(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、契約単位(ログインID単位)毎の行動履歴に基づいて広告情報を調整するため、ユーザの行動時における周囲の環境(家庭、会社)等に応じた有益な情報を配信することができなかった。
【0005】
本発明は、上記事情を鑑みてなされたものであり、ユーザにとって有益性の高い情報を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1記載の複数人格情報処理装置は、
人格モードの入力を受け付けて登録する人格モード候補入力手段と、同一人物により異なる人格モードで行われた行動に関する行動履歴情報をそれぞれ記憶しておく人格モード行動履歴記憶手段と、
登録された複数の人格モードを選択候補として表示し、前記同一人物における現在の人格モードの選択を要求する人格モード選択入力手段と、所定の人格モードに対応する行動履歴情報を前記人格モード行動履歴記憶手段から読み出して、当該行動履歴情報に関連のある関連情報を配信する人格モード情報処理手段と、
を備え、前記人格モード情報処理手段は、前記現在の人格モードに対応する行動履歴情報を任意の既存情報と照合し、照合度が最も高い又は閾値を超える既存情報を用いて前記関連情報を生成し、前記人格モード選択入力手段は、前記同一人物以外が持つ他人の人格モードを人格モードの類似性に基づきクラスタリングし、前記同一人物により入力された状況条件に類似するクラスタを特定して、特定したクラスタに含まれる複数の他人の人格モードのうちいずれかを前記同一人物の人格モードの選択候補として表示することを要旨とする。
【0008】
請求項
2記載の複数人格情報処理装置は、請求項
1記載の複数人格情報処理装置において、
前記人格モード情報処理手段は、前記人格モードを補完するための補完情報を更に用いて前記関連情報を生成することを要旨とする。
【0009】
請求項
3記載の複数人格情報処理装置は、請求項1
又は2記載の複数人格情報処理装置において、前記人格モードは、前記同一人物の状況に応じて登録され、入力された状況条件に該当する状況の人格モードを前記現在の人格モードとして推定する人格モード推定手段を更に有することを要旨とする。
【0011】
請求項
4記載の複数人格情報処理方法は、コンピュータにより、
人格モードの入力を受け付けて登録する第1のステップと、同一人物により異なる人格モードで行われた行動に関する行動履歴情報を人格モード行動履歴記憶手段にそれぞれ記憶しておく
第2のステップと、
登録された複数の人格モードを選択候補として表示し、前記同一人物における現在の人格モードの選択を要求する第3のステップと、所定の人格モードに対応する行動履歴情報を前記人格モード行動履歴記憶手段から読み出して、当該行動履歴情報に関連のある関連情報を配信する
第4のステップと、
を備え、前記第4のステップでは、前記現在の人格モードに対応する行動履歴情報を任意の既存情報と照合し、照合度が最も高い又は閾値を超える既存情報を用いて前記関連情報を生成し、前記第3のステップでは、前記同一人物以外が持つ他人の人格モードを人格モードの類似性に基づきクラスタリングし、前記同一人物により入力された状況条件に類似するクラスタを特定して、特定したクラスタに含まれる複数の他人の人格モードのうちいずれかを前記同一人物の人格モードの選択候補として表示することを要旨とする。
【0012】
請求項
5記載の複数人格情報処理プログラムは、コンピュータに、
人格モードの入力を受け付けて登録する第1の処理と、同一人物により異なる人格モードで行われた行動に関する行動履歴情報を人格モード行動履歴記憶手段にそれぞれ記憶しておく
第2の処理と、
登録された複数の人格モードを選択候補として表示し、前記同一人物における現在の人格モードの選択を要求する第3の処理と、所定の人格モードに対応する行動履歴情報を前記人格モード行動履歴記憶手段から読み出して、当該行動履歴情報に関連のある関連情報を配信する
第4の処理と、
を実行させ、前記第4の処理では、前記現在の人格モードに対応する行動履歴情報を任意の既存情報と照合し、照合度が最も高い又は閾値を超える既存情報を用いて前記関連情報を生成し、前記第3の処理では、前記同一人物以外が持つ他人の人格モードを人格モードの類似性に基づきクラスタリングし、前記同一人物により入力された状況条件に類似するクラスタを特定して、特定したクラスタに含まれる複数の他人の人格モードのうちいずれかを前記同一人物の人格モードの選択候補として表示することを要旨とする。
【0013】
以上より、本発明によれば、同一人物により異なる人格モードで行われた行動に関する行動履歴情報やその補完情報をそれぞれ記憶しておき、所定の人格モードに対応する行動履歴情報や補完情報を取得してそれらに関連のある関連情報を配信するため、ユーザの演じる人格や利用シーンに応じた有益性の高い情報を提供することができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、ユーザにとって有益性の高い情報を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0016】
日常の生活シーンにおける購買行動等の決定に影響を与える要因として、我々は、外部状況に応じた最適な行動決定をとっている。例えば、コンビニにおいては、同じ人物であっても、朝、会社へ行く途中で家の近くのコンビニで買うもの、昼休みに会社の近くのコンビニで買うもの、終電近くに帰ってきて家の近くのコンビニで買うものは大きく異なっている。
【0017】
また、例えば、同じ人物でも、家族の一員として、親として、会社員として、部下として、オフタイムを楽しむ個人として、おかれた状況に応じて、求める情報や買い求める商品が異なっている。同じ人物でも、例えば、会社で最新技術動向を調査している場面で、非常に個人的な品物、例えば、下着とか育毛剤などの広告を出されても購入しようとは思わないことが多い。
【0018】
そして、そのような状況に反したマーケティングを行うことによって困惑や憤りを呼び、オフタイムに再度広告を出しても反応率が低下するなどのネガティブな影響が出ることもある。
【0019】
また、一度だけ買って二度と利用しないようなものが何度も「おすすめ」として提供されることにより不愉快になる等の弊害がある。例えば、一度、お悔やみ電報の提供を利用すると、いつまでも、「お悔やみ電報」の「おすすめ」が表示される等である。必要にせまられて行った不本意な購入履歴をもとに「おすすめ」することにより、かえって顧客を遠ざけてしまうという弊害がある。
【0020】
更に、従来の電子商取引は、多品種の商品、安い価格、ワンクリックで簡単に購入できる等の機能に偏重していて、人間が複数の役割毎に違う理由によって消費をするということが十分に考慮されていなかった。
【0021】
例えば、自動車を所有していて、自動車の関連商品については非常に詳細な知識を持ちディテイルにこだわるが、それ以外の商品は日用品として価格重視で選択する、というようなこだわりを表現することができなかった。これは、従来の商取引が貧乏と金持ちの二分論のような消費者を一種類のラベルによって判断するマーケティングをしており、その先にある消費者自身を異なる場面や役割において、さらに細分化して定義する機能が十分でなかったことによる。
【0022】
そこで本発明では、ユーザの行動時における状況により個人の役割が異なり、外部環境による行動への影響が想定されることに着目し、同一人物における購買行動をも支配する役割意識の違いを人格(ペルソナ)として定義し、ユーザが人格を自主判別し若しくはシステムの自動判別又はそれらを組み合わせ、該当する人格やロケーション・時間帯等に応じた行動履歴に基づく情報を配信するようにしている(
図1参照)。
【0023】
以下、本発明を実施する一実施の形態について図面を用いて説明する。但し、本発明は多くの異なる様態で実施することが可能であり、本実施の形態の記載内容に限定して解釈すべきではない。
【0024】
〔複数人格情報処理装置の構成について〕
図2は、本実施の形態に係る複数人格情報処理装置1の機能ブロック構成を示す図である。この複数人格情報処理装置1は、入出力部11と、カスタマイズ情報処理部12と、人格モード判定部13と、データ記憶部14と、人格モード推定部15と、人格モード候補選定部16とで構成される。これら全ての機能部11〜16は、相互に通信可能に電気的・物理的に接続されている。
【0025】
入出力部11は、本装置1を利用中のユーザに対して文字的又は絵的なインタフェースを提供し、Webサービス等を用いて本装置1の利用手順や入力画面等を表示して、ユーザによって入力された各種情報を受け付ける機能を備えている。
【0026】
カスタマイズ情報処理部12は、インタフェース上に表示される情報をユーザの要求に応じて適宜カスタマイズする機能を備えている。
【0027】
人格モード判定部13は、同一人物が演じる人格を人格モードと定義し、各人格モードの入力を受け付ける人格モード候補入力部131と、本装置1の利用時におけるユーザの現在の人格モードの選択入力を受け付ける人格モード選択入力部132と、選択された人格モード(ユーザによる自主判別)又は推定された人格モード(本装置1による自動判別)に対応する行動履歴やその補完情報に関連のある関連情報を生成し配信する人格モード情報処理部133とを備えている。
【0028】
データ記憶部14は、入力された人格モードを選択候補として記憶しておく人格モード候補記憶部141と、入力された現在の人格モードを記憶しておく現在人格モード記憶部142と、各人格モードで行われた行動履歴を行動履歴情報としてそれぞれ記憶しておく人格モード行動履歴記憶部143と、補完情報(後述)と人格モードとの対応関係を状況判定情報として記憶しておく状況判定情報記憶部144とを備えている。
【0029】
人格モード推定部15は、入力された補完情報に対応する人格モードを状況判定情報から検索する状況情報解析部151と、人格モードを推定する人格モード推定選択処理部152とを備えている。
【0030】
人格モード候補選定部16は、他人のユーザの人格モードを更に用いて利用中のユーザの人格モードの候補を判定する人格モード候補判定部161と、候補判定された人格モードを一候補として提示する人格モード候補提示部162とを備えている。
【0031】
〔人格情報処理方法について〕
次に、
図3及び
図4を参照しながら、複数人格情報処理装置1で行う人格情報処理方法(第1例)について説明する。具体的には、人格候補と重み付け情報から人格の選択とそれに対応した情報の評価処理を行い、現在のユーザ状況に合う情報を配信する方法について説明する。
【0032】
まず、カスタマイズ情報処理部12が、ユーザに最終配信される情報について、(1)予め装置1内で設定されたルールに基づいて選択したものを配信する選択方法と、(2)装置1による自動ルール算出や類似性算出での自動処理に基づいて選択したものを配信する選択方法とを選択可能に表示し、ユーザにより選択された選択方法を予め自処理部内で保持する(ステップS101)。
【0033】
尚、ステップS101は、人格モード情報処理部133で実行しても構わないし、後述するステップS105の直前に実行しても構わない。
【0034】
次に、人格モード候補入力部131が、ユーザが演じる人格の人格モードの設定を要求してその入力を受け付け、入力された人格モードを人格モード候補記憶部141に登録する(ステップS102)。
【0035】
このステップS102により、例えば、「父親の私」、「夫の私」、「会社員の私」、「ソフトウェア技術者の私」、「パラグライダーファンの私」、「つりファンの私」といった人格モードが定義され、装置1内に登録されることになる。
【0036】
このとき、自装置1内で予め保持している既存の人格モードから任意に選択させても構わないし、ユーザが新規に人格モードをカスタマイズ生成して登録させるようにしても構わない。
【0037】
また、このような人格モードに対して、各人格での行動決定の一要素となる補完情報を指定等して付与することも可能である。例えば、場所、時刻、キーワード、購入サイトURL、イベント名等の「タグ情報」を同一人格での状況に応じて付与することも可能である。その他、0〜100の範囲内での実数値を「重み付け情報」として人格モード間又はタグ情報間での重要度の相違に応じて付与することも可能である。
【0038】
この補完情報は、人格モードと同様にユーザの要求に応じて新規にカスタマイズ生成することや、過去の行動履歴情報を用いて生成することも可能であり、該当する人格モードに対応付けて登録される(
図5参照)。尚、補完情報を対応付ける方法としては、(1)ユーザ指定による対応付け、(2)本装置1による自動(推定)対応付け等が考えられる。
【0039】
次に、人格モード選択入力部132が、人格モード候補記憶部141に登録されている人格モードを読み出して選択候補として表示し、ユーザにおける現在の人格モードの選択を要求して、選択された人格モードを現在の人格モードとして現在人格モード記憶部142に登録する(ステップS103)。
【0040】
このとき、人格モードと共に補完情報が入力されている場合には、その補完情報は、ステップS103における選択要求時の条件情報として活用される。例えば、ある場所に該当する人格モードのみを表示したり、指定値以上に重み付けられた人格モードのみを表示したりする等である。
【0041】
次に、人格モード情報処理部133が、現在の人格モードで行われたユーザの行動履歴を行動履歴情報として当該現在の人格モードに対応付けて人格モード行動履歴記憶部143に記録する(ステップS104)。
【0042】
行動履歴情報とは、例えば、ウェブページの検索、ウェブサイトの参照や閲覧、インターネットを介したネット通販商品の購入等である。ユーザの行動履歴をそのまま行動履歴情報に記録しても構わないし、再編集したり、お薦め情報として使用したくない検索履歴等については不要モードに仕分けたりしても構わない。
【0043】
このようなステップS103〜ステップS104の処理を繰り返すことにより、ユーザの人格毎の行動情報が管理されることになる(
図6〜
図8参照)。
図7では、外部環境(エリア、店舗、メディア等)に対応してユーザ等の外部から定義付けされた場合を示している。
図8では、補完情報が付与された場合を示している。
【0044】
次に、人格モード情報処理部133は、現在の人格モードに対応する補完情報や行動履歴情報を人格モード候補記憶部141と人格モード行動履歴記憶部143から読み出して、当該行動履歴情報と既存の広告等情報(任意の既存情報)と評価処理して当該行動履歴情報に関連のあるお薦め情報を生成し、ユーザに配信する(ステップS105)。
【0045】
お薦め情報を生成する際、ステップS101で登録された選択方法に基づいて選択されたもののみが用いられる。尚、お薦め情報とは、例えば、電子商取引の割引情報や広告・宣伝情報、ニュース記事情報やブログ記事情報、その他利用者が興味を持つと推測されるあらゆる情報である。また、既存の広告等情報とは、自装置1内で保持しているもの以外に、インターネット上に保存されている任意の広告情報や宣伝情報等を用いても構わない。
【0046】
続いて、
図9を参照しながら、お薦め情報の最適化方法を中心とした人格情報処理方法(第2例)について説明する。
【0047】
まず、人格モード候補記憶部141が、ユーザの有する各人格モードに対して任意の特性ベクトルをそれぞれ設定する(ステップS201)。この特性ベクトルとしては、例えば、流行、懐古趣味、贅沢、感性(人情、未来志向)等、1000次元程度が考えられ、予め本装置1に登録され、又は人格モードの補完情報から判別される。
【0048】
次に、人格モード候補記憶部141は、人格モード以外に補完情報がある場合、その補完情報(具体的には、過去の行動履歴情報からの検索キーワード、ウェブサイトURL、購入物等)に対しても特性ベクトルを予め与えられたルール又は類似性算出方法を用いて自動でそれぞれ割り当てる(ステップS202)。
【0049】
次に、人格モード情報処理部133が、自装置1又はインターネットから所定の広告やお薦め情報等を取得し、それらに対しても特性ベクトルを予め与えられたルール又は類似性算出方法を用いて自動でそれぞれ割り当てる(ステップS203)。
【0050】
次に、人格モード情報処理部133は、ユーザによって行われた検索履歴、購入履歴、参照履歴等の行動履歴を人格モードに対応付けて人格モード行動履歴記憶部143に格納する(ステップS204)。
【0051】
具体的には、現在人格モード記憶部142に登録されている現在の人格モードと人格モード行動履歴記憶部143に登録されている行動履歴情報とを紐付け、人格モード行動履歴記憶部143へ記憶指示を行うことにより、各人格モードに応じた行動履歴を人格モード行動履歴記憶部143で記憶する。
【0052】
次に、人格モード情報処理部133は、人格モード行動履歴記憶部143から行動履歴情報を読み出して、人格モード毎に、検索用語の使用頻度と購入物の購入頻度とウェブサイトの参照頻度とをそれぞれ計算する(ステップS205)。
【0053】
次に、人格モード情報処理部133は、人格モード毎の検索用語の使用頻度と購入物の購入頻度とウェブサイトの参照頻度とを重みとし、各人格モードに対して重み付け情報が設定されている場合は当該重み付け情報も用いて、当該用語と購入物とウェブサイト参照に関する特性ベクトルを計算し、ステップS201やステップS202で割り当てられた特性ベクトルも用いて、頻度と経過時間による加重平均ベクトルを人格モード毎に計算する(ステップS206)。
【0054】
最後に、人格モード情報処理部133は、ステップS206で計算された人格モード毎の現在特性ベクトルと、予め入力された様々な情報やステップS203で割り当てられた広告等情報に対する特性ベクトルとのマッチング(照合)をとり、距離の小さい広告等情報(例えば、照合度が最も高いもの又は閾値を越えるもの)をカスタマイズ情報として生成し、ユーザに配信する(ステップS207)。
【0055】
〔人格モードの推定方法について〕
次に、
図10及び
図11を参照しながら、入力された条件情報に基づいて複数の人格モードから処理時点のユーザの状況に応じた人格モードを自動推定する方法について説明する。
【0056】
まず、状況判定情報記憶部144が、本装置1又はユーザによって定義された複数の補完情報(本方法及び次の補完方法において「状況条件」という)に対する複数の人格モードとの関連を状況判定情報として保存する(ステップS301)。
【0057】
このステップS301により、状況条件に応じて、家族モード、仕事モード、娯楽モード等といった予め装置1により定義された人格モード、又はユーザ自身によって定義された人格モードについて、自動的に、人格との相関関係が定義されることになる(
図12参照)。
【0058】
尚、このステップS301において、状況条件と人格モードの入力を新たに要求しても構わないし、現在人格モード記憶部142や人格モード行動履歴記憶部143に既に登録されている情報を流用しても構わない。
【0059】
次に、状況情報解析部151が、ユーザによって入力された状況条件に該当する全ての人格モードを人格モード行動履歴記憶部143から取得する(ステップS302)。
【0060】
例えば、状況条件として所定の時間と所定の場所が入力されている場合には、当該時間及び当該場所に合致する時間及び場所に関連付けられた人格モードを状況判定情報から取得する。
【0061】
次に、人格モード推定選択処理部152が、ステップS302で取得された複数の人格モード間の類似性に基づき、処理実行時点での最適なユーザの人格モードを現在の人格モードとして候補選定(推定)する(ステップS303)。
【0062】
尚、人格モードを候補選定するに際し、人格モード間の類似性からスコア付けを行い、得点の最も高い人格モードや閾値以上のスコアに該当する複数の人格モードを選定するようにしても構わない。
【0063】
最後に、人格モード情報処理部133が、ステップS303で推定された1つ以上の人格モードを用いて、上述したステップS105と同様の処理を実行する(ステップS304)。
【0064】
〔人格モードの補完方法について〕
次に、
図13及び
図14を参照しながら、他人のユーザにて判定された人格モードを新たな人格モードとし、現在の人格モードとしてアドバイス表示する方法について説明する。但し、人格モード候補記憶部141には、本装置1の利用ユーザに顕在化していない他人の人格モードが予め登録されているものとする。
【0065】
まず、人格モード候補判定部161が、人格モード候補記憶部141から、本装置1を利用しているユーザ以外の他人のユーザの人格モードを含む複数の人格情報を取得する(ステップS401)。
【0066】
次に、人格モード候補判定部161は、取得した人格情報から人格モードを収集し、状況条件の類似性(例えば、タグ情報の類似性等)に基づき又はパターン抽出を行うことにより、それら複数の人格モードをクラスタリングする(ステップS402)。
【0067】
次に、人格モード候補判定部161は、クラスタリングされた各クラスタに対応する人格モードの代表の集合を抽出する(ステップS403)。
【0068】
次に、人格モード候補判定部161は、ユーザによって入力された状況条件との類似性等に基づいて、抽出された代表的な人格モードの集合から当該ユーザが属する人格モードのクラスタを自動判定する(ステップS404)。
【0069】
次に、人格モード候補提示部162が、ステップS404で自動判定されたクラスタに属する代表的な人格モードを補足人格モードとし人格モード選択入力部132に送信し、人格モード選択入力部132は、それをお薦めの人格モードの候補として表示する(ステップS405)。
【0070】
このとき、ユーザが適当な人格モードを選べない場合、人格モード候補提示部162は、次に類似度の高いクラスタの人格モードをお薦め表示する。以降同様に、順次、全体のクラスタ集合から最近設定された人格モードを表示し、全体のクラスタ集合から人気のある人格モードを表示し、蓄積されている人格モードをランダムにお薦め表示する。それでも選べない場合には、登録された人格モードを検索する機能を提供する。
【0071】
その後、人格モード候補提示部162は、ユーザによる人格モードの選択・非選択結果を履歴として管理し、人格モード選択入力部132は、その結果を人格モード候補記憶部141に記憶させる(ステップS406)。
【0072】
続いて、
図15を参照しながら、人格モード補完方法の具体的な処理例について説明する。
【0073】
まず、人格モード候補判定部161が、他人の人格について予めモード予想を行い、家族モード、仕事モード、部下モード、上司モード、メセナモード、贅沢モード、貴族モード、格安モード、こだわりモード、娯楽モード、自宅モード、調査モード等の初期集合を設定しておく(ステップS501)。
【0074】
次に、人格モード候補判定部161は、その初期集合を基にユーザに対して現在の人格モードを選択させ、選択された人格モードを利用する。一方、初期集合内から人格モードが選択できない場合は、そのユーザ特有の人格モードである可能性があるため、現在の状況条件を新たな人格モードの判定ルールとして入力させる(ステップS502)。
【0075】
次に、人格モード候補判定部161は、ステップS502で入力されたユーザ特有の判定ルールを基に、他人の人格モードの判定ルールとの類似性を計算する(ステップS503)。
【0076】
次に、人格モード候補判定部161は、類似した判定ルールに該当する人格モードの所有ユーザから、当該ユーザの代表的属性(年齢、職業、居住地等)に基づき類似集団を検索する(ステップS504)。これにより、当該代表的属性に類似するユーザ群の人格モードに更に絞り込まれる。
【0077】
次に、人格モード候補提示部162が、検索された類似集団における人格モードの利用状況を把握し、上位の人格モードから順次お薦め表示する(ステップS505)。
【0078】
最後に、人格モード候補提示部162は、いくつか人格モードをお薦め表示して該当しない場合には、次に類似度の高い類似集団を用いてステップS504〜ステップS505を繰り返す(ステップS506)。
【0079】
以上より、本実施の形態によれば、同一人物により異なる人格モードで行われた行動に関する行動履歴情報やその補完情報をそれぞれ記憶しておき、所定の人格モードに対応する行動履歴情報や補完情報を取得してそれらに関連のある関連情報を配信するので、ユーザの演じる人格や利用シーンに応じた有益性の高い情報を提供することができる。
【0080】
すなわち、配信される情報がユーザの現在の人格に該当するように調整されることから、消費者にとって、便利で快適な情報・購買環境を提供することができる。また、ターゲットを絞って販売情報等が提供されるため、情報配信者である販売側においても、適切なマーケティング活動や、反応率や購買率の向上を得ることが可能である。
【0081】
最後に、本実施の形態で説明した複数人格情報処理装置1は、メモリやCPUを備えたコンピュータで実現できる。また、その処理は、プログラムによって実行可能に実現できる。