(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
チャンバ内に原料ガスを供給しながら、加熱されたウェハ支持台の上に搭載されたウェハの面上にエピタキシャル層を堆積成長させるエピタキシャルウェハの製造装置において、前記ウェハ支持台の上に載置されるウェハホルダーであって、
前記ウェハ支持台はその中心軸まわりに回転自在であり、
前記ウェハ支持台は、その上面の中央にウェハ載置面を有するとともに、周辺部に段差面を有し、
前記ウェハホルダーは、前記ウェハ支持台の上面の一部を覆うとともに、前記ウェハ支持台の上面側に前記ウェハを載置する平面視円形状の一つの開口部を有する平板状の支持部、および、前記ウェハ支持台の外周と同じ外周を有する円環状の外嵌部を備え、
前記支持部と前記外嵌部は一体に形成され、
前記開口部の端部が平面視で前記ウェハ支持台のウェハ載置面の外周に接する位置にあり、
前記開口部の直径は、前記ウェハ支持台のウェハ載置面の直径の0.5倍より大きくかつ1倍未満であって、前記開口部は、平面視で、前記ウェハ支持台の回転中心に対して偏った位置に配置されていることを特徴とするウェハホルダー。
チャンバ内に原料ガスを供給しながら、加熱されたウェハの面上にエピタキシャル層を堆積成長させるエピタキシャルウェハの製造装置において、前記ウェハが載置されるウェハ支持台を収容する複数の凹状の収容部を有する搭載プレート上に、前記ウェハ支持台および前記ウェハを支持するために用いられるウェハホルダーであって、
前記ウェハ支持台はその中心軸まわりに回転自在であり、
前記ウェハ支持台は、その上面の中央にウェハ載置面を有するとともに、周辺部に段差面を有し、
前記ウェハホルダーは、前記ウェハ支持台の上面の一部を覆うとともに、前記ウェハ支持台の上面側に前記ウェハを載置する平面視円形状の一つの開口部を有する平板状の支持部、および、前記ウェハ支持台の外周と同じ外周を有する円環状の外嵌部を備え、
前記支持部と前記外嵌部は一体に形成され、
前記開口部の端部が平面視で前記ウェハ支持台のウェハ載置面の外周に接する位置にあり、
前記開口部の直径は、前記ウェハ支持台のウェハ載置面の直径の0.5倍より大きくかつ1倍未満であって、前記開口部は、平面視で、前記ウェハ支持台の回転中心に対して偏った位置に配置されていることを特徴とするウェハホルダー。
【背景技術】
【0002】
例えば、炭化珪素(SiC)は、シリコン(Si)に対して、バンドギャップが約3倍、絶縁破壊電界強度が約10倍、熱伝導度が約3倍という優れた物性を有しており、パワーデバイス、高周波デバイス、高温動作デバイス等への応用が期待されている。
【0003】
このようなSiC半導体デバイスの製造には、通常、SiCエピタキシャルウェハが用いられる。このSiCエピタキシャルウェハは、昇華再結晶法等を用いて作製されたSiC単結晶基板(SiCウェハ)の面上に、SiC半導体デバイスの活性領域となるSiC単結晶薄膜(SiCエピタキシャル層)をエピタキシャル成長させることで作製される。
【0004】
また、エピタキシャルウェハの製造装置としては、チャンバ内に原料ガスを供給しながら、加熱されたSiCウェハの面上にSiCエピタキシャル層を堆積成長させる化学的気相成長(CVD)装置が用いられる。
SiCのエピタキシャル成長は、1500℃以上の高温で行われる。SiCのエピタキシャル成長に用いられるCVD法としては、横方向にガスを流す方法や縦方向にガスを流す方法等、種々の形態が挙げられる。特許文献1や特許文献2に記載されている横型のホットウオール法や、特許文献3〜5に記載されている自公転型のCVD装置は、その典型的なものである。いずれの方法においても、高温度に保持されたSiC基板上に材料ガスを流通させてエピタキシャル成長が行われる。その際、ガスの上流側と下流側でエピタキシャル成長の膜厚が変化したり、ドーピング濃度が変化したりするということが起こるため、最近の装置では、ウェハを載置したウェハ支持台(サセプター)を回転させることにより、結晶成長中にSiC基板を回転させている(特許文献2参照)。
【0005】
これらの装置において、ウェハはウェハ支持台の上に載置されているが、ウェハが回転により移動しないように、ウェハ支持台に円形凹状の座繰り加工部を設ける等してウェハを支持している。
【0006】
また、複数枚の基板を同時にエピタキシャル成長させる装置では、複数のウェハ支持台を乗せた搭載プレートが回転(公転)し、さらにウェハ支持台自体が回転(自転)する、自公転型のものが用いられる(特許文献3〜5参照)。
【0007】
この自公転型のCVD装置では、ウェハ支持台(基板ホルダ)を収容するための複数の凹状の収容部を有する搭載プレートに、基板ホルダが自転可能な状態で収容され、基板ホルダ上にSiCウェハが搭載されてエピタキシャル成長が行われる。引用文献4では、基板ホルダの中央に円形凹状の座繰り加工部が設けられ、その座繰り加工部にSiCウェハが載置される。また、座繰り加工部の代わりに、基板部分の周辺部の凸部分を別のリング状の部品で構成する場合もある。
また、別の基板ホルダの形態である引用文献5に記載されている装置では、SiCウェハが載置されるウェハ支持台(基板ホルダ)を収容する複数の凹状の収容部を有する搭載プレートに、基板ホルダを支持するために、収容部と、収容部に収容された基板ホルダとの間に中心リングを挿入し、中心リングを収容部の内側面に当接するとともに、中心リングで基板ホルダの側面を囲んでいる。さらに、中心リングの上面および基板ホルダの外縁を覆うように、中心リングとは別体のカバーリング(ダミー基板)を配置する。このカバーリングにおける、中心リングの上面および基板ホルダの外縁を覆っていない部分(カバーリングの内側)にSiCウェハが収容され、基板ホルダ上にSiCウェハが載置される(特許文献5参照)。
【0008】
ところで、CVD装置では、成膜中に、搭載プレートがその中心軸周りに回転駆動されるとともに、複数の基板ホルダが各々の中心軸周りに回転駆動される。そのため、特許文献5に記載の発明では、この回転駆動に伴って、中心リングと基板ホルダが擦れ合って、パーティクルと呼ばれる微細な屑が生じることがあった。このようなパーティクルが、SiCウェハの面上やSiCエピタキシャル層の面上に付着すると、SiCエピタキシャル層の膜質が著しく低下する。
【0009】
また、SiCウェハは高価であり、サイズが大きくなるほど高価である。そのため、SiCウェハの面上にSiCエピタキシャル層を堆積成長させる条件を調整する際には、実際のエピタキシャルウェハの製造時に用いられるものよりもサイズが小さいSiCウェハを用いることにより、コストを削減することが望まれていた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、このような従来の事情に鑑みて提案されたものであり、上述したパーティクルの低減を図ることによって、高品質なエピタキシャル層をウェハの面上に安定して堆積成長させることが可能であるとともに、サイズが小さいウェハを用いてエピタキシャル層を堆積成長させる条件を調整することが可能なウェハホルダー、および、そのようなウェハホルダーを用いることによって、製品歩留まりの更なる向上を可能とするとともに、低コストでエピタキシャル層を堆積成長させる条件を調整することを可能としたエピタキシャルウェハの製造装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、以下の手段を提供する。
(1)チャンバ内に原料ガスを供給しながら、加熱されたウェハ支持台の上に搭載されたウェハの面上にエピタキシャル層を堆積成長させるエピタキシャルウェハの製造装置において、前記ウェハ支持台の上に載置されるウェハホルダーであって、
前記ウェハ支持台は、その上面の中央にウェハ載置面を有するとともに、周辺部に段差面を有し、
前記ウェハホルダーは、前記ウェハ支持台の上面の一部を覆うとともに、前記ウェハ支持台の上面側に前記ウェハを載置する平面視円形状の開口部を有する平板状の支持部、および、前記ウェハ支持台の外周と同じ外周を有する円環状の外嵌部を備え、
前記支持部と前記外嵌部は一体に形成され、
前記開口部の端部が平面視で前記ウェハ支持台のウェハ載置面の外周に接する位置にあり、
前記開口部の直径は、前記ウェハ支持台のウェハ載置面の直径の0.5倍より大きくかつ1倍未満であることを特徴とするウェハホルダー。
(2)チャンバ内に原料ガスを供給しながら、加熱されたウェハの面上にエピタキシャル層を堆積成長させるエピタキシャルウェハの製造装置において、前記ウェハが載置されるウェハ支持台を収容する複数の凹状の収容部を有する搭載プレート上に、前記ウェハ支持台および前記ウェハを支持するために用いられるウェハホルダーであって、
前記ウェハ支持台は、その上面の中央にウェハ載置面を有するとともに、周辺部に段差面を有し、
前記ウェハ支持台の上面の一部を覆うとともに、前記ウェハ支持台の上面側に前記ウェハを載置する平面視円形状の開口部を有する平板状の支持部、および、前記ウェハ支持台の外周と同じ外周を有する円環状の外嵌部を備え、
前記支持部と前記外嵌部は一体に形成され、
前記開口部の端部が平面視で前記ウェハ支持台のウェハ載置面の外周に接する位置にあり、
前記開口部の直径は、前記ウェハ支持台のウェハ載置面の直径の0.5倍より大きくかつ1倍未満であることを特徴とするウェハホルダー。
(3)前記支持部と前記外嵌部は炭化珪素が用いられていることを特徴とする前項(1)または(2)に記載のウェハホルダー。
(4)チャンバ内に原料ガスを供給しながら、加熱されたウェハの面上にエピタキシャル層を堆積成長させるエピタキシャルウェハの製造装置であって、
前記ウェハが載置されるウェハ支持台を収容する複数の凹状の収容部を有し、これら複数の収容部が周方向に並んで配置された搭載プレートと、
前記搭載プレートとの間で反応空間を形成するように、前記搭載プレートの上面に対向して配置された天板と、
前記搭載プレートの下面側と前記天板の上面側のいずれか一方または両方に配置されて、前記ウェハ支持台に載置されたウェハを加熱する加熱手段と、
前記天板の上面中央部から前記反応空間内に前記原料ガスを導入するガス導入口を有して、このガス導入口から放出された原料ガスを前記反応空間の内側から外側に向かって供給するガス供給手段と、を備え、
前記ウェハ支持台および前記ウェハは、前項(1)〜(3)のいずれか1項に記載のウェハホルダーによって、前記搭載プレートに支持されることを特徴とするエピタキシャルウェハの製造装置。
【発明の効果】
【0013】
このウェハホルダーでは、開口部の端部が平面視でウェハ支持台のウェハ載置面の外周に接する位置にあり、開口部の直径が、ウェハ支持台のウェハ載置面の直径の0.5倍より大きくかつ1倍未満であることから、実際のエピタキシャルウェハの製造時に用いられるものよりもサイズが小さいウェハを用いて、ウェハの面上にエピタキシャル層を堆積成長させる条件を調整することが可能である。すなわち、ウェハ支持台が自転しているので、ウェハ支持台のウェハ載置面の面内の分布(成長層厚やキャリア濃度)が回転対称であるため、ウェハ支持台の回転中心からウェハ載置面の外周までのデータがすべて測定され、ウェハ支持台の載置面のデータ全てを推定できる。これにより、高価である大口径のウェハを用いることなく、エピタキシャル層を堆積成長させる条件の調整を行うことができるため、費用を削減することができる。また、生産工程においても、このウェハホルダーを用いることにより、生産する基板の口径を簡単に変更することが可能になる。
【0014】
本発明に係るウェハホルダーは、ウェハが自転しながら成長する方式のエピタキシャル装置に適用することができる。
図2に示すようなウェハがプラネタリ(自公転)せずに、自転のみする場合に適用しても、上記の効果が得られる。
【0015】
また、本発明に係るウェハホルダーでは、支持部と外嵌部が一体に形成されていることから、搭載プレートが自公転する場合において、支持部と外嵌部が擦れ合って、パーティクルが生じることがない。また、支持部と外嵌部が一体に成形されているため、支持部の強度が補強され、開口部の大きさを大きくとっても破損し難い。
【0016】
また、本発明に係るエピタキシャルウェハの製造装置では、本発明に係るウェハホルダーによって一体として、ウェハ支持台およびウェハを搭載プレートに支持させていることから、ウェハ上にエピタキシャル層を堆積成長させる際に、搭載プレートが自公転しても、ウェハ位置が固定されて、がたつきが少なくパーティクルが生じることがないので、ウェハの面上に、パーティクルが埋め込まれることなく、高品質のエピタキシャル層を薄膜形成することが可能である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明を適用したウェハホルダーおよびエピタキシャルウェハの製造装置について、図面を参照して詳細に説明する。
なお、以下の説明で用いる図面は、特徴を分かり易くするために、便宜上特徴となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率等が実際と同じであるとは限らない。また、以下の説明において例示される材料、寸法等は一例であって、本発明はそれらに必ずしも限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲で適宜変更して実施することが可能である。
【0019】
(1)第一の実施形態
(エピタキシャルウェハの製造装置、ウェハホルダー)
図1は、本発明を適用したエピタキシャルウェハの製造装置の第一の実施形態を示す断面模式図である。
図2は、本発明を適用したエピタキシャルウェハの製造装置の第一の実施形態を構成する搭載プレートの一例を示す平面模式図である。
図3は、本発明を適用したウェハホルダーの一例を示す模式図であり、(a)は平面図、(b)は(a)のA−A線に沿う断面図である。
本発明を適用したエピタキシャルウェハの製造装置は、例えば、
図1に示すようなCVD装置1であり、図示を省略する減圧排気可能なチャンバ(成膜室)内に、SiCの原料ガスGを供給しながら、加熱されたSiCウェハWの面上にSiCエピタキシャル層(図示せず。)を堆積成長させるものである。なお、原料ガスGには、例えば、Si源にシラン(SiH
4)、炭素(C)源にプロパン(C
3H
8)を含むものを用いることができ、さらに、キャリアガスとして水素(H
2)を含むものを用いことができる。
【0020】
具体的に、このCVD装置1は、チャンバの内部において、複数のSiCウェハWが載置される搭載プレート2と、この搭載プレート2との間で反応空間Kを形成するように、搭載プレート2の上面に対向して配置されたシーリング(天板)3と、搭載プレート2およびシーリング3の外側に位置して、反応空間Kの周囲を囲むように配置された周壁4とを備えている。
【0021】
搭載プレート2は、円盤状の回転台5と、この回転台5の下面5b中央部に取り付けられた回転軸6とを有し、回転台5は、この回転軸6と一体に回転自在に支持されている。また、回転台5の上面5a側には、SiCウェハWが載置される円盤状のウェハ支持台(基板ホルダ)7を収容する複数の凹状の収容部8が設けられている。
【0022】
収容部8は、平面視(回転台5の上面5a側から見て)円形状をなし、回転台5の周方向(回転方向)に等間隔に複数並んで設けられている。
図2では、収容部8が等間隔に6個並んで設けられている場合を例示する。
ウェハ支持台7の上面は、後述するウェハホルダー9の外嵌部9cの内径よりも小さなウェハ載置面7aと、外嵌部9cが嵌り込む段差部7bとを有する。
また、ウェハ支持台7は、回転台5の収容部8の内径よりも僅かに小さい外径を有し、収容部8の底面の中央部にあるピン状の小突起(図示せず)によって下から支えられることにより、回転台5の収容部8に、各々の中心軸周りに回転自在に支持されている。
【0023】
ウェハホルダー9は、ウェハ支持台7の上面、すなわち、ウェハ載置面7aの一部(主に外縁部)を覆うとともに、ウェハ支持台7のウェハ載置面7a側にSiCウェハWを載置する平面視円形状の開口部9aを有する、平面視した外形が円形状の支持部9b、および、支持部9bに対して垂直に設けられ、ウェハ支持台7の段差部7bとの間に挿入され、支持部9bと同じ外径を有し、収容部8の内側面8aに当接するとともに、平面視円環状の外嵌部9cを備えている。
また、支持部9bと外嵌部9cは一体に形成されている。ここで、支持部9bと外嵌部9cが一体に形成されているとは、支持部9bと外嵌部9cが同一の材料で連続して(境目がなく)形成されていること、および、支持部9bと外嵌部9cが同一の材料または異なる材料で形成され、接着剤による接着、溶着、溶接等によって一体化されていることを言う。
【0024】
また、
図3に示すように、ウェハホルダー9の開口部9aのなす円X
1は、回転台5の収容部8に収容されたウェハ支持台7のウェハ載置面7aのなす円X
2に内接し、開口部9aの直径D
1は、ウェハ支持台7の直径D
2の0.5倍より大きくかつ1倍未満である。なお、ウェハホルダー9の開口部9aのなす円X
1が、回転台5の収容部8に収容されたウェハ支持台7のウェハ載置面7aのなす円X
2に内接するとは、すなわち、ウェハホルダー9の開口部9aのなす円X
1が、ウェハホルダー9の外嵌部9cの内側面がなす円X
3に内接していることを言う。これにより、ウェハホルダー9の開口部9aのなす円X
1の中心C
1は、回転台5の収容部8に収容されたウェハ支持台7のウェハ載置面7aのなす円X
2の中心C
2と重なることなく、ずれて配置される。
【0025】
また、ウェハホルダー9の開口部9aのなす円X
1が、回転台5の収容部8に収容されたウェハ支持台7のなす円X
2に内接し、ウェハホルダー9の開口部9aの直径D
1が、ウェハ支持台7のウェハ載置面7aの直径D
2の0.5倍より大きくかつ1倍未満であることにより、開口部9a内に載置されたSiCウェハWは、回転台5の上面5a側において、少なくとも、ウェハ支持台7の上面7a全面を覆うように載置されたSiCウェハの中心から外周に渡る領域(ウェハ支持台7のウェハ載置面7a全面を覆うように載置されたSiCウェハの半径方向の領域)に重なるように配置される。
【0026】
ウェハホルダー9の支持部9bの厚さ、言い換えれば、ウェハホルダー9がウェハ支持台7に支持された状態で、ウェハ支持台7のウェハ載置面7aから支持部9bにおけるウェハ支持台7のウェハ載置面7aと対向する面とは反対側の面(上面)9dまでの高さは、SiCウェハの厚さWに対して、50%以上かつ150%以下であることが好ましく、80%以上かつ130%以下であることがより好ましく、90%以上かつ110%以下であることがさらに好ましい。本実施形態では、ウェハホルダー9の開口部9aおよびSiCウェハは回転中心に対して偏った位置に配置されるため、ウェハホルダー9の支持部9bの厚さとSiCウェハの厚さが大きく異なると、ウェハ支持台7の重心が回転中心からずれてしまい回転が変則的になってしまうためである。特に、駆動用ガスによりウェハ支持台7を回転駆動させる機構の場合、駆動力が小さいため、回転が変則的になると、複数のウェハ支持台7間で回転の差が生じやすくなる。複数のウェハ支持台7間で回転の差があると、複数のウェハ支持台7間で特性の差が生じてしまうので好ましくない。
【0027】
また、
図1に示すように、ウェハホルダー9の上面9dは、回転台5の上面5aと同一面か、それよりも下側にあることが好ましい。SiCウェハが支持部9bより高い場合、SiCウェハ端部で原料ガスの流れの乱れ(層流の乱れ)が生じやすく、SiCウェハ端部のエピタキシャル層の特性が内側と差が生じてしまう場合がある。さらに、SiCウェハがウェハホルダー9の上面9dと略同一面上にあることが最も好ましい。この場合、原料ガスの流れを乱さない。
【0028】
ウェハホルダー9の開口部9aは、円形であることが望ましい。また、SiCウェハとして、オリエーテンションフラット(OF)がついている場合は、SiCウェハと相似形でOFに対応する直線部があってもよい。ウェハ支持台7のウェハ載置面7a上に、SiCウェハにも支持部9bにも覆われていない部分があると、その部分にSiC結晶が堆積するため、SiCウェハがウェハ載置面7aに対し浮く場合がある。そこで、この直線部を設けることにより、OFの外側のウェハ載置面7aに不要な炭化珪素が堆積することを防止できる。また、直線部は、ウェハホルダー9の支持部9bにおける、ウェハ支持台7のウェハ載置面7aの外周と接する面とは反対側に設けられることが好ましい。直線部は、面内分布のデータを不足させることがないためである。
【0029】
ウェハホルダー9には、炭化珪素を用いるのが望ましい。ウェハホルダー9の支持部9bの表面をSiCウェハと同じ材料で形成することにより、SiCウェハ周辺部の特性のばらつきを小さくすることができる。また、ウェハホルダー9の支持部9bの表面に堆積したSiCは強固に付着するため、剥離してパーティクルとなることが少ない。
【0030】
そして、搭載プレート2は、いわゆるプラネタリ(自公転)方式を採用している。搭載プレート2は、図示を省略する駆動モータにより回転軸6が回転駆動されると、回転台5がその中心軸周りに回転駆動される。複数のウェハ支持台7は、原料ガスとは別の駆動用ガスが各々のウェハ支持台7の下面と収容部との間に供給されることにより、各々の中心軸周りに回転駆動される仕組みとなっている(図示せず)。これにより、複数のウェハ支持台7に載置された各SiCウェハWに対して均等に成膜を行うことが可能である。
【0031】
シーリング3は、搭載プレート2の回転台5と略一致した径を有する円盤状の部材であり、回転台5の上面と相対向しながら、搭載プレート2との間で扁平状の反応空間Kを形成している。周壁4は、搭載プレート2およびシーリング3の外周部を取り囲むリング状の部材である。
【0032】
CVD装置1は、ウェハ支持台7に載置されたSiCウェハWを加熱する加熱手段として、高周波誘導加熱により搭載プレート2およびシーリング3を加熱するための誘導コイル10を備えている。この誘導コイル10は、搭載プレート2(回転台5)の下面およびシーリング3の上面に、それぞれ近接した状態で対向配置されている。
【0033】
そして、このCVD装置1では、図示を省略する高周波電源から誘導コイル10に高周波電流が供給されると、搭載プレート2(回転台5およびウェハ支持台7)およびシーリング3が高周波誘導加熱により加熱されて、これら搭載プレート2およびシーリング3からの輻射や、ウェハ支持台7からの熱伝導等により、ウェハ支持台7に載置されたSiCウェハWを加熱することが可能となっている。
【0034】
なお、搭載プレート2(回転台5およびウェハ支持台7)およびシーリング3には、高周波誘導加熱に適した材料として、耐熱性に優れなおかつ熱伝導率の良いグラファイト(カーボン)材料からなるものを用いることができ、さらにグラファイト(カーボン)からのパーティクル等の発生を防ぐため、表面がSiCやTaC等で被覆されたものを好適に用いることができる。また、SiCウェハWの加熱手段としては、上述した高周波誘導加熱によるものに限らず、抵抗加熱よるもの等を用いてもよい。また、加熱手段は、搭載プレート2(回転台5)の下面側およびシーリング3の上面側に配置された構成に限らず、これらのいずれか一方側のみに配置された構成とすることも可能である。
【0035】
CVD装置1は、チャンバ内に原料ガスGを供給するガス供給手段として、シーリング3の上面中央部から反応空間K内に原料ガスGを導入するガス導入管(ガス導入口)11を備えている。このガス導入管11は、円筒状に形成されて、シーリング3の中央部に設けられた円形状の開口部12を貫通した状態で、その先端部(下端部)が反応空間Kの内側に臨んで配置されている。
【0036】
また、ガス導入管11の先端部(下端部)には、拡径方向に突出されたフランジ部11aが設けられている。このフランジ部11aは、ガス導入管11の下端部から鉛直下向きに放出された原料ガスGを、その対向する回転台5との間で水平方向に放射状に流すためのものである。
【0037】
そして、このCVD装置1では、ガス導入管11から放出された原料ガスGを反応空間Kの内側から外側に向かって放射状に流すことで、SiCウェハWの面内に対して平行に原料ガスGを供給することが可能となっている。また、チャンバ内で不要になったガスは、周壁4の外側に設けられた排気口(図示せず。)からチャンバの外へと排出することが可能となっている。
【0038】
ここで、シーリング3は、誘導コイル10により高温で加熱されるものの、その内周部(開口部12が形成された中央部)が原料ガスGを導入するために低温とされたガス導入管11とは非接触とされている。また、シーリング3は、ガス導入管11の外周部に取り付けられた支持リング(支持部材)13の上に、その内周部が載置されることによって、鉛直上向きに支持されている。さらに、このシーリング3は、上下方向に移動させることが可能となっている。
【0039】
CVD装置1は、シーリング3の下面に近接して配置された遮蔽板14を備えている。
この遮蔽板14は、表面がSiC膜で被覆された円盤状のグラファイト(カーボン)基板からなり、その中央部には、ガス導入管11を貫通させる円形状の開口部15が設けられている。
【0040】
そして、この遮蔽板14は、チャンバ内に着脱自在に取り付けられている。具体的に、この遮蔽板14は、周壁4の内周面から突出して設けられた支持部16の上に、その外周部が載置されることによって、鉛直上向きに支持されている。この場合、遮蔽板14の外周部のみを支持することによって、誘導コイル10により加熱されて高温となる遮蔽板1
4に対して、原料ガスGを導入するために低温とされたガス導入管11と、この遮蔽板14の内周部(開口部15が形成された中央部)との接触を回避しながら、遮蔽板14をチャンバ内に着脱自在に取り付けることが可能となっている。
この遮蔽板14は、シーリング3の下面に反応空間からの堆積物が堆積するのを阻止して、その下面に堆積物を堆積させることができる。そして、従来のようなシーリングの下面に堆積した堆積物を除去するといった面倒なクリーニング作業を行わずに、遮蔽板を交換するといった簡便なメンテナンス作業を行うだけで、シーリング下面から落下してSiCエピタキシャル層内に入り込むダウンフォールの低減を図ることが可能である。
【0041】
また、支持部16は、周壁4の内周面に全周に亘って設けられた段差部であり、この段差部上に遮蔽板14の外周部が載置されている。この場合、遮蔽板14の外周部が支持部(段差部)16と全周に亘って接触した状態となることから、この遮蔽板14の外周部側からシーリング3との間に向かってガスが流れ込むのを防ぐことが可能である。
【0042】
一方、シーリング3の下面中央部には、遮蔽板14の開口部15の内側に位置するように、円筒状のスリーブ部17が突出して設けられている。このスリーブ部17は、遮蔽板14の内周部側からシーリング3との間に向かってガスを流れ込み難くするためのものである。
【0043】
なお、CVD装置1では、遮蔽板14が設けられていなくてもよく、遮蔽板14を介さずに、搭載プレート2の上面に対向してシーリング3が配置されていてもよい。
【0044】
以上のような構造を有するCVD装置1では、ウェハ支持台7を回転台5の収容部8に支持するとともに、SiCウェハWをウェハ支持台7のウェハ載置面7a上に支持するために用いられるウェハホルダー9において、ウェハ支持台7のウェハ載置面7aの一部を覆う支持部9bと、ウェハ支持台7の段差部7bと嵌る外嵌部9cとが一体に形成されているので、CVD装置1によりSiCエピタキシャル層を堆積成長させる際に、サセプタ2が、いわゆるプラネタリ(自公転)運動しても、支持部9bと外嵌部9cが擦れ合って、パーティクルが生じることがない。これにより、SiCウェハWの面上に、パーティクルが埋め込まれることなく、高品質のSiCエピタキシャル層を薄膜形成することが可能である。
【0045】
また、ウェハホルダー9の開口部9aのなす円X
1が、回転台5の収容部8に収容されたウェハ支持台7のなす円X
2に内接し、ウェハホルダー9の開口部9aの直径D
1が、ウェハ支持台7の直径D
2の0.5倍より大きくかつ1倍未満であることにより、開口部9a内に載置されたSiCウェハWは、回転台5の上面5a側において、少なくとも、ウェハ支持台7のウェハ載置面7a全面を覆うように載置されたSiCウェハWの中心から外周に渡る領域に重なるように配置することができる。なお、SiCエピタキシャル層は、その中心軸周りに回転するSiCウェハW上に形成されるため、条件が同一であれば、SiCウェハWの中心から外周に渡る領域において、SiCエピタキシャル層の形成状態は全域(SiCウェハW上のSiCエピタキシャル層の全体)に渡って均一であると考えられる。したがって、CVD装置1によれば、実際のエピタキシャルウェハの製造時に用いられるものよりもサイズが小さいSiCウェハを用いて、SiCウェハの面上にSiCエピタキシャル層を堆積成長させる条件を調整することが可能である。例えば、6インチのSiCウェハの面上にSiCエピタキシャル層を堆積成長させる条件を調整するために、4インチのSiCウェハを用いてSiCエピタキシャル層を堆積成長させる条件を調整することが可能である。これにより、6インチのSiCウェハの代わりに4インチのSiCウェハを用いてSiCエピタキシャル層を堆積成長させる条件を調整することができるので、コストを削減することができる。
また、収容部8毎に異なる開口部9aを有するウェハホルダー9を用いることにより、同一バッチ内で、異なる大きさのエピタキシャルウェハを製造することができる。
【0046】
(エピタキシャルウェハの製造方法)
本発明を適用したエピタキシャルウェハの製造方法の第一の実施形態は、上記のCVD装置1を用いて、ウェハの面上にエピタキシャル層を堆積成長させる工程を含む方法である。
【0047】
エピタキシャルウェハを製造する際は、昇華再結晶法等を用いて作製されたSiCインゴットを円盤状にスライスした後、その表面に研磨加工等を施したSiCウェハを作製または用意する。そして、このSiCウェハWの面上に、CVD装置1を用いてSiCエピタキシャル層を堆積成長(エピタキシャル成長)させることで、エピタキシャルウェハを作製することができる。
【0048】
本発明を適用したエピタキシャルウェハの製造方法では、CVD装置1を用いることによって、高品質なSiCエピタキシャル層をSiCウェハWの面上に安定して堆積成長させることが可能である。そして、CVD装置1のメンテナンスにかかる時間も短縮できることから、エピタキシャルウェハの製品歩留まりを更に向上させることが可能である。
【0049】
(2)第二の実施形態
(エピタキシャルウェハの製造装置)
図4は、本発明を適用したエピタキシャルウェハの製造装置の第二の実施形態を示す断面模式図である。
本発明を適用したエピタキシャルウェハの製造装置は、例えば、
図4に示すようなCVD装置20であり、図示を省略する減圧排気可能なチャンバ(成膜室)内に、SiCの原料ガスGを供給しながら、加熱されたSiCウェハWの面上にSiCエピタキシャル層(図示せず。)を堆積成長させるものである。なお、原料ガスGには、上述の第一の実施形態と同様のものが用いられる。
【0050】
具体的に、このCVD装置20は、チャンバの内部において、SiCウェハWが載置される搭載プレート21と、この搭載プレート21を収容して反応空間Kを形成するように、搭載プレート21を収容した石英管22と、搭載プレート21と石英管22との間に介在し、搭載プレート21を囲むように配置されたグラファイトヒーター23と、グラファイトヒーター23と石英管22との間に介在し、グラファイトヒーター23を囲むように配置された断熱材24とを備えている。
【0051】
搭載プレート21は、円盤状の基台25と、この基台25の中央部に形成された、平面視(基台25の上面25a側から見て)円形状の収容部26と、収容部26に収容されたウェハ支持台27と、収容部26の底面26aに取り付けられた回転軸28と、収容部26の底面26a近傍に連通し、回転軸28を中心にしてウェハ支持台27を回転させるための駆動用ガスを供給する回転駆動用ガス配管29とを有している。
【0052】
上述の第一の実施形態と同様にして、ウェハ支持台27のウェハ載置面27aにSiCウェハWが載置されると、上述の第一の実施形態と同様の構成のウェハホルダー40によって、ウェハ載置面27a上にSiCウェハWが支持される。
【0053】
CVD装置20は、ウェハ支持台27に載置されたSiCウェハWを加熱する加熱手段として、高周波誘導加熱により搭載プレート21を加熱するための誘導コイル30を備えている。この誘導コイル30は、石英管22の外周面に、それぞれ近接した状態で対向配置されている。
【0054】
本実施形態では、搭載プレート21を囲むように配置された高周波誘導加熱に適した材料からなるグラファイトヒーター23が配設されているので、誘導コイル30により、グラファイトヒーター23を高周波誘導加熱して、そのグラファイトヒーター23に生じた熱により搭載プレート21を加熱することができる。ここでも、搭載プレート21には、高周波誘導加熱に適した材料として、耐熱性に優れなおかつ熱伝導率の良いグラファイト(カーボン)材料からなるものを用いることが好ましい。
【0055】
また、このCVD装置20では、石英管22の一端部に設けられた給気口(図示せず。)から内部に、原料ガスGを石英管22の長手方向に沿って流すことで、SiCウェハWの面内に対して平行に原料ガスGを供給することが可能となっている。また、チャンバ内で不要になったガスは、石英管22の他端部に設けられた排気口(図示せず。)からチャンバの外へと排出することが可能となっている。
【0056】
以上のような構造を有するCVD装置20においても、上述の第一の実施形態のCVD装置1と同様の効果が得られる。
【0057】
(エピタキシャルウェハの製造方法)
本発明を適用したエピタキシャルウェハの製造方法の第二の実施形態は、上記のCVD装置20を用いて、ウェハの面上にエピタキシャル層を堆積成長させる工程を含む方法である。
【0058】
エピタキシャルウェハを製造する際は、上述の第一の実施形態のエピタキシャルウェハの製造方法と同様の工程を行う。
【0059】
本発明を適用したエピタキシャルウェハの製造方法では、CVD装置20を用いることによって、上述の第一の実施形態のエピタキシャルウェハの製造方法と同様の効果が得られる。
【0060】
なお、本発明は、上記実施形態のものに必ずしも限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
【実施例】
【0061】
以下、実施例および比較例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0062】
「実施例」
図1に示すCVD装置1を用いて、4インチのSiCウェハW
1上に、SiCエピタキシャル層を形成した。
本実施例では、搭載プレート2のウェハ支持台7のウェハ載置面7aに、ウェハホルダー9を用いて、4インチのSiCウェハW
1を支持した。
4インチのSiCウェハW
1としては、4H−SiC単結晶基板、c面((0001)面)が<11−20>方向に4°傾斜したSi面を主面とする、直径4インチ(100mm)、厚さ335μmのものを用いた。また、この4インチのSiCウェハW
1は、両面研磨が施されたものであった。
また、ウェハホルダー9としては、支持部9bの厚さが0.6mm、外嵌部の9c厚さが0.4mmのものを用いた。
【0063】
4インチのSiCウェハW
1には、有機溶剤洗浄、酸・アルカリ洗浄および十分な水洗による前処理を施した。
キャリアガスとしては水素(H
2)を用いた。炭化ケイ素の原料としてはモノシラン(SiH
4)とプロパン(C
3H
8)との混合ガスを用いた。ドーパントとしては、窒素(N
2)を用いた。
モノシラン(SiH
4)とプロパン(C
3H
8)の濃度比を、C/Si=1.15を満たすように調整した。
モノシラン(SiH
4)と塩化水素(HCl)の濃度比を、Cl/Si=3を満たすように調整した。
成膜室内の圧力を150mbr、成長温度を1550℃、成長時間を1hとして、4インチのSiCウェハW
1上に、SiCエピタキシャル層を形成した。
【0064】
SiCエピタキシャル層を形成した後の4インチのSiCウェハW
1について、
図5に数字で示す位置における膜厚を測定した。結果を、
図6に示す。
また、4インチのSiCウェハW
1の中心からの距離(mm)と、その位置におけるキャリア濃度(cm
−3)との関係を測定した。結果を、
図8に示す。キャリア濃度は、CV測定法を用いて測定している。
【0065】
「比較例」
図1に示すCVD装置1を用いて、6インチのSiCウェハW
2上に、SiCエピタキシャル層を形成した。
本比較例では、搭載プレート2のウェハ支持台7のウェハ載置面7aに、ウェハホルダー9を用いて、6インチのSiCウェハW
2を支持した。
6インチのSiCウェハW
2としては、4H−SiC単結晶基板、c面((0001)面)が<11−20>方向に4°傾斜したSi面を主面とする、直径6インチ(150mm)、厚さ525μmのものを用いた。また、この6インチのSiCウェハW
2は、両面研磨が施されたものであった。
また、ウェハホルダー9を用いなかった。
【0066】
以下、実施例と同一の装置内で、実施例と同様の条件、かつ、実施例と同時に、6インチのSiCウェハW
2上に、SiCエピタキシャル層を形成した。
【0067】
SiCエピタキシャル層を形成した後の6インチのSiCウェハW
2について、
図7に数字で示す位置における膜厚を測定した。結果を、
図6に示す。
また、6インチのSiCウェハW
2の中心からの距離(mm)と、その位置におけるキャリア濃度(cm
−3)との関係を測定した。結果を、
図8に示す。
【0068】
図6および
図8の結果から、4インチのSiCウェハW
1および6インチのSiCウェハW
2は回転しているため、膜厚分布およびキャリア濃度の分布は回転対称となっており、回転の中心部も含めて、4インチのSiCウェハW
1と6インチのSiCウェハW
2は同じ膜厚分布およびキャリア濃度の分布になっていることが確認された。また、ウェハホルダー9を用いた実施例でも、特に回転に起因するパーティクルによる欠陥の発生はないことが確認された。