(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、ハロゲンヒーターからの熱が加熱ローラーの軸方向両端部から放熱しやすく、加熱ローラーを効率良く昇温させることができないという問題があった。
【0007】
特許文献2に記載の技術では、熱遮蔽部材によって加熱ローラーの軸方向両端部からの放熱が多少抑制されるものの、支持部材とヒーターとの間に形成された間隙からの放熱を有効に遮断することができなかった。
【0008】
また、加熱ローラーの軸方向両端部からの放熱によって、加熱ローラーの端部外側近傍に位置する他の部品(例えば加熱ローラー等を収容するハウジング等)が過剰に加熱される虞もあった。この場合、過剰に加熱された部品の劣化が促進される虞もあった。
【0009】
ところで、一般的に加熱ローラーの内周面には、ヒーターからの熱を効率良く吸収するための内面塗装材が塗布されている。加熱ローラーの加熱時間が長くなると内面塗装材から揮発性有機化合物(VOC,SVOC)が放出される場合があった。近年、このVOC等の放出量を更に低減することが望まれていた。
【0010】
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、熱の拡散を抑制し、短時間でウォームアップを行う定着装置およびこれを備えた画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記した目的を達成するため、本発明の定着装置は、回転軸を中心に回転し、該回転軸方向端部に開口部を有する加熱部材と、前記加熱部材の内部に設けられ、該加熱部材を加熱する発熱体と、該発熱体を支持し、前記開口部を通って該加熱部材の外側に延出する発熱体支持部材と、を有する発熱部材と、前記加熱部材の内部に設けられ、前記発熱体から前記開口部に向かう熱を内部に向けて反射する反射部材と、前記開口部を覆うように設けられ、前記発熱体支持部材が遊挿する装着部材と、を備えていることを特徴とする。
【0012】
この構成によれば、発熱部材から放射された熱は、反射部材で反射されると共に装着部材によって遮蔽される。これにより、装着部材とこれに遊挿された発熱体支持部材との間からの放熱が抑制されるため、加熱部材を効率良く昇温させることができる。すなわち、ウォームアップに要する時間を短縮することができる。また、装着部材と発熱体支持部材との間からの熱の拡散が抑制されるため、例えば、加熱部材の開口部外側近傍に配設された他の部品が過剰に加熱されることを抑制することができる。これにより、過剰な加熱による他の部品の劣化を抑制することができる。
【0013】
この場合、前記装着部材の内面には、前記発熱部材からの熱を内部に向けて反射する反射部が形成されていることが好ましい。
【0014】
この構成によれば、発熱部材からの放射熱は、反射部材に加えて、装着部材の反射部によっても反射される。これにより、装着部材と発熱体支持部材との間からの放熱が抑制され、加熱部材を更に効率良く昇温させることができる。
【0015】
また、この場合、前記加熱部材は、円筒形状のローラーを有し、前記発熱部材は、前記加熱部材の前記回転軸上に設けられ、前記装着部材は、前記発熱体支持部材が遊貫する挿通孔を有し、前記反射部材は、前記発熱体と前記装着部材との間で前記発熱部材に固定され、前記回転軸方向視で前記挿通孔を覆うことが可能な大きさを有していることが好ましい。
【0016】
この構成によれば、反射部材は、挿通孔を内側から覆うように発熱部材に固定されている。このため、発熱部材から加熱部材の端部に向かう放射熱を反射部材によって遮ることができる。これにより、ウォームアップに要する時間を更に短縮することができる。また、加熱部材を効率良く加熱できるため、発熱部材の稼働時間を短くすることができ、消費電力の削減を図ることができる。同時に、加熱部材の内面塗装材からのVOC等の放出を抑制することができる。さらに、開口部を2重に覆うように装着部材と反射部材とが配置されているため、加熱部材の外部に向かう熱の拡散が有効に抑制される。
【0017】
また、この場合、前記加熱部材を回転駆動する駆動源に接続される駆動ギアを備え、前記装着部材は、前記駆動ギアに噛合する従動ギアを有し、前記加熱部材と一体に回転することが好ましい。
【0018】
この構成によれば、駆動源からの駆動力を加熱部材に伝達する部材を、別部品で構成する場合に比して、部品点数を削減することができる。これにより、装置の簡略化および低コスト化を図ることができる。
【0019】
また、この場合、前記加熱部材を収容するハウジングを備え、前記装着部材は、前記ハウジングに固定され、前記加熱部材を回転可能に支持することが好ましい。
【0020】
この構成によれば、加熱部材を回転可能に支持する部材を、別部品で構成する場合に比して、部品点数を削減することができる。これにより、装置の簡略化および低コスト化を図ることができる。
【0021】
また、この場合、前記加熱部材を収容するハウジングを備え、前記装着部材は、前記ハウジングに回転可能に支持され、前記加熱部材と一体に回転することが好ましい。
【0022】
この構成によれば、加熱部材の端部および装着部材の摩耗を抑制することができる。
【0023】
上記した目的を達成するため、本発明の画像形成装置は、上記のいずれかに記載の定着装置を備えていることを特徴とする。
【0024】
この構成によれば、加熱部材の端部からの放熱が遮られるため、ウォームアップに要する時間を短縮することができる。すなわち、ユーザーからの印刷指示から印刷(画像形成)完了までの時間を短縮することができる。これにより、ユーザービリティを向上させることができる。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、熱の拡散が抑制され、短時間でウォームアップを行うことができる。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、添付した図面を参照して、本発明の実施形態に係る定着装置を備えた画像形成装置について説明する。
【0028】
<第1実施形態>
まず、
図1を参照して、第1実施形態に係る画像形成装置としてのプリンター1について説明する。ここで、
図1はプリンター1の内部構造を模式的に示す断面図である。
【0029】
プリンター1は、略箱形状の装置本体2の下部に配設され、用紙(図示せず)を収納する給紙カセット3と、装置本体2の上端に配設され、印刷(画像形成)された用紙を受ける排紙トレイ4と、を有している。
【0030】
装置本体2の右上部には、レーザー・スキャニング・ユニット(LSU)で構成される露光器5が配設され、装置本体2の左部には、画像形成部6が配設されている。画像形成部6は、例えば、パーソナルコンピューター(図示せず)から送信された画像データに基づいてモノクロの画像形成処理を行うものであり、補給用トナー(ブラック)を収納したトナーコンテナ9を備えている。また、画像形成部6は、回転可能に設けられる像担持体としての感光体ドラム7の周囲に転写プロセス順(
図1の矢印X参照)に配置される帯電器8と、現像器10と、転写ローラー11と、クリーニング装置12と、を含んで構成されている。
【0031】
装置本体2内の左部には、給紙カセット3と排紙トレイ4とを接続するように上下方向に延びる用紙の搬送経路13が設けられている。搬送経路13の上流端には、給紙カセット3から用紙を取り出す給紙部14が設けられ、搬送経路13の下流部には、定着装置16が設けられている。搬送経路13の左側には、両面印刷用の反転経路17が設けられている。
【0032】
ここで、プリンター1による画像形成動作について説明する。プリンター1に電源が投入されると、各種パラメーター等の初期設定が実行される。そして、プリンター1に接続されたコンピューター等から画像データが入力(印刷開始の指示)されると、帯電器8によって所定電位に帯電した感光体ドラム7の表面に対し、露光器5によって画像データに応じた露光(
図1の矢印P参照)が行われる。これにより感光体ドラム7上に形成された静電潜像は、現像器10によってトナー像に現像される。このトナー像は、転写ローラー11に転写バイアスが印加されることにより、タイミングを合わせて搬送経路13を搬送されてきた用紙に転写され、定着装置16によって用紙に定着される。トナー像が定着した用紙は排紙トレイ4に排出される。転写後の感光体ドラム7の表面に残留したトナーは、クリーニング装置12によって除去される。
【0033】
次に、
図2および
図3を参照して、定着装置16について説明する。定着装置16は、用紙に転写されたトナー像を構成するトナーを溶融および加圧して、用紙に定着させる。ここで、
図2は定着装置16を示す断面図であり、
図3はヒートローラー21およびその周辺部を示す側断面図である。なお、以下の説明では、便宜上、
図2の紙面手前側、
図3に示す矢印Fr(
図4も同様)を定着装置16の正面側(前側)とする。
【0034】
図2に示すように、定着装置16は、略箱形状のハウジング20と、ハウジング20の右下部に収容される加熱部材としてのヒートローラー21と、ヒートローラー21の左上側から対向するようにハウジング20に収容されるプレスローラー22と、ハウジング20の右上部に設けられる排出ローラー対23と、ヒートローラー21の内部に設けられる発熱部材としてのヒーター24と、ヒートローラー21の軸方向(前後方向)両端部に設けられる熱遮蔽構造25(
図3参照)と、を含んで構成されている。
【0035】
ハウジング20は、右側に形成されるヒートローラー収容部26と、左側に形成されるプレスローラー収容部27と、上方を覆うように形成されるカバー部材28と、を含んで構成されている。プレスローラー収容部27の右上側には、搬送経路13または反転経路17を用紙が通過したことを検出する排出スイッチ29が設けられている。
【0036】
ヒートローラー21は、ヒートローラー収容部26に収容されている。ヒートローラー21は、前後方向に長い中空円筒形状を成している。具体的には、ヒートローラー21は、例えば、アルミニウムや鉄等の金属製の円筒芯材と、シリコンゴム等から成り円筒芯材に外周面に積層される弾性層と、PFA等のフッ素樹脂から成り弾性層を被覆するように形成される離型層と、を含んで構成されている。ヒートローラー21(円筒芯材)の内周面には、ヒーター24からの熱を効率良く吸収するための内面塗装材(黒色)が塗布されている。なお、ヒートローラー21の上側には、ヒートローラー21の外周面に摺接するように付勢手段(図示せず)によって付勢される分離爪21aが配設されている。この分離爪21aによってヒートローラー21の外周面から用紙が分離されるようになっている。
【0037】
図3に示すように、ヒートローラー21の前後両端部には、開口部30a,30bが形成されている。ヒートローラー21は、駆動モーター68(後述する)を駆動制御することによって前後方向に延びる回転軸Aを中心に回転可能に設けられている。つまり、本実施形態では前後方向が回転軸方向になっている。
【0038】
図2に示すように、プレスローラー22は、ヒートローラー21と平行となるように配置され、プレスローラー収容部27に収容されている。プレスローラー22は、上記したヒートローラー21と同様の材料から成る円筒芯材、弾性層および離型層を含んで構成されている。プレスローラー22は、付勢手段(図示せず)によって付勢され、ヒートローラー21の外周面に圧接するように配置されている。これにより、ヒートローラー21とプレスローラー22との間には定着ニップNが形成される。
【0039】
排出ローラー対23の上側のローラーは、ローラー軸23aに軸支されている。このローラー軸23aは、カバー部材28を回動可能に支持している。排出ローラー対23の下側のローラーは、上側のローラーに圧接されている。
【0040】
ヒーター24は、ヒートローラー21を内側から加熱する所謂ハロゲンヒーターである。
図3に示すように、ヒーター24は、ヒートローラー21よりも細径で前後方向に長い略円筒状に形成されている。ヒーター24は、ヒートローラー21の回転軸A上に設けられている。すなわち、ヒーター24は、ヒートローラー21を回転軸方向に貫通するように設けられている。
【0041】
ヒーター24は、発熱体としてのフィラメント31と、フィラメント31を支持する発熱体支持部材としてのガラス管32と、を有している。
【0042】
フィラメント31は、例えば、コイル状に成形されるタングステンによって構成されている。フィラメント31の回転軸方向の長さは、ヒートローラー21よりも短くなるように形成されている。すなわち、フィラメント31は、ヒートローラー21の内部に設けられている。フィラメント31は、通電することによって発光し、この光による輻射熱によってヒートローラー21を内側から加熱する。
【0043】
ガラス管32は、例えば、石英ガラスによってフィラメント31を覆うように形成されている。ガラス管32は、ヒートローラー21の開口部30a,30bを通ってヒートローラー21の外側に延出するように形成されている。具体的には、ガラス管32は、前後方向に長い円筒状の収容部33と、収容部33の前後両端部をそれぞれ封止する封止部34a,34bと、封止部34a,34bの前後両端からそれぞれ外側に延出する取付部35a,35bと、を有している。
【0044】
収容部33の回転軸方向の長さは、ヒートローラー21と略同一の長さ(正確には僅かに長く)となるように形成されている。収容部33には、フィラメント31が平行に収容されると共に、ハロゲンガスが封入されている。各取付部35a,35bには、ビス穴36が形成されている。ヒーター24は、各ビス穴36を貫通するビス(図示せず)によってハウジング20に固定される。
【0045】
図3に示すように、熱遮蔽構造25は、ヒートローラー21の開口部30a,30bを覆うように設けられ、ガラス管32が遊挿する前後一対の装着部材40と、ヒートローラー21の内部に設けられ、フィラメント31から各開口部30a,30bに向かう熱を内部に向けて反射する前後一対の反射部材41と、を有している。
【0046】
前後一対の装着部材40は、ヒーター24から放射された熱がヒートローラー21の開口部30a,30bから漏れないように遮蔽する。なお、以下の説明では、便宜上、前側の装着部材40を「第1装着部材42」と呼び、後側の装着部材40を「第2装着部材43」と呼ぶこととする。
【0047】
第1装着部材42は、断熱性を有する合成樹脂材料で形成され、ヒートローラー21の前端部に開口した開口部30aを塞ぐように装着されている。第1装着部材42は、ガラス管32の前側の封止部34aよりも後側(回転軸方向内側)に配置されている。
【0048】
第1装着部材42は、略有底円筒状(キャップ状)に形成されている。詳細には、第1装着部材42は、前側から開口部30aを覆うように形成される蓋部50と、蓋部50の外縁部から後方に延出する保持部51と、保持部51から径方向外側に向かって突出する固定部52と、を有している。
【0049】
蓋部50は、略円板状に形成されている。蓋部50の中央(軸心部)には、円形の挿通孔53が貫通形成されている。すなわち、蓋部50は、正面視で円環状に形成されている。挿通孔53は、ヒートローラー21の回転軸A上において、ヒーター24のガラス管32の前端部が遊貫するように形成されている。すなわち、挿通孔53は、ヒーター24のガラス管32の外径よりも僅かに大径に形成されている。したがって、第1装着部材42は、ガラス管32と蓋部50との間に間隙G1を有する状態で開口部30aを覆うように配設されている。なお、挿通孔53とガラス管32との間の(円環状の)間隙G1は、2mm以下になることが好ましい。
【0050】
また、蓋部50には、挿通孔53の周縁から後方(回転軸方向内側)に向かって僅かに突出する円筒状の突出部54が形成されている。蓋部50の後面(回転軸方向内面)には、ヒーター24(フィラメント31)からの光を内部に向けて反射する反射部55が形成されている。反射部55は、突出部54と保持部51との間の円環状の領域に形成されている。反射部55は、前方に向かって凸となるように湾曲して形成されている。反射部55は、熱反射膜(例えば金膜)をコーティングすることで形成されている。
【0051】
保持部51は円筒状に形成され、その内周面はヒートローラー21の外周面に接触するようになっている。保持部51は、ヒートローラー21の前端部を回転可能に支持している。つまり、第1装着部材42は、すべり軸受として構成されている。
【0052】
固定部52は、回転軸方向に直交する方向に延びる平板状に形成されている。第1装着部材42は、固定部52を介してハウジング20に固定されている。
【0053】
第2装着部材43は、断熱性を有する合成樹脂材料で形成され、ヒートローラー21の後端部に開口した開口部30bを塞ぐように装着されている。第2装着部材43は、ガラス管32の後側の封止部34bよりも前側(回転軸方向内側)に配置されている。
【0054】
第2装着部材43は、上記した第1装着部材42と同様に、蓋部60および保持部61を有し、略有底円筒状(キャップ状)に形成されている。なお、以下、上記した第1装着部材42と同様の構成については、その詳細な説明を省略する。
【0055】
蓋部60は、上記した第1装着部材42の蓋部50と同様であり、中央(軸心部)に挿通孔63が貫通形成され、正面視で円環状に形成されている。挿通孔63の形状や直径等は、上記した挿通孔53のそれと同一である。また、挿通孔63とガラス管32との間に形成される間隙G2の大きさ等も、上記した間隙G1のそれと同一である。また、蓋部60の後面(回転軸方向内側面)には、上記した蓋部50と同様に、突出部64および反射部65が形成されている。反射部65は、後方に向かって凸となるように湾曲して形成されている。
【0056】
保持部61は円筒状に形成され、その内周面はヒートローラー21の外周面に固定されている。保持部61の外周面には、従動ギア66が設けられている。従動ギア66は、駆動源としての駆動モーター68の出力軸に固定される駆動ギア67に噛合している。これにより、ヒートローラー21は、駆動モーター68に接続され、駆動モーター68によって回転駆動される。
【0057】
ヒートローラー21の後部には、断熱性を有する合成樹脂材料で円筒状に形成される軸受部材69が装着されている。軸受部材69は、第2装着部材43の前側に隣接して配置され、ハウジング20に固定されている。軸受部材69は、ヒートローラー21の後部を回転可能に支持している。つまり、軸受部材69は、すべり軸受として構成されている。
【0058】
前後一対の反射部材41は、ヒーター24から放射された熱を反射することによって、ヒートローラー21の外部への熱(輻射熱)の拡散を抑制する。なお、以下の説明では、便宜上、前側の反射部材41を「第1反射部材44」と呼び、後側の反射部材41を「第2反射部材45」と呼ぶこととする。
【0059】
第1反射部材44は、ヒートローラー21の前端部に形成される開口部30aの後方(回転軸方向内側)近傍に配置されている。具体的には、第1反射部材44は、フィラメント31と第1装着部材42との間でガラス管32に固定されている。
【0060】
第1反射部材44は、アルミニウム等の金属材料で、前方に向かって凸となるような放物曲面を有するドーム状に形成されている。第1反射部材44は、ガラス管32の外周面から径方向に延出し、正面視で円環状に形成されている。第1反射部材44は、回転軸方向視で挿通孔53を覆うことが可能な大きさを有している。すなわち、第1反射部材44は、挿通孔53の直径よりも大径且つヒートローラー21の内径よりも小径となるように形成されている。第1反射部材44は、回転軸方向内側(後側)にヒーター24(フィラメント31)からの光を反射する反射面44aを有している。なお、反射面44aの反対側の面には、光の反射を抑制する塗装材が塗布されている。
【0061】
第2反射部材45は、ヒートローラー21の後端部に形成される開口部30bの前方(回転軸方向内側)近傍に配置されている。具体的には、第2反射部材45は、フィラメント31と第2装着部材43との間でガラス管32に固定されている。すなわち、第1反射部材44と第2反射部材45とは互いに対向するように配置されている。
【0062】
第2反射部材45は、アルミニウム等の金属材料で、後方に向かって凸となるような放物曲面を有するドーム状に形成されている。第2反射部材45は、ガラス管32の外周面から径方向に延出し、背面視で円環状に形成されている。第2反射部材45は、回転軸方向視で挿通孔63を覆うことが可能な大きさを有している。すなわち、第2反射部材45は、挿通孔63の直径よりも大径且つヒートローラー21の内径よりも小径となるように形成されている。第2反射部材45は、回転軸方向内側(前側)にヒーター24(フィラメント31)からの光を反射する反射面45aを有している。なお、反射面45aの反対側の面には、光の反射を抑制する塗装材が塗布されている。
【0063】
ここで、上記のように構成された定着装置16を用いてトナー像を用紙に定着させる手順について説明する。まず、プリンター1の制御装置(図示せず)は、駆動モーター68を駆動制御し、駆動ギア67および従動ギア66を介して第2装着部材43を回転させる。これにより、第1装着部材42および軸受部材69に軸支されたヒートローラー21は第2装着部材43と一体に回転する。
【0064】
また、制御装置は、ヒーター24に通電し、フィラメント31を発光(発熱)させる。これにより、ヒートローラー21は、ヒーター24によって内側から加熱される。そして、図示を省略する温度センサー等によってヒートローラー21が所定温度に達したことを検出すると、上記した画像形成動作が実施される。すなわち、トナー像が転写された用紙が、ヒートローラー21とプレスローラー22との間に形成される定着ニップNを通過する。これにより、トナー像を構成するトナーが、溶融および加圧されて用紙に定着される。
【0065】
以上の第1実施形態に係る定着装置16を備えたプリンター1によれば、ヒーター24から放射された熱は、各反射部材44,45で反射されると共に各装着部材42,43によって遮蔽される。特に、各反射部材44,45は、各挿通孔53,63を内側から覆うようにヒーター24(ガラス管32)に固定されている。このため、ヒーター24(フィラメント31)からヒートローラー21の両端部に向かう放射熱を各反射部材44,45によって遮ることができる。これにより、各装着部材42,43とこれに遊挿されたガラス管32との間(間隙G1,G2)からの放熱が抑制されるため、ヒートローラー21を効率良く昇温させることができる。すなわち、ウォームアップに要する時間を短縮することができる。したがって、ユーザーからの印刷指示から印刷(画像形成)完了までの時間を短縮することができる。これにより、ユーザービリティを向上させることができる。
【0066】
また、第1実施形態に係る定着装置16によれば、ヒートローラー21を効率良く加熱できるため、ヒーター24の稼働時間を短くすることができ、消費電力の削減を図ることができる。同時に、ヒートローラー21の内面塗装材からのVOC等の放出を抑制することができる。
【0067】
さらに、開口部30aを2重に覆うように第1装着部材42と第1反射部材44とが配置され、同様に開口部30bを2重に覆うように第2装着部材43と第2反射部材45とが配置されている。このため、ヒートローラー21の外部(各開口部30a,30b側)に向かう輻射熱の拡散が有効に抑制される。したがって、例えば、ヒートローラー21の各開口部30a,30bの近傍に位置するハウジング20(ヒートローラー収容部26)や各封止部34a,34bに、輻射熱が伝わり、過剰に加熱されることを適切に抑制することができる。これにより、過剰な加熱による他の部品の劣化を抑制することができる。
【0068】
ここで、第1実施形態に係る定着装置16による輻射熱の抑制効果を確認するために行った検証実験について説明する。本検証実験は、京セラドキュメントソリューションズ株式会社製のプリンター(FS−1300D)を用いて行った。本検証実験は、印字率5%の文字画像を20枚出力し、ヒートローラー21の開口部30bから約10mm離れたハウジング20に配置された温度センサーによってハウジング20の表面温度(輻射熱温度)を計測した。なお、各装着部材42,43から反射部55,65を省略した状態で本検証実験が行われた。その他、本検証実験の条件は以下の通りである。
(実験例)
各装着部材42,43および各反射部材44,45を設けたヒートローラー21
(比較例1)
各装着部材42,43を省略し、各反射部材44,45を設けたヒートローラー
(比較例2)
各装着部材42,43を設け、各反射部材44,45を省略したヒートローラー
(比較例3)
各装着部材42,43および各反射部材44,45を省略したヒートローラー
【0070】
表1に示すように、実験例に係る各装着部材42,43および各反射部材44,45を設けたヒートローラー21によれば、比較例1ないし3と比較して、ハウジング20の表面温度(輻射熱温度)が低く維持される結果となった。すなわち、各反射部材44,45を設けることにより、輻射熱の拡散を有効に抑制可能であることが確認された。
【0071】
ところで、ヒーター24のガラス管32に形成される各封止部34a,34bは、耐熱温度(例えば300度以下)が定められており、この耐熱温度を超えると劣化が進み、ヒーター24の寿命が短くなる。これに対し、第1実施形態に係る定着装置16によれば、輻射熱の拡散を有効に抑制することができるため、過度な温度上昇による各封止部34a,34bの劣化を抑制し、ヒーター24の長寿命化を図ることができる。
【0072】
また、第1実施形態に係る定着装置16によれば、ヒーター24からの放射熱は、各反射部材44,45に加えて、各装着部材42,43の反射部55,65によっても反射される。これにより、各装着部材42,43とガラス管32との間に形成された間隙G1,G2からの放熱が抑制され、ヒートローラー21を更に効率良く昇温させることができる。
【0073】
さらに、第1実施形態に係る定着装置16によれば、各反射部材44,45の反射面44a,45aは、それぞれヒートローラー21の回転軸方向内側にのみ形成されているため、例えば、各反射部材44,45を乗越えた赤外線等が、それぞれ開口部30a,30b側(外側)に向かって反射されることを防止することができる。これにより、ヒーター24と各装着部材42,43との間の間隙G1,G2を介してヒートローラー21の内部から外部へと熱が逃げることを抑制することができる。
【0074】
第1実施形態に係る定着装置16によれば、第1装着部材42は、ハウジング20に固定され、ヒートローラー21を回転可能に支持している。このため、ヒートローラー21を回転可能に支持する部材を、別部品で構成する場合に比して、部品点数を削減することができる。また、第2装着部材43は、駆動ギア57と噛み合う従動ギア55を備え、ヒートローラー21と一体回転する。このため、駆動モーター58からの駆動力をヒートローラー21に伝達する部材を、別部品で構成する場合に比して、部品点数を削減することができる。これらにより、装置の簡略化および低コスト化を図ることができる。
【0075】
なお、第1実施形態に係る定着装置16では、各装着部材42,43が、ヒートローラー21の前後両端部に装着されていたが、これに限定されるものではなく、例えば、ヒートローラー21のいずれか一端にのみ装着部材40を装着するように構成してもよい。
【0076】
なお、第1実施形態に係る定着装置16では、各装着部材42,43の保持部51,61が、ヒートローラー21の外周面に接触していたが、これに限定されるものではなく、例えば、ヒートローラー21の各開口部30a,30bから内側に挿入し、ヒートローラー21の内周面に接触するようにしてもよい。
【0077】
なお、第1実施形態に係る定着装置16では、加熱部材としてヒートローラー21を用いたが、これに代えて、加熱部材として定着ベルト(無端状ベルト)を用いてもよい。また、第1実施形態に係る定着装置16では、発熱部材(ヒーター24)としてハロゲンヒーターを用いたが、これに代えて、セラミックヒーターやIHコイル等の他の熱源を用いてもよい。
【0078】
<第2実施形態>
次に、
図4を参照して、本発明の第2実施形態に係る定着装置16について説明する。
図4は第2実施形態に係る定着装置16のヒートローラー21およびその周辺部を示す側断面図である。なお、以下の説明では、上述した第1実施形態と同様の構成については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0079】
第2実施形態に係る定着装置16では、第1装着部材70および軸受部材75が、第1実施形態に係るものと異なっている。第1装着部材70は、蓋部71と、保持部72と、保持部72の前端部(回転軸方向外端部)から径方向外側に向かって突出する係止部73と、を有し、ヒートローラー21の前端部に装着されている。なお、蓋部71は、第1実施形態に係る蓋部50と同様の構成であるため、その説明を省略する。
【0080】
保持部72は円筒状に形成され、その内周面はヒートローラー21の外周面に固定されている。保持部72の外周面には、前側ベアリング74が取り付けられている。係止部73は、前側ベアリング74の側面に当接して前側ベアリング74を係止するように、例えば円環状に形成されている。これにより、第1装着部材70は、前側ベアリング74を介してハウジング20に回転可能に支持されている。
【0081】
ヒートローラー21の後部には、円筒状の軸受部材75が装着されている。軸受部材75は、第2装着部材43の前側に隣接して配置され、ヒートローラー21の外周面に固定されている。軸受部材75の外周面には、後側ベアリング76が取り付けられている。これにより、軸受部材75は、後側ベアリング76を介してハウジング20に回転可能に支持されている。
【0082】
第2実施形態に係る定着装置16では、ヒートローラー21に固定された第1装着部材70および軸受部材75が、ヒートローラー21と一体に回転する。これにより、ヒートローラー21、第1装着部材70および軸受部材75の摩耗を抑制することができる。
【0083】
以上の第1および第2実施形態では、本発明をプリンター1に適用する場合について説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、複写機、ファクシミリ、複合機等の他の画像形成装置に本発明の構成を適用してもよい。
【0084】
なお、第1および第2実施形態では、第2装着部材43に従動ギア66が設けられていたが、本発明はこれに限定されない。例えば、第2装着部材43を第1装着部材42,70と同様の構成としてもよい。この場合、従動ギア66は、例えばヒートローラー21の外周面に固定される。
【0085】
なお、各実施形態の説明は、本発明に係る定着装置16を備えたプリンター1における好適な実施の形態を説明しているため、技術的に好ましい種々の限定を付している場合もあるが、本発明の技術範囲は、特に本発明を限定する記載がない限り、これらの態様に限定されるものではない。さらに、各実施形態における構成要素は適宜、既存の構成要素等との置き換えが可能であり、且つ、他の既存の構成要素との組合せを含む様々なバリエーションが可能であり、上記した各実施形態の記載をもって、特許請求の範囲に記載された発明の内容を限定するものではない。