(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第2の取付部材は、第1の取付部材に対して移動可能にされ、前記第1、第3の辺と平行な方向に向かってスライドさせることによって第1の取付部材に取り付けられる請求項1〜8のいずれか1項に記載の基板取付機構。
(a)前記基板部において、前記第1の辺と第2の辺とが直交させて延在させられ、前記第3の辺と第4の辺とが直交させて延在させられ、前記第1の辺と第3の辺とが平行に延在させられ、前記第2の辺と第4の辺とが平行に延在させられ、
(b)前記第1の取付部材において、前記第1の規制部は、前記第3の辺から第1の辺に向かう方向に基板部材が移動するのを規制し、前記第2の規制部は、前記第4の辺から第2の辺に向かう方向に基板部材が移動するのを規制し、
(c)前記第2の取付部材において、前記第4の規制部は、前記第1の辺から第3の辺に向かう方向に基板部材が移動するのを規制し、前記第5の規制部は、前記第2の辺から第4の辺に向かう方向に基板部材が移動するのを規制する請求項16に記載の基板取付方法。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。この場合、画像形成装置としてのプリンタについて説明する。
【0017】
図2は本発明の第1の実施の形態におけるプリンタの概念図、
図3は本発明の第1の実施の形態における画像形成部の概念図である。
【0018】
図2において、10はプリンタ、26は媒体としての用紙P(
図3)を収容する媒体収容部としての給紙カセット、27は該給紙カセット26に収容された用紙Pを媒体搬送路としての用紙搬送路Rtに繰り出すホッピングローラ、28、29、33、34は用紙Pを搬送する搬送ローラ、35、36は用紙Pをプリンタ10の本体、すなわち、装置本体外に排出する排出ローラ、37は排出された用紙Pを積載するためのスタッカである。
【0019】
前記用紙搬送路Rtにおける搬送ローラ28、29より下流側に画像形成部Pnが、該画像形成部Pnより下流側に定着装置としての定着器32が配設され、前記画像形成部Pnは、第1の交換ユニットとしての画像形成ユニット31、露光装置としてのLEDヘッド23、及び転写部材としての転写ローラ22を備える。
【0020】
次に、画像形成部Pnについて説明する。
【0021】
図3において、31は画像形成ユニットであり、該画像形成ユニット31は、装置本体に対して着脱自在に、かつ、交換自在に配設され、画像形成ユニット31を構成する部品が寿命になると、新品と交換される。
【0022】
前記画像形成ユニット31は、画像形成ユニット31の本体、すなわち、画像形成ユニット本体20、及び該画像形成ユニット本体20に対して着脱自在に、かつ、交換自在に配設され、現像剤としてのトナー14を収容する第2の交換ユニットとしての、かつ、現像剤収容器としてのトナーカートリッジ15を備える。該トナーカートリッジ15は、トナー14がなくなると、新品と交換される。
【0023】
また、前記画像形成ユニット本体20は、駆動部としての図示されないモータを駆動することによって矢印方向に回転させられる像担持体としての感光体ドラム11、回転自在に配設され、一定の圧力で感光体ドラム11と当接させられ、感光体ドラム11と逆方向に回転させられ、感光体ドラム11の表面を一様に帯電させる帯電装置としての帯電ローラ12、前記感光体ドラム11の上方において感光体ドラム11と対向させて配設され、感光体ドラム11の表面を照射し、帯電に伴って感光体ドラム11上に蓄積された電荷を除去して潜像としての静電潜像を形成する前記LEDヘッド23、回転自在に配設され、感光体ドラム11と逆方向に回転させられ、トナー14を感光体ドラム11に付着させて前記静電潜像を現像し、現像剤像としてのトナー像を形成する現像剤担持体としての現像ローラ16、先端を現像ローラ16に所定の圧力で当接させて配設され、現像ローラ16上のトナー14を薄層化し、一定の厚さの現像剤層としてのトナー層を形成する現像剤層規制部材としての現像ブレード17、現像ローラ16と同方向に回転させられ、トナーカートリッジ15から供給されたトナー14を現像ローラ16に供給するとともに、トナー14を帯電させる現像剤供給部材としてのトナー供給ローラ18等を備える。
【0024】
そして、前記感光体ドラム11の下方には、感光体ドラム11と対向させて前記転写ローラ22が配設され、該転写ローラ22は、前記感光体ドラム11上のトナー像を、搬送路Rtを搬送される用紙Pに転写する。
【0025】
また、先端を感光体ドラム11に所定の圧力で当接させてクリーニング部材としてのクリーニングブレード19が配設され、該クリーニングブレード19によって、トナー像の転写後に感光体ドラム11上に残留したトナー14が掻き取られ、掻き取られたトナー14が、クリーニングブレード19の下方に配設された現像剤搬送部材としての搬送スパイラル25によって、後述される廃トナー収容部43(
図4)に廃トナーとして送られる。
【0026】
次に、前記プリンタ10の動作について説明する。
【0027】
まず、給紙カセット26に収容された用紙Pが、ホッピングローラ27の回転に伴って用紙搬送路Rtに繰り出され、搬送ローラ28、29によって搬送され、前記画像形成部Pnに送られ、感光体ドラム11と転写ローラ22との間を通過させられる。
【0028】
前記画像形成部Pnにおいては、帯電ローラ12に所定の電圧が印加され、帯電ローラ12によって感光体ドラム11の表面が一様に帯電させられる。続いて、LEDヘッド23によって、感光体ドラム11の表面が照射され、画像の部分の電荷が除去されて静電潜像が形成される。
【0029】
また、トナーカートリッジ15内のトナー14はトナー供給ローラ18によって現像ローラ16に供給され、現像ブレード17によって一定の厚さのトナー層が形成され、該トナー層が前記感光体ドラム11に付着させられ、静電潜像が現像されてトナー像が形成される。
【0030】
そして、用紙Pが感光体ドラム11と転写ローラ22との間を通過する際に、感光体ドラム11上のトナー像が転写ローラ22によって用紙Pに転写される。
【0031】
このとき、感光体ドラム11上に残留したトナー14は、クリーニングブレード19によって掻き取られ、搬送スパイラル25によって図示されないサイドフレームに搬送され、サイドフレーム内に形成された搬送ルートを介して前記廃トナー収容部43に収容される。
【0032】
そして、トナー像が転写された用紙Pは、定着器32に送られ、該定着器32においてトナー像が用紙Pに定着させられる。
【0033】
続いて、用紙Pは搬送ローラ33、34によって搬送され、排出ローラ35、36によって装置本体外に排出され、スタッカ37に積載される。
【0034】
次に、前記トナーカートリッジ15について説明する。
【0035】
図4は本発明の第1の実施の形態におけるトナーカートリッジの斜視図である。
【0036】
図において、15はトナーカートリッジ、Cs1は該トナーカートリッジ15の筐体であり、該筐体Cs1は、筒状体から成り、内部にトナー14を収容する第1の現像剤収容室としてのトナー収容筐体40、及び該トナー収容筐体40に隣接させて、かつ、下方に向けて垂下させて形成され、前記搬送スパイラル25によって搬送された廃トナーを収容する第2の現像剤収容室としての前記廃トナー収容部43を備える。
【0037】
前記トナー収容筐体40の一端には、円形の形状を有するレバー41がトナー収容筐体40に対して回動自在に配設され、レバー41の所定の箇所に操作部としての把手41aが形成される。また、前記トナー収容筐体40の長手方向における中央部には、トナー14を前記画像形成ユニット本体20(
図3)に供給するための開口部44が下方に向けて開口させられる。
【0038】
そして、前記レバー41に隣接させて、シャッタ部材42がトナー収容筐体40に対して回動自在に配設され、シャッタ部材42は、トナー収容筐体40内に延在させて配設された図示されない開閉部材、及びトナーカートリッジ15を画像形成ユニット本体20に対して係止させるための係止部材42aを備える。
【0039】
前記レバー41の外周における所定の箇所に駆動側の歯Th1が、前記シャッタ部材42の外周における所定の箇所に従動側の歯Th2が形成され、歯Th1、Th2が噛合させられる。これにより、操作者が把手41aを操作してレバー41を回動させると、シャッタ部材42が回動させられる。
【0040】
前記トナーカートリッジ15を画像形成ユニット本体20に対して取り付ける場合、まず、操作者が、トナーカートリッジ15を画像形成ユニット本体20における取付部位にセットし、操作部41aを操作してレバー41を回動させると、シャッタ部材42が回動させられ、係止部材42aによってトナーカートリッジ15が画像形成ユニット本体20に対して係止させられ、固定される。このとき、シャッタ部材42によって開口44が開かれ、トナー収容筐体40内のトナー14が画像形成ユニット本体20内に供給される。
【0041】
ところで、本実施の形態においては、トナーカートリッジ15に関する情報、すなわち、交換ユニット情報、トナーカートリッジ15に収容されるトナー14に関する情報、すなわち、現像剤情報等の情報を装置本体に配設された制御部30によって取得することができるようになっている。
【0042】
そのために、前記筐体Cs1における所定の箇所、本実施の形態においては、廃トナー収容部43の一端におけるレバー41の下方部分に、トナーカートリッジ15の長手方向における一端側に所定の量だけ突出させて筐体凸部Cs2が形成され、該筐体凸部Cs2の第1の面としての端面Stから第2の面としての側面Sgにかけて基板装着部Pt1が形成され、該基板装着部Pt1に基板部材45が着脱自在に装着される。
【0043】
次に、基板部材45について説明する。
【0044】
図5は本発明の第1の実施の形態における基板部材の第1の斜視図、
図6は本発明の第1の実施の形態における基板部材の第2の斜視図である。
【0045】
図に示されるように、基板部材45は、所定の厚さh1を有する基板部としての基板Bd、該基板Bdの第1の面としての表面Saに形成された一対の接点部45a、45a′、及び該接点部45a、45a′と電気的に接続され、前記基板Bdの第2の面としての裏面Sbに突出させて配設された突出部としての、かつ、記憶部としてのメモリ45bを備え、該メモリ45bに前記交換ユニット情報、現像剤情報等の情報が記録される。前記接点部45a、45a′は、長方形(矩形)の形状を有し、トナーカートリッジ15を画像形成ユニット本体20にセットしたときに、当接部p1、p2において、装置本体に配設された後述される電気接点50、51(
図15)と点接触により電気的に接触させられる。
【0046】
前記基板Bdは、長方形の形状を有し、第1の辺としての長辺部eg1、第2の辺としての短辺部eg2、第3の辺としての長辺部eg3及び第4の辺としての短辺部eg4を備え、短辺部eg2、eg4の長さをw1とし、長辺部eg1、eg3の長さをw2としたとき、
w1<w2
にされる。また、長辺部eg1、eg3は、基板Bdの長手方向において、互いに平行に、短辺部eg2、eg4は、基板Bdの短手方向において、互いに平行に延在させられる。そして、前記長辺部eg1、eg3と短辺部eg2、eg4とが直交させて延在させられる。ここで、平行とは、互いに成す角度が0±5〔°〕の範囲に収まることをいい、本実施の形態において、互いに成す角度は0〔°〕にされ、直交とは、互いに成す角度が90〔°〕±5〔°〕の範囲に収まることをいい、本実施の形態において、互いに成す角度は90〔°〕にされる。
【0047】
また、前記当接部p1、p2と長辺部eg1との距離をd1とし、当接部p1、p2と長辺部eg3との距離をd2としたとき、
d1≠d2
にされる。
【0048】
そして、短辺部eg2、eg4が延在させられる方向が第1の方向としてのx方向とされ、長辺部eg1、eg3が延在させられる方向が第2の方向としてのy方向とされ、基板Bdの厚さ方向が第3の方向としてのz方向とされる。さらに、x方向において長辺部eg1側から長辺部eg3側に向く方向が+x方向とされ、長辺部eg3側から長辺部eg1側に向く方向が−x方向とされ、y方向において短辺部eg4側から短辺部eg2側に向く方向が+y方向とされ、短辺部eg2側から短辺部eg4側に向く方向が−y方向とされ、z方向において裏面Sb側から表面Sa側に向く方向が+z方向とされ、表面Sa側から裏面Sb側に向く方向が−z方向とされる。なお、前記x方向は基板部材45の短手方向であり、前記y方向は基板部材45の長手方向及びトナーカートリッジ15の長手方向であり、z方向は基板部材45の厚さ方向である。
【0049】
次に、基板装着部Pt1について説明する。
【0050】
図1は本発明の第1の実施の形態における基板装着部の分解斜視図、
図7は本発明の第1の実施の形態における取付部の斜視図、
図8は
図7のA−A断面図、
図9は本発明の第1の実施の形態におけるカバー部材の第1の斜視図、
図10は本発明の第1の実施の形態におけるカバー部材の第2の斜視図、
図11は本発明の第1の実施の形態におけるカバー部材の第3の斜視図である。なお、
図10は
図9における矢印A方向の斜視図、
図11は
図10における矢印B方向の斜視図である。
【0051】
図において、15はトナーカートリッジ、Cs2は筐体凸部、Pt1は該筐体凸部Cs2の端面Stから側面Sgにかけて形成された基板装着部、45は基板部材である。
【0052】
また、47は筐体凸部Cs2の所定の箇所に形成された第1の取付部材としての取付部であり、該取付部47に、表面Saを上方に、裏面Sbを下方に向けて基板部材45がセットされる。そして、該基板部材45を覆うようにして第2の取付部材としてのカバー部材46が取付部47に取り付けられ、カバー部材46によって基板部材45が取付部47に固定される。なお、基板部材45、取付部47及びカバー部材46によって、基板取付機構が構成される。
【0053】
次に、前記取付部47について説明する。
【0054】
該取付部47は、前記基板部材45がセットされたときに基板部材45を支持するために、トナーカートリッジ15の長手方向における一端側に形成された端面Stから他端側に向けて、+y方向に延在させて、かつ、所定の間隔を置いて互いに平行に形成された二つの支持部101、102を備える。そして、該支持部101と102との間には、+y方向に延在する収容部としての溝103が、支持部101、102によって凹形状を成すように形成され、端面Stで開口する。また、前記溝103の深さεは、前記基板部材45をセットしたときにメモリ45bが溝103の底部と接触しない値に、すなわち、メモリ45bの高さh7より大きい値に設定される。
【0055】
前記支持部101、102は、短辺部eg4側の端部(以下「支持部前端」という。)から短辺部eg2側の端部(以下「支持部後端」という。)にかけて長辺部eg1、eg3に沿って、+y方向に長辺部eg1、eg3の長さw2と等しい距離だけ延在させられる。また、支持部101、102は、その表面に形成される支持面である厚さ方向支持部Sk1、Sk2を備え、基板Bdの裏面Sbと厚さ方向支持部Sk1、Sk2とを当接させることによって前記基板部材45を支持する。なお、厚さ方向支持部Sk1、Sk2はほぼ同一平面上に置かれる。そして、前記支持部101、102は、y方向における所定の部分、本実施の形態においては、中央部の近傍から支持部後端にかけて、側方(x方向)に張り出して形成された張出部105、106を備え、該張出部105、106は、前記厚さ方向支持部Sk1、Sk2における支持部前端から中央部までの部分より幅方向において広くされる。
【0056】
また、前記張出部105、106うちの一方、本実施の形態においては、張出部105の外側縁部に、第1の立上部107が+z方向に向けて立ち上げて形成され、前記張出部105の後端部に、第2の立上部108が+z方向に向けて立ち上げて形成され、張出部105、106のうちの他方、本実施の形態においては、張出部106の後端部に、第3の立上部109が+z方向に向けて立ち上げて形成される。
【0057】
そして、取付部47は、第1の規制部としての長辺支持部Se1が形成される第1の立上部107、第2の規制部としての短辺支持部Se2、Se3が形成される第2、第3の立上部108、109を備える。
【0058】
したがって、取付部47に基板部材45をセットすると、第1の立上部107の内側面である長辺支持部Se1と基板Bdの長辺部eg1とが当接させられ、第2、第3の立上部108、109の内側面である短辺支持部Se2、Se3と基板Bdの短辺部eg2とが当接させられる。なお、短辺支持部Se2、Se3は同一平面上に置かれる。
【0059】
前記第1の立上部107は、トナーカートリッジ15の長手方向(y方向)に延在させられたリブ形状の部材であり、支持部101、102の厚さ方向支持部Sk1、Sk2から+z方向(セットされる基板部材45の厚さ方向)に突出させて形成される。また、第2、第3の立上部108、109は、トナーカートリッジ15の短手方向(x方向)に延在させられたリブ形状の部材であり、支持部101、102の厚さ方向支持部Sk1、Sk2から+z方向(セットされる基板部材45の厚さ方向)に突出させて形成される。なお、本実施の形態においては、第2、第3の立上部108、109間に溝103が形成されるようになっているが、第2、第3の立上部108、109を連結し、一体に形成することができる。
【0060】
また、長辺支持部Se1と短辺支持部Se2とが互いに直交するように延在させられる。そして、厚さ方向支持部Sk1と長辺支持部Se1及び短辺支持部Se2とが互いに直交するように延在させられ、厚さ方向支持部Sk2と短辺支持部Se3とが互いに直交するように延在させられる。
【0061】
さらに、第1の立上部107と第2の立上部108とが互いに直交するように延在させられ、第1の立上部107と第2の立上部108とが直交する稜線(長辺支持部Se1と短辺支持部Se2との接線)の部分に角部Cnrが形成される。したがって、長辺支持部Se1と短辺支持部Se2、Se3とが互いに直交するように延在させられる。
【0062】
なお、前述されたように、直交とは、互いに成す角度が90〔°〕±5〔°〕の範囲に収まることをいい、本実施の形態において、互いに成す角度は90〔°〕にされる。
【0063】
また、前記第1の立上部107及び第2、第3の立上部108、109の、厚さ方向支持部Sk1、Sk2からの高さをhtとしたとき、該高さhtは、基板部材45の厚さh1(
図6)より大きく、
ht>h1
にされる。
【0064】
そして、前記取付部47には、基板部材45を覆うようにしてカバー部材46を取り付けることができるように、前記厚さ方向支持部Sk1、Sk2における支持部前端に対して、トナーカートリッジ15の長手方向(y方向)において段差を形成するように段差部115が形成され、該段差部115に第1の係合部材としての突起116が前方に向けて突出させて形成される。また、第2の立上部108と第3の立上部109との間(取付部47にセットされる基板部材45のほぼ中央部分)であって、トナーカートリッジ15の長手方向において、第2、第3の立上部108、109を挟んで厚さ方向支持部Sk1、Sk2が形成される領域と反対側の領域において、第2の係合部材としての突起117が形成される。なお、該突起117は、第2、第3の立上部108、109に隣接させて、かつ、厚さ方向支持部Sk1、Sk2及び第1〜第3の立上部107〜109より+z方向(取付部47にセットされる基板部材45の厚さ方向)に突出させて形成される。
【0065】
さらに、前記張出部105、106における厚さ方向支持部Sk1、Sk2と反対側の面によって形成される係止部Sm1、Sm2と前記筐体凸部Cs2の側面Sgとの間に所定の空間CL1、CL2が形成される。
【0066】
前記長辺支持部Se1は、基板部材45を取付部47にセットしたときに基板Bdの長辺部eg1と当接し、基板部材45が−x方向に移動するのを規制する第1の規制部として機能する。また、前記短辺支持部Se2、Se3は、基板部材45を取付部47にセットしたときに基板Bdの短辺部eg2と当接し、基板部材45が+y方向に移動するのを規制する第2の規制部として機能する。そして、前記厚さ方向支持部Sk1、Sk2は、基板部材45を取付部47にセットしたときに基板Bdの裏面Sbと当接し、基板部材45が−z方向に移動するのを規制する第3の規制部として機能する。
【0067】
次に、前記カバー部材46について説明する。
【0068】
カバー部材46は、取付部47に基板部材45をセットした後、基板Bdの短辺部eg4側から+y方向にスライドさせ、移動させることによって取付部47に取り付けられる。
【0069】
そのために、前記カバー部材46は、長方形の形状を有し、基板部材45の表面Saが上方に移動するのを規制するよう上方から覆う壁部としての、かつ、上壁部としての上板部WU、該上板部WUから−z方向に垂下させられ、前記基板Bdの長辺部eg1、eg3がx方向に移動するのを規制する第1、第2の壁部としての、かつ、第1、第2の側壁部としての側板部WL、WR、及び前記上板部WUから−z方向に垂下させられ、前記基板Bdの短辺部eg4が−y方向に移動するのを規制する第3の壁部としての、かつ、前壁部としての前板部WFを備える。
【0070】
前記上板部WUは、矩形の形状を有する枠体124、及び該枠体124のy方向における中央部間(側板部WL側と側板部WR側との間)を連結する連結部125を備え、該連結部125によって、枠体124内が区画され、開口としての第1、第2の窓Q1、Q2が形成される。上板部WUの内側面である厚さ方向規制部Su1は、基板部材45を取付部47にセットし、カバー部材46を取付部47に取り付けたときに、基板部材45の表面Saと当接させられ、基板部材45を上方から保持する。このとき、前記第1、第2の窓Q1、Q2は、前記接点部45a、45a′と対向するように形成されるので、第1、第2の窓Q1、Q2に、前記接点部45a、45a′が臨ませられる。
【0071】
また、前記前板部WFから−z方向に突出させて延在部121が形成され、該延在部121に、前記突起116と係合させるための第1の被係合部材としての穴H1が形成され、前記上板部WUから+y方向に突出させて延在部122が形成され、該延在部122に、前記突起117と係合させるための第2の被係合部材としての穴H2が形成される。
【0072】
そして、前記側板部WL、WRのうちの一方、本実施の形態においては、側板部WLに、カバー部材46を取付部47に取り付けたときに前記第1の立上部107を収容することができるように、突出部141が外方に向けて突出させて形成され、前記カバー部材46を取付部47に取り付けると、前記側板部WLによって支持部101が、前記側板部WRによって支持部102が、前記前板部WFによって支持部前端が外側から包囲され、保持される。
【0073】
したがって、側板部WLにおける前記突出部141以外の部分、すなわち、非突出部142の内側面である長辺規制部Sf1が基板Bdの長辺部eg1と当接し、側板部WRの内側面である長辺規制部Sf2が基板Bdの長辺部eg3と当接し、前板部WFの内側面である短辺規制部Sf3が基板Bdの短辺部eg4と当接する。
【0074】
また、前記側板部WL、WRの下端部、すなわち、−z方向の端部に、互いに内側に向けて突出させて腕部AL、ARが形成される。該腕部AL、ARは、張出部105、106と対応する箇所に形成され、カバー部材46を取付部47に取り付けたときに、前記空間CL1、CL2内に進入し、係止部Sm1、Sm2とそれぞれ係止させられる被係止部143、145を備え、該被係止部143、145より延在部121側、すなわち、−y方向に形成され、それぞれ前記支持部101、102に側方から当接させられる当接部144、146を備える。
【0075】
この場合、前記厚さ方向規制部Su1と長辺規制部Sf1、Sf2及び短辺規制部Sf3とが直交させて延在させられ、長辺規制部Sf1、Sf2と短辺規制部Sf3とが直交させて延在させられる。なお、前述されたように、直交とは、互いに成す角度が90〔°〕±5〔°〕の範囲に収まることをいい、本実施の形態において、互いに成す角度は90〔°〕にされる。
【0076】
前記長辺規制部Sf2は、基板部材45を取付部47にセットし、カバー部材46を取付部47に取り付けたときに、基板Bdの長辺部eg3と当接し、基板部材45が+x方向に移動するのを規制する第4の規制部として機能する。また、前記短辺規制部Sf3は、基板部材45を取付部47にセットし、カバー部材46を取付部47に取り付けたときに、基板Bdの短辺部eg4と当接し、基板部材45が−y方向に移動するのを規制する第5の規制部として機能する。そして、前記厚さ方向規制部Su1は、基板部材45を取付部47にセットし、カバー部材46を取付部47に取り付けたときに、基板部材45の上方において基板部材45の表面Saと当接し、基板部材45が+z方向に移動するのを規制する第6の規制部として機能する。また、前記長辺規制Sf1は、基板部材45を取付部47にセットし、カバー部材46を取付部47に取り付けたときに、基板Bdの長辺部eg1と当接し、基板部材45が−x方向に移動するのを規制する第7の規制部として機能する。
【0077】
ところで、前記第1の立上部107の長辺支持部Se1の−y方向への延長線をL1とし、第2の立上部108及び第3の立上部109の+x方向への延長線をL2とし、延長線L1と延長線L2との間に、長辺支持部Se1及び短辺支持部Se2、Se3と対向する領域Area1が形成される。また、前記第1の立上部107の長辺支持部Se1の+z方向への延長線をL3とし、前記支持部101、102の厚さ方向支持部Sk1、Sk2の+x方向への延長線をL4とし、延長線L3と延長線L4との間に領域Area2が形成される。
【0078】
前記基板装着部Pt1は、前述されたように、廃トナー収容部43(
図4)の一端におけるレバー41の下方部分に形成された筐体凸部Cs2に形成されるので、前記領域Area1、Area2には、トナー収容筐体40、廃トナー収容部43、レバー41、シャッタ部材42等のような、基板部材45を装着する際に邪魔になる部材がない。例えば、領域Area1における、第1の立上部107及び第2、第3の立上部108、109と対向する部分には、領域Area2において厚さ方向支持部Sk1、Sk2から+z方向に突出する部材がない。
【0079】
すなわち、領域Area1、Area2内に、トナー収容筐体40、廃トナー収容筐体43、レバー41、シャッタ部材42等の部材が存在しないように、筐体Cs1における基板装着部Pt1の位置、基板装着部Pt1における第1〜第3の立上部107〜109の位置等が設定される。
【0080】
したがって、基板装着部Pt1に基板部材45を容易に装着することができる。
【0081】
次に、基板装着部Pt1に基板部材45を装着する方法について説明する。
【0082】
まず、領域Area1又は領域Area2において、基板部材45を厚さ方向支持部Sk1、Sk2上に置き、基板Bdの長辺部eg1を第1の立上部107に、短辺部eg2を第2、第3の立上部108、109に突き当てる。これにより、基板部材45の支持部101、102に対する位置決めが行われ、基板部材45が取付部47にセットされる。
【0083】
この場合、第1の立上部107と第2、第3の立上部108、109とが互いに直交する方向に延在させられ、長辺部eg1及び短辺部eg2が移動するのを規制するので、基板部材45を厚さ方向支持部Sk1、Sk2上に置く際の載置方向の自由度を高くすることができ、基板部材45を取付部47に容易にセットすることができる。
【0084】
なお、第1の立上部107と平行に他の側方立上部を配設することによって、長辺部eg1、eg3が移動するのを規制することができるが、その場合、基板部材45を厚さ方向支持部Sk1、Sk2上に置く際の載置方向が一方向に限定されるので、自由度が低くなる。
【0085】
次に、カバー部材46を+y方向に移動させ、被係止部143、145を前記空間CL1、CL2内に進入させ、それぞれ係止部Sm1、Sm2と係止させる。
【0086】
この場合、前述されたように、第1〜第3の立上部107〜109の厚さ方向支持部Sk1、Sk2からの高さhtは、基板部材45の厚さh1より大きく、
ht>h1
にされ、カバー部材46を+y方向に移動させる間、上板部WUの厚さ方向規制部Su1と第1の立上部107の上面とが当接させられるので、基板部材45とカバー部材46とが接触して基板部材45の位置がずれるのを防止することができる。
【0087】
そして、カバー部材46を+y方向に移動させると、突起116が穴H1に、突起117が穴H2に係合させられ、カバー部材46が取付部47に取り付けられる。
【0088】
このようにして、基板装着部Pt1に基板部材45が装着される。
【0089】
次に、基板装着部Pt1に基板部材45が装着された状態について説明する。
【0090】
図12は本発明の第1の実施の形態における基板装着部に基板部材が装着された状態を示す斜視図、
図13は
図12のB−B断面図、
図14は
図12のC−C断面図である。
【0091】
図において、15はトナーカートリッジ、Sgは筐体凸部Cs2の側面、45は基板部材、46はカバー部材、47は取付部、101、102は支持部、103は溝である。
【0092】
この場合、前記張出部105、106の裏面によって形成される係止部Sm1、Sm2と、支持部101、102の表面によって形成される厚さ方向支持部Sk1、Sk2との距離をh2とし、前記係止部Sm1、Sm2と上板部WUの厚さ方向規制部Su1との距離をh3とすると、カバー部材46を+y方向に移動させ、被係止部143、145(
図10及び11)をそれぞれ係止部Sm1、Sm2と係止させるために、前記第1〜第3の立上部107〜109の厚さ方向支持部Sk1、Sk2からの高さhtを、
ht≦h3−h2
にする必要があるが、本実施の形態においては、カバー部材46を+y方向に移動させる間に、基板部材45と上板部WUの厚さ方向規制部Su1との間に十分な隙間が形成されるように、
ht<h3−h2
にされる。
【0093】
また、カバー部材46を+y方向に移動させる場合、第1の立上部107の長辺支持部Se1と側板部WRの長辺規制部Sf2との距離をw3としたとき、該距離w3及び短辺部eg2、eg4の長さw1を、
w1≦w3
にする必要があるが、本実施の形態においては、前記基板部材45の短手方向において長辺支持部Se1と長辺部eg1との間、及び長辺規制部Sf2と長辺部eg3との間に隙間が形成されるように、
w1<w3
にされる。
【0094】
さらに、カバー部材46を取付部47に取り付けるために、第2、第3の立上部108、109の短辺支持部Se2、Se3と前板部WFの短辺規制部Sf3との距離をw4としたとき、該距離w4及び長辺部eg1、eg3の長さw2を、
w2≦w4
にする必要があるが、本実施の形態においては、前記基板部材45の長手方向において短辺支持部Se2、Se3と短辺部eg2との間、及び短辺規制部Sf3と短辺部eg4との間に隙間が形成されるように、
w2<w4
にされる。
【0095】
次に、プリンタ10に画像形成ユニット31を取り付けたときの基板装着部Pt1の状態について説明する。
【0096】
図15は本発明の第1の実施の形態におけるプリンタに画像形成ユニットを取り付けたときの基板装着部の状態を示す図である。
【0097】
図において、15はトナーカートリッジ、45は基板部材、46はカバー部材、50、51は装置本体に配設された一対の電気接点である。
【0098】
この場合、前記基板部材45の接点部45a、45a′と電気接点50、51とがそれぞれ当接部p1、p2で当接させられ、メモリ45b(
図6)と装置本体とが電気的に接続される。これにより、装置本体に配設された前記制御部30(
図2)は、メモリ45bに記録された交換ユニット情報、現像剤情報等の情報を読み出すことによって取得することができる。また、制御部30は、メモリ45bに記録された交換ユニット情報、現像剤情報等の情報を更新したり、新しい情報をメモリ45bに書き込んだりすることができる。
【0099】
ところで、本実施の形態においては、基板部材45を取付部47にセットする場合、第1の立上部107(
図1)の長辺支持部Se1が基板Bdの長辺部eg1と当接させられるようになっているが、基板部材45を、z方向に延びる軸、すなわち、z軸を中心にして180〔°〕回転させ、長辺支持部Se1が基板Bdの長辺部eg3と当接するように取付部47にセットすることができる。
【0100】
その場合、前述されたように、当接部p1、p2と長辺部eg1との距離をd1とし、当接部p1、p2と長辺部eg3との距離をd2としたとき、
d1≠d2
にされるので、基板部材45をz軸を中心にして180〔°〕回転させて取付部47にセットすると、当接部p1、p2を接点部45a、45a′上の異なる位置に置くことができる。
【0101】
したがって、接点部45a、45a′が電気接点50、51との摩擦によって劣化するのを抑制することができるので、基板部材45の耐久性を高くすることができる。
【0102】
このように、本実施の形態においては、トナーカートリッジ15の筐体凸部Cs2に基板装着部Pt1が形成され、該基板装着部Pt1にメモリ45bを備えた基板部材45が装着され、該基板部材45の接点部45a、45a′が電気接点50、51と当接させられるので、交換ユニット情報、現像剤情報等の情報を装置本体側で容易に取得することができる。
【0103】
また、前記取付部47における、長辺支持部Se1、短辺支持部Se2、Se3、厚さ方向支持部Sk1、Sk2、前記カバー部材46における、長辺規制部Sf2、短辺規制部Sf3、厚さ方向規制部Su1等によって、取付部47にセットされた基板部材45の移動が規制されるので、基板装着部Pt1に基板部材45を確実に装着することができる。
【0104】
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。なお、第1の実施の形態と同じ構造を有するものについては、同じ符号を付与し、同じ構造を有することによる発明の効果については同実施の形態の効果を援用する。
【0105】
図16は本発明の第2の実施の形態における基板部材の斜視図である。
【0106】
図において、45は基板部材、Bdは基板部としての基板、Sbは該基板Bdの第2の面としての裏面、45b′は突出部としての、かつ、記憶部としてのメモリである。
【0107】
本実施の形態において、収容部としての溝103(
図7)の深さεは、基板部材45が第1の取付部材としての取付部47にセットされたときにメモリ45b′が溝103の底部と接触しないように設定される。この場合、基板Bdの裏面Sbからメモリ45b′の高さをh6としたとき、
ε>h6
にされる。
【0108】
そして、メモリ45b′の高さh6に基板Bdの厚さh1を加えた値をγとすると、値γ
γ=h6+h1
が、前記第1〜第3の立上部107(
図1)〜109の厚さ方向支持部Sk1、Sk2からの高さ(厚さ方向支持部Sk1、Sk2と長辺規制Sf1との距離)htより大きく、
γ>ht
になるように高さh6が設定される。
【0109】
したがって、基板Bdの裏面Sbを厚さ方向支持部Sk1、Sk2に当接させて基板部材45を取付部47にセットすると、メモリ45b′が溝103内に位置させられるので、カバー部材46を取付部47に取り付けることができる。これに対して、基板Bdの表面Saを厚さ方向支持部Sk1、Sk2に当接させて、基板部材45を取付部47にセットすると、メモリ45b′が溝103内に位置させられず、上方に向けて、すなわち、−z方向に長辺規制Sf1と対向するように突出させられる。この場合、前述されたように、値γが高さhtより大きいので、取付部47にカバー部材46を取り付けようとすると、基板部材45とカバー部材46とが干渉し、取付部47にカバー部材46を取り付けることができない。
【0110】
このように、本実施の形態においては、基板部材45を取付部47に誤ってセットすると、基板部材45とカバー部材46とが干渉し、取付部47にカバー部材46を取り付けることができないので、基板装着部Pt1に基板部材45を適正に装着することができる。
【0111】
前記各実施の形態においては、画像形成装置としてのプリンタ10に搭載される第2の交換ユニットとしての、かつ、現像剤収容器としてのトナーカートリッジ15に基板部材45を装着する場合について説明しているが、本発明を複写機、ファクシミリ、複合機等に搭載されるトナーカートリッジ15に適用することができる。
【0112】
なお、本発明は前記各実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形させることが可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。