(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明を実施するための形態について、以下に説明する。尚、同じ部材等については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0011】
〔第1の実施の形態〕
(プリンタ装置)
第1の実施の形態におけるプリンタ装置について説明する。
図1に示されるように、本実施の形態におけるプリンタ装置は、印字部10、カッター部20、2種類の記録紙を印字部10に供給することが可能な記録紙供給部30を有している。
【0012】
印字部10は、サーマルヘッド11、プラテンローラ12、印字部モータ13、ギア14等を有している。サーマルヘッド11は記録紙に印字を行うためのプリントヘッドであり、サーマルヘッド11とプラテンローラ12の間に挟まれた記録紙の印字を行う。印字部モータ13は、ギア14を介しプラテンローラ12を回転させるためのモータであり、印字部モータ13が回転することにより、記録紙をカッター部20が設けられている側に搬送することができる。尚、印字部モータ13及びギア14には、歯車の歯が設けられているが、図面においては省略されている。
【0013】
カッター部20は、固定刃21と可動刃22とを有しており、可動刃22が固定刃21の設けられている側に移動することにより、印字部10において印字等のなされた記録紙を切断することができる。
【0014】
記録紙供給部30は、第1のローラ41、第2のローラ42、第3のローラ43、第4のローラ44、搬送モータ50、ギア51、52、テンション部材60、第1のセンサ(S1)71、第2のセンサ(S2)72、第3のセンサ(S3)73、第4のセンサ(S4)74、第5のセンサ(S5)75等を有している。尚、ギア51及52には、歯車の歯が設けられているが、図面においては省略されている。
【0015】
記録紙供給部30においては、2種類の記録紙、即ち、第1の記録紙101と第2の記録紙102とを供給することが可能である。記録紙供給部30に記録紙を供給する際には、第1の記録紙101は、矢印で示される記録紙供給ルートR1より記録紙供給口31に入れられ、第2の記録紙102は、矢印で示される記録紙供給ルートR2より記録紙供給口32に入れられて供給される。
【0016】
テンション部材60はバネ性を有しており、例えば、弾性を有する金属材料等により形成されている。テンション部材60は、第1の記録紙101が供給される記録紙供給ルートR1側の端部61及び、第2の記録紙102が供給される記録紙供給ルートR2側の端部62は丸みを帯びた形状で形成されている。また、テンション部材60は、これ自体がバネ性を有しており、端部61と端部62とが近づく方向に復元力が働くように形成されている。よって、この状態においては、テンション部材60による復元力により、第3のローラ43は第1のローラ41に押さえつけられ、第4のローラ44は第2のローラ42に押さえつけられている。
【0017】
また、第3のローラ43及び第4のローラ44は、回転可能な状態でテンション部材60に接続されている。具体的には、テンション部材60において、端部61が設けられている側には、ローラ接続部63が設けられており、第3のローラ43は、ローラ接続部63において回転可能な状態で接続されている。また、端部62が設けられている側には、ローラ接続部64が設けられており、第4のローラ44は、ローラ接続部64において回転可能な状態で接続されている。よって、第3のローラ43及び第4のローラ44は第1のローラ41及び第2のローラ42の外側に設けられている。
【0018】
搬送モータ50は、記録紙供給部30において、第1の記録紙101及び第2の記録紙102を搬送するためのものであり、ギア51を介して第1のローラ41を回転させることにより、第1の記録紙101を搬送することができ、ギア52を介して第2のローラ42を回転させることにより、第2の記録紙102を搬送することができる。
【0019】
記録紙供給部30に供給される第1の記録紙101は、記録紙供給ルートR1より記録紙供給口31となるテンション部材60の端部61側から入れられ、第1のローラ41と第3のローラ43との間に挟まれる。この状態で、搬送モータ50が時計回りと逆方向に回転することにより、ギア51が時計回りの方向に回転し、第1のローラ41が時計回りと逆方向に回転し、第1の記録紙101は、記録紙供給部30において、印字部10が設けられている側に搬送される。この際、第1の記録紙101を介して第1のローラ41と接している第3のローラ43は、時計回りの方向に回転する。
【0020】
記録紙供給部30に供給される第2の記録紙102は、記録紙供給ルートR2より記録紙供給口32であるテンション部材60の端部62側から入れられ、第2のローラ42と第4のローラ44との間に挟まれる。この状態で、搬送モータ50が時計回りの方向に回転することにより、ギア52が時計回りと逆方向に回転し、第2のローラ42が時計回りの方向に回転し、第2の記録紙102は、記録紙供給部30において、印字部10が設けられている側に搬送される。この際、第2の記録紙102を介して第2のローラ42と接している第4のローラ44は、時計回りと逆方向に回転する。
【0021】
印字部10において第1の記録紙101に印字を行う際には、搬送モータ50を時計回りと逆方向に回転させることにより、記録紙供給部30内を更に印字部10が設けられている側に第1の記録紙101を搬送する。これにより、第1の記録紙101を記録紙排出口33より印字部10が設けられている側に排出し、印字部10におけるサーマルヘッド11とプラテンローラ12の間に挟み込ませ、この状態で、印字部モータ13を時計回りと逆方向に回転させる。このように、印字部モータ13を時計回りと逆方向に回転させることにより、ギア14は時計回りの方向に回転し、プラテンローラ12は時計回りと逆方向に回転する。これにより、第1の記録紙101には、サーマルヘッド11による印字がなされながら、カッター部20が設けられている側に搬送される。このように、カッター部20に搬送された印字のなされた第1の記録紙101は、この後、カッター部20において、固定刃21と可動刃22とにより、所望の長さで切断される。
【0022】
また、印字部10において第2の記録紙102に印字を行う際には、搬送モータ50を時計回りの方向に回転させることにより、記録紙供給部30内を更に印字部10が設けられている側に第2の記録紙102を搬送する。これにより、第2の記録紙102を記録紙排出口33より印字部10が設けられている側に排出し、印字部10におけるサーマルヘッド11とプラテンローラ12の間に第2の記録紙102を挟み込ませ、この状態で印字部モータ13を時計回りと逆方向に回転させる。このように、印字部モータ13を時計回りと逆方向に回転させることにより、ギア14は時計回りの方向に回転し、プラテンローラ12は時計回りと逆方向に回転する。これにより、第2の記録紙102は、サーマルヘッド11による印字がなされながら、カッター部20が設けられている側に搬送される。このように、カッター部20に搬送された印字のなされた第2の記録紙102は、この後、カッター部20において、固定刃21と可動刃22とにより、所望の長さで切断される。
【0023】
尚、本実施の形態においては、時計回りの方向の回転を正回転と記載し、時計回りと逆方向の回転を逆回転と記載する場合がある。
【0024】
(プリンタ装置の変形例)
次に、本実施の形態におけるプリンタ装置の変形例について説明する。
【0025】
図2に示されるように、本実施の形態におけるプリンタ装置は、テンション部材60が復元力を有するものでない場合には、テンション部材60の中央部分に、ねじりコイルバネ66を設置してもよい。ねじりコイルバネ66は、テンション部材60における端部61と端部62とが近づく方向に復元力が働くものであってもよい。
【0026】
同様に、
図3に示されるように、本実施の形態におけるプリンタ装置は、テンション部材60の中央部分に、圧縮コイルバネ67を設置してもよい。圧縮コイルバネ67は、テンション部材60における端部61と端部62とが近づく方向に復元力が働くものであってもよい。
【0027】
また、
図4に示されるように、搬送モータを2つ設けてもよい。具体的には、
図1に示される搬送モータ50に代えて、第1の搬送モータ55と第2の搬送モータ56とを設けてもよい。第1の搬送モータ55は、記録紙供給ルートR1より記録紙供給口31に入れられた第1の記録紙101を搬送するためのものであり、第2の搬送モータ56は、記録紙供給ルートR2より記録紙供給口32に入れられた第2の記録紙102を搬送するためのものである。
【0028】
第1の搬送モータ55を時計回りとは逆方向に回転させることにより、ギア51を介し、第1のローラ41を時計回りとは逆方向に回転させることができるため、第1の記録紙101を印字部10が設けられている側に搬送することができる。また、第2の搬送モータ56を時計回りの方向に回転させることにより、ギア52を介し、第2のローラ42が時計回りの方向に回転させることができるため、第2の記録紙102を印字部10が設けられている側に搬送することができる。
【0029】
(プリンタ装置の制御方法)
次に、本実施の形態におけるプリンタ装置の制御方法について説明する。
【0030】
図5に基づき、本実施の形態におけるプリンタ装置における初期化、即ち、記録紙のセット動作について説明する。
【0031】
最初に、ステップ102(S102)において、第4のセンサ(S4)74、または、第5のセンサ(S5)75により、記録紙が検出されたか否かが判断される。第4のセンサ(S4)74、または、第5のセンサ(S5)75により、記録紙が検出された場合、即ち、第4のセンサ(S4)74により第1の記録紙101が検出されたか、または、第5のセンサ(S5)75により第2の記録紙102が検出された場合には、ステップ104に移行する。一方、第4のセンサ(S4)74、または、第5のセンサ(S5)75により、記録紙が検出されていない場合、即ち、第4のセンサ(S4)74により第1の記録紙101が検出されておらず、かつ、第5のセンサ(S5)75により第2の記録紙102が検出されていない場合には、待機状態となる。
【0032】
次に、ステップ104(S104)において、第5のセンサ(S5)75により、第2の記録紙102が検出されたか否かが判断される。第5のセンサ(S5)75により第2の記録紙102が検出された場合には、ステップ106に移行する。一方、第5のセンサ(S5)75により、第2の記録紙102が検出されていない場合には、ステップ108に移行する。
【0033】
次に、ステップ106(S106)において、第2の記録紙102のセット動作が行われる。この第2の記録紙102のセット動作については、後述するサブルーチンで説明する。
【0034】
次に、ステップ108(S108)において、第4のセンサ(S4)74により、第1の記録紙101が検出されたか否かが判断される。第5のセンサ(S4)74により第1の記録紙101が検出された場合には、ステップ110に移行する。一方、第4のセンサ(S4)74により、第1の記録紙101が検出されていない場合には、
第2の記録紙102のセットが完了し、セット動作は終了する。
【0035】
次に、ステップ110(S110)において、第1の記録紙101のセット動作が行われる。この第1の記録紙101のセット動作については、後述するサブルーチンで説明する。この後、このセット動作は終了する。
【0036】
次に、
図6に基づき
図5に示されるステップ106における第2の記録紙102のセット動作のサブルーチンについて説明する。
【0037】
最初に、ステップ202(S202)において、搬送モータ50を時計回りの方向に回転(正回転)させる。これにより、第2のローラ42は時計回りの方向に回転(正回転)し、第2の記録紙102は、第3のセンサ(S3)73が設けられている側に搬送される。この際、第1のローラ41も時計回りの方向に回転(正回転)するが、第1のローラ41と第3のローラ43との間には、第1の記録紙101は存在していないため、第1の記録紙101が搬送等されることはない。
【0038】
次に、ステップ204(S204)において、第3のセンサ(S3)73により、第2の記録紙102が検出されたか否かが判断される。第3のセンサ(S3)73により、第2の記録紙102が検出された場合には、ステップ208に移行する。一方、第3のセンサ(S3)73により、第2の記録紙102が検出されなかった場合には、ステップ206に移行する。
【0039】
次に、ステップ206(S206)において、所定の時間経過したか否かが判断される。具体的には、搬送モータ50を時計回りの方向に回転させた後、所定の時間経過したか否かが判断される。所定の時間経過したものと判断された場合には、ジャムエラーであると判断され、ジャム処理が行われる。一方、所定の時間経過していないものと判断された場合には、ステップ202に移行する。
【0040】
次に、ステップ208(S208)において、更に、搬送モータ50を時計回りの方向に回転(正回転)させる。これにより、第2のローラ42は時計回りの方向に回転(正回転)し、第2の記録紙102は、第1のセンサ(S1)71が設けられている側に搬送される。
【0041】
次に、ステップ210(S210)において、第1のセンサ(S1)71により、第2の記録紙102が検出されたか否かが判断される。第1のセンサ(S1)71により、第2の記録紙102が検出された場合には、ステップ214に移行する。一方、第1のセンサ(S1)71により、第2の記録紙102が検出されなかった場合には、ステップ212に移行する。
【0042】
次に、ステップ212(S212)において、所定の時間経過したか否かが判断される。具体的には、搬送モータ50を時計回りの方向に回転させた後、所定の時間経過したか否かが判断される。所定の時間経過したものと判断された場合には、ジャムエラーであると判断され、ジャム処理が行われる。一方、所定の時間経過していないものと判断された場合には、ステップ208に移行する。
【0043】
次に、ステップ214(S214)において、第2の記録紙102を所定の長さ搬送する。具体的には、更に搬送モータ50を時計回りの方向に回転させて、第2の記録紙102を所定の長さ搬送する。この際、搬送される第2の記録紙102の長さは、後述する第1の記録紙101をセットした場合においても、第2のローラ42と第4のローラ44との間に、第2の記録紙102が存在している状態が保たれる長さである。
【0044】
これにより、
図5に示されるステップ106における第2の記録紙102のセット動作のサブルーチンは終了する。
【0045】
次に、
図7に基づき
図5に示されるステップ110における第1の記録紙101のセット動作のサブルーチンについて説明する。
【0046】
最初に、ステップ302(S302)において、搬送モータ50を時計回りとは逆方向に回転(逆回転)させる。これにより、第1のローラ41は、時計回りとは逆方向に回転(逆回転)し、第1の記録紙101は、第2のセンサ(S2)72が設けられている側に搬送される。この際、第2のローラ42も時計回りとは逆方向に回転(逆回転)し、第2のローラ42と第4のローラ44との間に挟まれた第2の記録紙102は、印字部10が設けられている側とは逆方向に搬送され、戻される。
【0047】
次に、ステップ304(S304)において、第2のセンサ(S2)72により、第1の記録紙101が検出されたか否かが判断される。第2のセンサ(S2)72により、第1の記録紙101が検出された場合には、ステップ308に移行する。一方、第2のセンサ(S2)72により、第1の記録紙101が検出されなかった場合には、ステップ306に移行する。
【0048】
次に、ステップ306(S306)において、所定の時間経過したか否かが判断される。具体的には、搬送モータ50を時計回りとは逆方向に回転させた後、所定の時間経過したか否かが判断される。所定の時間経過したものと判断された場合には、ジャムエラーであると判断され、ジャム処理が行われる。一方、所定の時間経過していないものと判断された場合には、ステップ302に移行する。
【0049】
次に、ステップ308(S308)において、更に、搬送モータ50を時計回りとは逆方向に回転(逆回転)させる。これにより、第1の記録紙101は、第1のセンサ(S1)71が設けられている側に搬送される。この際、第2の記録紙102は第2のローラにより戻され、第1のセンサ(S1)71においては検出されていない状態となるように、前述した
図6に示されるステップ212において搬送される第2の記録紙102の長さが定められている。
【0050】
次に、ステップ310(S310)において、第1のセンサ(S1)71により、第1の記録紙101が検出されたか否かが判断される。第1のセンサ(S1)71により、第1の記録紙101が検出された場合には、ステップ314に移行する。一方、第1のセンサ(S1)71により、第1の記録紙101が検出されなかった場合には、ステップ312に移行する。
【0051】
次に、ステップ312(S312)において、所定の時間経過したか否かが判断される。具体的には、搬送モータ50を時計回りとは逆方向に回転させた後、所定の時間経過したか否かが判断される。所定の時間経過したものと判断された場合には、ジャムエラーであると判断され、ジャム処理が行われる。一方、所定の時間経過していないものと判断された場合には、ステップ308に移行する。
【0052】
次に、ステップ314(S314)において、第1の記録紙101を所定の長さ搬送する。具体的には、更に搬送モータ50を時計回りとは逆方向に回転させて、第1の記録紙101を所定の長さ搬送し、サーマルヘッド11とプラテンローラ12との間に、第1の記録紙101が接触している状態にする。尚、この状態においては、第2の記録紙102は、第2のローラ42と第4のローラ44との間に存在している。
【0053】
これにより、
図7に示されるサブルーチン、即ち、
図5に示されるステップ110における第1の記録紙101のセット動作のサブルーチンは終了する。
【0054】
次に、
図8に基づき
図5に示される初期化がなされた後に、第1の記録紙101に印字を行う場合について説明する。
【0055】
最初に、ステップ402(S402)において、印字部モータ13を時計回りとは逆方向に回転させる。これにより、ギア14を介し、プラテンローラ12は、時計回りとは逆方向に回転するため、サーマルヘッド11とプラテンローラ12との間に、第1の記録紙101が挟み込まれる。この後、更に、印字部モータ13を時計回りとは逆方向に回転させることにより、第1の記録紙101は搬送される。
【0056】
次に、ステップ404(S404)において、搬送モータ50の回転を停止する。具体的には、第1の記録紙101は、搬送モータ50を時計回りとは逆方向に回転させなくとも、印字部モータ13が時計回りとは逆方向に回転することにより搬送されるため、搬送モータ50の回転を停止する。尚、この状態においては、第2の記録紙102は、第2のローラ42と第4のローラ44との間に存在しており、搬送モータ50の回転を停止させることにより、これ以降、第2の記録紙102が戻されることはない。
【0057】
次に、ステップ406(S406)において、印字部モータ13を時計回りとは逆方向に回転させることにより、第1の記録紙101を搬送しながら、サーマルヘッド11により第1の記録紙101に所望とする印字を行う。
【0058】
次に、ステップ408(S408)において、所望とする印字が終了した場合には、カッター部20において第1の記録紙101は所定の長さで切断する。これにより、印字動作は終了する。
【0059】
以上により、第1の記録紙101への印字動作は終了する。
【0060】
次に、
図9に基づき
図5に示される初期化がなされた後に、第2の記録紙102に印字を行う場合について説明する。
【0061】
最初に、ステップ502(S502)において、搬送モータ50を時計回りの方向に回転(正回転)させる。これにより、第2の記録紙102は、第1のセンサ(S1)71が設けられている側に搬送される。
【0062】
次に、ステップ504(S504)において、第1のセンサ(S1)71により、第2の記録紙102が検出されたか否かが判断される。第1のセンサ(S1)71により、第2の記録紙102が検出された場合には、ステップ508に移行する。一方、第1のセンサ(S1)71により、第2の記録紙102が検出されなかった場合には、ステップ506に移行する。
【0063】
次に、ステップ506(S506)において、所定の時間経過したか否かが判断される。具体的には、搬送モータ50を時計回りの方向に回転させた後、所定の時間経過したか否かが判断される。所定の時間経過したものと判断された場合には、ジャムエラーであると判断され、ジャム処理が行われる。一方、所定の時間経過していないものと判断された場合には、ステップ502に移行する。
【0064】
次に、ステップ508(S508)において、第2の記録紙102を所定の長さ搬送する。具体的には、更に搬送モータ50を時計回りの方向に回転させて、第2の記録紙102を所定の長さ搬送し、サーマルヘッド11とプラテンローラ12との間に、第2の記録紙102が接触している状態にする。尚、この状態においては、第1の記録紙101は、第1のローラ41と第3のローラ43との間に存在している。
【0065】
次に、ステップ510(S510)において、印字部モータ13を時計回りとは逆方向に回転させる。これにより、ギア14を介し、プラテンローラ12は、時計回りとは逆方向に回転するため、サーマルヘッド11とプラテンローラ12との間に、第2の記録紙102が挟み込まれる。この後、更に、印字部モータ13を時計回りとは逆方向に回転させることにより、第2の記録紙102は搬送される。
【0066】
次に、ステップ512(S512)において、搬送モータ50の回転を停止する。具体的には、第2の記録紙102は、搬送モータ50を時計回りの方向に回転させなくとも、印字部モータ13が時計回りとは逆方向に回転することにより搬送されるため、搬送モータ50の回転を停止する。尚、この状態においては、第1の記録紙101は、第1のローラ41と第3のローラ43との間に存在しており、搬送モータ50の回転を停止させることにより、これ以降、第1の記録紙101が戻されることはない。
【0067】
次に、ステップ514(S514)において、更に、印字部モータ13を時計回りとは逆方向に回転させることにより、第2の記録紙102を搬送しながら、サーマルヘッド11により第2の記録紙102に所望とする印字を行う。
【0068】
次に、ステップ516(S516)において、所望とする印字が終了した場合には、カッター部20において第2の記録紙102は所定の長さで切断する。これにより、印字動作は終了する。
【0069】
以上により、第2の記録紙102への印字動作は終了する。尚、
図5に示される初期化において、第1の記録紙101がセットされていない場合、即ち、ステップ110が行われていない場合において、第2の記録紙102に印字を行う場合には、上述したステップ510からステップ516に示される動作が行われる。
【0070】
次に、
図10に基づき記録紙を切り替えて印刷する場合について説明する。具体的には、
図8に示される第1の記録紙101への印字動作が終了した後、第1の記録紙101から第2の記録紙102に切り替えて、第2の記録紙102に印字をする場合について説明する。
【0071】
ところで、第1の記録紙101及び第2の記録紙102は、一般的にロール状に巻かれたロール紙が用いられている。このため、第1の記録紙101への印字を行うことにより、
図11に示される状態から
図12に示される状態となり、第1の記録紙101により、テンション部材60の端部61が持ち上げられ、テンション部材60における端部61と端部62との間隔が広がり、第1の記録紙101を介して接していた第1のローラ41と第3のローラ43とが離れ、第1の記録紙101は、第1のローラ41と接触していない状態となる。このように、第1のローラ41と第3のローラ43とが離れても、第1の記録紙101の搬送は、印字部モータ13によって行われているため、これにより、第1のローラ41が第1の記録紙101の搬送に寄与することはなくなる。このことは、第2の記録紙102の場合も同様であり、第2の記録紙102に印字を行っている際には、第2の記録紙102により、テンション部材60の端部62が持ち上げられ、テンション部材60における端部61と端部62との間隔が広がり、第2の記録紙102を介して接していた第2のローラ42と第4のローラ44とが離れ、第2の記録紙102は、第2のローラ42と接触していない状態となる。以下の説明では、本実施の形態におけるプリンタ装置におけるこのような特徴を用いたものである。
【0072】
最初に、ステップ602(S602)に示されるように、印字部モータ13を励磁停止する。この状態では、印字部モータ13の回転は停止し、回転しない状態となるため、第1の記録紙101は、サーマルヘッド11とプラテンローラ12の間に挟まれた状態が保たれる。
【0073】
次に、ステップ604(S604)に示されるように、第5のセンサ(S5)75により、第2の記録紙102が検出されたか否かが判断される。第5のセンサ(S5)75により、第2の記録紙102が検出された場合には、ステップ610に移行する。一方、第5のセンサ(S5)75により、第2の記録紙102が検出されなかった場合には、ステップ606に移行する。
【0074】
次に、ステップ606(S606)において、所定の時間経過したか否かが判断される。具体的には、印字部モータ13を励磁停止した後、所定の時間経過したか否かが判断される。所定の時間経過したものと判断された場合には、ステップ608に移行する。一方、所定の時間経過していないものと判断された場合には、ステップ604に移行する。
【0075】
次に、ステップ608(S608)において、印字部モータ13の励磁がオフとなり、この後、エラー処理がなされる。
【0076】
次に、ステップ610(S610)において、搬送モータ50を時計回りの方向に回転(正回転)させる。これにより、第2のローラ42は時計回りの方向に回転(正回転)するため、第2の記録紙102は、第3のセンサ(S3)73が設けられている側に搬送される。この際、第1のローラ41も時計回りの方向に回転(正回転)するが、
図12に示されるように、第3のローラ43は第1の記録紙101により持ち上げられるため、第1のローラ41と第3のローラ43との間が離れており、第1のローラ41と第1の記録紙101とは接触しない状態となるため、第1のローラ41が回転しても、第1の記録紙101に力等が加わることはない。
【0077】
次に、ステップ612(S612)において、第3のセンサ(S3)73により、第2の記録紙102が検出されたか否かが判断される。第3のセンサ(S3)73により、第2の記録紙102が検出された場合には、ステップ616に移行する。一方、第3のセンサ(S3)73により、第2の記録紙102が検出されなかった場合には、ステップ614に移行する。
【0078】
次に、ステップ614(S614)において、所定の時間経過したか否かが判断される。具体的には、搬送モータ50を時計回りの方向に回転させた後、所定の時間経過したか否かが判断される。所定の時間経過したものと判断された場合には、エラーであると判断され、エラー処理が行われる。一方、所定の時間経過していないものと判断された場合には、ステップ610に移行する。
【0079】
次に、ステップ616(S616)において、印字部モータ13を時計回りの方向に回転させるとともに、更に、搬送モータ50を時計回りの方向に回転(正回転)させる。これにより、第1の記録紙101は、サーマルヘッド11とプラテンローラ12との間から離れ、第1の記録紙101がサーマルヘッド11とプラテンローラ12との間に挟み込まれた状態から解除され、カッター部20が設けられている方向とは逆方向に戻される。また、第2の記録紙102は、第1のセンサ(S1)71が設けられている側に搬送される。尚、本願においては、印字部モータ13における時計回りの方向の回転を戻し回転と記載する場合がある。
【0080】
次に、ステップ618(S618)において、第1のセンサ(S1)71により、第1の記録紙101が検出されているか否かが判断される。第1のセンサ(S1)71により、第1の記録紙101が検出されている場合には、ステップ620に移行する。一方、第1のセンサ(S1)71により、第1の記録紙101が検出されていない場合には、第1の記録紙101は第1のセンサ(S1)71では検出できない位置まで戻されているため、ステップ622に移行する。
【0081】
次に、ステップ620(S620)において、所定の時間経過したか否かが判断される。具体的には、搬送モータ50を時計回りの方向に回転させた後、所定の時間経過したか否かが判断される。所定の時間経過したものと判断された場合には、エラーであると判断され、エラー処理が行われる。一方、所定の時間経過していないものと判断された場合には、ステップ616に移行する。
【0082】
次に、ステップ622(S622)において、更に、搬送モータ50を時計回りの方向に回転(正回転)させる。これにより、第2の記録紙102は、第1のセンサ(S1)71が設けられている側に搬送される。
【0083】
次に、ステップ624(S624)において、第1のセンサ(S1)71により、第2の記録紙102が検出されたか否かが判断される。第1のセンサ(S1)71により、第2の記録紙102が検出された場合には、ステップ628に移行する。一方、第1のセンサ(S1)71により、第2の記録紙102が検出されなかった場合には、ステップ626に移行する。
【0084】
次に、ステップ626(S626)において、所定の時間経過したか否かが判断される。具体的には、搬送モータ50を時計回りの方向に回転させた後、所定の時間経過したか否かが判断される。所定の時間経過したものと判断された場合には、エラーであると判断され、エラー処理が行われる。一方、所定の時間経過していないものと判断された場合には、ステップ622に移行する。
【0085】
次に、ステップ628(S628)において、更に、搬送モータ50を時計回りの方向に回転させながら、印字部モータ13を時計回りとは逆方向に回転させる。これにより、ギア14を介し、プラテンローラ12は、時計回りとは逆方向に回転するため、サーマルヘッド11とプラテンローラ12との間に、第2の記録紙102が挟み込まれる。この後、印字部モータ13を時計回りとは逆方向に回転させることにより、第2の記録紙102は搬送される。
【0086】
次に、ステップ630(S630)において、搬送モータ50の回転を停止する。具体的には、第2の記録紙102は、搬送モータ50を時計回りの方向に回転させなくとも、印字部モータ13が時計回りとは逆方向に回転することにより搬送されるため、搬送モータ50の回転を停止する。尚、この状態においては、第1の記録紙101は、第1のローラ41と第3のローラ43との間に存在しており、搬送モータ50の回転を停止させることにより、これ以降、第1の記録紙101が戻されることはない。
【0087】
このような状態にするためには、
図13に示されるように、カッター部20、サーマルヘッド11及びプラテンローラ12、第1のセンサ(S1)71、第2のセンサ(S2)72の配置は、カッター部20とサーマルヘッド11及びプラテンローラ12との間の長さをL1、サーマルヘッド11及びプラテンローラ12と第1のセンサ(S1)71との間の長さをL2、第1のセンサ(S1)71と第2のセンサ(S2)72との間の長さをL3とした場合、(L1+L2)<L3となるように配置されていることが好ましい。尚、第1の記録紙101が第2のセンサ(S2)72により検出されていない場合には、搬送モータ50を時計回りとは逆方向に回転(逆回転)させて、第1の記録紙101を第2のセンサ(S2)72により検出される位置まで搬送してもよい。
【0088】
次に、ステップ632(S632)において、更に、印字部モータ13を回転させることにより、第2の記録紙102を搬送しながら、サーマルヘッド11により第2の記録紙102に所望とする印字を行う。
【0089】
次に、ステップ634(S634)において、所望とする印字が終了した場合には、カッター部20において第2の記録紙102は所定の長さで切断する。これにより、第1の記録紙101と第2の記録紙102とを入れ換えた後、第2の記録紙102に印字する動作は終了する。
【0090】
尚、上記においては、本実施の形態におけるプリンタ装置の制御方法の一例について、説明したが、同様の制御を行うことができるものであれば、他の制御方法によりプリンタ装置の制御を行ってもよい。
【0091】
〔第2の実施の形態〕
次に、第2の実施の形態について説明する。本実施の形態におけるプリンタ装置は、複数の記録紙供給部30を有しており、一方の記録紙供給部30における記録紙供給口31、32のいずれかに、他方の記録紙供給部30における記録紙排出口33が接続されている構造のものである。
【0092】
具体的には、本実施の形態におけるプリンタ装置は、
図14に示されるように、記録紙供給部30と略同一構造の第1の記録紙供給部130、第2の記録紙供給部230、第3の記録紙供給部330等を有しており、カスケード接続されている。即ち、不図示の印字部10に第1の記録紙供給部130の記録紙排出口33が接続されており、第1の記録紙供給部130の記録紙供給口32に第2の記録紙供給部230の記録紙排出口33が接続されており、第2の記録紙供給部230の記録紙供給口32に第3の記録紙供給部330の記録紙排出口33が接続されている。
【0093】
第1の記録紙供給部130の記録紙供給口31には、第1の記録紙101が入れられており、第2の記録紙供給部230の記録紙供給口31には、第2の記録紙102が入れられており、第3の記録紙供給部330の記録紙供給口31には、第3の記録紙103が入れられており、第3の記録紙供給部330の記録紙供給口32には、第4の記録紙104が入れられている。
【0094】
これにより、本実施の形態においては、印字部10において、4種類の異なる記録紙、即ち、第1の記録紙101、第2の記録紙102、第3の記録紙103、第4の記録紙104において印字を行うことが可能となる。また、更に、記録紙供給部30を増やすことにより、更に、印字をすることができる記録紙の種類を増やすことができる。
【0095】
例えば、第1の記録紙供給部130の記録紙供給口31に記録紙供給部30と略同じ構造の記録紙供給部を接続し、この接続された記録紙供給部の記録紙供給口31、31に記録紙供給部30と略同じ構造の記録紙供給部を各々接続し、更に、第2の記録紙供給部230の記録紙供給口31に記録紙供給部30と略同じ構造の記録紙供給部を接続してもよい。このように接続することにより、例えば、8種類の異なる記録紙に印字することが可能となる。尚、更にカスケード接続される記録紙供給部を増やすことにより、更に印字部10において印字することのできる記録紙の種類を増やすことができる。
【0096】
以上、本発明の実施に係る形態について説明したが、上記内容は、発明の内容を限定するものではない。