特許第6019022号(P6019022)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6019022
(24)【登録日】2016年10月7日
(45)【発行日】2016年11月2日
(54)【発明の名称】ディスクブレーキのブレーキ摩耗センサ
(51)【国際特許分類】
   F16D 66/00 20060101AFI20161020BHJP
   F16H 1/32 20060101ALI20161020BHJP
【FI】
   F16D66/00 Z
   F16H1/32 Z
【請求項の数】10
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2013-521127(P2013-521127)
(86)(22)【出願日】2011年7月27日
(65)【公表番号】特表2013-532806(P2013-532806A)
(43)【公表日】2013年8月19日
(86)【国際出願番号】EP2011062900
(87)【国際公開番号】WO2012013702
(87)【国際公開日】20120202
【審査請求日】2014年7月24日
(31)【優先権主張番号】102010032515.5
(32)【優先日】2010年7月28日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】597166361
【氏名又は名称】クノール−ブレミゼ ジュステーメ フューア ヌッツファーツォィゲ ゲーエムベーハー
【氏名又は名称原語表記】KNORR−BREMSE System fuer Nutzfahrzeuge GmbH
(74)【代理人】
【識別番号】100073184
【弁理士】
【氏名又は名称】柳田 征史
(74)【代理人】
【識別番号】100090468
【弁理士】
【氏名又は名称】佐久間 剛
(72)【発明者】
【氏名】ヘルフ,アントン
【審査官】 佐々木 佳祐
(56)【参考文献】
【文献】 特表2000−504812(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16D 49/00−71/04
F16H 1/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
a. センサユニット(3)と、
b. 前記センサユニット(3)と協働する伝動装置(10)と、
c. 前記伝動装置(10)にかみ合っている、ブレーキ摩耗に割り当てられた入力値または特性値のための中央駆動要素(8)と、
を備えている、ディスクブレーキのブレーキ摩耗センサにおいて、
d. 前記ブレーキ摩耗センサが、前記ブレーキ摩耗に割り当てられた他の入力値または特性値のための少なくとも1個の追加入力部(9)を備えていることを特徴とするブレーキ摩耗センサ。
【請求項2】
少なくとも1個の前記追加入力部(9)が前記伝動装置(10)と協働していることを特徴とする請求項1に記載のブレーキ摩耗センサ。
【請求項3】
少なくとも1個の前記追加入力部(9)が、追加駆動装置(21)を介して前記伝動装置(10)に連結されていることを特徴とする請求項2に記載のブレーキ摩耗センサ。
【請求項4】
前記追加駆動装置(21)が、平歯車装置、ウォーム歯車装置、かさ歯車装置、連結棒、突棒またはカム装置として形成されていることを特徴とする請求項3に記載のブレーキ摩耗センサ。
【請求項5】
前記伝動装置(10)が遊星歯車装置であることを特徴とする請求項2または3に記載のブレーキ摩耗センサ。
【請求項6】
前記追加駆動装置(21)が前記遊星歯車装置の遊星キャリヤ歯車(18)に連結されていることを特徴とする請求項5に記載のブレーキ摩耗センサ。
【請求項7】
前記センサユニット(3)がポテンショメータを備えていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載のブレーキ摩耗センサ。
【請求項8】
前記センサユニット(3)が誘導型および/または容量型トランスデューサを備えていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載のブレーキ摩耗センサ。
【請求項9】
ディスクブレーキのブレーキ摩耗センサの測定信号を、前記ブレーキ摩耗センサの少なくとも2つの異なる入力値または特性値に割り当てる方法において、
前記測定信号が、前記ディスクブレーキの異なる運転状態に依存してその都度、前記ブレーキ摩耗センサの少なくとも2つの異なる入力値または特性値の一つに割り当てられ、前記ブレーキ摩耗センサが請求項1〜8のいずれか一項に記載のブレーキ摩耗センサであることを特徴とする方法。
【請求項10】
請求項1〜8のいずれか一項に記載のブレーキ摩耗センサを備えたディスクブレーキ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の前提部分に記載したディスクブレーキのブレーキ摩耗センサに関する。本発明はさらに、このようなブレーキ摩耗センサの測定信号を割り当てる方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ディスクブレーキはいろいろな構造が知られ、往々にしてブレーキパッドとブレーキディスクの摩耗を検知するためのセンサを備えている。このようなブレーキ摩耗センサはある実施形では、遊星歯車装置を介して調節可能なポテンショメータを備えている。その際、遊星歯車装置は調整装置に連結され、この調整装置の調整変位が回転角度として遊星歯車装置に伝達される。ポテンショメータは測定信号を処理するために一体化された電子装置を備えている。
【0003】
このようなブレーキ摩耗センサはきわめて有効であった。ブレーキと制動過程の絶え間なく強まる自動化および監視の場合、他の特性値を検出する必要がある。これは例えば、このようなディスクブレーキのブレーキ回転レバーのストロークである。しかしながら、他の特性値を感知するためにその都度、付加的なセンサを必要とし、このセンサは然るべき構造スペースを有し、それに伴って部品費用を含む設備コストがかかる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そこで、本発明の課題は、改良されたブレーキ摩耗センサを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この課題は、請求項1の特徴を有するブレーキ摩耗センサによっておよび請求項9の特徴を有する方法によって解決される。
【0006】
本発明の思想は、ブレーキ摩耗センサを、少なくとも2つの異なる入力値または特性値を検出するように形成することにある。
【0007】
従って、ディスクブレーキのブレーキ摩耗センサであって、
a. センサユニットと、
b. センサユニットと協働する伝動装置と、
c. 伝動装置にかみ合っている、ブレーキ摩耗に割り当てられた入力値または特性値のための中央駆動要素と、
を備えている、このブレーキ摩耗センサは、
d. 他の入力値または特性値のための少なくとも1個の追加入力部を備えていることを特徴とする。
【0008】
ブレーキ摩耗センサのこの追加入力部によって、一方ではほとんど既存の部品を使用することができる。これはさらに、他の1つの特性値または複数の特性値を検出するために、コストのかかる電子装置を備えた他のセンサを必要としないことを意味する。センサにおける既存の部品の配置変更によっておよび既存の伝動装置において他の駆動可能性を付け加えることによってのみ、少なくとも1つの付加的な測定信号を発生することができる。
【0009】
その際、既存の伝動装置は少なくとも1つの追加入力部によって拡張される。それにより、この追加入力部によって伝動装置は付加的に調節可能である。そのためにわずかの変更または補足しか必要とせず、この変更または補足は既存の構造スペースを実質的に拡大しない。付加的な特性値のための付加的なセンサは不要である。
【0010】
実施形では、少なくとも1個の追加入力部が追加駆動装置を介して伝動装置に連結されている。この追加駆動装置は最も簡単な実施形では平歯車装置であり、この場合追加駆動要素はこの平歯車を備え、この平歯車は伝動装置歯車の歯または追加の歯にかみ合っている。さらに、ウォーム歯車装置、かさ歯車装置、連結棒、突棒またはカム装置を、個別的にあるいは伝動装置の対応する相手方部材と組み合わせて、追加駆動装置のために使用可能である。センサが静止位置で戻しばねの力によってストッパーに押し付けられると好都合である。
【0011】
有利な実施形では、センサユニットと協働するブレーキ摩耗センサの伝動装置が遊星歯車装置である。その際、例えば遊星キャリヤ歯車が駆動部分を備え、この駆動部分が追加駆動装置の一部を形成することが簡単に可能である。これは例えば外歯であっても内歯であってもよい。
【0012】
センサユニットはポテンショメータを備えることができるがもちろん、測定信号を加工、処理または評価するための電子装置を備えていてもよい。
【0013】
センサユニットは誘導型および/または容量型トランスデューサを単独で備えていてもよいし、他のトランスデューサと組み合わせて備えていてもよい。その際、センサユニット内の電子装置は例えば測定信号を他の加工に適合させること、例えばデジタル化することができる。誘導型および容量型トランスデューサはさらに、操作が非接触式で、従って摩擦を生じないという利点を生じ、さらに保守不要である。
【0014】
ディスクブレーキのブレーキ摩耗センサの測定信号を、ブレーキ摩耗センサの少なくとも2つの異なる入力値または特性値に割り当てる方法は、測定信号が、ディスクブレーキの異なる運転状態に依存してその都度、ブレーキ摩耗センサの少なくとも2つの異なる入力値または特性値の一つに割り当てられ、前記ブレーキ摩耗センサが請求項1〜8のいずれか一項に記載のブレーキ摩耗センサであることを特徴とする。
【0015】
そのために、評価装置を例えばブレーキ制御装置に統合するかまたは別個に配置することができ、この評価装置はその都度の状態に関するブレーキ装置の既存の信号やデータを受け取り、ブレーキ摩耗センサの測定信号の評価のために一緒に評価する。
【0016】
ディスクブレーキは上記のブレーキ摩耗センサを備えている。
【0017】
添付の図を参照して、本発明を実施の形態に基づいて詳しく説明する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】開放した従来技術のブレーキ摩耗センサの概略的な斜視図である。
図2】開放した本発明のブレーキ摩耗センサの概略的な斜視図である。
図3図2に示した本発明のブレーキ摩耗センサのセンサユニットを備えた遊星歯車装置の概略的な分解斜視図である。
図4図2に示した本発明に係るブレーキ摩耗センサをIV−IV線に沿って切断して示す斜視図である。
図5図4に示した遊星歯車装置の概略的な断面図である。
図6図2に示した本発明に係るブレーキ摩耗センサの概略的な特性曲線図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図において、同じ機能を有する同一構成要素または機能ユニットには、同じ参照符号が付けてある。
【0020】
図1は開放した従来技術のブレーキ摩耗センサの概略的な斜視図である。
【0021】
従来のブレーキ摩耗センサはハウジング1を備え、このハウジング内には、センサユニット3を収容する円筒状チャンバ2が形成されている。このチャンバ2は運転中、センサ部品を固定する図示していない閉鎖カバーを備えている。ハウジング1は固定側が示してある。この固定側はブレーキ、例えばブレーキキャリパに取付けられ、シール25、例えばOリングによって封止される。固定要素26、例えばハウジング1の舌片状拡張部に配置されたボルトが固定のために役立つ。固定側とは反対の側には、コンタクトピン5を電気的に接続するために用いられるプラグを収容するための接続部分6が設けられている。このコンタクトピンはセンサユニット3に接続される。センサユニット3は機械的な量を電気的な量に変換するトランスデューサを備えている。これはここでは、ポテンショメータの形態の可変の電気抵抗である。このポテンショメータは付加的な電子機器を備えていてもよく、付設ディスクブレーキのブレーキ摩耗(ブレーキパッド摩耗およびブレーキディスク摩耗)に依存して、伝動装置10、ここでは遊星歯車装置を介して中央駆動要素8によって調整可能である。そのために、中央駆動要素8は直接的にあるいは例えば他の適当な伝動装置を介して間接的にブレーキ調整装置に連結可能である。ブレーキ調整装置はブレーキ摩耗に依存して、回転を直線的な調整運動に変換することにより、付設ブレーキのブレーキパッドを調整する。回転は、例えばブレーキ回転レバーを用いて制動する際、所定の値を上回るときに行われる。この調整装置の回転角度は、ブレーキ摩耗の寸法(長さの単位、例えばmm)に一致する。回転角度は遊星歯車装置によってポテンショメータに伝達される。このポテンショメータは回転角度を電気的な抵抗値に変換する。この電気的な抵抗は電圧または電流によって測定可能である。この電圧および/または電流は回転角度のマッピング、調整の長さの単位、ひいてはブレーキ摩耗の測定量を表す。
【0022】
図2は、本発明に係る開放したブレーキ摩耗センサの概略的な斜視図である。
【0023】
図1に示した従来技術に係るブレーキ摩耗センサと異なり、本発明に係るブレーキ摩耗センサは、第1の入力値または特性値のための中央駆動要素8に加えて、第2の付加的な入力値または特性値を検出するための追加入力部9としての追加駆動要素22を備えている。その際、第1入力値はブレーキ摩耗であり、付加的な入力値は他の特性値、例えばブレーキ回転レバーのレバーストロークである。このブレーキ回転レバーは制動過程の際にブレーキをかけるためあるいは1個または複数のブレーキパッドを締め付けるために揺動させられ、その際さらに所定の値を超えるときに調整装置を動作させる。
【0024】
その際、追加入力部9としての追加駆動要素22は、中央駆動要素8のように、伝動装置10と協働し、伝動装置、ひいてはセンサユニット3のトランスデューサを付加的に動作させることができる。
【0025】
図3は、図2に示した本発明に係るブレーキ摩耗センサのセンサユニット3を備えた遊星歯車装置としての伝動装置10の概略的な分解斜視図であり、図4図2に示した本発明に係るブレーキ摩耗センサをIV−IV線に沿って切断して示す斜視図である。
【0026】
用語「下方」と「下側」はハウジング1のチャンバ2の底の方向を指し、用語「上方」と「上側」はその反対方向を指す。
【0027】
センサユニット3はここでは回路基板4からなっている。この回路基板はハウジング1のチャンバ2内に相対回転しないように(そのために図には、チャンバ壁と回路基板の突起と、対応する凹部が示してある)チャンバの底に配置され、かつ舌片を備えている。この舌片は例えばウェッジ連結部を介してコンタクト5に連結する働きをする。チャンバ2の底はその中央に、ドーム状の円筒形軸承部分7を備えている。この軸承部分はその中央に、中央駆動要素8のための収容部を形成している。回路基板4は軸承部分7の外側輪郭に適合した貫通穴を有し、組み立て状態で軸承部分7がこの貫通穴を通過している(図4)。この回路基板4には、例えば上側に、1個の抵抗回路(図示せず)または複数の抵抗回路と、1個のコンタクトバスが設けられている。この抵抗回路とコンタクトバスはコンタクト5および/または電子部品に電気的に接続されている。抵抗回路とコンタクトバスは遊星歯車装置の操作部分13と共にポテンショメータを形成している。操作部分13は例えばスライディングコンタクトであってもよく、ここでは遊星歯車装置の内歯歯車11の下側に取付けられている。
【0028】
遊星歯車装置は内歯12を有する内歯歯車11と、外歯を有する3個の遊星歯車14と、1個の遊星キャリヤ歯車18と、外歯を有する1個の太陽歯車15を備えている。この太陽歯車は中央駆動要素8に連結されている。内歯歯車11と操作部分13と遊星キャリヤ歯車18と太陽歯車15はポテンショメータまたはトランスデューサと共に同軸に配置されている。
【0029】
内歯歯車11は図4から分かるように、操作部分13と共に回路基板4上に配置されている。内歯歯車の内歯12は遊星歯車14にかみ合っており、この遊星歯車は遊星歯車軸受19を介して遊星キャリヤ歯車18の下側に回転可能に取付けられている。遊星歯車軸受19はここでは遊星キャリヤ歯車18の下側のジャーナルを備えている。このジャーナル上に遊星歯車14が回転可能に装着されている。遊星歯車14の間の中央に、太陽歯車15がこの遊星歯車にかみ合って配置されている。太陽歯車15は中央駆動要素8の構成部分である。この中央駆動要素はシャフトによって形成され、このシャフトはそのほぼ中央に太陽歯車15を有し、遊星歯車装置の組み立て状態で(図4)遊星キャリヤ18の穴を上側から通過し、そして下側の軸受端部16がハウジング1の軸承部分7の収容部に回転可能に収容されている。中央駆動要素8の他端は半径方向に拡がり、内歯または内側プロファイルを有する駆動端部17を形成している。
【0030】
遊星キャリヤ歯車18はその上側の周方向エッジに駆動部分10を備えている。この駆動部分には追加駆動要素22が追加駆動装置21を介して作用連結されている。この追加駆動装置21は本例では歯車装置として形成されている。この場合、遊星キャリヤ歯車18の駆動部分10が内歯を備え、この内歯が追加駆動要素22の被駆動歯車23の外歯にかみ合っている。その際、追加駆動要素22は軸であり、この軸の下端が被駆動歯車23を有し、上端が追加入力部9として駆動歯車24を備えている。この駆動歯車はここでは外歯を有する。追加駆動要素22は、その長手軸線が遊星歯車装置の軸線に対して平行に延在するように配置されている。
【0031】
この実施の形態では、追加駆動要素22の駆動歯車24が付設されたディスクブレーキのブレーキ回転レバーに直接的にまたは他の伝動装置を介して間接的に作用連結されている。それによって、ブレーキ摩耗センサの追加入力部9の第2入力値または特性値は、ブレーキ回転レバーの揺動運動または昇降運動である。追加駆動要素22は例えばハウジング1のチャンバ2の図示していない閉鎖カバーにその縦軸線回りに回転可能に軸承されている。
【0032】
ブレーキ摩耗センサに対する2つの入力値または特性値の作用を説明するために、図5図4の伝動装置の概略的な断面を示している。これに関連して、図2の本発明に係るブレーキ摩耗センサの概略的な特性曲線を示す図6を一緒に説明する。
【0033】
図5には遊星歯車軸受19の変形例が示してある。この場合、遊星歯車14はそれぞれ軸受ジャーナルを備え、この軸受ジャーナルは遊星キャリヤ歯車18の軸受収容部に回転可能に収容されている。遊星歯車14は図示では一段式である。遊星歯車はもちろん、二段式または多段式に形成可能である。中央駆動要素8と追加駆動要素22の回転方向は、遊星歯車装置を上側から(図5において右側から)見て決められる。
【0034】
第1入力値または特性値、例えば摩耗調整のみの時計回りの回転運動を、中央駆動要素8に加える際、この第1のケースでは、遊星キャリヤ歯車18が固定保持されていると仮定される。太陽歯車15は歯を介して遊星歯車14を反時計回りに回転させる。それによって、遊星歯車14にかみ合っている内歯12を介して内歯歯車11が同様に反時計回りに回転する。この回転運動は操作部分13を介してセンサユニット3のポテンショメータに伝達される。それによって、操作部分13のブラシを介して取り出されるポテンショメータの抵抗が変化する。ポテンショメータは詳述しない回路において電圧がかけられ、それによってこの例ではブラシで測定された電圧が高められる。
【0035】
図6は、センサユニット3で測定された電圧(横座標)と摩耗変位またはストローク(縦座標)の関係を表すセンサ特性曲線27を示している。第1入力値または特性値に基づく電圧の上昇により、センサ特性曲線27上に円で印を付けた初期値は、矢印ΔUvの方向に移動する。それに対応する摩耗値は縦座標に生じる。
【0036】
第2のケースの場合、ブレーキ摩耗センサが例えばブレーキ回転レバーのストロークとしての第2入力値または特性値によってのみ、追加入力部9を介して、さらに時計回りに回転運動させられ、その際太陽歯車15または中央駆動要素8が固定保持されると、遊星キャリヤ歯車18がさらに時計回りに回転し、それによって固定された太陽歯車15の回りに遊星歯車14の回転運動を生じる。従って、内歯歯車11が同様に時計回りに回転運動させられる。
【0037】
それによって、この第2のケースの場合、ポテンショメータのための操作部分13の回転方向が逆転し、センサ特性曲線27上の初期点がこのセンサ特性曲線上で矢印ΔUの方向に上方へ移動する。というのは、測定される電圧が低下するからである。(初期点から出発する)ブレーキ回転レバーの関連ストロークは同様に縦座標上で求めることができる。
【0038】
第3のケースでは、ブレーキ摩耗センサへの第1と第2の入力値または特性値の同時供給が、同じ回転方向で観察される。その際、操作部分13の異なる運動が生じる。
【0039】
そして、第3のケースの特殊なケースである第4のケースでは、第2入力値または特性値が再びその初期位置でリセットされる。これはブレーキ回転レバーストロークで行われる。ブレーキング開始時に、ブレーキ回転レバーはその静止位置から移動位置に揺動し、そしてブレーキングの終わりに再び静止位置に戻る。しかし、それによって開始された、第1入力値または特性値としての調整運動は新しい位置にとどまる。
【0040】
その結果、1個のセンサユニット3によって出力される異なる2つの入力値または特性値の多数の測定信号を、境界条件に基づく適当な評価によって、この2つの異なる入力値または特性値に割り当てることができる。この境界条件は例えばブレーキに付設されたブレーキ制御装置の情報に基づいて、ブレーキの運転状態から得られる。ブレーキが操作されていない状態では、ブレーキ摩耗センサによって出力される測定信号は、調整、ひいては摩耗のための尺度である。ブレーキ操作時には、測定信号がブレーキ回転レバーのストロークに割り当てられる。ブレーキ回転レバーの普通のストロークは予め電子評価装置のメモリに記憶可能である。ブレーキ操作時のこの記憶された「通常値」からの偏差は、ブレーキングの終了後、実施された摩耗調整としてのそのとき変化した摩耗値に基づいて、変化した摩耗値を有していない他の偏差と異なることができる。
【0041】
それによって、2つの入力値または特性値の静的および動的測定信号が、1個だけのブレーキ摩耗センサによって出力可能である。
【0042】
ブレーキパッドおよび/またはブレーキディスクのための交換表示を行うために、さらに摩耗測定値を設定可能な限界値と比較することができる。
【0043】
ブレーキ作用を判断するためにあるいは通常のブレーキ作用からの偏差を検知するために、ブレーキ回転レバーのストロークの静的または動的測定信号を例えば車両のブレーキ減速度の評価と関連づけることが可能である。
【0044】
本発明は上述の実施の形態に限定されない。本発明は添付の特許請求の範囲内で変更可能である。
【0045】
センサユニット3のブラシを備えたポテンショメータの実施形について上述したのと同様に、この原理はコンタクトなしの変形にも適用可能である。このコンタクトなしの変形は例えば保守を必要とせず、摩擦を生じない。このようなコンタクトなしの変形は、測定信号をアナログおよび/またはデジタル出力する誘導型および/または容量型トランスデューサを備えることができる。
【0046】
第2入力値または特性値(ここではブレーキ回転レバーのストローク)をブレーキ摩耗センサに伝達するための追加駆動装置21は、図示した実施形の代わりに、ウォーム歯車装置またはかさ歯車装置、連結棒または突棒によって形成可能である。さらに、カム操作装置も使用可能である。センサを戻しばねの力によって静止位置でストッパーに押し付けると好都合である。
【0047】
さらに、2つ以上の付加的な入力値または特性値のための多数の追加駆動要素を用いることができる。
【符号の説明】
【0048】
1 ハウジング
2 チャンバ
3 センサユニット
4 回路基板
5 コンタクトピン
6 接続部分
7 軸承部分
8 中央駆動要素
9 追加入力部
10 伝動装置
11 内歯歯車
12 内歯
13 操作部分
14 遊星歯車
15 太陽歯車
16 軸受端部
17 駆動端部
18 遊星キャリヤ歯車
19 遊星歯車軸受
20 駆動部分
21 追加駆動装置
22 追加駆動要素
23 被駆動歯車
24 駆動歯車
25 シール
26 固定要素
27 センサ特性曲線
図1
図2
図3
図4
図5
図6