(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第二の判断部は、前記入力部により入力された前記データおよび前記第一の受け付け部により受け付けた前記印刷の種別の設定に基づいて、複数の前記印刷機能のうちのいずれが、前記用紙セット部にセットされた前記用紙に対して設定することが可能か否かを判断する、請求項1に記載の印刷装置。
前記第三の判断部は、前記入力部により入力された前記データ、前記第一の受け付け部により受け付けた前記印刷の種別の設定、および前記第二の受け付け部により受け付けた前記印刷機能の設定に基づいて、複数の前記処理機能のうちのいずれが、前記用紙部にセットされた前記用紙に対して設定することが可能か否かを判断する、請求項3に記載の印刷装置。
複数の前記印刷の種別には、コピー印刷、プリンター印刷、およびファクシミリ印刷のうちの少なくともいずれか一つが含まれる、請求項1〜5のいずれか1項に記載の印刷装置。
複数の前記印刷機能の設定には、モノクロ印刷かカラー印刷かの設定、および両面印刷か片面印刷かの設定のうちの少なくともいずれか一つを含む、請求項1〜6のいずれか1項に記載の印刷装置。
複数の印刷の種別、および複数の印刷機能を有する印刷装置と、前記印刷装置に接続され、前記印刷装置に対して印刷を要求することができるコンピューターとを含む印刷システムであって、
前記印刷装置は、用紙に画像を印刷する印刷部と、
前記印刷部によって画像が印刷される前記用紙をセットする用紙セット部とを備え、
前記印刷装置および前記コンピューターのいずれか一方は、前記用紙セット部にセットされる前記用紙のサイズおよび前記用紙のメディアタイプの少なくともいずれか一方のデータを入力させる入力部と、
前記入力部により入力された前記データに基づいて、複数の前記印刷の種別のうちのいずれが、前記用紙セット部にセットされた前記用紙に対して設定することが可能か否かを判断する第一の判断部と、
前記第一の判断部により可能であると判断された前記印刷の種別の設定を受け付け、前記第一の判断部により不可能であると判断された前記印刷の種別の設定を禁止する第一の受け付け部と、
前記入力部により入力された前記データに基づいて、複数の前記印刷機能のうちのいずれが、前記用紙セット部にセットされた前記用紙に対して設定することが可能か否かを判断する第二の判断部と、
前記第二の判断部により可能であると判断された前記印刷機能の設定を受け付け、前記第二の判断部により不可能であると判断された前記印刷機能の設定を禁止する第二の受け付け部と、
前記入力部により入力された前記データ、前記第一の受け付け部により受け付けた前記印刷の種別、および前記第二の受け付け部により受け付けた前記印刷機能の設定に応じて、前記用紙セット部にセットされた前記用紙に対し、前記印刷部による画像の印刷を行うよう制御する制御部とを備える、印刷システム。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、この発明の実施の形態を説明する。まず、この発明の一実施形態に係る印刷装置をデジタル複合機に適用した場合のデジタル複合機の構成について説明する。
図1は、この発明の一実施形態に係る印刷装置をデジタル複合機に適用した場合のデジタル複合機の外観を示す概略図である。
図2は、この発明の一実施形態に係る印刷装置をデジタル複合機に適用した場合のデジタル複合機の構成を示すブロック図である。
【0019】
図1および
図2を参照して、デジタル複合機11は、デジタル複合機11全体の制御を行う制御部12と、デジタル複合機11側から発信する情報やユーザーの入力内容を表示する表示画面21を含み、印刷部数や階調性等の画像形成の条件や電源のオンオフを入力させる操作部13と、セットされた原稿を自動的に読み取り部へ搬送するADF(Auto Document Feeder)22を含み、原稿の画像を読み取る画像読み取り部14と、手差しで用紙をセットする手差しトレイ28や複数枚の用紙を収納可能な第一の給紙カセット23a、第二の給紙カセット23b、第三の給紙カセット23cを含み、画像を形成する用紙をセットする用紙セット部19と、読み取った画像やネットワーク25を介して送信された画像データを基に画像を形成する画像形成部15と、画像形成部15により用紙に画像を形成した後に用紙を排出する排出トレイ29と、送信された画像データや入力された画像形成条件等の格納を行うハードディスク16と、公衆回線24に接続されており、ファクシミリ送信やファクシミリ受信を行うファクシミリ通信部17と、ネットワーク25と接続するためのネットワークインターフェース部18と、印刷の終了した用紙の端部に貫通孔を開けるパンチ機構42、印刷の終了した複数枚の用紙を束ねて端部をステープルで綴じるステープル機構43、および印刷の終了した複数枚の用紙を折る等して製本を行う製本機構44を含む後処理装置41とを備える。用紙に後処理を施す後処理装置41は、フィニッシャーとも呼ばれるものであり、デジタル複合機11に着脱可能に取り付けられている。なお、デジタル複合機11は、画像データの書き出しや読み出しを行うDRAM(Dynamic Random Access Memory)等を備えるが、これらについては、図示および説明を省略する。また、
図2中の矢印は、制御信号や制御、画像に関するデータの流れを示している。
【0020】
デジタル複合機11は、画像読み取り部14により読み取られた原稿を用いて画像形成部15において画像を形成することにより、複写機として作動する。すなわち、デジタル複合機11は、印刷の種別として、コピー印刷を含む。また、デジタル複合機11は、ネットワークインターフェース部18を通じて、ネットワーク25に接続されたコンピューター26a、26b、26cから送信された画像データを用いて、画像形成部15において画像を形成して用紙に印刷することにより、プリンターとして作動する。すなわち、デジタル複合機11は、印刷の種別として、プリンター印刷を含む。また、画像形成部15は、要求された画像を印刷する印刷部として作動する。デジタル複合機11は、ファクシミリ通信部17を通じて、公衆回線24から送信された画像データを用いて、DRAMを介して画像形成部15において画像を形成することにより、また、画像読み取り部14により読み取られた原稿の画像データを、ファクシミリ通信部17を通じて公衆回線24に画像データを送信することにより、ファクシミリ装置として作動する。すなわち、デジタル複合機11は、印刷の種別として、ファクシミリ印刷を含む。デジタル複合機11は、画像処理に関し、複写機能、プリンター機能、ファクシミリ機能等、複数の機能を有する。さらに、各機能に対しても、詳細に設定可能な機能を有する。
【0021】
この発明の一実施形態に係る印刷システム27は、デジタル複合機11と、複数のコンピューター26a、26b、26cとを備える。具体的には、印刷システム27は、上記した構成のデジタル複合機11と、ネットワーク25を介してデジタル複合機11に接続される複数のコンピューター26a、26b、26cとを備える。この実施形態においては、複数のコンピューター26a〜26cについては、3台示している。各コンピューター26a〜26cはそれぞれ、デジタル複合機11に対して、ネットワーク25を介して印刷要求を行って印刷をすることができる。デジタル複合機11とコンピューター26a〜26cとは、LAN(Local Area Network)ケーブル等を用いて有線で接続されていてもよいし、無線で接続されていてもよく、ネットワーク25内には、他のデジタル複合機やサーバーが接続されている構成でもよい。
【0022】
次に、上記した操作部13の構成について、さらに詳細に説明する。
図3は、操作部13の概略的な構成を示す外観図である。
図3を参照して、操作部13は、印刷部数等を入力させるための0〜9までの数字、および「*」や「#」の記号を入力させるテンキー31と、印刷の開始やファクシミリ送信の開始を指示させるスタートキー32と、デジタル複合機11の電源のオンオフを入力させる電源キー33と、デジタル複合機11の有するプリンター機能やコピー機能等の選択を指示させるメニューキー34と、種々の画像形成の条件や使用ユーザーの登録を指示させる登録キー35と、テンキー31等を用いてユーザーにより入力された指示の内容をキャンセルさせるリセットキー36と、上記した表示画面21とを含む。表示画面21は、液晶のタッチパネル機能を有しており、ユーザーの指での押圧等により、表示画面21からも画像形成条件等を入力させると共に、機能の選択等を行うことができる。
【0023】
次に、デジタル複合機11に備えられる画像形成部15の構成について、さらに詳細に説明する。
図4は、この発明の一実施形態に係るデジタル複合機11の概略的な構成を示す断面図である。なお、理解の容易の観点から、
図4において、部材のハッチングを省略する。また、
図4は、上下方向に延びる平面でデジタル複合機11を切断した場合の断面図である。
【0024】
図4を参照して、画像形成部15は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各4色に対応する4つの作像ユニット51a、51b、51c、51dを含む作像器52と、画像読み取り部14によって読み取った画像を基に、4つの作像ユニット51a〜51dにそれぞれ露光するLSU(Laser Scanner Unit)53と、作像ユニット51a〜51dによって形成された可視画像を用紙に転写する前に一時的に転写される中間転写体としての転写ベルト54とを備える。転写ベルト54は、無端状であって、一対の駆動ローラー55a、55bによって一方方向に回転しながら、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4色の作像ユニット51a〜51dにより形成された可視画像を転写される。その後、搬送されてきた用紙に転写ベルト54上に転写された可視画像が転写され、図示しない定着ユニットにより可視画像が用紙に定着された後、デジタル複合機11外、具体的には、排出トレイ29上に排出される。デジタル複合機11は、ブラックの作像ユニット51dのみを用いたモノクロ印刷が可能である。また、デジタル複合機11は、イエローの作像ユニット51a、マゼンタの作像ユニット51b、およびシアンの作像ユニット51cの少なくともいずれか一つを用いたカラー印刷が可能である。
【0025】
次に、この発明の一実施形態に係るデジタル複合機11を用いて、まず、給紙カセット23aにA6サイズの普通紙をセットする場合について説明する。ここでは、印刷者であるユーザーがデジタル複合機11を用いて、給紙カセット23a〜23cのうち、最上段に配置される給紙カセット23aにA6サイズの普通紙をセットし、給紙カセット23aの設定を行う場合について説明する。この実施形態においては、給紙カセット23aには、用紙のサイズとしてA6サイズ、メディアタイプとして、普通紙である用紙を設定するものとする。なお、ここでセットされるA6サイズの普通紙は、裏紙、すなわち、用紙の両面のうちの一方の面には既に何らかの印刷がなされており、他方の面のみ印刷が可能な用紙とする。
【0026】
図5は、給紙カセット23aに各種の設定を行う場合の処理の内容を示すフローチャートである。
図5を参照して、まず、デジタル複合機11は、操作部13の表示画面21において、用紙セット部19のうち、用紙がセットされ、各種の設定を行う給紙カセット23a〜23cまたは手差しトレイ28を指定させる(
図5において、ステップS11、以下、「ステップ」を省略する)。
【0027】
図6は、設定を行う給紙カセット23a〜23cまたは手差しトレイ28を指定させる際の操作部13の表示画面21の一例を示す図である。
図6を参照して、表示画面21には、「設定を行う給紙カセットまたは手差しトレイを指定してください。」とのメッセージ61と、1番上の段に配置された第一の給紙カセット23aを指定させる「1段目」と表示された選択キー62aと、上から2番目の段に配置された第二の給紙カセット23bを指定させる「2段目」と表記された選択キー62bと、最下段に配置された第三の給紙カセット23cを指定させる「3段目」と表記された選択キー62cと、手差しトレイ28を指定させる「手差しトレイ」と表記された選択キー62dとが表示されている。
【0028】
ここでは、ユーザーは、3つの給紙カセット23a〜23cおよび手差しトレイ28のうち、1番上の段に配置された「1段目」の給紙カセット23aを指定する。この場合、ユーザーは、選択キー62aを押下する。そうすると、デジタル複合機11は、選択キー62aの押下を検知することにより、「1段目」の給紙カセット23aが設定を行う給紙カセットとして指定されたものと認識する。なお、
図6において、選択キー62aが押下された状態を、ハッチングで示している。
【0029】
設定を行う給紙カセット23aの指定を受け付けると、次に、デジタル複合機11は、操作部13の表示画面21において、給紙カセット23aにセットする用紙のサイズ、およびメディアタイプの入力を受け付ける(S12)。ここで、操作部13等は、入力部として作動する。
【0030】
図7は、用紙のサイズおよびメディアタイプを入力させる場合の操作部13の表示画面21の一例を示す図である。
図7を参照して、表示画面21には、「用紙のサイズとメディアタイプを入力してください。」とのメッセージ63と、用紙のサイズを入力させるウィンドウ64aと、用紙のサイズとしてA4サイズを入力させる「A4」と表記された選択キー65aと、用紙のサイズとしてA5サイズを入力させる「A5」と表記された選択キー65bと、用紙のサイズとしてA6サイズを入力させる「A6」と表記された選択キー65cと、用紙のサイズとしてA4、A5、A6サイズ以外のサイズを入力させる「その他」と表記された選択キー65dとが表示されている。選択キー65a〜65dは、ウィンドウ64aに囲われた枠内に表示されている。また、表示画面21には、メディアタイプを入力させるウィンドウ64bと、メディアタイプとして普通紙を入力させる「普通紙」と表記された選択キー66aと、メディアタイプとして厚紙を入力させる「厚紙」と表記された選択キー66bと、メディアタイプとしてOHP(Overhead Projecter)シートを入力させる「OHPシート」と表記された選択キー66cと、メディアタイプとして普通紙、裏紙、OHPシート以外のメディアタイプを入力させる「その他」と表記された選択キー66dとが表示されている。選択キー66a〜66dは、ウィンドウ64bに囲われた枠内に表示されている。
【0031】
ここで、ユーザーは、用紙のサイズとしてA6サイズを入力するため、選択キー65cを押下する。また、ユーザーは、メディアタイプとして普通紙を入力するため、選択キー66aを押下する。デジタル複合機11は、選択キー65c、66aの押下を検知し、用紙のサイズとしてA6サイズというデータが入力されたこと、およびメディアタイプとして普通紙というデータが入力されたことを認識する。なお、
図7において、選択キー65c、66aが押下された状態を、ハッチングで示している。
【0032】
次に、入力された用紙のサイズ、およびメディアタイプについて、デジタル複合機11の有する印刷の種別がサポートされていないものがあるか否かを判断する(S13)。すなわち、入力されたデータに基づいて、デジタル複合機11の有する複数の印刷の種別のうちのいずれが、給紙カセット23aにセットされた用紙に対して設定することが可能か否かを判断する。ここで、制御部12は、第一の判断部として作動する。
【0033】
デジタル複合機11においては、印刷の種別として、コピー印刷、プリンター印刷、およびファクシミリ印刷を有している。しかし、デジタル複合機11の印刷の種別として、ファクシミリを受信した際の印刷の用紙としてA6サイズのものがサポートされていない場合には、A6サイズの用紙がセットされた給紙カセット23aについて、印刷の種別としてファクシミリ印刷がサポートされていないと判断する(S14)。
【0034】
また、給紙カセット23aについて、専用段の設定がなされたか否かを判断する(S15)。専用段とは、デジタル複合機11において、一つの印刷の種別に対して、給紙カセット23a〜23cまたは手差しトレイ28のいずれかに収容された用紙を専用に用いることをいう。この場合、デジタル複合機11は、一つのみの印刷の種別の設定を受け付ける。そして、デジタル複合機11において、印刷の種別に応じて、給紙カセット23aに収容された用紙を専用に用いるか否かの設定がなされたか否かを判断する。
【0035】
図8は、専用段の設定を行う場合の操作部13の表示画面21の一例を示す図である。
図8を参照して、表示画面21の上方領域には、「給紙カセット「1段目」の専用段の設定をしますか?」との問い合わせのメッセージ67aと、給紙カセット23aの専用段の設定をさせる「はい」と表記された選択キー68aと、給紙カセット23aの専用段の設定をしない「いいえ」と表記された選択キー68bとが表示されている。また、表示画面21の下方領域には、「専用段の設定をする場合、印刷の種別を設定してください。」とのメッセージ67bと、専用段の印刷の種別としてコピー印刷を選択する場合に押下される「コピー印刷」と表記された選択キー69aと、専用段の印刷の種別としてプリンター印刷を選択する場合に押下される「プリンター印刷」と表記された選択キー69bと、専用段の印刷の種別としてファクシミリ印刷を選択する場合に押下される「ファクシミリ印刷」と表記された選択キー69cとが表示されている。
【0036】
なお、A6サイズの用紙を収納する1段目の給紙カセット23aにおいては、ファクシミリ受信した画像の印刷を専用に行う専用段の設定が不可能な構成である。このため、ファクシミリ受信した画像の印刷を設定する選択キー69cは、単に表示されているのみであり、押下による選択ができない構成となっている。この場合、
図8においては、単に表示されているのみの選択キー69cの状態を、点線で示している。すなわち、操作部13の表示画面21において、第一の判断部により可能であると判断された印刷の種別の設定、ここでは、コピー印刷およびプリンター印刷を受け付け、第一の判断部により不可能であると判断された印刷の種別、ここでは、ファクシミリ印刷の設定を禁止している。また、操作部13の表示画面は、一つのみの印刷の種別の設定、すなわち、専用段の設定を受け付ける。ここで、操作部13等は、第一の受け付け部として作動する。
【0037】
次に、ユーザーは、選択キー68aを押下し、給紙カセット23aの専用段の設定を選択し、さらに、給紙カセット23aについて、コピー印刷の専用段として設定し、選択キー69aを押下する(S15において、YES)。
図8において、選択キー68a、69aが押下された状態をハッチングで示している。
【0038】
そうすると、デジタル複合機11は、給紙カセット23aについて、コピー印刷以外の印刷の種別での印刷を禁止する(S16)。すなわち、給紙カセット23aを用いた印刷において、コピー印刷以外のものが要求された場合、例えば、表示画面21に警告等を表示して印刷を行えないように設定する。
【0039】
その後、デジタル複合機11の有する複数の印刷機能について、印刷機能の許可設定が変更されたか否かを判断する(S17)。すなわち、入力されたデータに基づいて、複数の印刷機能のうちのいずれが、給紙カセット23aにセットされた用紙に対して設定することが可能か否かを判断する。ここで、制御部12は、第二の判断部として作動する。
【0040】
図9は、印刷機能の許可設定を変更する場合の操作部13の表示画面21の一例を示す図である。
図9を参照して、表示画面21の上側領域には、「印刷機能の許可設定を変更しますか?」との問い合わせのメッセージ71aと、印刷機能の許可設定を変更させる「はい」と表記された選択キー72aと、印刷機能の許可設定を変更させない「いいえ」と表記された選択キー72bとが表示されている。また、表示画面21の下方領域には、「印刷機能の許可設定を変更する場合、各機能の設定を変更してください。」とのメッセージ71bと、印刷機能の一つとしての「カラー印刷」の表示73aと、カラー印刷を許可する「許可」と表記された選択キー74aと、カラー印刷を禁止する「不許可」と表記された選択キー74bと、印刷機能の一つとしての「両面印刷」の表示73bと、両面印刷を許可する「許可」と表記された選択キー74cと、両面印刷を禁止する「不許可」と表記された選択キー74dと、印刷機能の一つとしての「集約印刷」の表示73cと、集約印刷を許可する「許可」と表記された選択キー74eと、集約印刷を禁止する「不許可」と表記された選択キー74fと、印刷機能のその他のものの選択を促す「その他の許可設定を変更しますか?」との問い合わせのメッセージ71cと、その他の許可設定を変更させる「はい」と表記された選択キー74gと、その他の許可設定を変更させない「いいえ」と表記された選択キー74hとが表示されている。
【0041】
ここで、デジタル複合機11として、A6サイズの用紙を収納する1段目の給紙カセット23aにおいて、印刷機能として集約印刷を行う設定が不可能であると設定されていれば、許可設定において集約印刷の設定を許可する選択キー74eは、単に表示されているのみである。具体的には、選択キー74eは、押下による選択ができない構成となっており、既に選択キー74fが押下されている状態となっている。この場合、
図9においては、単に表示されているのみの選択キー74eの状態を、点線で示している。また、
図9においては、既に選択されている選択キー74fを、ハッチングで示している。すなわち、操作部13の表示画面21は、第二の判断部により可能であると判断された印刷機能の設定、ここでは、カラー印刷の許可または不許可の設定、および両面印刷の許可または不許可の設定を受け付け、第二の判断部により不可能であると判断された印刷機能の設定、ここでは、集約印刷の許可または不許可の設定を禁止する。ここで、操作部13等は、第二の受け付け部として作動する。なお、その他の許可設定の変更の有無については、選択キー74gまたは選択キー74hの押下により設定される。
【0042】
次に、ユーザーは、給紙カセット23aについて、カラー印刷の許可の選択キー74aを押下する。また、ユーザーは、給紙カセット23aについて、給紙カセット23aにセットされた用紙が裏紙であるため、両面印刷の不許可の選択キー74fを押下する。デジタル複合機11は、選択キー74a、74dの押下を検知後、1段目の給紙カセット23aにおける印刷について、カラー印刷を許可し、両面印刷、および集約印刷を禁止する設定とする(S18)。なお、
図9において、選択キー72a、73a、74d、74hが押下された状態をハッチングで示している。
【0043】
その後、デジタル複合機11に接続されている後処理装置41について、入力されたデータに基づいて、複数の処理機能のうちのいずれが、給紙カセット23aにセットされた用紙に対して設定することが可能か否かを判断する(S19)。すなわち、デジタル複合機11において印刷される際に、接続されている後処理装置41における処理機能の許可設定が変更されたか否かを判断する。ここで、制御部12は、第三の判断部として作動する。
【0044】
図10は、後処理装置41の処理機能の許可設定を変更する場合の操作部13の表示画面21の一例を示す図である。
図10を参照して、表示画面21の上側領域には、「後処理装置の処理機能の許可設定を変更しますか?」との問い合わせのメッセージ76aと、後処理装置の処理機能の許可設定を変更させる「はい」と表記された選択キー77aと、後処理装置の処理機能の許可設定を変更させない「いいえ」と表記された選択キー77bとが表示されている。また、表示画面21の下方領域には、「後処理装置の処理機能の許可設定を変更する場合、各機能の設定してください。」とのメッセージ76bと、後処理装置41の処理機能の一つとしての「パンチ処理」の表示78aと、パンチ機構42によるパンチ処理を許可する「許可」と表記された選択キー79aと、パンチ機構42によるパンチ処理を禁止する「不許可」と表記された選択キー79bと、後処理装置41の処理機能の一つとしての「ステープル処理」の表示78bと、ステープル機構43によるステープル処理を許可する「許可」と表記された選択キー79cと、ステープル機構43によるステープル処理を禁止する「不許可」と表記された選択キー79dと、後処理装置41の処理機能の一つとしての「製本処理」の表示78cと、製本機構44による製本処理を許可する「許可」と表記された選択キー79eと、製本機構44による製本処理を禁止する「不許可」と表記された選択キー79fと、後処理装置の処理機能のその他のものの選択を促す「その他の選択の許可設定を変更しますか?」との問い合わせのメッセージ76cと、その他の許可設定を変更させる「はい」と表記された選択キー79gと、その他の許可設定を変更させない「いいえ」と表記された選択キー79hとが表示されている。
【0045】
ここで、デジタル複合機11として、A6サイズの用紙を収納する1段目の給紙カセット23aにおいて、後処理装置41の処理機能としてパンチ機構42によるパンチ処理、および製本機構44による製本処理が不可能であると設定されていれば、許可設定においてパンチ処理の設定を許可する選択キー79a、および製本処理の設定を許可する選択キー79eは、単に表示されているのみである。具体的には、押下による選択ができない構成となっている。
図10においては、選択キー79a、79eが単に表示されているのみの状態を、点線で示している。また、
図10においては、既に選択されている選択キー79b、79fを、ハッチングで示している。すなわち、操作部13の表示画面21においては、第三の判断部により可能であると判断された処理機能の設定、ここでは、ステープル処理の許可または不許可を受け付け、第三の判断部により不可能であると判断された処理機能の設定、ここでは、パンチ処理の許可または不許可の設定、および製本処理の許可または不許可の設定を禁止する。ここで、操作部13等は、第三の受け付け部として作動する。なお、その他の許可設定の変更の有無については、選択キー79gまたは選択キー79hの押下により設定される。
【0046】
次に、ユーザーは、給紙カセット23aについて、ステープル処理の許可の選択キー79cを押下する。デジタル複合機11は、選択キー79cの押下を検知後、給紙カセット23aにおける印刷について、ステープル処理を許可し、パンチ処理、および製品処理を禁止する設定とする(S20)。なお、
図10において、選択キー77a、79c、79hが押下された状態をハッチングで示している。
【0047】
そして、全ての設定の終了後、印刷を実行する(S21)。この場合、上記した設定に基づき、給紙カセット23aに収容された用紙を用い、ADF22を用いて画像読み取り部14によって読み取られたA6サイズの原稿の画像について、画像形成部15において画像を形成し、印刷を行う。
【0048】
なお、S13、S15、S17、およびS19において、それぞれNOの選択がなされれば、そのまま指定や設定を行わず、次の処理、すなわち、それぞれS14、S16、S18、S20へ進む。
【0049】
このようなデジタル複合機11によると、入力部により入力されたデータ、第一の受け付け部により受け付けた印刷の種別の設定、および第二の受け付け部により受け付けた印刷機能の設定に応じて、給紙カセット23aにセットされた用紙に対し、画像形成部15による印刷を行う。この場合、第一の判断部により、入力部によって入力されたデータに基づいて、給紙カセット23aが印刷の種別の設定を不可能なものに対して印刷の種別の設定を禁止し、可能なものの設定を受け付けているため、不可能な印刷の種別の設定を行うことがない。また、第二の判断部により、入力部によって入力されたデータに基づいて、給紙カセット23aが印刷機能の設定を不可能なものに対して印刷機能の設定を禁止し、可能なものの設定を受け付けているため、不可能な印刷機能の設定を行うことがない。そして、入力部により入力されたデータ、第一の受け付け部により受け付けた印刷の種別、および第二の受け付け部により受け付けた印刷機能の設定に応じて、給紙カセット23aにセットされた用紙に対し、画像形成部15による画像の印刷を行っているため、ユーザーの意図に沿って給紙カセット23aにセットされた用紙を用いて、印刷をすることができる。したがって、このようなデジタル複合機11は、印刷ミスのおそれを低減し、よりユーザーの意図に沿った印刷をすることができる。
【0050】
この場合、給紙カセット23aにセットされた用紙に対して後処理を施す後処理機能を複数有する後処理装置41がデジタル複合機11に接続されている構成である。また、デジタル複合機11は、入力部に入力されたデータに基づいて、複数の処理機能のうちのいずれが、給紙カセット23aにセットされた用紙に対して設定することが可能か否かを判断する第三の判断部と、第三の判断部により可能であると判断された後処理機能の設定を受け付け、第三の判断部により不可能であると判断された処理機能の設定を禁止する第三の受け付け部とを備える構成である。また、制御部12は、第三の受け付け部により受け付けた処理機能の設定に応じて、給紙カセット23aにセットされた用紙に対し、画像形成部15による画像の印刷を行うよう制御している。したがって、後処理装置41による後処理機能を用いて印刷を行う場合でも、印刷ミスのおそれを低減し、よりユーザーの意図に沿った印刷をすることができる。すなわち、例えば、裏紙がセットされた給紙カセット23aを指定して、両面印刷を行うことはなくなり、無駄な両面印刷を行うことがなくなる。また、給紙カセット23aをコピー印刷の専用段として、給紙カセット23aにセットされたA6サイズの裏紙の普通紙が、プリンター印刷として消耗されることを回避することができる。
【0051】
なお、例えば、メディアタイプとして、厚紙が入力された場合やOHPシートが入力された場合、両面印刷やパンチ処理、ステープル処理について、許可または不許可の設定が禁止される。すなわち、印刷や処理ができないものとして選択の余地がなく、不許可が設定される。
【0052】
また、上記の実施の形態においては、給紙カセット23aの設定について説明したが、これに限らず、他の給紙カセット23b、23c、および手差しトレイ28の設定についても、同様にそれぞれ可能である。すなわち、設定を行う給紙カセット23b、23c、手差しトレイ28を、
図6に示す選択画面で指定すればよい。
【0053】
なお、上記の実施の形態においては、第二の判断部は、入力部により入力されたデータに基づいて、複数の印刷機能のうちのいずれが、用紙セット部にセットされた用紙に対して設定することが可能か否かを判断することとしたが、これに限らず、第二の判断部は、入力部により入力されたデータおよび第一の受け付け部により受け付けた印刷の種別の設定に基づいて、複数の印刷機能のうちのいずれが、用紙セット部にセットされた用紙に対して設定することが可能か否かを判断するよう構成してもよい。
【0054】
また、上記の実施の形態においては、第三の判断部は、入力部により入力されたデータに基づいて、複数の処理機能のうちのいずれが、用紙部にセットされた用紙に対して設定することが可能か否かを判断することとしたが、これに限らず、第三の判断部は、入力部により入力されたデータ、第一の受け付け部により受け付けた印刷の種別の設定、および第二の受け付け部により受け付けた印刷機能の設定に基づいて、複数の処理機能のうちのいずれが、用紙部にセットされた用紙に対して設定することが可能か否かを判断するよう構成してもよい。
【0055】
なお、上記の実施の形態において、複数の印刷の種別は、コピー印刷、プリンター印刷、およびファクシミリ印刷としたが、複数の印刷の種別として、コピー印刷、プリンター印刷、およびファクシミリ印刷のうちの少なくともいずれか一つが含まれることとしてもよい。
【0056】
また、上記の実施の形態においては、専用段の設定をすることとしたが、これに限らず、一つの用紙セット部において、複数の印刷の種別を行えるよう構成してもよい。
【0057】
なお、上記の実施の形態において、複数の印刷機能の設定には、モノクロ印刷かカラー印刷かの設定、および両面印刷か片面印刷かの設定のうちの少なくともいずれか一つを含むよう構成してもよい。
【0058】
また、上記の実施の形態において、複数の処理機能には、パンチ機能、およびステープル機能のうちの少なくともいずれか一つの機能を含むよう構成してもよい。
【0059】
なお、上記の実施の形態において、デジタル複合機は、用紙に後処理を施す着脱可能な後処理装置を備える構成としたが、これに限らず、この後処理装置は備えない構成としてもよい。また、例えば、画像形成の途中の用紙に中間処理を施す中間処理装置を備える構成としてもよい。
【0060】
また、上記の実施の形態においては、用紙のサイズとメディアタイプとの双方を入力することとしたが、これに限らず、いずれか一方のみを入力し、この入力データに基づいて、印刷の種別の設定の可否の判断、または印刷機能の設定の可否の判断を行っても構わない。
【0061】
なお、上記の実施の形態においては、印刷装置が全ての構成を備えることとしたが、これに限らず、印刷システムが全ての構成を備えることとしてもよい。すなわち、この発明の一実施形態に係る印刷システムは、複数の印刷の種別、および複数の印刷機能を有する印刷装置と、印刷装置に接続され、印刷装置に対して印刷を要求することができるコンピューターとを含む。印刷装置は、用紙に画像を印刷する印刷部と、印刷部によって画像が印刷される用紙をセットする用紙セット部とを備える。印刷装置およびコンピューターのいずれか一方は、用紙セット部にセットされる用紙のサイズおよび用紙のメディアタイプの少なくともいずれか一方のデータを入力させる入力部と、入力部により入力されたデータに基づいて、複数の印刷の種別のうちのいずれが、用紙セット部にセットされた用紙に対して設定することが可能か否かを判断する第一の判断部と、第一の判断部により可能であると判断された印刷の種別の設定を受け付け、第一の判断部により不可能であると判断された印刷の種別の設定を禁止する第一の受け付け部と、入力部により入力されたデータに基づいて、複数の印刷機能のうちのいずれが、用紙セット部にセットされた用紙に対して設定することが可能か否かを判断する第二の判断部と、第二の判断部により可能であると判断された印刷機能の設定を受け付け、第二の判断部により不可能であると判断された印刷機能の設定を禁止する第二の受け付け部と、入力部により入力されたデータ、第一の受け付け部により受け付けた印刷の種別、および第二の受け付け部により受け付けた印刷機能の設定に応じて、用紙セット部にセットされた用紙に対し、印刷部による画像の印刷を行うよう制御する制御部とを備える。このような構成としてもよい。
【0062】
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって、どのような面からも制限的なものではないと理解されるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく、特許請求の範囲によって規定され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。