特許第6019068号(P6019068)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ インターデイジタル テクノロジー コーポレーションの特許一覧

特許6019068ダウンリンクシグナリングチャネルの受信を選択的に有効にするための方法および装置
<>
  • 特許6019068-ダウンリンクシグナリングチャネルの受信を選択的に有効にするための方法および装置 図000002
  • 特許6019068-ダウンリンクシグナリングチャネルの受信を選択的に有効にするための方法および装置 図000003
  • 特許6019068-ダウンリンクシグナリングチャネルの受信を選択的に有効にするための方法および装置 図000004
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6019068
(24)【登録日】2016年10月7日
(45)【発行日】2016年11月2日
(54)【発明の名称】ダウンリンクシグナリングチャネルの受信を選択的に有効にするための方法および装置
(51)【国際特許分類】
   H04W 72/12 20090101AFI20161020BHJP
   H04W 72/14 20090101ALI20161020BHJP
   H04W 52/02 20090101ALI20161020BHJP
   H04W 28/04 20090101ALI20161020BHJP
【FI】
   H04W72/12 150
   H04W72/14
   H04W52/02
   H04W28/04 110
【請求項の数】13
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2014-157976(P2014-157976)
(22)【出願日】2014年8月1日
(62)【分割の表示】特願2013-90670(P2013-90670)の分割
【原出願日】2005年4月6日
(65)【公開番号】特開2014-222947(P2014-222947A)
(43)【公開日】2014年11月27日
【審査請求日】2014年9月1日
(31)【優先権主張番号】60/566,620
(32)【優先日】2004年4月29日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】596008622
【氏名又は名称】インターデイジタル テクノロジー コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】特許業務法人 谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ステファン イー.テリー
(72)【発明者】
【氏名】チャン グゥオドン
(72)【発明者】
【氏名】ステファン ジー.ディック
【審査官】 桑原 聡一
(56)【参考文献】
【文献】 特開平07−095150(JP,A)
【文献】 Technical Specification Group Radio Access Network;Feasibility Study for Enhanced Uplink for UTRA FDD; (Release 6)[online], 3GPP TSG-RAN♯23 RP-040046,インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/TSG_RAN/TSGR_23/Docs/ZIP/RP-040046.zip>,2004年 3月
【文献】 Qualcomm Europe,Example of Rel-99 TFC control algorithm[online], 3GPP TSG-RAN WG1#34 R1-031004,インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_34/Docs/Zips/R1-031004.zip>,2003年10月 6日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24−7/26
H04W 4/00−99/00
3GPP TSG RAN WG1−4
SA WG1−2
CT WG1
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線送受信ユニット(WTRU)であって、
ダウンリンクシグナリングの受信を選択的に有効化及び無効化するように構成され、前記ダウンリンクシグナリングの受信が無効化されている時間を含めて、送信するデータのための前記WTRUのバッファを自律的にモニタリングするように構成されたプロセッサと、
前記バッファの前記モニタリングされたデータに基づいて、チャネル割り当て要求を送信するかどうか決定するようにさらに構成された前記プロセッサと、
前記チャネル割り当て要求を送信するかどうかの前記決定に応じて、前記チャネル割り当て要求を自律的に送信するように構成された送信器と、を備え、
前記プロセッサは、前記ダウンリンクシグナリングの受信が無効化されているときに、前記チャネル割り当て要求の前記送信に応じて、前記ダウンリンクシグナリングの受信を有効化して前記WTRUがアップリンクチャネル割り当てを受信可能にするようにさらに構成されており、
前記送信器は、アップリンクチャネル割り当てを受信することに応じて、アップリンクチャネルでアップリンクデータを送信するようにさらに構成されており、
前記プロセッサは、前記ダウンリンクシグナリングの受信が無効化されているときに、前記送信されたアップリンクデータに応じて、前記ダウンリンクシグナリングの受信を有効化してハイブリッド自動再送要求(HARQ)フィードバックを受信するようにさらに構成されている、WTRU。
【請求項2】
前記ダウンリンクシグナリングは少なくとも1つのダウンリンクチャネルで受信される、請求項1に記載のWTRU。
【請求項3】
前記チャネル割り当て要求は、ユーザデータ無しで送信される、請求項1に記載のWTRU。
【請求項4】
前記アップリンクデータは、同期HARQを使用して送信される、請求項1に記載のWTRU。
【請求項5】
無線送受信ユニット(WTRU)により使用される方法であって、
前記WTRUにより、ダウンリンクシグナリングの受信を選択的に有効化及び無効化することと、
前記ダウンリンクシグナリングの受信が無効化されている時間を含めて、送信するデータのための前記WTRUのバッファを自律的にモニタリングすることと、
前記WTRUにより、前記バッファの前記モニタリングされたデータに基づいて、チャネル割り当て要求を送信するかどうか決定することと、
前記WTRUにより、前記チャネル割り当て要求を送信するかどうかの前記決定に応じて、前記チャネル割り当て要求を自律的に送信することと、
前記ダウンリンクシグナリングの受信が無効化されているときに、前記チャネル割り当て要求の前記送信に応じて、前記WTRUにより、前記ダウンリンクシグナリングの受信を有効化して前記WTRUがアップリンクチャネル割り当てを受信可能にすることと、
アップリンクチャネル割り当てを受信することに応じて、前記WTRUにより、アップリンクチャネルでアップリンクデータを送信することと、
前記ダウンリンクシグナリングの受信が無効化されているときに、前記送信されたアップリンクデータに応じて、前記WTRUにより、前記ダウンリンクシグナリングの受信を有効化してハイブリッド自動再送要求(HARQ)フィードバックを受信するようにすることと、
を備える方法。
【請求項6】
前記ダウンリンクシグナリングは少なくとも1つのダウンリンクチャネルで受信される、請求項に記載の方法。
【請求項7】
前記チャネル割り当て要求は、ユーザデータ無しで送信される、請求項に記載の方法。
【請求項8】
前記アップリンクデータは、前記WTRUにより、同期HARQを使用して送信される、請求項に記載の方法。
【請求項9】
無線通信デバイスであって、
無線送受信ユニット(WTRU)へ、前記WTRUが受信を可能にする第1の時間期間を示す情報を送信するように構成された送信器と、
前記送信器は、前記第1の時間期間に前記WTRUへチャネル割り当て情報を送信するようにさらに構成されており、
前記WTRUからチャネル割り当て要求を受信するように構成された受信器と、
を備え、
前記送信器は、前記受信されたチャネル割り当て要求に応じて、前記第1の時間期間とは別の時間期間を含む第2の時間期間に前記WTRUへアップリンクチャネル割り当てを送信するようにさらに構成されており、
前記受信器は、前記WTRUからアップリンクチャネルでアップリンクデータを受信するようにさらに構成され、前記第1の時間期間とは別の時間期間を含む第3の時間期間に前記WTRUへハイブリッド自動再送要求(HARQ)フィードバックを送信するようにさらに構成されている、無線通信デバイス。
【請求項10】
前記チャネル割り当て情報およびHARQフィードバックは、ダウンリンクシグナリングチャネルにおいて送信される、請求項に記載の無線通信デバイス。
【請求項11】
前記チャネル割り当て要求は、ユーザデータ無で受信される、請求項に記載の無線通信デバイス。
【請求項12】
前記アップリンクデータは、同期HARQを使用して受信される、請求項に記載の無線通信デバイス。
【請求項13】
前記無線通信デバイスは、基地局、ノードBまたはアクセスポイント(AP)である、請求項に記載の無線通信デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線送受信ユニット(WTRU:Wireless Transmit/Receive Unit)と、少なくとも1つのノードBとを含む無線通信システムに関する。より詳細には、本発明は、WTRUとノードB(群)との間に確立されたダウンリンク(DL:DownLink)拡張アップリンク(EU:Enhanced Uplink)シグナリングチャネルの受信を選択的に有効にするための方法および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
アップリンク(UL:UpLink)のカバレッジ(coverage)、スループットおよび送信待ち時間を改善するための方法は、第三世代パートナシッププロジェクト(3GPP:3rd Generation Partnership Project)のリリース6(R6)において研究中である。こうした方法の実現を成功させるために、UL無線リソースのスケジューリングおよび割り当ては、無線ネットワークコントローラ(RNC:Radio Network Controller)がノードBに対する全般的制御を実行し続ける場合であっても、ノードBが意思決定を行って、RNCよりも短期で効率的にUL無線リソースを管理できるように、RNCからノードBに移されている。
【0003】
EUの動作(operation)には、ULチャネル割り当てやトランスミッションフィードバック情報といった情報を、DL EUシグナリングチャネルを介して、WTRUに送信することが必要とされる。WTRUは、チャネル割り当ておよびトランスミッションフィードバック情報を受信するために、DL EUシグナリングチャネルをモニタリングする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
DL EUシグナリングチャネルが必要時にだけ有効になるように、DL EUシグナリングチャネルの受信を制御するための方法および装置が望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、EUの動作のために使用される少なくとも1つのDL EUシグナリングチャネルの受信を選択的に有効にするための方法および装置を提供する。拡張専用チャネル(E−DCH:Enhanced Dedicated CHannel)の動作中、WTRUは、WTRUが有する少なくとも1つの確立された標準プロシージャの情報(knowledge)に基づいて、WTRUと、少なくとも1つのノードBとの間に確立された少なくとも1つのDL EUシグナリングチャネルを必要時にだけモニタリングする。WTRUは、確立された標準プロシージャにしたがってWTRUにより実行される複数のチャネル割り当てプロシージャ、および/または、データトランスミッションプロシージャのDLシグナリングチャネル受信要件を調整および統合する。WTRUは、その統合したDLシグナリングチャネル受信要件に基づいて、少なくとも1つの特定のDLシグナリングチャネルの受信を有効にするか否かを判定する。
【0006】
本発明にしたがうと、WTRUは、EUの動作中、DL EUシグナリングチャネルの受信を絶えず有効にしておく必要はない。その代わりに、WTRUは、少なくとも1つの特定のDL EUシグナリングチャネルの受信を選択的にオン、オフ(すなわち、有効および無効に)できるので、WTRUに要求される処理を低減させ、DLシグナリングの誤解釈の可能性を減少させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明にしたがって動作する無線通信システムを示すブロック図である。
図2】本発明の一実施形態にしたがう、WTRUがEUチャネル割り当て要求を送信し、スケジューリング情報を受信することを予定しているときに、EUの動作中、少なくとも1つのDL EUシグナリングチャネルの受信を選択的に有効にするための方法のステップを含むプロセスを示すフロー図である。
図3】本発明の別の実施形態にしたがう、WTRUがE−DCHデータを送信し、フィードバック情報を受信することを予定しているときに、少なくとも1つのDL EUシグナリングチャネルの受信を選択的に有効にするための方法のステップを含むプロセスを示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
添付図面とあわせて理解すべき例示する以下の好ましい実施例の記載から、本発明をより詳細に理解することができよう。
【0009】
以下において、「WTRU」という用語には、ユーザ端末(UE:User Equipment)、移動局、固定式もしくは移動式加入者ユニット、ページャ、または、無線環境において動作することができるその他の任意の種類のデバイスが含まれるが、これらに限定されるものではない。また、以下において、「ノードB」と呼ぶときは、この用語には、基地局、サイトコントローラ、アクセスポイント、または、無線環境におけるその他の任意の種類のインタフェーシングデバイスが含まれるが、これらに限定されるものではない。
【0010】
本発明の特徴は、集積回路(IC:Integrated Circuit)に組み入れることもできるし、複数の相互接続コンポーネントを備える回路内に構成することもできる。
【0011】
図1は、本発明にしたがって動作する無線通信システム100のブロック図である。このシステム100は、WTRU102、少なくとも1つのノードB104およびRNC106を含む。WTRU102は、E−DCHデータバッファ112、物理受信制御エンティティ(physical reception control entity)114、受信器116、送信器118、プロセッサ120および標準データベース(standards database)122を備えている。
【0012】
WTRU102内の送信器118は、ノードB104へのEU送信のためのUL EUチャネル108を介して、EUチャネル割り当て要求(すなわち、レート(rate)要求)をノードB(群)104に送信する。EUチャネル割り当て要求には、スケジューリング情報を含めることができる。スケジューリング情報として、WTRU102のバッファ112に記憶されたE−DCHデータのトラフィックボリューム測定(TVM:Traffic Volume Measurement)情報と、利用可能なEU送信電力情報とを挙げることができる。
【0013】
EUチャネル割り当て要求が送信されたあと、WTRU102内の受信器116は、物理受信制御エンティティ114を介してチャネル割り当て情報を得るために、複数のDL EUシグナリングチャネル1101、1102、...、110Nをモニタリングする。ノードB(群)104は、DL EUシグナリングチャネル1101〜110Nのうちの1つを介して、ULチャネル割り当て情報を送信することにより、EUチャネル割り当て要求に応答する。
【0014】
システム100は、ULシグナリングおよびE−DCHデータが双方ともWTRU102からUL EUチャネル108を介してノードB(群)104に送信されるように構成されている。ノードB(群)104から、DL EUシグナリングチャネル1101〜110Nの少なくとも1つを介して、チャネル割り当てに関するスケジューリング情報を受信したあと、WTRU102内の送信器118は、割り当てられたUL EUチャネル108を介して、E−DCHデータを送信する。次いで、WTRU102内の受信器116は、予定されたE−DCHデータフィードバック情報を得るために、DL EUシグナリングチャネル(群)1101〜110Nをモニタリングする。
【0015】
E−DCHデータの受信に応じて、ノードB(群)104は、DL EUシグナリングチャネル1101〜110Nを介して、E−DCHデータフィードバック情報をWTRU102に送信する。このフィードバック情報には、ノードB(群)104が、WTRU102がUL EUチャネル108を介して送信したE−DCHデータをデコードするのに成功したか、または、失敗したかに応じて、肯定応答(ACK:ACKnowledgement)メッセージまたは否定応答(NACK:Non-ACKnowledgement)メッセージのどちらか一方が含まれる。ノードB(群)104はまた、E−DCHデータ送信に応じて、追加のチャネル割り当て情報を送信することもできる。この追加情報は、フィードバック情報に含めることもできるし、別の送信として、DL EUシグナリングチャネル1101〜110Nを介して送信することもできる。
【0016】
WTRU102内のアクティブなEUプロシージャのステータスを利用して、入力をWTRU102の物理受信制御エンティティ114に提供することができる。物理受信制御エンティティ114は、物理層プロセス(physical layer process)と通信して、DL EUシグナリングチャネル1101〜110Nの受信を選択的に有効および無効にする。
【0017】
本発明にしたがうと、WTRU102内の物理受信制御エンティティ114は、WTRU102に知られたEUシグナリングプロシージャによってDL EUシグナリングチャネル1101〜110Nの受信が要求されていないときに、その受信を無効にする(すなわち、モニタリングを停止する)。WTRU102がDL EUシグナリングチャネル1101〜110Nを受信することを要求されていない期間の間は、WTRU102に要求される処理と電力消費とが節減され、DLシグナリングの誤解釈の可能性が回避される。
【0018】
図2は、本発明にしたがう、EU送信期間に少なくとも1つのDL EUシグナリングチャネル1101〜110Nの受信を選択的に有効にするための方法のステップを含むプロセス200を示すフロー図である。ステップ202において、WTRU102は、E−DCHの動作のためにRNC106により構成され、これによって、UL EUチャネル108およびDL EUシグナリングチャネル(群)1101〜110Nが、WTRU102とノードB(群)104との間に確立される。WTRU102が構成された直後には、WTRU102は、そのDL EUシグナリングチャネル(群)1101〜110Nの受信を有効にすることは要求されない。したがって、WTRU102内の物理受信制御エンティティ114は、DL EUシグナリングチャネル(群)1101〜110Nの受信を無効にする。
【0019】
引き続き図2を参照すると、WTRU102が、ステップ202でE−DCHの動作のために構成されたあと、WTRU102は、E−DCHデータのバッファ112をモニタリングする(ステップ204)。ステップ206において、WTRU102が、バッファ112にE−DCHデータがないと判定した場合、WTRU102は、バッファ112のモニタリングを続け、DL EUシグナリングチャネル1101〜110Nの受信は、ステップ204において無効にされたままにされる。ステップ206において、WTRU102が、E−DCHデータがUL EUチャネル108を介した送信において送信待ちの状態にある(すなわち、キューされている)と判定した場合、WTRU102は、UL EUチャネル108を介して、EUチャネル割り当て要求を、E−DCHデータと共に、または、E−DCHデータ無しで、ノードB(群)104に送信し、少なくとも1つのDL EUシグナリングチャネル1101〜110Nの受信を有効にする(ステップ208)。WTRU102は、予め定められた、または、計算された待ち(delay)のあと、DL EUシグナリングチャネル(群)1101〜110Nの受信を任意的に有効にすることができる。EUチャネル割り当て要求には、TVM情報や利用可能なEU送信電力情報などのスケジューリング情報を含めることができる。
【0020】
E−DCHの動作では、WTRU102が送信したEUチャネル割り当て要求に応じて、ノードB(群)104が、無線リソース割り当てをスケジューリングして、WTRU102に信号を送信する必要がある。確立されたシグナリングプロシージャにしたがって、WTRU102は、WTRU102がEUチャネル割り当て要求をいつ送信したかを示す情報に基づいて、EUチャネル割り当てを含むE−DCHデータトランスミッションスケジューリング情報が、ノードB(群)から、少なくとも1つのDL EUシグナリングチャネル1101〜110Nを介して、いつ受信されることが要求または予定されるかを識別する(ステップ210)。
【0021】
ステップ212において、WTRU102は、ノードB(群)から、DL EUシグナリングチャネル(群)1101〜110Nを介して、要求または予定されたスケジューリング情報を受信し、次いで、どのエンティティによっても要求されていない場合は、物理受信制御エンティティ114は、DL EUシグナリングチャネル(群)1101〜110Nの受信を無効にする。任意で、ステップ214において、WTRU102は、設定されている場合は、定期的に受信されるDL EUシグナリングチャネルスケジューリング情報に基づいて、DL EUシグナリングチャネル(群)1101〜110Nの受信をスケジューリングする。特定のDL EUシグナリングチャネル(群)1101〜110Nの受信は、どのEUシグナリングプロシージャがWTRU102においてアクティブになっているかに応じて、有効にされる。
【0022】
図3は、本発明の別の実施形態にしたがう、WTRU102がE−DCHデータを送信し、フィードバック情報を受信することを予定しているときに、DL EUシグナリングチャネル1101〜110Nの受信を選択的に有効にするための方法のステップを含むプロセス300を示すフロー図である。ステップ302において、WTRU102は、E−DCHの動作のためにRNC106により構成され、これによって、UL EUチャネル108およびDL EUシグナリングチャネル(群)1101〜110Nが、WTRU102とノードB(群)104との間に確立される。WTRU102がE−DCHの動作のために構成された直後には、WTRU102は、そのDL EUシグナリングチャネル(群)1101〜110Nの受信を有効にすることは要求されない。したがって、WTRU102内の物理受信制御エンティティ114は、DL EUシグナリングチャネル(群)1101〜110Nの受信を無効にする。
【0023】
引き続き図3を参照すると、WTRU102が、ステップ302でE−DCHの動作を実行するように構成されたあと、WTRU102は、E−DCHデータのバッファ112をモニタリングする(ステップ304)。ステップ306において、WTRU102が、バッファ112にE−DCHデータがないと判定した場合、WTRU102は、バッファ112のモニタリングを続け、DL EUシグナリングチャネル(群)1101〜110Nの受信は、ステップ304において無効にされたままにされる。
【0024】
プロセス300のステップ308、310、312および314は、WTRU内で並行動作する複数のハイブリッド自動再送要求(H−ARQ:Hybrid-Automatic Repeat reQuest)プロセスの各々ごとに、実行することができる。ステップ306において、WTRU102が、E−DCHデータがUL EUチャネル108を介した送信において送信待ちの状態にある(すなわち、キューされている)と判定した場合、WTRU102は、各H−ARQプロセスごとに、UL EUチャネル108を介して、E−DCHデータを、EUチャネル割り当て要求と共に、または、EUチャネル割り当て要求無しで、ノードB(群)104に送信し、DL EUシグナリングチャネル(群)1101〜110Nの受信を有効にする(ステップ308)。WTRU102は、予め定められた、または、計算された待ちのあと、DL EUシグナリングチャネル(群)1101〜110Nの受信を任意的に有効にすることができる。
【0025】
確立されたシグナリングプロシージャにしたがって、WTRU102は、各H−ARQプロセスごとに、フィードバック情報がノードB(群)104からいつ受信されることが要求または予定されるかを識別する(ステップ310)。ステップ312において、WTRUは、ノードB(群)104からフィードバック情報を受信し、どのエンティティによっても要求されていない場合は、DL EUシグナリングチャネル(群)1101〜110Nの受信を無効にする。任意で、ステップ314において、WTRU102は、設定されている場合は、定期的に受信されるフィードバック情報に基づいて、DL EUシグナリングチャネル(群)1101〜110Nの受信をスケジューリングする。特定のDL EUシグナリングチャネル(群)1101〜110Nの受信は、どのEUシグナリングプロシージャがWTRU102においてアクティブになっているかに応じて、有効にされる。
【0026】
WTRU102は、WTRU102がE−DCHデータをいつ送信したかを示す情報に基づいて、EUチャネル割り当てを含むスケジューリング情報が、DL EUシグナリングチャネル1101〜110Nを介して、いつ受信されることが予定されるかを識別する。DL EUシグナリングチャネル(群)1101〜110Nは、ノードB(群)104から、E−DCH送信のためのフィードバック情報をWTRU102に提供するためにも使用される。WTRUに送信されるフィードバックは、WTRUの特定の動作に対応するものなので、WTRUは、WTRUにおけるフィードバック情報の受信時間を正確に判断することができる。ノードB(群)104がDL EUシグナリングチャネル(群)1101〜110Nを介して送信するフィードバック情報には、H−ARQ肯定応答、および/または、ULチャネル割り当て情報を含めることができる。WTRU受信のフィードバックチャネルの例として、3GPPにおける、H−ARQ情報チャネル(HICH:H-arq Information CHannel)と、相対グラントチャネル(RGCH:Relative Grant CHannel)または絶対グラントチャネル(AGCH:Absolute Grant CHannel)とを挙げることができる。
【0027】
H−ARQの動作は、同期させてもよいし、非同期にしてもよい。同期動作では、WTRU102は、WTRU102がDL EUシグナリングチャネル(群)1101〜110Nを介してフィードバック(ACKまたはNACK)をいつ受信できるかを正確に分かっており、WTRU102は、予め構成されたスケジュールにしたがって、DL EUシグナリングチャネル(群)1101〜110Nの受信を有効にする。非同期H−ARQ動作では、WTRUは、フィードバックを受信するために、EU送信の後に続く予め定められた時間期間の間、DL EUシグナリングチャネル(群)1101〜110Nの受信を有効にする。
【0028】
チャネル割り当てフィードバックは、ノードB(群)104から、DL EUシグナリングチャネル(群)1101〜110Nを介して、WTRU102に送信することもできる。WTRU102は、そのチャネル割り当てフィードバック情報用に、シグナリングチャネル(群)1101〜110Nの受信を有効にすることもできる。WTRU102に知られたEUチャネル割り当てプロシージャにより、WTRU102は、この情報の受信をスケジューリングすることができる。チャネル割り当てフィードバックは、H−ARQフィードバックと同期させることもできるし、予め定められた期間にわたって送信することもできるし、特定の定期的反復をもって受信をスケジューリングすることもできる。
【0029】
WTRU102が、チャネル割り当て要求をノードB(群)104に送信しないが、WTRU102が送信した以前のEUデータトランスミッション要求すべてが、ノードB(群)104によって受信されていて、かつ、すべての未処理のH−ARQ送信について、フィードバック情報がノードBから受信されていた場合、WTRU102は、DL EUシグナリングチャネル(群)1101〜110Nの受信を無効にする。
【0030】
一実施形態では、WTRU102は、少なくとも1つのULチャネル108を介して、少なくとも1つのチャネル割り当て要求を複数のノードB104に送信し、ノードBは、チャネル割り当て要求の受信に応じて、それぞれのダウンリンク(DL)シグナリングチャネル1101〜110Nを介して、チャネル割り当て情報をWTRU102に送信する。
【0031】
WTRU102内のプロセッサ120は、標準データベース122に記憶されている少なくとも1つの確立された標準プロシージャにしたがってWTRU102により実行される複数のチャネル割り当てプロシージャのDLシグナリングチャネル受信要件を調整および統合し、その統合したDLシグナリングチャネル受信要件に基づいて、DLシグナリングチャネル1101〜110Nのうちの特定のチャネルの受信を有効にするか否かを判定する。標準データベース122は、プロセッサ120と通信し、少なくとも1つの確立された標準プロシージャに関連付けられた情報をプロセッサ120に提供する。送信器118は、プロセッサ120と通信し、少なくとも1つのULチャネル108を介して、少なくとも1つのチャネル割り当て要求をノードB104に送信する。受信器116は、プロセッサ120と通信し、ノードB104から、DLシグナリングチャネル1101〜110Nを介して、チャネル割り当て情報を受信する。物理受信制御エンティティ114は、プロセッサ120および受信器116と通信する。物理受信制御エンティティ114は、プロセッサ120が行った判定に基づいて、DLシグナリングチャネル1101〜110Nのうちの特定のチャネルの受信を有効または無効にする。
【0032】
別の実施形態では、WTRU102は、少なくとも1つのULチャネル108を介して、少なくとも1つのデータトランスミッションを複数のノードB104に送信し、ノードB104は、データトランスミッションの受信に応じて、それぞれのダウンリンク(DL)シグナリングチャネル1101〜110Nを介して、データトランスミッションフィードバック情報をWTRU102に送信する。
【0033】
WTRU102内のプロセッサ120は、標準データベース122に記憶されている少なくとも1つの確立された標準プロシージャにしたがってWTRUにより実行される複数のデータトランスミッションプロシージャのDLシグナリングチャネル受信要件を調整および統合し、その統合したDLシグナリングチャネル受信要件に基づいて、DLシグナリングチャネル1101〜110Nのうちの特定のチャネルの受信を有効にするか否かを判定する。E−DCHデータバッファ112は、プロセッサ120と通信し、WTRU102が少なくとも1つのULチャネル108を介してノードB104に送信する少なくとも1つのデータトランスミッションに組み入れられるデータをキューする。送信器118は、プロセッサ120と通信し、少なくとも1つのデータトランスミッションをノードB104に送信する。受信器116は、プロセッサ120と通信し、ノードB104から、DLシグナリングチャネル1101〜110Nを介して、データトランスミッションフィードバック情報を受信する。物理受信制御エンティティ114は、プロセッサ120および受信器116と通信する。物理受信制御エンティティ114は、プロセッサ120が行った判定に基づいて、DLシグナリングチャネル1101〜110Nのうちの特定のチャネルの受信を有効または無効にする。
【0034】
さらに別の実施形態では、WTRU102は、少なくとも1つのULチャネル108を介して、少なくとも1つのチャネル割り当て要求と、E−DCHデータとを複数のノードB104に送信し、ノードBは、少なくとも1つのチャネル割り当て要求と、E−DCHデータとの受信に応じて、それぞれのダウンリンク(DL)シグナリングチャネル1101〜110Nを介して、チャネル割り当て情報と、E−DCHデータに関連付けられたデータフィードバック情報とをWTRU102に送信する。
【0035】
WTRU102内のプロセッサ120は、標準データベース122に記憶されている少なくとも1つの確立された標準プロシージャにしたがってWTRU102により実行される複数のチャネル割り当てプロシージャおよびデータトランスミッションプロシージャのDLシグナリングチャネル受信要件を調整および統合し、その統合したDLシグナリングチャネル受信要件に基づいて、DLシグナリングチャネル1101〜110Nのうちの特定のチャネルの受信を有効にするか否かを判定する。標準データベース122は、プロセッサ120と通信し、少なくとも1つの確立された標準プロシージャに関連付けられた情報をプロセッサ120に提供する。送信器118は、プロセッサ120と通信し、少なくとも1つのDLチャネル108を介して、少なくとも1つのチャネル割り当て要求と、E−DCHデータとをノードB104に送信する。受信器116は、プロセッサ120と通信し、ノードB104から、DLシグナリングチャネル1101〜110Nを介して、チャネル割り当て情報を受信する。物理受信制御エンティティ114は、プロセッサ120および受信器116と通信する。物理受信制御エンティティ114は、プロセッサ120が行った判定に基づいて、DLシグナリングチャネル1101〜110Nのうちの特定のチャネルの受信を有効または無効にする。
【0036】
本発明の特徴および要素を、好ましい実施形態における特定の組合せをもって、説明したが、各特徴または各要素は、好ましい実施形態の他の特徴および要素なしで単独で使用することもできるし、本発明の他の特徴および要素の有無に関係なく、様々な組合せをもって、使用することもできる。
図1
図2
図3