特許第6019006号(P6019006)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6019006画像読取装置、画像形成装置、及び画像読取方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6019006
(24)【登録日】2016年10月7日
(45)【発行日】2016年11月2日
(54)【発明の名称】画像読取装置、画像形成装置、及び画像読取方法
(51)【国際特許分類】
   H04N 1/04 20060101AFI20161020BHJP
   H04N 1/10 20060101ALI20161020BHJP
   H04N 1/107 20060101ALI20161020BHJP
   G03B 27/50 20060101ALI20161020BHJP
   H02P 8/12 20060101ALI20161020BHJP
【FI】
   H04N1/04 105
   H04N1/10
   G03B27/50 A
   H02P8/12
【請求項の数】10
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2013-231054(P2013-231054)
(22)【出願日】2013年11月7日
(65)【公開番号】特開2015-91083(P2015-91083A)
(43)【公開日】2015年5月11日
【審査請求日】2015年9月25日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100168583
【弁理士】
【氏名又は名称】前井 宏之
(72)【発明者】
【氏名】井上 貴志
【審査官】 宮島 潤
(56)【参考文献】
【文献】 特開2001−36694(JP,A)
【文献】 特開2010−136049(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 1/04 − 1/207
G03B 27/50
H02P 8/00 − 8/42
H04N 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
原稿台上の読取原稿の画像を読み取る読取手段と、
前記読取手段を前記読取原稿に対して移動させるステッピングモーターと、
前記読取手段が読み取った前記原稿台の基準画像の画像データに基づいて、前記読取手段が前記画像を読み取る際の前記画像のゆらぎレベルを算出するゆらぎレベル算出手段と、
前記算出されたゆらぎレベルに応じて、前記ステッピングモーターに入力されるステップ信号の立ち上がりタイミングを変更するタイミング変更手段と
を備え、
前記ステッピングモーターは、定電流制御として固定OFF時間制御され、
前記ゆらぎレベルは、前記画像データの周波数スペクトルで表され、
前記ゆらぎレベル算出手段は、前記周波数スペクトルを生成し、
前記タイミング変更手段は、前記ステッピングモーターの固有振動周波数とされる帯域において、前記周波数スペクトルがしきい値を超えている場合に前記ステップ信号の前記立ち上がりタイミングを遅らせる、画像読取装置。
【請求項2】
前記立ち上がりタイミングの変更により生じる画像等倍度のずれ量を算出するずれ算出手段と、
前記算出されたずれ量に基づいて、前記読取手段の移動方向における前記読取手段の読み取り線速を変更する線速変更手段と
を備える、請求項1に記載の画像読取装置。
【請求項3】
前記読取手段は、前記読取原稿の画像を主走査方向に読み取り、
前記ステッピングモーターは、前記読取手段を副走査方向に移動させる、請求項1又は請求項2に記載の画像読取装置。
【請求項4】
前記基準画像は、前記副走査方向に延びるように形成されている、請求項3に記載の画像読取装置。
【請求項5】
前記タイミング変更手段は、前記算出されたゆらぎレベルがしきい値を超えている場合に前記立ち上がりタイミングを変更する、請求項1から請求項4のうちの1項に記載の画像読取装置。
【請求項6】
前記ゆらぎレベル算出手段は、前記画像データにフーリエ変換を施して前記周波数スペクトルを生成する、請求項1から請求項5のうちの1項に記載の画像読取装置。
【請求項7】
前記ずれ算出手段は、次式により、前記ずれ量を算出する、請求項2から請求項6のうちの1項に記載の画像読取装置。
Y=X/(基準画像の長さ)×100
Yは、前記ずれ量を示す。
Xは、前記ステップ信号の前記立ち上がりタイミングが変更された後に読み取られた基準画像の長さを示す。
【請求項8】
請求項1から請求項7のうちの1項に記載の画像読取装置と、
被記録媒体に画像形成を行う画像形成部と
を備える、画像形成装置。
【請求項9】
画像読取装置の読取手段をステッピングモーターによって移動させ、前記画像読取装置の原稿台に設けられた基準画像を前記読取手段で読み取る読取工程と、
前記読取手段が読み取った前記基準画像の画像データに基づいて、前記原稿台上の読取原稿の画像を前記読取手段が読み取る際の前記画像のゆらぎレベルを算出するゆらぎレベル算出工程と、
前記算出されたゆらぎレベルに応じて、前記ステッピングモーターに入力されるステップ信号の立ち上がりタイミングを変更するタイミング変更工程と
を包含し、
前記ステッピングモーターは、定電流制御として固定OFF時間制御され、
前記ゆらぎレベルは、前記画像データの周波数スペクトルで表され、
前記ゆらぎレベル算出工程では、前記周波数スペクトルが生成され、
前記タイミング変更工程では、前記ステッピングモーターの固有振動周波数とされる帯域において、前記周波数スペクトルがしきい値を超えている場合に前記ステップ信号の前記立ち上がりタイミングを遅らせる、画像読取方法。
【請求項10】
前記立ち上がりタイミングの変更により生じる画像等倍度のずれ量を算出するずれ算出工程と、
前記算出されたずれ量に基づいて、前記読取手段の移動方向における前記読取手段の読み取り線速を変更する線速変更工程と
を更に包含する、請求項9に記載の画像読取方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像読取装置、画像形成装置、及び画像読取方法に関する。
【背景技術】
【0002】
コピー機や複合機等の画像形成装置には、画像読取装置が装備されている。画像読取装置は、読取手段とステッピングモーターとを備える。読取手段は、光源、反射ミラー、結像レンズ、及び光電変換器等を含む。光源は、原稿台上の読取原稿を主走査方向に照明し、ステッピングモーターは光源を副走査方向に移動させる。読取原稿からの反射光は、反射ミラー及び結像レンズを介して光電変換器に入射し、光電変換器は、当該反射光を電気的な画像データに変換する(特許文献1参照)。なお、ステッピングモーターのドライバーICの定電流制御方法としては、固定OFF時間制御が主流である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10−87107号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の固定OFF時間制御には、次に述べるような課題があった。図6は、従来の画像読取装置のステッピングモーターにおける固定OFF時間制御方法を示すグラフであり、縦軸は電流(A)を示し、横軸は時間(us)を示す。
【0005】
STEP信号Sの立ち上がりのタイミングと、電流Cが固定OFF区間に移行するタイミングP1とが同時期である場合、STEP信号Sの立ち上がりのタイミングがタイミングP1と一致すると、図6(a)に示すように、電流Cが直ちに次の相Nに移行する。
【0006】
しかしながら、STEP信号Sの立ち上がりのタイミングとタイミングP1とは、種々の要因(例えば、ステッピングモーターのインダクタンスのばらつき)によって微妙にずれる場合がある。その場合、図6(b)に示すように、電流CがタイミングP1で次の相Nに移行せず、固定OFF区間に移行してからタイミングP2で次の相Nに移行することがある。
【0007】
上記のように、タイミングP1で電流Cが次の相Nに移行する状態と、タイミングP2で電流Cが次の相Nに移行する状態との2つの状態が生じると、ステッピングモーターが振動し、ゆらぎとなって画像に現れ、画像不良となる。すなわち、一般的なステッピングモーターの固有振動数は100〜200Hzであり、この固有振動数でのステッピングモーターの振動は、人が認識しやすいゆらぎとなる。
【0008】
図7は、ステッピングモーターの振動による画像不良の一例を模式的に示す図である。原稿画像が図7(a)に示すような複数本の平行線である場合、ステッピングモーターの振動によって、図7(b)に示すように、用紙に形成される画像に波状のゆらぎが生じることがある。
【0009】
特許文献1の画像読取装置では、ステッピングモーターの振動抑制のためにステッピングモーターの共振点とパルスレートとをずらす制御を行っているが、上記問題の解決策となるものではない。
【0010】
上記問題に対する対策として、ステッピングモーターの各種設定値(電流値、コイルL値、電源電圧等)を変更することが考えられるが、ばらつき要因が多数存在することから、ゆらぎを精度良く抑制することが困難である。
【0011】
本発明は上記課題に鑑みて創案されたものであり、その目的は、画像読取装置において、ステッピングモーターの振動に伴うゆらぎによる画像不良を精度良く抑制することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明による第1の態様は、画像読取装置であって、原稿台上の読取原稿の画像を読み取る読取手段と、前記読取手段を前記読取原稿に対して移動させるステッピングモーターと、前記読取手段が読み取った前記原稿台の基準画像の画像データに基づいて、前記読取手段が前記画像を読み取る際の前記画像のゆらぎレベルを算出するゆらぎレベル算出手段と、前記算出されたゆらぎレベルに応じて、前記ステッピングモーターに入力されるステップ信号の立ち上がりタイミングを変更するタイミング変更手段とを備える。
【0013】
本発明による第2の態様は、画像読取方法であって、画像読取装置の原稿台に設けられた基準画像を前記画像読取装置の読取手段で読み取る読取工程と、前記読取手段が読み取った前記基準画像の画像データに基づいて、前記原稿台上の読取原稿の画像を前記読取手段が読み取る際の前記画像のゆらぎレベルを算出するゆらぎレベル算出工程と、前記算出されたゆらぎレベルに応じて、前記ステッピングモーターに入力されるステップ信号の立ち上がりタイミングを変更するタイミング変更工程とを包含する。
【発明の効果】
【0014】
画像読取装置において、ステッピングモーターの振動に伴うゆらぎによる画像不良を精度良く抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明による画像形成装置の実施形態の概略構成図である。
図2図1に示される画像形成装置に装備される画像読取装置の上面図である。
図3図1に示される画像読取装置の制御系を示すブロック図である。
図4図1に示される画像読取装置による画像読取方法を示すフローチャートである。
図5図1に示される画像読取装置のステッピングモーターにおける固定OFF時間制御方法を示すグラフである。
図6】従来の画像読取装置のステッピングモーターにおける固定OFF時間制御方法を示すグラフである。
図7】ステッピングモーターの振動による画像不良の一例を模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照して本発明による実施形態を説明する。図1は、本発明による画像形成装置の実施形態の概略構成図である。
【0017】
図1に示す画像形成装置1は複合機であって、コピー機能、プリント機能、ファクス機能、スキャン機能等を備える。画像形成装置1は、画像読取装置としての画像読取部10と、ADF(自動原稿給送部)20と、画像形成部30と、給紙部40とを備える。
【0018】
画像読取部10は、第1キャリッジ11と、第1移送機構12と、第2キャリッジ13と、第2移送機構14と、結像レンズ15と、CCD16と、フォトインターラプター17と、原稿台18とを備える。
【0019】
第1キャリッジ11には、光源11aと、第1反射ミラー11bと、遮光板11cとが搭載されている。
【0020】
第1移送機構12は、プーリー12a及びプーリー12bと、第1ベルト12cと、ステッピングモーター12dとを含む。プーリー12aは、画像読取部10の本体に取り付けられている。プーリー12bは、プーリー12aに対して副走査方向(Y軸に沿う方向)に間隔をおいて配置され、第2キャリッジ13に取り付けられている。第1ベルト12cは、プーリー12aとプーリー12bとの間に張架されるとともに、第1キャリッジ11に接続されている。ステッピングモーター12dは、プーリー12aを回転駆動し、第1ベルト12cを介して第1キャリッジ11を副走査方向に移動させるとともに、第2キャリッジ13を副走査方向に移動させる。
【0021】
第2キャリッジ13には、第2反射ミラー13aと、第3反射ミラー13bとが搭載されている。光源11aは、白色光を読取原稿Mに照射する。第1反射ミラー11bは、読取原稿Mからの反射光を受光し、方向転換させて第2反射ミラー13aに導く。第2反射ミラー13aは、第1反射ミラー11bからの反射光を受光し、方向転換させて第3反射ミラー13bに導く。第3反射ミラー13bは、第2反射ミラー13aからの反射光を受光し、方向転換させて結像レンズ15に導く。
【0022】
第2移送機構14は、プーリー14a及びプーリー14bと、第2ベルト14cとを含む。プーリー14a及びプーリー14bは、副走査方向に間隔をおいて配置され、画像読取部10の本体に取り付けられている。第2ベルト14cは、プーリー14aとプーリー14bとの間に張架されるとともに、第2キャリッジ13に接続されている。
【0023】
結像レンズ15は、第3反射ミラー13bからの反射光を収束させてCCD16上に結像させる。CCD16は、結像レンズ15からの反射光を電気信号に変換する。
【0024】
フォトインターラプター17は、画像読取部10の本体に固定されていて、発光部と受光部とを含む。遮光板11cは、フォトインターラプター17の発光部と受光部との間を通過するように配置されている。第1キャリッジ11の移動に伴って、遮光板11cがフォトインターラプター17の発光部と受光部との間を通過する。
【0025】
原稿台18は、透明なガラス板で形成され、画像読取部10の上面に設けられている。
【0026】
第1キャリッジ11、光源11a、第1反射ミラー11b、遮光板11c、第1移送機構12、第2キャリッジ13、第2反射ミラー13a、第3反射ミラー13b、第2移送機構14、結像レンズ15、CCD16、及びフォトインターラプター17は、本発明の読取手段として機能する。
【0027】
ADF20は、読取原稿Mを流し読みする際に使用される。ADF20は、原稿トレイ21と、原稿押さえ22と、ADF読取用ガラス23と、排紙トレイ24とを備える。原稿トレイ21上に載置された読取原稿M(図1において実線で示す)は、自動搬送されて原稿押さえ22とADF読取用ガラス23との間を通過し、排紙トレイ24に排出される。その場合、第1キャリッジ11は、ADF読取用ガラス23の下方で固定されていて、読取原稿Mが原稿押さえ22とADF読取用ガラス23との間を通過する際に読取原稿Mの画像を読み取る。
【0028】
画像形成部30は、画像読取部10で読み取られる読取原稿Mの画像データ、又は外部装置から入力される画像データ等に基づいて、被記録媒体としての用紙Pに電子写真方式で画像形成を行う。
【0029】
画像形成部30は、感光体ドラム31と、帯電部32と、現像部33と、トナーコンテナ34と、転写部35と、除電部36と、定着ローラー37と、加圧ローラー38と、搬送ローラー群39とを備える。
【0030】
帯電部32は、感光体ドラム31の外周面を所定の電位に帯電させる。レーザー照射器(図示せず)が、画像データに基づくレーザー光を感光体ドラム31の外周面に照射すると、感光体ドラム31の外周面に、画像データに対応する静電潜像が形成される。
【0031】
現像部33は、感光体ドラム31の外周面にトナーを供給し、静電潜像を現像してトナー像とする。現像部33には、トナーコンテナ34からトナーが補給される。転写部35は、感光体ドラム31上のトナー像を用紙P上に転写する。その後、除電部36が、感光体ドラム31の外周面の電位を除電する。
【0032】
定着ローラー37及び加圧ローラー38は、トナー像が転写された用紙Pを加熱及び加圧してトナー像を溶融させ、用紙Pに定着させる。搬送ローラー群39は、給紙部40から供給される用紙Pを感光体ドラム31に向けて搬送する。
【0033】
給紙部40は、給紙カセット41と給紙ローラー42とを備える。給紙カセット41は、給紙部40に着脱自在で、複数の用紙Pを積み重ねられた状態で収納する。給紙ローラー42は、給紙カセット41内の用紙Pを1枚ずつ取り出して搬送ローラー群39に移送する。
【0034】
図2は、画像読取部10の上面図である。図2に示すように、画像形成装置1は、表示・操作部50を更に備える。表示・操作部50は、液晶ディスプレー等により構成され、表示部とタッチパネル式の操作ボタン群とを備える。読取原稿Mが画像形成面を下に向けて原稿台18上に載置された状態で、ユーザーが表示・操作部50のコピー開始ボタンを押すと、第1キャリッジ11及び第2キャリッジ13が副走査方向に移動して読取原稿Mの画像を読み取り、CCD16によって電気的な画像データが生成される。
【0035】
原稿台18の下面には、一辺に沿って基準画像としての基準ラインLが設けられている。基準ラインLは副走査方向に延びるように設けられており、その長さは例えば200mmである。基準ラインLは、第1キャリッジ11により読み取られる範囲であるが、用紙Pに形成される画像には含まれない位置に配置されている。
【0036】
図3は、画像読取部10の制御系を示すブロック図である。画像読取部10は、画像処理部60と、レーザー光出力部70と、制御部80とを更に備える。
【0037】
画像処理部60はマイクロコンピューターにより構成され、入力処理部61とデータ処理部62と出力制御部63とを含む。入力処理部61には、CCD16から画像データが入力される。データ処理部62は、入力処理部61に入力された画像データを画像処理する。出力制御部63は、データ処理部62で画像処理された画像データをレーザー光出力部70へ出力する。
【0038】
レーザー光出力部70は、画像処理部60から出力された画像データに基づいて、電気的な画像データをレーザービームに変換する。
【0039】
制御部80はマイクロコンピューターを備え、RAM81、ROM82、及びCPU83を含む。
【0040】
RAM81は、ビットマップメモリー81aを含む。ビットマップメモリー81aは、画像処理部60に入力された画像データを一時的にビット情報として展開し、当該画像データの画素数をカウントする。
【0041】
ROM82は、ゆらぎレベル算出手段82aと、タイミング変更手段82bと、ずれ算出手段82cと、線速変更手段82dとを含む。これらの手段は、ROM82に格納されたプログラムにより構成されている。
【0042】
ゆらぎレベル算出手段82aは、第1キャリッジ11が読み取った基準ラインL(図2参照)の画像データに基づいて、第1キャリッジ11が原稿Mの画像を読み取る際の画像のゆらぎレベルを算出する。すなわち、ゆらぎレベル算出手段82aは、基準ラインLの副走査方向の画像データにフーリエ変換を施して周波数スペクトルを生成する。
【0043】
タイミング変更手段82bは、ゆらぎレベル算出手段82aで算出されたゆらぎレベルに応じて、ステッピングモーター12dに入力されるステップ信号の立ち上がりタイミングを変更する。タイミング変更手段82bは、ステッピングモーター12dの固有振動周波数とされる100Hz〜200Hzにおいて、ゆらぎレベル算出手段82aが生成した周波数スペクトルが予め設定されたしきい値を超えているか否かを判定し、周波数スペクトルがしきい値を超えている場合にステップ信号の立ち上がりタイミングを変更する。
【0044】
通常、ステッピングモーターにおいては、ステップ信号として特定の周波数クロックを出力するデバイスが存在し、速度制御を可能とするために周波数の変更が可能である。当該デバイス内部の基準クロックの逓倍・分周比の変更により周波数の変更が可能である。ステップ信号の立ち上がりタイミングの変更によりステッピングモーター12dの速度が変更され、画像等倍度のずれが発生する。
【0045】
ずれ算出手段82cは、画像等倍度のずれ量を算出する。すなわち、例えば、基準ラインLの長さは200mmであり、ステップ信号の変更後に読み取られた基準ラインLの長さXを算出することで、等倍度のずれ量を算出することができる。等倍度のずれ量Y(%)は、Y=X/(基準ラインLの長さ)×100で算出する。
【0046】
線速変更手段82dは、ずれ算出手段82cによって算出されたずれ量Yに基づいて、第1キャリッジ11による副走査方向の読み取り線速を変更する。すなわち、変更前の読み取り線速にY/100を乗じた値を新たな読み取り線速とする。
【0047】
CPU83は、ROMに格納されたプログラムに基づいて、CCD16、画像処理部60、レーザー光出力部70、及びステッピングモーター12dを制御する。
【0048】
次に、図1図5を参照して、画像読取部10による画像読取方法を説明する。図4は、画像読取部10による画像読取方法を示すフローチャートであり、図5は、ステッピングモーター12dにおける固定OFF時間制御方法を示すグラフである。図5において、縦軸は電流(A)を示し、横軸は時間(us)を示す。
【0049】
図4に示すように、まず、ステップS10において、基準ラインL(図2参照)の読み取りが行われる。すなわち、ステッピングモーター12dが駆動され、第1キャリッジ11及び第2キャリッジ13が副走査方向に移動して領域R(図2参照)内の画像を読み取る。読み取られた画像には、基準ラインLの画像が含まれている。
【0050】
この画像データは、CCD16で電気データに変換された後、画像処理部60に入力される。制御部80のビットマップメモリー81aは、画像処理部60に入力された画像データを一時的にビット情報として展開し、基準ラインLの画像の画素数をカウントする。ステップS10は、本発明の読取工程に相当する。
【0051】
次に、ステップS20において、ゆらぎレベル算出手段82aがゆらぎレベルを算出する。すなわち、ゆらぎレベル算出手段82aは、基準ラインLの画像にフーリエ変換を実施して周波数スペクトルを算出する。ステップS20は、本発明のゆらぎレベル算出工程に相当する。
【0052】
次に、ステップS30において、タイミング変更手段82bは、生成された周波数スペクトルが、ステッピングモーター12dの固有振動周波数(100Hz〜200Hz)において、予め設定されたしきい値を超えているか否かを判定する。
【0053】
ステップS30において、周波数スペクトル(ゆらぎレベル)がしきい値を超えている場合(YES)には、ステップS40において、タイミング変更手段82bは、ステッピングモーター12dに入力されるステップ信号の立ち上がりタイミングを変更する。ステップS40は、本発明のタイミング変更工程に相当する。
【0054】
例えば、図5において、実線で示すステップ信号Sの立ち上がりタイミングは、電流Cが固定OFF区間へ移行するタイミングP1と同時期であり、電流CがタイミングP2で次の相Nに移行する状態と、タイミングP1で次の相Nに移行する状態との2つの状態が生じる可能性がある。この場合、ステッピングモーター12dが振動して画像にゆらぎが生じる虞がある。
【0055】
そこで、図5において、二点鎖線で示すように、ステップ信号Sの立ち上がりタイミングをずらすことで、電流CがタイミングP2で次の相Nに移行する率が向上するので、ステッピングモーター12dの振動が抑制される。その結果、画像のゆらぎが抑制されるため、画像不良を抑制することができる。
【0056】
また、ステッピングモーター12dの振動が抑制されることで、安定した原稿Mのスキャンを行うことができるため、用紙Pに形成される画像の画質が向上する。更に、ステッピングモーター12dの振動が抑制されることで、ステッピングモーター12dが静音化する。
【0057】
ステップ信号Sの立ち上がりタイミングの変更によりステッピングモーター12dの速度が変化するので、画像等倍度のずれが発生する。そこで、図4に示すステップS50において、ずれ算出手段82cが画像等倍度のずれ量を算出する。ステップS50は、本発明のずれ算出工程に相当する。
【0058】
次に、ステップS60において、線速変更手段82dが、ずれ算出手段82cによって算出された画像等倍度のずれ量に基づいて、第1キャリッジ11による副走査方向の読み取り線速を変更する。その結果、画像等倍度のずれが低減するので、画像不良を抑制することができる。ステップS60は、本発明の読取線速変更工程に相当する。
【0059】
なお、ステップS30において、ゆらぎレベルがしきい値を超えていない場合(NO)には、ステップS40〜ステップS60が実行されず、このフローが終了する。
【0060】
以上、図1図6を参照して、本発明の具体的な実施形態を説明したが、本発明は本実施形態に限定されるものではなく、本実施形態に種々の改変を施すことができる。
【0061】
例えば、本実施形態では、ステップ信号の立ち上がりタイミングを変更した後に、画像等倍度のずれ量を算出するずれ算出工程と、当該ずれ量に応じて副走査方向の読み取り線速を変更する読取線速変更工程とを実行する場合について説明したが、ずれ算出工程と読取線速変更工程とを省略してもよい。
【0062】
また、本実施形態では、ゆらぎレベル算出手段で算出されたゆらぎレベルがしきい値を超えている場合にタイミング変更手段がステッピングモーターの立ち上がりタイミングを変更しているが、しきい値を設定せずに、タイミング変更手段がステッピングモーターの立ち上がりタイミングを変更してもよい。
【0063】
また、本実施形態では、基準画像がライン状である場合について説明したが、基準画像はライン状以外の形状(例えば、矩形状)であってもよい。
【0064】
また、本実施形態では、CCDによって画像データを光電変換する場合について説明したが、CCD以外の光電変換器(例えば、イメージセンサー)で画像データを光電変換してもよい。
【0065】
また、本実施形態では、画像形成装置が複合機である場合について説明したが、複合機以外の画像形成装置(例えば、コピー専用機)にも本発明を適用し得る。
【0066】
また、本実施形態では、電子写真方式の画像形成部を備える画像形成装置に本発明を適用した場合について説明したが、電子写真方式以外の画像形成部(例えば、インクジェット方式の画像形成部)を備える画像形成装置にも本発明を適用し得る。
【0067】
その他にも、本発明の要旨を逸脱しない範囲で本実施形態に種々の改変を施すことができる。
【符号の説明】
【0068】
1 画像形成装置
10 画像読取部(画像読取装置)
11 第1キャリッジ(読取手段)
11a 光源(読取手段)
11b 第1ミラー(読取手段)
11c 遮光板(読取手段)
12 第1移送機構(読取手段)
12d ステッピングモーター(読取手段)
13 第2キャリッジ(読取手段)
13a 第2ミラー(読取手段)
13b 第3ミラー(読取手段)
14 第2移送機構(読取手段)
15 結像レンズ(読取手段)
16 CCD(読取手段)
17 フォトインターラプター(読取手段)
18 原稿台
20 ADF
30 画像形成部
40 給紙部
60 画像処理部
80 制御部
82a ゆらぎレベル算出手段
82b タイミング変更手段
82c ずれ算出手段
82d 線速変更手段
M 読取原稿
L 基準ライン(基準画像)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7