【文献】
日本マスタートラスト信託銀行株式会社,[online],日本マスタートラスト信託銀行株式会社,2015年 2月21日,[2016.4.28検索],URL,http://web.archive.org/web/20150221203255/http://www.mastertrust.co.jp/business/customer_needs.html
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明を具体化した一実施形態を、
図1〜
図12に従って説明する。本実施形態では、カストディアン(投資家に代わって有価証券の管理を行なう機関)において、非居住者の取引を行なうカストディサービスを支援する場合に用いるカストディ支援システム、カストディ支援方法及びカストディ支援プログラムとして説明する。
【0017】
本実施形態では、
図1に示すように、カストディアンを支援するためのカストディ支援システムとして、カストディ支援サーバ20を用いる。このカストディ支援サーバ20は、ネットワークを介して、スイフトシステム10、証券保管振替システム11、情報プロバイダ12に接続される。
【0018】
スイフトシステム10は、国際的な金融ネットワークの運営機関であるSWIFTのデータ通信システム(金融ネットワークシステム)であり、スイフト送信指図電文等のデータの送受信をカストディ支援サーバ20との間で行なう。海外の投資家が、海外カストディアンに対して、指図(証券売買に伴う証券の受渡指示)を行なうと、海外カストディアンからの指図がスイフト送信指図電文としてスイフトシステム10を介してカストディ支援サーバ20に送信される。
【0019】
証券保管振替システム11は、証券保管振替制度により、指図内容に基づいて有価証券取引指図の照合を行なうとともに、DVP決済により有価証券の売買取引の決済を行なう決済照合システムである。なお、証券保管振替システム11は、カストディ支援サーバ20と公衆回線等のネットワークにより接続されており、カストディ支援サーバ20と各データの送受信を行なう。
【0020】
情報プロバイダ12は、国内の全上場会社のコーポレートアクション情報の提供サービスを行なうコンピュータサーバである。情報プロバイダ12として、例えば、東京証券取引所が提供するTMI(Tokyo Market Information)におけるCA情報配信サービスを利用することができる。CA情報配信サービスにおいては、ISO20022に準じたイベントコード(配当金、有償増資、株式分割、合併・株式交換・株式移転、株式併合等)や東証独自コード(公募、定時株主総会、臨時株主総会等)に関するコーポレートアクションイベント情報が提供される。また、株式や債券等の証券銘柄情報も提供されている。
【0021】
更に、カストディ支援サーバ20は、担当者端末40に接続されている。担当者端末40は、カストディ業務を行なう銀行の担当者が利用するコンピュータ端末である。担当者は、この担当者端末40を用いて、イベント情報の入力を行なう。この担当者端末40は、図示しないディスプレイ等から構成された表示部や、キーボードやポインティングデバイス等から構成された入力部を備える。
【0022】
カストディ支援サーバ20は、スイフトシステム10、証券保管振替システム11、情報プロバイダ12から受信した電文に基づくカストディ業務を支援するためのサーバコンピュータである。カストディ支援サーバ20が、証券保管振替システム11、情報プロバイダ12から各種イベント情報、銘柄情報を取得する。更に、カストディ支援サーバ20は、取得したイベント情報を、スイフトシステム10を介して、各国のカストディアンや顧客に送信する。更に、カストディ支援サーバ20は、スイフトシステム10を介して、顧客からの各種指図を取得し、コーポレートアクション業務を行なう。
【0023】
このカストディ支援サーバ20は、制御部21、証券銘柄マスタ記憶部22、イベント情報マスタ記憶部23、情報発信マスタ記憶部24、電文カタログマスタ記憶部25、プロセスタイプマスタ記憶部26、基準日運用チャート記憶部27、イベントプロセスステータス記憶部28を備えている。
【0024】
この制御部21は、CPU、RAM、ROM(図示せず)等から構成された制御手段を備えており、後述する処理(情報取得段階、イベント情報管理段階、イベントステータス管理段階、情報配信段階、証券属性管理段階、イベントプロセス管理段階、権利残高管理段階、権利行使段階、ペンディング管理段階、顧客情報管理段階等の各処理)を行なう。
【0025】
図2に示すように、制御部21は、カストディ支援プログラムにより、情報取得部210、イベント情報管理部211、イベントステータス管理部212、情報配信部213、証券属性管理部214、イベントプロセス管理部215、権利残高管理部216、権利行使部217、ペンディング管理部218、顧客情報管理部219として機能する。
【0026】
情報取得部210は、情報提供システムとしての情報プロバイダ12、担当者端末40から各種情報を取得する処理を実行する。
イベント情報管理部211は、各種イベントに関する情報を管理する処理を実行する。
【0027】
イベントステータス管理部212は、各種イベントのステータスを管理する処理を実行する。
情報配信部213は、スイフトシステム10を介して、イベント情報を顧客に配信する処理を実行する。この情報配信部213は、新たなイベント情報を取得した場合に、情報発信マスタ記憶部24の発信先テーブル241に記録されている発信先BICに対して、スイフトシステム10を介して、イベント情報の配信を行なう。また、情報配信部213は、イベント情報マスタ記憶部23のイベント情報マスタレコード230に記録された期日に基づいて、発信先BICに対して、各種情報の配信を行なう。例えば、権利行使に関するスケジュールを含めたコーポレートアクションイベントサマリーを作成し、発信先BICに対して、コーポレートアクションイベントサマリーを含めたアラームベルの配信を行なう。
【0028】
証券属性管理部214は、取引対象の証券の属性情報を管理する処理を実行する。
イベントプロセス管理部215は、各種イベントにおけるプロセスを管理する処理を実行する。
【0029】
権利残高管理部216は、証券に関する権利の残高を管理する処理を実行する。
権利行使部217は、権利行使に関する手続を管理する処理を実行する。この権利行使部217は、後述する証券口座別権利行使明細ファイルを記録するメモリを備える。
ペンディング管理部218は、権利行使において、保留された権利を管理する処理を実行する。このため、ペンディング管理部218は、行使が保留された権利を管理するためのメモリを備える。このメモリには、ペンディングレコードが記録される。このペンディングレコードには、BIC、証券口座番号、ISINコード、未行使数量が記録されている。
顧客情報管理部219は、顧客情報を管理する処理を実行する。
【0030】
図3(a)に示すように、証券銘柄マスタ記憶部22には、証券銘柄マスタレコード220が記録される。この証券銘柄マスタレコード220には、ISINコード、証券名称、証券区分、証券タイプ、銘柄属性情報、期日情報に関するデータが記録される。
【0031】
ISINコードデータ領域には、証券銘柄を特定するための識別子(ISIN:International Securities Identification Number)に関するデータが記録される。このISINコードは、国際証券コード仕様によって規定され、国際的に統一された12桁のコードである。
【0032】
証券名称データ領域には、この証券銘柄の名称に関するデータが記録される。
証券区分データ領域には、この証券銘柄の区分に関するデータが記録される。
証券タイプデータ領域には、この証券銘柄のタイプ(株式、一般債、投資信託、新株予約権付社債、新株予約権、外国株等)や債券種類に関するデータが記録される。
銘柄属性情報データ領域には、売買単位、単元株数、払込期日、発行価額、利率、ファクター、一通貨あたりの利子額等に関する情報が記録される。
期日情報データ領域には、この証券銘柄に関連する期日(決算期、中間決算期、利払日、満期償還日等)に関するデータが記録される。
【0033】
図3(b)に示すように、イベント情報マスタ記憶部23には、イベント情報マスタレコード230が記録される。イベント情報マスタレコード230は、会社情報の開示(適時開示)によりイベント情報を取得した場合に登録される。イベント情報マスタレコード230には、イベントコード、ISINコード、基準日をキーとして、日程情報に関するデータが記録される。
【0034】
イベントコードデータ領域には、各証券銘柄におけるイベントを特定するための識別子に関するデータが記録される。このイベントには、配当金、株式分割、公開買付、合併、株式交換、株式移転、商号変更、株式併合、償還、上場廃止、買取請求等がある。
【0035】
ISINコードデータ領域には、証券銘柄を特定するための識別子に関するデータが記録される。
基準日コードデータ領域には、顧客が保有する権利残高を確定する日付(年月日)に関するデータが記録される。
日程情報データ領域には、イベントに関する業務フローにおける各作業の期日(年月日)に関するデータが記録される。
【0036】
図3(c)に示すように、送信先記憶部としての情報発信マスタ記憶部24には、発信先テーブル241、証券口座テーブル242が記録されている。
【0037】
発信先テーブル241には、発信先BIC、イベントコード、発信条件、電文編集パターン番号に関するデータが記録される。
発信先BICデータ領域には、国際銀行間金融通信協会において定められた各金融機関(カストディアン)を特定するための識別子(SWIFTコード)に関するデータが記録される。
【0038】
イベントコードデータ領域には、各イベントを特定するための識別子に関するデータが記録される。
発信条件データ領域には、情報配信を行なう条件に関するデータが記録される。この発信条件には、「発信要」、「残高なし時に発信停止」等の情報が記録される。
電文編集パターン番号データ領域には、情報配信に用いる電文のフォーマットを特定するための識別子に関するデータが記録される。
【0039】
証券口座テーブル242には、発信先BIC、契約番号、証券口座番号、預金口座番号に関するデータが記録される。
【0040】
発信先BICデータ領域には、情報配信先の各金融機関を特定するための識別子に関するデータが記録される。
契約番号データ領域には、カストディサポートの契約を特定するための識別子に関するデータが記録される。
【0041】
証券口座番号データ領域には、証券を管理する証券口座を特定するための識別子に関するデータが記録される。
預金口座番号データ領域には、証券取引に用いる預金口座を特定するための識別子に関するデータが記録される。
【0042】
図3(d)に示すように、電文カタログマスタ記憶部25には、電文カタログマスタレコード250が記録される。
電文カタログマスタレコード250には、電文編集パターン番号、処理区分、パターンに関するデータが記録される。
【0043】
電文編集パターン番号データ領域には、情報配信に用いる電文のフォーマットを特定するための識別子に関するデータが記録される。
処理区分データ領域には、電文の種類を特定するための区分に関するデータが記録される。この処理区分には、新規、更新、確定、リマインダ、取下、取消等がある。
パターンデータ領域には、情報配信に用いる電文のフォーマットを特定するためのデータが記録される。
【0044】
図4(a)に示すように、プロセスタイプマスタ記憶部26には、プロセスタイプマスタレコード260が記録される。このプロセスタイプマスタレコード260には、プロセスタイプ、業務フロー、該当イベントに関するデータが記録される。
【0045】
プロセスタイプデータ領域には、各種イベントに関わる業務フローの分類(プロトタイプ)を特定するための識別子に関するデータが記録される。このプロセスタイプには、「再編型」、「分配型」、「一般型」がある。更に、これら再編型〜一般型には、それぞれ、行使指図が不要な「行使指図不要必須型」、行使指図が必要な「行使指図要任意型」、行使指図が必要な「行使指図要必須型」がある。
【0046】
図5に示すように、再編型は、基礎証券の出庫があり、資本の再編が行われるタイプである。
図6に示すように、分配型は、基礎証券の出庫がなく、受益の受領が行われるタイプである。
図7に示すように、一般型は、基礎証券の出庫や受益の受領がなく、資本の移動がないタイプである。
【0047】
業務フローデータ領域には、各プロセスタイプにおいて行なわれる業務フローに係る各種日程に関するデータが記録される。このデータ領域には、
図5〜
図7に示すように、各プロセスタイプにおける各種日程が記録される。
該当イベントデータ領域には、各プロセスタイプが適用されるイベントを特定するための識別子(イベントコード)に関するデータが記録される。
【0048】
図4(b)に示すように、基準日運用チャート記憶部27には、イベントに関する期日を管理するための基準日運用チャート270が記録される。基準日運用チャート270には、イベントコード、ISINコード、基準日をキーとして、期日に係る日程情報に関するデータが記録される。
【0049】
イベントコードデータ領域には、各証券銘柄におけるイベントを特定するための識別子に関するデータが記録される。
ISINコードデータ領域には、証券銘柄を特定するための識別子に関するデータが記録される。
【0050】
基準日コードデータ領域には、顧客が保有する権利残高を確定する日付(年月日)に関するデータが記録される。
日程情報データ領域には、作業を行なう日付(例えば、α営業日前)や期間(例えば、基準日のβ営業日後〜γ営業日後等)に関するデータが記録される。この日程情報は、プロセスタイプの業務フローに基づいて算出される。この日程情報には、発表日、取引日、取引最終日、権利確定日、権利落日、利払日、償進日、満期日、基準日、効力発生日、支払日、入金日、支払開始日、評価日、残高移動日、売買可能日、上場廃止日、取扱最終日、定款配当基準日等が含まれる。
【0051】
図4(c)に示すように、イベントプロセスステータス記憶部28には、イベントプロセスステータスレコード280が記録される。イベントプロセスステータスレコード280は、イベント情報を取得した場合に記録、更新される。イベントプロセスステータスレコード280には、イベントコード、ISINコード、イベント発生確度、イベント情報完成度、工程ステータスに関するデータが記録される。
【0052】
イベントコードデータ領域には、各証券銘柄におけるイベントを特定するための識別子に関するデータが記録される。
ISINコードデータ領域には、証券銘柄を特定するための識別子に関するデータが記録される。
【0053】
イベント発生確度データ領域には、イベント発生の確からしさを識別するためのフラグ(確定/未確定)が記録される。
イベント情報完成度データ領域には、イベント情報の完成度を識別するためのフラグ(完全/未完)が記録される。
工程ステータスデータ領域には、イベントのための各工程毎に進捗状況を識別するためのフラグ(完了/未完了)が記録される。
【0054】
更に、カストディ支援サーバ20は、ホストシステム30に接続されている。このホストシステム30は、証券口座や預金口座を用いて行なわれる取引を管理するコンピュータシステムである。このホストシステム30は、口座の属性や名義人に関する口座情報や、この口座を用いて行なわれた取引に関する取引情報を管理する。
【0055】
上記のように構成されたシステムを用いて、非居住者の取引についてカストディサービスを提供する場合の処理手順について、
図5〜
図12を用いて説明する。
(カストディ支援処理)
図8(a)を用いて、カストディ支援処理を説明する。
まず、カストディ支援サーバ20の制御部21は、情報の集信処理を実行する(ステップS1−1)。この情報の集信処理については、
図8(b)を用いて後述する。
【0056】
次に、カストディ支援サーバ20の制御部21は、情報発信サービス処理を実行する(ステップS1−2)。具体的には、制御部21は、取得したイベント情報に基づいて、スイフト電文を作成し、スイフトシステム10を介して、各金融機関に送信する。この情報発信サービス処理については、
図9を用いて後述する。
【0057】
次に、カストディ支援サーバ20の制御部21は、コーポレートアクション業務処理を実行する(ステップS1−3)。具体的には、制御部21は、取得したイベント情報に基づいて業務フローを特定し、イベントに関する期日や工程を管理するプロセス管理処理を行なう。このコーポレートアクション業務処理については、
図10、
図11を用いて後述する。
【0058】
(情報の集信処理)
次に、
図8(b)を用いて、情報の集信処理を説明する。
まず、カストディ支援サーバ20の制御部21は、情報の取得処理を実行する(ステップS2−1)。具体的には、制御部21の情報取得部210は、証券保管振替システム11、情報プロバイダ12、担当者端末40から、各種情報(イベント情報及び証券銘柄情報等)を取得する。
【0059】
次に、カストディ支援サーバ20の制御部21は、ステップS2−1で取得した各種情報にイベントコードが記録されているかどうかについての判定処理を実行する(ステップS2−2)。具体的には、制御部21の情報取得部210は、取得したイベント情報にイベントコードが記録されているかどうかを確認する。
【0060】
取得した各種情報にイベントコードが記録されていないと判定した場合(ステップS2−2において「NO」の場合)、カストディ支援サーバ20の制御部21は、証券属性管理処理を実行する(ステップS2−3)。具体的には、制御部21の証券属性管理部214は、取得した各種情報に基づいて、証券銘柄マスタ記憶部22に記録された証券銘柄マスタレコード220を更新する。
次に、カストディ支援サーバ20の制御部21は、各種情報がイベント対象に関する情報かどうかについての判定処理を実行する(ステップS2−4)。具体的には、制御部21の情報取得部210は、取得した各種情報に含まれるイベントに対応する項目に基づいて判定する。例えば、「決算期」、「中間決算期」、「利払日」、「満期償還日」に関する情報が含まれる場合、イベント対象と判定する。
ここで、イベント対象と判定した場合(ステップS2−4において「YES」の場合)、カストディ支援サーバ20の制御部21は、イベント情報の生成処理を実行する(ステップS2−5)。具体的には、制御部21の情報取得部210は、特定した証券銘柄マスタレコード220を用いて、取得した各種情報に基づいて、イベントに関する情報(例えば、イベントコード)を補完して、イベント情報を生成する。
【0061】
一方、取得した各種情報にイベントコードが記録されていると判定した場合(ステップS2−2において「YES」の場合)、カストディ支援サーバ20の制御部21は、証券属性管理処理(ステップS2−3)〜イベント情報の生成処理(ステップS2−5)をスキップする。
【0062】
次に、カストディ支援サーバ20の制御部21は、イベントマスタ登録処理を実行する(ステップS2−6)。具体的には、制御部21のイベント情報管理部211は、取得又は生成したイベント情報に基づいて、イベント情報マスタレコード230を生成し、イベント情報マスタ記憶部23に記録する。なお、同じイベント情報についてのイベント情報マスタレコード230が既に記録されている場合には、取得したイベント情報に基づいて、イベント情報マスタレコード230を更新する。
【0063】
次に、カストディ支援サーバ20の制御部21は、ステータス管理処理を実行する(ステップS2−7)。具体的には、制御部21のイベント情報管理部211は、取得したイベント情報に基づいて、イベント発生確度、イベント情報完成度、完了ステータスを記録したイベントプロセスステータスレコード280を生成し、イベントプロセスステータス記憶部28に記録する。なお、同じイベント情報についてのイベントプロセスステータスレコード280が既に記録されている場合には、取得したイベント情報に基づいて、イベントプロセスステータスレコード280を更新する。
【0064】
(情報発信サービス処理)
次に、
図9(a)を用いて、情報発信サービス処理を説明する。ここでは、同時期に取得したイベント情報毎に、以下の処理を繰り返す。
【0065】
まず、カストディ支援サーバ20の制御部21は、プロセスタイプの特定処理を実行する(ステップS3−1)。具体的には、制御部21のイベント情報管理部211は、取得したイベント情報に基づいて、プロセスタイプマスタ記憶部26を用いて、イベント情報に対応するプロセスタイプを分類する。
【0066】
次に、カストディ支援サーバ20の制御部21は、基準日運用チャートの登録処理を実行する(ステップS3−2)。具体的には、制御部21のイベント情報管理部211は、分類したプロセスタイプのプロセスタイプマスタレコード260に基づいて、イベントの管理に必要な日程情報を特定する。そして、イベント情報管理部211は、イベントコード、ISINコードに関連付けて、基準日、日程情報を記録した基準日運用チャート270を作成し、基準日運用チャート記憶部27に記録する。
【0067】
次に、カストディ支援サーバ20の制御部21は、情報発信マスタ参照処理を実行する(ステップS3−3)。具体的には、制御部21の情報配信部213は、取得したイベント情報からイベントコードを取得する。そして、情報配信部213は、情報発信マスタ記憶部24に記録された発信先テーブル241を用いて、イベントコードに関連付けられた発信先BICを取得する。更に、情報配信部213は、発信先テーブル241に記録された発信条件に基づいて、情報配信の要否を判定する。ここで、「発信要」が記録されている場合には、発信先BICに対して、無条件に情報配信を行なう。一方、「残高なし時に発信停止」が記録されている場合には、ホストシステム30を用いて証券残高情報を確認し、証券残高がある口座がある場合のみ、情報配信を行なう。更に、情報配信部213は、発信先テーブル241から、発信先BICコードに応じた電文編集パターン番号を取得する。
【0068】
そして、カストディ支援サーバ20の制御部21は、以下の処理を発信先BIC毎に繰り返す。
まず、カストディ支援サーバ20の制御部21は、電文カタログマスタ参照処理を実行する(ステップS3−4)。具体的には、制御部21の情報配信部213は、発信先テーブル241において、発信先BICに関連付けられた電文編集パターン番号を特定する。次に、情報配信部213は、電文カタログマスタ記憶部25から、電文編集パターン番号に基づいて、イベント情報の処理区分に応じた発信パターンを取得する。
【0069】
次に、カストディ支援サーバ20の制御部21は、イベント情報の編集処理を実行する(ステップS3−5)。具体的には、制御部21の情報配信部213は、取得した発信パターンに基づいて、イベント情報を編集し、仮記憶する。
以上の処理を、発信先BIC毎、イベント情報毎に繰り返す。
【0070】
次に、発信先BIC毎に、カストディ支援サーバ20の制御部21は、情報発信処理を実行する(ステップS3−6)。具体的には、制御部21の情報配信部213は、発信先BIC毎に、仮記憶したイベント情報を集約した配信情報を生成する。次に、情報配信部213は、発信先BIC毎に、集約した配信情報を含めたスイフト電文を生成する。そして、情報配信部213は、スイフトシステム10を介して、発信先BICに対してスイフト電文を送信する。
【0071】
(コーポレートアクション業務処理)
次に、コーポレートアクション業務処理を説明する。ここでは、コーポレートアクション業務処理におけるプロセス管理処理として、基準日処理、権利行使処理、リマインダ処理、受益処理、当局届出処理を説明する。
【0072】
(基準日処理)
まず、
図9(b)を用いて、基準日処理を説明する。
ここでは、カストディ支援サーバ20の制御部21は、期日管理処理を実行する(ステップS4−1)。具体的には、制御部21のイベントプロセス管理部215は、基準日運用チャート記憶部27に記録された基準日運用チャートを用いて、基準日を特定する。
【0073】
次に、カストディ支援サーバ20の制御部21は、基準日到来かどうかについての判定処理を実行する(ステップS4−2)。具体的には、制御部21のイベントプロセス管理部215は、システムタイマから現在日付を取得し、現在日付と基準日とを比較する。現在日付が基準日に達していない場合は、基準日が到来していないと判定する。
【0074】
基準日が到来していないと判定した場合(ステップS4−2において「NO」の場合)、カストディ支援サーバ20の制御部21は、期日管理処理(ステップS4−1)を継続する。
【0075】
一方、基準日が到来していると判定した場合(ステップS4−2において「YES」の場合)、カストディ支援サーバ20の制御部21は、権利残高管理処理を実行する(ステップS4−3)。具体的には、制御部21の権利残高管理部216は、ホストシステム30を用いて、証券口座の権利残高を取得する。
【0076】
次に、カストディ支援サーバ20の制御部21は、通知処理を実行する(ステップS4−4)。具体的には、制御部21の情報配信部213は、証券口座毎に、権利残高を含めた権利通知を生成する。そして、情報配信部213は、BIC毎に、スイフトシステム10を介して、権利受領予定通知を送信する。
【0077】
次に、カストディ支援サーバ20の制御部21は、ステータス管理処理を実行する(ステップS4−5)。具体的には、制御部21のイベントプロセス管理部215は、イベントプロセスステータス記憶部28のイベントプロセスステータスレコード280に、工程「権利受領予定通知」の完了フラグを記録する。
【0078】
(権利行使処理)
次に、
図10を用いて、権利行使処理を説明する。
まず、カストディ支援サーバ20の制御部21は、行使指図が必要かどうかについての判定処理を実行する(ステップS5−1)。具体的には、制御部21のイベントプロセス管理部215は、プロセスタイプマスタ記憶部26を用いて、プロセスタイプマスタレコード260に記録されているプロセスタイプを判定する。そして、イベントプロセス管理部215は、海外投資家からの行使指図を必要とするかどうかを判断する。
プロセスタイプが「行使指図要任意型」又は「行使指図要必須型」であり、行使指図が必要と判定した場合(ステップS5−1において「YES」の場合)、カストディ支援サーバ20の制御部21は、行使指図の待機処理を実行する(ステップS5−2)。具体的には、制御部21の権利行使部217は、スイフトシステム10を介して、顧客からの行使指図電文を待機する。
【0079】
そして、カストディ支援サーバ20の制御部21は、行使指図の受信処理を実行する(ステップS5−3)。具体的には、制御部21の権利行使部217は、スイフトシステム10を介して、顧客から行使指図電文を取得する。
図12(a)に示すように、行使指図データには、イベントコード、ISINコード、基準日、証券口座番号、行使数量、不行使数量、未行使数量に関するデータが含まれる。
【0080】
次に、カストディ支援サーバ20の制御部21は、受付結果の返信処理を実行する(ステップS5−4)。具体的には、制御部21の権利行使部217は、スイフトシステム10を介して、受付結果を顧客に返信する。
次に、カストディ支援サーバ20の制御部21は、オプションについての判定処理を実行する(ステップS5−5)。具体的には、制御部21の権利行使部217は、行使指図電文内のオプション(「権利行使する(ACTION)」、「権利行使しない(ACTION)」、又は「何もしない(NO ACTION)」等の選択肢)を判定する。
【0081】
オプションにおいて「何もしない」の選択肢が含まれると判定した場合(ステップS5−3において「NO ACTION」の場合)、カストディ支援サーバ20の制御部21は、ペンディング管理処理を実行する(ステップS5−6)。具体的には、制御部21のペンディング管理部218は、取得した権利行使指図に含まれるBIC、証券口座番号、ISINコード、未行使数量を記録したペンディングレコードを生成し、メモリに記録する。
一方、オプションにおいて「権利行使する(ACTION)」、「権利行使しない(ACTION)」の選択肢が含まれると判定した場合(ステップS5−3において「ACTION」の場合)、カストディ支援サーバ20の制御部21は、ペンディング管理処理(ステップS5−6)をスキップする。
次に、カストディ支援サーバ20の制御部21は、明細ファイルを作成済かどうかについての判定処理を実行する(ステップS5−7)。具体的には、制御部21の権利行使部217は、同一証券口座、同一ISINコードについて、証券口座別権利行使明細ファイルがメモリに記録されているかどうかを確認する。証券口座別権利行使明細ファイルがメモリに記録されている場合には、明細ファイルを作成済と判定する。
明細ファイルを作成済と判定した場合(ステップS5−7において「YES」の場合)、カストディ支援サーバ20の制御部21は、明細ファイルへの追加処理を実行する(ステップS5−8)。具体的には、オプション「NO ACTION」の場合、制御部21の権利行使部217は、同一証券口座、同一ISINコードが既に記録された証券口座別権利行使明細ファイルに、「未行使数量」として、ペンディングレコードと同数量を記録する。オプション「ACTION」の場合、権利行使部217は、既に記録された証券口座別権利行使明細ファイルに、行使指図電文内のオプション(ACTION)の数量を記録する。
【0082】
一方、証券口座別権利行使明細ファイルがメモリに記録されておらず、明細ファイルを作成済でないと判定した場合(ステップS5−7において「NO」の場合)、カストディ支援サーバ20の制御部21は、明細ファイルの作成処理を実行する(ステップS5−9)。具体的には、制御部21の権利行使部217は、基準日運用チャート記憶部27に記録された基準日運用チャート270を用いて、権利行使後の期日を特定する。そして、権利行使部217は、特定した期日を含め、証券口座、ISINコード、ACTION対象の数量を記録した証券口座別権利行使明細ファイルを作成し、メモリに記録する。なお、ペンディング管理部218において、同一証券口座、同一ISINコードについて「未行使数量」を保持している場合には、権利行使部217は、作成した証券口座別権利行使明細ファイルに「未行使数量」を記録する。
【0083】
図12(b)に示すように、証券口座別権利行使明細ファイルには、イベントコード、ISINコード、基準日、イベントプロセスタイプ、証券口座番号に関するデータが含まれる。更に、権利残高、行使数量、不行使数量、未行使数量、払込金額、入金予定金額、入金額、税率、税額、行使日、入金予定日、入金日、確定(完了)数量に関するデータが含まれる。なお、この段階では、入金額、行使日、入金日、確定(完了)証券数量の各データ領域は空欄とする。
【0084】
なお、プロセスタイプが「行使指図不要必須型」であり、行使指図が不要と判定した場合(ステップS5−1において「NO」の場合)、カストディ支援サーバ20の制御部21は、ステップS5−2〜S5−8の処理をスキップし、明細ファイルの作成処理を実行する(ステップS5−9)。この場合には、制御部21の権利行使部217は、「権利受領予定通知」に基づいて、証券口座別権利行使明細ファイルを作成し、メモリに記録する。
【0085】
次に、カストディ支援サーバ20の制御部21は、ステータス管理処理を実行する(ステップS5−10)。具体的には、制御部21のイベントプロセス管理部215は、イベントプロセスステータス記憶部28のイベントプロセスステータスレコード280に、工程「行使指図の受信」フラグを記録する。
【0086】
(リマインダ処理)
次に、
図11(a)を用いて、リマインダ処理を説明する。このリマインダ処理は、行使期限がある証券について、定期的に実行される。
まず、カストディ支援サーバ20の制御部21は、期日管理処理を実行する(ステップS6−1)。具体的には、制御部21のペンディング管理部218は、未行使量が記録されている証券口座を特定する。
【0087】
次に、カストディ支援サーバ20の制御部21は、期限到来かどうかについての判定処理を実行する(ステップS6−2)。具体的には、制御部21のイベントプロセス管理部215は、システムタイマから現在日付を取得し、現在日付と基準日運用チャートの期日(権利行使の期限)とを比較する。現在日付が期日に達していない場合は、期限が到来していないと判定する。
【0088】
現在日付が期日に達しており、期限が到来していると判定した場合(ステップS6−2において「YES」の場合)、カストディ支援サーバ20の制御部21は、ステータス管理処理を実行する(ステップS6−3)。具体的には、制御部21のイベントプロセス管理部215は、イベントプロセスステータス記憶部28のイベントプロセスステータスレコード280に、工程「リマインダ」の完了フラグを記録する。
一方、期限が到来していないと判定した場合(ステップS6−2において「NO」の場合)、カストディ支援サーバ20の制御部21は、未確定があるかどうかについての判定処理を実行する(ステップS6−4)。具体的には、制御部21のイベントプロセス管理部215は、この証券口座の証券口座別権利行使明細ファイルに記録されている行使数量と不行使数量とを合計して確定数量を算出する。次に、イベントプロセス管理部215は、確定数量と権利残高とを比較する。そして、確定数量が権利残高より少ない場合には、未確定があると判定する。
【0089】
未確定があると判定した場合(ステップS6−4において「YES」の場合)、カストディ支援サーバ20の制御部21は、リマインダの送信処理を実行する(ステップS6−5)。具体的には、ペンディング管理部218で、未行使数量を記録した証券口座を保有するBICを特定し、このBICに対して、リマインダを送信する。
【0090】
一方、未確定がないと判定した場合(ステップS6−4において「NO」の場合)、カストディ支援サーバ20の制御部21は、ステータス管理処理(ステップS6−3)を実行し、カストディ支援サーバ20の制御部21は、リマインダ処理を終了する。この場合も、カストディ支援サーバ20の制御部21は、後続の期日管理処理を継続する。
【0091】
(受益処理)
次に、
図11(b)を用いて、受益処理を説明する。
まず、カストディ支援サーバ20の制御部21は、残高更新処理を実行する(ステップS7−1)。具体的には、制御部21の権利残高管理部216は、ホストシステム30を用いて、メモリに記録された証券口座別権利行使明細ファイルの「行使日」、「入金日予定日」の期日に、証券口座の残高を更新する。そして、権利残高管理部216は、証券口座別権利行使明細ファイルを更新する。ここでは、
図12(b)に示す証券口座別権利行使明細ファイルにおいて、入金額、行使日、入金日、確定(完了)証券数量に関するデータを記録する。
【0092】
次に、カストディ支援サーバ20の制御部21は、通知処理を実行する(ステップS7−2)。具体的には、制御部21の権利残高管理部216は、証券・資金移動結果を含む移動通知を、スイフトシステム10を介して、顧客に送信する。更に、権利残高管理部216は、イベント完了時に、完了通知を、スイフトシステム10を介して、顧客に送信する。
【0093】
次に、カストディ支援サーバ20の制御部21は、ステータス管理処理を実行する(ステップS7−3)。具体的には、制御部21のイベントプロセス管理部215は、イベントプロセスステータス記憶部28のイベントプロセスステータスレコード280に、工程「残高更新」の完了フラグを記録する。
【0094】
(当局届出処理)
次に、
図11(c)を用いて、当局届出処理を説明する。
まず、カストディ支援サーバ20の制御部21は、最終顧客情報の取得処理を実行する(ステップS8−1)。具体的には、制御部21の顧客情報管理部219は、スイフトシステム10を介して、最終顧客情報を取得する。
【0095】
次に、完了更新された証券口座別権利行使明細ファイルと、取得した最終顧客情報とに基づいて、カストディ支援サーバ20の制御部21は、権利残高管理処理を実行する(ステップS8−2)。具体的には、制御部21の権利残高管理部216は、顧客の属性(非課税・課税)や国・所在地等に応じて税率を特定し、この税率、入金額等とから税額を算出する。例えば、主権免税、設立協定、理財省令は非課税となる。また、軽減がない場合に、課税対象になる。また、租税条約適用の場合には、国別に適用され税率を参照する。
【0096】
次に、カストディ支援サーバ20の制御部21は、ステータス管理処理を実行する(ステップS8−3)。具体的には、制御部21のイベントプロセス管理部215は、イベントプロセスステータス記憶部28のイベントプロセスステータスレコード280に、工程「当局届出」の完了フラグを記録する。
【0097】
本実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)本実施形態では、カストディ支援サーバ20の制御部21は、情報の集信処理(ステップS1−1)、情報発信サービス処理(ステップS1−2)、コーポレートアクション業務処理(ステップS1−3)を実行する。これにより、コーポレートアクション業務に拘束されることなく、迅速に広く、イベント情報の発信を行なうことができる。
【0098】
(2)本実施形態では、イベント情報にイベントコードが記録されていないと判定した場合(ステップS2−2において「NO」の場合)、カストディ支援サーバ20の制御部21は、証券属性管理処理を実行する(ステップS2−3)。更に、カストディ支援サーバ20の制御部21は、イベント対象かどうかについての判定処理を実行する(ステップS2−4)。そして、イベント対象と判定した場合(ステップS2−4において「YES」の場合)、カストディ支援サーバ20の制御部21は、イベント情報の作成処理を実行する(ステップS2−5)。これにより、イベント情報において不足する項目がある場合には、証券銘柄情報を用いて補完してイベント情報を生成することができる。
【0099】
(3)本実施形態では、カストディ支援サーバ20の制御部21は、ステータス管理処理を実行する(ステップS2−7)。これにより、取得したイベントの状況を判定することができる。
【0100】
(4)本実施形態では、カストディ支援サーバ20の制御部21は、プロセスタイプの特定処理(ステップS3−1)、基準日運用チャートの登録処理(ステップS3−2)を実行する。そして、カストディ支援サーバ20の制御部21は、期日管理処理を実行する(ステップS4−1、S6−1)。これにより、イベントについて、的確にプロセスを管理することができる。
【0101】
(5)本実施形態では、カストディ支援サーバ20の制御部21は、情報発信マスタ参照処理を実行する(ステップS3−3)。カストディ支援サーバ20の制御部21は、発信先BIC毎に、電文カタログマスタ参照処理(ステップS3−4)、情報発信処理(ステップS3−6)を実行する。これにより、BIC毎にまとめてイベント情報を提供することができる。
【0102】
(6)本実施形態では、プロセスタイプには、「再編型」、「分配型」、「一般型」がある。更に、これら再編型〜一般型には、それぞれ、行使指図が不要な「行使指図不要必須型」、行使指図が必要な「行使指図要任意型」、行使指図が必要な「行使指図要必須型」がある。新たな種類のイベントが追加された場合には、これらのプロセスタイプを用いて、各プロセスに関する期日に展開することができる。
【0103】
また、上記実施形態は、以下のように変更してもよい。
・上記実施形態では、制御部21の情報取得部210は、情報プロバイダ12、担当者端末40から、各種イベント情報を取得する。ここで、イベント情報の取得元は、これらに限定されるものではない。インターネットを通して、公表されるイベント情報を用いて、顧客にイベント情報を提供するようにしてもよい。この場合には、例えば、情報元に基づいて確度を評価して、イベントステータスを判定する。
【0104】
・上記実施形態では、このプロセスタイプには、「再編型」、「分配型」、「一般型」がある。更に、これら再編型〜一般型には、それぞれ、行使指図が不要な「行使指図不要必須型」、行使指図が必要な「行使指図要任意型」、行使指図が必要な「行使指図要必須型」がある。プロセスタイプは、これらに限定されるものではない。
【0105】
・上記実施形態では、情報発信マスタ記憶部24には、発信先テーブル241、証券口座テーブル242が記録されている。発信先テーブル241には、情報配信を行なう発信条件に関するデータが記録される。この発信条件には、例えば、「発信要」、「残高なし時に発信停止」等の情報が記録される。発信条件は、これらに限定されるものではない。例えば、イベント情報の確度に応じて、発信の要否を判定するようにしてもよい。
【0106】
・上記実施形態では、カストディ支援サーバ20の制御部21は、スイフトシステム10を介して、イベント情報を顧客に配信する処理を実行する。この場合、情報の配信手段はスイフトシステム10に限定されるものではない。例えば、データ照会システムを設け、インターネットを介してアクセスした顧客に対して、ウェブ画面により配信するようにしてもよい。この場合には、カストディ支援サーバ20の制御部21は、アクセス時に、ユーザ認証を行なう。そして、制御部21は、ユーザ認証された顧客が保有する証券に関するイベント情報を検索する機能(顧客オンデマンド照会サービス)を提供する。
また、カストディ支援サーバ20の制御部21は、インターネットを介した電子メールにより情報配信を行なうようにしてもよい。この場合には、情報発信マスタ記憶部24に、発信先アドレスを記憶させておく。そして、イベント情報をサマリしたCSVファイルやPDFファイル等を添付したメールを配信する。