特許第6019119号(P6019119)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6019119切削インサートを製造するための装置および方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6019119
(24)【登録日】2016年10月7日
(45)【発行日】2016年11月2日
(54)【発明の名称】切削インサートを製造するための装置および方法
(51)【国際特許分類】
   B30B 11/02 20060101AFI20161020BHJP
   B30B 11/00 20060101ALI20161020BHJP
   B22F 3/035 20060101ALI20161020BHJP
   B22F 3/02 20060101ALI20161020BHJP
【FI】
   B30B11/02 J
   B30B11/00 R
   B30B11/02 F
   B22F3/035 D
   B22F3/02 K
【請求項の数】11
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2014-525561(P2014-525561)
(86)(22)【出願日】2012年7月19日
(65)【公表番号】特表2014-528838(P2014-528838A)
(43)【公表日】2014年10月30日
(86)【国際出願番号】IL2012050260
(87)【国際公開番号】WO2013024473
(87)【国際公開日】20130221
【審査請求日】2015年7月3日
(31)【優先権主張番号】214642
(32)【優先日】2011年8月14日
(33)【優先権主張国】IL
(73)【特許権者】
【識別番号】306037920
【氏名又は名称】イスカーリミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】特許業務法人 谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】アミル サトラン
(72)【発明者】
【氏名】アレクサンダー ジベンバーグ
【審査官】 塩治 雅也
(56)【参考文献】
【文献】 特開平10−094899(JP,A)
【文献】 特開平11−300496(JP,A)
【文献】 特開2003−077769(JP,A)
【文献】 特表2009−541074(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2009/0155004(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B30B 11/00
B30B 1/00
B22F 3/00
B23P 15/30
B23C 5/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
未焼結体(10)を形成するために焼結可能粉体を圧縮するように構成され、軸方向と径方向とを画定する中心軸(A)を有するツールセット(40)であって、
ベース貫通孔(50)、複数の径方向のパンチチャンネル(52)、および複数の径方向のダイチャンネル(54)を有するベース本体(42)と、
前記ベース本体(42)上に設置可能なカバープレート(44)であって、プレート貫通孔(46)を有し、カバープレート(44)が前記ベース本体(42)上に取り付けられたとき前記中心軸(A)が前記ベース貫通孔(50)および前記プレート貫通孔(46)を通る、カバープレート(44)と、
上側パンチ(56)が前記プレート貫通孔(46)を通って軸方向に移動可能であり、下側パンチ(58)が前記ベース貫通孔(50)を通って軸方向に移動可能である、前記カバープレート(44)側にある上側パンチ(56)および前記ベース本体(42)側にある下側パンチ(58)と、
反対向きの対として構成された複数の側部パンチ(60)であって、前記パンチチャンネル(52)内で径方向に移動可能である複数の側部パンチ(60)と、
前記ダイチャンネル(54)内で径方向に移動可能である複数のダイロッド(74)であって、各ダイロッド(74)が、隣接するダイロッド(74)との間に共通する側部パンチ(60)が存在するように、2つの隣接する側部パンチ(60)の間に位置し、各ダイロッド(74)が、ダイロッド周囲縁部(80)によって境界を画定されたダイ成形表面(78)と、そこから後方に向かって分岐する2つのダイ誘導表面(82)とを有する、複数のダイロッド(74)と
を備え、
前記2つの隣接する側部パンチ(60)が固定された前記共通のダイロッド(74)の前記ダイ誘導表面(82)上で摺動可能に移動することができる、
ことを特徴とするツールセット(40)。
【請求項2】
前記焼結可能粉体を圧縮する前の第1の構成から前記焼結可能粉体を圧縮した後の第2の構成へと調整されるように構成され、前記第1の構成において、前記上側パンチ(56)、前記下側パンチ(58)および前記側部パンチ(60)、ならびに、前記ダイロッド(74)が初期の閉じたキャビティ(ICC)を形成し、前記第2の構成において、前記上側パンチ(56)、前記下側パンチ(58)および前記側部パンチ(60)、ならびに、前記ダイロッド(74)が最終の閉じたキャビティ(FCC)を形成し、
前記上側パンチ(56)、前記下側パンチ(58)および前記側部パンチ(60)は、それぞれ、上側パンチフェイス(62)、下側パンチフェイス(64)および側部パンチフェイス(66)を有し、前記最終の閉じたキャビティ(FCC)は、前記上側パンチフェイス(62)、前記下側パンチフェイス(64)および前記側部パンチフェイス(66)により、さらには前記ダイ成形表面(78)により境界を画定されることを特徴とする請求項1に記載のツールセット(40)。
【請求項3】
前記焼結可能粉体を圧縮する前の第1の構成から前記焼結可能粉体を圧縮した後の第2の構成へと調整されるように構成され、前記第1の構成において、前記側部パンチ(60)が前記ベース貫通孔(50)から離間され、前記第2の構成において、前記側部パンチ(60)が前記ベース貫通孔(50)に隣接し、配置は、前記ダイロッド(74)が前記第1の構成および前記第2の構成の両方において前記ベース貫通孔(50)に隣接して位置するようなものであることを特徴とする請求項1に記載のツールセット(40)。
【請求項4】
前記上側パンチおよび前記下側パンチのうちの少なくとも1つは、前記未焼結体(10)内に貫通孔(16)を形成するための中央ピン(84)を備えることを特徴とする請求項1に記載のツールセット(40)。
【請求項5】
前記上側パンチフェイス(62)および前記下側パンチフェイス(64)は、前記中心軸(A)を中心として互いに対して非ゼロの角度(α)だけ回転されることを特徴とする請求項に記載のツールセット(40)。
【請求項6】
請求項1に記載のツールセットと、所定の量の焼結可能粉体の圧縮によって形成される未焼結体(10)との組み合わせであって、配置は、前記側部パンチ(60)を前記ベース貫通孔(50)から離れた第1の位置から前記ベース貫通孔(50)に隣接する第2の位置まで移動させることにより、前記焼結可能粉体の圧縮が実施され、この間、前記ダイロッド(74)が前記ベース貫通孔(50)に隣接して静止状態を維持し、前記側部パンチ(60)が前記ダイ誘導表面(82)上で摺動可能に移動するようなものであり、
前記各ダイ成形表面(78)は前記未焼結体(10)の副縁部(24)を形成することを特徴とする組み合わせ。
【請求項7】
前記副縁部(24)は2つの副切刃(26)を備え、前記未焼結体(10)の端面図において前記2つの副切刃(26)が非共線となることを特徴とする請求項6に記載の組み合わせ。
【請求項8】
前記未焼結体(10)は、2つの反対向きの側部表面(12)と、それらの間に延在する周囲表面(14)とを備え、前記周囲表面(14)は4つの等しい端部表面(18)を備え、隣接する端部表面(18)は、前記副縁部(24)で交差することを特徴とする請求項6に記載の組み合わせ。
【請求項9】
各側部パンチ(60)は、突出する側部パンチフェイス(66)を有し、前記未焼結体(10)は、前記焼結可能粉体を圧縮するときに前記突出する側部パンチフェイス(66)によって形成される凹型の端部表面(18)を有し、
前記上側パンチ(56)は上側パンチフェイス(62)を有し、前記下側パンチ(58)は下側パンチフェイス(64)を有し、前記上側パンチフェイス(62)および前記下側パンチフェイス(64)は、前記焼結可能粉体を圧縮するときに前記未焼結体(10)の前記側部表面(12)を形成することを特徴とする請求項8に記載の組み合わせ。
【請求項10】
未焼結体(10)を製造するための方法であって
(i)請求項1に記載のツールセット(40)を提供するステップと、
(ii)上側パンチ(56)と下側パンチ(58)と側部パンチ(60)とダイロッド(74)との間に初期の閉じたキャビティ(ICC)を確立するステップであって、所定の量の焼結可能粉体が前記初期の閉じたキャビティ(ICC)内に位置する、ステップと、
(iii)前記上側パンチ(56)および前記下側パンチ(58)を互いに向かうように付勢することにより、さらには、前記側部パンチ(60)のうちの反対向きの一対の前記側部パンチ(60)を互いに向かうように付勢することにより、前記初期の閉じたキャビティ(ICC)から最終の閉じたキャビティ(FCC)を得るステップであって、各々の2つの隣接する側部パンチ(60)が固定された共通のダイロッド(74)のダイ誘導表面(82)上を摺動可能に移動し、一方、前記ダイロッド(74)が前記側部パンチ(60)を基準として静止状態で維持され、それにより、前記焼結可能粉体を圧縮し前記未焼結体(10)を形成する、ステップと、
(iv)前記上側パンチ(56)およびカバープレート(44)をベース本体(42)から取り外し、前記ダイロッド(74)および前記側部パンチ(60)を前記未焼結体(10)から離れた位置まで引き抜き、前記下側パンチ(58)を下側パンチ取り外し位置まで移動させることにより、前記ツールセット(40)を、前記下側パンチ(58)が前記ベース貫通孔(50)から突出し、それにより前記未焼結体(10)を取り外すことが可能となる取り外し構成にするステップと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項11】
前記未焼結体(10)内に貫通孔(16)を形成するステップをさらに含むことを特徴とする請求項10に記載の未焼結体(10)を製造するための方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願の主題は、後で焼結されて切削インサートとなる焼結前の切削インサート未焼結体を製造するための方法および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
焼結可能粉体(sinterable powder)、すなわち、冶金的なサーメットまたはセラミック粉体から切削インサートを製造することは、逃散性結合剤を用いて、または用いずに、焼結可能粉体を圧縮して焼結前の未焼結体を得ること、およびその後、未焼結体を焼結して切削インサートを得ることを含む。圧縮は、一般に、ダイ内のパンチシステムによって生成される大きい反対向きの力を介して得られる高圧力下で行われる。例えば、当技術分野で良く知られるように、上側パンチおよび下側パンチが、焼結可能粉体を含むダイ内に形成されたダイキャビティに向って付勢される。下方切り込みフィーチャを有する切削インサートは一般にプレスされ得るが、これらのフィーチャが、圧縮された未焼結体をダイキャビティから解放し、その後引き抜くのを妨げる可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の目的は、焼結前の切削インサート未焼結体を製造するための新規の改善された装置および方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本出願の主題の第1の態様によれば、未焼結体を形成するために焼結可能粉体を圧縮するように構成されたツールセットが提供される。一般に、焼結可能粉体は結合剤を含むことができる。未焼結体は切削インサート未焼結体であってよく、この未焼結体は圧縮後に切削インサートを生成するように焼結され得る。
【0005】
ツールセットが基準軸方向を画定する中心軸を有する。中心軸に対して垂直に径方向が画定される。ツールセットが、ベース貫通孔、複数の径方向のパンチチャンネル、複数の径方向のダイチャンネルを有するベース本体と、ベース本体上に設置可能なカバープレートとを備える。カバープレートがプレート貫通孔を有し、カバープレートがベース本体上に取り付けられたとき、中心軸がベース貫通孔およびプレート貫通孔を通る。
【0006】
ツールセットが、上側パンチと、反対側にある下側パンチと、複数の側部パンチと、複数のダイロッドとをさらに備える。上側パンチがプレート貫通孔を通って軸方向に移動可能であり、下側パンチがベース貫通孔を通って軸方向に移動可能である。側部パンチが反対向きの対として構成され、パンチチャンネル内で径方向に移動可能である。ダイロッドがダイチャンネル内で径方向に移動可能である。各ダイロッドが共通して2つの隣接する側部パンチの間に位置する。各ダイロッドが前方ダイ成形表面(die shaping surface)および2つのダイ誘導表面を有し、これらのダイ誘導表面上で、2つの隣接する側部パンチが摺動可能に移動することができる。ダイ誘導表面がダイ成形表面から後方に向かって分岐する。
【0007】
本出願の主題によれば、ツールセットが、焼結可能粉体を圧縮する前の第1の構成から焼結可能粉体を圧縮した後の第2の構成へと調整されるように構成される。第1の構成では、上側パンチ、下側パンチおよび側部パンチが初期の閉じたキャビティを形成する。初期の閉じたキャビティが非圧縮状態の焼結可能粉体を含むことができる。第2の構成では、上側パンチ、下側パンチおよび側部パンチ、ならびにダイロッドが最終の閉じたキャビティを形成する。最終の閉じたキャビティが圧縮状態の焼結可能粉体を含むことができる。
【0008】
上側パンチ、下側パンチおよび側部パンチが、それぞれ、上側パンチフェイス、下側パンチフェイスおよび側部パンチフェイスを有し、最終の閉じたキャビティが、上側パンチフェイス、下側パンチフェイスおよび側部パンチフェイスにより、さらには、ダイ成形表面により境界を画定され得る。
【0009】
第1の構成では、側部パンチがベース貫通孔から離れた第1の位置にあり、第2の構成では、側部パンチがベース貫通孔に隣接する第2の位置にある。このような配置により、ダイロッドが第1の構成および第2の構成の両方においてベース貫通孔に隣接して位置するようになる。
【0010】
一部の構成によれば、上側パンチおよび下側パンチのうちの少なくとも1つが、未焼結体内に貫通孔を形成するための中央ピンを備える。
【0011】
一部の構成によれば、上側パンチフェイスおよび下側パンチフェイスが、中心軸を中心として互いに対して非ゼロの角度で回転される。
【0012】
未焼結体を形成するための焼結可能粉体の圧縮は、上側パンチおよび下側パンチを互いに向かって移動させることにより、さらには、側部パンチを第1の位置から第2の位置まで移動させることにより行われてよく、この間、ダイロッドはベース貫通孔に隣接して静止状態を維持し、また、側部パンチがダイ誘導表面上を摺動可能に移動する。この配置は、焼結可能粉体の圧縮が完了するときに側部パンチがそれぞれのダイロッドの両側の正確な位置まで確実に誘導されるという点において、有利である。
【0013】
本出願の主題の態様によれば、ダイロッドのダイ成形表面が未焼結体の副縁部(minor edge)を形成する。ダイ成形表面は任意の所望形状を有することができる。ダイ成形表面を使用することにより、従来技術の圧縮ツールセットによって製造される未焼結体の縁部と比較して未焼結体の縁部の形状に大きな自由度を持たせて製造することが可能となる。
【0014】
本出願の主題の一部の実施形態によれば、各副縁部が非線形の形状となる。副縁部がダイ成形表面によって形成されることから、これらの実施形態では、ダイ成形表面も非線形の形状となる。
【0015】
本出願の主題の一部の実施形態によれば、各副縁部が2つの副切刃(minor cutting edge)を備え、これらの副切刃は未焼結体の端面図では非共線となる。
【0016】
本出願の主題の別の特定の実施形態によれば、未焼結体が2つの反対向きの側部表面と、2つの反対向きの側部表面の間に延在する周囲表面とを備える。周囲表面が4つの等しい端部表面を備えることができる。隣接する端部表面が副縁部で交差することができる。
【0017】
本出願の主題の別の特定の態様によれば、各側部パンチが突出する側部パンチフェイスを有することができ、未焼結体が凹型の端部表面を有することができる。凹型の端部表面は、焼結可能粉体を圧縮するときに突出する側部パンチフェイスによって形成される。
【0018】
本出願の主題の態様によれば、上側パンチが上側パンチフェイスを有し、下側パンチが下側パンチフェイスを有し、上側パンチフェイスおよび下側パンチフェイスが、焼結可能粉体を圧縮するときに、未焼結体の側部表面を形成する。
【0019】
本出願の主題の別の態様によれば、未焼結体を製造するための方法が提供され、この方法が、上で説明した本出願の主題の態様によるツールセットを提供するステップと、初期の閉じたキャビティ内に所定の量の焼結可能粉体が配置されるように、上側パンチと下側パンチと側部パンチとダイロッドとの間に初期の閉じたキャビティを確立するステップと、上側パンチおよび下側パンチを互いに向かうように付勢することにより、さらには、側部パンチのうちの反対向きの一対の側部パンチを互いに向かうように付勢することにより、初期の閉じたキャビティから最終の閉じたキャビティを得るステップであって、ここでは、側部パンチを基準としてダイロッドを静止状態で維持しながら共通のダイロッドのダイ誘導表面上で各々の2つの隣接する側部パンチが摺動可能に移動させられ、それにより焼結可能粉体を圧縮し未焼結体を形成する、ステップと、を含む。未焼結体を取り外すために、上側パンチおよびカバープレートをベース本体から取り外し、ダイロッドおよび側部パンチを未焼結体から離れた位置まで引き抜き、下側パンチを下側パンチ取り外し位置まで移動させることにより、ツールセットが取り外し構成にされ、下側パンチ取り外し位置では、下側パンチがベース貫通孔から突出し、それにより未焼結体を取り外すことが可能となる。
【0020】
一部の実施形態によれば、本方法が、未焼結体内に貫通孔を形成する別のステップを含む。
【0021】
一部の実施形態によれば、本方法が、未焼結体を焼結する別のステップを含む。
【0022】
本出願の主題の別の態様によれば、上で説明した製造方法に従って製造される未焼結体が提供される。本方法によって製造される未焼結体が、2つの反対向きの側部表面と、2つの反対向きの側部表面の間に延在する周囲表面とを備えることができる。周囲表面が4つの等しい端部表面を備えることができる。各端部表面が2つの隣接する端部表面の間に延在することができる。
【0023】
本出願の一部の態様によれば、各端部表面および各側部表面が主縁部(major edge)で交差することができる。主縁部の少なくとも一部分が主切刃(major cutting edge)を形成することができる。隣接する端部表面が副縁部で公差することができる。副縁部が2つの副切刃を備えることができる。
【0024】
本出願の特定の実施形態によれば、端部表面が凹型であってよい。
【0025】
本出願の別の特定の実施形態によれば、未焼結体の端面図において、2つの副切刃が非共線となってよい。
【図面の簡単な説明】
【0026】
本発明をより良く理解することができるように、また、本発明を実施することができる手法を示すために、ここで添付図面を参照する。
図1】本発明の方法に従って製造される未焼結体を示す斜視図である。
図2図1に示される未焼結体を示す側面図である。
図3図1に示される未焼結体を示す端面図である。
図4】本発明によるツールセットを示す斜視図である。
図5図4のツールセットを示す分解斜視図である。
図6】開いた構成のツールセットを示す部分図である。
図7】閉じた構成のツールセットを示す部分図である。
図8】取り外し構成のツールセットを示す部分図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下の記述では、本出願の主題の種々の態様を説明する。説明のため、本出願の主題を完全に理解することができるように特定の構成および細部が十分に詳細に記載される。しかし、本明細書で提示される特定の細部なしで本出願の主題が実施され得ることも当業者には明白であろう。
【0028】
本出願の主題の態様に従って焼結可能粉体の圧縮によって形成された焼結前の切削インサート未焼結体10の非限定の例を示す図1から3に注目する。未焼結体10を焼結することにより切削インサートが得られる。この切削インサートは金属切削処理に使用され得る。焼結可能粉体は、結合剤と混合された冶金的なセラミックまたはサーメット粉体であってよい。未焼結体10は、2つの反対向きの側部表面12と、それらの間に延在する周囲表面14とを有する。未焼結体10が貫通孔16を有することができる。貫通孔16が側部表面12の間に延在することができる。貫通孔16は孔軸Bを有し、それを中心として未焼結体10が90°の回転対称性を有することができる。周囲表面14は、4つの異なる方向を向く4つの等しい端部表面18を有する。端部表面18は凹型であってよく、それにより下方切り込み幾何形状を画定する。各端部表面18および各側部表面12が主縁部20で交差する。各端部表面18は2つの主縁部20を有し、未焼結体10は合計で8つの主縁部20を有する。各主縁部20の少なくとも一部分が主切刃22を形成する。各主切刃22は、それらが形成される主縁部20の長さの半分を超えて延在することができる。
【0029】
隣接する端部表面18は副縁部24で交差する。副縁部24は、中間の副縁部28によって接続される正確に2つの副切刃26を有する。主切刃22は副切刃26より長い。各副切刃26は隣接する主切刃22を有する。隣接する主切刃22および副切刃26は、隣接する主切刃22および副切刃26の間に延在する付随する角部切刃30を有する。言い換えると、隣接する主切刃22および副切刃26は角部切刃30で結合される。各々の3つの、隣接する主切刃22および副切刃26ならびに付随する角部切刃30は、インサート切刃32を形成する。
【0030】
各インサート切刃32は、切刃32の両側に位置する2つの表面の交差位置のところに形成される。一方の表面は端部表面18に位置する傾斜表面34であり、もう一方の表面はレリーフ表面36である。主切刃22に付随するレリーフ表面36が側部表面12内に位置する。主切刃26に付随するレリーフ表面36が端部表面18内に位置し、角部切刃30に付随するレリーフ表面36が側部表面12と端部表面18との間に位置する角部表面内に位置する。したがって、所与のインサート切刃32の各々の3つの、主切刃22および副切刃26ならびに角部切刃30が、特定の傾斜表面34および特定のレリーフ表面36に付随し、すなわち、傾斜表面34およびレリーフ表面36の交差位置のところにインサート切刃32が形成される。傾斜表面34がインサート切刃32から未焼結体10の内側方向に延在することができる。傾斜表面34が端部表面18の内側端部表面38に向かって延在することができる。一部の用途によれば、傾斜表面34が端部表面18の内側端部表面38まで延在する。2つの副切刃26のうちの1つが隣接する端部表面18のうちの1つに属し、2つの副切刃26のうちのもう一方が隣接する端部表面18のもう一方に属する。言い換えると、所与の副切刃24の2つの副切刃26のうちの1つが、1つの端部表面18内の傾斜表面34に付随し、所与の副縁部24のもう一方の副切刃26が、隣接する端部表面18内の傾斜表面34に付随する。
【0031】
未焼結体10の側面図の図2に見られるように、2つの側部表面12は互いに位置合わせされず、孔軸Bを中心として互いに対して非ゼロの角度αだけ回転される。未焼結体10の端面図の図3に見られるように、隣接する副切刃26、すなわち、共通の副縁部24上に位置する副切刃26が距離dだけ互いから離間される。したがって、一部の実施形態では、未焼結体10の端面図において、共通の副縁部24上に形成された2つの副切刃26が非共線となる。さらに、共通の副縁部24上に形成された2つの副切刃26および中間の副縁部28が非共線となる。一般に、一部の実施形態では、副縁部24は非線形形状であってよい。
【0032】
次に、ツールセット40を示す図4から8を注目する。ツールセット40は、焼結可能粉体を図1から3に示される未焼結体10に圧縮するように構成され得る。ツールセット40が基準軸方向を画定する中心軸Aを有する。中心軸Aに対して垂直に径方向が画定される。ツールセット40は、カバープレート44をその上に設置することができるベース本体42を有することができる。カバープレート44は例えばディスクなどの平坦なプレートの形態を有することができ、また、貫通孔46によって貫通されるプレートを有することができる。ベース本体42は、外側ベース周囲表面48および内側ベース貫通孔50によって境界を画定される。カバープレート44がベース本体42上に設置されると、中心軸Aがプレート貫通孔46およびベース貫通孔50を通過する。ベース本体42は、複数の径方向のパンチチャンネル52および複数の径方向のダイチャンネル54を有することができる。パンチチャンネル52およびダイチャンネル54は交互になるように構成され、ベース周囲表面48からベース貫通孔50に延在する。パンチチャンネル52およびダイチャンネル54は細長い形状であってよい。一部の用途によれば、ベース本体42は、4つの径方向のパンチチャンネル52および4つの径方向のダイチャンネル54を有することができる。
【0033】
ツールセット40は、焼結可能粉体を未焼結体10に圧縮するための、上側パンチ56と、反対側にある下側パンチ58と、側部パンチ60とを有する。上側パンチ56および下側パンチ58は、それぞれ、プレート貫通孔46およびベース貫通孔48内で摺動可能に受けられるように構成され寸法設定される。側部パンチ60は、それぞれのパンチチャンネル52内で摺動可能に受けられるように構成され寸法設定される。一部の用途によれば、4つの側部パンチ60が存在してよい。
【0034】
上側パンチ56および下側パンチ58ならびに側部パンチ60は細長いロッド状の構造を有することができ、各々が、一方の端部のところに、焼結可能粉体に接触して焼結可能粉体を未焼結体10に圧縮するように構成されたパンチフェイスを有する。上側パンチ56が上側パンチフェイス62を有し、下側パンチ58が下側パンチフェイス64を有し、各側部パンチ60が側部パンチフェイス66を有する。上側パンチフェイス62が上側パンチ周囲縁部68によって境界を画定され、下側パンチフェイス64が下側パンチ周囲縁部70によって境界を画定され、各側部パンチフェイス66が側部パンチ周囲縁部72によって境界を画定される。各パンチフェイスが未焼結体10の1つの表面を形成するように構成される。上側パンチ周囲縁部68および下側パンチ周囲縁部70は、それぞれ、上側パンチフェイス62および下側パンチフェイス64の角部のところに上側パンチ周囲角部縁部68’および下側パンチ周囲角部縁部70’を有することができる。
【0035】
ツールセット40はダイロッド74をさらに有する。各ダイロッド74は、ダイロッド周囲縁部80によって境界を画定される前方ダイ成形表面78と、ダイ成形表面78から後方に向かって分岐される2つのダイ誘導表面82とを備えるダイ前方表面76を一方の端部のところに有する。ダイロッド周囲縁部80は、ダイ成形表面78の角部のところにダイロッド周囲角部縁部80’を有することができる。各ダイロッド74のダイ成形表面78は未焼結体10の縁部を形成するように構成され、ダイ誘導表面82は焼結可能粉体を圧縮するときに隣接する側部パンチ60を誘導するように構成される。ダイロッド74は、それぞれのダイチャンネル54内で摺動可能に受けられるように構成され寸法設定される。各側部パンチ60が2つのダイロッド74の間に位置し、それに対し、各ダイロッド74が2つの側部パンチ60の間に位置する。ダイロッド74は細長いロッド状の構造を有することができる。一部の用途によれば、4つのダイロッド74が存在してよい。
【0036】
図1から3に示される、ツールセット40が焼結前の切削インサート未焼結体10を形成するように構成される特定の用途によれば、上側パンチフェイス62および下側パンチフェイス64が互いに対向し、未焼結体10の側部表面12を形成するように構成される。側部パンチフェイス66が未焼結体10の端部表面18を形成するように構成される。各ダイロッド74のダイ成形表面78が未焼結体10の副縁部24を形成するように構成される。中央ピン84が、未焼結体10を圧縮するときに貫通孔16を形成するのに使用され得る。中央ピン84は下側パンチ58上に位置することができ、上側パンチフェイス62に向かう方向に延在することができる。
【0037】
上側パンチ56および下側パンチ58が中心軸Aに沿って軸方向に移動することができる。上側パンチ56はプレート貫通穴46を通って軸方向に移動することができ、下側パンチはベース貫通孔50を通って軸方向に移動することができ、側部パンチ60がパンチチャンネル52内を径方向に移動することができ、ダイロッド74がダイチャンネル64内を径方向に移動することができる。側部パンチ60およびダイロッド74は中心軸Aから径方向に変位され、軸方向において上側パンチ56と下側パンチ58との間に配置される。4つの側部パンチ60は2組の反対向きの対すなわち第1の反対向きの対60A1および第2の反対向きの対60A2として構成されてよく、第1の反対向きの対60A1が径方向の第1の側の軸A1に沿って移動することができ、第2の反対向きの対60A2が径方向の第2の側の軸A2に沿って移動することができる。第1の軸A1は中心軸Aに対して垂直であってよい。第2の軸A2は中心軸Aに対して垂直であってよい。第1の軸A1および第2の軸A2は互いに対して垂直であってよい。
【0038】
未焼結体10を製造するために、ツールセット40は、例えば、開いた構成、圧縮構成、閉じた構成、取り外し構成が含まれ得る多数の構成を繰り返し経てもよい。開いた構成では、ツールセット40が焼結可能粉体を保持することができる。圧縮構成では、ツールセット40が焼結可能粉体を圧縮するための準備を整えることができる。閉じた構成は、焼結可能粉体を圧縮した後のツールセット40の状態である。ツールセット40の取り外し構成では、未焼結体10がツールセット40から取り外され得る。
【0039】
未焼結体10を製造する間の圧縮段階にはツールセット40の2つの構成が付随してよい。圧縮前の第1の構成が圧縮構成に対応し、圧縮後の第2の構成が閉じた構成に対応する。
【0040】
図6が開いた構成のツールセット40の部分図を示す。図6は、ダイロッド74(1つのみ示される)に対する側部パンチ60(2つのみ示される)の位置が明確に見えるようにするための簡単な部分図である。開いた構成では、側部パンチ60がパンチチャンネル52内に位置し、ダイロッド74がダイチャンネル54内に位置し、下側パンチ58がベース貫通孔50内に位置する。開いた構成ではベース本体42から離間される上側パンチ56およびカバープレート44は図6には見られない。各ダイロッド74がダイロッド最終位置に位置する。ダイロッド最終位置では、各ダイロッド74のダイ成形表面78がベース貫通孔50に隣接して位置する。ダイロッド最終位置は焼結可能粉体を圧縮するときのダイロッド74の位置である。下側パンチ初期位置では下側パンチ58がベース貫通孔50内に位置する。下側パンチ初期位置では、下側パンチ58はベース貫通孔50内に位置するが、ベース貫通孔50を完全には塞がない。すなわち、ベース貫通孔50が部分的に露出される。側部パンチ60、ダイロッド74および下側パンチ58がツールセット40の開いたキャビティOCを形成する。開いたキャビティOCは焼結可能粉体を保持することができる。
【0041】
一部の実施形態によれば、開いた構成において、側部パンチ初期位置にある各側部パンチ60が2つのダイロッド74の間に位置する。側部パンチ初期位置では、各側部パンチ60が隣接するダイロッド74のダイ誘導表面82に接触することができる。側部パンチ初期位置では、側部パンチ60がベース貫通孔50から径方向にオフセットすなわち離間され、ダイロッド74がベース貫通孔50に隣接する。側部パンチ初期位置は本明細書では側部パンチ60の第1の位置とも称される。
【0042】
カバープレート44をベース本体42上に配置して図4に示されるように上側パンチ56をプレート貫通孔46内に位置させることにより、開いた構成からツールセット40の圧縮構成を得ることができる。圧縮構成では、上側パンチ56が上側パンチ初期位置に位置する。上側パンチ初期位置では、上側パンチ56が少なくとも部分的にプレート貫通孔46内に位置し、上側パンチ56が側部パンチ60から離間される。圧縮構成では、カバープレート44および上側パンチ56が存在することにより、開いたキャビティOCが初期の閉じたキャビティICCになる。圧縮構成は開いた構成から得られることから、圧縮構成での側部パンチ60、ダイロッド74および下側パンチ58の配置が図6に示される通りになる。上側パンチ56の配置は上で説明した通りである。初期の閉じたキャビティICCが図6で示されるが、図6では上側パンチ56が示されない。初期の閉じたキャビティICCは、ダイロッド74、ならびに、上側パンチ56、下側パンチ58および側部パンチ60によって形成される。
【0043】
ツールセット40が図1から3に示されるように未焼結体10を圧縮するように構成された実施形態では、上側パンチ56および下側パンチ58が中心軸Aを中心として互いに対して角度αだけ回転される。この配置では、上側パンチフェイス62および下側パンチフェイス64が中心軸Aを中心として互いに対して角度αだけ確実に回転されるようになり、したがって、未焼結体10の2つの側部表面12が孔軸Bを中心として互いに対して角度αだけ回転される。
【0044】
図7が閉じた構成のツールセット40の部分図を示す。図7は見やすくするための部分図である。上側パンチが示されず、したがって、ダイロッド74(1つのみ示される)および下側パンチ58に対する側部パンチ60(2つのみ示される)の位置が明確に見られる。閉じた構成では、各ダイロッド74がダイロッド最終位置に位置し、上側パンチ56、下側パンチ58および側部パンチ60がそれぞれ上側パンチ最終位置、下側パンチ最終位置および側部パンチ最終位置に位置する。閉じた構成は、上側パンチ56および下側パンチ58を互いに向かうように付勢しさらには側部パンチ60A1、60A2の反対向きの対を互いに向かうように付勢することにより、圧縮構成から得られる。側部パンチ60が互いに向かって移動するときに隣接するダイ誘導表面82上を摺動し、これらの隣接するダイ誘導表面82が各側部パンチ60を側部パンチ最終位置まで誘導する。側部パンチ最終位置は本明細書では側部パンチ60の第2の位置とも称される。
【0045】
閉じた構成では、ダイロッド74、ならびに、上側パンチ56、下側パンチ58および側部パンチ60が最終の閉じたキャビティFCCを形成する。最終の閉じたキャビティFCCは、上側パンチフェイス62、下側パンチフェイス64および側部パンチフェイス66、さらには、ダイ成形表面78によって境界を画定される。閉じた構成では、側部パンチ周囲縁部72が隣接するダイロッド周囲縁部80に接触し、上側パンチ周囲縁部68および下側パンチ周囲縁部70が隣接する側部パンチ周囲縁部72に接触する。上側パンチ周囲角部縁部68’および下側パンチ周囲角部縁部70’がそれぞれのダイロッド周囲角部縁部80’に接触する。互いに接触する側部パンチ周囲縁部72およびダイロッド周囲縁部80は、それらの間に隙間ができないように一体に嵌合されるように合致する幾何形状を有するように形づくられる。同様に、互いに接触する上側パンチ周囲縁部68および下側パンチ周囲縁部70と側部パンチ周囲縁部72とが、やはり、それらの間に隙間ができないように一体に嵌合されるように合致する幾何形状を有するように形づくられる。
【0046】
側部パンチ最終位置では、側部パンチがベース貫通孔50に隣接し、ここでは、側部パンチ周囲縁部72が隣接するダイロッド周囲縁部80に接触する。下側パンチ最終位置では、下側パンチ58がベース貫通孔50内に位置し、ベース貫通孔58が完全に塞がれる。すなわち、ベース貫通孔50で露出される部分はない。最終の閉じたキャビティFCCは初期の閉じたキャビティICCより小さい。最終の閉じたキャビティFCCが未焼結体10の形状を形成する。閉じた構成では、ダイ成形表面78、上側パンチフェイス62、下側パンチフェイス64および側部パンチフェイス66が未焼結体10のそれぞれの表面に接触する。
【0047】
取り外し構成が図8に示される。取り外し構成は、上側パンチ56およびカバープレート44を取り外し、さらに、ダイロッド74をダイロッド取り外し位置まで引き抜き、さらに、側部パンチ60を側部パンチ取り外し位置まで引き抜くことにより、閉じた構成から得られる。ダイロッド取り外し位置および側部パンチ取り外し位置では、ダイロッド74および側部パンチ60はベース貫通孔50に隣接せず、また、未焼結体10に係合されない。言い換えると、取り外し構成では、ダイロッド74および側部パンチ60が未焼結体10から離間される位置にある。ダイロッド74および側部パンチ60をダイロッド取り外し位置および側部パンチ取り外し位置まで移動させた後、下側パンチ58が下側パンチ取り外し位置まで移動させられる。下側パンチ取り外し位置では、下側パンチ58がベース貫通孔50から突出し(図8を参照)、下側パンチフェイス64上に位置する未焼結体10がツールセット40から容易に取り外され得る。
【0048】
例えば図1から3に示される未焼結体10などの未焼結体を製造するための方法が多数のステップを含み、ここでは、焼結可能粉体をツールセット40内に導入し、未焼結体10となるように圧縮し、その後ツールセット40から取り外すのを可能とするように、ツールセット40の構成が変化する。例えば、1ステップが、上側パンチ(56)と下側パンチ(58)と側部パンチ(60)とダイロッド(74)との間に初期の閉じたキャビティ(ICC)を確立することを含むことができ、ここでは、所定の量の焼結可能粉体が初期の閉じたキャビティ(ICC)内に配置される。別のステップが、上側パンチ(56)および下側パンチ(58)を互いに向かうように付勢することにより、さらには、側部パンチ(60)のうちの反対向きの一対の側部パンチ(60)を互いに向かうように付勢することにより、初期の閉じたキャビティ(ICC)から最終の閉じたキャビティ(FCC)を得ることを含むことができ、各々の2つの隣接する側部パンチ(60)が共通のダイロッド(74)のダイ誘導表面(82)上で摺動可能に移動し、一方、ダイロッド(74)が側部パンチ(60)に対して静止した状態で維持され、それにより、焼結可能粉体を圧縮し未焼結体(10)を形成する。最終のステップが、ベース本体(42)から上側パンチ(56)およびカバープレート(44)を取り外し、ダイロッド(74)および側部パンチ(60)を未焼結体(10)から離れた位置まで引き抜き、下側パンチ(58)を下側パンチ取り外し位置まで移動させることにより、ツールセット(40)を、下側パンチ(58)がベース貫通孔(50)から突出し、それにより未焼結体(10)を取り外すことが可能となる取り外し構成にすることを含む。
【0049】
ある程度詳細に本発明を説明してきたが、以下で特許請求される本発明の範囲から逸脱することなく種々の変更および修正を加えることができることを理解されたい。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8