(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記車体フレーム(F)は、前記ヘッドパイプ(3)から下方へ延出するダウンフレーム(6)と、前記メインフレーム(5)の前部及び前記ダウンフレーム(6)の上部を連結するガセットプレート(58)と、を有し、
前記キャニスタ(40)は、車両側面視で前記ガセットプレート(58)と少なくとも一部が重なることを特徴とする請求項1に記載の鞍乗り型車両のキャニスタ配置構造。
前記車体フレーム(F)は、前記ヘッドパイプ(3)から下方へ延出するダウンフレーム(6)と、前記ダウンフレーム(6)と前記内燃機関(8)とを連結するエンジンハンガー(13)と、を有し、
前記エンジンハンガー(13)は、前記ダウンフレーム(6)の下端部(6a)及び前記内燃機関(8)の前端連結部(9c,9d)を囲むように設けられ、
前記キャニスタ(40)には、該キャニスタ(40)内に新気を導入する大気導入管(64)が接続され、
前記大気導入管(64)の開口端(64a)は、前記ダウンフレーム(6)の下端部(6a)、前記内燃機関(8)の前端部(9a)及び前記エンジンハンガー(13)で囲まれる空間(13f)に配置されることを特徴とする請求項1から4の何れか一項に記載の鞍乗り型車両のキャニスタ配置構造。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、キャニスタは燃料タンク及び吸気系部品に対して管路部材によって接続されることから、燃料タンク等の関連する部品の近傍に配置することが好ましい。
また、キャニスタは所定の容量を必要とする部品であるため、鞍乗り型車両に搭載する際には、キャニスタとその周辺部品との配置を工夫することが求められている。
【0005】
そこで本発明は、車体前部にキャニスタを配置した鞍乗り型車両のキャニスタ配置構造において、キャニスタとその周辺部品とを効率よく配置することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題の解決手段として、請求項1に記載した発明は、ヘッドパイプ(3)と、前記ヘッドパイプ(3)から後方へ延出するメインフレーム(5)と、を含む車体フレーム(F)と、前記メインフレーム(5)の下方に配置される内燃機関(8)と、前記メインフレーム(5)の上方に配置され、前記メインフレーム(5)をその上方から左右側方にかけて覆うように形成される燃料タンク(18)と、前記燃料タンク(18)の蒸発燃料を回収するキャニスタ(40)と、を備え、前記キャニスタ(40)が車体前部に配置される鞍乗り型車両のキャニスタ配置構造において、前記燃料タンク(18)の前部の側方には、車両側面視で前記燃料タンク(18)の前部からその前方に至る範囲を覆うタンクカバー(47)が設けられ、前記燃料タンク(18)における前記タンクカバー(47)に覆われる範囲には凹部(18c)が形成され、前記キャニスタ(40)は、前記凹部(18c)と前記タンクカバー(47)とで囲まれる空間(18d)に配置され、かつ前記凹部(18c)の内外を跨ぐように配置される
とともに、前記車体フレーム(F)は、前記ヘッドパイプ(3)から下方へ延出するダウンフレーム(6)と、前記ダウンフレーム(6)と前記内燃機関(8)とを連結するエンジンハンガー(13)と、を有し、前記エンジンハンガー(13)は、前記ダウンフレーム(6)の下端部(6a)及び前記内燃機関(8)の前端連結部(9c,9d)を囲むように設けられ、前記キャニスタ(40)には、キャニスタ(40)内の不要液をキャニスタ(40)外へ排出するドレン管(63)が接続され、前記ドレン管(63)の開口端(63a)は、前記ダウンフレーム(6)の下端部(6a)、前記内燃機関(8)の前端部(9a)及び前記エンジンハンガー(13)で囲まれる空間(13f)に配置されることを特徴とする。
なお、前記鞍乗り型車両には、運転者が車体を跨いで乗車する車両全般が含まれ、自動二輪車(原動機付自転車及びスクータ型車両を含む)のみならず、三輪(前一輪かつ後二輪の他に、前二輪かつ後一輪の車両も含む)又は四輪の車両も含まれる。
請求項2に記載した発明は、前記車体フレーム(F)は、前記ヘッドパイプ(3)から下方へ延出するダウンフレーム(6)と、前記メインフレーム(5)の前部及び前記ダウンフレーム(6)の上部を連結するガセットプレート(58)と、を有し、前記キャニスタ(40)は、車両側面視で前記ガセットプレート(58)と少なくとも一部が重なることを特徴とする。
請求項3に記載した発明は、前記キャニスタ(40)には、前記燃料タンク(18)で発生する蒸発燃料を前記キャニスタ(40)へ導くチャージ管(61)が接続され、前記チャージ管(61)は、前記キャニスタ(40)の上面に接続され、前記キャニスタ(40)は、その長手方向が前記ダウンフレーム(6)の長手方向に沿うように配置されることを特徴とする。
請求項4に記載した発明は、前記燃料タンク(18)と接続されて前記内燃機関(8)に燃料を含んだ混合気を供給可能とする吸気系部品のスロットル部(22)を備え、前記スロットル部(22)は、前記メインフレーム(5)における前記キャニスタ(40)とは反対側の側方に配置され、前記キャニスタ(40)には、前記キャニスタ(40)で吸着されている蒸発燃料を前記スロットル部(22)へ導くパージ管(62)が接続され、前記パージ管(62)は、前記キャニスタ(40)の上面に接続され、かつ前記キャニスタ(40)から延出して前記メインフレーム(5)の上方を左右に跨いだ後、前記スロットル部(22)に接続され、前記パージ管(62)の途中に弁部材(62a)が設けられ、前記弁部材(62a)は、前記メインフレーム(5)上で前記燃料タンク(18)内側の鞍形部(18a)内に配置されることを特徴とする。
請求項5に記載した発明は、前記車体フレーム(F)は、前記ヘッドパイプ(3)から下方へ延出するダウンフレーム(6)と、前記ダウンフレーム(6)と前記内燃機関(8)とを連結するエンジンハンガー(13)と、を有し、前記エンジンハンガー(13)は、前記ダウンフレーム(6)の下端部(6a)及び前記内燃機関(8)の前端連結部(9c,9d)を囲むように設けられ、前記キャニスタ(40)には、該キャニスタ(40)内に新気を導入する大気導入管(64)が接続され、前記大気導入管(64)の開口端(64a)は、前記ダウンフレーム(6)の下端部(6a)、前記内燃機関(8)の前端部(9a)及び前記エンジンハンガー(13)で囲まれる空間(13f)に配置されることを特徴とする。
請求項6に記載した発明は、前記キャニスタ(40)には、該キャニスタ(40)内に新気を導入する大気導入管(64)が接続され、前記大気導入管(64)の開口端(64a)は、前記ダウンフレーム(6)の下端部(6a)、前記内燃機関(8)の前端部(9a)及び前記エンジンハンガー(13)で囲まれる空間(13f)に配置され、かつ前記ドレン管(63)の開口端(63a)よりも上方に離間して配置されることを特徴とする。
請求項7に記載した発明は、前記内燃機関(8)の前部下側に取り付けられるスタータモータ(57)を備え、前記スタータモータ(57)は、車両側面視で前記エンジンハンガー(13)の開口部(13g)に配置されるとともに、前記ドレン管(63)の開口端(63a)は、前記スタータモータ(57)の前方で、前記エンジンハンガー(13)で側方を囲まれる空間(13f)に配置されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
請求項1に記載した発明によれば、キャニスタを燃料タンクの側面に形成した凹部とこれを覆うタンクカバーとの間の空間に配置したので、鞍乗り型車両に各種部品を配置する際の空間確保に貢献できるとともに、キャニスタを隠蔽することで外観性を向上できる。
すなわち、燃料タンクの近傍にキャニスタを配置するための空間の形成を工夫することで、鞍乗り型車両における効率のよい部品配置に貢献できる。
また、ドレン管の開口端をダウンフレーム、内燃機関及びエンジンハンガーで保護するとともに、車体前部に配置したキャニスタから延びるドレン管の配管経路の単純化に貢献できる。
請求項2に記載した発明によれば、ガセットプレートによりキャニスタを保護できる。
請求項3に記載した発明によれば、キャニスタの上面に接続されたチャージ管を燃料タンク前端からその内方の鞍形部に進入させる配管が容易になる。これにより、チャージ管と燃料タンクとの間の経路を単純かつ短くでき、鞍乗り型車両における効率のよい部品配置に貢献できる。
請求項4に記載した発明によれば、弁部材を燃料タンク内側の鞍形部内でメインフレーム上に配置するので、逆止弁の保護及び支持が簡単になるとともに、管路部材を隠蔽することで外観性を向上できる。
請求項5に記載した発明によれば、大気導入管の開口端をダウンフレーム、内燃機関及びエンジンハンガーで保護するとともに、車体前部に配置したキャニスタから延びる大気導入管の配管経路の単純化に貢献できる。
請求項6に記載した発明によれば、大気導入管の開口端をダウンフレーム、内燃機関及びエンジンハンガーで保護するとともに、車体前部に配置したキャニスタから延びる大気導入管の配管経路の単純化に貢献できる。また、大気導入管の開口端をドレン管の開口端よりも上方に離間させることで、ドレン管から排出される廃液を大気導入管が吸い込むことを抑止できる。
請求項7に記載した発明によれば、エンジンハンガーの開口部によりスタータモータの整備が容易に行えるとともに、ドレン管の開口端をエンジンハンガーで保護できる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下の説明における前後左右等の向きは、特に記載が無ければ以下に説明する車両における向きと同一とする。また以下の説明に用いる図中適所には、車両前方を示す矢印FR、車両左方を示す矢印LH、車両上方を示す矢印UPが示されている。
【0010】
本実施形態では、車体左右中心上に一本のメインフレーム(バックボーンフレーム)を有するバックボーンフレーム形式の自動二輪車を例に説明する。
まず、
図1、
図2を参照し、本実施形態における自動二輪車Bは、前輪1が左右一対のフロントフォーク2の下端部間に支持される。左右フロントフォーク2は、上部をヘッドパイプ3に回動自在に支持される。前輪1は、ハンドル4を回動することで操舵される。
【0011】
ヘッドパイプ3からはメインフレーム5及びダウンフレーム6が後下方へ延び、ダウンフレーム6とメインフレーム5の後端部に取付けられた井桁フレーム7とによりエンジン8のクランクケース9が支持される。
エンジン8は、クランクケース9の前部上にシリンダ10Aを起立させる。シリンダ10Aは、シリンダブロック10、シリンダヘッド11及びヘッドカバー12を備える。エンジン8は、ダウンフレーム6の下端に設けられたエンジンハンガーブラケット13と、井桁フレーム7の上下に設けられた上下エンジンハンガー14,15とに支持される。
【0012】
車体フレームFは、ヘッドパイプ3と、ヘッドパイプ3から車体左右中心Cに沿って後下方へ延びる1本のメインフレーム5と、メインフレーム5の後端部に取付けられる井桁フレーム7と、ヘッドパイプ3から車体左右中心Cに沿ってメインフレーム5よりも急傾斜で後下方へ延びる1本のダウンフレーム6と、メインフレーム5の後部左右に前端が溶接される左右一対のシートレール16と、シートレール16の下方に配される左右一対のリアステイ17と、を備える。
【0013】
メインフレーム5上には、エンジン8へ燃料を供給するための燃料タンク18が支持される。燃料タンク18の後方には、ライダー及び同乗者が着座するタンデム型のシート20が配置される。シート20は、左右一対のシートレール16上に支持される。
シリンダヘッド11の後面には、燃料と燃焼用空気との混合気を供給するための吸気口が開口する。この吸気口には、インシュレータ21を介して気化器(キャブレター、スロットル部)22が接続される。気化器22の吸気上流側には、コネクティングチューブ23を介してエアクリーナ24が接続される。エアクリーナ24は、気化器22の後方に配置されている。
【0014】
シリンダヘッド11の前面には、排気ガスを排出するための排気口が開口する。この排気口には、排気管25の基端が接続される。排気管25は、気化器22側への熱干渉を防止するために、シリンダヘッド11の前面から前方に適宜延びた後、クランクケース9の前面及び下面を回り込むように湾曲して後方に延びる。排気管25の先端は、後輪27の右側に配置されたマフラー26に接続される。
【0015】
後輪27は、スイングアーム28の左右アームの後端部に支持される。後輪27の上下動は、スイングアーム28の左右アームの後端部と左右シートレール16におけるリアステイ17との接続部に設けたガセット38(
図3参照)とを連結する左右一対の緩衝器(クッションユニット)29により緩衝される。
エンジン8の駆動力は、エンジン8の出力スプロケット8a、後輪27のドリブンスプロケット30及びこれらに巻き掛けられたドライブチェーン31により、エンジン8から後輪27へと伝達される。
【0016】
スイングアーム28は、メインフレーム5の後端部に接続された井桁フレーム7における左右一対のピボットプレート32にピボット軸33を介して上下揺動可能に軸支される。左右ピボットプレート32は、井桁フレーム7における左右一対のピボットフレーム34の前面側にそれぞれ取付けられる。左右ピボットフレーム34は、上下クロスパイプ35,36により上下端間を連結される。これら左右ピボットフレーム34並びに上下クロスパイプ35,36を主な部位として井桁フレーム7が構成される。
【0017】
図2に示すように、シリンダヘッド11後方のインシュレータ21は、後側ほど左側に位置するように傾斜し、車体左右中心Cの左側に気化器22を配置する。気化器22後方のコネクティングチューブ23は、メインフレーム5の後部メインフレーム部5b(
図1、
図3参照)の左側方を迂回するために外方へ凸に湾曲する。コネクティングチューブ23後方のエアクリーナ24は、平面視で車体左右中心Cと交差するように、後部メインフレーム部5bの後方で傾斜して配置される。エアクリーナ24におけるコネクティングチューブ23との接続部は、シートレール16の前端部よりも外側方に張り出す。
【0018】
エアクリーナ24の右側にはバッテリ41が配置される。気化器22、コネクティングチューブ23及びエアクリーナ24、並びにバッテリ41は、それぞれクランクケース9(
図1参照)の車幅方向の最外側よりも内側に配置される。吸気系部品である気化器22、コネクティングチューブ23及びエアクリーナ24と、重量物であるバッテリ41とが、後部メインフレーム部5bの左右及び後方を取り囲むように配置されることで、これらの部品の集中配置による車体のコンパクト化が実現される。
【0019】
図3〜
図5を併せて参照し、メインフレーム5は、側面視で上後方に凸の浅いV字形状をなすもので、エンジン8の上方を通る前部メインフレーム部5aと、エンジン8の後方を斜め下方に延びる後部メインフレーム部5bと、両メインフレーム部5a,5b間の屈曲部5cとを形成する。前部メインフレーム部5aの前端には、ヘッドパイプ3が溶接により結合される。後部メインフレーム部5bの後下端には、井桁フレーム7が溶接により結合される。屈曲部5cの上面側には、左右一対のシートレール16の前端部が溶接により結合される。
【0020】
ヘッドパイプ3の後方で前部メインフレーム部5aの前部及びダウンフレーム6の上部の間には、側面視概略台形状のガセットプレート58が左右一対に設けられる。左右ガセットプレート58は、それぞれヘッドパイプ3、メインフレーム5及びダウンフレーム6に跨って溶接結合される。
【0021】
井桁フレーム7は、車幅方向(左右方向)で直線状に配置される上クロスパイプ35と、同じく車幅方向で直線状に配置される下クロスパイプ36と、これら上下クロスパイプ35,36の車幅方向両端部同士を上下方向に間隔を隔てて且つ互いに平行に連結する左右一対のピボットフレーム34と、各ピボットフレーム34の前部に沿って上下方向に延びる左右一対のピボットプレート32と、を備える。各ピボットフレーム34は上クロスパイプ35及び下クロスパイプ36とほぼ同径のパイプであり、上下方向中間部が側面視で後方へ凸に湾曲し、この湾曲形状に沿う各ピボットプレート32の後縁部が各ピボットフレーム34の前面部に溶接される。符号37は各ピボットプレート32に設けられてピボット軸33を挿通する筒部を示す。
【0022】
上クロスパイプ35の車幅方向中間部には、後部メインフレーム部5bの後端部に形成されたテーパー部5dの先端が当接して溶接される。本実施形態では、井桁フレーム7の上方におけるデッドスペースを小さくするために、上クロスパイプ35は、メインフレーム5よりも細いパイプ材で形成される。テーパー部5dは、相対的に細い上クロスパイプ35に溶接するために、側面視で下端側ほど細くされて上クロスパイプ35に溶接される(
図3参照)。一方、テーパー部5dは、その剛性を確保するために、
図3のV矢視で下端側ほど太くされて上クロスパイプ35に溶接される(
図5参照)。
【0023】
左右リアステイ17は、それぞれ左右ピボットフレーム34の湾曲部上側から上後方に延びる。左右リアステイ17の上後端は、それぞれ左右シートレール16の前後方向中間部に溶接により結合される。シートレール16とリアステイ17との連結部は、ガセット38により補強される。リアステイ17、シートレール16の前部及び後部メインフレーム部5bと井桁フレーム7の上部とに囲まれて、側面視略三角形状の空間42(
図3参照)が形成され、この空間42にエアクリーナ24等が収容される。
リアステイ17の前部とピボットフレーム34の下部とには、側面視で前方へ拡開する略V字状をなすステップホルダ43の上下前端部が、それぞれ溶接により結合される。ステップホルダ43の後部には、ピリオンステップ44が折り畳み可能に支持される(
図2参照)。符号43aはステップホルダ43の後部上に固設されたステップガードを示す。
【0024】
図5に示すように、上クロスパイプ35、下クロスパイプ36及び左右ピボットフレーム34で囲まれる矩形状の空間45には、スイングアーム28先端の左右軸支部28aが配置される。左右軸支部28aは、左右ピボットプレート32の筒部37に挿通したピボット軸33(
図1参照)を介して、左右ピボットプレート32に上下揺動可能に軸支される。
上クロスパイプ35の左右両側には、上エンジンハンガー14が左右一対に設けられ、下クロスパイプ36の左右両側には、下エンジンハンガー15が左右一対に設けられる。これら上下エンジンハンガー14,15、並びにダウンフレーム6下端のエンジンハンガーブラケット13により、エンジン8のクランクケース9の前後端が支持される。
【0025】
上クロスパイプ35を左右方向に沿う直線状とし、車体左右中心Cを通る後部メインフレーム部5bの後端を直交するように溶接することで、上クロスパイプ35が傾斜する場合と比べて、後部メインフレーム部5bと上クロスパイプ35との結合位置が下がり、デッドスペースが小さくなるので、上クロスパイプ35の上方且つ後部メインフレーム部5bの側方に広い空間を形成できる。
このため、バックボーンフレームであるメインフレーム5を従来同様に配置しても、例えば気化器22のような整備や調節の頻度の高い部品や、比較的大型の部品であるエアクリーナ24やバッテリ41等を、後部メインフレーム部5bの周辺に集中配置することが可能になる。
【0026】
図1に示すように、気化器22は、側面視で後部メインフレーム部5bと一部重なるように配置され、且つクランクケース9及び上クロスパイプ35よりも上方に配置される。
図2を併せて参照し、気化器22は、後部メインフレーム部5bの左側に配置される。これにより、右手でアクセル操作する形式の車両においては、ライダーがシート20に跨りアクセルを右手で操作しながら左手で気化器22のチョーク22a等を操作できるので、利便性が高くなる。エアクリーナ24は、気化器22の後方で後部メインフレーム部5bに近接して配置される。
【0027】
エアクリーナ24は、エレメントを収容するケースとこれを閉塞するカバーとの合わせ面Sを、平面視で車体左右中心Cに対して傾斜させる。これにより、エアクリーナ24の右側方に比較的大きなスペースが確保され、このスペースを利用してバッテリ41が配置される。バッテリ41にとっては十分な配置スペースが確保されるので、バッテリ41を容易に配置でき、且つその大容量化も可能になる。また、バッテリ41周りの機器や電気系統のレイアウトやメンテナンス作業等も容易になり、利便性が高まる。このように、気化器22及びエアクリーナ24等の吸気系部品、並びにバッテリ41を、上下方向に延びる後部メインフレーム部5bを取り囲むように集中配置することで、整備やメンテナンスを集中的に行える等の種々な利点がある。
【0028】
図1、
図2等を参照し、車体フレームFの下クロスパイプ36には、車体を直立状態で支持するメインスタンド39が格納可能に支持されるとともに、その左端部に固設したサイドスタンドブラケット39bには、車体を左側に傾けて支持するサイドスタンド39aが格納可能に支持される。
【0029】
シート20の左右両側の下方には、空間42の後部から左右シートレール16の後部にかけてこれらを外側方から覆う左右リヤサイドカウル19が設けられる。左右リヤサイドカウル19の前方には、空間42の前部から吸気系部品にかけてこれらを外側方から覆う左右センターサイドカウル46が設けられる。
【0030】
気化器22は、インシュレータ21を介してエンジン8の吸気口に接続される。気化器22の吸気上流側には、コネクティングチューブ23を介してエアクリーナ24が接続される。エアクリーナ24は、車幅方向左側にて左シートレール16及び左リアステイ17に支持される。エアクリーナ24の右側方に位置するバッテリ41は、車幅方向右側にて右シートレール16及び右リアステイ17に支持される。
【0031】
燃料タンク18は、メインフレーム5を左右に跨ぐ鞍形部18a(
図7参照)を形成するタンク内板と、タンク内板の外方を所定の空間を空けて覆うタンク外板と、で中空に形成される。タンク内板及びタンク外板は、それぞれ一体の鋼板製であり、これらの外周縁に設けられた接合フランジが互いに一体に接合される。
【0032】
トンネル状の鞍形部18aの左右内側壁には、側面視で前方に開放するU字形状の係合部(不図示)が設けられ、これら左右係合部が、車体フレームFの左右ガセットプレート58の外側方に設けられた左右マウント部59(
図4参照)にそれぞれ後方から係合する。左右マウント部59は、左右ガセットプレート58に固設されて外側方に起立する左右支持ピン59aと、左右支持ピン59aと同軸の円柱形状をなし左右支持ピン59aにこれを挿通した状態で支持される左右マウントラバー59bと、を有する。
【0033】
燃料タンク18の接合フランジの後端部は、車体フレームFの左右シートレール16の前部間に渡るクロスフレーム16b(
図4参照)にラバーブッシュ(不図示)を介して支持される。以上により、燃料タンク18が車体フレームFにラバーマウントされる。
燃料タンク18の前部の左右両側には、タンク外板を覆うタンクカバー(シュラウド)47が左右一対に設けられる。
燃料タンク18の左下端部には、燃料コック50が設けられる。燃料コック50は、燃料ホース51を介して気化器22に接続される。
【0034】
図7を参照し、タンクカバー47は、側面視で概略三角形状をなし、タンク前端部よりも前方に突出するV字形状の前端部47aを形成するとともに、燃料タンク18の上下幅に渡るように設けられる。前端部47aは、側面視でヘッドパイプ3の近傍又はヘッドパイプ3と重なる位置まで延びる。タンクカバー47の上下端部間に渡る後縁部は、前方に凸の湾曲形状に形成される。
【0035】
図9,10を併せて参照し、燃料タンク18とタンクカバー47との間には、タンクカバー47の前端部47a近傍を燃料タンク18に固定するための締結部48aが設けられるとともに、タンクカバーにおける締結部48a後方の上下部位をそれぞれ燃料タンク18に固定するための上下差込部48b,48cが設けられる。
締結部48aは、燃料タンク18に固設される締結ブラケット48a1と、タンクカバー47に設けられる締結フランジ48a2と、締結ブラケット48a1に装着されるクリップナット48a3と、締結フランジ48a2を貫通してクリップナット48a3に螺着されるビス48a4と、を有する。
上下差込部48b,48cはそれぞれ、燃料タンク18に固設される差込ブラケット48b1,48b2と、タンクカバー47に設けられる受け部48b2,48c2と、を有する。
【0036】
図1、
図2を参照し、車体後部左側には、シート20後部に左向きに乗車した同乗者の衣服が後輪27に接触しないようにするドレスガード55が設けられる。
ドレスガード55は、その上端部が左シートレール16から下方に突出する前後一対のブラケット16a(
図3参照)にボルト締結により結合される。
ドレスガード55の下端部には、車幅方向外側方に張り出して前記同乗者の足を乗せる足置部56が配置される。
【0037】
足置部56は、その前端部が左ステップホルダ43の後端部43bにボルト締結により連結されるとともに、後端部がドレスガード55の後下端部にボルト締結により連結される。この足置部56を介して、ドレスガード55の下端部が左ステップホルダ43の後端部43bに支持される。尚、右ステップホルダ43の後端部43bにはマフラー26が支持される。
ドレスガード55及び足置部56は、左シートレール16から下方に延びて下端部で同乗者の足を支持する足置部材54を構成する。
【0038】
図7、
図8を参照し、燃料タンク18にタンクカバー47を取り付ける締結部48a及び上下差込部48b,48cは、側面視で三角形状の領域(
図10に符号R1で示す。)の頂点部分に位置し、前記領域に少なくとも一部が位置するようにキャニスタ40が配置される。
キャニスタ40は、円筒状に形成されたケース内に活性炭などの吸着剤を収納し、燃料タンク18内で発生する蒸発燃料を吸着(チャージ)する一方、吸着した蒸発燃料をエンジン8の吸気系に導入(パージ)する蒸発燃料処理装置の要部を構成する。
【0039】
燃料タンク18には、前記領域に配置されたキャニスタ40の内側部を入り込ませる凹部18cが形成される。キャニスタ40は、凹部18cとタンクカバー47とで挟まれる空間18dにて、凹部18cの内外を跨ぐように、少なくともキャニスタ40の一部を挿入して配置される。本実施形態においては、キャニスタ40の一部を凹部18cの内側、一部を凹部18cの外側に配置することで、凹部18cを極力小さくしてタンク容量への影響を抑えるとともに、タンクカバー47の過度な張り出しを抑えつつその内部空間18dをキャニスタ40の配置に有効活用できる。また、キャニスタ40が目立たなくなって車両外観への影響が抑えられると共に、キャニスタ40を適切に保護でき
る。
【0040】
図6を併せて参照し、キャニスタ40の上端面には、チャージ管接続部40b及びパージ管接続部40dがそれぞれ上方に突出して設けられる。チャージ管接続部40bには、燃料タンク18で発生する蒸発燃料をキャニスタ40へ導くチャージ管61の一端が接続される。パージ管接続部40dには、キャニスタ40で吸着されている蒸発燃料をエンジン8の吸気系部品(本実施形態では気化器22)へ導くパージ管62の一端が接続される。
【0041】
一方、キャニスタ40の下端面には、大気導入管接続部40a及びドレン管接続部40cがそれぞれ下方に突出して設けられる。大気導入管接続部40aには、キャニスタ40内に大気を導入する大気導入管64の一端が接続される。ドレン管接続部40cには、キャニスタ40内に侵入した水等をキャニスタ40外へ排出するドレン管63の一端が接続される。
【0042】
キャニスタ40の上面から延びるチャージ管61及びパージ管62は、タンク前端における鞍形部18aのアーチ状の開放部18eより鞍形部18a内に入り込んで配管される。キャニスタ40は、その軸方向(長手方向)が側面視でダウンフレーム6の長手方向に沿うように傾斜して配置される。これにより、チャージ管61及びパージ管62の延出方向が鞍形部18aの開放部18e側に傾き、チャージ管61及びパージ管62の配管が容易になる。
【0043】
キャニスタ40には、ケースの外周面を弾性的に保持するゴム製の保持部材65が取り付けられる。保持部材65は、キャニスタ40を周方向で保持する環状保持部65aと、環状保持部65aからキャニスタ40の下面側に回り込んでキャニスタ40を支持する下面支持部65bとを備える。下面支持部65bには、大気導入管接続部40a及びドレン管接続部40cを通過させる孔が形成される。
【0044】
図10を併せて参照し、環状保持部65aには、例えば前記凹部18cの内側に固設した支持ブラケット66の一対の支持板66aを挿入可能な一対の挿入部65cが形成される。これら一対の挿入部65cに前記一対の支持板をそれぞれ挿入することで、ダウンフレーム6にキャニスタ40がラバーマウントされる。
【0045】
図7、
図8を参照し、チャージ管61は、燃料タンク18の鞍形部18a内でメインフレーム5上を後方に延びた後、鞍形部18a内に臨んだ回収管52の開口端に接続される。
【0046】
パージ管62は、鞍形部18a内でメインフレーム5上を後方に延びつつ右側方から左側方へ横断した後、メインフレーム5左側に配置された気化器22に至る。パージ管62の途中には、気化器22からキャニスタ40への蒸発燃料の逆流を阻止する逆止弁(チェックバルブ)62aが介装される。逆止弁62aは、メインフレーム5にその上方で支持される。
【0047】
ここで、エンジン8は、シリンダヘッド11の右側に装着される点火プラグ71と、点火プラグ71に供給する電力を所定の点火タイミングで発生させる点火コイル73と、点火コイル73及び点火プラグ71間を接続するプラグコード(ハイテンションコード)74と、を含む点火装置を備える。
【0048】
点火コイル73は筒状をなし、その軸方向を前部メインフレーム部5aと略平行にして配置される。点火コイル73は、前部メインフレーム部5aの前後中間部の右側(キャニスタ40と同側)に位置し、前部メインフレーム部5aの右側方及び下方に張り出した状態で前部メインフレーム部5aに支持される。
プラグコード74は、点火コイル73の前端からメインフレーム5の右側面に沿うように前方に延びた後に下方に湾曲し、その先端を点火プラグ71の上端に装着する。
【0049】
燃料タンク18には、例えばその上端中央の給油口の周辺に、燃料タンク18の蒸発燃料を回収するための気液分離機構が設けられる。この気液分離機構から延びる回収管52が、燃料タンク18の鞍形部18a内でタンク外方に開口する。この回収管52の開口端にチャージ管61が接続されて、燃料タンク18の蒸発燃料がキャニスタ40に導かれる。
【0050】
図5を参照し、車体フレームFの下部において、車幅方向左側(気化器22と同側)には、サイドスタンドブラケット39bが設けられる。
図5中符号22bは気化器22の上方に突出して燃料ホース51を接続可能とする燃料ホース接続部、符号22cは気化器22の内側方に突出してチャージ管61を接続可能とするチャージ管接続部、符号22dは気化器22の下方に突出して気化器22用のドレン管63を接続可能とするドレン管接続部をそれぞれ示す。
【0051】
再び
図7、
図8を参照し、キャニスタ40のドレン管63及び大気導入管64は、キャニスタ40の下端面の下方で適宜湾曲しつつダウンフレーム6に沿うように下方に延びる。その後、ドレン管63及び大気導入管64は、ダウンフレーム6下端のエンジンハンガーブラケット13及びクランクケース9に囲まれる空間13fに挿入されて保持される。
【0052】
図11を併せて参照し、クランクケース9の前端部9aの直前には、エンジン始動用のスタータモータ57が配置される。スタータモータ57は、円筒状のケーシング内にアーマチュア及びヨーク等を配置した周知のもので、軸方向を左右方向に沿わせて配置される。スタータモータ57の左端部からは不図示の駆動軸が突出し、この駆動軸を含むスタータモータ57の左端部がクランクケース9の前端部9aに突設された不図示のモータホルダに保持される。
【0053】
ダウンフレーム6下端のエンジンハンガーブラケット13は、クランクケース9の前端部9aに突設された上下の前端連結部9c,9dを左右側方から挟み込む左右側壁部13aL,13aRと、左右側壁部13aL,13aRの前縁間に渡る前壁部13bと、を一体に有する。
【0054】
左右側壁部13aL,13aRの上部からは、クランクケース9の上前端連結部9cを左右から挟み込む左右一対の上ハンガープレート部13cが後方に延びる。上前端連結部9c及び左右の上ハンガープレート部13cは、これらを左右方向で貫通する上ハンガーボルトBcで締結される。
左右側壁部13aL,13aRの下部からは、クランクケース9の下前端連結部9dを左右から挟み込む左右一対の下ハンガープレート部13dが延びる。下前端連結部9d及び左右の下ハンガープレート部13dは、これらを左右方向で貫通する下ハンガーボルトBdで締結される。
【0055】
左側壁部13aLの上下ハンガープレート部13c,13dの間には、クランクケース9の前端部9a形状に整合するように形成された左凹部13eL(
図3参照)が形成される。
右側壁部13aRの上下ハンガープレート部13c,13dの間には、円筒状のスタータモータ57を避けるように形成された右凹部13eRが形成される。この右凹部13eRを含んで上下ハンガープレート部13c,13d間に形成される開口部13g(
図7にドットで示す。)により、エンジンハンガーブラケット13内のクランクケース9の前端部9aに対してスタータモータ57を右側方から容易に着脱可能である。
【0056】
エンジンハンガーブラケット13内で各壁部13aL,13aR,13b、クランクケース9の前端部9a及びダウンフレームの下端部6aに囲まれる空間13fは、エンジンハンガーブラケット13の上端部で上方に開放する。この開放部より、キャニスタ40から延びる大気導入管64及びドレン管63の各開口端63a,64aが空間13fに挿入される。エンジンハンガーブラケットの前壁部13bの下部は、ダウンフレーム6の長手方向に沿う上部に対して下側が後側に位置するように傾斜し、空間13fの下方を覆う。これにより、大気導入管64及びドレン管63の各開口端63a,64aが全方位から保護され、大気導入管64に安定して大気を導入できるとともに、ドレン管63からの排液の飛散が抑えられる。また、大気導入管64の開口端64aはドレン管63の開口端63aよりも上方に離間して配置されており、ドレン管63からの排液の浸入が抑止される。ドレン管63の開口端63aはスタータモータ57の前方を迂回してその下方まで延び、スタータモータ57への排液のかかりを抑えている。
【0057】
以上説明したように、上記実施形態における鞍乗り型車両のキャニスタ配置構造は、自動二輪車Bに適用されるものであり、ヘッドパイプ3と、前記ヘッドパイプ3から後方へ延出するメインフレーム5と、を含む車体フレームFと、前記メインフレーム5の上方に配置され、前記メインフレーム5をその上方から左右側方にかけて覆うように形成される燃料タンク18と、前記燃料タンク18の蒸発燃料を回収するキャニスタ40と、を備え、前記キャニスタ40が車体前部に配置されるものである。そして、前記燃料タンク18の前部の側方には、車両側面視で前記燃料タンク18の前部からその前方に至る範囲を覆うタンクカバー47が設けられ、前記燃料タンク18における前記タンクカバー47に覆われる範囲には凹部18cが形成され、前記キャニスタ40は、前記凹部18cと前記タンクカバー47とで囲まれる空間18dに配置される。
この構成によれば、キャニスタ40を燃料タンク18の側面に形成した凹部18cとこれを覆うタンクカバー47との間の空間18dに配置したので、鞍乗り型車両に各種部品を配置する際の空間確保に貢献できるとともに、キャニスタ40を隠蔽することで外観性を向上できる。
【0058】
また、上記キャニスタ配置構造では、前記車体フレームFは、前記ヘッドパイプ3から下方へ延出するダウンフレーム6と、前記メインフレーム5の前部及び前記ダウンフレーム6の上部を連結するガセットプレート58と、を有し、前記キャニスタ40は、車両側面視で前記ガセットプレート58と少なくとも一部が重なる。
この構成によれば、ガセットプレート58によりキャニスタ40を保護できる。
【0059】
また、上記キャニスタ配置構造では、前記キャニスタ40には、前記燃料タンク18で発生する蒸発燃料を前記キャニスタ40へ導くチャージ管61が接続され、前記チャージ管61は、前記キャニスタ40の上面に接続され、前記キャニスタ40は、その長手方向が前記ダウンフレーム6の長手方向に沿うように配置される。
この構成によれば、キャニスタ40の上面に接続されたチャージ管61を燃料タンク18前端からその内方の鞍形部18aに進入させる配管が容易になる。これにより、チャージ管61と燃料タンク18との間の経路を単純かつ短くでき、鞍乗り型車両における効率のよい部品配置に貢献できる。
【0060】
また、上記キャニスタ配置構造では、前記燃料タンク18と接続されて前記エンジン8に燃料を含んだ混合気を供給可能とする吸気系部品の気化器22を備え、前記気化器22は、前記メインフレーム5における前記キャニスタ40とは反対側の側方に配置され、前記キャニスタ40には、前記キャニスタ40で吸着されている蒸発燃料を前記気化器22へ導くパージ管62が接続され、前記パージ管62は、前記キャニスタ40の上面に接続され、かつ前記キャニスタ40から延出して前記メインフレーム5の上方を左右に跨いだ後、前記気化器22に接続され、前記パージ管62の途中に逆止弁62aが設けられ、前記逆止弁62aは、前記メインフレーム5上で前記燃料タンク18内側の鞍形部18a内に配置される。
この構成によれば、逆止弁62aを燃料タンク18内側の鞍形部18a内でメインフレーム5上に配置するので、逆止弁の保護及び支持が簡単になるとともに、管路部材を隠蔽することで外観性を向上できる。
【0061】
また、上記キャニスタ配置構造では、前記ダウンフレーム6と前記エンジン8とを連結するエンジンハンガーブラケット13を備え、前記エンジンハンガーブラケット13は、前記ダウンフレーム6の下端部6a及び前記エンジン8の前端連結部9c,9dを囲むように設けられ、前記キャニスタ40には、該キャニスタ40内に新気を導入する大気導入管64が接続され、前記大気導入管64の開口端64aは、前記ダウンフレーム6の下端部6a、前記エンジン8の前端部9a及び前記エンジンハンガーブラケット13で囲まれる空間13fに配置される。
この構成によれば、大気導入管64の開口端64aをダウンフレーム6、エンジン8及びエンジンハンガーブラケット13で保護するとともに、車体前部に配置したキャニスタ40から延びる大気導入管64の配管経路の単純化に貢献できる。
【0062】
また、上記キャニスタ配置構造では、前記ダウンフレーム6と前記エンジン8とを連結するエンジンハンガーブラケット13を備え、前記エンジンハンガーブラケット13は、前記ダウンフレーム6の下端部6a及び前記エンジン8の前端連結部9c,9dを囲むように設けられ、前記キャニスタ40には、キャニスタ40内の不要液をキャニスタ40外へ排出するドレン管63が接続され、前記ドレン管63の開口端63aは、前記ダウンフレーム6の下端部6a、前記エンジン8の前端部9a及び前記エンジンハンガーブラケット13で囲まれる空間13fに配置される。
この構成によれば、ドレン管63の開口端63aをダウンフレーム6、エンジン8及びエンジンハンガーブラケット13で保護するとともに、車体前部に配置したキャニスタ40から延びるドレン管63の配管経路の単純化に貢献できる。
【0063】
また、上記キャニスタ配置構造では、前記キャニスタ40には、該キャニスタ40内に新気を導入する大気導入管64が接続され、前記大気導入管64の開口端64aは、前記ダウンフレーム6の下端部6a、前記エンジン8の前端部9a及び前記エンジンハンガーブラケット13で囲まれる空間13fに配置され、かつ前記ドレン管63の開口端63aよりも上方に離間して配置される。
この構成によれば、大気導入管64の開口端64aをダウンフレーム6、エンジン8及びエンジンハンガーブラケット13で保護するとともに、車体前部に配置したキャニスタ40から延びる大気導入管64の配管経路の単純化に貢献できる。また、大気導入管64の開口端64aをドレン管63の開口端63aよりも上方に離間させることで、ドレン管63から排出される排液を大気導入管64が吸い込むことを抑止できる。
【0064】
また、上記キャニスタ配置構造では、前記エンジン8の前部下側に取り付けられるスタータモータ57を備え、前記スタータモータ57は、車両側面視で前記エンジンハンガーブラケット13の開口部13gに配置されるとともに、前記ドレン管63の開口端63aは、前記スタータモータ57の前方で、前記エンジンハンガー13で側方を囲まれる空間13fに配置される。
この構成によれば、エンジンハンガーブラケット13の開口部13gによりスタータモータ57の整備が容易に行えるとともに、ドレン管63の開口端63aをエンジンハンガーブラケット13で保護できる。また、ドレン管63の開口端63aをスタータモータ57を迂回してスタータモータ57よりも下方に配置することで、ドレン管63からの排液をスタータモータ57にかかることなく排出できる。
【0065】
なお、本発明は上記実施形態に限られるものではなく、例えば、前記鞍乗り型車両には、運転者が車体を跨いで乗車する車両全般が含まれ、自動二輪車(原動機付自転車及びスクータ型車両を含む)のみならず、三輪(前一輪かつ後二輪の他に、前二輪かつ後一輪の車両も含む)又は四輪の車両も含まれる。
そして、上記実施形態における構成は本発明の一例であり、実施形態の構成要素を周知の構成要素に置き換える等、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。