(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記無線電力受信アンテナが、無線電力受信磁芯および無線電力受信誘導コイルを含み、前記センサーが、前記無線電力受信磁芯の中心の位置に配置される請求項1に記載の装置。
前記電磁場が、送信機によって送信されるビーコン信号に対応し、前記装置が、前記センサーの共振周波数を前記ビーコン信号の周波数に同調させるように構成された共振キャパシタをさらに含む請求項1に記載の装置。
前記無線電力受信アンテナに接続されたスピンドルと、前記無線電力受信アンテナを回転させるように前記スピンドルを制御するように構成されたアクチュエータとをさらに含む請求項1に記載の装置。
前記プロセッサが、感知された電磁場の成分を判別し、大きさが1である多次元信号ベクトルにマッピングすることによって方向および距離のうちの少なくとも一方を判定するようにさらに構成される請求項1に記載の装置。
前記電磁場が、送信機によって送信されるビーコン信号に対応し、前記ビーコン信号の周波数が、複数のビーコン周波数の再利用パターンから選択される請求項1に記載の装置。
前記方向および距離を判定するステップが、前記第1の信号、前記第2の信号、および前記第3の信号を大きさが1である多次元信号ベクトルにマッピングするステップをさらに含む請求項14に記載の方法。
前記電磁場が、送信機によって送信されるビーコン信号に対応し、前記方法が、複数のビーコン周波数の再利用パターンから前記ビーコン信号の周波数を選択するステップをさらに含む請求項14に記載の方法。
第1の信号を感知するための前記手段が、磁芯に巻き付けられた第1のコイルであって、前記第1の平面内に位置する、第1のコイルを含み、第2の信号を感知するための前記手段が、磁芯に巻き付けられた第2のコイルであって、前記第2の平面内に位置する、第2のコイルを含み、前記第3の信号を感知するための前記手段が、磁芯に巻き付けられた第3のコイルであって、前記第3の平面内に位置する、第3のコイルを含み、前記少なくとも2つのベクトル成分を判定するための前記手段がセンサーを含み、前記発生源の前記方向および前記発生源までの前記距離を判定するための前記手段がプロセッサを含む請求項21に記載の装置。
【発明を実施するための形態】
【0011】
添付の図面とあわせて以下に示される詳細な説明は、種々の例示的な実施形態の説明として意図されており、実施され得るすべての実施形態を示すように意図されていない。この説明を通して使用される用語「例示的」は「例、具体例、または事例としての役割を果たす」ことを意味し、必ずしも好ましい、またはその他の実施形態よりも有利であると解釈されるべきでない。詳細な説明は、実施形態を完全に理解してもらう目的で具体的詳細を含む。実施形態がこれらの具体的詳細なしに実施され得ることは当業者に明らかであろう。場合によっては、本明細書に示される実施形態の新規性を曖昧にすることを避けるために、よく知られた構造およびデバイスが構成図の形態で示される。
【0012】
用語「無線電力」は、本明細書においては、電場、磁場、電磁場に関連する任意の形態のエネルギーを意味するために使用されるか、またはさもなければ、その電力が物理的な電気導体を使用せずに送信機と受信機との間で伝送されることを意味するために使用される。以降、これら3つのすべては、純粋な磁場または純粋な電場は電力を放射しないことを了解した上で、まとめて放射場(radiated field)または無線場と呼ばれる。本明細書において使用されるとき、用語、アンテナは、信号を送信および受信するための構造を指す。一部の実装において、アンテナは、芯に巻き付けられた誘導コイルを含む。その他の実装において、アンテナは、エアループアンテナ(air-loop antenna)として構成される誘導コイルを含む。
【0013】
さらに、用語「無線充電」は、本明細書においては、1つもしくは複数の電気化学電池、または電気化学電池を含むシステムに、電気化学電池を再充電する目的で無線電力を提供する手段を意味するために使用される。
【0014】
用語「バッテリー式電気自動車(BEV)」は、本明細書においては、離れたシステムを意味するために使用され、この離れたシステムの一例は、1つまたは複数の電気化学電池に由来する電力をその移動能力の一部として含む車両である。非限定的な例として、一部のBEVは、車両の減速および通常の原動機からの電力を使用して車両を充電する車載充電器を含むハイブリッド電気自動車である可能性がある。その他のBEVは、すべての移動能力を電力から得る可能性がある。電子デバイスなどを含むその他の「離れたシステム」が想定される。
【0015】
限定ではなく例として、離れたシステムは、本明細書においては、バッテリー式電気自動車(BEV)の形態で説明される。無線電力を受信し、送信することができるさまざまな電子デバイスなどを含む離れたシステムのその他の例も想定される。
【0016】
図1は、BEV 102が無線充電台(CB)104の近くにとめられている間の、BEV 102などの無線充電に対応した離れたシステムのための無線充電システムを示す。2台のBEV 102が、駐車区域106内に示されており、対応するCB 104の上にとめられている。ローカル配電センター108が、電力バックボーン110に接続され、充電台104に結合された充電台の電力変換回路112に電源126を通じて交流(AC)または直流(DC)の供給を行うように構成される可能性がある。充電台104は、近距離磁場(magnetic near field)もしくは近距離電磁場(electromagnetic near field)を生成するか、または無線電力を受信するかもしくは送信するための充電台(CB)のアンテナ114も含む。各BEV 102は、バッテリー(図示せず)と、BEVの基部120と、BEVの電力変換回路116と、例えば、CBのアンテナ114およびBEVのアンテナ118のうちの一方によって生成された電磁場の近距離場(near-field)を介してCBのアンテナ114とやりとりするBEVのアンテナ118とを含む。
【0017】
ローカル配電108は、通信バックホール122を介して外部電源(例えば、電力グリッド)と通信し、通信リンク124を介して充電台104と通信するように構成される可能性がある。
【0018】
一部の実施形態において、BEVのアンテナ118は、単純に、運転者がCBのアンテナ114に対して車両を正確に位置決めする(positioning)ことによって近距離場の領域内に配置され得る。その他の実施形態においては、運転者が、無線電力伝送のために車両が適切に配置されているときを判定するために、視覚的なフィードバック、聴覚的なフィードバック、またはこれらの組み合わせを与えられる可能性がある。さらにその他の実施形態においては、車両が、位置合わせの誤差が許容可能な値になるまで車両を(例えば、ジグザグの動きで)あちこちに動かすことができる自動操縦システムによって位置決めされ得る。これは、車両がサーボハンドル(servo steering wheel)と、超音波センサーと、車両を調節する知能とを備えているならば、運転者が介入せずに、または最小限の運転者の介入だけで車両によって自動的かつ自律的に実行され得る。さらにその他の実施形態においては、受信アンテナ118、CBのアンテナ114、またはこれらの組み合わせが、それらのアンテナの向きをより正確に決め、それらのアンテナの間のより効率的な結合を起こすために、アンテナを互いに対して移動させ、動かすための手段を含み得る。
【0019】
充電台104は、さまざまな位置に配置され得る。非限定的な例として、一部の好適な場所は、車両の所有者の家の駐車区域106、通常の石油系の給油所に倣って作られたBEVの無線充電のために確保された駐車区域106、ならびにショッピングセンターおよび勤務先などのその他の場所の駐車場である。
【0020】
BEVの充電スタンドは、多くの利点をもたらす可能性がある。例えば、充電が、実質的に運転者の介入および操作なしに自動的に実行される可能性があり、それによってユーザの利便性が高められる。露出した電気接点も、機械的な摩耗もない可能性があり、それによって電力充電システムの信頼性が高められる。ケーブルおよびコネクタの取り扱いが必要とされない可能性があり、屋外環境で湿気および水にさらされる可能性があるケーブル、プラグ、またはソケットが存在しない可能性があり、それによって安全性が高められる。見えるまたは触れることができるソケット、ケーブル、およびプラグも存在しない可能性があり、それによって電力充電デバイスの潜在的な破壊行為を減らす。さらに、BEV 102は、電力グリッドを安定させるための分散型の貯蔵デバイスとして使用される可能性がある。したがって、ビークルツーグリッド(V2G:vehicle to grid)能力を与える便利なドッキングツーグリッド(docking-to-grid)ソリューションによって、電力の可用性が高められ得る。
【0021】
無線電力充電システムは、美観上の利点および邪魔にならないという利点ももたらし得る。例えば、車両および/または歩行者の邪魔になる可能性があるカラムロード(column load)およびケーブルが存在しない可能性がある。
【0022】
V2G能力のさらなる説明として、無線電力送受能力は、充電台104がBEV 102に電力を送信し、BEV 102が充電台104に電力を送信するように相互的であるように構成され得る。この能力は、BEVが配電システム全体に電力を与えることを可能にすることによって配電を安定させるために役立つ可能性がある。このシステムは、余った電力を電力グリッドに供給するために電力グリッドに接続される太陽電池電力システムと同様であるか、または太陽電池電力システムに加えられ得る。
【0023】
図2は、BEV用の無線電力充電システム200の簡略化された構成図である。本明細書に記載の実施形態は、1次構造(送信機)と2次構造(受信機)との両方が共通の共振周波数に同調させられる場合に、近距離磁場または近距離電磁場を介して1次構造から2次構造にエネルギーを効率的に結合することができる共振構造を形成する容量性負荷のあるワイヤーループ(すなわち、多重巻きコイル)を使用する可能性がある。方法は、「磁気結合共振(magnetic coupled resonance)」、「電磁結合共振(electromagnetic coupled resonance)」、および/または「共振誘導(resonant induction)」としても知られている。無線電力システム200の動作が、充電台104からBEV 102への電力の伝送に基づいて説明されるが、これに限定されない。例えば、上で検討されたように、BEV 102が充電台104に電力を送信する可能性がある。
【0024】
図2を参照すると、ACまたはDCである可能性がある電源126が、車両にエネルギーを送信するためにCBの電力変換回路112に電力を供給する。CBの電力変換回路112は、標準的なコンセントのACからの電力を好適な電圧レベルのDC電力に変換するように構成されたAC/DCコンバータ、およびDC電力を無線高電力伝送に適した動作周波数の電力に変換するように構成されたDC/長波(LF)コンバータなどの回路を含み得る。CBの電力変換回路112は、所望の周波数の電磁場を出すようにCBのアンテナ114を駆動する。CBのアンテナ114およびBEVのアンテナ118は、実質的に同じ周波数に同調させられ、CBのアンテナ114およびBEVのアンテナ118のうちの一方から放たれた電磁場の近距離場の中にあるほど十分に接近している場合、電力がBEVのアンテナ118に送られ、BEVの電力変換回路116で抽出され得るように互いに結合されることになる。BEVの電力変換回路116は、とりわけ、動作周波数の電力を、BEVのバッテリーユニット142の電圧レベルに合わせた電圧レベルのDC電力に戻すように構成されたLF/DCコンバータを含み得る。BEVの電力変換回路116は、次いで、BEVのバッテリーユニット142を充電することができる。電源126、CBの電力変換回路112、およびCBのアンテナ114は、固定されており、上で検討されたさまざまな場所に置かれる可能性がある、無線電力システム200全体のインフラストラクチャサブシステム144に含まれる。BEVのバッテリーユニット142、BEVの電力変換回路116、およびBEVのアンテナ118は、BEV 102の一部またはバッテリーパックの一部であるBEVの無線電力サブシステム146に含まれる。BEVのサブシステム146は、グリッドへの電力を貯蔵するために、BEVのアンテナ118を介してインフラストラクチャサブシステム144に電力を無線で提供するようにも構成され得る。BEVのアンテナ118およびCBのアンテナ114のそれぞれは、動作のモードに基づいて送信アンテナまたは受信アンテナとして働くことができる。
【0025】
図示されていないが、無線電力システム200は、BEVのバッテリーユニット142または充電台104を無線充電システム200から安全に切り離すための負荷切り離しユニット(LDU)を含み得る。例えば、緊急の事態またはシステムの故障が発生した場合に、LDUは、無線電力システム200から負荷を切り離すようにトリガーされ得る。LDUは、バッテリーへの充電を管理するためのバッテリー管理システムに加えて設けられる可能性がある。
【0026】
さらに、BEVの回路は、BEVのアンテナ118をBEVの電力変換回路116に接続および切断するための切替え回路を含み得る。BEVのアンテナ118を切断することは、充電を中止するだけでなく、(送信機として働く)充電台104によって「見える」「負荷」を変更し、これは、(受信機として働く)BEVの基部120を充電台104から「隠す」ために使用され得る。負荷の変更は、送信機が負荷感知回路を含む場合、検出され得る。したがって、充電台104などの送信機は、BEVの基部120などの受信機がCBのアンテナ114の近距離場の中に存在するときを判定するためのメカニズムを有する可能性がある。
【0027】
動作の際、車両またはバッテリーへのエネルギー伝送を想定すると、CBのアンテナ114がエネルギー伝送を行うための放射場を生成するように、入力電力が電源126から与えられる。BEVのアンテナ118は、放射場に結合し、BEV 102などの車両によって貯蔵または消費するための出力電力を生成する。一部の実施形態において、CBのアンテナ114およびBEVのアンテナ118は、BEVのアンテナ118の共振周波数とCBのアンテナ114の共振周波数とが非常に近くなるように相互の共振関係に応じて構成される。インフラストラクチャサブシステム144とBEVの無線電力サブシステム146との間の伝送損失は、BEVのアンテナ118がCBのアンテナ114の近距離場の中に位置するときに最小になる。
【0028】
上述のように、効率的なエネルギー伝送は、電磁波のエネルギーのほとんどを遠距離場に伝播させるのではなく、送信アンテナの近距離場のエネルギーの大部分を受信アンテナに結合することによって行われる。近距離場の中にあるとき、送信アンテナと受信アンテナとの間で結合モード(coupling mode)が確立され得る。この近距離場の結合が発生し得るアンテナの周りの領域は、本明細書においては、近距離場結合モード領域と呼ばれる。
【0029】
図示されていないが、CBの電力変換回路112およびBEVの電力変換回路116は、両方とも、発振器と、電力増幅器と、フィルタと、無線電力アンテナによる効率的な結合のための整合回路とを含み得る。発振器は、調整信号に応じて調整され得る所望の周波数を生成するように構成される可能性がある。発振器の信号は、制御信号に応じた増幅量で電力増幅器によって増幅される可能性がある。フィルタおよび整合回路は、高調波またはその他の不要な周波数を取り除き、電力変換モジュールのインピーダンスを無線電力アンテナに整合させるために含まれる可能性がある。CBおよびBEVの電力変換回路は、整流器と、バッテリーを充電するために好適な電力出力を生成するための切替え回路とをさらに含み得る。
【0030】
開示される実施形態のすべてを通じて記載されているBEVのアンテナ118およびCBのアンテナ114は、「ループ」アンテナ、より詳細には、本明細書においては「磁気」アンテナとも呼ばれる可能性がある多重巻きループアンテナとして構成され得る。ループ(例えば、多重巻きループ)アンテナは、空芯、またはフェライト磁芯などの物理的な磁芯を含むように構成され得る。空芯ループアンテナは、磁芯の領域内にその他の構成要素を配置することを可能にすることができる。強磁性体または強磁性材料を含む物理的な磁芯のあるアンテナは、より強い電磁石場を発生させ、結合を強くすることを可能にすることができる。
【0031】
上で検討されたように、送信機と受信機との間のエネルギーの効率的な伝送は、送信機と受信機との間の一致した、またはほぼ一致した共振の間に行われる。しかし、送信機と受信機との間の共振が一致していないときであっても、エネルギーは、低い効率で伝送される可能性がある。エネルギーの伝送は、送信アンテナからのエネルギーを空いている空間に伝播させるのではなく、送信アンテナの近距離場から、この近距離場が確立される領域内(例えば、共振周波数の所定の周波数範囲内、または近距離場の領域の所定の距離内)にある受信アンテナにエネルギーを結合することによって行われる。
【0032】
アンテナの共振周波数は、回路のインダクタンスおよびキャパシタンスに基づく。ループアンテナのインダクタンスは、概して、ループによってもたらされるインダクタンスであり、一方、キャパシタンスは、概して、所望の共振周波数の共振構造を作るためにループアンテナのインダクタンスに加えられる。非限定的な例として、電磁場を生成する共振回路を作るために、キャパシタが、アンテナと直列に追加される可能性がある。したがって、直径のより大きなループアンテナに関しては、共振を引き起こすために必要とされるキャパシタンスの値が、ループの直径またはインダクタンスが大きくなるにつれて小さくなる。インダクタンスは、ループアンテナの巻き数にも依存する可能性がある。さらに、ループアンテナの直径が大きくなるにつれて、近距離場の効率的なエネルギー伝送の領域が大きくなる。その他の共振回路があり得る。別の非限定的な例として、キャパシタが、ループアンテナの2つの端子の間に並列に配置される可能性がある(例えば、並列共振回路)。
【0033】
一部の実施形態によれば、互いの近距離場の中にある2つのアンテナの間の電力の結合が開示される。上述のように、近距離場は、電磁場が存在するが、アンテナから離れて伝播しないまたは広がらない可能性がある、アンテナの周りの領域である。近距離場結合モード領域は、アンテナの物理的な体積に近い、例えば、波長の6分の1の半径内の体積に対応する可能性がある。一部の実施形態によれば、電界型アンテナ(例えば、小型のダイポール)の近距離電場(electric near-field)に比べると、実用的な実施形態の近距離磁場の振幅の方が磁界型アンテナに関して大きい傾向があるので、1重および多重ループアンテナなどの電磁アンテナが、送信と受信の両方に使用される。これは、ペアの間の潜在的により強い結合を可能にする。さらに、「電界型」アンテナ(例えば、ダイポールおよびモノポール)、または電界型アンテナと磁界型アンテナとの組み合わせが使用される可能性がある。
【0034】
図3は、通信リンク152と、誘導リンク154と、CBのアンテナ114およびBEVのアンテナ118のための位置合わせシステム156とを示す、BEV用の無線電力充電システム200のより詳細な構成図である。
図2の実施形態と同様に、BEV 102へのエネルギーの流れを想定すると、
図3において、CBの電力インターフェース164は、ACまたはDC電源126などの電源からCBの電力変換回路112に電力を提供するように構成される可能性がある。CBの電力変換回路112は、CBの電力インターフェース164からACまたはDC電力を受信し、CBのアンテナ114をそのCBのアンテナ114の共振周波数で、または共振周波数付近で励磁する。BEVのアンテナ118は、近距離場結合モード領域内にあるとき、近距離場結合モード領域からエネルギーを受信して、共振周波数で、または共振周波数付近で発振する。BEVの電力変換回路116は、BEVのアンテナ118からの発振信号を、BEVの電力インターフェース194を通じてバッテリーを充電するのに好適な電力信号に変換する。
【0035】
システムは、CBの制御ユニット168およびBEVの制御ユニット170も含み得る。CBの制御ユニット168は、例えば、コンピュータ、および配電センター、またはスマート電力グリッドなどのその他のシステム(図示せず)への通信インターフェース162を含み得る。BEVの制御ユニット170は、例えば、車両の車載コンピュータ、その他のバッテリー充電コントローラ、車両内のその他の電子システム、および離れた電子システムなどのその他のシステム(図示せず)への通信インターフェース192を含み得る。
【0036】
したがって、CBの制御ユニット168およびBEVの制御ユニット170は、別個の通信チャネルを有する特定の用途のためのサブシステムまたはモジュールを含み得る。これらの通信チャネルは、物理的に分かれたチャネルまたは論理的に分かれたチャネルである可能性がある。非限定的な例として、CBの位置合わせモジュール172は、通信リンク152を通じてBEVの位置合わせモジュール174と通信して、自律的にかまたはオペレータの支援を受けてかのどちらかでCBのアンテナ114とBEVのアンテナ118とをより近くに位置合わせするためのフィードバックメカニズムを提供することができる。同様に、CBの誘導モジュール176は、誘導リンクを通じてBEVの誘導モジュール178と通信して、オペレータがCBのアンテナ114とBEVのアンテナ118とを位置合わせするように誘導するためのフィードバックメカニズムを提供することができる。加えて、CBとBEVとの間でその他の情報を伝えるための、CBの通信ユニット180およびBEVの通信ユニット182によってサポートされる別個の汎用通信リンク(例えば、チャネル)が存在する可能性がある。この情報は、BEVの特徴、バッテリーの特徴、充電状態、およびCBとBEVとの両方の電力能力(power capability)についての情報と、保守および診断データとを含み得る。これらの通信チャネルは、例えば、Bluetooth(登録商標)、zigbee、セルラなどの別個の物理的な通信チャネルである可能性がある。
【0037】
BEVの制御ユニット170は、BEV 102の主バッテリーの充電および放電を管理するバッテリー管理システム(BMS)と、マイクロ波または超音波レーダーの原理に基づく駐車支援システムと、半自動駐車動作を実行するように構成されたブレーキシステムと、より正確な駐車を行うことができる大幅に自動化された駐車「パークバイワイヤー(Park by wire)」を補佐するように構成されたハンドルサーボシステム(steering wheel servo system)とをさらに含む可能性があり、したがって、CBおよびBEVのサブシステムのいずれにおいても機械的な水平方向のアンテナの位置合わせの必要性を少なくする。さらに、BEVの制御ユニット170は、BEV 102の電子機器と通信するように構成され得る。例えば、BEVの制御ユニット170は、視覚的出力デバイス(例えば、ダッシュボードディスプレイ)、聴覚的/音声出力デバイス(例えば、ブザー、スピーカー)、機械的な入力デバイス(例えば、キーボード、タッチスクリーン、およびジョイスティック、トラックボールなどのポインティングデバイス)、ならびに音声入力デバイス(例えば、電子的な音声認識を備えたマイクロホン)と通信するように構成される可能性がある。
【0038】
さらに、無線電力システム200は、検出およびセンサーシステムを含み得る。例えば、無線電力システム200は、運転者または車両を充電スポットに適切に誘導するためのシステムで使用するためのセンサーと、必要とされる離間/結合によってアンテナを相互に位置合わせし、BEVのアンテナ118が結合を達成するための特定の高さおよび/または位置に移動することを妨げる可能性がある物体を検出するためのセンサーと、システムの信頼でき、損傷を受けない、安全な動作を実行するためのシステムで使用するための安全センサーとを含む可能性がある。例えば、安全センサーは、安全な半径を超えて無線電力アンテナに近づいてくる動物または子供の存在の検出、加熱(誘導加熱)される可能性があるCBのアンテナ114の近くの金属物体の検出、CBのアンテナ114上の白熱した物体などの危険な事象の検出、ならびにCBおよびBEVのサブシステムの構成要素の温度監視のためのセンサーを含み得る。
【0039】
無線電力システム200は、コード式の(プラグ接続式の)充電もサポートする可能性がある。有線充電ポートは、BEV 102に、またはBEV 102から電力を送信する前に、2つの異なる充電器の出力をまとめる可能性がある。切替え回路が、コードレス充電と有線充電ポートを介した充電との両方をサポートするための機能を提供する可能性がある。
【0040】
充電台104とBEV 102との間の通信のために、無線電力システム200は、帯域内シグナリングとRFデータモデム(例えば、認可不要の帯域の無線でのイーサネット(登録商標))との両方を使用する可能性がある。帯域外通信は、車両の使用者/所有者に付加価値サービスを配分するために十分な帯域幅を提供することができる。無線電力キャリアの低深度(low depth)振幅または位相変調が、干渉が最小限の帯域内シグナリングシステムの機能を果たす可能性がある。
【0041】
さらに、一部の通信は、特定の通信アンテナを使用することなく、無線電力リンクを介して行われる可能性がある。例えば、無線電力アンテナが、無線通信アンテナとしても働くように構成される可能性がある。したがって、CBの一部の実施形態は、無線電力の経路でキーイング型のプロトコルが使用できるようにするためのコントローラ(図示せず)を含み得る。事前に定義されたプロトコルを用いて事前に定義された間隔で送信電力レベルをキーイングすること(振幅偏移キーイング)によって、受信機が、送信機からのシリアル通信を検出することができる。CBの電力変換モジュール112は、CBのアンテナ114によって生成された近距離場の近傍に作動しているBEVの受信機が存在するかまたはしないかを検出するための負荷感知回路(図示せず)を含み得る。例として、負荷感知回路は、CBのアンテナ114によって生成された近距離場の近傍に作動している受信機が存在するかまたはしないかによって影響を受ける電力増幅器への電流を監視する。電力増幅器に対する負荷の変化の検出は、作動している受信機と通信するためにエネルギーを送るための発振器を有効化すべきかどうかの判定に使用するためのコントローラ、またはこれらの組み合わせによって監視される可能性がある。
【0042】
無線高電力伝送を可能にするために、一部の実施形態は、20〜60kHzの範囲内の周波数で電力を送るように構成される可能性がある。この長波結合は、個体デバイスを用いて実現され得る高効率電力変換を可能にすることができる。加えて、その他の帯域と比較して、無線システムとの共存の問題が起こりにくい可能性がある。
【0043】
図4は、BEVの無線充電のために利用でき、BEVの無線充電に適している可能性があるさまざまな周波数を示す周波数スペクトルを示す。BEVへの無線高電力伝送のための一部の潜在的な周波数範囲は、3kHzから30kHzまでの帯域の超長波(VLF)、30kHzから150kHzまでの帯域の長波(LF)、一部の例外があるが、産業、科学、および医療(ISM)のような用途のための短波(HF)6.78MHz(ITU-R ISM-Band 6.765-6.795MHz)、HF 13.56MHz(ITU-R ISM-Band 13.553-13.567)、およびHF 27.12MHz(ITU-R ISM-Band 26.957-27.283)を含む。
【0044】
図5は、BEVの無線充電で役立つ可能性があるいくつかのあり得る周波数および伝送距離を示す。BEVの無線充電で役立つ可能性があるいくつかの例示的な伝送距離は、約30mm、約75mm、および約150mmである。いくつかの例示的な周波数は、VLF帯の約27kHzおよびLF帯の約135kHzである可能性がある。
【0045】
受信アンテナおよび送信アンテナの共振特性および結合モード領域をわずかに超えた好適な周波数を決定することについて多くの配慮がなされるべきである。無線電力の周波数は、その他の用途で使用される周波数と干渉する可能性がある。非限定的な例として、電力線の周波数、可聴周波数、および通信周波数とのVLF/LFの共存の問題が存在する可能性がある。VLFおよびLFに関して共存が問題となる可能性があるいくつかの非限定的な例は、電波時計の周波数、LW AM放送およびその他のラジオサービスのための周波数、ISDN/ADSLおよびISDN/xDSLの通信チャネルのクロスカップリング、電気自動車固定システム、RFID(無線周波数識別)システム、EAS(電子式商品監視)システム、オンサイトページング(on-site paging)、低電圧PLCシステム、医療用体内植込機器(medical implants)(心臓ペースメーカーなど)、オーディオシステム、ならびに人および動物によって知覚され得る音響的放射である。
【0046】
HF周波数に関して共存が問題となる可能性があるいくつかの非限定的な例は、リモートコントロール用途およびエネルギーを送り続ける全2重(FDX)または半2重(HDX)モードのRFID用の6.78MHz、エネルギーを送り続けるFDXまたはHDXモードのRFIDおよび可搬型デバイスの無線電力用の13.56MHz、ならびに鉄道用途(Eurobaliseの27.095MHz)、市民バンドラジオ(Citizen band radio)、およびリモートコントロール(例えば、模型、おもちゃ、ガレージの扉、コンピュータのマウスなど)用の27.12MHzなどの産業、科学、および医療(ISM)無線帯域がある。
【0047】
本開示全体を通じて説明される無線電力充電システムは、再充電可能または交換可能なバッテリーを含むさまざまなBEV 102で使用され得る。
図6は、BEV 102に配置された再充電可能および/または交換可能なバッテリーの簡略化された図を示す。この実施形態においては、無線電力インターフェース(例えば、充電器からバッテリーへのコードレスインターフェース226)を組み込み、地面に埋め込まれた充電器から電力を受信することができるBEVのバッテリーユニット142のために低いバッテリー位置が有用である可能性がある。
図6において、BEVのバッテリーユニット142は、再充電可能なバッテリーユニットである可能性があり、バッテリー室224に収容される可能性がある。BEVのバッテリーユニット142は、共振アンテナ、電力変換回路、ならびに地面に埋め込まれた充電台104とBEVのバッテリーユニット142との間の効率的で安全な無線エネルギー伝送に必要とされるその他の制御および通信機能を含むBEVの無線電力サブシステム146全体を組み込むことができる無線電力インターフェース226も設ける。
【0048】
BEVのアンテナ118は、突き出た部分がなく、規定された地面から車体までのゆとりが保たれ得るように、BEVのバッテリーユニット142または車体の底部側と同じ高さに組み込まれることが有用である可能性がある。この構成は、BEVの無線電力サブシステム146のために設けられた、BEVのバッテリーユニット142内の何らかの空間を必要とする可能性がある。
【0049】
一部の実施形態において、CBのアンテナ114およびBEVのアンテナ118は、定位置に固定されており、充電台104に対してBEVの基部120全体を配置することによって近距離場結合領域内に運ばれる。しかし、迅速で、効率的で、安全にエネルギー伝送を実行するために、CBのアンテナ114とBEVのアンテナ118との間の距離が、結合を強くするために小さくされる可能性がある。したがって、一部の実施形態において、CBのアンテナ114および/またはBEVのアンテナ118は、それらのアンテナをより正確に位置合わせするために展開可能および/または移動可能である可能性がある。BEVのバッテリーユニット142は、バッテリーからEVへのコードレスインターフェース222と、BEV 102と充電台104との間の非接触式の電力および通信を提供する充電器からバッテリーへのコードレスインターフェース226とをさらに含み得る。
【0050】
図7A〜7Dは、バッテリーに対する無線電力アンテナの基部(例えば、BEVの基部120)およびフェライト材料の配置のより詳細な図である。
図7Aは、完全にフェライトを埋め込まれた誘導コイル236を示す。無線電力アンテナは、フェライト材料238と、フェライト材料238に巻き付けられた誘導コイル236とを含み得る。誘導コイル236自体は、標準的なリッツ線からなる可能性がある。導電性シールド(conductive shield)232が、車両の同乗者を余計なEMFの伝達から保護するために設けられる。導電性遮蔽は、プラスチックまたは複合材料で作られた車両において特に有用である可能性がある。
【0051】
図7Bは、結合を強くし、導電性シールド232における渦電流(放熱)を少なくするための最適な寸法のフェライト板(すなわち、フェライトの支持板(ferrite backing))を示す。誘導コイル236は、非導電性の非磁性(例えば、プラスチック)材料に完全に埋め込まれる可能性がある。例えば、
図7A〜7Dに示されるように、誘導コイル236は、保護筐体234内に組み込まれる可能性がある。磁気結合とフェライトのヒステリシス損(hysteresis loss)との間のトレードオフの結果として誘導コイル236とフェライト材料238とが離間され得る。
【0052】
図7Cは、誘導コイル236(例えば、銅リッツ線多重巻きコイル)が横(「x」)方向に移動可能である可能性がある別の実施形態を示す。
図7Dは、アンテナ(コイル)モジュールだけが下方向に展開される別の実施形態を示す。一部の実施形態において、バッテリーユニットは、無線電力インターフェースの一部として、展開可能なBEVのアンテナモジュール240および展開不可能なBEVのアンテナモジュール240のうちの一方を含む。磁場がバッテリースペース230および車両の内部に入り込むことを防止するために、バッテリースペース230と車両との間に導電性シールド232(例えば、銅板)が存在する可能性がある。さらに、非導電性(例えば、プラスチック)保護層233が、環境の影響(例えば、機械的損傷、酸化など)から導電性シールド232、誘導コイル236、およびフェライト材料238を保護するために使用され得る。その上、誘導コイル236は、横のX方向および/またはY方向に移動可能である可能性がある。
図7Dは、BEVのアンテナモジュール240がバッテリーユニット本体250に対して下のZ方向に展開される実施形態を示す。
【0053】
この展開可能なBEVのアンテナモジュール240の設計は、BEVのアンテナモジュール240に導電性遮蔽がないことを除いて
図7Bの設計と同様である。導電性シールド232は、バッテリーユニット本体250側に留まる。BEVのアンテナモジュール240が展開された状態にないときは、導電性シールド232とBEVのアンテナモジュール240との間に保護層233(例えば、プラスチック層)が提供される。バッテリーユニット本体250からBEVのアンテナモジュール240を物理的に分離することは、アンテナの性能に好影響がある。
【0054】
上で検討されたように、展開されるBEVのアンテナモジュール240は、誘導コイル236(例えば、リッツ線)およびフェライト材料238のみを含む可能性がある。フェライトの支持板が、結合を強くし、車両の底部または導電性シールド232における余計な渦電流損を防止するために設けられる可能性がある。さらに、BEVのアンテナモジュール240は、電力変換電子機器およびセンサーの電子機器との柔軟な有線の接続を含む可能性がある。この配線の束は、BEVのアンテナモジュール240を展開するための機械的な仕掛けに組み込まれる可能性がある。
【0055】
上述の充電システムは、BEV 102を充電するか、または反対に電力グリッドに電力を送信するためにさまざまな場所で使用され得る。例えば、電力の伝送は、駐車場の環境で行われる可能性がある。
図8は、複数の駐車区域106を含む駐車場800を示す。「駐車区域」は、本明細書においては「駐車スペース」とも呼ばれる可能性があることに留意されたい。車両無線充電システムの効率を高めるために、BEV 102は、BEV 102内のBEVの基部120が関連する駐車区域106内の充電台104に適切に位置合わせされることを可能にするために、(
図8において矢印802によって示される)X方向および(
図8において矢印803によって示される)Y方向に沿って位置合わせされ得る。
図8の駐車区域106は、単一の充電台104を有するものとして示されているが、複数のCB 104を含む可能性もある。
【0056】
さらに、開示される実施形態は、駐車場内の少なくとも1つの駐車スペースが充電台104を含み得る、1つまたは複数の駐車スペースまたは駐車区域106を有する駐車場800に適用可能である。車両のオペレータが、BEV 102内のBEVの基部120を充電台104と位置合わせするようにBEV 102を駐車区域106内に位置決めするのを支援するために、誘導システム(図示せず)が使用され得る。誘導システムは、BEV 102内のアンテナが充電台(例えば、充電台104)内の充電アンテナと適切に位置合わせされることを可能にするようにBEVのオペレータがBEV 102を位置決めするのを支援するために、電子的なアプローチ(例えば、無線による位置決め、方向探知原理、ならびに/または光学式、準光学式、および/もしくは超音波式感知方法)、あるいは機械的なアプローチ(例えば、車輪ガイド(vehicle wheel guide)、車輪軌道(vehicle wheel track)、または車輪止め(vehicle wheel stop))、あるいはこれらの任意の組み合わせを含む可能性がある。
【0057】
上で検討されたように、BEVの無線電力サブシステム146は、電力を送信し、充電台104から電力を受信するためにBEV 102の下側に配置される可能性がある。例えば、BEVのアンテナ118は、EM暴露に関して最大の安全距離をもたらし、BEVの前進での駐車および後進での駐車を可能にする、車両下側の中心位置付近に組み込まれることが好ましい可能性がある。
【0058】
規制による人の暴露の制限(EM場の強度の制限)の下での最大電力と、有線の充電ソリューションに匹敵する伝送効率とを達成するために、CBのアンテナとBEVのアンテナとの間の空隙が、可能な限り小さく設定される可能性がある。しかし、空隙は、車両が特定の最小のシャーシ-地面のゆとりを設けるべきであるので、例えば、単純に「低位置の」BEVのアンテナ118によって削減することができない。最小の地面とのゆとりは、車両のカテゴリー(シティカー、オフロード車両など)に応じて決まる可能性があり、製造業者に特有であるか、または既存の規格または勧告によって定義されている可能性がある。
【0059】
BEVのアンテナ118を含むBEVの無線電力サブシステム146の、BEV 102の下側への配置は、BEV 102の動作または移動中にさまざまな障害物に遭遇する可能性がある。
図9Aは、最小のシャーシの余裕を必要とするBEV 102が遭遇する可能性があるさまざまな障害物905の一例を示す。障害物905は、BEV 102のシャーシのシャーシ下面915にさまざまな位置で接触する可能性がある。無線電力アンテナ(図示せず)は、BEV 102のシャーシのシャーシ下面915内、またはシャーシ下面915の近くに位置しているとき、損傷を受けるか、位置がずれるか、または障害物905が無線電力アンテナに接触することに関連するその他の問題を抱える可能性がある。
【0060】
図9Bは、一部の実施形態によるBEVのアンテナ118を示す。BEVのアンテナ118を障害物の望ましくない接触から保護するために、BEVのアンテナ118は、BEV 102のシャーシ下面915の空洞912内に配置され得る。
図7Dを参照して上で検討されたように、BEVのアンテナ118は、電力を送信し、またはCBのアンテナ114から電力を受信するために展開可能である可能性がある。
【0061】
機械的に展開可能なアンテナは、(例えば、90%を優に超える)高いエンドツーエンドの効率(end-to-end efficiency)をもたらし、3kWを大きく超える充電電力レベルをサポートし、BEVに対して指定される可能性がある任意の地面とのゆとりの要件(例えば、>20cm)に対処することができる。機械的に展開可能なアンテナは、地面埋め込み式のCBの設置と表面取り付け式のCBの設置との両方をサポートし、低排出レベルおよび低暴露レベルで動作することもできる。展開可能なアンテナは、
図11A〜11Gを参照して以下でより詳細に検討されるように、アンテナの位置のずれを補償し、許容範囲を広げ、したがって、運転者の駐車の利便性を高めることができる。
【0062】
アンテナの分離、およびひいては削減された結合は、スイッチモード電力変換(switched-mode power conversion)によって生じるアンテナ電流の高調波を抑制するのに役立つ可能性もある。疎結合システム(loosely coupled system)は、高調波周波数の不要な放射レベルを減衰させる固有の選択性をもたらす可能性がある。アンテナ電流および場の強度は、結合を弱くすることによって高まる可能性があるが、概して、高調波の放射レベルを下げるのに掛け値なしに有効であり、高調波の放射レベルを下げることによって、あらゆる追加的な高調波のフィルタリングを不要にすることができ、回路の複雑性および損失を削減する。
【0063】
充電台104は、CBのアンテナ114に動作可能なように結合された電力変換ユニットを含み得る。充電台104は、本明細書において説明される、CBのアンテナ114の位置調整に使用され得るその他の機械的なまたは電子的な構成要素(例えば、プロセッサ)をさらに含む可能性がある。充電台104の構成要素は、駐車場、私道、または車庫の地面などの地面よりも下に少なくとも一部が埋め込まれる充電台104内に収容され得る。
【0064】
図10A〜10Cは、一部の実施形態による地面1005よりも下に少なくとも一部が埋め込まれた充電台104を示す。充電台104は、BEV 102に関連する対応するBEVのアンテナ118(図示せず)に/から無線電力信号を送信または受信するための1つまたは複数のCBのアンテナ114を含み得る。
図10Aに示されるように、充電台104は、地面1005から突き出している可能性があり、このことは、CBのアンテナ114とBEVのアンテナ118との間の距離が縮められ得るので結合を強くする可能性がある。突き出た充電台104は、保守および修理のためにより容易に触れることができる可能性がある。
【0065】
代替的に、
図10Bに示されるように、充電台104は、地面1005と同じ高さである可能性がある。同じ高さの充電台104は、保守および修理のためにより容易に触れることができ、邪魔にならない可能性がある。しかし、CBのアンテナ114とBEVのアンテナ118との間の結合は、
図10Aの突き出た充電台104と比較すると弱くなる可能性がある。
【0066】
代替的に、
図10Cに示されるように、充電台104は、完全に地面1005よりも下に(例えば、アスファルト層1007よりも下に)置かれる可能性がある。そのような地面よりも下の充電台104は、侵入者(例えば、破壊行為)に対してより安全であり、邪魔にならない可能性がある。家の車庫および多層式駐車上などの守られた環境においては、表面取り付け式の薄型のCBのアンテナ114が使用され得る。これは、地面の材質が、地面への埋め込みを難しく、高価にする鉄筋コンクリートである場合に特に当てはまる。
【0067】
充電台104の近くにBEV 102を位置決めすると、BEVのアンテナ118とCBのアンテナ114との間の結合を強くするために、BEVのアンテナ118をCBのアンテナ114に細かく位置合わせするためのメカニズムが使用される可能性がある。
図11A〜11Gは、一部の実施形態による位置合わせの細かな調整に関するいくつかの変更形態を含む、BEVおよび充電台を示す。
図11A〜11Gによって示されるように、BEVのアンテナ118の物理的な位置が、X、Y、およびZ方向、またはそれらの任意の組み合わせの位置合わせの誤差を補正するように調整され得る。加えて、CBのアンテナ114の位置が、X、Y、およびZ方向、またはそれらの任意の組み合わせの位置合わせの誤差を補正するように調整され得る。一部の実施形態においては、BEVのアンテナ118とCBのアンテナ114との両方の位置が、X、Y、およびZ方向のいずれか、またはそれらの任意の組み合わせの位置合わせの誤差を補正するように調整され得る。
【0068】
CBのアンテナ114とBEV 102のバッテリーユニットに関連するBEVのアンテナ118との間の無線電力の結合中、CBのアンテナ114およびBEVのアンテナ118のうちの少なくとも一方の位置が調整され得る。位置の調整は、CBのアンテナ114とBEVのアンテナ118との間の位置のずれの検出に応じて開始され得る。充電台104は、無線電力信号を送信するように構成された無線電力送信機と、無線電力送信機に動作可能なように結合されたCBのアンテナ114とを含み得る。1つまたは複数の機械的なデバイス(例えば、アクチュエータ)が、X、Y、およびZ方向のうちの少なくとも1つのBEVのアンテナ118および/またはCBのアンテナ114の位置を調整するために使用され得る。
【0069】
機械的な調整によって、システムは、負荷に基づいて調整される最適な結合で運転でき、したがって、効率を最大化する。さらに、結合の機械的な調整は、異なる充電レベルの車両のバッテリーが呈する異なる負荷条件(一定の電圧シンク(constant voltage sink))を調整するための可変インピーダンス変成器として使用され得る。
【0070】
機械的なアンテナの調整を使用するシステムは、受動整合(passive matching)、補償、もしくは同調回路網、または能動回路、例えば、DC-DC変換を必要としない可能性があり、それによって、回路の複雑性および電気的損失を少なくする。
【0071】
垂直方向の調整のみ(Z軸の調整)を行うシステムにおいては、横方向(またはX軸)のずれおよび縦方向(またはY軸)のずれは、BEVのアンテナ118を充電台104に近づけるように下げることによって完全にまたは部分的に補償され得る。
図12は、水平方向のずれおよび垂直方向のずれに応じた結合係数の例示的な曲線を示す。
図12において、水平方向のずれは、上で検討された横方向(X軸)のずれおよび縦方向(Y軸)のずれを集合的に指す。
図12は、フェライトの支持板付きの34cmの直径のアンテナのペアを使用するシステムで測定された一定の結合係数(k=0.3)の点を示す。このシステムにおいて、結合係数0.3は、水平方向のずれが0の場合は10cmの離間で実現され、水平方向のずれが8cmの場合は6cmの垂直方向の離間で実現される。結合係数の変化に対するいくらかのさらなる固有の許容範囲を想定すると、10cmを超える最大の位置合わせの誤差が、垂直方向の調整のみによってサポートされ得る。この許容範囲は、より大きな直径を有するBEVのアンテナ118およびCBのアンテナ114のうちの少なくとも一方を使用することによって拡大され得る。一部の実施形態によれば、2つの公称電力レベル、例えば、3.3kWおよび6.6kWをサポートするシステムにおいて、6.6kWの電力伝送は、ずれが0であるとさらに仮定して、システムが設計された公称結合条件を達成するために約7cmの垂直方向の離間を必要とする可能性がある。
【0072】
逆に、水平方向の位置合わせのみを行うシステムも、過度の結合を補償するためにこの機械的なシステムを使用する可能性がある。例えば、車両が荷物をたくさん積んでおり、その結果、空隙が狭くなる場合、システムは、BEVのアンテナ118とCBのアンテナ114との間の結合を調整するために、BEVのアンテナ118およびCBのアンテナ114のうちの一方を移動させることができる。
【0073】
固定されたBEVのアンテナ118を使用するシステムにおいては、完全に位置合わせされた場合に必要以上の結合(例えば、k>0.4)をもたらすために十分なだけ大きなサイズを有するようにアンテナの寸法を決めることによって、より広い横方向の位置合わせの許容範囲が実現され得る。公称電力レベルでのエネルギー伝送のために必要とされる結合係数は、比較的かなり低い可能性がある(例えば、k=0.2)。このシステムにおいて、車両は、目標の結合係数が実現される、その車両の移動経路上の点にとめられることになる。この概念は、縦方向の位置合わせ(例えば、y方向)が横方向の位置合わせ(例えば、x方向)よりも運転者によってより容易に行われ得るとの仮定に基づいており、
図13にさらに示される。
図13は、BEVのアンテナとCBのアンテナとの間の一定の結合の曲線を含む、円形の電気自動車のアンテナおよび充電台のアンテナを示す。一定の結合係数の曲線(等値線)は、BEVのアンテナ118の水平方向のずれに対応する半径を有する同心円を示す。半径Rcの円は、目標の結合係数(例えば、k=0.2)が実現され得る領域に対応する。したがって、
図13に示されるように、充電台の中心点の近く、およびCBのアンテナの中心点の半径Rc内を通過する任意の移動経路(例えば、T1、T2、T3)に関して、目標の結合が実現され得る結合位置の点のペア(例えば、P1、Ρ1'、P2、P2'、およびP3、P3')が存在する。
【0074】
わずかに横方向にずれた移動経路(例えば、T
1)の場合、2つの点P
1およびP
1'は、縦方向(例えば、y方向)の駐車位置に関してCBのアンテナ114の中心点とかなり異なる可能性がある。そのような場合、運転者は、車両の種類およびBEVのアンテナ118の相対的な位置に基づいてどちらかの結合位置の点P
1またはP
1'を選択する必要がある可能性がある。
【0075】
一定の結合係数の結合位置の点でアンテナを位置合わせするようにBEV 102を駐車するプロセスは、無線電力システムを変化する結合条件に適合させるためのあらゆる複雑で損失の多い回路を不要にすることができる。結合位置の点に基づく位置合わせは、BEVのアンテナの高さの変化にも強い可能性がある。例えば、たくさんの荷物を積んでいるか、またはタイヤの空気圧が低い場合、一定の結合係数の曲線が単純に広がる可能性があり、さらに大きな横方向の駐車の許容範囲をもたらす。さらに、最低でも結合係数(例えば、k=0.2)までの強く結合した共振状況(resonance regime)を生じる高いアンテナのQ値を想定すると、目標の結合係数と最大の結合(例えば、k=0.4)との間に効率の差はほとんどない。これは、適応型整合回路網からのさらなる損失が考慮に入れられる場合に特に当てはまる。
【0076】
図14A〜14Dは、BEVの下側の好適な位置に取り付けられた偏心的に回転可能であり垂直に移動可能なアンテナを使用する機械的な位置合わせの例を示す。
図14Aは、BEV 102の底面図を示し、
図14Bおよび14Cは、BEV 102の上面図を示す。
図14Dは、格納された状態および展開された状態のBEVのアンテナ118を有するBEV 102の側面図を示す。
【0077】
図14Aに示されるように、BEVのアンテナ118は、
図14Bに示されるアクチュエータまたはスピンドルボックス1401に収容されたスピンドル1402によって保持される可能性がある。アクチュエータ(またはモーター)の動作によって、BEVのアンテナ118は、回転され、上下に動かされる可能性がある。回転軸は、アンテナが完全に縮められているときにアクチュエータおよびスピンドル1402のための潜在的なスペースが存在する2つのフロントシートの間に配置され得る。システムが非充電状態にあるとき、BEVのアンテナ118は、車両の下側の空洞内に、突き出さない位置で格納される可能性があり、したがって、車両の地面とのゆとりが減らず、BEVのアンテナ118は機械的な影響および環境の影響からしっかりと保護される。無線充電中、BEVのアンテナ118は、展開され、所望の充電電力レベルで必要とされる結合係数を与える高さまで下げられる可能性がある。展開されるとき、BEVのアンテナ118は、
図14Dに示されるように偏心的に回転可能である可能性もある。
図14A〜14Dは、BEVのアンテナ118に関する機械的なソリューションを示す。機械的な構成要素(例えば、モーター/アクチュエータ)の動作によって、3つの次元すべてのBEVのアンテナ118の位置が調整され得る。
【0078】
車両が異なる縦の位置にとめられる場合に、回転の偏心によって与えられる範囲内で、充電台104に対するBEV 102の任意の横方向のずれに関してCBおよびBEVのアンテナの位置がそろう回転角が存在することが理解され得る。回転の偏心は、BEVのアンテナ118の中心点と回転の軸との間の距離によって定義され得る。回転角(φ)は、BEVのアンテナ118の回転軸を原点とし、初期位置におけるアンテナの中心を指す初期位置ベクトルとBEV 102の縦軸とによって定義される可能性がある。一部の実施形態によれば、BEVのアンテナ118は、
図14Dに示されるように空洞内に格納されているとき、回転角が0である。
【0079】
最大回転角が+/-90度であれば、回転の偏心によって与えられる範囲内で、任意の横方向の位置に関して位置がそろう点を見つけるために十分である可能性があることも理解され得る。回転角のそのような制限は、仕組みを単純化することができ、スピンドル1402に組み込まれることになるアンテナの配線にとって好ましい可能性がある。
【0080】
システムによってサポートされ得る有効な駐車の許容範囲は、無線電力リンクが位置合わせの誤差に対していくらかの固有の許容範囲を与える可能性があるので、回転の偏心よりも大きい可能性がある。これは、位置合わせのシステムが、上述のように横方向の誤差を補償するために垂直方向の距離の削減をさらに利用する場合に特に当てはまる。この場合、結果として得られる有効な駐車の許容範囲は、特定の電力レベルの(例えば、3.3kWおよび6.6kWの)エネルギー伝送をサポートするために必要とされる公称結合係数と、与えられた対応する最小の空隙とにやはり依存する可能性がある。
【0081】
図15A〜15Cは、偏心的に回転可能なBEVのアンテナ118の概念に基づく誘導および位置合わせの方法を示す。この方法は、システムが、BEV 102を駐車区域106の中の充電台104の近くに誘導し、BEVのアンテナ118とCBのアンテナ114とを位置合わせするために、CBのアンテナに対する車両の方向の角度および位置の少なくとも一方を決定すると想定することができる可能性がある。BEVのアンテナ118およびCBのアンテナ114の中心点と、車両の縦軸によって定義される座標系とが、方向の角度および位置を決定するための基準として仮定され得る。
【0082】
図15A〜15Cは、BEV 102の前進での駐車のための誘導および位置合わせを示す。一部の実施形態によれば、
図15Aに示されるように、システムは、BEV 102が駐車区域106に接近するときの「接近段階」で動作するように初めに構成される可能性がある。システムは、BEV 102を駐車区域106に誘導するために方向の角度を使用する可能性がある。この誘導ステップは、車両が駐車場の縁をまたいだときに始まる可能性があり、これは、「ランディング段階(landing phase)」と呼ばれる可能性がある。
図15Bに示されるように、BEV 102が充電台104の範囲内にあるとき、システムは、「ランディング段階」で動作するように構成される可能性があり、BEV 102は、
図16A〜16Bを参照して以下でより詳細に説明されるように、アンテナベクトルがBEVのアンテナ118の中心から充電台104の中心を指すような角度だけBEVのアンテナ118を偏心的に回転させ始める可能性がある。この手順は、BEVのアンテナ118およびCBのアンテナ114の中心の間の距離を自動的に最小化し、したがって、結合を最大化する。
【0083】
BEVのアンテナ118の偏心的な回転は、駐車の正確さの必要性を小さくすることができる。回転の偏心を超えない範囲で横方向にそれた、充電台104の近くを通る任意の車両の移動経路に関しては、アンテナが実質的に位置合わせされる点が存在する。
図15Cに示されるように、BEV 102は、システムによって与えられた位置情報に基づいてこの点にとめられる可能性がある。
図15Cに示されるシステムの動作は、「位置合わせ段階」と呼ばれる可能性がある。次いで、BEVのアンテナ118の位置は、垂直方向の調整をサポートするシステムを想定すると、エネルギー伝送を改善するために高さを調整するようにさらに調整され得る。
【0084】
BEVのアンテナ118およびCBのアンテナ114の位置合わせの幾何学的関係が、
図16A〜16Bを参照してより詳細に説明される。
図16A〜16Bは、BEVのアンテナとCBのアンテナとの間のさまざまな位置合わせの幾何学的関係を示す。
図16Aは、前進して駐車する場合の一部の位置合わせの幾何学的関係を示し、一方、
図16Bは、後進して駐車する場合の一部の位置合わせの幾何学的関係を示す。
図16Aおよび16Bは、CBのアンテナ114の中心およびBEVのアンテナ118の中心にそれぞれ対応する基準点CおよびEを示す。
図16Aおよび16Bは、BEVのアンテナ118が回転され得る回転軸Aと、回転軸Aの中心に原点を有し、アンテナ118の初期位置の中心を指す初期位置ベクトルvと、BEV 102の縦軸とをさらに含む。さらに、
図16Aおよび16Bは、車両の局所座標系(x方向、y方向)、BEVのアンテナ118の回転軸Aに原点を有し、充電台の中心Cを指すBEVのアンテナベクトルEを含む。さらに、
図16Aおよび16Bは、
図15Bを参照して上で検討されたように、BEVのアンテナ118および充電台104の向きの決定のためのBEVのアンテナ118の初期位置からの回転角(φ=ε)を示す。
図16Aおよび16Bに示されるように、回転角εは、初期位置ベクトルvとアンテナベクトルEとの間の角度に対応する。
【0085】
異なるアンテナの向き決定プロトコルが、
図16Aおよび
図16Bに示される前進での駐車および後進での駐車に適用される可能性がある。前進での駐車において、アンテナベクトルEは、車両のy軸に対する角度εで充電台104の中心Cを指す可能性があり、一方、後進での駐車においては、アンテナは、角度180°-(180°+ε)=-εまで回転され、ここで、(180°+ε)は、y軸とつないだ線A-Cとの間で測定される角度を定義する。このように、BEVのアンテナ118を調整するための回転角が小さくされ、それにより仕組みを単純化することができる。さらに、スピンドルを通る接続配線の束のねじれが、かなり防止され得る。
【0086】
位置合わせの別の方法においては、偏心的に回転可能なアンテナは、(例えば、
図15Bを参照して検討されたように)BEVの基部120が充電台104の近くにあり、BEVのアンテナ118およびCBのアンテナ114が、特定の角度だけ回転される場合に位置合わせされるようになるまで固定されたまま(例えば、φ=0)である。充電台104の中心Cに対するBEVの基部120の中心Eの位置が、継続的に計算され得る。アンテナの回転は、BEVの基部120が充電台104に接近する間にシステムによってモデル化され得る。BEV 102は、モデル化された回転するアンテナがCBのアンテナ114に位置合わせされるとシステムが判定するときに停止位置に来る可能性がある。車両が停止した後、BEVのアンテナ118は、CBのアンテナ114との位置合わせのために展開され、回転され得る。この方法は、BEV 102が停止位置に来るまでBEVのアンテナ118が展開されないので、障害物との相互作用によりBEVのアンテナ118を損傷する危険を小さくすることができる。
【0087】
方向および位置を探知するためのさまざまなアプローチが、提案されている。無線電力コアシステムに既に存在する構成要素を再利用する単純な方法は、方向および位置を探知するために、CBのアンテナ114によって生成されるLF近距離磁場を使用する。この種のビーコンの発射のために、専用の周波数が使用される可能性がある。電力の伝送のために使用される電力変換が、ビーコン信号を生成するために使用され得る。ビーコンのために必要とされるBEVのアンテナ118およびCBのアンテナ114の電流レベルは、無線充電のためのBEVのアンテナ118およびCBのアンテナ114の電流レベルよりもずっと低い可能性がある。さらに、LFでのCBのアンテナ114の放射効率は極めて低いので、空間に放射される電力が非常に小さい。
【0088】
車両の誘導および位置合わせのための準定常近距離場(quasi-stationary near field)の使用が、距離が離れるにつれて場が急速に減衰し(3乗則(third power law))、それによって、近隣のビーコンからの干渉の恐れを減らすので好適である可能性がある。周波数の再利用パターンは、セル間干渉(inter-cell interference)の問題を解決し得る。CBのアンテナ114の周りのビーコンの磁場が、BEVのアンテナ118の中心に位置する可能性がある3成分(Φx、Φy、Φz)磁束センサーによって感知され得る。
【0089】
図17は、一部の実施形態によるビーコン信号の方向を検出するように構成された多次元センサーを示す。
図17に示されるように、センサー1700は、フェライトディスク1708などの芯に巻き付けられた3次元的に間隔を空けた多重巻きループの構成からなる可能性がある。フェライトディスク1708として示されているが、芯を形成する材料はそれに限定されない。センサー1700は、BEVのアンテナ118のフェライトの支持板1710の中心部分でBEVのアンテナ118に組み込まれる可能性がある。フェライトディスク1708は、BEVのアンテナ118のフェライトの支持板1710と比較してサイズが小さい可能性がある。しかし、センサー1700の位置は、BEVのアンテナ118の中心部分に限定されない。BEVのアンテナ118の中心部分は、概して、コイル1712(例えば、リッツ線ディスクコイル)を含まず、したがって、BEVのアンテナ118の性能に対する悪影響にほとんどまったく関係がない可能性があるので好適な位置を提供することができる。
【0090】
センサー1700は、フェライトディスク1708に巻き付けられ、第1の平面(例えば、x軸)内にあるxループ1702と、フェライトディスク1708に巻き付けられ、第1の平面に実質的に垂直な第2の平面(例えば、y軸)内にあるyループ1704と、フェライトディスク1708に巻き付けられ、第1の平面および第2の平面に実質的に垂直な第3の平面(例えば、z軸)内にあるzループ1706とを含む。例えば、xループ1702は、第1の方向に沿ってフェライトディスクの実質的に中心の部分を通るようにフェライトディスク1708に巻き付けられる可能性がある。yループ1704は、第1の方向に実質的に垂直な第2の方向に沿ってフェライトディスクの実質的に中心の部分を通るようにフェライトディスク1708に巻き付けられる可能性がある。zループ1706は、フェライトディスク1708の円周に沿った、フェライトディスク1708の表面の1つまたは複数の同心のループとして形成されるようにフェライトディスク1708に巻き付けられる可能性がある。zループ1706は、フェライトディスク1708の外縁または外周に沿ってフェライトディスク1708に巻き付けられる可能性もある。xループ、yループ、およびzループは、互いに実質的に垂直ではないその他の平面に沿ってフェライトディスク1708に巻き付けられる可能性もある。例えば、xループ、yループ、およびzループは、異なる平面、または互いに交差する平面に沿ってフェライトディスク1708に巻き付けられる可能性がある。
【0091】
フェライトの支持板1710は、
図18A〜18Cを参照して以下でより詳細に説明されるように、場の集中によってセンサー1700の感度を上げるように働くことができる。これは、上で
図15Aを参照して説明されたように、BEV 102が、例えば、駐車区域106内の充電台104に接近しているときに(CBのアンテナ114を有する)充電台104の方向を検出するために使用され得るxループ1702およびyループ1704による感知を助けることができる。センサー1700が、CBのアンテナ114によって生成される電磁場によって定義されるビーコンのカバーエリアの端にあるように充電台104から特定の距離にあるとき、ディスク型フェライトコア内の力線の水平成分は実質的に平行になり、フェライト磁芯(例えば、フェライトディスク1708)を通る磁束の量はBEVのアンテナ118の回転と無関係である。結果として、BEVの基部120に対する充電台104の方向が、実質的に歪みなしに探知され得る。
【0092】
再び
図3および15A〜15Cを参照すると、以下でより詳細に説明されるように、BEVの誘導モジュール178の動作中、充電台104は、BEVの基部120のBEVのアンテナ118によって感知され得るBEV 102を誘導するための電磁場を1つまたは複数の送信機によって送信するように構成され得る。誘導信号を感知すると、BEV 102の誘導および位置合わせシステム(例えば、BEVの誘導モジュール178およびBEVの位置合わせモジュール174)は、感知信号から導出された情報を利用してBEV 102の運転者を支援するように構成され得る。BEVの制御ユニット170などのコントローラが、横方向(例えば、X方向)および縦方向(例えば、Y方向)のBEVのアンテナ118の位置を調整するためにBEVの位置合わせモジュール174およびBEVの誘導モジュール178の動作を制御することができる。
【0093】
充電台104によって生成され、CBのアンテナ114によって送信される電磁場は、充電台104によって生成され、BEVの基部120内の1つまたは複数の超長波(VLF)(すなわち、3〜30KHz)または長波(LF)(すなわち、30〜300KHz)のBEVのアンテナ118によって受信され得る1つまたは複数のVLFまたLF磁場パターンを含む可能性がある。BEVのアンテナ118は、上で検討されたように、xループ1702、yループ1704、およびzループ1706を有するセンサー1700を含む。充電台104を指す磁場の水平方向の場の成分1804(例えば、x軸)の方向は、センサー1700によって受信された感知信号に基づいて判定され得る。同様に、垂直方向の場の成分1805(例えば、y軸)およびz軸成分(図示せず)は、センサー1700によって受信された感知信号に基づいて判定され得る。
【0094】
センサー1700による電磁場の感知が、
図18A〜18Cを参照して以下でより詳細に説明される。
図18Aは、一部の実施形態による送信アンテナによって生成される電磁場を示す。
図18Bは、一部の実施形態による、センサー1700と、CBのアンテナ114によって送信される電磁場との側面図を示す。CBのアンテナ114は、センサー1700によって感知され得る水平方向の場の成分1804を有する電磁場1801を送信することができる。アンテナのずれ1803は、充電台のアンテナ114とBEVのアンテナ118との間のずれを示す。
【0095】
図18Bに示されるように、(例えば、BEVのアンテナ118に含まれる)センサー1700は、
図18Bにおいて1802として特定される位置でCBのアンテナ114(図示せず)によって生成される電磁場1801と相互作用する可能性がある。
図18Cは、一部の実施形態による、CBのアンテナ114によって送信される電磁場内に位置づけられたセンサー1700の上面図を示す。
図18Bおよび18Cを参照すると、センサー1700に近い電磁場1801の流線1809の方向が、電磁場1801の水平方向の場の成分に沿って、電磁場の発生源に向かう方向に向けられる可能性がある。アンテナ1700に近い流線1809の向きは、
図18Bの発生源の基準(source reference)1802の位置によって示される電磁場の発生源を指すベクトル1807によって定義される可能性がある。電磁場の発生源は、例えば、CBのアンテナ114を有する充電台104である可能性がある。
【0096】
図19は、センサーおよびテスト/較正機能を含む方向および位置システムの構成図を示す。BEV 102と、BEVのアンテナ118のCBのアンテナ114との位置合わせのためのシステムとを通じたユーザとのインターフェースの動作が、説明される。方向および位置システム1900は、3次元成分センサー1904、1906、および1908を含むセンサーからの受信されたセンサー信号に基づいて方向および位置を推定するための3チャネルデジタル信号プロセッサ1920を含む。テストおよび較正信号ジェネレータ1902が、動作の前に方向および位置システム1900の動作を較正するように構成され得る。例えば、駐車を支援する目的の方向探知および位置決めは、自己テストおよび較正のための追加機能を必要とする可能性がある。システムの完全性テストおよび較正は、3次元成分センサー1904、1906、および1908のそれぞれに追加のカレントループを組み込み、テストおよび較正信号ジェネレータ1902によって生成されるビーコン信号をエミュレートするローカル信号ジェネレータを使用することによって行われ得る。3次元成分センサー1904、1906、および1908は、同一の電流を補償するために直列に接続される可能性がある。計算された信号ベクトルが何らかの定義された許容範囲内で基準ベクトルと一致する場合、システムは、適切に機能し、較正されたと見なされる可能性があり、一致しない場合、システムは、自動較正手順を開始する可能性がある。システムは、許容範囲外のままである場合、誘導および位置合わせを禁止し、マン-マシンインターフェースの出力デバイスにエラーメッセージを返す可能性がある。
【0097】
方向および位置システム1900は、それぞれx方向、y方向、およびz方向に沿った磁束の強度を検出するための3次元成分センサー1904、1906、および1908(H場(H-field)センサー)を含む。3次元成分センサー1904、1906、および1908の感度を高めるために、センサーは、共振キャパシタ1910A〜1910Cに結合される可能性があり、可変共振キャパシタ1910A〜1910Cを使用して特定のビーコン信号周波数に同調させられる可能性がある。センサーによって受信される信号は、前置増幅器1912A〜1912Cなどの前置増幅器を用いて予め調整される可能性がある。方向および位置システム1900は、前置増幅器1912A〜1912Cの出力を受信し、ブロッキング(blocking)に対する受信機の復元力を高めるためにアンチエイリアシング操作を実行するように構成された前置フィルタ1914A〜1914Cも含む可能性がある。可変利得増幅器(VGA)1916A〜1916Cが、前置フィルタ1914A〜1914Cの出力を受信し、アナログ信号のダイナミックレンジを広げるためのデジタル制御された利得操作を実行するように構成される可能性がある。VGA 1916A〜1916Cの出力は、アナログ信号をデジタル信号に変換するように構成されるアナログデジタル変換回路(A/D)1918A〜1918Cによって受信される可能性がある。
【0098】
デジタル領域において、3つの信号は、デジタル信号プロセッサ(DSP)1920でさらに処理され、雑音、および近隣のビーコン信号または無線充電システムから生じる干渉を削減するために、例えば、高速フーリエ変換(FFT)技術を使用して周波数領域でフィルタリングされる可能性がある。DSP 1920は、BEVの制御回路170に結合され得る。BEVの制御回路170は、
図3を参照して上で説明された機能と同様の機能を実行することができる。例えば、BEVの制御回路170は、BEVのアンテナ118の位置決めのためにアクチュエータ1924の動作を制御するための位置合わせ信号を提供するように構成され得る。BEVの制御回路170は、充電台104、その他のBEV 102、またはその他のシステムと通信するために通信モジュール1926と通信するようにさらに構成され得る。
【0099】
BEVの制御回路170は、BEVの車載システム制御ユニット1922(例えば、BEV 102の車載コンピュータ)にも結合され得る。BEVの車載システム制御ユニット1922は、とりわけ、視覚インジケータ1930(例えば、ダッシュボードディスプレイ)、聴覚インジケータ1932(例えば、カースピーカー)、および入力デバイス1934(例えば、キーボード、タッチスクリーンなど)を含むさまざまなユーザインターフェースを通じてBEV 102のユーザとインターフェースを取ることができる。ユーザインターフェースの動作が、
図20A〜20C、21A〜21C、22A〜22D、および23A〜23Dを参照して以下でより詳細に説明される。BEVの車載システム制御ユニット1922は、駐車、レーダー、操舵、およびブレーキシステムなどのその他のBEV 102のシステムへのインターフェース1936も含み得る。
【0100】
方向および位置は、大きさが1(unity magnitude)である3次元信号ベクトルをもたらす3つの信号を判別し、マッピングすることによって推定され得る。したがって、位置の推定は、受信信号強度と無関係である可能性があり、センサー1700の位置における力線の方向および傾きに基づく可能性がある。このアプローチは、システムの性能が、概して、特定のシステムパラメータ(例えば、ビーコンの電流レベル、地面の材質の影響など)の変動に左右されにくいという点で有利である。位置は、計算されたベクトルを記憶されたベクトルマップ(vector map)と相互に関連付けることによって判定され得る。相関が最大の点が、初期の位置推定値として使用され得る。記憶されたベクトルマップは、車両およびアンテナの設置のそれぞれの種類ごとに異なる可能性があり、システムのソフトウェアの一部として自動車の製造業者によって生成され、ダウンロードされる可能性がある。
【0101】
地面および表面に金属が存在すると(例えば、鉄筋コンクリート)は、場のパターンをいくらか歪める可能性がある。しかし、そのような歪みは、主として、方向の探知の精度よりも位置決めの精度に影響を与える。例えば、再び
図15Bを参照すると、車両の誘導の方法は、正確な位置決めを必要としない可能性がある。まず、位置決めは、BEVのアンテナ118が展開でき、CBのアンテナ114に向き始めることができる、充電台104の近くにBEV 102を運ぶためにのみ使用される。これは、充電台104の中心点からアンテナの半径(例えば、0.5m)の3倍の距離で行われ得る。CBのアンテナ114までの距離が縮まるにつれて、場の歪みの影響は小さくなり、位置の精度が高まり、それによって、正確なアンテナの位置合わせを可能にする。
【0102】
図19に示されていないが、3次元成分センサー1904、1906、および1908のうちの少なくとも1つは、無線場を介して受信された電力を負荷に送信するための電力変換回路(例えば、BEVの電力変換116)に結合される可能性がある。
【0103】
上述のセンサー1700は、例えば、雪崩の被害者の探知機で適用されるような方向探知および位置決めの原理を使用して、3つの測定された磁束の成分Φx、Φy、Φzから方向および位置のうちの少なくとも一方を判定するように構成される。力線の方向は磁場の発生源につながるので、センサー1700は、BEV 102を誘導し、充電台104と位置合わせするために使用され得る。CBのアンテナ114によって生成され、車両の下に取り付けられたセンサー1700によって検出される磁束の成分を代表する磁束ベクトルマップでのそれぞれの感知された信号のマッピングによって、方向および位置のうちの少なくとも一方が、3つの検出された磁束の成分Φx、Φy、Φzから判定され得る。
【0104】
誘導および位置合わせのインターフェースの動作、ならびにBEV 102のユーザとのインターフェースが、
図20A〜20C、21A〜21C、22A〜22D、および23A〜23Dを参照して詳細に説明される。
図20A〜20Cは、前進して駐車する場合に駐車のさまざまな段階の間に表示するための方向および位置情報のマッピングを示す。
図21A〜21Cは、後進して駐車する場合に駐車のさまざまな段階の間に表示するための方向および位置情報のマッピングを示す。
図22A〜22Dは、偏心的に回転可能なBEVのアンテナに基づく、前進して駐車する場合の駐車のさまざまな段階の間の誘導および位置合わせ情報のマッピングおよび表示を示す。
図23A〜23Dは、偏心的に回転可能なBEVのアンテナに基づく、後進して駐車する場合の駐車のさまざまな段階の間の誘導および位置合わせ情報のマッピングおよび表示を示す。
【0105】
運転者に対して誘導および位置合わせ情報を表示するさまざまな方法が存在する可能性があり、以下の説明で示される概念は、単なる一例と見なされるべきである。示される方法において、車両の瞬間的な方向または位置が、移動するバーを用いて示され、一方、(CBのアンテナ114を有する)充電台104の目標位置を表す中心の目標位置は、固定されたままである。
【0106】
さらに、
図20A〜20Cおよび23A〜23Cは、上述の偏心的に回転可能なBEVのアンテナ118を使用する位置合わせの機械的なシステムを想定する。しかし、誘導および位置合わせ情報を表示する方法は、広く適用可能である。方法は、(機械的、電子的)アンテナの位置合わせのその他の方法、または上で
図16Aおよび16Bを参照して説明されたアンテナの回転をモデル化するために使用されるシステム、または(例えば、上で
図13を参照して説明された一定の結合係数の曲線上に駐車する概念に依拠する)固定されたBEVのアンテナ118を使用するシステムと連携して使用され得る。
【0107】
図20A、
図22A、および
図22Bは、車両が駐車場の端をまたぎ、駐車区域106に接近しているときの、前進での駐車の「接近段階」の間の処理を示す。この段階において、システムは、主として、方向の探知に依拠する。したがって、誘導システムは、BEVの基部120の中心EとCBの基部104の中心Cとを結ぶ線に対する車両の方向(yベクトル)を表示する。この情報は、中心点EとCとの間を結ぶ線とyベクトルとの間の角度εに比例する量だけ垂直なバーをそらすことによって、視覚インジケータ1930上でユーザに対して表示される。代替的に、非線形マッピング関数が使用される可能性がある。例えば、スポットの右側に位置づけられたバーが、車両が右にずれていることを示す可能性があり、したがって、運転者に車両を左に調整させる。スポットに当たっているバーは、車両が充電台104に向いていることを示す可能性がある。
【0108】
図20Bおよび22Cは、BEVの車載システム制御ユニット1922によって判定された位置に基づいて充電台104の中心Cから半径(R
c)の位置で(範囲2000内で)開始される「ランディング段階」と呼ばれる可能性があることを全体的に示す。ランディング段階においては、情報を表示するモードが、「位置」モードに変更され、水平なバーが、視覚インジケータ1930の最下部に現れる可能性がある。このモードにおいては、車両の局所的な基準座標系で判定されたように、垂直なバーが横方向(x)のずれを示し、水平なバーが、CBのアンテナ114の中心CからのBEVのアンテナ118の中心Eの縦方向(y)のずれを示す。好適な線形または部分的に非線形の関数が、推定された位置をディスプレイ座標にマッピングするために適用され得る。
【0109】
上で
図15Bを参照して検討されたように、ランディング段階が始まると、位置合わせプロセスの一部として、偏心的に回転可能なアンテナが、充電台104の中心Cを指している可能性があり、それによって、点EとCとの間の距離を最小化する。BEVのアンテナ118に組み込まれた磁束センサー1700によって、システムは、CBのアンテナ114に対するBEVのアンテナ118の位置を判定する際にこの回転を考慮することができる。
【0110】
図20Cおよび
図22Dは、BEVのアンテナ118が位置合わせの点に到達し、BEV 102が運転者によって停止される「位置合わせ段階」を示す。この段階においては、視覚インジケータ1930上に表示されたスポットが、機械的な位置合わせを除いた無線充電システムによって与えられる固有の許容範囲を示す。結果として、運転者がすべきことは、バーがスポット領域内で交わるようにし、車両を適時停止することである可能性がある。音響的警報および(例えば、
図22Dに示される)停止サインが、位置に到着したときにユーザに対して示される可能性がある。位置合わせ段階の間に、BEVのアンテナ118は、通り過ぎることを防止するために適所に細かく調整される(例えば、1cm/s)。
【0111】
上の説明は、
図21A〜21Cおよび
図23A〜23Cに示される後進での駐車に同じように当てはまる。
【0112】
上述の視覚的指示、方向、および位置合わせシステムは、充電台104に対するBEVの基部120の位置にやはり関連する可能性がある。概して、システムは、充電台104に含まれるCBのアンテナ114に対するBEVの基部120に含まれるBEVのアンテナ118の位置を判定することができる可能性がある。例えば、展開可能なBEVのアンテナ118に関して、システムは、CBのアンテナ114に対する展開された状態のBEVのアンテナ118の中心点に基づいてBEV 102の位置決めを決定することができる可能性がある。
【0113】
システムの固有の許容範囲は数センチメートル以内である可能性があるが、機械的な位置合わせは、横方向の駐車の正確さに関する運転者への要求を大幅に緩和することができる。例えば、機械的な位置合わせシステムを使用することによって、アンテナは、BEVのアンテナ118が充電台104に近づくときに垂直な指示バーがスポットに引き込まれ得るように調整される可能性がある。これは、車両の移動経路の横方向のずれが回転の偏心によって与えられる範囲内にある限り当てはまる。結果として、初回の試みで充電のための駐車が成功する率が高められ得る。
【0114】
車両の誘導および位置合わせのための準定常近距離磁場の使用が、距離が離れるにつれて場が急速に減衰し(3乗則)、それによって、近隣のビーコンからの干渉の恐れを減らすので特に好適であると考えられる。周波数の再利用パターンが、セル間干渉に合わせるために使用され得る。
【0115】
図24は、隣接する伝送の位置合わせおよび方向のビーコンの判別を示す。例えば、駐車場は、それぞれがCBのアンテナ114A〜114Dをそれぞれ含む複数の駐車領域106A〜106Dを含む可能性がある。LFビーコンに基づく誘導および位置合わせは、隣接する駐車区域106からの放射が存在する中で実現され得る。隣接する駐車区域106の無線充電またはビーコンから生じるLF磁場の放射が存在する可能性がある。これらの放射は、求められているビーコン信号と干渉する可能性があり、方向探知および位置決めの精度の許容できない悪化を招く。無線エネルギー伝送のための周波数以外のビーコン周波数、および
図24に示される単純な周波数の再利用パターン、例えば、f
0、f
1、f
2、f
3を使用することにより、干渉を削減することができる。ビーコン周波数は、設置およびシステムの設定時に各CBのアンテナ114に割り振られる可能性がある。
【0116】
異なるビーコン周波数の間の間隔は、ビーコンのIDをブロードキャストするために必要とされる変調帯域幅に応じて1kHz程度である可能性がある。周波数は、実質的に、ビーコンの受信機(方向および位置探知機)の共振場センサーの帯域幅内にあるように選択される可能性がある。無線エネルギー伝送周波数からの十分な間隔も、ビーコンの受信機の感度の低下に関する何らかの問題を避けるために必要とされる可能性がある。したがって、ビーコン周波数は、実質的に、無線電力リンクの共振帯域幅の外で割り当てられる必要がある可能性がある。共振は、CBのアンテナ114が負荷を取り除かれる(車両を充電しない)場合、極めて鋭くなる可能性がある。直列共振を想定すると、電力変換が高出力電圧を与えることができるので、必要とされるビーコン電流が、共振の外でアンテナが呈する高インピーダンスにもかかわらず生成され得る。
【0117】
図24に示されるように、BEV 102は、駐車区域106C内に位置するCBのアンテナ114Cに向けられた視角(visual angle)を有する可能性がある。しかし、目標の駐車区域は、106Bである可能性がある。BEVの車載システム制御ユニット1922は、定義された閾値レベルを超えて検出され、受信範囲内であると判定されるすべてのビーコン信号を処理する可能性がある。それぞれの検出可能なビーコンの選択性が高い(highly selective)処理および方向探知が、周波数領域でFFT技術を使用して実現され得る。システムの視角およびビーコンの範囲が設計によって制限されるので、最大で2つのビーコンが、表示されるウィンドウ内の方向の角度を与える可能性がある。したがって、場合によっては、車両が駐車区域に進路を向けているときに、(駐車区域106Bおよび106Cに対応する)2つのバーが視角インジケータ1930上に現れることが起こる可能性がある。この場合、運転者は、初め、視覚による駐車(visual parking)に頼る。駐車場に入るとき、(駐車区域106Cに対応する)「誤った」バーが、表示されるウィンドウからすぐに外れ、機器による駐車(instrument parking)をはっきりさせる。
【0118】
エネルギーの不必要な放射および浪費を防ぐため、充電台104は、車両を駐車させていないときは休止している可能性があり、駐車場に接近するときに運転者によって作動させられる可能性がある。ビーコンの作動は、BEVのアンテナ118でLF近距離磁場信号を生成することによって実行される可能性がある。この信号は、受信機も備えている可能性がある充電台104によって検出され得る。このトリガー信号は、すべての車両に共通である可能性がある。したがって、トリガー信号の範囲内の各充電台104が、起動し、ビーコンの放射を開始する。上述のように、近隣のビーコンは異なる周波数を使用することができるので、干渉のない方向探知および位置決めが可能である。
【0119】
図25は、一部の実施形態による受信アンテナと送信アンテナとを位置合わせする方法の流れ図を示す。方法2500は、開始ブロック2502で始まる可能性がある。方法は、ある位置でX、Y、およびZ平面に沿った磁束の強度を感知するためのブロック2504に進み、X、Y、およびZ感知信号を生成することができる。例えば、上述のセンサー1700が、X、Y、およびZ平面内の磁束をそれぞれ感知するためのxループ1702、yループ1704、およびzループ1706を含み得る。方法は、X、Y、およびZ信号に基づいてその位置の磁束の少なくとも2つのベクトル成分を判定するためのブロック2506に進む可能性がある。例えば、感知信号に基づいて、X、Y、および/またはZベクトルは、磁場の発生源(例えば、CBのアンテナ114を有する充電台104)を指す。方法は、少なくとも2つのベクトル成分に基づいて車両の基部(例えば、BEVの基部120)から充電台104への方向および距離を判定するためのブロック2508に進む可能性がある。
【0120】
上述の情報および信号は、さまざまな異なるテクノロジーおよび技術のいずれかを使用して表され得る。例えば、上の説明の全体を通じて参照される可能性があるデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、およびチップは、電圧、電流、電磁波、磁場もしくは磁気的粒子、光場もしくは光学的粒子、またはそれらの任意の組み合わせで表され得る。
【0121】
本明細書において開示された実施形態に関連して説明されたさまざまな例示的な論理ブロック、モジュール、回路、およびアルゴリズムのステップは、電子的なハードウェア、コンピュータソフトウェア、またはそれら両方の組み合わせとして実装され得る。ハードウェアとソフトウェアとのこの互換性を明確に示すために、種々の例示的な構成要素、ブロック、モジュール、回路、およびステップが、概してそれらの機能の観点で上で説明された。そのような機能がハードウェアで実装されるか、またはソフトウェアで実装されるかは、システム全体に課された特定の用途および設計の制約による。説明された機能は、それぞれの特定の用途のためにさまざまな方法で実装され得るが、そのような実装の判断は実施形態の範囲からの逸脱をもたらすものと解釈されるべきでない。
【0122】
本明細書において開示された実施形態に関連して説明されたさまざまな例示的なブロック、モジュール、および回路は、汎用プロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)もしくはその他のプログラマブルロジックデバイス、別個のゲートもしくはトランジスタ論理、別個のハードウェア構成要素、または本明細書で説明された機能を実行するように設計されたこれらの任意の組み合わせを用いて実装または実行され得る。汎用プロセッサはマイクロプロセッサである可能性があるが、別法として、プロセッサは、任意の通常のプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、または状態機械である可能性がある。プロセッサは、コンピューティングデバイスの組み合わせ、例えばDSPとマイクロプロセッサとの組み合わせ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと連携する1つもしくは複数のマイクロプロセッサ、または任意のその他のそのような構成として実装される可能性もある。
【0123】
本明細書において開示された実施形態に関連して説明された方法またはアルゴリズムのステップおよび機能は、直接ハードウェアで、プロセッサによって実行されるソフトウェアモジュールで、またはこれら2つの組み合わせで具現化され得る。ソフトウェアモジュールは、ランダムアクセスメモリ(RAM)、フラッシュメモリ、読み出し専用メモリ(ROM)、電気的プログラマブルROM(EPROM)、電気的消去可能プログラマブルROM(EEPROM)、レジスタ、ハードディスク、リムーバブルディスク、CD ROM、または当技術分野で知られている任意のその他の形態のストレージ媒体中に存在する可能性がある。ストレージ媒体は、プロセッサが当該ストレージ媒体から情報を読むことができ、当該ストレージ媒体に情報を書き込むことができるようにプロセッサに結合される。別法として、ストレージ媒体は、プロセッサに一体化される可能性がある。本明細書において使用されるとき、ディスク(disk)およびディスク(disc)は、コンパクトディスク(compact disc)(CD)、レーザディスク(laser disc)、光ディスク(optical disc)、デジタルバーサタイルディスク(digital versatile disc)(DVD)、フロッピー(登録商標)ディスク(floppy disk)、およびブルーレイディスク(blu-ray disc)を含み、ディスク(disk)が、通常、磁気的にデータを再生する一方、ディスク(disc)は、レーザを用いて光学的にデータを再生する。上記の媒体の組み合わせも、コンピュータ可読媒体の範囲に含まれるべきである。プロセッサおよびストレージ媒体は、ASIC内に存在する可能性がある。ASICは、ユーザ端末内に存在する可能性がある。別法として、プロセッサおよびストレージ媒体は、ユーザ端末内の別個の構成要素として存在する可能性がある。
【0124】
上述の実施形態に対する種々の修正は、容易に明らかになり、本明細書において定義された包括的な原理は、本発明の精神または範囲を逸脱することなくその他の実施形態に適用され得る。したがって、本発明は、本明細書において示された実施形態に限定されるように意図されておらず、本明細書において開示された原理および新規性のある特徴に合致する最も広い範囲を与えられるべきである。