(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、タイヤバルブ101がバルブステム102の軸方向他端に向けて移動しようとしたとき、弾性体103は、リム105との当接によって弾性変形し、タイヤバルブ101が移動してしまうおそれがある。また、弾性体103が設けられていない場合には、タイヤバルブ101の移動を規制することができない。
【0006】
本発明は、このような従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、タイヤバルブにおけるバルブステムの軸方向に沿う両方向への移動を規制することができるタイヤバルブユニットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するタイヤバルブユニットは、バルブステムを備えるとともに、車両用ホイールのリムに装着されるタイヤバルブと、前記車両用ホイールに装着されたタイヤ内に配置されるとともに、前記タイヤの状態を検出するセンサユニットと、を一体化してなるタイヤバルブユニットであって、前記センサユニットは、センサが収容されるハウジングを備え、前記ハウジングは、互いに間隔をあけて外面から突出する一対の壁部を有するとともに、前記壁部のそれぞれが有する挿通孔に前記バルブステムが挿通され、前記バルブステムは、前記一対の壁部の間に位置する外周面に溝部又は貫通孔を有し、前記一対の壁部の間に挿入されたストッパを備え、該ストッパは、前記溝部又は貫通孔に嵌合された嵌合部と、前記ハウジングに取着された取着部とを有することを要旨とする。
【0008】
これによれば、ストッパは、取着部によってハウジングに取着されることで一対の壁部の間からの抜け出しが規制されるとともに、壁部の間に設けられることでバルブステムの軸方向に沿った方向への移動が規制されている。そして、移動の規制されたストッパの嵌合部がバルブステムの溝部又は貫通孔に嵌合されていることで、タイヤバルブがバルブステムの軸方向に沿う方向のいずれの方向に移動しようとしてもその移動が規制される。
【0009】
上記タイヤバルブユニットについて、前記ハウジングは、第1の係止部を有し、前記取着部は、前記第1の係止部と係止する第2の係止部を有することが好ましい。
これによれば、第1の係止部と第2の係止部とが係止することでストッパをハウジングに取着できるため、ストッパの取着を容易に行うことができる。
【0010】
上記タイヤバルブユニットについて、前記ハウジングの外面には、前記バルブステムの軸方向に沿う方向に延びる当接壁が設けられ、前記ストッパは、前記当接壁における前記バルブステムの軸方向に沿う方向の端面に当接する当接部を有することが好ましい。
【0011】
これによれば、タイヤバルブがバスブステムの軸方向に沿う方向に移動しようとすると、ストッパの当接部は、当接壁におけるバルブステムの軸方向に沿う方向の端面に当接する。このため、ストッパは、壁部だけでなく、当接壁とも当接するため、タイヤバルブがバルブステムの軸方向に沿う方向に移動することがより規制される。
【0012】
上記タイヤバルブユニットについて、前記挿通孔は円形状であることが好ましい。
これによれば、挿通孔にバルブステムを挿通しやすい。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、タイヤバルブにおけるバルブステムの軸方向に沿う両方向への移動を規制することができる。
【発明を実施するための形態】
【0015】
(第1の実施形態)
以下、タイヤバルブユニットを具体化した第1の実施形態について説明する。
図1に示すように、タイヤバルブユニット10は、車両用ホイールHのリム11に装着されるタイヤバルブ20と、このタイヤバルブ20に一体化されるとともに、車両用ホイールHに装着されたタイヤ12内に配置されるセンサユニット30とから構成されている。
【0016】
図2に示すように、タイヤバルブ20は、金属材料により筒状に形成されるバルブステム21の外周面にゴム製の胴体部22が装着されて形成されている。また、バルブステム21内には導入路(図示せず)が形成されている。タイヤバルブ20において、胴体部22のセンサユニット30側の外周面には装着溝24が胴体部22の全周に亘って凹設されている。バルブステム21の先端側にはバルブ機構(図示せず)が内蔵されるとともに、バルブステム21の先端にはキャップ26が装着されている。
【0017】
図3に示すように、タイヤバルブ20において、バルブステム21の一部は、胴体部22より突出するとともに、この突出部27の外周面には、全周に亘って溝部28が形成されている。
【0018】
次に、センサユニット30について説明する。
図2及び
図3に示すように、センサユニット30のハウジング31は、樹脂材料や金属材料により形成されるとともに、ハウジング31内にはタイヤ12の状態(例えば、タイヤ12内の温度や圧力)を検出するセンサ32が収容されている。更に、ハウジング31内には、種々の電子部品やバッテリ、アンテナ等から構成され、検出したタイヤ12の状態を受信機に送信するための送信機などが収容されている。
【0019】
ハウジング31の外面には、ハウジング31の縁からハウジング31の奥に向かうに従い上り傾斜する傾斜面33が設けられている。傾斜面33には、傾斜面33の傾斜方向に並んで一対の壁部41が間隔を空けて立設されるとともに、両壁部41には、壁部41の厚み方向に貫通する円形状の挿通孔42が形成されている。一対の壁部41の対向する内面の間の寸法は、溝部28におけるバルブステム21の軸方向に沿う寸法と同一である。挿通孔42の直径は、突出部27における溝部28とは異なる部分の外径よりも若干大きい。
【0020】
傾斜面33上には、一対の連結壁43が立設されている。各連結壁43は、板状であり、一対の壁部41間で延びている。一対の連結壁43は、傾斜面33に沿って傾斜方向と直交する方向に間隔を空けて設けられている。一対の連結壁43の互いに対向する面を内面とし、内面とは反対側の面を外面とすると、一対の連結壁43の外面には、連結壁43の厚み方向に凹む凹部44が設けられている。
【0021】
一対の壁部41に設けられた挿通孔42には、バルブステム21の突出部27が挿通されている。バルブステム21は、溝部28が壁部41の間に位置するように配置される。換言すれば、バルブステム21は、一対の壁部41の間に位置する外周面に溝部28を有している。そして、バルブステム21の溝部28にストッパ50が嵌合されることで、タイヤバルブ20とセンサユニット30が一体化されている。以下、詳細に説明を行う。
【0022】
図3及び
図4に示すように、ストッパ50は、U字状をなす嵌合部51を備え、嵌合部51は、対向し、かつ、直方体状をなす一対の挟持部53を有している。一対の挟持部53の対向する内面の間の寸法は、突出部27における溝部28が形成された部分の外径よりも若干大きい。各挟持部53の外面からは、一対の腕部52が一対の挟持部53を挟んで対向するように延びており、各腕部52の先端には、各腕部52から挟持部53に向けて突出する爪部55が設けられている。ストッパ50は、弾性変形可能な材料(例えば、ポリアミド樹脂や金属材料)から形成されている。
【0023】
図4及び
図5に示すように、上記のように構成されたストッパ50は、一対の挟持部53が突出部27を挟むように一対の壁部41間に挿入される。そして、ストッパ50の嵌合部51は、溝部28に嵌合され、ストッパ50の爪部55は、連結壁43の凹部44と係止する。これにより、ストッパ50は、嵌合部51が溝部28に嵌合された状態でハウジング31に取着されている。したがって、連結壁43に設けられた凹部44が第1の係止部となり、腕部52に設けられた爪部55が第2の係止部となる。また、腕部52が、ストッパ50をハウジング31に取着する取着部となる。
【0024】
次に、本実施形態のタイヤバルブユニット10の作用について説明する。
タイヤバルブ20がバルブステム21の軸方向に沿う方向のうち、挿通孔42からの抜け出し方向に移動しようすると、ストッパ50の嵌合部51と溝部28における突出部27の先端側の縁部が係止し合う。ストッパ50は、嵌合部51と壁部41(突出部27の基端側の壁部41)が当接することで、バルブステム21の軸方向に沿う方向への移動が規制される。このため、タイヤバルブ20の挿通孔42からの抜け出し方向に向けた移動が規制されている。
【0025】
タイヤバルブ20がバルブステム21の軸方向に沿う方向のうち、挿通孔42への挿入方向に移動しようすると、ストッパ50の嵌合部51と溝部28における突出部27の基端側の縁部が係止し合う。ストッパ50は、嵌合部51と壁部41(突出部27の先端側の壁部41)が当接することで、バルブステム21の軸方向に沿う方向への移動が規制される。このため、タイヤバルブ20の挿通孔42への挿入方向に向けた移動が規制されている。したがって、タイヤバルブ20は、ストッパ50によって、バルブステム21の軸方向に沿う両方向への移動が規制されている。
【0026】
ところで、特許文献1に記載のように、Eリングを溝に装着して、Eリングによってタイヤバルブにおけるバルブステムの軸方向に沿う方向への移動を規制する場合、Eリングによるタイヤバルブの保持力(タイヤバルブの移動を規制する力、Eリングの剪断に対する耐性など)を向上させるためには、Eリングを厚くする必要がある。Eリングを厚くすると、これに伴いEリングの剛性も向上する。Eリングを溝に装着するときには、Eリングを変形させて溝に装着する必要があり、Eリングの剛性が向上すると、Eリングを取り付けることができない、あるいは、取り付けることができたとしても、手間がかかる。すなわち、Eリングを厚くするとバルブステムへのEリングの取付性が悪化する。
【0027】
本実施形態のストッパ50は、腕部52に形成された爪部55が凹部44と係止することで、ハウジング31に取着され、これにより溝部28への嵌合部51の嵌合状態が維持されている。ストッパ50によるバルブステム21の保持力を向上させるために、嵌合部51を厚くしても、Eリングのように嵌合部51を変形させて溝部28に嵌合する必要がない。すなわち、ストッパ50の取付性は、嵌合部51の厚さに依存せず、腕部52にのみ依存するため、嵌合部51を厚くしたとしても、ストッパ50の取付性が悪化しない。このため、ストッパ50の取付性の悪化を防止しつつ、バルブステム21の保持力を向上させることができる。
【0028】
したがって。上記実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)タイヤバルブユニット10は、ストッパ50の嵌合部51がバルブステム21の溝部28に嵌合されるとともに、ストッパ50の爪部55が連結壁43の凹部44に係止している。タイヤバルブ20におけるバルブステム21の軸方向に沿う両方向への移動は、溝部28の縁部とストッパ50とが係止し合い、ストッパ50が各壁部41と当接することで規制されている。このため、タイヤバルブ20は、バルブステム21の軸方向に沿う両方向(挿入方向及び抜け出し方向)への移動が規制されている。
【0029】
(2)ストッパ50によってタイヤバルブ20の移動を規制しているため、胴体部22によってタイヤバルブ20の挿入方向への移動を規制する必要がなく、胴体部22に力が加わりにくい。したがって、胴体部22の変形が抑制される。
【0030】
(3)ストッパ50は、腕部52に形成された爪部55が凹部44と係止することで、ハウジング31に取着されている。このため、バルブステム21の保持力を向上させるために嵌合部51を厚くしても、ストッパ50を容易に取り付けることができる。
【0031】
(4)爪部55と凹部44とを係止させることでストッパ50をハウジング31に取着しているため、ストッパ50をハウジング31に取着するための部材を用いることなくストッパ50を取着でき、ストッパ50の取着が容易である。
【0032】
(5)各壁部41の挿通孔42は、円形状をなしている。このため、挿通孔42にバルブステム21を挿通しやすい。
(6)また、バルブステム21の外周面に雄ねじを形成して、この雄ねじにナットを螺合することでタイヤバルブ20をセンサユニット30に取着することも考えられる。この場合、ナットの螺合に伴うバルブステム21の連れ回りを防止する目的で、バルブステム21の外周面の一部を平坦面にして、その平坦面と面接触するように挿通孔42の内周面を形成する。本実施形態のように、ストッパ50を溝部28に嵌合する場合、タイヤバルブ20が回転しても、タイヤバルブ20とセンサユニット30を一体化することができる。このため、タイヤバルブ20の連れ回りを防止するために、バルブステム21や、挿通孔42の内周面に平坦面を設ける必要がない。したがって、挿通孔42の形成が容易になる。
【0033】
(7)また、バルブステム21の外周面に雄ねじを形成して、この雄ねじにナットを螺合することでタイヤバルブ20をセンサユニット30に取着する必要がない。このため、バルブステム21に雄ねじを形成する必要がなく、バルブステム21の製造が容易になる。また、ナットを螺合する必要がないため、センサユニット30にタイヤバルブ20を固定する作業が容易になり、センサユニット30とタイヤバルブ20とを一体化しやすい。
【0034】
(8)嵌合部51は、突出部27を挟持する挟持部53を有しているため、挟持部53によってバルブステム21の径方向への移動を規制することができる。
(第2の実施形態)
以下、タイヤバルブユニットを具体化した第2の実施形態について説明する。なお、第2の実施形態において第1の実施形態と同一の部分については、同一の符号を付してその説明を省略する。
【0035】
図6及び
図7に示すように、本実施形態のバルブステム21の突出部27には、バルブステム21の周壁の一部を厚み方向に貫通する貫通孔71が形成されている。
センサユニット30のハウジング80には、外面の一辺から立設する矩形板状の第1の壁部81と、第1の壁部81と間隔を空けて設けられるとともに外面から立設する矩形板状の第2の壁部82とが設けられている。第1の壁部81と第2の壁部82の間の寸法は、バルブステム21の軸方向に沿った貫通孔71の寸法よりも若干小さい。以下の説明において、第1の壁部81と第2の壁部82の対向方向を、各壁部81,82の厚み方向として説明を行う、
一対の壁部81,82には、各壁部81,82の厚み方向に貫通する円形状の挿通孔42が形成されている。ハウジング80の外面には、第1の壁部81の立設方向及び厚み方向に直交する方向の両端部から第1の壁部81の厚み方向に沿って延びる一対の当接壁83が設けられている。一対の当接壁83は矩形状をなしており、第1の壁部81に形成された挿通孔42を挟むように設けられている。当接壁83において、第1の壁部81と第2の壁部82との対向方向に沿う方向の寸法は、第1の壁部81と第2の壁部82との間の寸法に比べて短い。当接壁83において、ハウジング80からの突出方向の先端部には、当接壁83の厚み方向に突出する第1の係止部84が形成されている。
【0036】
バルブステム21は、貫通孔71が一対の壁部81,82の間に位置するように配置される。したがって、バルブステム21の軸方向及び第1の壁部81及び第2の壁部82の厚み方向は同一方向となる。このため、当接壁83は、バルブステム21の軸方向に沿ってハウジング80の外面上を延びているといえる。そして、バルブステム21の貫通孔71には、ストッパ90が嵌合されている。
【0037】
図8(a)及び(b)に示すように、ストッパ90は、1枚の金属板を屈曲させて形成されており、矩形平板状の基部91と、基部91の長手方向に対向する一対の辺から延びる腕部92と、基部91の短手方向に対向する一対の辺から延びる押え部94,95とを有している。金属板としては、例えば、バネ鋼や、鉄などからなる金属板が用いられる。
【0038】
各腕部92は、基部91の厚み方向の同一方向に折り曲げられるとともに、その先端(基部とは反対側の端部)には基部91に向けて折り返すように屈曲された第2の係止部93が形成されている。
【0039】
各押え部94,95は、基部91の厚み方向の同一方向に折り曲げられるとともに基部91から末広がりに形成され、いわゆる袴状をなしている。各押え部94,95の先端(基部91とは反対側の端部)には、厚み方向に切り欠いた台形状をなす切欠96が形成されている。押え部94,95は、切欠96と基部91との間にバルブステム21の貫通孔71に挿入される挿入部97を有するとともに、切欠96を挟む部分にバルブステム21を挟む挟持部98,99を有している。各押え部94,95の外面間の寸法は、第1の壁部81と第2の壁部82における互いに対向する面の間の寸法よりも若干短い。
【0040】
各押え部94,95の一方を第1の押え部94、他方を第2の押え部95とすると、第1の押え部94と第2の押え部95とは、形状が異なっており、第2の押え部95は、第1の押え部94に比べて挟持部98,99の広がり幅が広い。したがって、基部91の長手方向に沿う方向において、一方の挟持部98の端部から他方の挟持部99の端部までの寸法は、第1の押え部94に比べて第2の押え部95の方が長い。
【0041】
そして、上記したストッパ90は、第1の壁部81と第2の壁部82との間に挿入される。ストッパ90の腕部92は、一対の当接壁83の間に設けられており、第2の係止部93は、第1の係止部84と係止している。
【0042】
図9及び
図10に示すように、各押え部94,95の挿入部97は、バルブステム21の貫通孔71に挿入されている。各押え部94,95の挟持部98,99は、バルブステム21を挟んで設けられている。第1の押え部94の挟持部98,99は、当接壁83の間に設けられている。第2の押え部95の挟持部98,99は、その一部が当接壁83におけるバルブステム21の軸方向に沿う方向の端面(当接壁83の端面において第2の壁部82側の端面)に当接している。
【0043】
次に、本実施形態のタイヤバルブユニットの作用について説明する。
タイヤバルブがバルブステム21の軸方向に沿う方向のうち、挿通孔42からの抜け出し方向に移動しようすると、第1の押え部94と第1の壁部81とが当接することで、バルブステム21の軸方向に沿う方向への移動が規制される。このとき、第1の押え部94と第1の壁部81が当接することに加えて、第2の押え部95の挟持部98,99の一部と、当接壁83におけるバルブステム21の軸方向に沿う方向の端面とが当接することで、ストッパ90は複数箇所でバルブステム21の軸方向に沿う方向への移動を規制することができる。すなわち、第2の押え部95の挟持部98,99が当接部として機能している。
【0044】
したがって、上記実施形態によれば、第1の実施形態の効果(1),(2),(4),(5)に加えて、以下のような効果を得ることができる。
(9)ストッパ90は、複数箇所(第1の押え部94と、第2の押え部95の挟持部98,99の一部)でバルブステム21の軸方向に沿う方向への移動が規制されるため、タイヤバルブが、バルブステム21の軸方向に沿う方向に移動することをより規制することができる。
【0045】
(10)ストッパ90は、複数箇所でバルブステム21が移動することを規制している。このため、ストッパ90に加わる力は複数箇所に分散される。このため、ストッパ90が、バルブステム21の軸方向に沿う力によって変形や破損することが規制されている。特に、金属板を屈曲させたストッパ90の場合には、各押え部94,95間が中空となっており、各押え部94,95が変形しやすいが、ストッパ90にかかる力が分散されることで、ストッパ90が変形しにくい。
【0046】
なお、実施形態は、以下のように変更してもよい。
○
図11(a)〜
図11(d)に示すように、ストッパ50の取着態様を変更してもよい。以下、具体的に説明する。
図11(a)に示すように、各挟持部53から離間する方向に突出する爪部55を腕部52に設けるとともに、一対の腕部52を挟むように一対の第1の係止部61がハウジング31から突出してもよい。第1の係止部61と、爪部55とが係止することでストッパ50はハウジング31に取着されている。
【0047】
図11(b)に示すように、各挟持部53の先端から突出するように腕部62を設けるとともに、ハウジング31に、腕部62が挿入される穴63を設けてもよい。穴63の入口には、穴63内に突出する突起部68(第1の係止部)が設けられ、この突起部68と爪部55が係止することでストッパ50がハウジング31に取着されている。
【0048】
図11(c)に示すように、ストッパ50に腕部52を設けず、ストッパ50の挟持部53を挟んで設けられる一対の第1の係止部61と係止する第2の係止部64を各挟持部53における第1の係止部61と対向する面に設けてもよい。
【0049】
図11(d)に示すように、ストッパ50に、各挟持部53からハウジング31の外面に沿って延びる取着部65を設けるとともに、この取着部65にハウジング31から突出する第1の係止部61が挿通される貫通孔66を設けてもよい。そして、貫通孔66を挿通した第1の係止部61が貫通孔66の縁(第2の係止部)と係止することで、ストッパ50がハウジング31に取着されている。
【0050】
○
図12(a)及び(b)に示すように、取着部65は、ボルトによってハウジング31に取着されていてもよい。以下、具体的に説明する。
図12(a)に示すように、ハウジング31にボルトB1が挿通される螺合穴67を形成して、貫通孔66を挿通したボルトB1が螺合穴67に螺合されることで、ストッパ50がハウジング31に取着されていてもよい。なお、螺合穴67に代えて、ボルトB1が螺合されるナットをハウジング31に埋設してもよい。
【0051】
図12(b)に示すように、ハウジング31にボルトB2をインサート成形して、貫通孔66を挿通したボルトB2にナットNを螺合することで、ストッパ50をハウジング31に取着してもよい。取着部65をボルトB1,B2によって取着する場合、取着部65を変形させる必要がない。このため、ストッパ50を弾性変形可能な材料以外で形成してもよい。
【0052】
○
図13に示すように、連結壁43は、一つでもよい。連結壁43には、二つの貫通孔69が設けられており、ストッパ50の挟持部53の先端に設けられた腕部62が各貫通孔69に挿入されている。腕部62の先端に設けられた爪部55は、貫通孔69の縁(第1の係止部)と係止する。すなわち、ストッパ50は、ハウジング31の外面以外に向けて壁部41の間に挿入されていてもよい。
【0053】
○ 第1の実施形態において、バルブステム21の溝部28におけるバルブステム21の軸方向に沿う寸法は、嵌合部51の厚みよりも大きければよい。また、バルブステム21の溝部28におけるバルブステム21の軸方向に沿う寸法は、壁部41の対向する内面の間の寸法と同一でなくてもよく、適宜変更してもよい。
【0054】
○ ○第1の実施形態において、嵌合部51の厚みは、溝部28に嵌合できる厚みであれば、適宜変更してもよい。
○ 各実施形態において、挿通孔42の形状は、四角形状などの多角形状や、一部を平坦面にした形状など、バルブステム21(突出部27)を挿入できれば、どのような形状であってもよい。
【0055】
○ 第1の実施形態では、ハウジング31の外面に傾斜面33を設けたが、傾斜面33を設けなくてもよい。すなわち、ハウジング31の外面は平坦面をなしていてもよい。
○ 第1の実施形態において、溝部28は、バルブステム21の全周にわたって形成されていなくてもよい。
【0056】
○ 第1の実施形態において、溝部28に代えて貫通孔を設けてもよい。
○ 第1の実施形態のストッパ50に、当接壁と当接する当接部を設けてもよい。
○ 第2の実施形態において、当接壁83におけるバルブステム21の軸方向に沿う方向の端面のうち、第2の壁部82側の端面にストッパ90の挟持部98,99を当接させたが、当接壁83と第1の壁部81との間に挟持部98,99が挿入される隙間がある場合には、挟持部98,99が当接壁83の第1の壁部81側の端面と当接してもよい。この場合、タイヤバルブがバルブステム21の軸方向に沿う方向のうち、挿入方向に移動しようとしたときに、挟持部98,99と当接壁83とが当接することで、ストッパ90は複数箇所でタイヤバルブがバルブステム21の軸方向に沿う方向に移動することを規制することができる。また、挟持部98,99が、当接壁83におけるバルブステム21の軸方向に沿う方向の端面のうち、第1の壁部81側の端面と第2の壁部82側の端面の両方に当接するようにしてもよい。この場合、第1の押え部94と、第2の押え部95は、同一の形状であってもよい。
【0057】
○ 第2の実施形態において、ストッパ90は、当接壁83におけるバルブステム21の軸方向に沿う方向の端面に当接していなくてもよい。すなわち、第1の押え部94及び第2の押え部95の挟持部98,99が一対の当接壁83の間に位置するように構成されていてもよい。この場合、ストッパ90は、第1の押え部94,各腕部92及び第2の押え部95が、バルブステム21の軸方向に沿う方向に互いに当接していることが好ましい。バルブステム21の軸方向に沿う方向のうち、挿通孔42からの抜け出し方向にタイヤバルブが移動しようとすると、第1の押え部94,各腕部92及び第2の押え部95がそれぞれ当接しているため、ストッパ90にかかる力が各部に分散される。同様に、バルブステム21の軸方向に沿う方向のうち、挿通孔42への挿入方向へタイヤバルブが移動しようとしても、第1の押え部94,各腕部92及び第2の押え部95にストッパ90にかかる力が分散される。このため、ストッパ90の変形や破損を抑制することができる。なお、この場合、ストッパ90の第1の押え部94と第2の押え部95の形状は同一の形状であってもよい。
【0058】
次に、実施形態及び変形例から把握することのできる技術的思想について以下に追記する。
(イ)前記嵌合部は、前記バルブステムを挟持する一対の挟持部を有することを特徴とする請求項1〜請求項4のうちいずれか一項に記載のタイヤバルブユニット。
【0059】
(ロ)前記取着部は、ボルトによってハウジングに取着されていることを特徴とする請求項1に記載のタイヤバルブユニット。