(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6019036
(24)【登録日】2016年10月7日
(45)【発行日】2016年11月2日
(54)【発明の名称】高粘度を有する流体のための多層化装置
(51)【国際特許分類】
B01F 5/00 20060101AFI20161020BHJP
B01F 3/10 20060101ALI20161020BHJP
B29C 47/06 20060101ALI20161020BHJP
B29L 9/00 20060101ALN20161020BHJP
【FI】
B01F5/00 D
B01F3/10
B29C47/06
B29L9:00
【請求項の数】15
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2013-548828(P2013-548828)
(86)(22)【出願日】2012年1月11日
(65)【公表番号】特表2014-504953(P2014-504953A)
(43)【公表日】2014年2月27日
(86)【国際出願番号】EP2012050375
(87)【国際公開番号】WO2012095457
(87)【国際公開日】20120719
【審査請求日】2015年1月5日
(31)【優先権主張番号】1150017-0
(32)【優先日】2011年1月12日
(33)【優先権主張国】SE
(73)【特許権者】
【識別番号】593205554
【氏名又は名称】テトラ・ラヴァル・ホールディングス・アンド・ファイナンス・ソシエテ・アノニム
【氏名又は名称原語表記】TETRA LAVAL HOLDINGS & FINANCE S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100064908
【弁理士】
【氏名又は名称】志賀 正武
(74)【代理人】
【識別番号】100089037
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邊 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】ペーター・ネーリンクス
(72)【発明者】
【氏名】スヴェン・ペーレン
【審査官】
鈴木 充
(56)【参考文献】
【文献】
特開2002−018256(JP,A)
【文献】
米国特許第04361407(US,A)
【文献】
国際公開第2010/099884(WO,A1)
【文献】
国際公開第2010/016448(WO,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2002/0021620(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01F 1/00−5/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
− 多層化された流動可能な材料の流れのための入口(102)と、
− 前記入口から通じる分配マニホルド(104)と、
− 前記分配マニホルドから延びる2より多い別個の分割流路(106)と、
− 前記分割流路から通じる再結合マニホルド(108)と、
− 前記再結合マニホルドの一端の出口(110)と
を備える多層化装置であって、
前記分配マニホルド(104)が、前記再結合マニホルド(108)と相対する関係に配置され、分配マニホルド及び再結合マニホルドがそれぞれ、前記分割流路の半径方向内側に配置され、前記分割流路が、前記流動可能な材料の意図される流れの方向に、前記分配マニホルドの長さに沿って分布する、多層化された構造を生成するための多層化装置。
【請求項2】
− 多層化された流動可能な材料の流れのための入口(102)と、
− 前記入口から通じる分配マニホルド(104)と、
− 前記分配マニホルドから延びる2より多い別個の分割流路(106)と、
− 前記分割流路から通じる再結合マニホルド(108)と、
− 前記再結合マニホルドの一端の出口(110)と
を備える多層化装置であって、
前記分配マニホルド(104)が、前記再結合マニホルド(108)と相対する関係に配置され、分配マニホルド及び再結合マニホルドがそれぞれ、前記分割流路の半径方向内側に配置され、前記分割流路が、前記流動可能な材料の意図される流れの方向に、前記再結合マニホルドの長さに沿って分布する、多層化された構造を生成するための多層化装置。
【請求項3】
多層化装置が全体的に湾曲した形状を有し、前記入口及び前記出口がそれぞれ、前記分割流路の内側に半径方向に配置される請求項1または2に記載の多層化装置。
【請求項4】
前記分配マニホルドが、前記流動可能な材料を半径方向外側に前記分割流路から前記再結合マニホルドまで案内するように配置され、各分割流路が、前記流動可能な材料を軸方向に前記分配マニホルドから前記再結合マニホルドまで案内するように配置され、前記再結合マニホルドが、前記流動可能な材料を半径方向内側に前記分割流路から前記出口まで案内するように配置される請求項1から3のいずれか一項に記載の多層化装置。
【請求項5】
前記多層化装置が、平面視で対称の関係に配置された2つの同一の半体部分を含み、それぞれの半体部分が、分配マニホルド、分割流路及び再結合マニホルドを備える請求項1から4のいずれか一項に記載の多層化装置。
【請求項6】
分割流路の数が、4〜20の間である請求項1から5のいずれか一項に記載の多層化装置。
【請求項7】
分割流路の数が、4、8、12、16または20である請求項6に記載の多層化装置。
【請求項8】
鏡像関係に配置された2つの同一の分配マニホルド、及び鏡像関係に配置された2つの同一の再結合マニホルドを備える請求項1から7のいずれか一項に記載の多層化装置。
【請求項9】
前記再結合マニホルドの形状が前記分配マニホルドの形状に対応している請求項1から8のいずれか一項に記載の多層化装置。
【請求項10】
前記再結合マニホルドの形状が前記分配マニホルドの形状に一致している請求項9に記載の多層化装置。
【請求項11】
複数の貫通開口部を有する少なくとも2種類のプレートの形を組み合わせて構成された請求項1から10のいずれか一項に記載の多層化装置。
【請求項12】
層の多層化が、前記再結合マニホルド、すなわち前記分割流路の下流で実施される請求項1から11のいずれか一項に記載の多層化装置。
【請求項13】
前記分割流路の各々が、直角に曲がっている請求項1から12のいずれか一項に記載の多層化装置。
【請求項14】
次々に重ねて配置された、請求項1から13のいずれか一項に記載の複数の多層化装置を含む多層化装置組立体。
【請求項15】
隣接する多層化装置を90°回転させる請求項14に記載の多層化装置組立体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高粘度流体のための多層化装置(layer multiplier)またはスタティックミキサに関する。本願の文脈において、「多層化装置」は、本発明の目的をより分かりやすく記述しているが、本発明のデバイスは、スタティックミキサとして用いることもできる。スタティックミキサは、流体を混合するために広く用いられる。
【背景技術】
【0002】
流れを混合して多層化する際の使用は、1つの処置において各ステップとして実施される、分割、引き伸ばし、折り畳み及び積み重ねから構成することができる。当業者は、この分野におけるこうした専門用語を十分承知しているが、それでもパイこね変換(baker's transformation)の状況において以下に簡単に説明する。パイこね変換では、2つの層、例えば黒い層と白い層を含む「生地」(以下では「流れ」)が、各色の複数の層を有する流れに変換される。流れを引き伸ばし、より薄い層を生じさせることができ、またそのより薄い流れを更に小さい複数の流れに分割し、その流れを引き伸ばして更に薄い層を形成し、その後、互いに折り畳むか、または切断して互いに積み重ねることができる。引き伸ばされた流れが黒い底部層及び白い頂部層を含む場合を考えると、折り畳むステップによって、同じ色の最外層及び同じ色の最内層を有する4層構造(黒−白−白−黒または白−黒−黒−白)が生じ、一方、切断して積み重ねるステップによって、隣接する層が異なる色を有する4層構造(黒−白−黒−白、逆もまた同様である)が生じることになる。従って、切断して積み重ねることは、混合の観点においてより効率的であると考えられ、また(理想的な状況では、この特定の流れに対して)均等な厚さの層をもたらす。前述のステップは、任意の好ましい順序で実施することができる。「多層化装置」または「スタティックミキサ」は、同一のデバイスとすることができ、使用される用語は、その特定の場合に意図される用途によって決まる。
例えば特許文献3及び特許文献4は、異なるバージョンのスタティックミキサを開示しており、これらはミキサとしての機能は十分に果たすが、多層化装置として用いるには適切ではない。
【0003】
実際的な場合において、多層化のプロセスは一般に、材料がダイス要素を通る複雑な経路をたどるようにすることによって、押出成形機構の一部として実施することができる。一例が特許文献1に示されている。特許文献1には、流路を通して案内される3層の流れが、中央に沿って、流れの方向に対して平行に且つ層に対して直角にどのように分割されるか(切断)が記載されている。2つの流路のそれぞれの断面は、元の高さの半分に達するまで下方または上方へ向かう、(一方の流路に対する)頂部の斜面または(他方の流路に対する)底部の斜面を有することによって、半分に減少させる(引き伸ばし)。次のステップでは、2つの流路のそれぞれが完全に元の幅になり、2つの流れが再結合される(積み重ね)。処置は、ダイス要素によって、また層の数を増やすことが可能なモジュール構成のダイス要素を用いることによって実施される。前述の解決策では、層の数がダイス要素ごとに倍になるが、それは多層化装置では典型的である。当業者には、流れを2つより多い流れに分割することによって倍率(multiplying factor)を増やすことが可能であることが理解されるが、当業者には更に、構成上の要素の複雑さが著しく増すことも理解される。より複雑な構成の一例が、特許文献2に開示されている。ダイス要素は、複数の趣旨でモジュール構成を有することがしばしばである。個々のダイス要素は、いくつかのモジュール、例えば分割モジュール、引き伸ばしモジュール、再結合モジュールから構成することができる。1つの理由は、これにより、複雑なダイス要素を、構成(機械加工)するのを比較的容易にすることができる単純な基礎要素から構成することが可能になることである場合がある。ダイス要素は、直接的に、または間に配置された結合要素を用いて、互いに接続することができるという点においてモジュール式でもある。こうして、最終使用者は、ダイス要素の特性の制約の範囲内で、行われる混合(または層の
多層化)の量を選択することができる。
【0004】
効率は層生成における1つのファクタであり、圧力消費はもう1つのファクタである。圧力消費とは、多層化装置全体にわたる圧力低下を表し、大体において、形状が複雑であるほど圧力消費が高くなり、その結果、電力消費が増加し、剪断応力が高まると推定される。この問題に関する意味のある数値は、結果として生じる多層構造における1層あたりの圧力消費である。また滞留時間(residence time)、すなわちポリマーが多層化装置の内部にある間の時間が重要なものになる場合もある。滞留時間が長くなると、ポリマーの分解等望ましくないプロセスが生じる可能性がある。
【0005】
2、3〜2、3百の層を含む多層構造については、これまでに例示した既存の技術が適切であることが立証されている。個々の層の厚さが結晶のサイズ領域に近い多層構造を効率的に製造するには、まだ改善の余地がある。本発明は、こうした問題に対処する改善された多層化装置を提供することを目指している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許第7255928号明細書
【特許文献2】欧州特許出願公開第0492890号明細書
【特許文献3】米国特許第4087862号明細書
【特許文献4】米国特許出願公開第2003/165081号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、ポリマー溶融物等の高粘度流体のための多層化装置に関する。本発明による多層化装置は請求項1
及び請求項2によって定められ、好ましい実施形態は従属請求項によって定められる。多層化装置組立体は、請求項
14に定められる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
このために、本発明の多層化装置またはスタティックミキサは、多層化された流動可能な材料の流れのための入口と、入口から通じる分配マニホルド(distribution manifold)と、分配マニホルドから延びるいくつか(>2)の別個の分割流路と、分割流路から通じる再結合マニホルド(recombination manifold)と、再結合マニホルドの一端の出口とを備える。2つのマニホルドが互いに向き合い、再結合マニホルドを、分配マニホルド内の多層化された流動可能な材料の隣接する層の間の境界面に垂直な方向に変化させるという意味において、分配マニホルドは、再結合マニホルドと相対する関係に配置される。
【0009】
本発明の特徴を組み合わせることによって、分配マニホルドが再結合マニホルドの上に(または下に)折り畳まれた、頑丈で信頼性のある多層化装置が提供される。この解決策によって、層生成において効率的であると同時に、任意の寸法の適度な拡張部分を有する多層化装置が可能になる。以下の詳細な記述から明らかになるように、この多層化装置は、(同等の性能の多層化装置の場合)周知の多層化装置より大きい直径を有することがあるが、長さがかなり短くなる。従って、本発明は、多層化装置に従来技術よりコンパクトな設計をもたらす。多層化された流動可能な材料は、第1の増加ステップに入るとき、2つの層のみで構成されてもよいが、第1のステップでより多数の層が存在してもよく、既に次のステップでは、層の数が著しく増加している。
【0010】
1つまたは複数の実施形態では、分割流路を、流動可能な材料の意図される流れの方向に連続した形で、分配マニホルドの長さに沿って分布させることができる。分割流路(より正しく言えば、その入口)を分配マニホルドの長さに沿って分布させるという特徴によって、多層化装置を通る予測可能な安定した流れが可能になり、また空間効率のよい解決策も可能になる。
【0011】
1つまたは複数の実施形態では、分割流路を、流動可能な材料の意図される流れの方向に連続した形で、再結合マニホルドの長さに沿って分布させることもできる。これにより、分配マニホルドの対応する特徴と同じ利点がもたらされる。これらの特徴を組み合わせることによって、多層化装置を通る実現可能な流れの経路それぞれの経路長を確かめること、及びこれらを等しくすることが容易になる。他のパラメータは、多層化装置のモジュール構成を簡単にするものである。
【0012】
1つまたは複数の実施形態では、分割流路を、入口に対して分配
マニホルドの遠い端部に沿って分布させる。この特徴を含む実施形態において、流れは、分割流路のそれぞれに至るまっすぐな経路をたどることができる。この解決策は空間効率がよく、多層化装置の形状を単純にすることを可能にする。この解決策を大局的にとらえると、これまでの実施形態は、分配マニホルドが流路の形を有することができ、それに沿って分割流路が、溶融物が分配マニホルドを通り、途中で次々と分割流路に達することができるように連続して配置される解決策を提供する。しかしながら、この実施形態の場合、分割流路は基本的に、入口から遠い壁に湾曲した経路に沿って平行に配置される。湾曲した経路は、分割流路の選択に関係なく、好ましくは多層化装置の入口から出口までの流れの経路の長さが本質的に等しくなるように配置されるべきである。完全対称の場合には、(溶融物が)すべての流路に同時に達することができるが、これは、入口と分割流路のいくつかの間の流れの経路が等距離になり得る場合でも、示された実施形態には当てはまらない。記載するいくつかの実施形態では、再結合
マニホルドに同じレイアウトが用いられる。再結合
マニホルドの実施形態をより適切に理解するために、これまでの記述において「入口」を「出口」で置き換えることができる。
【0013】
1つまたはいくつかの実施形態では、3、4、5、6、7、8、9、10または10超等、>2の別個の分割流路が、各分配マニホルドと対応する再結合マニホルドの間に延びる。1つまたはいくつかの実施形態では、分配マニホルド/再結合マニホルドの対ごとに4〜8の分割流路が存在する。
【0014】
1つまたはいくつかの実施形態では、多層化装置は全体的に湾曲した形状を有し、入口及び出口はそれぞれ、分割流路の内側に半径方向に配置される。この配置は、より多数の分割流路を多層化装置の外周に沿って配置することができる点において、また中央の利用可能な空間を入口または出口に利用することができる点において、空間効率がよい。それによって、いくつかの多層化装置を無理のない形で次々に積み重ねることも容易になる。
【0015】
1つまたは複数の実施形態について、多層化装置が180°の関係に配置された2つの同一の半体を含み、それぞれの半体が、分配
マニホルド、分割流路及び再結合
マニホルドを備えると有利であることが立証されている。2つの同一の半体を使用すると、基本的には多層化装置を通る流れの経路に対する平均の経路長を半分に切ることになる。これによって滞留時間が短縮され、圧力低下が軽減される。半体のそれぞれからの出力は、多層化された構造が連続した増加ステップに入る前に、結合される(積み重ねられる)ことが好ましい。
【0016】
前述または後述の実施形態の任意のものにおいて、再結合
マニホルドの形状は分配
マニホルドの形状に対応し、それらの形状が一致するようにすることが好ましい。これによって、多層化装置の予測可能な挙動がもたらされ、システムの釣合いを保つことが容易になる。その特徴は、明らかに製造の観点からの利点も有する。1つまたは複数の実施形態において、分割流路の総数は、先ほど言及した実施形態の分配流路ごとに、2、4、6、8または10を含む、4、8、12、16または20等2〜20に相当する。
【0017】
本発明はまた、次々に重ねて配置された、前述または後述の任意の実施形態の複数の多層化装置を含み、任意選択でそれらの間に結合要素を備える多層化装置組立体に関する。いくつかの実施形態において、組立体内の隣接する多層化装置は、90°回転させることが可能であり、それによって、組立体で処理される多層構造の向きに関して結合が容易になる。
【0018】
本発明はまた、その任意の実施形態による本発明のデバイスを用いた、多層ポリマー構造を製造するための方法に関することがある。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】
創作的な多層化装置への進化の過程における第1の多層化装置の概略的な斜視図である。
【
図2】
図1の多層化装置の展開された斜視図である。
【
図3a】
創作的な多層化装置への進化の過程における第2の多層化装置の上からの概略的な斜視図である。
【
図3b】
創作的な多層化装置への進化の過程における第2の多層化装置の上からの概略的な斜視図である。
【
図3c】
創作的な多層化装置への進化の過程における第2の多層化装置の上からの概略的な斜視図である。
【
図4a】本発明の第3の実施形態による多層化装置の上からの斜視図である。
【
図4b】本発明の第3の実施形態による多層化装置の、多層化装置の頂部が除かれた上からの斜視図である。
【
図5a】本発明の第4の実施形態による多層化装置を示す図である。
【
図5b】本発明の第4の実施形態による多層化装置を示す図である。
【
図6a】本発明の第5の実施形態による多層化装置を示す図である。
【
図6b】本発明の第5の実施形態による多層化装置を示す図である。
【
図6c】第5の実施形態の多層化装置を結合するために用いること、及び多層化装置に組み込むこと、または別個の部分として供給することが可能な結合要素を示す図である。
【
図7】本発明の一実施形態の多層化装置を形成するために使用される、プレート要素を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
次に、
いくつかの実施形態について、添付図面を参照しながら説明する。殆どの図面の形状はかなり複雑であり、そのために、また読み手の便宜のために理解を容易にする目的で、それらの図面に架空の混合プロセスが示してある。架空の混合プロセスは、黒い化合物及び白い化合物を含み、図面のいくつか(
図2、
図3及び
図4)には代表的な断面が示され、他の図面(
図5及び
図6)には、その代わりに流れが示される。
【0021】
図1は、
第1の実施形態による多層化装置100を示している。現在のところ好ましい使用ではポリマー融解物である流体は、頂部の入口102からミキサに入り、その後、分配マニホルドを形成する湾曲した流路104を通って流れ、その間に分かれて、分配マニホルド104の長さに沿って分布させた分割流路106に入る。参照番号がすべての分割流路106に示されていないことに留意されたい。この実施形態では、8つの分割流路106が存在し、従って、8つの平行な流れを生成する。この8つの流れは、第1のもの104より大きい半径を有する第2の湾曲した流路、すなわち再結合マニホルド108の中での再結合が可能になるように下方へ向けられる。再結合マニホルドでは、分割された流れがマニホルド108の長さに沿って順次再結合される。この形状は、出口110(
図2参照)を出る前に元の2層から16層を生成する、1つの混合要素を構成する。ミキサを完成させるために同じ要素を下に加え、そのたびに層の数を8倍増やすことができる。実際的な例では、2つの層は、分配マニホルド104を通過するときに水平な面に沿って分離され、それによって、流れが再結合マニホルドで再結合されるときに適切な積み重ねが得られる。そのレイアウトから、複数の多層化装置100の積み重ねが容易に実現可能であることが明らかである。以下で参照する
図2は、この実施形態の理解を容易にするために示されるものであり、同じ理由のために同じ参照番号が使用されている。
【0022】
図2は、
図1の準平行のミキサの展開図を示しており、図では、流体が、2つの(または更に多い)層の間に水平な境界を有する頂部の右側角部102に入り、次に流体が分配マニホルド104から、外側次いで下方へ流れるように方向付ける複数の平行な流路106に分割され、下方の流れでは、下側の流路108が流れを再結合する。入口から各分割流路までの流れの長さが等しくなく、且つ分割流路から出口までの流れの長さが等しくないことを考えれば、この混合または多層化の動作は、準平行としか表現することができない。展開された直線状の場合、生じ得る入口から出口までの平行な流れの長さはすべて全長が同じになり、従って、少なくとも一旦、変動のない流れの状態に達すれば、十分に潤滑された境界(完全な壁の滑り)の理想的なケースでは、結果として生じる層の分布は均一になり、筋の厚さは同じになる。
図1の実際的な場合では、分配マニホルド104及び再結合マニホルド108が異なる半径で配置されるため、これは当てはまらない。
【0023】
図1の多層化装置において、流体は頂部を介して入り、頂部の湾曲した流路104を介して下方への平行な流路106の中に案内され、下側の湾曲した流路108の中で再結合される。
図1から、流体が最後の平行な流路及び出口110に達する前に、完全に360°にわたって流れなければならないことが明らかである。長い経路長は、原則として滞留時間を長くするため、状況によっては好ましくないことがある。この経路長は、
図3a〜
図3cに示すように、入口の流れを境界に垂直な2つの部分に分割することによって短縮することが可能であり、そのためにそれらの向きを乱すことはない。
【0024】
この場合、流れは、中央でミキサに入ると2つに分割される(
図3a)。次に、これまでの実施形態の場合のように、流れはそれぞれ、分配マニホルド304の長さに沿って配置された5つの分割流路306に分割される。再結合プロセスをより適切に示すために、
図3bでは多層化装置の頂部を除いてある。従って、この多層化装置の動作する半体はそれぞれ、2層構造から10層構造を形成し、出口では、
図3cに見られるように、2つの別個の流れが結合されるが、
図3cには、同じ設計の連続する多層化装置の要素に入る準備として、流れがどのように分割されるかも示されている。この多層化装置は、合計n個の要素からなり、2*10
nの層が得られるミキサの1つの要素を形成することができる。このギア比は、周知の多層化装置をはるかに上回ると同時に、依然としてあまり複雑ではない形状を維持している。
【0025】
流体が異なる平行な経路を選ぶことができる場合には、最低の抵抗を有するものを選択するのが基本的な規則である。従って、層の厚さ分布における均一性を得るには、多層化装置内の平行な流れの経路すべてが同じ長さを有することが重要であるが、それは
図3の実施形態には明らかに当てはまらず、例えばこれは、(最も上流の)最初の分割流路における流体の分岐に対する流れの経路を、(最も下流の)最後の分割流路における流体の分岐に対する流れの経路と比較することによって明らかになり、その基本的な理由は、頂部の湾曲した流路、すなわち分配マニホルド304が、下側の湾曲した流路、すなわち再結合マニホルド308より小さい半径に従うことにある。
【0026】
図4の実施形態では、分配マニホルド404及び再結合マニホルド408が同じ直径を与えられ、従って、釣合いのとれたミキサまたは多層化装置400をもたらす。しかしながら、要素の底部の収集用の湾曲した流路(再結合マニホルド)をより小さい直径に変えると、分割流路406の間にかなりの量の未使用空間が生じ、それは
図4から推定することができる。この問題に対する1つの解決策が、
図5に示す実施形態に示される。
図5に示すように、分割流路506を、要素の頂部または底部の平面内(すなわち、分配マニホルドの平面内または再結合マニホルドの平面内)で交互に回転させることによって、隣接する分割流路506、506’に相補的な形を与えることができる。再び
図4を参照すると、ここでは流体は、ミキサの要素の1つの半体を通って移動する際に以下の履歴を受ける、すなわち、
(i)流れが(要素の入口で)2つの流れに分割される、
(ii)それぞれの流れが上側の湾曲した流路に入った後、5つの平行な流れに分割される、
(iii)それぞれの平行な流れが下方に向けられる、
(iv)すべての平行な流れが、下側の湾曲した流路内で単一の流れに再結合する(積み重ねられる)、
(v)2つの流れが(要素の出口で)再結合し、任意の下流の要素に導かれる。
【0027】
空間効率のよい方法でステップ(iii)を実施するために、分割流路が交互に、2つの経路、すなわち、(1)流路506の場合、半径方向、直交方向、接線方向、半径方向、(2)流路506’の場合、半径方向、接線方向、直交方向、半径方向の1つに従い、それは
図5a及び
図5bに分かりやすい形で見ることができる。多層化装置の半体ごとの6つの分割流路によって、n個の要素では合計2*12
nの層がもたらされる。
明細書及び他の図面から明らかなように、分割流路の各々は、直角に(半径方向から直交方向、接線方向から半径方向に、等々)曲がっていることが好ましい。これにより、結果として得られる多層化構造における層の向きを十分に制御することが可能になる。
【0028】
この設計の結果は、かなり有望である。ここでは、流れを維持するのに必要な圧力消費を低減するためにすべての経路長を短くすることにより、ミキサの断面における不要な未使用空間を減らす点において改善が計られている。これまでの記述を思い出すと、
図1の多層化装置では、流体は、要素の頂部で中心から湾曲した流路の形の円形経路へ流れなければならず、要素では、流体が分割され、回転され、要素の底部で流体がそこから流れて中心へ戻る第2の円形経路をたどる別の湾曲した流路の中で再結合されるが、
図3〜
図5の多層化装置では、この経路長が基本的に半分に切断される。
【0029】
やはりこれは、進むのに圧力を消費する経路であり、
図6の実施形態では、流体が中心から直接、異なる平行な分割流路606へ流れることが可能になる。入口602から外側のリムにおける平行な分割流路606までの経路長は、流路ごとに異なる可能性がある。特にかなり左の流路とかなり右の流路では、経路長が大きく異なる。しかしながら、同じ要素の底部では反対のことが当てはまり、現在、この流路が中央の出口までの最短距離を有する。
図6bを参照されたい。従って、互いに比較しなければならない経路長の唯一の違いは、外側の平行な流路における流れの全長と中央の平行な流路における流れの全長の違いである。円形形状ではなく楕円形状に基づくわずかに偏心した設計は、この問題に対する実施可能な解決策を提供する。従って、
図6は、流体が中心の入口602から平行な分割流路606へ直接流れる、コンパクトな多層化装置の完全に平行な設計を示している。
【0030】
異なる混合要素間の結合には、わずかながらより複雑な構造が必要であり、それについて
図6cを参照して説明する。この要素の第1の層(1)は、2つの流れを第2の層(2)で結合することを可能にするために、底部のミキサ要素の流出が垂直にどのように方向付けられるかを示している。層(3)は、流路の高さを増すことによって、次の(回転させた)多層化装置で2つの流れを分割する準備を始め、一方、層(4)は流路の幅を減少させる。層(5)は、
図6aの多層化装置の頂部を90°回転させたものである。注意深く読むと、
図6cの黒い流体と白い流体の筋の数は架空であり、この結合要素の通過中の境界の向きを示すのに都合がよいだけであることに気付くであろう。半径方向の流れ(半径方向の流出に半径方向の流入が続く)、及び層間の境界の連続的な引き伸ばしの使用によって、流れの安定化が容易になる。
【0031】
本発明について開示される図面はすべて、デバイス自体の外側境界ではなく、溶融物に対して利用可能な空間を示している。マニホルド及び流路のシステムは、均質な一片の材料から機械加工することが可能であり、また図面から、適切なパターンに従って3つの材料プレートに機械加工することにより、その3つのプレートを組み立てることによって多層化装置を形成することが可能であることが明らかである。分配マニホルド及び再結合マニホルドが同一である実施形態の場合、2つのタイプのプレートしか必要としない。追加のプレートは結合要素を形成することができ、すべてのプレートを組み立てることによって、頑丈で信頼性のある多層化装置組立体を形成することが可能であり、それにより、現在の多層化装置またはスタティックミキサと比べて、長さあたりの高い増倍率(multiplication factor)がもたらされる。これを
図7に更に示すが、
図7におけるプレートまたは要素は、本発明の第4の実施形態に従って多層化装置(または多層化装置組立体)を形成するためのものである。
図7には4つの異なる要素が示され、それらは
図6と共に検討するとより適切に理解される。図面は詳細な計画の再現を示すものではないことが強調されるべきであり、単なる例示的なものと理解すべきである。白い空間は貫通開口部を表し、各角部の白い円は、複数のプレートを組み立てるときに使用される穴である。すべてのプレートの穴は、ねじ手段または他のクランプ手段を生成された貫通開口部内に配置することができるように整列する。各プレートは、図面では見えない、マニホルド/流路等の高さに対応する寸法の拡張部分を有する。
図7a及び
図7bのプレートは、別個の多層化装置の間の結合を形成するために用いられる。
図7cによる2つのプレート(その一方は
図7cの視野と比べて裏返しにされる)の間に
図7dのプレートを挟むことによって、多層化装置が形成されるが、多層化装置の主要な動作部を形成するために、2つ(
図7bの要素が含まれる場合には3つ)のタイプのプレートしか必要としないことを意味している。この構成を用いるときには、対称性のために、好ましくは多層化装置の横向きの各半体について分割流路を偶数にすべきことが明らかである。
図6及び
図7の実施形態では、数は6つであり、更に他の実施形態は、半体ごとに2、4、8または10の分割流路の使用を包含するが、他の数も可能である。本発明の概念は、本質的に特定の数の流路に限定されないため、提案される数の分割流路をこれらの特定の例によって限定すべきではない。
【0032】
プレートまたは要素は、均質なプレート、成形されたプレートから、または任意の他の適切な方法で機械加工することができる。使用する材料は、用途(すなわち、多層化装置で処理される材料の特性)よって変えることができる。我々は、当業者に明らかになる材料の選択が、本発明の開示及び処理される材料に関係のあるパラメータによって提示されたと考えている。
【0033】
すべての実施形態に共通する特徴は、分配マニホルドが、流動可能な材料を半径方向外側に分割流路から出口まで案内するように配置されること、各分割流路が、流動可能な材料を分配マニホルドから再結合マニホルドまで、概して(半径方向に直交する)軸方向に案内するように配置されること、及び再結合マニホルドが、流動可能な材料を半径方向内側に分割流路から出口まで案内するように配置されることである。分割流路は、流動可能な材料を(前述の直交方向に対応する)軸方向に案内するだけではなく、更に分配
マニホルド及び再結合
マニホルドの特徴との組み合わせにおけるこうした特徴により、デバイスが占有する容積の使用に関して、多層化装置が優れた容積効率を有すること、また多層化装置がデバイスの軸長あたりの適切な増倍率を提供することが可能であることが保証される。
【0034】
試験及び結果
新しいミキサの設計の特性を評価するために、その性能を2つの他のもの、すなわち基準としてのKenicsミキサ及びDentIncxミキサと比較する。これらのミキサの詳細な情報は、例えばインターネットによって入手可能であり、それらは関連する従来技術に該当しないため、ここでは詳しく論じない。本発明の実施形態のミキサは、PeelIncxミキサと呼ぶ。同じ混合特性(筋の数)を得るために、圧力低下を基準として用いながら、形状が同じ全容積、流路の断面または長さを有するように適合される。混合特性は、混合動作の間に形成される層の数及び均一性に関係する。これら3つのミキサの間で、同数の50万層の生成において示される同じ混合特性について比較を行った。ミキサの入口における2層から始め、要素の数がn個である場合、形成される層の数及び50万層を生成するのに必要な要素の数は、以下に等しくなる。
【0036】
基準の形状は、4mmの流路幅(及び高さ)、40mmの外径、12の分割流路及び22mmの要素の厚さを有するPeelIncxミキサであり、続いてそれを、基準として圧力低下を用いて、同じ容積、同じ流路の高さ及び同じ長さを有するミキサと比較する。計算は、Moldflowパッケージを用いて実施した。同じ40ccの全混合容積を有するミキサから開始する。PeelIncxの場合、前記の表から5個の要素、従って110mmの全長を必要とする。DentIncxミキサの幾何学的なスケーリングは以下の通りである、すなわち、正方形の入口流路の高さ及び幅をaとし、その場合、ミキサの全高は2a、全幅は4a、要素1個あたりの長さは7aになる。9個の要素が必要である場合、40ccの全容積では大体a=5mmであることが分かる。最後に、Kenicsミキサの場合には18個の要素が必要であり、要素1個あたりのL/Dは1.5、従ってL=18*1.5D=27Dであり、容積はπD
2/4xL=40,000mm
3に等しく、それらを組み合わせると、この40ccのミキサでは(大体)D=12.5mmになる。ミキサを通る流れを維持するのに必要な圧力低下は、Kenics及びPeelIncxが同等であり、DentIncxはかなり効率が低いことを示している。
【0038】
PeelIncxの圧力消費の約80%が移行要素(結合要素)で行われることに留意すべきである。流路を局所的に大きくすることが、この問題の一部を解決する条件である。これがPeelIncx(lp)のバージョンによって示され、そのバージョンでは、移行領域で局所的に、流路の幅及び高さが4mmから6mmに増やされ、そこでの全体的な圧力低下を小さくする(添え字lpは低圧力(low pressure))。[表2]の一番下の行を参照されたい。最終的には、どちらのPeelIncxの設計でも、他のもののわずか1/3の長さを用いて混合の成果が得られると判断される。従って、新しい設計では、小さい圧力低下のみを用いたエネルギー効率のよい混合がコンパクトさと組み合わされる。
【0039】
次に、流路の寸法を一定とし、基準として4mmを選択する。明らかに、PeelIncxの圧力低下が最も小さく、従って最もエネルギー効率が高いが、容積は最も大きい。以下の[表3]を参照されたい。
【0041】
最後に、混合に利用可能な一定の長さ、この例では110mmの場合を考える。やはり、圧力低下を考えれば、PeelIncxが最も低いエネルギー消費を示すが、この場合、必要とする容積は、きわめて同等である他のどちらと比べても1桁以上大きい。[表4]を参照されたい。
【0043】
もちろん、PeelIncxミキサに使用される容積は、直接その外径Dによって決まる。供給流路の断面積a
2を一定に保ち、分割流路の断面積を供給流路と同じに、従って、やはりa
2にすると、ミキサの直径Dの増大によって、その外周に配置することが可能な分割流路の数が増加する。どの分割流路もその幅の3倍の空間を必要とすると理解すると、分割流路の数、従って各要素で生成される層の数は、πD/3a(大体D/aになる)によって概算される。従って、所望の数の層を生成するのに必要な要素の数は、Dの増大に伴って減少する。圧力低下も直径の増大に伴って減少し、ミキサの容積を増加させながら、標準的な形状における圧力とスループットの関係(pressure throughput relation)のスケーリング変数(scaling argument)に基づいて計算することができる。もちろん、反対のことも当てはまる。従って、容積が大きすぎる欠点は、まさにミキサの外径Dを減少させることによって解決することができるが、圧力消費として表現されるエネルギーの使用という犠牲を払う。
【0044】
結論
コンパクトなミキサが、動作の複数への分割及び再結合に基づく作動原理を用いて設計、製造及び最適化された。その作動効率が、2つの他のスタティックミキサ、すなわち、圧力低下が小さければ(同じ寸法の空のパイプより約5.5倍大きい)エネルギー消費が小さいことがよく知られているが、長さが長いことも特徴である標準的なKenicsミキサ、並びに製造が容易であることが特徴である、最近の最適化された分割式の蛇行したミキサであるDentIncxミキサの作動効率と比較される。ミキサの容積が同じ場合、新しいミキサPeelIncxとKenicsは同じ小さい圧力低下を示すが、新しい設計は、1/3の長さしか使用しないことが見出された。(圧力の80%が消費される)結合要素において流路のサイズを局所的に増大させると、新しいミキサのエネルギー消費がある程度容易に改善される。流路の幅及び高さに関して、同じ特徴的な主流路の寸法を有するミキサについて性能を比較すると、新しいミキサは、圧力消費及びコンパクトさの点で2つの他のミキサよりも性能が優れている。
【0045】
同様に、混合に利用可能な規定の全長が与えられたとすると、同じ長さのミキサを比較した場合、PeelIncxは、Kenicsの1/3、DentIncxの1/9の圧力を使用する。しかしながら、これは、この場合には容積が他のミキサのいずれの容積より30倍大きくなるという犠牲を払って成り立つ。長さを一定に保ちながらミキサの容積を減らすことは、それによって流れを維持するのに必要な圧力が著しく且つ直線的に高まり、従って、その利点が失われるため、現実的な選択肢ではない。しかし、結合要素内の短い流路を局所的に増大させることによって、圧力消費を低減することが可能になり、同じ圧力低下でより小さい容積が達成される。
【0046】
この多層化装置を用いて実施することが可能なポリマーの結合の例には、それだけに限らないが、LDPE/mPE、LDPE/MDPE、LDPE(狭いMWD)/LDPE(広いMWD)、LDPE/PP、LDPE/EVOH、LDPE/LCP、及びLDPE/ポリオレフィン−エラストマーが含まれる。多層構造における層の数を増加させることにはいくつかの利点があり、1つは、単一の層における欠陥が多増構造の全体的な特性に及ぼす影響が小さくなることである。
【0047】
当業者には、実施形態が、限定的なものとみなすべきではない特定の例にすぎないことが理解される。当業者には、特許請求の範囲に用いられる参照番号の目的は理解を容易にすることであり、決してそれらを限定的なものとみなすべきではないことも理解される。
【0048】
すべての図面において、2つの成分(1つは黒、1つは白)しか存在せず、各層は等しい厚さのものである。当業者には、より多数の成分を使用することが可能であること、及び層は同じ厚さのものである必要がないことが理解される。
【符号の説明】
【0049】
100 多層化装置
102 入口
104 分配マニホルド
106 分割流路
108 再結合マニホルド
110 出口
304 分配マニホルド
306 分割流路
308 再結合マニホルド
404 分配マニホルド
406 分割流路
408 再結合マニホルド
506、506’ 分割流路
602 入口
606 分割流路