(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
生体情報測定器を取り付け可能に構成された供給口を有する本体ケースと、前記本体ケース内において、生体情報検出センサと、前記生体情報検出センサを挟み込む保持フィルムとカバーフィルムとを含む帯状のセンサ供給フィルムを収納する収納部と、前記収納部から前記供給口に前記生体情報検出センサを供給する供給部とを備え、
前記供給部は前記生体情報検出センサを前記供給口に供給するとともに、前記供給口に前記生体情報検出センサが供給される前の前記センサ供給フィルムから、前記保持フィルムと前記カバーフィルムとを分離するように構成され、
前記供給部は、前記供給口に供給された前記生体情報検出センサを、前記供給口に取り付けられた前記生体情報測定器に装着させるように構成され、
さらに、前記供給口は、回動可能な一対の挟持爪を具備し、
前記供給部は、前記一対の挟持爪で挟持されるように、前記生体情報検出センサを前記供給口に供給するように構成される、生体情報検出センサ供給装置。
前記供給部は、前記センサ供給フィルムから分離された前記カバーフィルムを巻き取る第1の巻き取り機構と、前記センサ供給フィルムから分離された前記保持フィルムを巻き取る第2の巻き取り機構とを有し、
前記第1巻き取り機構および第2の巻き取り機構はそれぞれ、クラッチ機構を具備する、請求項1に記載の生体情報検出センサ供給装置。
生体情報を測定するための測定部と、装着口を有する本体ケースと、前記本体ケース内において、生体情報検出センサと、前記生体情報検出センサを挟み込む保持フィルムとカバーフィルムとを含む帯状のセンサ供給フィルムを収納する収納部と、前記収納部から前記装着口に前記生体情報検出センサを供給する供給部とを備え、
前記供給部は、前記センサ供給フィルムの前記生体情報検出センサを前記装着口に供給するとともに、前記装着口に前記生体情報検出センサが供給される前の前記センサ供給フィルムから、前記保持フィルムと前記カバーフィルムとを分離するように構成され、
前記装着口は前記測定部に接続した接続コネクタを具備し、かつ前記生体情報検出センサは接続電極を具備し、
前記供給部は、前記装着口の前記接続コネクタと前記生体情報検出センサの前記接続電極とが電気接続するように、前記装着口に前記生体情報検出センサを供給するように構成され、
さらに、前記供給口は、回動可能な一対の挟持爪を具備し、
前記供給部は、前記一対の挟持爪で挟持されるように、前記生体情報検出センサを前記供給口に供給するように構成される、生体情報検出センサ供給装置。
前記供給部は、前記センサ供給フィルムから分離された前記カバーフィルムを巻き取る第1の巻き取り機構と、前記センサ供給フィルムから分離された前記保持フィルムを巻き取る第2の巻き取り機構とを有し、
前記第1巻き取り機構および第2の巻き取り機構はそれぞれ、クラッチ機構を具備する、請求項4に記載の生体情報検出センサ供給装置。
供給台を有する本体ケースと、前記本体ケース内において、生体情報検出センサと、前記生体情報検出センサを挟み込む保持フィルムとカバーフィルムとを含む帯状のセンサ供給フィルムを収納する収納部と、前記収納部から前記供給台に前記生体情報検出センサを供給する供給部とを備え、
前記供給部は、前記センサ供給フィルムの前記保持フィルムおよび前記生体情報検出センサを前記供給台に供給するとともに、前記供給台に前記生体情報検出センサが供給される前に、前記センサ供給フィルムから前記カバーフィルムを剥がすように構成され、かつ前記供給台に供給された前記保持フィルムを巻き取るように構成され、
前記供給台は、前記センサ供給フィルムの供給方向に沿って下方に傾斜している、生体情報検出センサ供給装置。
前記供給部は、前記センサ供給フィルムから剥がされた前記カバーフィルムを巻き取る第1の巻き取り機構と、前記供給台に供給された前記保持フィルムを巻き取る第2の巻き取り機構とを有し、
前記第1巻き取り機構および第2の巻き取り機構はそれぞれ、クラッチ機構を具備する、請求項9に記載の生体情報検出センサ供給装置。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の一実施形態を、添付図面を用いて説明する。
(実施の形態1)
図1には、生体情報検出センサ供給装置1が示されている。生体情報検出センサ供給装置1のユーザーは、例えば病院での看護師である。生体情報検出センサ供給装置1は、ほぼ直方体状に成形した本体ケース2と、本体ケース2の先端側の上面に設けられた供給台4を有する。供給台4には、生体情報検出センサ(例えば、血糖値センサ3)が供給される。
【0012】
また、本体ケース2の後方側には、操作レバー5が設けられている。操作レバー5を操作することで、供給台4に血糖値センサ3を一枚ずつ供給することができる。
【0013】
図2に示す如く、血糖値センサ3は、帯状のセンサ供給フィルム6に収納されている。センサ供給フィルム6は、帯状の保持フィルム7と、保持フィルム7の表面を覆う帯状のカバーフィルム8とを含む。
【0014】
帯状の保持フィルム7と帯状のカバーフィルム8との間に、血糖値センサ3が収納されている。つまり、保持フィルム7の表面上には、保持フィルム7の長手方向に沿って、複数枚(本実施形態においては200枚)の血糖値センサ3が所定間隔で配置されている。収納されている血糖値センサ3の長手方向は、保持フィルム7の長手方向に直交しているが、特に限定されるわけではない。
【0015】
また、保持フィルム7の表面に、各血糖値センサ3の近傍に識別情報が表記されている。識別情報とは、例えば各血糖値センサ3の保持番号である。保持番号は、各血糖値センサ3の配置順に付与されており、降順(たとえば、200〜1)であってもいし、昇順(たとえば、1〜200)であってもよい。
【0016】
センサ供給フィルム6の長手方向に直交する両端には、センサ供給フィルム6を
図1の供給台4に所定の寸法で供給するための送りガイド孔9を設けている。
【0017】
図3Aは、本体ケース2を横方向からみた、生体情報検出センサ供給装置1の断面図であり;
図3Bは、本体ケース2の供給台4周辺の要部を横方向から見た、生体情報検出センサ供給装置1の拡大断面図であり;
図4は、本体ケース2を上面から見た、生体情報検出センサ供給装置1の透視図である。
【0018】
図3Aに示すごとく、センサ供給フィルム6をロール状に巻きとったロール体が、本体ケース2の内部に設けられた収納部10に収納される。収納部10は、本体ケース2の内部の中央付近にあればよい。センサ供給フィルム6は、センサ供給フィルム6に保持された血糖値センサ3が破損しないように緩く巻き取られてロール体となっていることが好ましい。
【0019】
図3Aおよび
図4に示すごとく、センサ供給フィルム6のロール体は、ロール体の巻出方向が本体ケース2の先端近傍にある供給台4に向くように、配置されている。
図3Aに示すごとく、センサ供給フィルム6は供給台4に供給される。供給されるセンサ供給フィルム6は、図中の下から保持フィルム7、血糖値センサ3、カバーフィルム8の順に積層されている。
【0020】
また、供給台4は案内部4aと繋がっている。案内部4aは、本体ケース2内にある台であり、収納部10と供給台4との間にある。案内部4aは、センサ供給フィルム6を供給台4に案内するための台となる。
【0021】
収納部10の近傍の案内部4aの上方には、円筒状の押さえプーリ11が配置されている。押さえプーリ11の軸長さは、センサ供給フィルム6の短手方向の幅よりも大きい。そのため、押さえプーリ11は、センサ供給フィルム6の短手方向の幅全体を案内部4aに押し付けることができる。
【0022】
供給台4の近傍の案内部4aの上方であって、本体ケース2の内部に、円筒状の分離プーリ12を設けている。分離プーリ12によって、センサ供給フィルム6からカバーフィルム8が分離される。分離されたカバーフィルムは、上方に、次に後方にと折り返され、円筒状の案内プーリ13および14、円筒状の駆動リール15を介して、巻き取りリール16に巻きとられる。
図4からも理解される通り、分離プーリ12、案内プーリ13、14、駆動リール15の軸方向の長さは、センサ供給フィルム6の短手方向の幅よりも長くしている。
【0023】
このようにして、保持フィルム7の表面に表出した血糖値センサ3が供給台4に供給される。供給台4の台の面積は、血糖値センサ3の面積よりも大きい。このため、供給台4に血糖値センサ3を安定して保持することができる。供給台4に保持された血糖値センサ3は、ユーザーによって取得される。
【0024】
また、
図3Aに示されるように、供給台4よりも下流(センサ供給フィルム6の供給方向の下流側)の位置であって、本体ケース2の内部に、円筒状の折り返しプーリ17を設けている。センサ供給フィルム6の保持フィルム7は、折り返しプーリ17によって、下方に、次に後方へと折り返され、円筒状の案内プーリ18および19と、円筒状の駆動リール20とを介して、巻き取りリール21に巻きとられる。折り返しプーリ17、案内プーリ18および19、駆動リール20の軸長さを、センサ供給フィルム6の短手方向の幅よりも長くしている。
【0025】
駆動リール15および20の両端には、駆動突起15aおよび20aが設けられている。駆動突起15aおよび20aは、センサ供給フィルム6の両端に設けた送りガイド孔9に係合する。駆動リール15および20は、操作レバー5に連結されている。
【0026】
このように、センサ供給フィルム6のカバーフィルム8の巻き取り機構は、操作レバー5と、巻き取りリール16と、駆動リール15と、案内プーリ14および13と、分離プーリ12とによって構成される。また、センサ供給フィルム6の保持フィルム7の巻き取り機構は、操作レバー5と、巻き取りリール21と、駆動リール20と、案内プーリ19および18と、折り返しプーリ17とによって構成される。カバーフィルム8の巻き取り機構および保持フィルム7の巻き取り機構は、生体情報検出センサを供給する供給部の構成部材となる。
【0027】
カバーフィルム8の巻き取り機構を構成する巻き取りリール16は、駆動リール15に接続して設けられており、滑り方式のクラッチ機構を有する。保持フィルム7の巻き取り機構を構成する巻き取りリール21は、駆動リール20に接続して設けられており、滑り方式のクラッチ機構を有する。
【0028】
巻き取りリール16および21が有するクラッチ機構は、一般的な滑り方式のクラッチ機構であるので詳細な説明は省略するが、その例を
図5に示す。
図5に示される巻き取りリール16はリール軸22を有し、リール軸22の一端にギア23が設けられ、他端にバネ押さえ24が設けられている。リール軸22の周囲には、コイルばね25が圧縮状態で取り付けられている。
【0029】
さらに、リール軸22の周囲には、コイルばね25を介してリール部26が取り付けられている。リール部26のギア23側の端部は、コイルばね25によって、フェルト製の滑り材27を介して、ギア23に押しつけられている。リール部26に所定値以上の巻き取り負荷がかかると、滑り材27とリール部26とが滑り、巻き取りリール16が空回りする。
【0030】
また、巻き取りリール16は、ギア23により駆動リール15(
図3A参照)に接続されているが、駆動リール15が1回転すると、巻き取りリール16が1.2回転するように構成されている。このため、巻き取りリール16の回転量は、駆動リール15の回転量よりも多くなる。しかしながら、巻き取りリール16の滑り方式のクラッチ機構により、巻き取りリール16は適切に空回りするので、適当なテンションが付与されたカバーフィルム8が巻き取りリール16に適切に巻き取られる。
【0031】
保持フィルム7を巻き取る巻き取りリール21は、巻き取りリール16と同じ構成とされうる。したがって、適当なテンションが付与された保持フィルム7が、巻き取りリール21に適切に巻き取られる。
【0032】
また、操作レバー5は、ラチェット機構を介して駆動リール20および駆動リール15に接続されている。
図1において、操作レバー5を後方側に引き起こしたときにのみ、駆動リール20および駆動リール15を所定方向に回転させるようになっている。駆動リール20および駆動リール15の回転量は、操作レバー5の操作量に対応するように設定されている。
【0033】
以上の構成を有する生体情報検出センサ供給装置1の使用動作を以下に説明する。まず、
図1において、ユーザー(例えば、看護師)が、たとえば右手で本体ケース2の先端側上面を押さえ、左手で操作レバー5を後方側に所定量だけ引き起こす。すると、操作レバー5の操作に対応して、駆動リール20が所定方向に回転する(
図3A参照)。同様に、駆動リール20に接続された駆動リール15も所定方向に回転する。
【0034】
駆動リール15の駆動突起15aは、駆動突起15aに係合したカバーフィルム8の送りガイド孔9を介して、カバーフィルム8に駆動力を伝達する。このため、カバーフィルム8は、カバーフィルム8の巻き取り機構(操作レバー5、巻き取りリール16、駆動リール15、案内プーリ14および13、分離プーリ12)により、収納部10から操作レバー5の操作に対応する所定量分だけ巻き出される。
【0035】
駆動リール20の駆動突起20aは、駆動突起20aに係合した保持フィルム7の送りガイド孔9を介して、保持フィルム7に駆動力を伝達する。このため、保持フィルム7は、保持フィルム7の供給部(操作レバー5、巻き取りリール21、駆動リール20、案内プーリ19および18、折り返しプーリ17)により、収納部10から操作レバー5の操作に対応する所定量分だけ巻き出される。
【0036】
すなわち、センサ供給フィルム6を構成するカバーフィルム8と保持フィルム7は、同じ所定量巻き出され;つまり、供給台4にセンサ供給フィルム6が供給される。
【0037】
供給台4にセンサ供給フィルム6を供給するときに、案内部4aの上方に設けられた分離プーリ12によって、カバーフィルム8は保持フィルム7から剥がされて、上方側へと巻き上げられる。さらに、後方側へと折り返され、案内プーリ13および14、駆動リール15を介して、巻き取りリール16に巻き取られる。
【0038】
分離プーリ12によってカバーフィルム8が保持フィルム7から剥がされると、保持フィルム7とカバーフィルム8に挟み込まれていた血糖値センサ3が表出する。そして、保持フィルム7の表面に表出した血糖値センサ3が、供給台4に供給される。
【0039】
供給台4の大きさは、上述したごとく、血糖値センサ3の大きさよりも大きく構成している。このため、血糖値センサ3は、供給台4上に安定して保持され、供給台4外に落下することはない。
【0040】
ユーザー(看護師)は、供給台4に供給された血糖値センサ3を取り上げるために、たとえば右手の人差し指Fの腹で血糖値センサ3を押さえて、供給台4に沿って(
図4の右側方向)に滑らせて血糖値センサ3を移動させ、供給台4の外部(たとえば、
図4の上側または下側)に引き出す。このようにして供給台4の外へと引き出された血糖値センサ3を、人差し指と親指にて上下から挟む。このようにして、血糖値センサ3を供給台4から安定して取り上げることができる。
【0041】
特に本実施形態では、
図3Bに示されるごとく、供給台4は、センサ供給フィルム6の供給方向に沿って下方に傾斜した傾斜部4bを有することが好ましい。傾斜部4bがあると、供給台4の折り返しプーリ17側の端部が、折り返しプーリ17の上端部よりも下方に配置された構成となる。つまり、折り返しプーリ17の上端部は、供給台4の折り返しプーリ17側の端部よりも上方に突出する。
【0042】
図3Bに示されるように、傾斜部4bは、センサ供給フィルム6の供給方向に沿って(折り返しプーリ17に向かうに従って)、緩やかに下方に傾斜しているが、この傾斜部4bの傾斜角度は特に限定されない。供給台4の広さ、傾斜部4bの長さ、指の大きさ、及び折り返しプーリ17の径の大きさなどを考慮して、血糖値センサ3を取り出しやすいように、傾斜部4bの傾斜角度を決めることが望ましい。
【0043】
これによりユーザーは、供給台4が傾斜部4bを有しない場合に比べて、供給台4に供給された血糖値センサ3をさらに安定して取り上げることができる。つまり、傾斜部4bを有する供給台4から血糖値センサ3を取り上げるために、ユーザーは、たとえば右手の人差し指Fの腹で血糖値センサ3の上面を押さえて(
図3B参照)、供給台4の傾斜部4bに沿って下方(
図4の右側方向)に滑らせながら移動させる。供給台4が傾斜部4bを有することで、供給台4の上面にある血糖値センサ3は滑りやすくなる。また、血糖値センサ3の長手側端部を、供給台4よりも上方に突出した折り返しプーリ17に当接させることができる。血糖値センサ3の長手側端部の全てが、折り返しプーリ17に当接するので、安定して当接させることができる。
【0044】
その後、ユーザーは、血糖値センサ3を折り返しプーリ17に沿って、供給台4の外部(たとえば、
図4の上側または下側)へと引き出すことができる。この引き出された血糖値センサ3を人差し指と親指にて上下から挟むことにより、さらに安定した状態で供給台から取り上げることができる。
【0045】
また、供給台4が傾斜部4bを有することで、供給部を構成する折り返しプーリ17を、血糖値センサ3の落下防止に使用することができ、落下防止のための構成の簡素化が図れる。その結果として、血糖値センサ3を落下させることがなく、且つ、使い勝手を良くすることができる。
【0046】
さらに本実施形態においては、上述したごとく操作レバー5を引き起こすだけで血糖値センサ3を1枚ずつ供給台4に供給することができる。
図4に示すごとく、供給台4に供給された保持フィルム7の表面の、血糖値センサ3の近傍には、血糖値センサ3の識別情報が印刷表記されており、ユーザーは確認(例えば、視認)することができる。識別情報は、例えば、血糖値センサ3保持の順番を示す保持番号(血糖値センサ3の数字情報)である。保持番号は、各血糖値センサ3に降順(たとえば、200〜1)または昇順(たとえば、1〜200)で印刷表記されている。
【0047】
このため看護師は、血糖値センサ3を供給台4から取り上げるときに、保持番号を目視にて確認することで、装置に残っている血糖値センサ3の数を認知することができる。その結果として、使い勝手が良い装置となる。
【0048】
血糖値センサ3の近傍に印刷表記された識別情報は、上記の保持番号に限られない。識別情報は、血糖値センサ3の機種、製造ロット番号、有効期間、仕向け地などを示すコードであってもよい。それにより、血液検査の作業安全性を高められうる。
【0049】
また
図4などにおいて、操作レバー5として回動式のレバーが例示されているが、操作レバー5は回動式のレバーに限られず、摘みの付いた回転式の操作レバー、スライド式の操作レバー、または電動式で動作するための操作ボタンであってもよい。
【0050】
(実施の形態2)
図6には、実施の形態2に係る生体情報検出センサ供給装置28が示される。生体情報検出センサ供給装置28は、生体情報(たとえば、血糖値)を測定する測定器29に、
図7に示す血糖値センサ(生体情報検出センサの一例)30を供給する。具体的には、生体情報検出センサ供給装置28の先端に設けたセンサ供給口31(
図8)に、測定器29の端部に設けた立方体状のセンサ装着部32を取り付ける(挿入する)と、センサ装着部32に1枚の血糖値センサ30が装着されるようになっている。「装着」とは、測定器29の電気回路に、血糖値センサ30が電気接続されることをいう。
【0051】
生体情報検出センサ供給装置28は、ほぼ直方体状の本体ケース33を有する。
図8および
図9に示すごとく、本体ケース33の先端側に、血糖値センサ(生体情報検出センサの一例)30が供給される供給口31が設けられている。
【0052】
また、
図6に示すごとく、本体ケース33の後方側には、血糖値センサ30を供給口31に一枚ずつ供給するための操作レバー34が設けられている。
【0053】
図7に示すごとく、血糖値センサ30は、帯状のセンサ供給フィルム35に収納されている。センサ供給フィルム35は、帯状の保持フィルム36と、保持フィルム36の表面を覆った帯状のカバーフィルム37により構成されている。
【0054】
帯状の保持フィルム36と帯状のカバーフィルム37との間に、血糖値センサ30が収納されている。つまり、保持フィルム36の表面上には、保持フィルム36の長手方向に沿って、複数枚(本実施形態においては200枚)の血糖値センサ30が所定間隔で配置されている。このように、血糖値センサ30は、保持フィルム36とカバーフィルム37で挟み込まれて保持されている。
【0055】
血糖値センサ30は薄板形状で、一方の端部に設けた突出部に血液を点着する点着部38が設けられるとともに、中央部から他方側端部にかけて接続電極39が設けられている。
【0056】
センサ供給フィルム35の長手方向に直交する両端には送りガイド孔40が設けられている。センサ供給フィルム35に送りガイド孔40を介して駆動力が伝わり、センサ供給フィルム35を本体ケース33の供給口31に向けて所定寸法で供給するようにしている。
【0057】
図9は、本体ケース33を側面からみた生体情報検出センサ供給装置28の断面図である。
図10は、本体ケース33を上方から見た生体情報検出センサ供給装置28の透視図である。
図10は、内部の機構を説明するために、本体ケース33上面を取り除いた状態を示している。
【0058】
図9に示すごとく、センサ供給フィルム35がロール状に巻き取られたロール体が、本体ケース33の収納部41に収納される。収納部41は、本体ケース33の内部の中央近傍に設けられていてればよい。センサ供給フィルム35は、それに収容された血糖値センサ30が破損しないように、緩く巻き取られている。
【0059】
図9および
図10に示すごとく、センサ供給フィルム35のロール体は、センサ供給フィルム35の巻き出し方向が本体ケース33の先端側に設けたセンサの供給口31に向くように、配置されている。
図9に示すごとく、図中下から保持フィルム36、血糖値センサ30、カバーフィルム37の順に積層されたセンサ供給フィルム35が、供給口31に向けて供給される。また血糖値センサ30は、センサ供給口31に供給された血糖値センサ30の接続電極39がセンサ装着部32に対向するように、保持フィルム36に保持される。
【0060】
図9に示すごとく、本実施形態の生体情報検出センサ供給装置28の本体ケース33は、供給口31と本体ケース33内部とを連通させる、直方体状のセンサ供給空間42を有する。
【0061】
センサ供給空間42の内方側(
図9における左側、供給口31に対向する側)にセンサ保持部43が設けられている。センサ保持部43を介して、血糖値センサ30がセンサ供給空間42に供給される。
【0062】
センサ供給空間42のセンサ保持部43から供給口31までの長さを、血糖値センサ30の長さ(点着部38側の端部から、接続電極39側の端部までの長さ)よりも大きくしている。このため、センサ保持部43が保持する血糖値センサ30の全体がセンサ供給空間42内に納まり、本体ケース33の供給口31から突出しない。このため、ユーザー(看護師)が血糖値センサ30に触れることがない。
【0063】
図9〜
図11に示すごとく、センサ供給空間42の供給口31近傍はテーパ状にされており、センサ供給空間42の開口面積を外側に向けて大きくしている。それにより、測定器29のセンサ装着部32(
図6参照)を、センサ供給空間42に挿入しやすくしている。
【0064】
本体ケース33の内側であって、センサ保持部43と対向する部分に、円筒状の分離プーリ44および45を設けている。さらに、分離プーリ44および45の内方側(収納部41側)に、一対の円筒状の押さえプーリ46および47が配置されている。押さえプーリ46および47の長さを、センサ供給フィルム35の短手方向の幅よりも大きくしており、センサ供給フィルム35の短手方向の幅全体を押さえている。押さえプーリ46および47は、巻き出されたセンサ供給フィルム35に残存ずる巻き癖を修正し、分離プーリ44および45の隙間へと送る。
【0065】
分離プーリ44および45は、センサ供給フィルム35をカバーフィルム37と保持フィルム36とに分離する。
【0066】
分離プーリ44は、センサ供給フィルム35のカバーフィルム37を、上方に、次に後方に折り返す。カバーフィルム37は、円筒状の案内プーリ48および49、円筒状の駆動リール50を介して、円筒状の巻き取りリール51に巻き取られる。
図10からも理解される通り、分離プーリ44、案内プーリ48および49、駆動リール50の軸長さを、センサ供給フィルム35の短手方向の幅よりも大きくしている。
【0067】
一方、分離プーリ45は、センサ供給フィルム35の保持フィルム36を、下方に、次に後方に折り返す。保持フィルム36は、円筒状の案内プーリ52および53、円筒状の駆動リール54を介して、円筒状の巻き取りリール55に巻き取られる。分離プーリ45、案内プーリ52および53、駆動リール54の軸長さを、センサ供給フィルム35の短手方向の幅よりも大きくしている。
【0068】
駆動リール50および54の両端側には、駆動突起50aおよび54aが設けられている。駆動突起50aおよび54aは、センサ供給フィルム35の両端に設けた送りガイド孔40に係合する。また、駆動リール50および54は、操作レバー34に連結されている。
【0069】
つまり、センサ供給フィルム35のカバーフィルム37の巻き取り機構は、操作レバー34と、巻き取りリール51と、駆動リール50と、案内プーリ49および48と、分離プーリ44とによって構成される。
【0070】
また、センサ供給フィルム35の保持フィルム36の巻き取り機構は、操作レバー34と、巻き取りリール55と、駆動リール54と、案内プーリ53および52と、分離プーリ45とによって構成される。
【0071】
巻き取りリール51は、実施の形態1と同じ滑り方式のクラッチ機構を有し、駆動リール50に接続されている。また、巻き取りリール55は、実施の形態1と同じ滑り方式のクラッチ機構を有し、駆動リール54に接続されている。
【0072】
操作レバー34は、ラチェット機構を介して駆動リール50および駆動リール54に接続されており、操作レバー34を後方側に引き起こしたときにのみ(
図6参照)、駆動リール50および駆動リール54が所定方向に回転するようになっている。駆動リール50および駆動リール54の回転量は、操作レバー34の操作に対応する。
【0073】
以上の構成を有する生体情報検出センサ供給装置28の使用動作を以下に説明する。まず、ユーザー(看護師)が、例えば右手で本体ケース33の先端側上面を押さえ、左手で操作レバー34を後方側に所定量だけ引き起こす(
図6参照)。すると、操作レバー34の操作に対応する量だけ、駆動リール50および駆動リール54が所定方向に回転する(
図9参照)。
【0074】
駆動リール50の駆動突起50aは、カバーフィルム37の送りガイド孔40を介して、カバーフィルム37に駆動力を伝達する。その結果として、カバーフィルム37は、カバーフィルム37の巻き取り機構(操作レバー34、巻き取りリール51、駆動リール50、案内プーリ49および48、分離プーリ44)により、収納部41から操作レバー34の操作に対応する所定量分だけ、供給口31側へと引き出される。
【0075】
駆動リール54の駆動突起54aは、保持フィルム36の送りガイド孔40を介して、保持フィルム36に駆動力を伝達する。その結果として、保持フィルム36は、保持フィルム36の巻き取り機構(操作レバー34、駆動リール54、案内プーリ53、52、分離プーリ45、巻き取りリール55)により、収納部41から操作レバー34の操作に対応する所定量分だけ、供給口31側へと引き出される。
【0076】
すなわち、カバーフィルム37と保持フィルム36は、同じ所定量だけ、供給口31側へと引き出される。つまり、センサ供給フィルム35が引き出される。引き出されたセンサ供給フィルム35から、分離プーリ44および45によって、カバーフィルム37および保持フィルム36が分離される。そして、センサ供給フィルム35に収納された1枚の血糖値センサ30が、センサ供給空間42に供給される。
【0077】
図11に、センサ供給空間42に1枚の血糖値センサ30が供給された状態を示す。
図11は、供給口31近傍の拡大断面図である。本実施形態においては、センサ供給空間42に供給された血糖値センサ30を、センサ保持部43によって安定的に保持することができる。より具体的に説明すると、センサ保持部43は、横長に開口させた案内口56を有する。案内口56は、血糖値センサ30を供給口31側に案内しやすくするためにテーパ状にされている。案内口56の供給口31側の開口部で血糖値センサ30を挟み込んで保持できるように、当該開口部の隙間を血糖値センサ30の厚さとほぼ同じか、わずかに大きくしている。また、案内口56の供給口31側には挟持部57が設けられており;挟持部57は、案内口56に案内されて供給口31側に移動した血糖値センサ30を挟持する。つまり、センサ保持部43は、案内口56と挟持部57により構成される。
【0078】
案内口56の、本体ケース33の内方側(
図11の左側、案内口56から分離プーリ44、45側)の開口面積を、本体ケース33の外方側(
図11の右側、案内口56から供給口31側)の開口面積よりも大きくしている。そのため、供給される血糖値センサ30を案内口56の内部に確実に導くことができ、さらに挟持部57へ適切に案内することができる。
【0079】
図12および
図13は、挟持部57を供給口31側から見た拡大斜視図である。
図12および
図13に示すごとく、挟持部57は、互いに対向する横長形状の挟持爪58および59を含み;挟持爪58と59との対向部が、案内口56(
図11参照)の長軸に平行となるように配置する。挟持爪58と59との対向部が、血糖値センサ30に当接する当接部58aおよび59aとなる。
図13に示すごとく、当接部58aおよび59aが、血糖値センサ30の表裏面を挟持する構成とされている。
【0080】
挟持部57は、挟持爪58および59を回動させる回動軸60および61を有する。
図11に示すごとく、当接部58aおよび59aは、回動軸60および61よりも、供給口31側に配置されている。そのため、挟持部57は、回動軸60および61よりも供給口31側で、血糖値センサ30を挟持する。
【0081】
図12および
図13に示すごとく、回動軸60および61には、回動カム63および64が装着され、同期して回動するようにされている。このため、挟持部57の当接部58aおよび59aは、常に同じ位置で、血糖値センサ30を挟持することができる。
【0082】
さらに回動軸60にはバネ62を設けている。このため、バネ62、回動カム63および回動カム64は、挟持爪58および59を常に付勢して、当接部58aと59aとを当接させようとする。
【0083】
また、
図11に示すごとく、当接部58aおよび59aを、回動軸60および61よりも供給口31側に配置している。そのため、回動軸60および61側から供給口31側(
図11における左側から右側)に向けて進行する血糖値センサ30は、挟持爪58および59を開放することができる。つまり、挟持爪58および59は、血糖値センサ30の進行を妨げない。
【0084】
一方、血糖値センサ30が、供給口31側から回動軸60および61側(
図11における右側から左側)に戻ろうとすると、挟持爪58および59は血糖値センサ30に引かれて閉じようとして、血糖値センサ30を上下面から強固に挟持する。このため、血糖値センサ30が供給口31側から回動軸60および61側(
図11における右側から左側)に戻ることはない。
【0085】
図14に示す状態から、血糖値センサ30が、案内口56に案内されてセンサ供給空間42に供給されると、
図15に示すごとく、挟持部57が、血糖値センサ30の中央部を挟持する。また、案内口56の供給口31側の開口部で、血糖値センサ30を挟み込んで保持できる。このように、血糖値センサ30を挟持部57で挟持するとともに、案内口56の供給口31側の開口部で保持することができるため、センサ供給空間42に供給された血糖値センサ30の位置を安定に維持できる。
【0086】
すなわち、センサ供給空間42に供給された血糖値センサ30は、分離プーリ44および45によって保持されなくなるが;挟持部57が血糖値センサ30の中部を挟持し、かつ案内口56が血糖値センサ30の一方側を保持するので、センサ供給空間42で血糖値センサ30は安定的に保持されることができる。
【0087】
その後、
図16に示すごとく、ユーザー(看護師)が、測定器29のセンサ装着部32(
図10参照)を、供給口31からセンサ供給空間42に取り付ける(挿入する)。すると、センサ供給空間42内に保持された血糖値センサ30の接続電極39が、センサ装着部32内の接続コネクタ65に、機械的および電気的に接続される。センサ装着部32をセンサ供給空間42に挿入したときに、センサ装着部32は血糖値センサ30を押し戻そうとするが;上述したごとく、挟持爪58および59が血糖値センサ30を上下面から強固に挟持するので、血糖値センサ30は押し戻されない。そのため、血糖値センサ30を接続コネクタ65に適切に接続できる。
【0088】
また、
図7に示すごとく、血糖値センサ30は、接続電極39側の端部を切り欠いて設けた案内切欠66を有する。血糖値センサ30は、案内切欠66によって接続コネクタ65にガイドされ、接続電極39を接続コネクタ65に適切に接続させることができる。
【0089】
最後に、
図17に示すごとく、ユーザー(看護師)が、センサ装着部32を供給口31から引き抜く。引き抜かれた測定器29のセンサ装着部32には、血糖値センサ30が装着されている。
【0090】
測定器29のセンサ装着部32をセンサ供給空間42に挿入するときに、挟持爪58および59が血糖値センサ30を上下面から強固に挟持する。その後、測定器29のセンサ装着部32を、センサ供給空間42内から引き出すことによって、挟持爪58と59とによる挟持が緩まり、血糖値センサ30が解放される。その結果として、
図17のごとく、血糖値センサ30は測定器29に確実に受け渡される。
【0091】
当然のことであるが、血糖値センサ30がセンサ装着部32に挿入されたとき、センサ装着部32の接続コネクタ65は、血糖値センサ30の接続電極39に押し付けられた状態で接続する構成となっている。それにより、接続コネクタ65と接続電極39との電気的な接続状態が安定化し、血糖値センサ30への血糖値センサ30の装着がより確実となる。
【0092】
以上述べた如く、本実施形態の生体情報検出センサ供給装置28は、次のような特徴を有している。
【0093】
(1)血糖値センサ30(生体情報検出センサ)の供給口31を有する本体ケース33と、本体ケース33内において、帯状のセンサ供給フィルム35を収納する収納部41と、収納部41か供給口31に、センサ供給フィルム35を所定寸法供給する供給部とを備えている。
【0094】
センサ供給フィルム35は、帯状の保持フィルム36と、保持フィルム36の表面を覆った帯状のカバーフィルム37と、保持フィルム36とカバーフィルム37に挟まれて保持された複数個の血糖値センサ30と、を有している。
【0095】
供給部は、センサ供給フィルム35を供給口31に所定寸法供給するとともに、供給口31の手前で保持フィルム36とカバーフィルム37とを分離するとともに、血糖値センサ30を供給口31側に供給する構成としている。
【0096】
さらに、供給口31の前記本体ケース33内方側に、前記血糖値センサ30を保持するセンサ保持部43を設けている。センサ保持部43は、血糖値センサ30を供給口31側に案内する案内口56と、案内口56に案内されて供給口31側に移動した前記血糖値センサ30を挟持する挟持部57とを有する構成とした。
【0097】
(2)挟持部57は、血糖値センサ30の表裏面を矜持する挟持爪58および挟持爪59を含む。挟持爪58および挟持爪59は、血糖値センサ30に当接する当接部58aおよび当接部58bと、挟持爪58および挟持爪59を回動させる回動軸60および回動軸61と、を有する。当接部58aおよび当接部58bは回動軸60、61よりも供給口31側に配置する構成とした。
【0098】
(3)挟持爪58および挟持爪59の回動軸には、それぞれ回動カム63および回動カム64を当接させる構成とした。
【0099】
このため、本実施形態においては、血糖値センサ30を取り出すときに、センサ供給フィルム35から、保持フィルム36とカバーフィルム37とを分離するととともに、一枚の新規の血糖値センサ30が表出し、案内口56を介して供給口31に供給され、センサ供給空間42に納まる。そして、供給口31に供給された血糖値センサ30は、センサ保持部43の挟持部57によって挟持されて保持される。
【0100】
センサ保持部43の挟持部57によって保持されているときに、測定器29を供給口31からセンサ供給空間42に取り付ける(挿入する)と、血糖値センサ30が測定器29に装着される。
【0101】
つまり、本実施形態によれば、センサ供給フィルム35から血糖値センサ30を1枚ずつ取り出すために、ユーザー自身がセンサ供給フィルム35を剥がす必要がない。しかも、本実施形態によれば、取り出された血糖値センサ30に手を触れることなく、血糖値センサ30を測定器29に装着することもできる。このように、本実施形態によれば、血糖値センサ30を測定器29に簡単に装着させることができるので、使い勝手がよい。
【0102】
また、本実施の形態2では、
図7及び
図10に示すように、センサ供給フィルム35に収納されている血糖値センサ30の向きが、上述の実施の形態1とは異なっている。これは、実施の形態1においては、指などにより確実且つ簡単に血糖値センサ3を取り出すことを主な目的としているのに対し、実施の形態2においては、血糖値センサ30を測定器29の装着部32に直接装着することを主な目的にしているためである。
【0103】
(実施の形態2の変形例1)
実施の形態2では、測定器29が、測定器29の筐体から突出しているセンサ装着部32を有しているので、センサ供給空間42とセンサ装着部32の形状とを一致させることで、測定器29の取り付け位置を規制することができる。これに対して、実施の形態2の変形例1の生体情報検出センサ供給装置28’は、上述の測定器29が有するセンサ装着部32とは異なり、測定器の筐体の内部に設けられたセンサ装着部32’を有する測定器29’に、生体情報検出センサ30を提供する。
【0104】
図18〜21に示すように、測定器29’は、測定値などを表示する表示部29aと、各種のボタンから構成される操作部29bと、生体情報検出センサ30を装着するセンサ装着部32’とを有している。また、生体情報検出センサ供給装置28’は、上述の生体情報検出センサ供給装置28と同様の構成を有しつつ、アタッチメント28aと、端面を有する端面部28cとをさらに有している。
【0105】
図18に示すごとく、測定器29’は操作部29bを有する。操作部29bは、測定器29’の上面に配置され、設定データを設定したり選択メニューを確定したりする設定ボタンおよびメニューの選択や表示する内容などを切り替えたりする選択ボタンと、測定器29’の側面に配置された電源ボタンとを含む。
【0106】
測定器29’のセンサ装着部32’は、測定器29’の筐体の端部であって、生体情報検出センサ供給装置28’に当接させる端部に設けられている。生体情報検出センサ供給装置28’に設けた血糖値センサ30を供給する空間であるセンサ供給空間42’に、測定器29’のセンサ装着部32’を取り付けると、センサ装着部32’に1枚の血糖値センサ30が装着されるようになっている。
【0107】
センサ供給空間42’での測定器29’の取り付け位置は、生体情報検出センサ供給装置28’のアタッチメント28aなどにより規制される。
図18に示されるように、アタッチメント28aは生体情報検出センサ供給装置28’のセンサ供給空間42’を規定している。またアタッチメント28aは、センサ供給空間42’に取り付けられる測定器29’の取り付け位置を、測定器29’の幅方向であって、血糖値センサ30の装着方向に直交する方向(
図18のY軸方向)に規制する。
【0108】
アタッチメント28aはアングル(受け部)28bを有する。アングル(受け部)28bは、センサ供給空間42’に取り付けられる測定器29’の下面と上面を支持することにより、測定器29’の取り付け位置を、測定器29’の上下面方向(
図18のZ軸方向)に規制する。
【0109】
端面を有する端面部28cは、生体情報検出センサ供給装置28’のセンサ供給空間42’内で、供給された血糖値センサ30に近接して配置される。端面部28cの端面は、測定器29’のセンサ装着部32’側の外装部29cに当接する形状を有する。端面部28cの端面と、測定器29’の外装部29cとを当接させることで、測定器29’を、生体情報検出センサ供給装置28’への装着方向(
図18のX軸方向)に規制する。
【0110】
生体情報検出センサ供給装置28’のその他の構成については、実施の形態2の生体情報検出センサ供給装置28と同様とすることができるので、その説明を省略する。
【0111】
以上の構成を有する生体情報検出センサ供給装置28’と測定器29’との使用動作を以下に説明する。なお、血糖値センサ30がセンサ供給空間42’に供給されるまでの動作は、生体情報検出センサ供給装置28と同様であるので省略する(
図14、15参照)。
【0112】
ユーザー(看護師)が、測定器29’のセンサ装着部32’(
図19参照)を、センサ供給空間42’に取り付ける。前述の通り、生体情報検出センサ供給装置28’のセンサ供給空間42’を規定するアタッチメント28a、アングル(受け部)28b及び端面部28cなどによって、測定器29’の取り付け位置が適切に規制される。その結果、測定器29’のセンサ装着部32’に血糖値センサ30が適切に装着される。
【0113】
図20は、測定器29’の外装部29cと生体情報検出センサ供給装置28’とが当接した状態(取り付け状態)を、上方向から見た図である。
図20は、生体情報検出センサ供給装置28’の断面図と、測定器29’の上面図とを含む。
図20における符号の一部は、
図19と同一であるので省略している。
【0114】
図21は、測定器29’の外装部29cと生体情報検出センサ供給装置28’とが当接した状態(取り付け状態)における、センサ装着部32’とその周辺を横方向から見た拡大断面図である。
図21における測定器29’は、そのセンサ装着部32’の領域のみを断面図で示されている。
【0115】
センサ装着部32’は、血糖値センサ30との接点端子であるコンタクト32aを有している。血糖値センサ30は、測定器29’のセンサ装着部32’に装着されることで、コンタクト32aと接触する。これにより、測定器29’内の測定回路と血糖値センサ30とが、コンタクト32aを介して電気的に接続される。
【0116】
前述の通り、生体情報検出センサ供給装置28’のセンサ供給空間42’を規定するアタッチメント28a、アングル(受け部)28b及び端面部28cなどによって、測定器29’の取り付け位置が適切に規制される。そのため、血糖値センサ30は測定器29’のセンサ装着部32に正しく装着される。つまり、血糖値センサ30は、センサ装着部32’内のコンタクト32aに適切に接触することができる。
【0117】
この後、ユーザー(看護師)が、測定器29’を生体情報検出センサ供給装置28’から引き抜く。血糖値センサ30は、センサ装着部32’のコンタクト32aに接触したまま、生体情報検出センサ供給装置28’から分離される。
【0118】
以上のことから、実施の形態2の変形例1は、測定器29’を規制するアタッチメント28aなどを生体情報検出センサ供給装置28’に設けることで、測定器29’の筐体の内部に設けられたセンサ装着部32’を有する測定器29’に、血糖値センサ30を確実に装着する生体情報検出センサ供給装置28を提供することができる。
【0119】
(実施の形態2の変形例2)
実施の形態2の変形例1の生体情報検出センサ供給装置28’は、アタッチメント28a、アングル(受け部)28b及び端面部28cとで、測定器29’の取り付け位置を規制した。これに対して、実施の形態2の変形例2の生体情報検出センサ供給装置28”は、端面部28cと下面受け部28dとで、測定器29’の取り付け位置を規制する(
図23と
図24を参照)。
【0120】
図22〜24に示すように、実施の形態2の変形例2における生体情報検出センサ供給装置28”は、実施の形態2の変形例1における上述の生体情報検出センサ供給装置28’と同様に、端面を有する端面部28cを有するが、上述の変形例1におけるアタッチメント28aは有さず、下面受け部28dを有する。生体情報検出センサ供給装置28”のその他の構成は、上述の生体情報検出センサ供給装置28’と同様であるので、その説明を省略する。一方、実施の形態2の変形例2における測定器29’は、実施の形態2の変形例1における測定器29’と同じ構成である。
【0121】
生体情報検出センサ供給装置28”は、測定器29’の取り付け位置を、端面を有する端面部28cと下面受け部28dなどで規制する。
図22を例にすると、端面部28cは、測定器29’の外装部29cと当接する端面を有し、供給された血糖値センサ30に近接して配置される。端面部28cの端面と、測定器29’の外装部29cとが当接することで、測定器29’を、測定器29’の装着方向に規制することができる。ここで、この端面部28cは湾曲した凹形状の端面を有し、前記外装部29cは凸形状の端面を有する。端面部28cの凹形状の端面と外装部29cの凸形状の端面とは、互いに適切に当接することができるように、それらの形状は同様に湾曲している。端面部28cの凹形状の端面と外装部29cの凸形状の端面とが当接することで、測定器29’の幅方向であって、血糖値センサ30の装着方向に直交する方向についても規制することができるが;その規制能は、実施の形態2の変形例1が有する生体情報検出センサ供給装置28’のアタッチメント28aよりは劣る。
【0122】
下面受け部28dは、取り付けられる測定器29’の下面を支持する。下面受け部28dは、端面部28cの下部に設けられている。それにより、下面受け部28dは、測定器29’の取り付け位置を、測定器29’の上下面方向に規制することができる。
【0123】
図24は、実施の形態2の変形例2における生体情報検出センサ供給装置28”の端面部28cの端面と、測定器29’の外装部29cの端面が当接した状態(取り付け状態)における、センサ装着部32’とその周辺を横方向から見た拡大断面図である。
図24における測定器29’は、センサ装着部32’の領域のみを断面図で示されている。
【0124】
センサ装着部32は、血糖値センサ30との接点端子であるコンタクト32aを有している。血糖値センサ30は、測定器29’のセンサ装着部32’に装着されることで、コンタクト32aと接触する。これにより、測定器29’内の測定回路と血糖値センサ30とが、コンタクト32aを介して、電気接続される。
【0125】
前述の通り、測定器29’の取り付け位置は、端面部28cと下面受け部28dによって適切に規制されている。そのため、血糖値センサ30は、測定器29’のセンサ装着部32’に適切に装着される。つまり、血糖値センサ30は、センサ装着部32’内のコンタクト32aに確実に接触することができる。
【0126】
この後、ユーザー(看護師)が、測定器29’を生体情報検出センサ供給装置28”から引き抜く。血糖値センサ30は、センサ装着部32’のコンタクト32aに接触したままで、生体情報検出センサ供給装置28”から分離される。
【0127】
実施の形態2の変形例2の生体情報検出センサ供給装置28”は、アタッチメント28aを有していない。そのため、生体情報検出センサ供給装置28”はシンプルな構成を有し、小型化されうる。よって、実施の形態2の変形例2の生体情報検出センサ供給装置28”は、生体情報検出センサ供給装置28や28’の利便性を維持しながら、携帯性も向上させることができる。
【0128】
(実施の形態3)
図25に、実施の形態3に係る生体情報検出センサ供給装置67が示される。生体情報検出センサ供給装置67は、例えば机の上などの平面に据え置いて使用されるものであり、血糖値(生体情報の一例)を測定する機能を有している。
【0129】
生体情報検出センサ供給装置67は、ほぼ直方体状に成形した本体ケース68を有する。
図26に示すごとく、生体情報検出センサ供給装置67は、本体ケース68の後端のフタ69を開けて、その内部にセンサカートリッジ70が収納される構成となっている。
【0130】
本体ケース68の上面の後端側には電源ボタン71が、中央部には表示部72と、血糖値センサ75(
図27参照)のセットボタン73と、血糖値センサ75の廃棄ボタン74とが設けられている。
【0131】
ユーザーが、電源ボタン71を押して電源をONした後、セットボタン73を押すと、
図25に示すごとく、センサカートリッジ70の血糖値センサ75が、本体ケース68の先端面に設けた装着口76に供給される(詳細は後述する)。
【0132】
図27に示すごとく、血糖値センサ75は、帯状のセンサ供給フィルム77に収納されている。センサ供給フィルム77は、帯状の保持フィルム78と、この保持フィルム78の表面を覆った帯状のカバーフィルム79とを含む。
【0133】
帯状の保持フィルム78と帯状のカバーフィルム79との間に血糖値センサ75が配置されている。つまり、保持フィルム78の表面上には、長手方向に沿って複数枚(本実施形態においては200枚)の血糖値センサ75が所定間隔で配置されている。このように、血糖値センサ75は、保持フィルム78とカバーフィルム79で挟み込まれて保持されている。本実施の形態3では、
図27及び
図29に示すように、センサ供給フィルム77に収納されている血糖値センサ75の向きが、上述の実施の形態1とは異なっているが、実施の形態2と同じ方向になっている。
【0134】
血糖値センサ75は、略三角形状の薄板形状である。三角形の1つの頂点付近に血液を点着する点着部80を設けるとともに、点着部80と対向する端部から中央部にかけて接続電極81を設けている。
【0135】
センサ供給フィルム77の長手方向に直交する両端には、送りガイド孔82を設けている。送りガイド孔82は、センサ供給フィルム77を装着口76に供給するための孔である。
【0136】
センサ供給フィルム77は、センサカートリッジ70(
図26)に収納される。さらに、センサカートリッジ70は本体ケース68に収納される。
図28は、センサカートリッジ70を本体ケース68に収納したときの、生体情報検出センサ供給装置67を横方向から見たときの断面図を示し、
図29は、上方向から見たときの断面図を示す。
【0137】
センサカートリッジ70の内部構成について説明する。
図28に示すごとく、センサ供給フィルム77がロール状に巻きとられたロール体が、センサカートリッジ70の内部の中央部に設けられた収納部83に収納される。センサ供給フィルム77に保持された血糖値センサ75が破損しないように、センサ供給フィルム77は、緩く巻き取られている。
【0138】
図28および
図29に示すごとく、センサ供給フィルム77のロール体は、センサ供給フィルム77の長手方向がセンサカートリッジ70の先端に向くように配置される。センサカートリッジ70は、その供給口84が装着口76に対向するように配置される。
【0139】
図28に示すごとく、センサ供給フィルム77は、図中下から保持フィルム78、血糖値センサ75、カバーフィルム79の順に積層された状態で、供給口84に向けて供給される。また、血糖値センサ75は、保持フィルム78内で、点着部80側を、供給口84に向けた状態で保持される。
【0140】
センサカートリッジ70の供給口84と装着口76との間に、血糖値センサ75を装着するためのセンサ装着部85が設けられている。
【0141】
センサカートリッジ70の内部であって、供給口84に対向する部分に、円筒状の分離プーリ86および87を設けている。さらに、分離プーリ86および87の内方側(センサ供給フィルム77の供給方向の上流側)には、一対の円筒状の押さえプーリ88および89が設けられている。押さえプーリ88および89の軸長さを、センサ供給フィルム77の短手方向の幅よりも大きくしているので、押さえプーリ88および89はセンサ供給フィルム77の短手方向の幅全体を押さえることができる。これにより、ロール状に巻き取られたセンサ供給フィルム77は、その巻き癖を押さえプーリ88および89によって修正され、下流側の分離プーリ86および87へと送られる。
【0142】
センサ供給フィルム77から、分離プーリ86および87によって、カバーフィルム79と保持フィルム78とが分離される。
【0143】
分離プーリ86によって、カバーフィルム79は、上方に、その後、後方にと折り返され、円筒状の案内プーリ90および91、円筒状の駆動リール92を介して、円筒状の巻き取りリール93(巻き取り機構)に巻き取られる。
図29からも理解される通り、分離プーリ86、案内プーリ90および91、駆動リール92の軸長さを、センサ供給フィルム77の短手方向の幅よりも大きくしている。
【0144】
一方、分離プーリ87によって、保持フィルム78は、下方に、その後、後方に折り返され、円筒状の案内プーリ94および95、円筒状の駆動リール96を介して、円筒状の巻き取りリール97に巻き取られる。なお、分離プーリ87、案内プーリ94および95、駆動リール96の軸長さを、センサ供給フィルム77の短手方向の幅よりも大きくしている。
【0145】
また、駆動リール92および96の両端側には、駆動突起92aおよび96aが設けられている。駆動突起92aおよび96aは、センサ供給フィルム77の両端に設けた送りガイド孔82に係合する。さらに、駆動リール92および96は、接続歯車70A(
図26参照)を介して、本体ケース68内の駆動モータ98(
図29参照)に連結される。
【0146】
つまり、センサ供給フィルム77のカバーフィルム79の巻き取り機構が、駆動モータ98と、接続歯車70Aと、巻き取りリール93と、駆動リール92と、案内プーリ91および90と、分離プーリ86とによって構成される。
【0147】
また、センサ供給フィルム77の保持フィルム78の巻き取り機構が、駆動モータ98と、接続歯車70Aと、巻き取りリール97と、駆動リール96と、案内プーリ95および94と、分離プーリ87とによって構成される。
【0148】
巻き取りリール93は、実施の形態1と同じ滑り方式のクラッチ機構を有し、駆動リール92に接続されている。また、巻き取りリール97は、実施の形態1と同じ滑り方式のクラッチ機構を有し、駆動リール96に接続されている。
【0149】
本体ケース68の内部構成について説明する。
図30は、センサ装着部85を横方向から見た拡大断面図であり、
図31は、センサ装着部85を上方向から見た拡大断面図である。
【0150】
図30および
図31に示すごとく、センサ装着部85は、血糖値センサ75の一面側(
図30の上側)に配置される電極ローラ100を有する。電極ローラ100は、血糖値センサ75の接続電極81に接続されるローラ電極99を有する(
図31参照)。
図31に示すごとく、ローラ電極99は、電極ローラ100の両端部の外周上に設けられている。
【0151】
さらに、
図30に示すごとく、センサ装着部85は、血糖値センサ75の他面側(
図30の下側)に配置される押付ローラ101を有する。押付ローラ101は、血糖値センサ75を電極ローラ100側に押し付ける。例えば、押付ローラ101は、回転軸部を板バネ(付勢体の一例で図示せず)によって、電極ローラ100側に押し付けられている。押付ローラ101によって、血糖値センサ75が電極ローラ100に押し付けられると、血糖値センサ75の接続電極81が、ローラ電極99に当接し電気的に接続される。
【0152】
また、供給口84と電極ローラ100との間に、光センサ(センサ検出部の一例)102を設けている。光センサ102は、センサ装着部85に進入した血糖値センサ75を検出するようになっている。
【0153】
図31に示すごとく、ローラ電極99は金属製の接続端子103に接触している。ローラ電極99は、金属製の接続端子103を介して測定部104(
図32参照)に接続される。
【0154】
図32は、生体情報検出センサ供給装置67の制御ブロック図である。測定部104は、制御部105に接続されている。制御部105には、モータコントローラ106が接続される。光センサ102(
図30参照)は、モータコントローラ106と接続する。光センサ102と接続端子103(
図29)は、プリント基板上に配置される。
【0155】
モータコントローラ106には、センサカートリッジ70の接続歯車70Aを駆動する駆動モータ98が接続される。駆動モータ98の駆動力が、センサカートリッジ70の接続歯車70Aを介してセンサ送りギア107(
図29参照)に伝達され、さらに駆動リール92に伝えられる。
【0156】
さらに、モータコントローラ106には、電極ローラ100を駆動する駆動モータ108が接続されている。駆動モータ108の駆動力が、接続ギア109を介して、電極ローラ100に伝達され、電極ローラ100は血糖値センサ75を搬送する。
【0157】
また、制御部105には、センサカートリッジ70が本体ケース68に収納されたことを検知するカートリッジ検出スイッチ69A、制御部のプログラムが記憶されたROM110、電池111、表示部72、電源ボタン71、センサのセットボタン73、センサの廃棄ボタン74が接続されている。
【0158】
以上の構成を有する生体情報検出センサ供給装置67の使用動作を以下に説明する。先ず、ユーザー(看護師)は、
図26に示すごとく、本体ケース68の後端のフタ69を開けて、本体ケース68の内部にセンサカートリッジ70を装着する。
【0159】
次に、ユーザー(看護師)が、電源ボタン71(
図25参照)を押して電源を入れると、制御部105は、カートリッジ検出スイッチ69Aを用いてセンサカートリッジ70が本体ケース68に装着されていることを検知する。その後、ユーザー(看護師)が、センサのセットボタン73を押すと、センサカートリッジ70の血糖値センサ75が、装着口76に装着された状態で現れる。
【0160】
具体的には、セットボタン73の押下を検知した制御部105(
図30参照)が、モータコントローラ106を用いて、駆動モータ98(
図29参照)を所定量回転させる。すると、駆動モータ98の駆動力が、センサ送りギア107および接続歯車70Aを介して、駆動リール92(
図28参照)に伝えられる。
【0161】
駆動リール92の駆動突起92aは、カバーフィルム79の送りガイド孔82を介して、カバーフィルム79に駆動力を伝達する。その結果として、カバーフィルム79は、カバーフィルム79の巻き取り機構(駆動モータ98と、接続歯車70Aと、巻き取りリール93と、駆動リール92と、案内プーリ91および90と、分離プーリ86)により、収納部83から駆動モータ98の回転量に対応する所定量分だけ、供給口84側へと引き出される。
【0162】
駆動リール96の駆動突起96aは、保持フィルム78の送りガイド孔82を介して、保持フィルム78に駆動力を伝達する。その結果として、保持フィルム78は、保持フィルム78の巻き取り機構(駆動モータ98と、接続歯車70Aと、巻き取りリール97と、駆動リール96と、案内プーリ95および94と、分離プーリ87)により、収納部83から駆動モータ98の回転量に対応する所定量分だけ、供給口84側へと引き出される。
【0163】
すなわち、カバーフィルム79と保持フィルム78は、同じ所定量だけ、供給口84側へと引き出される。つまり、センサ供給フィルム77が所定量引き出される。上述のごとく、この引き出しにおいて、センサ供給フィルム77から、分離プーリ86および87によってカバーフィルム79と保持フィルム78とが分離される。そして、保持フィルム78の中から1枚の血糖値センサ75が表出する。
【0164】
本実施形態における生体情報検出センサ供給装置は、血糖値センサ75を装着口76に自動的に装着する構成を有する。具体的には、まず、表出した血糖値センサ75が、分離プーリ86および87の駆動力により、センサカートリッジ70の供給口84を介して、センサ装着部85に進入する(
図30参照)。
【0165】
すると、センサ装着部85の光センサ102が、進入してきた血糖値センサ75を検知する。光センサ102が血糖値センサ75を検知すると、モータコントローラ106が駆動モータ108を駆動する。駆動モータ108の駆動力が、接続ギア109を介して電極ローラ100に伝達される。そして、血糖値センサ75が電極ローラ100と押付ローラ101との間に到達する。その後、血糖値センサ75は、電極ローラ100の駆動力により装着口76に導かれる。血糖値センサ75が所定位置まで進入すると、光センサ102が血糖値センサ75を検知できなくなる。そのとき、モータコントローラ106が駆動モータ108の駆動を停止する。
【0166】
図31に示すごとく、所定位置まで進入した血糖値センサ75の接続電極に、電極ローラ100両端部のローラ電極99が当接して、機械的および電気的に接続する。このようにして、血糖値センサ75のセンサ装着部85への装着が完了する。装着が完了した血糖値センサ75の点着部80は、装着口76を介して本体ケース68の外部に表出させられた状態となる(
図25参照)。
【0167】
患者の指が、別途用意した穿刺器具によって穿刺される。穿刺により流出した血液を、血糖値センサ75の点着部80に点着すると、測定部104によって血糖値が測定され、その結果が表示部72に表示される。
【0168】
最後に、ユーザー(看護師)が廃棄ボタン74を押す。廃棄ボタン74の押下を検知した制御部105が、モータコントローラ106を用いて駆動モータ98を回転させる。すると、電極ローラ100が回転し、血糖値センサ75を本体ケース68外へ廃棄する。
【0169】
なお、本実施形態においては、電極ローラ100に駆動モータ108を連結しているが、電極ローラ100と押付ローラ101の少なくとも一方に、駆動モータ108が連結されていればよい。
【0170】
以上説明したごとく、本実施形態の生体情報検出センサ供給装置67は、以下のような特徴を有する。
【0171】
(1)生体情報検出センサ供給装置67は、血糖値センサ(生体情報検出センサ)75のため装着口76を有する本体ケース68と、本体ケース68内に帯状のセンサ供給フィルム77を収納する収納部83と、センサ供給フィルム77を収納部83から装着口76に所定寸法供給する供給部と、を備えている。
【0172】
センサ供給フィルム77は、帯状の保持フィルム78と、保持フィルム78の表面を覆った帯状のカバーフィルム79と、保持フィルム78とカバーフィルム79に挟まれて保持された複数個の血糖値センサ75を有している。
【0173】
供給部は、センサ供給フィルム77を、供給口84に所定寸法供給するとともに、供給口84でセンサ供給フィルム77を保持フィルム78とカバーフィルムとに分離して血糖値センサ75を表出させる。表出させた血糖値センサ75を、供給口84を介して装着口76に供給する構成としている。
【0174】
供給口84と装着口76との間に、血糖値センサ75を装着するセンサ装着部85を設ける。センサ装着部85は、電極ローラ100と押付ローラ101とを有する。電極ローラ100は、血糖値センサ75の一面側に配置され、血糖値センサ75の接続電極81に接続されるローラ電極(接続電極)81を有する。押付ローラ101は、血糖値センサ75の他面側に配置され、血糖値センサ75を前記電極ローラ100側に押し付ける構成としている。
【0175】
(2)電極ローラ100と押付ローラ101の少なくとも一方に、駆動モータ108を連結した構成とする。
【0176】
(3)供給口84と電極ローラ100との間に、光センサ(センサ検出部)102を設けた構成とする。
【0177】
このため、ユーザー(看護師)が血糖値センサ75のセットボタン73を押すことで、センサ供給フィルム77が保持フィルム78とカバーフィルム79とに分離され、一枚の新規の血糖値センサ75が表出する。さらに、表出した血糖値センサ75を、センサ装着部85に装着することができる。センサ装着部85に装着された血糖値センサ75の点着部80は本体ケース68から突出しており、接続電極81はローラ電極(接続電極)99を介して測定部104に接続している。このように、ユーザー(看護師)は、血糖値センサ75のセットボタン73を押すだけで、1枚の新規の血糖値センサ75をセンサ装着部85に装着させることができる。
【0178】
センサ装着部85に装着された血糖値センサ75の点着部80に患者の血液を点着することで、測定部104が血糖値を測定する。その結果、生体情報検出センサ供給装置67の使い勝手が向上する。