特許第6019077号(P6019077)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6019077非凝縮性ガスパラメータを決定するための装置及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6019077
(24)【登録日】2016年10月7日
(45)【発行日】2016年11月2日
(54)【発明の名称】非凝縮性ガスパラメータを決定するための装置及び方法
(51)【国際特許分類】
   G01F 1/74 20060101AFI20161020BHJP
   G01F 1/66 20060101ALI20161020BHJP
   G01F 1/06 20060101ALI20161020BHJP
   G01F 1/00 20060101ALI20161020BHJP
   G01F 15/04 20060101ALI20161020BHJP
   G01F 15/08 20060101ALI20161020BHJP
   G01N 21/85 20060101ALI20161020BHJP
   G01N 29/02 20060101ALI20161020BHJP
【FI】
   G01F1/74
   G01F1/66 101
   G01F1/06 Z
   G01F1/00 J
   G01F15/04
   G01F15/08
   G01N21/85 B
   G01N29/02
【請求項の数】15
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2014-190431(P2014-190431)
(22)【出願日】2014年9月18日
(65)【公開番号】特開2015-59939(P2015-59939A)
(43)【公開日】2015年3月30日
【審査請求日】2015年8月21日
(31)【優先権主張番号】1316760.6
(32)【優先日】2013年9月20日
(33)【優先権主張国】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】510232430
【氏名又は名称】スピラックス‐サルコ リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000671
【氏名又は名称】八田国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】イスラム,ナシュタラ
(72)【発明者】
【氏名】アッシャー,ピーター
(72)【発明者】
【氏名】フリスビー,ベン
(72)【発明者】
【氏名】オリバー,デイビッド
【審査官】 森 雅之
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許第4739647(US,A)
【文献】 特公平3−19932(JP,B2)
【文献】 特表昭63−500824(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01F1
G01F15
G01N21
G01N29
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
非凝縮性ガス及び凝縮物の両方を含有する様々な流量における流体流れ中の、前記非凝縮性ガスの量に関連する非凝縮性ガスパラメータを決定するための装置であって、
前記流体流れを受容し、通り抜ける前記流体流れが前記非凝縮性ガスと前記凝縮物とが交互になった複数のセクションを有するように構成される測定管と、
前記測定管の中の前記流体流れの流量に関連する流量信号を発生する流量センサと、
前記測定管の中を流れる前記非凝縮性ガスと前記凝縮物とが交互になった前記複数のセクションを経時的に観測し、観測した前記複数のセクションの相信号の特性を発生するように構成される相センサと、
前記流量信号及び前記相信号に基づいて、前記流体流れ中の前記非凝縮性ガスの量に関連する前記非凝縮性ガスパラメータを決定するように構成される非凝縮性ガス決定ユニットとを有する装置。
【請求項2】
前記相信号が、観測した前記複数のセクションの時間変化するプロファイル特性である、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記非凝縮性ガス決定ユニットが、前記相信号を前記流量信号と相関させることによって、前記非凝縮性ガスパラメータを少なくとも部分的に決定するように構成される、請求項1又は2に記載の装置。
【請求項4】
前記非凝縮性ガス決定ユニットが、前記相信号から前記非凝縮性ガス及び前記凝縮物の前記複数のセクションの複数の時間長さを測定し、前記複数の時間長さを前記流量信号の対応する部分と相関させることによって、前記非凝縮性ガスパラメータを少なくとも部分的に決定するように構成される、請求項1から3のいずれか1項に記載の装置。
【請求項5】
前記非凝縮性ガス決定ユニットが、前記非凝縮性ガスの観測された前記複数のセクションの体積に比例する非凝縮性ガス体積パラメータを計算することによって、前記非凝縮性ガスパラメータを少なくとも部分的に決定するように構成される、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記測定管の中の前記流体流れの温度に関連する温度信号を発生する温度センサを更に有し、
前記非凝縮性ガス決定ユニットが、前記温度信号、前記流量信号及び前記相信号に基づいて、基準温度における前記流体流れ中の前記非凝縮性ガスの量に関連する前記非凝縮性ガスパラメータを決定するように構成され、前記基準温度が、前記測定管の中の前記流体流れの温度とは異なる、請求項1から5に記載のいずれか1項の装置。
【請求項7】
前記非凝縮性ガスパラメータが、前記凝縮物の量又は前記流体流れの量に対する前記非凝縮性ガスの相対的な量を表す、請求項1から6のいずれか1項に記載の装置。
【請求項8】
前記相センサが、前記測定管の中の前記流体流れの密度に反応する超音波センサを有する、請求項1から7のいずれかに記載の装置。
【請求項9】
請求項1から8のいずれか1項に記載の装置と、
蒸気流れを受容するように構成され、前記非凝縮性ガス及び前記凝縮物の両方を含有する前記流体流れを提供するために、前記蒸気流れを凝縮するように構成されるコンデンサーとを有する、蒸気設備。
【請求項10】
非凝縮性ガス及び凝縮物の両方を含有する様々な流量における流体流れ中の、前記非凝縮性ガスの量に関連する非凝縮性ガスパラメータを決定する方法であって、
測定管の中の前記流体流れを受容し、それによって前記測定管の中を通り抜ける前記流体流れが前記非凝縮性ガスと前記凝縮物とが交互になった複数のセクションを有するようにさせる工程と、
前記測定管の中の前記流体流れの流量に関連する流量信号を発生する工程と、
前記測定管の中を流れる前記非凝縮性ガスと前記凝縮物とが交互になった前記複数のセクションを経時的に観測する工程と、
観測された前記複数のセクションの相信号の特性を発生する工程と、
前記流量信号及び前記相信号に基づいて、前記流体流れ中の前記非凝縮性ガスの量に関連する前記非凝縮性ガスパラメータを決定する工程とを含む方法。
【請求項11】
前記相信号が、観測された前記複数のセクションの時間変化するプロファイル特性である、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記非凝縮性ガスパラメータを決定する工程が、前記相信号を前記流量信号と相関させる工程を含む、請求項10又は11に記載の方法。
【請求項13】
前記非凝縮性ガスパラメータを決定する工程が、前記相信号から前記非凝縮性ガス及び/又は前記凝縮物の前記複数のセクションの複数の時間長さを測定する工程と、前記複数の時間長さを前記流量信号の対応する部分と相関させる工程とを含む、請求項10から12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
前記非凝縮性ガスパラメータを決定する工程が、前記非凝縮性ガスの観測された前記複数のセクションの体積に比例する非凝縮性ガス体積パラメータを計算する工程を含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記測定管の中の前記流体流れの温度に関連する温度信号を発生する工程を更に含み、
前記非凝縮性ガスパラメータが、前記温度信号、前記流量信号及び前記相信号に基づいて、基準温度における前記流体流れ中の前記非凝縮性ガスの量に関連するように決定され、前記基準温度が、前記測定管の中の前記流体流れの温度とは異なる、請求項10から14に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、非凝縮性ガス及び凝縮物の両方を含有する流体流れ中の、非凝縮性ガスの量に関連する非凝縮性ガスパラメータを決定するための装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
蒸気流れ中の空気のような非凝縮性ガスの存在は、蒸気流れの特性を著しく変化させることができる。例えば、非凝縮性ガスは、蒸気流れの伝熱特性に影響する可能性がある。更に、非凝縮性ガスは、過熱蒸気領域及び飽和蒸気領域のように蒸気流れ中に不均一な蒸気特性を引き起こす可能性がある。
【0003】
多くの産業工程において、蒸気流れ中の非凝縮性ガスの量は最小限にすることが望ましい。そのような1つの例が、例えば医療産業及び製薬産業における蒸気流れ中の製品及び/又は装置の殺菌である。蒸気流れ中の非凝縮性ガスの量が多すぎる場合、蒸気流れと装置との間の熱伝達率が装置を適切に殺菌するには不十分となる可能性がある。
【0004】
蒸気サンプルを凝縮させ、その結果生じる非凝縮性ガス及び凝縮物を採集することによって、蒸気流れ中の非凝縮性ガスの量を測定する方法が知られている。欧州標準EN285は、殺菌への適用においては、凝縮物100mlに対して非凝縮性ガス3.5ml、又は非凝縮性ガス3.5%を安全性限界として規定している。
【0005】
非凝縮性ガスは、多数の方法によって蒸気システムに入り込む可能性がある。例えば、非凝縮性ガスは、硬水軟化のような水処理中の過度のエアレーションによって入り込むことができる。更に、ボイラーへの注水が十分に予熱されていない場合、非凝縮性ガス(例えば空気)は、より低い温度においては、より簡単に水に吸収されるため、非凝縮性ガスがボイラー上流の蒸気システムに入り込むことができる。ボイラーから要求される蒸気量が増加し、そのためにプレヒーターを通り抜けてボイラーへ注入される水の流量が増加した場合、不十分な予熱が様々な要望の蒸気システムにおいて起こる可能性がある。
【0006】
米国特許第4831867号では、蒸気流れの一部を抽出し、非凝縮性ガスの泡及び凝縮物の液滴を含有する、実質的に一定流量である流体流れを提供するために、抽出した蒸気流れの一部を凝縮させることによって、蒸気流れ中の非凝縮性ガスの割合を見積もる方法及び装置が開示されている。光学センサは、非凝縮性ガスの泡が光学センサを通過した累積時間と、凝縮物の滴が光学センサを通過した累積時間とを記録する。センサを通過する各々のガスの長さと凝縮物の長さとの比は一定であって、流量は実質的に一定であると仮定される。結果的に、この方法及び装置は、蒸気流れ中の非凝縮性ガスの割合を推定するために、センサを通過して流れるガス及び凝縮物の累積時間のみを比較している。
【0007】
しかしながら、流体流れの流量が変動する場合、及び各蒸気流れが様々な割合の非凝縮性ガスを有する場合、この非凝縮性ガスの割合の推定値は不正確である可能性がある。
【発明の概要】
【0008】
結果的に、流体流れ中の非凝縮性ガスの量を測定するために、改善された装置及び方法を提供することが望まれる。
【0009】
本発明の第1の観点によって、非凝縮性ガス及び凝縮物の両方を含有する様々な流量における流体流れ中の、非凝縮性ガスの量に関連する非凝縮性ガスパラメータを決定するための装置が提供される。この装置は、流体流れを受容し、通り抜ける流体流れが非凝縮性ガスと凝縮物とが交互になった複数のセクションを有するように構成される測定管と、測定管の中の流体流れの流量に関連する流量信号を発生する流量センサと、測定管の中を流れる非凝縮性ガスと凝縮物とが交互になった複数のセクションを経時的に観測し、観測した前述の複数のセクションの相信号の特性を発生するように構成される相センサと、流量信号及び相信号に基づいて、流体流れ中の非凝縮性ガスの量に関連する非凝縮性ガスパラメータを決定するように構成される非凝縮性ガス決定ユニットとを有する。
【0010】
相信号は、観測した前述の複数のセクションの時間変化するプロファイル特性であってもよい。相信号は、観測した前述の複数のセクションの時間長さの特性であってもよい。相センサは、測定管の中を流れる流体流れの相を測定するように構成されてもよい。相センサは、測定管の中を流れる流体流れが、凝縮物又は非凝縮性ガスのどちらであるかを決定するように構成されてもよい。
【0011】
流量信号は、時間変化する流量信号であってもよい。流量信号は、流体流れの流速に関連してもよい。
【0012】
非凝縮性ガス決定ユニットは、相信号を流量信号と相関させることによって、非凝縮性ガスパラメータを少なくとも部分的に決定するように構成されてもよい。相信号を流量信号と相関させる工程は、相信号を流量信号上に、又はその逆にマッピングする工程を含んでもよい。相信号を流量信号と相関させる工程は、相信号の複数の部分を流量信号の複数の部分と組合せる工程を含んでもよい。非凝縮性ガス決定ユニットは、非凝縮性ガス及び/又は凝縮物の複数のセクションの複数の時間長さを相信号から決定することと、複数の時間長さを流量信号の対応する複数の部分と相関させることとによって、非凝縮性ガスパラメータを少なくとも部分的に決定するように構成されてもよい。
【0013】
非凝縮性ガス決定ユニットは、観測した非凝縮性ガスの複数のセクションの体積に比例するガス体積パラメータを計算することによって、非凝縮性ガスパラメータを少なくとも部分的に決定するように構成されてもよい。
【0014】
非凝縮性ガス決定ユニットは、観測した凝縮物の複数のセクションの体積に比例する凝縮物体積パラメータを計算することによって、非凝縮性ガスパラメータを少なくとも部分的に決定するように構成されてもよい。非凝縮性ガス決定ユニットは、ガス体積パラメータと凝縮物体積パラメータとの比、又はガス体積パラメータとガス体積パラメータ及び凝縮物体積パラメータの合計との比である、非凝縮性ガス割合パラメータを計算することによって、非凝縮性ガスパラメータを少なくとも部分的に決定するように構成されてもよい。非凝縮性ガスパラメータは、非凝縮性ガス割合パラメータに比例してもよい。
【0015】
この装置は、測定管の中の流体流れの温度に関連する温度信号を発生する温度センサを更に有してもよく、非凝縮性ガス決定ユニットは、温度信号、流量信号及び相信号に基づいて、基準温度における流体流れ中の非凝縮性ガスの量に関連する非凝縮性ガスパラメータを決定するように構成されてもよい。非凝縮性ガスパラメータは、基準温度に関連する信号又は量に基づいて、少なくとも部分的に決定されてもよく、この信号又は量は基準温度でもよい。基準温度は、測定管の中の流体流れの温度と異なってもよい。理想気体の法則によって説明されるガスの体積への温度影響によって、基準温度における流体流れ中の非凝縮性ガスの量は、例えば、支配的な温度条件(すなわち測定管の中の流体流れの実際の温度)における流体流れ中の非凝縮性ガスの量とは異なってもよい。
【0016】
非凝縮性ガス決定ユニットは、観測した非凝縮性ガスの複数セクションの体積に比例する非凝縮性ガス体積パラメータを計算することと、測定管の中の流体流れの温度及び基準温度に基づいて非凝縮性ガス体積パラメータをスケール調整することとによって、基準温度における流体流れ中の非凝縮性ガスの量に関連する非凝縮性ガスパラメータを少なくとも部分的に決定するように構成されてもよい。非凝縮性ガス決定ユニットは、基準温度と測定管の中の流体流れの温度との比に基づいて、非凝縮性ガス体積パラメータをスケール調整するように構成されてもよい。
【0017】
この装置は、測定管の中の流体流れの温度が基準温度よりも低くなるように構成されてもよい。この装置は、測定管の中の流体流れの温度が約40℃になるように構成されてもよい。基準温度は80℃でもよい。
【0018】
この装置は、測定管の中の圧力に関連する圧力信号を発生する圧力センサを更に有してもよく、非凝縮性ガス決定ユニットは、圧力信号、流量信号及び相信号に基づいて、基準圧力における流体流れ中の非凝縮性ガスの量に関連する非凝縮性ガスパラメータを決定するように構成されてもよい。非凝縮性ガスパラメータは、基準圧力に関連する信号又は量に基づいて、少なくとも部分的に決定されてもよく、この信号又は量は基準圧力でもよい。基準圧力は、測定管の中の流体流れの圧力とは異なってもよい。
【0019】
非凝縮性ガス決定ユニットは、観測した非凝縮性ガスの複数のセクションの体積に比例する非凝縮性ガス体積パラメータを計算することと、測定管の中の流体流れの圧力及び基準圧力に基づいて、非凝縮性ガス体積パラメータをスケール調整することとによって、基準圧力における流体流れ中の非凝縮性ガスの量に関連する非凝縮性ガスパラメータを少なくとも部分的に決定するように構成されてもよい。非凝縮性ガス決定ユニットは、基準圧力と測定管の中の流体流れの圧力との比に基づいて、非凝縮性ガス体積パラメータをスケール調整するように構成されてもよい。
【0020】
この装置は、測定管の中の流体流れの圧力が基準圧力より高く又は低くなるように構成されてもよい。基準圧力は、大気圧又は大気圧付近でもよい。基準圧力は、1atm又は1barでもよい。
【0021】
非凝縮性ガスパラメータは、凝縮物の量又は流体流れの量に対する非凝縮性ガスの相対的な量を表してもよい。
【0022】
非凝縮性ガス決定ユニットは、1サンプリング周期中の非凝縮性ガスパラメータを決定してもよく、1サンプリング周期中に非凝縮性ガスと凝縮物とが交互になった多数のセクションが測定管の中を流れる。
【0023】
相センサは、測定管の中の流体流れの屈折率に応答する光学センサを有してもよい。相センサは、測定管の中の流体流れの密度に応答する超音波センサを有してもよい。
【0024】
流量センサは、超音波流量計を有してもよい。
【0025】
この装置は、流体流れから非凝縮性ガスを放出させるガスベントを更に有してもよい。ガスベントは、相センサの下流及び流量センサの上流に設置してもよい。
【0026】
本発明の第2の観点によって蒸気設備が提供され、この設備は、本発明の第1の観点に基づく装置と、蒸気流れを受容するように構成され、非凝縮性ガス及び凝縮物の両方を含有する流体流れを提供するために、蒸気流れを凝縮するように構成されるコンデンサーとを有する。
【0027】
設備は、主蒸気流れから蒸気流れを抽出する蒸気抽出器を更に有してもよい。蒸気抽出器は、主蒸気流れから抽出された蒸気流れの流量が、主蒸気流れの圧力に依存するように構成されてもよい。
【0028】
本発明の第3の観点によって、非凝縮性ガス及び凝縮物の両方を含有する様々な流量における流体流れ中の、非凝縮性ガスの量に関連する非凝縮性ガスパラメータを決定する方法が提供される。この方法は、測定管の中の流体流れを受容し、それによって測定管の中の流体流れが非凝縮性ガスと凝縮物とが交互になった複数のセクションを有するようにさせる工程と、測定管の中の流体流れの流量に関連する流量信号を発生する工程と、測定管の中を流れる非凝縮性ガスと凝縮物とが交互になった複数のセクションを経時的に観測する工程と、観測した前述の複数のセクションの相信号の特性を発生する工程と、流量信号及び相信号に基づいて、流体流れ中の非凝縮性ガスの量に関連する非凝縮性ガスパラメータを決定する工程とを有する。
【0029】
相信号は、観測した前述の複数のセクションの時間変化するプロファイル特性でもよい。相信号は、観測した前述の複数のセクションの複数の時間長さの特性でもよい。前述の複数のセクションを経時的に観測する工程は、測定管の中を流れる流体流れの相を測定する工程を含んでもよい。前述の複数のセクションを観測する工程は、測定管の中を流れる流体流れが凝縮物又は非凝縮性ガスのどちらであるかを決定する工程を含んでもよい。
【0030】
流量信号は、時間変化する流量信号でもよい。流量信号は、流体流れの流速に関連してもよい。
【0031】
非凝縮性ガスパラメータを決定する工程は、相信号を流量信号と相関させる工程を含んでもよい。相信号を流量信号と相関させる工程は、流量信号の上に相信号をマッピングする工程、又はその逆の工程を含んでもよい。非凝縮性ガスパラメータを決定する工程は、相信号から非凝縮性ガス及び/又は凝縮物の複数のセクションの複数の時間長さを測定する工程と、複数の時間長さを流量信号の対応する部分と相関させる工程とを含んでもよい。
【0032】
非凝縮性ガスパラメータを決定する工程は、観測した非凝縮性ガスの複数のセクションの体積に比例する、非凝縮性ガス体積パラメータを計算する工程を含んでもよい。
【0033】
非凝縮性ガスパラメータを決定する工程は、観測した凝縮物の複数のセクションの体積に比例する凝縮物の体積パラメータを計算する工程を含んでもよい。非凝縮性ガスパラメータを決定する工程は、ガス体積パラメータと凝縮物体積パラメータとの比、又はガス体積パラメータとガス体積パラメータ及び凝縮物体積パラメータの合計との比を決定することによって、非凝縮性ガス割合パラメータを計算する工程を含んでもよい。非凝縮性ガスパラメータは、非凝縮性ガス割合パラメータに比例してもよい。
【0034】
この方法は、測定管の中の流体流れの温度に関連する温度信号を発生する工程を更に含んでもよく、非凝縮性ガスパラメータは、温度信号、流量信号及び相信号に基づいて、基準温度における流体流れ中の非凝縮性ガスの量に関連するように決められる。この決定は、基準温度に関連する信号又は量に基づいてもよく、この信号又は量は基準温度でもよい。基準温度は、測定管の中の流体流れの温度と異なってもよい。
【0035】
非凝縮性ガスパラメータを決定する工程は、観測した非凝縮性ガスの複数のセクションの体積に比例する、非凝縮性ガス体積パラメータを計算する工程と、測定管の中の流体流れの温度及び基準温度に基づいて、非凝縮性ガス体積パラメータをスケール調整する工程とを含んでもよい。非凝縮性ガス体積パラメータのスケール調整は、基準温度と測定管の中の流体流れの温度との比に基づいてもよい。
【0036】
測定管の中の流体流れの温度は、基準温度より低くてもよい。測定管の中の流体流れの温度は、約40℃でもよい。基準温度は80℃でもよい。
【0037】
この方法は、測定管の中の流体流れの圧力に関連する圧力信号を発生する工程を更に含んでもよく、非凝縮性ガスパラメータは、圧力信号、流量信号及び相信号に基づいて、基準圧力における流体流れ中の非凝縮性ガスの量に関連してもよく、基準圧力は測定管の中の流体流れの圧力とは異なる。この決定は、基準圧力に関連する信号又は量に基づいてもよく、この信号又は量は基準圧力でもよい。基準圧力は、測定管の中の流体流れの圧力とは異なってもよい。
【0038】
非凝縮性ガスパラメータを決定する工程は、観測した非凝縮性ガスの複数のセクションの体積に比例する非凝縮性ガス体積パラメータを計算する工程と、測定管の中の流体流れの圧力及び基準圧力に基づいて、非凝縮性ガス体積パラメータをスケール調整する工程とを含んでもよい。非凝縮性ガス体積パラメータのスケール調整は、基準圧力と測定管の中の流体流れの圧力との比に基づいてもよい。
【0039】
測定管の中の流体流れの圧力は、基準圧力より高い又は低い。基準圧力は、大気圧又は大気圧付近でもよい。基準圧力は、1atm又は1barでもよい。
【0040】
非凝縮性ガスパラメータは、凝縮物の量又は流体流れの量に対する非凝縮性ガスの相対的な量を表してもよい。
【0041】
非凝縮性ガスパラメータを決定する工程は、1サンプリング周期中に実行されてもよく、1サンプリング周期中に非凝縮性ガスと凝縮物とが交互になった多数のセクションが測定管の中を流れる。
【0042】
この方法は、前述の複数のセクションを観測し、前述の複数のセクションの相信号の特性を発生する相センサの下流、及び流量信号を発生する流量センサの上流の位置において、流体流れから非凝縮性ガスを放出させる工程を更に含んでもよい。本発明の第4の観点によって、本発明の第3の観点に基づく非凝縮性ガスパラメータを決定する方法を有し、更に、蒸気流れを受容する工程と、非凝縮性ガス及び凝縮物の両方を含有する流体流れを提供するために、蒸気流れを凝縮する工程とを有する蒸気設備の作動方法が提供される。
【0043】
この方法は、主蒸気流れから蒸気流れを抽出する工程を更に含んでもよい。主蒸気流れから抽出された蒸気流れの流量は、主蒸気流れの圧力に依存してもよい。
【0044】
本発明の第5の観点によって、非凝縮性ガス及び凝縮物の両方を含有する流体流れ中の、非凝縮性ガスの量に関連する非凝縮性ガスパラメータを決定するための装置が提供される。この装置は、流体流れを受容し、通り抜ける流体流れが非凝縮性ガスと凝縮物とが交互になった複数のセクションを有するように構成される測定管と、測定管の中を流れる非凝縮性ガスと凝縮物とが交互になった複数のセクションを経時的に観測し、観測した前述の複数のセクションの相信号の特性を発生するように構成される相センサと、測定管の中の流体流れの温度に関連する温度信号を発生する温度センサと、相信号及び温度信号に基づいて、基準温度における流体流れ中の非凝縮性ガスの量に関連する非凝縮性ガスパラメータを決定するように構成される非凝縮性ガス決定ユニットとを有する。基準温度は、測定管の中の流体流れの温度と異なってもよい。
【0045】
本発明の第6の観点によって、非凝縮性ガス及び凝縮物の両方を含有する流体流れ中の、非凝縮性ガスの量に関連する非凝縮性ガスパラメータを決定するための装置が提供され、この装置は、流体流れを受容し、通り抜ける流体流れが非凝縮性ガスと凝縮物とが交互になった複数のセクションを有するように構成される測定管と、測定管の中を流れる非凝縮性ガスと凝縮物とが交互になった複数のセクションを経時的に観測し、観測した前述の複数のセクションの相信号の特性を発生するように構成される相センサと、測定管の中の流体流れの圧力に関連する圧力信号を発生する圧力センサと、相信号及び圧力信号に基づいて、基準圧力における流体流れ中の非凝縮性ガスの量に関連する非凝縮性ガスパラメータを決定するように構成される非凝縮性ガス決定ユニットとを有する。基準圧力は、測定管の中の流体流れの圧力と異なってもよい。
【0046】
本発明の第5及び/又は第6の観点に基づく装置に係る非凝縮性ガス決定ユニットは、観測した非凝縮性ガスの複数のセクションの体積に比例する非凝縮性ガス体積パラメータを計算することによって、非凝縮性ガスパラメータを少なくとも部分的に決定するように構成されてもよい。非凝縮性ガス体積パラメータは、例えば流量が実質的に一定である流体流れに対しては、流量を観測することなく、非凝縮性ガスの複数のセクションの複数の時間長さに基づいて計算されてもよい。
【0047】
本発明の第5及び第6の観点に基づく装置は、測定管において受容された流体流れの流量が実質的に一定になるように構成される流量調整器を有してもよい。
【0048】
本発明の第5及び第6の観点に基づく装置は、相互に矛盾するような特性を除いて、本発明の他の観点において規定されるいずれの特性及び制約を有してもよい。
【0049】
本発明の第7の観点によって、非凝縮性ガス及び凝縮物の両方を含有する流体流れ中の、非凝縮性ガスの量に関連する非凝縮性ガスパラメータを決定する方法が提供され、この方法は、測定管の中に流体流れを受容し、それによって測定管の中の流体流れが非凝縮性ガスと凝縮物とが交互になった複数のセクションを有するようにさせる工程と、測定管の中を流れる非凝縮性ガスと凝縮物とが交互になった複数のセクションを経時的に観測する工程と、観測した前述の複数のセクションの相信号の特性を発生する工程と、測定管の中の流体流れの温度に関連する温度信号を発生する工程と、相信号及び温度信号に基づいて、基準温度における流体流れ中の非凝縮性ガスの量に関連する非凝縮性ガスパラメータを決定する工程とを有する。基準温度は、測定管の中の流体流れの温度と異なってもよい。
【0050】
本発明の第8の観点によって、非凝縮性ガス及び凝縮物の両方を含有する流体流れ中の、非凝縮性ガスの量に関連する非凝縮性ガスパラメータを決定する方法が提供され、この方法は、測定管の中に流体流れを受容し、それによって測定管の中の流体流れが非凝縮性ガスと凝縮物とが交互になった複数のセクションを有するようにさせる工程と、測定管の中を流れる非凝縮性ガスと凝縮物とが交互になった複数のセクションを経時的に観測する工程と、観測した前述の複数のセクションの相信号の特性を発生する工程と、測定管の中の流体流れの圧力に関連する圧力信号を発生する工程と、相信号及び圧力信号に基づいて、基準圧力における流体流れ中の非凝縮性ガスの量に関連する非凝縮性ガスパラメータを決定する工程とを有する。基準圧力は、測定管の中の流体流れの圧力と異なってもよい。
【0051】
本発明の第7及び/又は第8の観点に基づく方法に係る、非凝縮性ガスパラメータを決定する工程は、観測した非凝縮性ガスの複数のセクションの体積に比例する非凝縮性ガス体積パラメータを計算する工程を含んでもよい。非凝縮性ガス体積パラメータは、例えば流量が実質的に一定である流体流れに対しては、流量を観測することなく、非凝縮性ガスの複数のセクションの複数の時間長さに基づいて計算されてもよい。
【0052】
本発明の第7及び/又は第8の観点に基づく方法は、測定管において受容した流体流れの流量が実質的に一定になるように、流体流れを調整する工程を更に含んでもよい。
【0053】
本発明の第7及び/又は第8の観点に基づく方法は、相互に矛盾するような特性を除いて、本発明の他の観点において規定されるいずれの特性及び制約を有してもよい。
【0054】
本発明は、相互に矛盾するような特性の組合せを除いて、ここにおいて言及された特性及び/又は制約のいずれの組合せを有してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0055】
本発明の実施形態は、例として添付の図を参照して説明される。
図1図1は、本発明の実施形態1に係る装置を示す概略図である。
図2図2は、相信号及び流量信号の一例を示す概略図である。
図3図3は、本発明の実勢形態2に係る装置を示す概略図である。
図4図4は、本発明の実施形態3に係る装置を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0056】
図1は、蒸気システム10の一部と、蒸気システム10から送られた、様々な流量における流体流れ中の非凝縮性ガスの量を測定するための測定装置20とを示す。
【0057】
蒸気システム10は、ボイラー12と、主蒸気流れのための主蒸気流路14とを有する。測定装置20は分岐路22を有し、分岐路22は主蒸気流路14に接続され、コンデンサー24へ主蒸気流路14から抽出した蒸気を搬送する。コンデンサー24は、非凝縮性ガス及び凝縮物の両方を含有する流体流れを提供する。
【0058】
測定装置20は、測定管26と、相センサ28と、ガスベント30と、流量センサ32と、非凝縮性ガス決定ユニット34と、ディスプレイ35及びアラーム37とを更に有する。
【0059】
測定管26は、コンデンサー24から流体流れを受容するように構成され、測定管26中を流れる流体流れが非凝縮性ガス(すなわち気泡)と凝縮物(すなわち液滴)とが交互になった複数のセクションを有するように、十分に小さい直径を有する。測定管26の直径は、例えば0.5mmから0.4mmの間、又は1mmから2mmの間でもよい。
【0060】
この実施形態では、測定管26は超音波気泡センサである相センサ28を通って伸長している。従って、測定管26において相センサ28を通って伸長している部分は、超音波の伝播に適合するような材料から形成される。この実施形態では、測定管26において相センサ28を通り抜けて伸長している部分は、PTFEのように高い温度耐性を有するプラスチック材料から成る。測定管26において相センサ28を通って伸長している部分は、取付けを補助するようにある程度の柔軟性も有する。
【0061】
超音波気泡センサ28は、観測している位置における測定管26中の流体流れが、非凝縮性ガス又は凝縮物のどちらなのかを検知することができる。超音波気泡センサ28は、測定管26の片側に超音波パルス発信器と、測定管26の反対側に受信器とを有する。作動する場合、パルス発信器は超音波パルスを発信し、超音波パルスは測定管26及び流体流れを通り抜け、受信器において受信される。受信器において受信された信号の減衰度に従って、パルスが非凝縮性ガスのセクション又は凝縮物のセクションのどちらを通り抜けたのか決定することができる。
【0062】
ガスベント30は、相センサ28の下流の測定管26の終端に接続される。ガスベント30は、測定管26から流体流れを受容し、そこから非凝縮性ガスを取除く。ガスベント30は、ガスがガスベント30に流れこんだ場合に開くガス放出弁を有する自動的な部品である。ガスベント30は、非凝縮性ガスを排出するガス排出路36と、凝縮物用の液体出口ポート38とを有する。ガスベント30は、スパイラックス・サーコ(登録商標)のAE30空気抜き弁のような、任意の適合する自動的なガスベントでもよい。
【0063】
流量センサ32は、ガスベント30の液体出口ポート38から伸長している流路40に接続される。この実施形態では、流量センサ32は超音波流量センサであり、流路40は流量センサ32を通って伸長している。超音波流量センサ32は、超音波パルスを流路40の上流及び下流の両方向から伝播させることによって、流路40中の流体流れの流量を観測するように構成される。流量センサ32は、伝播した超音波パルスを受信する受信器を上流及び下流に有する。流量センサ32は、上流及び下流の両方向から流体流れを通り抜けたパルスの伝播時間と、流体流れの流速に関連する上流の伝播時間と下流の伝播時間との差とを測定する。流量センサ32は、流体流れの流速に関連する時間変化する流量信号を発生するように構成される。
【0064】
非凝縮性ガス決定ユニット34は、相センサ28及び流量センサ32に接続され、各センサから相信号及び流量信号を受信する。この実施形態では、相信号及び流量信号は有線の接続を用いて非凝縮性ガス決定ユニット34に送信されるが、他の実施形態では、相信号及び/又は流量信号は無線接続を用いて送信されてもよい。非凝縮性ガス決定ユニット34は、相信号及び流量信号の両方を用いることによって、流体流れ中の非凝縮性ガスの量に関連する非凝縮性ガスパラメータを決定するように構成される。この実施形態では、非凝縮性ガス決定ユニット34は、流体流れ中の非凝縮性ガスの割合に関連する非凝縮性ガスパラメータを(体積によって)決定するために、相信号を流量信号と相関させるように構成される。
【0065】
この実施形態では、非凝縮性ガス決定ユニット34は、相信号及び流量信号を受信するための複数のインプットと、ディスプレイ35及びアラーム37のためのアウトプットとを有する専用ユニットである。しかしながら、他の実施形態では、非凝縮性ガス決定ユニット34は、ディスプレイ35及びアラーム37を内蔵してもよいし、又は適切なソフトウェアを備えたコンピュータであってもよい。
【0066】
測定装置20は、ディスプレイ35と、アラーム37とを更に有する。ディスプレイ35は、非凝縮性ガスパラメータが更新された場合はいつでも更新されるように構成される。アラーム37は、非凝縮性ガスパラメータが、非凝縮性ガスの量が閾値よりも高いことを示唆した場合、作動されるように構成される。
【0067】
様々な流量における流体流れ中の非凝縮性ガスを測定する方法は、図1の測定装置20を参照することによって説明される。
【0068】
ボイラー12は、使用される場合、主蒸気流路14を流れる主蒸気流れを生成するために、プレヒータ(図には示していない)から受容した水を沸騰させる。主蒸気流れは、空気のような非凝縮性ガス及び蒸気を含む。主蒸気流れの一部は、分岐路22からコンデンサー24へと流れ落ち、コンデンサー24において非凝縮性ガス及び凝縮物を含有する流体流れを提供するために凝縮される。
【0069】
流体流れは測定管26に受容され、測定管26の直径の小ささによって、非凝縮性ガスの泡と凝縮物の液滴とが交互になった複数のセクションを形成する。非凝縮性ガスと凝縮物とが交互になった複数のセクションは、メニスカス部によって仕切られ、測定管26の端から端まで様々な流速において流れる。非凝縮性ガスの複数のセクション、すなわち複数の泡は、測定管26の全直径を占め、様々な長さを有する。
【0070】
流体流れは測定管26の中を流れ、超音波気泡センサ28を通過する。超音波気泡センサ28は、超音波パルスを1sあたり100,000回発信及び受信する。超音波気泡センサ28は、各パルスの減衰度に従って、超音波気泡センサ28を通過する流体流れの相を決定し、各超音波パルスにおける流体流れの相を示す対応する相信号を発生する。相信号は、経時的な流体流れの相のプロファイルを提供し、有線接続によって非凝縮性ガス決定ユニット34に送信される。
【0071】
超音波気泡センサ28の下流では、流体流れがガスベント30に入り込み、ガス排出路36を介して非凝縮性ガスが流体流れから取除かれる。この実施形態では、ガスは大気へ放出されるが、他の実施形態では、取除かれたガスは集められ、熱回収ユニットへ搬送されてもよい。流体流れは、これ以降実質的に凝縮物のみを有し、流路40へ入るために、液体出口ポート38を通ってガスベント30から出る。
【0072】
流体流れが、流路40の中を流れ、超音波流量センサ32を通過すると、流量センサ32は流体流れの流速に関連する流量信号を発生する。この信号は、有線接続によって非凝縮性ガス決定ユニット34へと送信される。この実施形態では、流量センサ32は、毎秒流体流れの流速をm/s単位を用いて測定するように調整され、対応する流量信号を発生する。ただし、流体流れの実際の流速を決定する必要は厳密にはないが、流速に関連する信号又は比例する信号だけは決定する必要があることが理解されよう。
【0073】
非凝縮性ガス決定ユニット34は、相センサ28から相信号を、流量センサ32から流量信号を受信する。この実施形態では、流量信号は経時的な流体流れの流速に相当し、毎秒更新される。流量センサ32はガスベント30の下流に設置されるため、流量信号は流体流れの一部である凝縮物に基づく。ただし、流体流れ中の非凝縮性ガスの割合が一般的に低いことによって、流体流れの一部である凝縮物の流量は、凝縮物及び非凝縮性ガスの両方を含有する複合的な流体流れの流量の代表値となる。相信号は、1sあたり100,000回、すなわち各超音波パルスが10μsの間隔として、相センサ28を通過する流体流れの相を示す。非凝縮性ガス又は凝縮物のいずれの特定セクションの時間長さも、10μsより著しく長いことから、非凝縮性ガス決定ユニット34は非凝縮性ガス又は凝縮物の各セクションの時間長さを正確に決定することができる。
【0074】
非凝縮性ガス決定ユニット34は、非凝縮性ガス又は凝縮物の各セクションに対して、時間長さを流量信号の対応する部分と相関させる。流量信号は1sごとに更新されるため、非凝縮性ガス決定ユニット34は、非凝縮性ガス又は凝縮物の各セクションに対応する流量信号の部分に対して、流速を内挿する。
【0075】
非凝縮性ガス決定ユニット34は、各セクションの時間長さ及び相関させた流速を用いて、各セクションの体積を決定する。非凝縮性ガス決定ユニット34は、1サンプリング周期である1min間に、非凝縮性ガスの複数のセクションの累積体積、及び凝縮物の複数のセクションの累積体積を測定する。
【0076】
この実施形態では、非凝縮性ガス決定ユニット34は、各サンプリング周期中に、凝縮物の体積に対する非凝縮性ガスの比例体積に相当する非凝縮性ガスパラメータを決定する。例えば、非凝縮性ガス決定ユニット34は、サンプリング周期中に、凝縮物の体積を100ml、非凝縮性ガスの体積を3mlと測定した場合、非凝縮性ガスパラメータを3%と決めるだろう。
【0077】
非凝縮性ガスパラメータは、ディスプレイ35に表示され、ディスプレイ35は各サンプリング周期の終わりに更新される。
【0078】
この実施形態では、アラーム37は、非凝縮性ガスパラメータが3.5%を超えた場合に作動されるように構成され、この値はEN285で規定された殺菌への適用における安全性の限界値と一致する。この実施形態では、アラーム37は可聴式のアラームであるが、視覚式のアラーム又は遠隔式のアラームのように、他の種類のアラームでもよい。
【0079】
非凝縮性ガス決定ユニット34は非凝縮性ガスの実際の体積を決定する必要はないが、非凝縮性ガスの体積に関連する又は比例する非凝縮性ガスパラメータを決定する必要があるということは、理解されよう。例えば、流体流れ中の凝縮物の量に対する非凝縮性ガスの相対的な量は、非凝縮性ガス及び凝縮物の実際の量を知ることなく、相対的な量に比例するパラメータを決定することによって決定されてもよい。そのため、非凝縮性ガス及び凝縮物の複数のセクション各々の時間長さ又は相対的な時間長さを測定し、これらを関連する流量信号の一部と相関させることだけが必要となる。
【0080】
同様に、非凝縮性ガスの相対的な量を計算するために、流量信号から実際の流速を求めることは必要ではない。流量信号が流速に関連する又は比例するということは、非凝縮性ガスと凝縮物との相対的な体積を決定するのに十分である。
【0081】
本発明の実施形態では、流量信号から実際の流速を求める場合、非凝縮性ガス決定ユニット34は、非凝縮性ガスの時間長さ及び測定管26の直径と流速とを乗算することによって、非凝縮性ガスの実際の体積を決定することができる。流路40の直径と測定管26の直径が異なる場合は、非凝縮性ガス決定ユニット34は測定管26の中の流速を流量センサ32における流速に基づいて再計算できることが理解されよう。
【0082】
(例)
本発明は、例として簡略化された流体流れを用いて説明される。
【0083】
この例では、非凝縮性ガス決定ユニット34は、10sのサンプリング周期中に、非凝縮性ガスパラメータを決定する。サンプリング周期の初めの5s間に対し、流体流れの流速が2m/s、凝縮物と非凝縮性ガスとが交互になったセクションの時間長さは、各々1s及び0.02sとする。5s後からは、流速は5m/sに増加し、凝縮物と非凝縮性ガスとが交互になったセクションの時間長さは、各々1s及び0.04s(サンプリング周期の最後における凝縮物のセクションは0.7s間のみ観測された)とする。
【0084】
結果として、サンプリング周期10sの内、非凝縮性ガスのセクションの時間長さの増加及び流体流れの流速の増加によって、最後の5s間に非凝縮性ガスの流れが増加する。
【0085】
図2は、サンプリング周期中の対応する相信号及び流量信号を示す。
【0086】
各セクションの時間長さに基づいて、流体流れ中の凝縮物に対する非凝縮性ガスの相対的な割合を推定すると、非凝縮性ガスの推定値は3%と算出される。
【0087】
しかしながら、非凝縮性ガス及び凝縮物各々の体積に基づいて、流体流れ中の凝縮物に対する非凝縮性ガスの相対的な割合を測定すると、測定値は3.5%となる。
【0088】
非凝縮性ガス及び凝縮物各々の体積に基づいた測定値は、凝縮物のセクションに対して非凝縮性ガスのセクションの時間長さが増加した、最後5s間の流体流れの流量の増加量を考慮しているため、より正確である。
【0089】
図3は、本発明に係る測定装置30の実施形態2を示し、測定装置30は、測定管26と、流量センサ32と、相センサ28と、非凝縮性ガス決定ユニット34とを有する。
【0090】
測定装置30の実施形態2は、主蒸気流路から蒸気流を抽出する手段と、コンデンサーとを有さないという点において実施形態1と異なる。測定装置30は、吸入口42で流体流れを受容するように構成される。
【0091】
更に、測定装置30の実施形態2は、流量センサ32を相センサ28の上流に備え、ガスベントがないという点において実施形態1と異なる。
【0092】
結果として、流量センサ32は、使用される場合、流体流れ中の非凝縮性ガスの一部及び凝縮物の一部に基づいた流量信号を発生する。対照的に、実施形態1の流量センサ32は、流体流れ中の凝縮物の一部に基づいた流量信号を発生する。他の実施形態では、ペルトンホイール型流量センサが流量に関連するパラメータを決定してもよく、一定の間隔において対応する信号を発生してもよい。
【0093】
実施形態2では、流量センサ32はペルトンホイール型流量センサである。流量センサ32は、使用される場合、流体流れの流量に関連する周波数の信号を発生する。非凝縮性ガス決定ユニット34は、流体流れの流量に関連するパラメータを決定するために、周波数を読み取る。
【0094】
実施形態2では、相センサ28は、米国特許第4831867号(請求項4、5)において説明されているタイプの光学センサであり、そのため、測定管26において光学センサに接続されている又は光学センサを通っている部分は、透明又は半透明である。測定管26におけるこの部分は、ガラス又はプラスチック材料のような、凝縮物の屈折率とよく一致する屈折率を有する材料から形成される。例えば、凝縮物の屈折率は1.33、ガラス製の測定管の屈折率は1.5でもよい。
【0095】
光学センサは、周期的に光線を放出する光線発信器と、受信器とを有する。光学センサが使用された場合、凝縮物のセクションが光学センサを通過したときは、光線は比較的小さい角度において屈折するため、受信器が光線を検知できる。しかしながら、非凝縮性ガスのセクションが光学センサを通過したときは、光線はより大きい角度において屈折するため、受信器は光線を検知できない。結果として、光学センサは、測定管26の中の凝縮物又は非凝縮性ガスの存在を検知することができる。実施形態1の超音波気泡センサのように、光学センサは毎秒100,000回のように、高い周波数の光を放出する。
【0096】
本発明の実施形態1のように、非凝縮性ガス決定ユニット34は、流量センサ32によって発生される流量信号及び相センサ28によって発生される相信号に基づいて、流体流れ中の非凝縮性ガスの量に関連する非凝縮性ガスパラメータを決定する。
【0097】
更なる実施形態では、容積式流量計又は歯車式流量計のように、他のタイプの流量計や流量センサが使用される。
【0098】
図4に、本発明に係る測定装置44の実施形態3を示す。測定装置44の実施形態3は、温度センサ46を更に有するという点において実施形態1とは異なり、更に温度センサ46は、コンデンサー24と相センサ28との間に設置され、測定管26中の流体流れの温度に関連する信号を発生するように構成される。
【0099】
この実施形態では、測定装置44の非凝縮性ガス決定ユニット34は、各サンプリング周期中、凝縮物の体積に対する非凝縮性ガスの調整された比例体積に相当する非凝縮性ガスパラメータを決定するように構成される。調整された比例体積は、予め設定された温度における非凝縮性ガスの体積に関連する。
【0100】
例えば、EN285に規定された殺菌への適用における安全性の限界値は、温度80℃(大気圧)において非凝縮性ガスの体積分率3.5%である。気体の圧縮率のため、非凝縮性ガスの体積分率は流体流れの温度及び圧力に依存する。結果として、非凝縮性ガス決定ユニット34は、測定管26中の流体流れの温度と80℃のように予め設定された温度との温度差を考慮して、相信号及び流量信号に基づいて計算された体積分率を調整するように構成される。この調整は、下記の数式1から3に示すように理想気体の法則に基づいてなされる。下記の式では、Pは圧力、Vは体積、Tは温度、nはガスの量(モルを用いて測定)、Rは気体定数を示す。
【0101】
【数1】
【0102】
【数2】
【0103】
【数3】
【0104】
そのため、圧力が一定であると仮定すれば、第1の温度Tにおける一定の物質量(すなわち一定の質量)におけるガスの体積は、第2の温度Tにおける同じ物質量の体積を計算するために、TとTとの比によってスケール調整されることがわかる。非凝縮性ガス決定ユニット34は、例えば80℃のように予め設定された温度Tにおける非凝縮性ガスの相当する体積分率を決定するために、40℃のように温度Tにおいて測定されたガスの体積分率を調整するように構成される。測定管26中の流体流れの温度Tは、温度センサ46からの温度信号に基づいて決定される。
【0105】
測定装置44は、使用される場合、本発明の実施形態1に関して上記において説明したように作動する。更に、温度センサ46は測定管26中の流体流れの温度Tに関連する信号を発生する。非凝縮性ガス決定ユニット34は、流体流れが異なる基準温度Tであった場合、流体流れ中に存在するであろう非凝縮性ガスの体積分率に関連する、調整された非凝縮性ガスパラメータを決定する。
【0106】
他の実施形態では、測定装置44は、測定管26中の流体流れの圧力Pを観測する圧力センサを有してもよく、圧力Pは上記の調整された体積の計算に取入れられてもよい。例えば、測定管26の中の圧力Pが1.2bar、調整された体積分率の計算を目的として、基準圧力Pは1barとしてもよい。圧力センサに追加して又は代わりに温度センサ46を備えてもよい。
【0107】
測定管26の中以外の圧力及び/又は温度条件における非凝縮性ガスの量を反映した非凝縮性ガスパラメータを決定するということは、業界規格の試験条件のように予め設定された作動条件を反映して非凝縮性ガスパラメータを決定することができるということであり、その間装置は予め設定された以外の条件において作動させることが可能となる。
【0108】
例えば、予め設定された条件は、工業規格EN285に規定されているように、非凝縮性ガスの量が規定された大気圧及び温度80℃の条件において限界割合の3.5%を超えているかどうか判定するために、大気圧及び温度80℃としてもよい。しかしながら、装置は異なる圧力及び/又は温度条件において作動させることができる。例えば、装置はより低い約40℃の温度において作動させてもよい。装置をより低い温度において作動させることは、一般的には低い温度における作動による安価性、及び/又は使用される設備の単純性を意味するため、利点となる。
【0109】
本発明の測定装置及び方法は、関連する蒸気流れを適用した場合の適合性を評価するために、非凝縮性ガス及び凝縮物を含有する流体流れ中の非凝縮性ガスの量を、より正確に決定することができる。非凝縮性ガス及び凝縮物の複数のセクションの相対的な時間長さに基づいて、非凝縮性ガスの量を推定することとは対照的に、本発明の測定装置及び方法は、非凝縮性ガスと凝縮物とが交互になった複数のセクションの相信号の特性及び流体流れの流量に関連する流量信号に基づいて、非凝縮性ガスの量を決定する。結果として、本発明の測定装置及び方法は、非凝縮性ガスパラメータが流体流れ中の非凝縮性ガスの実際の体積に関連するように、相信号及び流量信号を相関させることによって、非凝縮性ガスの量を決定できるようにする。
【0110】
特に、本発明の測定装置及び方法は、様々な流量における流体流れにおいて、流体流れ中の非凝縮性ガスの量をより正確に測定できるようにする。例えば、本発明の測定装置及び方法は、流量が関連する蒸気流れの圧力又は流量に依存するような場所への適用に特に適合する。
【0111】
本発明の複数の実施形態では、非凝縮性ガス又は凝縮物の各々のセクションの時間長さは、非凝縮性ガス決定ユニット34によって測定されると説明したが、他の実施形態では、時間長さは相センサ28によって測定されてもよく、相信号は各時間長さに直接関連してもよいと理解されよう。更に、相信号は、流体流れの相が非凝縮性ガスから凝縮物に切替わる、又はその逆に切替わる時間に関連してもよい。更に、相センサ28は、各相のサンプリング周期中の各相の時間の比を測定してもよく、相信号は各相のサンプリング周期における時間の比に関連してもよい。相信号は、相のサンプリング周期中の、非凝縮性ガスのセクションの時間長さ又は相対的な時間長さを導き出すことができる、あらゆる形式をとってよい。
【0112】
流体流れの流量に関連する流量信号についての言及は、流体流れの流量に実質的に比例するパラメータは、流量信号から導かれること示唆していることが理解されよう。流量センサ32がガスベント30の下流に取付けられ、流体流れ中の凝縮物の一部に基づいて流量信号を発生した場合、全体として非凝縮性ガスの一部は流体流れの極一部しか占めないため、流量信号は流体流れの流量に実質的に関連する。
【符号の説明】
【0113】
10 蒸気システム、
12 ボイラー、
14 主蒸気流路、
20、30、44 測定装置、
22 分岐路、
24 コンデンサー、
26 測定管、
28 位相センサ、
30 ガスベント、
32 流量センサ、
34 非凝縮性ガス測定ユニット、
35 ディスプレイ、
36 ガス排出路、
37 アラーム、
38 液体出口ポート、
40 流路、
42 吸入口。
図1
図2
図3
図4