【実施例1】
【0047】
図1〜
図11は本発明の実施例1である。
而して、実施例1においては、外気処理用空調システムはデシカント空調機ユニット31を備えている。デシカント空調機ユニット31はハウジング32を有し、ハウジング32には、幅方向中央部を長手方向へ延在する仕切り壁33により仕切ることにより、左右のチャンバ32a,32bが形成されている。又、チャンバ32bは、仕切り壁33における長手方向の2箇所において仕切り壁34,35により仕切られ形成された、小チャンバ32b−1,32b−2,32b−3を有している。更に、ハウジング32の長手方向一端側には、チャンバ32aに外気OAを導入するためのダクト36と、小チャンバ32b−3からの空気を排気EAとして屋外に排出するためのダクト37が接続されている。更に、ハウジング32の長手方向他端側には、チャンバ32aからの給気SAを被空調空間に送給したり図示しない内調機に温調済み外気として送給するためのダクト38と、被空調空間からの還気RAを、前記ダクト36から導入された外気OAに対し対向流となるよう小チャンバ32b−1に導入するダクト39が接続されている。
【0048】
ハウジング32内には、平面視で、仕切り壁33を貫通し、チャンバ32a,32b−2の両側に跨って位置するよう、デシカント除湿ロータ40が設置されていると共に、デシカント除湿ロータ40からハウジング32の長手方向へダクト38側へ向け離反した位置に、仕切り壁33を貫通し、チャンバ32a、32b−1の両側に跨って位置するようデシカントロータ41が設置されている。デシカントロータ40,41は駆動装置により、仕切り壁33と平行な方向へ延在する軸線に対し回転し得るようになっており、デシカントロータ41は、インバータ制御によりモータの周波数を調整して回転数を調整し得るようになっている。デシカントロータ40,41は仕切り壁33と平行な方向へ空気が流通し得るようにしたハニカム構造で、各ハニカム部には、除湿剤が担持されている。
【0049】
ハウジング32のチャンバ32aには、デシカントロータ40,41間に位置するよう冷却コイル42が設置されると共に、デシカントロータ41よりもダクト38側に位置するよう、冷却コイル43が設置されている。又、チャンバ32aには冷却コイル43よりもダクト38側に位置するよう、加湿器44が設置され、加湿器44よりもダクト38側に位置するよう、給気ファン45が設置されている。給気ファン45はインバータ制御によりモータの周波数を変更して回転数を調整し得るようになっている。
【0050】
デシカント空調機ユニット31の外部に設置した冷却塔46からは、中途部に冷却水ポンプ47を備えた管路48、及び管路49を介し冷却コイル42,43に冷却水を供給し得るようになっており、冷却コイル42,43からは管路50,51を介し戻りの冷却水を冷却塔46へ戻し得るようになっている。管路49は管路48の中途部における、冷却水ポンプ47よりも冷却水流れ方向下流側に接続され、管路50の管路51接続部よりも冷却水流れ方向上流側には流量制御弁52が設けられ、管路51には、流量制御弁53が設けられている。而して、冷却水は冷却塔46と冷却コイル42,43の間を循環し得るようになっている。又、加湿器44には中途部に加湿弁54を備えた管路55が接続されており、更に、デシカント空調機ユニット31で処理された空気は、給気ファン45によりダクト38を介し給気SAとして後工程の被空調空間へ送給されるようになっている。
【0051】
チャンバ32b内の小チャンバ32b−1内には、デシカントロータ41よりもダクト39側に位置するよう、加熱コイル56が設置され、小チャンバ32b−2内には、デシカントロータ40よりも仕切り壁34側に位置するよう、加熱コイル57が設置されている。又、小チャンバ32b−3内には、外気OAの除湿時に、デシカントロータ41,40の除湿剤を再生した空気を、排気EAとしてダクト37へ排出するための排気ファン58が設置されている。排気ファン58はインバータ制御によりモータの周波数を調整して回転数を調整し得るようになっている。
【0052】
デシカント空調機ユニット31の外部に設置した温水蓄熱タンク59からは、中途部に温水ポンプ60を備えた管路61及び管路62を介し加熱コイル56,57に温水を供給し得るようになっており、加熱コイル56,57からは管路63,64を介し戻りの温水を温水蓄熱タンク59へ戻し得るようになっている。又、管路63の管路64接続部よりも温水流れ方向上流側には、流量制御弁65が設けられ、管路64には流量制御弁66が設けられている。而して、温水は温水蓄熱タンク59と加熱コイル56,57との間を循環し得るようになっている。又、温水蓄熱タンク59からは、中途部に集熱ポンプ67を備えた管路68を介し太陽集熱器69に温水を供給し得るようになっており、太陽集熱器69での集熱により温度の上昇した温水は、管路70から温水蓄熱タンク59へ供給し得るようになっている。
【0053】
図中、71は、一端をダクト36に、又、他端をハウジング32のチャンバ32bにおける小チャンバ32b−2の壁面に接続されたダクトで、ダクト71の小チャンバ32b−2に接続した端部は、小チャンバ32b−2の加熱コイル57とデシカントロータ40の間の位置に連通している。72は、一端をハウジング32のチャンバ32bにおける小チャンバ32b−1の壁面に接続され、他端をハウジング32のチャンバ32bにおける小チャンバ32b−3の壁面に接続されたダクトで、ダクト72の小チャンバ32b−1に接続された端部は、小チャンバ32b−1のデシカントロータ41と仕切り壁34の間に連通され、ダクト72の小チャンバ32b−3に接続された端部は、小チャンバ32b−3の仕切り壁35と排気ファン58の間に連通されている。又、73はハウジング32の、ダクト36からチャンバ32aへの外気OAを導入する一端部に設けたダンパ、74は仕切り壁34に設けたダンパ、75は仕切り壁35に設けたダンパ、96はハウジング32の小チャンバ32b−2とチャンバ32aとが連通し得るよう、仕切り壁33に設けたダンパである。又、76はダクト71に設けたダンパ、77はダクト72に設けたダンパである。更に、78はダクト36のダクト71接続部よりも外気OA流れ方向上流側に設けた温湿度検出器、79はデシカント空調機ユニット31のチャンバ32aに設置した冷却コイル42の空気流れ方向下流側に設けた温度検出器、80はデシカント空調機ユニット31のチャンバ32aに設置した冷却コイル42の空気流れ方向下流側に、温度検出器79に近接して設けた露点温度検出器、81はダクト38に設けた露点温度検出器、82はダクト38に露点温度検出器81に近接して設けた温度検出器である。
【0054】
図1の外気処理用空調システムが適用される被空調空間としては、例えば、外気OAを導入する際に年間を通してその露点温度が一定であることが求められる被空調空間が対象であり、年間を通して恒温、恒湿の室内条件(当該室内の乾球温度と露点温度が一定)であり、且つ、年間を通して除湿負荷が小さく、顕熱負荷に比較して潜熱負荷が小さい室(室内発熱が大きく人体からの発汗が少ない場所)が対象である。具体的には、多数の電算機や通信機器が収納されたデータセンタ、クリーンルーム、動物舎、製薬工場、非化学系の研究所等である。
【0055】
図2には、
図1の外気処理用空調システムに制御系を加えた構成が示されている。
図2中、83は演算制御装置で、該演算制御装置83は、外気露点温度演算部84、除湿・加湿モード判断部85、ダンパ切替え操作指示部86を備えている。なお、除湿・加湿モード判断部85で判断される除湿モードは、外気OAを除湿し、冷却し、給気SAとして被空調空間へ送給するモードであり、加湿モードは、外気OAを加熱し、加湿し、給気SAとして被空調空間へ送給するモードである。而して、外気露点温度演算部84では、温湿度検出器78で検出されて与えられた、デシカント空調機ユニット31のハウジング32のチャンバ32aに導入される前の外気OAの温度(乾球温度t[℃])及び湿度(相対湿度φ)を基に、[数1]、[数2]及び空調で用いる以下の一般的な式により外気OAの露点温度(外気露点温度)を演算し得るようになっている。
[数1]
Ps=6.11×10^{7.5t/(t+237.3)}
【0056】
[数1]はテテンス(Tetens)の式であり、水が凍らない環境について適用される。[数1]を変形すると[数2]になる。
[数2]
t=237.3×log(Ps/6.11)/(7.5×log(10)+log(6.11/Ps))
【0057】
[数1]、[数2]中、Psは飽和蒸気圧で、単位は[hPa]で、pwsの形でも表される。又、水蒸気分圧pwはpw=pws×φ/100で求められ、Ps=pwとして[数2]に代入して求めたtが外気露点温度Tdpoaである。
【0058】
除湿・加湿モード判断部85は、演算されて外気露点温度演算部84から与えられた外気露点温度Tdpoa([数2]ではt)と予め設定されている設定露点温度Tdproを比較し、Tdpoa>Tdpro+ΔTの場合(デシカント空調機ユニット31のハウジング32におけるチャンバ32aに取り込む外気露点温度Tdpoaが、設定露点温度Tdproよりも不感帯露点温度域ΔT℃を越えて高い場合)は、外気処理用空調システムは除湿モードとし、Tdpoa<Tdpro−ΔTの場合(前記チャンバ32aに取り込む外気露点温度Tdpoaが、被空調空間の設定露点温度Tdproよりも不感帯露点温度域ΔT℃を超えて低い場合)は加湿モードを選定し得るようになっている。このように除湿、加湿の切替えに不感露点温度域ΔT℃(不感露点温度域とは、このΔT℃の露点温度範囲にある場合は、運転モードが除湿モードから加湿モードへ、或は、加湿モードから除湿モードへ切替らない温度範囲を言う。)を考慮するのは、除湿、加湿の切替えが頻繁に行なわれると制御が不安定になるので、これを防止するためである。この除湿、加湿の切替えのタイミングを図示すると
図9のようになる。
図9では、設定露点温度Tdproは13℃DPであり、これは、室温を24℃、相対湿度を50%HRとした場合である。又、除湿モードが行なわれるのは、
図10の空気線図におけるハッチング部、加湿モードが行なわれるのは、
図11の空気線図におけるハッチング部である。
【0059】
除湿・加湿モード判断部85で判断された除湿モード或は加湿モードに基づき、ダンパ切替え操作指示部86からはダンパ切替え操作指令が出力されて除湿モード或は加湿モードに基づき、ダンパ73〜77,96の開閉を行い得るようになっている。
【0060】
演算制御装置83は、外気OAの除湿モード時にデシカント空調機ユニット31の冷却コイル42で冷却された空気の温度を所定の温度に制御するための温度調整部87を備えている。すなわち、温度調整部87では、温度検出器79により検出した冷却コイル42下流側の空気温度Tcdbと、予め設定されている冷却コイル42下流側の設定空気温度Tcdbo(例えば、外気湿球温度+3℃で、これは一例であり、外気の状態により変更可能である。)の差を採って冷却コイル42下流側の空気温度偏差ΔTcdbを求め、該空気温度偏差ΔTcdbを比例積分微分演算(以下、PID演算と称する。)して得られた弁開閉指令V1を、外気OAの冷却時に冷却塔46からデシカント空調機ユニット31の冷却コイル42に供給された戻りの冷却水が通る管路50に設けられている流量制御弁52に与え、該流量制御弁52の開度を制御し得るようになっている。
【0061】
演算制御装置83は、外気OAの除湿モード時に被空調空間へ送給される空気を除湿したデシカントロータ40の除湿剤の水分を加熱、除去することにより、デシカントロータ40を再生させるべく、加熱コイル57で、小チャンバ32b−1からダンパ74を経て導入された空気を加熱させる際に、この加熱量を制御してデシカントロータ40の除湿量を給気SAの露点温度に制御するための露点温度調整部88を備えている。すなわち、露点温度調整部88では、露点温度検出器80により検出した冷却コイル42下流側の空気の露点温度Tcdpと、冷却コイル42下流側の空気の設定露点温度Tcdpoの差を採って冷却コイル42下流側の空気の露点温度偏差ΔTcdpを求め、該露点温度偏差ΔTcdpをPID演算して得られた弁開閉指令V2を、外気OAの除湿時におけるデシカントロータ40の除湿剤を加熱し、乾燥する再生時に、温水蓄熱タンク59からデシカント空調機ユニット31の加熱コイル57に供給されて戻る温水が通る管路64に設けられている流量制御弁66に与え、流量制御弁66の開度を制御し得るようになっている。ここで、例えば、外気OAのデシカントロータ40での除湿量とデシカントロータ41での除湿量を等しいとした場合には、冷却コイル42下流側の空気の設定露点温度Tcdpoは、被空調空間の露点温度と、外気の露点温度の中間の値である。
【0062】
外気OAの除湿モード時における上記設定露点温度Tcdpoを被空調空間の露点温度と外気の露点温度の中間値とするということは、デシカントロータ40,41における除湿量を単純に二等分してデシカントロータ40,41の除湿量に偏りがないようにするためである。冷凍機を用いず、冷却塔46を用いているため、外気OAを何℃まで冷却できるかは、そのときの外気OAの湿球温度で決まり、季節、天候、時刻でリアルタイムに変化することになる。
【0063】
演算制御装置83は、外気OAの加湿モード時にデシカント空調機ユニット31で加湿されてダクト38内を送給される給気SAの温度を所定の温度に制御するための温度調整部89を備えている。すなわち、温度調整部89では、温度検出器82により検出したダクト38内の給気温度Tsadと、予め設定されている設定温度Tsaroの差を採って給気温度偏差ΔTsarを求め、該給気温度偏差ΔTsarをPID演算して得られた弁開閉指令V3を、外気OAの加湿時に温水蓄熱タンク59からデシカント空調機ユニット31の加熱コイル57に供給された戻りの温水が通る管路64に設けられている流量制御弁66に与え、該流量制御弁66の開度を制御し得るようになっている。温度調整部89においては、設定温度Tsaroは、例えば、被空調空間の温度の設定値を用いるが、これは一例であり、任意の値に設定することができる。
【0064】
演算制御装置83は、外気OAの除湿モード時にデシカント空調機ユニット31で除湿されてダクト38内を送給される給気SAの温度を所定の温度に制御するための温度調整部90を備えている。すなわち、温度調整部90では、温度検出器82により検出したダクト38内の給気温度Tsadと、予め設定されているダクト38内の給気SAの設定温度Tsado(例えば、外気湿球温度+3℃で、これは一例であり、外気の状態により変更可能である)の差を採ってダクト38内の給気温度偏差ΔTsadを求め、該給気温度偏差ΔTsadをPID演算して得られた弁開閉指令V4を、外気の除湿時に冷却塔46からデシカント空調機ユニット31の冷却コイル43に供給されて戻る冷却水が通る管路51に設けられている流量制御弁53に与え、該流量制御弁53の開度を制御し得るようになっている。
【0065】
演算制御装置83は、外気OAの加湿モード時にデシカント空調機ユニット31で加湿されてダクト38内を送給される給気SAの露点温度を所定の露点温度に制御するための露点温度調整部91を備えている。すなわち、露点温度調整部91では、露点温度検出器81により検出したダクト38内の給気SAの露点温度Tdpdと、予め設定されている給気SAの設定露点温度Tdproの差を採って給気SAの露点温度偏差ΔTdprを求め、該露点温度偏差ΔTdprをPID演算して得られたデシカントロータ回転数指令V5を、外気OAの加湿モード時にデシカントロータ41のモータに与えてデシカントロータ41の回転数を、周波数制御し得るようになっていると共に、前記露点温度偏差ΔTdprをPID演算して得られた弁開閉指令V6を、外気OAの加湿時に空気を水加湿するための加湿器44の加湿弁54に与え、加湿弁54の開度を制御し得るようになっている。露点温度調整部91においては、設定露点温度Tdproは、例えば、被空調空間の露点温度の設定値を用いるが、これは一例であり、任意の値に設定できる。
【0066】
演算制御装置83は、外気OAの除湿モード時に被空調空間へ送給される空気を除湿したデシカントロータ41の除湿剤の水分を加熱、除去することにより、デシカントロータ41を再生させるべく、加熱コイル56で、ダクト39から小チャンバ32b−1に導入された還気RAを加熱させる際に、この加熱量を制御してデシカントロータ41の除湿量を給気SAの露点温度に制御するための露点温度調整部92を備えている。すなわち、露点温度調整部92では、露点温度検出器81により検出したダクト38内の給気SAの露点温度Tdpdと、予め設定されている給気SAの設定露点温度Tdproの差を採って給気SAの露点温度偏差ΔTdprを求め、外気OAの除湿時におけるデシカントロータ41の再生時に、露点温度偏差ΔTdprをPID演算して得られた弁開閉指令V7を、デシカント空調機ユニット31での外気の除湿時に温水蓄熱タンク59からデシカント空調機ユニット31の加熱コイル56に供給された戻りの温水が通る管路63に設けられている流量制御弁65に与え、該流量制御弁65の開度を制御し得るようになっている。露点温度調整部92においては、設定露点温度Tdproは、例えば、被空調空間の露点温度の設定値を用いるが、これは一例であり、任意の値に設定できる。
【0067】
演算制御装置83は、除湿・加湿モード判断部85からの除湿モード、或は加湿モードにより切替り、外気OAの除湿時には、露点温度調整部88からの弁開閉指令V2を、又、外気OAの加湿時には、外気OAの加湿に先立っての加熱時に温度調整部89からの弁開閉指令V3を、温水の流量制御弁66に与え得るよう、セレクタ93を備えている。
【0068】
演算制御装置83は、除湿・加湿モード判断部85からの除湿モード、或は加湿モードにより切替り、外気OAの除湿時には、演算制御装置83のデシカントロータ定回転司令部94からのデシカントロータ定回転指令Cを、又、外気の加湿時には、露点温度調整部91からのデシカントロータ回転数指令V5を、デシカントロータ41のモータに与え得るよう、セレクタ95を備えている。
【0069】
次に、実施例1の作用について説明する。
実施例1では 、除湿モード或は加湿モードにより外気OAの除湿或は加湿を行なうが、先ずその前提条件の一例について、
図4、
図7、
図8をも参照しつつ説明する。すなわち、被空調空間としてはデータセンタを想定し、被空調空間では、年間を通して熱負荷が大きく、除湿負荷が発生しているとし、空調条件を以下に述べるように年間を通じて一定であるとする。なお、内調機は被空調空間内に設置されて被空調空間の負荷の処理を行い、デシカント空調機ユニット31は外気OAの負荷の処理を行い、被空調空間の負荷については潜熱負荷がなく、且つ、絶対湿度は一定であると仮定する。すなわち、デシカント空調機ユニット31は、外気OAを所定の温湿度に処理し、給気SAとして被空調空間へ送給するための装置であり、被空調空間の温湿度は内調機により制御されることになる。
【0070】
被空調空間内における条件は、除湿時においても加湿時においても、乾球温度(所謂、温度であり、以下同様である。)24℃DB、相対湿度50%RH、絶対湿度0.0093kg/kgDAである。
【0071】
又、デシカント空調機ユニット31の運転動作は除湿モードと加湿モードに分けて扱い、除湿時においては、給気SAの給気目標は、乾球温度X℃DB、絶対湿度0.0093kg/kgDA(後述の
図4における状態(v))とし、加湿時においては、乾球温度24℃DB、相対湿度65%RH、絶対湿度0.0093kg/kgDA(後述の
図7における状態(iv))とする。
【0072】
外気OAの除湿時のデシカント空調機ユニット31の給気目標をX℃DBとしたが、これは、冷却コイル42,43で冷却可能な温度まで冷却することである。冷却コイル42,43の冷却水は、冷凍機等を使用しないで冷却塔46で生成した冷却水を用いているため、何℃まで冷却できるかは、そのときの外気OAの温湿度状態の湿球温度で決まり、季節、天候、時刻でリアルタイムで決定される。このため、制御中の外気状態から冷却塔46において得られる冷却水により、外気OAを冷却できる限界温度を給気SAの温度とし、給気温度=外気湿球温度+3℃としている。因みに、夏期のピーク時に外気湿球温度が最も高くなり給気温度も高くなる。例えば、外気温度が33℃DB、相対湿度が60%RHの場合、外気湿球温度は27℃WBであり、夏期ピーク時の給気温度は、27℃+3℃=30℃まで、冷却されるものと見込んでいる(
図4の状態(iii)、(v)参照)。
【0073】
又、外気OAの除湿時には、デシカントロータ40,41の空気流れ方向下流側では、冷却コイル42,43により夫々冷却を行っているが、冷却コイル42の下流側の給気露点温度は、被空調空間の露点温度と外気露点温度の中間の値で、具体的には夏期ピークで12.9℃DPと、24.2℃DPの中間で18.6℃DPであり、冷却コイル43下流側では、被空調空間の露点温度で、年間を通して一定であり、具体的には12.9℃DPである。加湿時には、被空調空間の露点温度を給気露点温度とする。具体的には、年間を通して一定であり、12.9℃DPである。
【0074】
外気OAの加湿時の給気SAの温度目標は、被空調空間の温度条件と等しく、年間を通し一定の24℃である。すなわち、空気の加湿時の給気温度は24℃(後述の
図7の状態(iv))であるが、後述の
図7の空気線図では、状態(i)と状態(iv)に示すように、約1℃以下から44℃まで加熱された後、24℃まで下降することになる。又、
図7の状態(ii)と状態(iii)に示すように、還気RAはデシカントロータ41により加湿されることにより、温度は44℃から30℃まで下降する。なお、空気の状態(iii)は、状態(ii)の空気が状態(v)の空気から、デシカントロータ41において絶対湿度の差の70%(設計値)の水分を奪うものとして決定している(状態(iii)の絶対湿度=0.0013+(0.0093−0.0013)×0.7=0.0069kg/kgDA)。
【0075】
加湿器44では、デシカントロータ41での加湿では不足する分の水加湿を行っているが、加湿前後で空気の温度は、
図7に示すように30℃から24℃に下降する。加湿の手段は種々あるが、加湿器44により水加湿を行なうと、空気は状態(iii)から状態(iv)となる。又、加熱コイル57での加熱は温水蓄熱タンク59に蓄熱した温水を利用しているが、50℃から80℃程度の高温で蓄熱した温水を使用できるとすると、加熱温度に余裕ができるので、外気OAを加熱する際には、外気OAの状態でリアルタイムに加熱コイル57における加熱温度の限界が決まることはないと考えられる。外気OAの加湿時の給気露点温度は被空調空間の露点温度と等しく、年間を通じて一定の12.9℃DPである。
【0076】
デシカント空調機ユニット31から給気される給気SAの給気温度の制御目標値について、
図8の空気線図により説明すると、上記したように、除湿時には、夏期のピーク時に外気OAの湿球温度が最も高くなり、従って、給気SAの給気温度も高くなる。例えば、
図8に示すように、外気OAの乾球温度が33℃DBで相対湿度が60%RHの状態をP1とすると、P1から比エンタルピの線と平行に線を延ばし、飽和空気線(相対湿度100%RH)との交点をP2とし、P2から乾球温度の線に平行に下がったP3の乾球温度27℃DB(
図8では、P3は乾球温度26℃DBと27℃DBの間にあるが、大きめに見て27℃DBとする。)が湿球温度27℃WBとなる。この湿球温度27℃WBが外気湿球温度であり、上述したように、外気湿球温度+3℃を給気SAの給気温度とし、前述のダクト38内給気の設定温度Tsadoとする。
【0077】
又、デシカント空調機ユニット31から給気される給気SAの給気温度の制御目標値は、加湿時には、被空調空間の設定温度(前述の被空調空間の設定温度Tsaroであり、同様に、給気露点温度の制御目標値は、除湿時には、被空調空間の設定露点温度(前述の被空調空間の給気SAの設定露点温度Tdpro)であり、加湿時にも、被空調空間の設定露点温度(前述し後述もしている設定露点温度Tdpro)である。設定露点温度Tdproは13℃DPである。すなわち、
図8の空気線図に示すように、被空調空間の室温を24℃、相対湿度を50%RHとする場合の状態をP4とすると、P4から絶対湿度と平行に水平線を延ばし、相対湿度が100%RHとの交点をP5とし、P5から乾球温度の線に平行に下がったP6の乾球湿度が被空調空間の給気SAの設定露点温度13℃DPとなる。
【0078】
以下、場合を分けて説明する。
I)実施例1において除湿モードの場合(デシカント空調機ユニット31で外気OAを除湿する場合)
外気処理用空調システムが運転されている場合は、デシカント空調機ユニット31の上流側で温湿度検出器78により検出された、外気OAの乾球温度tと、相対湿度φは、演算制御装置83の外気露点温度演算部84に与えられ、温度検出器79で検出した冷却コイル42下流側の空気温度Tcdbは演算制御装置83の温度調整部87に与えられ、露点温度検出器80で検出した冷却コイル42下流側の空気の露点温度Tcdpは露点温度調整部88に与えられ、露点温度検出器81で検出したダクト38内の給気SAの露点温度Tdpdは露点温度調整部91,92に与えられ、温度検出器82で検出したダクト38内の給気SAの温度Tsadは、温度調整部89,90に与えられている。
【0079】
而して、外気露点温度演算部84では、前記[数1]、[数2]及びpw=pws×φ/100やPs=pwを基として外気露点温度Tdpoaが求められ、求められた外気露点温度Tdpoaは除湿・加湿モード判断部85へ与えられる。除湿・加湿モード判断部85では、外気露点温度Tdpoaが、Tdpoa>Tdpro+ΔTか、Tdpoa<Tdpro−ΔTか演算され、Tdpoa>Tdpro+ΔTの場合は、除湿モードと判断され、Tdpoa<Tdpro−ΔTの場合は、加湿モードと判断される(
図9参照)。
【0080】
例えば、除湿・加湿モード判断部85で除湿モードと判断された場合は、ダンパ切替え操作指示部86からダンパ73〜77,96に開閉指令が与えられ、ダンパの開閉が行なわれる。除湿モードの際に「全開」となるのはダンパ73,74,75であり、「全閉」となるのは、ダンパ76,77,96である。又、除湿モードの際には、デシカントロータ40,41が駆動され、給気ファン45が駆動され、排気ファン58が駆動され、冷却塔46、冷却水ポンプ47、温水ポンプ60が駆動されている。又、流量制御弁52,53,65,66は後述のように制御されて所定開度に開いており、加湿弁54は閉止している。更に又、温水蓄熱タンク59に集熱を行なう必要がある場合は、集熱ポンプ67が駆動されている。これは適宜行なわれる。
【0081】
演算制御装置83の温度調整部87では、温度検出器79により検出した冷却コイル42下流側の空気温度Tcdbと、予め設定されている冷却コイル42下流側の設定空気温度Tcdboの差を採って冷却コイル42下流側の空気温度偏差ΔTcdbが求められ、この空気温度偏差ΔTcdbはPID演算して弁開閉指令V1が求められ、この弁開閉指令V1は、冷却塔46からデシカント空調機ユニット31の冷却コイル42に供給されて冷却コイル42から冷却水が戻る管路50に設けられている流量制御弁52に与えられ、流量制御弁52の開度を制御する。このため、冷却塔46からの冷却水は、冷却水ポンプ47により、管路48、冷却コイル42、管路50、冷却塔46の間を流量制御されつつ循環している。
【0082】
露点温度調整部88では、露点温度検出器80で検出した冷却コイル42下流側の空気の露点温度Tcdpと、予め設定されている冷却コイル42下流側の空気の設定露点温度Tcdpoの差が採られて冷却コイル42下流側の空気の露点温度偏差ΔTcdpが求められ、この空気の露点温度偏差ΔTcdpはPID演算して弁開閉指令V2が求められ、この弁開閉指令V2はセレクタ93に与えられている。又、温度調整部89では、温度検出器82で検出したダクト38内の給気温度Tsadと、予め設定されている設定温度Tsaroの差が採られて給気温度偏差ΔTsarが求められ、この給気温度偏差ΔTsarはPID演算して弁開閉指令V3が求められ、この弁開閉指令V3はセレクタ93に与えられている。
【0083】
而して、外気OAの除湿時においては、セレクタ93には、除湿・加湿モード判断部85から除湿モードの指令が与えられているため、セレクタ93からは、露点温度調整部88からの弁開閉指令V2が出力され、温水蓄熱タンク59から加熱コイル57に供給されて加熱コイル57から温水が戻る管路64に設けられている流量制御弁66に与えられ、流量制御弁66の開度を制御する。このため、温水蓄熱タンク59からの温水は、温水ポンプ60により管路61,62、加熱コイル57、管路64,63、温水蓄熱タンク59の間を流量制御されつつ循環している。
【0084】
温度調整部90では、温度検出器82で検出したダクト38内の給気温度Tsadと、予め設定されているダクト38内の給気の設定温度Tsadoの差が採られてダクト38内の給気温度偏差ΔTsadが求められ、この給気温度偏差ΔTsadはPID演算されて弁開閉指令V4が求められ、この弁開閉指令V4は、冷却塔46からデシカント空調機ユニット31の冷却コイル43に供給されて冷却コイル43から冷却水が戻る管路51に設けられている流量制御弁53に与えられ、流量制御弁53の開度を制御する。このため、冷却塔46からの冷却水は、冷却水ポンプ47により、管路48,49、冷却コイル43、管路51,50、冷却塔46の間を流量制御されつつ循環している。
【0085】
露点温度調整部91では、露点温度検出器81により検出したダクト38内の給気の露点温度Tdpdと、給気の設定露点温度Tdproの差が採られて給気の露点温度偏差ΔTdprが求められ、この露点温度偏差ΔTdprはPID演算されてデシカントロータ回転数指令V5が求められ、このデシカントロータ回転数指令V5は、セレクタ95に与えられるが、空気の除湿時には、セレクタ95はデシカントロータ定回転司令部94側に切替っているため、デシカントロータ回転数指令V5はデシカントロータ41のモータに与えられることはない。しかし、デシカントロータ定回転司令部94からのデシカントロータ定回転指令Cがセレクタ95からデシカントロータ41のモータに与えられるため、外気OAの除湿時には、デシカントロータ41は、モータの周波数が調整されてインバータ制御が行われ、回転数は定回転制御されている。又、露点温度偏差ΔTdprはPID演算されて弁開閉指令V6が求められ、この弁開閉指令V6は、空気の除湿時に加湿器44の加湿弁54へ与え得るようになっている。しかし、外気OAの除湿時には、弁開閉指令V6は加湿器44の加湿弁54には与えられないため加湿弁54は閉止している。
【0086】
露点温度調整部92では、露点温度検出器81で検出したダクト38内の給気の露点温度Tdpdと、設定露点温度Tdproの差が採られて給気の露点温度偏差ΔTdprが求められ、この露点温度偏差ΔTdprはPID演算されて弁開閉指令V7が求められ、この弁開閉指令V7は、温水蓄熱タンク59から加熱コイル56に供給されて加熱コイル56から温水が戻る管路63に設けられている流量制御弁65に与えられ、流量制御弁65の開度を制御する。このため、温水蓄熱タンク59からの温水は、温水ポンプ60により管路61、加熱コイル56、管路63、温水蓄熱タンク59との間を流量制御されつつ循環している。
【0087】
外気OAの除湿時には、高温、高湿の外気OAは、
図3に示すように、ダクト36からデシカント空調機ユニット31のハウジング32におけるチャンバ32aに導入され、チャンバ32aに送給された外気OAは、回転している第一段目のデシカントロータ40のハニカム部に充填されている、小チャンバ32b−2側で再生された除湿剤を通り断熱除湿される。この際、除湿により外気OA(空気)は潜熱が低下し、除湿時の反応熱(蒸発潜熱)により外気OA(空気)の顕熱は増加して空気の温度は上昇する。
【0088】
デシカントロータ40で断熱除湿された空気は、冷却塔46と冷却コイル42の間で循環している冷却水によりデシカントロータ40の空気流れ方向下流側において冷却コイル42により冷却されて顕熱が下降し、第二段目のデシカントロータ41に供給される。而して、デシカントロータ41に導入された空気は、デシカントロータ41のハニカム部に充填されている、小チャンバ32b−2側で再生された除湿剤を通り断熱除湿される。この際、除湿により空気は潜熱が低下し、除湿時の反応熱(蒸発潜熱)により空気の顕熱は増加して空気の温度は上昇する。
【0089】
デシカントロータ41で断熱除湿された空気は、冷却塔46と冷却コイル43の間で循環している冷却水によりデシカントロータ41の空気流れ方向下流側において冷却コイル43により冷却されて顕熱が下降し、冷却コイル43で冷却された空気は、加湿器44で加湿されることなく、給気ファン45により所定の温度の給気SAとしてダクト38へ送給され、ダクト38から後工程の被空調空間へ送給される。被空調空間では、給気SAは被空調空間内の空気と混合し、混合空気として内調機(図示せず)に送給され、内調機から空調用空気として被空調空間へ送出される。この場合、被空調空間は除湿負荷がないため、空気は内調機では、除湿を行なわれることなく、被空調空間へ送出される。又、被空調空間内の空気の一部は、還気RAとして被空調空間からダクト39へ排気される。
【0090】
ダクト39へ排出された還気RAは、ダクト39からデシカント空調機ユニット31のハウジング32における小チャンバ32b−1に導入され、温水蓄熱タンク59と加熱コイル56とを循環している温水により、加熱コイル56において加熱されて高温となり、デシカントロータ41へ送給されて、チャンバ32a側から小チャンバ32b−1側へ回転しているデシカントロータ41の除湿剤を加熱することにより、除湿剤の乾燥による再生が行なわれる。このため、除湿剤の再生を行なった還気RA(空気)は、潜熱が上昇し、顕熱が下降する。
【0091】
デシカントロータ41から送出された空気は、ダンパ74を通って小チャンバ32b−2に送給され、温水蓄熱タンク59と加熱コイル57とを循環している温水により、加熱コイル57において加熱されて高温となり、デシカントロータ40へ送給されて、チャンバ32a側から小チャンバ32b−2側へ回転しているデシカントロータ40の除湿剤を加熱することにより、除湿剤の乾燥による再生が行なわれる。このため、除湿剤の再生を行なった還気RA(空気)は、潜熱が上昇し、顕熱が下降する。
【0092】
デシカントロータ40の再生に供せられた空気は、ダンパ75を通って小チャンバ32b−3に送給され、排気ファン58により屋外へ排出される。
【0093】
実施例1の除湿時の空気の状態を空気線図に示すと
図4に示すようになる。
図4中、OAは外気、SAは給気、RAは還気、MAは給気SAと還気RAが混合した混合空気、EAは排気である。又、還気RAの流量と給気SAの流量の比は約4対1、被空調空間の顕熱比SHFは約1である。又、
図4において、DR1はデシカントロータ40、DR2はデシカントロータ41、CC1は冷却コイル42、CC2は冷却コイル43、HC1は加熱コイル57、HC2は加熱コイル56である(
図1参照)。更に、
図4においにおいてArwは外気除湿時負荷(デシカント空調機ユニット31における外気OAの除湿時の処理負荷で、顕熱と潜熱を合計した全熱)、Lcc1は冷却コイル冷却負荷(冷却コイル42の冷却負荷(顕熱))、Lcc2は冷却コイル冷却負荷(冷却コイル43の冷却負荷(顕熱))、Lhc1は加熱コイル加熱負荷(加熱コイル57の加熱負荷(顕熱))、Lhc2は加熱コイル加熱負荷(加熱コイル56の加熱負荷(顕熱))、Drwはデシカント空調機ユニット除湿時負荷(除湿時のデシカント空調機ユニット31におけるデシカントロータ40,41の外気除湿負荷で潜熱)である。
図3における(i)〜(x)は、空気の状態を示すシステム上の位置を示しており、
図4の空気線図の(i)〜(x)は、
図3の位置(i)〜(x)における空気の状態を示している。
【0094】
以下、空気の状態を
図3、
図4により説明する。ダクト36からダンパ73を経てデシカント空調機ユニット31のハウジング32におけるチャンバ32aに導入された外気OAは、デシカントロータ40の空気流れ方向上流側の
図3に示す位置(i)では、
図4の状態(i)にある。而して、回転しているデシカントロータ40へ導入されてデシカントロータ40を通過した外気OAは、デシカントロータ40の除湿剤により除湿され、絶対湿度が下降して潜熱が低下すると共に、除湿される際の反応熱により温度が上昇して顕熱が上昇し、除湿された空気はデシカントロータ40の空気流れ方向下流側における位置(ii)では、
図4の状態(ii)となる。
【0095】
空気は
図3の位置(ii)から冷却コイル42を通り、冷却塔46と冷却コイル42を循環している冷却水により冷却コイル42において冷却されて温度の下降により顕熱が低下し、冷却コイル42の空気流れ方向下流側の位置(iii)では、
図4の状態(iii)となる。すなわち、状態(iii)では、空気の乾球湿度は約30℃DB、絶対湿度は約0.014kg/kgDAである。又、冷却コイル42で冷却された空気は、デシカントロータ41へ導入され、定回転しているデシカントロータ41を通過した空気は、デシカントロータ41の除湿剤により除湿され、絶対湿度が下降して潜熱が低下すると共に、除湿される際の反応熱により温度が上昇して顕熱が上昇し、除湿された空気はデシカントロータ41の空気流れ方向下流側における位置(iv)では、
図4の状態(iv)となる。
【0096】
空気は
図3の位置(iv)から冷却コイル43を通り、冷却塔46と冷却コイル43を循環している冷却水により冷却コイル43において冷却されて温度の下降により顕熱が低下し、冷却コイル43の空気流れ方向下流側の位置(v)では、
図4の状態(v)となり、給気ファン45により給気SAとしてダクト38へ送出され、後工程の被冷却空間へ送給される。
図4の状態(v)においては、給気SAの乾球温度は約30℃DB、絶対湿度は約0.009kg/kgDAである。
【0097】
ダクト38から被空調空間に送給された給気SAは、被空調空間内の空気と混合して混合空気MAとなり、この混合空気MAは内調機(図示せず)に導入され処理されて空調用空気として被空調空間へ導出され、被空調空間の冷却に供される。被空調空間内は、乾球温度が19℃DB、相対湿度が約65%RHである。被空調空間内の空気の一部は、還気RAとしてダクト39へ排出され、ダクト39からデシカント空調機ユニット31のハウジング32におけるチャンバ32bのうちの小チャンバ32b−1に導入される。
【0098】
小チャンバ32b−1に導入された還気RAは、加熱コイル56の還気流れ方向上流側における位置(vi)においては、
図4の状態(vi)であり、加熱コイル56において、温水蓄熱タンク59と加熱コイル56とを循環している温水により加熱されて加熱コイル56の空気流れ方向下流側の位置(vii)では、
図4の状態(vii)となる。
【0099】
加熱コイル56で加熱された空気は、定回転しているデシカントロータ41に導入されて、デシカントロータ41の小チャンバ32b−1側に来た、チャンバ32a側での空気の除湿により水分を含んだ除湿剤を加熱、乾燥させ、デシカントロータ41を再生させる。而して、デシカントロータ41の空気流れ方向下流側の位置(viii)においては、空気は
図4の状態(viii)である。
【0100】
デシカントロータ41を再生させた空気は、小チャンバ32b−1からダンパ74を通って、チャンバ32bの小チャンバ32b−2に導入され、加熱コイル57において、温水蓄熱タンク59と加熱コイル57を循環している温水により加熱されて加熱コイル57の空気流れ方向下流側の位置(ix)では、
図4の状態(ix)となる。
【0101】
加熱コイル57で加熱された空気は、回転しているデシカントロータ40に導入されて、デシカントロータ40の小チャンバ32b−2側に来た、チャンバ32a側で空気の除湿により水分を含んだ除湿剤を加熱、乾燥させ、デシカントロータ40を再生させる。而して、デシカントロータ40の空気流れ方向下流側の位置(x)においては、空気は
図4の状態(x)である。而して、デシカントロータ40を再生させた空気は排気ファン58によりダクト37から屋外へ排出される。
【0102】
II)実施例1で加湿モードの場合(外気OAを加湿する場合)
外気OAを除湿する場合と同様、外気処理用空調システムが運転されている場合は、デシカント空調機ユニット31の上流側で温湿度検出器78により検出された、外気OAの乾球温度tと、相対湿度φは、演算制御装置83の外気露点温度演算部84に与えられ、温度検出器79で検出した冷却コイル42下流側の空気温度Tcdbは演算制御装置83の温度調整部87に与えられ、露点温度検出器80で検出した冷却コイル42下流側の空気の露点温度Tcdpは露点温度調整部88に与えられ、露点温度検出器81で検出したダクト38内の給気SAの露点温度Tdpdは露点温度調整部91,92に与えられ、温度検出器82で検出したダクト38内の給気温度Tsadは、温度調整部89,90に与えられている。而して、外気露点温度演算部84では、上記[数1]、[数2]及びpw=pws×φ/100やPs=pwを基として外気露点温度Tdpoaが求められ、求められた外気露点温度Tdpoaは除湿・加湿モード判断部85へ与えられる。除湿・加湿モード判断部85では、外気露点温度Tdpoaが、Tdpoa>Tdpro+ΔTか、Tdpoa<Tdpro−ΔTか演算され、Tdpoa>Tdpro+ΔTの場合は、除湿モードと判断され、Tdpoa<Tdpro−ΔTの場合は、加湿モードと判断される(
図9参照)。
【0103】
例えば、除湿・加湿モード判断部85で加湿モードと判断された場合は、ダンパ切替え操作指示部86からダンパ73〜77、96に開閉指令が与えられ、ダンパの開閉が行なわれる。加湿モードの際に「全開」となるのはダンパ76,96,77であり、「全閉」となるのは、ダンパ73,74,75である。又、加湿モードの際には、デシカントロータ41が駆動され、デシカントロータ40は停止しており、給気ファン45が駆動され、排気ファン58が駆動され、冷却塔46、冷却水ポンプ47は停止され、温水ポンプ60は駆動されている。又、流量制御弁66、加湿弁54は後述のように制御されて所定開度に開き、流量制御弁52,53,65は閉止している。更に又、加湿モード時には、演算制御装置83の温度調整部87,90、露点温度調整部92からは指令が出力されないため、流量制御弁52,53,65は閉止している。温水蓄熱タンク59に集熱を行なう必要がある場合は、集熱ポンプ67が駆動されている。これは適宜行なわれる。
【0104】
外気OAの加湿時には、演算制御装置83の温度調整部87からは指令は出力されないため、冷却塔46の管路50に設けた流量制御弁52は前述したように閉止している。
【0105】
外気OAの加湿時には、露点温度調整部88では、露点温度検出器80で検出した冷却コイル42下流側の空気の露点温度Tcdpと、予め設定されている冷却コイル42下流側の空気の設定露点温度Tcdpoの差が採られて冷却コイル42下流側の空気の露点温度偏差ΔTcdpが求められ、この露点温度偏差ΔTcdはPID演算されて弁開閉指令V2が求められ、求められた弁開閉指令V2はセレクタ93に与えられている。
【0106】
又、温度調整部89では、温度検出器82で検出したダクト38内の給気温度Tsadと、予め設定されている設定温度Tsaroの差が採られて給気温度偏差ΔTsarが求められ、この給気温度偏差ΔTsarはPID演算されて弁開閉指令V3が求められ、求められた弁開閉指令V3はセレクタ93に与えられている。而して、外気OAの加湿時には、セレクタ93には、除湿・加湿モード判断部85から加湿モードの指令が与えられているため、セレクタ93からは、温度調整部89からの弁開閉指令V3が、温水蓄熱タンク59から加熱コイル57に供給された温水が戻る管路64に設けられている流量制御弁66に与えられ、流量制御弁66の開度を所定開度に制御する。このため、温水蓄熱タンク59からの温水は、温水ポンプ60により管路61,62、加熱コイル57、管路64,63、温水蓄熱タンク59と循環している。
【0107】
外気OAの加湿時には、演算制御装置83の温度調整部90からは指令が出力されないため、冷却塔46の管路51に設けた流量制御弁53は前述したように閉止している。
【0108】
露点温度調整部91では、露点温度検出器81で検出したダクト38内の給気SAの露点温度Tdpdと、予め設定された給気の設定露点温度Tdproの差が採られて給気の露点温度偏差ΔTdprが求められ、露点温度偏差ΔTdprはPID演算されてデシカントロータ回転数指令V5が求められ、このデシカントロータ回転数指令V5は、セレクタ95を経てデシカントロータ41に与えられ、デシカントロータ41のモータはインバータ制御により周波数を調整されるため、デシカントロータ41は所定の回転数に制御される。又、露点温度調整部91では、露点温度偏差ΔTdprがPID演算されて弁開閉指令V6が求められ、求められた弁開閉指令V6は、加湿器44の加湿弁54に与えられ、加湿弁54は所定の開度に制御される。
【0109】
外気OAの加湿時には、露点温度調整部92からは指令が出力されないため、温水蓄熱タンク59に接続された管路63の流量制御弁65は閉止している。
【0110】
外気OAの加湿時にダクト36へ導入された低温、低湿の外気OAは、
図6に示すようにダクト36,71を経てデシカント空調機ユニット31のチャンバ32bのうちの小チャンバ32b−2に送給され、温水蓄熱タンク59と加熱コイル57とを循環している温水により、加熱コイル57において加熱され、小チャンバ32b−2からダンパ96を経てチャンバ32aに送給される。又、加熱コイル57で加熱された空気は、チャンバ32a側において、回転しているデシカントロータ41を通ることにより、小チャンバ32b−1側で還気RAを除湿することにより除湿剤に含まれた水分によって加湿される(除湿剤からすると、除湿剤は乾燥されてデシカントロータ41を再生させることになる。)と共に、除湿剤からの水分が蒸発することによる蒸発潜熱により冷却され、冷却コイル43では冷却されることなく通過して加湿器44からの加湿水により加湿され、給気ファン45により給気SAとしてダクト38を通り、次工程の被空調空間へ送給される。又、給気SAは、被空調空間内の空気と混合して混合空気となり、内調機(図示せず)に導入されて処理され、内調機から空調用空気として被空調空間へ送給され、被空調空間を加湿する。
【0111】
被空調空間の空気の一部は、還気RAとして、ダクト39からチャンバ32bのうちの小チャンバ32b−1に送給され、加熱コイル56においては加熱されることなく通過して回転しているデシカントロータ41に送給される。而して、デシカントロータ41においては、還気RAに含まれている水分は、デシカントロータ41が回転することにより小チャンバ32b−1側にきた除湿剤により吸収されて除湿され、その結果還気RAは、除湿の際の反応熱により加熱されて顕熱が付与されて温度が上昇すると共に、潜熱を除去され、デシカントロータ41を通過後は、小チャンバ32b−1からダクト72へ送給され、ダクト72から、ハウジング32のチャンバ32bのうちの小チャンバ32b−3を経て排気ファン58によりダクト37から屋外に排出される。
【0112】
実施例1の加湿時の空気の状態を空気線図に示すと
図7に示すようになる。
図7中、OAは外気、SAは給気、RAは還気、MAは給気SAと還気RAが混合した混合空気である。又、還気RAの流量と給気SAの流量の比は約4対1、被空調空間の顕熱比SHFは約1である。又、
図7において、DR2はデシカントロータ41、HC1は加熱コイル57である(
図1参照)。更に、
図7において、Aawは外気加湿時負荷(デシカント空調機ユニット31における外気OAの加湿時の負荷で、顕熱と潜熱を合計した全熱)、Lhc1は加熱コイル加熱負荷(加熱コイル57の加熱負荷(顕熱))、Ddr2はデシカントロータ加湿負荷(デシカントロータ41における加湿負荷(潜熱))、Dwwは加湿器加湿負荷(加湿器44の加湿負荷(潜熱))、Dawはデシカント空調機ユニット加湿時負荷(デシカントロータ41における加湿負荷Ddr2と、加湿器44の加湿負荷Ddwwとの合計(潜熱))である。
図6における(i)〜(vi)は、空気の状態を示すシステムの位置を示しており、
図7の空気線図の(i)〜(vi)は、
図6の位置(i)〜(vi)における空気の状態を示している。
【0113】
以下、外気OAの加湿時の空気の状態を
図6、
図7により説明する。
図6に示すチャンバ32bのうちの小チャンバ32b−2における加熱コイル57の空気流れ方向上流側の位置(i)では、外気OAは
図7の状態(i)にある。而して、外気OAは、加熱コイル57において加熱され、小チャンバ32b−2からダンパ96を通ってチャンバ32aに送給され、チャンバ32a側では、デシカントロータ41の空気流れ方向上流側の位置(ii)においては、空気は状態(ii)となる。而して、空気はチャンバ32a側においてデシカントロータ41を通ることにより、小チャンバ32b−1側において還気RAが除湿された結果、除湿剤に含まれている水分により加湿されて潜熱が上昇すると共に、除湿剤の水分の蒸発潜熱により冷却され、デシカントロータ41の空気流れ方向下流側の位置(iii)では、空気は状態(iii)となる。
【0114】
空気はチャンバ32aの位置(iii)から冷却コイル43では冷却されることなく加湿器44へ送給され、加湿器44では、加湿水を噴霧されて潜熱が上昇すると共に加湿水の蒸発潜熱により冷却され、給気ファン45により給気SAとしてダクト38へ送出される。而して、ダクト38内の位置(iv)では、給気SAは状態(iv)である。
【0115】
ダクト38へ送給された給気SAは被空調空間へ送給され、被空調空間内の空気と混合し、混合空気として内調機(図示せず)に導入され、処理されて空調用空気として被空調空間へ送出され、被空調空間の空調に供される。内調機からの被空調空間へ送給された空気の一部は還気RAとして排出されて、ダクト39に排出され、チャンバ32bの小チャンバ32b−1に送給され、デシカントロータ41側へ送られる。還気RAのデシカントロータ41における還気流れ方向の位置(v)においては、還気RAは状態(v)であり、小チャンバ32b−1側においてデシカントロータ41の除湿剤を通る。このため、還気RAは除湿されて潜熱が下降すると共に、反応熱により顕熱が上昇する。而して、デシカントロータ41の空気流れ方向下流側の位置(vi)においては、空気は状態(vi)である。
【0116】
デシカントロータ41の空気流れ方向下流側の空気は、小チャンバ32b−1の位置(vi)からダクト72へ流出し、ダクト72からチャンバ32bの小チャンバ32b−3に送給され、排気ファン58により排気EAとしてダクト37から屋外に排出される。
【0117】
実施例1によれば、被空調空間へ送給する外気OAの除湿時には、2段のデシカントロータ40,41により順次除湿しており、従来の
図12に示すような回転式の顕熱交換ロータ5を用いていないので、顕熱交換ロータ5の回転によりロータ通過中の外気OAが反対側のチャンバ(
図13のデシカント空調機ユニット1の場合は、チャンバ2b側からチャンバ2a側)に移行することがなく、又、チャンバ32aを流通する空気の冷却に冷却コイル42,43を用いているため、給気SAに汚染物質が混入することを防止することができる。
【0118】
又、デシカント空調機ユニット31での除湿時の処理負荷の軽減により、デシカント空調機ユニット31の除湿剤を再生する場合に、太陽集熱器69で集熱した太陽熱を利用して加熱した温水を使用することができるため、自然エネルギの利用が可能で、石油や石炭等の化石燃料を使用したボイラやヒートポンプ若しくは冷温水発生機を用いる必要がなく、且つ、太陽熱を利用して加熱した空気により除湿剤の再生が可能で除湿性能を良好に保持することができ、又、冷却コイル63での空気の冷却に冷却塔46で空冷した冷却水といった自然エネルギの利用が可能で、冷凍機等を使用する必要がない。このため、省資源、省エネルギが可能で、運転維持費を安価にすることができる。
【0119】
同様に、デシカントロータ40,41により2段除湿を行なうことで1段当りの除湿量を少なくできるので、各デシカントロータ40,41を再生させるための再生用空気の加熱温度を、デシカントロータが1基しか設けられていない場合に比較して低くすることができ、従って、熱源では低い温度の熱エネルギを生成すれば良く、熱源が太陽集熱器69の場合は、集熱温度を低くすることができるため、自然エネルギである太陽熱の有効利用を図ることができる。又、集熱温度を低くすることができるため、太陽集熱器69のパネル面積や温水蓄熱タンク59の熱源容量を小さくすることができる。
【0120】
因みに、
図1の外気処理用空調システムと同様な外気処理用空調システムにおいて、デシカントロータ40の1基のみが設けられ、デシカントロータ41が設けられていない場合の、外気OAの除湿時の空気線図は
図5に示すようになる。この場合、冷却コイル42は設けられているが、冷却コイル43は設けられてはおらず、加熱コイル56は設けられているが、加熱コイル57は設けられていない。
図5中、DR1はデシカントロータ40、CC1は冷却コイル42、HC2は加熱コイル56である。更に、
図5においにおいてLhc1は加熱コイル加熱負荷(デシカントロータ40の再生用空気負荷)、Drwrはデシカント空調機ユニット実除湿量(デシカントロータ40の実際の除湿量)、Drwiはデシカント空調機ユニット理想除湿量(デシカントロータ40の理想的な除湿量)である。
図5における(i)、(ii)、(iii)、(vi)(vii)、(x)は、空気の状態を示しており、
図3の位置(i)、(ii)、(iii)、(vi)(vii)、(x)に相当している。但し、
図3のデシカントロータ41、冷却コイル43、加熱コイル57は設けられていないものとする。
図5の状態(ii)は相対湿度線Aとの交点であり、(ii')は相対湿度線Bとの交点である。
【0121】
状態(ii')の位置は、デシカントロータ40の種類や形状により異なるものと考えられるが、空調を行なう空気状態の範囲においては、状態(i)→状態(ii)の長さと、状態(i)→状態(ii')との長さは比率が略一定になることが分かったので、空気線図上の空気の作動を決定する場合、状態(i)→状態(ii)の長さと、状態(i)→状態(ii')との長さは比率が略一定であると仮定して状態(ii')を決定している。実施例1では、[(状態(i)→状態(ii)の長さ)/(状態(i)状態(ii')との長さ)]≒0.7としている。つまり、デシカントロータ40の実際の除湿量Drwrは、理想的な除湿量Drwiの約0.7倍である。
【0122】
又、デシカントロータ再生用空気は、状態(ii')と同一の相対湿度状態の再生用空気が必要となる。例えば、状態(vi)の還気RAを再生用空気として用いると、デシカントロータが1基の場合、還気RAは状態(vii)まで加熱する必要があり、82.3℃とする必要がある。然るに、2基のデシカントロータ40,41を設けた場合には、
図4の状態(vii)と状態(ix)に示すように再生用空気の温度は状態(ix)で約54℃となり、実施例1の場合、再生用空気の加熱温度を低くすることができる。
【0123】
更に、従来のような回転式の顕熱交換ロータを用いていないので、顕熱交換ロータの回転によりロータ通過中の外気OAが反対側のチャンバ(
図12のデシカント空調機ユニット1の場合は、チャンバ2b側からチャンバ2a側)に移行することがなく、従って、デシカントロータ40,41の除湿剤を再生させるために取り込まれた還気RAが、デシカントロータ40,41で除湿される空気(外気OA)の側に持ち込まれることがなく、その結果、デシカントロータ40,41での外気OAの除湿性能を良好に保持することができる。
【0124】
更に又、外気OAの加湿時の給気ファン45の送風抵抗が減少する。すなわち、
図12に示す従来のデシカント空調機ユニット1における外気OAを処理して給気SAとするチャンバ2aの系統では、デシカント除湿ロータ4、冷却コイル6、加湿器8以外に、チャンバ2a,2bに跨って顕熱交換ロータ5を設けると共に、チャンバ2aに加熱コイル7を設けていたため、チャンバ2aの系統に設けた給気ファン9の送風圧力が大きく(前述したように、圧力損失の合計は410[Pa])、給気ファン9の電力消費量が大きかった。
【0125】
しかし、実施例1のデシカント空調機ユニット31では、ダンパ73〜77、96の切替えにより、外気OAの加湿時には使用しないデシカントロータ40、冷却コイル42を空気が通る必要がないため、給気ファン45の送風圧力を減少させることができる。従って、給気ファン9の電力消費量を小さくすることができ、省エネルギを図ることができる。因みに、外気OAの加湿時に空気が送給される系統では、ダンパ76の圧力損失10[Pa]、加熱コイル57の圧力損失45[Pa]、ダンパ96の圧力損失10[Pa]、デシカントロータ41の圧力損失100[Pa]、冷却コイル43の圧力損失120[Pa]、加湿器44の圧力損失40[Pa]であり、合計の圧力損失325[Pa]は、
図12の従来の空調システムにおける外気OA加湿時の圧力損失410[Pa]よりも少ない。
【0126】
なお、本発明の外気処理用空調システムは、上述の実施例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。