特許第6019025号(P6019025)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6019025腹腔鏡による外科的処置のための多モード外科用ガス供給システム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6019025
(24)【登録日】2016年10月7日
(45)【発行日】2016年11月2日
(54)【発明の名称】腹腔鏡による外科的処置のための多モード外科用ガス供給システム
(51)【国際特許分類】
   A61B 1/00 20060101AFI20161020BHJP
   A61B 17/34 20060101ALI20161020BHJP
【FI】
   A61B1/00 332D
   A61B1/00 320E
   A61B17/34
【請求項の数】1
【全頁数】27
(21)【出願番号】特願2013-529418(P2013-529418)
(86)(22)【出願日】2011年9月20日
(65)【公表番号】特表2013-541972(P2013-541972A)
(43)【公表日】2013年11月21日
(86)【国際出願番号】US2011052385
(87)【国際公開番号】WO2012040221
(87)【国際公開日】20120329
【審査請求日】2014年8月28日
(31)【優先権主張番号】61/384,412
(32)【優先日】2010年9月20日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】509065827
【氏名又は名称】サージクェスト,インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100094651
【弁理士】
【氏名又は名称】大川 晃
(72)【発明者】
【氏名】スターンズ,ラルフ
(72)【発明者】
【氏名】フェルドマン,デニス
(72)【発明者】
【氏名】タン,レイモンド,ユエシン
【審査官】 ▲高▼ 芳徳
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭63−071245(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0185139(US,A1)
【文献】 特表2010−502360(JP,A)
【文献】 特開2005−287840(JP,A)
【文献】 特開2005−176908(JP,A)
【文献】 特表2013−505812(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 1/00 − 1/32
A61B 17/00 −17/94
A61M 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者の体腔190内へのアクセスを提供する1つまたはそれ以上のトロカール231,233を使用するように構成された多モード外科用ガス供給システム200において、
制御装置210であって、供給管114および戻り管112を有するポンプ111と、送気管118を有する送気サブユニット121と、複数の明示された操作位置A,B,Cを備え、前記供給管114、前記戻り管112および前記送気管118それぞれに接続され、ユーザの選択した操作モードに基づいて前記外科用ガス供給システム200を介してガス流を制御する分流弁295とを有し、前記制御装置210が
i)前記分流弁295が、2つ以上のトロカールの一つのトロカール231,233を介して患者の体腔190から注入ガスが漏出するのを防ぐために、前記トロカール231,233内に圧力バリアを形成し維持できるように、前記送気管118を介して前記2つ以上のトロカール231,233の1つであるトロカール231に加圧ガス供給するようにCの操作位置に位置決めされ、前記トロカール231,233内に形成された圧力バリアからのガスが、前記2つのトロカール231,233の他の1つであるトロカール233から前記戻り管112を介して前記ポンプ111に戻り、前記供給管114及び前記Cの操作位置の前記分流弁295を順次通って前記制御装置210外に放出される再循環モードと、
ii)前記分流弁295が、患者の体腔190内の可視性を向上できるように、前記トロカール231、233の1つであるトロカール231を介して、患者の体腔190内の注入ガスから煙をフィルタ216により除去し、前記フィルタ216により煙を除去された注入ガスを前記戻り管112に戻すようにBの操作位置に位置決めされ、ここで、前記送気管118は前記戻り管112に接続され、前記戻り管112、前記ポンプ111、前記供給管114及び前記トロカール231,233の他の1つである前記トロカール233を順次通して患者の体腔190内に注入ガスを追加できるようにした排煙モードと、
iii)前記分流弁295が、気腹を形成し維持できるように、前記送気管118を介して前記送気サブユニット121から前記1つのトロカール231,233を介して、患者の体腔190内に注入ガスを供給し、前記供給管114と前記戻り管112とを相互に接続するようにAの操作位置に位置決めされた送気モードと、
を含むユーザ選択可能な多操作モードを有する制御装置210を備え、
前記制御装置210が、前記分流弁295により、前記3つの操作モードのうちのいずれか1つの操作モードを、ユーザが選択できるように構成される、多モード外科用ガス供給システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2010年9月20日出願の米国仮特許出願第61/384,412号の優先権を主張し、かつまた、2009年9月29日出願の米国仮特許出願第61/246,921号、および2009年10月11日出願の米国特許出願第12/577,188号に関連する。本出願は、さらに、米国特許第7,182,752号;同第7,285,112号;同第7,413,559号;および同第7,338,473号、米国またはPCT特許出願:2006年9月8日出願の米国特許出願第11/517,929号(米国特許出願公開第2007/0088275号);2007年12月18日出願のPCT/US07/88017号(国際公開第2008/077080号);2007年12月20日出願の米国特許出願第11/960,701号(米国特許出願公開第2009/0137943号);2008年10月10日出願の米国仮特許出願第61/104,448号;2008年10月10日出願の米国仮特許出願第61/195,898号;および2008年4月17日出願の米国特許出願第12/148,234号(米国特許出願公開第2008/0262302号)に関連する。上述の各文献は、その全体を本願明細書に援用する。
【0002】
本発明は、外科用送気または注入システム、および外科用排煙システムに関する。特に、本発明は、注入ガスを外科的処置用に送気、排煙および再循環できる多モードシステム、および関連の方法および装置に関する。
【背景技術】
【0003】
腹腔鏡による、または「低侵襲」外科技術は、ますます一般的になっている。そのような処置の利点には、患者の外傷を減らすこと、感染の機会を減らすこと、および回復時間を減らすことが含まれる。腹腔(腹膜腔)内での、そのような処置は、一般に、患者の腹腔へ腹腔鏡器具を挿入しやすくするトロカールやカニューレとして公知の装置によって行われる。
【0004】
さらに、そのような処置は、通常、腹腔(腹膜腔)に二酸化炭素などの加圧流体を充填または「送気」して、気腹と呼ばれる状態を形成することを含む。送気は、注入流体を供給する能力を備える外科用アクセス装置(「カニューレ」または「トロカール」と呼ばれることもある)によって、または、送気用(ベレス)針のような別個の送気装置によって実施され得る。気腹を維持するためには、注入ガスを実質的に損失させずに気腹へ手術器具を挿入することが望ましい。
【0005】
典型的な腹腔鏡による処置の最中、外科医が、典型的には外科用アクセス装置自体を用いて、典型的には内部に配置された別個の挿入具または閉塞具を使用して、3〜4個所に小さな切開を施す(通常それぞれ約12ミリメートル以下)。挿入後、挿入具を取り除くと、トロカールにより、器具を腹腔へ挿入するためのアクセスが可能になる。典型的なトロカールは、腹腔へ送気するための手段を提供することが多いため、外科医は、開放している内部空間を有し、そこで作業する。
【0006】
トロカールは、トロカールと使用中の手術器具との間を封止することによって、腔内の圧力を維持する手段を提供する必要があるが、それでも、手術器具の少なくとも最小限の運動の自由度を許容している。そのような器具は、例えば、鋏、把持器具、閉塞器具、焼灼ユニット、カメラ、光源、および他の手術器具を含み得る。封止要素または機構は一般にトロカールに設けられて、注入ガスの漏れを防止する。封止要素または機構は、一般に、比較的しなりやすい材料で作製されたダックビルタイプの弁を含み、トロカールを通る手術器具の外表面の周囲を封止する。
【0007】
さらに、腹腔鏡手術では、電気焼灼器による他の技術(例えばハーモニックスカルペル)により、手術腔に煙および他の砕片が生じ、視界を曇らせることによって、および内視鏡などの表面を被覆することによって、可視性を悪くする。
【0008】
様々な外科用送気システムおよび排煙システムが当業界で公知である。さらに、SurgiQuest,Inc.(Orange、CT USA)が、従来の機械的な封止を用いずに、送気された手術腔へアクセスできるようにする外科用アクセス装置を開発しており、および、例えば米国特許出願公開第2007/0088275号明細書、および2008年10月10日出願の米国仮特許出願第61/104,448号明細書に全体または一部が説明されているような、そのようなアクセス装置に十分な圧力および流量をもたらす関連のシステムを開発している。
【0009】
本発明は、標準的な、または特殊な外科用アクセス装置または他の器具、例えばベレス針などへの送気、標準的なまたは特殊な外科用アクセス装置による排煙、および、例えば米国特許出願公開第2007/0088275号明細書、米国特許第7,182,752号明細書、同第7,285、112号明細書、同第7,413,559号明細書または同第7,338,473号明細書に説明されている上述の外科用アクセス装置を用いるような、特殊化した機能、例えば注入流体の再循環およびろ過を含む、複数の外科的なガス供給機能を実行できる多モードシステム、および関連の装置および方法に関する。
【0010】
本明細書で説明するもののような単一の多モードシステムの使用は、複数の機能を達成するシステムを唯1つ購入する必要があるだけであるため、コストを削減し、同様に、それにより、手術室に必要な機器の量を減らし、それゆえ騒音を小さくし、かつ他の必要な機器のための空間を空ける。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の目的および利点は、以下の説明に記され、かつ、それから明白である。本発明の追加的な利点は、明細書およびその特許請求の範囲、ならびに添付図面に特に指摘される方法およびシステムによって実現され、かつ達成される。
【0012】
これらのおよび他の利点を達成するために、および具体的に説明されるような本発明の目的によれば、本発明は、一態様において、流体ポンプ、供給管、戻り管、調整可能な背圧制御弁、送気制御器、送気管、圧力センサー、および管セットを有する多モード外科用ガス供給システムを含む。流体ポンプは、注入流体がシステムを循環するように適合および構成されている。供給管は、流体ポンプの出力部と流体連通され、かつ制御装置の出力ポートへ加圧注入流体を供給するように構成および適合されている。戻り管は、注入流体を流体ポンプに供給するために流体ポンプの入力部と流体連通し、かつ注入流体を制御装置の入力ポートへ戻すように構成および適合されている。調整可能な背圧制御弁は、供給管および戻り管と流体連通し、かつ開放して流体を供給管から戻り管へ方向付けることによって、設定圧力を上回る供給管の圧力に応動するように適合および構成される。送気制御器は、注入ガス源からシステムへの注入流体の追加を制御する。送気管は、送気制御器からシステムへ注入ガスを供給する。圧力センサーは、送気管を通して手術腔の圧力を感知するように適合および構成される。コントロール・パネルは、多モード外科用ガス供給システムのモードをユーザが選択できるように構成および適合されている。管セットは、供給管、戻り管、および送気管に、および手術腔と流体連通する複数の外科装置に接続されるように適合および構成されている。
【0013】
本発明のシステムは、供給管、戻り管、および送気管と関連付けられた切り替え弁をさらに含み、送気管の流体接続を、外科装置の1つ以上と、流体ポンプに至る戻り管との間で切り替えるように構成および適合されている。送気管は、腹圧を検出する管として供し得ることができ、かつまた、送気管とは分離された、腹圧を検出する管をさらに含む。
【0014】
別の実施態様では、本発明は、患者の体腔へのアクセスを提供する1つ以上の外科装置に結合されるように構成された多モード外科用ガス供給システムを含む。システムは、以下の動作モード:注入ガス源から外科装置へ加圧注入流体をもたらして、外科装置において体腔への封止可能なアクセスを提供および維持する第1の動作モード;およびフィルタ・エレメントにおいて、体腔から前記外科装置を経由して多モードシステムを再循環するようにした注入流体からの排煙を実行する第2の動作モードの少なくとも1つをもたらすように構成および適合された、コンピュータ制御された制御装置を含む。別の態様では、コンピュータ制御された制御装置は、注入ガス源から体腔へ注入流体をもたらして体腔への送気を開始しかつこれを維持する第3の動作モードを提供するようにさらに構成および適合されている。
【0015】
さらに、コントロール・パネルが、コンピュータ制御された制御装置に結合されて設けられており、かつ、多モード外科用ガス供給システムの上述の動作モードをユーザが選択できるように構成および適合されている。コントロール・パネルは、多モード外科用ガス供給システムの動作モードの各々の動作パラメータをユーザが選択的に調整できるようにさらに構成および適合されてもよい。
【0016】
上述の概要および以下の詳細な説明の双方とも例示であり、および本発明のさらなる説明を提供するものであることを理解されたい。
【0017】
本明細書に組み込まれ、かつその一部をなす添付の図面は、本発明のシステム、装置および関連の方法を図示し、かつそれらの理解をもたらすために含まれる。説明と共に、図面も本発明の原理を説明に役立つ。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1A】本発明によって使用されるコンピュータの環境でのシステム・レベル図である。
図1B】本発明の一態様による、腹腔鏡による外科的処置のための多モード外科用ガス供給システムの概略図である。
図2】本発明の別の態様による、腹腔鏡による外科的処置のための多モード外科用ガス供給システムの概略図である。
図3】本発明のさらに別の態様による、腹腔鏡による外科的処置のための多モード外科用ガス供給システムの概略図である。
図4A】本発明による、腹腔鏡による外科的処置のための外科用ガス供給システムのシステムと併用されるフィルタ・アセンブリの図を示す。
図4B】本発明による、腹腔鏡による外科的処置のための外科用ガス供給システムのシステムと併用されるフィルタ・アセンブリの図を示す。
図4C】本発明による、腹腔鏡による外科的処置のための外科用ガス供給システムのシステムと併用されるフィルタ・アセンブリの図を示す。
図4D】本発明による、腹腔鏡による外科的処置のための外科用ガス供給システムのシステムと併用されるフィルタ・アセンブリの図を示す。
図4E】本発明による、腹腔鏡による外科的処置のための外科用ガス供給システムのシステムと併用されるフィルタ・アセンブリの図を示す。
図4F】本発明による、腹腔鏡による外科的処置のための外科用ガス供給システムのシステムと併用されるフィルタ・アセンブリの図を示す。
図4G】本発明による、腹腔鏡による外科的処置のための外科用ガス供給システムのシステムと併用されるフィルタ・アセンブリの図を示す。
図4H】本発明による、腹腔鏡による外科的処置のための外科用ガス供給システムのシステムと併用されるフィルタ・アセンブリの図を示す。
図4I】本発明による、腹腔鏡による外科的処置のための外科用ガス供給システムのシステムと併用されるフィルタ・アセンブリの図を示す。
図4J】本発明による、腹腔鏡による外科的処置のための外科用ガス供給システムのシステムと併用されるフィルタ・アセンブリの図を示す。
図4K】本発明による、腹腔鏡による外科的処置のための外科用ガス供給システムのシステムと併用されるフィルタ・アセンブリの図を示す。
図4L】本発明による、腹腔鏡による外科的処置のための外科用ガス供給システムのシステムと併用されるフィルタ・アセンブリの図を示す。
図4M】本発明による、腹腔鏡による外科的処置のための外科用ガス供給システムのシステムと併用されるフィルタ・アセンブリの図を示す。
図4N】本発明による、腹腔鏡による外科的処置のための外科用ガス供給システムのシステムと併用されるフィルタ・アセンブリの図を示す。
図4O】本発明による、腹腔鏡による外科的処置のための外科用ガス供給システムのシステムと併用されるフィルタ・アセンブリの図を示す。
図4P】本発明による、腹腔鏡による外科的処置のための外科用ガス供給システムのシステムと併用されるフィルタ・アセンブリの図を示す。
図4Q】本発明による、腹腔鏡による外科的処置のための外科用ガス供給システムのシステムと併用されるフィルタ・アセンブリの図を示す。
図4R】本発明による、腹腔鏡による外科的処置のための外科用ガス供給システムのシステムと併用されるフィルタ・アセンブリの図を示す。
図4S】本発明による、腹腔鏡による外科的処置のための外科用ガス供給システムのシステムと併用されるフィルタ・アセンブリの図を示す。
図4T】本発明による、腹腔鏡による外科的処置のための外科用ガス供給システムのシステムと併用されるフィルタ・アセンブリの図を示す。
図4U】本発明による、腹腔鏡による外科的処置のための外科用ガス供給システムのシステムと併用されるフィルタ・アセンブリの図を示す。
図4V】本発明による、腹腔鏡による外科的処置のための外科用ガス供給システムのシステムと併用されるフィルタ・アセンブリの図を示す。
図4W】本発明による、腹腔鏡による外科的処置のための外科用ガス供給システムのシステムと併用されるフィルタ・アセンブリの図を示す。
図4X】本発明による、腹腔鏡による外科的処置のための外科用ガス供給システムのシステムと併用されるフィルタ・アセンブリの図を示す。
図5A】本発明による、腹腔鏡による外科的処置のための外科用ガス供給システムのシステムと併用されるフィルタ・アセンブリの別の説明に役立つ実施形態の図を示す。
図5B】本発明による、腹腔鏡による外科的処置のための外科用ガス供給システムのシステムと併用されるフィルタ・アセンブリの別の説明に役立つ実施形態の図を示す。
図5C】本発明による、腹腔鏡による外科的処置のための外科用ガス供給システムのシステムと併用されるフィルタ・アセンブリの別の説明に役立つ実施形態の図を示す。
図5D】本発明による、腹腔鏡による外科的処置のための外科用ガス供給システムのシステムと併用されるフィルタ・アセンブリの別の説明に役立つ実施形態の図を示す。
図5E】本発明による、腹腔鏡による外科的処置のための外科用ガス供給システムのシステムと併用されるフィルタ・アセンブリの別の説明に役立つ実施形態の図を示す。
図5F】本発明による、腹腔鏡による外科的処置のための外科用ガス供給システムのシステムと併用されるフィルタ・アセンブリの別の説明に役立つ実施形態の図を示す。
図5G】本発明による、腹腔鏡による外科的処置のための外科用ガス供給システムのシステムと併用されるフィルタ・アセンブリの別の説明に役立つ実施形態の図を示す。
図5H】本発明による、腹腔鏡による外科的処置のための外科用ガス供給システムのシステムと併用されるフィルタ・アセンブリの別の説明に役立つ実施形態の図を示す。
図5I】本発明による、腹腔鏡による外科的処置のための外科用ガス供給システムのシステムと併用されるフィルタ・アセンブリの別の説明に役立つ実施形態の図を示す。
図5J】本発明による、腹腔鏡による外科的処置のための外科用ガス供給システムのシステムと併用されるフィルタ・アセンブリの別の説明に役立つ実施形態の図を示す。
図5K】本発明による、腹腔鏡による外科的処置のための外科用ガス供給システムのシステムと併用されるフィルタ・アセンブリの別の説明に役立つ実施形態の図を示す。
図5L】本発明による、腹腔鏡による外科的処置のための外科用ガス供給システムのシステムと併用されるフィルタ・アセンブリの別の説明に役立つ実施形態の図を示す。
図5M】本発明による、腹腔鏡による外科的処置のための外科用ガス供給システムのシステムと併用されるフィルタ・アセンブリの別の説明に役立つ実施形態の図を示す。
図5N】本発明による、腹腔鏡による外科的処置のための外科用ガス供給システムのシステムと併用されるフィルタ・アセンブリの別の説明に役立つ実施形態の図を示す。
図5O】本発明による、腹腔鏡による外科的処置のための外科用ガス供給システムのシステムと併用されるフィルタ・アセンブリの別の説明に役立つ実施形態の図を示す。
図5P】本発明による、腹腔鏡による外科的処置のための外科用ガス供給システムのシステムと併用されるフィルタ・アセンブリの別の説明に役立つ実施形態の図を示す。
図5Q】本発明による、腹腔鏡による外科的処置のための外科用ガス供給システムのシステムと併用されるフィルタ・アセンブリの別の説明に役立つ実施形態の図を示す。
図5R】本発明による、腹腔鏡による外科的処置のための外科用ガス供給システムのシステムと併用されるフィルタ・アセンブリの別の説明に役立つ実施形態の図を示す。
図5S】本発明による、腹腔鏡による外科的処置のための外科用ガス供給システムのシステムと併用されるフィルタ・アセンブリの別の説明に役立つ実施形態の図を示す。
図5T】本発明による、腹腔鏡による外科的処置のための外科用ガス供給システムのシステムと併用されるフィルタ・アセンブリの別の説明に役立つ実施形態の図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の選択した実施形態の詳細に言及し、それらの例を添付の図面に示す。以下、本発明の説明に役立つ実施形態を示す添付の図面を参照して、本発明をより詳細に説明する。以下説明する説明に役立つ実施形態は、当業者が理解するように、様々な実施形態で供され得る本発明の例示にすぎないため、本発明は、説明に役立つ実施形態をなんら限定するものではない。それゆえ、本発明で開示した任意の構造的および機能的な詳細は、限定と解釈されるべきではなく、特許請求の範囲の根拠、および当業者が本発明を様々に用いるための教示の代表にすぎないことを理解すべきである。さらに、本明細書で使用された用語および句は、限定を意図するものではなく、本発明の分かりやすい説明を提供するものである。
【0020】
本明細書に示されるシステム、装置および方法は、好適な外科装置に関連した、および適用可能な外科的処置における送気、排煙、および/または再循環を含む外科的なガス供給に使用され得ることを認識されたい。本発明は、手術室(公開手術室)において必要な設備の量を最小限にするのに特に好適であり、主題のシステムは、複数の機能を実施できるようにし、それゆえ、また、外科技術に柔軟性を持たせることができる。
【0021】
図1B図2および図3は、本発明のシステムの異なる実施形態を示す。図1Bのシステム100は、手術腔190(例えば患者の腹腔)と流体接続している3つの外科装置を使用して、任意の選択したモードで動作するように適合および構成された多モードシステムを示す。図2のシステム200および図3のシステム300は、それぞれ、手術腔190と流体連通している2つの外科装置を使用して、任意の選択したモードで動作するように適合および構成されている。いずれにしても、二重のまたはさらに追加的な機能を果たすために、追加的な外科装置を並行して用いることができることが考えられる。
【0022】
そのような外科装置は、標準外科用アクセス装置(例えばトロカール、カニューレ)、ベレス針などを含むがそれらに限定されない、流体連通を可能にできる任意の所望の装置とし得ることを理解され、かつ認識されたい。その代わりに、またはそれに加えて、本発明のシステムは、そのようなアクセス装置の主ルーメンと、その近位端部に装着することによって、またはその代わりにアクセス装置のルーメンを通って配置される流体管によって、インターフェースをとるように適合および構成され得ることが考えられる。そのような配置は、システムを通過する流体の容積流量が標準外科用アクセス装置上の送気ポートおよび/または栓の容量を超える場合に、望ましいとし得る。一般に、外科用アクセス装置は、封止要素の下方に規定された空間と流体連通するように配置された栓を備え、注入器に接続できるようにしている。
【0023】
米国特許出願公開第2007/0088275号明細書、および2008年10月10日出願の米国仮特許出願第61/104,448号明細書に説明されているシステムは、例えば、患者の腹腔などの手術腔に入り込む特殊な外科用アクセス装置に加圧ガスを提供し、かつ、そこから減圧ガスを除去する。アクセス装置は、注入ガスが大気へ漏れるのを妨げる圧力バリアを形成するように適合および構成される。腹部からのガスが、1つまたは複数のアクセス装置からくるガスと入れ替わり、その一部分が収集されてシステムを再循環し、再び加圧され、途中で1つ以上のフィルタを通過する。この再循環プロセスの最中、煙および/または噴霧された流体などの他の循環する砕片がフィルタによって除去され、手術腔内の可視性を高め、それゆえ外科的処置を支援する。
【0024】
本発明のシステムは、上述の外科用アクセス装置と共に使用して、従来のアクセス装置によって送気および排煙を含む追加的な機能を果たすように構成されたシステム固有の煙および砕片の除去能力を用いる。本発明のシステムと使用し得る例示的な実施形態は、2009年10月9日出願の米国特許出願第12/587,584号明細書に開示されており、その全体が参照することにより本明細書に含まれる。
【0025】
上述の通り、本明細書では、3つの説明に役立つ実施形態を説明する。各実施形態の各システムはそれぞれ、以下の動作モードの1つ以上を選択的に提供し得る:
注入ガス源から外科装置へ加圧注入流体を提供し、体腔への封止可能なアクセスを外科装置に提供し、かつそれを維持する第1の動作モード。さらに具体的には、外科装置が、体腔に手術器具を挿入するように適合されており、外科装置(例えばトロカール)が、互いに対向する近位端部と遠位端部とを有する外側チューブ状部材を含み、外側チューブ状部材の近位端部が、それに関連付けられた近位ハウジングを有する。さらに、互いに対向する近位端部と遠位端部とを有する内側チューブ状部材が設けられており、内側チューブ状部材が、その近位端に近位フランジを含み、そのフランジは、好ましくは外側チューブ状部材の近位ハウジング内に載置され、内側チューブ状部材の近位フランジの上方において、外側チューブ状部材の近位ハウジング内にプレナム・チャンバを画成する。プレナム・チャンバは環状ノズルと好ましくは流体連通しており、環状ノズルは、プレナム・チャンバから内側チューブ状部材の中心孔まで軸方向に加圧流体を方向づけるように構成され、内側チューブ状部材の中心孔に挿入された手術器具の周りに一定のガス状シールを提供する一方、同時に、内側チューブ状部材の中心孔を通って体腔から加圧流体が漏れないようにする。プレナム・チャンバは、加圧流体を受け取り、加圧流体を環状ノズルへ導くように適合および構成される。そのような外科装置は、2006年9月8日出願の米国特許第7,413,559号明細書に説明されており、その全体が参照することにより組み込まれる。
【0026】
多モードシステムに設けられたフィルタ・エレメントにおいて、体腔から外科装置を経由して多モードシステムを通って再循環される注入流体からの排煙を実施する第2の動作モード。
【0027】
注入ガス源から体腔へ注入流体を提供して、体腔への送気を開始しかつこれを維持する第3の動作モード。
【0028】
第1の配置は、好ましくは、従来のアクセス装置を3つ使用して煙除去および送気を可能にする。第2および第3の配置は、従来のアクセス装置を2つのみ使用して煙除去および送気を可能にする。
【0029】
図1B図2、および図3の説明に役立つ実施形態は各々、コンピュータ制御された制御装置(110、210および310)を含み、それら制御装置は、それぞれ、好ましくは、コンピュータプロセッサを使用して外科用システム(100、200および300)で実行できる制御論理を有する、コンピュータが使える媒体に存在するソフトウェア・アルゴリズム、プログラムまたはコードを含むことを認識されたい。コンピュータ制御された制御装置(110、210および310)は、一般に、コンピュータ・アルゴリズムまたはプログラムの実行からの出力を提供するように構成されたメモリ・ストレージを含む。図1Aは、本発明の様々な実施形態(図1B図2、および図3)に示すような、コンピュータ制御された制御装置(110、210および310)と共に使用し得る、例示的な汎用コンピュータ・システムを示す。
【0030】
図1Aのコンピュータ・システム10は、一般的に、少なくとも1つのプロセッサ12、または処理ユニットまたは複数のプロセッサと、メモリ14と、少なくとも1つの入力装置16と、少なくとも1つの出力装置18とを含み、これらは1つのバスまたはバス群11を介して結合されている。いくつかの実施形態では、入力装置16および出力装置18は同じ装置とし得る。コンピュータ・システム10を1つ以上の周辺装置に結合するために、インターフェース15も設けることができ、例えばインターフェース15はPCIカードまたはPCカードとし得る。少なくとも1つのデータベース17を備える少なくとも1つの記憶装置14も設けることができる。メモリ14は、任意の形態のメモリ素子、例えば、揮発性または不揮発性メモリ、固体記憶装置、磁気装置などとし得る。プロセッサ12は、例えば処理システム10内で異なる機能を処理するために、2つ以上の別個の処理装置を含むことができる。入力装置16は入力データ19を受信し、かつ、例えば、キーボード、ペン様の装置などのポインタ・デバイス、マウス、タッチ・スクリーン、または任意の他の好適な装置、例えばモデムまたは無線データ・アダプタ、データ収集カードなどを含むことができる。入力データ19は、異なるソースから、例えばネットワーク経由で受信したデータと併せて、キーボード命令からきてもよい。出力装置18は、出力データ20を生じまたは生成し、かつ、例えば、表示装置またはモニタを含むことができ、その場合、出力データ20は視覚的である。出力データ20は、異なる出力装置から個別に得られ、例えばネットワークに送信されたデータと連係してモニタ上に視覚的に表示を行い得る。ユーザは、例えばモニタ上でまたはプリンタを使用して、データ出力、またはデータ出力の解釈を見ることができる。記憶装置14は、任意の形式のデータまたは情報記憶手段、例えば、揮発性または不揮発性メモリ、固体記憶装置、磁気装置等とし得る。
【0031】
使用時、コンピュータ・システム10は、データまたは情報を、有線または無線通信手段を介して、少なくとも1つのデータベース17に記憶できるおよび/またはそこから検索できるように適合されている。インターフェース15は、処理ユニット12と、特殊な目的に適い得る周辺コンポーネントとの間で有線および/または無線通信できるようにし得る。好ましくは、プロセッサ12は、入力装置16を介して入力データ19として命令を受信し、かつ出力装置18を用いることによって処理済みの結果または他の出力をユーザに表示できる。2つ以上の入力装置16および/または出力装置18を設けることができる。コンピュータ・システム10は任意の形態とし得るが、好ましくは本明細書の説明に役立つ実施形態の各システム100、200および300と一体式に提供できることを認識すべきである。
【0032】
コンピュータ・システム10はネットワーク通信システムの一部とし得ることを認識されたい。コンピュータ・システム10は、ネットワーク、例えばインターネットまたはWANに接続できる。入力データ19および出力データ20は、ネットワークを介して他の装置と通信できる。ネットワーク上での情報および/またはデータの転送は、有線通信手段または無線通信手段を使用して達成できる。サーバが、ネットワークと1つ以上のデータベースとの間のデータの転送を容易にする。サーバおよび1つ以上のデータベースは情報源の例を提供する。
【0033】
それゆえ、図1Aに示すコンピュータ・システム10は、1つ以上の遠隔コンピュータとの論理的な接続を使用して、ネットワーク化された環境で動作し得る。遠隔コンピュータは、パーソナル・コンピュータ、サーバ、ルータ、ネットワークPC、タブレット型端末、ピア・デバイス、または他の共通ネットワーク・ノードとしてもよく、典型的には、上述の要素の多くまたは全てを含む。
【0034】
図1Aは、以下説明する本発明の実施形態と共に使用し得る、説明に役立つおよび/または好適な例示的な環境の簡潔な概要を提供するものである。図1Aは、好適な環境の例であり、かつ本発明の実施形態の構造、使用範囲、または機能性をなんら限定しようとするものでもない。特定の環境は、例示的な動作環境に示される構成要素のいずれか1つまたはそれらの組み合わせに関して、なんらかの依存状態または必要条件であると解釈されるべきではない。例えば、場合によっては、環境の1つ以上の要素は、必須ではないとみなされ、省略されてもよい。他の例では、1つ以上の他の要素は必須であるとみなされ、追加されてもよい。
【0035】
図1Bに示すように、多モード外科用ガス供給システム100は、好ましくは、注入流体を、システム100を通して循環させるように適合および構成される流体ポンプ111を含む。流体ポンプ111の出力部には供給管114が流体連通しており、および供給管は、制御装置110の出力ポート183に加圧注入流体を供給するように構成および適合されている。流体ポンプ111の入力部には戻り管112が流体連通し、注入流体を流体ポンプ111に供給し、かつ戻り管は、制御装置110の入力ポート181に注入流体を戻すように構成および適合されている。制御装置110は上述のコンピュータ・システム10を含み、このコンピュータ・システムは、好ましくはシステム100の構成要素に結合されて、上述したような選択的な動作モードを容易にすることを理解されかつ認識されたい。
【0036】
調整可能な背圧制御弁113が、供給管114および戻り管112と流体連通して設けられ、かつ、弁を開放して供給管114から戻り管112へ流体を方向付けることによって、設定圧力を上回る供給管の圧力に応動するように適合および構成される。背圧制御弁113は、機械弁、例えば弾性的にバイアスをかけられる弁とし得る。あるいは、背圧制御弁113は、システム100内の1つ以上の圧力センサー(例えば117)からの高圧信号に応動する電気機械式弁とし得る。
【0037】
送気サブユニット121が設けられ、送気サブユニットは、源140(例えばローカル・タンクまたは中央分配システム)から注入ガス(例えば二酸化炭素)の供給を受け取るように適合および構成されており、この注入ガスは、システム100に入る前に圧力調整器141も通過し得る。送気サブユニット121は送気管118を介して、注入ガスを送気サブユニット121からシステム100の残りの部分に供給するように接続されており、かつ送気管によって手術腔190の圧力を感知するように適合および構成される圧力センサー(別個には図示せず)と、源140からシステム100への注入流体の追加を制御する(停止および始動によって)送気制御器(別個には図示せず)とを含む。
【0038】
さらに、システム100、または本明細書で説明する任意のシステムは、コントロール・パネル、例えば、制御装置110に設けられているもの、またはそうでなければそれに関連付けられているものなどによってユーザが制御する。そのようなコントロール・パネルは、好ましくは、スイッチ、タッチ・スクリーン、またはグラフィカル・ユーザ・インターフェース(GUI)などの他のユーザ・インターフェースによってなど、多モード外科用ガス供給システムのモードをユーザが選択できるように適合および構成される。このグラフィカル・ユーザ・インターフェースは、過剰な制御による騒音および/または混乱を減少させつつ、任意の所与のモードに、適切な予め定められたパラメータのセットから選択するだけでよいようにするように、制御装置110の融通を利かせることが可能である。コントロール・パネルは、システム100と一体的に設けられても、または公知のデータ通信手段を使用してそれから離れて配置されてもよいことを理解されかつ認識されたい。
【0039】
上述の通りモードを選択後(例えば、送気のみ、排煙のみ、排煙と送気の組み合わせ、再循環のみ、または再循環と排煙の組み合わせを含むが、これらに限定されない)、調整可能とし得るパラメータは、例えば、流量(例えばリットル/分)、圧力(例えばmmHgで)、および条件付けパラメータ(例えば、温度、湿度)などを含む。本明細書では、そのような「再循環」モードは、単独で、または他のモードと組み合わせて、十分な圧力および流量を供給して、例えば、米国特許出願公開第2007/0088275号明細書、および2008年10月10日出願の米国仮特許出願第61/104,448号明細書に説明しているもの、および/または米国特許第7,182,752号明細書、同第7,285,112号明細書、同第7,413,559号明細書または同第7,338,473号明細書に説明しているものなど(それら各々の全体が参照することにより組み込まれる)の外科用アクセス装置を駆動するのに好適なものである。
【0040】
管セットまたはチューブ・セット150も好ましくは設けられ、管セットまたはチューブ・セットは、一方の端部において供給管114、戻り管112および送気管118に接続され、かつ対向端部において、手術腔190と流体連通して設けられた複数の外科装置131、133、135に接続されるように適合および構成される。チューブ・セット150の構成は、上述の通り所望の実装に応じて異なり得る。図1Bのシステム100の場合、チューブ・セット150は、好ましくは入力ポート181、出力ポート183および送気ポート185への単一のマルチ・ルーメン接続部、および個々の外科装置131、133、135への別個の接続部を有する。
【0041】
好ましい一態様では、チューブ・セット150は、制御装置110へのポート181、183、185への接続部から始まり、制御装置110から予め定められた距離だけ、一般的にはおよそ制御装置110と手術台(この個所で、分岐155によって複数の別個のチューブを生じる)との間の距離まで複合マルチ・ルーメン・チューブを有する。図1Bのシステム100の場合、3つの別個のチューブが外科装置131、133、135の各々に別個に至り、これら外科装置は、送気性能を備える外科用アクセス装置(例えば、カニューレ、トロカール)、または他の器具、例えば1つ以上のベレス針などとし得る。それゆえ、外科装置は、供給管114、戻り管112および送気管118の1つに個々に接続され、それゆえ、その機能を個々に促進する。すなわち、外科装置131、133、135は、腹腔190への送気および腹腔190の感知、腹腔190へのろ過済み注入ガスの供給、または腹腔190からの汚染ガスの除去を促進する。
【0042】
上記の通り、好ましい一実施態様では、チューブ・セット150の別個の遠位のチューブ部分が、ルアー・ロック取付具などの従来の取付具によって従来の外科装置に接続される。チューブ・セット150の正確な構成は、所望の構成に応じて異なり得る。さらに、例えば、2007年12月20日出願の米国特許出願第11/960,701号明細書;2008年10月10日出願の米国仮特許出願第61/104,448号明細書;および2008年10月10日出願の米国仮特許出願第61/195,898号明細書に説明されているように、ユニタリー・フィルタ・エレメントを設けて、そこにチューブ・セット150を接続することができる。そのような配置では、1つまたは複数のフィルタ116が、チューブ・セット150と供給管114、戻り管112、または送気管118との間に配置され、かつ例えばユニタリーのマルチ・ルーメン接続部とし得る一体式の入力ポート181、出力ポート183および送気ポート185を備える。
【0043】
1つの適用または機能に好適なフィルタ116は、別の適用または機能での使用にも好適とし得る。例えば、SurgiQuest,Inc.(Orange、CT USA)から入手可能なAir Seal(商標)外科用カニューレ、米国特許出願公開第2007/0088275号明細書および2008年10月10日出願の米国仮特許出願第61/104,448号明細書に全体または一部が説明されているようなものなどの、特殊外科用アクセス装置による再循環機能での使用に好適なフィルタは、従来の外科用アクセス装置を使用する排煙および送気機能での使用に好適であり、異なる特定のチューブ・セット150を必要とするのみとし得る。上述のSurgiQuest Air Seal(商標)外科用カニューレは、排煙および/または送気に必要な流量と比較して比較的大流量を用いるため、大流量に好適なフィルタはおそらく小流量にも好適である。
【0044】
あるいは、寸法および他のパラメータを異なる機能の流量に合わせて、特別に構成されたフィルタを設けることができる。さらに、チューブ・セット150およびフィルタ116は、特定の適用のためのセットとして相互に構成され、かつキットとして設け、かつ所望の場合には、永続的に接続することができる。
【0045】
そのように所望する場合、本発明によるシステムは、無線認証(RFID)トランスポンダ、バー・コード、またはそこに設けられた他のデータ伝送要素などによって、システムと共に用いられる消耗部品(例えばフィルタおよび/またはチューブ・セット)を自動的に特定する性能を備えることができる。そのような配置では、システム(例えば100)は消耗部品を特定し、かつ適切なモード(例えば、再循環、排煙など)に切り替える。
【0046】
いくつかの好適なフィルタおよびチューブ・セットが、2009年10月11日出願の米国特許出願第12/577,188号明細書に説明されており、その全体を参照により本明細書に援用する。さらに、フィルタ・アセンブリ1000、2000の別の実施形態が本明細書の図4A図4Xおよび図5A図5Tにそれぞれ追加される。図4および図5のフィルタの実施形態は、米国特許出願第12/577,188号明細書において説明されている機能と類似の機能を果たすが、追加的な改良および特徴を含む。
【0047】
フィルタの第1の実施形態1000を図4A図4Xに示す。フィルタ1000は、入口または入力マニホールド1030によって収容されるフレアレス管継手(compression fitting)1020を含み、それらは協働してチューブ・セット1010を適所に保持する(図4B図4C)。流体流路1012(図4F)を含むチューブ・セット1010の末端部分のみを示すが、各流体流路は、別個の機能(例えば、注入ガスの供給、排煙、および再循環)を果たすことができる。フレアレス管継手1020(図4G図4H)は、圧縮部分1026が一体的に形成されかつチューブ・セット1010を受け入れる開口部1022を規定する本体1024を含む。マニホールド1030(図4図4)は、フレアレス管継手1020が装着されたチューブ・セット1010を収容する第1の部分1034を含む。チューブ・セット1010は、チューブ・セット1010と、管継手1020と、マニホールド1030の内部空間1035とが干渉することによって生じた締まり嵌めによって、圧縮される。マニホールド1030は、図4Iに示す入口側から、図4(J)に示す出口または裏側1038までマニホールドを貫通する3つの流体通路1032を規定する。入口カバー・プレート1040(図4K図4L)が設けられ、その入口カバー・プレートには、複数の流体流路1042が貫通するように画成される。カバー・プレート1040の外側に向く面1044は、印1045などを含んでもよい。内側に向く面1046は3つの流れ領域またはプレナム(1210、1220、1230)に分割される。プレナム1210、1220、1230は、フィルタ1000を入口から出口まで横切る3つの個々の流量回路を表す。プリーツ付きのフィルタ・エレメント1050(図4M)およびフィルタ・エレメント1085(図4E)が設けられ、プレナム1210、1220および1230の各々を流れる流体をろ過する。Oリング1260(図4N)、スペーサまたは他の好適な封止要素が設けられ、組み立てるときに、フィルタ・エレメント1050とハウジング1100との間に配置される。
【0048】
フィルタ・ハウジング1100(図4O図4P図4Q)は、フィルタ・アセンブリ1000の他の部分を収容し、かつプレナム1210、1220、1230のための通路を画成するように構成される。例えば、図4Qに最も明白に示すように、開口部1150は、ハウジング1100の底部に近接して規定され、プレナム1210を通って流体が流れることができるようにし、開口部1160が設けられて、プレナム1220を通って流体が流れることができるようにし、および開口部1170が設けられて、プレナム1230を通って流体が流れることができるようにする。フィルタ・ハウジング1100は好ましくは透明であり、かつ、ハウジング1100と容器受け板1070とが協働することにより容器1240(図4P)が画成されているときに、液体レベルの上昇を感知するために、一体的に形成されたプリズム1172、1174を含む。気腹から再循環されている最中のガスに混入される液体が、容器1240内にたまり、およびその底部1242から、第1のプリズム1172によって規定された第1の設定点レベル、および第2のプリズム1174によって規定された第2の設定点レベルまで満たす。図4Pの各プリズム1172、1174に対する引き出し線が、設定点に達するときの流体レベルにほぼ相関する。プリズム1172、1174の位置に近接するハウジング1100の外表面は、送気ユニットにあるセンサー、またはプリズムの領域の屈折率の変化を検出するように適合および構成されている他の光学センサーと光通信している。複合型の送気/再循環/排煙システムの開示の一実施形態は、編集済みの日付の付属書類として本明細書に含まれる。プリズム1172、1174およびそれらの機能の詳解を、セクション5.6.8.1.1においてさらに詳細に説明する。ハウジング1100が、不透明なまたは被覆されたユニットとして設けられる場合、プリズムは、それらの所望な機能に従って透明な形態で設けられる。容器受け板1070(図4R図4S)は、容器接面1072および第2の面1074を含む。高くなった隆起部1076によって取り囲まれた開口部によって、容器受け板を貫通して流路1220が設けられ、この隆起部は、容器1240中の流体が、開口部を通ってはねないようにするのを助ける。
【0049】
ダイバータ板1080を図4Tおよび図4Uに示す。面1082は流れに対面し、および面1084はエンド・キャップ1090に対面する(図4V図4W)。エンド・キャップは、第1の面1092および外面1094を含む。板1080、1090を貫通して通路が設けられ、流路/プレナム1210、1220、1230に対する流体の継続性を維持する。板1080、1090上にダイバータ・フィン1086、1096が設けられ、ろ材1085を適所に保持する。隆起部1093が設けられ、Oリング(好ましくはシリコーン製)もリテーナ1098(図4X)によって適所に保持される。フィルタ1000、2000の様々な構成要素を、接着剤、超音波溶接などを含むがこれらに限定されない任意の好適な手段を使用して組み立てることができる。
【0050】
フィルタ2000の第2の実施形態を図5A図5Tに示し、同様の符号は、フィルタ1000の同様の構成要素を示すが、接頭語を2とする。フィルタ2000は、フィルタ1000の構成要素と多くの共通点を有するが、流体流路/プレナムを3つではなく2つしか設けない。具体的には、フィルタ1000の流体通路1220、1230は、実質的に不変であるが、流体通路1210およびその関連フィルタ1050は除去される。フィルタ2000の1つの使用目的は、特に、空気で動作するトロカール(本明細書で説明するような)がシステムに接続されていないときの、排煙のためである。マニホールド2030の、マニホールド1030と異なる点は、流体通路を3つの代わりに2つ含み、それら流体通路は隆起部2035によって規定され、チューブ・セットからのフレキシブルチューブを収容するように適合および構成されているということである。
【0051】
図1B図2および図3に戻ると、図1Bのシステム100は、流体供給管114に関連付けられた追加的な放出弁115を含む。上述の背圧制御弁113の短絡作用に加えて、システム100は圧力センサー117を備え、この圧力センサーは、機械的とし得るが、図示の通り電子的である。圧力センサー117は、設けられている場合、送気管118または腹圧の他の源と流体連通している。過圧条件が感知されると、圧力センサー117は、システム100から流体を放出するように放出弁115に信号を送る。図示の通り、放出弁115は電気機械式であるが、その代わりに所望により完全に機械式ともなし得る。
【0052】
1つ以上の追加的な放出弁(例えば放出弁119)を設けて、過圧条件の可能性を低め、および/または他の安全機能に冗長性をもたらすことを認識されたい。
【0053】
図1Bの実施形態では、システム100は、上記の通り動作するが、それに限定されるとは理解されず、1つの外科装置131を送気および感知機能に使用し、別の外科装置135が、腹部から注入ガスを除去し、その後、ポンプ111に戻る前に、例えば「ULPA」フィルタ・エレメント116などのフィルタを通過させる働きをする。フィルタ116は、好ましくは、そこを通過するガスから煙および砕片を全てまたは実質的に全て取り除くように構成および適合されており、ガスは、第3の外科装置133を通って腹腔190に戻される。図示の通り、ポンプ111から通じる供給管114と関連付けて別のフィルタ・エレメント116を設けることができる。
【0054】
限定ではなく、説明および図示のために、本発明の別の態様による外科用ガス供給システムの例示的な実施形態の概略図を図2に示し、かつこのシステムを全体的に参照符号200を付して示す。図1Bのシステム100と比較すると、システム200は、外科装置(例えばカニューレ)を2つだけ必要とする。図1Bのシステム100に関連して上述した構成要素の機能は、特に異なる説明がなければ、図2のシステム200の対応する構成要素でも同じである。
【0055】
システム200は、いろいろな意味で図1Bのシステム100と類似しているが、分流弁295が追加されており、この分流弁は、他のアクティブな内部システム構成要素から通じている3つの管112、114、118、および2つの異なる外科装置231、233にそれぞれ至る2つの管251、253を有する。
【0056】
図示の通り、分流弁295は、符号210を付した破線で概略的に示した制御装置210内に一体的に設けられる。下記で説明するように、分流弁は、異なる機能に対応する3つの位置−位置A、B、およびCを備える。システム200の感知機能がアクティブである場合、分流弁295は、図示の通り、位置「A」に位置決めされ、送気/感知管118を、分流弁を通り、チューブ・セット250の管251、253の一方または双方を経て、外科装置231、233の一方または双方に接続できるようにする。送気/感知管118を2つ以上の外科装置に接続するように構成する場合には、そのような外科装置のルーメンが遮断されるために正確な測定値を提供できなくなる可能性が低くなる。分流弁295が位置Aに位置決めされ、および送気/感知管118をチューブ・セット250の管251、253に、それゆえ外科装置231、233に接続する場合には、注入器サブユニット121は腹圧を感知できるようになる。位置Aにあるとき、ポンプ111からの出力は、分流弁295に入り、かつ、こうした状況下では、供給管114と戻り管112とが相互に接続することによって、ポンプ111に直ちに戻る。この構成によって、ポンプ111は感知の最中に動作し続けることができ、それゆえ、ポンプ111を停止および再始動する場合に発生し得るいずれの出力スパイクも回避する。
【0057】
注入器サブユニット121が腹圧の感知を終えるときに、システム200が好適なモード(排煙と送気の組み合わせ)に設定される場合、分流弁295は位置Aから位置Bに切り替えられ、供給管114をチューブ・セット250の対応する管253に、および戻り管112をチューブ・セット250の対応する管251に接続する。位置Bでは、送気管118は戻り管112に接続され、戻り管112を通してシステム200に注入ガスを追加できるようにする。この場合、注入器サブユニット121を送気モードに設定できるだけであり、それゆえシステム200にガスを追加するだけで、圧力の感知を行わない。
【0058】
分流弁295は、位置Bにある間、ポンプ111と、フィルタ216、および外科装置231、233との間での、分流弁を通る流体の供給および戻りを可能にし、それゆえ、手術腔190からの注入ガスのガス交換、およびろ過を可能にする。
【0059】
ポンプおよびチューブの体積が、手術腔190の体積と連動した、ある制御された体積であると考えられる場合、注入器サブユニット121単独の機能−感知から二酸化炭素の供給への切り替え−は、好ましい態様に従って、従来の外科的な注入器におけるように、実行され得る。
【0060】
従って、上述の通り、図2のシステム200では、分流弁295によって送気制御器121が手術腔190にガスをもたらすことができるようになるときにのみ、排煙およびろ過が実行される。そのような配置では、所望または必要に応じて、排煙/ろ過と圧力感知との間の切り替えは、通常感知モード、または通常ろ過モードのいずれかとして構成できる。腹圧の監視は一般に優先順位が高いため、通常感知モードは通常ろ過モードよりも好ましい。
【0061】
図示の通り、分流弁295の位置Cでは、システム200が再循環モードで動作できるようにする。この再循環モードは、例えば米国特許出願公開第2007/0088275号明細書、2008年10月10日出願の米国仮特許出願第61/104,448号明細書に説明されているもの、および/または米国特許第7,182,752号明細書、同第7,285,112号明細書、同第7,413,559号明細書または同第7,338,473号明細書に説明されているものなどの外科用アクセス装置を駆動するための十分な圧力および流量を提供するのに好適である。そのようなモードでは、3つのルーメンを備
える単一のチューブが一般に設けられ、1つのルーメンが供給管114、戻り管112および送気管118のそれぞれと流体連通している。
【0062】
限定ではなく、説明および図示のために、本発明のさらに別の態様による外科用ガス供給システムの例示的な実施形態の概略図を図3に示し、およびこのシステムを全体的に参照符号300を付して示す。
【0063】
図1Bおよび図2のシステム100および200に関連してそれぞれ上述した構成要素の機能は、特に異なる説明がなければ、図3のシステム300の対応する構成要素と同じである。
【0064】
図2のシステム200のように、図3のシステム300は、手術腔190と流体連通している外科装置231、233への2つの別個の流体管251、253を用いる。図2のシステム200の単一の送気/感知管118の代わりに、別個の圧力感知管318aおよび注入流体管318bが設けられる。圧力感知管318aおよび注入流体管318bは、送気サブユニット121に接続され、1つ以上のフィルタ216を通って、分流弁395まで設けられる。ポンプ111に接続して設けられた供給管114および戻り管112も、分流弁395に接続される。この配置によって、必要であれば供給装置140から注入ガスを連続的に追加できる。
【0065】
図示の通り、分流弁395は3つの位置A、BおよびCを備える。図3に示す通り、弁395の位置Cでは、圧力感知管318aおよび注入流体管318bは、2つの外部流体管253、251、個々の外科装置(例えば233、231)にそれぞれ接続され、一方の外科装置(例えば233)によって圧力感知がなされる一方、注入ガスの流れは、他方の管(例えば251)を通って他方の外科装置(例えば、231)まで運ばれる。そのうえ、位置Cでは、供給管114および戻り管112が、外科装置231、233を迂回して流体連通した状態にある。それゆえ、ポンプ111は稼働し続け、弁395の切り替え位置を変更することによって、システム300の作動が再開され得る。このように、ポンプ111の始動および停止の繰り返しによる出力スパイクは回避される。
【0066】
図示の通り、分流弁395は、参照符号310を付した破線によって概略的に示すように、制御装置310内において、フィルタ216の後段側に一体的に設けられている。
【0067】
送気制御器121が感知を行っていないとき、分流弁395は位置Bに位置決めされており、その場合には、管251、253および外科装置231、233が、分流弁395を通じて、供給管114および戻り管112と、それゆえポンプ111と流体接続して配置され、例えば煙除去機能を提供する。弁395が位置Bにあるとき、圧力感知管318aは弁395で終端する。位置Bでは、注入流体の供給は、必要があれば、送気サブユニット121により送気管318bを経て、分流弁395によって、ポンプ111に至る戻り配管112までもたらされ、それによりシステム300への注入ガスの連続的な追加を可能にし得る。ポンプ111に至る戻り配管112に注入ガスを追加することによって、注入ガスは、ポンプ111に至る戻り配管112を通して、制御された体積の腹部に注入される。あるいは、そのように所望される場合、注入ガスの追加は、ポンプ111の供給管114側で提供され得る。
【0068】
本発明によれば、ユーザが制御できる流速は、一態様では、背圧制御弁113によって達成でき、この背圧制御弁は、例えば電子制御系とインターフェースできる電気機械式弁として供し得ることが考えられる。
【0069】
概して、送気サブユニット121によってガスを追加しないと、腹部から除去された注入ガスのみが同じ流量で腹部に戻るため、排煙/ろ過機能のための外科装置231、235に対する流れは、単に手術腔190の圧力に影響を及ぼすだけではない。そうでなければ、ポンプ111は「注入流体不足」となる。
【0070】
図示の通り、分流弁395の位置Aは、システム300が再循環モードで動作できるようにする。この再循環モードは、例えば米国特許出願公開第2007/0088275号明細書、2008年10月10日出願の米国仮特許出願第61/104,448号明細書に説明されているもの、および/または米国特許第7,182,752号明細書、同第7,285、112号明細書、同第7,413,559号明細書または同第7,338,473号明細書に説明されているものなどの外科用アクセス装置を駆動するために十分な圧力および流量をもたらすのに好適である。そのようなモードでは、3つのルーメンを備える単一のチューブが一般に提供され、1つのルーメンが、供給管112、戻り管114および送気管118の各々と流体連通している。
【0071】
本発明によれば、排煙のための流速は、例えば米国特許出願公開第2007/0088275号明細書および2008年10月10日出願の米国仮特許出願第61/104,448号明細書に説明されているものなどの外科用アクセス装置に電力を供給するのに使用される流れの量をはるかに下回り得ることが考えられる。例えば、流量が過度に高い場合、手術腔190においてガスの乱流が発生し得る。それゆえ、チューブ・セット150、250に関連付けて一体的な流量制限要素が設けられる、またはろ過済みのガス流を低減させるのを助けるために1つまたは複数のフィルタ116,216を必要とし得る。
【0072】
本明細書で説明するいずれかの実施形態の特徴は、本明細書で説明する任意の他の実施形態に関して明白に説明しない場合でも、そのような特徴が相互に排他性でない限り、そのような実施形態と関連付けて提供することができることを理解されたい。当業者には、本発明の趣旨または範囲から逸脱せずに、主題のシステム、装置および方法にさらに別の修正および変更をなすことができることが明白である。
図1A
図1B
図2
図3
図4A
図4B
図4C
図4D
図4E
図4F
図4G
図4H
図4I
図4J
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図4L
図4M
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