された内容、すなわち、候補単語パネルから選択された1つ以上の候補単語113の連結からなる文字列に基づいて、助詞等を含まない形の擬似的な文章からなる接触履歴115を得て保持するとともに、これを営業支援端末200(もしくは営業支援サーバ300)にアップロードする機能を有する。接触履歴115の擬似文章を所定の自然言語処理によって文章となる(もしくは文章に近くなる)ように整形する機能を有していてもよいが、処理負荷がかかる一方、候補単語113がキーワードとして適切に設定されていれば、整形されていない擬似文章であっても内容は当事者にとって十分理解することが可能なものとなる。
【0031】
入力補完部116は、営業員が上記の入力画面を介して接触履歴を入力する際に、接触履歴に含まれ得る項目であり、かつ営業員の選択によらずに一義的に内容が決定される所定の項目について自動的にデータを取得して接触履歴に挿入することで営業員の入力処理を補完する機能を有する。例えば、営業員が営業活動の際に接触履歴入力装置100上で使用した営業支援ツール120や、画面上に表示させた営業資料のタイトルの情報などを、営業活動の実施のログであるツール使用ログ123から取得して、営業員の選択を待たずに自動的に接触履歴の入力欄に挿入する。
【0032】
営業支援ツール120は、営業員の外交営業を支援するアプリケーションプログラム等からなる1つ以上のツール群であり、例えば、資産運用のシミュレーションツールや、ポートフォリオ管理ツール、各種データや営業資料などのビューワプログラムなどが含まれる。
【0033】
営業支援コンテンツ121には、例えば、パンフレットやレポート、営業資料などの各種コンテンツのデータファイルが含まれる。また、顧客情報122は、訪問予定の1人以上の顧客に係る情報(個人情報を含まない)を、営業支援端末200(もしくは営業支援サーバ300)から予め取得して保持するものである。ツール使用ログ123は、上述したように、接触履歴入力装置100を使用した営業員による営業活動の実施のログの情報であり、例えば、営業支援ツール120の実行ログや、営業支援コンテンツ121の参照ログなどが含まれる。
【0034】
<入力画面>
図2は、ユーザインタフェース部111により表示される接触履歴の入力画面の例について概要を示した図である。当該画面は、接触履歴入力装置100のタッチパネル上に表示され、営業員が指等によって画面に触れることで、接触履歴入力装置100に対する操作や入力を受け付けるものである。
【0035】
接触履歴入力画面は、例えば、営業員の外交営業を支援する営業支援サービスにおける顧客管理のための画面の一部等として構成される。顧客管理画面は、例えば、図示するように、顧客毎(
図2の例では“顧客1”〜“顧客3”)にタブにより管理画面を切り替えられるように構成されており、さらに、選択された顧客(
図2の例では“顧客1”)について、さらにタブにより情報の表示・入力の画面(
図2の例では“顧客サマリ”、“接触履歴”、“預り明細”、“メニュー”)が切り替えられるように構成されている。なお、個人情報保護の観点から、顧客を特定可能な氏名等の情報を表示しないようにするため、各顧客は“顧客1、2、3、…”や、“あ、い、う、…”、“A、B、C、…”などの記号的な情報で特定し、各記号と実際の顧客との関連付けは営業員自身が内心で管理するようにする。
【0036】
接触履歴を入力するためのタブでは、図示するように、定型的に入力する項目を入力するための規定項目入力領域111aと、接触履歴の内容を入力するための接触内容入力領域111b、および接触履歴の内容を入力する際の候補単語を選択するための専用のソフトウェアキーボードに相当する候補単語パネル111cが表示されている。
【0037】
規定項目入力領域111aの各入力欄は、全て選択形式により入力を受け付ける。例えば、“日時”の入力欄では、営業員が当該入力欄をタッチすると、カレンダーやドラムリール、ドロップダウンリストなどの選択用画面コントロールを表示して、営業員により選択された日時の内容を入力内容とする。
【0038】
また、他の項目の入力欄では、ドラムリールやドロップダウンリストなどの選択用画面コントロールに、予め定義された候補単語113の内容を設定して表示し、営業員からの選択を受け付ける。また、例えば“案件”の入力欄などでは、入力補完部116により、対象の顧客と関連付けられている案件を特定する案件番号などの情報を顧客情報122等から取得して自動的に設定して補完する。これらにより、営業員による入力負荷を低減させることができる。
【0039】
接触内容入力領域111bでは、顧客との接触履歴として通常入力されるべき内容を4つに分類し、各分類に対応して4つの入力欄を設けている。具体的には、図中の上から順に、当日の顧客との接触内容を入力する入力欄(以下では“入力欄A”とする)、顧客の反応を入力する入力欄(以下では“入力欄B”とする)、顧客からのヒアリング内容における特記事項を入力する入力欄(以下では“入力欄C”とする)、次回の外交営業の予定を入力する入力欄(以下では“入力欄D”とする)、の4つの入力欄を設けている。本実施の形態では、このうち、少なくとも、“入力欄A”、“入力欄B”、“入力欄D”の3つに相当する入力欄は有するものとする。なお、各入力欄には、対応する分類に応じて、予め書き出しの定型句(図中では、「本日、」、「顧客の反応は、」、「ヒアリングの内容は、」、「次回、」)が自動的に設定されている。
【0040】
営業員は、接触履歴を入力するため、後述するように、入力内容に対応する入力欄をタッチ操作により選択し(図中では“入力欄A”を選択)、候補単語表示部112により候補単語パネル111cに表示された候補単語113のリストから入力したい単語をタッチ操作により選択することで、接触内容を入力していく。候補単語表示部112が候補単語パネル111cに表示する各候補単語113は、例えば、図示するように、タブにより階層的にカテゴリ分類された上でボタンやアイコン等により並べて配置されており、営業員が目的の単語に効率的にアクセスすることが可能である。また、接触内容入力領域111bにおいて営業員が選択した入力欄に応じて、候補単語パネル111cの内容を自動的に切り替えることで、入力内容に適した候補単語113のみが表示されるように制御する。
【0041】
図3は、営業員が接触内容を入力する際の処理の流れの例について概要を示した図である。上述したように、営業員は、まず、接触内容入力領域111bにおいて入力しようとする内容に対応する入力欄をタッチ操作により選択する(図中では“入力欄A”を選択したものとし、他の入力欄の表示は省略する)。このとき、当該入力欄における内容に含まれ得る項目であり、かつ営業員の選択によらずに一義的に内容が決定される所定の項目について、入力補完部116により自動的にデータを取得して入力欄に挿入することで営業員の入力処理を補完する。例えば、営業員が接触履歴入力装置100上で使用した営業支援ツール120や顧客に提示した営業資料等の情報をツール使用ログ123から取得して、整形した上で入力欄に自動的に挿入する(
図3の例では「預り明細で、」を挿入)。
【0042】
その後、候補単語パネル111cに表示された候補単語113のリストから接触内容に関連して入力したい単語をタブを操作する等により探し出して、タッチ操作により選択する。
図3の例では、“接触内容”の下層の“サービスの提案・説明”タブから、“相続対策”の単語と“ご提案”の単語を順にタッチして選択したことを示している。この入力操作により、“入力欄A”には、さらにこれらの単語が順に挿入される。
【0043】
このような操作の繰り返しにより候補単語を順次入力し、
図2における接触内容入力領域111bの各入力欄に対する入力が完了すると、営業員は、
図2における画面右上部の“登録”ボタンを押下する。これにより、規定項目入力領域111aおよび接触内容入力領域111bの各入力欄に入力された内容が、履歴保存部114により接触履歴115として記録される。
【0044】
なお、このとき、本実施の形態では、営業員が接触内容入力領域111bの各入力欄において選択して入力した各候補単語113について、定型句も含めてそのままの配置で連結した文字列からなる接触履歴115として記録し、単語間での助詞等の補充などの整形は行わないものとする。また、営業員により選択して入力された候補単語113が存在しない入力欄については、定型句も含めて何も入力されていないブランクとして取り扱う。
【0045】
図4は、入力欄に選択して入力された候補単語113に対する操作の例について概要を示した図である。
図4(a)では、ドラッグ・アンド・ドロップ操作により候補単語113の並び順を変更する場合の例を示している。“あああ”、“いいい”、“ううう”、“えええ”の順に入力欄に選択・入力された4つの候補単語113について、上段の図に示すように、営業員が“いいい”を選択し、ドラッグして“ううう”と“えええ”との間にドロップする。これにより、下段の図に示すように、並び順を“あああ”、“ううう”、“いいい”、“えええ”のように変更することができる。
【0046】
図4(b)では、候補単語113を入力欄の外にドラッグ・アンド・ドロップすることで削除する場合の例を示している。“あああ”、“いいい”、“ううう”、“えええ”の順に入力欄に選択・入力された4つの候補単語113について、上段の図に示すように、営業員が“いいい”を選択し、入力欄の外にドラッグしてドロップする。これにより、“いいい”を削除し、空いたスペースを詰めた上で、並び順を“あああ”、“ううう”、“えええ”のように変更することができる。
【0047】
図4(c)では、候補単語113を複製する場合の例を示している。“あああ”、“いいい”、“ううう”、“えええ”の順に入力欄に選択・入力された4つの候補単語113について、上段の図に示すように、営業員が“いいい”を選択してダブルタップすることでコピーモードに入る。その後、中段の図に示すように、営業員が“いいい”を選択し、ドラッグして“ううう”と“えええ”との間にドロップすると、下段の図に示すように、ドロップした位置に“いいい”の内容をコピーし、全体の並び順を“あああ”、“いいい”、“ううう”、“いいい”、“えええ”のように変更することができる。このように、タッチパネル上での候補単語113に対する各婦操作により、選択後の編集作業を行うことができる。
【0048】
図5は、選択された入力欄に応じた候補単語パネル111cの切り替えの例について概要を示した図である。図示するように、接触内容入力領域111bの各入力欄に対して、対象の入力欄での入力内容に適した候補単語113のみが表示されるように制御された候補単語パネル111cが候補単語表示部112により用意され、営業員が入力欄を選択することで自動的に対応する候補単語パネル111cに切り替えられる。
【0049】
図6は、候補単語パネル111cの構成例について概要を示した図である。各候補単語パネル111cでは、目的の候補単語113に効率的にアクセスできるよう、入力内容のカテゴリをタブにより階層的に分類しており、営業員は、タブを選択することで入力カテゴリを切り替えることができる。本実施の形態では、カテゴリは最大で2階層としているがこれに限られない。
【0050】
各タブでは、対象のカテゴリに属し、関連性や因果関係のある候補単語113をグルーピングして1つの領域に並べて配置することで、カテゴリを頻繁に切り替えることなく接触内容を入力することができる。また、1つの領域に複数のグループの単語を配置する場合、例えば、外交営業活動における行動の目的語となる単語を上部に配置し、行動の内容を示す動詞を下部に配置することで、上から下に向かって候補単語113を順に選択する形となり、スムーズに接触内容を入力することができる。また、目的語となる単語と動詞とで、選択のためのボタンやアイコン等の配色や形等の外観を変更することで、グルーピングの内容が直感的に把握しやすいようにする。
【0051】
<データ構成>
図7は、各候補単語113を入力内容によって分類した情報を保持するテーブルのデータ構成と具体的なデータの例について概要を示した図である。当該テーブルでは、候補単語113を“分類1”と“分類2”の最大2階層の階層構成によって分類する。
図7の例では、接触履歴への入力内容として、“接触先”、“接触手段”、“接触内容”、および“接触結果”の各分類についてそれぞれ入力するための1つ以上の候補単語を定義している。また、入力内容に関わらず汎用的に用いられ、どの候補単語パネル111cにも含まれるものとして“数値”や“日時”、“人物”の分類も有する。ここで、“人物”の分類は、対象の人物の顧客にとっての続柄を指定するものである。なお、“数値”や“日時”の分類については候補単語113に相当するものは予め定まっているため、候補の単語ではなく数値や日時を指定するための画面コントロール等の種別により定義するものとする。
【0052】
“内容優先度”や“頻度”などの項目は、対象の分類に属する各候補単語113が、接触内容入力領域111bの各入力欄(“入力欄A”〜“入力欄D”)の入力内容に対して有する表示上の優先度や、全体として想定される利用頻度の情報を保持する。この内容に基づいて、対象の分類に属する候補単語113を、各入力欄に対応する候補単語パネル111cに表示する際の表示位置を、例えば、優先度が高いものほど上部に表示する、などのように制御することが可能である。表示の優先度以外に表示自体の要否を制御するようにしてもよい。また、
図7の例では、優先度等を“高”、“中”、“低”で区分しているが(“汎用”は全ての候補単語パネル111cに含まれる)、これをより詳細に数値等により区分するようにしてもよい。
【0053】
図8は、接触内容入力領域111bの各入力欄に対応する候補単語パネル111cの定義情報を保持するテーブルのデータ構成と具体的なデータの例について概要を示した図である。当該テーブルでは、接触内容入力領域111bの各入力欄に対応する候補単語パネル111cにタブ形式で表示するカテゴリの定義と、当該カテゴリに含まれる
図7に示された候補単語113の分類の定義に係る情報を保持する。
【0054】
カテゴリは、接触内容入力領域111bの各入力欄に対応する“入力内容”毎に、
図7に示した分類と合わせて“カテゴリ1”と“カテゴリ2”の最大2階層の階層構成によって区分する。“パネル内グループ”、“表示位置”、および“分類”の項目では、対象のタブ内に表示する候補単語113についての1つ以上の分類を特定する情報と、これらの分類に含まれる候補単語113を営業員が選択しやすいようにタブ内で区分して表示するためのグルーピングおよび表示位置の情報を保持する。
【0055】
例えば、“表示位置”の項目の値が“1”や“2”となっている分類については、タブ内で上から順に1番目、2番目、というようにグルーピングして候補単語113を表示する。このとき、上述したように、グルーピング毎に候補単語113を表示するためのボタン等の配色や形等の外観を変更して、営業員がグルーピングを把握しやすいようにする。“表示位置”の項目の値は、上述したように、例えば、行動の目的語となる単語から行動の内容を示す動詞の順になるように設定する。なお、本実施の形態では、表示位置を数値により多段に設定できるようにしているが、例えば、“上段”、“下段”のように段数を固定するようにしてもよい。また、“表示位置”の項目の値が“(自動)”となっている分類については、入力補完部116により項目の値が自動的に挿入されるものであることを示している。
【0056】
候補単語表示部112は、候補単語113に係る
図7、
図8に示したような構成のデータに基づいて、例えば、起動時に、接触内容入力領域111bの各入力欄の入力内容に対応したタブの階層構造や候補単語113のリストを有する候補単語パネル111cをそれぞれ作成して図示しないメモリ上などに保持しておく。これにより、営業員のタッチパネルの操作に応じて、予め作成された候補単語パネル111cを動的に適宜切り替えて表示することができる。
【0057】
なお、上述の
図7、
図8で示した各テーブルのデータ構成(項目)はあくまで一例であり、同様のデータを保持・管理することが可能な構成であれば、他のテーブル構成やデータ構成であってもよい。
【0058】
以上に説明したように、本発明の一実施の形態である接触履歴入力装置100によれば、外交営業を行った営業員が、外出先でタッチパネルを有する携帯端末により接触履歴を入力する際に、汎用的なソフトウェアキーボードを利用せず、接触履歴の入力に特化した専用のソフトウェアキーボードである候補単語パネル111cを用いることで、全ての入力を候補単語113等からの選択という形式によって行うことが可能となる。候補単語113については、営業員が容易に把握できるよう、入力内容のカテゴリ毎に階層構造により構造化して定義する。また、可能な事項については入力時に当該事項の内容を自動的に補完入力する。
【0059】
これらにより、営業員による入力負荷を大きく低減し、外出先でタッチパネルを有する携帯端末により接触履歴を入力する場合でも文章を単純な操作により容易に入力することが可能となる。また、入力内容に応じて切り替えられる候補単語パネル111cに表示された候補単語113からの選択による入力という形式をとることにより、接触履歴として入力可能な内容に一定の制限を設け、顧客の個人情報や機密情報などの重要情報が混入することを防止することが可能となる。
【0060】
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。例えば、上記の実施の形態は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、上記の実施の形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。