(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記音声システムおよび/または前記聴覚的出力デバイスは、抱かれている乳幼児には可聴であるが、前記聴覚的出力デバイスから半径略30mmの範囲よりも外側にいる成人には非可聴となるレベルで、前記聴覚的出力デバイスに音声を発生可能とさせるように構成された請求項2に記載の乳幼児をなだめる装置。
前記音声システムおよび/または前記聴覚的出力デバイスは、乳幼児を抱いている成人には可聴となっても良いが使用者から半径1メートル以内の他のいずれの成人にも非可聴となるようなレベルで、前記聴覚的出力デバイスに音声を発生可能とさせるように構成された請求項2に記載の乳幼児をなだめる装置。
前記音声は、子供には安全なレベルであって、かつ、子供が成人の顔面近くに持ち上げられている場合を除き、子供を抱いている成人に可聴となる程大きくはないレベルであることを確実にするため、概ね35〜60dBのレベルで発生される請求項3に記載の乳幼児をなだめる装置。
前記音声システムおよび前記関連聴覚的出力デバイスが、抱かれている乳幼児には可聴であるが前記聴覚的出力デバイスから半径略30mmの範囲よりも外側にいる成人には非可聴となるレベルで音声を発生させることを特徴とする請求項7に記載の方法。
【背景技術】
【0003】
成人を眠りに導き、また乳幼児の心を和らげてなだめるためにホワイトノイズを使用する装置は公知であり、以下のようないくつかの代表的な例が含まれる。
「睡眠誘発デバイス(Sleep Inducing Device)」という名称の特許文献1。
この明細書は、枕の内部のホワイトノイズを発生できる正弦波発振器を開示している。
「乳用児の治療的運動および音声療法のための方法および装置(Method and Apparatus for Therapeutic Motion and Sound Treatment of Infants)」という名称の特許文献2。
この明細書は、支持面にリズミックで周期的な運動を与え、かつ200Hzから4000Hzまでの周波数領域内において60〜80dBの音声を発生させる装置を開示している。
「乳児鎮静(Baby Calmer)」という名称の特許文献3。
この明細書は、少なくとも10kHzにおよぶ音声周波数の範囲にわたるランダムノイズを発生させる音源を詳述している。
「音声信号を聴くのに有用である衣類(Garment Useful for listening to Audio Signals)」という名称の特許文献4。
この明細書は、人間の上体に着用すべき衣類を開示している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、ホワイトノイズを使用して乳幼児を落ち着かせる、上述したような従来の装置は、以下に記載する課題のうちの1つまたは複数を抱えている。
− 枕のようにかさばって持ち運びが容易でない。
− 小児用ベッドのような支持面に固定されている。
− 乳幼児に着用される必要があり、そのため状況によっては不快、非実用的もしくは危険となる可能性があり、または目障りとなる可能性がある。
− 小児用ベッドまたは揺りかご内で使用するために設計されており、容易に運搬できない。
− もし乳幼児の耳が装置の近くに寄り過ぎた位置にある場合には、危険なほど大きな音声を発生させる。
− 乳幼児の耳にほぼ隣接する領域において音声を発生させるのではない。
− 装置の周辺にいる成人達に可聴となる音声を発生させる。
− 使用中の装置を保持している成人は、同時に乳幼児を安全もしくは確実に保持することが不可能となり、または装置使用中に乳幼児と感触的な接触を維持することが不可能となる。
− 乳幼児を落ち着かせる必要がある様々に異なる状況に対して、容易に適応できる訳ではない。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述の課題を明確にし、または少なくとも公衆に有益な選択肢を提供することは、本発明にとって望ましい。
【0007】
本発明のさらなる態様および利点は、後述する説明で明らかになるが、その説明はあくまで例示的なものに過ぎない。
【0008】
この明細書の中に引用されるあらゆる特許または特許出願を含む全ての参考文献は、参照により組み込まれる。いずれの参考文献も先行技術を構成すると自認するものではない。参考文献についての説明は、それらの著者が主張することを述べるに過ぎず、本出願人は、前記引用文献の正確さおよび適切さに対して異議を唱える権利を留保する。本明細書において幾つかの先行技術文献が参照されるが、この参照により、これらの文献がニュージーランドまたは他のいずれの国においても当該技術における共通の一般的な知識の一部を形成しているという承認を与えることを意味するものでは一切ない。
【0009】
この明細書の全体を通し、「含む(comprise)」という用語または「含む(comprises)」もしくは「含む(comprising)」などのその変形した用語は、記載された要素、完全体もしくはステップ、または要素、完全体もしくはステップのグループを包含することを意味するものであるが、他のいずれの要素、完全体もしくはステップ、または要素、完全体もしくはステップのグループを除外することを意味するものではない。
【0010】
本発明は、本質的には、乳幼児を落ち着かせる装置に関し、人間の手または腕に装着されるものである。この装置は、この装置の装着者の手または腕によって頭部を抱かれている乳幼児をなだめるための、ホワイトノイズまたは他の音声を発生できる、1つまたは複数の仕掛けを含む。この音声を発生する仕掛けは、乳幼児の耳に対して音声を届けるが、しかし、好適には、以下のようなことは行わない。
− 装置の装着者の手の上で安息している、乳幼児の安楽を妨げること。
− 装置の装着者に与えられる通常の何らかの感触的フィードバックであって、手または腕が乳幼児の頭部と接触したことまたは接触していることを示すフィードバックを実質的に妨げること。
【0011】
「ホワイトノイズ」という用語は、「振動の全ての可聴域周波数を含む刺激によって生成されるノイズ」と定義されることがよくある。しかし、この明細書に使用される場合には、「ホワイトノイズ」という用語はより広い意味で使用されており、「ピンクノイズ」や「ガウスノイズ」などのように幅広い周波数領域にわたって発生する音波の他の多様な混合を含んでいる。従って、「ホワイトノイズ」という用語は以下の音をも含む。
− ある種の音楽旋律
− 無線ノイズ
− 母親の心臓拍動音などのような、子宮内の音を複製した音
− 波、風、雨および滝の音のような、自然の中にある音に類似する音
− および動物達の集合的な音
【0012】
これらの音は、自然にまたは人工的に生成することができる。
【0013】
第1の態様によれば、
a)音声生成器および関連電源を含む音声システムと、
b)音声システムに関連付けられた聴覚的出力デバイスと、
を備える乳幼児をなだめる装置を提供し、前記乳幼児をなだめる装置は、
− 受け部(RP)を備え、前記受け部(RP)が、
a)手または腕の上に配置され、かつ
b)− 聴覚的出力デバイスまたは、
− 音声システムおよび聴覚的出力デバイス
を収容するかまたはそれらを収容するハウジングに連結されるように構成されたことを特徴とする。
【0014】
幾つかの実施形態によれば、前記装置はまた、音声システムと聴覚的出力デバイスとを覆うカバーまたはポケットをさらに含んでも良く、そのカバーまたはポケットは、
− 実質的に音透過性材料で形成され、および/または
−
前記受け部(RP)を通して音の透過を可能にするよう構成されている。
【0015】
他の態様によれば、上述した装置と実質的に同様である、乳幼児をなだめる装置であって、受け部は、使用中に乳幼児の頭部の支持および/または安楽性を実質的に妨げない状態で
− 聴覚的出力デバイスまたは
− 音声システムおよび聴覚的出力デバイス
を収容するよう構成されている、装置を提供する。
【0016】
本発明の他の態様によれば、上述した装置と実質的に同様である、乳幼児をなだめる装置であって、音声システムおよび/または聴覚的出力デバイスは、抱かれている乳幼児には可聴であるがその聴覚的出力デバイスから半径略30mmの範囲よりも外側にいる成人には非可聴となるレベルで、聴覚的出力デバイスに音声を発生可能とさせるよう構成されている、装置を提供する。
【0017】
本発明の他の態様によれば、上述した装置と実質的に同様である、乳幼児をなだめる装置であって、音声システムおよび/または聴覚的出力デバイスは、乳幼児を抱いている成人には可聴となっても良いが使用者から半径1メートル以内の他のいずれの成人にも非可聴となるようなレベルで、聴覚的出力デバイスに音声を発生可能とさせるよう構成されている、装置を提供する。
【0018】
このような態様の幾つかの実施形態においては、音声が、子供には安全なレベルであって、かつ、子供が成人の顔面近くに持ち上げられている場合を除き、子供を抱いている成人に可聴となる程大きくはないレベルとなることを確実にするため、音声は概ね35〜60dBのレベルで発生される。
【0019】
本発明の他の態様によれば、請求項3から5のいずれか一項に記載の乳幼児をなだめる装置であって、音声がホワイトノイズである装置を提供する。
【0020】
本発明のさらに他の態様によれば、上述した装置と実質的に同様である、乳幼児をなだめる装置であって、受け部は、使用中の音声システムが、乳幼児の頭部を抱くために動いているときまたは頭部を抱いているときに感触的フィードバックを受けている使用者の、
− 手のひら、および/または
− 親指と他の指、および/または
− 腕
と実質的に干渉しないように配置されるよう構成された、装置を提供する。
【0021】
本発明のさらに他の態様によれば、乳幼児をなだめる方法であって、
a)音声システムを使用して、乳幼児の頭部が抱かれ得る手のひらまたは腕の他の部分の上に位置する関連聴覚的出力デバイスに対して音声を届けるステップを含むことを特徴とする方法を提供する。
【0022】
上述の方法と実質的に同様の方法であって、
b)音声システムと関連聴覚的出力デバイスとを使用して、抱かれている乳幼児には可聴であるがその聴覚的出力デバイスから半径略30mmの範囲よりも外側にいる成人には非可聴となるレベルで音声を発生させる、さらなるステップを含むことを特徴とする方法も提供する。
【0023】
本発明の幾つかの実施形態およびそれらが提供する利点は、後段においてより詳細に説明する。
【発明を実施するための形態】
【0025】
図1と
図2は、乳幼児をなだめる装置1000であって、親指を受け入れる部分1002とその他の指および手のひらを受け入れる部分1003とを有するミトン1001の形態を持つ、受け部を備える装置を提示する。一実施形態においては、このミトン1001はネオプレンで形成される。
【0026】
ミトンはそのポケットPの中に、音声生成器1007と、再充電可能な電池パック1008の形態を持つ関連電源と、スピーカー1009とを有する音声システム1006を備える。ポケットPは、使用中には、使用者の親指1004と人差し指1005との間に配置されるよう位置決めされている。ポケットは、ドーム(domes)またはVELCRO(登録商標)ストリップ(図示せず)のようなファスナーを用いた、再封止可能な入口(図示せず)を有しても良い。
【0027】
図2においては、音声生成器1007が、点線1010によって示されているように親指と手のひらと親指以外の指との表面よりも下方の位置に配置されていることがわかる。
【0028】
図3と
図4に、
図1と
図2で示す要素と同様の要素であって同様の参照番号が付された要素を含む、他の代替例を示す。この代替例において鍵となる相違点は、スピーカー1009と音声システム1006とが離れた位置に配置されており、かつ、薄くて柔軟性を備えたスピーカー1009(例えば台湾工業技術研究院(ITRI)によって開発されたFlexpeaker(登録商標)など)と音声システム1006とが、有線接続(図示せず)またはBLUETOOTH(登録商標)接続などの無線接続を介して接続されている点である。スピーカー1009は、スピーカーが乳幼児の安楽性を妨げないようクッションを与える発泡体層1011の下方に配置される。スピーカー1009は最適には、その下側において感触的な突出部1012を持つよう構成され、これら突出部がミトン1001を装着している使用者の手のひらを押圧することで、ミトンがいつ乳幼児の頭部を支持し始めたかについて感触的に知らせる指示部となる。
【0029】
図5には、親指を受け入れるスリーブ(袖部)5001と、その他の指を受け入れるスリーブ5002と、これらスリーブ5001と5002とを接続する水かき(web)要素5003を有する形態の受け入れ部を有する、乳幼児をなだめる装置5000の他の実施形態が示されている。この水かき要素5003はネオプレンで形成されており、その中にはポケット(図示せず)を有し、そのポケットは音声システム(これも図示せず)を収容している。このポケットは、ドームまたはVELCRO(登録商標)ストリップ(図示せず)のようなファスナーを使用する、再封止可能な入口(図示せず)を有している。
【0030】
図6は、ネオプレンで形成されたミット6000の形態を持つ受け部を有する、乳幼児をなだめる装置6000を示す。ミット6000は伸縮性のあるバンド6001を有し、ミット6000の下側面とともに受け部を形成する。ミット6000はその下側に入口を持つポケット(図示せず)を含む。このポケットは音声システム(図示せず)を収容する。
【0031】
図7は、乳幼児をなだめる装置であるミット7000を示し、この装置7000は、その中に音声システム(図示せず)が配置されているハウジング7001を備えている。交換可能でありネオプレンで形成されたクッション層7002と7003とが、その上に乳幼児の頭部が抱かれるであろうハウジング7001の上面を覆っている。ミット7000は伸縮性のあるバンド7004を備え、ハウジングの下側面とともに受け部を形成する。クッション層はその4つのコーナーに隣接する部分に穴を有し、これらクッション層は、ハウジング7001の下側であってハウジング7001のコーナーの近傍に配置された球根状頭部を持つ突起物7005の頭部を超えて延びている。層7002と7003とが存在することで、装着者が外出して動き回ったりする間に湿ったりおよび/または汚れたりした場合に、その層を取り外すことが可能となる。
【0032】
図8は、テニス用リストバンドに使用される伸縮性材料と類似する伸縮性材料で形成されたバンド8000の形態を持つ受け部を示す。バンド8000は、音声システム(図示せず)を収容するポケット(図示せず)を備える。ポケットの最上面には、乳幼児の頭部が音声システムの上で休息している間に振動を緩和するための、ネオプレンパッドの形態を持つクッションを有する。バンド8000はまた、
図9に示すように、人間の肘の屈曲部において使用され得るように、手の部分を超えて伸ばされても良い。
【0033】
図10と
図11には、乳幼児をなだめる装置10000であって、ストラップ(帯)10001の形態を持つ受け部を有し、その一方の端部であってストラップ10001の第1表面10003上にはVelcro(登録商標)フック10002を有し、その他方の端部であってストラップ10001の第2表面10005上にはVelcro(登録商標)ループ10004を有する、装置10000を示す。ストラップは接着部を介してハウジング10006に結合され、ハウジング10006は、ぴたりと保持する空洞10007内にmp3プレーヤー(図示せず)を収容し、mp3プレーヤーはBluetooth(登録商標)を介してスピーカー10008に接続されている。使用中には、スピーカー10008が露出面となり、かつmp3とハウジング10006とが人間の手の表面と隣接するように、ストラップが人間の手の回りに装着される。スピーカー10008は、好適には発泡体カバー(図示せず)によって包囲される。
【0034】
図10と
図11に示す乳幼児をなだめる装置10000に関係して使用可能な代替的な構成は、mp3プレーヤー10000内に組み込まれたスピーカー(図示せず)をその裏側表面に有する。
【0035】
mp3プレーヤーのスピーカーは、ハウジング10006の上側表面10008であってその上で乳幼児の頭部が休息するであろう表面10008の上に出口を持つ、チャネル10009を介することで、ハウジング10006を通して音声を伝達する。
【0036】
[実施例1]
本発明の一実施形態においては、ハウジングの形態を持つ受け部を備えた乳幼児をなだめる装置が示され、そのハウジングは、略ディスク形状(図示せず)を有するパッドであって、スピーカーと関連電源(両方とも図示せず)とが接続されたパッドの形態を持っている。スピーカーは、iPhone(登録商標)(図示せず)のようなスマートフォンの形態を持つ離れた位置にある音声装置からBLUETOOTH(登録商標)を介して聴覚的出力信号を受け取るよう構成されている。ハウジングは発泡体カバー(図示せず)を備えるため、その上で乳幼児の頭部が休息しても、ハウジング/スピーカーに直接的に接触して不快となるようなことはない。スマートフォンは、iPod(登録商標)アプリケーションに類似するiPhone(登録商標)での音楽演奏アプリケーションを有し、このアプリケーションは1つまたは複数のホワイトノイズのサウンドトラックを所望の音レベルで演奏するよう構成されている。使用中には、ハウジングは成人の手中に保持されるが、ハウジングのスピーカー側が手のひらから見て外側に向くよう保持されるので、乳幼児の頭部と隣接することになり、乳幼児の頭部がハウジングの上で休息され得ることになる。
【0037】
[本発明を代替的に実施する手法の詳細な説明]
受け部(RP)は、本発明の範囲から外れることなく、様々に異なる形態において実現され得る。
【0038】
一実施形態において、受け部はミトンの形態を持っても良い。
【0039】
ある実施形態において、受け部は指無し手袋の形態を持っても良い。
【0040】
他の実施形態において、受け部はハウジングに取り付けられたストラップの形態を持っても良い。
【0041】
代替的に、人間の手または腕に巻かれ得る伸縮性材料で形成された輪の形態を持つストラップの中に、受け部が取り付けられても良い。
【0042】
さらに他の実施形態において、受け部は手持ち可能なパッドの形態を持っても良い。
【0043】
さらに他の幾つかの実施形態においては、受け取り部は少なくとも1つのスリーブ、バンドまたはそれらに類似するものであって、腕に装着されるか、または1つもしくは複数の親指以外の指および/もしくは親指にわたって装着され得るものとしての形態を持っても良い。例えば、可能性のある一実施形態においては、受け部受け部は、音声システムを収容しかつ親指以外の指または親指に装着される、指輪の形態を持っても良い。
【0044】
受け部はまた、使用中の音声システムが、乳幼児の頭部を抱こうと動いているときやまたは頭部を抱いているときに感触的なフィードバックを受け取っている使用者の、手のひら、および/または親指やそれ以外の指と、実質的に干渉しないように配置されるよう構成されても良い。
【0045】
他の幾つかの実施形態において、受け部は音透過性材料から形成されたハウジングの形態を持っても良く、または、音声が聴覚的出力デバイスからハウジングの外部表面へと通ることを可能にするよう構成されていても良い。
【0046】
一実施形態において、音声システムは、受け部内部の手を通る平面に対して受け部の背面側に配置される。ある好適な実施形態においては、その平面は、親指以外の指/手のひらおよび親指の表面よりも下方の位置にあっても良い。
【0047】
聴覚的出力デバイスは、本発明の範囲を外れることなく様々に異なる形態において実現され得る。
【0048】
他の実施形態において、聴覚的出力デバイスはスピーカーの形態を持っても良い。
【0049】
さらに他の実施形態において、聴覚的出力デバイスは骨伝導デバイスの形態を持っても良い。骨伝導デバイスは、音が頭蓋骨を通って内耳へと伝導されることを促進するよう構成されたデバイスである。
【0050】
音声システムのスピーカーは親指と人差し指との間に配置されても良く、また、親指以外の指および親指の表面よりも上の位置に実質的に突出しないよう配置されても良い。
【0051】
一実施形態においては、ホワイトノイズは砕ける波の音であっても良い。
【0052】
他の実施形態においては、ホワイトノイズはトタン屋根上の雨音であっても良い。
【0053】
幾つかのさらに他の実施形態においては、ホワイトノイズは無線雑音から生成される音であっても良い。
【0054】
別の実施形態においては、ホワイトノイズは心臓拍動の音であっても良い。
【0055】
幾つかのさらに別の実施形態においては、ホワイトノイズは複数のホワイトノイズの選択肢から使用者によって選ばれたものであっても良い。
【0056】
幾つかの実施形態においては、音声は音楽作品の形態かまたは1つもしくは複数の音楽作品のサンプルの形態を持っても良い。幾つかの実施形態においては、音楽作品とはクラシック音楽、例えばモーツアルトによる作品であっても良い。
【0057】
音声システムは、様々に異なる形態において実現され得る。
【0058】
一実施形態においては、音声システムは、感熱スイッチであって、受け部内で熱を感知したときにシステムを活性化し、受け部内で熱を感知しないときにはシステムを不活性化させるスイッチを含んでも良い。
【0059】
幾つかの実施形態においては、音声システムは、プログラム可能な論理ユニット(PLU)を含んでも良い。
【0060】
音声システムは、幾つかの実施形態においては、増幅器を含んでも良い。
【0061】
一実施形態においては、音声システムは、Mp3プレーヤーまたは同様のものであっても良い。その一例はiPod(登録商標)である。そのような実施形態の幾つかにおいては、Mp3プレーヤーは組み込まれたスピーカーを含んでも良い。
【0062】
一実施形態においては、音声システムは、録音された音声を演奏するための適切なソフトウェアアプリケーションを有するスマートフォンであっても良い。例えば、スマートフォンはiPod(登録商標)アプリケーションと適切なホワイトノイズオーディオトラックを含むiPhone(登録商標)であっても良い。
【0063】
他の実施形態においては、音声システムは、単一の安全な可聴出力であって、一方では乳幼児を落ち着かせるのに効果的であり、他方では乳幼児の聴覚に対して損傷を与える危険性が全くない、という両方の必須条件に関して最適化された、可聴出力を発生させるよう構成されても良い。
【0064】
幾つかの実施形態においては、音声システムは、PLUに接続されたマイクロホンを含んでも良く、この場合、PLUは、マイクロホンによって受信された環境ノイズを分析し、かつ音声レベルを安全領域内に調整して、乳幼児がホワイトノイズを十分に感知できることを確実にする助けとなるよう構成される。幾つかのさらなる実施形態においては、PLUはまた、発生されるべきホワイトノイズの特定のタイプを、マイクロホンによって受信された環境ノイズを考慮して選択しても良い。
【0065】
受け部および/または水かき要素の音透過性材料は、毒性が無くかつ不快または焦燥感を引き起こさずに乳幼児の肌と接触するのに適切な材料である、公知の材料の任意の個数からなる材料であっても良い。
【0066】
理想的には、音透過性材料は洗濯可能であっても良く、または使い捨て材料である場合には、(容易にリサイクル可能な)紙ベースの材料または合成材料であっても良い。
【0067】
好適な実施形態においては、受け部はネオプレンで形成されても良い。
【0068】
受け部および/または水かき要素の材料は洗濯可能であっても良い。
【0069】
幾つかの実施形態においては、受け部および/または水かき要素は布で形成されても良い。そのような実施形態のいくつかにおいては、受け部は詰め物をさらに含んでも良い。一実施形態においては、そのような詰め物は発泡材であっても良い。
【0070】
幾つかの実施形態においては、受け部および/または水かき要素の厚みは、音の透過と乳幼児の頭部からの感触的フィードバックとを可能にするものでなければならない。例えば、受け部がネオプレンで形成されている場合には、受け部の厚さは一般的には略2mmであり、厚さ5mmを超えない。
【0071】
幾つかの好適な実施形態において、受け部および/または水かき要素は、音声システムを収容するポケットを含んでも良く、それにより、音声システムの取り外しが容易となって、受け部の洗濯が可能となる。ポケットはクッション層を含んでも良い。クッション層はまた、実質的に音透過性材料で形成され、および/またはその中を音が透過することを可能にするように構成されている。
【0072】
材料は、本発明の範囲から外れることなく、任意の個数の方法で、その中を音が透過することを可能にするように構成されても良い。例えばその材料は、1つまたは複数の孔または厚さが低減された領域を含んでも良い。
【0073】
幾つかの実施形態においては、受け部は、2個のスリーブであって、それぞれ親指と人差し指とを受け入れるよう構成されたスリーブの形態を持っても良く、このときそれらスリーブは少なくとも1つの水かき要素によって橋渡しされ、その水かき要素に対して音声システムが取り付けられる。
【0074】
幾つかの他の実施形態においては、装置は容易にリサイクル可能な材料の、1つまたは複数の使い捨て可能または交換可能な外部層を、その上に有していても良い。
【0075】
さらなる実施形態においては、受け部はその背面側に、1つまたは複数の補強要素であって使用者の手を正常な抱き位置に保持するよう構成された補強要素を含んでも良い。一般的には、正常な抱き位置とは、使用者の親指以外の指と手のひらと親指とが、実質的に開放された表面であってその上に乳幼児がその頭部を休息させられる表面を提供するような位置である。
【0076】
本発明の態様は、例示的に説明されただけであり、添付された特許請求の範囲から逸脱することなく修正および追加が加えられ得ることを理解されたい。
【0077】
[本発明の利点]
以上のように、実施形態は先行技術と比較して、以下を含み得る1つまたは複数の利点を持つことが可能である。
【0079】
装置は、乳幼児が抱かれているときに、乳幼児の頭部の支持および/または安楽性を妨げない。感触的なフィードバックが受け取られるという事実は重要である。なぜなら、それにより、親が乳幼児の頭部を過度に乱暴に扱っていないという安心感を親に与えるからである。もしこの感触的フィードバックが遮断された場合には、乱暴に扱う危険性がある。このような感触的なフィードバックにより、枕またはホワイトノイズを発生させる玩具を使用する場合と比較して、装置を使用中に乳幼児を落下させる危険性も低減できる。
【0080】
装置は容易に装着可能である。枕を使用している乳幼児に関連する窒息死の危険性を低減させることができる。
【0081】
装置は、大抵の状況において、また、ふだん乳幼児と接触している親または身近な家族以外の人々とともにいるときに、(ホワイトノイズ(または同様の音)を演奏しているときに音声システムを介して)乳幼児の心を和らげ、眠りに誘うことができる。従って、理想的な子守者用補助器を提供することになる。
【0082】
装置は容易に持ち運び可能であり、コンパクトであり、かつ外出して動き回っているときも、小児用ベッドまたは他のベッドを必要とせずに使用できる。
【0083】
他の利点は、スピーカーを乳幼児の耳にほぼ隣接して配置できることから、ホワイトノイズが乳幼児にとっては可聴である一方で、使用者または極近辺にいる他の人間にとっては非可聴であるという利点である。この利点は、枕の場合や音を発する玩具の場合など、音が乳幼児の耳とスピーカーとの間のいくらかの距離を伝わるのに十分な音量で放出されなければならない場合においては、得られないことである。