特許第6019178号(P6019178)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6019178
(24)【登録日】2016年10月7日
(45)【発行日】2016年11月2日
(54)【発明の名称】支持ユニット
(51)【国際特許分類】
   B65G 13/00 20060101AFI20161020BHJP
   B65G 39/02 20060101ALI20161020BHJP
【FI】
   B65G13/00 B
   B65G39/02 B
【請求項の数】5
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2015-121347(P2015-121347)
(22)【出願日】2015年6月16日
【審査請求日】2015年6月16日
(73)【特許権者】
【識別番号】391025039
【氏名又は名称】株式会社フリーベアコーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100074332
【弁理士】
【氏名又は名称】藤本 昇
(74)【代理人】
【識別番号】100114432
【弁理士】
【氏名又は名称】中谷 寛昭
(74)【代理人】
【識別番号】100138416
【弁理士】
【氏名又は名称】北田 明
(72)【発明者】
【氏名】古内 寛之
【審査官】 中田 誠二郎
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭61−083610(JP,U)
【文献】 登録実用新案第3159376(JP,U)
【文献】 実開昭62−015041(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 13/00
B65G 39/02
B65G 7/02−7/04
B65B 33/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被搬送物を載置可能な載置面を有し、該載置面に複数の貫通孔が形成された第一テーブルと、
該第一テーブルの下方に配置され、且つ複数の貫通孔のそれぞれに対応した位置に配置された転動体と、
第一テーブルの周囲に、第一テーブルの載置面に対して上下方向に出退可能に配置されたガードと、
第一テーブルの貫通孔から転動体が出退するように第一テーブルと転動体とを相対移動させるように構成され、且つ第一テーブルの載置面に対してガードを上下方向に出退させるように構成される昇降機構と、
該昇降機構に連結され、第一テーブルの複数の貫通孔から転動体がそれぞれ退避し、且つガードが第一テーブルの載置面から突出する基準位置と、第一テーブルの複数の貫通孔から転動体がそれぞれ突出し、且つガードが第一テーブルの載置面から退避する操作位置とに切り替える操作部とを備えることを特徴とする支持ユニット。
【請求項2】
前記ガードは2つあり、
前記昇降機構は、前記転動体が前記第一テーブルの貫通孔から退避しているとき、一方のガードが突出するとともに、他方のガードが退避する、又は、前記転動体が前記第一テーブルの貫通孔から退避しているとき、一方のガードが退避するとともに、他方のガードが突出する、もしくは、前記転動体が前記第一テーブルの貫通孔から突出しているとき、2つのガードが退避する、ように構成されることを特徴とする請求項1に記載の支持ユニット。
【請求項3】
前記ガードは複数あり、
前記操作部の切り替え操作によって複数のうちのいくつかのガードが同期して出退するように構成されることを特徴とする請求項1に記載の支持ユニット。
【請求項4】
前記ガードは、第一テーブルの周囲に対向する位置に一対配置され、
前記昇降機構は、昇降可能に配置された前記第一テーブルと、該第一テーブルの下方に配置されるとともに、前記複数の転動体が配置された第二テーブルと、一対のガード間に配置され、中立位置から一方のガード側、又は中立位置から他方のガード側に傾倒可能に支持される複数のカムと、該複数のカムと連動するように操作部の動きを一対のガードに伝達して一対のガードを個別に昇降させる伝達手段とを備え、
前記操作部は、複数のカムに連結され、
操作部が前記基準位置に位置するとき、カムが中立位置に位置し、第一テーブルが第二テーブルから離間するとともに、一対のガードが第一テーブルの載置面から突出し、
操作部が前記操作位置に位置するとき、カムが第一テーブルの一側に傾倒し、第一テーブルが第二テーブルに接近するとともに、一対のガードのうち一方のガードが第一テーブルの載置面から退避する、又は、操作部が前記操作位置に位置するとき、カムが第一テーブルの他側に傾倒し、第一テーブルが第二テーブルに接近するとともに、一対のガードのうち他方のガードが第一テーブルの載置面から退避することを特徴とする請求項1に記載の支持ユニット。
【請求項5】
前記ガードは、第一テーブルの周囲に複数配置され、
前記昇降機構は、前記第一テーブルの下方に昇降可能に配置されるとともに、前記複数の転動体が配置された第二テーブルと、回動可能に支持され、第二テーブルを昇降させる複数の第一レバーと、回動可能に支持され、第二テーブルが第一テーブルから離間した低位置にあるとき、ガードを第一テーブルの載置面から突出した高位置で支持する支持部と、第二テーブルが第一テーブルに接近した高位置にあるとき、ガードを第一テーブルの載置面から退避した低位置で受ける受部とを有する複数の第二レバーとを備え、
前記操作部は、第一レバーに連結され、前記基準位置から前記操作位置に傾倒可能に支持され、
操作部が前記基準位置に位置するとき、第一レバーが一方側に位置し、第一テーブルから離間した第二テーブルが第二レバーの受部で受けられるとともに、第一テーブルの載置面から突出した複数のガードが第二レバーの支持部によって支持される一方、
操作部が前記操作位置に位置するとき、第一レバーが他方側に位置し、第一テーブルに接近した第二テーブルが第一レバーで支持されるとともに、第一テーブルの載置面から退避した複数のガードが第二レバーの受部によって受けられることを特徴とする請求項1に記載の支持ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の転動体(ローラや球体)によって被搬送物を支持する支持ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
この種の支持ユニットとして、図23に示すように、台車Bに取り付けられて使用されるものがある。該支持ユニット100は、例えば、図24及び図25に示すように、被搬送物Aを載置可能な載置面102を有し、該載置面102に複数の貫通孔103が形成された第一テーブル101と、該第一テーブル101の下方に配置され、且つ複数の貫通孔103のそれぞれに対応した位置に配置された複数の転動体105と、第一テーブル101の貫通孔103から転動体105が出退するように第一テーブル101と転動体105とを相対移動させるように構成される昇降機構106と、該昇降機構106に連結され、第一テーブル101の複数の貫通孔103から転動体105がそれぞれ退避する基準位置Sと、第一テーブル101の複数の貫通孔103から転動体105がそれぞれ突出する操作位置S1とに切り替える操作部110とを備える(特許文献1参照)。なお、複数の転動体105は、第二テーブル104に形成された凹部に配置されるとともに、回転可能に支持される。
【0003】
昇降機構106は、第二テーブル104の下面に形成された傾斜部104aと、第一テーブル101の長手方向に対して直交方向に配置され、第二テーブル104を第一テーブル101から離間した位置で支持する大径の第一のローラ107と、第一テーブル101の長手方向に対して直交方向に、且つ第一のローラ107の前方に配置され、第二テーブル104の傾斜部104aを押し上げて第一テーブル101に接近させるための小径の第二のローラ108と、第一のローラ107及び第二のローラ108を第一テーブル101の長手方向に移動させるためのスライド部材109とを備える。
【0004】
操作部110は、スライド部材109を第一テーブル101の長手方向に移動させる操作レバー111を備える。
【0005】
かかる構成の支持ユニットの使用態様について説明する。まず、台車Bに被搬送物Aを載置する場合は、停止した台車Bの荷台B1に支持ユニット100を載置して固定する。
【0006】
この状態において、支持ユニット100の操作レバー111は、斜め上向きの位置にある。一方、第二テーブル104は第一のローラ107によって第一テーブル101から離間した低位置で支持されるとともに、複数の転動体105は、第一テーブル101の載置面102より下方に位置した状態にある。
【0007】
そして、被搬送物Aを第一テーブル101に載置すると、被搬送物Aと第一テーブル101の載置面102とが面接触した状態(第一テーブル101の載置面102に対する被搬送物Aの摩擦抵抗が大きい状態)であることから、被搬送物Aを安定よく支持できる。したがって、被搬送物Aを載置した状態で台車Bを移動させても、被搬送物Aが第一テーブル101から落下することがない。
【0008】
つぎに、被搬送物Aを台車Bから降ろしたり、他の被搬送物Aに載せ替えたりする場合は、操作レバー111を斜め上向きの位置から斜め下向きの位置まで押し下げる。これにより、スライド部材109によって第一のローラ107から第二のローラ108に移行し、第二テーブル104の傾斜部104aを第二のローラ108が摺動することによって、第二テーブル104が押し上げられ、第一テーブル101に接近し高位置で支持される。その結果、回転可能に支持された第二テーブル104の転動体105の一部が第一テーブル101の載置面102よりも上方に突出する。
【0009】
これにより、被搬送物Aは、第二テーブル104の複数の転動体105によって持ち上げられて、第一テーブル101の載置面102から離間する。すなわち、被搬送物Aは第二テーブル104の複数の転動体105によって点支持される。これにより、被搬送物Aは、比較的小さな力を加えることで容易に移動可能な状態にある。したがって、被搬送物Aを台車Bから降ろしたり、被搬送物Aを台車Bから他の被搬送物Aに載せ替えたりするのが容易に行える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2015−67373号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
ところで、前記支持ユニット100では、第一テーブル101の貫通孔103から転動体105が退避した状態において、第一テーブル101の載置面102に被搬送物Aが載置された状態では、被搬送物Aの移動を規制する手段がないため、被搬送物Aに対して外部から力が加わると、被搬送物Aが第一テーブル101から落下して損傷するという問題がある。また、この問題を解消すべく、第一テーブル101の周囲に落下防止用の部材を配置すると、第一テーブル101から被搬送物Aを持ち運ぶのが困難になるという問題がある。
【0012】
そこで、本発明は、転動体が退避した状態のテーブルに載置された被搬送物に対する落下防止を確保しつつ、転動体によって支持された被搬送物に対してはテーブルから容易に移動できる支持ユニットを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明に係る支持ユニットは、被搬送物を載置可能な載置面を有し、該載置面に複数の貫通孔が形成された第一テーブルと、該第一テーブルの下方に配置され、且つ複数の貫通孔のそれぞれに対応した位置に配置された転動体と、第一テーブルの周囲に、第一テーブルの載置面に対して上下方向に出退可能に配置されたガードと、第一テーブルの貫通孔から転動体が出退するように第一テーブルと転動体とを相対移動させるように構成され、且つ第一テーブルの載置面に対してガードを上下方向に出退させるように構成される昇降機構と、該昇降機構に連結され、第一テーブルの複数の貫通孔から転動体がそれぞれ退避し、且つガードが第一テーブルの載置面から突出する基準位置と、第一テーブルの複数の貫通孔から転動体がそれぞれ突出し、且つガードが第一テーブルの載置面から退避する操作位置とに切り替える操作部とを備えることを特徴とする。
【0014】
かかる構成によれば、基準位置では、第一テーブルの複数の貫通孔から転動体がそれぞれ退避されるため、第一テーブルの載置面と被搬送物とが面接触することになり、第一テーブルの載置面に被搬送物を安定した状態で載置することができる。このとき、第一テーブルの載置面からガードが突出するため、第一テーブルの載置面に載置された被搬送物に対して外部から力が作用して、被搬送物が載置面を移動したとしても、載置面から外部への移動がガードによって阻止されるため、該ガイド板によって載置面から被搬送物が落下するのを防止できる。
【0015】
また、操作位置では、第一テーブルの複数の貫通孔から転動体がそれぞれ突出されるとともに、ガードが第一テーブルの載置面から退避されるため、被搬送物が複数の転動体によって支持されるようになり、ガードが退避した第一テーブルの載置面から被搬送物を取り出せたり、載せ替えたりすることができる。
【0016】
また、本発明の一態様として、前記ガードは2つあり、前記昇降機構は、前記転動体が前記第一テーブルの貫通孔から退避しているとき、一方のガードが突出するとともに、他方のガードが退避する、又は、前記転動体が前記第一テーブルの貫通孔から退避しているとき、一方のガードが退避するとともに、他方のガードが突出する、もしくは、前記転動体が前記第一テーブルの貫通孔から突出しているとき、2つのガードが退避する、ように構成することが好ましい。
【0017】
かかる構成によれば、転動体が第一テーブルの貫通孔から退避しているとき、一方のガードが突出するとともに、他方のガードが退避する、又は、転動体が第一テーブルの貫通孔から退避しているとき、一方のガードが退避するとともに、他方のガードが突出する、もしくは、転動体が第一テーブルの貫通孔から突出しているとき、両方のガードが退避するため、用途に応じて使い分けできて、使い勝手がよい。
【0018】
また、本発明の一態様として、前記ガードは複数あり、前記操作部の切り替え操作によって複数のうちのいくつかのガードが同期して出退するように構成されることが好ましい。
【0019】
かかる構成によれば、操作部の操作によって、いくつかのガードを同期して出退できるから使い勝手がよい。
【0020】
本発明の他態様として、前記ガードは、第一テーブルの周囲に対向する位置に一対配置され、前記昇降機構は、昇降可能に配置された前記第一テーブルと、該第一テーブルの下方に配置されるとともに、前記複数の転動体が配置された第二テーブルと、一対のガード間に配置され、中立位置から一方のガード側、又は中立位置から他方のガード側に傾倒可能に支持される複数のカムと、該複数のカムと連動するように操作部の動きを一対のガードに伝達して一対のガードを個別に昇降させる伝達手段とを備え、前記操作部は、複数のカムに連結され、操作部が前記基準位置に位置するとき、カムが中立位置に位置し、第一テーブルが第二テーブルから離間するとともに、一対のガードが第一テーブルの載置面から突出し、操作部が前記操作位置に位置するとき、カムが第一テーブルの一側に傾倒し、第一テーブルが第二テーブルに接近するとともに、一対のガードのうち一方のガードが第一テーブルの載置面から退避する、又は、操作部が前記操作位置に位置するとき、カムが第一テーブルの他側に傾倒し、第一テーブルが第二テーブルに接近するとともに、一対のガードのうち他方のガードが第一テーブルの載置面から退避するようにしてもよい。
【0021】
かかる構成によれば、操作部が前記基準位置に位置するとき、第一テーブルの複数の貫通孔から第二テーブルの転動体がそれぞれ退避されるため、第一テーブルの載置面と被搬送物とが面接触することになり、第一テーブルの載置面に被搬送物を安定した状態で搬送することができる。一方、操作部が前記基準位置に位置するとき、第一テーブルの載置面からガードが突出するため、第一テーブルの載置面に載置された被搬送物に対して外部から力が作用して、被搬送物が載置面を移動したとしても、載置面から外部への移動がガードによって阻止されるため、載置面から被搬送物が落下することがない。
【0022】
また、操作部が前記操作位置に位置するとき、第一テーブルの複数の貫通孔から転動体がそれぞれ突出するため、被搬送物が複数の転動体によって支持されることになる。また、操作部が前記操作位置に位置するとき、カムが第一テーブルの一側に傾倒し、一対のガードのうち一方のガードが第一テーブルの載置面から退避する、又は、操作部が前記操作位置に位置するとき、カムが第一テーブルの他側に傾倒し、一対のガードのうち他方のガードが第一テーブルの載置面から退避するようにしたため、被搬送物を取り出したい位置のガードを操作部によって操作することで、所望の位置から被搬送物を取り出したり、載せ替えたりすることができる。
【0023】
本発明の他態様として、前記ガードは、第一テーブルの周囲に複数配置され、前記昇降機構は、前記第一テーブルの下方に昇降可能に配置されるとともに、前記複数の転動体が配置された第二テーブルと、回動可能に支持され、第二テーブルを昇降させる複数の第一レバーと、回動可能に支持され、第二テーブルが第一テーブルから離間した低位置にあるとき、ガードを第一テーブルの載置面から突出した高位置で支持する支持部と、第二テーブルが第一テーブルに接近した高位置にあるとき、ガードを第一テーブルの載置面から退避した低位置で受ける受部とを有する複数の第二レバーとを備え、前記操作部は、第一レバーに連結され、前記基準位置から前記操作位置に傾倒可能に支持され、操作部が前記基準位置に位置するとき、第一レバーが一方側に位置し、第一テーブルから離間した第二テーブルが第二レバーの受部で受けられるとともに、第一テーブルの載置面から突出した複数のガードが第二レバーの支持部によって支持される一方、操作部が前記操作位置に位置するとき、第一レバーが他方側に位置し、第一テーブルに接近した第二テーブルが第一レバーで支持されるとともに、第一テーブルの載置面から退避した複数のガードが第二レバーの受部によって受けられるようにしてもよい。
【0024】
かかる構成によれば、操作部が前記基準位置に位置するとき、第一テーブルの複数の貫通孔から第二テーブルの転動体がそれぞれ退避されるため、第一テーブルの載置面と被搬送物とが面接触することになり、第一テーブルの載置面に被搬送物を安定した状態で搬送することができる。一方、操作部が前記基準位置に位置するとき、第一テーブルの載置面からガードが突出するため、第一テーブルの載置面に載置された被搬送物に対して外部から力が作用して、被搬送物が載置面を移動したとしても、載置面から外部への移動がガードによって阻止されるため、載置面から被搬送物が落下することがない。
【0025】
また、操作部が前記操作位置に位置するとき、第二テーブルが第一テーブルに接近した高位置にあり、第一レバーが第二テーブルを支持するとともに、第二レバーの受部が、第一テーブルの載置面から退避した低位置のガードを受ける。このため、ガードが低位置にあることで、第一テーブルの周囲が開放され、第一テーブルの周囲から被搬送物を容易に取り出したり、載せ替えたりすることができる。
【発明の効果】
【0026】
以上のように、本発明は、転動体が退避した状態のテーブルに載置された被搬送物に対する落下防止を確保しつつ、転動体によって支持された被搬送物に対してはテーブルから容易に移動できるという優れた効果を奏し得る。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1図1は、本発明の第一実施形態に係る支持ユニットの斜視図であり、転動体が第一テーブルの貫通孔から退避し、左右のガードが第一テーブルの載置面に対して突出した状態を示す斜視図である。
図2図2は、第一テーブルを除去した図であり、第二テーブルの切欠きからカムが突出した状態(転動体が第一テーブルの貫通孔から退避した状態)を示す斜視図である。
図3図3は、第一テーブル及び第二テーブルを除去して昇降機構を示した斜視図である。
図4図4は、昇降機構の一部の分解斜視図である。
図5図5は、操作部と昇降機構との連結部を示す拡大斜視図である。
図6図6は、図1のA―A線矢視断面図であり、第一テーブルの載置面から突出したガードを昇降機構により支持している状態を示す図である。
図7図7は、操作レバーを基準位置から操作位置に操作した状態を示す斜視図である。
図8図8は、操作位置における、転動体及びガードのそれぞれの位置関係を示す斜視図であり、第二テーブルの切欠きからカムが退避した状態(転動体が第一テーブルの貫通孔から突出した状態)を示す斜視図である。
図9図9は、図7のB−B線矢視断面図であり、操作位置における、第一テーブルに対する転動体と、第一テーブルの載置面に対するガードとのそれぞれの位置関係を示す図である。
図10図10は、第二実施形態に係る支持ユニットの斜視図である。
図11図11は、第一テーブルの載置面から突出した高位置にあるガードと、該ガードを支持する第二レバーの支持部とを示す断面図である。
図12図12は、第一テーブルから離間した低位置にある第二テーブルと、該第二テーブルを受ける第二レバーの受部を示す断面図である。
図13図13は、第一テーブルの貫通孔から転動体が退避した状態を示す図である。
図14図14は、操作レバーと第一レバーとを示す断面図である。
図15図15は、前側のガードを支持する第二レバーを示す断面図である。
図16図16は、第一テーブルに対して第二テーブルが接近するとともに、左右のガード、及び前側のガードが第一テーブルの載置面から退避した状態を示す斜視図である。
図17図17は、第一テーブルに接近した高位置にある第二テーブルと、該第二テーブルを受ける第二レバーとを示す断面図である。
図18図18は、操作レバーを基準位置から操作位置に回動した状態を示す断面図である。
図19図19は、前側のガードが第一テーブルの載置面から退避した状態を示す断面図である。
図20図20は、本発明の第三実施形態に係る支持ユニットの斜視図である。
図21図21は、第一テーブルの貫通孔に対して転動体が退避するとともに、ガードが第一テーブルの載置面から突出した状態を示す拡大断面図である。
図22図22は、第一テーブルの貫通孔に対して転動体が突出するとともに、ガードが第一テーブルの載置面から退避した状態を示す拡大断面図である。
図23図23は、台車に取り付けられた従来の支持ユニットの図である。
図24図24は、従来の支持ユニットを示す斜視図である。
図25図25は、第一テーブルの貫通孔に対して転動体を昇降させる昇降機構を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
(第一実施形態)
以下、本発明の実施形態に係る支持ユニットについて、添付図面を参照しつつ説明する。
【0029】
まず、第一実施形態に係る支持ユニットについて図1図5を参照して説明する。該支持ユニット1は、被搬送物Aを載置可能な載置面2aを有し、該載置面2aに複数の貫通孔20が形成された第一テーブル2と、該第一テーブル2の下方に配置され、且つ複数の貫通孔20のそれぞれに対応した位置に配置された転動体30と、第一テーブル2の周囲に、第一テーブル2の載置面2aに対して上下方向に出退可能に配置されたガード4と、第一テーブル2の貫通孔20から転動体30が出退するように第一テーブル2と転動体30とを相対移動させるように構成され、且つ第一テーブル2の載置面2aに対してガード4が上下方向に出退可能に構成される昇降機構5と、該昇降機構5に連結された操作部6とを備える。
【0030】
第一テーブル2は、本実施形態では平面視矩形状であり、マトリクス状に貫通孔20が形成される。該貫通孔20は、後述する転動体(球体)30を出退可能な直径を有する円形の孔である。
【0031】
転動体30としては、本実施形態では球体が使用される。また、複数の球体は、第二テーブル3に配置される。具体的に、該第二テーブル3には、複数の凹部が形成され、該複数の凹部内に複数の小球が回転可能に配置される。該複数の小球によって球体が回転可能に支持される(図示せず)。
【0032】
また、第二テーブル3には、所定の間隔をおいて複数の切欠き31が形成される。この切欠き31には、後述する昇降機構5のカム50が移動可能に遊挿される。
【0033】
ガード4は、第一テーブル2の周囲(前後左右)にそれぞれ配置されるが、第一テーブル2の対向する位置(第一テーブル2の左側及び右側)に一対配置されたガード4のみが昇降する。
【0034】
昇降機構5は、基準位置(中立位置)Sから一方のガード側、又は基準位置から他方のガード側に傾倒可能に支持される複数のカム50と、該複数のカム50と一対のガード4とがそれぞれ連結され、複数のカム50の動きを一対のガード4,4に伝達して一対のガード4,4を個別に昇降させる伝達手段51とを備える。
【0035】
カム50は、後述する伝達手段51の一対のロッド514,514のそれぞれに所定の間隔をおいて配置される。また、カム50は、一対の連結板55,55の先端部に挟まれて円弧運動するようになっている。一対の連結板55,55は、固定ガイド体512の一対の側壁に貫設された軸56によって基端部が回動可能に支持される。
【0036】
伝達手段51は、一方向に延びる基板510と、該基板510の中央部に、基板510の延びる方向に配置されるとともに、該延びる方向に対して直交方向に移動可能な可動連結体511と、可動連結体511の延びる方向に対して直交方向に所定の間隔をおいて配置された複数の固定ガイド体512と、複数の固定ガイド体512のそれぞれに移動可能に配置されるとともに、可動連結体511に接続された複数の可動ガイド体513と、基板510の延びる方向に沿って配置されるとともに、可動ガイド体513の内部空間に配置されたカム50に固着された一対のロッド514,514と、操作レバー60の軸62に中央部が連結されて円弧運動し、且つ両側端部に一対のロッド514,514の端部が固着された移動体521とを備える。本実施形態において、基板510,可動連結体511は矩形状である。
【0037】
可動連結体511の両側縁部のそれぞれには、一対の係止片511a,511aが折り曲げて形成される。この一対の係止片511a,511aは、後述する可動連結体511の係止溝に係止する。これにより、複数の可動ガイド体513が可動連結体511によって連結されるとともに、一体的に円弧運動できるようになる。また、可動連結体511の中央部には、ガイド孔511bが第一テーブル2の幅方向に沿って形成される。
【0038】
固定ガイド体512は、幅広の樋形状を呈する。また、固定ガイド体512は、対向して配置された一対の側壁によって可動ガイド体513が移動するための空間が画定される。また、固定ガイド体512の一対の側壁の上縁部の両端部には、一対のロッド514,514が往復移動するための複数のロッド用ガイド溝515が形成される。また、一対の側壁の下縁部の中央部には、可動連結体511を移動させるための複数の連結体用ガイド溝516が形成される。また、可動連結体511の下側中央部において、隣り合う連結体用ガイド溝516,516の間に、可動連結体511の移動を規制する移動規制部517が形成される。該移動規制部517は、可動連結体511の中央部に形成されたガイド孔511bに遊挿され、可動連結体511に対して可動ガイド体513が幅方向の移動可能になる。
【0039】
可動ガイド体513は、幅狭の樋形状を呈する。また、可動ガイド体513は、対向して配置された一対の側壁の両端部には、一対のガード4,4を昇降させるための複数のガード用ガイド溝518が形成される。このガード用ガイド溝518は、カム50の円弧運動及び可動ガイド体513の円弧運動によって、一対のガード4,4が円弧状の軌跡を描いて昇降できるように円弧状に形成される。また、可動ガイド体513の下縁部の両側には、一対の切欠き513a,513aが形成されるとともに、一対の切欠き513a,513aの間には、可動連結体511の係止片511a,511aが係止可能な一対の係止溝513b,513bが形成される。
【0040】
また、可動ガイド体513の一対の側壁の両端部には、該両端部に対して昇降可能に配置されるとともに、一対のガード4,4のそれぞれに取り付けられた昇降板519,519が配置される。
【0041】
昇降板519は、ガード用ガイド溝518に移動可能に挿通され、昇降板519の外面に対して直交方向に固着されたピン520を有する。
【0042】
操作部6は、基準位置(直立した位置)Sから左側及び右側のいずれにも傾倒可能な操作レバー60と、該操作レバー60の回動をガイドする案内板61とを備える。該案内板61には、円弧状の案内溝61aが形成される。
【0043】
操作レバー60は、具体的には、第一テーブル2と第二テーブル3とが離間するとともに、第一テーブル2の複数の貫通孔20から第二テーブル3の転動体30がそれぞれ退避し、且つ一対のガード4,4が第一テーブル2の載置面2aから突出する基準位置Sと、第一テーブル2が第二テーブル3に接近するとともに、第一テーブル2の複数の貫通孔20から第二テーブル3の転動体30がそれぞれ突出し、且つ一対のガード4,4のうちの一方のガード4が第一テーブル2の載置面2aから退避する第一の操作位置S1と、第一テーブル2が第二テーブル3に接近するとともに、第一テーブル2の複数の貫通孔20から第二テーブル3の転動体30がそれぞれ突出し、且つ一対のガード4,4のうちの他方のガード4が第一テーブル2の載置面2aから退避する第二の操作位置S2とに切り替わる。
【0044】
つぎに第一実施形態に係る支持ユニットの使用態様について図1及び図2と、図6図9とを参照して説明する。まず、図1及び図6に示すように、操作部6が前記基準位置Sに位置した状態(操作レバー60が直立した状態)では、第二テーブル3は第一テーブル2から離間した低位置にあって、第一テーブル2の貫通孔20の下方に転動体30が位置し、一対のガード4,4が第一テーブル2の載置面2aよりも上方に突出した位置にある。
【0045】
そして、図2及び図6に示すように、第二テーブル3の切欠き31からカム50が突出し、一対の昇降板519,519のピン520,520が可動ガイド体513のガード用ガイド溝518の上昇位置から下降位置への切り替えポイントに位置した状態にある。
【0046】
また、基板510の中央に可動連結体511が位置し、固定ガイド体512の一対の切欠き515の一側のそれぞれに一対のロッド514が位置する。すなわち、可動ガイド体513及び操作レバー60が左右のいずれにも傾倒できる状態にある。
【0047】
つぎに、操作レバー60を第一の操作位置S1に位置させる(第一テーブル2を挟んだいずれか一方側に傾倒させる)と、一対のうちの一方のガード4が下降する。具体的には、操作レバー60の操作に応じて、可動連結体511を介して複数の可動ガイド体513が操作レバー60の傾倒方向に移動する。これに伴って、一対のロッド514,514が固定ガイド体512の切欠き515の一側から他側へ移動する。
【0048】
これにより、可動連結体511の回動軌跡に伴ってカム50が円弧移動する。したがって、カム50の周面が第一テーブル2の切欠き31から退避し、これにより、第一テーブル2は、第二テーブル3に接近することになる。その結果、第二テーブル3の転動体30の最大径部分が第一テーブル2の貫通孔20から突出する。
【0049】
一方、可動ガイド体513の移動により、一方の昇降板519(操作レバー60を傾倒した側の昇降板519)のピン520がガード用ガイド溝518の遊び部分を通過して上側の閉塞端部に移動し、他方の昇降板519のピン520がガード用ガイド溝518の切り替えポイントから下側の閉塞端部に移動する。これにより、操作レバー60の傾倒した側のガード4が第一テーブル2の載置面2aから退避した位置へ移動し、ガード4の上端部が第一テーブル2の載置面2aと同じ高さに位置する。この状態において、可動ガイド体513は固定ガイド体512によって移動する位置が規制される。具体的には、可動ガイド体513のピンが固定ガイド体512の切欠きの側壁に当接することで移動する位置が規制される。
【0050】
つぎに、操作レバー60を第二の操作位置に位置させる(第一テーブル2を挟んだいずれか他方側に傾倒させる)と、一対のうちの他方のガード4が下降し、第一テーブル2が第二テーブル3に接近し、第二テーブル3の転動体30の一部が第一テーブル2の貫通孔20から突出し、被搬送物Aを支持する。
【0051】
このように、前記第一実施形態に係る支持ユニットによれば、所望する位置にあるガード4をそれぞれ個別に昇降できるため、所望の位置から被搬送物Aを取り出したり、載せ替えたりすることができる。
【0052】
また、第一テーブル2の複数の貫通孔20から第二テーブル3の転動体30がそれぞれ退避されるとともに、少なくとも一つのガード4が第一テーブル2の載置面2aから突出されるため、第一テーブル2の載置面2aと被搬送物Aとが面接触することになり、第一テーブル2の載置面2aに被搬送物Aを安定した状態で搬送することができる。
【0053】
また、第一テーブル2の載置面2aから少なくとも一つのガード4が突出するため、第一テーブル2の載置面2aに載置された被搬送物Aに対して外部から力が作用して、被搬送物Aが載置面2aを移動したとしても、載置面2aから少なくとも一つのガード4が突出することで、載置面2aから外部への移動が少なくとも一つのガード4によって阻止されるため、載置面2aから被搬送物Aが落下することがない。
【0054】
また、第一テーブル2の複数の貫通孔20から第二テーブル3の転動体30がそれぞれ突出されるとともに、少なくとも一つのガード4が第一テーブル2の載置面2aから退避されるため、被搬送物Aが複数の転動体30によって支持されるようになり、ガード4が退避した第一テーブル2から被搬送物Aを取り出せたり、載せ替えたりすることができる。
【0055】
(第二実施形態)
つぎに第二実施形態に係る支持ユニット1Aについて図10図19を参照して説明する。これらの図において、図1と同一符号は同一もしくは相当するものを示し、以下、異なる点について説明する。
【0056】
支持ユニット1Aは、図10図15に示すように、基板510の側壁部には、後述する第二レバーの受部(ピン)711が遊挿されたガイド溝510aが形成される。
【0057】
第二テーブル3の一対の側壁部には、それぞれ切欠き31aが形成される。
【0058】
ガード4は、第一テーブル2の周囲に複数配置される。このガード4の下縁部には、後述する第二レバー71の支持部710が接離可能な第一凹部40と、第二レバー71の受部711が接離可能な第二凹部41とが形成される。本実施形態では、第一テーブル2の周囲に複数配置されるガードのうち、左右の一対のガード4,4、及び前側のガード4の全てが同期して昇降可能に構成される。
【0059】
昇降機構7は、第二テーブル3を昇降させるための複数の第一レバー70と、ガード4を昇降させるための第二レバー71とを備える。
【0060】
第一レバー70は、第一テーブル2の幅方向に複数配置される。また、第一レバー70の一端部は、スライダー72に回動可能に支持され、第一レバー70の他端部は、第二テーブル3の両側壁部に回動可能に支持される。なお、スライダー72は、図18に示す如く、複数のベアリング73によって基板510に対して幅方向に移動できるように、基板510に配置される。
【0061】
第二レバー71は、第一テーブル2の両側壁部のそれぞれに回転可能に支持される。また、第二レバー71は、左側の側壁、右側の側壁、及び前側の側壁のそれぞれに一対ずつ回動可能に支持される。また、第二レバー71は、第二テーブル3が第一テーブル2から離間した低位置にあるとき、ガード4を第一テーブル2の載置面2aから突出した高位置で支持する支持部710と、第二テーブル3が第一テーブル2に接近した高位置にあるとき、ガード4を第一テーブル2の載置面2aから退避した低位置で受ける受部711とを有する。本実施形態の場合、受部711は、第二レバー71の長手方向に対して直交方向に突設されるピンである。また、第二レバー71の回転中心から支持部710までの距離に対して、第二レバー71の回転中心から受部711までの距離は短い。また、第二レバー71の回転中心から支持部710を結ぶ直線と、第二レバー71の回転中心から受部711を結ぶ直線とのなす角度は、鈍角に設定される。
【0062】
操作部8は、複数の第一レバー70のうち、中央部の第一レバー70に基端部が取り付けられた操作レバー80を備える。該操作レバー80は、基準位置Sからいずれか一方の操作位置S1に傾倒可能に支持される。この操作位置S1において、左右の一対のガード4,4、及び前側のガード4の全てが同期して第一テーブル2の載置面2aから退避する。
【0063】
つぎに使用態様について図10図19を参照して説明する。まず、操作レバー80が基準位置Sにある状態(直立した状態)では、第二テーブル3は第一テーブル2から離間した低位置にあって、転動体30が第一テーブル2の貫通孔20よりも下方に位置した状態にあり、第一テーブル2を挟んだ両側のガード4,4及び前側のガード4のそれぞれが第一テーブル2の載置面2aよりも突出した位置にある。
【0064】
具体的には、第一テーブル2の左側の切欠き部の周壁部が左側の第二レバー71のピン711に当接し、第二テーブル3の右側の切欠き部の周壁部が右側の可動レバーのピンに当接し、第二テーブル3の前側の切欠き部の周壁部が前側の第二レバー71のピン711に当接し、第二テーブル3がそれぞれのピン711によって低位置で支持される。
【0065】
そして、それぞれのピン711が第二テーブル3の荷重によって押圧されるため、それぞれのピン711がガイド溝の下端側の閉塞端部に圧接し、左側の第二レバー、右側の第二レバー及び前側の第二レバーが斜め上向きの状態に保持される。これにより、左側の第二レバーの先端部、右側の第二レバーの先端部、前側の第二レバーの先端部によって、ガードの上端部が第一テーブルの載置面よりも高位置に押し上げられる。
【0066】
つぎに直立した状態の操作レバー80を一つの操作位置S1に傾倒させると、第二テーブル3が第一テーブル2に接近した高位置に移動し、転動体30の最大径部分が第一テーブル2の貫通孔20から上方に突出し、左側及び右側の一対のガード4,4と、前側のガード4との全てが同期して第一テーブル2の載置面2aから退避した位置に移動する。
【0067】
具体的には、操作レバー80の傾倒によって、第一レバー70が起立し、これに連動して第二テーブル3が上昇して第一テーブル2に接近する。これにより、転動体30の最大径部分が第一テーブル2の貫通孔20から突出する。その結果、被搬送物Aは、第一テーブル2の複数の貫通孔20から突出した転動体30の一部によって点支持される。
【0068】
また、第二テーブル3の上昇によって、それぞれの第二レバー71の受部(ピン)711がガイド溝510aの上端側の閉塞端部に移動して圧接し、それぞれの第二レバー71の受部(ピン)711によって第二テーブル3が高位置に保持される。すなわち、第二テーブル3が第一テーブル2に接近した状態になる。
【0069】
また、低位置に移動した左側及び右側の一対のガード4,4と、前側のガード4との荷重によって、左側の第二レバー71、右側の第二レバー71及び前側の第二レバー71のそれぞれが傾倒した状態に保持され、左側及び右側の一対のガード4,4の上端部と、前側のガード4の上端部とが、第一テーブル2の載置面2aと同一高さになる。すなわち、第一テーブル2の周囲が開放されることになる。したがって、被搬送物Aは、外部からの力によって左右の両側及び前側から容易に搬送可能な状態になる。
【0070】
このように、前記第二実施形態に係る支持ユニットによれば、操作レバー80が基準位置Sにあるとき、第二テーブル3が第一テーブル2から離間した低位置にあり、第二レバー71の受部711が第二テーブル3を支持するとともに、第二レバー71の支持部710がガード4を第一テーブル2の載置面2aから突出した位置で支持する。このため、第一テーブル2に載置した被搬送物Aの周囲を複数のガード4によって囲むことになり、被搬送物Aが安定した状態で搬送できるとともに、第一テーブル2から被搬送物Aが落下することがない。
【0071】
また、操作レバー80が操作位置S1にあるとき、第二テーブル3が第一テーブル2に接近した高位置にあり、第二レバー71の支持部710が第二テーブル3を支持するとともに、第一テーブル2の載置面2aから退避した複数のガード4を第二レバー71の受部711で受ける。このため、第一テーブル2の周囲(左側及び右側と前側)が開放されることになり、第一テーブル2の周囲から被搬送物Aを容易に取り出せる。
【0072】
(第三実施形態)
つぎに第三実施形態に係る支持ユニット1Bについて図20図22を参照して説明する。これらの図において、図1と同一符号は同一もしくは相当するものを示し、異なる点は、第一テーブル2の貫通孔20Bが矩形状で、第二テーブル3の転動体30Bがローラである点と、第一テーブル2に対して第二テーブル3を昇降させるピストン90を有する昇降機構9とを備え、複数のガード4のうち、台車を搬送する方向側にあるガード4Bのみが昇降するように構成されている点である。
【0073】
昇降機構9は、第二テーブル3の下方に昇降可能に設置されたピストン90と、第二テーブル3の下面に、該第二テーブル3の下面に対して直交方向に突設された押圧板91と、第二テーブル3の下方に配置され、一端部が回転可能に支持された可動レバー92とを備える。
【0074】
ガード4の背面には、可動レバー92の他端部に当接する当接体400が取り付けられる。
【0075】
つぎに使用態様について説明する。まず、図20の状態は、ガード4の上端部が第一テーブル2の載置面2aから突出し、第二テーブル3が第一テーブル2に対して離間した低位置にあり、転動体30が第一テーブル2の貫通孔20よりも下方に位置する状態にある。この状態において、第二テーブル3の押圧板91は可動レバー92の一端部に圧接し、該可動レバー92の一端部を押し下げ、可動レバー92の他端部を押し上げる。これにより、ガード4が当接体400を介して押し上げられて、ガード4の上端部が第一テーブル2の載置面2aよりも突出した状態にある。
【0076】
つぎに、ピストン90が上昇されると、第二テーブル3が押し上げられ、転動体30の最大径部分が第一テーブル2の貫通孔20から突出し、ガード4の上端部が第一テーブル2の載置面2aと同じ高さに位置するようになる。この状態は、被搬送物Aを第一テーブル2の載置面2aから移動可能な状態である。具体的には、押圧板91による可動レバー92に対する圧接が解除されるにつれて、ガード4が自己の荷重によって、第一テーブル2の載置面2aから退避することになる。ガード4の退避に伴って、可動レバー92の一端部が第二テーブル3の押圧板91に当接しつつ、可動レバー92の他端部がガード4の当接体400に当接した状態で、可動レバー92が水平位置に位置する。
【0077】
このように、前記第三実施形態に係る支持ユニットによれば、第二テーブル3が第一テーブル2から離間した低位置にあるとき、第二テーブル3の転動体30が第一テーブル2の貫通孔20から退避し、被搬送物Aが第一テーブル2の載置面2aに安定した状態で載置される。一方、可動レバー92の一端部が第二テーブル3の押圧板91により押圧されるとともに、可動レバー92の他端部によってガード4の当接体400が押し上げられるため、第一テーブル2に載置した被搬送物Aの周囲を複数のガード4によって囲むことになり、第一テーブル2から被搬送物Aが落下することがない。
【0078】
また、第二テーブル3が第一テーブル2に接近した高位置にあるとき、第二テーブル3の転動体30が第一テーブル2の貫通孔20から突出し、被搬送物Aが第二テーブル3の転動体30のよって支持される。一方、可動レバー92の一端部が第二テーブル3の押圧板91による押圧が解除されるとともに、可動レバー92の他端部によるガード4の当接体400の押し上げも解除されるため、第一テーブル2の周囲から複数のガード4が退避するようになり、第一テーブル2の周囲が開放され、第一テーブル2の周囲から被搬送物Aを容易に取り出せる。
【0079】
なお、本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、適宜変更を加え得ることは勿論のことである。
【0080】
例えば、前記第一実施形態において、一対のガード4,4を個別に出退するようにしたが、一対のガード4,4を同時に出退するようにしてもよい。また、転動体30が第一テーブル2の貫通孔20から退避しているとき、一方のガード4が突出するとともに、他方のガード4が退避する、又は、転動体30が第一テーブル2の貫通孔20から退避しているとき、一方のガード4が退避するとともに、他方のガード4が突出するようにしてもよい。
【0081】
また、前記第二実施形態において、第二レバー71の受部711としてピンを使用したが、第二テーブル3にピンを配置してもよい。要は、第二レバー71の受部711で第二テーブル3の荷重を受けられる構成であればよい。
【0082】
また、前記第二実施形態において、第一テーブル2の左右の両側と前側に個別に配置するようにしたが、一体化して配置するようにしてもよい。
【0083】
また、前記第一〜第三実施形態の場合、第一テーブル2の形状を矩形状としたが、円形、楕円形、半円形、四角形を除く多角形であってもよい。この場合、第一テーブル2の形状に応じてガード4を適宜配置する。
【0084】
また、前記第一実施形態の場合、第二テーブル3に対し第一テーブル2を接近及び離間させるようにしたが、第一テーブル2に対し第二テーブル3を接近及び離間させるようにしてもよい。また、前記第二、第三実施形態の場合、第一テーブル2に対し第二テーブル3を接近及び離間させるようにしたが、第二テーブル3に対し第一テーブル2を接近及び離間させるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0085】
1,1A,1B…支持ユニット、2…第一テーブル、3…第二テーブル、4…ガード、5,7…昇降機構、6,8,9…操作部、20…貫通孔、30…転動体、50…カム、51…伝達手段、60,80…操作レバー、70…第一レバー、71…第二レバー、511…可動連結体、512…固定ガイド体、513…可動ガイド体、514…ロッド、710…支持部、711…受部、A…被搬送物、B…台車、S…基準位置、S1…操作位置、S2…操作位置
【要約】
【課題】本発明は、転動体が退避した状態のテーブルに載置された被搬送物に対する落下防止を確保しつつ、転動体によって支持された被搬送物に対してはテーブルから容易に移動できる支持ユニットを提供する。
【解決手段】本発明の支持ユニットは、被搬送物を載置可能な載置面を有し、載置面に複数の貫通孔が形成された第一テーブルと、第一テーブルの下方に配置され、且つ複数の貫通孔のそれぞれに対応した位置に配置された転動体と、第一テーブルの周囲に、第一テーブルの載置面に対して上下方向に出退可能に配置されたガードと、第一テーブルの貫通孔から転動体が出退するように第一テーブルと転動体とを相対移動させるように構成され、且つ第一テーブルの載置面に対してガードを上下方向に出退させるように構成される昇降機構と、昇降機構に連結される操作部とを備える。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図7
図8
図10
図11
図12
図14
図15
図16
図18
図19
図20
図21
図22
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図25
図6
図9
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図17