(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記一対のリング状の補助マグネットの一方は、ロータコアの回転方向の位相において、前記対向面のN極の位相が、前記ロータコアの前記外周面のN極の位相に対してα°(α>0)ずれるように設けられており、
前記一対のリング状の補助マグネットの他方は、ロータコアの回転方向の位相において、前記対向面のN極の位相が、前記ロータコアの前記外周面のN極の位相に対して−α°(α>0)ずれるように設けられている、
ことを特徴とする請求項1に記載のロータ。
前記補助マグネットの前記対向面のN極の位相を、前記ロータコアの前記外周面のN極の位相に対してずらした場合、前記ロータコアの前記外周面のN極の位置に対する、前記補助マグネットの前記対向面のN極の位相に対応する外周部の位置のロータコア回転方向へのずらし長さX[mm]は、ロータコアの周方向における板状マグネットの厚みをLm[mm]とすると、下記式
0.2≦X/Lm≦2.0
を満たすように構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載のロータ。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を適宜省略する。また、以下に述べる構成は例示であり、本発明の範囲を何ら限定するものではない。以下では、インナーロータタイプのブラシレスモータを例に説明する。
【0023】
(第1の実施の形態)
[ブラシレスモータ]
図1は、第1の実施の形態に係るブラシレスモータの断面図である。第1の実施の形態に係るブラシレスモータ(以下、「モータ」と称する場合がある。)100は、フロントベル10と、ロータ12と、ステータ14と、エンドベル16と、ハウジング18と、給電部20と、を備える。
【0024】
フロントベル10は、板状の部材であり、中央に回転シャフト24が貫通できるように孔10aが形成されているとともに、孔10aの近傍に軸受22aを保持する凹部10bが形成されている。また、エンドベル16は、板状の部材であり、中央に回転シャフト24が貫通できるように孔16aが形成されているとともに、孔16aの近傍に軸受22bを保持する凹部16bが形成されている。ハウジング18は、筒状の部材である。そして、フロントベル10、エンドベル16およびハウジング18は、モータ100の筐体を構成する。
【0025】
[ロータ]
図2は、第1の実施の形態に係るロータの分解斜視図である。
図3(a)は、軸受やバックヨーク等を除く各部材を回転シャフト24に取り付けた状態のロータの斜視図、
図3(b)は、軸受やバックヨークを含む各部材を回転シャフト24に取り付けた状態のロータの斜視図である。
【0026】
ロータ12は、円形のロータコア26と、複数のθマグネット28と、ロータコアの回転軸方向の両端面のそれぞれにロータコア26と対向するように配置された一対のリング状の補助マグネットであるZマグネット29と、バックヨーク31と、を備える。Zマグネット29は、ロータコア26とバックヨーク31とにより挟持される。本実施の形態に係るZマグネット29は、複数(16個)の扇形の小片29aをリング状に配置したものであり、小片29a同士の間には隙間がある。小片29a同士は吸引力が働くため、隙間が一定間隔に保持されるように、その隙間に非磁性部材を配置し、もしくはバックヨーク31に凸形状を設けてもよい。
【0027】
また、Zマグネット29は、
図3(a)に示すように、ロータコア26の回転軸方向の端面と対向する対向面およびその反対側の面に、N極とS極とが環状に交互に形成されている。つまり、Zマグネット29の小片29aは、平らな一方の面にS極、平らな他方の面にN極が形成されている。
【0028】
ロータコア26の中心には、回転シャフト24が挿入された状態で固定される貫通孔26aが形成されている。また、ロータコア26は、θマグネット28が挿入され固定される複数のマグネット収容部26bを有する。θマグネット28は、マグネット収容部26bの形状に対応した板状の部材である。
【0029】
そして、これら各部材を順に組み立てる。具体的には、複数(16個)のθマグネット28のそれぞれを、対応するマグネット収容部26bに嵌め込み、そのロータコア26の貫通孔26aに回転シャフト24を挿入する。また、ロータコア26の回転軸方向の両端面にZマグネット29を固定し、各Zマグネット29を挟むようにバックヨーク31を両側から回転シャフト24に挿入する。そして、軸受22aは、スペーサ30aを介して回転シャフト24に取り付けられる。また、軸受22bは、スペーサ30bおよび軸受用スペーサ32を介して回転シャフト24に取り付けられる。
【0030】
図4(a)は、第1の実施の形態に係るロータ12の側面図、
図4(b)は、
図4(a)の回転シャフト24を含む平面で切断した断面図である。
【0031】
図4(b)の領域Eに示すように、バックヨーク31のZマグネット29と対向する面の外縁部には、Zマグネット29の飛散を防止するための環状の爪部(厚肉部)31aが形成されている。これにより、Zマグネット29を構成する小片29aがモータ回転時の遠心力によって外側へ飛散することが防止される。
【0032】
[ロータコア]
図5(a)は、第1の実施の形態に係るロータコア26の上面図、
図5(b)は、
図5(a)に示すロータコア26にθマグネット28を嵌め込んだ状態を示す上面図である。ロータコア26は、複数の板状の部材を積層したものである。複数の板状の部材のそれぞれは、無方向性電磁鋼板(例えばケイ素鋼板)または冷延鋼板からプレス加工によって
図5(a)に示すような所定の形状で打ち抜くことで作製される。そして、マグネット収容部26bは、ロータコア26の回転軸を中心に放射状に形成されている。
【0033】
θマグネット28は、
図5(b)に示すように、隣接するθマグネットと同じ磁極同士がロータコア26の周方向θにおいて対向するようにマグネット収容部26bに収容されている。つまり、θマグネット28は、略直方体の6つの面のうち表面積の広い2つの主面28a,28bがそれぞれN極とS極となるように構成されている。これにより、θマグネット28の主面28aから出た磁力線は、2つのθマグネット28の間の領域からロータコア26の外に向かう。その結果、本実施の形態に係るロータ12は、その外周面の周方向に、N極とS極が交互に8極ずつ計16極ある磁石として機能する。
【0034】
なお、θマグネット28は、例えば、ボンド磁石や焼結磁石である。ボンド磁石は、ゴムや樹脂などに磁性材を練り込みんで射出成形または圧縮成形した磁石であり、後加工をしなくても高精度のC面(斜面)やR面を得られる。一方、焼結磁石は、粉末状の磁性材を高温で焼き固めた磁石であり、ボンド磁石よりも残留磁束密度を向上させやすいが、高精度のC面やR面を得るためには後加工が必要な場合が多い。
【0035】
本実施の形態に係るロータ12は、その外周部での平均磁束密度を向上するために、以下の関係を満たすように設定されている。具体的には、θマグネット28の磁極がある主面28a(28b)の表面積をS
1[mm
2]、ロータコア26の外周面26cの表面積をS
2[mm
2]、ロータ12の磁極数をP(本実施の形態では16極)とすると、
S
1>S
2/P
を満たすようにロータ12が構成されている。
【0036】
この場合、θマグネット1個あたりのロータコア26の外周面26cの表面積S
2/Pが、θマグネット28の磁極がある主面28a(28b)の表面積S
1より小さくなる。つまり、一つのθマグネット28の磁極がある主面28a(28b)から出た磁力線が、より狭い領域であるロータ12の外周面の一部領域(表面積S
2/P)から外へ向かうことで、ロータ12とステータ14とのギャップ部での平均磁束密度をθマグネット28の残留磁束密度以上にすることが可能となる。その結果、ロータ12の外周部での平均磁束密度を向上できる。
【0037】
次に、マグネット収容部26bについて更に詳述する。
図5(a)に示すように、ロータコア26のロータ径方向の両端には、θマグネット28が収容された状態で隙間となる周方向逃がし部34a,34bが形成されている。
【0038】
図6(a)は、
図5(a)のA領域の拡大図、
図6(b)は、
図5(a)のB領域の拡大図である。
【0039】
図6(a)に示すようにマグネット収容部26bは、ロータコア26の径方向であってロータコアの中心側の端部に、θマグネット28が収容された状態で隙間となる周方向逃がし部34aが形成されている。周方向逃がし部34aは、収容されているθマグネット28の磁極がある主面28a,28bからロータコア26の周方向θに向かって延びるように設けられていている。
【0040】
ロータコア26を構成する電磁鋼板または冷延鋼板の一枚の厚みをT[mm]とすると、周方向逃がし部34aは、周方向θの厚みt
1が、t
1≦3T、より好ましくはt
1≦2Tを満たすように設定されており、径方向rの厚みt
2が、t
2≦3T、より好ましくはt
2≦2Tを満たすように設定されている。また、周方向逃がし部34aのR1面、R2面の半径は、1.5T以下、より好ましくは1.0T以下である。また、隣接する周方向逃がし部34aとの間隔G
1は、1.0T程度である。
【0041】
また、マグネット収容部26bは、ロータコア26の径方向であってロータコアの中心側と反対側の端部に、θマグネット28が収容された状態で隙間となる周方向逃がし部34bが形成されている。周方向逃がし部34bは、収容されているθマグネット28の磁極がある主面28a,28bからロータコア26の周方向θに向かって延びるように設けられていている。
【0042】
周方向逃がし部34bは、周方向θの厚みt
3が、t
3≦3T、より好ましくはt
3≦2Tを満たすように設定されており、径方向rの厚みt
4が、t
4≦3T、より好ましくはt
4≦2Tを満たすように設定されている。また、周方向逃がし部34bのR3面、R4面の半径は、1.5T以下、より好ましくは1.0T以下である。また、周方向逃がし部34bとロータコア26の外周面26cとの間の厚みt
5は、1.0T程度である。また、外周面26cを環状の連続面とすることで、ロータコア26の剛性を高めることができる。
【0043】
マグネット収容部26bは、周方向逃がし部34aや周方向逃がし部34bを有することで、ロータコア26にθマグネット28が挿入される際に、θマグネット28の角部(エッジ部)との干渉が抑えられる。そのため、θマグネット28の形状、特に角部の形状の自由度が増し、R面やC面のないθマグネット28であっても、マグネット収容部26bへ挿入する際の作業性が向上する。また、各θマグネット28の主面28aから出た磁束のうち、ロータコア26内を経由して反対側の主面28bに向かう無効磁束が、比透磁率の低い空気で満たされた周方向逃がし部34a,34bによって妨げられ、ロータコア26内で短絡(磁気ショート)することが抑制される。
【0044】
一方、マグネット28の磁極がある主面28a,28bの一部が、周方向逃がし部34a,34bによりロータコア26に接触しなくなるため、θマグネット28の主面28aから出てギャップ部を経由して主面28bに入る有効磁束が減少する可能性がある。しかしながら、θマグネット28として、角部のC面(斜めにした面)若しくはR面がないものの残留磁束密度が高い焼結磁石を用いることができるので、ロータ12として所望の平均磁束密度を実現することができる。
【0045】
なお、隣接するθマグネット28同士の最短距離をWb[mm](
図5(b)参照)とすると、Wb≦7T、より好ましくはWb≦5Tを満たすように設定されている。θマグネット28同士の最短距離が広いと、ロータコア26内における磁気ショートによる無効磁束が増加し、ロータ12とステータ14とのギャップ部での有効磁束が低下する傾向にある。そこで、マグネット同士の最短距離Wbを上述の式を満たすように設計することで、有効磁束(換言するとロータ外周部での平均磁束密度)の低下を抑制できる。
【0046】
[ステータ]
次に、ステータ14の構造について詳述する。
図7は、ステータコアの上面図である。
図8は、巻線を巻き付けるインシュレータの斜視図である。
図9(a)は、第1の実施の形態に係るステータおよびロータの上面図、
図9(b)は、第1の実施の形態に係るステータおよびロータの斜視図である。
【0047】
ステータコア36は、円筒状の部材であり、複数枚の板状のステータヨーク38が積層されたものである。ステータヨーク38は、複数本(本実施の形態では12本)のティース40が環状部の内周から中心に向かって形成されている。
【0048】
各ティース40には、
図8に示す一体型のインシュレータ42が取り付けられる。次に、ティース40ごとにインシュレータ42の上から導体を巻き付けてステータ巻線43を形成する。そして、このような工程を経て完成したステータ14の中心部にロータ12を配置する(
図9(a)、
図9(b)参照)。なお、ティースの幅が先端部に向かって広がっている場合、複数に分割したインシュレータをティースの上下から取り付けてもよい。
【0049】
[θマグネットの数と形状]
ところで、本実施の形態に係るモータ100のように、埋込磁石型のインナーロータタイプのブラシレスモータの場合、θマグネット28の数や形状は、ロータコア26の大きさに応じてある程度選択できる。一方で、θマグネット28の数や形状を適当に選択しただけでは、性能のよい(例えば高トルク)モータを実現できない。
【0050】
そこで、本発明者が鋭意検討したところ、ロータコア26の直径Dr[mm]に対して、θマグネット28の数(換言するとロータ12の磁極数P)や、θマグネット28のロータコア26の周方向におけるθマグネット28の厚みLm[mm]を最適化することで、θマグネット28の残留磁束密度Brに対するロータ12の外周部の平均磁束密度Bgを向上させることができる点に想到した。
【0051】
以下、シミュレーション等による解析結果と合わせて説明する。
図10は、磁極数Pとθマグネット厚み(Lm[mm])/ロータコア外径(Dr[mm])とに応じたロータのマグネット配置を模式的に列挙した図である。所定の大きさのロータコア26にθマグネット28を配置する場合、
図10に示すように、θマグネット28の数(磁極数P)が多いほど、隣接するθマグネット28との干渉を避けるためにθマグネットのロータコア径方向の長さが短くなる。つまり、θマグネット28の磁極がある主面の面積が小さくなる。
【0052】
また、同じ磁極数の場合、
図10に示すように、θマグネット28のロータコア周方向の厚みLmが大きいほど、隣接するθマグネット28との干渉を避けるためにθマグネット28のロータコア径方向の長さが短くなる。つまり、θマグネット28の磁極がある主面の面積が小さくなる。
【0053】
そこで、本発明者は、
図10に示す構成の各ロータの外周部(ロータとステータとのギャップ部)における磁束密度が、磁極数Pやθマグネット厚みLm/ロータコア外径Drの変化に応じてどのように変化するか解析した。具体的には、磁極数Pを8、12、16、20、24と変化させ、また、θマグネット厚み/ロータコア外径(Lm/Dr)を2%〜24%の範囲で変化させた場合について解析した。
【0054】
図11は、各磁極数ごとにθマグネット厚み/ロータコア外径(Lm/Dr)とギャップ部での平均磁束密度Bgとの関係を示した図である。なお、縦軸は、ギャップ部での磁束密度をθマグネットの残留磁束密度Brで除算して規格化してある。また、解析に用いたθマグネットの残留磁束密度Brは1[T]、ギャップ部は、ロータコア外径Drの1%の幅とした。
【0055】
図11に示すように、磁極数Pがいずれの場合も、Lm/Drの値が2%から増加するに従ってBg/Brの値も増加するが、その後Bg/Brの値はピークを経て、Lm/Drの値が更に増加すると、Bg/Brの値は減少に転ずる。これは、
図10に列挙されているように、同じ磁極数の場合、θマグネットの厚みLmを増すと、θマグネット同士の干渉を避けるためにロータコア径方向の長さを短くしなければならず、θマグネットの磁極となる主面の面積が減少するためと考えられる。
【0056】
このような解析結果から、Bg/Br>1.0の範囲では、θマグネットの残留磁束密度Brよりもロータとステータとのギャップ部における平均磁束密度Bgが高いため、Lm/Drの値は、Bg/Br>1.0となる範囲が好ましいことがわかる。
【0057】
図12は、Bg/Br>1.0となる磁極数Pとθマグネット厚み/ロータコア外径(Lm/Dr)との関係を示した図である。つまり、
図11に示した各磁極数Pに応じた凸曲線において、Bg/Br>1.0となるLm/Drの範囲の上限値、下限値を示したものである。また、最大値とは、各磁極数におけるBg/Brの値が最大(ピーク)となるLm/Drの値である。
【0058】
したがって、
図12に示す上限値(三角点)を結ぶ曲線と下限値(四角点)を結ぶ曲線との間に含まれるように、磁極数Pとθマグネット厚み/ロータコア外径(Lm/Dr)を選択することで、モータが備えるロータ外周部の平均磁束密度を高めることができる。
【0059】
具体的には、磁極数をP、ロータコアの外径をDr[mm]、ロータコアの周方向におけるθマグネットの厚みをLm[mm]とし、上限値を結ぶ曲線と下限値を結ぶ曲線の近似式を算出した。その結果、
0.665×10
−4×P
2−0.28×10
−2×P+0.577×10
−1<(Lm/Dr)<3.38×10
−4×P
2−1.86×10
−2×P+3.36×10
−1
を満たすようにθマグネット28の数と形状を構成するとよい。
【0060】
また、
図11に示す各磁極数におけるBg/Brの最大値を考慮すると、ロータの磁極数Pは、12極、14極、16極、18極、20極のいずれかが好ましい。このような磁極数の場合、θマグネット厚み/ロータコア外径(Lm/Dr)を最適化することで、ロータ12の外周部の平均磁束密度Bgをθマグネット28の残留磁束密度Brの約1.3倍以上に高めることができる。
【0061】
ここで、ロータコア26(ロータ12)の外径は、例えば、35mm〜200mmである。また、ロータコア26の貫通孔26aの直径(回転シャフト24の直径)は、例えば、5mm〜40mmである。また、θマグネット28が略直方体の場合、その大きさは、例えば、ロータコア26の周方向θの厚みが1mm〜25mm、ロータコア26の径方向rの幅が5mm〜80mm、ロータの回転軸方向の長さが8mm〜32mmである。また、ロータコア26を構成する電磁鋼板の一枚の厚みは、例えば、0.2mm〜1.0mmである。また、θマグネット28の磁気特性は、例えば、残留磁束密度Brが0.4T〜1.5T、保持力Hcbが320kA/m〜1200kA/mである。
【0062】
(第2の実施の形態)
以下の各実施の形態では、ロータコアの変形例について説明する。
図13(a)は、第2の実施の形態に係る逃がし部のないロータコアの上面図、
図13(b)は、第2の実施の形態に係る逃がし部がなく外周が分断されたロータコアの上面図である。
【0063】
図13(a)に示すロータコア44は、第1の実施の形態に係るロータコア26と同様に、θマグネットが挿入され固定される複数のマグネット収容部44bを有する。マグネット収容部44bは、第1の実施の形態に係るロータコア26と異なり逃がし部を有していない。
【0064】
そのため、マグネット収容部44bのロータコア径方向中心側において、ロータコア26のように周方向逃がし部34a同士の干渉を考慮しなくてもよいため、マグネット収容部44bをロータコア径方向に延ばすことができる。つまり、よりロータコア径方向の長さが大きなθマグネット28を収容することができるため、θマグネット28の主面(磁極がある面)の有効磁束を増加(トルクアップ)できる。また、逃がし部がないため、マグネット収容部44bに収容されたθマグネット28の主面側に空洞が生じず、ロータコア26の外周部に向かう有効磁束の減少が避けられる。
【0065】
なお、逃がし部がないマグネット収容部44bの場合、角部がC面やR面となっているθマグネット28を用いることでθマグネット28の挿入の際の作業性を向上できる。そのため、後加工をせずに成型時にC面やR面を角部に形成できるボンド磁石が好適である。なお、角部にC面やR面を形成できるのであれば、焼結磁石でもよい。
【0066】
図13(b)に示すロータコア46は、複数のマグネット収容部46bを有する。マグネット収容部46bは、第1の実施の形態に係るロータコア26と異なり逃がし部を有していないが、ロータコア径方向の外周面46cに切断部46aが形成されている。そのため、ロータコア46の外周部での磁気ショートが抑制される。
【0067】
(第3の実施の形態)
図14(a)は、第3の実施の形態に係るロータコアの上面図、
図14(b)は、第3の実施の形態の変形例に係るロータコアの上面図である。
図15(a)は、
図14(a)のC領域の拡大図、
図15(b)は、
図14(a)のD領域の拡大図である。
【0068】
図14(a)に示すロータコア48は、放射状に形成された複数のマグネット収容部48bを有する。マグネット収容部48bは、ロータコア48の径方向rであってロータコアの中心側の端部に、θマグネット28が収容された状態で隙間となる径方向逃がし部50aが形成されている。径方向逃がし部50aは、収容されているθマグネット28の磁極がある主面28a(28b)と同一平面を有している。また、径方向逃がし部50aは、収容されているθマグネット28のロータコア中心側の端面28cからロータコア48の中心に向かって延びるように設けられていている。
【0069】
ロータコア48を構成する電磁鋼板の一枚の厚みをT[mm]とすると、径方向逃がし部50aは、周方向θの厚みt
6が、t
6≦3T、より好ましくはt
6≦2Tを満たすように設定されており、径方向rの厚みt
7が、t
7≦3T、より好ましくはt
7≦2Tを満たすように設定されている。また、径方向逃がし部50aのR5面、R6面の半径は、1.5T以下、より好ましくは1.0T以下である。また、隣接する径方向逃がし部50aとの間隔G
2は、1.0T程度である。
【0070】
また、マグネット収容部48bは、ロータコア48の径方向rであってロータコアの中心側と反対側の端部に、θマグネット28が収容された状態で隙間となる径方向逃がし部50bが形成されている。径方向逃がし部50bは、収容されているθマグネット28の磁極がある主面28a,28bと同一平面を有している。また、径方向逃がし部50bは、収容されているθマグネット28のロータコア中心側と反対側の端面28dからロータコア48の外周面48cに向かって延びるように設けられていている。
【0071】
径方向逃がし部50bは、周方向θの厚みt
8が、t
8≦3T、より好ましくはt
8≦2Tを満たすように設定されており、径方向rの厚みt
9が、t
9≦3T、より好ましくはt
9≦2Tを満たすように設定されている。また、径方向逃がし部50bのR7面、R8面の半径は、1.5T以下、より好ましくは1.0T以下である。また、径方向逃がし部50bとロータコア48の外周面48cとの間の厚みt
10は、1.0T程度である。
【0072】
マグネット収容部48bは、径方向逃がし部50aや径方向逃がし部50bを有することで、ロータコア48にθマグネット28が挿入される際に、θマグネット28の角部(エッジ部)との干渉が抑えられる。そのため、θマグネット28の形状、特に角部の形状の自由度が増し、R面やC面のないθマグネット28であっても、マグネット収容部48bへ挿入する際の作業性が向上する。また、各θマグネット28の主面28aから出た磁束のうち、ロータコア48内を経由して反対側の主面28bに向かう無効磁束が、比透磁率の低い空気で満たされた径方向逃がし部50a,50bによって妨げられ、ロータコア48内で短絡(磁気ショート)することが抑制される。
【0073】
一方、周方向逃がし部50a,50bにより、θマグネット28の主面28aから出てギャップ部を経由して主面28bに入る有効磁束が減少する可能性がある。しかしながら、θマグネット28として、角部のC面(斜めにした面)若しくはR面がないものの残留磁束密度が高い焼結磁石を用いることができるので、ロータとして所望の平均磁束密度を実現することができる。
【0074】
ロータコア48は、マグネット収容部48bのロータコア径方向中心側において、ロータコア26のように周方向逃がし部34a同士の干渉を考慮しなくてもよいため、マグネット収容部48bをロータコア径方向に延ばすことができる。つまり、よりロータコア径方向の長さが大きなθマグネット28を収容することができるため、θマグネット28の主面(磁極がある面)の有効磁束を増加(トルクアップ)できる。また、周方向逃がし部がないため、マグネット収容部48bに収容されたθマグネット28の主面側に空洞が生じず、ロータコア26の外周部に向かう有効磁束の減少が避けられる。
【0075】
図14(b)に示すロータコア52は、
図14(a)に示すロータコア48の変形例である。ロータコア52は、放射状に形成された複数のマグネット収容部52bを有する。マグネット収容部52bは、ロータコア52の径方向rであってロータコアの中心側の端部に、θマグネット28が収容された状態で隙間となる径方向逃がし部50aが形成されている。
【0076】
また、マグネット収容部52bは、ロータコア52の径方向rであってロータコアの中心側と反対側の端部に、ロータコア26と同様に、θマグネット28が収容された状態で隙間となる周方向逃がし部34bが形成されている。ロータコア52の作用効果は、前述の各実施の形態と重複するため説明を省略する。
【0077】
(第4の実施の形態)
図16(a)〜
図16(c)は、第4の実施の形態に係るロータコアの一例を示す上面図である。
【0078】
図16(a)に示すロータコア54は、第1の実施の形態に係るロータコア26の外周面26cの一部が分断されたものである。その結果、マグネット収容部26bのロータコア径方向rの外側端部に外部と連通する切断部54aが形成されている。
【0079】
また、
図16(b)に示すロータコア56は、第3の実施の形態に係るロータコア48の外周面48cの一部が分断されたものである。その結果、マグネット収容部48bのロータコア径方向rの外側端部に外部と連通する切断部56aが形成されている。
【0080】
また、
図16(c)に示すロータコア58は、第3の実施の形態の変形例に係るロータコア52の外周面52cの一部が分断されたものである。その結果、マグネット収容部52bのロータコア径方向rの外側端部に外部と連通する切断部58aが形成されている。
【0081】
上述のように、外周面に切断部を有するロータコア54,56,58は、外周面近傍において磁気ショートが抑制されるため、ロータコア外周面から外へ向かう有効磁束が増加する。
【0082】
(第5の実施の形態)
図17(a)は、第5の実施の形態に係るZマグネットの斜視図、
図17(b)は、第5の実施の形態に係るZマグネットの上面図である。
【0083】
本実施の形態に係るZマグネット60は、一体的に形成されたリング状の補助マグネットである。Zマグネット60の環状の平坦面60aには、8個のN極と8個のS極とが交互に周方向に形成されている。平坦面60aの反対側の面も同様である。
【0084】
図18(a)は、第5の実施の形態に係るZマグネット60を備えたロータ62の斜視図、
図18(b)は、第5の実施の形態に係るZマグネット60を備えたロータ62の側面図、
図19は、
図18(b)の回転シャフト24を含む平面で切断した断面図である。
【0085】
図19の領域Fに示すように、
図4(b)に示すバックヨーク31と異なり、バックヨーク64のZマグネット60と対向する面は全面にわたって平坦であり、Zマグネット60の飛散を防止するための環状の爪部(厚肉部)等は形成されていない。これは、Zマグネット60の中心部を回転シャフト24が貫通しており、Zマグネット60が飛散するおそれがないためである。
【0086】
(第6の実施の形態)
第5の実施の形態のように、θマグネット28とZマグネット60とを備えたロータ62の場合、θマグネット28の磁極の位相とZマグネット60の磁極の位相を同極同士で一致させることで(
図18(b)参照)、ロータ62の漏れ磁束を最小にすることができ、ロータ62の外周部の平均磁束密度を最大にすることができる。一方、θマグネット28の磁極の位相とZマグネット29の磁極の位相を同極同士で一致させると、θマグネット28とZマグネット29との間に反発力が最大となり、ロータを組み立てる際の作業性に影響を与える。また、θマグネット28内部の磁束密度がZマグネット29の磁力により低下し、耐減磁性が低下するという現象もありうる。
【0087】
そこで、本発明者が鋭意検討し解析したところ、ロータを以下の構成とすることで、このような課題を解決しうる点に想到した。
【0088】
図20(a)は、ロータコア66におけるθマグネット厚みLmを説明するための上面図、
図20(b)は、第6の実施の形態に係るロータ68の側面図である。
【0089】
図18(b)に示すロータ62のように、θマグネット28の磁極の位相とZマグネット60の磁極の位相を同極同士で一致させると、Zマグネット60の各磁極の境界60bと、θマグネット28の厚み方向の中心線28eとが一致することになる。
【0090】
それに対して、
図20(b)に示す本実施の形態に係るロータ68では、Zマグネット60は、ロータコア66の回転方向の位相において、ロータコア66と対向する面のN極(またはS極)の位相が、ロータコア66の外周面のN極(またはS極)の位相に対してずれるように設けられている。換言すると、Zマグネット60の各磁極の境界60bが、θマグネット28の厚み方向の中心線28eに対して、ずらし長さXだけずれた位置になっている。
【0091】
ここで、θマグネットの磁極の位相とZマグネットの磁極の位相とをずらした場合に、ずらし長さXとロータの発生トルクとの関係がどのように変化するかをシミュレーション解析した。
【0092】
シミュレーションのモデルとなるロータは、
図20(b)に示すように、Zマグネットおよびバックヨークの有無にかかわらずロータ長Lzを一定にしたものを2つ用意した。具体的には、ロータコア66の厚みを9.1mm、Zマグネット60の厚みを2.0mm、バックヨーク64の厚みを2.0mmにしたロータ長Lzが17.1mmのロータ68と、Zマグネットおよびバックヨークを設けずにロータコアの厚み(ロータ長)が17.1mmであるロータとを想定した。
【0093】
そして、Zマグネットおよびバックヨークを備えたロータが発生するトルク(平均磁束密度)T1が、ロータコアのみのロータが発生するトルクT2の何倍になるかを、ずらし長さXの変化に応じてシミュレーションにより算出した。具体的には、トルク比(T1/T2)とずらし長さ/θマグネット厚み(X/Lm)との関係をグラフ化した。
【0094】
図21は、ロータの磁極数Pが16極の場合のT1/T2とX/Lmとの関係を示した図である。
図22は、ロータの磁極数Pが14極の場合のT1/T2とX/Lmとの関係を示した図である。
図23は、ロータの磁極数Pが12極の場合のT1/T2とX/Lmとの関係を示した図である。
【0095】
図21〜
図23に示すように、ずらし長さXの増大に伴いT1/T2の値が減少する。これは、ずらし長さXが大きくなるほど、Zマグネットによるロータ外周部の平均磁束密度を増加させる効果が薄れていることを示している。したがって、少なくともT1/T2が1.0以上の場合に、Zマグネットの効果が認められる。
図21〜
図23に示す結果によれば、ロータの磁極数に関係なく、X/Lmの値が2.0以下の範囲であれば、Zマグネットによるロータ外周部の平均磁束密度を増加させる効果が認められる。より好ましくは、θマグネットの磁極の位相とZマグネットの磁極の位相とをずらす場合には、X/Lmの値が1.0以下の範囲であるとよい。
【0096】
次に、θマグネットとZマグネットとの位相のずれを表すパラメータとして、ずらし長さXの代わりに電気角φeを用いた場合について説明する。
図20(b)に示すように、ずらし長さXを機械角φmに置き換えると、電気角φeは、
φe=φm×(P/2)
(ただし、Pはロータの磁極数)
で表される。
【0097】
図24は、ロータの磁極数Pが16極の場合のT1/T2と電気角φeとの関係を示した図である。
図25は、ロータの磁極数Pが14極の場合のT1/T2と電気角φeとの関係を示した図である。
図26は、ロータの磁極数Pが12極の場合のT1/T2と電気各φeとの関係を示した図である。
【0098】
図24〜
図26に示すように、電気角φeの増大に伴いT1/T2の値が減少する。これは、電気角φeが大きくなるほど、Zマグネットによるロータ外周部の平均磁束密度を増加させる効果が薄れていることを示している。したがって、少なくともT1/T2が1.0以上の場合に、Zマグネットの効果が認められる。
図24〜
図26に示す結果によれば、ロータの磁極数に関係なく、電気角φeの値が50°以下の範囲であれば、Zマグネットによるロータ外周部の平均磁束密度を増加させる効果が認められる。より好ましくは、θマグネットの磁極の位相とZマグネットの磁極の位相とをずらす場合には、電気角φeの値が30°以下の範囲であるとよい。
【0099】
次に、ずらし長さXの下限について検討する。ずらし長さXが小さいと、θマグネット内部の磁束密度がZマグネットの磁力により低下し、耐減磁性が低下するという現象もありうる。そこで、θマグネット内部の平均磁束密度Bmが、θマグネットの残留磁束密度Brの何倍になるかを、ずらし長さXの変化に応じてシミュレーションにより算出した。具体的には、磁束密度比(Bm/Br)とずらし長さ/θマグネット厚み(X/Lm)との関係をグラフ化した。
【0100】
図27は、ロータの磁極数Pが16極の場合のBm/BrとX/Lmとの関係を示した図である。
図28は、ロータの磁極数Pが14極の場合のBm/BrとX/Lmとの関係を示した図である。
図29は、ロータの磁極数Pが12極の場合のBm/BrとX/Lmとの関係を示した図である。
【0101】
図27〜
図29に示すように、ずらし長さXの減少に伴いBm/Brの値が減少する。これは、ずらし長さXが小さくなるほど、Zマグネットによるθマグネットの減磁が大きくなる。換言すれば、ずらし長さXが大きくなるほどZマグネットによるθマグネットの減磁の影響が抑えられる。
図27〜
図29に示す結果によれば、ロータの磁極数に関係なく、X/Lmの値が0.2以上の範囲であれば、Zマグネットによるθマグネットへの減磁の影響を抑制できる。より好ましくは、θマグネットの磁極の位相とZマグネットの磁極の位相とをずらす場合には、X/Lmの値が0.4以上の範囲であるとよい。
【0102】
次に、θマグネットとZマグネットとの位相のずれを表すパラメータとして、ずらし長さXの代わりに電気角φeを用いた場合について説明する。
【0103】
図30は、ロータの磁極数Pが16極の場合のBm/Brと電気角φeとの関係を示した図である。
図31は、ロータの磁極数Pが14極の場合のBm/Brと電気角φeとの関係を示した図である。
図32は、ロータの磁極数Pが12極の場合のBm/Brと電気各φeとの関係を示した図である。
【0104】
図30〜
図32に示すように、電気角φeの減少に伴いBm/Brの値が減少する。これは、電気角φeが小さくなるほど、Zマグネットによるθマグネットの減磁が大きくなる。換言すれば、電気角φeが大きくなるほどZマグネットによるθマグネットの減磁の影響が抑えられる。
図30〜
図32に示す結果によれば、ロータの磁極数に関係なく、電気角φの値が5°以上の範囲であれば、Zマグネットによるθマグネットへの減磁の影響を抑制できる。より好ましくは、θマグネットの磁極の位相とZマグネットの磁極の位相とをずらす場合には、電気角φeの値が10°以上の範囲であるとよい。
【0105】
上述のように、本実施の形態に係るロータ68は、θマグネット28が収容されたロータコア66とZマグネット60との反発力を低減できる。また、ロータ68はθマグネット28の耐減磁特性を改善できる。
【0106】
このように、Zマグネットの対向面のN極の位相を、ロータコアの外周面のN極の位相に対してずらした場合、ロータコアの外周面のN極の位置に対する、Zマグネットの対向面のN極の位相に対応する外周部の位置のロータコア回転方向へのずらし長さX[mm]は、ロータコアの周方向におけるθマグネットの厚みをLm[mm]とすると、下記式、0.2≦X/Lm≦2.0 を満たすように構成されているとよい。これにより、ロータ外周部の平均磁束密度を増加させつつ、ロータコアと補助マグネットとの反発力を抑制し、ロータ外周部の平均磁束密度を高めることができる。
【0107】
また、Zマグネットの対向面のN極の位相と、ロータコアの外周面のN極の位相とのずらし電気角φeが下記式、5°≦φe≦50°を満たすように構成されていてもよい。これにより、ロータからの漏れ磁束を低減しつつ、ロータコアと補助マグネットとの反発力を抑制し、ロータ外周部の平均磁束密度を高めることができる。
【0108】
また、
図20(b)に示すように、一対のリング状のZマグネット60の一方(60a)は、ロータコアの回転方向の位相において、対向面のN極の位相が、ロータコアの外周面のN極の位相に対してα°(α>0)ずれるように設けられており、一対のリング状のZマグネット60の他方(60b)は、ロータコアの回転方向の位相において、対向面のN極の位相が、ロータコアの外周面のN極の位相に対して−α°(α>0)ずれるように設けられている。
【0109】
なお、本実施の形態に係るロータにおいては、Zマグネットの磁極数Qは、ロータの磁極数Pと同じである。これにより、ロータからの漏れ磁束をより低減できる。また、Zマグネットの厚みは、1mm〜15mmの範囲であってもよい。
【0110】
なお、実施の形態に係るモータは、複数の巻線が配置されている筒状のステータと、ステータの中心部に設けられている上述のロータと、ステータの複数の巻線に給電する給電部と、を備えている。上述の実施の形態によれば、モータが備えるロータからの漏れ磁束を低減し、ロータ外周部の平均磁束密度を高めることができる。
【0111】
以上、本発明を上述の各実施の形態を参照して説明したが、本発明は上述の各実施の形態に限定されるものではなく、各実施の形態の構成を適宜組み合わせたものや置換したものについても本発明に含まれるものである。また、当業者の知識に基づいて各実施の形態における組合せや処理の順番を適宜組み替えることや各種の設計変更等の変形を実施の形態に対して加えることも可能であり、そのような変形が加えられた実施の形態も本発明の範囲に含まれうる。
【0112】
以下では、上述の各実施の形態の逃がし部の変形例について説明する。
【0113】
図33(a)は、第1の変形例に係るロータコアの一例を示す上面図、
図33(b)は、
図33(a)のG領域の拡大図である。
図33(a)のロータコア110は、中心側の端部に径方向逃がし部を設けたうえで、さらにその逃がし部から周方向逃がし部を設けてある。
【0114】
図34(a)〜
図34(h)は、第1の変形例に係るロータコアの他の例を示す上面図である。
【0115】
図34(a)に示すロータコアは、コア外周部が分割されていない場合であってかつ中心側と反対側の端部に逃がし部が無い場合である。
図34(b)に示すロータコアは、コア外周部が分割されていない場合であってかつ中心側と反対側の端部に周方向逃がし部が有る場合である。
図34(c)に示すロータコアは、コア外周部が分割されていない場合であってかつ中心側と反対側の端部に径方向逃がし部が有る場合である。
図34(d)に示すロータコアは、コア外周部が分割されていない場合であってかつ中心側と反対側の端部に周方向逃がし部と径方向逃がし部が有る場合である。
【0116】
図34(e)に示すロータコアは、コア外周部が分割されている場合であってかつ中心側と反対側の端部に逃がし部が無い場合である。
図34(f)に示すロータコアは、コア外周部が分割されている場合であってかつ中心側と反対側の端部に周方向逃がし部が有る場合である。
図34(g)に示すロータコアは、コア外周部が分割されている場合であってかつ中心側と反対側の端部に径方向逃がし部が有る場合である。
図34(h)に示すロータコアは、コア外周部が分割されている場合であってかつ中心側と反対側の端部に周方向逃がし部と径方向逃がし部が有る場合である。
【0117】
図35(a)は、第2の変形例に係るロータコアの一例を示す上面図、
図35(b)は、
図35(a)のH領域の拡大図である。
図35(a)のロータコア120は、中心側の端部に周方向逃がし部を設けたうえで、さらにその逃がし部から径方向逃がし部を設けてある。
【0118】
図36(a)〜
図36(h)は、第2の変形例に係るロータコアの他の例を示す上面図である。
【0119】
図36(a)に示すロータコアは、コア外周部が分割されていない場合であってかつ中心側と反対側の端部に逃がし部が無い場合である。
図36(b)に示すロータコアは、コア外周部が分割されていない場合であってかつ中心側と反対側の端部に周方向逃がし部が有る場合である。
図36(c)に示すロータコアは、コア外周部が分割されていない場合であってかつ中心側と反対側の端部に径方向逃がし部が有る場合である。
図36(d)に示すロータコアは、コア外周部が分割されていない場合であってかつ中心側と反対側の端部に周方向逃がし部と径方向逃がし部が有る場合である。
【0120】
図36(e)に示すロータコアは、コア外周部が分割されている場合であってかつ中心側と反対側の端部に逃がし部が無い場合である。
図36(f)に示すロータコアは、コア外周部が分割されている場合であってかつ中心側と反対側の端部に周方向逃がし部が有る場合である。
図36(g)に示すロータコアは、コア外周部が分割されている場合であってかつ中心側と反対側の端部に径方向逃がし部が有る場合である。
図36(h)に示すロータコアは、コア外周部が分割されている場合であってかつ中心側と反対側の端部に周方向逃がし部と径方向逃がし部が有る場合である。
【0121】
図37(a)は、第3の変形例に係るロータコアの一例を示す上面図、
図37(b)は、
図37(a)のI領域の拡大図である。
図37(a)のロータコア130は、中心側の端部に周方向逃がし部を設けたうえで、さらにその逃がし部から径方向逃がし部を設けてある。
【0122】
図38(a)〜
図38(h)は、第3の変形例に係るロータコアの他の例を示す上面図である。
【0123】
図38(a)に示すロータコアは、コア外周部が分割されていない場合であってかつ中心側と反対側の端部に逃がし部が無い場合である。
図38(b)に示すロータコアは、コア外周部が分割されていない場合であってかつ中心側と反対側の端部に周方向逃がし部が有る場合である。
図38(c)に示すロータコアは、コア外周部が分割されていない場合であってかつ中心側と反対側の端部に径方向逃がし部が有る場合である。
図38(d)に示すロータコアは、コア外周部が分割されていない場合であってかつ中心側と反対側の端部に周方向逃がし部と径方向逃がし部が有る場合である。
【0124】
図38(e)に示すロータコアは、コア外周部が分割されている場合であってかつ中心側と反対側の端部に逃がし部が無い場合である。
図38(f)に示すロータコアは、コア外周部が分割されている場合であってかつ中心側と反対側の端部に周方向逃がし部が有る場合である。
図38(g)に示すロータコアは、コア外周部が分割されている場合であってかつ中心側と反対側の端部に径方向逃がし部が有る場合である。
図38(h)に示すロータコアは、コア外周部が分割されている場合であってかつ中心側と反対側の端部に周方向逃がし部と径方向逃がし部が有る場合である。